JP2006175547A - 電動工具及び歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高出力の機種にも対応できる歯車装置を備えた電動工具及び歯車装置を提供する。
【解決手段】ギア10とスピンドル11との間に介在しているカップリング12は、胴部12Aと鍔部12Bとを備えている。この胴部12Aがギア10に形成された第一貫通孔10a内に挿入され、鍔部12Bが第二貫通孔10bに挿入されてギア10とスピンドル11は一体として回転可能となっている。スピンドル11とカップリング12とは、孔12a内に第一軸部11Bが圧入されて一体と回転可能になっている。この場合に、圧入箇所は第一次区部11Bの胴部11Aとの連結箇所からとすることができ、圧入箇所の軸方向長さを長く取ることが可能となって、スピンドル11とカップリング12との間に発生する摩擦力を大きくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は電動工具及び電動工具に好適に用いられる歯車装置に関する。
従来、電動工具において、交流電流による加振力、歯車のピッチ誤差及び偏心等により回転変動が発生し、駆動軸側の歯車と被動軸側の歯車はそれぞれの歯面で衝突、振動を繰り返している。この衝突等により騒音が発生し、また歯面と歯面との衝突力が加振力となり、歯車部分以外からも騒音が発生していた。特に起動時においては駆動軸側のトルクが大きいため衝撃は大きく、顕著に騒音が発生していた。
これを解消するために、歯車精度を向上させることや、歯面の形状を変えることにより対策を行っていた。また、駆動軸と駆動歯車とを結合するために歯車内径に設けられる鋼材キーのがたを利用することや、特許文献1に示すように駆動軸と駆動歯車との間に弾性部材を介して駆動力を伝達する等が行われていた。
特開平3−49883号公報
しかし、特許文献1に示した手段では、衝撃や騒音の低下は十分ではなかった。よって発明者は特願2004−116451号に示すように、歯車装置の回転軸に中間部材を圧入して設け、この中間部材と歯車の間に弾性体を介在させる手段を提供している。この場合、衝撃を弾性体で吸収すると共に、急制動などにより多大な負荷がかかった場合には、中間部材が回転軸に対して滑って回転し、負荷を吸収している。
従来想定していた電動工具よりも高負荷がかかる高出力な電動工具に、このような構成の歯車装置を使用した場合は中間部材に係る負担が大きくなり、急制動時ではない通常の動作状態で発生する負荷であっても、回転軸に対して中間部材が回転し、回転が伝達できない場合があった。これを回避するために、例えば回転軸を太くして、中間部材と回転軸との間の接触面積を大きくしたり、中間部材を圧入する圧力を高める手段が想定される。
しかし、回転軸を太くすると、慣性質量が大きくなり装置全体としての負担が大きくなる。また、歯車の径によりその太さが規制されていた。中間部材を圧入する圧力を高めた場合では、圧入による中間部材の直径方向への応力が増すため、より高強度な素材を使う必要があり、材料の選定の幅を狭めると共に、圧入工程に係る作業性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、衝撃及び騒音を低下させると共に高出力の機種にも対応できる歯車装置を備えた電動工具及び歯車装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に設けられて駆動軸を備えるモータと、該ハウジング内に支持されて該駆動軸で従動する歯車装置と、該歯車装置を介して回転可能な回転体と、を備えた電動工具であって、該歯車装置は、回転軸に所定の圧入力で圧入された中間部材と、該中間部材を挿入可能な歯車とを備え、該中間部材には該回転軸の半径方向に突出する係止片が設けられ、該歯車には、該中間部材を挿入可能な貫通孔が形成される貫通孔形成部が設けられ、該貫通孔内には該回転軸の中心軸方向に向かって突出する係止部が設けられ、該貫通孔に該中間部材が挿入されている状態で該係止部が該係止片に係止可能である電動工具を提供する。
また本発明は、回転軸に所定の圧入力で圧入された中間部材と、該中間部材を挿入可能な歯車とを備えた歯車装置であって、該中間部材には該回転軸の半径方向に突出する係止片が設けられ、該歯車には、該中間部材を挿入可能な貫通孔が形成される貫通孔形成部が設けられ、該貫通孔内には該回転軸の中心軸方向に向かって突出する係止部が設けられ、該貫通孔に該中間部材が挿入されている状態で該係止部が該係止片に係止可能で歯車装置を提供する。
上記電動工具または上記歯車装置において、該中間部材は該回転軸方向断面径が該歯車の該貫通孔内径より小径の胴部と、該胴部の該回転軸方向一端に設けられて該回転軸方向断面径が該貫通孔内径より大径の鍔部と、を備え、該係止片は該胴部から突出していることことが好ましい。
また、該係止片は少なくとも二以上設けられるとともに該中間部材の該回転軸方向断面周方向に略均等配置され、該中間部材の該回転軸方向断面において該回転軸の軸心から該係止片の突出方向頂部までの距離は、該貫通孔の該回転軸方向断面半径より僅かに小さくても良い。
また、該貫通孔は、該歯車の該回転軸方向一端に形成された第二貫通孔と、該歯車の該回転軸方向他端から該第二貫通孔まで形成された第一貫通孔とから形成され、該第二貫通孔の該回転軸方向断面内径は、該鍔部の該回転軸方向断面外径より僅かに大径に形成され、該第一貫通孔の該回転軸方向断面内径は、該鍔部の該回転軸方向断面外径より小径に形成されるとともに該胴部の該回転軸方向断面外径より大径に形成され、該歯車の、該第一貫通孔に該胴部が挿入れると共に該第二貫通孔に該鍔部が挿入されていても良い。
また、該貫通孔内であって該係止部と該係止片との間には、弾性部材が挿入されることが好ましい。
本発明の請求項1記載の電動工具及び請求項6記載の歯車装置によれば、歯車と回転軸とが直接当接しないで歯車と回転軸の間に中間部材が介在した状態で回転可能になる。よって中間部材の回転軸軸方向幅は、歯車の回転軸方向幅に依存することなく、任意の幅とすることが可能になる。回転軸の断面径が同じならば中間部材の圧入箇所が回転軸方向に長い方が回転軸と中間部材との間の摩擦力が大きくなる。よって、中間部材の回転軸方向幅を広くすることによって中間部材と回転軸との摩擦が大きくなり、高負荷となった場合でも好適に電動工具及び歯車装置を使用することが可能となる。また、幅を広くした場合に、中間部材全体として回転軸を圧入する際の圧入力は増加する。しかし、中間部材全体に係る圧入力を回転軸方向の長さで除した値である単位長毎に係る圧入力は幅を広くすることにより低減することが可能となり、中間部材の直径方向に係る応力を低減させることが可能となる。よって、中間部材の直径方向に係る応力が低くても、中間部材と回転軸との間に大きな摩擦力を発生させることが可能となるため高負荷にも耐えることが可能となる。また、中間部材に係る応力が低下するため、高強度な素材を必要とすることなく、素材の選択範囲を広げることが可能となる。
請求項2記載の電動工具及び請求項5記載の歯車装置によれば、鍔部に歯車の内包部が当接するように構成されている場合には、中間部材に対する歯車の回転軸方向位置を規定することが可能となる。また鍔部が設けられることにより、少なくとも中間部材に対して歯車は鍔部側にずれることはない。よって鍔部が設けられた端面の反対側の端面に例えばストッパを設けることにより、歯車が回転軸方向にずれて中間部材より抜けることを防止することが可能となる。更に弾性体が内包部内に設けられた場合であっても、鍔部により弾性体が内包部より抜け落ちることを防止することが可能となる。また、鍔部を設けることにより、鍔部における中間部材の回転軸方向断面の半径方向厚さは胴部に比べて肉厚になる。中間部材を回転軸に圧入する際に中間部材に係る応力は中間部材の肉厚に比例するため、鍔部では応力が大きくなり、同一締め代で摩擦力をより大きくすることができる。
請求項3記載の電動工具及び請求項8記載の歯車装置によれば、回転軸の軸心から均等配置されたそれぞれの係止片の頂部までが略等しくなる。回転軸の軸心から係止片の頂部までの距離は貫通孔内径の半径より僅かに短いため、中間部材に歯車が外挿された状態では中間部材の回転中心である回転軸軸心と歯車の重心とが略等しくなる。よって、中間部材を介して歯車が回転された場合であっても、歯車に異常振動等が発生せず、電動工具および歯車装置全体として、滑らかに回転することが可能となる。また、回転軸の軸心から係止片の頂部までの距離は貫通孔内径の半径より僅かに短いため係止片は貫通孔内に圧入されて固定されることなく、係止部と係合離脱することが可能となる。
請求項4記載の電動工具及び請求項9記載の歯車装置によれば、鍔部に歯車が第二貫通孔の部分で外挿されることにより、中間部材の回転中心である回転軸の軸心と歯車の重心とが略等しくなる。よって、中間部材を介して歯車が回転された場合であっても、歯車に異常振動等が発生せず、電動工具および歯車装置全体として、滑らかに回転することが可能となる。鍔部の外径は第二貫通孔の部分の径より小さいため、第二貫通孔内で鍔部は回動可能である。また鍔部の外径は第一貫通孔の部分の径よりは大きいため、歯車は第一貫通孔と第二貫通孔との境界部分で鍔部と当接し、歯車が中間部材より脱落することを防止している。
請求項5記載の電動工具及び請求項10記載の歯車装置によれば、弾性部材を介して回転軸と歯車とが弾力的かつ動力的に連結されることが可能となるので、弾性部材部分で回転軸と歯車との間に発生する振動を抑制し、騒音をより低減することが可能となる。また、係止片と係止部との当接を、弾性部材で吸収しきれない負荷が生じた場合のみとすることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る電動工具及び歯車装置について図1乃至図3を参照しながら説明する。図1に示すディスクグラインダ1は、モータ3を内部に支持収納するハウジング2と、モータ3により回転駆動される回転体である砥石4と、カバー5と、図示せぬファンとを主に備える。ハウジング2はモータ3の駆動を制御する図示せぬスイッチを備える。砥石4は、後述のスピンドル11に取り付けられて、切断可能な方向(正転方向)にのみ回転可能である。カバー5は、ハウジング2に取り付けられて砥石4の外周の上側半分を覆う形状を成している。回転によりファン風を発生させモータ3を冷却するためのファンは、モータ3の駆動軸3Aに固定して設けられている。
駆動軸3Aの一端側には、ハスバかさ歯車であるピニオンギア8が設けられている。駆動軸3Aおよびピニオンギア8は、ハウジング2に設けられた第1軸受9Aによって回転可能に支承されている。ハウジング2内には、駆動軸3Aと直角に延びて砥石4を回転させる回転軸となるスピンドル11が、第2軸受9B、第3軸受9Cにより回転可能に支承されている。スピンドル11のハウジング2側にはピニオンギア8と噛合するハスバかさ歯車であるギア10が、中間部材であるカップリング12を介してスピンドル11と同軸に固定されている。ピニオンギア8とギア10とは何れもハスバかさ歯車であるため、それぞれの軸方向は異なり、本実施の形態では、略直交する方向となっている。
スピンドル11には、一対の固定部材11Cがスピンドル11に対して回転不能に取り付けられている。砥石4は一対の固定部材11Cに挟持固定され、スピンドル11に対して回転不能となっている。
スピンドル11は、固定部材11Cが設けられる箇所である胴部11Aと、胴部11Aの端部より延出されてカップリング12が圧入される箇所である第一軸11Bとから構成されている。
カップリング12は、図1及び図2に示すように、略円筒形状の胴部12Aと胴部12Aの一端に位置する鍔部12Bとを有し、この胴部12Aと鍔部12Bとを一連に貫通し、第一軸11Bを圧入可能な孔12aが形成されて構成されている。胴部12Aは、軸方向に対して直径方向にその外周面より延出された一対の係止片12Cと、外周面上の係止片12Cに略直交する位置に一対設けられた突出部12Dとを備えている。
カップリング12の孔12aは、第一軸11Bの外径に対して所定値の締め代が設けられており、第一軸11Bに圧入されている(図1)。この圧入箇所である第一軸11B及び孔12aは、圧入されて接する面が研磨加工されているため、カップリング12を所定値の締め代に対する適切な荷重を加えて孔12aで第一軸11Bに装着することにより、締り嵌めされて嵌着される。また、カップリング12の孔12aには、第一軸11Bの胴部11Aとの接合箇所近接部分までを挿入可能である。
この構成によりカップリング12の回転軸軸方向幅は、ギア10の回転軸方向幅に依存することなく、任意の幅とすることが可能になる。回転軸の断面径が同じならばカップリング12の圧入箇所が回転軸方向に長い方が回転軸と中間部材との間の摩擦力が大きくなるため、カップリング12の回転軸方向幅を広くすることによってカップリング12とスピンドル11との間の摩擦が大きくなり、高負荷となった場合でも好適にディスクグラインダ1を使用することが可能になる。
一般に同一締め代であるならば、その圧入箇所の軸方向長さが長いほどカップリング12とスピンドル11との間の摩擦力は大きくなる。本実施の形態に係るカップリング12は、少なくとも第一軸11Bの胴部11Aとの接合箇所から圧入箇所とすることができるため、締め代とする部分である圧入箇所を十分に長く取ることが可能であり、カップリング12とスピンドル11との間の摩擦力を好適に保つことが可能である。また、締め代とする箇所を長くすることにより、締め代の径を小さくした場合であっても、圧入箇所を長くすることによりカップリング12とスピンドル11との間の摩擦力を大きくすることが可能となる。
圧入にかかる反力は、締め代とカップリング12及びスピンドル11の弾性係数とに関係するが、圧入箇所を長くすることにより、低弾性係数の素材を用いたカップリング12及びスピンドル11を使用することが可能となる。一般に低弾性係数の素材は衝撃に強いため、圧入箇所を長くすることにより、カップリング12及びスピンドル11に低弾性係数の素材を用いたとしても、カップリング12とスピンドル11との間に所用の摩擦力を得ることが可能となる。このようにカップリング12及びスピンドル11に低弾性係数の素材を用いることにより、耐衝撃性が増し、装置全体としての耐久性を増すことが可能となる。また、カップリング12及びスピンドル11に使用する素材の選択の幅を広げることができる。
また、鍔部12Bを設けることにより、鍔部12Bにおけるカップリング12の回転軸方向断面の半径方向厚さは胴部12Aに比べて肉厚になる。カップリング12を第一軸11Bに圧入する際にカップリング12に係る応力はカップリング12の肉厚に比例するため、鍔部12Bでは応力が大きくなり、同一締め代で摩擦力をより大きくすることができる。
図2に示すように、ギア10の略中央部分には貫通孔形成部である内包部10Bが設けられている。この内包部10Bには、ピニオンギア8(図1)と対抗する面から反対面にかけて貫通する一の貫通孔が形成されており、この貫通孔は第一貫通孔10aと第二貫通孔10bとからなる。
第一貫通孔10a内面には、断面がギア10の中心軸方向へ向けて突出している係止部である凸部10Aが形成されている。凸部10Aは、凸部10A−1と、凸部10A−2から構成され、この凸部10Aは、第一貫通孔10aの直径方向の互いに反対側の位置に一対設けられている。また第一貫通孔10aの内径は、最も大きいところでも鍔部12B外径より小さく形成されている。
第二貫通孔10bは、図1及び図2に示すように、ギア10の軸方向に凹んだ円形状に形成されている。また第二貫通孔10bの内径は第一貫通孔10aの内径より大きいため、第二貫通孔10bと第一貫通孔10aとの接続位置には段差が形成されている。第二貫通孔10bの内径はカップリング12の鍔部12B外径より僅かに大きく形成されている。
第一貫通孔10a内にカップリング12の胴部12Aが挿入され、第二貫通孔10b内に鍔部12Bが挿入されて、ギア10はカップリング12に装着される。カップリング12にギア10が装着される際に突出部12Dは、凸部10A−1と凸部10A−2との間の隙間10d(図3)に挿入される。突出部12Dと凸部10A−1及び凸部10A−2はそれぞれギア10とカップリング12との相対的な回転により当接可能な位置に配されるため、突出部12Dは、凸部10A−1と凸部10A−2との間でのみ移動可能となり、突出部12Dが設けられたカップリング12はこの間でのみ回転可能となる。係止片12Cは、第一貫通孔10a内空間に配置される。また鍔部12Bは、第二貫通孔10b内に挿入されて第一貫通孔10aと第二貫通孔10bとの接続位置に形成される段差に当接しているため、胴部12Aから鍔部12Bの方向に向かってギア10がカップリング12から外れることはない。この場合に鍔部12Bの外径は第二貫通孔10bより僅かに小さいだけであるため、鍔部12Bが第二貫通孔10b内に挿入されることにより、カップリング12とギア10との回転中心を略同一にすることが可能となる。
また、図3に示すように、カップリング12の回転軸方向断面において回転軸の軸心から係止片12Cの突出方向頂部までの距離は、第一貫通孔10aの回転軸方向断面半径より僅かに小さくなっている。係止片12Cは対向する位置に設けられているため、第一貫通孔10aの回転中心とカップリング12の回転中心とを略同一にすることが可能となる。
カップリング12にギア10が装着された状態で、図3に示すように、弾性部材15が第一貫通孔10a内の鍔部12Bを底壁とする空間にそれぞれ配置されている。弾性部材15は、耐熱性、耐油性を備えたゴムより形成されている。この弾性部材15は断面が略楕円形状からなり、この楕円形状を成す表面の一部分が、第一貫通孔10a内の側面に面し、楕円形状を成す表面の他の部分が係止片12Cに面する。
弾性部材15は全て略同一形状であり、弾性部材15を内包する第一貫通孔10a内はギア10の回転の中心軸芯を法線とする面上で、中心軸芯を点として点対称に形成されている。また、スピンドル11及びカップリング12は、スピンドル11の回転の中心軸芯を法線とする面上で、中心軸芯を点として点対称の形状を成している。図3に示すように、係止片12Cが第一貫通孔10a内で一の弾性部材15と他の弾性部材15との間に挟まれているため、係止片12Cと略直交する位置に設けられている突出部12Dは、凸部10A−1と凸部10A−2との間の空間である隙間10d内の回転方向略中心に位置することになる。
弾性部材15は、第一貫通孔10a内に配置される際に、係止片12Cに面するとともに、カップリング12の外周面とも接してカップリング12と内包部10Bとの間で圧縮されて保持される。内包部10B及びカップリング12及びスピンドル11は点対称に形成されているため、全て略同一形状である弾性部材15を介してのカップリング12及びスピンドル11と内包部10Bとの位置関係において、それぞれの回転の中心軸芯が略同一となり、弾性部材15が圧縮されて保持されているため、カップリング12及びスピンドル11と内包部10Bとの位置関係はずれ等が発生せずに保たれる。よって、ギア10及びスピンドル11に負荷がかからない状態では、内包部10Bを有するギア10とスピンドル11とは、弾性部材15のみを介して連動可能となっている。
弾性部材15が内包部10Bの第一貫通孔10aに挿入された状態で、図1に示すように、ストッパ14が弾性部材15を覆い隠すようにスピンドル11に取り付けられている。ストッパ14は、略円盤状で中央部に孔14aが穿設されている。この孔14aが第一軸11Bに圧入されて第一軸11Bに固定されている。なお、ストッパ14の固定は圧入に限らず、Cリング等の止め具により固定しても良い。
ストッパ14が固定されることにより、ギア10は、鍔部12Bとストッパ14とで狭持されて保持された状態になっている。また、弾性部材15も同様に鍔部12Bとストッパ14とで狭持されるため保持された状態になっている。以上のギア10、スピンドル11、カップリング12、ストッパ14、及び弾性部材15を含んで歯車装置が構成される。
次にディスクグラインダ1の動作について説明する。作業者がディスクグラインダ1の図示せぬスイッチにより入力することによりモータ3が回転し、この回転をピニオンギア8及びギア10に伝え、最終的にギア10に接続されたスピンドル11に狭持されて固定された砥石4を回転する。ギア10とスピンドル11との回転の中心軸芯は略同一であるため、スピンドル11とギア10との間の、回転の中心軸芯の振れによる振動等は低減されている。
この時に、ギア10は、図3に示すように、時計回りに回転する。スイッチを入れた時には砥石4は停止しているため、砥石4が固定されたスピンドル11及びスピンドル11に圧入されたカップリング12は、慣性力によりその位置に止まろうとし、ギア10に対して相対的に反時計回り方向へ回転する。このとき、スピンドル11とカップリング12との間は摩擦力のみで連結されているが圧入箇所を十分長く取っているため、起動時のスピンドル11とカップリング12と相対回転による滑り発生が抑制される。またカップリング12の係止片12Cと凸部10Aとが弾性部材15を介して当接するため、弾性部材15が圧縮されることによりカップリング12とギア10との直接の当接を防止し、低騒音で滑らかに回転する。
ディスクグラインダ1が空転している状態から、被研磨材の研磨若しくは被切断材の切断等、被加工材の加工を開始すると、砥石4に負荷が生じる。この負荷は被加工部材の材質、厚さ等により決定されるが、被加工材ですべて同じ負荷となるとは限らず、加工個所により生じる負荷に変化が発生する。この負荷の変化により、ギア10に対してスピンドル11及びカップリング12は、相対的に時計回り、反時計回りに回転しようとするが、これらの回転により生じる力はカップリング12とギア10との間の弾性部材15により吸収されるため、ギア10は上記負荷の変化による影響を受け難く、これによってギア10とピニオンギア8の歯部間でのガタツキ及びこのガタツキに起因する騒音、変形等の発生を抑制することができる。
また負荷により回転数が変化しない時でも、交流電源による加振力、ギア10とピニオンギア8とのピッチ誤差や偏心等により、ギア10の回転数等は微妙に変化するが、この変化により生じる力もカップリング12とギア10との間の弾性部材15により吸収されるため、スピンドル11やカップリング12には伝わり難く、砥石4を含むスピンドル11やカップリング12は、砥石4がはずみ車となって、定常回転する。このため、砥石4の振動の発生及びこの振動に起因する騒音の発生を抑制することができる。また、カップリング12とギア10との間に微妙な回転のずれによる衝撃が発生する場合が有るが、これらの衝撃は弾性部材15で吸収されるため、作業者に違和感を生じさせるような衝撃を低減することが可能となる。
ディスクグラインダ1が停止する場合には、作業者がスイッチから手を離すことによりスイッチが切れ、モータ3に電磁ブレーキがかかる。この電磁ブレーキにより、ピニオンギア8はその回転に負荷が生じ、ギア10も急速に回転を停止する。しかし、砥石4を含むスピンドル11及びカップリング12は、砥石4の慣性力により、ギア10に対して相対的に時計回りの方向に回転する(図3)。この時に、係止片12Cと凸部10Aとが弾性部材15を介して当接し、弾性部材15が圧縮されることにより、カップリング12とギア10との当接を防止し、衝撃等を発することなく停止することが可能となる。
また、砥石4の回転が瞬時に止められる場合、例えば被加工材を切断中にすでに切断された被切断材の部分により砥石4が狭持されて回転が止まる場合がある。この場合には砥石4及びこれを固定するスピンドル11は停止するが、モータ3に連結されるピニオンギア8及びギア10は回転しようとする。この時にカップリング12とギア10との間に介された弾性部材15は係止片12Cと凸部10Aとの間で圧縮される。弾性部材15に過度の圧力が加えられると弾性部材15は塑性変形し、その弾性的な特性を失うことになる。よってこれを防止するために、弾性部材15が塑性域まで変形しないようにするために、一定値以上圧縮された状態、即ち、ギア10に対してカップリング12が一定の回転角以上回転しないようにする。
具体的には、カップリング12の突出部12Dとギア10の凸部10Aとが当接することにより、カップリング12はギア10に対して、その当接箇所以上回転することを防止する。この凸部10Aは、図2、図3に示されるように、突出部12Dに対して、時計回り方向に凸部10A−1、反時計回り方向に凸部10A−2と、突出部12Dが何れの方向に回転しても当接する。
よって、砥石4が瞬時に停止した場合は、スピンドル11及びカップリング12の位置が停止した状態でギア10が回転するため、弾性部材15が縮んだ後に突出部12Dと凸部10A−2とが当接する。当接した後は、ギア10とカップリング12とは、一体となって回転する。この時に、未だ砥石4が停止したことによる反力が低減されていない場合には、ギア10に連結するピニオンギア8を介してモータ3に反力が伝えられることになる。これによりモータ3は破損等のおそれがある。
しかし、カップリング12はスピンドル11の第1第一軸11Bに圧入されているのみであり、軸トルクが大きくなった場合にはカップリング12がスピンドル11に対して回転することが可能である。砥石4が瞬時に停止して、スピンドル11とギア10との間に発生する軸トルクは過大となるため、この場合にはカップリング12とスピンドル11との間で滑りが生じる。よって、砥石4及びスピンドル11が回転を停止したとしても、ギア10及びこれと一体となったカップリング12は、カップリング12とスピンドル11との間の滑りにより、一定の間回転し、ピニオンギア8によりギア10に係る軸トルクがカップリング12とスピンドル11との間の滑りに必要な軸トルク以下になるまで軸トルクに係るエネルギーを圧入個所の摩擦により吸収する。これにより、砥石4が急停止した場合でも、モータ3に負荷をかけることなく停止し、かつ停止時に弾性部材15が劣化することも防止することができる。
本実施の形態に係る歯車装置は、上記実施例に限定されず、例えば弾性部材15を使用せずに係止片12Cと凸部10Aとが直接当接する形状であっても良い。また突出部12Dが無い形状であっても良い。またディスクグラインダに限らず、回転動力を用いる電動工具に置いて広く適応することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るディスクグラインダの要部断面図。 本発明の実施の形態に係るディスクグラインダのギアとカップリングの関係を示す斜視図。 本発明の実施の形態に係るディスクグラインダの歯車装置の断面図。
符号の説明
1・・ディスクグラインダ 2・・ハウジング 3・・モータ 3A・・駆動軸
4・・砥石 5・・カバー 7・・ファン 8・・ピニオンギア
9A・・第一軸受 9B・・第二軸受 9C・・第三軸受 10・・ギア
10A・・凸部 10B・・内包部 10a・・第一貫通孔 10b・・第二貫通孔
10d・・隙間 11・・スピンドル 11A・・胴部 11B・・第一軸
11C・・固定部材 12・・カップリング 12A・・胴部 12B・・鍔部
12C・・係止片 12D・・突出部 12a・・孔 14・・ストッパ
14a・・孔 15・・弾性部材

Claims (10)

  1. ハウジングと、
    該ハウジング内に設けられて駆動軸を備えるモータと、
    該ハウジング内に支持されて該駆動軸で従動する歯車装置と、
    該歯車装置を介して回転可能な回転体と、を備えた電動工具であって、
    該歯車装置は、回転軸に所定の圧入力で圧入された中間部材と、該中間部材を挿入可能な歯車とを備え、
    該中間部材には該回転軸の半径方向に突出する係止片が設けられ、
    該歯車には、該中間部材を挿入可能な貫通孔が形成される貫通孔形成部が設けられ、
    該貫通孔内には該回転軸の中心軸方向に向かって突出する係止部が設けられ、
    該貫通孔に該中間部材が挿入されている状態で該係止部が該係止片に係止可能であることを特徴とする電動工具。
  2. 該中間部材は該回転軸方向断面径が該歯車の該貫通孔内径より小径の胴部と、該胴部の該回転軸方向一端に設けられて該回転軸方向断面径が該貫通孔内径より大径の鍔部と、を備え、該係止片は該胴部から突出していることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 該係止片は少なくとも二以上設けられるとともに該中間部材の該回転軸方向断面周方向に略均等配置され、該中間部材の該回転軸方向断面において該回転軸の軸心から該係止片の突出方向頂部までの距離は、該貫通孔の該回転軸方向断面半径より僅かに小さいことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電動工具。
  4. 該貫通孔は、該歯車の該回転軸方向一端に形成された第二貫通孔と、該歯車の該回転軸方向他端から該第二貫通孔まで形成された第一貫通孔とから形成され、
    該第二貫通孔の該回転軸方向断面内径は、該鍔部の該回転軸方向断面外径より僅かに大径に形成され、
    該第一貫通孔の該回転軸方向断面内径は、該鍔部の該回転軸方向断面外径より小径に形成されるとともに該胴部の該回転軸方向断面外径より大径に形成され、
    該歯車の、該第一貫通孔に該胴部が挿入れると共に該第二貫通孔に該鍔部が挿入されることを特徴とする請求項2または請求項3いずれかに記載の電動工具。
  5. 該貫通孔内であって該係止部と該係止片との間には、弾性部材が挿入されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の電動工具。
  6. 回転軸に所定の圧入力で圧入された中間部材と、該中間部材を挿入可能な歯車とを備えた歯車装置であって、
    該中間部材には該回転軸の半径方向に突出する係止片が設けられ、
    該歯車には、該中間部材を挿入可能な貫通孔が形成される貫通孔形成部が設けられ、
    該貫通孔内には該回転軸の中心軸方向に向かって突出する係止部が設けられ、
    該貫通孔に該中間部材が挿入されている状態で該係止部が該係止片に係止可能であることを特徴とする歯車装置。
  7. 該中間部材は該回転軸方向断面径が該歯車の該貫通孔内径より小径の胴部と、該胴部の該回転軸方向一端に設けられて該回転軸方向断面径が該貫通孔内径より大径の鍔部と、を備え、該係止片は該胴部から突出していることを特徴とする請求項6に記載の歯車装置。
  8. 該係止片は少なくとも二以上設けられるとともに該中間部材の該回転軸方向断面周方向に略均等配置され、該中間部材の該回転軸方向断面において該回転軸の軸心から該係止片の突出方向頂部までの距離は、該貫通孔の該回転軸方向断面半径より僅かに小さいことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の歯車装置。
  9. 該貫通孔は、該歯車の該回転軸方向一端に形成された第二貫通孔と、該歯車の該回転軸方向他端から該第二貫通孔まで形成された第一貫通孔とから形成され、
    該第二貫通孔の該回転軸方向断面内径は、該鍔部の該回転軸方向断面外径より僅かに大径に形成され、
    該第一貫通孔の該回転軸方向断面内径は、該鍔部の該回転軸方向断面外径より小径に形成されるとともに該胴部の該回転軸方向断面外径より大径に形成され、
    該歯車の、該第一貫通孔に該胴部が挿入れると共に該第二貫通孔に該鍔部が挿入されることを特徴とする請求項7または請求項8いずれかに記載の歯車装置。
  10. 該貫通孔内であって該係止部と該係止片との間には、弾性部材が挿入されることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか一に記載の歯車装置。
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