JP2022059627A - 配線回路基板 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022059627000001
【課題】金属シートをエッチングして、所望の形状の金属支持層を形成できる配線回路基板の製造方法およびそれにより得られる配線回路基板を提供する。
【解決手段】配線回路基板1は、金属支持層6と、ベース絶縁層7と、配線16と、カバー絶縁層9とを備える。配線16の幅W3は、ベース絶縁層7の幅W2より狭い。カバー絶縁層9の幅W4は、ベース絶縁層7の幅W2より狭い。金属支持層6は、複数の配線体金属部10に分割される。ベース絶縁層7は、複数の配線体ベース部13を有する。配線16は、複数の配線体金属部10のそれぞれに対応する。カバー絶縁層9は、複数の配線体金属部10のそれぞれに対応する配線体カバー部19を有する。配線体金属部10の幅W1に対する配線体ベース部13の幅W2の比(W2/W1)は、1.1以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線回路基板に関する。
従来、金属支持層と、その上に配置されるベース絶縁層と、その上に配置される配線と、金属支持層の上に、ベース絶縁層および配線を被覆するように配置されるカバー絶縁層とを備える配線回路基板が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特許文献1の配線回路基板では、カバー絶縁層の幅が、ベース絶縁層の幅より広い。
また、特許文献1では、金属シートに、ベース絶縁層、配線およびカバー絶縁層を順に形成し、その後、金属シートをエッチングして、金属支持層に外形加工している。
特開2008-159899号公報
しかるに、生産効率の観点などから、エッチング液を上下方向両側から金属シートに接触させて、エッチングする場合がある。この場合には、金属シートの上下両面にエッチングレジストを所定パターンで配置する。
さらに、配線回路基板の用途および目的によって、金属支持層の幅をベース絶縁層の幅より狭くする要求がある。
そこで、金属シートを上下方向両側からエッチングして、上記した幅の金属支持層に外形加工する場合において、特許文献1の記載の配線回路基板のように、カバー絶縁層の幅がベース絶縁層の幅より広い場合には、カバー絶縁層の幅方向端部が、エッチングレジストの幅方向端部より外側に出張り易い。この場合には、エッチングレジストの端部を越えるカバー絶縁層に起因して、金属支持層を所望のパターンにエッチングできないという不具合がある。
本発明は、金属シートをエッチングして、所望の形状の金属支持層を形成できる配線回路基板の製造方法およびこれにより得られる配線回路基板を提供する。
本発明(1)は、ベース絶縁層を金属シートの厚み方向一方面に形成する第1工程と、配線層を、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に、前記配線層の延びる方向および前記厚み方向に直交する方向の幅が、前記ベース絶縁層の幅より狭くなるように、形成する第2工程と、カバー絶縁層を、前記ベース絶縁層において前記配線層から露出する前記厚み方向一方面に、前記配線層を被覆し、かつ、前記カバー絶縁層の幅が前記ベース絶縁層の幅より狭くなるように、形成する第3工程と、前記金属シートを厚み方向両側からエッチングして、金属支持層を、前記金属支持層の幅が前記ベース絶縁層の幅より狭くなるように形成する第4工程とを備える、配線回路基板の製造方法を含む。
この製造方法では、第3工程で、カバー絶縁層を、カバー絶縁層の幅がベース絶縁層の幅より狭くなるように、形成する。また、第4工程では、金属支持層を、金属支持層の幅がベース絶縁層の幅より狭くなるように、形成する。
そのため、金属支持層の外形形状に対応する第1レジストを、金属シートの厚み方向一方側に形成しても、第1レジストが、ベース絶縁層より幅が狭いカバー絶縁層の幅方向端部を被覆できる。従って、カバー絶縁層の幅方向端部が第1レジストの幅方向端部より外側に出張ることに起因する金属支持層の形状不良を抑制でき、所望の形状の金属支持層を形成できる。
本発明(2)は、前記第4工程では、前記延びる方向に直交する断面において、前記金属シートを、互いに間隔が隔てられる複数の金属体に分割し、前記第1工程では、前記複数の金属体のそれぞれに対応する前記ベース絶縁層を形成し、前記第2工程では、前記複数の金属体のそれぞれに対応する少なくとも1つの前記配線層を形成し、前記第3工程では、前記複数の金属体のそれぞれに対応する前記カバー絶縁層を形成する、(1)に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
この製造方法の第4工程では、複数の金属体のそれぞれに対応する、ベース絶縁層、1つの配線層およびカバー絶縁層を形成するので、複数の金属体のそれぞれの外形形状を、ベース絶縁層、1つの配線層およびカバー絶縁層に対応して、設計できる。
本発明(3)は、前記第4工程は、第1レジストを、前記金属体に対応する前記ベース絶縁層および前記カバー絶縁層を被覆するように、前記金属シートの前記厚み方向一方面に配置する第5工程と、第2レジストを、厚み方向に投影したときに前記第1レジストと重なるように、前記金属シートの前記厚み方向他方面に配置する第6工程と、前記金属シートにおいて前記第1レジストおよび前記第2レジストのそれぞれの幅方向両端部に重複する重複部がサイドエッチングされるように、前記金属シートをエッチングする第7工程とを備える、(2)に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
この製造方法では、金属シートにおいて第1レジストおよび第2レジストのそれぞれの幅方向両端部に重複する重複部がサイドエッチングされるように、金属シートをエッチングするので、ベース絶縁層より幅が狭い金属支持層を確実に形成できる。
本発明(4)は、金属支持層と、前記金属支持層の厚み方向一方面に配置されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置される配線層であって、前記配線層の延びる方向および前記厚み方向に直交する方向の幅が前記ベース絶縁層の幅より狭い前記配線層と、前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に、前記配線層を被覆するように配置されるカバー絶縁層であって、その幅が前記ベース絶縁層の幅より狭い前記カバー絶縁層とを備え、前記金属支持層の幅が、前記ベース絶縁層の幅より狭い、配線回路基板を含む。
この配線回路基板では、金属支持層の幅、および、カバー絶縁層の幅が、ベース絶縁層の幅より狭い。つまり、これらの積層部分では、ベース絶縁層の幅が最も広い。そのため、積層部分を、ベース絶縁層の幅に合わせた幅狭形状とすることができる。
本発明の配線回路基板およびその製造方法によれば、所望の形状の金属支持層を形成できる。
図1A~図1Bは、本発明の配線回路基板の製造方法により得られる配線回路基板の一実施形態を示し、図1Aが平面図、図1Bが底面図である。 図2A~図2Bは、図1A~図1Bに示す配線回路基板の断面図であり、図2AがX-X線に沿う正断面図、図2BがY-Y線に沿う正断面図である。 図3A~図3Eは、図2Aに示す配線回路基板の製造方法の工程図であり、図3Aが、ベース絶縁層を形成する第1工程、図3Bが、導体層を形成する第2工程、図3Cが、カバー絶縁層を形成する第3工程、図3Dが、第1レジストおよび第2レジストを形成する第6工程および第7工程、図3Eが、金属シートをエッチングする第7工程である。 図4A~図4Bは、比較例における製造工程図であり、図4Aが、第3工程、図4Bが、第5工程および第6工程を示す。 図5は、図2Aに示す配線回路基板の変形例(1つの配線体金属部に対して、複数の配線が設けられる態様)の断面図である。
<一実施形態>
まず、本発明の配線回路基板の一実施形態を、図1A~図2Bを参照して説明する。なお、図1Aにおいて、後述するカバー絶縁層9は、後述するベース絶縁層7および導体層8の相対配置を明確に示すために、省略している。
図1A~図2Bに示すように、この配線回路基板1は、所定厚みを有し、長手方向に延びる形状を有する。配線回路基板1は、配線体2と、第1連結体3と、第2連結体4とを一体的に備える。
配線体2は、長手方向に延びる。配線体2は、配線回路基板1における長手方向中間部である。配線体2は、厚み方向および長手方向に直交する幅方向に間隔を隔てて複数(2つ)配置されている。複数の配線体2のそれぞれは、長手方向に沿う略直線形状を有する。
第1連結体3は、複数の配線体2の長手方向一端縁を幅方向に連結する。第1連結体3は、配線回路基板1の長手方向一端部である。第1連結体3は、例えば、平面視略矩形状を有する。
第2連結体4は、複数の配線体2の長手方向他端縁を幅方向に連結する。第2連結体4は、配線回路基板1の長手方向他端部である。第2連結体4は、例えば、平面視略矩形状を有する。
また、配線回路基板1は、開口部5を有する。開口部5は、複数の配線体2、第1連結体3および第2連結体4に囲まれている。開口部5は、配線回路基板1の厚み方向を貫通する。開口部5は、平面視略矩形状を有する。開口部5は、複数の配線体2を幅方向に隔てるスリット形状を有する。
図2A~図2Bに示すように、配線回路基板1は、金属支持層6と、ベース絶縁層7と、導体層8と、カバー絶縁層9(図2Bにおいて図示せず)とを備える。
図1Bに示すように、金属支持層6は、配線回路基板1の外形形状よりわずかに小さい形状(略相似形状)を有する。金属支持層6は、配線体2に対応する配線体金属部10と、第1連結体3に対応する第1連結金属部11と、第2連結体4に対応する第2連結金属部12とを一体的に有する。
図1Bおよび図2Aに示すように、配線体金属部10は、複数の配線体2に対応して設けられている。複数の配線体金属部10のそれぞれは、複数の配線体2のそれぞれの外形形状より狭い(幅方向長さ短い)。複数の配線体金属部10のそれぞれは、例えば、断面視略矩形状を有する。なお、断面は、配線体2が延びる方向に直交する方向(幅方向および厚み方向に沿う方向)に切断した面であり、以降同様である。配線体金属部10は、配線体2の幅方向両端縁より幅方向内側に配置されている。
図1Bおよび図2Bに示すように、第1連結金属部11は、第1連結体3の周端縁より面方向内側に配置されている。
図1Bに示すように、第2連結金属部12は、第2連結体4の周端縁より幅方向内側に配置されている。
金属支持層6の材料は、特に限定されず、遷移金属、典型金属のいずれであってもよい。具体的には、金属支持層6の材料としては、例えば、カルシウムなどの第2族金属元素、チタン、ジルコニウムなどの第4族金属元素、バナジウムなどの第5族金属元素、クロム、モリブデン、タングステンなどの第6族金属元素、マンガンなどの第7族金属元素、鉄などの第8族金属元素、コバルトなどの第9族金属元素、ニッケル、白金などの第10族金属元素、銅、銀、金などの第11族金属元素、亜鉛などの第12族金属元素、アルミニウム、ガリウムなどの第13族金属元素、ゲルマニウム、錫などの第14族金属元素が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
金属支持層6の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、10mm以下である。配線体金属部10の幅W1は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。なお、配線体金属部10の幅W1は、配線体金属部10の幅方向両端面間における最長距離である。
図2A~図2Bに示すように、ベース絶縁層7は、金属支持層6の厚み方向一方面に配置されている。ベース絶縁層7は、配線回路基板1と同一の外形形状を有する。図1A~図1Bに示すように、ベース絶縁層7は、配線体2に対応する配線体ベース部13と、第1連結体3に対応する第1連結ベース部14と、第2連結体4に対応する第2連結ベース部15とを一体的に有する。
図1A~図2Aに示すように、配線体ベース部13は、配線体2と同一の外形形状を有する。つまり、配線体ベース部13は、複数の配線体2に対応して複数(2つ)設けられている。複数の配線体ベース部13のそれぞれは、例えば、断面視略矩形状を有する。配線体ベース部13の幅W2は、配線体金属部10の幅W1より広い。配線体ベース部13の幅方向両端部は、厚み方向に投影したときに、配線体金属部10の幅方向両端面より、外側に突出している。つまり、配線体ベース部13の幅方向両端部の厚み方向他方面は、厚み方向他方側に露出している。換言すれば、配線体ベース部13の厚み方向他方面の幅方向両端部が、配線体金属部10から露出する。一方、配線体ベース部13の厚み方向他方面の幅方向中間部は、配線体金属部10の厚み方向一方面全面に接触する。
図1Bおよび図2Bに示すように、第1連結ベース部14は、第1連結体3と同一の外形形状を有する。第1連結ベース部14は、底面視において、例えば、第1連結金属部11より大きい略矩形状を有する。
第2連結ベース部15は、第2連結体4と同一の外形形状を有する。第2連結ベース部15は、底面視において、例えば、第2連結金属部12より大きい略矩形状を有する。
ベース絶縁層7の材料としては、例えば、ポリイミドなどの絶縁性樹脂が挙げられる。
ベース絶縁層7の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。配線体ベース部13の幅W2は、例えば、15μm以上、好ましくは、40μm以上であり、また、例えば、800μm以下、好ましくは、500μm以下である。配線体金属部10の幅W1に対する配線体ベース部13の幅W2の比(W2/W1)は、1超過、好ましくは、1.05以上、より好ましくは、1.1以上、さらに好ましくは、1.25以上であり、また、例えば、5以下、好ましくは、3以下である。
図2A~図2Bに示すように、導体層8は、ベース絶縁層7の厚み方向一方面に配置されている。図1Aに示すように、導体層8は、配線体2に対応する配線層の一例としての配線16と、第1連結体3に対応する第1端子17と、第2連結体4に対応する第2端子18とを一体的に有する。
配線16は、複数の配線体2のそれぞれに設けられている。図2Aに示すように、複数の配線16のそれぞれは、複数の配線体ベース部13の厚み方向一方面の幅方向中間部(具体的には、中央部分)に配置されている。また、配線16の幅W3は、配線体金属部10の幅W1より狭い。さらに、配線16は、厚み方向に投影したときに、配線体金属部10に含まれる。配線16は、断面視略矩形状を有する。
図1Aに示すように、第1端子17は、配線16の長手方向一端縁に連続する。第1端子17は、例えば、平面視略矩形状を有する。第1端子17は、第1連結ベース部14の厚み方向一方面に配置されている。第1端子17は、複数の配線16に対応して設けられている。
第2端子18は、配線16の長手方向他端縁に連結する。第2端子18は、例えば、平面視略矩形状を有する。第2端子18は、第2連結ベース部15の厚み方向一方面に配置されている。第2端子18は、複数の配線16に対応して設けられている。
導体層8の材料としては、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、クロム、それらの合金などが挙げられる。好ましくは、良好な電気特性を得る観点から、銅が挙げられる。
導体層8の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。配線16の幅W3は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。また、配線体ベース部13の幅W2に対する配線16の幅W3の比(W3/W2)は、1未満、好ましくは、0.9以下、好ましくは、0.8以下、より好ましくは、0.7、さらに好ましくは、0.5以下であり、また、例えば、0.01以上、好ましくは、0.1以上である。また、配線体金属部10の幅W1に対する配線16の幅W3の比(W3/W1)は、例えば、0.1以上、好ましくは、0.2以上であり、また、例えば、5以下、好ましくは、2以下である。
図2Aに示すように、カバー絶縁層9は、ベース絶縁層7の厚み方向一方面に、導体層8を被覆するように、配置されている。カバー絶縁層9は、厚み方向に投影したときに、ベース絶縁層7に含まれる。カバー絶縁層9は、配線体2に対応する配線体カバー部19を有する。
配線体カバー部19は、複数の配線体2に対応して複数(2つ)設けられている。複数の配線体カバー部19のそれぞれは、例えば、断面視において、厚み方向他方側に向かって開く略U字形状を有する。配線体カバー部19は、厚み方向一方面20と、厚み方向一方面20と厚み方向他方側に対向する他方面21と、それらの幅方向両端縁を連結する両側面22とを有する。厚み方向一方面20は、配線体ベース部13の厚み方向一方面に平行な平坦面を有する。他方面21は、配線16の厚み方向一方面および幅方向両側面と、配線体ベース部13における配線16の周囲の厚み方向一方面とに接触する。両側面22は、厚み方向一方側に向かうに従って、互いの対向距離が短くなるテーパ面である。
カバー絶縁層9の材料としては、例えば、ポリイミドなどの絶縁性樹脂が挙げられる。
カバー絶縁層9の厚みは、配線体カバー部19における厚み方向一方面20と、配線16の厚み方向一方面との間隔であって、具体的には、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
配線体カバー部19の幅W4は、断面視における両側面22間における最長距離であって、配線体ベース部13の幅W2より狭く、配線体ベース部13の幅W3より狭い。配線体カバー部19の幅W4は、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。配線体ベース部13の幅W2に対する、配線体カバー部19の幅W4の比(W4/W2)は、1未満、好ましくは、0.95以下、より好ましくは、0.9以下、さらに好ましくは、0.8以下であり、また、例えば、0.5以上である。
次に、配線回路基板1の製造方法を、図3A~図3Eを参照して説明する。この方法は、ベース絶縁層7を金属シート25の厚み方向一方面に形成する第1工程と、導体層8をベース絶縁層7の厚み方向一方面に形成する第2工程と、カバー絶縁層9で配線16を被覆する第3工程と、金属シート25をエッチングして、金属支持層6を形成する第4工程とを備える。この製造方法では、第1工程~第4工程が順に実施される。なお、この製造方法は、例えば、ロール-トゥ-ロール法で実施される。
図3Aに示すように、第1工程では、まず、金属シート25を準備する。
金属シート25は、金属支持層6を形成するための金属基材であって、金属支持層6より大きい外形形状を有する。金属シート25の材料および厚みは、金属支持層6のそれらと同一である。
続いて、感光性の絶縁性樹脂を含むワニスを、金属シート25の厚み方向一方面全面に塗布し、その後、フォトリソグラフィーによって、配線体ベース部13、第1連結ベース部14(図2B参照)および第2連結ベース部15(図1A~図1B参照)を有するベース絶縁層7を形成する。
図3Bに示すように、第2工程では、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などによって、配線16、第1端子17(図2B参照)および第2端子18(図1A~図1B参照)を有する導体層8を、ベース絶縁層7の厚み方向一方面に形成する。配線16の幅W3は、配線体ベース部13の幅W2より、狭い。
図3Cに示すように、第3工程では、感光性の絶縁性樹脂を含むワニスを、金属シート25、ベース絶縁層7および導体層8の厚み方向一方面全面に塗布し、その後、フォトリソグラフィーによって、配線体カバー部19を有するカバー絶縁層9を形成する。配線体カバー部19は、配線16を被覆する。配線体カバー部19の幅W4は、配線体ベース部13の幅W2より狭い。
図3Eに示すように、第4工程では、金属シート25を厚み方向両側からエッチングして、金属支持層6を、配線体2における配線体金属部10の幅W1が配線体ベース部13の幅W2より狭くなるように、形成する。
図3D~図3Eに示すように、第4工程は、第1レジスト23を金属シート25の厚み方向一方面に配置する第5工程と、第2レジスト24を金属シート25の厚み方向他方面に配置する第6工程と、金属シート25をエッチングする第7工程とを備える。第5工程および第6工程は、同時に実施する。または、第5工程および第6工程の順に実施する。
さらには、第6工程および第5工程の順に実施してもよい。
第5工程では、第1レジスト23を、配線体ベース部13、配線16および配線体カバー部19を被覆するように、金属シート25の厚み方向一方面に配置する。つまり、第1レジスト23は、1つの配線体ベース部13と、1つの配線16と、1つの配線体カバー部19とからなる配線体ユニット26を被覆する。
第1レジスト23は、幅方向に隣接する複数(2つ)の配線体ユニット26をまとめて被覆しない。第1レジスト23は、金属シート25の厚み方向一方面において、複数(2つ)の配線体ユニット26の間の中央部27を露出する。
第1レジスト23は、複数(2つ)の配線体ベース部13の幅方向両端面(両側面)を被覆する。
第1レジスト23において、配線体ベース部13の幅方向両端面を被覆する端面被覆部28の幅方向長さLは、次の第7工程におけるサイドエッチングの量、および、第7工程で形成される配線体金属部10の幅W1に応じて適宜設定される。配線体ベース部13の端面被覆部28の幅方向長さLは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、25μm以下である。
なお、第1レジスト23は、金属シート25の厚み方向一方面において、幅方向最一方側に位置する配線体ユニット26に対して幅方向一方側に遠隔する一方側遠隔部31を露出する。また、第1レジスト23は、金属シート25の厚み方向一方面において、幅方向最他方側に位置する配線体ユニット26に対して幅方向他方側に遠隔する他方側遠隔部32を露出する。
第5工程では、まず、ドライフィルムレジストを、金属シート25、ベース絶縁層7およびカバー絶縁層9の厚み方向一方面全面に配置し、その後、フォトリソグラフィーによって、上記した形状の第1レジスト23を形成する。
第6工程では、第2レジスト24を、厚み方向に投影したときに第1レジスト23と重なるように、金属シート25の厚み方向他方面に配置する。第2レジスト24は、厚み方向に投影したときに、第1レジスト23と同一パターンである。具体的には、ドライフィルムレジストを、金属シート25の厚み方向他方面全面に配置し、その後、フォトリソグラフィーによって、上記した形状の第2レジスト24を形成する。
第5工程および第6工程を実施することにより、第2レジスト24、金属シート25、ベース絶縁層7、導体層8、カバー絶縁層9および第1レジスト23を含むレジスト積層体30が得られる。レジスト積層体30において、金属シート25は、第1レジスト23の端面被覆部(幅方向両端部)28、および、第2レジスト24の幅方向両端部に重複する重複部(金属内側部分)29を含む。
第7工程では、金属シート25を厚み方向一方側および他方側からエッチングする。例えば、金属シート25を、エッチング液を用いるウエットエッチングにより、外形加工する。具体的には、レジスト積層体30の厚み方向一方面および他方面に、エッチング液を接触させる。
すると、金属シート25の厚み方向一方面および他方面と、エッチング液との接触により、まず、金属シート25の中央部27、一方側遠隔部31、および他方側遠隔部32が、除去される。
続いて、重複部29(金属内側部分)が除去される。つまり、重複部29がサイドエッチングされる。
さらに、サイドエッチングが進行し、金属シート25において、配線体ベース部13の幅方向両端部の厚み方向他方側に位置する両端部分33が除去される。つまり、両端部分33もサイドエッチングされる。すなわち、この第7工程では、金属シート25において、中央部27、一方側遠隔部31および他方側遠隔部32のエッチング除去の後に、金属シート25の重複部29および両端部分33が順にサイドエッチングされる。
この第7工程によって、金属シート25は、金属支持層6に形成される。また、配線体ユニット26に対応する金属シート25は、配線16が延びる方向に直交する断面において、幅方向に互いに間隔が隔てられる複数(2つ)の配線体金属部10に分割される。
これによって、金属支持層6、ベース絶縁層7、導体層8およびカバー絶縁層9を備える配線回路基板1が製造される。
(一実施形態の作用効果)
そして、この製造方法では、図3Cに示すように、第3工程で、カバー絶縁層9を、配線体カバー部19の幅W4が配線体ベース部13の幅W2より狭くなるように、形成する。また、図3Eに示すように、第4工程では、金属支持層6を、配線体金属部10の幅W1が配線体ベース部13の幅W2より狭くなるように、形成する。
そのため、図3Dに示すように、配線体金属部10の外形形状に対応する第1レジスト23を、金属シート25の厚み方向一方側に形成しても、第1レジスト23が、配線体ベース部13より幅が狭い配線体カバー部19の幅方向端部を被覆できる。従って、配線体カバー部19の幅方向端部が第1レジスト23の幅方向端部より外側に出張ることに起因する配線体金属部10の形状不良(次の比較例で説明する)を抑制できる。そのため、所望の形状の配線体金属部10を有する金属支持層6を形成できる。
他方、比較例では、図4Aに示す第3工程で、カバー絶縁層9を、配線体カバー部19の幅W4が配線体ベース部13の幅W2より広くなるように、形成する。すると、図4Bに示す第5工程において、配線体金属部10の外形形状に対応する第1レジスト23を、金属シート25の厚み方向一方側に形成しても、第1レジスト23が、配線体ベース部13より幅が広い配線体カバー部19の両側面22(の厚み方向他端部34)を被覆できず、露出させてしまう。そうすると、かかる配線体カバー部19の両側面22(の厚み方向他端部34)が、エッチングレジストとして機能してしまい、配線体金属部10の形状不良(精度不良)を引き起こす。つまり、所望の幅より広い配線体金属部10が形成されてしまう。そのため、所望の形状の配線体金属部10を有する金属支持層6を形成できない。
図3Aおよび図3Cに示すように、一実施形態の製造方法の第4工程では、複数の配線体金属部10のそれぞれに対応する、配線体ベース部13、1つの配線16および配線体カバー部19を形成するので、複数の配線体金属部10のそれぞれの外形形状を、配線体ベース部13、1つの配線16および配線体カバー部19に対応して、設計できる。
さらに、この製造方法では、金属シート25における重複部29(さらに両端部分33)がサイドエッチングされるように、金属シート25をエッチングするので、配線体ベース部13層より幅が狭い配線体金属部10を確実に形成できる。
また、図2Aに示すように、この配線回路基板1では、配線体金属部10の幅W1、および、配線体カバー部19の幅W4が、配線体ベース部13の幅W2より狭い。つまり、これらの積層部分である配線体2では、配線体ベース部13の幅W2が最も広い。そのため、配線体2を、配線体ベース部13の幅W2に合わせた幅狭形状とすることができる。
(変形例)
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
図5に示すように、配線回路基板1は、開口部5(図2A参照)を有さない。複数(2つ)の配線16は、1つの配線体金属部10に対応して設けられる。つまり、配線回路基板1は、1つの配線体2を備え、かかる1つの配線体2は、複数(2つ)の配線16を備える。
図5の変形例より、一実施形態が好適である。一実施形態であれば、図2Aおよび図3Eに示すように、第4工程では、複数の配線体金属部10のそれぞれに対応する1つの配線16を形成する。そのため、複数の配線体金属部10のそれぞれの外形形状を、対応する1つの配線16に合わせて、設計できる。
1 配線回路基板
6 金属支持層
7 ベース絶縁層
9 カバー絶縁層
16 配線
20 厚み方向一方面(配線)
21 厚み方向他方面(配線)
23 第1レジスト
24 第2レジスト
25 金属シート
29 重複部
W1 幅(配線体金属部の幅)
W2 幅(配線体ベース部の幅)
W3 幅(配線の幅)
W4 幅(配線体カバー部の幅)

Claims (4)

  1. 金属支持層と、
    前記金属支持層の厚み方向一方面に配置されるベース絶縁層と、
    前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置される配線層であって、前記配線層の延びる方向および前記厚み方向に直交する方向の幅が前記ベース絶縁層の幅より狭い前記配線層と、
    前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に、前記配線層を被覆するように配置されるカバー絶縁層であって、その幅が前記ベース絶縁層の幅より狭い前記カバー絶縁層とを備え、
    前記金属支持層の幅が、前記ベース絶縁層の幅より狭く、
    前記延びる方向に直交する断面において、前記金属支持層は、互いに間隔が隔てられる複数の配線体金属部に分割され、
    前記ベース絶縁層は、前記複数の配線体金属部のそれぞれに対応する配線体ベース部を有し、
    少なくとも1つの前記配線層は、前記複数の配線体金属部のそれぞれに対応し、
    前記カバー絶縁層は、前記複数の配線体金属部のそれぞれに対応する配線体カバー部を有し、
    前記配線体金属部の幅W1に対する前記配線体ベース部の幅W2の比(W2/W1)は、1.1以上である、配線回路基板。
  2. 前記配線体ベース部の幅W2に対する配線体カバー部の幅W4の比(W4/W2)は、0.8以下である、請求項1に記載の配線回路基板。
  3. 前記配線体金属部の幅W1は、10μm以上、300μm以下である、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板。
  4. 前記比(W2/W1)は、1.25以上である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線回路基板。
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