JP2023124223A - エンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法 - Google Patents

エンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成で適正に燃料の噴射量の監視を行うこと。【解決手段】エンジンシステムは、エンジン本体の気筒に燃料を噴射するインジェクタと、エンジン本体の実際の回転速度を検出するエンジン回転速度センサと、インジェクタを制御する制御装置とを備える。制御装置は、エンジン本体の目標回転速度と、エンジン回転速度センサによって検出された回転速度との差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出し(ステップS111からステップS116)、算出した制御用噴射量を噴射するようインジェクタを制御し(ステップS125)、フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出し(ステップS121)、制御用噴射量と監視用噴射量との噴射量差を算出し(ステップS122)、噴射量差に応じた所定処理を実行する(ステップS124)。【選択図】図3

Description

この開示は、エンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法に関し、特に、インジェクタの制御に適したエンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法に関する。
従来、ディーゼルエンジンの燃料の噴射量の制御が正常に行われているかを監視する装置があった(たとえば、特許文献1参照)。燃料の要求噴射量は、エンジンの回転速度およびアクセル操作量を用いて算出される。このようなディーゼルエンジンが産業システムまたは汎用機械に用いられる場合、アイソクロナス制御が用いられる。アイソクロナス制御は、ディーゼルエンジンの出力軸に対する負荷により回転速度が変動した場合、目標回転速度に追従させるように噴射量を変更する制御である。
特許文献1の第1の監視においては、この要求噴射量の算出に用いられたものと同じエンジンの回転速度およびアクセル操作量が用いられて、監視用の噴射量が算出される。そして、算出された監視用の噴射量および要求噴射量が比較されることで、要求噴射量が正常であるか監視される。
また、特許文献1の第2の監視においては、算出された噴射量を噴射するインジェクタの噴射期間を計測し、計測された噴射期間から実噴射量が算出される。そして、算出された実噴射量および要求噴射量が比較されることで、要求噴射量が正常であるか監視される。
特開2016-176368号公報
特許文献1の第1の監視においては、要求噴射量を算出するECU(Electronic Control Unit)とは別のECUを用いて監視用の噴射量を算出することが考えられる。しかし、このようにした場合、コストおよび開発期間が増加するといった問題が発生する。また、2つのECU間の協調制御をハードウェア的およびソフトウェア的に構築するため、システムが複雑となり、異常が発生する可能性が増加する。
また、特許文献1の第2の監視においては、ECUによって算出された要求噴射量が異常であっても、要求噴射量どおりにインジェクタによって噴射されると、噴射制御は正常であると判断されてしまう。また、アイソクロナス制御では、エンジンの出力軸への負荷に対してフィードバック量の反映が大きく、エンジンの回転速度およびアクセル操作量を用いて監視用の噴射量を推定することは困難であった。
この開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成で適正に燃料の噴射量の監視を行うことが可能な、エンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法を提供することである。
この開示に係るエンジンシステムは、エンジンの気筒に燃料を噴射するインジェクタと、エンジンの実回転速度を検出するセンサと、インジェクタを制御する制御部とを備える。制御部は、エンジンの目標回転速度と、センサによって検出された実回転速度との差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出し、算出した制御用噴射量を噴射するようインジェクタを制御し、フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出し、制御用噴射量と監視用噴射量との噴射量差を算出し、噴射量差に応じた所定処理を実行する。
好ましくは、所定方法は、実回転速度から目標回転速度を減算した回転速度差と監視用噴射量との実回転速度ごとの関係を予め定めたマップを用いて監視用噴射量を算出する方法である。
さらに好ましくは、マップにおいて、回転速度差が負の値である領域における監視用噴射量は、各実回転速度における許容噴射量である。
また好ましくは、マップにおいて、回転速度差が正の値である領域における監視用噴射量は、回転速度差による噴射量の減少を反映して予め定められる。
この開示の他の局面によれば、エンジンシステムの制御方法における、エンジンシステムは、エンジンの気筒に燃料を噴射するインジェクタと、エンジンの実回転速度を検出するセンサと、インジェクタを制御する制御部とを備える。制御方法は、制御部が、エンジンの目標回転速度と、センサによって検出された実回転速度との差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出するステップと、算出した制御用噴射量を噴射するようインジェクタを制御するステップと、フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出するステップと、制御用噴射量と監視用噴射量との噴射量差を算出するステップと、噴射量差に応じた所定処理を実行するステップとを含む。
この開示によれば、インジェクタを制御するために、1つの制御部を設けるだけでよいため、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成とすることができる。また、制御用噴射量の算出におけるフィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出するので、適正に制御用噴射量を監視することができる。その結果、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成で適正に燃料の噴射量の監視を行うことが可能な、エンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法を提供することができる。
この実施の形態に係る過給機を備えたエンジンの概略構成を示す図である。 この実施の形態における燃料の噴射量の制御に関するブロック図である。 この実施の形態における回転速度制御処理の流れを示すフローチャートである。 この実施の形態における監視用噴射量マップを説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、この実施の形態に係る過給機を備えたエンジンシステム1の概略構成を示す図である。本実施の形態において、エンジンシステム1は、たとえば、コモンレール式のディーゼルエンジンを含むシステムを一例として説明するが、その他の形式のエンジン(たとえば、ガソリンエンジン等)を含むシステムであってもよい。また、エンジンシステム1は、コンプレッサまたは油圧ポンプなどの産業システムまたは汎用機械などの機器を駆動するために用いられることとするが、これに限定されず、車両等の他の機械を駆動するために用いられることとしてもよい。
エンジンシステム1は、エンジン本体10と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、吸気マニホールド28と、過給機30と、排気マニホールド50と、排気処理装置55と、排気再循環装置(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置と記載する)60と、エンジン回転速度センサ102と、エアフローメータ104と、過給圧センサ106と、外気温センサ108と、大気圧センサ110と、制御装置200とを備える。
エンジン本体10は、気筒12と、インジェクタ16とを含む。エンジン本体10は、直列型のエンジンであってもよいし、その他の気筒レイアウト(たとえば、V型あるいは水平型)のエンジンであってもよい。
インジェクタ16は、気筒12の頂部に設けられ、コモンレール(図示せず)に接続されている燃料噴射装置である。燃料タンク(図示せず)に貯留された燃料は、サプライポンプ(図示せず)によって所定圧まで加圧されてコモンレールへ供給される。コモンレールに供給された燃料はインジェクタ16から所定のタイミングで噴射される。インジェクタ16は、制御装置200からの制御信号に応じて指令された燃料噴射量Qvを気筒12内に供給する。
エアクリーナ20は、エンジン本体10の外部から吸入される空気から異物を除去する。エアクリーナ20には、第1吸気管22の一方端が接続される。
第1吸気管22の他方端には、過給機30のコンプレッサ32の吸気流入口に接続される。コンプレッサ32の吸気流出口には、第2吸気管24の一方端が接続される。コンプレッサ32は、第1吸気管22から流通する空気を過給して第2吸気管24に供給する。
第2吸気管24の他方端には、インタークーラ26の一方端が接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
インタークーラ26の他方端には、第3吸気管27の一方端が接続される。第3吸気管27の他方端には、吸気マニホールド28が接続される。吸気マニホールド28は、エンジン本体10の気筒12の吸気ポートに連結される。第3吸気管27の途中であって、後述するEGR60との分岐点よりもインタークーラ26側には、ディーゼルスロットル25が設けられる。ディーゼルスロットル25は、制御装置200から制御信号に応じて吸気の流量を調整する。
排気マニホールド50は、エンジン本体10の気筒12の排気ポートに連結される。排気マニホールド50には、第1排気管52の一方端が接続される。第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン36の排気流入口に接続される。そのため、各気筒の排気ポートから排出される排気は、排気マニホールド50および第1排気管52を経由してタービン36に供給される。
タービン36の排気流出口には、第2排気管54の一方端が接続される。第2排気管54の他方端には、酸化触媒56とPM(Particulate Matter)除去フィルタ57とSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒58とを含む排気処理装置55およびマフラー等が接続される。そのため、タービン36の排気流出口から排出された排気は、第2排気管54、排気処理装置55およびマフラー等を経由して車外に排出される。
第3吸気管27(または吸気マニホールド28)と第1排気管52(または排気マニホールド50)とは、エンジン本体10の気筒12を経由せずにEGR装置60によって接続される。EGR装置60は、EGRバルブ62と、EGR通路66と、EGRクーラ63とを含む。EGR通路66は、第3吸気管27と第1排気管52(または排気マニホールド50)とを接続する。EGRバルブ62およびEGRクーラ63は、EGR通路66の途中に設けられる。EGRクーラ63は、EGR通路66を介して吸気側に流れるEGRガスを冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
EGRバルブ62は、制御装置200からの制御信号に応じて、EGR通路66を流通するEGRガスの流量を調整する調整弁である。排気マニホールド50内の排気がEGR装置60を経由してEGRガスとして吸気側に戻されることによって気筒12内の燃焼温度が低下され、NOxの生成量が低減される。
過給機30は、コンプレッサ32と、タービン36と、可変ノズル機構40と、アクチュエータ44とを含む。コンプレッサ32のハウジング内にはコンプレッサホイール34が収納され、タービン36のハウジング内にはタービンホイール38が収納される。コンプレッサホイール34とタービンホイール38とは、連結軸42によって連結され、一体的に回転する。そのため、コンプレッサホイール34は、タービンホイール38に供給される排気のエネルギーによって回転駆動される。
可変ノズル機構40は、タービンホイール38の回転軸を中心とした周囲の排気流入部に配置され、第1排気管52から供給される排気をタービンホイール38に導く複数のベーン(図2参照)と、複数のベーンの各々を回転させることによって隣接するベーン間の隙間(以下の説明においてこの隙間の大きさを「VN(ベーンノズル)開度」ともいう)を変化させるリンク機構とを含む。アクチュエータ44は、制御装置200からの動作指示に応じてリンク機構を動作させることによって、可変ノズル機構40のVN開度を変化させる。
可変ノズル機構40のVN開度を変化させることによって、タービンホイール38への排気流入部における排気の流路が絞られたり、拡げられたりする。これにより、タービンホイール38に吹き付けられる排気の流速を変化させることができる。
エンジンシステム1の動作は、制御装置200によって制御される。制御装置200は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリと、外部との情報のやり取りを行なうための入出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。入力ポートには、上述したようなセンサ類(たとえば、エンジン回転速度センサ102、エアフローメータ104、過給圧センサ106、外気温センサ108および大気圧センサ110等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、インジェクタ16、アクチュエータ44およびEGRバルブ62等)が接続される。
制御装置200は、各センサおよび機器からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジンシステム1が所望の運転状態となるように各種機器を制御する。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。また、制御装置200には、時間の計測を行うためのタイマー回路(図示せず)が内蔵されている。
エンジン回転速度センサ102は、エンジン本体10の出力軸であるクランクシャフトの回転速度をエンジン回転速度NEとして検出する。エンジン回転速度センサ102は、検出したエンジン回転速度NEを示す信号を制御装置200に送信する。
エアフローメータ104は、第1吸気管22に導入される新気の流量(吸入空気量)Qinを検出する。エアフローメータ104は、検出した吸入空気量Qinを示す信号を制御装置200に送信する。
過給圧センサ106は、吸気マニホールド28内の圧力を過給圧として検出する。過給圧センサ106は、検出した過給圧を示す信号を制御装置200に送信する。
外気温センサ108は、エンジンシステム1が搭載された車両の外気の温度を検出する。外気温センサ108は、検出した外気の温度を示す信号を制御装置200に送信する。
大気圧センサ110は、エンジンシステム1が搭載された車両の外気の圧力、つまり大気圧を検出する。大気圧センサ110は、検出した大気圧を示す信号を制御装置200に送信する。
操作部105は、ユーザによる操作を受付け、受付けた操作の内容を示す信号を制御装置200に送信する。操作部105は、エンジンシステム1が搭載される機器の筐体の外部に設けられる。操作部105は、たとえば、複数段階の切替えダイヤルであるが、これに限定されず、他の型式の操作部であってもよい。
図2は、この実施の形態における燃料の噴射量の制御に関するブロック図である。図2を参照して、燃料の噴射量の制御は、制御装置200によって行われる。つまり、図2の各ブロックは制御装置200に構成される。この実施の形態においては、図2の各ブロックは、後述する図3のフローチャートで示されるソフトウェアの処理が実行されることによって、制御装置200に仮想的に構成されることとする。しかし、図2の各ブロックのうちのいずれかが、制御装置200にハードウェア回路として構成されることとしてもよい。
噴射量の制御において、まず、ブロック211において、エンジン本体10の回転速度の指示が取得される。回転速度の指示は、たとえば、操作部105から取得される。たとえば、操作部105が複数の段階の切替えダイヤルである場合、切替えダイヤルで切替えられた段階を示す値が、回転速度の指示として取得される。
ブロック212において、ブロック211で取得された回転速度の指示で示されるエンジン本体10の目標回転速度が特定される。たとえば、操作部105が複数の段階の切替えダイヤルである場合、段階ごとに予め定められた回転速度のうち、ブロック211で取得された値で示される段階に対応する回転速度が目標回転速度として特定される。
ブロック213において、目標回転速度と基本噴射量との対応関係を示す予め定められた基本噴射量マップが用いられて、ブロック212で特定された目標回転速度に対応する基本噴射量が特定される。
ブロック214において、ブロック213で特定された基本噴射量に、後述するブロック216で算出されるフィードバック量が加算されることで、制御用噴射量が算出される。
制御装置200は、ブロック214で算出された制御用噴射量を噴射する制御信号をインジェクタ16に出力する。制御信号を受けると、インジェクタ16は、制御信号で示される制御用噴射量を気筒12に噴射するよう動作する。その結果、エンジン本体10のクランクシャフトの回転により駆動力が出力される。
ブロック215において、エンジン本体10のクランクシャフトの回転速度NEを示す信号がエンジン回転速度センサ102から受信されることで、エンジン本体10の実際の回転速度NEが特定される。
ブロック216において、ブロック215で特定された回転速度NEから、ブロック212で特定された目標回転速度を減算した回転速度差から、フィードバック量を計算するための所定の計算式が用いられて、フィードバック量が算出される。
このような構成において、燃料の噴射量の制御が正常に行われているかを監視することが考えられる。第1の監視として、上述した方法と同様の方法で、監視用の噴射量を算出することが考えられる。この監視用の噴射量およびブロック214で算出された制御用噴射量が比較されることで、制御用噴射量が正常であるか監視される。
第2の監視として、制御用噴射量を噴射するインジェクタ16の噴射期間を計測し、計測された噴射期間から実噴射量を算出することが考えられる。この実噴射量および制御用噴射量が比較されることで、制御用噴射量が正常であるか監視される。
第1の監視においては、監視の実効性を高めるため、制御装置200とは別の制御装置を用いて監視用の噴射量を算出することが考えられる。しかし、このようにした場合、コストおよび開発期間が増加するといった問題が発生する。また、2つの制御装置の間の協調制御をハードウェア的およびソフトウェア的に構築するため、システムが複雑となり、異常が発生する可能性が増加する。
また、第2の監視においては、制御装置200によって算出された制御用噴射量が異常であっても、制御用噴射量どおりにインジェクタ16によって噴射されると、噴射制御は正常であると判断されてしまう。
そこで、制御装置200は、エンジン本体10の目標回転速度と、エンジン回転速度センサ102によって検出された回転速度NEとの差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出し、算出した制御用噴射量を噴射するようインジェクタ16を制御し、フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出し、制御用噴射量と監視用噴射量との噴射量差を算出し、噴射量差に応じた所定処理を実行するようにする。
これにより、インジェクタ16を制御するために、1つの制御装置200を設けるだけでよいため、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成とすることができる。また、制御用噴射量の算出におけるフィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出するので、適正に制御用噴射量を監視することができる。その結果、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成で適正に燃料の噴射量の監視を行うことができる。
図2を再び参照して、ブロック221において、ブロック212で特定された目標回転速度およびブロック215で特定された回転速度NEが用いられて監視用噴射量マップが特定される。監視用噴射量マップは、後述する図4で示すように、目標回転速度と回転速度NEとの差、および、監視用噴射量の関係を示すマップである。
ブロック222において、ブロック221で特定された監視用噴射量マップが用いられて監視用噴射量が特定される。そして、ブロック214で算出された制御用噴射量とブロック222で特定された監視用噴射量とが比較され、比較結果に応じた処理が実行される。これにより、制御用噴射量が監視用噴射量によって監視される。
図2で示されるように、ブロック213,214,216を含むブロック群210におけるフィードバック制御による制御用噴射量の算出と異なる方式で、ブロック221,222を含むブロック群220における監視用噴射量は算出される。
図3は、この実施の形態における回転速度制御処理の流れを示すフローチャートである。この回転速度制御処理は、制御装置200によって、上位の処理から所定の制御周期ごとに呼出されて実行される。図3を参照して、制御装置200は、図2のブロック211で説明したように、操作部105で切替えられた段階を示す値を、エンジン本体10の回転速度の指示として取得する(ステップS111)。
制御装置200は、図2のブロック212で説明したように、ステップS111で取得された回転速度の指示で示されるエンジン本体10の目標回転速度を特定する(ステップS112)。
制御装置200は、図2のブロック213で説明したように、目標回転速度と基本噴射量との対応関係を示す予め定められた基本噴射量マップを用いて、ステップS112で特定された目標回転速度に対応する基本噴射量を特定する(ステップS113)。
制御装置200は、図2のブロック215およびブロック216で説明したように、フィードバック量を計算するための所定の計算式を用いて、エンジン回転速度センサ102から受信した信号で示されるエンジン本体10の実際の回転速度NEから、ステップS112で特定された目標回転速度を減算した回転速度差に応じたフィードバック量を算出する(ステップS115)。
制御装置200は、図2のブロック214で説明したように、ステップS113で特定された基本噴射量に、ステップS115で算出されたフィードバック量を加算することで、制御用噴射量を算出する(ステップS116)。
制御装置200は、図2のブロック221およびブロック222で説明したように、ステップS112で特定された目標回転速度およびエンジン回転速度センサ102から受信した信号で示されるエンジン本体10の実際の回転速度NEを用いて監視用噴射量マップを特定し、特定した監視用噴射量マップを用いて監視用噴射量を算出する(ステップS121)。
図4は、この実施の形態における監視用噴射量マップを説明するための図である。図4を参照して、横軸は、エンジン本体10の回転速度NEと目標回転速度との回転速度差である。縦軸は、監視用噴射量である。回転速度差がマイナスの領域は、目標回転速度が実際の回転速度NEより大きいので、フィードバック制御により加速側に制御される。回転速度差がプラスの領域は、実際の回転速度NEが目標回転速度より大きいので、フィードバック制御により減速側に制御される。
図4で示されるように、監視用噴射量マップにおいては、回転速度NEごとに、回転速度差と監視用噴射量との関係が定められている。この関係を示す線よりも制御用噴射量が小さいと、正常と判断され、この関係を示す線よりも制御用噴射量が大きいと、異常と判断される。
たとえば、回転速度NE=1200(rpm)の関係においては、回転速度差がマイナスの領域から+50(rpm)までの領域(図4の領域A)において、回転速度NE=1200(rpm)における安全な最大噴射量(許容噴射量)が監視用噴射量とされる。また、回転速度差が+50(rpm)から+150(rpm)までの領域(図4の領域B)において、回転速度NE=1200(rmp)における基本噴射量にフィードバック量の上限の噴射量を加算したものが監視用噴射量とされる。フィードバック量は、回転速度差が大きくなる程、減少させるので、フィードバック量の上限の噴射量は、この噴射量の減少を反映させるように予め定められる。
図3に戻って、制御装置200は、ステップS116で算出された制御用噴射量からステップS121で算出された監視用噴射量を減算して、噴射量差を算出する(ステップS122)。
制御装置200は、ステップS122で算出された噴射量差が所定値を超えるか否かを判断する(ステップS123)。なお、ここでは、噴射量差が所定値を超えるか否かを判断するようにしたが、所定値以上であるか否かを判断するようにしてもよい。所定値は、噴射量差がこの所定値を超える(またはこの所定値以上である)と異常であると判断するための基準値として予め定められ、0以上の値である。
噴射量差が所定値を超える(ステップS123でYES)と判断した場合、制御装置200は、噴射量差に応じた所定処理として、燃料を噴射する制御を停止するようインジェクタ16を制御する処理を実行する(ステップS124)。これにより、エンジン本体10の気筒12に燃料が噴射されなくなるので、エンジン本体10の回転動作が停止する。
一方、噴射量差が所定値を超えない(ステップS123でNO)と判断した場合、制御装置200は、ステップS116で算出された制御用噴射量を噴射するようインジェクタ16を制御する(ステップS125)。ステップS124またはステップS125の後、制御装置200は、実行する処理をこの回転速度制御処理の呼出元の上位の処理に戻す。
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、図2および図3で示したように、回転速度の指示が、エンジンシステム1が搭載される機器の操作部105から取得されることとした。しかし、これに限定されず、回転速度の指示は、エンジンシステム1が車両に搭載される場合はアクセルペダルの操作量として取得されるようにしてもよい。また、指示される回転速度は、無段階に変更可能であってもよいし、低(アイドリング回転速度に対応する開度)と高(アイドリング回転速度より高い所定回転速度に対応する開度)の2段階に切替え可能であってもよいし、複数段階に切替え可能であってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、図3のステップS124で示したように、制御用噴射量と監視用噴射量との噴射量差に応じた所定処理として、インジェクタ16による燃料の噴射を停止させる処理を実行するようにした。しかし、これに限定されず、噴射量差に応じた所定処理は、噴射量差を解消させる処理または噴射量差の解消をユーザに促す処理であれば他の処理であってもよい。所定処理は、たとえば、ディーゼルスロットル25のような吸気側のシャッタを閉じる処理であってもよいし、エンジン本体10の停止を促す旨の警告をユーザに報知する処理であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、図1で示したように、エンジンシステム1は、過給機30およびEGR装置60を備えるようにした。しかし、これに限定されず、エンジンシステム1は、過給機30およびEGR装置60の少なくともいずれか一方を備えないようにしてもよい。
(4) 前述した開示を、エンジン本体10またはエンジンシステム1の開示と捉えることができ、エンジン本体10またはエンジンシステム1の制御装置200の開示と捉えることができ、エンジンシステム1を搭載した産業システムまたは汎用機械の開示と捉えることができ、エンジンシステム1を搭載した車両等のその他の機械の開示と捉えることができ、エンジン本体10またはエンジンシステム1の制御装置200による制御方法または制御装置200によって実行される制御プログラムの開示と捉えることができる。
[まとめ]
(1) 図1で示したように、エンジンシステム1は、エンジン本体10の気筒12に燃料を噴射するインジェクタ16と、エンジン本体10の実際の回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ102と、インジェクタ16を制御する制御装置200とを備える。図2から図4で示したように、制御装置200は、エンジン本体10の目標回転速度と、エンジン回転速度センサ102によって検出された回転速度NEとの差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出し(たとえば、図2のブロック211からブロック216、図3のステップS111からステップS116)、算出した制御用噴射量を噴射するようインジェクタ16を制御し(たとえば、図3のステップS125)、フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出し(たとえば、図2のブロック221およびブロック222、図3のステップS121)、制御用噴射量と監視用噴射量との噴射量差を算出し(たとえば、図3のステップS122)、噴射量差に応じた所定処理を実行する(たとえば、図3のステップS124)。
これにより、インジェクタ16を制御するために、1つの制御装置200を設けるだけでよいため、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成とすることができる。また、制御用噴射量の算出におけるフィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出するので、適正に制御用噴射量を監視することができる。その結果、コストおよび開発期間を抑えて簡易な構成で適正に燃料の噴射量の監視を行うことができる。
(2) 図2から図4で示したように、所定方法は、実際の回転速度NEから目標回転速度を減算した回転速度差と監視用噴射量との実際の回転速度NEごとの関係を予め定めた監視用噴射量マップ(たとえば、図4参照)を用いて監視用噴射量を算出する方法である。これにより、簡易な方法で監視用噴射量を算出することができる。その結果、コストおよび開発期間を抑えて、より簡易な構成で適正に燃料の噴射量の監視を行うことができる。
(3) 図4で示したように、監視用噴射量マップにおいて、回転速度差が負の値である領域における監視用噴射量は、各回転速度NEにおける許容噴射量である。これにより、目標回転速度がエンジン本体10の実際の回転速度NEより大きい場合に、制御用噴射量が許容噴射量である監視用噴射量を超えないようにすることができる。
(4) 図4で示したように、監視用噴射量マップにおいて、回転速度差が正の値である領域における監視用噴射量は、回転速度差による噴射量の減少を反映して予め定められる。これにより、エンジン本体10の実際の回転速度NEが目標回転速度より大きい場合に、制御用噴射量が回転速度差による噴射量の減少を反映させて定められた監視用噴射量を超えないようにすることができる。
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジンシステム、10 エンジン本体、12 気筒、16 インジェクタ、20 エアクリーナ、22 第1吸気管、24 第2吸気管、25 ディーゼルスロットル、26 インタークーラ、27 第3吸気管、28 吸気マニホールド、30 過給機、32 コンプレッサ、34 コンプレッサホイール、36 タービン、38 タービンホイール、40 可変ノズル機構、42 連結軸、44 アクチュエータ、50 排気マニホールド、52 第1排気管、54 第2排気管、55 排気処理装置、56 酸化触媒、57 PM除去フィルタ、58 SCR触媒、60 EGR装置、62 EGRバルブ、63 EGRクーラ、66 EGR通路、102 エンジン回転速度センサ、104 エアフローメータ、105 操作部、106 過給圧センサ、108 外気温センサ、110 大気圧センサ、200 制御装置。

Claims (5)

  1. エンジンの気筒に燃料を噴射するインジェクタと、
    前記エンジンの実回転速度を検出するセンサと、
    前記インジェクタを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記エンジンの目標回転速度と、前記センサによって検出された実回転速度との差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出し、
    算出した制御用噴射量を噴射するよう前記インジェクタを制御し、
    前記フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出し、
    前記制御用噴射量と前記監視用噴射量との噴射量差を算出し、
    前記噴射量差に応じた所定処理を実行する、エンジンシステム。
  2. 前記所定方法は、前記実回転速度から前記目標回転速度を減算した回転速度差と前記監視用噴射量との前記実回転速度ごとの関係を予め定めたマップを用いて前記監視用噴射量を算出する方法である、請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記マップにおいて、前記回転速度差が負の値である領域における前記監視用噴射量は、各実回転速度における許容噴射量である、請求項2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記マップにおいて、前記回転速度差が正の値である領域における前記監視用噴射量は、前記回転速度差による噴射量の減少を反映して予め定められる、請求項2に記載のエンジンシステム。
  5. エンジンシステムの制御方法であって、
    前記エンジンシステムは、
    エンジンの気筒に燃料を噴射するインジェクタと、
    前記エンジンの実回転速度を検出するセンサと、
    前記インジェクタを制御する制御部とを備え、
    前記制御方法は、前記制御部が、
    前記エンジンの目標回転速度と、前記センサによって検出された実回転速度との差を用いたフィードバック制御で燃料の制御用噴射量を算出するステップと、
    算出した制御用噴射量を噴射するよう前記インジェクタを制御するステップと、
    前記フィードバック制御と異なる所定方法で監視用噴射量を算出するステップと、
    前記制御用噴射量と前記監視用噴射量との噴射量差を算出するステップと、
    前記噴射量差に応じた所定処理を実行するステップとを含む、エンジンシステムの制御方法。
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