JP6894279B2 - ディーゼルエンジン - Google Patents

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本開示は、ディーゼルエンジンに関し、特に、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置を備えるディーゼルエンジンの燃料噴射制御に関する。
特開平6−299894号公報(特許文献1)は、EGR装置を備えるディーゼルエンジンを開示する。このディーゼルエンジンにおいては、大気圧が所定圧力以下の場合に、EGRガス量(EGR装置によって吸気側に還流される排気ガス量)が減少側へ補正される。これにより、吸入空気量の低下による出力低下に対して新気の吸入量が確保され、出力の低下が防止される(特許文献1参照)。
特開平6−299894号公報
燃料噴射量を増量することによってエンジンが発生するトルクを増加させることができるが、過大なトルクの発生を防止するために、トルクが上限を超えないように燃料噴射量の上限(トルク限界噴射量)が設けられることがある。
一方、近年、排気エミッションの低減に対する要請が増々高まっており、エンジンの全負荷までEGR装置を作動させることが必要とされ得る。そのため、EGR装置を作動させた状態で全負荷性能を設計し、それに伴ない、EGR装置を作動させた状態のトルク限界噴射量を設計する必要がある。
ここで、運転環境(外気温の高低等)やその他フェールセーフ等により、EGR率(吸気ガス中に占めるEGRガス量の割合)を低下させる(カットを含む)ことがある。たとえば、吸入される空気が高温のために吸気ガスが高温になる場合には、排気ガスも高温になるので、EGR装置の通路に設けられるバルブを保護するためにEGR率を低下させることが行なわれ得る。或いは、吸入される空気が低温のために吸気ガスが低温になる場合に、排気ガス成分を含む吸気ガスが凝縮することによる腐食を防止するためにEGR率を低下させることが行なわれ得る。
EGR率が低下すると、燃焼効率が向上するので、燃料噴射量が一定であっても、エンジンが発生するトルクが増加する。そのため、エンジンが発生するトルクが上限を超えてしまう可能性がある。このような問題について、上記の特許文献1では特に検討されていない。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、EGR装置を備えるディーゼルエンジンにおいて、エンジンが発生するトルクが上限を超えない燃料噴射を実現することである。
本開示のディーゼルエンジンは、燃焼室を有するエンジン本体と、EGR装置と、燃料噴射装置と、制御装置とを備える。EGR装置は、エンジン本体を経由せずに排気通路を吸気通路と接続し、排気ガスの一部を吸気通路に還流するように構成される。燃料噴射装置は、燃焼室内に燃料を噴射するように構成される。制御装置は、エンジン本体が発生するトルクの上限に従って決定される燃料噴射量の上限を示すトルク限界噴射量を燃料噴射量が超えないように燃料噴射装置を制御する。そして、制御装置は、EGR装置によるEGR率の低下に従ってトルクが上限を超えないように、EGR率の低下に従ってトルク限界噴射量を低下させる。
制御装置は、エンジン本体に吸入される吸気ガス量及び吸気通路に供給される空気量を用いてEGR率を推定し、EGR率の推定値の低下に従ってトルク限界噴射量を低下させてもよい。
EGR率が低下すると、燃料噴射量が同じであっても、エンジンが発生するトルクが増加するところ、本開示のディーゼルエンジンにおいては、EGR率の低下に従ってトルク限界噴射量を低下させる。これにより、EGR率の低下に従ってトルクが上限を超えないように燃料噴射量が制御される。このように、本開示のディーゼルエンジンによれば、エンジンが発生するトルクが上限を超えない燃料噴射を実現することができる。
本開示の実施の形態に従うディーゼルエンジンの全体構成図である。 EGR率とエンジントルクとの関係の一例を示した図である。 本実施の形態に従うディーゼルエンジンにおけるトルク限界噴射量の設定例を示した図である。 あるエンジン回転数におけるトルク限界噴射量とEGR率との関係を示した図である。 図1に示すECUにより実行される燃料噴射量の設定処理を説明するフローチャートである。 図5のステップS30において実行されるトルク限界噴射量の算出処理の一例を説明するフローチャートである。 ガス圧とガス量との関係を示した図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<ディーゼルエンジンの全体構成>
図1は、本開示の実施の形態に従うディーゼルエンジンの全体構成図である。図1を参照して、ディーゼルエンジン1は、エンジン本体10と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、吸気マニホールド28と、過給機30と、排気マニホールド50と、EGR装置60とを備える。
エンジン本体10は、複数の気筒12と、コモンレール14と、複数のインジェクタ16とを含む。以下では、一例として、ディーゼルエンジン1は、直列4気筒エンジンとして説明するが、ディーゼルエンジン1は、その他の気筒レイアウト(たとえばV型あるいは水平型)のエンジンであってもよく、また、気筒12の数もこれに限定されるものではない。各気筒12内には、ピストン(図示せず)が設けられ、気筒12とピストンとによって燃焼室が形成される。
複数のインジェクタ16は、複数の気筒12にそれぞれ設けられ、各インジェクタ16は、コモンレール14に接続される。燃料タンク(図示せず)に貯留された燃料は、サプライポンプ(図示せず)により所定圧に加圧されてコモンレール14に供給される。コモンレール14に供給された燃料は、各インジェクタ16から所定のタイミングで燃焼室内に噴射される。
エアクリーナ20は、第1吸気管22に設けられ、第1吸気管22の一方端に設けられる吸気口(図示せず)から吸入される空気に含まれている異物を除去する。第1吸気管22の他方端は、過給機30のコンプレッサ32の入口に接続され、コンプレッサ32の出口には、第2吸気管24の一方端が接続される。コンプレッサ32は、第1吸気管22を通じて吸入される空気を過給して第2吸気管24に供給する。
第2吸気管24の他方端には、インタークーラ26の一方端が接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式又は水冷式の熱交換器である。インタークーラ26の他方端には、第3吸気管27の一方端が接続され、第3吸気管27の他方端は、吸気マニホールド28に接続される。吸気マニホールド28は、エンジン本体10の各気筒12の吸気ポートに連結される。なお、吸気マニホールド28の上流に吸気絞り弁が設けられてもよい。
排気マニホールド50は、エンジン本体10の各気筒12の排気ポートに連結される。排気マニホールド50には、第1排気管52の一方端が接続され、第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン36の入口に接続される。これにより、各気筒12の排気ポートから排出される排気ガスは、排気マニホールド50に集められた後、第1排気管52を経由してタービン36に供給される。
タービン36の出口には、第2排気管54の一方端が接続され、第2排気管54の他方端には、図示しない各種触媒(たとえば、NOx触媒、DPF(Diesel particulate filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx Reduction)等の触媒)やマフラー等が接続される。これにより、タービン36から排出された排気ガスは、第2排気管54、各種触媒及びマフラー等を経由して車外に排出される。
コンプレッサ32とタービン36とによって過給機30が構成される。コンプレッサ32のハウジング内にはコンプレッサホイール34が設けられ、タービン36のハウジング内にはタービンホイール38が設けられる。コンプレッサホイール34とタービンホイール38とは、連結軸42により連結されて一体的に回転する。これにより、コンプレッサホイール34は、タービンホイール38に供給される排気ガスの排気エネルギーによって回転駆動される。
第3吸気管27と排気マニホールド50とは、エンジン本体10を経由せずにEGR装置60によって接続される。EGR装置60は、排気ガスの一部を吸気通路に還流するように構成され、吸気ガスが排気ガスを含むことにより燃焼温度を低下させてNOxの発生を抑制するものである。
EGR装置60は、EGRバルブ62と、EGRクーラ64と、EGR通路66とを含む。EGR通路66の一方端は、第3吸気管27に接続され、EGR通路66の他方端は、排気マニホールド50に接続される。なお、EGR通路66の一方端は、吸気マニホールド28に接続されてもよく、EGR通路66の他方端は、第1排気管52に接続されてもよい。そして、EGR通路66には、EGRバルブ62と、EGRクーラ64とが設けられる。
EGRバルブ62は、EGR通路66を遮断してEGRガス(EGR装置60によって吸気側に還流される排気ガス)の流通を抑制する閉状態と、EGR通路66においてEGRガスの流通を許容する開状態とを切替えることができる切替弁である。EGRバルブ62は、さらに、開状態において、通路断面積(EGR開度)を変化させることによってEGRガス量を変化させることができる。EGRクーラ64は、EGR通路66を流通するEGRガスを冷却する水冷式又は空冷式の熱交換器である。
EGRバルブ62が開状態である場合には、排気マニホールド50に集められた排気ガスの一部がEGRガスとしてEGR通路66に導入され、EGRクーラ64において冷却された後に、EGRバルブ62により流量が調整されて第3吸気管27に供給される。EGRガスが第3吸気管27に供給されることで、燃焼室内における燃焼ガス温度を低下させてNOxの生成量を抑制することができる。一方、EGRバルブ62が閉状態である場合には、EGRガスの流通が遮断される。
ディーゼルエンジン1は、さらに、エアフローメータ102と、吸気温センサ104と、吸気圧センサ106と、回転数センサ108と、水温センサ110と、アクセルペダルポジションセンサ112と、大気圧センサ114と、外気温センサ116と、ECU(Electronic Control Unit)200とを備える。
エアフローメータ102は、第1吸気管22を流通する吸入空気量FIを検出し、その検出値をECU200へ出力する。吸気温センサ104は、吸気マニホールド28に供給される吸気ガス(EGR装置60の非作動時はインタークーラ26から出力される空気であり、EGR装置60の作動時は空気と排気ガスとの混合ガス)の温度TIを検出し、その検出値をECU200へ出力する。吸気圧センサ106は、吸気マニホールド28に供給される吸気ガスの圧力PIを検出し、その検出値をECU200へ出力する。
回転数センサ108は、ディーゼルエンジン1の出力軸の回転速度(エンジン回転数)NEを検出し、その検出値をECU200へ出力する。水温センサ110は、ディーゼルエンジン1の冷却水の温度(エンジン冷却水温)TEを検出し、その検出値をECU200へ出力する。
アクセルペダルポジションセンサ112は、アクセルペダル(図示せず)の踏込量(以下「アクセル開度」とも称する。)APを検出し、その検出値をECU200へ出力する。大気圧センサ114は、大気圧Paを検出し、その検出値をECU200へ出力する。外気温センサ116は、外気温Taを検出し、その検出値をECU200へ出力する。
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)等を含み、メモリ(ROM及びRAM)に記憶された情報や各種センサからの情報に基づいて、所定の演算処理を実行する。そして、ECU200は、演算処理の結果に基づいて、インジェクタ16及びEGR装置60等の各機器を制御する。
本実施の形態においては、ECU200は、アクセル開度APやエンジン回転数NE等に基づいて各インジェクタ16からの燃料噴射量を算出する。また、ECU200は、エンジン回転数NE、燃料噴射量、環境情報(大気圧Pa、外気温Ta、エンジン冷却水温TE)等に基づいて、EGR装置60によるEGR率(エンジン本体10に供給される吸気ガス中に占めるEGRガス量の割合)を決定し、そのEGR率が実現されるようにEGRバルブ62の開度を制御する。
<トルク限界噴射量の説明>
インジェクタ16からの燃料噴射量を増加させることによってディーゼルエンジン1が発生するトルク(エンジントルク)を増加させることができるが、過大なトルクの発生を防止するために、この実施の形態では、トルクが上限を超えないように燃料噴射量の上限(トルク限界噴射量)が設けられる。
ところで、近年、排気エミッションの低減に対する要請は増々高まっており、全負荷までEGR装置60を作動させることが必要とされ得る。そのため、この実施の形態に従うディーゼルエンジン1では、EGR装置60を作動させた状態で全負荷性能を設計し、それに伴なって、EGR装置60を作動させた状態でのトルク限界噴射量を設計する必要がある。
ここで、運転環境(外気温の高低等)やその他フェールセーフ等により、EGR率を低下させる(カットを含む)ことがある。たとえば、外気温Taが高いために吸気ガスが高温になる場合には、排気ガスも高温になるので、EGRバルブ62を保護するためにEGR率を低下させる。また、外気温Taが低いために吸気ガスが低温になる場合には、排気ガス成分を含む吸気ガスが凝縮することによる腐食を防止するためにEGR率を低下させる。EGR率が低下すると、燃焼効率が向上するので、燃料噴射量が一定であっても、エンジントルクが増加して上限を超えてしまう可能性がある。
図2は、EGR率とエンジントルクTRとの関係の一例を示した図である。図2を参照して、EGR率の値egrbseは、全負荷時の最大EGR率を示し、この値は、走行条件によって定められる。上述のように、この実施の形態では、EGR装置60を作動させた状態で全負荷性能が設計され、全負荷時のEGR率(egrbse)において、エンジントルクTRが上限TLを超えないように燃料噴射量の上限が設定される。
このような場合において、燃料噴射量が一定の下で、運転環境の変化等によりEGR率が低下すると、燃焼室内に導入される排気ガス量が減少することで燃焼効率が向上することによりエンジントルクTRが上昇し、エンジントルクTRが上限TLを超過してしまう(線L2)。
そこで、この実施の形態では、エンジントルクTRが上限TLを超えないように燃料噴射量の上限(トルク限界噴射量)が設けられるところ、この実施の形態に従うディーゼルエンジン1では、EGR率の低下に従ってエンジントルクTRが上限TLを超えないように、EGR率の低下に従ってトルク限界噴射量を低下させる。これにより、エンジントルクTRが上限TLを超えないように燃料噴射量が制御される。
図3は、本実施の形態に従うディーゼルエンジン1におけるトルク限界噴射量の設定例を示した図である。図3を参照して、縦軸はトルク限界噴射量の大きさを示し、横軸はエンジン回転数NEを示す。この実施の形態では、トルク限界噴射量は、エンジン回転数NEをパラメータとして設定される。
線L0は、EGR装置60が非作動(EGRバルブ62が閉状態)であるときのトルク限界噴射量を示す。線L1は、EGR装置60が作動する(EGRバルブ62が開状態)ときのトルク限界噴射量を示す。なお、この線L1は、EGR率が最大EGR率(egrbse)であるときのトルク限界噴射量を示す。このようなトルク限界噴射量の値は、実験やシミュレーション等によって求められ、マップとしてECU200のメモリに記憶される。
図に示されるように、EGR装置60が非作動のときのトルク限界噴射量(線L0)は、EGR装置60が作動するときのトルク限界噴射量(線L1)よりも低い値に設定される。なお、線L1は、EGR率が最大EGR率(egrbse)であるときのトルク限界噴射量であるところ、最大EGR率(egrbse)よりも低いEGR率に対しては補間値が採用される。
図4は、あるエンジン回転数NEにおけるトルク限界噴射量とEGR率との関係を示した図である。図4を参照して、縦軸はトルク限界噴射量の大きさを示し、横軸はEGR率を示す。点P0は、このエンジン回転数NEにおいて、EGR装置60が非作動(EGR率=0)であるときのトルク限界噴射量を示し、点P1は、このエンジン回転数NEにおいて、EGR率=egrbseでEGR装置60が作動するときのトルク限界噴射量を示す。点P0と点P1との間のEGR率におけるトルク限界噴射量については、EGR率に応じた補間値(たとえば線形補間)が採用される。
このように、図3に示したマップを用いるとともに図4に示したような補間をとることによって、EGR率の低下に従ってエンジントルクTRが上限を超えないように、EGR率の低下に従ってトルク限界噴射量を低下させることができる。
<燃料噴射量の設定処理>
図5は、図1に示したECU200により実行される燃料噴射量の設定処理を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、ディーゼルエンジン1の作動中に繰り返し実行される。
図5を参照して、ECU200は、アクセルペダルポジションセンサ112からアクセル開度APの検出値を取得し、回転数センサ108からエンジン回転数NEの検出値を取得する(ステップS10)。
次いで、ECU200は、取得されたアクセル開度AP及びエンジン回転数NEに基づいて、燃料噴射量の要求値を示す要求噴射量Qrを算出する(ステップS20)。アクセル開度AP及びエンジン回転数NEに基づく要求噴射量Qrの算出には、公知の種々の手法を採用することができる。たとえば、ECU200は、等アクセル開度に対してエンジン回転数NEの上昇に従って燃料噴射量を減少させる「ガバナ制御」や、ジャーク(加加速度或いは躍度)に合わせて燃料噴射量を制御する「ジャーク制御」、急峻なアクセル開度APの変化に対して燃料噴射量の変化をなまらせる「なまし制御」等を実行し得る。
そして、アクセル開度AP及びエンジン回転数NEに基づく要求噴射量Qrが算出されると、ECU200は、エンジントルクTRが上限を超えないための燃料噴射量の上限を示すトルク限界噴射量を算出する(ステップS30)。上述のように、この実施の形態に従うディーゼルエンジン1では、ECU200は、EGR率の低下に従ってトルク限界噴射量が低下するようにトルク限界噴射量を算出する。トルク限界噴射量の具体的な算出処理については、後ほど詳しく説明する。
トルク限界噴射量が算出されると、ECU200は、ステップS20において算出された要求噴射量Qrをトルク限界噴射量と比較する(ステップS40)。要求噴射量Qrがトルク限界噴射量よりも大きいと判定されると(ステップS40においてYES)、ECU200は、要求噴射量Qrにトルク限界噴射量の値を設定する(ステップS50)。一方、要求噴射量Qrはトルク限界噴射量以下であると判定されると(ステップS40においてNO)、ECU200は、ステップS50を実行することなくステップS60へ処理を移行する。
そして、ECU200は、ステップS40において要求噴射量Qrがトルク限界噴射量よりも大きいと判定された場合には、ステップS50おいてトルク限界噴射量に置換された要求噴射量Qrをインジェクタ16の燃料噴射量指令値として設定し、ステップS40において要求噴射量Qrがトルク限界噴射量以下であると判定された場合には、ステップS20おいて算出された要求噴射量Qrを燃料噴射量指令値として設定する(ステップS60)。
図6は、図5のステップS30において実行されるトルク限界噴射量の算出処理の一例を説明するフローチャートである。図6を参照して、ECU200は、回転数センサ108からエンジン回転数NEの検出値を取得するとともに、燃料噴射量を取得する(ステップS110)。この燃料噴射量については、たとえば、図5のステップS60において1演算周期前に算出された燃料噴射量指令値が燃料噴射量として取得され得るが、初回演算時は、図5のステップS20において算出される要求噴射量Qrが燃料噴射量として取得される。
次いで、ECU200は、現在の環境情報を取得する(ステップS120)。具体的には、ECU200は、大気圧センサ114から大気圧Paの検出値を取得し、外気温センサ116から外気温Taの検出値を取得し、水温センサ110からエンジン冷却水温TEの検出値を取得する。
ECU200は、取得されたエンジン回転数NE、燃料噴射量、環境情報(大気圧Pa、外気温Ta、エンジン冷却水温TE)に基づいて、全負荷時のEGR率(egrbse)の目標を示す目標EGR率を決定する(ステップS130)。一例として、実験やシミュレーション等によって、エンジン回転数、燃料噴射量及び大気圧毎に層別して全負荷時のEGR率(egrbse)が求められ、マップとして予め準備される。そして、ECU200は、取得されたエンジン回転数NE、燃料噴射量及び大気圧Paに基づいてマップからEGR率(egrbse)を読出し、取得された外気温Ta及びエンジン冷却水温TEにより所定の補正を行なって目標EGR率を決定する。
次いで、ECU200は、吸気圧センサ106から吸気ガスの圧力(ガス圧)PIの検出値を取得し、吸気温センサ104から吸気ガスの温度(ガス温度)TIの検出値を取得する。また、ECU200は、エアフローメータ102から吸入空気量FIの検出値を取得する(ステップS140)。そして、ECU200は、取得されたガス圧PI及びガス温度TIに基づいて、エンジン本体10に供給される吸気ガスの量(ガス量)を算出する(ステップS150)。具体的には、図7に示されるように、ガス温度TIが一定の下では、ガス圧PIとガス量とは所定の関係を有しており、ガス圧PIに対応するガス量をガス温度TIで補正することによってガス量を算出することができる。
そして、ECU200は、算出されたガス量と、取得された吸入空気量FIとに基づいて、実際のEGR率を推定する(ステップS160)。具体的には、ガス量から吸入空気量FIを差引いた値をガス量で除算することによって、実際のEGR率を推定することができる。
ECU200は、ステップS160において推定されたEGR率が、ステップS130において決定された目標EGR率に一致するように、EGRバルブ62の開度を操作量として、推定EGR率と目標EGR率との偏差に基づくフィードバック制御(たとえば比例積分制御)を実行する(ステップS170)。これにより、実際のEGR率(推定EGR率)が目標EGR率に制御される。
そして、ECU200は、図3,図4で説明したトルク限界噴射量とEGR率との関係を用いて、ステップS160において算出される推定EGR率に基づいてトルク限界噴射量を決定する(ステップS180)。
以上のように、この実施の形態においては、エンジントルクTRが上限を超えないように燃料噴射量の上限(トルク限界噴射量)が設けられるところ、EGR率の低下に従ってエンジントルクTRが上限を超えないように、EGR率の低下に従ってトルク限界噴射量を低下させる。したがって、この実施の形態によれば、EGR率の低下に従ってエンジントルクTRが上限を超えないように燃料噴射量を制御することができる。
また、この実施の形態によれば、EGR率の目標値(制御目標)ではなく、センサ検出値を用いて推定される推定EGR率(実績値)に基づいてトルク限界噴射量を低下させるので、エンジントルクTRが上限を超えない燃料噴射を確実に実現することができる。
なお、上記の実施の形態においては、推定EGR率(実績値)に基づいてトルク限界噴射量を決定するものとしたが、本開示は、これに限定されるものではなく、図6のステップS130において決定される目標EGR率に基づいてトルク限界噴射量を決定するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 エンジン本体、12 気筒、14 コモンレール、16 インジェクタ、20 エアクリーナ、22,24,27 吸気管、26 インタークーラ、28 吸気マニホールド、30 過給機、32 コンプレッサ、34 コンプレッサホイール、36 タービン、38 タービンホイール、42 連結軸、50 排気マニホールド、52,54 排気管、60 EGR装置、62 EGRバルブ、64 EGRクーラ、66 EGR通路、102 エアフローメータ、104 吸気温センサ、106 吸気圧センサ、108 回転数センサ、110 水温センサ、112 アクセルペダルポジションセンサ、114 大気圧センサ、116 外気温センサ。

Claims (4)

  1. 燃焼室を有するエンジン本体と、
    前記エンジン本体を経由せずに排気通路を吸気通路と接続し、排気ガスの一部を前記吸気通路に還流するように構成されたEGR装置と、
    前記燃焼室内に燃料を噴射するように構成された燃料噴射装置と、
    前記エンジン本体が発生するトルクの上限に従って決定される燃料噴射量の上限を示すトルク限界噴射量を前記燃料噴射量が超えないように前記燃料噴射装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記EGR装置によるEGR率の低下に従って前記トルクが上限を超えないように、前記EGR率の低下に従って前記トルク限界噴射量を低下させ
    前記制御装置は、前記EGR率が最大EGR率であるときの前記トルク限界噴射量を示す第1のマップから求まる前記トルク限界噴射量と、前記EGR装置が非作動のときの前記トルク限界噴射量を示す第2のマップから求まる前記トルク限界噴射量との間を、前記EGR率に応じて補間することによって、前記EGR率の低下に従って前記トルク限界噴射量を低下させる、ディーゼルエンジン。
  2. 前記制御装置は、前記エンジン本体に吸入される吸気ガス量及び前記吸気通路に供給される空気量を用いて前記EGR率を推定し、前記EGR率の推定値の低下に従って前記トルク限界噴射量を低下させる、請求項1に記載のディーゼルエンジン。
  3. 前記制御装置は、前記第1のマップから求まる前記トルク限界噴射量と、前記第2のマップから求まる前記トルク限界噴射量との間を、前記EGR率に応じた線形補間を行なうことによって、前記EGR率の低下に従って前記トルク限界噴射量を低下させる、請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジン。
  4. 前記最大EGR率は、前記エンジン本体の全負荷時の最大EGR率である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディーゼルエンジン。
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