JP2022068479A - 回転機械及びギアド圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、十分な締結力を得るために、例えば締結部分の軸方向の長さを長くすると、ピニオン軸の軸方向長さが長くなってしまい、軸振動の観点や、回転機械の大型化を招く等の観点から好ましくない。
軸方向に沿って延在するシャフトと、
前記シャフトの外周側に設けられるスラストカラーと、
前記シャフトの外周面に形成されたキー溝に係合し、前記スラストカラーに対して前記軸方向に隣接して設けられるキーと、
前記軸方向において前記キーを挟んで前記スラストカラーとは反対側に位置し、径方向外側から前記キーを押さえる押え部材と、
を備え、
前記軸方向において前記キーを挟んで前記スラストカラーとは反対側の領域において、前記シャフトの外周面、若しくは、前記シャフト若しくは前記押え部材における径方向に沿った面の何れかに欠損部を設けるか、又は、前記径方向に沿った面を有する部位の少なくとも一部を他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成した。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
まず、幾つかの実施形態に係る回転機械の一例である圧縮機について説明する。
図1は、幾つかの実施形態に係る圧縮機の概略的な構成を示す部分分解図である。同図に示すように、幾つかの実施形態に係る回転機械1である圧縮機20は、軸方向に沿って延在する回転シャフト(シャフト)2a~2cと、シャフト2a~2cの両端部に取り付けられた各インペラ22と、シャフト2a~2cに取り付けられたピニオンギア(従動歯車)24a~24cと、ピニオンギア24a~24cを回転駆動するためのホイールギア(駆動歯車)26と、シャフト2a~2cをそれぞれ支持するための複数の軸受装置10と、を備えるギアド圧縮機である。シャフト2a~2c、インペラ22、ピニオンギア24a~24c及びホイールギア26は、ケーシング27に収容されている。
なお、図1は、ケーシング27の一部が分解された部分分解図である。
また、以下の説明では、シャフト2の中心軸AXに沿った方向であるシャフト2の軸方向を単に軸方向とも称する。同様に、以下の説明では、シャフト2の中心軸AXを中心とするシャフト2の周方向を単に周方向とも称し、シャフト2の中心軸AXを中心とするシャフト2の径方向を単に径方向とも称する。
図3Aは、図2の一部を拡大した図である。
図3B、図3C及び図3Dは、それぞれ、他の実施形態に係る圧縮機のホイールギアとピニオンギアとの相対位置のずれの防止について説明するための図であり、図2の一部を拡大した図に相当する図である。
図4は、一実施形態に係るシャフトの図2におけるIV-IV矢視断面図である。
図5は、他の実施形態に係るシャフトの斜視図である。
なお、第2壁部206は、シャフト2の全周にわたって形成されていてもよいが、図4に示すように、周方向に離間して並ぶように形成されていてもよい。なお、第2壁部206が周方向に離間して並ぶように形成されている場合、周方向で隣り合う2つの第2壁部206の間の領域を壁欠損領域207と称する。
幾つかの実施形態に係る圧縮機20では、押え部材50は、第1領域51において径方向に沿った面であって、軸方向においてスラストカラー30側、すなわち図3Aにおける図示右側に位置する第1端面51aと、軸方向においてスラストカラー30とは反対側、すなわち図3Aにおける図示左側に位置する第2端面51bとを有する。
そのため、図1に示す圧縮機20において、噛合するホイールギア26とピニオンギア24との相対位置がシャフト2の軸方向へずれないようにするため、スラストカラー30の側面32をホイールギア26の側面261に摺接させることで、シャフト2とホイールギア26との軸方向位置のずれを規制している。
しかし、スラストカラー30とシャフト2との十分な締結力を得るために、例えばスラストカラー30とシャフト2との締結部の軸方向の長さを長くすると、シャフト2の軸方向長さが長くなってしまい、軸振動の観点や、圧縮機20の大型化を招く等の観点から好ましくない。
しかし、十分な締結力を得るために押え部材50とシャフト2との締結部の軸方向の長さを長くすると、シャフト2の軸方向長さが長くなって、軸振動の観点や、圧縮機20の大型化を招く等の観点から好ましくない。
幾つかの実施形態に係る圧縮機20において、例えば図2における図示右側に向かうスラスト力Fsが作用するものとする。シャフト2がスラスト力Fsで軸方向に沿って図示右側に移動しようとするところ、スラストカラー30の側面32がホイールギア26の図示左側の側面261と摺接するため、スラストカラー30は、ホイールギア26から軸方向に沿った反力Frを受ける。そのため、スラストカラー30は、シャフト2に対して軸方向に沿って図示左側にずれようとしてキー40を軸方向に沿って図示左側に向かって押圧する。また、ホイールギア26から受ける上記反力Frによってキー40がシャフト2との締結部から移動はしないが変形することでスラストカラー30がキー40を軸方向に沿って図示左側に向かって押圧する。さらに、シャフト2が曲げ変形することでスラストカラー30がキー40を軸方向に沿って図示左側に向かって押圧する。
また、上記の力F1がキー40に作用することで、キー40が変形して、押え部材50を軸方向に沿って図示左側に向かって押圧する。押え部材50には、押え部材50に作用する遠心力に加えて、キー40の遠心力も作用する。
押え部材50へ径方向外側に加わる力F3は、焼き嵌めによるシャフト2との締結力を減ずるように作用する。押え部材50へ軸方向に加わる力F4は、押え部材50を軸方向にずらそうとする。
スラストカラー30が位置ずれを起こさなければ、キー40が該反対側に逃げることで、キー40がスラストカラー30から受けるスラスト力が減ぜられる。これにより、キー40から押え部材50に作用するスラスト力(上記の力F4)が緩和されるので、押え部材50がシャフト2に対して位置ずれを起こし難くなる。よって、押え部材50とシャフト2との締結部の軸方向の長さを抑制できるので、シャフト2の軸方向長さが長くなることを抑制でき、軸振動の抑制や、圧縮機20の小型化に資する。
以下、上述した欠損部100の詳細について説明する。
幾つかの実施形態に係る欠損部100は、上述したように、シャフト2に設けた場合には、第2壁部206の剛性を低下させるための構成である。
具体的には、一実施形態に係る欠損部100は、上記領域Rにおいてシャフト2の外周面201に形成され、スラストカラー30が設けられた位置におけるシャフト2の外径D1よりも小さな外径D2を有する小径部208であってもよい。
上記領域Rに上記小径部208を設けることで、第2壁部206の軸方向の厚さを薄くすることができるので、第2壁部206が小径部208側に向かって曲がりやすくなる。そのため、キー40から受けるスラスト力で第2壁部206がキー40及び押え部材50とともに移動し易くなる。
これにより、第2壁部206の剛性を効果的に低下させることができ、第2壁部206が小径部208側に向かって曲がりやすくなる。そのため、キー40から受けるスラスト力で第2壁部206がキー40及び押え部材50とともに小径部208側に向かって一層移動し易くなる。
なお、側壁面206bは、径が異なるシャフト2の外周面201と小径部208の外周面208aをつなぐ段差面でもある。
凹部209は、凹部209の径方向の大きさよりも周方向の大きさが大きいとよい。また、凹部209は、側壁面206bの全周にわたって形成されていてもよく、周方向に沿った一部に設けられていてもよい。
これにより、第2壁部206が小径部208側に向かって一層曲がりやすくなる。そのため、キー40から受けるスラスト力で第2壁部206がキー40及び押え部材50とともに小径部208側に向かって一層移動し易くなる。
また、図示はしていないが、凹部209は、側壁面206bではなく、第2キー溝壁面206aに設けてもよく、側壁面206b及び第2キー溝壁面206aに設けてもよい。
壁欠損領域207を設けることで、壁欠損領域207を設けていない場合と比べて第2壁部206が小径部208側に向かって曲がりやすくなる。そのため、キー40から受けるスラスト力で第2壁部206がキー40及び押え部材50とともに小径部208側に向かって移動し易くなる。
これにより、溝211を設けていない場合と比べて、第2壁部206の剛性が低下して第2壁部206がスラストカラー30とは反対側に向かって変形し易くなる。そのため、キー40から受けるスラスト力で第2壁部206がキー40及び押え部材50とともにスラストカラー30とは反対側に向かって移動し易くなる。
具体的には、一実施形態に係る欠損部100は、押え部材50における面であって、上記領域Rにおいて径方向に沿った面である第1端面51a及び第2端面51bに形成された凹部53であってもよい。なお、第1端面51aに形成された凹部53を第1凹部53aとも称し、第2端面51bに形成された凹部53を第2凹部53bとも称する。
凹部53は、少なくとも第1端面51a又は第2端面51bの何れか一方に設けられているとよい。
これにより、押え部材50における第1端面51a及び第2端面51bを含む部位、すなわち第1領域51がスラストカラー30とは反対側に向かって曲がりやすくなる。そのため、スラストカラー30からスラスト力を受けたキー40が該スラスト力(上記の力F1)で変形し易くなる。キー40が変形して該反対側に逃げることで、キー40がスラストカラー30から受けるスラスト力(上記の力F1)が減ぜられる。そのため、キー40から押え部材50に作用するスラスト力(上記の力F4)が緩和されるので、押え部材50がシャフト2に対して位置ずれを起こし難くなる。
幾つかの実施形態に係る圧縮機20では、上記領域Rに存在する面であってシャフト2における径方向に沿った面を有する部位の内、キー溝203の側壁を形成する壁部(第2壁部206)を他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成してもよい。
第2壁部206を他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成する方法の一つとして、例えば該他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する金属粉末を用いて、シャフト2上に積層造形法によって第2壁部206を形成する方法を挙げることができる。
これにより、第2壁部206の剛性が他の部位よりも低下する。したがって、キー40から受けるスラスト力で第2壁部206がキー40とともにスラストカラー30とは反対側に向かって移動し易くなる。
これにより、押え部材50の内、少なくとも第1領域51の剛性が低下する。したがって、第1領域51がスラストカラー30とは反対側に向かって曲がりやすくなる。そのため、スラストカラー30からスラスト力を受けたキー40が該スラスト力(上記の力F1)で変形し易くなる。キー40が変形して該反対側に逃げることで、キー40がスラストカラー30から受けるスラスト力(上記の力F1)が減ぜられる。そのため、キー40から押え部材50に作用するスラスト力(上記の力F4)が緩和されるので、押え部材50がシャフト2に対して位置ずれを起こし難くなる。
すなわち、上述した幾つかの実施形態に係る圧縮機20において、上述した欠損部100の少なくとも何れか一つと、上述したヤング率が小さい材料で構成する実施形態の少なくとも何れか一つとを実施するようにしてもよい。
また、上述した幾つかの実施形態では、回転機械1の一例としてギアド圧縮機を挙げて説明したが、軸にスラスト荷重が作用することがある回転機械であれば、ギアド圧縮機に限らず、ターボチャージャ等の他の種類の回転機械に上述した内容を適用してもよい。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る回転機械1は、軸方向に沿って延在するシャフト2と、シャフト2の外周側に設けられるスラストカラー30と、シャフト2の外周面201に形成されたキー溝203に係合し、スラストカラー30に対して軸方向に隣接して設けられるキー40と、軸方向においてキー40を挟んでスラストカラー30とは反対側に位置し、径方向外側からキー40を押さえる押え部材50と、を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る回転機械1は、軸方向においてキー40を挟んでスラストカラー30とは反対側の領域Rにおいて、シャフト2の外周面201、若しくは、シャフト2若しくは押え部材50における径方向に沿った面(例えば第2キー溝壁面206a、側壁面206b、第1端面51a、第2端面51b)の何れかに欠損部100を設けるか、又は、上記径方向に沿った面(例えば第2キー溝壁面206a、側壁面206b、第1端面51a、第2端面51b)を有する部位(例えば第2壁部206、第1領域51)の少なくとも一部を他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成した。
2 回転シャフト(シャフト)
20 ギアド圧縮機
30 スラストカラー
40 キー
50 押え部材
53 凹部
100 欠損部
201 外周面
203 キー溝
206 第2壁部
208 小径部
209 凹部
211 溝
Claims (9)
- 軸方向に沿って延在するシャフトと、
前記シャフトの外周側に設けられるスラストカラーと、
前記シャフトの外周面に形成されたキー溝に係合し、前記スラストカラーに対して前記軸方向に隣接して設けられるキーと、
前記軸方向において前記キーを挟んで前記スラストカラーとは反対側に位置し、径方向外側から前記キーを押さえる押え部材と、
を備え、
前記軸方向において前記キーを挟んで前記スラストカラーとは反対側の領域において、前記シャフトの外周面、若しくは、前記シャフト若しくは前記押え部材における径方向に沿った面の何れかに欠損部を設けるか、又は、前記径方向に沿った面を有する部位の少なくとも一部を他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成した
回転機械。 - 前記欠損部は、前記領域において前記シャフトの外周面に形成され、前記スラストカラーが設けられた位置における前記シャフトの外径よりも小さな外径を有する小径部を含む
請求項1に記載の回転機械。 - 前記小径部は、前記キー溝の底面における前記シャフトの外径以下の外径を有する
請求項2に記載の回転機械。 - 前記欠損部は、前記シャフトにおける前記径方向に沿った面の内、前記小径部における前記外周面に連なる面に形成された凹部を含む
請求項2又は3に記載の回転機械。 - 前記欠損部は、前記押え部材における前記径方向に沿った面に形成された凹部を含む
請求項1乃至4の何れか一項に記載の回転機械。 - 前記欠損部は、前記シャフトの外周面に形成されていて前記キー溝から前記反対側に向かって前記軸方向に沿って延在する、周方向に間隔を空けて複数形成された溝を含む
請求項1乃至5の何れか一項に記載の回転機械。 - 前記シャフトにおける前記径方向に沿った面を有する部位の内、前記キー溝の側壁を形成する壁部を前記他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成した
請求項1乃至6の何れか一項に記載の回転機械。 - 前記押え部材の内、少なくとも前記押え部材における前記径方向に沿った面を有する部位を前記他の部位におけるヤング率よりも小さいヤング率を有する材料で構成した
請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転機械。 - 請求項1乃至8の何れか一項に記載の構成を有するギアド圧縮機。
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2021
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US20220128067A1 (en) | 2022-04-28 |
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