JP2022062878A - エンジンシステムおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気の圧力を上がり過ぎないようにすること。【解決手段】エンジンシステムは、エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、タービンへ流入する排気の流速をVN開度によって調整する可変ノズル機構とを含み、エンジンへの吸気を過給する過給機と、可変ノズル機構を制御する制御装置とを備える。制御装置は、ユーザからの減速要求に応じて、エンジンからの排気の圧力が上がり過ぎないようにするための排気の温度に応じたVN開度の補正量を算出し(ステップS112からステップS114)、基準VN開度から補正量を補正(ステップS115)したVN開度となるように、可変ノズル機構40を制御する(ステップS116)。【選択図】図3

Description

この開示は、エンジンシステムおよび制御方法に関し、特に、可変ノズル機構を含む過給機を備えるエンジンシステムに関する。
従来、圧縮圧開放式のエンジンブレーキ装置と、ターボチャージャとを含むエンジンシステムがあった(たとえば、特許文献1参照)。圧縮圧開放式のエンジンブレーキ装置は、排気弁を通常の排気タイミングと異なるタイミングで開閉することでエンジンのシリンダ内の圧力状態を制御することで、エンジンブレーキとして作用させる。ターボチャージャは、排気タービン側に排気を絞るための可変ノズルを含む。エンジンブレーキ装置に加えて、アクセルペダルの踏み込みが無くなると可変ノズルの開度を最も絞った状態に制御することによって排気の圧力を上昇させることで、エンジンブレーキ力を高めることができる。
また、可変ノズルの開度が最も絞られているときに、ターボチャージャによる過給圧が所定圧よりも大きくなると、可変ノズルが1段階だけ開方向に変更される。これにより、過給圧が高まり過ぎ、エンジンおよびターボチャージャに過大な負荷が加わることを抑制できる。
特開平10-18866号公報
しかし、特許文献1においては、排気の状態を考慮していないため、排気の圧力が上がり過ぎることで排気経路の機器に悪影響を与えたり、逆に、排気の圧力が下がり過ぎることで所定のエンジンブレーキ力を得られなかったりするという問題が生じ得る。
この開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、排気の圧力を上がり過ぎないようにすることが可能なエンジンシステムおよび制御方法を提供することである。
この開示に係るエンジンシステムは、エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、タービンへ流入する排気の流速をノズルの開度によって調整する可変ノズル機構とを含み、エンジンへの吸気を過給する過給機と、可変ノズル機構を制御する制御装置とを備える。制御装置は、ユーザからの減速要求に応じて、エンジンからの排気の温度に応じたノズルの開度の補正量を算出し、基準開度から補正量を減算した開度となるように、ノズルを制御する。
好ましくは、制御装置は、エンジンからの排気の圧力が所定圧力を超えないように開度を補正する。さらに好ましくは、エンジンからの排気の温度に対してエンジンからの排気の圧力が所定圧力を超えないノズルの開度の第1の制御範囲を予め特定しておき、制御装置は、第1の制御範囲で開度を補正する。
好ましくは、制御装置は、エンジンによる減速力が所定目標を超えるように開度を補正する。さらに好ましくは、エンジンからの排気の温度に対してエンジンによる減速力が所定目標を超えるノズルの開度の第2の制御範囲を予め特定しておき、制御装置は、第2の制御範囲で開度を補正する。
この開示の他の局面によれば、エンジンシステムの制御方法は、エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、タービンへ流入する排気の流速をノズルの開度によって調整する可変ノズル機構とを含み、エンジンへの吸気を過給する過給機の可変ノズル機構を制御する制御方法である。制御方法は、ユーザからの減速要求に応じて、エンジンからの排気の温度に応じたノズルの開度の補正量を算出するステップと、基準開度から補正量を減算した開度となるように、ノズルを制御するステップとを含む。
この開示によれば、排気の圧力を上がり過ぎないようにすることが可能なエンジンシステムおよび制御方法を提供することができる。
本実施の形態に係る過給機を備えたエンジンの概略構成を示す図である。 可変ノズル機構の構成の一例を示す図である。 この実施の形態におけるVN制御処理の流れを示すフローチャートである。 エンジン回転速度、大気圧、外気温および基準VN開度の関係を示すグラフである。 VN開度の補正量および排気温度の関係を示すグラフである。 この実施の形態による制御の結果の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、本実施の形態に係る過給機を備えたエンジン1の概略構成を示す図である。本実施の形態において、エンジン1は、たとえば、コモンレール式のディーゼルエンジンを一例として説明するが、その他の形式のエンジン(たとえば、ガソリンエンジン等)であってもよい。
エンジン1は、エンジン本体10と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、吸気マニホールド28と、過給機30と、排気マニホールド50と、排気処理装置55と、排気再循環装置(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置と記載する)60と、エンジン回転速度センサ102と、エアフローメータ104と、過給圧センサ106と、外気温センサ108と、大気圧センサ110と、制御装置200とを備える。
エンジン本体10は、気筒12と、インジェクタ16とを含む。エンジン1は、直列型のエンジンであってもよいし、その他の気筒レイアウト(たとえば、V型あるいは水平型)のエンジンであってもよい。
インジェクタ16は、気筒12の頂部に設けられ、コモンレール(図示せず)に接続されている燃料噴射装置である。燃料タンク(図示せず)に貯留された燃料は、サプライポンプ(図示せず)によって所定圧まで加圧されてコモンレールへ供給される。コモンレールに供給された燃料はインジェクタ16から所定のタイミングで噴射される。インジェクタ16は、制御装置200からの制御信号に応じて指令された燃料噴射量Qvを気筒12内に供給する。
エアクリーナ20は、エンジン1の外部から吸入される空気から異物を除去する。エアクリーナ20には、第1吸気管22の一方端が接続される。
第1吸気管22の他方端には、過給機30のコンプレッサ32の吸気流入口に接続される。コンプレッサ32の吸気流出口には、第2吸気管24の一方端が接続される。コンプレッサ32は、第1吸気管22から流通する空気を過給して第2吸気管24に供給する。コンプレッサ32の詳細な動作については後述する。
第2吸気管24の他方端には、インタークーラ26の一方端が接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
インタークーラ26の他方端には、第3吸気管27の一方端が接続される。第3吸気管27の他方端には、吸気マニホールド28が接続される。吸気マニホールド28は、エンジン本体10の気筒12の吸気ポートに連結される。第3吸気管27の途中であって、後述するEGR60との分岐点よりもインタークーラ26側には、ディーゼルスロットル25が設けられる。ディーゼルスロットル25は、制御装置200から制御信号に応じて吸気の流量を調整する。
排気マニホールド50は、エンジン本体10の気筒12の排気ポートに連結される。排気マニホールド50には、第1排気管52の一方端が接続される。第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン36の排気流入口に接続される。そのため、各気筒の排気ポートから排出される排気は、排気マニホールド50および第1排気管52を経由してタービン36に供給される。
タービン36の排気流出口には、第2排気管54の一方端が接続される。第2排気管54の他方端には、酸化触媒56とPM(Particulate Matter)除去フィルタ57とSCR触媒58とを含む排気処理装置55およびマフラー等が接続される。そのため、タービン36の排気流出口から排出された排気は、第2排気管54、排気処理装置55およびマフラー等を経由して車外に排出される。
第3吸気管27(または吸気マニホールド28)と第1排気管52(または排気マニホールド50)とは、エンジン本体10の気筒12を経由せずにEGR装置60によって接続される。EGR装置60は、EGRバルブ62と、EGR通路66と、EGRクーラ63とを含む。EGR通路66は、第3吸気管27と第1排気管52(または排気マニホールド50)とを接続する。EGRバルブ62およびEGRクーラ63は、EGR通路66の途中に設けられる。EGRクーラ63は、EGR通路66を介して吸気側に流れるEGRガスを冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
EGRバルブ62は、制御装置200からの制御信号に応じて、EGR通路66を流通するEGRガスの流量を調整する調整弁である。排気マニホールド50内の排気がEGR装置60を経由してEGRガスとして吸気側に戻されることによって気筒12内の燃焼温度が低下され、NOxの生成量が低減される。
過給機30は、コンプレッサ32と、タービン36と、可変ノズル機構40と、アクチュエータ44とを含む。コンプレッサ32のハウジング内にはコンプレッサホイール34が収納され、タービン36のハウジング内にはタービンホイール38が収納される。コンプレッサホイール34とタービンホイール38とは、連結軸42によって連結され、一体的に回転する。そのため、コンプレッサホイール34は、タービンホイール38に供給される排気のエネルギーによって回転駆動される。
可変ノズル機構40は、タービンホイール38の回転軸を中心とした周囲の排気流入部に配置され、第1排気管52から供給される排気をタービンホイール38に導く複数のベーン(図2参照)と、複数のベーンの各々を回転させることによって隣接するベーン間の隙間(以下の説明においてこの隙間の大きさを「VN(ベーンノズル)開度」ともいう)を変化させるリンク機構とを含む。アクチュエータ44は、制御装置200からの動作指示に応じてリンク機構を動作させることによって、可変ノズル機構40のVN開度を変化させる。
可変ノズル機構40のVN開度を変化させることによって、タービンホイール38への排気流入部における排気の流路が絞られたり、拡げられたりする。これにより、タービンホイール38に吹き付けられる排気の流速を変化させることができる。
図2は、可変ノズル機構40の構成の一例を示す図である。図2(a)は、図1において左方向から可変ノズル機構40を見た図である。図2(b)は、図1において右方向から可変ノズル機構40を見た図である。可変ノズル機構40の構成は、第1排気管52からタービンホイール38までの排気の流路を絞ることでタービンホイール38に供給される排気の流速を変化させるものであればよく、特に、図2に示される構成に限定されるものではない。
図2(a)および図2(b)に示すように、可変ノズル機構40は、タービンホイール38の外周の排気流入部に配置された複数のノズルベーン67と、複数の軸68を回転中心として複数のノズルベーン67をそれぞれ揺動可能に保持するノズルプレート69と、各軸68の端部に固定されたアーム70を用いて軸68を回転させるユニゾンリング71とを含む。ユニゾンリング71は、リンク機構72を介してアクチュエータ44の動作によって回転されるようになっており、リンク機構72の回転軸72aの端部に固定されたアーム72bを、アクチュエータ44を用いて揺動させることで、アーム72bと係合するユニゾンリング71を回転させることができる。
たとえば、図2(a)に示されるように、アーム72bをリンク機構72によって矢印に示す方向に揺動させると、ユニゾンリング71は、矢印に示す方向、すなわち、図2(a)では反時計回り、図2(b)では時計回りに回転する。さらに、このユニゾンリング71の回転によって、各軸68は、矢印に示す方向、すなわち、図2(a)では反時計回り、図2(b)では時計回りに回転される。したがって、ノズルベーン67の開度は閉じ側(隣接する2つのノズルベーンの間の隙間が狭くなるように)に制御されることとなる。また、アーム72bを矢印とは逆の方向に搖動させると、ノズルベーン67の開度は開き側(隣接する2つのノズルベーンの間の隙間が拡がるように)に制御されることとなる。
図1に戻って、エンジン1の動作は、制御装置200によって制御される。制御装置200は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリと、外部との情報のやり取りを行なうための入出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。入力ポートには、上述したようなセンサ類(たとえば、エンジン回転速度センサ102、エアフローメータ104、過給圧センサ106、外気温センサ108および大気圧センサ110等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、インジェクタ16、アクチュエータ44およびEGRバルブ62等)が接続される。
制御装置200は、各センサおよび機器からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン1が所望の運転状態となるように各種機器を制御する。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。また、制御装置200には、時間の計測を行うためのタイマー回路(図示せず)が内蔵されている。
エンジン回転速度センサ102は、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトの回転速度をエンジン回転速度NEとして検出する。エンジン回転速度センサ102は、検出したエンジン回転速度NEを示す信号を制御装置200に送信する。
エアフローメータ104は、第1吸気管22に導入される新気の流量(吸入空気量)Qinを検出する。エアフローメータ104は、検出した吸入空気量Qinを示す信号を制御装置200に送信する。
過給圧センサ106は、吸気マニホールド28内の圧力を過給圧として検出する。過給圧センサ106は、検出した過給圧を示す信号を制御装置200に送信する。
外気温センサ108は、エンジン1が搭載された車両の外気の温度を検出する。外気温センサ108は、検出した外気の温度を示す信号を制御装置200に送信する。
大気圧センサ110は、エンジン1が搭載された車両の外気の圧力、つまり大気圧を検出する。大気圧センサ110は、検出した大気圧を示す信号を制御装置200に送信する。
以上のような構成を有するエンジン1において、制御装置200は、エンジン1の状態に基づいて可変ノズル機構40を制御する。より具体的には、制御装置200は、エンジン1の状態(たとえば、エンジン回転速度NEや燃料噴射量Qv)に基づいて可変ノズル機構40のVN開度の基本値を設定する。
制御装置200は、たとえば、エンジン回転速度NEが低回転領域であって、かつ、負荷が低負荷領域である場合においては、タービンホイール38に供給される排気の流速が速くなるように(すなわち、VN開度が小さくなるように)、基本値を設定する。
一方、制御装置200は、たとえば、エンジン回転速度NEが高回転領域であって、かつ、負荷が高負荷領域である場合においては、タービンホイール38に供給される排気の流速が遅くなるように(すなわち、VN開度が大きくなるように)、基本値を設定する。
さらに、制御装置200は、目標過給圧と実過給圧との差分を用いてVN開度の補正量を算出する。制御装置200は、たとえば、エンジン回転速度NEと吸入空気量Qinと燃料噴射量Qv等を用いて目標過給圧を設定する。制御装置200は、過給圧センサ106を用いて実過給圧を取得する。
制御装置200は、設定された基本値を補正量で補正した値をVN開度の指令値としてアクチュエータ44を制御するための制御信号を生成し、アクチュエータ44に送信する。可変ノズル機構40のアクチュエータ44は、受信した制御信号に基づいてVN開度を変化させる。このように、エンジン1の状態に基づいて可変ノズル機構40のVN開度を適切に調整することにより、過給機30の過給圧を最適な過給圧に調整することができる。
このような可変ノズル機構40を有する過給機30においては、エンジン保護のため排気マニホールド50の圧力が圧力上限値を超えないように可変ノズル機構40のVN開度が制御される。すなわち、上述の基本値を補正量で補正した値にVN開度の下限値が設定され、基本値を補正量で補正した値が下限値よりも小さい場合には、下限値をVN開度の指令値として可変ノズル機構40のアクチュエータ44が制御されることになる。VN開度の下限値は、たとえば、排気流量の変動が少ない安定した状態であることを前提として、エンジン回転速度NEと燃料噴射量Qvとを用いて設定される。
[課題]
このようなエンジン1のシステムにおいて、従来、運転者によって車両を減速する操作(たとえば、アクセルペダルを全く踏み込んでいない状態とする操作、ブレーキペダルを踏み込む操作)がされると、可変ノズル機構40のVN開度を最も絞った状態に制御することによって排気の圧力を上昇させることで、エンジンブレーキ力を高めるものがあった。
しかし、このようなエンジン1のシステムにおいては、排気の状態を考慮していないため、排気の圧力が上がり過ぎることで排気経路の機器に悪影響を与えたり、逆に、排気の圧力が下がり過ぎることで所定のエンジンブレーキ力が得られなかったりするという問題が生じ得る。
[この開示での制御]
そこで、この開示においては、制御装置200が、ユーザからの減速要求に応じて、エンジンからの排気の温度に応じた可変ノズル機構40のVN開度の補正量を算出し、VN開度の基準開度から補正量を減算した開度となるように、可変ノズル機構40を制御する。これにより、排気の圧力を上がり過ぎないようにすることができる。
以下、この実施の形態での制御を説明する。図3は、この実施の形態におけるVN制御処理の流れを示すフローチャートである。このVN制御処理は、制御装置200のCPUによって、上位の処理から所定の制御周期ごとに呼出されて実行される。
図3を参照して、まず、制御装置200のCPUは、基準VN開度を算出する(ステップS111)。基準VN開度は、たとえば、VN開度の基本値を補正量で補正した前述の値である。
図4は、エンジン回転速度、大気圧、外気温および基準VN開度の関係を示すグラフである。図4を参照して、たとえば、大気圧および外気温が定まると、図4のグラフの線が1つに定まり、その線上で、エンジン回転速度NEに対応する基準VN開度を特定することができる。ここでは、基準VN開度は、エンジン回転速度の上昇に応じて減少する。
図3に戻って、制御装置200のCPUは、アクセルペダルがオフ状態とされたか否か、つまり、アクセルペダルが操作されていない状態とされたか否かを判断する(ステップS112)。
アクセルペダルが操作されていない状態とされた(ステップS112でYES)と判断した場合、制御装置200のCPUは、排気の温度T4を特定する(ステップS113)。排気温度T4は、たとえば、吸気マニホールド28の吸気の温度に、気筒12での温度上昇分(排気損失(J)を比熱×ガス量(g)で割った値)を加算することで得られる。たとえば、排気温度T4は、エンジン回転速度NEと、吸気マニホールド28内の吸気温度と、水温と、燃料噴射量Qvおよび噴射時期等の燃焼パラメータと、吸入空気量Qinと、気筒12を1サイクル当りに通過するガス量とを用いて公知の方法で推定される。吸気温度および水温は、たとえば、図示しないセンサ等を用いて検出される。なお、排気温度T4は、温度センサを用いて特定されるようにしてもよい。また、排気温度T4に替えて、過給機30の部材(たとえば、タービン36)の温度を用いてもよい。
次に、制御装置200のCPUは、VN開度の補正量を算出する(ステップS114)。VN開度の補正量は、たとえば、排気温度T4を用いて算出される。
図5は、VN開度の補正量および排気温度の関係を示すグラフである。図5を参照して、このグラフの線上で、排気温度T4に対応するVN開度の補正量を特定することができる。なお、この実施の形態においては、補正量は、排気温度T4が所定値以下のときは0であり、排気温度T4が所定値を超えると、排気温度の上昇に応じて減少する。つまり、補正量は、0以下の値である。
図3に戻って、制御装置200のCPUは、補正後のVN開度を算出する(ステップS115)。補正後のVN開度は、ステップS111で特定した基準VN開度に、ステップS114で算出した補正量(0以下)を加算することで算出される。
アクセルペダルが操作されていない状態とされていない(ステップS112でNO)と判断した場合、または、ステップS115の後、制御装置200のCPUは、算出したVN開度となるように、可変ノズル機構40を制御する(ステップS116)。ステップS116の後、制御装置200のCPUは、実行する処理をこのVN制御処理の呼出元の上位の処理に戻す。
図6は、この実施の形態による制御の結果の一例を示すグラフである。図6を参照して、図6(A)で示されるように、時刻t1のときにアクセルペダルの開度が0とされると、気筒12に燃料が噴射されなくなるので、図6(B)で示されるように、排気温度T4は単調減少する。
図6(C)で示されるように、時刻t1までは、アクセル開度等に応じたVN開度とされる。時刻t1以降は、基準VN開度にVN開度補正量を加味したVN開度となるように可変ノズル機構40が制御される。
これにより、図6(D)で示されるように、排気マニホールド50内の圧力が、信頼性限界を超えないようにされるとともに、図6(E)で示されるように、過給機30の可変ノズル機構40によるエンジンブレーキの減速力が、所定の目標(たとえば、最低限必要な減速力)を超えるようにされる。
この実施の形態においては、VN開度の制御によって可変ノズル機構40によるエンジンブレーキが働く場合に、排気温度等の各条件に対して、排気マニホールド28内の圧力が信頼性限界を超えないVN開度の制御範囲を予め特定しておき、排気温度等の各条件に対して、このVN開度の範囲内でVN開度補正量が定められるように、図5で示したVN開度補正量のグラフが予め定められる。
また、VN開度の制御によって可変ノズル機構40によるエンジンブレーキが働く場合に、排気温度等の各条件に対して、可変ノズル機構40によるエンジンブレーキの減速力が所定の目標を超えるVN開度の制御範囲を予め特定しておき、排気温度等の各条件に対して、このVN開度の範囲内でVN開度補正量が定められるように、図5で示したVN開度補正量のグラフが予め定められる。
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、図1および図2で示したようなエンジン1のシステムの構成であることとした。しかし、これに限定されず、可変ノズル機構を含む過給機を備えるエンジンシステムであれば、図1および図2で示した構成と異なるエンジンシステムであってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、図3のステップS112で示したように、アクセルペダルが操作されない状態とされることを条件として、排気温度に応じて補正したVN開度を算出するようにした。しかし、補正したVN開度を算出する条件は、これに限定されず、運転者の何らかの減速要求があったとの条件であればよく、たとえば、VN開度によるエンジンブレーキをオン状態またはオン状態にする操作部がオン状態とする側に切替えられたとの条件であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、図4で示したグラフの関係に基づいて、基準VN開度を算出するようにした。しかし、これに限定されず、基準VN開度は、他の公知のいずれかの方法で算出されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図5のグラフは、VN開度の制御によって可変ノズル機構40によるエンジンブレーキが働く場合に、排気温度等の各条件に対して、排気マニホールド28内の圧力が信頼性限界を超えないVN開度の範囲を予め特定しておき、排気温度等の各条件に対して、このVN開度の範囲内でVN開度補正量が定められるように、予め定められるようにした。そして、この図5のグラフが用いられてVN開度が補正されるようにした。しかし、これに限定されず、エンジン1からの排気の圧力が所定圧力を超えないようにVN開度を補正するのであれば、他の方法であってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、図5のグラフは、VN開度の制御によって可変ノズル機構40によるエンジンブレーキが働く場合に、排気温度等の各条件に対して、可変ノズル機構40によるエンジンブレーキの減速力が所定の目標を超えるVN開度の範囲を予め特定しておき、排気温度等の各条件に対して、このVN開度の範囲内でVN開度補正量が定められるように、予め定められるようにした。そして、この図5のグラフが用いられてVN開度が補正されるようにした。しかし、これに限定されず、エンジン1による減速力が所定目標を超えるようにVN開度を補正するのであれば、他の方法であってもよい。
(6) 前述した実施形態においては、図6で示したように、エンジン1からの排気の圧力が所定圧力を超えないように、かつ、エンジン1による減速力が所定目標を超えるように、VN開度を補正するようにした。しかし、これに限定されず、エンジン1からの排気の圧力が所定圧力を超えないとの条件、および、エンジン1による減速力が所定目標を超えるといの条件の少なくとも一方を満たすように、VN開度を補正するようにしてもよい。
(7) 前述した開示を、エンジン1のシステムの開示と捉えることができるし、エンジン1の制御装置200の開示と捉えることができるし、エンジン1を備える車両の開示と捉えることができるし、制御装置200によって実行される制御方法または制御プログラムの開示と捉えることができる。
[まとめ]
(1) 図1および図2で示したように、エンジン1のシステムは、エンジン1から排出された排気によって駆動されるタービン36と、タービン36へ流入する排気の流速をVN開度によって調整する可変ノズル機構40とを含み、エンジン1への吸気を過給する過給機30と、可変ノズル機構40を制御する制御装置200とを備える。図3から図5で示したように、制御装置200は、ユーザからの減速要求に応じて、エンジン1からの排気の圧力が上がり過ぎないようにするための排気の温度に応じたVN開度の補正量を算出し(ステップS112からステップS114)、基準VN開度から補正量を補正(ステップS115)したVN開度となるように、可変ノズル機構40を制御する(ステップS116)。
これにより、基準VN開度から補正したVN開度となるように可変ノズル機構が制御される。その結果、排気の圧力を上がり過ぎないようにすることができる。
(2) 図3から図6で示したように、制御装置200は、エンジン1からの排気の圧力が所定圧力を超えないようにVN開度を補正する。これにより、排気の圧力を上がり過ぎないようにすることができる。
(3) 図6で示したように、エンジンからの排気の温度に対してエンジンからの排気の圧力が所定圧力を超えないVN開度の制御範囲を予め特定しておく。図3から図6で示したように、制御装置200は、その制御範囲でVN開度を補正する。これにより、排気の圧力を上がり過ぎないようにすることができる。
(4) 図3から図6で示したように、制御装置200は、エンジン1による減速力が所定目標を超えるようにVN開度を補正する。これにより、所定目標を超える減速力を得ることができる。
(5) 図6で示したように、エンジン1からの排気の温度に対してエンジン1による減速力が所定目標を超えるVN開度の制御範囲を予め特定しておく。図3から図6で示したように、制御装置200は、その制御範囲でVN開度を補正する。これにより、所定目標を超える減速力を得ることができる。
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 エンジン本体、12 気筒、16 インジェクタ、20 エアクリーナ、22 第1吸気管、24 第2吸気管、25 ディーゼルスロットル、26 インタークーラ、27 第3吸気管、28 吸気マニホールド、30 過給機、32 コンプレッサ、34 コンプレッサホイール、36 タービン、38 タービンホイール、40 可変ノズル機構、42 連結軸、44 アクチュエータ、50 排気マニホールド、52 第1排気管、54 第2排気管、55 排気処理装置、56 酸化触媒、57 PM除去フィルタ、58 SCR触媒、60 EGR装置、62 EGRバルブ、63 EGRクーラ、66 EGR通路、67 ノズルベーン、68 軸、69 ノズルプレート、70,72b アーム、71 ユニゾンリング、72 リンク機構、72a 回転軸、102 エンジン回転速度センサ、104 エアフローメータ、106 過給圧センサ、108 外気温センサ、110 大気圧センサ、200 制御装置。

Claims (6)

  1. エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、前記タービンへ流入する排気の流速をノズルの開度によって調整する可変ノズル機構とを含み、前記エンジンへの吸気を過給する過給機と、
    前記可変ノズル機構を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    ユーザからの減速要求に応じて、前記エンジンからの排気の温度に応じた前記ノズルの開度の補正量を算出し、
    基準開度から前記補正量を補正した開度となるように、前記ノズルを制御する、エンジンシステム。
  2. 前記制御装置は、前記エンジンからの排気の圧力が所定圧力を超えないように前記開度を補正する、請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記エンジンからの排気の温度に対して前記エンジンからの排気の圧力が前記所定圧力を超えない前記ノズルの開度の第1の制御範囲を予め特定しておき、
    前記制御装置は、前記第1の制御範囲で前記開度を補正する、請求項2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記制御装置は、前記エンジンによる減速力が所定目標を超えるように前記開度を補正する、請求項1に記載のエンジンシステム。
  5. 前記エンジンからの排気の温度に対して前記エンジンによる減速力が所定目標を超える前記ノズルの開度の第2の制御範囲を予め特定しておき、
    前記制御装置は、前記第2の制御範囲で前記開度を補正する、請求項4に記載のエンジンシステム。
  6. エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、前記タービンへ流入する排気の流速をノズルの開度によって調整する可変ノズル機構とを含み、前記エンジンへの吸気を過給する過給機の前記可変ノズル機構を制御する制御方法であって、
    ユーザからの減速要求に応じて、前記エンジンからの排気の温度に応じた前記ノズルの開度の補正量を算出するステップと、
    基準開度から前記補正量を補正した開度となるように、前記ノズルを制御するステップとを含む、制御方法。
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