JP2022066700A - 顆粒組成物及びその製造方法 - Google Patents

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浩平 ▲高▼田
Kohei Takada
和美 東
Kazumi Higashi
裕紀 伊藤
Hironori Ito
裕 久下沼
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Abstract

【課題】食塩と風味成分とを均一に混合することのできる新たな技術を提供する。【解決手段】結着物質により結着した複数の食塩粒を有する顆粒を含み、複数の食塩粒には、天然物又はその加工品から抽出された風味成分が付着している顆粒組成物。風味成分には、洋風だし、和風だし、中華だし、韓国風だし、及びエキス類からなる群から選択される少なくとも一種を含む。さらには、顆粒組成物と、スパイス類又はハーブ類からなる群から少なくとも一種とを含有する混合調味料。【選択図】図1

Description

本発明は、顆粒組成物及びその製造方法に関する。
食塩は、基本的な調味料の一つである。食塩は、他の成分と組み合わせて混合調味料として提供される場合がある。
そのような混合調味料に関する技術として、特許文献1(特開2001-128640号公報)には、香辛料及び食塩を含有する混合調味料であって、香辛料全体の50~100質量%が粒径0.5~8mmであり、且つ上記食塩全体の50~100質量%が粒径0.5~8mmであると共に、上記食塩の塩化ナトリウム含量が95~99.9質量%であることを特徴とする混合調味料が開示されている。
特許文献1の記載によれば、従来、重力や振動により配合成分が分級してしまう等の問題があったところ、香辛料の粒径と食塩の粒径とを特定範囲に調整すると共に、食塩中の塩化ナトリウム量を特定量とすることにより、この問題が解決できるとされている。
特開2001-128640号公報
本発明者らは、食塩と天然物又はその加工品から抽出された風味成分とを組み合わせた粉粒状の組成物について検討を行っている。食塩に風味成分を加えることにより、食塩の塩味の改善が期待できる。
しかしながら、風味成分として粉粒状のものをそのまま食塩と混合しようとすると、風味成分と食塩とが比重分離してしまい、均一に両者を混合することが難しく、その結果、食塩の塩味を改善することが難しい、という課題があることに気が付いた。
そこで、本発明の課題は、食塩と風味成分との分離を防止することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の事項を含んでいる。
[1]結着物質により結着した複数の食塩粒、を有する顆粒、
を含み、前記複数の食塩粒には、天然物又はその加工品から抽出された風味成分が付着している、顆粒組成物。
[2]前記風味成分が、洋風だし、和風だし、中華だし、韓国風だし、及びエキス類からなる群から選択される少なくとも一種を含む、[1]に記載の顆粒組成物。
[3]前記風味成分が、ブイヨン、フュメ・ド・ポワソン、かつおだし、昆布だし、肉エキス、及び野菜エキスからなる群から選択される少なくとも一種を含む、[1]又は[2]に記載の顆粒組成物。
[4]前記結着物質が、澱粉を含んでいる、[1]~[3]のいずれかに記載の顆粒組成物。
[5]前記風味成分の含有量が、10質量%以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の顆粒組成物。
[6]食塩の含有量が、50質量%以上である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の顆粒組成物。
[7]更に、純品調味料を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の顆粒組成物。
[8]前記顆粒組成物と、スパイス類又はハーブ類からなる群から少なくとも一種と、を含有する、混合調味料。
[9]容器に充填されたものである、[1]~[7]のいずれかに記載の顆粒組成物、又は、[8]に記載の混合調味料。
[10]複数の食塩粒に、天然物又はその加工品から抽出された風味成分を含有する風味成分含有溶液を噴霧することにより、前記複数の食塩粒の各々に風味成分を付着させる工程と、結着物質含有溶液を噴霧することにより、前記複数の食塩粒を結着させ、顆粒を生成する工程と、を備える、顆粒組成物の製造方法。
[11]前記顆粒を生成する工程が、前記風味成分を付着させる工程の後に行われる、[10]に記載の製造方法。
本発明によれば、食塩と風味成分との分離を防止できる。
図1は、実施例1の顆粒組成物のデジタルマイクロスコープ画像である。 図2は、食塩粒のデジタルマイクロスコープ画像である。 図3は、馬鈴薯澱粉のデジタルマイクロスコープ画像である。 図4は、野菜ブイヨンパウダーのデジタルマイクロスコープ画像である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
1:顆粒組成物
本実施形態は、顆粒を含む粉粒状の顆粒組成物に関する。
尚、本発明において、「粉粒状」とは、特に断りのない限り、粉及び/又は粒の集合体からなっていることを意味する。粉及び粒のサイズは、特に断りのない限り、限定されるものではない。
本実施形態において、各顆粒は、結着物質により結着した複数の食塩粒を有する。
また、複数の食塩粒の各々には、風味成分が付着している。
「風味成分」とは、天然物又はその加工品から抽出された成分である。
本実施形態によれば、各食塩粒に風味成分が付着しているため、食塩粒と風味成分とが比重差により分離することがない。従って、食塩粒と風味成分とが均一に混合した組成物を得ることができる。
顆粒組成物中の食塩の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70~95質量%である。すなわち、本実施形態に係る顆粒組成物は、食塩を主成分とする組成物であることが好ましい。
続いて、風味成分について説明する。本明細書において、「風味成分」とは、上述のように、天然物又はその加工品から抽出された成分を意味する。尚、天然物由来の成分であったとしても、化学変化させたもの(分解型天然調味料)は、風味成分に包含されない。天然物由来であったとしても、精製によって純品(単一成分)とした調味料(うま味調味料、グルタミン酸ナトリウム等)も、風味成分には包含されない。
風味成分としては、例えば、畜肉、水産物、野菜類、及びそれらの加工品(例示:かつお節、煮干し、干し椎茸などの、天然物を加熱、発酵及び/又は乾燥処理したもの)の少なくとも1種を煮出して得ただし(出汁);そのだしを濃縮し、ペースト化又は乾燥粉末化して得られただしの素;肉エキス、野菜エキスなどのエキス類;及び発酵調味料等が挙げられる。
だしとしては、洋風だし(ブイヨン、フォン・ド・ヴォー、フュメ・ド・ポワソンなど)、和風だし(鰹だし、昆布だし等)、湯(タン)などと呼ばれる中華だし(白湯(パイタン)、上湯(シャンタン)、鶏がらだし等)、及び韓国風だし(ユッス(牛肉のだし)等)が挙げられる。
ブイヨンとは、主にスープのベースとして用いられるだしであって、肉と香味野菜から得られるだしである。
フュメ・ド・ポワソンとは、魚の頭やカマ(魚のえらの下の、胸びれのついている部分)などのガラと香味野菜から得られるだしである。
発酵調味料としては、醤油、味噌、魚醤、蝦醤、酢、及びみりん等を挙げることができる。
好ましい風味成分としては、ブイヨン、フュメ・ド・ポワソン、かつおだし、昆布だし、肉エキス、及び野菜エキスからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。
顆粒組成物中の風味成分の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下であり、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~5質量%である。
風味成分に加えて、他の調味料が食塩粒に付着していてもよい。他の調味料としては、例えば、分離型天然調味料等が挙げられる。
分離型天然調味料としては、タンパク加水分解物及び酵母エキスなどが挙げられる。これらは、必ずしも好ましい香りを有しているとは言えない場合もあるが、うま味付与等の作用があることから、顆粒組成物の呈味を強化することができる。
続いて、結着物質について説明する。
「結着物質」とは、複数の食塩粒を結着させる機能を有する物質である。
結着物質としては、食用可能であって、一般に造粒法でバインダーとして用いられる物質を用いることができる。例えば、結着物質としては、澱粉(加工澱粉も含む);低分子量の炭水化物や糖類(例えば、デキストリン、シクロデキストリン、難消化性デキストリン、ラクトース、マルトース、マルチトール、グルコース、フラクトース等など);アラビアガムやグアーガムなどの各種ガム類(増粘多糖類);セルロース;及びCMC(カルボキシメチルセルロース)などを使用することができる。
澱粉としては、例えば、コーンスターチ、小麦澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉及びこれらを由来とする加工澱粉等を挙げることができる。
加工澱粉としては、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、及びデンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。
好ましい結着物質は、乾燥状態での吸湿性が低い物質である。そのような結着物質としては、馬鈴薯澱粉が挙げられる。馬鈴薯澱粉は、顆粒組成物の製造時に、原料である食塩粒の凝集を促進させやすい。従って、顆粒化の速度が上がり、収率の向上に寄与する。また、馬鈴薯澱粉は、吸湿性が低いため、空気中の水分を吸収しにくく、べたつきや顆粒同士の凝集を防ぐことができる。
好ましい一態様において、結着物質は、風味成分を被覆している。本実施形態において使用される風味成分は、吸湿性や潮解性を有していることが多い。そのため、風味成分が外部に露出していると、風味成分が空気中の水分を吸収し、べとつき、顆粒同士が結着し、ダマになりやすい。これに対して、風味成分が結着物質により被覆されていることにより、風味成分が水分を吸収することを防止でき、顆粒同士が結合してしまうことを防ぐことができる。
顆粒組成物中の結着物質の含有量は、例えば、0.1~10質量%、好ましくは0.3~5質量%である。
顆粒組成物には、更に、純品(単一成分)の化合物からなる純品調味料が含まれていてもよい。そのような純品調味料として、たとえば、「うま味調味料」が挙げられる。うま味調味料とは、うま味を有する化合物を精製した単一成分の化学調味料(食品添加物)であり、具体的には、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸、及び有機酸塩などが挙げられる。アミノ酸系調味料としては、グルタミン酸及びその塩(グルタミン酸ナトリウム等)などが挙げられる。核酸系調味料としては、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。有機酸としては、クエン酸などが挙げられる。有機酸塩としては、コハク酸二ナトリウムなどが挙げられる。
好ましいうま味調味料は、グルタミン酸ナトリウムである。グルタミン酸ナトリウムが含まれていることにより、呈味性を強化することができる。
純品調味料として、例えば減塩目的の用途の場合に、うま味調味料に代えて、あるいは追加して、塩化カリウム、塩化マグネシウム、又は炭酸マグネシウム等が使用されてもよい。
純品調味料は、顆粒とは独立した粒体として含まれていてもよいし、食塩粒と共に結着して顆粒の一部を構成していてもよい。食塩粒と同様に、純品調味料の粒にも風味成分が付着していてもよい。
顆粒組成物中の純品調味料の含有量は、例えば、1~30質量%、好ましくは3~20質量%である。
本実施形態において、顆粒組成物は、例えば、50質量%以上が1000~2000μmの粒径を有していることが好ましい。好ましくは、75質量%以上が1000~2000μmの粒径を有していることが好ましい。顆粒組成物の粒度分布は、例えば、ロータップ式ふるい振とう機を用いて粒度分布を測定することにより、求めることができる。尚、以下に説明する他の成分の粒度分布も同様である。
2:顆粒組成物の製造方法
続いて、顆粒組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に係る顆粒組成物は、複数の食塩粒を結着させ、風味成分を食塩粒に付着させることができる方法であればよく、特に限定されない。
好ましい一態様において、本実施形態に係る顆粒組成物の製造方法は、複数の食塩粒に、天然物又はその加工品から抽出された風味成分を含有する風味成分含有溶液を噴霧することにより、複数の食塩粒の各々に風味成分を付着させる工程(ステップS1)と、結着物質含有溶液を噴霧することにより、複数の食塩粒を結着させ、顆粒を生成する工程(ステップS2)とを備えている。
この方法によれば、ステップS1において、風味成分含有溶液を複数の食塩粒に噴霧することにより、複数の食塩粒に風味成分を付着させることができる。これにより、食塩粒と風味成分とが分離することが防止され、風味成分と食塩粒とを均一に組み合わせることができる。
尚、ステップS1とステップS2の順番は限定されないが、好ましくは、ステップS1の後にステップS2が行われる。すなわち、各食塩粒に風味成分を付着させた後に、結着物質により、複数の食塩粒を結着させることが好ましい。このような方法によれば、ステップS1で付着した風味成分が、ステップ2において結着物質により被覆される。その結果、風味成分が空気中の水分を吸収することが防止される。風味成分の吸水により風味成分が粘着性を持ち、顆粒同士が結着してしまうことを、防ぐことができる。
以下に、一例を挙げて、顆粒組成物の製造方法を詳述する。
ステップS1:風味成分の付着
まず、複数の食塩粒を含む原料粉粒を準備する。
本実施形態において使用される原料の食塩粒は、食用可能な食塩であればよく、特に限定されるものではない。例えば、海水の乾燥や岩塩(岩石名として)の採掘によって生産され、塩化ナトリウムを主な成分とし、塩味をつける調味料を挙げることができる。また、保存(塩漬け・塩蔵)などの目的で食品に使用される塩を食塩粒として用いることができる。岩塩、天日塩、釜で炊いて作ったせんごう塩のいずれも、本実施形態における食塩粒として使用可能である。
海水からつくられている塩は、塩化ナトリウムの純度で大別すると、特級塩、食塩、並塩、白塩の4つの種類があるが、いずれも、本実施形態における食塩粒として使用可能である。
特級塩には、塩化ナトリウム99.7%以上の高純度塩である精選特級塩と、塩化ナトリウム99.5%以上の高純度塩である特級塩とがあり、食塩は塩化ナトリウム99%以上、平均粒径0.4mmの乾燥塩であり、これらは精製塩とも呼ばれる。並塩は、塩化ナトリウム95%以上、水分約1.4%の非乾燥塩で80質量%以上が200~500μmであるの最も一般的な湿った塩である。白塩は塩化ナトリウム95%以上で平均粒径がやや大きい塩である。
本実施形態において食塩粒として使用する原料としては、食塩中の塩化ナトリウムの純度が顆粒状にする場合にその品質を左右するものではないので、使用目的に適したものを適宜採用すればよい。
塩は、通常粒径別に0.5mm以上が50質量%以上である中粒ワイド、0.59mm以上が80%以上である中粒、1mm以上が10質量%以上である大粒ワイド、1mm以上が50質量%以上である大粒の4つに分類される。本実施形態においては、いずれの粒径の塩も食塩粒の原料として使用できるが、粒径が大きければ大きいほど最終造粒した顆粒のサイズが大きくなる。顆粒組成物をスパイス類やハーブ類と混合する場合には、顆粒がスパイス類又はハーブ類と分離しないことが望ましく、この観点からは、原料とする食塩粒の粒径としては、中粒以下が好ましく、中粒ワイド以下がより好ましい。
使用する食塩粒としては、80質量%以上が10~2000μmの範囲内のものが好ましく、80質量%以上が200~500μmの範囲内のものがより好ましい。
原料粉粒には、食塩以外の成分が含まれていてもよい。好ましい態様では、他の成分として、純品調味料(好ましくはうま味調味料)が用いられる。より好ましくは、うま味調味料として、グルタミン酸ナトリウムが用いられる。グルタミン酸ナトリウムを使用することにより、呈味性をより強化することができる。
原料のうま味調味料としては、例えば、その50質量%以上が250μm以下の粒径を有しているものを用いることが好ましい。より好ましくは、うま味調味料は、その90質量%以上が250μm以下の粒径を有している。
また、一方で、風味成分を含有する風味成分含有溶液を準備する。例えば、風味成分がブイヨンである場合には、ブイヨンパウダー(例えば、数種類の野菜を煮込んで濃縮して得たブイヨンを、噴霧乾燥して得たもの)を、水に溶解させることにより、風味成分含有溶液を得ることができる。
風味成分含有溶液中の風味成分の含有量は、例えば、0.1~50質量%、好ましくは1~40質量%、より好ましくは5~35質量%である。
風味成分含有溶液には、風味成分以外の原料が含まれていてもよい。風味成分以外の原料としては、既述の分離型天然調味料等が挙げられる。
続いて、準備した原料粉粒に、風味成分含有溶液を噴霧し、両者を混合する。好ましくは、流動層造粒乾燥機を用いて、原料粉粒に風味成分含有溶液を噴霧し、乾燥させる。これにより、各食塩粒に風味成分が付着する。
風味成分含有溶液は、加温されていることが好ましい。風味成分含有溶液の温度は、例えば、50~95℃、好ましくは60~90℃である。
ステップS2:食塩粒の結着
続いて、結着物質含有溶液を調製する。結着物質含有溶液中の結着物質の含有量は、例えば、0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%である。
そして、ステップS1で処理された原料粉粒に、結着物質含有溶液を噴霧し、両者を混合する。好ましくは、流動層造粒乾燥機を用いて、原料粉粒に結着物質含有溶液を噴霧し、乾燥させる。これにより、複数の食塩粒が結着物質によって結着して顆粒となり、本実施形態に係る顆粒組成物が得られる。また、本ステップにおいて、食塩粒に付着した風味成分が、結着物質により被覆される。
結着物質含有溶液は、加温されていることが好ましい。結着物質含有溶液の温度は、例えば、50~95℃、好ましくは60~90℃である。
原料となる結着物質としては、その粒径は特に限定されず、顆粒状に加工されていてもよく、水に溶解する性状のものであればよい。
その後、必要に応じてふるい分け等によって顆粒組成物の粒度を調製することにより、本実施形態に係る顆粒組成物が得られる。好ましくは、顆粒組成物の50質量%以上が1000~2000μmの粒径を有するように、より好ましくは顆粒組成物の75質量%以上が1000~2000μmの粒径を有するように、ふるい分けが行われる。
以上説明した本実施形態に係る方法によれば、風味成分を食塩粒に付着させることができるため、風味成分と食塩粒との分離を防ぐことができる。その結果、食塩の塩味を効果的に改善することができる。具体的には、食塩由来の塩味が風味成分により緩和され、まろやかな味を有する顆粒組成物を得ることができる。
また、本実施形態の方法によれば、風味成分が結着物質により覆われるため、風味成分が吸水によりとつくことがない。その結果、顆粒組成物を構成する粉粒同士が固結することを防ぐことができる。
3:混合調味料
本実施形態に係る顆粒組成物は、そのまま調味料として提供されてもよいが、更に他の粉粒材料と混合され、混合調味料として提供されてもよい。
他の粉粒材料としては、乾燥品であればよく、特に限定されないが、例えば、スパイス類又はハーブ類が挙げられる。
スパイス類又はハーブ類としては、例えば、アジョワン、アニス、エシャロット、オールスパイス、オニオン、オレガノ、ガーリック、カフィアライム、カホクザンショウ、カルダモン、カレーリーフ、キャラウェイ、クミン、グリーンペッパー、クローブ、コショウ、ゴマ、コリアンダー(パクチー)、サフラン、サンショウ、シソ、シナモン、ショウガ、スターアニス、セージ、タイム、ターメリック、タデ、タラゴン、チンピ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニラ、ネギ、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ハラペーニョ、フェヌグリーク、フェンネル、ホースラディッシュ、マージョラム、マスタード、ミカン、ミョウガ、ミント、ライム、ラディッシュ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローリエ、及びワサビなどを挙げることができる。
上記のスパイス類及びハーブ類としては、好ましくは、80質量%以上が10~5000μmのものが、より好ましくは80質量%以上が1000~3000μmの範囲内のものが用いられる。
スパイス類及びハーブ類は、例えば振動ミル、ボールミル、フェザーミル、ハンマーミル、凍結粉砕などの粉砕機を用いて粉砕することにより、調製することができる。なお、粉砕前にフローズンカッターなどにより適当な大きさに細断あるいは粗粉砕を行ってもよい。
粉砕は、乾燥前の食品材料をそのまま、あるいは水を加えて粉砕後、乾燥してもよい。
他の粉粒材料は、例えば、顆粒組成物100質量部に対して、0.1~20質量部、好ましくは1~15質量部の量で使用される。
上述の顆粒組成物又は混合調味料は、好ましくは容器に充填されて提供される。容器としては、容器を振ることにより、内容物が排出されるように構成されたものが好ましい。本実施形態に係る顆粒組成物又は混合調味料を食材に振りかけることにより、食材の味を、顆粒組成物又は混合調味料によって引き立てることができる。
以下に、本発明をより詳細に説明するために、本発明者らによって行われた実施例について説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるべきものではない。
(実験例1)顆粒組成物の評価
実施例1、比較例1~2として、表1に示す組成を有する顆粒組成物を調製した。尚、表1において、各成分についての値は、「質量部」を表す。
Figure 2022066700000002
具体的には、以下の方法により、顆粒組成物を調製した。
(実施例1)
食塩として、85質量%以上が粒径150~500μmである精製塩を準備した。
グルタミン酸ナトリウムとして、90質量%が粒径250μm以下のものを準備した。
一方で、手鍋に約80℃の水15gを入れ、更にブイヨンパウダー4.4gを投入し、加熱混合して23%ブイヨン液(風味成分含有溶液)を調製した。ブイヨンパウダーとしては、玉ねぎやにんじん、セロリからとったブイヨンをスプレードライして得られた粉末を用いた。
更に、結着物質含有溶液として、3.5%馬鈴薯澱粉溶液を準備した。
準備した食塩200gと、グルタミン酸ナトリウム22gとを流動層造粒乾燥機(株式会社パウレック製 FD-LAB-1)において混合し、混合物(原料粉粒)を送風温度約80℃、排風温度約50℃にて流動状態とした。そして、約80℃に加温した風味成分含有溶液を、流動状態の混合物に噴霧し、常法により混合物を造粒した。
次いで、送風温度約80℃、排風温度約50℃で、混合物を流動状態とした上で、約80℃の3.5%馬鈴薯澱粉溶液(結着物質含有溶液)60gを噴霧し、常法により造粒した。造粒後、1000μmと2000μmの篩を使用して混合物をふるい分けし、粒径が1000μm~2000μmの顆粒組成物を、実施例1として得た。
(比較例1)グルタミン酸ナトリウム、風味成分不使用
グルタミン酸ナトリウム及び風味成分を使用しなかった点を除き、実施例1と同様の方法により、比較例1の顆粒組成物を調製した。
具体的には、食塩200gを流動層造粒機に仕込み、送風温度約80℃、排風温度約50℃にて流動状態とした。流動状態とした食塩に、約80℃の3.5%馬鈴薯澱粉溶液(結着物質含有溶液)60gを噴霧して常法により造粒した。その後、混合物を、1000μmと2000μmの篩を使用してふるい分けし、粒径が1000μm~2000μmの顆粒組成物を、比較例2として得た。
(比較例2)風味成分不使用
風味成分を使用しなかった点を除き、実施例1と同様の方法により、比較例2の顆粒組成物を調製した。
食塩200gとグルタミン酸ナトリウム22gを流動層造粒機に仕込み、送風温度約90℃、排風温度約50℃にて流動状態とした。流動状態とした混合物に、約80℃の3.5%馬鈴薯澱粉溶液(結着物質含有溶液)60gを噴霧して常法により造粒した。造粒後、混合物を1000μmと2000μmの篩を使用してふるい分けし、粒径が1000μm~2000μmの顆粒組成物を比較例2として得た。
(官能評価)
得られた実施例1及び比較例1~3に係る顆粒組成物をそのまま食し、「味」及び「食感」を評価した。
また、得られた実施例1及び比較例1~3に係る顆粒組成物を、振り出しキャップ付き容器に入れ、ビーフステーキの上に振り掛けて食し、その味を評価した。
評価結果を下記表2に示す。
Figure 2022066700000003
表2に示されるように、実施例1は比較例1~2に比べて「味」又は「食感」において良好であった。また、ビーフステーキに振りかけて食した場合に、肉の甘みやうまみが引き立っており、調味料として良好であった。
(実験例2)混合調味料の評価
実施例1、比較例1~2の顆粒組成物をそれぞれ100gずつ準備した。準備した顆粒組成物100gを、粒状ガーリック6g及びオレガノ粗砕品4.3gと共に袋に入れて振って混合し、混合調味料を得た。尚、粒状ガーリック及びオレガノ粗砕品としては、80質量%以上が1000~4000μmの粒径になるように粉砕したものを用いた。得られた混合調味料を、振り出しキャップ付き容器に入れ、ビーフステーキの上に振り掛けて食し、評価した。
結果を下記表3に示す。
Figure 2022066700000004
表3に示されるように、ガーリック及びオレガノと混合した場合であっても、実施例1に係る組成物は、比較例1~2に比べて、調味料として良好であった。
(デジタルマイクロスコープ写真評価)
実施例1に係る顆粒組成物のデジタルマイクロスコープ画像を取得した。得られたデジタルマイクロスコープ画像を、図1に示す。また、参考の為、原料である食塩、グルタミン酸ナトリウム、馬鈴薯澱粉、及び野菜ブイヨンパウダーのデジタルマイクロスコープ画像を、図2~図4に示す。
図1に示されるように、実施例1の顆粒組成物は、複数の食塩粒が結着して形成された顆粒を含んでいることが確認された。更に、各食塩粒の表面上に小さい粒が確認され、野菜ブイヨンパウダーが食塩粒に付着していることが確認された。
このことから、実施例1では、野菜ブイヨンパウダーが食塩粒に付着しており、この結果、食塩と野菜ブイヨンパウダーの味が一体化し、新たな風味を生み出しているものと考えられる。
(流動層造粒機の壁面に付着した粉粒の評価)
実施例1の顆粒組成物の調製後に、流動層造粒乾燥機の壁面の上部と下部とで、付着した粉粒に違いがあるか否かを観察したところ、上部と下部とで大きな違いは観察されなかった。すなわち、実施例1においては、風味成分(野菜ブイヨン)が均一に食塩粒と混合されていることが判った。このことから、実施例1においては、風味成分が食塩粒に付着する結果、均一に風味成分が食塩粒と混合された顆粒組成物が得られていることが判った。

Claims (11)

  1. 結着物質により結着した複数の食塩粒、を有する顆粒、
    を含み、
    前記複数の食塩粒には、天然物又はその加工品から抽出された風味成分が付着している、
    顆粒組成物。
  2. 前記風味成分が、洋風だし、和風だし、中華だし、韓国風だし、及びエキス類からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の顆粒組成物。
  3. 前記風味成分が、ブイヨン、フュメ・ド・ポワソン、かつおだし、昆布だし、肉エキス、及び野菜エキスからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の顆粒組成物。
  4. 前記結着物質が、澱粉を含んでいる、請求項1~3のいずれかに記載の顆粒組成物。
  5. 前記風味成分の含有量が、10質量%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の顆粒組成物。
  6. 食塩の含有量が、50質量%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の顆粒組成物。
  7. 更に、純品調味料を含む、請求項1~6のいずれかに記載の顆粒組成物。
  8. 前記顆粒組成物と、
    スパイス類又はハーブ類からなる群から少なくとも一種と、
    を含有する、混合調味料。
  9. 容器に充填されたものである、請求項1~7のいずれかに記載の顆粒組成物、又は、請求項8に記載の混合調味料。
  10. 複数の食塩粒に、天然物又はその加工品から抽出された風味成分を含有する風味成分含有溶液を噴霧することにより、前記複数の食塩粒の各々に風味成分を付着させる工程と、
    結着物質含有溶液を噴霧することにより、前記複数の食塩粒を結着させ、顆粒を生成する工程と、
    を備える、顆粒組成物の製造方法。
  11. 前記顆粒を生成する工程が、前記風味成分を付着させる工程の後に行われる、請求項10に記載の製造方法。
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