JP2022071862A - 粘着テープ - Google Patents

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JP2022071862A JP2021175513A JP2021175513A JP2022071862A JP 2022071862 A JP2022071862 A JP 2022071862A JP 2021175513 A JP2021175513 A JP 2021175513A JP 2021175513 A JP2021175513 A JP 2021175513A JP 2022071862 A JP2022071862 A JP 2022071862A
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妃那 吉田
Hina Yoshida
泰志 石堂
Yasushi ISHIDO
誠 福山
Makoto Fukuyama
明史 堀尾
Akifumi Horio
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Abstract

【課題】細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくく、防水性に優れた粘着テープを提供する。【解決手段】発泡体基材と、前記発泡体基材の両側に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材は、独立気泡構造を有し、前記発泡体基材は、ビニル芳香族モノマーに由来する構造を含有するハードブロックと、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造を含有するソフトブロックとを有するブロック共重合体を含有し、前記ブロック共重合体は、前記ハードブロックのガラス転移温度Tgが50℃以上、前記ソフトブロックのガラス転移温度Tgが-60℃以上、10℃以下であり、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造を含有する粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関する。
携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistants、PDA)、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ等の携帯電子機器においては、組み立てのために粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1、2)。また、車載用パネル等の車載用電子機器部品を車両本体に固定する用途にも粘着テープが用いられている。
特開2009-242541号公報 特開2009-258274号公報
携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の固定に用いられる粘着テープには、高い粘着力が求められるとともに衝撃によっても剥離しない耐衝撃性が求められる。一方、近年の携帯電子機器、車載用電子機器等は、高機能化に伴って形状がより複雑化する傾向にあるため、段差、角、非平面部等に粘着テープを貼り付けて用いることがある。このような場合、粘着テープには被着体の形状に追従できる優れた柔軟性が要求され、更に、被着体の形状に追従することによって電子機器の内部に水分が浸入することを防ぐ優れた防水性も要求される。
柔軟性に優れた粘着テープとして、例えば、ポリオレフィン樹脂等を発泡させた発泡体基材を用いた粘着テープが知られている。しかしながら、近年、電子機器においては、表示ディスプレイの外枠(額縁)の幅を狭くする、いわゆる狭額縁化が進んでおり、このような狭い領域に用いられる粘着テープは、従来以上に幅が細くなっている。発泡体基材を用いた粘着テープは、細幅で用いられる場合、衝撃、特に落下等の高速での衝撃を受けた際に面方向に変形しやすく、粘着テープが剥離したり被着体の破損が生じたりするという問題がある。
本発明は、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくく、防水性に優れた粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、発泡体基材と、上記発泡体基材の両側に粘着剤層を有する粘着テープであって、上記発泡体基材は、独立気泡構造を有し、上記発泡体基材は、ビニル芳香族モノマーに由来する構造を含有するハードブロックと、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造を含有するソフトブロックとを有するブロック共重合体を含有し、上記ブロック共重合体は、上記ハードブロックのガラス転移温度Tgが50℃以上、上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgが-60℃以上、10℃以下であり、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造を含有する粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、発泡体基材と、該発泡体基材の両側に粘着剤層を有する粘着テープにおいて、独立気泡構造を有し、ハードブロックとソフトブロックとを有する特定のブロック共重合体を含有する発泡体基材を用いることを検討した。本発明者らは、このような発泡体基材を用いることにより、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくく、防水性に優れた粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着テープは、発泡体基材と、上記発泡体基材の両側に粘着剤層を有する。
上記発泡体基材を有することにより、本発明の粘着テープは、優れた柔軟性を有することができ、また、被着体の形状に追従することによって電子機器の内部に水分が浸入することを防ぎ、優れた防水性を有することができる。上記発泡体基材は、単層構造であっても多層構造であってもよい。
なお、発泡体基材と、上記発泡体基材の両側に粘着剤層を有する、本発明の粘着テープの構成は、発泡体基材の両表面上に粘着剤層が積層されている構成でもよく、発泡体基材と粘着剤層との間に、粘着剤層以外の層が積層されている構成でもよい。上記粘着剤層以外の層としては、例えば、樹脂層等が挙げられる。上記発泡体基材の両側の粘着剤層はそれぞれ同じ組成及び物性を有していてもよいし、異なる組成及び物性を有していてもよい。
上記発泡体基材は、独立気泡構造を有する。
上記発泡体基材が連続気泡構造ではなく上記独立気泡構造を有することにより、上記発泡体基材の内部に水分が浸入しにくくなるため、本発明の粘着テープは、優れた防水性を有することができる。
なお、発泡体基材が独立気泡構造を有することは、次の方法により確認することができる。まず、発泡体基材を50mm四方にカットし、液体窒素に1分間浸した後、カミソリ刃を用いて発泡体基材の厚み方向に対して垂直な面で切断する。次いで、デジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、「VHX-900」等)を用いて、200倍の倍率で切断面の拡大写真を撮影する。拡大写真において、一つ一つの気泡が他の気泡と繋がっていない構造であれば、発泡体基材が独立気泡構造を有すると判断でき、隣接する気泡同士が結合している部分が複数確認されれば、発泡体基材が連続気泡構造を有すると判断できる。
上記発泡体基材は、ビニル芳香族モノマーに由来する構造を含有するハードブロックと、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造を含有するソフトブロックとを有するブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」ともいう)を含有する。
上記発泡体基材が上記ブロック共重合体を含有することにより、本発明の粘着テープは、硬さと柔軟性とのバランスに優れ、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくくなり(即ち、耐変形性が高くなり)、優れた防水性を有することができる。また、細幅で用いられる場合であっても、加工性に優れる。なお、低温における耐変形性は、高速で衝撃を受けた際の耐変形性と対応しており(時間温度換算則)、低温における耐変形性を調べることで、高速で衝撃を受けた際の耐変形性を知ることができる。
上記ブロック共重合体は、剛直な構造である上記ハードブロックと、柔軟な構造である上記ソフトブロックとを有する共重合体である。
上記ブロック共重合体は、2つのブロックが相溶し難く、上記ソフトブロックの海の中に上記ハードブロックが凝集してできた島が点在する不均一な相分離構造をとることがある。そして、上記島が疑似架橋点となることで、上記ブロック共重合体にゴム弾性を付与できることから、本発明の粘着テープは、硬さと柔軟性とのバランスに優れ、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくくなり、優れた防水性を有することができる。上記ハードブロックに後述するような架橋性官能基を導入することで、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上する。
上記ビニル芳香族モノマーとしては例えば、スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルエチレン、1-エチル2-ビニルベンゼン、1-エチル3-ビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。これらのビニル芳香族モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、粘着テープがより硬くなり、低温においてより変形しにくくなることから、スチレンが好ましい。なお、本明細書においてビニル芳香族モノマーに由来する構造とは、下記一般式(1)及び(2)に示すような構造のことを指す。
Figure 2022071862000001
一般式(1)及び(2)中、Rは芳香環を有する置換基を表す。芳香環を有する置換基Rとしては、フェニル基、メチルフェニル基、クロロフェニル基等が挙げられる。
上記ブロック共重合体中、上記ビニル芳香族モノマーに由来する構造の含有量は特に限定されないが、1重量%以上、30重量%以下であることが好ましい。上記ビニル芳香族モノマーに由来する構造の含有量が上記範囲であることで、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上する。上記ビニル芳香族モノマーに由来する構造の含有量のより好ましい下限は1.5重量%、更に好ましい下限は2重量%、特に好ましい下限は2.5重量%、より好ましい上限は25重量%、更に好ましい上限は19重量%、特に好ましい上限は16重量%、とりわけ好ましい上限は8重量%である。
上記ブロック共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造を含有する。
上記ブロック共重合体が架橋性官能基を有すると、架橋によって該共重合体のゴム弾性が高まることから、本発明の粘着テープは、硬さと柔軟性とのバランスに優れ、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくくなり、優れた防水性を有することができる。また、細幅で用いられる場合であっても、加工性に優れる。上記架橋性官能基は架橋されていても架橋されていなくてもよいが、架橋されていることがより好ましい。ただし、架橋されていない構造のままであったとしても、官能基間の相互作用により上記ハードブロック又は上記ソフトブロック(特に、上記ハードブロック)内の凝集力が向上して、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上する。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造は、上記ブロック共重合体の上記ハードブロック又は上記ソフトブロックのいずれに含まれていてもよいが、上記ハードブロックに含まれていることが好ましい。なお、本明細書において架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造とは、下記一般式(3)及び(4)に示すような構造のことを指す。
Figure 2022071862000002
一般式(3)及び(4)中、Rは少なくとも1つの官能基を含む置換基を表す。官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、二重結合、三重結合、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なお、少なくとも1つの官能基を含む置換基Rは、その構成要素として、アルキル基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カーボネート基、アミド基、ウレタン基等を含んでいてもよい。
上記架橋性官能基を有するモノマーは特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、二重結合含有モノマー、三重結合含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー等が挙げられる。これらの架橋性官能基を有するモノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上することから、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、二重結合含有モノマー、三重結合含有モノマー及びアミド基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。上記水酸基含有モノマーとしては、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記二重結合含有モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記三重結合含有モノマーとしては、プロパルギル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なかでも、粘着テープが低温において更に変形しにくくなり、かつ、防水性が更に向上することから、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマーが好ましい。更に、カルボキシル基を含む(メタ)アクリル酸系モノマー、水酸基を含む(メタ)アクリル酸系モノマーがより好ましく、(メタ)アクリル酸、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
上記ブロック共重合体中、上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造の含有量は特に限定されないが、0.1重量%以上、30重量%以下であることが好ましい。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造の含有量が上記範囲であることで、粘着テープが低温において更に変形しにくくなり、かつ、防水性が更に向上する。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造の含有量のより好ましい下限は0.5重量%、更に好ましい下限は1重量%、より好ましい上限は25重量%、更に好ましい上限は20重量%である。
上記(メタ)アクリル系モノマーは、単一のものであってもよいし、複数のモノマーを用いてもよい。なお、本明細書において(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造とは、下記一般式(5)及び(6)に示すような構造のことを指す。
Figure 2022071862000003
一般式(5)及び(6)中、Rは側鎖を表す。側鎖Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルへキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ラウリル基、イソステアリル基等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上することから、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレートが好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルへキシルアクリレートが更に好ましい。
また、上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーを用いることが好ましい。上記側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーを用いると、得られる共重合体鎖同士の絡み合いが増加し、凝集力が向上して、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、防水性がより向上するとともに、耐熱性も向上する。
上記側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが挙げられ、特にメチルアクリレート、エチルアクリレートが好ましい。
上記ブロック共重合体中、上記(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造の含有量は特に限定されず、本発明の効果が発揮されればよいが、30重量%以上、99重量%以下であることが好ましい。上記(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造の含有量は、40重量%以上、98重量%以下であることがより好ましく、50重量%以上、97重量%以下であることが更に好ましい。
また、上記ブロック共重合体中、上記側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーの含有量は特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は90重量%である。上記側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーの含有量が5重量%以上であれば、凝集力向上効果が発現しやすくなる。上記側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーの含有量が90重量%以下であれば、凝集力が高くなりすぎて柔軟性が低くなって粘着テープの柔軟性及び防水性が低下することを防ぐことができる。上記側鎖炭素数が2以下の(メタ)アクリル系モノマーの含有量のより好ましい下限は10重量%、更に好ましい下限は20重量%、更により好ましい下限は25重量%、特に好ましい下限は30重量%であり、より好ましい上限は85重量%、更に好ましい上限は80重量%、更により好ましい上限は75重量%、特に好ましい上限は70重量%である。
上記ハードブロックは、剛直な構造を有していれば特に限定されず、上記ビニル芳香族モノマーに由来する構造に加えて更に、例えば、環状構造を有する化合物、側鎖置換基が短い化合物等に由来する構造を有していてもよい。上記ソフトブロックは、本発明の効果を失わない範囲で、上記(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーに由来する構造を有していてもよい。
上記ブロック共重合体は、ジブロック構造、トリブロック構造等どのような構造をとっていてもよいが、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上することから、上記ハードブロックの間に上記ソフトブロックを有するトリブロック構造を有することが好ましい。
また、上記ブロック共重合体は、上記ハードブロックと上記ソフトブロックとが主鎖と側鎖とに分かれて存在しているようなグラフト共重合体であってもよい。上記グラフト共重合体としては、例えば、スチレンマクロマー-(メタ)アクリル系モノマー共重合体等が挙げられる。
上記ブロック共重合体中、上記ハードブロックの含有量は特に限定されないが、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。上記ハードブロックの含有量が上記範囲であることで、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、防水性がより向上するとともに、耐熱性も向上する。低温における耐変形性、防水性、及び、耐熱性を更に高める観点から、上記ハードブロックの含有量のより好ましい下限は2重量%、更に好ましい下限は2.5重量%、特に好ましい下限は3重量%である。上記ハードブロックのより好ましい上限は17重量%、更に好ましい上限は8重量%である。
上記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、5万以上、80万以下であることが好ましい。上記重量平均分子量が上記範囲であることで、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、防水性がより向上するとともに、耐熱性も向上する。上記重量平均分子量のより好ましい下限は75000、より好ましい上限は60万である。
なお、重量平均分子量は、例えば、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により標準ポリスチレン換算にて求めることができる。より具体的には、例えば、測定機器としてWaters社製「2690 Separations Module」、カラムとして昭和電工社製「GPC KF-806L」、溶媒として酢酸エチルを用い、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件で測定することができる。
上記ブロック共重合体は、上記ハードブロックのガラス転移温度Tgの下限が50℃である。
上記ハードブロックのガラス転移温度Tgとは、上記ブロック共重合体のガラス転移温度Tgを測定した際に確認される、上記ハードブロックに由来するピークのガラス転移温度Tgである。上記ハードブロックのガラス転移温度Tgが50℃以上であることで、粘着テープがより硬くなり、低温においてより変形しにくくなる。上記ハードブロックのガラス転移温度Tgの好ましい下限は55℃、より好ましい下限は60℃である。
上記ハードブロックのガラス転移温度Tgの上限は特に限定されないが、粘着テープの柔軟性及び防水性を確保する観点から、好ましい上限は110℃、より好ましい上限は105℃である。
上記ハードブロックのガラス転移温度Tgを上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、上記ハードブロックの分子量が大きくなれば、そのガラス転移温度Tgも大きくなり、上記ハードブロックの分子量が小さくなれば、そのガラス転移温度Tgも小さくなる傾向がある。より具体的には、例えば、上記ハードブロックの原料モノマー(特に、上記ビニル芳香族モノマー)の種類を選択する方法、上記ハードブロックの原料モノマー(特に、上記ビニル芳香族モノマー)の含有量を調整する方法、上記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を調整する方法等が挙げられる。
上述したビニル芳香族モノマーのうち、上記ハードブロックのガラス転移温度Tgを上記範囲に調整するために好ましいモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルエチレン、1-エチル2-ビニルベンゼン、1-エチル3-ビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。なかでも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらのビニル芳香族モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、ブロック共重合体のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計(例えば、TAインスツルメント社製、DSC 2920等)を用いて温度範囲-40~200℃、昇温速度10℃/分、サイクル回数1回の条件で測定できる。
上記ブロック共重合体は、上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgの下限が-60℃、上限が10℃である。
上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgとは、上記ブロック共重合体のガラス転移温度Tgを測定した際に確認される、上記ソフトブロックに由来するピークのガラス転移温度Tgである。上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgが-60℃以上であることで、粘着テープの細幅加工時の取り扱いが向上する。上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgが10℃以下であることで、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgの好ましい下限は-20℃、好ましい上限は0℃であり、より好ましい下限は-10℃、より好ましい上限は-5℃である。
上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgを上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、上記ソフトブロックの分子量が大きくなれば、そのガラス転移温度Tgも大きくなり、上記ソフトブロックの分子量が小さくなれば、そのガラス転移温度Tgも小さくなる傾向がある。より具体的には、例えば、上記ソフトブロックの原料モノマー(特に、上記(メタ)アクリル系モノマー)の種類を選択する方法、上記ソフトブロックの原料モノマー(特に、上記(メタ)アクリル系モノマー)の含有量を調整する方法、上記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を調整する方法等が挙げられる。
上述した(メタ)アクリル系モノマーのうち、上記ソフトブロックのガラス転移温度Tgを上記範囲に調整するために好ましいモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ブロック共重合体を得るには、上記ハードブロック及び上記ソフトブロックの原料モノマーを、重合開始剤の存在下にてそれぞれラジカル反応させて上記ハードブロック及び上記ソフトブロックを得た後、両者を反応させる又は共重合すればよい。また、上記ハードブロックを得た後、続けて上記ソフトブロックの原料モノマーを投入し、共重合してもよい。
上記ラジカル反応をさせる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記発泡体基材は、架橋剤が添加されることにより上記発泡体基材を構成する樹脂の主鎖間に架橋構造が形成されていることが好ましい。
上記発泡体基材を構成する樹脂の主鎖間に架橋構造を形成することで、断続的に加わる応力を分散させることができ、粘着テープが低温においてより変形しにくくなるとともに、耐熱性も向上する。また、細幅で用いられる場合であっても、加工性に優れる。
上記架橋剤は特に限定されず、上記発泡体基材を構成する樹脂が有する官能基に応じて適宜選択することができる。具体的には例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、より柔軟性を向上させることができるアルコール性水酸基やカルボキシル基を有する樹脂を架橋できることから、エポキシ系架橋剤又はイソシアネート系架橋剤が好ましい。なお、上記イソシアネート系架橋剤を用いた場合、上記発泡体基材を構成する樹脂中のアルコール性水酸基やカルボキシル基と、上記イソシアネート系架橋剤のイソシアネート基との間が架橋される。また、上記エポキシ系架橋剤を用いた場合、上記発泡体基材を構成する樹脂中のカルボキシル基と、上記エポキシ系架橋剤のエポキシ基との間が架橋される。
上記架橋剤の添加量は特に限定されないが、上記発泡体基材を構成する樹脂100重量部に対して0.01重量部以上、10重量部以下が好ましく、0.1重量部以上、7重量部以下がより好ましい。
上記発泡体基材は、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤等の添加剤や、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤等を含有していてもよい。
上記発泡体基材は、ゲル分率が90重量%以下であることが好ましい。
上記発泡体基材のゲル分率が上記範囲であることで、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。粘着テープの防水性を更に高める観点から、上記ゲル分率のより好ましい上限は85重量%、更に好ましい上限は80重量%である。上記ゲル分率の下限は特に限定されないが、粘着テープの低温における耐変形性を確保する観点から、例えば10重量%以上、とりわけ20重量%以上、特に35重量%以上である。上記ゲル分率は、上記発泡体基材を構成する樹脂を架橋させることによって調節することができる。
なお、発泡体基材のゲル分率は、次の方法で測定することができる。粘着テープから発泡体基材のみを0.1g取り出し、酢酸エチル50mL中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうする。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した発泡体基材を分離する。分離後の発泡体基材を110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の金属メッシュを含む発泡体基材の重量を測定し、下記式を用いて発泡体基材のゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×(W-W)/W
(W:初期発泡体基材重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む発泡体基材重量、W:金属メッシュの初期重量)
上記発泡体基材の30℃での動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E’は特に限定されないが、好ましい下限が5.0×10Pa、好ましい上限が5.0×10Paである。上記30℃での貯蔵弾性率E’が5.0×10MPa以上であれば、粘着テープが低温においてもより硬くなり、より変形しにくくなる。上記30℃での貯蔵弾性率E’が5.0×10Pa以下であれば、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。上記30℃での貯蔵弾性率E’のより好ましい下限は1.0×10Pa、より好ましい上限は1.0×10Paである。
なお、発泡体基材の30℃での動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E’は、JIS K 7244に準拠して、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティー計測社製のDVA-200等)を使用して昇温速度を5℃/minとして-40~140℃の範囲で測定できる。
上記発泡体基材の-20℃での動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E’は特に限定されないが、好ましい下限が5.0×10Pa、好ましい上限が1.0×1010Paである。上記-20℃での貯蔵弾性率E’が5.0×10Pa以上であれば、粘着テープがより硬くなり、低温においてより変形しにくくなる。上記-20℃での貯蔵弾性率E’が1.0×1010PaPa以下であれば、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。上記-30℃での貯蔵弾性率E’のより好ましい下限は1.0×10Pa、より好ましい上限は1.0×10Paである。
上記発泡体基材は、温度範囲-40~200℃、昇温速度10℃/分、サイクル回数1回の条件でDSC測定(示差走査熱量測定)を行ったときに10℃以下の領域及び50℃以上の領域にそれぞれ少なくとも一つのピークを有することが好ましい。
上記発泡体基材がDSC測定を行ったときに10℃以下の領域及び50℃以上の領域にそれぞれ少なくとも一つのピークを有する場合、上記発泡体基材は、上述したような2つのブロックを有するブロック共重合体を含有しているといえる。上記ピークの領域は上記ハードブロック及び上記ソフトブロックの原料モノマーの種類によって調節することができる。
なお、発泡体基材のDSC測定は、示差走査熱量計(例えば、TAインスツルメント社製、DSC 2920等)を用いて温度範囲-40~200℃、昇温速度10℃/分、サイクル回数1回の条件で行うことができる。
上記発泡体基材の発泡倍率は特に限定されないが、好ましい下限が1.1cm/g、好ましい上限が7.0cm/gである。上記発泡体基材の発泡倍率が上記範囲であることで、粘着テープの硬さと柔軟性とのバランスをより高めることができることから、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上する。低温における耐変形性、及び、防水性を更に高める観点から、上記発泡体基材の発泡倍率のより好ましい下限は1.3cm/g、より好ましい上限は5.0cm/gであり、更に好ましい下限は1.5cm/g、更に好ましい上限は3.0cm/gである。
なお、発泡体基材の発泡倍率とは、発泡体基材の密度の逆数であり、JIS K 7222に準拠して電子比重計(例えば、ミラージュ社製、「ED120T」)を使用して測定できる。
上記発泡体基材の平均気泡径は特に限定されないが、80μm以下であることが好ましい。上記発泡体基材の平均気泡径が80μm以下であることで、粘着テープの硬さと柔軟性とのバランスをより高めることができることから、粘着テープが低温においてより変形しにくくなり、かつ、防水性がより向上する。上記発泡体基材の平均気泡径は、60μm以下であることがより好ましく、55μm以下であることが更に好ましい。
上記発泡体基材の平均気泡径の下限は特に限定されないが、粘着テープの柔軟性を確保する観点から、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。
なお、発泡体基材の平均気泡径は、次の方法により測定することができる。まず、発泡体基材を50mm四方にカットし、液体窒素に1分間浸した後、カミソリ刃を用いて発泡体基材の厚み方向に対して垂直な面で切断する。次いで、デジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、「VHX-900」等)を用いて、200倍の倍率で切断面の拡大写真を撮影し、厚み×2mmの範囲に存在する全ての気泡について最も長い気泡径(気泡の直径)を測定する。この操作を5回繰り返し、得られたすべての気泡径を平均することで平均気泡径を算出する。
上記発泡体基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は40μm、好ましい上限は2900μmである。上記発泡体基材の厚みを上記範囲とすることにより、柔軟性、防水性、低温における耐変形性、耐熱性、取り扱い性等に優れた粘着テープとすることができるとともに、粘着テープを携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の電子機器部品の固定に好適に用いることができる。上記部品等の固定により好適に用いることができる観点から、上記発泡体基材の厚みのより好ましい下限は60μm、より好ましい上限は1900μm、更に好ましい下限は80μm、更に好ましい上限は1400μm、特に好ましい下限は100μm、特に好ましい上限は1000μmである。
上記発泡体基材は、上記独立気泡構造を有していればよく、製造方法は特に限定されない。上記発泡体基材の製造方法としては、例えば、発泡ガスの作用により製造する方法や、原材料マトリックス中に中空球を配合することによって製造する方法が挙げられる。なかでも、後者の方法で製造された発泡体基材はシンタクチックフォームと称され、強度、柔軟性及び耐熱性により優れることから、上記発泡体基材は、シンタクチックフォームであることが好ましい。
上記発泡体基材がシンタクチックフォームであることで、均一なサイズ分布を有する独立気泡型の発泡体となるため、上記発泡体基材全体の密度がより一定となり、強度、柔軟性及び耐熱性がより向上する。また、シンタクチックフォームは、その他の発泡体と比較して、高温及び高圧下での不可逆的な崩壊を起こしにくいため、より高い耐熱性を示す。シンタクチックフォームとしては、中空無機粒子からなる発泡構造を有するものと、中空有機粒子からなる発泡構造を有するものとがあるが、柔軟性の観点から、中空有機粒子からなる発泡構造を有するシンタクチックフォームが好ましい。
上記中空有機粒子としては例えば、エクスパンセルDUシリーズ(日本フィライト社製)、アドバンセルEMシリーズ(積水化学工業社製)等が挙げられる。なかでも、発泡後の気泡径をより効果の高い領域に設計しやすいことから、エクスパンセル461-20(最適条件での発泡後の平均気泡径20μm)、エクスパンセル461-40(最適条件での発泡後の平均気泡径40μm)、エクスパンセル043-80(最適条件での発泡後の平均気泡径80μm)、アドバンセルEML101(最適条件での発泡後の平均気泡径50μm)が好ましい。
上記発泡体基材が上記シンタクチックフォーム以外の発泡体からなる場合の発泡剤は特に限定されず、熱分解型発泡剤等の従来公知の発泡剤を用いることができる。
上記粘着剤層は特に限定されず、例えば、アクリル粘着剤層、ゴム系粘着剤層、ウレタン粘着剤層、シリコーン系粘着剤層等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れ、幅広い種類の被着体に接着が可能であることから、アクリル共重合体を含有するアクリル粘着剤層が好ましい。
上記アクリル共重合体は、初期のタックが向上するため低温時の貼り付け易さが良好となる観点から、ブチルアクリレート及び/又は2-エチルヘキシルアクリレートを含むモノマー混合物を共重合して得られることが好ましい。なかでも、ブチルアクリレートと2-エチルヘキシルアクリレートとを含むモノマー混合物を共重合して得られることがより好ましい。
全モノマー混合物に占める上記ブチルアクリレートの含有量の好ましい下限は40重量%、好ましい上限は80重量%である。上記ブチルアクリレートの含有量を上記範囲とすることにより、高い粘着力とタック性とを両立することができる。
全モノマー混合物に占める上記2-エチルヘキシルアクリレートの含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は100重量%、より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は80重量%、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は60重量%である。上記2-エチルヘキシルアクリレートの含有量を上記範囲とすることにより、高い粘着力を発揮することができる。
上記モノマー混合物は、必要に応じてブチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレート以外の共重合可能な他の重合性モノマーを含んでいてもよい。上記共重合可能な他の重合性モノマーとして、例えば、アルキル基の炭素数が1~18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能性モノマー等が挙げられる。
上記アルキル基の炭素数が1~18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。上記官能性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
上記モノマー混合物を共重合して上記アクリル共重合体を得るには、上記モノマー混合物を、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記モノマー混合物をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましい下限が40万、好ましい上限が150万である。上記アクリル共重合体の重量平均分子量を上記範囲とすることにより、高い粘着力を発揮することができる。粘着力の更なる向上の観点から、上記重量平均分子量のより好ましい下限は50万、より好ましい上限は140万である。
上記アクリル共重合体の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は、好ましい上限が10.0である。Mw/Mnが10.0以下であると、低分子成分の割合が抑えられ、上記粘着剤層が高温下で軟化し、バルク強度が下がり接着強度が低下することが抑制される。同様の観点から、Mw/Mnのより好ましい上限は5.0であり、更に好ましい上限は3.0である。
上記粘着剤層は、粘着付与樹脂を含有してもよい。
上記粘着付与樹脂として、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5-C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記粘着剤層の主成分となる樹脂(例えば、アクリル共重合体)100重量部に対する好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が10重量部以上であると、上記粘着剤層が高い粘着力を発揮することができる。上記粘着付与樹脂の含有量が60重量部以下であると、上記粘着剤層が硬くなることによる粘着力又はタック性の低下を抑制することができる。
上記粘着剤層は、架橋剤が添加されることにより上記粘着剤層を構成する樹脂(例えば、上記アクリル共重合体、上記粘着付与樹脂等)の主鎖間に架橋構造が形成されていることが好ましい。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記粘着剤層にイソシアネート系架橋剤が添加されることで、イソシアネート系架橋剤のイソシアネート基と上記粘着剤層を構成する樹脂(例えば、上記アクリル共重合体、上記粘着付与樹脂等)中のアルコール性水酸基とが反応して、上記粘着剤層が架橋する。上記粘着剤層を構成する樹脂の主鎖間に架橋構造が形成されていることで、断続的に加わる応力を分散させることができ、粘着テープが低温においてより変形しにくくなるとともに、耐熱性も向上する。
上記架橋剤の添加量は、上記粘着剤層の主成分となる樹脂(例えば、上記アクリル共重合体)100重量部に対して0.01~10重量部が好ましく、0.1~7重量部がより好ましい。
上記粘着剤層は、粘着力を向上させる目的で、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、エポキシシラン類、アクリルシラン類、メタクリルシラン類、アミノシラン類、イソシアネートシラン類等が挙げられる。
上記粘着剤層は、遮光性を付与する目的で、着色材を含有してもよい。上記着色材は特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、酸化チタン等が挙げられる。なかでも、比較的安価で化学的に安定であることから、カーボンブラックが好ましい。
上記粘着剤層は、必要に応じて、無機粒子、導電粒子、酸化防止剤、発泡剤、有機充填剤、無機充填剤等の従来公知の粒子及び添加剤を含有してもよい。
上記粘着剤層は、ゲル分率の好ましい下限が5重量%、好ましい上限が90重量%である。上記ゲル分率が5重量%以上であれば、粘着テープがより硬くなり、低温においてより変形しにくくなる。上記ゲル分率が90重量%以下であれば、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。上記ゲル分率のより好ましい下限は10重量%、さらに好ましい下限は20重量%である。上記ゲル分率のより好ましい上限は80重量%、さらに好ましい上限は70重量%、特に好ましい上限は60重量%である。なお、粘着剤層のゲル分率は、発泡体基材のゲル分率と同様の方法で測定することができる。
上記粘着剤層は、10℃での動的粘弾性測定における貯蔵弾性率G’の好ましい下限が5.0×10Pa、好ましい上限が5.0×10Paである。上記10℃での貯蔵弾性率Gが5.0×10Pa以上であれば、粘着テープがより硬くなり、低温においてより変形しにくくなる。上記10℃での貯蔵弾性率G’が5.0×10Pa以下であれば、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。上記粘着剤層の10℃での貯蔵弾性率G’のより好ましい下限は1.0×10Pa、より好ましい上限は1.0×10Paである。
なお、粘着剤層の10℃での貯蔵弾性率G’は、発泡体基材の貯蔵弾性率と同様の方法で測定することができる。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.01mm、好ましい上限は0.1mmであり、より好ましい下限は0.015mm、より好ましい上限は0.09mmである。上記粘着剤層の厚みを上記範囲とすることにより、柔軟性、防水性、低温における耐変形性、耐熱性、取り扱い性等に優れた粘着テープとすることができるとともに、粘着テープを携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の電子機器部品の固定に好適に用いることができる。
本発明の粘着テープは、更に、上記発泡体基材の少なくとも一方の面に樹脂層を有していてもよい。
上記樹脂層を有することにより、粘着テープが低温においてより変形しにくくなる。上記樹脂層は、上記発泡体基材の一方の面のみに積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよいが、上記発泡体基材の一方の面のみに積層されていることが好ましい。
上記樹脂層を構成する樹脂は、耐熱性を有することが好ましい。耐熱性を有する上記樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。なかでも、柔軟性に優れる粘着テープが得られることから、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
上記樹脂層は、着色されていてもよい。上記樹脂層を着色することにより、粘着テープに遮光性を付与することができる。
上記樹脂層を着色する方法は特に限定されず、例えば、上記樹脂層を構成する樹脂にカーボンブラック、酸化チタン等の粒子又は微細な気泡を練り込む方法、上記樹脂層の表面にインクを塗布する方法等が挙げられる。
上記樹脂層は、必要に応じて、無機粒子、導電粒子、可塑剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、有機充填剤、無機充填剤等の従来公知の粒子及び添加剤を含有してもよい。
上記樹脂層の23℃でのヤング率は特に限定されないが、好ましい下限は1000MPa、好ましい上限は3000MPaである。上記23℃でのヤング率が1000MPa以上であれば、粘着テープがより硬くなり、低温においてより変形しにくくなる。上記23℃でのヤング率が3000MPa以下であれば、粘着テープの柔軟性がより高くなり、防水性がより向上する。上記23℃でのヤング率のより好ましい下限は1200MPa、より好ましい上限は2500MPaである。
なお、樹脂層の23℃でのヤング率は、JIS K 7161に準拠して、卓上形精密万能試験機装置(例えば、島津製作所社製、オートグラフAGS-Xシリーズ等)を用いて幅10mm、高さ30mmの試験片を200mm/minで引張測定することにより測定できる。
上記樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記樹脂層の厚みを上記範囲とすることにより、粘着テープの取り扱い性と低温における耐変形性とを両立することができる。取り扱い性と低温における耐変形性とを更に両立する観点から、上記樹脂層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は70μmである。
本発明の粘着テープ全体の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.04mm、より好ましい下限は0.05mm、好ましい上限は2mm、より好ましい上限は1.5mmである。本発明の粘着テープ全体の厚みを上記範囲とすることにより、柔軟性、防水性、低温における耐変形性、耐熱性、取り扱い性等に優れた粘着テープとすることができる。
本発明の粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
本発明の粘着テープの製造方法としては特に限定されず、例えば、次のような方法が挙げられる。まず、離型フィルムに粘着剤溶液を塗工、乾燥して粘着剤層を形成する。次いで、未発泡体基材を製造し、該未発泡体基材に樹脂層を積層して積層体を形成する。その後、得られた積層体の両面に粘着剤層を貼り合わせ、加熱することで未発泡体基材を発泡させて発泡体基材とし、粘着テープを製造する。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくく、防水性に優れる。特に、面方向への変形を抑制することができる。また、本発明の粘着テープは、細幅への加工性、及び、被着体に貼り付ける際の作業性にも優れる。このため、本発明の粘着テープは、携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の電子機器部品の組み立て又は固定に用いられることが好ましい。本発明の粘着テープは、細幅で用いられることが好ましく、その幅は特に限定されないが、好ましい下限は0.4mm、好ましい上限は2mmであり、更に好ましい下限は0.5mm、更に好ましい上限は1.5mm、特に好ましい上限は1.0mmである。
本発明によれば、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくく、防水性に優れた粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)未発泡体基材の製造
1,6-ヘキサンジチオール0.902gと、二硫化炭素1.83gと、ジメチルホルムアミド11mLとを2口フラスコに投入し、25℃で攪拌した。これに、トリエチルアミン2.49gを15分かけて滴下し、25℃で3時間攪拌した。次いで、メチル-α-ブロモフェニル酢酸2.75gを15分かけて滴下し、25℃で4時間攪拌した。その後、反応液に抽出溶媒(n-ヘキサン:酢酸エチル=50:50)100mLと水50mLとを加えて分液抽出した。1回目と2回目の分液抽出で得られた有機層を混合し、1M塩酸50mL、水50mL、飽和食塩水50mLで順に洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮して、有機溶媒を除去した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することでRAFT剤を得た。
スチレン(St)93重量部と、アクリル酸(AAc)6重量部と、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1重量部と、RAFT剤2.8重量部と、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(ABN-E)0.35重量部とを2口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した。その後、85℃で6時間撹拌して重合反応を行った(第一段階反応)。
反応終了後、フラスコ内にn-ヘキサン4000重量部を投入し、撹拌して反応物を沈殿させた後、未反応のモノマー(St、AAc、HEA)及びRAFT剤をろ過し、反応物を70℃で減圧乾燥して共重合体(ハードブロック)を得た。
アクリル酸メチル(MA)49.5重量部、アクリル酸ブチル(BA)49.5重量部、アクリル酸(AAc)1重量部、ABN-E0.058重量部及び酢酸エチル50重量部を含む混合物と、上記で得られた共重合体(ハードブロック)とを2口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した。その後、85℃で6時間撹拌して重合反応を行い(第二段階反応)、ハードブロックとソフトブロックとから形成されるブロック共重合体を含む反応液を得た。なお、混合物の配合量は、得られるブロック共重合体におけるハードブロックの含有量が3重量%、ソフトブロックの含有量が97重量%となるように調整した。
反応液の一部を採取し、これにn-ヘキサン4000重量部を投入し、撹拌して反応物を沈殿させた後、未反応のモノマー(MA、BA、AAc)及び溶媒をろ過し、反応物を70℃で減圧乾燥してブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体について、ガラス転移温度Tgを測定したところ、ハードブロックに由来するピークのガラス転移温度Tgは60℃、ソフトブロックに由来するピークのガラス転移温度Tg-10℃であった。なお、ブロック共重合体のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計(TAインスツルメント社製、DSC 2920)を用いて温度範囲-40~200℃、昇温速度10℃/分、サイクル回数1回の条件で測定した。また、得られたブロック共重合体について、GPC法により重量平均分子量を測定したところ、40万であった。なお、測定機器としてWaters社製「2690 Separations Module」、カラムとして昭和電工社製「GPC KF-806L」、溶媒として酢酸エチルを用い、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件で測定した。
得られたブロック共重合体を固形分率が35%になるよう酢酸エチルに溶解させ、ブロック共重合体100重量部に対して、発泡剤(発泡粒子)としてアドバンセルEML101(積水化学工業社製)3.3重量部、架橋剤としてテトラッドC(エポキシ系架橋剤、三菱ガス化学社製)0.15重量部を加えて更に充分に撹拌し、基材溶液を得た。得られた基材溶液を樹脂層となるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(フタムラ化学社製、厚み23μm、23℃でのヤング率1800MPa)に塗工し、90℃7分間乾燥させることで未発泡体基材と樹脂層とからなる積層体を得た。
(2)粘着剤溶液の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に酢酸エチル52重量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。酢酸エチルが沸騰してから、30分後に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.08重量部を投入した。ここにブチルアクリレート70重量部、2-エチルヘキシルアクリレート27重量部、アクリル酸3重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部からなるモノマー混合物を1時間30分かけて、均等かつ徐々に滴下し反応させた。滴下終了30分後にアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加し、更に5時間重合反応させ、反応器内に酢酸エチルを加えて希釈しながら冷却することにより、固形分40重量%のアクリル共重合体(ランダム共重合体)の溶液を得た。
得られたアクリル共重合体について、カラムとしてWaters社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、71万であった。数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は5.5であった。
得られたアクリル共重合体の固形分100重量部に対して、軟化点150℃の重合ロジンエステル15重量部、軟化点145℃のテルペンフェノール10重量部、軟化点70℃のロジンエステル10重量部を添加した。更に、酢酸エチル(不二化学薬品社製)30重量部、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製 コロネートL45)3.0重量部を添加し、攪拌して、粘着剤溶液を得た。
(3)粘着テープの製造
片面に離型処理を施した50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に、得られた粘着剤溶液を乾燥皮膜の厚さが75μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させ、粘着剤層を得た。同様の操作で粘着剤層をもう1つ製造した。その後、上記で得られた未発泡体基材と樹脂層とからなる積層体の両面に2つの粘着剤層をそれぞれ貼り合わせ、40℃の環境下に48時間静置した。48時間後に40℃環境から取り出し、130℃1分加熱することで未発泡体基材を発泡させて発泡体基材(厚み127μm)とし、粘着テープを得た。
(4)発泡体基材の気泡構造の確認
粘着テープから発泡体基材のみを取り出し、発泡体基材を50mm四方にカットし、液体窒素に1分間浸した後、カミソリ刃を用いて発泡体基材の厚み方向に対して垂直な面で切断した。次いで、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、「VHX-900」)を用いて、200倍の倍率で切断面の拡大写真を撮影した。拡大写真において、一つ一つの気泡が他の気泡と繋がっていない構造が確認できた場合を独立気泡構造、隣接する気泡同士が結合している部分が複数確認できた場合を連続気泡構造として発泡体基材の気泡構造を確認した。
(5)発泡体基材のゲル分率の測定
粘着テープから発泡体基材のみを0.1g取り出し、酢酸エチル50mL中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうした。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した発泡体基材を分離した。分離後の発泡体基材を110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の金属メッシュを含む発泡体基材の重量を測定し、下記式を用いて発泡体基材のゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W-W)/W
(W:初期発泡体基材重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む発泡体基材重量、W:金属メッシュの初期重量)
(実施例2~8、比較例1~6)
発泡体基材、樹脂層及び粘着剤層を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープを得た。なお、表中の原料は以下のとおりである。なお、比較例5では、基材溶液に発泡剤(発泡粒子)を加えず窒素ガスと混合攪拌し、微細な気泡が混入した溶液を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡体基材の気泡構造を連続気泡構造とした。
・発泡体基材の原料モノマー
MMA(メチルメタクリレート)
<評価>
実施例、比較例で得られた粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)-20℃プッシュ変形量(面方向)の測定
得られた粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅44mm、長さ59mmに打ち抜き、幅1mmの枠状の試験片を作製した。次いで、中央部分に幅38mm、長さ50mmの四角い穴のあいた厚さ2mmのポリカーボネート板に対して、離型紙を剥がした試験片を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた。その後、試験片の上面から幅50mm、長さ75mm、厚さ4mmのガラス板を試験片がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。その後、試験装置の上面に位置するガラス板側から5kgfの圧力を10秒間加えてポリカーボネート板と試験片とガラス版とを圧着し、常温で24時間放置した。
温調付き卓上形精密万能試験機装置(島津製作所社製、オートグラフAGS-Xシリーズ)の温調装置を-20℃に設定し、温調装置の中で、作製した試験装置を裏返して支持台に10分間静置し、試験装置を-20℃まで冷却した。その後、-20℃の環境下で四角い穴から500mm/minの速度で力をかけていき、試験装置に30Nの力がかかったときの変形量を記録した。
変形量が700μm未満であった場合を◎、700μm以上、900μm未満であった場合を〇、900μm以上であった場合を×とした。
(2)防水試験
得られた粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅45mm、長さ60mmに打ち抜き、幅0.5mmの枠状の細幅の試験片を作製した(細幅打ち抜き加工)。次いで、幅55mm、長さ65mm、厚さ1mmのポリカーボネート板に対して、離型紙を剥がした試験片を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた。その後、試験片の上面から幅55mm、長さ65mm、厚さ1mmのポリカーボネート板を試験片がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。その後、試験装置のポリカーボネート板上から2.5kgfの圧力を10秒間加えてポリカーボネート板と試験片とを圧着し、常温で24時間放置した。
試験装置を500mLポリエチレンビーカー内で完全に水に浸し、オートクレーブ(平山製作所社製、PTU-305VIII)に格納した。オートクレーブで0.5MPaの圧力を23℃で30分間与え、圧力を開放した後に試験装置内部への水の浸入を確認した。水の浸入が見られず、かつ、細幅打ち抜き加工をして試験片を被着体に貼り付ける工程の作業性に優れていた場合を◎とした。細幅打ち抜き加工をして試験片を被着体に貼り付ける工程の作業性に劣るものの試験装置の作製ができ、かつ、水の浸入が見られなかった場合を〇、細幅打ち抜き加工をして試験片を被着体に貼り付ける工程の作業性が低く試験装置の作製が困難な場合及び水の浸入が見られた場合を×とした。
Figure 2022071862000004
本発明によれば、細幅で用いられる場合であっても、低温において変形しにくく、防水性に優れた粘着テープを提供することができる。

Claims (6)

  1. 発泡体基材と、前記発泡体基材の両側に粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記発泡体基材は、独立気泡構造を有し、
    前記発泡体基材は、ビニル芳香族モノマーに由来する構造を含有するハードブロックと、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造を含有するソフトブロックとを有するブロック共重合体を含有し、
    前記ブロック共重合体は、前記ハードブロックのガラス転移温度Tgが50℃以上、前記ソフトブロックのガラス転移温度Tgが-60℃以上、10℃以下であり、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造を含有する
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記架橋性官能基を有するモノマーは、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、二重結合含有モノマー、三重結合含有モノマー及びアミド基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記ブロック共重合体は、ハードブロックの含有量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 前記発泡体基材は、ゲル分率が90重量%以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
  5. 更に、前記発泡体基材の少なくとも一方の面に樹脂層を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
  6. 電子機器部品の組み立て又は固定に用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の粘着テープ。
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