JP2022063895A - 磁気メモリ素子及び磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気メモリ素子及び磁気メモリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】素子構造が複雑でなく、低電力、高速、高信頼性を有する磁気メモリ素子を提供すること。【解決手段】磁気メモリ素子101は,所定の磁化方向を維持する第1固定層111と,第1非磁性層112と,磁化方向が可変な自由層113と,第2非磁性層114と,第1固定層111と逆向きの磁化方向を維持する第2固定層115を,順に積層し,第1固定層111,第1非磁性層112及び自由層113で構成されるMTJ素子の抵抗値は,第2固定層115,第2非磁性層114及び自由層113で構成されるMTJ素子の抵抗値と異なる。【選択図】図1

Description

本発明は磁気メモリ素子及び磁気メモリ装置に関する。
垂直磁化を有し磁気抵抗効果によって読み出しを行う磁気抵抗素子は、微細化に対する熱擾乱耐性が高く、次世代のメモリ等として期待されている。その構造は磁化方向が可変な自由層と、所定の磁化方向を維持する固定層と、前記自由層と固定層との間に設けられた絶縁体層を有する磁気トンネル接合(Magnetic tunnel junction: MTJ)層を備えた磁気抵抗(Magnetic resistance: MR)素子から構成される。このようなMTJ素子を基本とするSTT―MRAM(Spin Transfer Torque Magnetoresistive Random Access Memory)の実用化が行われている。STT―MRAMは2端子構造から成り立ち、書き込み電流と読み出し電流の経路が同じである。一方、特許文献1には,3端子構造のSOT―MRAM(Spin Orbit Torque Magnetoresistive Random Access Memory)が記載されている。次世代のMTJ構造と高効率の書き込み方式として提案されている。
国際公開第2016/021468号
従来のSTT―MRAMやSOT―MRAMにおいては,書き込みトルクが自由層の表面の磁化だけに影響していたため,厚膜やシリンダ構造など基板に対して垂直方向に長い強磁性金属の磁化の向きを制御できない。つまり厚膜やシリンダ構造を自由層の構造として用いることはできない問題があった。しかし,自由層の熱安定性向上・アナログビット化・多ビット化,素子構造の単純化,素子の高密度化をすべて改善できる点から基板に対して垂直方向に長い強磁性金属を自由層に用いた2端子構造から成る素子MRAMの開発が望まれる。
一実施形態の磁気メモリ素子は,所定の磁化方向を維持する第1固定層と,第1非磁性層と,磁化方向が可変な自由層と,第2非磁性層と,前記第1固定層と逆向きの磁化方向を維持する第2固定層を,順に積層し,前記第1固定層,前記第1非磁性層及び前記自由層で構成されるMTJ素子の抵抗値は,前記第2固定層,前記第2非磁性層及び前記自由層で構成されるMTJ素子の抵抗値と異なるようにした。
一実施形態の磁気メモリ素子によれば,素子構造が複雑でなく、低電力、高速、高信頼性を有することができる。
一実施形態の磁気メモリ素子は,前記自由層は,2つ以上の反対方向の磁化状態を有することができ,磁壁が形成できる高さを有してもよい。
一実施形態の磁気メモリ素子によれば,前記自由層の磁化状態を記録された情報の“0”と“1”に対応できる。特に“前記自由層の高さ/前記自由層の直径”の比が大きいほど前記自由層の磁化の形状異方性が大きくなり熱安定性が向上する。さらに自由層内の1つ以上の磁壁形成により。従来のSTT-MRAMやSOT-MRAMでは記録できなかった縦長自由層の磁化を効率よく書き変えることができる。すなわち、磁気メモリ素子の各層界面に垂直な方向に電流を流すことで,前記固定層からのスピン注入による自由層界面の磁化反転と自由層を流れるスピン流(による磁壁移動)によって自由層全体の磁化の向きを,ある方向へそろえることができる。逆向きに電流を流すことで自由層全体の磁化の向きを上記と逆向きにそろえることができる。
一実施形態の磁気メモリ素子は,前記第1固定層,前記第1非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子の磁気抵抗値が,前記第2固定層,前記第2非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子の磁気抵抗値と異なってもよい。
一実施形態の磁気メモリ素子によれば,二つの磁気抵抗素子の影響で前記自由層の磁化の向きで素子全体(前記第1固定層と前記第2固定層の間)の電気抵抗の電気抵抗(抵抗値)が変化する。この抵抗値の変化が大きいほど,前記自由層の磁化の向き(つまり書き込まれた情報の“0”と“1”)の読み出しが容易になる。
一実施形態の磁気メモリ素子は,前記第1固定層,前記第1非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子,及び前記第2固定層,前記第2非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子の少なくとも1つが巨大磁気抵抗(GMR)素子としてもよい。
一実施形態の磁気メモリ素子によれば,GMR素子はMTJ素子よりも電気抵抗が小さいため,前記第1固定層と前記第2固定層の間の電気抵抗を小さくできる。つまり素子の動作電力が小さくなる。また,どちらか片方のみGMR素子の場合には,MTJ素子の磁気抵抗が素子全体の抵抗値の変化に支配的になるため,前記自由層の磁化の向きでの前記第1固定層と前記第2固定層の間の抵抗値の変化が大きくなる。
一実施形態の磁気メモリ素子は,前記自由層の高さを,前記自由層の直径で除算した比が1以上としてもよい。
一実施形態の磁気メモリ素子は,前記自由層の高さが20nm以上としてもよい。
一実施形態の磁気メモリ素子は,前記自由層の直径が10nm以下としてもよい。
これらの磁気メモリ素子によれば,-40℃~+150℃の広範囲の動作温度でも熱安定性の劣化がない。
一実施形態の磁気メモリ装置は,前記いずれかに記載の磁気メモリ素子と,前記第1固定層及び前記第2固定層に接続し,前記自由層の磁壁を移動する電流を流す回路を備えるようにした。
一実施形態の磁気メモリ装置によれば,素子構造が複雑でなく、低電力、高速、高信頼性を有することができる。
本発明の磁気メモリ素子及び磁気メモリ装置によれば,素子構造が複雑でなく、低電力、高速、高信頼性を有する磁気トンネル接合素子デバイスを提供することができる。
実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。 実施の形態1の磁気メモリ装置におけるMTJ素子の構造と熱安定の関係を示すグラフである。
実施の形態1
以下,図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は,実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の図である。図1では,磁気メモリ素子の構造を斜視図,磁気メモリ素子と接続する回路を略図で記載している。
図1において,磁気メモリ装置100は,磁気メモリ素子101と,コントローラ102とを備える。磁気メモリ素子101は,第1固定層111と,第1非磁性層112と,自由層113と,第2非磁性層114と,第2固定層115を備える。図1に示すように,第1固定層111,第1非磁性層112,自由層113,第2非磁性層114,及び第2固定層115は,順に積層されている。
第1固定層111及び第2固定層115は,磁化方向を所定の方向に維持する層である。第1固定層111及び第2固定層115としては,自由層113に対し,容易に磁化方向が変化しない材料を選択することが好ましい。すなわち,第1固定層111及び第2固定層115は,実効的な磁気異方性Kueff及び飽和磁化Msが大きく,また,磁気緩和定数αが大きい材料を選択することが好ましい。しかしながら,第1固定層111及び第2固定層115を構成する材料は,特に限定されるものではなく,諸条件により任意の材料から選択することができる。
例えば,第1固定層111及び第2固定層115は,CoFeBを主成分とする層と,Co/Pt多層膜とから構成される。また,第1固定層111及び第2固定層115は,ホイスラー合金膜で主成分とする層と,Co/Pt多層膜とから構成されてもよい。好ましくはホイスラー合金膜を主成分とする層は,Co基フルホイスラー(Co-based full-Heusler)合金を主成分とする層である。具体的には,Co基フルホイスラー合金は,CoFeSi,CoMnSi,CoFeMnSi,CoFeAl,またはCoCrAlとすることができる。また,Co/Pt多層膜は,大きな垂直磁気異方性を持たせるために備えられている。ホイスラー合金膜を主成分とする層は,第1非磁性層112または第2非磁性層114と接合している。また,ホイスラー合金膜を主成分とする層は,反対側の面でCo/Pt多層膜と接合している。第1固定層111及び第2固定層115を上述のいずれかの構成とすることにより,第1固定層111及び第2固定層115は,単一の層で磁化方向を所定の方向に維持する層とすることができる。また、Co/Pt多層膜の代わりに、L10型のFePd、FePt、MnGa合金、D022型のMnGa、MnGe合金、Co/Pd多層膜、L11型のCoPd合金、又は、CoPt合金を有し、磁化容易軸が膜面垂直方向を向く強磁性体から構成されてもよい。
また,第1固定層111及び第2固定層115は,参照層とも呼ばれる。そして,第1固定層111及び第2固定層115の磁化の向きは,互いに反対方向を向いている。
第1非磁性層112及び第2非磁性層114は,絶縁物質を主成分とする層である。第1非磁性層112は,強磁性を有する第1固定層111及び自由層113の間に備えられる。また,第2非磁性層114は,強磁性を有する第2固定層115及び自由層113の間に備えられる。例えば,第1非磁性層112及び第2非磁性層114は,MgO等の絶縁膜から構成されている。
なお,第1非磁性層112及び第2非磁性層114を構成する材料としては,NaCl構造を有する酸化物が好ましく,前述したMgOの他,CaO,SrO,TiO,VO,NbO等が挙げられるが,第1非磁性層112及び第2非磁性層114としての機能に支障をきたさない限り,特に限定されるものではない。例えば,第1非磁性層112及び第2非磁性層114は,スピネル型MgAlなども用いることが可能である。また例えば,第1非磁性層112及び第2非磁性層114は,Cu,Cr, Ruなどの金属から構成されてもよい。
そして,第1固定層111及び自由層113との接合面に対して垂直に電圧が印加されることにより,トンネル効果によってMTJ素子(第1固定層111,第1非磁性層112,及び自由層113)に電流が流れる。同様に第2固定層115及び自由層113との接合面に対して垂直に電圧が印加されることにより,トンネル効果によってMTJ素子(自由層113,第2非磁性層114,及び第2固定層115)に電流が流れる。
自由層113は,膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有し,磁化回転と磁壁移動により,磁化方向が可変である層である。自由層113は,例えば,膜面に対して垂直に磁化されており,磁化は上方又は下方に向く。自由層113を構成する材料は,特に限定されるものではなく,諸条件により任意の材料から選択することができる。例えば,CoFeBを主成分から構成される。また,Co基フルホイスラー合金からなる層であってもよい。具体的には,Co基フルホイスラー合金は,Co2FeSi,Co2MnSi,Co2(Fe-Mn)Si,Co2FeAl,またはCo2CrAlとすることができる。また,低飽和磁化(低Ms)のMnGaGe系材料,内因性の結晶磁気異方性Kuが比較的小さいFeNi系材料も利用可能である。
コントローラ102は,磁気メモリ素子101の第1固定層111と第2固定層115間に磁壁移動のためスピンを発生させるための電圧を印加する。また,コントローラ102は,磁気メモリ素子101の第1固定層111と第2固定層115間に磁壁移動のための電圧を印加する。また,コントローラ102は,自由層113の磁化の向き(すなわち書き込まれた情報)を読み出すために,磁気メモリ素子101の第1固定層111と第2固定層115間の電流を測定する。
以上の構成により,磁気メモリ装置100はデータを書き込み及び読み出す。次に,コントローラ102が磁気メモリ素子101に情報の書き込みを行う動作,及びコントローラ102が自由層113中の磁壁の移動を行う動作について説明する。図2~図9は実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。
まず,図2~図5を用いて,自由層113に上向きの磁化を書き込む例について説明する。
図2は,情報を書き込む前の磁気メモリ装置100を表している。図2において,記録部である自由層113は,下向きの磁化となっている。また,第1固定層111の磁化の向きは,下向きである。そして,第2固定層115の磁化の向きは,上向きである。この状態において,自由層113に上向きの磁化を書き込む場合,コントローラ102は,第1固定層111から第2固定層115に電流Jを流す。
図2から電流Jを流した後の状態を図3に示す。図3では,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,第2固定層115から自由層113に上向きのスピンが注入され,自由層113の第2非磁性層114側に上向きの磁化領域が出現する。また,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,上向きの磁化領域と下向きの磁化領域の境界にある磁壁が,第2非磁性層114側から第1非磁性層112側に移動する。
図3から電流Jを流した後の状態を図4に示す。図4では,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,磁壁がさらに第1非磁性層112側に移動する。
図4から電流Jを流した後の状態を図5に示す。図5では,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,磁壁が第1非磁性層112に到達し,自由層113全体が,上向きの磁化となる。
このようにして,自由層113に上向きの磁化を書き込むことができる。次に,図6~図9を用いて,自由層113に下向きの磁化を書き込む例について説明する。
図6は,情報を書き込む前の磁気メモリ装置100を表している。図6において,自由層113は,上向きの磁化となっている。また,第1固定層111の磁化の向きは,下向きである。そして,第2固定層115の磁化の向きは,上向きである。この状態において,自由層113に下向きの磁化を書き込む場合,コントローラ102は,第2固定層115から第1固定層111に電流Jを流す。
図6から電流Jを流した後の状態を図7に示す。図7では,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,第1固定層111から自由層113に下向きのスピンが注入され,自由層113の第1非磁性層112側に下向きの磁化領域が出現する。また,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,上向きの磁化領域と下向きの磁化領域の境界にある磁壁が,第1非磁性層112側から第2非磁性層114側に移動する。
図7から電流Jを流した後の状態を図8に示す。図8では,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,磁壁がさらに第2非磁性層114側に移動する。
図8から電流Jを流した後の状態を図9に示す。図9では,磁気メモリ素子101に電流Jが流れることにより,磁壁が第2非磁性層114に到達し,自由層113全体が,下向きの磁化となる。このようにして,自由層113に下向きの磁化を書き込むことができる。
次にコントローラ102が磁気メモリ素子101に情報を読み出す動作について説明する。コントローラ102は磁気メモリ素子101に流れる電流の大きさにより,磁気メモリ素子101が上向きの磁化,下向きの磁化いずれの状態であるかを検出する。図10及び図11は,実施の形態1にかかる磁気メモリ装置の動作を説明する図である。
コントローラ102は,読み出し電流Jの値を計測する。この読み出し電流Jは書き込み電流J,Jの両方より小さい値である。なお,読み出し電流Jの向きは,いずれであっても良い。
まず,図10を用いて,下向きの磁化を読み出す例について説明する。自由層113,第2非磁性層114及び第2固定層115はTMR素子を形成する。図10において,第1固定層111の磁化の向きと,自由層113の磁化の向きは反対であるので,反並行の磁気抵抗R1APとなる。また,第1固定層111,第1非磁性層112及び自由層113はTMR素子を形成する。図10において,第1固定層111の磁化の向きと,自由層113の磁化の向きは同じなので,並行の磁気抵抗R2となる。ここで,下向きの磁化を有する自由層113の抵抗値Rdownは,R1AP+R2にほぼ等しい。
図11を用いて,上向きの磁化を読み出す例について説明する。図11において,第2固定層115の磁化の向きと,自由層113の磁化の向きは同じなので,平行の磁気抵抗R1となる。また,図10において,第1固定層111の磁化の向きと,自由層113の磁化の向きは反対であるので,並行の磁気抵抗R2APとなる。ここで,自由層113が上向きの磁化を有するときの磁気メモリ素子101の抵抗値RUPは,R1+R2APにほぼ等しい。
磁気メモリ素子101では,自由層113が下向きの磁化を有するときの抵抗値Rdownと上向きの磁化を有するときの抵抗値RUPが異なるので,コントローラ102は磁気メモリ素子101に固定の電圧を印加したときに流れる電流の大きさにより,磁気メモリ素子101が上向きの磁化,下向きの磁化いずれの状態であるかを検出することができる。
次に,向きの磁化を有する自由層113の抵抗値Rdownと上向きの磁化を有する自由層113の抵抗値RUPが異なるようにするための構成について説明する。
MR1とMR2で磁気抵抗比(MR比)が同じと仮定すると以下の関係式が成り立つ。
ここで,MR1≡(R1AP-R1)/R1,MR2≡(R2AP-R2)/R2とする。
αR1=R1AP
αR2=R2AP
α:MR比に相当する量
また,
R2がR1のβ倍つまりβR1=R2と仮定する。
β:R1とR2の抵抗値の比
αβR1=R2APが成り立つ。そして,上向きの磁化を有する自由層113の抵抗値RUPと下向きの磁化を有する自由層113の抵抗値Rdownの比は,以下のようになる。
UP/Rdown=(1+αβ)/(α+β)
ここで,β≠1のときRUP/Rdown≠1となる。
すなわち,R1の抵抗値とR2の抵抗値が異なれば,そして,上向きの磁化を有する自由層113の抵抗値RUPと下向きの磁化を有する自由層113の抵抗値Rdownが異なることになる。その結果,コントローラ102は磁気メモリ素子101に流れる電流の大きさにより,磁気メモリ素子101が上向きの磁化,下向きの磁化いずれの状態であるかを検出することができる。
なお,
例えば,第1固定層111,第1非磁性層112及び自由層113からなるMR1をGMR素子,自由層113,第2非磁性層114及び第2固定層115からなるMR2をTMR素子としてもよい。この場合,MR2の抵抗値が大きく,磁気抵抗値も大きい。
図12は、実施の形態1の磁気メモリ装置におけるMTJ素子の構造と熱安定の関係を示すグラフである。図12において、縦軸は自由層113の厚みtを示し、横軸は素子の直径Dを示す。
図12において、熱安定因子Δが大きい厚みと直径の組み合わせがSOT書き込み方法に適している。すなわち図12において、Δが40以上である厚みと直径の組合せが望ましい。特にΔが80以上である厚みと直径の組合せが望ましい。そして、Δが120以上である厚みと直径の組合せがもっとも望ましい。
具体的には自由層113の高さを,前記自由層の直径で除算した比が1以上であることが望ましい。また,自由層113の高さが20nm以上であることが望ましい。であることが望ましい。また,自由層113の直径が10nm以下であることが望ましい。
このように,実施の形態1の磁気メモリ装置によれば,磁壁移動現象を用いることで,2端子構造素子で、高信頼性、たとえば-40℃~+150℃の広範囲の動作温度でも熱安定性の劣化がない磁気トンネル接合素子デバイス、ひいてはMRAM製品、DRAM代替え製品を提供することができる。実施の形態1の磁気メモリ装置によれば,さらに自由層材料の低Ms(低飽和磁化)化を行うことにより、高速書き込み(数ns)、低消費電流も可能になる。また,実施の形態1の磁気メモリ装置によれば,自由層(自由層)を縦長形状にすることにより形状磁気異方性を用いて、従来技術で困難であった熱安定性を確保し、素子サイズが10nm以下の高密度化が可能になる。特に-40℃~+150℃の広範囲の動作温度でも熱安定性の劣化がない磁気トンネル接合素子デバイスが実現できる。
なお,本発明は上記実施の形態に限られたものではなく,趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば,上記実施の形態では,第1固定層111,第1非磁性層112及び自由層113はTMR素子を構成する例について説明したが,第1非磁性層112として絶縁層の代わりに非磁性金属層を積層し,GMR素子としてもよい。同様に自由層113,第2非磁性層114及び第2固定層115をGMR素子としてもよい。
また,上記実施の形態では,図1において,第1固定層111,第1非磁性層112,自由層113,第2非磁性層114及び第2固定層115が円柱形状で表されているが,積層される形状であればいずれであってもよい。例えば,直方体形状が積層されたものであってもよい。
100 磁気メモリ装置
101 磁気メモリ素子
102 コントローラ
111 第1固定層
112 第1非磁性層
113 自由層
114 第2非磁性層
115 第2固定層

Claims (8)

  1. 所定の磁化方向を維持する第1固定層と,
    第1非磁性層と,
    垂直磁気異方性を有する、磁化方向が可変な自由層と,
    第2非磁性層と,
    前記第1固定層と逆向きの磁化方向を維持する第2固定層を,順に積層し,
    前記第1固定層,前記第1非磁性層及び前記自由層で構成されるMTJ素子の抵抗値は,前記第2固定層,前記第2非磁性層及び前記自由層で構成されるMTJ素子の抵抗値と異なる磁気メモリ素子。
  2. 前記自由層は,2つ以上の反対方向の磁化状態を有することができ,磁壁が形成できる高さを有する請求項1に記載の磁気メモリ素子。
  3. 前記第1固定層,前記第1非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子の磁気抵抗値が,前記第2固定層,前記第2非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子の磁気抵抗値と異なる請求項1または2に記載の磁気メモリ素子。
  4. 前記第1固定層,前記第1非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子,及び前記第2固定層,前記第2非磁性層,及び前記自由層で構成される磁気抵抗素子の少なくとも1つがGMR素子である請求項1から3のいずれかに記載の磁気メモリ素子。
  5. 前記自由層の高さを,前記自由層の直径で除算した比が1以上である,請求項1から4のいずれかに記載の磁気メモリ素子。
  6. 前記自由層の高さが20nm以上である,請求項1から5のいずれかに記載の磁気メモリ素子。
  7. 前記自由層の直径が10nm以下である,請求項1から6のいずれかに記載の磁気メモリ素子。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の磁気メモリ素子と,
    前記第1固定層及び前記第2固定層に接続し,前記自由層の磁壁を移動する電流を流す回路を備える磁気メモリ装置。
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