JP2022065305A - 卓上切断機 - Google Patents

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Hiroto Korekawa
竜太 北岡
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Abstract

【課題】被切断材に対する刃具の切り込み位置を好適に確認できる卓上切断機を提供する。【解決手段】切断機1は、被切断材が載置されるターンテーブル4を支持するベース2と、ベース2に上下方向に移動可能に連結される切断機本体10を有する。切断機1は、切断機本体10に設けられて刃具11の一部を覆う固定カバー12と、刃具11の他の一部を開閉可能に覆うように切断機本体10に移動可能に取付けられる可動カバー60と、固定カバー12に設けられてターンテーブル4に向けて照射可能なLED照明具68を有する。可動カバー60は、光を透過する第1光透過率を具備する素材で形成される。可動カバー60は、刃具11の左方と右方と径方向外方をそれぞれ覆う左側壁62と右側壁63と周壁64を有する。左側壁62と右側壁63の少なくとも一方には、第1光透過率よりも低い第2光透過率となる光透過抑制部65が設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば木材等の被切断材の切断加工に用いられる卓上切断機に関する。
この種の卓上切断機は、例えば被切断材が載置されるテーブルを支持するベースと、ベースに上下方向に移動可能に連結される切断機本体を有する。ベースは卓上等に載置される。ベースと、切断機本体は、電動モータを動力源として回転可能に支持された刃具を有する。さらに切断機本体は、刃具の一部を覆う固定カバーと、固定カバーに対して変位可能かつ刃具の他の一部を開閉可能に覆う可動カバーを有する。刃具をテーブルに載置された被切断材に切り込ませることで、被切断材の切断加工を行うことができる。
被切断材に対する刃具の切り込み位置を確認するために例えばレーザを備えた卓上切断機が従来提供されている。特許文献1に記載の発明は、固定カバーの内面側にレーザが設けられ、レーザが下方のテーブルに向けてレーザ光を照射する。被切断材に描かれたスミ線にレーザ光の照射位置を合わせる。これにより刃具をスミ線の位置に切り込ませることができる。
スミ線との位置合わせ用のレーザは、レーザ光が刃具に当たらないようにするため、刃具の円盤面に対して左右何れかにずれた位置に設けられていた。そのため刃具の円盤面の延長上にレーザ光の照射位置を調整することが容易でなかった。
特開2011-245564号公報
上述のレーザに代えて、固定カバーの内面側かつ刃具の円盤面の延長上にLED照明具を設けることが考えられる。LED照明具は、下方の刃具とテーブルに向けて照射する。テーブルに映る刃具の影と被切断材に描かれたスミ線を合わせることで刃具をスミ線の位置に切り込ませることができる。
しかしながらLED照明具は、レーザに比べて照射光の指向性が小さい。そのためLED照明具の照射光は乱反射し易い。一方、可動カバーが照射光を遮蔽しないようにするためには、光の透過率が高い透明な素材で可動カバーを設けることが望ましい。この場合にLED照明具の照射光は、透明な可動カバーで屈折しながら可動カバーの外方へ照射される。これにより被切断材の表面に可動カバーの形状等の模様が映ってしまう。そのため被切断材に映る刃具の影の視認性が損なわれ得る。したがって被切断材に対する刃具の切り込み位置を好適に確認できる卓上切断機が従来必要とされている。
本開示の一つの特徴によると卓上切断機は、被切断材が載置されるテーブルを支持するベースと、ベースに上下方向に移動可能に連結される切断機本体を有する。卓上切断機は、固定カバーと可動カバーとLED照明具を有する。固定カバーは、切断機本体に設けられて刃具の一部を覆う。可動カバーは、固定カバーに対して変位して刃具の他の一部を開閉可能に覆うように切断機本体に移動可能に取付けられる。LED照明具は、固定カバーに設けられてテーブルに向けて照射可能である。可動カバーは、光を透過する第1光透過率を具備する素材で形成される。可動カバーは、刃具の左方を覆う左側壁と、刃具の右方を覆う右側壁と、刃具の径方向外方を覆う周壁を有する。左側壁と右側壁の少なくとも一方には、第1光透過率よりも低い第2光透過率となる光透過抑制部が形成または設けられる。
したがって光透過抑制部に当たったLED照明具の照射光は、第1光透過率よりも低い第2光透過率によって光透過抑制部の外方への透過が抑制される。あるいは光透過抑制部に当たったLED照明具の照射光は、例えばムラがなく一様になるように好適に拡散する。そのため被切断材の表面に可動カバーの形状等の模様が映ることを抑制できる。これにより被切断材に映る刃具の影の視認性を良好にできる。そのため被切断材に対する刃具の切り込み位置を好適に確認できる。
本開示の他の特徴によると左側壁と右側壁と周壁は、それぞれ光透過抑制部を有する。周壁には、周壁を貫通する孔が形成されている。したがってLED照明具の照射光が左側壁と右側壁と周壁のいずれに当たる場合においても、可動カバーの各壁の形状による模様が被切断材に映ることを抑制できる。さらに刃具を照射したLED照明具の照射光は、周壁の孔から可動カバーの外方に照射される。そのため被切断材に刃具の影を好適に映すことができる。かくしてLED照明具に照射された被切断材の視認性を良好にできる。
本開示の他の特徴によると可動カバーは、切断機本体が上死点に位置する際における上半分の領域に第1光透過率を具備する窓部を有する。したがって切断機本体が上死点に位置する際に、窓部から可動カバーの内側の刃具を容易に視認できる。そのため被切断材に切り込ませる前の刃具の状態を容易に確認できる。
本開示の他の特徴によると左側壁と右側壁と周壁は、それぞれ第1光透過率を具備する窓部を有する。したがって可動カバーの内側の刃具を少なくとも3方向から視認できる。そのため被切断材に切り込ませる前の刃具の状態を詳細に確認できる。
本開示の他の特徴によると左側壁と右側壁と周壁は、互いに連続して形成されている。したがって左側壁と周壁の間、若しくは右側壁と周壁の間において、LED照明具の照射光が外方に漏れ出ないように可動カバーを設けることができる。そのため被切断材に不用意な照射光が映ることを抑制できる。これによりLED照明具に照射された被切断材の視認性を良好にできる。
本開示の他の特徴によると左側壁と右側壁と周壁は、第1光透過率を具備する素材としてポリカーボネートによって一体に成型されている。したがって可動カバーの外形や表面形状を好適に選択して成型できる。そのため左側壁、右側壁、周壁、及び光透過抑制部を好適な位置に形成若しくは設けることができる。しかも一体に成型することにより、例えばLED照明具の照射光が不用意に外方に漏れ出ることを防止できる。
本開示の他の特徴によると左側壁と右側壁の少なくとも一方には、可動カバーの径方向から見て左右方向の段差が形成される。段差よりも可動カバーの径方向外方に光透過抑制部が設けられる。したがってLED照明具の照射光が当たり易い可動カバーの径方向外側領域に光透過抑制部を設ける。これにより光透過抑制部を形成若しくは設ける領域を少なくできる。これにより可動カバーの製造コストを抑えることができる。
本開示の他の特徴によると光透過抑制部は、複数の凹凸形状を含んで形成されている。したがって光透過抑制部に当たったLED照明具の照射光は、複数の凹凸形状によって例えばムラがなく一様になるように好適に拡散される。しかも凹凸形状は、照射光が好適に透過若しくは拡散するように形、大きさ、間隔等を適宜選択して形成できる。これによりLED照明具に照射された被切断材の視認性を良好にできる。
本開示の他の特徴によると光透過抑制部は、つや消し処理により形成された複数の凹凸形状を有する。したがってつや消し処理の処理時間等を適宜変更することによって凹凸形状の大きさ(深さ)等を変更できる。そのため光を好適に透過可能または好適に拡散可能な光透過抑制部を設けることができる。これによりLED照明具に照射された被切断材に可動カバーの模様等が映ることを抑制でき、視認性を良好にできる。
本開示の他の特徴によると光透過抑制部は、つや消し処理により形成された粒子状の凸部を有する。したがって光透過抑制部は、光の透過を抑制しかつ概ね一様に光を透過させる。あるいは光透過抑制部は、当たった光を概ね一様に拡散する。そのためLED照明具の照射光が被切断材に可動カバーの模様等を映すことを抑制できる。これにより被切断材の視認性を良好にできる。また、粒子状の凸部は、例えば以下のようにして光透過抑制部に形成される。先ず可動カバーを成型する金型につや消し処理を施して粒子状の凹部を形成する。可動カバーの成型時に粒子状の凹部に対応して粒子状の凸部が形成される。したがって光透過抑制部を具備した可動カバーを量産し易くなり、製造コストを抑えることができる。
本開示の他の特徴によると光透過抑制部は、可動カバーの内面に設けられる。したがって光透過抑制部に当たった照射光が可動カバーの内側で例えばムラがなく一様になるように好適に拡散される。さらに可動カバーの外方へ出ていく照射光を光透過抑制部によって抑制できる。これにより被切断材に照射光の模様が映ることを抑制できる。
本開示の他の特徴によると可動カバーは、切断機本体が上死点に位置する際における下半分の領域に光透過抑制部を有する。したがってLED照明具が被切断材を必要な範囲で照射し、不要な範囲については光透過抑制部によって不用意に照射しないようにすることができる。また、光透過抑制部において照射光が拡散されることにより、可動カバーの下半分の領域が薄く光る。そのため可動カバーの外方からLED照明具がオン状態であることを容易に確認できる。
本開示の他の特徴によると窓部は、周壁において、左側壁に隣接する周壁の左端縁と右側壁に隣接する周壁の右端縁に跨って延設され、円弧形状である。したがって可動カバーの内側の刃具を複数方向から連続して視認できる。しかも窓部は、刃具の周方向に沿って延設される。そのため、例えば回転する刃具に異常がないか詳細に確認できる。
本実施形態に係る卓上切断機の全体斜視図である。 卓上切断機の左側面図である。本図は、切断機本体が上死点に位置する状態を示している。 卓上切断機の左側面図である。本図は、切断機本体が下死点に位置する状態を示している。 卓上切断機の右側面図である。 卓上切断機の平面図である。 卓上切断機の正面図である。 卓上切断機の後面図である。 卓上切断機の一部縦断面を含む左側面図である。 卓上切断機の一部縦断面を含む正面図である。 可動カバーの斜視図である。 可動カバーを開口側から見た平面図である。 図11中XII-XII線断面矢視図であって可動カバーの縦断面図である。 図11中XIII-XIII線断面矢視図であって可動カバーの縦断面図である。 本実施形態に係るLED照明具が被切断材を照射する際の概略平面図である。 光透過抑制部を設けない可動カバーを用いた比較例においてLED照明具が被切断材を照射する際の概略平面図である。
<切断機1の全体構造>
本発明の1つの実施形態を図1~15に基づいて説明する。本実施形態ではいわゆるスライドマルノコと称される切断機(卓上切断機)1を例示する。図1に示すように切断機1は、卓上や床上等に載置されるベース2と、被切断材を載置するためのターンテーブル4と、切断機本体10を有する。ターンテーブル4は、本開示におけるテーブルに相当する。ターンテーブル4は、ベースの上方において水平方向に回転可能に支持されている。切断機本体10は、ターンテーブルの上方に設けられている。切断機本体10には、チップソーと称される円盤形の刃具11が回転可能に支持されている。使用者は、切断機1の手前に位置して切断作業を行う。以下の説明において部材及び構成の上下左右方向は使用者を基準にして規定する。部材及び構成の前後方向は使用者から見て手前を前側とする。
図1に示すようにターンテーブル4は、平面視略円形状であり上面が水平に設けられている。ターンテーブル4は、略円形状の中央に回転中心を有して水平方向に回転可能である。ベース2は、ターンテーブル4の左右両側にターンテーブル4と同じ上面高さの補助テーブル3を有する。ターンテーブル4は、刃具11の刃面方向に沿って延出するテーブル延長部5を有する。ターンテーブル4及びテーブル延長部5の上面には刃口板5aが設けられている。刃口板5aの中央には、刃具11の刃面に沿って延びる切欠き状の溝孔5bが設けられている。
図1に示すように、テーブル延長部5の下部には、テーブル延長部5を下から支持するアジャストボルト53が設けられている。アジャストボルト53は、テーブル延長部5に支持されて、ねじ操作によって上下動可能である。アジャストボルト53を上下動させてアジャストボルト53の下端をベース2の載置面と当接させる。これによりアジャストボルト53は、テーブル延長部5をその高さを調整可能に支持する。また、テーブル延長部5の設置のガタツキを解消する。
図1,2に示すようにターンテーブル4と補助テーブル3の上方には、左右方向に延びかつ上方に延びる壁形状の位置決めフェンス6が設けられている。位置決めフェンス6は、左右の補助テーブル3に支持されている。位置決めフェンス6の前面である位置決め面6aは、ターンテーブル4の回転中心を通る鉛直面上に位置している。ターンテーブル4に載置される被切断材Wは、位置決め面6aに当てることで前後方向に位置決めされる。
図1,2に示すようにベース2の前部の略半周の領域には、円弧形状のマイタスケールプレート7が設けられている。マイタスケールプレート7は、ターンテーブル4の上面よりも下方において水平に延びるように設けられている。マイタスケールプレート7には、径方向に延びる溝状の複数の位置決め凹部7bが設けられている。位置決め凹部7bは、マイタスケールプレート7の周方向に所定の角度間隔で設けられている。位置決め凹部7bには、後述する位置決めピン56aの先端部が進入可能である。マイタスケールプレート7は、固定ねじ7aによってベース2に固定されている。固定ねじ7aは長孔に挿入されている。固定ねじ7aを緩めてマイタスケールプレート7を左右方向に動かすことにより位置決めフェンス6と刃具11の角度を微調整できる。例えば位置決めピン56aが直角位置の位置決め凹部7bに挿入された状態であれば、刃具11と位置決めフェンス6の直角を精密に調整することができる。この調整は、主に製品の生産過程で行われる。
図1,2に示すように、ターンテーブル4の後方には、略上方に延びる本体支持アーム40が設けられている。本体支持アーム40は、前後方向に延びる左右傾動支軸40aを中心にして、ターンテーブル4に対して左右方向に傾動可能に支持されている。本体支持アーム40の上部には、刃具11の刃面に沿って延びる上下一対のスライドバー41が設けられている。スライドバー41には、切断機本体10と連結された本体支持部18が前後方向にスライド可能に取り付けられている。本体支持部18を前後方向にスライドさせることにより、ターンテーブル4に載置された例えば幅広の被切断材Wを切断できる。
図1に示す本体支持アーム40を左右方向に傾動させることで、刃具11を左右方向それぞれに例えば45°まで傾動させることができる。これによりターンテーブル4に載置された被切断材に対していわゆる傾斜切りをすることができる。図7に示すように本体支持アーム40の後側下部には、最大傾斜角度切替レバー42が設けられている。刃具11は、最大傾斜角度切替レバー42を操作することによって、例えば左右方向それぞれに約48°まで傾動させることができる。
図2,3に示すように刃具11は、刃面が前後方向に沿って延びるように切断機本体10に回転可能に取り付けられている。切断機本体10は、軸方向が左右方向に延びた上下揺動支軸10aを刃具11の後方に有する。切断機本体10は、上下揺動支軸10aを中心にして上下方向に揺動可能である。切断機本体10を下方へ揺動させることで、ターンテーブル4に載置した被切断材Wに刃具11を切り込ませることができる。
図1に示すように、切断機本体10は、固定カバー12と可動カバー60を備えている。固定カバー12は、刃具11の上側半周の範囲を左右両側及び径方向外方から覆っている。固定カバー12の左側部には、刃具11の回転方向を示す白抜きの矢印12aが表示されている。可動カバー60は、刃具11の下側半周の範囲を覆うことが可能である。可動カバー60は、切断機本体10の上下揺動に連動して回転し、刃具11の下側半周を開閉する。
図2に示すように切断機本体10を上方に揺動させた場合、可動カバー60が閉じ位置方向(図2において時計回り方向)に回転する。これにより刃具11の下側半周範囲が覆われる。図3に示すように切断機本体10を下方に揺動させた場合、可動カバー60が開き位置方向(図3において反時計回り方向)に回転する。これにより刃具11の下側半周範囲が露出され、ターンテーブル4に載置した被切断材を切断することができる。可動カバー60の詳細については後述する。
図1に示すように、固定カバー12の後部下側には、集塵ガイド19が設けられている。集塵ガイド19は、切断機本体10を下端位置に移動させた姿勢で、上下方向に起立して前方が開口した平面視略C字形状の壁形状を有している。集塵ガイド19は、被切断材を切断することで生じる切粉が刃具11の後方または左右両側へと飛散することを抑制する。集塵ガイド19の上部は、切断機本体10の後部から右方に延びる集塵ホース19aと連通している。本体支持アーム40の前部には、前方が開口した筒状の後部集塵口43が設けられている。後部集塵口43は、集塵ガイド19よりさらに後方において切粉が飛散することを抑制する。後部集塵口43の後部は、本体支持アーム40から右方に延びる集塵ホース43aと連通している。集塵ホース19a,43aは、切断機1とは別に設置された集塵機と接続可能である。集塵ガイド19や後部集塵口43の周りに飛散した切粉は、集塵ホース19a,43aを介して集塵機に送ることができる。
図4,5に示すように、切断機本体10は、固定カバー12と可動カバー60の右方にモータハウジング20を有する。モータハウジング20は、固定カバー12に対して右上方に向けて傾斜した略円筒形状である。モータハウジング20が右上方に傾斜していることにより、切断機本体10の左右傾動角度を右方により大きく設定できる。モータハウジング20の右上方の端面には、外気を取り込み可能な吸気孔20aが設けられている。モータハウジング20には、モータ21が収容されている。モータ21は、略円筒形のモータハウジング20の長手方向にモータ軸21aが沿うように収容されている。モータ21には、例えばDCブラシレスモータが用いられている。
図6に示すように刃具11は、左右方向に延びかつ切断機本体10に回転可能に支持された出力軸14に一体に取り付けられている。刃具11は、回転中心をアウタフランジ16とインナフランジ17で挟まれた状態で固定ねじ15の締め込みにより出力軸14に取付けられている。出力軸14とモータ21のモータ軸21aとの間には、減速ギヤ部が介されている。モータ軸21aの回転が減速ギヤ部を介して出力軸14に伝達することにより刃具11が回転する。
図4,5に示すように、モータハウジング20の後方には、バッテリ取付部25が設けられている。バッテリ取付部25の取付面は、後方を向き、かつモータハウジング20の長手方向に概ね沿って延びている。バッテリ取付部25には、略矩形箱形のバッテリ26をモータハウジング20の長手方向に沿ってスライドさせて装着させることができる。バッテリ26は、例えば出力電圧が36Vのリチウムイオンバッテリである。バッテリ26は、バッテリ取付部25から取外して別途用意した充電器を利用して繰り返し充電できる。バッテリ26は、ねじ締め機や電気ドリル等のその他の充電式電動工具との間で電源として使い回すことができる。
図4,5に示すようにモータハウジング20とバッテリ取付部25の前後方向の間には、コントローラ22が設けられている。コントローラ22は、浅い略直方体のケースと、ケース内に収容されかつ樹脂モールドされた制御基板を有する。コントローラ22は、その長手方向がバッテリ取付部25の長手方向に沿う姿勢で設けられている。コントローラ22には、主としてモータ21の動作制御を行うための制御回路、駆動回路、オートストップ回路等が搭載されている。制御回路は、モータ21の回転子の位置情報に基づいてモータ21に制御信号を送信するマイコンを有する。駆動回路は、制御回路から受信した制御信号に基づいてモータ21の電流をスイッチングするFETを有する。オートストップ回路は、バッテリ26の状態の検出結果に応じて過放電又は過電流状態とならないようにモータ21への電力供給を遮断する。
図1に示すように切断機本体10は、固定カバー12と可動カバー60の右方にハンドル部30を有する。ハンドル部30の前部には、刃具11の刃面に沿って延びたループ形状のメインハンドル31が設けられている。メインハンドル31の内周側には、スイッチレバー32が設けられている。スイッチレバー32は、使用者がメインハンドル31を把持した状態で指を掛けて引くことができる。スイッチレバー32を引くとモータ21が起動して刃具11が回転する。メインハンドル31の上部には、ロックオフボタン33が設けられている。ロックオフボタン33を押すことで、スイッチレバー32を引く操作が可能になる。これにより不意なモータ21の起動が回避される。
図1に示すようにメインハンドル31の後方のハンドル部30の上部には、照明具スイッチ35が設けられている。照明具スイッチ35は、固定カバー12の内側に設けられたLED照明具68をオンオフ切替えできる。LED照明具68の詳細については後述する。ハンドル部30は、メインハンドル31の後方にキャリングハンドル34を備えている。キャリングハンドル34は、切断機本体10を下死点に移動させた状態で前後方向かつ概ね水平方向に延びたループ形状である。切断機本体10を下死点でロックした状態で、使用者がキャリングハンドル34を把持することで切断機1を持ち運びできる。
図1に示すようにハンドル部30は、キャリングハンドル34の後方において通信アダプタ36を挿入して装着させることができる。通信アダプタ36は、他の付帯設備との間で無線通信が可能である。無線通信によって切断機1と付帯設備の起動動作や停止動作を連動させることができる。通信アダプタ36によって、例えば切断機1とは別に設置される集塵機と切断機1とを連動させることができる。
図2に示すようにテーブル延長部5の前部には、グリップ部54が設けられている。グリップ部54は、使用者が把持して回転させやすいように周縁部に凹凸形状を有している。使用者は、グリップ部54を把持してターンテーブル4をベース2に対して水平方向に回転させることができる。グリップ部54からテーブル延長部5の内部後方に向けて不図示の固定ロッドが延出している。固定ロッドは、ねじ係合によってテーブル延長部5の内部で支持されている。グリップ部54は、前後方向に延びる固定ロッドを軸中心にして回転可能である。グリップ部54を固定ロッドの軸回りに回転させると、グリップ部54及び固定ロッドが前後方向に変位する。固定ロッドを後方に変位させて後端をベース2と係合させることで、ターンテーブル4をベース2に対して所定のマイタ角度で位置決めできる。固定ロッドを前方に変位させることで、所定のマイタ角度におけるターンテーブル4の位置決めを解除できる。
図2に示すようにテーブル延長部5の下部には、ポジティブロック機構55が設けられている。ポジティブロック機構55を利用することで、マイタスケールプレート7の位置決め凹部7bに対応した所定のマイタ角度でターンテーブル4を位置決めできる。ポジティブロック機構55は、ロック解除レバー56と位置決めピン56aを備えている。ロック解除レバー56は、テーブル延長部5の前部の左側部に設けられている。位置決めピン56aは、テーブル延長部5の下部においてテーブル延長部5の長手方向に沿って前後方向に延びて設けられている。位置決めピン56aは、マイタスケールプレート7と略同じ高さに設けられている。位置決めピン56aの後端は、位置決め凹部7bに進入可能である。位置決めピン56aの前部は、ロック解除レバー56の基部に連結されている。位置決めピン56aは、圧縮ばね56bによって後方に向けて付勢されている。
図2に示すロック解除レバー56は、下方に押すことができ、上方に引くことができる。ロック解除レバー56を下方に押すと、ロック解除レバー56に連結された位置決めピン56aが圧縮ばね56bの付勢力に抗して前方に変位する。前方に変位した位置決めピン56aの後端は、位置決め凹部7bとの係合を解除可能である。そのためグリップ部54の操作によるターンテーブル4の位置決めが解除されている場合、ターンテーブル4を左右方向に自由に回転させることができる。ロック解除レバー56を上方に引くと、位置決めピン56aが圧縮ばね56bの付勢力によって後方に変位する。位置決めピン56aの後端は、マイタスケールプレート7の外周縁に当接する。グリップ部54を把持してターンテーブル4を水平方向に回転させると、マイタスケールプレート7の外周縁に設けられた何れかの位置決め凹部7bに位置決めピン56aが進入する。かくしてターンテーブル4は、位置決め凹部7bに対応した所定のマイタ角度の位置で位置決めされる。
図2に示すようにテーブル延長部5の前部には、本体支持アーム40を左右方向に傾動可能に位置保持する傾動固定機構50が設けられている。傾動固定機構50は、傾動固定操作部51と伝達軸52を有する。傾動固定操作部51は、グリップ部54とテーブル延長部5の前端の間に設けられている。傾動固定操作部51は、前後方向に延びる軸回りに回転させることができる。傾動固定操作部51は、使用者が把持して回転させやすいように、グリップ部54の凹凸形状とは異なるパターンの凹凸形状を周縁部に有している。そのため使用者が把持した時に傾動固定操作部51とグリップ部54を容易に判別でき、誤操作を防止できる。
図2に示すように伝達軸52は、テーブル延長部5の長手方向に沿って前後方向に延びている。伝達軸52は、本体支持アーム40の下部まで延出している。伝達軸52の前部は、傾動固定操作部51に連結されている。傾動固定操作部51を回転させると、伝達軸52が前後方向に延びる軸回りに回転する。伝達軸52の後部には、不図示のナットがねじ係合されている。ナットは、本体支持アーム40に対して伝達軸52の軸回りの回転が規制されている。そのため伝達軸52が軸回りに回転することで、伝達軸52の後部とナットとが締結する。これにより本体支持アーム40をターンテーブル4に対して所定の左右傾動角度で位置決めできる。あるいは伝達軸52が軸回りに回転することで、伝達軸52の後部とナットとの締結が緩められる。これにより本体支持アーム40を左右傾動支軸40aの軸回りに左右方向に傾動させることができる。
<可動カバー60の構造>
図6,10に示すように可動カバー60は、高い光の透過率(第1光透過率)を具備して透明なポリカーボネートを素材にして一体成型されている。可動カバー60は、扇形状の左側壁62と右側壁63を有する。左側壁62と右側壁63は、互いに略平行に前後方向及び上下方向に延出する。左側壁62は、刃具11の左側面を左方から覆う。右側壁63は、刃具11の右側面を右方から覆う。可動カバー60は、左側壁62と右側壁63の中央において、左側壁62と右側壁63を互いに連結する周壁64を有する。周壁64の左端縁は、左側壁62の外周縁と連続して設けられている。周壁64の右端縁は、右側壁63の外周縁と連続して設けられている。周壁64は、刃具11の径方向外方を覆う。なお、図1~6,8においては、便宜上、可動カバー60はJISの製図法で想像線として規定される2点鎖線で記した。また、後述するLED照明具68等は、JISの製図法では隠れ線として規定される破線で記されるのが通常だが、可動カバー60を想像線で記した関係上、実線で記した。
図6,10,11に示すように可動カバー60は、左側壁62の扇形状の中心部に回転軸部61を有する。回転軸部61は、固定カバー12の左側部に取付けられる。可動カバー60は、回転軸部61を中心にして固定カバー12に対して上下方向に回転可能である。これにより可動カバー60は、切断機本体10に取付けられた刃具11の下側半周範囲について左右側面及び周方向外方を開閉可能に覆う。回転軸部61から径方向に所定の長さの位置には、左側壁62の周方向に円弧状に延びる段差62aが設けられている。段差62aよりも径方向内方の円形領域は、略平面状に形成されている。段差62aよりも径方向外方の扇形領域は、段差62aよりも径方向内方の領域よりも左方に張出している。そのため段差62aは、左側壁62の径方向から見ると左右方向の段差として形成されている。
図11~13に示すように周壁64には、周壁64を貫通する孔64aが形成されている。孔64aは、周壁64の左右方向の中央に配置されている。孔64aは、周壁64が延びる可動カバー60の周方向に長手方向を有する略矩形である。後述する本実施形態において孔64aは、可動カバー60の周方向に並んで2つ形成されているが、1つまたは3つ以上形成されていても良い。図9に示すように孔64aは、切断機本体10が上死点に位置する場合に、後述するLED照明具68の下方で開口するように配置されている。
図10~13に示すように可動カバー60は、第1光透過率よりも低い光の透過率(第2光透過率)を具備する光透過抑制部65を有する。光透過抑制部65は、左側壁62の段差62aよりも径方向外方の領域の内面、右側壁63の内面、及び周壁64の内面に設けられている。左側壁62の光透過抑制部65と周壁64の光透過抑制部65は、その境界領域において互いに連続している。右側壁63の光透過抑制部65と周壁64の光透過抑制部65は、その境界領域において互いに連続している。
図2に示すように光透過抑制部65は、切断機本体10が上死点に位置する場合に可動カバー60の下半分の領域かつ可動カバー60の径方向における外側略半分の領域を覆う。可動カバー60の下半分の領域は、切断機本体10が上死点に位置する場合における刃具11の回転中心よりも下方の領域に相当する。
図11に示す光透過抑制部65は、可動カバー60の表面にたくさんの微小な砂粒大で粒子状の凸部によって構成される凹凸形状を形成するいわゆるつや消し処理によって形成されている。光透過抑制部65の凹凸形状の形成は、先ずサンドブラスト装置を利用して可動カバー60を成型する金型に微小な粒子状の凹部を設ける。そして可動カバー60の成型時に金型の粒子状の凹部に対応して光透過抑制部65に粒子状の凸部が形成される。光透過抑制部65は、梨地模様と称されるザラザラとした表面の凹凸形状で設けられている。なお、狭義には、線状(皺状)の模様をつけることを「シボ加工」と呼称し、粒子状の模様をつけることを「つや消し処理」と呼称することがある。また、金型にサンドブラスト装置にて粒子状の凹凸形状を設ける処理時間が長い場合を「シボ加工」と呼称し、短い場合を「つや消し処理」と呼称することもある。さらに、広義の「シボ加工」で前述の処理すべての場合について呼称することもある。本実施形態では金型にサンドブラスト装置によって凹凸形状を設ける場合であって、処理時間が短い処理であり、以下「つや消し処理」で統一する。光透過抑制部65は、左側壁62と右側壁63と周壁64のいずれの箇所においても一様な凹凸形状で設けられている。
図10~13に示すように可動カバー60は、左側壁62と右側壁63と周壁64の上部に第1光透過率を具備する窓部66を有する。左側壁62と右側壁63の光透過抑制部65は、左側壁62と右側壁63の径方向の外周領域に設けられている。左側壁62と右側壁63の光透過抑制部65は、回転軸部61を中心とする円弧形状である。周壁64の光透過抑制部65は、可動カバー60の周方向に延びて設けられている。周壁64の窓部66は、左側壁62に隣接する周壁64の左端縁と右側壁63に隣接する周壁64の右端縁に跨って延設されている。これにより窓部66は、左側壁62と右側壁63と周壁64で互いに連続して設けられている。図2に示すように窓部66は、切断機本体10が上死点に位置する場合に可動カバー60の上半分の領域に設けられている。可動カバー60の上半分の領域は、切断機本体10が上死点に位置する場合における刃具11の回転中心よりも上方の領域に相当する。
<LED照明具68と光透過抑制部65の配置構造>
図8,9に示すように固定カバー12の上部にはLED基板67が設けられている。LED基板67の下面には、下方に向けて光を照射可能なLED照明具68が取付けられている。LED照明具68は、固定カバー12の内側に向けて光を照射可能に固定カバー12の内側に配置されている。また、LED照明具68は、固定カバー12の左右方向の中央に設けられている。そのためLED照明具68は、刃具11が垂直に起立した姿勢の場合に刃具11の直上に位置する。LED照明具68は、前後方向においてわずかに後方に向けて照射するように配置されている。これによりLED照明具68が、切断機1の前方に位置する使用者の目に直接照射することを防止できる。
図8,9に示すLED基板67は、照明具スイッチ35(図1参照)と電気的に接続されている。照明具スイッチ35をオンすることでLED照明具68がオン状態になる。これによりLED照明具68が下方の刃具11やターンテーブル4に向けて光を照射する。LED照明具68は、照明具スイッチ35またはスイッチレバー32が所定時間操作されない場合、オン状態からオフ状態に自動的に切替えられる。
図9に示すように切断機本体10が上死点に位置する場合、LED照明具68の照射光は、大部分が固定カバー12と可動カバー60の内側を通って下方の孔64aから可動カバー60の下方に向けて照射される。LED照明具68は、下方の刃具11を照射することにより刃具11の切り込み位置に刃具11の影を映す。そのため図14に示すように被切断材Wの上面には、孔64aを通った照射光による略矩形の照射領域Lと、照射領域Lの左右方向の中央において前後方向に直線状に延びる刃具11の影領域Sが映される。被切断材Wに描かれたスミ線に影領域Sを合わせることにより、刃具11をスミ線の位置に切り込ませることができる。
なお、LED照明具68は、左右傾動支軸40a(図2参照)を中心に切断機本体10を左右に傾動させた傾斜切りの場合においても。刃具11の円盤面の延長上に沿って照射する。そのためLED照明具68は、傾斜切りの場合においても刃具11の切り込み位置に刃具11の影を投射する。
図9に示すようにLED照明具68の照射光の一部は、左側壁62または右側壁63または周壁64の下部領域の光透過抑制部65に当たる。光透過率の低い光透過抑制部65を透過する照射光は、強度が小さくなる。そのため被切断材Wの上面に明瞭な照射領域または影領域を映さない。これにより図14に示すように照射領域Lの左右両側には、照射光または影による模様が映されない。若しくは模様が映されても使用者が気付かない程度に不明瞭になる。
また、光透過抑制部65で可動カバー60の内方に向けて反射する光は、光透過抑制部65の凹凸形状によってムラがなく一様になるように拡散される。そのため光透過抑制部65で反射する照射光は、一様に拡散されかつ強度が小さくなることにより、被切断材Wの上面に明瞭な照射領域または影領域を映さない。
図2,8を参照するように段差62aと窓部66には、光透過抑制部65が設けられていない。段差62aと窓部66は、可動カバー60の比較的上方に位置するためLED照明具68から照射光が直接照射されない。段差62aと窓部66には、光透過抑制部65で反射した光が届き得るが、上述のように反射光は、一様に拡散されかつ強度が小さくなっている。しかも反射光が段差62aまたは窓部66を透過して外方に出ていく場合、被切断材Wにほとんど当たらない。したがって段差62aまたは窓部66から外方に出ていく光は、被切断材Wの上面に明瞭な照射領域または影領域を映さない。
一方、第1光透過率を具備する素材で形成された可動カバー60に光透過抑制部65を設けない比較例を考える。この場合、左側壁62または右側壁63または周壁64の下部領域から下方に向けて照射光が透過し易い。また、可動カバー60の内側で照射光が乱反射し易い。そのため図15に示すように照射領域Lの左右両側には、可動カバー60の形状等による縞状や帯状等の透過模様Tが映される。そのため影領域Sを明瞭に視認することが難しい。なお、このとき切断機本体10(図8参照)は上死点であり、LED照明具68および可動カバー60は被切断材Wから上方に離れている。そのため照射領域Lや影領域Sが薄く表れる。したがって、このときにはさらに視認性が悪くなっている。
上述するように切断機1は、図1,2に示すように被切断材Wが載置されるターンテーブル4を支持するベース2と、ベース2に上下方向に移動可能に連結される切断機本体10を有する。切断機1は、固定カバー12と可動カバー60とLED照明具68を有する。固定カバー12は、切断機本体10に設けられて刃具11の一部を覆う。可動カバー60は、固定カバー12に対して変位して刃具11の他の一部を開閉可能に覆うように切断機本体10に移動可能に取付けられる。LED照明具68は、固定カバー12に設けられてターンテーブル4に向けて照射可能である。可動カバー60は、光を透過する第1光透過率を具備する素材で形成される。可動カバー60は、刃具11の左方を覆う左側壁62と、刃具11の右方を覆う右側壁63と、刃具11の径方向外方を覆う周壁64を有する。左側壁62と右側壁63の少なくとも一方には、第1光透過率よりも低い第2光透過率となる光透過抑制部65が設けられる。
したがって光透過抑制部65に当たったLED照明具68の照射光は、第1光透過率よりも低い第2光透過率によって光透過抑制部65の外方への透過が抑制される。あるいは光透過抑制部65に当たったLED照明具68の照射光は、例えばムラがなく一様になるように好適に拡散する。そのため被切断材Wの表面に可動カバー60の形状等の模様が映ることを抑制できる。これにより被切断材Wに映る刃具11の影の視認性を良好にできる。そのため被切断材Wに対する刃具11の切り込み位置を好適に確認できる。
図9,11に示すように左側壁62と右側壁63と周壁64は、それぞれ光透過抑制部65を有する。周壁64には、周壁64を貫通する孔64aが形成されている。したがってLED照明具68の照射光が左側壁62と右側壁63と周壁64のいずれに当たる場合においても、可動カバー60の各壁の形状による模様が被切断材Wに映ることを抑制できる。さらに刃具11の周囲を照射したLED照明具68の照射光は、周壁64の孔64aから可動カバー60の外方に照射される。そのため被切断材Wに刃具11の影を好適に映すことができる。かくしてLED照明具68に照射された被切断材Wの視認性を良好にできる。
図2に示すように可動カバー60は、切断機本体10が上死点に位置する際における上半分の領域に第1光透過率を具備する窓部66を有する。したがって切断機本体10が上死点に位置する際に、窓部66から可動カバー60の内側の刃具11を容易に視認できる。そのため被切断材Wに切り込ませる前の刃具11の状態を容易に確認できる。
図12,13に示すように左側壁62と右側壁63と周壁64は、それぞれ第1光透過率を具備する窓部66を有する。したがって可動カバー60の内側の刃具11(図2,9参照)を少なくとも3方向から視認できる。そのため被切断材Wに切り込ませる前の刃具11の状態を詳細に確認できる。
図9~11に示すように左側壁62と右側壁63と周壁64は、互いに連続して形成されている。したがって左側壁62と周壁64の間、若しくは右側壁63と周壁64の間において、LED照明具68の照射光が外方に漏れ出ないように可動カバー60を設けることができる。そのため被切断材Wに不用意な照射光が映ることを抑制できる。これによりLED照明具68に照射された被切断材Wの視認性を良好にできる。
図10,11に示すように左側壁62と右側壁63と周壁64は、第1光透過率を具備する素材としてポリカーボネートによって一体に成型されている。したがって可動カバー60の外形や表面形状を好適に選択して成型できる。そのため左側壁62、右側壁63、周壁64、及び光透過抑制部65を好適な位置に形成若しくは設けることができる。しかも一体に成型することにより、例えばLED照明具68の照射光が不用意に外方に漏れ出ることを防止できる。
図10,11に示すように左側壁62と右側壁63の少なくとも一方には、可動カバー60の径方向から見て左右方向の段差62aが形成される。段差62aよりも可動カバー60の径方向外方に光透過抑制部65が設けられる。したがってLED照明具68の照射光が当たり易い可動カバー60の径方向外側領域に光透過抑制部65を設ける。これにより光透過抑制部65を形成若しくは設ける領域を少なくできる。これにより可動カバー60の製造コストを抑えることができる。
図9~11に示すように光透過抑制部65は、複数の凹凸形状を含んで形成されている。したがって光透過抑制部65に当たったLED照明具68の照射光は、複数の凹凸形状によって例えばムラがなく一様になるように好適に拡散される。しかも凹凸形状は、照射光が好適に透過若しくは拡散するように形、大きさ、間隔等を適宜選択して形成できる。これによりLED照明具68に照射された被切断材Wの視認性を良好にできる。
図9~11に示すように光透過抑制部65は、つや消し処理により形成された複数の凹凸形状を有する。したがってつや消し処理の処理時間等を適宜変更することによって凹凸形状の大きさ(深さ)等を変更できる。そのため光を好適に透過可能または好適に拡散可能な光透過抑制部65を設けることができる。これによりLED照明具68に照射された被切断材Wに可動カバー60の模様等が映ることを抑制でき、視認性を良好にできる。
図9~11に示すように光透過抑制部65は、つや消し処理により形成された粒子状の凸部を有する。したがって光透過抑制部65は、光の透過を抑制しかつ概ね一様に光を透過させる。あるいは光透過抑制部65は、当たった光を概ね一様に拡散する。そのためLED照明具68の照射光が被切断材Wに可動カバー60の模様等を映すことを抑制できる。これにより被切断材Wの視認性を良好にできる。また、粒子状の凸部は、例えば以下のようにして光透過抑制部65に形成される。先ず可動カバー60を成型する金型につや消し処理を施して粒子状の凹部を形成する。可動カバー60の成型時に粒子状の凹部に対応して粒子状の凸部が形成される。したがって光透過抑制部65を具備した可動カバー60を量産し易くなり、製造コストを抑えることができる。
図9~11に示すように光透過抑制部65は、可動カバー60の内面に設けられる。したがって光透過抑制部65に当たった照射光が可動カバー60の内側で例えばムラがなく一様になるように好適に拡散される。さらに可動カバー60の外方へ出ていく照射光を光透過抑制部65によって抑制できる。これにより被切断材Wに照射光の模様が映ることを抑制できる(図14参照)。
図1,2に示すように可動カバー60は、切断機本体10が上死点に位置する際における下半分の領域に光透過抑制部65を有する。したがってLED照明具68が被切断材Wを必要な範囲で照射し、不要な範囲については光透過抑制部65によって不用意に照射しないようにすることができる。また、光透過抑制部65において照射光が拡散されることにより、可動カバー60の下半分の領域が薄く光る。そのため可動カバー60の外方からLED照明具68がオン状態であることを容易に確認できる。
図1,11に示すように窓部66は、周壁64において、左側壁62に隣接する周壁64の左端縁と右側壁63に隣接する周壁64の右端縁に跨って延設され、円弧形状である。したがって可動カバー60の内側の刃具11を複数方向から連続して視認できる。しかも窓部66は、刃具11の周方向に沿って延設される。そのため、例えば回転する刃具11に異常がないか詳細に確認できる。
以上説明した本実施形態の切断機1には様々な変更を加えることができる。切断機1としてスライド動作と上下揺動動作の双方の機能を有するスライドマルノコを例示した。これに代えて、例えばスライド動作はできず、上下揺動動作のみ可能な卓上マルノコについても適用することができる。
つや消し処理によって微小な複数の凹凸形状が形成される光透過抑制部65を例示した。これに代えて、例えば光透過抑制部65の透明度を可動カバー60の他の領域よりも低く設けても良い。あるいは黒色等の光の透過率が低い色で光透過抑制部65を着色しても良い。また、例えば光透過抑制部65の透明度や色を変更し、さらに光透過抑制部65につや消し処理によって微小な複数の凹凸形状を設けても良い。
複数の凹凸形状が一様に形成される光透過抑制部65を例示した。これに代えて、例えばLED照明具68の照射光の当たる量や入射角度に応じて光の透過率が好適に変更されるように、凹凸形状の形、大きさ、凹凸の深さ等を場所毎に変更した構造であっても良い。凹凸形状は、例示した梨地模様状に限らず、例えば略平行に延びる複数の溝形状(皴状)、複数の溝が交差して形成される格子状等であっても良い(狭義および広義の「シボ加工」を用いても良い)。
ポリカーボネートを素材とする可動カバー60に代えて、例えばアクリル等の光の透過率が高い樹脂部材を素材として可動カバー60を設けても良い。
1…切断機(卓上切断機)
2…ベース
3…補助テーブル
4…ターンテーブル(テーブル)
5…テーブル延長部、5a…刃口板、5b…溝孔
6…位置決めフェンス、6a…位置決め面
7…マイタスケールプレート、7a…固定ねじ、7b…位置決め凹部
10…切断機本体、10a…上下揺動支軸
11…刃具
12…固定カバー、12a…矢印
14…出力軸
15…固定ねじ
16…アウタフランジ
17…インナフランジ
18…本体支持部
19…集塵ガイド、19a…集塵ホース
20…モータハウジング、20a…吸気孔
21…モータ、21a…モータ軸
22…コントローラ
25…バッテリ取付部
26…バッテリ
30…ハンドル部
31…メインハンドル
32…スイッチレバー
33…ロックオフボタン
34…キャリングハンドル
35…照明具スイッチ
36…通信アダプタ
40…本体支持アーム、40a…左右傾動支軸
41…スライドバー
42…最大傾斜角度切替レバー
43…後部集塵口、43a…集塵ホース
50…傾動固定機構
51…傾動固定操作部
52…伝達軸
53…アジャストボルト
54…グリップ部
55…ポジティブロック機構
56…ロック解除レバー、56a…位置決めピン、56b…圧縮ばね
60…可動カバー
61…回転軸部
62…左側壁、62a…段差
63…右側壁
64…周壁、64a…孔
65…光透過抑制部
66…窓部
67…LED基板
68…LED照明具
W…被切断材
L…照射領域
S…(刃具の)影領域
T…透過模様

Claims (13)

  1. 卓上切断機であって、
    被切断材が載置されるテーブルを支持するベースと、
    前記ベースに上下方向に移動可能に連結される切断機本体と、
    前記切断機本体に設けられて刃具の一部を覆う固定カバーと、
    前記固定カバーに対して変位して前記刃具の他の一部を開閉可能に覆うように前記切断機本体に移動可能に取付けられた可動カバーと、
    前記固定カバーに設けられて前記テーブルに向けて照射可能なLED照明具を有し、
    前記可動カバーは、光を透過する第1光透過率を具備する素材で形成され、前記刃具の左方を覆う左側壁と、前記刃具の右方を覆う右側壁と、前記刃具の径方向外方を覆う周壁を有し、
    前記左側壁と前記右側壁の少なくとも一方には、前記第1光透過率よりも低い第2光透過率となる光透過抑制部が形成または設けられた卓上切断機。
  2. 請求項1に記載の卓上切断機であって、
    前記左側壁と前記右側壁と前記周壁は、それぞれ前記光透過抑制部を有し、
    前記周壁には、前記周壁を貫通する孔が形成されている卓上切断機。
  3. 請求項1または2に記載の卓上切断機であって、
    前記可動カバーは、前記切断機本体が上死点に位置する際における上半分の領域に前記第1光透過率を具備する窓部を有する卓上切断機。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の卓上切断機であって、
    前記左側壁と前記右側壁と前記周壁は、それぞれ前記第1光透過率を具備する窓部を有する卓上切断機。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載した卓上切断機であって、
    前記左側壁と前記周壁、及び前記右側壁と前記周壁は、互いに連続して形成された卓上切断機。
  6. 請求項5に記載の卓上切断機であって、
    前記左側壁と前記右側壁と前記周壁は、前記素材としてポリカーボネートによって一体に成型されている卓上切断機。
  7. 請求項1~6のいずれか1つに記載した卓上切断機であって、
    前記左側壁と前記右側壁の少なくとも一方には、前記可動カバーの径方向から見て左右方向の段差が形成され、
    前記段差よりも前記可動カバーの径方向外方に前記光透過抑制部が設けられた卓上切断機。
  8. 請求項1~7のいずれか1つに記載した卓上切断機であって、
    前記光透過抑制部は、複数の凹凸形状を含んで形成されている卓上切断機。
  9. 請求項8に記載の卓上切断機であって、
    前記光透過抑制部は、つや消し処理により形成された前記複数の凹凸形状を有する卓上切断機。
  10. 請求項9に記載の卓上切断機であって、
    前記光透過抑制部は、前記つや消し処理により形成された粒子状の凸部を有する卓上切断機。
  11. 請求項1~10のいずれか1つに記載した卓上切断機であって、
    前記光透過抑制部は、前記可動カバーの内面に設けられた卓上切断機。
  12. 請求項1~11のいずれか1つに記載した卓上切断機であって、
    前記可動カバーは、前記切断機本体が上死点に位置する際における下半分の領域に前記光透過抑制部を有する卓上切断機。
  13. 請求項4に記載の卓上切断機であって、
    前記窓部は、前記周壁において、前記左側壁に隣接する前記周壁の左端縁と前記右側壁に隣接する前記周壁の右端縁に跨って延設され、円弧形状である卓上切断機。
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