JP2023107387A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダの壁面温度を検出する温度センサを設けることなく、ピストンリングの固着を監視可能にする。【解決手段】燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および冷却水温THWから、DA算出マップを用いて、リング溝に生成するデポジット量DAを算出する(S11)。デポジット量DAを積算して、デポジット堆積量ΣDAを求め(S12)、デポジット堆積量ΣDAが閾値αを超えると(S13でYES)、故障診断コードをセットする(S14)。【選択図】図2

Description

本開示は、内燃機関の制御装置に関し、特に、ピストンのリング溝内にピストンリングを有する内燃機関の制御装置に関する。
シリンダ内を往復動するピストンを備えた内燃機関では、シリンダとピストンの間の気密を確保したり、潤滑油膜の形成をコントロールしたりするため、ピストンリングが設けられる。ピストンリングは、ピストンに形成されたリング溝内に設けられており、ピストンの往復動に伴い、リング溝内を円周方向に回転することにより、気密性の確保や潤滑油膜のコントロールを好適に行っている。
リング溝に堆積したカーボンスラッジ等によって、ピストンリングが固着すると、気密性の確保や潤滑油膜のコントロールに支障をきたす。このため、ピストンリングの固着を検出することが望まれている。たとえば、特開平6-346789号公報(特許文献1)には、シリンダの壁面温度を周方向で2箇所以上検出する温度センサを設け、壁面温度の分布からピストンリングの固着を検出する、往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置が開示されている。
特開平6-346789号公報
この特許文献1の固着監視装置では、ひとつの気筒(シリンダ)当たり2つ以上の温度センサを設ける必要があり、たとえば、4気筒エンジンでは、8個以上の温度センサを設ける必要がある。このため、多くの温度センサが必要になるとともに、温度センサを設けるための加工が必要になり、コストアップを招く懸念がある。
本開示の目的は、シリンダの壁面温度を検出する温度センサを設けることなく、ピストンリングの固着を監視可能にすることである。
本開示に係る内燃機関の制御装置は、シリンダ内を往復動するピストンのリング溝にピストンリングを配設した内燃機関の制御装置である。制御装置は、内燃機関の運転状態に基づいて、リング溝に堆積するデポジット堆積量を推定するデポジット推定手段と、デポジット推定手段によって推定されたデポジット堆積量が閾値を超えたとき、ピストンリングが固着する可能性があると判定するスティック判定手段と、を備える。
ピストンリングの固着は、リング溝の内部にカーボンスラッジ等のデポジットが堆積し、デポジットが固まることにより発生する。この構成によれば、デポジット推定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて、リング溝に堆積するデポジット堆積量を推定する。スティック判定手段は、推定されたデポジット堆積量が閾値を超えたとき、ピストンリングが固着する可能性があると判定する。
この構成によれば、内燃機関の運転状態は、既存のセンサ等によって求めることができるので、シリンダの壁面温度を検出する温度センサを設けることなく、ピストンリングの固着を監視することができる。
好ましくは、デポジット推定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて、単位期間当たりにリング溝に生成されるデポジット量を算出するデポジット量算出部を有し、デポジット推定手段は、デポジット量算出部で算出した前記デポジット量を積算することにより、デポジット堆積量を算出する。
リング溝内に生成されるデポジットの量は、運転状態によって変化する。この構成によれば、デポジット量算出部で単位期間当たりのデポジット量を積算し、このデポジット量を積算することによりデポジット堆積量を算出するので、精度よく、デポジット堆積量を推定することができる。
好ましくは、デポジット量算出部は、内燃機関の回転速度、燃料噴射量、および、冷却水温度に基づいて、デポジット量を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、内燃機関を制御するために用意されているセンサ、あるいは、既存のパラメータを用いてデポジット量を算出することができる。
好ましくは、スティック判定手段によってピストンリングが固着する可能性があると判定されたとき、警報を行う警報手段を設けてもよい。
この構成によれば、ピストンリングが固着する可能性があることを、ユーザや整備者に知らせることができる。
本開示によれば、シリンダの壁面温度を検出する温度センサを設けることなく、ピストンリングの固着を監視することができる。
本実施の形態によるエンジンおよびその制御装置の概略構成を示す図である。 制御装置200で実行されるピストンリング固着監視制御の処理を示すフローチャートである。 DA算出マップの作成方法の一例を説明する図である。 DA算出マップの一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない場合がある。
図1は、本実施の形態に係るエンジンおよびその制御装置の概略構成を示す図である。エンジン1は、圧縮自己着火式内燃機関であり、直接噴射式のディーゼルエンジンである。エンジン1は、直列型のエンジンであってもよいし、その他の気筒レイアウト(たとえば、V型あるいは水平型)のエンジンであってもよい。なお、本実施の形態において、エンジン1は車両に搭載され、車両の駆動源として用いられる。
エンジン1は、エンジン本体10と、高圧燃料ポンプ16と、コモンレール17と、水ポンプ19と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、吸気マニホールド28と、過給機30と、排気マニホールド50と、排気処理装置55と、EGR装置(排気再循環装置)60と、エンジン回転速度センサ102と、エアフローメータ104と、アクセル開度センサ106と、冷却水温センサ108と、制御装置200とを備える。
エンジン本体10は、シリンダヘッド11と、シリンダ12と、ピストン13と、燃料噴射弁15とを含む。シリンダ12は、シリンダヘッド11の下部に配設される。ピストン13は、シリンダ12内に上下往復動可能に介挿される。ピストン13の頂部とシリンダヘッド11とシリンダ12とで囲まれた空間によって燃焼室14が形成される。
燃料噴射弁15は、シリンダヘッド11に設けられ、燃焼室14に燃料を噴霧するインジェクタである。燃料タンク(図示せず)に貯留された燃料は、高圧燃料ポンプ16によって所定圧まで加圧されてコモンレール17へ供給される。コモンレール17に供給された燃料は、燃料噴射弁15に供給され、燃料噴射弁15のノズル部から燃焼室14に噴射される。燃料噴射弁15は、制御装置200からの制御信号に応じて、指令されたタイミング(噴射時期)に、指令された燃料噴射量Qfを燃焼室14内に供給する。
エアクリーナ20は、エンジン1の外部から吸入される空気から異物を除去する。エアクリーナ20には、第1吸気管22の一方端が接続される。
第1吸気管22の他方端は、過給機30のコンプレッサ32の吸気流入口に接続される。コンプレッサ32の吸気流出口には、第2吸気管24の一方端が接続される。コンプレッサ32は、第1吸気管22から流通する空気を過給して第2吸気管24に供給する。第2吸気管24の他方端には、インタークーラ26の一方端が接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
インタークーラ26の他方端には、第3吸気管27の一方端が接続される。第3吸気管27の他方端には、吸気マニホールド28が接続される。吸気マニホールド28は、エンジン本体10の吸気ポートに連結される。第3吸気管27の途中であって、後述するEGR60との分岐点よりもインタークーラ26側には、吸気絞り弁25が設けられる。吸気絞り弁25は、制御装置200から制御信号に応じて吸気の流量を調整する。
排気マニホールド50は、エンジン本体10の排気ポートに連結される。排気マニホールド50には、第1排気管52の一方端が接続される。第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン36の排気流入口に接続される。そのため、各気筒の排気ポートから排出される排気は、排気マニホールド50および第1排気管52を経由してタービン36に供給される。
タービン36の排気流出口には、第2排気管54の一方端が接続される。第2排気管54の他方端には、酸化触媒57と、DPF(Diesel Particulate Filter)58と、選択還元触媒56とを含む排気処理装置55が接続される。選択還元触媒56は、図示しない尿素添加弁から供給される尿素(アンモニア)を用いて、排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する。
第3吸気管27と排気マニホールド50とは、エンジン本体10の燃焼室14を経由せずにEGR装置60によって接続される。EGR装置60は、EGRバルブ62と、EGR通路66とを含む。EGR通路66は、第3吸気管27と排気マニホールド50とを接続する。EGRバルブ62は、EGR通路66の途中に設けられる。
EGRバルブ62は、制御装置200からの制御信号に応じて、EGR通路66を流通するEGRガスの流量を調整する調整弁である。EGRバルブ62の開度を調整することによって、EGR率(エンジン本体に供給される吸気ガス量中に占めるEGRガス量の割合)が調整される。排気マニホールド50内の排気ガスの一部がEGR装置60を経由してEGRガスとして吸気側に戻されることによって燃焼室14内の燃焼温度が低下され、NOxの生成量が低減される。また、吸入空気の一部がEGRガスに置き換わるので、燃焼室14内の空気過剰率が低下する。
過給機30は、コンプレッサ32とタービン36とを含む。コンプレッサ32のハウジング内にはコンプレッサホイール34が収納され、タービン36のハウジング内にはタービンホイール38が収納される。コンプレッサホイール34とタービンホイール38とは、連結軸42によって連結され、一体的に回転する。そのため、コンプレッサホイール34は、タービンホイール38に供給される排気の排気エネルギによって回転駆動される。
エンジン回転速度センサ102は、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトの回転速度をエンジン回転速度NEとして検出する。エアフローメータ104は、第1吸気管22に導入される新気の流量(吸入空気量)Qinを検出する。アクセル開度センサ106は、アクセルペダルの踏込量であるアクセル開度APを検出する。冷却水温センサ108は、エンジン1の冷却水温度THWを検出する。これらのセンサは、検出結果を示す信号を制御装置200に出力する。
制御装置200は、エンジン1の動作を制御する。制御装置200は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)201と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリ202と、外部との情報のやり取りを行なうための入・出力ポート(図示せず)とを含む。入力ポートには、上述したセンサ類(たとえば、エンジン回転速度センサ102、エアフローメータ104、アクセル開度センサ106、および冷却水温センサ108等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、燃料噴射弁15、吸気絞り弁25、およびEGRバルブ62等)が接続される。
制御装置200は、各センサおよび機器からの信号、ならびにメモリ202に格納されたマップおよびプログラムに基づいて、所定の演算処理を実行する。そして、制御装置200は、演算処理の結果に基づいて、燃料噴射弁15、吸気絞り弁25、およびEGRバルブ62等を制御する。
たとえば、制御装置200は、アクセル開度APとエンジン回転速度NEを用いて、メモリ202に格納された燃料噴射量マップから、燃料噴射量Qfを算出する。また、制御装置200は、アクセル開度APとエンジン回転速度NEを用いて、メモリ202に格納された燃料噴射時期マップから、燃料噴射時期を算出する。そして、制御装置200は、算出した燃料噴射時期になると、燃料噴射量Qfに相当する燃料を噴射するよう、燃料噴射弁15を制御する。
ピストン13には、シリンダ12とピストン13の間の気密を確保するため、および、潤滑油膜の形成をコントロールするために、ピストンリング18が設けられている。ピストンリング18は、ピストン13に形成されたリング溝に嵌まるよう設けられており、本実施の形態では、トップリング18a、セカンドリング18b、および、オイルリング18cから、構成されている。燃焼生成物(カーボンスラッジ)等のデポジットがリング溝に堆積すると、ピストン13(リング溝)とピストンリング18とが固着(スティック)する。ピストンリング18が固着すると、ピストン13の往復動に伴い、ピストンリング18がリング溝内を自由に移動できないため、気密性の確保や潤滑油膜のコントロールに支障をきたし、たとえば、オイル上がりの現象が発生する場合もある。
特許文献1では、シリンダ12の壁面温度を周方向で2箇所以上検出する温度センサを設け、壁面温度の分布からピストンリングの固着を検出している。このため、シリンダ12に温度センサを設けるための加工が必要になる。また、たとえば、エンジン1が4気筒エンジンである場合には、8個以上の温度センサを設ける必要があり、コストアップを招く懸念がある。
本実施の形態では、エンジン1を制御するための既存のセンサ等によって特定可能な運転状態に基づいて、リング溝内に堆積するデポジット堆積量を推定することにより、シリンダ12の壁面温度を検出する温度センサを設けることなく、ピストンリング18の固着を監視する。
図2は、制御装置200で実行されるピストンリング固着監視制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン1の作動中に、所定期間毎に繰り返し処理される。ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10では、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWを取得する。燃料噴射量Qfは、アクセル開度APとエンジン回転速度NEを用いてメモリ202に格納された燃料噴射量マップから算出した燃料噴射量Qfである。エンジン回転速度NEは、エンジン回転速度センサ102で検出したエンジン回転速度NEであり、冷却水温度THWは、冷却水温センサ108で検出した冷却水温度THWである。
続くS11では、S10で取得した、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWから、デポジット量DAを算出する。デポジット量DAは、単位時間当たりにリング溝に生成されるデポジットの量であり、本実施の形態において、単位時間は、本フローチャートの演算周期(割り込み処理周期)に設定されている。演算周期は、たとえば、500msであってよい。デポジット量DAは、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWをパラメータとしたDA算出マップを用いて算出する。
図3は、DA算出マップの作成方法の一例を説明する図である。図3(A)は、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWをパラメータとした、リング溝温度Trのマップ(Trマップ)である。このTrマップは、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWを種々設定した実験あるいはシミュレーションによって、求められる。そして、実験等によって求めた、リング溝温度Trと単位時間当たりにリング溝に生成されるデポジット量DAの関係から、図3(B)に示す、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWをパラメータとした、デポジット量DAのマップを作成する。
図4は、DA算出マップの一例を示す図である。DA算出マップは、図3(B)で作成したデポジット量DAのマップ(図4の下段に示す)を、冷却水温度THW毎に、燃料噴射量Qfとエンジン回転速度NEをパラメータとしたデポジット量DAの算出テーブル(二次元マップ)として、メモリ202に記憶している。S11では、図4に示したDA算出マップを用いて、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWからデポジット量DAを算出する。DA算出マップに無い点(数値)に関しては、線形補間によってデポジット量DAを算出する。
ピストンリング18は、トップリング18a、セカンドリング18b、および、オイルリング18cから構成され、各リングに対応するリング溝がピストン13に形成されており、各リング溝においてデポジットが生成し、堆積する。DA算出マップは、最もデポジットの堆積が多い(デポジット量が大きい)リング溝において、単位時間当たりに生成されるデポジットの量を示すマップである。本実施の形態では、図4のDA算出マップは、トップリング18aのリング溝に対するマップであるが、エンジンの特性/諸元等によっては、セカンドリング18b、あるいは、オイルリング18cの場合もあり得る。
続くS12では、デポジット堆積量ΣDAを算出する。デポジット堆積量ΣDAの前回値であるΣDApに、S11で算出したデポジット量DAを加算することにより、デポジット堆積量ΣDAを算出する。デポジット堆積量ΣDAは、デポジット量DAの積算値である。
S13において、デポジット堆積量ΣDAが閾値αを超えているか否かを判定する。閾値αは、リング溝に堆積したデポジットにより、ピストンリング18(本実施の形態では、トップリング18a)が固着の予兆を示す値であり、予め実験等によって設定される。デポジット手堆積量ΣDAが閾値αを超えている場合、ピストンリング18が固着する可能性があると判定し、肯定判定されS14へ進む。デポジット堆積量ΣDAが閾値α以下の場合、否定判定されS15に進む。
S14では、車載故障診断装置(OBD(On Board Diagnostics))の故障診断コードをセットする。この故障診断コードはメモリ202に格納され、エンジン1の整備時に、整備者がスキャンツールを用いてコードを読み取ることにより、整備者にピストンリング18の固着の予兆があることを知らせるものである。なお、故障診断コードをセットするとともに、MIL(Malfunction Indication Lamp)300を点灯して、ユーザにエンジン1の整備を促すようにしてもよい。S14の次は、S15へ進む。
S15では、S12で算出したデポジット堆積量ΣDAを前回値ΣDApとして、メモリ202に書き込み、今回のルーチンを終了する。
本実施の形態によれば、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWに基づいて、DA算出マップから、単位時間当たりにリング溝に生成されるデポジット量DAを算出し、デポジット量DAを積算することによりデポジット堆積量ΣDAを算出する。そして、デポジット堆積量ΣDAが閾値αを超えたとき、ピストンリング18が固着する可能性があると判定し、故障診断コードをセット、あるいは、MIL300を点灯して、ピストンリング18の固着の予兆を知らせる。したがって、エンジン1を制御するための既存のセンサ等によって特定することが可能な運転状態に基づいて、リング溝内に堆積するデポジット堆積量を推定することにより、シリンダ12の壁面温度を検出する温度センサを設けることなく、ピストンリング18の固着を監視することができる。
なお、図2のS12の処理が、本開示の「デポジット推定手段」に相当し、S13の処理が、本開示の「スティック判定手段」に相当する。また、S11の処理が、本開示の「デポジット量算出部」に相当する。
本実施の形態において、DA算出マップは、単位時間当たりにリング溝に生成されるデポジットの量として設定したが、たとえば、エンジン1の所定回転数毎(たとえば、500回転毎)に生成されるデポジットの量として設定してもよい。この場合、図2のフローチャートの処理は、エンジン1が所定回転する毎(たとえば、500回転する毎)に割り込み処理されてよい。
本実施の形態では、デポジット量DAは、燃料噴射量Qf、エンジン回転速度NE、および、冷却水温度THWから算出していた。燃料噴射時期が、リング溝に生成されるデポジットの量に大きな影響を与える特性のエンジンでは、燃料噴射時期を加えたパラメータから、デポジット量DAを算出するようにしてもよい。また、潤滑油温度が、リング溝に生成されるデポジットの量に大きな影響を与える特性のエンジンでは、冷却水温度THWに加えて、あるいは、代えて、潤滑油温度を用いて、デポジット量DAを算出するようにしてもよい。なお、EGR率がリング溝に生成されるデポジットの量に影響を与える場合には、デポジット量DAをEGR率によって補正してもよい。
本実施の形態のエンジン1は、圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であったが、火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 エンジン本体、11 シリンダヘッド、12 シリンダ、14 燃焼室、15 燃料噴射弁、16 高圧燃料ポンプ、17 コモンレール、18 ピストンリング、18a トップリング、18b セカンドリング、18c オイルリング、20 エアクリーナ、22 第1吸気管、24 第2吸気管、25 吸気絞り弁、26 インタークーラ、27 第3吸気管、28 吸気マニホールド、30 過給機、32 コンプレッサ、34 コンプレッサホイール、36 タービン、38 タービンホイール、42 連結軸、50 排気マニホールド、52 第1排気管、54 第2排気管、55 排気処理装置、56 選択還元触媒、57 酸化触媒、58 DPF、60 EGR装置、62 EGRバルブ、66 EGR通路、102 エンジン回転速度センサ、104 エアフローメータ、106 アクセル開度センサ、108 冷却水温センサ、200 制御装置、201 CPU、202 メモリ、300 MIL。

Claims (4)

  1. シリンダ内を往復動するピストンのリング溝にピストンリングを配設した内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記リング溝に堆積するデポジット堆積量を推定するデポジット推定手段と、
    前記デポジット推定手段によって推定された前記デポジット堆積量が閾値を超えたとき、前記ピストンリングが固着する可能性があると判定するスティック判定手段と、を備えた、内燃機関の制御装置。
  2. 前記デポジット推定手段は、前記内燃機関の運転状態に基づいて、単位期間当たりに前記リング溝に生成されるデポジット量を算出するデポジット量算出部を有し、
    前記デポジット推定手段は、前記デポジット量算出部で算出した前記デポジット量を積算することにより、前記デポジット堆積量を算出する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記デポジット量算出部は、前記内燃機関の回転速度、燃料噴射量、および、冷却水温度に基づいて、前記デポジット量を算出する、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記スティック判定手段によって前記ピストンリングが固着する可能性があると判定されたとき、警報を行う警報手段を、さらに備えた、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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