JP3885223B2 - 携帯用電気丸鋸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋸刃を照射する照明装置を備え、回転駆動する鋸刃により木材や金属等の被切断材の切断を行う携帯用電気丸鋸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4〜図6に鋸刃を照射する照明装置を備えた従来の携帯用電気丸鋸の一例を示す。
【0003】
図に示す携帯用電気丸鋸は、図示しない電動機と、電動機を内蔵すると共に電動機により回転駆動される鋸刃1を回転可能に保持する本体ケーシング2と、本体ケーシング2の下方に位置し、鋸刃1の一部を下方に突出させ、切断作業時には被切断材上を摺動し切断作業時の案内部材となる平板状のベース3とを有する構成をしており、本体ケーシング2には電動機に供給される電力と同様の電力が供給され鋸刃1の切断方向前方位置(図4の右側方向)を照射するよう配置された照明装置であるライト5が設けられている。
【0004】
ライト5は鋸刃1の側面に対してほぼ直角な方向に配置されており、ライト5は本体ケーシング2の鋸刃1の切断方向前方端部にほぼ平行な個所に設けられ、鋸刃1側の面が開放した開口部6aを有するライト収納室6内に収納され、ライト5に他部材が接触する等してライト5が破損してしまうことを抑制するようにしている。
【0005】
ライト収納室6内に切断作業時に発生する切粉等の異物が混入することを防止するために、図に示すように本体ケーシング2には鋸刃1とライト5との間に介在しライト室6内の開口部6aを閉塞する透明樹脂製のライトカバー7が取付けられている。ライトカバー7は図6に示すようにほぼコの字状に形成され、本体ケーシング2に本体上方側から取付け可能な構成となっている。図6に示すように本体ケーシング2からライトカバー7を取り外すことによりライト5の交換作業等を行うことができる。なお、図4の矢印8はライト5の照射範囲を示している。
【0006】
図に示す従来の携帯用電気丸鋸は、ベース3底面に対する鋸刃1の角度を傾斜させた状態で切断作業を行う、いわゆる傾斜切りを可能とする構成をしたものであり、このため本体ケーシング6の前端に連結部11’、ベース3上面に円弧状の長穴10a’を有するべベルプレート10’、長穴10a’を貫通し連結部11’とねじ嵌合しベース3と本体ケーシング2とを固定するボルト12、本体ケーシング2とベース3とを連結する支点部13とを有する傾斜固定機構15を備えた構成となっている。
【0007】
上記構成の携帯用電気丸鋸は、ボルト12を緩めることにより、ベース3と本体ケーシング2との固定を解除し、ベース3に対して本体ケーシング2を支点部13を支点として回動させることができ、これによりベース3底面と鋸刃1との角度を調整し、再度ボルト12を締付けることでベース3と本体ケーシング2とを固定することにより、任意の角度での傾斜切りを行うことができる。
【0008】
また、ベース3の切断方向前方側端部には鋸刃1の長手方向上に位置する表示部4が設けられている。この表示部4に被切断材上のスミ線を合わせることにより、スミ線に沿った切断作業を行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の携帯用電気丸鋸は、照明装置であるライトを収納するライト収納室6を連結部11’と連続する本体ケーシング2の個所に設けた構成をしたものであるため、本体ケーシング2にライト収納室6が存在することにより、切断方向前側のベース3の長さ、すなわち鋸刃1の切断方向前方端部からベース3の切断方向前方端部との寸法距離Cが大きくなってしまうという欠点があった。上記寸法距離Cが大きくなることにより、携帯用電気丸鋸が大型化してしまうとものであった。また、ベース3の切断方向前方側端部に鋸刃1の長手方向上に位置する表示部4を設けた構成である場合、表示部4と鋸刃1との寸法距離が大きくなるため、スミ線に沿った切断作業の精度が低下してしまうという欠点があった。
【0010】
また、ライト収納室6の切断方向前方側には連結部11’が設けられているため、ライト収納室6は鋸刃1側の面のみしか開放することができず、ライト5によってベース3の切断方向前方側付近を照射することはできないものであった。なお、ライトカバー7によって覆われるライト収納室6の上方面(図7参照)については開口部とすることは可能であるが、ライト5の明かりが作業者の視野に入る可能性があるため実現性がない。
【0011】
また、ベース3の切断方向前方側端部に設けられた表示部4付近についても上記と同様の理由によりライト5によって照射することができないものであった。
【0012】
すなわち、上記した従来の携帯用電気丸鋸では、ライト5の照射範囲が制限されており、鋸刃1の切断方向前方側付近以外の個所を照射することができないものであった。
【0013】
本発明の目的は、上記欠点を解消し、鋸刃の切断方向前方端部からベースの切断方向前方端部との寸法距離を小さくすると共に照明装置の照射範囲の広い携帯用電気丸鋸を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電動機と、該電動機を内蔵すると共に、該電動機により回転駆動する鋸刃を回転可能に保持する本体ケーシングと、被切断材上を摺動し、切断作業時の案内部材となるベースと、該ベースの切断方向前方側端部に形成された表示部と、前記ベース上に設けられ、該ベースに対して前記本体ケーシングを傾斜した状態で、前記ベースと前記本体ケーシングとを固定する傾斜固定機構とを備えた携帯用電機丸鋸において、前記本体ケーシングから前記切断方向前方側に突出する位置に照明装置を収納する収納室を設け、該収納室は前記傾斜固定機構よりも前記鋸刃側面に近い位置であって、該収納室と切断方向前方の前記ベース端部との間に前記傾斜固定機構が位置しないようにし、前記収納室に、前記鋸刃側が開放した鋸刃側開口部と、前記切断方向前方側が開放した前方開口部とを設けたことに一つの特徴がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明携帯用電気丸鋸の一実施形態を図1〜図3を用いて説明する。なお、図1は本発明携帯用電気丸鋸の一実施形態を示す要部断面平面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1の要部拡大斜視図である。
【0016】
図に示す携帯用電気丸鋸は、図示しない電動機と、電動機を内蔵すると共に電動機により回転駆動される鋸刃1を回転可能に保持する本体ケーシング2と、本体ケーシング2の下方に位置し、鋸刃1の一部を下方に突出させ、切断作業時には被切断材上を摺動し切断作業時の案内部材となる平板状のベース3とを有する構成をしており、本体ケーシング2には電動機に供給される電力と同様の電力が供給され鋸刃1の切断方向前方位置(図1の右側方向)を照射するよう配置された照明装置であるライト5が設けられている。
【0017】
ライト5を収納するライト収納室6は、本体ケーシング2に切断方向前方側に突出するように設けられ、傾斜切りを可能とする傾斜固定機構15はライト収納室6とは異なる個所、鋸刃1の長手方向に対する平行線上に両者が位置しない個所に設けられている。本実施形態では、図に示すようにライト収納室6は傾斜固定機構15よりも鋸刃1側面に近い位置に設けられている。また、図2に示されるようにライト収納室6はベース3上面から離れた個所に設けられている。
【0018】
図に示す携帯用電気丸鋸の傾斜固定機構15は本体ケーシング2に円弧状の長穴10aを有するべベルプレート10を固定して設け、ベース3上に上方に突出する連結部11を設け、べベルプレート10の長穴10aを貫通して連結部11とねじ嵌合し連結部11とべベルプレート10とを固定させるボルト12を有する構成をしている。ボルト12を緩めベース3と本体ケーシング2との固定を解除することにより、ベース3に対して本体ケーシング2を図示しない支点部を支点として回動させることができ、回動させた状態で再度ボルト12を締付け、ベース3と本体ケーシング2とを固定することにより、ベース3底面に対して鋸刃1が傾斜した状態での切断、すなわち傾斜切りを行うことができる。
【0019】
上記したように、ライト収納室6と傾斜固定機構15とを夫々独立した個所に設けた構成としたことにより、ライト収納室6の切断方向前方側に部材が存在しなくなり、図1に示すように切断方向前側のベース3の長さ、すなわち鋸刃1の切断方向前方端部からベース3の切断方向前方端部との寸法距離Cを小さくすることができる。
【0020】
このため、携帯用電気丸鋸の小型化を図ることができるようになり、またベース3の切断方向前方端部に鋸刃1の長手方向上に位置する表示部4を有する構成の場合、鋸刃1の切断方向前方端部と表示部4との距離を小さくすることができるため、スミ線に沿った切断作業の精度を向上させることができる。
【0021】
また、ライト収納室6の切断方向前方側に部材が存在しなくなることにより、ライト収納室6に鋸刃1側に開放した鋸刃側開口部6aの他に、切断方向前方側が開放した前方開口部6bを設けることが可能となり、これによりライト5の照射範囲を鋸刃1のみの照射ではなく、切断方向前方付近においても照射するようにすることができる。なお、上記したようにライト収納室6に前方開口部6bを設けることにより、ベース3の切断方向前方側端部に鋸刃1の長手方向上に設けられ、切断作業時の案内部となる表示部4付近についてもライト5によって照射することができるようになり、切断作業の作業性を向上させることができるようになる。
【0022】
ライト収納室6の開口部を閉塞するよう本体ケーシング2に取付けられるライトカバー7は、ほぼコの字状に形成され、切断方向前方側からの移動により本体ケーシング2に取付けられ、ライトカバー7によってライト収納室6の鋸刃側開口部6a及び前方側開口部6bは閉塞される。
【0023】
上記のように構成された携帯用電気丸鋸は、図1に矢印8で示されるようにライト5の照射範囲を従来の照射範囲よりも広くすることができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、ライト収納室6と傾斜固定機構15とを夫々独立した個所に設け、ライト収納室6に鋸刃側開口部6aの他に切断方向前方側が開放した前方開口部6bを設けた構成としたが、図に示すようにライト収納室6をベース3上面から離れた位置に設けた構成とすることにより、下方側が開放した下側開口部(図示せず)を設ける構成とすることも可能である。なお、この構成とした場合にはコの字状のライトカバー7は下側方向から本体ケーシング2に取付けられる構成となり、鋸刃1側を照射するのみではなく、鋸刃1側面近傍のベース3上面を照射することができるようになり、従来よりも広いライト5の照射範囲を得ることができるようになるものである。
【0025】
なお、ライト5は電動機の起動を制御する起動スイッチによって駆動する構成、もしくは起動スイッチの安全スイッチにより駆動する構成とすることが可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、傾斜固定機構と照明装置収納室とを夫々独立した個所に設けると共に、収納室に鋸刃側が開放した鋸刃側開口部と、切断方向前方側が開放した前方開口部あるいは下方側が開放した下方開口部を設けた構成とすることにより、鋸刃の切断方向前方端部からベースの切断方向前方端部との寸法距離を小さくすると共に照明装置の照射範囲の広い携帯用電気丸鋸を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明携帯用電気丸鋸の一実施例を示す要部断面平面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1の要部拡大斜視図。
【図4】従来の携帯用電気丸鋸の一例を示す斜視図。
【図5】図4の要部断面平面図。
【図6】図5のB−B線断面図。
【図7】図4に示す携帯用電気丸鋸の要部拡大分解図。
【符号の説明】
1は鋸刃、3はベース、4は表示部、5はライト、6はライト室、6aは鋸刃側開口部、6bは前方側開口部、7はライトカバー、15は傾斜固定機構である。
Claims (3)
- 電動機と、
該電動機を内蔵すると共に、該電動機により回転駆動する鋸刃を回転可能に保持する本体ケーシングと、
被切断材上を摺動し、切断作業時の案内部材となるベースと、
該ベースの切断方向前方側端部に形成された表示部と、
前記ベース上に設けられ、該ベースに対して前記本体ケーシングを傾斜した状態で、前記ベースと前記本体ケーシングとを固定する傾斜固定機構と
を備えた携帯用電機丸鋸において、
前記本体ケーシングから前記切断方向前方側に突出する位置に照明装置を収納する収納室を設け、該収納室は前記傾斜固定機構よりも前記鋸刃側面に近い位置であって、該収納室と切断方向前方の前記ベース端部との間に前記傾斜固定機構が位置しないようにし、前記収納室に、前記鋸刃側が開放した鋸刃側開口部と、前記切断方向前方側が開放した前方開口部とを設けたことを特徴とする携帯用電気丸鋸。 - 請求項1において、前記収納室をベース上面から離れた位置に設けると共に、該収納室の下方側が開放した下側開口部を設けたことを特徴とする携帯用電気丸鋸。
- 請求項1において、前記照明装置の収納室と、前記傾斜固定機構とは夫々独立した箇所に設けられていることを特徴とする携帯用電気丸鋸。
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