JP2008248855A - 内燃機関における燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関における燃料噴射量制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スモーク発生を回避しつつ、燃料噴射量の最大値を可及的に大きくできるようにする。
【解決手段】エアフローメータ23A,23Bによって得られた実吸入空気量情報、圧力検出器30によって得られた吸気圧情報、及びクランク角度検出器27によって得られたクランク角度情報は、制御コンピュータ28へ送られる。吸気圧情報とエンジン回転数とから推定された推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値(Se−Sr)が予め設定された閾値よりも小さい場合、制御コンピュータ28は、推定吸入空気量とエンジン回転数とから設定された第1燃料最大噴射量を燃料噴射量の最大値として採用する。第1燃料最大噴射量を燃料噴射量の最大値として決定した制御コンピュータ28は、第1燃料最大噴射量以下に燃料噴射量を制限する燃料噴射制御を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料最大噴射量を決定する内燃機関における燃料噴射量制御装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスの一部を吸気通路に還流させて窒素酸化物の発生を低減する排気再循環装置は、よく知られた技術である。又、スモーク発生を防止するため、燃料噴射量がエンジンへの新気吸気量に比べて過大にならないように燃料噴射量を制限する対策も知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に開示の装置では、燃料噴射量の最大値がエンジン回転数と過給圧(吸気圧)とによってのみ設定されており、さらに、加速時には、吸気通路へ還流される排気ガスの還流量を調整する弁が排気ガスを吸気通路に還流させないように閉じられる。しかし、加速時には前記弁を閉じるのであるが、前記弁の作動遅れ(閉じ遅れ)のために、排気ガスの還流が停止されたと見なされる時点(前記弁を閉じる指令が出された時点)以後も或る程度の間は排気ガスの還流が継続する。そのため、排気ガスの還流が停止されたと見なされる時点直後では、実際の新気吸気量がエンジン回転数と過給圧とから定まる新気吸気量よりも少ない状態になっている。この状態では、エンジン回転数と過給圧とから定まる燃料噴射量の最大値が過大になり、過剰な燃料噴射によってスモークが発生する。
そのため、特許文献1に開示の装置では、指令燃料噴射量と最大燃料噴射量との差に基づいて最終減量量を算出し、最大燃料噴射量からその最終減量量を減量した値を最大燃料噴射量とすることで、還流された排気ガスの残留によるスモークの発生を抑制するようにしている。
特許文献2に開示の装置では、実際の吸入空気量が目標吸入空気量に近づくように排気ガス還流量が制御されると共に、実際の吸入空気量に応じて燃料噴射量の最大値が決定される。そのため、加速開始の際の前記弁(EGR弁)の作動遅れ(閉じ遅れ)によって実際の吸入空気量が目標吸入空気量に直ちにならなかった場合でも、実際の燃料噴射量が実際の吸入空気量に応じて決定された最大値以下に制限される。その結果、燃料噴射量が実際の吸入空気量に対して過剰になることはなく、スモーク発生が確実に防止される。
特開昭63−143343号公報 特開平11−36962号公報
特許文献1に開示の装置では、最大燃料噴射量を算出する際に、実際の排気ガスの残留量を考慮していないため、実際の排気ガスの残留量に適した最大燃料噴射量にはなっていない。
特許文献2に開示の装置では、例えばアイドリング状態という実際の吸入空気量が少ない状態からの発進加速時のような場合にも、燃料噴射量の最大値が実際の吸入空気量に応じた値に決定される。アイドリング状態にあってもエンジンが暖まっている場合には排気ガスを還流させることが通常行われるが、エンジン始動後のアイドリング状態というエンジンが暖まっていない状況では排気ガスの還流が行われないことが多い。このような排気ガスを還流させない状況においても、設定された最大値以下に燃料噴射量を制限する制御が行われるが、この場合に設定される最大値は、排気ガスを還流させることを前提とした最大値となる。つまり、排気ガスが還流されない場合のアイドリング状態における燃料噴射量は、排気ガスが還流される場合のアイドリング状態における最大値に制限される。
排気ガスが還流されている時とされていない時とでは、同一新気吸気量かつ同一燃料噴射量においてもスモーク発生量が異なり、排気ガスが還流されている時の方がスモーク排出量が多い。そのため、排気ガスが還流されない場合のアイドリング状態からの発進加速における燃料噴射量は、必要以上に少なく制限されてしまい、アイドリング状態からの発進加速が鈍くなってしまう。
本発明は、スモーク発生を回避しつつ、燃料噴射量の最大値を可及的に大きくできるようにすることを目的とする。
本発明は、吸気経路における吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、排気経路から吸気経路へ排気ガスを供給する排気ガス供給経路と、前記排気ガス供給経路における排気ガスの供給流量を調整する供給流量調整手段と、前記吸気経路と前記排気ガス供給経路との接続部よりも下流の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、前記吸気圧検出手段によって検出される吸気圧とエンジン回転数とに応じて設定された第1燃料最大噴射量と、前記吸入空気量検出手段によって検出される実吸入空気量とエンジン回転数とに応じて設定された第2燃料最大噴射量との大小関係を用いて、燃料最大噴射量を決定する制御手段とを備えた内燃機関における燃料噴射量制御装置を対象とし、請求項1の発明は、前記制御手段は、第1燃料最大噴射量が前記第2燃料最大噴射量より大きい場合、且つ前記吸気圧検出手段によって検出された吸気圧から推定される推定吸入空気量とエンジン回転数とから前記吸入空気量検出手段によって検出された実吸入空気量を引いた値が予め設定された閾値に達しない場合には、前記第2燃料最大噴射量よりも大きい燃料最大噴射量を採用することを特徴とする。
推定吸入空気量が実吸入空気量よりも閾値以上に多い状態は、排気経路から吸気経路へ排気ガスが供給されている状態を反映している。このような状態では、スモーク発生の防止に対応するように設定された第2燃料最大噴射量が採用される。推定吸入空気量から実吸入空気量を引いた値が閾値に満たない状態は、排気経路から吸気経路へ排気ガスが供給されていない状態を反映している。このような状態では、スモーク発生の防止に対応するように設定された第2燃料最大噴射量よりも大きい燃料最大噴射量を採用することができる。
好適な例では、前記第2燃料最大噴射量よりも大きい燃料最大噴射量として前記第1燃料最大噴射量が採用される。
第1燃料最大噴射量の採用は、スモーク発生を防止しつつ燃料噴射量を可及的に増やす上での上限値として好適である。
好適な例では、前記制御手段は、第1燃料最大噴射量が前記第2燃料最大噴射量よりも小さい場合には、第1燃料最大噴射量を燃料最大噴射量として採用し、前記制御手段は、第1燃料最大噴射量が前記第2燃料最大噴射量以上である場合、且つ前記吸気圧検出手段によって検出された吸気圧から推定される推定吸入空気量から前記吸入空気量検出手段によって検出された実吸入空気量を引いた値が予め設定された閾値を超える場合には、前記第2燃料最大噴射量を燃料最大噴射量として採用する。
第1燃料最大噴射量が第2燃料最大噴射量よりも小さい状態では、第2燃料最大噴射量よりも小さい第1燃料最大噴射量がスモーク発生防止対応として採用される。
本発明は、スモーク発生を回避しつつ、燃料噴射量の最大値を可及的に大きくすることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明をディーゼルエンジンに具体化した第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、車両に搭載された内燃機関10は、複数の気筒12A,12Bを備えており、複数の気筒12A,12Bは2群に分けられている。一方の群の気筒12Aに対応するシリンダヘッド13Aには気筒12A毎に燃料噴射ノズル14Aが取り付けられており、他方の群の気筒12Bに対応するシリンダヘッド13Bには気筒12B毎に燃料噴射ノズル14Bが取り付けられている。燃料噴射ノズル14A,14Bは、各気筒12A,12B内に燃料を噴射する。11は、燃料噴射ノズル14A,14Bを含む燃料噴射装置を表す。
シリンダヘッド13A,13Bにはインテークマニホールド15が接続されている。インテークマニホールド15は、分岐吸気通路16A,16Bに接続されている。分岐吸気通路16Aの途中には過給機19Aのコンプレッサ部191Aが介在されており、分岐吸気通路16Bの途中には過給機19Bのコンプレッサ部191Bが介在されている。過給機19A,19Bは、排気ガス流によって作動される公知の可変ノズル式ターボチャージャーである。
分岐吸気通路16A,16Bは、基幹吸気通路21に接続されている。基幹吸気通路21は、エアクリーナ22に接続されている。過給機19A,19Bとインテークマニホールド15との間の分岐吸気通路16A,16Bの途中にはスロットル弁17A,17Bが設けられている。スロットル弁17A,17Bは、エアクリーナ22及び基幹吸気通路21を経由して分岐吸気通路16A,16Bに吸入される吸気流量を調整するためのものである。スロットル弁17A,17Bは、図示しないアクセルペダルの操作に伴って開度調整される。
アクセルペダルの踏み込み角は、アクセル開度検出器26によって検出される。図示しないクランクシャフトの回転角度(クランク角度)は、クランク角度検出器27によって検出される。アクセル開度検出器26によって検出された踏み込み角検出情報、及びクランク角度検出器27によって検出されたクランク角度検出情報は、制御コンピュータ28に送られる。制御コンピュータ28は、踏み込み角検出情報及びクランク角度検出情報に基づいて、燃料噴射ノズル14A,14Bにおける燃料噴射期間(噴射開始時期及び噴射終了時期)を算出して制御する。又、制御コンピュータ28は、クランク角度検出情報に基づいてエンジン回転数を算出する。
基幹吸気通路21に吸入された空気は、分岐吸気通路16A,16Bに分流し、分岐吸気通路16A,16Bを流れる空気は、インテークマニホールド15内で合流する。つまり、過給機19A,19Bのコンプレッサ部191A,191Bから送り出される吸気は、インテークマニホールド15内で合流して気筒12A,12Bに供給される。基幹吸気通路21、分岐吸気通路16A,16B及びインテークマニホールド15は、吸気経路を構成する。
シリンダヘッド13Aにはエキゾーストマニホールド18Aが接続されており、シリンダヘッド13Bにはエキゾーストマニホールド18Bが接続されている。気筒12A,12Bで発生する排気ガスは、エキゾーストマニホールド18A,18Bへ排出される。エキゾーストマニホールド18Aは、過給機19Aのタービン部192Aを介して排気管20Aに接続されている。エキゾーストマニホールド18Bは、過給機19Bのタービン部192Bを介して排気管20Bに接続されている。
過給機19Aのコンプレッサ部191Aより上流の分岐吸気通路16Aにはエアフローメータ23Aが配設されている。過給機19Bのコンプレッサ部191Bより上流の分岐吸気通路16Bにはエアフローメータ23Bが配設されている。吸入空気量検出手段としてのエアフローメータ23Aは、分岐吸気通路16A内における吸気流量を検出し、吸入空気量検出手段としてのエアフローメータ23Bは、分岐吸気通路16B内における吸気流量を検出する。エアフローメータ23Aによって検出された吸気流量の情報、及びエアフローメータ23Bによって検出された吸気流量の情報は、制御コンピュータ28に送られる。
スロットル弁17Aよりも下流の分岐吸気通路16Aとエキゾーストマニホールド18Aとは、排気ガス供給管24Aを介して接続されており、排気ガス供給管24Aには流量調整弁29Aが介在されている。スロットル弁17Bよりも下流の分岐吸気通路16Bとエキゾーストマニホールド18Bとは、排気ガス供給経路としての排気ガス供給管24Bを介して接続されており、排気ガス供給管24Bには流量調整弁29Bが介在されている。流量調整弁29A,29Bは、制御コンピュータ28の制御を受ける。
流量調整弁29Aにおける弁開度が零でない場合には、エキゾーストマニホールド18A内の排気ガスが排気ガス供給管24Aを経由して分岐吸気通路16Aへ流出可能である。流量調整弁29Bにおける弁開度が零でない場合には、エキゾーストマニホールド18B内の排気ガスが排気ガス供給管24Bを経由して分岐吸気通路16Bへ流出可能である。本実施形態では、供給流量調整手段としての流量調整弁29A,29Bにおける弁開度の最小状態は、排気ガスが流量調整弁29A,29Bを通過できない状態である。
インテークマニホールド15には圧力検出器30が配設されている。圧力検出器30は、インテークマニホールド15内(分岐吸気通路16Aと排気ガス供給管24Aとの接続部31Aよりも下流、且つ分岐吸気通路16Bと排気ガス供給管24Bとの接続部31Bよりも下流)の吸気圧(過給圧)を検出する。吸気圧検出手段としての圧力検出器30によって検出された吸気圧(過給圧)の情報は、制御コンピュータ28に送られる。
エキゾーストマニホールド18A,18Bには排気管20A,20Bが接続されており、排気管20A,20B上には触媒25A,25Bが介在されている。エキゾーストマニホールド18A,18B及び排気管20A,20Bは、排気経路を構成する。触媒25A,25Bは、例えば、フィルタに担持された窒素酸化物吸蔵還元型触媒であり、排気ガス中に含まれる窒素酸化物を利用し、フィルタに捕集されたパティキュレートの酸化(燃焼)を促進する。
制御コンピュータ28は、図2にフローチャートで示す燃料噴射量制限プログラムに基づいて、流量調整弁29A,29Bにおける弁開度を制御する。以下、図2のフローチャートに基づいて燃料噴射量最大値制限を説明する。フローチャートで示す燃料噴射量制限プログラムは、所定の制御周期で繰り返し遂行される。
制御コンピュータ28は、クランク角度検出器27によって検出されたクランク角度と、圧力検出器30によって検出された吸気圧Pと、エアフローメータ23A,23Bによって検出された実吸入空気量Srとの各検出情報を所定の制御周期で取り込んでいる(ステップS1)。なお、検出された実吸入空気量Srは、エアフローメータ23A,23Bによってそれぞれ検出された実吸入空気量の和である。次いで、制御コンピュータ28は、取り込んだクランク角度検出情報に基づいて、エンジン回転数Nを算出する(ステップS2)。
制御コンピュータ28は、算出したエンジン回転数Nと検出された吸気圧Pとの組(N,P)に対応した第1燃料最大噴射量F1を予め作成された第1マップに基づいて設定すると共に、算出したエンジン回転数Nと検出された実吸入空気量Srとの組(N,Sr)に対応した第2燃料最大噴射量F2を予め作成された第2マップに基づいて設定する(ステップS3)。第1燃料最大噴射量F1を第1マップに基づいて設定することとは、組(N,P)に対応した第1燃料最大噴射量F1を第1マップから特定して記憶することであり、第2燃料最大噴射量F2を第2マップに基づいて設定することとは、組(N,Sr)に対応した第2燃料最大噴射量F2を第2マップから特定して記憶することである。制御コンピュータ28は、設定した第1燃料最大噴射量F1と、設定した第2燃料最大噴射量F2との大小関係を判断する(ステップS4)。
第1燃料最大噴射量F1が第2燃料最大噴射量F2よりも小さい場合(ステップS4においてNO)、制御コンピュータ28は、燃料噴射量の最大値Fmaxとして第1燃料最大噴射量F1を採用する(ステップS5)。第1燃料最大噴射量F1を最大値Fmaxとして決定した制御コンピュータ28は、最大値Fmax=F1以下に制限する燃料噴射制御を行なう。
第1燃料最大噴射量F1が第2燃料最大噴射量F2以上である場合(ステップS4においてYES)、制御コンピュータ28は、検出された吸気圧Pとエンジン回転数Nとから吸入空気量Seを推定する(ステップS6)。この推定のステップは、吸気圧Pを変数として予め作成された(P,Se)を組とする第3マップに基づいて吸入空気量Seを設定するステップである。第3マップに基づいて吸入空気量Seを設定するとは、吸気圧Pに対応した吸入空気量Seを第3マップから特定して記憶することである。以下においては、吸入空気量Seを推定吸入空気量Seと記す。そして、制御コンピュータ28は、推定吸入空気量Seと実吸入空気量Srとの差(Se−Sr)と、予め設定された閾値α(>0)との大小関係を判断する(ステップS7)。
推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値(Se−Sr)が予め設定された閾値α以上である場合(ステップS7においてYES)、制御コンピュータ28は、燃料噴射量の最大値Fmaxとして第2燃料最大噴射量F2を採用する(ステップS8)。推定吸入空気量Seが実吸入空気量Srよりも閾値α以上に多い状態は、排気管20A,20Bから分岐吸気通路16A,16Bへ排気ガスが供給されている状態を反映している。つまり、閾値αは、排気管20A,20Bから分岐吸気通路16A,16Bへ(インテークマニホールド15内へ)排気ガスが供給されているか否かの目安として設定された値である。第2燃料最大噴射量F2を最大値Fmaxとして決定した制御コンピュータ28は、最大値Fmax=F2以下に燃料噴射量を制限する燃料噴射制御を行なう。
推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値(Se−Sr)が予め設定された閾値αよりも小さい場合(ステップS7においてNO)、制御コンピュータ28は、燃料噴射量の最大値Fmaxとして第1燃料最大噴射量F1を採用する(ステップS5)。推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値が閾値αに満たない状態は、排気管20A,20Bから分岐吸気通路16A,16Bへ排気ガスが供給されていない状態を反映している。第1燃料最大噴射量F1を最大値Fmaxとして決定した制御コンピュータ28は、最大値Fmax=F1以下に燃料噴射量を制限する燃料噴射制御を行なう。
ステップS5又はステップS8の処理後、制御コンピュータ28は、ステップS1へ移行する。
図1(b)のグラフにおける曲線Eは、或るエンジン回転数(例えば800rpm)における実吸入空気量Srと第2燃料最大噴射量F2との関係を設定した曲線である。同様に、線Dは、前記エンジン回転数(例えば800rpm)における推定吸入空気量Seと第1燃料最大噴射量F1との関係を設定した曲線である。
例えば、吸入空気量が図1(b)にGで示す値であるとすると、排気ガスの還流がない場合には、ステップS7からステップS5に進むため、最大燃料噴射量Fmaxとして線Dで表されるF1が設定され、排気ガスの還流がある場合には、ステップS7からステップS8に進むため、最大燃料噴射量Fmaxとして曲線Eで表されるF2が設定される。
制御コンピュータ28は、第1燃料最大噴射量F1と第2燃料最大噴射量F2との大小関係を用いて、燃料最大噴射量を決定する制御手段である。又、制御コンピュータ28は、第1燃料最大噴射量F1が第2燃料最大噴射量F2以上である場合、且つ推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値が予め設定された閾値αに達しない場合には、第2燃料最大噴射量F2よりも大きい燃料最大噴射量を採用する制御を行なう制御手段である。
次に、本実施形態における内燃機関10の燃料噴射量の設定方法について説明する。先ず、制御コンピュータ28により、内燃機関10の基本燃料噴射量を内燃機関10の回転数とアクセル開度とに基づいて算出する。そして、基本燃料噴射量と上述した燃料最大噴射量とを比較して、小さい方を最終的な燃料噴射量として設定し、燃料の噴射を行なう。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)推定吸入空気量Seが実吸入空気量Srよりも閾値α以上に多い状態(排気ガスが還流されている状態)では、スモーク発生の防止に対応するように設定された第2燃料最大噴射量F2が採用される。推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値が閾値αに満たない状態(排気ガスが還流されていない状態)では、スモーク発生の防止に対応するように設定された第2燃料最大噴射量F2以上に大きい燃料最大噴射量F1(≧F2)が採用される。従って、例えばエンジン始動後のアイドリング状態というエンジンが暖まっていない状態(排気ガスが還流されていない状態)から発進加速する場合にも、アイドリング状態からの発進加速における燃料噴射量が必要以上に少なく制限されてしまうことはなく、アイドリング状態からの発進加速性が鈍くなることはない。
(2)ステップS4,S6,S7,S5の順番にフローを進んだ場合に採用される第1燃料最大噴射量F1は、第2燃料最大噴射量F2以上に大きい噴射量であるが、ステップS4,S6,S7,S5の流れでは排気ガスが還流されていない。従って、ステップS4,S6,S7,S5の流れから採用される第1燃料最大噴射量F1以下に燃料噴射量を制限すれば、排気ガスが還流されていない状態でのスモーク発生が防止される。ステップS4,S6,S7,S5の流れから採用される第1燃料最大噴射量F1は、排気ガスが還流されていない状態でのスモーク発生を防止しつつ燃料噴射量を可及的に増やす上での上限値として好適である。
(3)ステップS4,S5の流れでは第1燃料最大噴射量F1が第2燃料最大噴射量F2よりも小さい状態(F1<F2)であり、このような状態(ステップS4,S5の流れ)では、第2燃料最大噴射量F2よりも小さい第1燃料最大噴射量F1が採用され、スモーク発生の防止が行われる。
次に、図3の第2の実施形態を説明する。装置構成は、第1の実施形態と同じであり、フローチャートのステップS1〜S4,S6は、第1の実施形態におけるフローチャートのステップS1〜S4,S6と同じであるので、その説明は省略する。
ステップS9において、制御コンピュータ28は、推定吸入空気量Seと実吸入空気量Srとの差(Se−Sr)と、予め設定された閾値α(n)との大小関係を判断する。nは、1,2,3・・・mの正の整数であり、α(1)>α(2)>α(3)・・・α(m)>0である。大小関係の判断は、α(1),α(2),α(3)・・・α(m)の順に行われる。
推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値(Se−Sr)が予め設定された閾値α(n)以上である場合(ステップS9においてYES)、制御コンピュータ28は、燃料噴射量の最大値Fmaxとして第2燃料最大噴射量F2を採用する(ステップS10)。第2燃料最大噴射量F2を最大値Fmaxとして制御コンピュータ28は、最大値Fmax=F2以下に燃料噴射量を制限する燃料噴射制御を行なう。
n=mでない場合(ステップS11においてNO)、制御コンピュータ28は、ステップS9へ移行し、n=mである場合(ステップS11においてYES)、制御コンピュータ28は、ステップS1へ移行する。
推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値(Se−Sr)が予め設定された閾値α(n)に達しない場合(ステップS9においてNO)、制御コンピュータ28は、燃料噴射量の最大値Fmaxとして第1燃料最大噴射量F3(n)を採用する(ステップS12)。第1燃料最大噴射量F3(n)は、閾値α(n)の大きさに応じて設定された値であり、閾値α(n)が小さくなるほど第1燃料最大噴射量F3(n)は大きくなる。第1燃料最大噴射量F3(n)を最大値Fmaxとして決定した制御コンピュータ28は、最大値Fmax=F3(n)以下に燃料噴射量を制限する燃料噴射制御を行なう。ステップS12の処理後、制御コンピュータ28は、ステップS11へ移行する。
第2の実施形態では、推定吸入空気量Seから実吸入空気量Srを引いた値(Se−Sr)の大きさに応じたきめ細かな燃料最大噴射量の設定が行える。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○第1の実施形態のステップS5(あるいは第2の実施形態ではステップS12)で採用されるFmaxの値は、ステップS8(あるいは第2の実施形態ではステップS10)で採用されるFmaxの値より大きく、且つスモークが出ない値に設定されれば良く、その値の決め方としては、第1の実施形態や第2の実施形態に記載した決め方に限定されない。
○第1の実施形態のステップS4やステップS7等で用いられている「以上」の記号の代わりに、「より大きい」の記号を用いてもよい。
○第1の実施形態において、エアフローメータ23A,23Bのいずれか一方によって得られた実吸入空気量情報のみとエンジン回転数情報とを用いて、第2燃料最大噴射量を設定するようにしてもよい。
○第1の実施形態におけるエアフローメータ23A,23Bのいずれか一方を無くしてもよい。
○第2の実施形態における離散的な閾値α(n)の代わりに、連続的な閾値を用いてもよい。
○過給機19A,19Bのない内燃機関に本発明を適用してもよい。
○第1の実施形態における気筒12A群と気筒12B群とのいずれか一方のみしかない内燃機関に本発明を適用してもよい。
○本発明をガソリンエンジンに適用してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕前記閾値は、複数用意されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関における燃料噴射量制御装置。
第1の実施形態を示し、(a)は、排気ガス浄化装置の全体構成図。(b)は、吸入空気量と燃料最大噴射量との関係を説明するグラフ。 燃料噴射量制限プログラムを示すフローチャート。 第2の実施形態の燃料噴射量制限プログラムを示すフローチャート。
符号の説明
10…内燃機関。15…吸気経路を構成するインテークマニホールド。16A,16B…吸気経路を構成する分岐吸気通路。18A,18B…排気経路を構成するエキゾーストマニホールド。20A,20B…排気経路を構成する排気管。21…吸気経路を構成する基幹吸気通路。23A,23B…吸入空気量検出手段を構成するエアフローメータ。24A,24B…排気ガス供給経路としての排気ガス供給管。28…制御手段としての制御コンピュータ。29A,29B…供給流量調製手段としての流量調整弁。30…吸気圧検出手段としての圧力検出器。31A,31B…接続部。F1…第1燃料最大噴射量。F2…第2燃料最大噴射量。Sr…実吸入空気量。Se…推定吸入空気量。N…エンジン回転数。α,α(n)…閾値。(Se−Sr)…引いた値。

Claims (3)

  1. 吸気経路における吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、排気経路から吸気経路へ排気ガスを供給する排気ガス供給経路と、前記排気ガス供給経路における排気ガスの供給流量を調整する供給流量調整手段と、前記吸気経路と前記排気ガス供給経路との接続部よりも下流の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、前記吸気圧検出手段によって検出される吸気圧とエンジン回転数とに応じて設定された第1燃料最大噴射量と、前記吸入空気量検出手段によって検出される実吸入空気量とエンジン回転数とに応じて設定された第2燃料最大噴射量との大小関係を用いて、燃料最大噴射量を決定する制御手段とを備えた内燃機関における燃料噴射量制御装置において、
    前記制御手段は、第1燃料最大噴射量が前記第2燃料最大噴射量より大きい場合、且つ前記吸気圧検出手段によって検出された吸気圧とエンジン回転数とから推定される推定吸入空気量から前記吸入空気量検出手段によって検出された実吸入空気量を引いた値が予め設定された閾値に達しない場合には、前記第2燃料最大噴射量よりも大きい燃料最大噴射量を採用する内燃機関における燃料噴射量制御装置。
  2. 前記第2燃料最大噴射量よりも大きい燃料最大噴射量として前記第1燃料最大噴射量が採用される請求項1に記載の内燃機関における燃料噴射量制御装置。
  3. 前記制御手段は、第1燃料最大噴射量が前記第2燃料最大噴射量よりも小さい場合には、第1燃料最大噴射量を燃料最大噴射量として採用し、前記制御手段は、第1燃料最大噴射量が前記第2燃料最大噴射量以上である場合、且つ前記吸気圧検出手段によって検出された吸気圧から推定される推定吸入空気量から前記吸入空気量検出手段によって検出された実吸入空気量を引いた値が予め設定された閾値以上である場合には、前記第2燃料最大噴射量を燃料最大噴射量として採用する請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の内燃機関における燃料噴射量制御装置。
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