JP2021067251A - 過給システム - Google Patents

過給システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021067251A
JP2021067251A JP2019195434A JP2019195434A JP2021067251A JP 2021067251 A JP2021067251 A JP 2021067251A JP 2019195434 A JP2019195434 A JP 2019195434A JP 2019195434 A JP2019195434 A JP 2019195434A JP 2021067251 A JP2021067251 A JP 2021067251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
differential pressure
turbine
engine
dpf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019195434A
Other languages
English (en)
Inventor
実 豊島
Minoru Toyoshima
実 豊島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2019195434A priority Critical patent/JP2021067251A/ja
Publication of JP2021067251A publication Critical patent/JP2021067251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】DPF57の差圧が増加した場合であっても、過給圧を維持すること。【解決手段】過給システムは、エンジン1から排出された排気によって駆動されるタービン36とタービン36へ流入する排気の流速を調整する可変ノズル機構40とを含みエンジン1への吸気を過給する過給機30と、エンジン1の排気中の粒子状物質を捕集するDPF57と、DPF57の入口と出口との排気の差圧を検出する差圧センサ110と、可変ノズル機構40を制御する制御装置200とを備える。制御装置200は、エンジン1からタービン36までの間の排気圧力である圧力P4を算出し(ステップS112)、算出された圧力P4を、差圧センサ110によって検出された差圧を用いて補正して圧力P4aを算出し(ステップS114)、圧力P4aを用いて所定方法で可変ノズル機構40のVN開度の上限値を算出する(ステップS116)。【選択図】図2

Description

この開示は、過給システムに関し、特に、エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンとタービンへ流入する排気の流速を調整する可変ノズル機構とを含みエンジンへの吸気を過給する過給機と、エンジンの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタとを備える過給システムに関する。
従来、過給システムにおいて、信頼性の確保を目的として、タービン後の排気の圧力P6に対するタービン前の排気の圧力P4(=エキゾーストマニホールドの圧力)の比率P4/P6が所定値以上とならないように、可変ノズル機構のノズルベーンの開度であるVN開度の上限値が設定される。
このようなVN開度の上限値は、たとえば、以下のように計算される。まず、吸入空気量と燃料流量とが加算されることでガス量G4が算出される。次に、吸入空気量と燃料流量と過給圧とから、タービン前の排気の圧力P4が算出される。また、燃料流量と過給圧とタービン前の排気の圧力P4とから、タービン前の排気の温度T4が算出される。
Figure 2021067251
算出したG4,T4,P4が、上に示した数式(1)に代入されることで、Q4が算出される。図12は、Q4からVN開度を特定するためのタービンマップを示すグラフである。図12を参照して、数式(1)で算出されたQ4の値がaである場合、P4/P6が所定値になるVN開度が50%と特定され、この値がVN開度の上限値に設定される。
特開2014−43829号公報
ところで、過給機のタービンの下流に設けられるDPF(Diesel Particulate Filter:ディーゼル微粒子捕集フィルタ)へのPM(Particulate Matter:粒子状物質)やアッシュの堆積により、DPFの圧力損失が増大したときに、実P4は増加するにも関わらず、計算P4bは変化しない。この原因の1つが、P4の算出の際に、DPFの入口と出口との差圧を考慮していないことである。
図13は、DPF差圧の増加に伴う実P4および計算P4bの変化を示すグラフである。図13を参照して、DPF差圧の増加に伴って、実P4が増加していくが、計算P4bは増加しない。そのため、実Q4の値が、たとえば、図12で示すように、aからbに減少しているにも関わらず、数式(1)で算出されるQ4は変化しない。その結果、VN開度の上限値をさらに閉じ側(たとえば、50%から75%)にすべきにも関わらず、閉じ側にされない。
図14は、DPF差圧の増加に伴うVN開度の上限値および最終VN開度の変化を示すグラフである。図14を参照して、DPF差圧が増加しても、VN開度の上限値が変化しないため、制御における最終VN開度が頭打ちとなる。このため、過給機において、タービンからの動力が、コンプレッサに、十分、伝達されず、過給圧が確保できなくなる。
図15は、DPF差圧の増加に伴う目標過給圧および実過給圧の変化を示すグラフである。図15を参照して、VN開度が頭打ちになった結果、DPF差圧の増加に伴って、実過給圧が目標過給圧に追従できなくなる。
図16は、DPF差圧の増加に伴うP4/P6の変化を示すグラフである。図16を参照して、DPF差圧の増加に伴い、過給圧が確保できなくなるため、P4/P6が過剰に押さえ込まれてしまう。
この開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、DPFの差圧が増加した場合であっても過給圧を維持することが可能な過給システムを提供することである。
この開示による過給システムは、エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、タービンへ流入する排気の流速を調整する可変ノズル機構とを含み、エンジンへの吸気を過給する過給機と、エンジンの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、フィルタの入口と出口との排気の差圧を検出する検出部と、可変ノズル機構を制御する制御装置とを備える。制御装置は、エンジンからタービンまでの間の排気圧力である第1圧力を算出し、算出された第1圧力を、検出部によって検出された差圧を用いて補正して第2圧力を算出し、第2圧力を用いて所定方法で可変ノズル機構の開度の上限値を算出する。
好ましくは、所定方法は、フィルタの新品時に対応した第1圧力を用いて可変ノズル機構の開度の上限値を算出する方法である。制御装置は、検出部によって検出されたフィルタの新品時の差圧に対する現時点の差圧の変化に応じて、第1圧力を第2圧力に補正する。
さらに好ましくは、変化は、フィルタの新品時の差圧に対する現時点の差圧の増加量である。制御装置は、第1圧力に増加量を加算することで第2圧力に補正する。
さらに好ましくは、変化は、フィルタの新品時の差圧に対する現時点の差圧の増加率である。制御装置は、第1圧力に増加率を乗算することで第2圧力に補正する。
この開示に従えば、フィルタの差圧が増加した場合であっても過給圧を維持することが可能な過給システムを提供することができる。
本実施の形態に係るエンジンおよびその制御システムの概略構成を示す図である。 この実施の形態におけるVN開度上限算出処理の流れを示すフローチャートである。 タービンの前の圧力P4を算出するためのマップである。 タービンの前の温度T4を算出するためのマップである。 タービンの前の補正後の圧力P4aを算出する流れを示すフロー図である。 この実施の形態におけるQ4からVN開度を特定するためのタービンマップを示すグラフである。 この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴う実P4および計算P4bの変化を示すグラフである。 この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴うVN開度の上限値および最終VN開度の変化を示すグラフである。 この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴う目標過給圧および実過給圧の変化を示すグラフである。 この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴うP4/P6の変化を示すグラフである。 第2実施形態におけるタービンの前の補正後の圧力P4aを算出する流れを示すフロー図である。 Q4からVN開度を特定するためのタービンマップを示すグラフである。 DPF差圧の増加に伴う実P4および計算P4bの変化を示すグラフである。 DPF差圧の増加に伴うVN開度の上限値および最終VN開度の変化を示すグラフである。 DPF差圧の増加に伴う目標過給圧および実過給圧の変化を示すグラフである。 DPF差圧の増加に伴うP4/P6の変化を示すグラフである。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しつつ、この開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、本実施の形態に係るエンジン1およびその制御システムの概略構成を示す図である。エンジン1は、直接噴射式のディーゼルエンジンである。エンジン1は、直列型のエンジンであってもよいし、その他の気筒レイアウト(たとえば、V型あるいは水平型)のエンジンであってもよい。
エンジン1は、エンジン本体10と、サプライポンプ17と、コモンレール18と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、吸気マニホールド28と、過給機30と、排気マニホールド50と、排気処理装置55と、EGR装置(排気再循環装置)60と、エンジン回転数センサ102と、エアフローメータ104と、過給圧センサ106と、燃圧センサ108と、制御装置200とを備える。
エンジン本体10は、シリンダヘッド11と、シリンダ12と、ピストン14と、インジェクタ16とを含む。シリンダ12は、シリンダヘッド11の下部に配設される。ピストン14は、シリンダ12内に上下往復動可能に介挿される。ピストン14の頂部とシリンダヘッド11とシリンダ12とで囲まれた空間によって燃焼室15が形成される。
インジェクタ16は、シリンダヘッド11に設けられ、燃焼室15に燃料を噴霧する燃料噴射装置である。燃料タンク(図示せず)に貯留された燃料は、サプライポンプ17によって所定圧まで加圧されてコモンレール18へ供給される。コモンレール18に供給された燃料は、インジェクタ16に供給され、インジェクタ16の噴射ノズル16aから所定のタイミングで燃焼室15に噴射される。インジェクタ16は、制御装置200からの制御信号に応じて指令された燃料噴射量を燃焼室15内に供給する。
エアクリーナ20は、エンジン1の外部から吸入される空気から異物を除去する。エアクリーナ20には、第1吸気管22の一方端が接続される。
第1吸気管22の他方端は、過給機30のコンプレッサ32の吸気流入口に接続される。コンプレッサ32の吸気流出口には、第2吸気管24の一方端が接続される。コンプレッサ32は、第1吸気管22から流通する空気を過給して第2吸気管24に供給する。第2吸気管24の他方端には、インタークーラ26の一方端が接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
インタークーラ26の他方端には、第3吸気管27の一方端が接続される。第3吸気管27の他方端には、吸気マニホールド28が接続される。吸気マニホールド28は、エンジン本体10の吸気ポートに連結される。第3吸気管27の途中であって、後述するEGR60との分岐点よりもインタークーラ26側には、ディーゼルスロットル25が設けられる。ディーゼルスロットル25は、制御装置200から制御信号に応じて吸気の流量を調整する。
排気マニホールド50は、エンジン本体10の排気ポートに連結される。排気マニホールド50には、第1排気管52の一方端が接続される。第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン36の排気流入口に接続される。そのため、各気筒の排気ポートから排出される排気は、排気マニホールド50および第1排気管52を経由してタービン36に供給される。
タービン36の排気流出口には、第2排気管54の一方端が接続される。第2排気管54の他方端には、酸化触媒56と、DPF57と、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒58とを含む排気処理装置55が接続される。DPF57には、入口と出口との差圧を検出するための差圧センサ110が設けられる。タービン36の排気流出口から排出された排気は、第2排気管54および排気処理装置55を経由して車外に排出される。なお、SCR触媒58を省略するようにしてもよい。
第3吸気管27と排気マニホールド50とは、エンジン本体10の燃焼室15を経由せずにEGR装置60によって接続される。EGR装置60は、EGRバルブ62と、EGR通路66と、EGRクーラ68とを含む。EGR通路66は、第3吸気管27と排気マニホールド50とを接続する。EGRバルブ62およびEGRクーラ68は、EGR通路66の途中に設けられる。EGRクーラ68は、EGR通路66を介して吸気側に流れるEGRガスを冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
EGRバルブ62は、制御装置200からの制御信号に応じて、EGR通路66を流通するEGRガスの流量を調整する調整弁である。EGRバルブ62の開度を調整することによって、EGR率(エンジン本体に供給される吸気ガス量中に占めるEGRガス量の割合)が調整される。排気マニホールド50内の排気がEGR装置60を経由してEGRガスとして吸気側に戻されることによって燃焼室15内の燃焼温度が低下され、NOxの生成量が低減される。
過給機30は、コンプレッサ32と、タービン36と、可変ノズル機構40と、アクチュエータ44とを含む。コンプレッサ32のハウジング内にはコンプレッサホイール34が収納され、タービン36のハウジング内にはタービンホイール38が収納される。コンプレッサホイール34とタービンホイール38とは、連結軸42によって連結され、一体的に回転する。そのため、コンプレッサホイール34は、タービンホイール38に供給される排気の排気エネルギーによって回転駆動される。
可変ノズル機構40は、タービンホイール38の回転軸を中心とした周囲の排気流入部に配置され、第1排気管52から供給される排気をタービンホイール38に導く複数のベーンと、複数のベーンの各々を回転させることによって隣接するベーン間の隙間(以下の説明においてこの隙間の大きさを「VN(ベーンノズル)開度」ともいう)を変化させるリンク機構とを含む。アクチュエータ44は、制御装置200からの動作指示に応じてリンク機構を動作させることによって、可変ノズル機構40のVN開度を変化させる。
可変ノズル機構40のVN開度を変化させることによって、タービンホイール38への排気流入部における排気の流路が絞られたり、拡げられたりする。これにより、タービンホイール38に吹き付けられる排気の流速を変化させることができる。
エンジン回転数センサ102は、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトの回転数(回転速度)をエンジン回転数NEとして検出する。エアフローメータ104は、第1吸気管22に導入される新気の流量(吸入空気量)Qinを検出する。過給圧センサ106は、吸気マニホールド28内の圧力を過給圧として検出する。燃圧センサ108は、コモンレール18内の燃料の圧力(以下「コモンレール圧」ともいう)を検出する。差圧センサ110は、DPFの入口と出口との差圧を検出する。これらのセンサは、検出結果を示す信号を制御装置200に出力する。
制御装置200は、エンジン1の動作を制御する。制御装置200は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)201と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリ202と、外部との情報のやり取りを行なうための入出力ポート(図示せず)とを含む。入力ポートには、上述したセンサ類(たとえば、エンジン回転数センサ102、エアフローメータ104、過給圧センサ106、燃圧センサ108、および、差圧センサ110等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、インジェクタ16、アクチュエータ44、EGRバルブ62、およびサプライポンプ17等)が接続される。
制御装置200は、各センサおよび機器からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、所定の演算処理を実行する。そして、制御装置200は、演算処理の結果に基づいて、インジェクタ16、アクチュエータ44、EGRバルブ62、およびサプライポンプ17等を制御する。
たとえば、制御装置200は、エンジン1を作動させる場合、各気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射とメイン噴射とを行なう。具体的には、制御装置200は、要求パワーに応じたメイン噴射指令を所定のタイミングでインジェクタ16に出力する。これにより、メイン噴射指令に応じた燃料がインジェクタ16から噴射される「メイン噴射」が行なわれる。また、制御装置200は、燃焼騒音を低減したり排気を浄化したりするために、メイン噴射指令に先立って極少量の燃料を噴射させるためのパイロット噴射指令をインジェクタ16に出力する。これにより、メイン噴射に先立って、パイロット噴射指令に応じた極少量の燃料がインジェクタ16から噴射される「パイロット噴射」が行なわれる。なお、各気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射およびメイン噴射以外の噴射(たとえばメイン噴射後のポスト噴射)が行なわれるようにしてもよい。
[課題]
従来、過給システムにおいて、信頼性の確保を目的として、タービン36の後の排気の圧力P6に対するタービン36の前の排気の圧力P4(=エキゾーストマニホールドの圧力)の比率P4/P6が所定値以上とならないように、可変ノズル機構40のベーンの開度であるVN開度の上限値が設定される。
このようなVN開度の上限値は、たとえば、以下のように計算される。まず、吸入空気量と燃料流量とが加算されることで、ガス量G4が算出される。次に、吸入空気量と燃料流量と過給圧とから、タービン前の排気の圧力P4が算出される。また、燃料流量と過給圧とタービン前の排気の圧力P4とから、タービン36の前の排気の温度T4が算出される。これらのG4,P4,T4から、Q4が算出される。タービンマップが用いられることで、Q4からVN開度が特定され、このVN開度の値がVN開度の上限値に設定される。
ところで、過給機30のタービン36の下流に設けられるDPF57へのPMやアッシュの堆積により、DPF57の圧力損失が増大したときに、実P4は増加するにも関わらず、計算P4bは変化しない。これは、P4の算出の際に、DPF57の入口と出口との差圧が考慮されていないためである。
そのため、実Q4の値が減少しているにも関わらず、算出されるQ4は変化しない。その結果、VN開度の上限値をさらに閉じ側にすべきにも関わらず、閉じ側にされない。DPF差圧が増加しても、VN開度の上限値が変化しないため、制御における最終VN開度が頭打ちとなる。このため、過給機30において、タービン36からの動力が、コンプレッサ32に、十分、伝達されず、過給圧が確保できなくなる。VN開度が頭打ちになった結果、DPF差圧の増加に伴って、実過給圧が目標過給圧に追従できなくなる。過給圧が確保できなくなるため、P4/P6が過剰に押さえ込まれてしまう。
[この実施の形態での制御]
そこで、この実施の形態においては、制御装置200は、エンジン1からタービン36までの間の排気圧力である圧力P4を算出し、算出された圧力P4を、差圧センサ110によって検出された差圧を用いて補正して圧力P4aを算出し、圧力P4aを用いて所定方法で可変ノズル機構40の開度の上限値を算出する。これにより、DPF57の差圧が増加した場合であっても過給圧を維持することができる。
以下、この実施の形態での制御を説明する。図2は、この実施の形態におけるVN開度上限算出処理の流れを示すフローチャートである。このVN開度上限算出処理は、制御装置200のCPU201によって、メイン処理から所定の制御周期ごとに呼出されて実行される。図2を参照して、制御装置200のCPU201は、排気ガスの流量G4を算出する(ステップS111)。排気ガスの流量G4は、たとえば、エアフローメータ104の検出信号で示される吸入空気量Qinと、制御装置200からインジェクタ16に指令される燃料の噴射量とを加算することで算出される。
次に、CPU201は、タービン36の前の圧力P4を算出する(ステップS112)。圧力P4は、たとえば、以下のように算出される。まず、以下に示す数式(2)が用いられてP4を算出するための引数xが算出される。数式(2)のVNターボ絞り面積係数は、以下の数式(3)が用いられて算出される。数式(3)の絞り面積係数オフセット値は、以下の数式(4)が用いられて算出される。
Figure 2021067251
Figure 2021067251
Figure 2021067251
図3は、タービン36の前の圧力P4を算出するためのマップである。図3を参照して、図3のマップ上の複数のプロットは、それぞれ、実験で得られた引数xと温度P4との組合せに対応する。これらのプロットの近似線が用いられて、数式(2)で算出されたxに対応する温度P4が特定される。
図2に戻って、次に、CPU201は、タービン36の前の温度T4を算出する(ステップS113)。温度T4は、たとえば、以下のように算出される。まず、以下に示す数式(5)が用いられてT4を算出するための引数yが算出される。数式(5)の当量比は、以下の数式(6)が用いられて算出される。
Figure 2021067251
Figure 2021067251
図4は、タービン36の前の温度T4を算出するためのマップである。図4を参照して、図4のマップ上の複数のプロットは、それぞれ、実験で得られた引数yと温度T4との組合せに対応する。これらのプロットの近似線が用いられて、数式(5)で算出されたyに対応する温度T4が特定される。
図2に戻って、次に、CPU201は、タービン36の前の補正後の圧力P4aを算出する(ステップS114)。圧力P4aは、この実施の形態においては、以下のように算出される。
図5は、タービン36の前の補正後の圧力P4aを算出する流れを示すフロー図である。図5を参照して、まず、差圧センサ110の検出値から、単位ガス量当りのDPF差圧が特定される。そして、この単位ガス量当りのDPF差圧から、DPF57の新品時の単位ガス量当りのDPF差圧が減算される。これにDPF57を通過するガス量が乗算されることで、DPF差圧の増加量が算出される。
このDPF差圧の増加量が、図2のステップS112で算出されたタービン36の前の圧力P4に加算されることで、タービン36の前の補正後の圧力P4aが算出される。
図2に戻って、次に、CPU201は、タービン流量Q4を算出する(ステップS115)。Q4は、ステップS111で算出されたG4、ステップS113で算出されたT4、および、ステップS114で算出されたP4aを、以下の数式(7)に代入することで算出される。
Figure 2021067251
次に、CPU201は、タービンマップを用いてVN開度の上限値を特定する(ステップS116)。その後、CPU201は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
図6は、この実施の形態におけるQ4からVN開度を特定するためのタービンマップを示すグラフである。図6を参照して、数式(7)で算出されたQ4の値がaである場合、P4/P6が所定値になるVN開度が50%と特定され、この値がVN開度の上限値として特定される。
DPF57にPMやアッシュが堆積し、圧力損失が増加すると、図5で示した計算により、圧力P4aが増加する。そうすると、数式(7)の計算により、Q4が減少する。たとえば、Q4の値がaからbに減少したとすると、P4/P6が所定値となるVN開度が75%と特定され、この値がVN開度の上限値として特定される。これにより、DPF57の圧力損失が増加した場合に、VN開度の上限値をさらに閉じ側にすることができる。
図7は、この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴う実P4および計算P4bの変化を示すグラフである。図7を参照して、DPF差圧の増加に伴って、実P4が増加していくが、従来は、実P4と比較して、計算P4bは、それ程、増加しなかった。そのため、実Q4の値が、たとえば、図6で示すように、aからbに減少する場合であっても、数式(7)で算出されるQ4は変化しなかった。そのため、VN開度の上限値をさらに閉じ側(たとえば、50%から75%)にすべきにも関わらず、閉じ側にされなかった。
しかし、この実施の形態においては、DPF差圧の増加に伴って、計算P4aは、従来のP4bと比較して増加するようになった。このため、DPF差圧の増加に伴って、数式(7)で算出されるQ4は減少するようになった。その結果、DPF差圧の増加に伴って、VN開度の上限値がさらに閉じ側にされるようになった。
図8は、この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴うVN開度の上限値および最終VN開度の変化を示すグラフである。図8を参照して、DPF差圧が増加すると、VN開度の上限値が増加する(閉じ側とされる)ようになったので、VN開度の制御における最終VN開度が頭打ちとなることなく、さらに閉じ側に動かせるようになった。
図9は、この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴う目標過給圧および実過給圧の変化を示すグラフである。図9を参照して、VN開度が上限値で制限されにくくなった結果、実過給圧が目標過給圧に追従できるようになった。
図10は、この実施の形態におけるDPF差圧の増加に伴うP4/P6の変化を示すグラフである。図10を参照して、DPF57差圧が増加しても、過給圧が確保できるようになったので、P4/P6を、図6の所定値を超えない値でほぼ一定に保つことが可能となった。
[第2実施形態]
第1実施形態においては、図5で示したように、タービン36の前の圧力P4にDPF差圧増加量を加算することで、タービン36の前の補正後の圧力P4aを算出するようにした。第2実施形態においては、タービン36の前の圧力P4にDPF差圧の増加比率を掛けることで、タービン36の前の補正後の圧力P4aを算出するようにする。
図11は、第2実施形態におけるタービンの前の補正後の圧力P4aを算出する流れを示すフロー図である。図11を参照して、まず、差圧センサ110の検出値から、単位ガス量当りのDPF差圧が特定される。これにDPF57を通過するガス量が乗算されることで、現在のDPF差圧が算出される。
また、DPF57の新品時の単位ガス量当りのDPF差圧に、DPF57を通過するガス量が乗算されることで、新品時のDPF差圧が算出される。現在のDPF差圧を新品時のDPF差圧で除算することで、新品時のDPF差圧に対する現在のDPF差圧の増加比率が算出される。
このDPF差圧の増加比率が、図2のステップS112で算出されたタービン36の前の圧力P4に乗算されることで、タービン36の前の補正後の圧力P4aが算出される。
[変形例]
(1) 第2実施形態においては、図11で示したように、タービン36の前の補正後の圧力P4aが算出されるようにした。しかし、これに限定されず、建機用のエンジン1などのように、DFP57の下流が大気開放にできる場合、DPF差圧=P6とみなすことができる。このため、新品時のP6に対する現在のP6の増加比率が、図2のステップS112で算出されたタービン36の前の圧力P4に乗算されることで、タービン36の前の補正後の圧力P4aが算出されるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、図4で示したように、タービン36の前の排気の温度T4を計算で算出するようにした。しかし、これに限定されず、温度T4を温度センサで検出するようにしてもよい。
[まとめ]
(1) 図1で示したように、過給システムは、エンジン1から排出された排気によって駆動されるタービン36とタービン36へ流入する排気の流速を調整する可変ノズル機構40とを含みエンジン1への吸気を過給する過給機30と、エンジン1の排気中の粒子状物質を捕集するDPF57と、DPF57の入口と出口との排気の差圧を検出する差圧センサ110と、可変ノズル機構40を制御する制御装置200とを備える。
図2および図3で示したように、制御装置200は、エンジン1からタービン36までの間の排気圧力である圧力P4を算出し(ステップS112)、算出された圧力P4を、差圧センサ110によって検出された差圧を用いて補正して圧力P4aを算出し(ステップS114)、圧力P4aを用いて所定方法で可変ノズル機構40のVN開度の上限値を算出する(ステップS116)。
これにより、DPF57の差圧が増加した場合であっても、過給圧を維持することができる。
(2) 図2および図6で示したように、上述の所定方法は、DPF57の新品時に対応した圧力P4を用いて可変ノズル機構40のVN開度の上限値を算出する方法である。制御装置200は、差圧センサ110によって検出されたDPF57の新品時の差圧に対する現時点の差圧の変化に応じて、圧力P4を圧力P4aに補正する。これにより、DPF57の差圧が増加した場合であっても、タービン36の前の圧力P4を補正した圧力P4aを用いることで、DPF57の新品時に対応した算出方法でVN開度の上限値を算出できる。
(3) 図5で示したように、上述の差圧センサ110によって検出される差圧の変化は、DPF57の新品時の差圧に対する現時点の差圧の増加量である。図5で示したように、制御装置200は、圧力P4に差圧の増加量を加算することで圧力P4aに補正する。これにより、圧力P4を容易に補正することができる。
(4) 図11で示したように、上述の差圧センサ110によって検出される差圧の変化は、DPF57の新品時の差圧に対する現時点の差圧の増加率である。図11で示したように、制御装置200は、圧力P4に増加率を乗算することで圧力P4aに補正する。これにより、圧力P4を適切に補正することができる。
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 エンジン本体、11 シリンダヘッド、12 シリンダ、14 ピストン、15 燃焼室、16 インジェクタ、16a 噴射ノズル、17 サプライポンプ、18 コモンレール、20 エアクリーナ、22 第1吸気管、24 第2吸気管、25 ディーゼルスロットル、26 インタークーラ、27 第3吸気管、28 吸気マニホールド、30 過給機、32 コンプレッサ、34 コンプレッサホイール、36 タービン、38 タービンホイール、40 可変ノズル機構、42 連結軸、44 アクチュエータ、50 排気マニホールド、52 第1排気管、54 第2排気管、55 排気処理装置、56 酸化触媒、58 SCR触媒、60 EGR装置、62 EGRバルブ、66 EGR通路、68 EGRクーラ、102 エンジン回転数センサ、104 エアフローメータ、106 過給圧センサ、108 燃圧センサ、110 差圧センサ、200 制御装置、201 CPU、202 メモリ。

Claims (4)

  1. エンジンから排出された排気によって駆動されるタービンと、前記タービンへ流入する排気の流速を調整する可変ノズル機構とを含み、前記エンジンへの吸気を過給する過給機と、
    前記エンジンの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
    前記フィルタの入口と出口との排気の差圧を検出する検出部と、
    前記可変ノズル機構を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記エンジンから前記タービンまでの間の排気圧力である第1圧力を算出し、
    算出された前記第1圧力を、前記検出部によって検出された差圧を用いて補正して第2圧力を算出し、
    前記第2圧力を用いて所定方法で前記可変ノズル機構の開度の上限値を算出する、過給システム。
  2. 前記所定方法は、前記フィルタの新品時に対応した前記第1圧力を用いて前記可変ノズル機構の開度の上限値を算出する方法であり、
    前記制御装置は、前記検出部によって検出された前記フィルタの新品時の差圧に対する現時点の差圧の変化に応じて、前記第1圧力を前記第2圧力に補正する、請求項1に記載の過給システム。
  3. 前記変化は、前記フィルタの新品時の差圧に対する現時点の差圧の増加量であり、
    前記制御装置は、前記第1圧力に前記増加量を加算することで前記第2圧力に補正する、請求項2に記載の過給システム。
  4. 前記変化は、前記フィルタの新品時の差圧に対する現時点の差圧の増加率であり、
    前記制御装置は、前記第1圧力に前記増加率を乗算することで前記第2圧力に補正する、請求項2に記載の過給システム。
JP2019195434A 2019-10-28 2019-10-28 過給システム Pending JP2021067251A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195434A JP2021067251A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 過給システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195434A JP2021067251A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 過給システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021067251A true JP2021067251A (ja) 2021-04-30

Family

ID=75636998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019195434A Pending JP2021067251A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 過給システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021067251A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2128407B1 (en) Egr controller for internal combustion engine
US7000393B1 (en) System and method for relieving engine back-pressure by selectively bypassing a stage of a two-stage turbocharger during non-use of EGR
JP5382368B2 (ja) エンジンの制御装置
US10161337B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP2005291090A (ja) 内燃機関における排気ガス浄化装置
KR101610107B1 (ko) 엔진시스템의 배기가스 재순환 제어방법
JP2009002281A (ja) 吸入空気量検出装置
JP4542489B2 (ja) 内燃機関のエキゾーストマニホールド内温度推定装置
JP2007303380A (ja) 内燃機関の排気制御装置
JP7055700B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2021067251A (ja) 過給システム
JP6947118B2 (ja) 過給機
JP7020380B2 (ja) 過給システム
JP2011179425A (ja) 内燃機関の排気還流装置
KR20210033539A (ko) 배기 재순환 장치의 동작 제어 방법 및 배기 재순환 장치
JP6006078B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6943673B2 (ja) 制御装置および制御方法
JP6894279B2 (ja) ディーゼルエンジン
JP6842382B2 (ja) 制御装置および制御方法
JP6881610B2 (ja) ガソリンエンジンの排気浄化方法および排気浄化装置
JP6844421B2 (ja) ディーゼルエンジン
JP3897242B2 (ja) 排気還流制御装置
JP6453122B2 (ja) 可変容量型ターボチャージャーの制御装置
JP6824712B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射制御方法
JP2023124223A (ja) エンジンシステムおよびエンジンシステムの制御方法