JP2022051856A - ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具 - Google Patents

ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具 Download PDF

Info

Publication number
JP2022051856A
JP2022051856A JP2022017340A JP2022017340A JP2022051856A JP 2022051856 A JP2022051856 A JP 2022051856A JP 2022017340 A JP2022017340 A JP 2022017340A JP 2022017340 A JP2022017340 A JP 2022017340A JP 2022051856 A JP2022051856 A JP 2022051856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
unit
circuit board
cooking
cooling fan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2022017340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7292450B2 (ja
Inventor
晃一 星野
Koichi Hoshino
裕司 横井川
Yuji Yokoigawa
貴裕 及川
Takahiro Oikawa
勇介 栗城
Yusuke Kuriki
和裕 亀岡
Kazuhiro Kameoka
一郎 増田
Ichiro Masuda
壮 北古味
Takeshi Kitakomi
直也 杉山
Naoya Sugiyama
達也 蜂須
Tatsuya Hachisu
直也 大久保
Naoya Okubo
彰 森井
Akira Morii
匡薫 伊藤
Tadanobu Ito
洸駿 風間
Koshun Kazama
英里佳 大熊
Erika Okuma
幸男 川田
Yukio Kawada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2018214389A external-priority patent/JP7055088B2/ja
Application filed by Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd, Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Priority to JP2022017340A priority Critical patent/JP7292450B2/ja
Publication of JP2022051856A publication Critical patent/JP2022051856A/ja
Priority to JP2023037746A priority patent/JP7499904B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7292450B2 publication Critical patent/JP7292450B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Induction Heating Cooking Devices (AREA)
  • Electric Ovens (AREA)
  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Abstract

【課題】薄型の誘導加熱調理器と、マイクロ波加熱を含む3つの異なる加熱源を備えた複合型加熱調理器及びこれらを備えた厨房家具を提供する。【解決手段】被加熱物が載置されるトッププレートを介して被加熱物を加熱する第1の加熱源と、トッププレートによって上面開口部を閉鎖した扁平な本体と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、マイクロ波が供給される加熱室と、マイクロ波発生源とを内蔵した下部ユニットと、上部ユニットと下部ユニットを連結する連結部材と、を備え、連結部材は、下部ユニットの少なくとも1つの側壁面と上部ユニットの少なくとも1つの側壁面とに近接又は密着した状態で設置され、下部ユニットと上部ユニットとの両者に、それぞれ結合される構成である。【選択図】図26

Description

本発明は、2種類以上の加熱源を備えたビルトイン式複合型加熱調理器及びこれら加熱調理器を備えたキッチンカウンター等の厨房家具に関するものである。
誘導加熱調理器は、大きく分けて3種類ある。
その内の1つは、キッチンカウンター等の厨房家具の中に設置される、所謂「ビルトイン式(組込式)」である。
2つ目は、厨房家具の所定の位置に、ガス台(「ガス燃焼式テーブル」ともいう)等のように置かれて使用される「据置式」である。
3つ目は、食卓等の上の任意の位置に置かれて使用される、小型で可搬式の「卓上式」の3種類である。
「ビルトイン式」の誘導加熱調理器は、厨房家具の中に設置されるため、一般的な厨房家具の規格に合わせて外形寸法を設計しなければならず、「据置式」や「卓上式」のものに比較して設計の自由度は格段に少ない。
また、ビルトイン式誘導加熱調理器では、当該加熱調理器単体で厨房家具の収納空間内に設置され、その加熱調理器の下方に、物品収納庫(収納空間)を確保するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、ビルトイン式誘導加熱調理器では、調理の幅を拡大できるように、本体の内部に電気ヒータで加熱されるグリル庫(「オーブン室」又は「加熱室」ともいう)を具備したものがある。そのグリル庫では、前面に設けられた扉を開け、魚等の被加熱物を挿入して扉を閉め、前記電気ヒータの輻射熱により加熱して調理が可能である(例えば、特許文献2及び3参照)。
前記特許文献2の誘導加熱調理器は、筐体内に配置され誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」という)を有し加熱対象を加熱する少なくとも2つの加熱手段と、該加熱手段の上面を覆い加熱対象である調理鍋を載せるトッププレートと、前記IHコイルに電力を供給する電子部品を実装したインバーター回路基板(電子基板)と、を有しており、前記インバーター回路基板上の前記電子部品及び前記IHコイルを冷却する冷却ファンと、前記冷却ファンから前記インバーター回路基板周辺に冷却風を導く第1の冷却流路と、前記冷却ファンから前記IHコイルに冷却風を導く第2の冷却流路と、を有し、該第2の冷却流路内に、前記インバーター回路を制御する制御回路や前記インバーター回路に電力を供給する電源回路の少なくとも一部を搭載した回路基板を設けている構成である。
前記特許文献3では、誘導加熱調理ユニットの部分に対し、グリル庫を備えたグリルユニットを金具等の固定手段によって、分離可能なように吊り下げるという提案がされている。しかしながらこの特許文献3のものでは、その誘導加熱調理ユニットの筐体(外殻ケース)の厚さ(高さ寸法)が、厨房家具の載置部の厚さ(例えば標準的な寸法の40mm)に比較して遥かに大きく、下方まで突出している。
また、ビルトイン式誘導加熱調理器を上部ユニットと、下部ユニットとの2つを結合して構成するものも提案されている。そして上部ユニットには、複数のIHコイル及びこれらを制御するインバーター回路基板を内蔵させ、下部ユニットには、グリル庫及び電装品を内蔵させている。そして前記下部ユニットには、1個のファンモータと、このファンモータにより回転される冷却ファンとを具備し、前記ファンモータにより回転される前記冷却ファンの送風作用により、前記上部ユニットの前記インバーター回路基板と、前記下部ユニットの電装品とを、並列に冷却する構成も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、ビルトイン式誘導加熱調理器において、厨房家具に支持される筐体(「外殻ケース」ともいう)の中に、筐体外部から冷却用の空気を導入し、その冷却用空気によって、誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」という)の駆動回路部と、当該IHコイルとを、対角方向に冷却するという構成が提案されている(例えば、特許文献5参照)。これは、駆動回路部とIHコイルとを、一様に、効率良く冷却する目的で採用した構成である。
また、複合型加熱調理器の加熱源については、従来から誘導加熱とマイクロ波加熱という2つの異なる加熱方式を備えたものが色々提案されている。しかし、それらは何れも「据置式」を前提にしたものであった(例えば、特許文献6及び7参照)。
さらに、2つの異なる加熱方式の加熱源(誘導加熱と、誘電加熱)を用い、加熱調理器の天井部における誘導加熱、加熱室での誘導加熱及び当該加熱室でのマイクロ波加熱、という3つの加熱形態を、択一的に選択できる複合型加熱調理器も提案されている。しかし、これも、加熱調理器の全体の寸法や形状等を(ビルトイン式に比較して)遥かに自由に決定できる「据置式」を前提にしたものであった(特許文献8参照)。
特開2015-213628号公報(第5頁、図1) 特開2008-53075号公報(第5頁、図8) 特開平5-251165号公報(第1頁、図2) 特開平11-87038号公報(第3頁、図1) 特開平5-21148号公報(第1頁、図2) 実開昭53-44345号公報(第1頁、図2) 実開昭53-44346号公報(第1頁、図3) 特開昭52-37242号公報(第1頁、図1)
従来のビルトイン式加熱調理器では、第1の課題として、加熱調理器の高さ寸法が大きく、当該加熱調理器の下方における厨房家具の中のスペースを有効活用する面で支障があった。そのため、例えば、物品収納庫の高さを大きくできないという課題に繋がっていた。
一方、据置式加熱調理器では、上記第1の課題のように、加熱調理器の高さ寸法が大きいと、キッチンカウンター等の上に載置した場合、鍋等の被加熱物を載せたり、降ろしたり、移動させるときに、作業がしにくいという課題があった。
さらに、マイクロ波加熱を利用したビルトイン式複合型加熱調理器は、キッチンカウンター等の厨房家具の中に設置することが困難であるという第2の課題があった。つまり、従前では電気ヒータを備えた加熱室(「グリル庫」ともいう)が内蔵されたものは提供されているが、マイクロ波加熱を利用するものは実用化されていない。この背景として、マイクロ波を利用する場合、マグネトロンに代表されるマイクロ波発振器や、その発振器を冷却する冷却ファン、マイクロ波を加熱室の内部に案内する導波管、マイクロ波を前記加熱室内へ拡散させるアンテナ装置等の重要な電気部品、構造物等は、マイクロ波を扱う性質上、小型化が困難である上、マイクロ波の漏洩防止等の対策が必要となるという事情がある。
さらに、第3の課題として、誘導加熱源を備えた上部ユニットと、輻射熱によって加熱する加熱室を内蔵した下部ユニットとを備えたビルトイン式複合型加熱調理器(前記特許文献2参照)が提案されているが、更にマイクロ波加熱機能を付加し、より幅広い調理に対応できるように改良するには大きな課題がある。例えば、誘導加熱源や電気ヒータと異なる性質のマイクロ波が加熱室から漏洩しないように、加熱室を電波的にも密閉する必要があるため、仮に厨房家具に支持される誘導加熱調理ユニット(上部ユニット)と、マイクロ波が供給される加熱室を備えた下部ユニットとの2つの構造物から複合型加熱調理器を構成する場合には、厨房家具の内部に、それら2つユニットの構造物を設置した状態で、ビルトイン式の複合型加熱調理器全体としての性能や信頼性を維持する必要がある。
さらに第4の課題として、誘導加熱源とマイクロ波加熱源によって、各種の加熱調理に幅広く対応できる利便性の高い厨房家具を得ることにある。
本発明は、前述のような諸課題を解決するためになされたもので、複数の種類の加熱源を利用できる便利なビルトイン式複合型加熱調理器、及びこれらを備えた厨房家具を提供することを目的とする。
第1の課題に関係する第1の発明の加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを上部に備えた扁平な本体を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバーと、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する第1冷却ファンと、を備え、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有し、かつ前記インバーター回路基板と前記カバーとの間に形成された第1風路の入口に臨んでおり、
前記第1冷却ファンは、前記第1風路の一方の端部にある入口から他方の端部にある出口に向けて冷却風を供給する構成である。
第1の課題に関係する第2の発明の加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを上部に備えた扁平な本体を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するために左右2個所にそれぞれ配置された左側のIHコイル及び右側のIHコイルと、これら2つのIHコイルに共通であり、かつそれらIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板と、前記2つのIHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバーと、前記本体の左側壁面近くに設置され、前記筐体に形成した通気孔から冷却用の空気を導入する第1冷却ファンと、を備え、
前記カバーは、前記第1冷却ファンの吹出口から前記左側のIHコイルの真下よりも右側まで一連に設置され、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有し、かつ前記インバーター回路基板と前記カバーの間に形成された第1風路の入口に臨んでおり、
前記第1冷却ファンは、前記第1風路の左側端部にある入口から右側端部にある出口に向けて冷却風を供給するものであり、
前記本体の内側後部には、前記第1風路から出た前記冷却風が、前記カバーの上方空間を経由してから導入される排気窓を設け、
前記排気窓の形成位置は、前記第1風路の前記出口の位置よりも左側にあることを特徴とした構成である。
第1の課題に関係する第3の発明の加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを上部に備えた扁平な本体を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバーと、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファン及び第2冷却ファンと、使用者の操作入力を受け付ける入力操作部と、を備え、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファンは、前記インバーター回路基板と前記カバーとの間に形成された第1風路の入口に臨んでおり、当該第1冷却ファンは、前記第1風路の一方の端部にある入口から他方の端部にある出口に向けて第1冷却風を供給する構成であり、
前記第2冷却ファンは、前記第1冷却ファンよりも前記入力操作部に近い位置にあって、当該入力操作部に第2冷却風を供給する構成である。
第1の課題に関係する第4の発明の加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを上部に備えた扁平な本体を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバーと、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファンと、商用電源からの電力を受けて必要な電源を生成する電源回路基板と、を備え、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファンは、前記インバーター回路基板と前記カバーとの間に形成された第1風路の入口に臨んでおり、当該第1冷却ファンは、前記第1風路の一方の端部にある入口から他方の端部の出口に向けて冷却風を供給する構成であり、
前記電源回路基板は、前記カバーを挟んで前記第1冷却ファンと反対側に配置されている構成である。
第1の課題に関係する第5の発明の加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを上部に備えた扁平な本体を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバーと、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する第1冷却ファンと、を備え、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファンは、ファンケースの下面に吸気口を有し、側面に冷却風を吹出す吹出口を備え、
前記吹出口の上下中心部を横切る第1の水平面上に、前記カバーの下方に形成された第1風路と、前記インバーター回路基板の上面に配置されたヒートシンクと、前記インバーター回路基板に実装された電気部品と、をそれぞれ配置し、
前記第1の水平面の上にある第2の水平面上に、前記IHコイルを通過した後の前記第1冷却ファンからの冷却風を排出する排気窓を配置している構成である。
第2の課題に関係する第6の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
厨房家具の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源を有し、前記厨房家具に支持される上部ユニットと、
前記上部ユニットの下方に設置され、ドアによって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室を備えた下部ユニットと、を備え、
前記下部ユニットには、前記加熱室にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置と、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置と、前記マイクロ波加熱装置を冷却するための冷却ファンと、を備え、
前記マイクロ波加熱装置のマイクロ波発生源は、前記加熱室の、左右何れか1つの側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源の発振部が当該加熱室の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室の背面側には、当該加熱室の内部に通ずる給電口と、前記マイクロ波発生源からのマイクロ波が導入されるアンテナケースと、を設け、
前記アンテナケース内には、前記マイクロ波発生源から発振されたマイクロ波を、前記給電口を介して前記加熱室内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナを配置した構成である。
第2の課題に関係する第7の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
厨房家具の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源を有し、前記厨房家具に支持される上部ユニットと、
前記上部ユニットの下方に設置され、ドアによって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室を備えた下部ユニットと、を備え、
前記下部ユニットには、前記上部ユニットから電力の供給を受け、前記加熱室にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置と、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置と、前記マイクロ波加熱装置を冷却するため冷却ファンと、を備え、
前記マイクロ波加熱装置のマイクロ波発生源は、前記加熱室の1つの右側壁面又は左側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源の発振部が当該加熱室の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室の背面側には、前記マイクロ波発生源からのマイクロ波が導入されるアンテナケースを設け、
前記アンテナケース内には、前記マイクロ波発生源から発振されたマイクロ波を、前記加熱室の背面に設けた給電口を介して当該加熱室内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナを配置し、
前記誘導加熱源、前記マイクロ波加熱装置、前記オーブン加熱装置及び前記冷却ファンは、前記上部ユニット側にある統合制御装置によって運転が制御される構成である。
第2の課題に関係する第8の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
厨房家具の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源を有し、前記厨房家具に支持される上部ユニットと、
前記上部ユニットの下方に設置され、ドアによって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室を備えた下部ユニットと、を備え、
前記下部ユニットには、前記上部ユニットから電力の供給を受け、前記加熱室にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置と、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置は、マイクロ波加熱制御部と、マイクロ波発生源と、前記マイクロ波発生源に高周波電力を供給する第1のインバーター回路基板と、を備え、
前記オーブン加熱装置は、加熱室制御部を備え、
前記マイクロ波発生源と前記第1のインバーター回路基板とは、前記加熱室の1つの側壁面に沿って、かつ前後方向に離れて配置され、
前記第1のインバーター回路基板の下方と、前記マイクロ波発生源の放熱部の下方には、前記下部ユニットの外部から、それぞれ空気を吸引し、当該空気を前記第1のインバーター回路基板と前記放熱部に個別に供給する前方側冷却ファンと、後方側冷却ファンとを、それぞれ配置した構成である、
第2の課題に関係する第9の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源と、前記トッププレートによって上面開口部を閉鎖した扁平な本体と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
マイクロ波が供給される加熱室と、マイクロ波発生源とを内蔵した下部ユニットと、
前記上部ユニットと前記下部ユニットを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、前記下部ユニットの少なくとも1つの側壁面と前記上部ユニットの少なくとも1つの側壁面とに近接又は密着した状態で設置され、前記下部ユニットと前記上部ユニットとの両者に、それぞれ結合される構成である。
第3の課題に関係する第10の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源と、前記トッププレートによって上面開口部を閉鎖した扁平な本体と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
マイクロ波が供給される加熱室と、マイクロ波発生源とを下部ケースに内蔵した下部ユニットと、を備え、
前記本体の外殻を構成する上部ケースと、前記下部ケースは、それぞれが金属製の薄い板から形成されたものであり、
前記上部ケースの周端部には、垂直方向に伸びる側方垂直壁が形成され、
前記下部ケースは、上面全体が開口しており、当該開口の内側に前記上部ケースが嵌合した状態で、前記上部ユニットと前記下部ユニットとは、連結されている構成である。
第2の課題に関係する第11の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートと、前記トッププレートを介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源と、前記トッププレートで上面の開口部が閉鎖された扁平な上部ケースと、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
マイクロ波が供給される加熱室と、マイクロ波加熱装置とを下部ケースに内蔵した下部ユニットと、を備え、
前記下部ケースの上に前記上部ケースが載置された状態では、当該上部ケースの底壁が前記下部ケースの天井面を兼ねる構成である。
第3の課題に関係する第12の発明のビルトイン式複合型加熱調理器は、
被加熱物が載置されるトッププレートと、前記トッププレートを介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源と、前記トッププレートで上面開口部を閉鎖した扁平な上部ケースと、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
上部ヒータと下部ヒータによって上方と下方から、それぞれ加熱される加熱室を内蔵した下部ユニットと、を備え、
前記下部ユニットには、外殻を構成する下部ケースと、前記加熱室の開口を開閉するドアと、このドアを支持するアームと、ドア開閉検知機構と、を有し、
前記下部ユニットには、前記加熱室の右側方又は左側方に、マイクロ波発生源と、当該マイクロ発生源に高周波電力を供給するインバーター回路基板を内蔵したケースと、を備え、
前記マイクロ波発生源の前方側に前記ケースを配置し、
前記下部ユニットの内部には、前記ケースの前方側に空間を設け、
前記空間には、前記アームと、前記ドア開閉検知機構とを、隣接した状態で、かつ当該ドア開閉検知機構が外側になるように収容している構成である。
第4の課題に関係する第13の発明の厨房家具は、上面に設置口を有し、当該設置口の中に前記第1の発明~第5の発明の何れか1つの加熱調理器を設置している構成である。
第4の課題に関係する第14の発明の厨房家具は、上面に設置口を有し、当該設置口の中に前記第6の発明~第12の発明の何れか1つのビルトイン式複合型加熱調理器を設置している構成である。
本発明によれば、加熱調理器が占める設置スペースを少なくでき、又は各種の加熱調理に対応できる利便性の高い複合型加熱調理器及び厨房家具を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器が設置される厨房家具の全体を示す斜視図である。 図1に示す誘導加熱調理器を、組み込む前の厨房家具の状態を示す斜視図である。 図1に示す誘導加熱調理器を厨房家具に組み込む作業の途中段階を示す模式図である。 図1の厨房家具と誘導加熱調理器の寸法関係を示す縦断面模式図である。 図4に示す厨房家具の前方の一部を拡大して示す縦断面模式図である。 図1に示す誘導加熱調理器の平面図である。 図1の誘導加熱調理器を、図6のZ-Z線で切断した場合の縦断面図である。 図1の誘導加熱調理器を、図6のZ-Z線で切断し、冷却風の流れを示した縦断面図である。 図1の誘導加熱調理器を、図7のW-W線で切断した場合の縦断面図である。 図1の誘導加熱調理器を、図7のY-Y線で切断した場合の縦断面図である。 図1の誘導加熱調理器を、図7のV-V線で切断した場合の縦断面図である。 図1の誘導加熱調理器を、図7のX-X線で切断した場合の縦断面図である。 図1の誘導加熱調理器の上部ユニットの操作部を説明するための簡略平面図である。 図1の誘導加熱調理器の上部ユニット内部の冷却風の流れを示す簡略横断面図である。 図1の誘導加熱調理器の主要な制御関係部分を示すブロック図である。 図1の誘導加熱調理器の主要な冷却風路を示す説明図である。 図1の誘導加熱調理器のインバーター回路の詳細を示す回路図である。 図1の誘導加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート1である。 図1の誘導加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート2である。 図1の誘導加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート3である。 図1の誘導加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート4である。 図1の誘導加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート5である。 図1の誘導加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート5である。 図1の誘導加熱調理器の冷却ファンと、加熱調理の種類との対応関係を示す一覧表である。 図1の誘導加熱調理器において、誘導加熱調理の1種である揚げ物調理(自動)を行った場合の制御動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るビルトイン式誘導加熱調理器で、厨房家具への設置前の状態の斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器において、ドアを開放した状態を示す斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器の正面図である。 図26に示す誘導加熱調理器の平面図である。 図26に示す誘導加熱調理器の右側面図である。 図26に示す誘導加熱調理器の左側面図である。 図26に示す誘導加熱調理器の背面(後面)図である。 図26に示す誘導加熱調理器の底面(下面)図である。 図29に示す誘導加熱調理器のZ-Z線縦断面図である。 図29に示す誘導加熱調理器のY-Y線縦断面図である。 図29に示す誘導加熱調理器のY-Y線縦断面図であり、ドアを開放した状態を示しているものである。 図29に示す誘導加熱調理器のX-X線縦断面図である。 図26に示す誘導加熱調理器において、上部ユニットの全体を示す斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器において、トッププレートを取り外した状態の上部ユニットの斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器において、トッププレートとIHコイルを取り外した状態の上部ユニットの斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器において、トッププレート、IHコイル及びカバーを取り外した状態の上部ユニットの斜視図である。 図41において、冷却風の流れを示した参考斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器における上部ユニットの、平面図、正面図、右側面図及び背面図である。 図26に示す上部ユニットで、トッププレートとIHコイルの双方を取り外した状態の、平面図、正面図、右側面図及び背面図である。 図26に示す上部ユニットで、トッププレート、IHコイル及びカバーを取り外した状態の、平面図、正面図、右側面図及び背面図である。 図26に示す誘導加熱調理器の、上部ユニットの底面(下面)図である。 図43に示す上部ユニットのX-X線縦断面図である。 図43に示す上部ユニットのX-X線縦断面図である。 図43に示す上部ユニットのZ-Z線縦断面図である。 図26に示す誘導加熱調理器の分解状態を示す斜視図1である。 図26に示す誘導加熱調理器の分解状態を示す斜視図2である。 図26に示す誘導加熱調理器の連結部材(補強部材)の斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器の下部ユニットの分解途中段階を示す斜視図である。 図26に示す誘導加熱調理器の下部ユニットの要部を説明する横断面図である。 本発明の実施の形態3に係るビルトイン式誘導加熱調理器の下部ユニットの要部を示した横断面図である。 図55に示す誘導加熱調理器の要部を説明する横断面図である。 本発明の実施の形態4に係るビルトイン式誘導加熱調理器の全体を説明する縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係るビルトイン式誘導加熱調理器の全体を説明する縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係るビルトイン式誘導加熱調理器の全体を説明するブロック図である。
実施の形態1.
図1~図25は、実施の形態1に係るビルトイン式誘導加熱調理器を示すものである。なお、以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、単に「加熱調理器」と呼ぶ。
各図中、符号RTは加熱調理器1の右方向を示し、LEは左方向を示す。またFTは前方を示し、BKは後方を示す。
この実施の形態1において「誘導加熱調理器」とは、誘導加熱原理に基づく加熱部を有したものをいう。加熱部が複数ある場合、その中に誘導加熱方式と異なる方式、例えば輻射式電熱源等の他の方式の加熱源があっても良い。
この実施の形態1において、加熱室の「加熱手段(加熱源)」とは、加熱室の壁面を、その外側から加熱する加熱源、加熱室の内部空間に設置した加熱源の、何れでも良い。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を配置し、この発熱部材で加熱室の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室内の空気を加熱したりする何れの形態であっても良い。
例えば、日本特許文献で、特開2017-74305号公報には、加熱室(グリル庫)内に配置されて被調理物を載置する調理皿を、下方から被調理物を加熱する第2の加熱体(誘導加熱コイル)と、側方から被調理物を加熱する第3の加熱体(誘導加熱コイル)と、を備えた加熱調理器が提案されている。
さらに、特開2016-85996号公報には、加熱室の下方には、電気絶縁体で上下に区画し、その電気絶縁体の下方空間に誘導加熱コイル(IHコイル)を設け、前記IH熱コイルの上に置いた調理プレートを誘導加熱する構成が提案されている。調理プレートは、誘導加熱可能な素材で形成され、例えば、鉄、ステンレス、カーボン含有率90%以上の炭素材、導電材料としてSi(シリコン)またはFeSi(フェロシリコン)を含有するセラミック素材等が用いられている。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を配置した代表的なものとして、特開2005-071695号公報には、IHコイルに高周波電流を供給して、IHコイルに高周波磁束を発生させ、その高周波磁束を加熱庫内に配設されたヒータと鎖交させて、ヒータに誘導電流が流れるようにし、ヒータ自身の電気抵抗によって発生するジュール熱で加熱庫内の調理物を加熱調理することが開示されている。
さらに、特開2013-247048号公報には、加熱室の内部に、電気的に閉回路のヒータを配置し、このヒータに、加熱室の外部に配設されたIHコイルから生じる高周波磁束を鎖交させ、ヒータを高温にして加熱室内に放熱させることが提案されている。なお、ここでいうヒータとは、電気的に閉回路を形成しており、ステンレスや高ニッケル合金等の丸棒や丸パイプを所定の形状に曲げて、両端を互いに溶接やロウ付け等によって接合して無端状に形成したものである。
この実施の形態1でいう「IHコイル」には、代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したがある(例えば、日本の特許文献1で、特開2012-79580号公報)。
また、特開2018-32551公報には、平板状の導電材料を環状に形成した環状導電体を加熱コイルとして使用した誘導加熱調理器が提案されている。
これら何れの形態のものもIHコイルに相当する。
この実施の形態1において、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件が設定可能な2種類の加熱源を使用して行う調理をいう。
前記「連携調理」は、複数の加熱源を、時間差を置いて使用する場合が該当する。例えば1つの調理を完成させる過程で、マイクロ波加熱を終えて予備加熱したあと、被調理物を別の場所に移し、移動後の場所で、後述するIHコイル17Lで加熱して完成させる調理の場合は、ここでいう「連携調理」の一種である。
連携調理については、日本特許第5833699号公報や、同じく特許第5500944号公報において、ビルトイン式加熱調理器の形態で提案されている。
図1~図25において、本実施の形態1の加熱調理器1は、例えば流し台付きの厨房家具(システムキッチンという家具も含む)2に組み込まれる加熱調理器である。2Aは、厨房家具2に形成された設置口である。加熱調理器1には、後述するように商用電源99から、電圧200V、周波数50Hz又は60Hzの交流電力が供給される。
図1と図13に示しているように、本実施の形態1の加熱調理器1は、誘導加熱部を左右に2個所有している。金属製鍋等の被加熱物を載置する望ましい位置を示すための、円形の位置マーク17LS、17RSを、トッププレート15の上面に設けている。前記円形の位置マーク17LS、17RSを見ることによって、加熱調理器1のユーザー(使用者)は本実施の形態1の加熱調理器1では、誘導加熱部が左右に2個所あると認識できる。なお、後述する音声合成装置95の音声ガイドによってもユーザーは、誘導加熱部が左右に2個所あることを認識できる。
前記位置マーク17LS、17RSは、印刷によって形成している。位置マーク17LS、17RSの真下には、後述する誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」という)17L、17Rが設置されている。なお、位置マーク17LS、17RSは、円形である必要はなく、例えば被加熱物を載置する望ましい位置の中心点だけを、図形や「+」のような記号、あるいは文字で示しても良い。
前記位置マーク17LS、17RSは、IHコイル17L、17Rによって誘導加熱できる目安的な位置を表示した円形マークであるため、当該IHコイル17L、17Rの最大外径よりも少し大きな直径で描かれている。
前記IHコイル17L、17Rの、何れか1つを、ラジエントヒータや赤外線ヒータ等の輻射式電熱源に代えても良い。または、前記IHコイル17L、17Rに加えて、輻射式電熱源を設けて、3口又はそれ以上の加熱部を保有する形態にしても良い。
この実施の形態1では、前記IHコイル17L、17Rを総称して、以下、「誘導加熱源」と呼ぶ。この場合、符号は17を用いる。従って、誘導加熱源17と呼んだ場合には、IHコイル17Lと17Rの両方と、何れか一方の場合がある。
加熱調理器1は、設置口2Aの口縁部上面2Pに載せて支持されている。厨房家具2は、この実施の形態1では図2に示すように、水道の給水口2Dから出る水を一時的に貯めることができる水槽2Cを備えている。2Bは、厨房家具2の所定の位置に形成した前方開口であり、この前方開口は、加熱調理器1を組み込んだ場合、その前面構成部分(後述するドア114と前カバー112)を前方へ露出させるためのものである。
前記厨房家具2の前方開口2Bと設置口2Aの大きさは、標準的なものである場合、業界によって標準化が推進されているため、標準的な寸法で事前に形成されていることが殆どである。これについては、あとで詳しく説明する。
加熱調理器1を厨房家具2に組み込む通常の方法は、図3に示している通りである。この図3は、厨房家具2への組み込み作業の途中段階を示す模式図である。
図3のように、加熱調理器1の前方側(手前側)が下になるように傾けたまま、前記設置口2Aの中に加熱調理器1を入れ、その後、加熱調理器1の後方側を、実線の矢印BDで示すように下げると、加熱調理器1が厨房家具2の設置口2Aの周縁部に載せられた状態になる。
この後、ネジを締めて、後述する下部ユニット100の後部周縁部に設置してある固定金具(図示せず)を移動(回動)させ、当該固定金具を厨房家具2に強く押し当てた状態にして設置が完了する。なお、このような設置方法は既に広く採用されているので、詳しい構造については説明を省略する。
加熱調理器1の本体10は、図3に示しているように、上部ユニット100と下部ユニット200を上下に重ねた状態で、結合されて一体化されており、そのような一体化された形態でメーカから出荷されるため、図3の組込作業では、上記ネジで厨房家具2に固定されるのは、上部ユニット100のみである。固定金具(図示せず)を外せば、加熱調理器1を厨房家具2から取り出すことができる。これにより、以後、点検や修理が厨房家具2の外側で行える。
厨房家具2に形成された設置口2Aは、図2に示すように平面形状が長方形である。但し、4つの角部は円弧状になっている。
設置口2Aの横幅寸法W1は、560mm~564mmである。また前後方向の寸法D1は、460mm~464mmに形成されている。
図1と図2において、3と4は、厨房家具2の表面を構成する表面材である。5及び6は、厨房家具2に加熱調理器1を組み込んだ場合、その左右両側に隣接する表面材である。
これら表面材3~6の前面は、厨房家具2の中に加熱調理器1を組み込んだ場合、その加熱調理器1の前面と、ほぼ面一状態となる。言い換えると、加熱調理器1を組み込んだ場合、表面材3~6と加熱調理器1は、統一された平面になっているような意匠感覚をユーザーに呈することができる。
図3において、8は、厨房家具2の内部を上下に複数の部屋に仕切る壁であり、この壁の下方は、例えば、台所用品や食料等の保存庫として利用する例が多い。なお、図2では壁8の図示を省略している。また、壁8が、着脱可能なように厨房家具2の内部に設置されている形態でも良い。
以上説明した構成により、厨房家具2の中に加熱調理器1を組み込んだ場合、厨房家具2の前面全体は、略一つの平面を呈する。ユーザーが厨房家具2を見た場合、全体に前面(正面)が、すっきりした統一感のあるデザインであると認識できるように設計されている。
厨房家具2と、加熱調理器1は、同じ製造業者が設計したものでなくとも良く、厨房家具は、流し台等の厨房家具、住宅設備業者が製造販売し、加熱調理器1は家電機器業者が製造販売している場合が多い。
図1と図2において、7は、表面材3~5の前面に印刷で表示した枠線であり、表面材3~5の前面に物理的な凹凸を形成するものではない。なお、光沢のある金属製の細い板やテープ等を貼り付けて、枠線7の存在を示して高級感を出したものでも良い。
前記4種類の表面材3~6は同じものであっても良い。またこれら表面材3~6は、扉や引き出しのように、前後に移動するものでなくとも良い。例えば厨房家具2の表面に常に固定状態で存在し、全く移動しないものであっても良い。
前記4種類の表面材3~6は、その前面の色と表面形態(模様や光沢の有無、凹凸状態等)を統一させると、厨房家具2としての統一的意匠感が高まる。例えば、表面材4の正面全体が、単一の色や木目調で統一されている場合、表面材3の前面も、同じ単一の色や木目調デザインで統一すれば良い。
次に図4と図5について説明する。図4は、図1の厨房家具2と加熱調理器1の寸法関係を示す縦断面模式図である。図5は、図4に示す厨房家具2の前方の一部を拡大して示す縦断面模式図である。
厨房家具2等は、日本では「長期使用住宅部材標準化推進協議会」(略称:長住協)によって住宅部品・部材の標準(共通)化が推進されている。
前記「長住協」が制定された「IHクッキングヒーター(ビルトイン)に関する「長期使用対応部材基準書」によれば、当該IHクッキングヒーターを取り付けるカウンタートップ(厨房家具2)が具備すべき条件として、以下の通り規定されている。
(1)設置口2Aの寸法は、横幅寸法W1が、560mm~564mm。また前後方向の寸法D1は、460mm~464mmであること。
(2)前下がり部2Fの高さ寸法C1は、40mm以下であること。
(3)前下がり部2Fの奥行(前後方向)寸法D3は、45mm以下であること。
(4)前下がり部2Fの天井部奥行(前後方向)寸法D2は、58mm~70mmであること。
さらに、前記「長期使用対応部材基準書」によれば、ビルトイン式IHクッキングヒーター(誘導加熱調理器)の外形寸法も、以下の通り規定されている。
(1)トッププレート下端から前面パネル下端までの高さ寸法H2は、215mm~223mmであること。
以上のような各種条件を満たすように本発明の加熱調理器1は設計されている。
図4において、A1は、後述するトッププレート15の前後方向の寸法であり、510mmである。A2は、本体110の前面を覆う前カバー112前面から、本体110最後尾までの前後方向の最大寸法であり、498mmである。A3は、本体110の後部に形成した傾斜部111から前記前カバー112の前面までの前後方向の寸法であり、451mmである。
図4において、113は、後述する加熱室であり、下部ユニット200の内部に形成されている。前記加熱室113の前面には、フライパン等の調理器具や、被調理物等を出し入れできる開口113A(図10参照)が形成されている。その開口113Aは、ドア114(図10参照)によって開閉自在に覆われている。
ドア114の前面と、前記前カバー112の前面は、面一となるように設計されている。そして前記ドア114は、その前面が、取っ手部115を除いて前記前カバー112前面に面一となるように、本体110にヒンジ176(図示せず)とアーム116(図示せず)により、回動自在に支持されている。
図4において、H1は、加熱調理器1の最大高さ寸法である。つまり、前記トッププレート15の上面から下部ユニット200の底面までの寸法であり、227mmである。
図4において、H2は、トッププレート15下端から前カバー112の下端までの高さ寸法であり、215mm~223mmである。H3は、前記前カバー112又は前記ドア114の上端から下端までの寸法であり、171mmに設定してある。H4は、前記トッププレート15の高さ方向の寸法であり、11mmである。
次に実施の形態1の加熱調理器1の構成について、図7~図17を参照しながら詳細に説明する。
図6は、加熱調理器1の平面図である。図7は、加熱調理器1を、図6のZ-Z線で切断した場合の縦断面図である。図8は、加熱調理器1を、図6のZ-Z線で切断し、冷却風の流れを示した縦断面図である。図9は、加熱調理器1を、図7のW-W線で切断した場合の縦断面図である。図10は、加熱調理器1を、図6のY-Y線で切断した場合の縦断面図である。図11は、加熱調理器1を、図7のV-V線で切断した場合の縦断面図である。図12は、加熱調理器1を、図7のX-X線で切断した場合の縦断面図である。図13は、加熱調理器1の上部ユニットの操作部を説明するための簡略平面図である。図14は、加熱調理器1の上部ユニット100内部の冷却風の流れを示す簡略横断面図である。図15は、加熱調理器1の主要な制御関係部分を示すブロック図である。図16は、図1の誘導加熱調理器の主要な冷却風路を示す説明図である。図17は、図1の誘導加熱調理器のインバーター回路の詳細を示す回路図である。
(上部ユニット100)
この実施の形態1では、前記上部ユニット100単体でも加熱調理器1として機能する。そのために、商用(交流)電源99は上部ユニット100だけに供給される。但し、商用電源99にプラグ106A(図示せず)を介して直接接続するための電源コード106(図示せず)は、下部ユニット200から加熱調理器1の外部に引き出される。
上部ユニット100は、外郭を構成する箱形形状の上部ケース(上筐体)16と、この上部ケースの上部に固定された金属製の額縁状の補強板(支持枠)22(図7参照)と、この補強板22の上面の略全体を覆うように、その上面に重ねて取り付けられた耐熱強化ガラス又は結晶化ガラス製のトッププレート15とから構成されている。
前記上部ケース16は、1枚の亜鉛鋼板等の金属製薄板をプレス加工して形成される。または複数枚の金属製薄板をスポット溶接やネジ等で接合して形成される。実施の形態1では、後述するように1枚の金属薄板を折り曲げて、底壁(底面)16S、後方壁16Bや前方垂直壁16F、側方垂直壁16L、16Rを、それぞれ一体に形成している。
前記上部ケース16は、別の形態で形成しても良い。例えば、底壁(底面)16S、後方壁16B及び前方垂直壁16Fの3つの部分だけを1枚の金属板をプレス加工して形成する。これとは別に形成した2つの側方垂直壁16L、16R、1枚の後方壁16B及び前方垂直壁16Fを、後からネジやスポット溶接等で取り付けて、最終的に上面全体が開口した箱形形状にする。
トッププレート15は、全体の厚みが略均等な平板状に形成されており、その下面全体は可視光線が透過しない塗装面で覆われている。このため、トッププレート15の上方からは、その下方の機能部品、例えばIHコイル17L、17Rが視認できないようになっている。
IHコイル17Rは、平面形状がドーナッツ状形状を有している。そしてこのIHコイル17Rの最大火力は3200Wである。最大外形寸法(直径)は168mmである。
また、他方のIHコイル17Lも同様にドーナッツ状形状を有している。このIHコイル17Lの最大火力は3200Wである。最大外形寸法(直径)は168mmである。なお、大きな鍋やフライパン等の被加熱物にも対応できるように、180mm程度に拡大しても良い。
18は、前記上部ケース16の後部に横に長く形成した開口(図7参照)、19は、この開口の上方に設置される排気カバーであり、通気性を持たせるために鎧戸又は多数の貫通孔が形成されている。20は、前記排気カバー19と開口18の間で形成される排気口である。
22は、上部ケース16の後部上端部に固定された金属製の補強板である。この補強板22は、上部ケース16の後縁部横幅と同等の長さを有している。21は、補強板22の上面に固定された飾り枠であり、上部ケース16の横幅よりも長く形成されている。つまり、上方から見た場合、排気カバー19の後方と左右両側を一連に囲んでいるように見える(図6参照)
25は、金属製の飾り枠であり、図6に示すようにトッププレート15の左右端面と前方の端面を、外部からの衝撃から保護するように設置されている。
26は、弾力性に富む素材、例えばシリコンゴム等から形成された環状のクッション材であり、前記飾り枠21、25の下面全周に貼りつけてある。これにより上部ユニット100は、このクッション材26を介して厨房家具2に載置される。なお、トッププレート15の左右端面と前方の端面の3つの部分(辺)又は後方の端面を含む4つの部分(周囲4辺)を、1つの飾り枠25で囲むようなデザインにしても良い。
図6と図13において、30、31L、31Rは、それぞれ表示部である。30は、中央表示部であり、トッププレート15の前方部で、かつ左右中心部の下方に設置されている。31Lは、左側表示部であり、31Rは右側表示部である。これら左右表示部31L、31Rも、トッププレート15の前方部左側と、右側の下方に設置されている。
前記表示部30、31L、31Rは、液晶表示画面(図示せず)を主体に構成されており、これら各表示部30、31L、31Rは、入力操作部40に左右方向に設置している水平な操作基板41の上に設置されている。なお、これら表示部30、31L、31Rの真上の位置に対応して、前記トッププレート15の下面には、前記したような可視光線を遮断する塗装面を設けていない。このため、表示部30、31L、31Rの表示内容は、トッププレート15の上方から視認できる。
前記中央表示部30は、加熱調理器1の共通的な情報や警報を表示する。例えば、この加熱調理器1の3種類の加熱源の選択や動作状態を示す情報を表示する。
左側表示部31Lは、左側のIHコイル17Lの動作に関する情報や警報を表示する。同様に、右側表示部31Rは、右側のIHコイル17Rの動作や警報に関する情報を表示する。
図13において、40は、入力操作部である。この入力操作部40は、前記飾り枠25の最前部後方においてトッププレート15の前端縁部に沿って、横に長く配置されている。
前記入力操作部40は、横に長く、かつ帯状に設置してある操作基板41の上面に配置されている。
前記操作基板41には、各種の電子部品類と、加熱調理器1の制御全般を司る統合制御装置MCや、制御装置90等を実装している。この入力操作部40については後で詳しく説明する。操作基板41は、電気絶縁性に富むプラスチック材料で形成されている。
前記操作基板41の下方には、この操作基板41と空隙を置いて対面するように、平板状の補助支持板(図示)が上下に重なるように設置されている。つまり、間隔を置いて対面する上下2層(2枚)構造になっており、できるだけ多くの電気部品や回路を実装できるようになっている。
F2は、後述する第2冷却ファン61からの冷却風が流れる第2風路であり、後述するカバー70と、前記上部ケース16の前方にある前方垂直壁16Fとの間の空間によって形成される(図7、図14参照)。
図7において、16Bは、前記上部ケース16の後方垂直壁である。後述する下部ケース101と上部ケース16は、複数個所において、それぞれネジ51によって一体化されている。
図7から明らかなように、上部ケース16の後方垂直壁16Bと下部ケース101とは、20mm~30mm程度の範囲で、緊密に対面しており、その対面部分を前記ネジ51によって固定されている。
図7において、104は深さも平面積も大きな空洞である。この空洞104は、上部ケース16の底壁(底面)16S下面から、後述する下部ユニット200の後部の底板101U上面までの空間である。BHは、その空洞104の深さ(垂直方向)寸法を示している。
この図7に示す構造から明らかなように、この実施の形態1では、前記トッププレート15によって上面の開口部が閉鎖された扁平な上部ケース16を有しており、この上部ケース16を後述する下部ケース101の上に載置した状態では、当該上部ケース16の底壁16Sが前記下部ケース101の天井面を兼ねている構成である。
図7で説明したように、上部ケース16の底壁16Sと下部ケース101の底板101Uとの対向間隔が最も大きい空間が、前記空洞104である。
前記空洞104には、後述するマイクロ波加熱装置120の一部を構成する導波管123が、前記加熱室113の背後において左右方向に長く配置されている。
さらに導波管123よりも後方には、マイクロ波加熱制御部130に電力を供給する回路部品を実装した電源回路基板127の収容用ケースC154が、左右方向に長く配置されている。
マイクロ波加熱制御部130は、マイクロコンピューターを主体に構成されており、前記ケースC154の内部の、前記電源回路基板127に実装している。言い換えると、ケースCの内部に格納された電源回路基板127は、マイクロ波加熱制御部130を実装した制御基板を兼ねている。なお、このような制御基板と電源回路基板127を、別々に設けても良いが、この実施の形態1では、設置スペースも考慮し、一体化している。
図7において、101Tは、下部ケース101の前方側に設けた金属板製の前方水平壁である。この前方水平壁101Tは、下部ケース101の前板101F上端を後方に折り曲げて形成したものである。
198は、金属製板から形成された連結用の支持金具であり、水平部198Hと垂直部198Vとを備えている。そして、その水平部198Hは、前記下部ケース101の前方水平壁101Tに固定されている。
前記支持金具198の垂直部と、上部ケース16の前方垂直壁16Fとは、20mm~39mm程度の範囲で、緊密に対面しており、その対面部分をネジ51F(図示せず)によって固定されている。なお、図8、図9及び図10では、ネジ51Fを図示していない。
上部ケース16と下部ケース101の一方又は双方が、薄い金属製板で形成された箱状であっても、前記ネジ51、51Fの締結によって、上部ケース16と下部ケース101とは、強固な1つの箱形構造物になる。言い換えると、箱形形状の上部ケース16の外形寸法は、前記下部ケース101の内側寸法よりも僅かに小さいので、下部ケース101に上部ケース16が、20mm~30mm程度の範囲(深さ)で嵌合している。なお、ネジ51、51Fに代えて、ボルトとナット等のような、他の締結手段でも良い。
上部ケース16と下部ケース101が、軽くなるように薄い金属製板で形成されていても、強固な1つの箱形構造物になっていることは、後述するドア114の部分におけるマイクロ波漏洩防止に有益である。
特に上部ユニット100のトッププレート15は、厨房家具2の上面に支持されて下部ユニット200の全荷重を受けるので、上部ケース16と下部ケース101の全体が歪んだり、変形したりしない構造にすることは重要である。なお、前記クッション26が、前記飾り枠21、25の下面全周に貼りつけてあるため、実際に厨房下部2の上面に接触するのは、前記クッション材26である。
図7において、80は、インバーター回路基板であり、上部ケース16の中央部に設置されている。前記インバーター回路基板80は、平面形状が左右方向に長い長方形である。
前記インバーター回路基板80の上に実装されているインバーター回路81は、左側のIHコイル17Lに対して高周波電力を供給するインバーター回路81Lと、前記右側のIHコイル17Rに対して高周波電力を供給するインバーター回路81Rと、から構成されている。これらについては、後で図17を参照しながら説明する。
前記インバーター回路基板80の上面には、アルミニウム製のヒートシンク(放熱シンク)82が合計4個取り付けられている。前記ヒートシンク82は、図7に示すように2つの放熱フィン82F同士が向かい合うように、2列並べ、かつ向かい合うように接近させて設置されている。
前記ヒートシンク(放熱シンク)82には、図7から分かるように、互いに向かい合っている側と反対側にある傾斜面の上に、前記インバーター回路81L、81Rの一部を構成する電力制御用スイッチング素子83が取り付けてある。そのため、電子部品83の動作時に発生する熱を、放熱フィン82Fの周囲を通過する冷却風によって冷却できる。
前記電力制御用スイッチング素子83は、例えばIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)である。一方の前記インバーター回路81L側の電力制御用スイッチング素子83は、前後2列あるヒートシンク82の後方側、また他方のインバーター回路81R側の電力制御用スイッチング素子83は、前後2列あるヒートシンク82の前方側に取り付けてある。なお、この逆の側に取り付けるようにしても良い。
図7において、70は、前記インバーター回路基板80の上方全体を覆う金属製薄板又はプラスチック材料から形成されたカバーである。このカバー70の左右両側端部は開放されており、図14に示すようにカバー70の左側端面側が、後述する冷却風RF1の入口FIとなり、カバー70の右側端面側が冷却風RF1の出口FOを構成する。
前記カバー70は、前記IHコイル17L、17Rの最も下面との間に一定の空隙を確保している位置にあり、また前記ヒートシンク82の最上面とも一定の空隙を確保する大きさである。
前記カバー70が、IHコイル17Lの真下にあって、かつそれと接近している状態になるから、カバー70に防磁効果を期待する場合には、カバーをアルミニウム等の金属製にして、更に上部ケース16に電気的に繋がるようにすると更に良い。例えば、カバー70を取り付けるためのネジ(図示せず)が、直接カバー70のネジ孔まで届いている状態にする。なお、上部ケース16は、後述する下部ケース101と金属製ネジ等で連結されるので、下部ケース101に設けているアース端子(図示せず)にも電気的に繋がり、アースにノイズが吸収される。このようにすると、カバー70の防磁効果により、インバーター回路基板80の上に実装した各種電気部品に対するノイズ遮蔽効果が期待できる。
また、カバー70をプラスチック材料で射出成形するようにすれば、カバー70の断面形状も比較的自由に決定できる。このため、第1風路F1を流れる冷却風RF1の流れ(方向)を調整することもできる利点がある。例えば、特にヒートシンク82の特定部位へ多くの冷却風RF1が流れるように、リブ状の風向板等を一体に形成しても良い。
前記IHコイル17L、17Rは、トッププレート15との間隔が同じになるように、下方からコイルベース17C(図示せず)という電気絶縁性の耐熱性部品で支えられているが、詳細な構造の説明は省略する。このように、前記IHコイル17L、17Rは、1つの水平線(第2の水平線HL2)の上にある。言い換えると、第2の水平線で確定される1つの平面(第2の水平面HL2)上に存在している(図9参照)。
前記カバー70は、IHコイル17L、17Rの下方に配置されている前記コイルベースと、ヒートシンク82の両方に接触していない位置にある。
前記カバー70は、このカバー70の平面形状よりも大きな平板状の支持板71の上面に密着するように固定されている。そしてインバーター回路基板80とカバー70との間には、図7、図14に示しているように左右方向に長い第1風路F1が区画形成される。なお、支持板71は、絶縁性材料から形成されている。
図7と図10において、102は、下部ユニット200からの排気流が案内される金属製の排気ダクトである。この排気ダクト102の排出口側末端部102Eは、後述する仕切り板52と上部ケース16の後方垂直壁16Bとの間に形成された空隙GP1の中を貫通している。
図9において、16Aは、前記上部ケース16の側方垂直壁16L、16Rの上端部から一連に、外側へ直角に折り曲げて形成された水平なフランジである。
101Aは、後述する下部ケース101の側方垂直壁101L、101Rの上端部から一連に、外側へ直角に折り曲げて形成された水平なフランジである。
上部ケース16と、下部ケース101は、前記したフランジ16Aがフランジ101Aの上に重なっている。この重合状態で、上部ケース16側壁面と下部ケース101の側壁面とは、ネジ(図示せず)で固定されている。そのためネジ51による固定と、このフランジ16Aとフランジ101Aとの密着固定によって、上部ケース16と、下部ケース101は、強固な一体構造物となっている。言い換えると、上部ケース16の総重量は、下部ケース101のフランジ101Aの上面が受けるので、仮に上部ケース16と、下部ケース101が、薄い金属製板で形成された場合でも、一体化された状態では、機械的な強度を備えた箱形構造物にできる。
フランジ16Aとフランジ101Aとの結合は、ネジではなく、ボルトとナット等のような、他の締結手段でも良い。なお、前記フランジ16Aとフランジ101Aは、厨房家具2の上面には接触しない。これらフランジ16Aとフランジ101Aは固い材料(金属)で形成されているので、厨房家具2を傷つける懸念がある。またこのフランジ16Aとフランジ101Aが厨房家具2に当たってしまうと、クッション材26を圧縮したまま設置することができないことになる。クッション材26が密着した状態になっていないと、水等の侵入防止効果を損なう懸念がある。
図14に示しているように、上部ケース16の左側にある側方垂直壁16Lの近くには、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61が、それぞれ設置されている。これら第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転翼(図示せず)の中心部にある回転軸(図示せず)は、鉛直(垂直)方向に伸びており、前記回転翼は、1つの水平面(第1の水平面HP1)上を回転する。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、遠心ファン(ブロワー)が採用されている。この理由は、静圧が高く、高実装密度の空間で通風抵抗が大きいことを考慮したためである。なお、一般的に遠心ファンには、吸込み口が1個所で、吹き出し(吐き出し)方向が全半径方向となっているタイプも存在する。しかし、この実施の形態1のものは、吹き出し方向が1つだけのタイプである。
60Aは、第1冷却ファン60のファンケース60Cと一体に形成された吹出口、61Aは、第2冷却ファン61のファンケース61Cと一体に形成された吹出口である。吹出口60Aは、前記インバーター回路基板80に向けられている。また、吹出口61Aは、前記前記操作基板41の下方にあるホルダー42の方向に向けられている。つまり2つの吹出口60A、61Aは、何れも共通な水平面(HP1)上に存在し、かつ右方向に向けられている。この水平面HP1は後述する第1の水平面である。
前記ホルダー42は、絶縁性のある材料、例えばプラスチック材料で形成されている。このホルダー42は、入力操作部40の全域と前記中央表示部30、右側表示部31R、左側表示部31Lの範囲に対応した大きさを有し、左右方向に長く帯状に設けてある。
前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、全く同じ構造、同じ形状、同じ「定格仕様」であり、平常な誘導加熱動作時は、同じ回転数で運転されるが、制御装置90によって送風量を変化させる場合がある。例えば、IHコイル17L、17Rに加える駆動電力を大きくして加熱能力を上げる場合や、前記中央表示部30や入力操作部40の温度が平常時よりも上昇していることが検知された場合、冷却効果を上げるために回転数を増加して、送風量を増加させる場合がある。
定格仕様とは、例えば、定格電圧、使用電圧範囲、定格電流、定格回転数、最大風量、最大静圧、音圧レベル等である。使用電圧範囲の中で印加する電圧又は電圧印加時間(オンDUTY時間)を変化させれば、回転数を変化させることができる。
これに対し、本実施の形態1では、PWM制御(Pulse Width Modulation)方式を採用しており、入力信号(DCレベル)の大きさに応じて、パルス幅のデュ-ティ・サイクル(パルス幅のHとLの比)を変え、第1冷却ファン60のモータを制御している。このPWM制御は、第2冷却ファン61でも採用している。
前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、回転翼(図示せず)の周囲をファンケース60C、61Cで囲った構成であり、そのファンケースの下面には、円形の吸込口(図示せず)を設けている。
前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の、それぞれの前記吸込口(図示せず)の直下になる位置には、多数の丸孔又は楕円形の孔から構成される通気孔64(図9参照)がある。この通気孔64は、下ケース16の底壁面に形成してある。この通気孔64は、後述する下部ケース101の左側側壁面に形成した通気孔164に連通している。そのため、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、その通気孔164を介して外部の空気を導入できる。
図9において、165は凹部(吸気ダクト)であり、前記通気孔64を下部ケース101の通気孔164に直接連通させるために設けている。この凹部165は、左側から一定の深さ(寸法)DP1だけ凹ませて形成してある。なお、この寸法DP1は99mmである。
図9に示すように、前記第1冷却ファン60の吹出口60Aの上下方向の中心点と、前記ヒートシンク82の上下方向の中心点、及び後述する電源回路基板55の上面に実装された電気部品85の上下方向の中心点は、1つの水平線HL1の位置にある。言い換えると、第1冷却ファン60の吹出口60Aから吹き出された冷却風RF1が、真っすぐに右側方向に進行すると、ヒートシンク82と電気部品85に到達するような位置関係になっている。この水平線HL1で確定される水平面を、以後、「第1の水平面」HP1と呼ぶ。
前記電源回路基板55には、商用交流電源99からの交流電力が、後述するフィルター回路基板54を介して供給される。そして、この電源回路基板55において、交流から直流に変換する。そのため、交流から直流に変換するためのダイオード、トランス57(図示せず)等の電気部品85が実装されている。
インバーター回路基板80のヒートシンク82の温度が異常に上がった場合、誘導加熱調理を制御する制御装置90は、前記IHコイル17L、17Rの加熱量を低減させる。なお、この動作に加えて第1冷却ファン60の単位時間あたりの送風量を、一時的に増加させるようにしても良い。ヒートシンク82の温度は、サーミスタ等のような接触型の温度センサーTS8、TS9によって検知している。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61を、全く同じ構造、同じ形状、同じ定格仕様で揃えた場合、製造時の調達コストを安価にできる。なお、同一仕様の冷却ファンを並列配置し運転させると、うなり音が発生する可能性が高いため、うなり音対策として、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の回転数は、異なる値になるような制御を行っている。
図14において、52は、上部ケース16の後部において左右に長く形成している金属製の仕切り板であり、上部ケース16に固定されている。この仕切り板52は、上部ケース16の内部空間を、前後に区画するように垂直に伸びた壁となっている。なお、ここでいう「区画する」とは、空気の流通を完全に遮断するような厳密な遮蔽を意味していない。仕切り板52の上端面を越えて、前記第1冷却ファン60、第2冷却ファン61からの冷却風が後方へ流れることを、ある程度抑制できる程度であれば良い。
図14において、52Aは、前記仕切り板52の左半分に形成した排気窓、53は、その排気窓52Aの前方側を覆うように設置した排気口板であり、多数の貫通孔53Aが形成され、仕切り板52の排気窓52Aに向かう冷却風が通過するようになっている。なお、この排気窓52Aを通過した冷却風は、前記排気カバー19を介して加熱調理器1の外部空間へ放出される。
図14において、LFは、IHコイル17L、17Rの設置空間CKから排気される排気の範囲(横幅寸法)を示した排気口寸法である。この排気口寸法は、前記貫通孔53Aの形成範囲と、排気窓52の横幅寸法によって定まる。仮に、排気窓52の横幅寸法の方が貫通孔53Aの形成範囲よりも狭い場合(図14に示した形態)では、その排気窓52の横幅寸法によって排気範囲LFが定まる。
図14において、54は、上部ケース16の後部の右隅部に配置したフィルター回路基板である。このフィルター回路基板では、商用電源99からの電源の中のノイズを除去して出力端子側へ供給し、また逆にノイズを、入力端子側にある商用電源側へ流出(逆流)させないようにしており、抵抗とインダクタ(チョークコイル)、ライン間コンデンサー、リレー、電流ヒューズ等の電気部品(図示せず)を実装している。なお、商用電源99にプラグを介して接続された電源ケーブル(図示せず)の末端部は、後述する下部ユニット200の内部を経由して、このフィルター回路基板54に接続されている。
前記電源回路基板55は、前記インバーター回路基板80を挟んで前記第1冷却ファン60と反対側にある。言い換えると、この電源回路基板55は、前記インバーター回路基板80とカバー70との間に形成された第1風路F1の出口FOの右にあるため、第1風路F1から出た直後の冷却風によって冷却される。
図14において、CL3は、左側のIHコイル17Lの中心点を前後方向に通る中心線、CL4は、右側のIHコイル17Rの中心点を前後方向に通る中心線である。
CL5は、2つのIHコイル17L、17Rの各中心点を左右方向に横切る中心線である。CL2は、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61における、各回転翼(図示せず)の回転中心を前後方向に貫通する中心線である。この図14から明らかなように、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、前後方向に一直線に並んでいる。
図14において、RF1は、第1冷却ファン60から吹出された冷却風を示す。RF2は、第2冷却ファン61から吹出された冷却風を示す。
RF3は、第1風路F1の出口FOから出たあとの冷却風を示す。また、RF4は、第2風路F2を通過したあとの冷却風を示す。なお、出口FOから出たあとの冷却風RF3と第2風路F2を通過したあとの冷却風RF4は、その一部が途中で合流する。つまり、排気口板53の貫通孔53Aに至る前に、冷却風RF1と冷却風RF2の一部分は合流する。
図14において、GP1は、仕切り板52と上部ケース16の後方垂直壁16Bとの間に形成された空隙である。この空隙GP1の前後方向の幅は、30mm~50mm程度である。
次に図13に戻り、前記入力操作部40について説明する。
図13において、40は、トッププレート15の前方側上面に形成された入力操作部であり、以下述べるように、使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる方式の各種入力キーを、横方向に一直線状に配置している。
入力操作部40は、右操作部40R、中央操作部40M及び左操作部40Lの3つを含んでいる。98は、後述する統合制御装置MCに商用電源99を供給すること、及び遮断することができる主電源スイッチ97の操作ボタン又は操作キー(タッチ入力式)である。
前記主電源スイッチ97は、図14と図15に示すように上部ユニット100のフィルター基板54に取り付けてある。商用電源99は、電源回路基板55、インバーター回路81、下部ユニット200の電源回路部(図15では図示せず)に供給されている。
前記右操作部40Rには、2つのタッチ式入力キー43Rを配置してある。これら入力キー43Rは、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。例えば、誘導加熱時の火力(消費電力)や、誘導加熱時間、誘導加熱パターン等である。前記右操作部40Rは、右側のIHコイル17Rの動作開始や停止、その他通電条件(時間や火力等)を指令できるためのものである。
44Rは、加熱調理の「制御メニュー」を選択するタッチ式入力キーであり、タッチ操作する毎に複数の制御メニューの中から1つを選択できる。なお、「制御メニュー」とは、図19に示しているような、例えば、湯沸し、煮込み、揚げ物(自動調理)等の制御モードである。
45Rは、右側のIHコイル17Rの動作開始と停止を指令することができるタッチ式入力キーである。なお、IHコイル17Rの火力(消費電力)や、誘導加熱時間、制御モード(図19参照)を選択した場合、入力キー43R又は44Rの内の何れか1つの入力キーは、加熱条件を確定させ、誘導加熱動作の開始を指令することができる入力キーに自動的に切り替わる。しかしながら、そのような入力キーの機能を切り替えず、常に加熱動作の開始と停止は、入力キー45Rによって行わせても良い。
前記左側の操作部40Lには、2つのタッチ式入力キー43Lを配置してある。これら入力キー43Lは、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。例えば、誘導加熱時の火力(消費電力)や、誘導加熱時間、誘導加熱の制御モード等である。この左側の操作部43Lは、左側のIHコイル17Lの動作開始や停止、その他通電条件(時間や火力等)を指令できるためのものである。
44Lは、加熱調理の制御メニューを選択するタッチ式入力キーであり、タッチ操作する毎に複数の「制御メニュー」の中から1つを選択できる。なお、「制御メニュー」とは、図19に示しているように、例えば、湯沸し、煮込み、揚げ物(自動調理)等の制御モードである。
45Lは、左側のIHコイル17Lの動作開始と停止を指令することができるタッチ式入力キーである。なお、IHコイル17Lの火力(消費電力)や、誘導加熱時間、制御モード等を選択した場合、入力キー43L又は44Lの内の何れか1つの入力キーは、加熱条件を確定させ、誘導加熱動作の開始を指令することができる入力キーに自動的に切り替わる。しかしながら、そのような入力キーの機能を切り替えず、常に加熱動作の開始と停止は、入力キー45Lによって行わせても良い。
前記中央操作部40Mには、2つのタッチ式入力キー43Mを配置してある。これら入力キー43Mは、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。例えば、マイクロ波加熱時の火力(消費電力)や、加熱時間、加熱パターン等である。この中央操作部40Mは、下部ユニット200におけるマイクロ波加熱と、電気輻射加熱の両方の動作開始や停止、その他通電条件(時間や火力等)を指令できるためのものである。
44Mは、加熱室113を利用したマイクロ波加熱とオーブン加熱調理の「制御メニュー」を選択するタッチ式入力キーである。この入力キー44Mは、タッチ操作する毎に複数の制御メニューの中から1つを選択できる。なお、ここでいう「制御メニュー」とは、例えば、温め、煮込み、焼き物(自動調理)、焼き物(手動調理)、解凍等の制御モードである。例えば、焼き物(手動調理)を選択すれば、ハンバーグ等を任意の時間(マイクロ波、電気輻射熱の何れか一方、又はその両方同時に)加熱することができる。
マイクロ波の出力や、電気輻射加熱の火力(消費電力)、加熱時間、加熱パターン等を選択した場合、入力キー43M又は44Mの内の何れか1つの入力キーは、加熱条件を確定させ、加熱動作の開始を指令することができる入力キーに自動的に切り替わる。
また、45Mは、加熱室113を利用したマイクロ波加熱とオーブン加熱の動作開始と停止を指令することができるタッチ式入力キーである。なお、ユーザーが、誘導加熱源17による加熱調理を行う前に、最初に主電源スイッチ97の操作ボタン(入力キー)98を押して、主電源を投入し、そのあとでこの入力キー45Mを押した場合、後述する統合制御装置MCは、マイクロ波加熱とオーブン加熱の何れか一方又は両方が行われるものと判断し、中央表示部30に必要な情報を表示する。
マイクロ波加熱と、電気輻射加熱の少なくとも何れか一方の動作を開始した直後から、入力キー45Mを押せば、加熱動作は即時停止される。
各入力キー43L、43M、43R、44L、44M、44Rは、入力機能が切り替わった場合、切り替わったあとの入力機能を、当該キーの範囲内で、文字や記号で表示する機能がある。このため、使用者の操作間違いが防止される。
図13において、47は、統合制御装置MCに対して無線通信を求めるインターネット接続指令用のタッチ式入力キーである。46L、46Rは、外部に設置された換気装置(図示せず)に対して、運転開始用の指令信号となる赤外線信号を送信する窓である。この窓の下方には、赤外線発信部48が設置されている。
49は、無線通信部(通信モジュール)であり、外部からの電波を受信し、また外部へ電波を送信するアンテナ(図示せず)と送受信回路(図示せず)を備えている。この無線通信部49は、前記表示基板41の右側端部の下方で、上部ケース16の底面と少し間隔を保って設置してある。
図13において、CL1は、上部ユニット100の左右の中心点を前後方向に通る中心線、ALは、トッププレート15が上部ユニット100の上面で露出している範囲を示している。
次に、上部ユニット100の制御手段について、図15を参照しながら説明する。
この図では、一部構成については記載を省略しており、前記フィルター回路基板54のフィルター回路は記載していない。
97は、使用者によって開閉操作される主電源スイッチで、200Vの商用電源99に電源コードと電源プラグ(図示せず)介して接続されている。91は、前記主電源スイッチ97を介して電気エネルギーが供給される電源回路、92は、商用電源からの交流電力を直流に変換する直流電源変換部である。この電源回路91が、前記電源回路基板55の上に実装されている。
MCは、統合制御装置であり、メインコントローラ又はホストコンピュータの機能を有する。マイクロコンピューターを中心に構成されている制御装置である。この統合制御装置MCは、前記電源回路91から所定の定圧電流が供給される。またこの統合制御装置MCは、前記操作基板41の裏(下)面に実装されている(図14参照)。
前記統合制御装置MCは、入力部と、出力部と、記憶部と、CPU(演算制御部)の4つの部分から構成され、その記憶部には、3つの加熱源の通電制御プログラムが予め記憶(格納)されている。また、前記マイクロコンピューターの記憶部(ROM、RAM)とは別に、異常監視情報を記録する大容量の記憶装置(メインメモリー)MMを内蔵している。
90は、誘導加熱時の制御を司る制御装置であり、マイクロコンピューターを中心に構成されている。この制御装置90には、誘導加熱時の、各種調理メニューに対応した通電制御プログラムが予め記憶(格納)されている。また、異常監視情報を記録する記憶装置(図示せず)を内蔵している。
なお、この制御装置90の機能の一部を第2の制御装置90A(図示せず)に担当させても良い。例えば、前記インバーター回路基板80の上に、マイクロコンピューターを実装して、当該マイクロコンピューターでインバーター回路81L、81Rの入力と出力制御を担当させても良い。
誘導加熱調理やマイクロ波加熱調理等、全ての加熱調理動作中は、電気的な異常状態の有無の監視が、統合制御装置MCによって集中して実施されている。
96は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路であり、前記主電源スイッチ97に繋がる電源回路91とは別の専用電源(内蔵電池)BT1から電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。これは例えば電波時計でも良く、常に統合制御装置MCから求めがあれば、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものであり、この加熱調理器1の製造段階で正しい日時にセットされている。従って、加熱調理器1の主電源を切り、その後再度主電源を投入しても、この時計回路の時刻情報は影響受けず、常に最新の正しい時刻を統合制御装置MCに伝える機能がある。このため、前記統合制御装置MCの記憶装置MMに記録される異常監視情報も、常に正確な時間が同時に記録されて保存されることになる。
図15において、72は、電力制御部(「デマンド制御部」ともいう)である。この電力制御部72は、統合制御装置MCによる誘導加熱やマイクロ波加熱を行う指令信号を解析し、加熱調理器1の総電力消費量が、規定値又は使用者が個別に設定した上限値を超えないように監視する機能があり、また総電力消費量が、規定値又は任意設定値を超えないよう、誘導加熱やマイクロ波加熱時の火力を自動的に制限する機能がある。
一般に、「デマンド制御装置」又は「デマンドコントロール装置」とは、デマンド(需要電力)の値を制御するものをいい、自動的に電力の使用状況をチェックし、設定した値を超過しそうな場合は、警報等で報知し、停止可能な機器の自動停止を設定しておけば、装置自体が決められたとおりに停止可能な電気機器を自動的に停止し、一定の時間が経過すればその電気機器を自動的に復帰させるものとして知られており、各家庭においても電力会社との契約電力管理に大きな威力を発揮すると言われている。
この実施の形態1の電力制御部72は、加熱調理器1自体に上記したような消費電力の抑制機能を持たせるために設けている。なお、電力制御部72は、特別なハードウエアを設けず、前記統合制御装置MCの中の制御機能として設けても良く、デマンド用の制御プログラムを統合制御装置MCの中に最初から組込み、あるいはあとから追加したものでも実現できる。
この実施の形態1の電力制御部72は、加熱調理器1全体の最大消費電力を、3段階(5800W、4800W、4000W)の中から1つだけ設定できる。なお、この設定は、入力操作部40の中の特定のキーを複数個同時に押した場合に、中央表示部30に表示される上記3段階の数値を見ながら、その入力操作部40で設定できる。このような簡単な設定方法は、例えば、日本特許第6012780号公報で紹介されている。
73は、上部ユニット100と下部ユニット200との間で、各種制御信号を伝達するために設けた信号伝達部である。例えば、有線で信号を伝達できる信号線とコネクターが該当する。また、無線で信号を授受できるように例えば、赤外線通信部であっても良い。なお、信号伝達部73は、前記統合制御装置MCと制御装置90の間にも設けている。
84は、地震発生時の揺れを検知する感振機器であり、所定の震度(加速度)以上を感知した場合、振動感知信号を前記統合制御装置MCに送り、統合制御装置MCではその信号を受けて地震発生と判断し、使用中の全ての加熱手段の電源を瞬時に遮断する動作を行う。
前記制御装置90は、温度検出回路93から温度情報を得て、上部ユニット100の主要な部分が異常な高温度になっていないかどうかを監視している。例えば前記中央表示部30は、液晶表示基板で構成されているが、比較的熱に弱いので、所定温度(例えば60℃)を超えないように温度検出回路93を通じて監視している。
計測された温度が、前記所定温度を超えた時点で「異常予備状態」と制御装置90によって判定される(なお、異常予備状態は、検出温度が60℃~65℃の範囲にある場合に限る。65℃を超えると危険度高まり、制御装置90は本当の異常状態と認定する)。
この異常予備状態では直ちに誘導加熱動作は停止せず、上部ユニット100のIHコイル設置空間CKを冷却している第2冷却ファン61のモータ61Mの送風能力を上げることで改善する。しかし65℃を超えた時点で異常状態と制御装置90によって判定され、直ちに誘導加熱動作を停止する。具体的には、例えば、駆動されているIHコイルが、右側のIHコイル17Rである場合、当該IHコイル17Rに高周波電力を供給しているインバーター回路81Rの電源供給を遮断する。そしてIHコイル17Rや共振用コンデンサー等を含む誘導加熱回路94Rの動作を停止させる。なお、94Lは、左側のIHコイル17L用の誘導加熱回路である。
そして、少なくともこのような異常予備状態から緊急停止までの期間における誘導加熱時の主要な部分の電気的、物理的(一例として前記した中央表示部30の温度)の変化状況を示す(異常監視)情報が、制御装置90の記憶装置90Rの中に格納される。
なお、前記した異常予備状態では直ちに誘導加熱動作は停止せず、また第2冷却ファン61のモータ61Mの送風能力を上げることもせず(回転翼の回転数を変化させず)、IHコイウル17L、17Rの火力を、強制的に下げることで改善するようにしても良い。
前記制御装置90の記憶装置に記憶される異常監視情報は、統合制御装置MCから起動指令を受けた時点から調理を正常に終了するまで期間中に取得される。そのため、前記「制御メニュー」(例えば、「湯沸し」、「煮込み」、「揚げ物」など)や、誘導加熱の火力の情報も、時系列で記録される。途中で異常状態が原因で緊急停止した場合は、その時点まで異常監視情報が前記記憶装置90Rに保存されることになる。
更に、この実施の形態1では、より広範囲にわたって加熱調理器1の動作を監視してデータを取得するため、主電源スイッチ97をONにしてから、上部ユニット100と下部ユニット200側における全ての加熱調理状態に関する監視情報を、統合制御装置MCが取得している。前記加熱室制御部159とマイクロ波加熱制御部130から、信号伝達部73を介して、異常有無の監視情報を統合制御装置MCが取得する。
前記インバーター回路基板80の中には、右側のIHコイル17R専用のインバーター回路81Rと、左側のIHコイル17L専用のインバーター回路81Lが、1つずつ実装されている。
そしてこれら2つのインバーター回路81L、81Rは、前記制御装置90によって互いに独立して駆動されるようになっている。なお、これらインバーター回路を総称する場合、符号は「81」を使用する。
2つのインバーター回路81L、81Rの詳細は、図17を参照しながら後で説明する。
図15において、95は、電子的に作成した音声を合成する音声合成装置であり、使用者に対する操作の案内や、異常発生時の報知などをスピーカー95Sから音声でその都度報知する。
前記した温度検出回路93は、少なくとも7個の温度センサーTS3~TS9に接続されている。具体的には、トッププレート15の温度や、IHコイル設置空間CKの雰囲気温度、インバーター回路基板80のヒートシンク82の温度、中央表示部30等の温度を検知するため、温度センサーTS3~TS9がある。温度検出回路93は、前記温度センサーTS3~TS9から、それぞれ温度検知情報を受け取り、それら温度検出結果を制御装置90に送る。
前記温度センサーTS3~TS9は、赤外線センサーのような非接触型、あるいはサーミスタのような接触型の何れであっても良く、それらを単独で、又は組み合わせて使用している。
前記温度センサーTS3~TS9の内、2つの温度センサーTS3、TS5は、赤外線センサーのような非接触型センサーであり、図13に示しているように前記IHコイル17L、17Rの、それぞれの空隙部に配置されて、トッププレート15方向からの赤外線信号を受信する。つまり、これによって被加熱物である鍋やフタイパン等の底面の温度を計測できる。
前記温度センサーTS3~TS9の内、2つの温度センサーTS4、TS6は、接触型センサーとしてサーミスタを使用しており、図13に示しているように前記IHコイル17L、17Rの、それぞれの中心部の空洞の中に配置されている。これら温度センサーTS4、TS6は、トッププレート15の下面に直接接触し、又は熱伝導性のある介在物を介してトッププレート15の下面に接触している。これにより、トッププレート15の温度を計測できる。
前記温度センサーTS3~TS9の内、1つの温度センサーTS7(図13参照)は、接触型センサーとしてサーミスタを使用しており、ホルダー42の上面に設置されている。そして中央表示部30や入力操作部40の雰囲気温度を検知する。また2つの温度センサーTS8、TS9は、サーミスタを使用したものであり、後述するヒートシンク82の上面に取り付けてある。
なお、下部ユニット200側にも、下部ユニット200の内部空間温度を検出するため、少なくとも2つの温度センサーTS1、TS2を備えているが、詳細は後で説明する。
62は、冷却ファン駆動回路であり、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の駆動用モータ60M、61Mの駆動用電力を制御する。つまり、冷却ファン駆動回路62による制御によって第1冷却ファン60と第2冷却ファン61との、送風能力が互いに独立して、それぞれ多段階に変更される。
63は、表示部駆動回路であり、前記中央表示部30、左側表示部31L、右側表示部31Rの動作を制御でき、必要な情報を表示させる機能がある。
表示部駆動回路63は、専用のマイクロコンピューターによって構成しても良い。またこの表示部駆動回路63の機能を発揮する制御プログラム(ソフトウエア)は、統合制御装置MCの中に組み込んでも良い。表示部駆動回路63は、前記操作基板41の上面に実装されている(図14参照)。
84は、地震発生時の揺れを検知する感振機器であり、所定の震度(加速度)以上を感知した場合、振動感知信号を前記統合制御装置MCに送り、統合制御装置MCではその信号を受けて地震発生と判断し、使用中の全ての加熱手段の電源を瞬時に遮断する動作を行う。
49は、無線通信部49であり、前記統合制御装置MCからの指令を受けて情報を発信する。また、前記統合制御装置MCからの指令を受けて外部からの情報を取得する。
(下部ユニット200)
次に下部ユニット200について説明する。
図7は、図1の誘導加熱調理器を、図6のZ-Z線で切断した場合の縦断面図である。図8は、図1の誘導加熱調理器を、図6のZ-Z線で切断し、冷却風の流れを示した縦断面図である。図9は、図1の誘導加熱調理器を、図7のW-W線で切断した場合の縦断面図である。
図7~図9において、101は、下部ユニット200の本体110の外殻を構成する下部ケース(下筐体)である。この下部ケース101は、1枚の亜鉛鋼板等の金属製薄板をプレス加工して形成されるか、または複数枚の金属製薄板をスポット溶接やネジ等で接合して形成される。実施の形態1では、以下説明する通り、3枚の金属製薄板から構成されている。
101Hは、下部ケース101の後方と左右部分の3つの面を構成する胴部、101Uは、前記胴部の底面開口部を完全に閉鎖する平板状の底板である。101Cは傾斜部であり、加熱調理器1を厨房家具2に設置する際に、厨房家具2の設置口2Aに当たらないよう、下方に行くに従って前方へ傾斜した壁面である。101Fは、下部ケース101の前面を構成する前板であり、全体が1枚の平らな板である。この前板101Fの前面は、前記ドア114の後面を密着させて、前板101Fとドア114の間に隙間からマイクロ波が漏洩しないように
下部ユニット200は、2つの独立した加熱源を備えている。その内の1つはマイクロ波加熱装置120であり、もう1つはオーブン加熱装置140である。オーブン加熱装置140は、加熱室(オーブン庫)113を、その外側から加熱するものであるが、加熱室113の内部から加熱するものでも良い。
図7、図9、図10は、マイクロ波加熱装置120の主要部分を示している。
前方側から、以下の順番で順次設置している。
最も前方側には、インバーター回路121A(図15参照)を実装したインバーター回路基板121(図9参照)を配置している。
このインバーター回路基板121の後方には、マイクロ波の発生源となるマグネトロン122、当該マグネトロン122の発振部122Aを包囲した導波管123を配置している。
さらに、導波管123の後方には、導波管123に接続されているアンテナケース124、アンテナケースの中にあるアンテナ125を、それぞれ配置している。
アンテナケース124の後方には、マイクロ波加熱時にアンテナ125を回転又は回動させるモータ126を配置している。
127は、マイクロ波加熱の出力や前記マグネトロン122に電力を供給する電源回路基板であり、前記フィルター回路54からの商用電源を受ける電源回路部120P(図示せず)と、後述するマイクロ波加熱部130とを、実装している。
図7図、図8において、128は、第3冷却ファンであり、前記インバーター回路基板121を収容した箱形形状のケースA150の真下に配置されている。ケースA150は、下面全体が開放され、底面が無い形状である。
129は、第4冷却ファンであり、前記マグネトロン122の放熱部122Hを載置した箱形形状のケースB151の真下に配置されている。放熱部122Hには、第4冷却ファン129からの冷却風が通過するための、数枚の放熱フィンが並列状に形成されている。ケースB151は、下面全体が開放され、底面が無い形状である。
前記第3冷却ファン128と第4冷却ファン129は、例えば、軸流型ファンである。そして回転翼の中心部にある回転軸が鉛直(垂直)方向になるように、下部ケース101の底板101Uに支持されている。
第3冷却ファン128と第4冷却ファン129を、全く同じ構造、同じ形状、同じ定格仕様で揃えた場合、製造時の調達コストを安価にできる。なお、同一仕様の冷却ファンを並列配置し運転させるとうなりが発生する可能性が高いため、うなり対策として、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129の回転数は、異なる値にする制御を行う場合がある。
前記ケースA150と、ケースB151は、前述したように底面全体が開口しており、その開口の内側に、前記第3冷却ファン128と第4冷却ファン129が、それぞれ横たわるように配置されている。
図7において、ケースA150の内部に2列に設けた風向板199は、前記ケースA150の内側に一体又は別個に形成されたものである。この風向板199は、インバーター回路基板121と、後述する2つの連通口138A、138Bに対して、前記第3冷却ファン128からの冷却風を効率良く流すために設置してある。
152Fは、前方側の吸気口であり、下部ケース101の底板101Uに形成されている。この吸気口は、多数の小さな円形の貫通孔、または長方形や楕円形の貫通孔から構成されている。この吸気口152Fは、前記第3冷却ファン128用である。
152Bは、後方側の吸気口であり、下部ケース101の底板101Uに形成されている。この吸気口は、多数の小さな円形の貫通孔、または長方形や楕円形の貫通孔から構成されている。この吸気口152Bは、前記第4冷却ファン129用である。
153は、前記放熱部122Hの上部に設置されたダクトであり、放熱部122Hを通過した第4冷却ファン129からの冷却風RF6を、図11に示すように下流側へ案内するものである。
154は、ケースCであり、電源回路基板127とマイクロ波加熱制御部130とを密封状態に収容している。このケース154は、電気絶縁性に富むプラスチック材料から形成されている。
ケースC154は、後方側の蓋154Aと、前方側にある容器状又は箱形状の本体154Bと、の2者を重ね合わせて構成している。本体154Bの前面側に形成した大きな開口部を、前記蓋154Aが塞いでいる。
ケースC154は、前方側にある本体154に、電源回路基板127と、マイクロ波加熱制御部130を取り付けた基板(図示せず)を取り付けてある。保守点検時には、この蓋154Aを開けて内部にある電源回路基板127や、マイクロ波加熱制御部130の各種点検や修理ができるようにしている。
このケースC154は、加熱室113からの熱の影響を受けないように、加熱室113の背面からできるだけ離して設置されている。また前記底板101Uからも離して設置してあり、万一、下部ケース101内部に、上部ユニット100側から水や調理液などの液体が浸入した場合でも、電気絶縁性を損なうことが無いようにしている。
図7で説明したように、上部ケース16の底壁16Sと下部ケース101の底板101Uとの対向間隔が最も大きい空間が、前記空洞104である。
前記空洞104には、後述するマイクロ波加熱装置120の一部を構成する導波管123が、前記加熱室113の背後において左右方向に長く配置され、前記導波管123よりも後方には、マイクロ波加熱制御部130に電力を供給する回路部品を実装した電源回路基板127の収容用ケースC154が、左右方向に長く配置されている。
図7で説明したように、下部ケース101の前方側に設けた金属板製の前方水平壁101Tは、下部ケース101の前板101F上端を後方に折り曲げて形成したものである。そして、下部ケース101側の支持金具198は、前記上部ケース16に固定されている。
図7と図8において、131は、マイクロ波加熱時の電波漏洩対策として設けているドア開閉検知機構である。
マイクロ波加熱装置の安全性を担保するため、ドア開閉検知機構131の搭載が法的に要求されている。この種の代表的なドア開閉検知機構131は、日本特許第4372099号公報、特開平11-214147号公報等の特許文献で知られている。
前記特許文献によれば、ドア開閉検知機構131として、ラッチスイッチ、ドアスイッチ、モニタースイッチの3種類のスイッチを内蔵させ、これらのスイッチをドアの開閉に連動して、時間差をつけて開閉検知することが提案されている。
また特開平11-214147公報では、第1インターロックスイッチと、第2インターロックスイッチとにより、インバーター回路の電源を開閉し、また、第1インターロックスイッチが短絡故障した時に、電源回路に挿入されているヒューズをOFF状態するため、モニタースイッチを設けることが提案されている。
図7と図8には、この実施の形態1で採用しているドア開閉検知機構131の主要部分を示している。これら図において、132Aは、ラッチスイッチ、132Bは、ドアスイッチである。図示していないが、前記ラッチスイッチ132Aと、ドアスイッチ132Bの何れか一方、又は双方が異常によって開放されない場合、前記インバーター回路基板121のインバーター回路121Aの電源を遮断するモニタースイッチ133(図示せず)も設けてある。
前記ラッチスイッチ132Aは、ドア114側に固定されて突出しているピン134で押されて、内蔵した接点が開閉される。前記ドアスイッチ132Bは、ドア114側に固定されて突出しているピン135に押され、内蔵した接点が開閉される。
136Aは、ドア114の動きをラッチスイッチ132Aに伝える連動棒であり、常にドア側へ復帰するように圧縮バネでドア方向に付勢されている。
136Bは、ドア114の動きをドアスイッチ132Bに伝える連動棒であり、常にドア側へ復帰するように圧縮バネでドア方向に付勢されている。
137は、前記ラッチスイッチ132A、ドアスイッチ132B、モニタースイッチ133(図示せず)、連動棒136A、136B等を、一括して取り付けてある支持板である。この支持板137は、下部ケース101に対して、複数個のネジによって固定されている。ドア開閉検知機構131は、このように支持板137の上に装着された各種スイッチを中心として構成されている。
前記ラッチスイッチ132Aやドアスイッチ132Bの製造過程における取付け位置にバラツキが発生した場合、各々のスイッチを動作させるタイミングが規定値から外れることが懸念させる。そこで、この実施の形態1では、前記支持板137に、ドア開閉検知機構131を取り付け(図34参照)、この支持板137の全体を取外し可能にしている。具体的には、前記したように複数のネジで支持板137に下部ケース101を強固に固定している。製造時やアフターサービス時において、ドア開閉検知機構131の動作確認や調整、交換等を行える。
図7図~図9において、138Aは、インバーター回路基板121を収容したケースA150の上部に形成した連通口、138Bは、ケースA150の上下中間部に形成した連通口である。
前記連通口138Aは、図9に示しているように第3冷却ファン128からの冷却風RF5の一部分を、後述する空間141に案内するものである。
前記連通口138Bは、図9に示しているように第3冷却ファン128からの冷却風RF5の一部分を、後述する空間142に案内し、後述する赤外線式温度センサー160の冷却用に利用している。
温度センサー160は、中空状のセンサーケースと、センサーケースの内部に収納されるセンサー基板と、このセンサー基板の表面に搭載される1つ又は複数個の赤外線検出素子と、この赤外線検出素子に臨んで前記センサーケースに取付け固定されるレンズと、を主な構成要素として構成させている。なお、温度センサー160を、加熱室113の複数個所に設けて広い範囲の温度検知ができるようにしても良く、また温度センサー160の方向を固定せず、自動的にある角度範囲で揺動させて、広い角度の温度を検知させる形態でも良い。例えば、日本の特許文献として特開2018-54250公報には、複数の温度センサーを利用することが提案されている。
図9において、161は、前記温度センサー160を臨ませた検知窓であり、前記温度センサー160の外周面との間に、冷却風が通過するような間隙を形成しても良い。実施の形態1では、数mm程度の間隙が形成されている。
前記加熱室113は、その全体がステンレス鋼板等の金属製薄板によって形成されている。162は、磁器や耐熱性プラスチックで形成された調理皿である。この調理皿162は、加熱室113の前面開口113Aから出したり、入れたりできるような外形寸法に形成されている。
図9において、HVは、前記調理皿162の上面から加熱室113の天井面までの有効高さ寸法である。HXは、調理皿162の上面から加熱室113の中央を上方向に凹ませた凹部113Tの天井面までの最大高さ寸法である。この実施の形態1では、前記有効高さ寸法HVは、94mm、最大高さ寸法HXは100mmである。これは1例であって、本発明はこの寸法の構成に何ら限定されたものではない。
図10において、WHは、加熱室113の内側横幅寸法である。加熱室113は、この内側横幅寸法で前方の開口113Aまで形成してあるので、被調理物やフライパン等の調理器具が挿入できるかどうかを決定する間口寸法とも言える。この内側横幅寸法WHは、310mmである。
163は、加熱室113を外部から加熱する電気輻射式のヒータであり、例えばシーズヒータである。ヒータ163は2つのヒータから構成されている。
163Aは、加熱室113の天井面の上に密着又は近接して固定されている上部ヒータであり、163Bは、加熱室113の底面の下に密着又は近接して固定されている下部ヒータである。
上部ヒータ163Aは、最大火力1200W~最小火力50Wまでの範囲で、多段階の火力を選択できる。また下部ヒータも、最大火力1200W~最小火力50Wまでの範囲で、多段階の火力を選択できる。
図9において、166Rは、前記加熱室113の右側壁面との間に、空隙GP5Rを形成するように垂直に設置された右側仕切板であり、金属製薄板から形成されている。
166Lは、前記加熱室113の左側壁面との間に、空隙GP5Lを形成するように垂直に設置された左側仕切板であり、金属製薄板から形成されている。
加熱室113の左側と右側にある前記空隙GP5L、GP5Rには、断熱材(図示せず)が挿入されており、加熱室113の熱伝導を抑制している。
167は、前記上部ヒータ163Aの上方全体を覆う上部遮熱板であり、金属製の薄板又は耐熱性プラスチックから形成されている。
GP6は、前記上部遮熱板167と上部ヒータ163Aとの間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙GP6は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。上部遮熱板167の周縁部は、前記右側仕切板166R及び左側仕切板166Lとの上端縁を間に挟んだ形で、加熱室113の天井面に密着状態に固定されている。
168は、前記上部遮熱板167と上下対称形の縦断面形状を有する下部遮熱板である。この下部遮熱板は、下部ヒータ163Bの下方全体を覆っており、金属製の薄板又は耐熱性プラスチックから形成されている。
GP7は、前記下部遮熱板168と下部ヒータ163Bとの間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。下部遮熱板168の周縁部は、前記右側仕切板166R及び左側仕切板166Lの下端縁を間に挟んだ形で、加熱室113の底壁面に密着状態に固定されている。
169は、前記上部遮熱板167の上方全体を覆うように、その上部遮熱板167の周辺部に重ねてある上部ケースである。170は、前記下部遮熱板168の下方全体を覆うように、その下部遮熱板168の周辺部に重ねてある下部ケースである。
上部ケース169と下部ケース170は、図9に示すように、縦断面形状が上下対称形状であり、金属製薄板又は耐熱性プラスチックで形成されている。GP8は、前記上部ケース169と上部遮熱板167との間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙GP8は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。
GP9は、前記下部ケース170と下部遮熱板168との間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙GP9は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。
前記空隙GP6の中には、シート又は板状の断熱材175A(図示せず)を配置している。同じく空隙GP8の中には、シート又は板状の断熱材175B(図示せず)を配置している。
前記空隙GP7の中には、シート又は板状の断熱材175C(図示せず)を配置している。同じくGP9の中には、シート又は板状の断熱材175D(図示せず)を配置している。これらの各断熱材175A~175Dは、1層構造ではなく、複数層の重ねてある形態にすると、更に断熱性能が向上する。なお、各断熱材175A~17Dの平面的な大きさ(縦・横寸法)は、少なくとも上部ヒータ163と下部ヒータ163Bの、それぞれの設置範囲よりも大きい。
図9において、171は、前記上部ケース169の上方に、冷却風RF5が流れる通路172を区画形成した仕切板である。前記仕切板171後方壁面上部には、連通口173が開口しており、この連通口173に前記排気ダクト102の入口端部が接続されている。
174は、加熱室113の天井面の後部に形成した連通口であり、この連通口174に前記排気ダクト102の入口部が接続されている。102Eは、冷却風の最終出口となる終端部である。
図10に示しているように、前記排気ダクト102は、上下に2つの独立した内部通路102A、102Bを備えており、その内、上側にある内部通路102Aには、前記インバーター回路基板121を冷却したあとの冷却風RF5が流れる。
また、もう一方の内部通路102Bには、前記加熱室113内部に導入されて温度の上がった冷却風RF6が流れる。
風路の開口面積を絞った冷却風RF5の排出口により、冷却風RF5の風速は大きくなる。このため、排出口付近において冷却風RF6が、前記冷却風RF5によって誘引される。このような作用により、加熱室113内部の気体が、内部通路102Bに吸引される。
これにより、2つの冷却風RF5、RF6が、ともに前記排気口20から加熱調理器1の外部へ効率良く排出される。なお、このような誘引構造を採用せず、排気ダクト102に入る前の上流段階で合流させる方式を採用しても良い。
図10において、180は、前記加熱室113の背面壁(後壁面)113Bに形成した大きな給電口、181は、この給電口180を外側から閉鎖するカバーであり、マイクロ波を透過させる耐熱性プラスチックや耐熱性ガラスから板状に形成されている。カバー181は、背面壁(後壁面)113Bの外側に固定されている。
カバー181は、背面壁(後壁面)113Bに密着している。このカバー181の背面側全体を覆うように、前記アンテナケース124が前記加熱室113の背面壁113Bに固定されている。カバー181は、図10に示しているようにアンテナケース124の前面開口部の内側に挿入されている。
123は、前記カバー181の更に背面側に接続された導波管である。前記アンテナ駆動用のモータ126は、このように導波管123の背面側に、耐熱性シール材184を介して固定されている。
126Aは、アンテナ駆動用モータ126の回動軸であり、前後方向に向けて水平に設置されている。回動軸126Aの自由端側(前方端部)には、前記アンテナ125が固定されている。なお、回動軸126Aは、プラスチックやセラミック材から形成されているが、アンテナ125側から一定の範囲だけを金属製にし、そこからアンテナ駆動用モータ126まではプラスチック、セラミック等の耐熱性と絶縁性に富む材料で形成しても良い。
185は、前記回動軸126Aを中心として、その周囲に所定の寸法で形成されている電波封印室である。この電波封印室は、いわゆるチョーク室構造になっている。また更に効果的なマイクロ波漏洩防止のために、チョーク構造物よりもアンテナ駆動用モータ126に近い側に、電波吸収体(図示せず)を配置し、前記回転軸126Aの周囲からのマイクロ波漏洩防止を図っても良い。なお、マイクロ波加熱装置におけるチョーク構造は、日本の特許文献として、例えば特開2011-174669号公報、特開2010-255978号公報、特開昭63-172828号公報(4分の1波長のチョーク室と電波吸収体の併用)等があるので、詳しい説明は省略する。
図10において、LAは、加熱室113の背面壁(後壁面)113Bを起点にして、前記アンテナ駆動用モータ126の最後尾までの寸法を示している。以後、この寸法を「突出寸法」と呼ぶ。この突出寸法LAを小さくすることが望ましいが、現実には上述したように、アンテナケース124、電波封印室185の寸法も必要であり、アンテナ駆動用モータ126の外形寸法を小さくしても、限界がある。この寸法LAは70mmである。
図10において、GP10は、前記アンテナ駆動モータ126の背面から下部ケース101の傾斜部101Cまでの間の空隙であり、モータ126の上端では69mm、逆に下端と下部ケース101Cとの空隙は、53mm程度である。この空隙GP10の中に、前記ケースC154を配置することは寸法上無理であるため、この実施の形態1では、前記ケースC154を、前記アンテナ駆動モータ126の真後ろ(背後)から右方向にずらして配置している。
これにより、マイクロ波加熱装置120を加熱室113の背後の狭い空間に内蔵させることが可能となった。
次に、ドア114の内部構造について説明する。
図10において、190は、ドア114の外殻を構成する金属製又はプラスチック製のフレームであり、前方側から見ると額縁状に形成されている。192は、内枠であり、金属製板から形成されている。この内枠192の中央部には、覗き窓192Wとなる開口が形成されている。
191は、前記内枠192の前方側全体を覆うように、当該内枠192と前記フレーム190との間に外周縁部を固定されたカバーであり、加熱室113を覗けるように透明な耐熱性プラスチックやガラス等で形成してある。
193は、前記覗き窓192Wに対応する部分に、マイクロ波が透過しない寸法の、無数の小孔を形成した内側シール枠である。この内側シール枠は、全体が金属製薄板をプレス成形して形成され、外周縁部には、加熱室113側に入口(スリット)を形成したチョーク室194を形成している。
195は、金属製の薄板からなるシール板である。このシール板195の外周縁部は、図10に示すように内側シール枠193側に一連に曲がっている。前記チョーク室194は、このシール板195の外周縁部と前記内側シール枠193で囲まれた空間で、前記チョーク室194を形成している。
ドア114を完全に閉じた状態では、前記シール板195の外周縁部と前記内側シール枠193の両者が、前記下部ケース101の前板101F表面に接触した状態となる。そのため、加熱室113内部に供給されたマイクロ波が、このドア114と加熱室113の前面の開口113Aから漏洩しない。
196は、前記内枠192の覗き窓192Wに対応する部分の内側に設けた透明なシール板であり、耐熱性ガラスで製造されている。197は、前記ドア114の上面に沿って、少なくともドア114の横幅と同等な横幅寸法を有する金属製の上部遮蔽板である。この上部遮蔽板197は、ドア114の上面に近接して庇状に設けてあり、かつ下部ケース101に電気的に繋がるよう金属製ネジ等の固定具で下部ケース101に固定されている。
前記ドア114は、その下部が下部ケース101にヒンジ部(図示せず)によって支持されているため、取っ手部115を持って手前に引けばドア114を開けることができる。
このような開放の初期においてドア114と下部ケース101との重合部が、瞬間的に空隙が生じてマイクロ波の一部分が漏洩する懸念があるが、この実施の形態1では、前記上部遮蔽板197によって、そのような不要なマイクロ波の漏洩をドア114の上方で抑制できる。
図12において、201は、前記加熱室113の右側壁面の前方部に形成した導入口であり、マイクロ波が漏洩しないような口径の小さい多数の孔から形成されている。この導入口201を加熱室113の右側壁面の前方部に設けた理由は、ドア114の内側付近へ前記冷却風RF6の一部を供給し、ドア114の覗き窓192Wの曇りを抑制するためである。
前記導入口201には、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却した後の冷却風RF6が、空隙GP5Rによって案内される。
導入口201よりも冷却風RF6の流れで上流側には、前記温度センサー160があり、その温度センサー160の部分で、一部の冷却風RF6は、加熱室113の内部へ吹き出されるので、導入口201に至る冷却風RF6の量は、少ない。しかし、この導入口201から空気を入れている目的は、前記ドア114の内側にあるシール板196の「曇り抑制」であり、少ない風量で何ら問題はない。なお、この温度センサー160の周囲にある狭い間隙から空気を供給することを採用しなくとも良い。
次に、図15に示すブロック図を参照しながら、制御手段の詳細について説明する。
マイクロ波加熱制御部130は、前記インバーター回路基板121のインバーター回路121Aや前記マグネトロン122、アンテナ駆動用モータ126、及び2つの冷却ファン128、129に供給される電力を制御し、それらの動作の開始、停止や動作条件等を制御するものである。
このマイクロ波加熱制御部130の電源回路は、前記電源回路基板55に実装されている電源回路91と別に用意されており、マイクロ波加熱装置120の専用回路である。
マイクロ波加熱制御部130の電源回路は、電源回路基板127の上に実装されている。この電源回路基板127の上には、交流電源を直流に変換する各種電気部品(ダイオード等)が実装され、ケースC154の中に密封状態に収容されている(図7参照)。
マイクロ波加熱制御部130は、前記電力制御部72からの指令信号を受信した場合、その指令信号に応じて、マイクロ波加熱装置120の総電力消費量を減らすように動作し、マグネトロン122の出力を下げるような指令信号を、インバーター回路121Aへ送信する機能がある。
前記マイクロ波加熱制御部130には、マグネトロン122の放熱部122Hの温度を検出する温度センサーTS1を備えている。マイクロ波加熱調理が終わっても、マグネトロン122の放熱部122Hの温度が規定値よりも高い場合には、温度が下がるまで第4冷却ファン129の運転を継続させるための指令信号を当該第4冷却ファン129に対して発信する。
139は、ドア114の閉鎖検知部である。この閉鎖検知部139は、ラッチスイッチ132A、第2ドアスイッチ132B、モニタースイッチ133のいずれかまたは2つ以上の開閉状況を各回路に流れる電流または開閉信号によって検知するものである。
この閉鎖検知部139を構成する回路基板は、前記支持板137に取り付けてあるので、支持板137を取り外して検査したり、設置したまま計測したりして、正常に動作するものであるかどうかの検査ができる(図7参照)。
158は、加熱室113の中に置かれた食品や調理器具等の温度を検出する非接触温度計測部(赤外線温度計測部)であり、前記温度センサー160と、この温度センサーからの計測信号を解析して温度情報に変換する回路(図示せず)等から構成されている。
加熱室制御部159は、前記上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bに供給される電力を制御し、それらの動作の開始、停止や動作条件(火力、すなわち発熱量)等を制御するものである。この加熱室制御部159の制御回路は、制御回路基板(図示せず)に実装されている。
加熱室制御部159は、前記電力制御部72からの指令信号を受信した場合、その指令信号に応じて、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの総電力消費量を減らすように動作し、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163の出力を下げるような指令信号を送信する機能がある。なお、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163の出力を下げるために単位時間あたりの通電率を変化させて実質的な火力を変化させることも行う。
次に加熱調理器1のIHコイル17L、17Rの駆動回路の構成例について説明する。図17の説明上、1つのIHコイル17Rだけを示した回路の例で説明する。
加熱調理器1では、駆動回路74により高周波電力が各IHコイル17L、17Rに供給されることで、誘導加熱動作が行われる。
前記駆動回路74は、IHコイル毎に備える。図17では、IHコイル17Rの駆動回路74の構成例を示す図である。左側のIHコイル17Lでも駆動回路は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
駆動回路74は、図17に示すように、直流電源回路75、インバーター回路81R、共振コンデンサー76、入力電流検出部77aおよび出力電流検出部77bを備える。
入力電流検出部77aと出力電流検出部77bの電流検出データは、制御装置90へ送られる。
入力電流検出部77aは、交流電源99から直流電源回路22へ入力される電流、すなわち駆動回路74へ入力される電流を検出し、検出した値すなわち入力電流値を示す電圧信号を制御装置90へ出力する。99は、商用交流電源である。
直流電源回路75は、ダイオードブリッジ78a、リアクタ78b、平滑コンデンサー78cと、を備え、交流電源99から入力される交流電圧を直流電圧に変換して、インバーター回路81Rへ出力する。
インバーター回路81Rは、スイッチング素子としてのIGBT79a、79bが直流電源回路75の出力に直列に接続された、いわゆるハーフブリッジ型のインバーターである。インバーター回路81Rでは、フライホイールダイオードとしてダイオード79c、79dがそれぞれIGBT79a、79bと並列に接続されている。
インバーター81Rは、直流電源回路75から出力される直流電力を20kHz~80kHz程度の高周波の交流電力、いわゆる高周波電力に変換して、IHコイル17Rと共振コンデンサー76とからなる共振回路に供給する。
共振コンデンサー76を含む共振回路は、IHコイル17Rのインダクタンスおよび共振コンデンサー76の容量等に応じた共振周波数を有する。
このように構成することで、IHコイル17Rには数十A程度の高周波電流が流れ、流れる高周波電流により発生する高周波磁束によってIHコイル17Rの直上のトッププレート15上にある被加熱物5が誘導加熱される。
IGBT79a、79bは、例えばシリコン系からなる半導体で構成されているが、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いた構成でも良い。
スイッチング素子としてのIGBT79a、79bに、ワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子としてのIGBT79a、79bの通電損失を減らすことができる。またスイッチング周波数すなわち駆動周波数を高周波にしても、すなわち高速にスイッチングしても放熱が良好となる。このため、スイッチング素子(IGBT)79a、79bを取り付けたヒートシンク82の放熱フィンを小型にすることができ、駆動部の小型化および低コスト化を実現することができる。
出力電流検出部77bは、IHコイル17Rと共振コンデンサー76とからなる共振回路に接続されている。出力電流検出部77bは、例えば、IHコイル17Rに流れる電流、すなわち駆動回路74から出力される電流を検出し、検出した値に相当する電圧信号を制御装置90に出力する。本構成ではハーフブリッジ型のインバーターで説明したが、IHコイル17Rを駆動する回路は、フルブリッジ型のインバーターでも良い
無線通信部49は、家庭内の家電機器類の電力使用量や運転情報等を統合的に管理している家庭内制御機器(図示せず)と無線通信を行うための無線通信手段であり、無線信号を送受信することができる。前記家庭内制御機器は、インターネット等の公衆無線通信網を介して、スマートホンと呼ばれるような携帯用情報端末やタブレット型端末機器等にも接続できる。
前記無線通信部49は、統合制御装置MCと配線により接続されているが、配線が長いほどノイズの影響を受けやすいため、無線通信部49と統合制御装置MCは近くに配置し、無線通信部49と統合制御装置MCを接続する配線を短くすることが望ましい。
前記したノイズの影響を考えて、この実施の形態1では、無線通信部49は、入力操作部40の右端部に設置してある。具体的には、無線通信部49は操作基板41の右端部に設置してある。また、統合制御装置MCは、入力操作部40の左右中央部に設置してある(図14参照)
無線通信部49は、内部に無線信号を送信または受信、または送受信するアンテナ部を有しており、より無線信号を送受信しやすくするため、無線通信部49のアンテナ部がトッププレート15の直下となるように配置することが望ましい。
(加熱調理器の動作)
次に、上記の構成からなる加熱調理器1の動作の概要を、図18~図24を中心に説明する。
図18は、加熱調理器1の調理開始前の制御動作の全体を説明するためのフローチャートである。
図19は、加熱調理器1における誘導加熱調理時の制御動作を説明するためのフローチャートである。
図20は、加熱調理器1で、誘導加熱調理中にマイクロ波加熱を行う場合の制御動作を説明するためのフローチャートである。図21は、図1の加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。図22は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。図23は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。図24は、加熱調理器1の冷却ファンと、加熱調理の種類との対応関係を示す一覧表である。
図18について説明する。
電源投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、統合制御装置MCの内部にある記憶装置MMに格納されている。
ビルトイン型の加熱調理器1では、電源プラグ106Aは厨房家具2の設置時から常に商用(交流)電源99に接続されているので、使用者は、主電源スイッチ97の操作ボタン98(図15参照)を押して電源を投入する(図18のステップST1)。
すると電源回路基板55の中の直流電源変換部92を介して所定の低い電源電圧が統合制御装置MCに供給され、統合制御装置MCは起動される。統合制御装置MC自身の制御プログラムにより自己の異常有無の診断を開始する。
そして誘導加熱源17を集中制御する制御装置90、加熱室制御部159及びマイクロ波加熱制御部130の異常有無をチェックする。
上部ユニット100の温度検出回路93には、トッププレート15の温度、インバーター回路81L、81R、中央表示部30の近傍等の温度を検知するために合計7個の温度センサーTS3~TS9を接続しているので、それら温度センサーの検出温度は、前記温度検出回路93に伝達される。これによって、制御装置90は、異常の有無を判定できる(ST2)。
また、加熱室制御部159とマイクロ波加熱制御部130においても、温度センサーTS1、TS2からの検出温度を取得して異常有無を判定できる。
ステップST2で「外部に起動情報送信」とあるが、これは無線通信部49から、キッチン等の居住空間にある「統合情報管理装置」又は「統合電力制御装置」等と呼ばれる「家庭内制御機器」(図示せず)に、加熱調理器1の運転開始の予告を行うことをいう。これについては、あとで説明する。
制御装置90には、上部ユニット100に内蔵した主要な構成部分の温度情報が集まるので、制御装置90は、調理開始前の異常監視制御として、異常加熱判定処理を行う。例えば、温度センサーTS7が検出した温度が、中央表示部30における液晶表示画面等の電子素子の耐熱温度(例えば70℃)よりも高い場合、制御装置90は異常高温と判定する。そして、統合制御装置MCに異常を報知し、運転開始できないことを表示したり、報知したりする等の処理を実行する。
異常が発見されない場合、制御装置90は、統合制御装置MCに信号送信する。すると、中央表示部30が起動され、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する(ST3)。
これと同時に、音声合成装置95によって、中央表示部30で表示した内容と同様な内容を音声で報知する(ST3)。
ステップST3では、無線通信部49は、前記「家庭内制御機器」にアクセスし、健康管理に有益な調理メニュー、レシピ情報等の情報を、事前に使用者が設定していた範囲で取得する。例えば、事前にこの加熱調理器1の使用者が、携帯情報端末機器等を使ってインターネット回線経由で「家庭内制御機器」に送信していた情報も、この中央表示部30の起動時に取得できる。なお、何らかの情報を取得した場合には、上部ユニット100の入力操作部40の近くに設けた専用の注意情報ランプ(図示せず)を点灯させて使用者へ報知する。
次に上記のように異常判定が完了したあと、統合制御装置MCは、中央表示部30と音声合成装置95によって、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う(ST4)。
そして、下部ユニット200の加熱源の選択が行われたかどうかを、入力操作部40にある中央操作部40Mの操作情報から制御装置90が判定する(ST5)。
一定の猶予時間(例えば30秒間)内に選択が行われなかった場合、あるいは、ステップST4の直ぐ後で、使用者が左操作部40L又は右操作部40Rの、少なくとも何れか1つを操作した場合、上部ユニットST6の加熱源、すなわちIHコイル17L、17Rだけが選択されたものと判断する(ステップST6で、「Yes」)。
以上のようにステップST6が「Yes」であった場合には、次のステップST10に進む。以後の誘導加熱の制御ステップについては、あとで図19を参照しながら説明する。
一方、ステップST5において、下部ユニット200の加熱源の選択が行われた場合、統合制御装置MCは、下部ユニット200が備えている2つの加熱源のメニュー選択ステップST8に進む。
ステップST8では、図18に示しているように、4つのメニューが前記中央表示部30に一覧状態で表示される。又は一定の順番で順次表示される。
図18のステップST8の段階で表示されるメニューが、下部ユニット200の加熱源を基準にして、以下の4つのメニュー選択部が表示される。
(1)上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの少なくとも何れか一方を使用する調理のメニュー(ST9A)。
(2)上記(1)に加え、マイクロ波加熱装置120を併用する調理メニュー(ST9B)。
(3)マイクロ波加熱装置120を併用する調理メニュー(ST9C)。
(4)上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの少なくとも何れか一方と、マイクロ波加熱装置120の少なくとも何れか一方と、上部ユニット100の誘導加熱源(IHコイル17L、17R)を組わせて使用する調理メニュー(以下、これを「連携調理メニュー」という)(ST9D)。
なお、ステップST10の段階から破線にてステップST9Dに進むルートが示されているが、このように上部ユニット100の加熱源を選択しようと操作を進めたあとで、途中から連携調理の方が良いと分かった場合には、前記ステップST5に戻ることなく、連携調理のメニューを選択できるようにしても良い。また、これと同様に、途中から連携調理に進めることができるよう別の機会で連携調理を選択できるようにしている。これについては、次の図19で説明する。
図19は、誘導加熱のメニューを選択したステップ(ST11)以後の、統合制御装置MCの動作ステップを示したものである。
次に、誘導加熱時の制御動作について図19を参照しながら説明する。
なお、以下は右側の加熱部を使用する例で説明する。
右側にある入力キー45Rに触れると、制御装置90は加熱準備動作を使用者が指令したと判定する。
IHコイル17Rの上方に被加熱物(金属製の鍋やフライパン等)が載置されているか否か、または被加熱物の底部面積が所定値より大きいか否かが推定され、この推定結果が制御装置90に伝達され、標準の径の鍋に適する加熱処理にするか大径鍋に適する加熱処理にするか等が決定される(ステップMS1)。
適合鍋であるが大径鍋である場合、あるいは加熱不適合等の場合は、標準鍋とは別の処理になる。
制御装置90からの指令を受けて、統合制御装置MCは、中央表示部30の表示画面に対し、希望する調理の「制御モード」を選択するように促す表示をする(MS2)。
使用者が調理の「制御モード」や火力、調理時間などを入力操作部40で選択、入力した場合(MS3)、本格的に誘導加熱動作が開始される(MS4)。
中央表示部30に表示される「制御モード」(制御メニュー)としては、「高速加熱」、「揚げ物」、「湯沸し」、「予熱」、「炊飯」、「茹で」、「湯沸し+保温」、「連携加熱」という8つである。
使用者がこれら8つの制御モードの中の何れか一つを選択した場合、それら制御モードに対応した制御条件が制御装置90の内蔵プログラムによって自動的に選択され、IHコイル17Rの通電量(火力)、通電時間などが設定される。調理メニューによっては使用者に任意の火力や通電時間等を設定するように促す表示を表示部に行う(MS5)。
以上のような表示を行ってから一定の時間(例えば、30秒)内に、使用者がキー45Rを操作しない限り、その時間経過後、制御装置90は誘導加熱回路94Rのインバーター回路81Rを駆動し、誘導加熱を開始する(MS6)。
「大径鍋」の場合も基本的には上記ステップMS1~MS7と同様であるが、制御モードとしては、図19に示した8つの制御モードの一部は選択できない。「高速加熱モード」は、左側にある大径のIHコイル17Lを使って、「通常鍋」又は「大径鍋」だけの場合しか加熱できない。なお小型鍋とはこの実施の形態1では鍋底面の直径が10cm未満のものをいい、誘導加熱に適さないものとして検知され、誘導加熱できない。
次に、誘導加熱とマイクロ波加熱などのように、異なる種類の加熱源を2つ以上同時に使用した場合の、統合電力制御動作について図20~図22を参照しながら説明する。なお、これら図20~図22で説明する例は、前記した「連携調理」の場合ではない。
図20に示した例は、最初に上部ユニット100で誘導加熱調理を行っている期間中に、使用者が下部ユニット200の加熱室113を使って、マイクロ波加熱を行おうとした場合である。なお、誘導加熱調理を行っている期間中に、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの両方又は何れか一方を使用して、オーブン調理やグリル調理等を行う場合でも、この図20で説明したような基本的な(加熱調理器1全体での)総電力制御が、統合制御装置MCと電力制御部72によって行われる。
誘導加熱調理を行っている期間中に、使用者が下部ユニット200の加熱室113を使って、マイクロ波加熱を行おうとすると、最初に入力操作部40の中央操作部40Mで、下部ユニット200の加熱源を選択する方法がある。
しかしながら、簡単に行う方法はそのままドア114を開けることである。つまり、この実施の形態1では、上部ユニット100が運転されている場合(主電源スイッチ97がON状態である場合)は、そのまま下部ユニット200による調理を開始できる。従って。上部ユニット100のような主電源スイッチ97を入れる操作は必要ではない。
ドア114を開けると、ドア開閉検知機構131の主要部分で説明したように、ドア114の開閉に応じて開閉されるラッチスイッチ132Aとドアスイッチ132Bがあるので、前記主電源スイッチ97を投入した段階で、前記ラッチスイッチ132Aとドアスイッチ132Bの双方又は何れか一方の開放を、統合制御装置MCが適当な手段(センサーやスイッチ等で)監視していれば良い。
図20において、上記したように加熱室113のドア114が開放されたことを示す信号を受信した場合、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱のメニューに対応した火力(消費電力)を、使用者に確認する(ステップS2)。例えば、食品等を加熱室113の中に入れて、ドア114を閉めたことを検知した場合、使用者に対して音声ガイド等で「火力を設定して下さい」のような照会をする。
使用者が、中央操作部40Mで火力を入力した場合には、次のステップS3に進む。
又は、使用者が単に「加熱開始」という指示を中央操作部40Mで行った場合、マグネトロン122で定まっている定格消費電力値に、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129等の消費電力も反映して事前に分かっている消費電力値を使用し、統合制御装置MCはステップS3において総電力規制値を超過するかどうかの判定を行う。
例えば、先に開始している誘導加熱調理の火力値や第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の消費電力量もデータとして統合制御装置MCは保有しているので、上部ユニット100の消費電力とマイクロ波加熱装置120の消費電力の合計値が算定できる。なお、統合制御装置MCが、中央操作部40Mの操作があった段階で、インバーター回路81の消費電力データを取得しても良い。
ステップS3が「Yes」の場合には、稼働しているIHコイル17Rの出力を下げるか、マイクロ波加熱の火力の何れかを下げる必要ある。ステップS3では、誘導加熱の調理メニューと制御モードから、その時の誘導加熱の調理の優先度を判定する。例えば、上部ユニット100で炊飯を行っている場合には、その炊飯を優先し、上部ユニット100の加熱源の火力を削減しない。
また、上部ユニット100で「揚げ物」を行っている場合には、その揚げ物は、食材の投入等に合わせて食用油の温度が過度に低下しないように自動的に火力を増加させる制御を行っているので、このような場合も、上部ユニット100の加熱源の火力を削減しない。
ステップS5で、誘導加熱が優先すると判定された場合、マイクロ波加熱の電力消費量を減らすため、マイクロ波定格出力が仮に600W(消費電力が1000W)であった場合、消費電力を一時的に下げて、例えば出力300Wにする。そして、このような制限を行うことを使用者に報知する。報知は、中央表示部30と音声合成装置95によって行う(S6)。
そして、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に指令信号を出し、マイクロ波加熱を低火力で開始する(S7)。
加熱室113の中に置かれた食品や調理器具等の温度を検出する非接触温度計測部(赤外線温度計測部)158を有しているので、食品が加熱されて、目標温度に至ったかどうかを、マイクロ波加熱制御部130は監視している(S8)。
目標温度に到達しない場合には、上部ユニット100の誘導加熱動作が終了したかどうかの判定をする(S9)。目標温度に至るまでは上記ステップS8、S9が繰り返し行われる。
目標温度に至った場合には、マイクロ波加熱制御部130から統合制御装置MCに信号を出る。すると次のステップS12に進み、マイクロ波加熱が終了した旨を報知する。
誘導加熱が終了した場合、ステップS10に進み、マイクロ波加熱制御部130に対して指令を出し、初期に使用者が意図した設定火力に復帰させてマイクロ波加熱を継続させる(S10)。そして、被加熱物の温度の監視を継続させる(S11)。
そして、目標温度に至った場合には、マイクロ波加熱制御部130から統合制御装置MCは信号受け、ステップS12に進み、マイクロ波加熱が終了した旨を報知する。
この図20に示した例では、被加熱物の温度を監視し、目標温度になった場合に、マイクロ波加熱を終了させていた。しかし、マイクロ波の照射時間を計測し、設定した時間が経過したときに調理を終了させる制御方法もあるので、次に図21を説明する。
図21は、マイクロ波の照射時間で調理を終了させる制御方法を採用している場合の例である。
ステップS6までは図20と同じなので説明は省略する。
マイクロ波加熱制御部130は、ステップ7でマイクロ波加熱を開始する場合、マグネトロン122の出力を、ある値まで下げた場合の加熱時間の補正(延長)を算出する。そして、ステップS8では、その延長後の時間を「設定時間1」と決めて(S8)、ステップ9、ステップ8を繰り返す。
その過程で、上部ユニット100の誘導加熱が終了した場合、加熱開始(ステップS7)からの経過時間も考慮し、再度運転所要時間(設定時間2)を計算し直す。
そして、設定時間2を経過した場合、マイクロ波加熱を終了し、これを報知する(S12)。なお、この設定時間2が経過するまでの間、非接触温度計測部(赤外線温度計測部)158による温度監視を併用しても良い。
次に図22と図23について説明する。
図22と図23は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。この図22と図23に示した例は、最初に上部ユニット100で誘導加熱調理を行っている期間中に、使用者が下部ユニット200の加熱室113を使って、マイクロ波加熱を行おうとした場合である。この場合でも、図20で説明したような基本的な(加熱調理器1全体での)総電力制御が、統合制御装置MCと電力制御部72によって行われる。
図22と図23では、図20、図21とは異なり、統合制御装置MCとマイクロ波加熱装置120、IHコイル17L、17Rやインバーター回路81等からなる誘導加熱装置と、の3者の間の信号の授受も示している。
図22、23において、L1~L10は、各動作信号や指令信号等の発生タイミングを示している。上部ユニット100で、主電源スイッチ97を入れると、起動信号が統合制御装置MCに送信される(L1)。
その後、入力操作部40においてIHコイル17L、17Rの火力や制御モード等(図19のステップMS2、MS3参照)を決定すると、その内容を示す情報が統合制御装置MC経由に送信される(L2)。つまり、誘導加熱時の最大火力や運転時間等の条件を示す情報を、統合制御装置MCから制御装置90が受ける。そして入力操作部40から誘導加熱開始指令があれば、制御装置90は、誘導加熱回路85L、85Rによって加熱動作を開始させる。
このようにして誘導加熱調理が開始された場合で、マイクロ波加熱も開始されるケースについて説明する。なお、誘導加熱は、左側のIHコイル17Lの最大火力3200Wで開始されたものと仮定する。
使用者がドア114を開けると、図20で説明したようにラッチスイッチ132Aとドアスイッチ132Bの双方又は何れか一方が開放するので、これを監視しているセンサー(図示せず)から、ドア114の開放を示す信号が統合制御装置MCに送信される(L3)。
使用者が、中央操作部40Mで火力を入力した場合には、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に運転開始の指令信号を出す。そして次のステップS3に進む。
又は、使用者が単に「加熱開始」という指示を中央操作部40Mで行った場合、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に運転開始の指令信号を出す。
マイクロ波加熱制御部130側で何の異常もなければ、統合制御装置MCに対して、マイクロ波加熱制御部130から調理開始の「予告信号」が発信される(L4)。
次に統合制御装置MCからの情報を受けて電力制御部72は、マグネトロン122で定まっている定格消費電力値に、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129等の消費電力も反映して事前に分かっている消費電力値を使用して、マイクロ波加熱と誘導加熱を同時に行った場合の、消費電力の合計値を求め、この合計値が総電力規制値を超過するかどうかの判定を行う(図20、図21のステップS3と同じ)。そして結果を、統合制御装置MCへ送信する。
ステップS3が「Yes」の場合には、稼働しているIHコイル17Rの出力を下げるか、マイクロ波加熱の火力の何れかを下げる必要ある。次のステップS4では、統合制御装置MCは、誘導加熱の調理メニューと制御モードから、その時の誘導加熱の調理の優先度を判定する。
この図22の例では、マイクロ波加熱が優先すると設定されている場合であるから、マイクロ波加熱の火力を削減しない。
ステップS5で、マイクロ波加熱が優先すると判定された場合、誘導加熱の電力消費量を減らすため、マイクロ波加熱制御部130に対して、IHコイル17Rの目標火力を下げる制御を指令し、消費電力を一時的に下げる。このような制限を行うことを使用者に報知する。報知動作は、中央表示部30と音声合成装置95によって行う。
そして、マイクロ波加熱制御部130は、マイクロ波加熱を低い火力に変更するようにインバーター回路81Rに指令する(L5)。
インバーター回路81R側での電力削減処理が終わると、マイクロ波加熱制御部130は、入力電流検出部77aと出力電流検出部77bの電流値から、電力削減されたことを判別する。そして電力削減完了した旨を統合制御装置MCへ送信する(L6)。この送信を受けて、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱装置120に対して加熱動作開始の許可信号を送信する(L7)。
インバーター回路121Aには、上部ユニット100のインバーター回路81Rで使用している入力電流検出部77aや出力電流検出部77bのような、電流検出部(図示せず)がある。
そのため、マイクロ波加熱が終了した場合、インバーター回路121Aの電流検出値から、マイクロ波加熱制御部130は加熱動作終了したことを判別し、加熱動作を統合制御装置に特定の信号で通知する(L8)。また、マイクロ波加熱は、タイマー設定によってある時間だけ行われる場合もあり、その場合は、その時間経過をマイクロ波加熱制御部130が検知して、加熱動作終了したことを通知する(L8)。
統合制御装置MCはマイクロ波加熱が終了したあと、使用者が最初に希望した設定火力に復帰させるようにマイクロ波加熱制御部130に対し、指令信号を出す(L9)。そして火力を最初の目標レベルまで上げて誘導加熱を継続させる(S10)
そして、設定した調理時間や目標温度に至った場合には、マイクロ波加熱制御部130は、誘導加熱を終了させる。そして運転終了した旨を統合制御装置MCに報知する(L10)。
(誘導加熱調理の基本動作)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器1において、誘導加熱を行う場合の、各部分の基本動作について説明する。
入力操作部40において、誘導加熱調理の開始が指令されると、制御装置90は、指定された加熱部に対応する誘導加熱回路85、85Rに対して駆動指令を出し、IHコイル17L、17Rのインバーター回路81L、81Rを駆動する。
冷却ファン駆動回路62に対して制御装置90から運転指令信号が出される。
インバーター回路81L、81Rの駆動開始と同時、又は少し遅れたタイミングで、前記第1冷却ファン60と、第2冷却ファン61の運転を開始する。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の送風能力は固定したものでなくとも良い。例えば、ヒートシンク82の温度センサーTS8と、中央表示部30の近傍の温度を検知する温度センサーTSの温度に応じて、弱運転から強運転の間で自動的に送風能力を変更しても良い。
一般的に冷却ファンを、弱運転から強運転に変更すると、ファンの風切り音が大きくなるため、ノイズとなる懸念がある。そこで、2つの温度センサーTS7、TS8による検出温度と、冷却ファン60、61の運転強度を、事前の送風試験等のデータから、対応表(データテーブル)にして決定しておき、この対応表を制御装置90の記憶装置90Rに記憶させておく。そしてそのデータテーブルに従って制御装置90が、随時第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の運転条件を、変更するようにしても良い。
第1冷却ファン60が運転されると、第1冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64から空気が吸引される。吹出口60Aから図14に矢印で示すように冷却風RF1が第1風路F1に押し込まれる。
第2冷却ファン60が運転されると、第2冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64から空気が吸引される。吹出口61Aから図14に矢印で示すように冷却風RF2が第2風路F2に押し込まれる。
第1冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64と、第2冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64とは、上部ケース16の底面において隣接して個々に設けているが、多数の小孔群を設けて、その小孔群を共用しても良い。
インバーター回路基板80の上面には、ダイオード79c(図17参照)や、その他電気部品が実装されているが、それらは前記冷却風RF1により冷却される。
1つのIHコイル17Lには、2つのIGBT79a、79bを使用している。これら2つのIGBTを総称して、電力制御用スイッチング素子83と呼んでいる。
また、もう1つのIHコイル17Lにも、同様に電力制御用スイッチング素子83を使用している。
それら2つの電力制御用スイッチング素子83は、誘導加熱動作時に発熱するが、前記冷却風RF1によって連続的に冷却される。
前記冷却風RF3は、入力操作部40に配置された入力操作を受ける各種スイッチ、液晶表示画面、表示部駆動回路63等の部品を冷却しながら、右側方向に進む。
冷却風RF1は、カバー70の出口FOを出た段階で、上方に方向を変えるものがあるが、前方側から合流する冷却風RF2の勢いもあるため、冷却風RF3のようにカバー70の上を左側に反転して進行するものと、冷却風RF4に示すようにフィルター回路基板54の方向に進行するものに大きく分かれる。
冷却風RF3は、右側のIHコイル17Rの下方を流れて、その後左側のIHコイル17Lの真下まで流れる。この過程においてそれら2つのIHコイル17R、17Lを冷却する。一般にこの種のIHコイルは、誘導加熱動作時に250℃~300℃付近まで温度が上昇する。そこで、上記のように2つの冷却風RF1、RF2を合わせた冷却風RF3で冷却する。
図13、図14で説明したように、排気窓52Aは、左右の中心線CL1から左側の範囲に、符号LFで示す長さだけに存在している。そのため、冷却風RF4は前記フィルター回路基板54を通過した後は左側方向に進行し、貫通孔53Aを通過し、排気窓52Aから排出される。
IHコイル17L、17Rを冷却した冷却風RF3も、最終的な排気口となる排気窓52Aの方向に向きを変えて進み、貫通孔53Aを通過し、排気窓52Aから排出される。
これによって上部ケース16内部を流れる冷却風RF3、RF4は、排気口20に到達する。そして排気カバー19から室内へ放出される。
排気窓52Aを、前記フィルター回路基板54から離れた位置だけに設置しているため、運転中に排気カバー19の上に、鍋等から溢れた調理液や水(以下、これらを「異物」という)が流れた場合でも、当該異物が前記排気口20を通過して前記フィルター回路基板54まで至ることを防止できる。このため、漏電や故障の原因になることを防げる。なお、前述したように前記フィルター回路基板54と空隙GP1との間は、前記排気窓52Aの部分を除き、仕切板52によって分離されている。なお、ここでいう「分離」とは、空気の流通を完全に遮断できるような分離ではなく、上方から滴加又は流下した異物の侵入が阻止できる程度の分離をいう。
(マイクロ波加熱調理の基本動作)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器1において、マイクロ波加熱を行った場合の、各部分の基本動作について説明する。
前記主電源スイッチ97をONにした場合、上部ユニット100において実際に誘導加熱調理を実行していなくても、そのままマイクロ波調理を開始できる。しかし、主電源スイッチ97を一旦OFFにした場合には、マイクロ波加熱調理を開始するためには、最初に主電源スイッチ97を入れる必要がある。
安全上、前記主電源スイッチ97は、マイクロ波加熱、オーブン(加熱室113)加熱及び誘導加熱の何れかを使用が終了した最後のタイミングから、一定時間(例えば、30分)後に自動的にリセットされて開放される。または、トッププレート15や加熱室113等の温度が全て規定値以下に下がった場合に、主電源スイッチ97は、自動的に開放される。このような安全対策を採用している。
次に、ドア114を開けて、食品等の被調理物を加熱室113に入れ、ドア114を占めた後で、入力操作部40において、マイクロ波加熱調理の開始が指令されると、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に対して駆動指令を出し、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129の運転を開始させる。
マイクロ波加熱制御部130は、マグネトロン122のインバーター回路121Aを駆動して、発振部122Aからマイクロ波を放射させる。なお、ここでいうマイクロ波とは、2450MH±50MHzの電波のことである。
発生したマイクロ波は、導波管123からアンテナケース124の中に導かれる。アンテナ125の駆動用モータ126は、マイクロ波が発振されたタイミングで運転開始しているので、アンテナケース124の中に導入されたマイクロ波は、回転するアンテナ125と、回転軸126Aの作用により、加熱室113の内部に均等に伝搬させることができる。なお、この種のアンテナと回転軸126Aの作用は、例えば日本特許第4836965号及び特許第5674914号によって詳細に説明されているので、詳しい説明は省略する。
第3冷却ファン128が運転されると、下部ケース101の底板101Uに形成した吸気口F152Fから空気がケースA150の内部に吸引され、冷却風RF5となる。そして冷却風RF5は、最初にインバーター回路基板121を冷却し、当該回路基板に実装している各種電気部品を冷却する。
冷却風RF5は、次にケースA150の上下2個所に設けた連通口B138Bと連通口A138Aの中を通過し、連通口B138Bを通過した冷却風RF5は、温度センサー160の背面に当る。
温度センサー160は、右側仕切板166Aの取付孔の中に設置してある。温度センサー160の外殻ケースと取付孔の口縁との間には、数mm以下の微小な間隙が存在する。この間隙を、前記冷却風RF5が通過して、温度センサー160の検知窓161から加熱室113内部へ吹き出される。
一方、インバーター回路基板121を冷却した冷却風RF5の大部分は、連通口A138Aの方から通路172へ案内される。つまり、加熱室113の上方を覆っている上部ケース169と、仕切板171との間に形成された通路172へ案内される。この通路は、加熱室113の上方にある上部ヒータ163Aが300℃を超えるような高温になっても、その高熱を上部ユニット100側へ伝わらないようにする効果がある。
連通口A138Aから連通口173の位置を平面的に見ると、通路172を斜め後方に横切った位置に連通口173がある。つまり、最も遠い位置に連通口がある。
このため、通路172の全体の空気は連通口173に案内され、連通口173を通過して後方に水平に伸びる排気ダクト102の中に導入される(図10参照)。
冷却風RF5は、排気ダクト102を出た段階で、下側から上昇してくる冷却風RF6と合流して、排気口20から室内へ放出される。
次に、第4冷却ファン129による冷却風RF6の流れについて説明する。
第4冷却ファン129が運転されると、図8に示したように下部ケース101の底板101Uに形成した吸気口B152Bから空気がケースA151の内部に吸引され、冷却風RF6となる。そして冷却風RF6は、最初にマグネトロン122の放熱部122Hを冷却し、当該放熱部122Hを通過してダクト153の中に至る。
冷却風RF6は、次にダクト153から加熱室113の右側に隣接している空隙GP5Rに入り、前方側へ進む。そして図12に示したように導入口201から加熱室113の中に導入される。
前記導入口201は、加熱室113の開口113Aに近い位置にあるため、冷却風RF6の一部は、ドア114の内側にも到達し、シール板196の加熱室113側に生ずる曇りを解消させる。
加熱室113の中に導入された冷却風RF6は、加熱室113の内部で食品等の被加熱物から発生する水蒸気や煙等を排出する目的がある。具体的には、冷却風RF6は、図10に示しているように加熱室113の前部から後方に移動し、最終的には後部の天井部に形成された連通口174に至る。
冷却風RF6は、連通口174から後方に水平に伸びる排気ダクト102の中に導入される。そして冷却風RF6は、排気ダクト102を出た段階で、冷却風RF5の上昇気流に誘引されるように合流して、排気口20から室内へ放出される。
冷却風RF5と冷却風RF6の最初の風量が同等であった場合でも、この実施の形態1のような経路の違いによって、冷却風RF5の方がダクト102から放出される際、風速が早かった。そのため、下方から放出された冷却風RF5を誘引する作用がある。
冷却風RF5、RF6を排気ダクト102から強制的に放出するため、排気ダクト102の途中に排気ファンを設けても良い。この実施の形態1では、そのような排気ファンを省略しているので、コスト的に安価で実現でき、また上部ユニット100内部への部品配置を考える上で有利である。
(オーブン加熱調理の基本動作)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器1において、オーブン加熱装置140の基本動作について説明する。
前記主電源スイッチ97をONにした場合、統合制御装置MCは、何らかの調理が開始されるものと推定して予備起動する。このため、上部ユニット100において実際に誘導加熱調理やマイクロ波加熱調理を実行していなくても、そのままオーブン加熱調理を開始できる。しかし、主電源スイッチ97を一旦OFFにした場合には、オーブン加熱調理を開始するためには、最初に主電源スイッチ97を入れる必要がある。
次に、ドア114を開けて、食品等の被調理物を加熱室113に入れ、その後入力操作部40の中央操作部40Mにおいて、加熱室113を使用した調理メニューを選択する。例えば、魚や肉を焼き上げる調理の場合には、加熱時間や火力を設定する。但し、自動的に焼き上げるメニューを選択した場合には、火力は加熱室制御部159によって自動で設定される。
加熱室制御部159は、統合制御装置MCからの指令信号を受けて、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの通電の有無、通電の時間帯、通電パターン(間欠加熱)、火力等を制御する。
温度センサーTS1は、加熱室113の中の温度を赤外線信号で検知し、検知温度データを前記加熱室制御部159に送信する。加熱室制御部159は、目標温度と検出された温度との差を見て、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの双方、又は何れか一方の通電を制御する。
また、タイマー調理の制御方法が中央操作部40Mで入力された場合、設定時間だけ上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの双方、又は何れか一方の通電が行われる。つまり、加熱室制御部159は、温度センサーTS1の検知温度データでは、通電を制御しない。
ドア114を閉めた後で、入力操作部40の中央操作部40Mにおいて、オーブン(加熱室113)加熱調理の開始が指令されると、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に対して駆動指令を出し、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129の運転を開始する。なお、加熱室制御部159から直接第3冷却ファン128と第4冷却ファン129に駆動指令信号を出すようにしても良い。
第3冷却ファン128が運転されると、下部ケース101の底板101Uに形成した吸気口F152Fから空気がケースA150の内部に吸引される。しかし、マイクロ波加熱調理の場合と異なり、インバーター回路基板121の発熱はない。そのため冷却風RF5は、インバーター回路121基板を冷却することなく、連通口B138Bと連通口A138Aの中に、それぞれ入る。
そして、連通口A138Aの中を通過した冷却風RF5は、温度センサー160の外殻ケースと取付孔の口縁との間の間隙から検知窓161を経て、加熱室113内部へ吹き出される。
一方、連通口A138Aを通過した冷却風RF5は、通路172へ案内される。そして、上部ケース169を冷却しながら連通口173に至り、その後は排気ダクト102の中に導入される(図10参照)。
一方、第4冷却ファン129による冷却風RF6は、マグネトロン122の放熱部122を通過し、ダクト153の中に至る。しかし、マグネトロン122は駆動されていないので、発熱していない。そのため、冷却風RF6は殆ど温度上昇せずに空隙GP5Rに入る。
そして冷却風RF6は、図12に示したように導入口201から加熱室113の中に導入される。そのため、ドア114の内側部分に冷却風RF6が到達する。
加熱室113の中においた食品等の被調理物は、上部ヒータ163A又は下部ヒータ163Bの輻射熱により水蒸気や油煙等を発生する場合がある。そのような水蒸気、油煙等は、図10に示しているように加熱室113の前部から後方に移動する冷却風RF6によって連通口174まで運ばれる。
その後、冷却風RF6は、連通口174から後方に水平に伸びる排気ダクト102の中に導入される。そして、冷却風RF6は排気ダクト102を出た段階で、上方へ上昇していく冷却風RF5に誘引されながら、排気口20を通過して室内へ放出される。
以上説明した実施の形態1では、主電源スイッチ97をONにしたあと、統合制御装置MCが、ある段階まで加熱調理器1の全体の状況し、その後、仮に左操作部40L又は右操作部40Rが操作された場合には、以後の誘導加熱制御を制御装置90に委ねていた。しかしながら、統合制御装置MCが制御する範囲を、制御装置90との間で変更しても良い。
また、同様に統合制御装置MCが制御する範囲を、加熱室制御部159やマイクロ波加熱制御部130との間で変更しても良い。
例えば、誘導加熱、マイクロ波加熱又はオーブン(加熱室)加熱の何れかの調理メニューの選択がされた以後は、制御装置90、加熱室制御部159又はマイクロ波加熱制御部130の何れかで基本的に加熱に関する制御動作をすることでも良い。
その場合、入力操作部40にて新たな入力が行われた場合(加熱停止を含む)には、一旦は統合制御装置MCにて制御するが、入力が行われない場合には、そのまま制御装置90、加熱室制御部159又はマイクロ波加熱制御部130の何れかで調理を実行させることで良い。
具体的な例について、図25を参照して以下説明する。
図25は、加熱調理器1において、誘導加熱調理の1種である揚げ物調理(自動)を行った場合の制御装置90の動作を説明したフローチャートである。
誘導加熱調理の調理メニューにおいて、「揚げ物(自動調理)」が選択された場合、鍋の中に入れた食用油の温度は、温度検出回路93によって監視され、自動的にIHコイル17L、17Rの火力は制御される。
揚げ物調理(自動)の制御モードを使用者が選択すると、制御装置90は、図25に示すように、予熱工程、揚げ物調理工程、火力アップ工程を順次実行する。また前記中央表示部30の表示画面には、必要な情報、参考情報(例えば、予熱に要する予想時間など)を示す情報が文字や図形等で現れる。また電力制御部72によって電力が制限(抑制)されない優先調理である旨も、表示される。
このため、この揚げ物調理中には、マイクロ波加熱やオーブン加熱の使用があっても、電力が優先的に確保されることが使用者に認識できる。
予熱工程では、使用者が設定した目標の油温度が180℃である場合、予熱工程では所定の火力値(最大1500W)で、インバーター回路81R(又は81L)が駆動開始され、急速に油の温度は室温(例えば20℃)から目標温度T1の180℃まで上昇する。
この温度上昇は、前記した温度検出回路93によってリアルタイムで監視されているので、目標温度T1(第1の温度)の180℃になったことが温度検出回路93によって検出されると、制御装置90は、誘導加熱量、つまりインバーター出力を調節して、目標温度をそのまま維持しようとする(このような温度検出情報に基づいて、目標温度に近づけようと高周波火力を自動的に調節する動作を以下、「温度フィードバック制御」という)。
その後、統合制御装置MCへ表示要請指令を出し、音声合成装置95を介して使用者に「油の温度が適温になりました。具材を投入してください」というような音声ガイドを行う。
使用者が具材、例えば冷凍されていたコロッケを油の中に入れると、その油は冷たい具材によってその投入時点から急速に冷やされるので、図25に示すように温度が急降下する。しかし、温度検出回路93はこのような温度降下の動きを監視しているので、直ちにインバーター回路81R(81L)の火力を所定の火力1500W又は1800Wに上げて駆動するので、油の温度は再び上昇する(温度フィードバック制御)。このようにしてして再び目標温度T1に至った段階で直ちに(または所定時間経過したら)揚げ物工程から火力アップ工程に移行する。
火力アップ工程では、前記目標温度T1よりも高い第2の温度T2の225℃と、これより更に高い上限温度(第3の温度)T3の230℃間に油の温度が維持されるように制御装置90はインバーター回路81R(81L)を制御する。
図25に示すように火力値は900W程度で間欠駆動される。この第3の温度T3になった以降の工程を「揚げ物仕上げ工程」と呼び、揚げ物をカラッと仕上げるために重要な工程である。このような火力アップ工程で十分な火力を投入して調理しないと、揚げ物がうまくできないことになる。なお、揚げ物工程は所定の時間内に制限されていないので、使用者が入力キー44R(又は入力キー45L)を押下すれば、揚げ物調理は全て終了する。
図25に示すように(自動)揚げ物調理の制御モードにおいて、前記揚げ物調理工程から火力アップ工程までを「優先調理メニューの実行時間帯」と定義しており、この実行時間帯には、他の加熱源の開始や運転条件変更によって、電力の削減が行われないようにしている。つまり、この誘導加熱の制御装置90は、実行中の調理メニューが、前記「優先調理メニューの実行時間帯」にあるかどうかを常に把握し、もしその実行時間帯にある場合には、その旨を外部に報知する機能を有している。
以上の説明で明らかなように、特定の制御モードに入った場合には、その都度統合制御装置MCが制御装置90に対して制御信号を発することなく、制御モードの開始から完了までを全てその制御装置90の制御に委ねている。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1の加熱調理器は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100に取り付けられ、加熱室113を内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、を配置し、
前記上部ユニット100には、前記誘導加熱源、前記マイクロ波加熱装置120及び前記オーブン加熱装置140の3者を集中して制御する統合制御装置MCを備え、
前記上部ユニット100には、前記統合制御装置MCによって制御される誘導加熱回路94L、94Rと、商用電源99からの電力を受けるフィルター回路を実装したフィルター回路基板54と、このフィルター回路基板54からの電力を受ける(第1の)インバーター回路81を実装したインバーター回路基板80と、を有し、
前記下部ユニット200には、前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波加熱制御部130と、前記オーブン加熱装置140の加熱室制御部159と、前記フィルター回路基板54からの電力を受ける(第2の)インバーター回路基板121Aとを配置し、
前記上部ユニット100のフィルター回路から、前記マイクロ波加熱装置の制御部130と、前記オーブン加熱装置140の、それぞれの加熱源用電力を供給する構成である。
従ってこの構成によれば、上部ユニット100と下部ユニット200に、3種類の加熱源を備えていることにより、従来よりも幅広い複合調理を行うことができる。
また、総合制御装置MCのよる集中制御により、上部ユニット100と下部ユニット200にそれぞれ配置したインバーター回路基板を連携させることができ、また上部ユニットのフィルター回路から加熱用電力を3つの加熱源に分配し、商用電源側にノイズの還流も低減できる加熱調理器を提供できる。
さらに、この実施の形態1の加熱調理器は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100に取り付けられ、加熱室113を内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、を配置し、
前記上部ユニット100には、前記誘導加熱源17、前記マイクロ波加熱装置120及び前記オーブン加熱装置140の3者を集中して制御する統合制御装置MCを備え、
前記上部ユニット100には、前記統合制御装置MCによって制御される誘導加熱回路94L、94Rと、商用電源99からの電力を受ける電源回路基板55と、(第1の)インバーター回路81を実装したインバーター回路基板80と、を有し、
前記下部ユニット200には、前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波加熱制御部130と、前記オーブン加熱装置140の加熱室制御部159と、(第2の)インバーター回路基板121とを配置し、
前記電源回路基板55は、前記(第1の)インバーター回路81を冷却する冷却ファン60の冷却風通路(第1風路F1)の下流側に配置されており、
前記マイクロ波加熱装置の制御部130と、前記オーブン加熱装置140は、前記上部ユニット100のフィルター回路基板54から、それぞれの加熱源用電力を供給する構成である。
従ってこの構成によれば、上部ユニット100と下部ユニット200に、3種類の加熱源を備えていることにより、従来よりも幅広い複合調理を行うことができる。
また、総合制御装置MCによる集中制御により、上部ユニット100と下部ユニット200にそれぞれ配置したインバーター回路基板80、121を連携させることができる。
更に、フィルター回路基板54から分岐させて3つの加熱源に加熱用の電力を分配する構成とし、かつ第1冷却ファン60の冷却風通路(第1風路F1)の下流側にフィルター回路基板54が配置されているため、フィルター回路基板54の過熱も防止できる。
さらに、この実施の形態1の加熱調理器は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100に取り付けられ、加熱室113を内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、を配置し、
前記上部ユニット100には、前記誘導加熱源17、前記マイクロ波加熱装置120及び前記オーブン加熱装置140の3者を集中して制御する統合制御装置MCを備え、
前記上部ユニット100には、前記統合制御装置MCによって制御される誘導加熱回路94L、94Rと、商用電源99からの電力を受ける電源回路基板55と、(第1の)インバーター回路81を実装したインバーター回路基板80と、を有し、
前記下部ユニット200には、前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波加熱制御部130と、前記オーブン加熱装置140の加熱室制御部159と、(第2の)インバーター回路基板121とを配置し、
前記電源回路基板55は、前記(第1の)インバーター回路81を冷却する冷却ファン60の冷却風通路(第1風路F1)の下流側に配置されており、
前記マイクロ波加熱装置の制御部130と、前記オーブン加熱装置140は、前記上部ユニット100のフィルター回路基板54の下流側(非商用電源側)に設けた電源回路基板55から、それぞれの制御用の低電圧の電力を供給する構成である。
従ってこの構成によれば、上部ユニット100と下部ユニット200に、3種類の加熱源を備えていることにより、従来よりも幅広い複合調理を行うことができる。
また、総合制御装置MCによる集中制御により、上部ユニット100と下部ユニット200にそれぞれ配置したインバーター回路基板80、121を連携させることができる。
更に、電源回路基板55から3つの加熱源の制御装置90、130,159に対して、規定の低電圧の電力を分配する構成とし、かつ第1冷却ファン60の冷却風通路(第1風路F1)の下流側に電源回路基板55が配置されているため、電源回路基板55の過熱も防止でき、制御装置90等に安定した電源を供給できる。
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1の加熱調理器1は、第1の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するIHコイル17L、17Rと、このコイル17L、17Rの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイル17L、17Rと前記インバーター回路基板80との間に設置されたカバー70と、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する第1冷却ファン60と、を備え、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有し、かつ前記インバーター回路基板80と前記カバー70との間に形成された第1風路F1の入口に臨んでおり、
前記第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の一方の端部にある入口FIから他方の端部にある出口FOに向けて第1冷却風RF1を供給することを特徴とする構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKと、インバーター回路基板80の設置空間をカバー70によって上下に区画し、インバーター回路基板80を効果的に冷却できる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第2の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するために左右2個所にそれぞれ配置された左側のIHコイル17L及び右側のIHコイル17Rと、これら2つのIHコイルに共通であり、かつそれらIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記2つのIHコイルと前記インバーター回路基板80との間に設置されたカバー70と、前記本体の左側壁面近くに設置され、前記筐体に形成した通気孔から冷却用の空気を導入する第1冷却ファン60と、を備え、
前記カバー70は、前記第1冷却ファン60から前記左側のIHコイル17Lの真下よりも右側まで一連に設置され、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有し、かつ前記インバーター回路基板80と前記カバー70の間に形成された第1風路F1の入口FIに臨んでおり、
前記第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の左側端部にある入口FIから右側端部にある出口FOに向けて第1冷却風FR1を供給するものであり、
前記本体10の内側後部には、前記第1風路F1から出た前記第1冷却風FR1が、前記カバー70の上方空間を経由してから導入される排気窓52Aを設け、
前記排気窓52Aの形成位置は、前記第1風路F1の前記出口FOの位置よりも左側にある構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKと、インバーター回路基板80の設置空間とを、カバー70によって上下に区画し、インバーター回路基板80を効果的に冷却できる。しかも、前記風路F1から出た前記冷却風RF1が、左側から右側に一直線状に流れ、右側のIHコイル17Rの真下に至る前で前記カバー70の上方空間に進み、上方にある右側のIHコイル17Rを冷却して、この位置から遠い位置に設けた排気窓52Aに進む。
このため、特別な案内板等で冷却風を案内しなくとも、左右のIHコイル17L、17を冷却することができる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第3の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するIHコイル17L、17Rと、このIHコイル17L、17Rの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイル17L、17Rと前記インバーター回路基板80との間に設置されたカバー70と、前記本体10の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファン60及び第2冷却ファン61と、使用者の操作入力を受け付ける入力操作部40と、を備え、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファン60は、前記インバーター回路基板80と前記カバー70との間に形成された第1風路F1の入口FIに臨んでおり、当該第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の一方の端部にある入口FIから他方の端部にある出口FOに向けて第1冷却風FR1を供給する構成であり、
前記第2冷却ファン61は、前記第1冷却ファン60よりも前記入力操作部40に近い位置にあって、当該入力操作部40に第2冷却風FR2を供給する構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKの下方にあるインバーター回路基板80を第1冷却ファン60により効果的に冷却できる。また第2冷却ファン61により前記入力操作部40も冷却させることができる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第4の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体10の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバー70と、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファンと、商用電源からの電力を受けて必要な電源を生成する電源回路基板55と、を備え、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファン60は、前記インバーター回路基板80と前記カバー70との間に形成された第1風路F1の入口に臨んでおり、当該第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の一方の端部にある入口から他方の端部の出口に向けて第1冷却風FR1を供給する構成であり、
前記電源回路基板55は、前記カバー70を挟んで前記第1冷却ファン60と反対側に配置されている構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKの下方にあるインバーター回路基板80を、第1の冷却ファン60からの冷却風RF1により効果的に冷却できる。またインバーター回路基板80を冷却した冷却風RF1は、その進行方向にある電源回路基板55に到達するので、電源回路基板55に実装されている電気部品85を冷却することができる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第5の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバー70と、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファン60と、を備え、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファンは、ファンケースの下面に吸気口を有し、側面に冷却風を吹出す吹出口を備え、
前記吹出口の上下中心部を横切る第1の水平面HP1上に、前記カバー70の下方に形成された第1風路F1と、前記インバーター回路基板80の上面に配置されたヒートシンク82と、前記ヒートシンク82に取り付けられた電力制御用スイッチング素子93と、をそれぞれ配置し、
前記第1の水平面HP1から上にある第2の水平面HP2上に、前記IHコイ17L、17Rを通過した後の空気を排出する排気窓52Aを配置している構成である。
この構成のため、インバーター回路基板80のヒートシンク82を、第1冷却ファン60から水平に流れてくる冷却風RF1により効果的に冷却できる。またインバーター回路基板80を冷却した冷却風RF1は、上方に進み、IHコイル17L、17Rに到達して、水平方向にある排気窓52Aに至るので、IHコイル17L、17Rも冷却させることができる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第6の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置140と、前記マイクロ波加熱装置を冷却するための冷却ファン128、129と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発生源122は、前記加熱室113の、左右何れか1つの側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源122の発振部122Aが当該加熱室113の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室113の背面側には、当該加熱室113の内部に通ずる給電口180と、前記マイクロ波発生源122からのマイクロ波が導入されるアンテナケース124と、を設け、
前記アンテナケース124内には、前記マイクロ波発生源122から発振されたマイクロ波を、前記給電口180を介して前記加熱室113内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナ125を配置した構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)から背面側の空間に、マイクロ波加熱装置120のマグネトロン122とアンテナケース124と、を一連にした形態で設置でき、狭い内部空間の下部ユニット200の中にこれら装置を内蔵させることができる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第7の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具2の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記上部ユニット100から電力の供給を受け、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、前記マイクロ波加熱装置120を冷却するため冷却ファン128、129と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発生源122は、前記加熱室113の1つの右側壁面又は左側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源122の発振部122Aが当該加熱室113の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室113の背面側には、前記マイクロ波発生源122からのマイクロ波が導入されるアンテナケース124を設け、
前記アンテナケース124内には、前記マイクロ波発生源122から発振されたマイクロ波を、前記加熱室113の背面に設けた給電口180を介して当該加熱室113内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナ125を配置し、
前記誘導加熱源17、前記マイクロ波加熱装120、前記オーブン加熱装置140及び前記冷却ファン128、129は、前記上部ユニット100側にある統合制御装置MCによって運転が制御されることを特徴とする構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)から背面側の空間に、マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発振器(マグネトロン122)とアンテナケース124と、を一連にした形態で設置でき、狭い内部空間の下部ユニット200の中にこれら装置を内蔵させることができる。
さらに前記誘導加熱源17を制御する統合制御装置MCは、前記マイクロ波加熱装置120、オーブン加熱装置140、第3冷却ファン128及び第4冷却ファン129も、集中して制御しているので、各加熱源の連携が確実に実行されるビルトイン式複合型加熱調理器1を提供できる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第8の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具2の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記上部ユニット100から電力の供給を受け、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120は、マイクロ波加熱制御部130と、マイクロ波発生源122と、前記マイクロ波発生源122に高周波電力を供給する第1のインバーター回路基板121と、を備え、
前記オーブン加熱装置140は、加熱室制御部159を備え、
前記マイクロ波発生源122と前記第1のインバーター回路基板121とは、前記加熱室113の1つの側壁面に沿って、かつ前後方向に離れて配置され、
前記第1のインバーター回路基板121の下方と、前記マイクロ波発生源122の放熱部122Hの下方には、前記下部ユニット200の外部から、それぞれ空気を吸引し、当該空気を前記第1のインバーター回路基板121と前記放熱部122Hに個別に供給する前方側冷却ファン128と、後方側冷却ファン129とを、それぞれ配置した構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)にマイクロ波加熱装置120のマイクロ波発振器(マグネトロン122)とインバーター回路基板121と、を狭い内部空間の下部ユニット200の中に内蔵させることができる。
さらに前記放熱部122Hとインバーター回路基板121とを、それぞれ個別に冷却するための前方側(第3)冷却ファン128と、後方側(第4)冷却ファン129とを、それぞれ配置しているので、マイクロ波加熱装置120の過熱を防止できる。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第10の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源17と、前記トッププレート15によって上面開口部を閉鎖した扁平な本体10と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニット100と、
マイクロ波が供給される加熱室113と、マイクロ波発生源122とを下部ケース101に内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記本体10の外殻を構成する上部ケース16と、前記下部ケース101は、それぞれが金属製の薄い板から形成されたものであり、
前記上部ケース16の周端部には、垂直方向に伸びる側方垂直壁16L、16Rが形成され、
前記下部ケース101は、上面全体が開口しており、当該開口の内側に前記上部ケース16が嵌合した状態で、前記上部ユニット100と前記下部ユニット200とは、連結されている構成である。
この構成のため、上部ケース101と下部ケース101は、嵌合と結合の2つの手段により、一体化構造物として強度が増す。このため、薄い金属製板で軽い構造にしても、長期間の使用にも耐える信頼性の高い筐体構造を維持できる。なお、この実施の形態1でいう「嵌合」とは、外側になる下部ケース101の内側寸法に対し、内側に挿入される上部ケース16の外側寸法が、数mm程度異なっていても良く、全体で緊密に密着している状態でなくとも良い。また、そのように寸法差が殆どないような場合には、組立時に上部ケース16を下部ケース101の上面開口に挿入する作業が困難となる懸念がある。
この実施の形態1の加熱調理器1は、第11の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態1におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15と、前記トッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17と、前記トッププレート15で上面の開口部が閉鎖された扁平な上部ケース16と、を有しており、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
マイクロ波が供給される加熱室113と、マイクロ波加熱装置120とを下部ケース101に内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ケース101の上に前記上部ケース16が載置された状態では、当該上部ケース16の底壁が前記下部ケース101の天井面を兼ねることを特徴とする構成であった。
この構成のため、下部ケース101の天井を覆うための専用の仕切板や、蓋板等の構造物を必要とせず、製造コストを大幅に低減でき、また軽量化が図れる。
また、上部ケース101の後方直下には、平面的に大きく、かつ深さ寸法BHも大きな空洞104が加熱室113の後方に形成されるから、この空洞の中に導波管123や電源回路基板127(マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159の回路基板を含む)を収容できる。
さらに、図7に示したようにフィルター基板回路54の真下の位置に前記空洞104がある場合、外部の商用交流電源99を電源コードで加熱調理器1に引き込む場合、前記空洞104を利用できて便利である。
(その他特徴点)
実施の形態1の構成においては、以下の通り各種の実用的効果、メリットが期待できる。
(1)マイクロ波加熱装置120を構成するケースA150とケースB151を、図7に示しているように前後方向に一直線上に並べ、かつ互いに接触するように隣接すると、2つの独立した冷却風RF5、RF6を案内する構造が簡単に、かつコンパクトに実現できる。
(2)第3冷却ファン128と第4冷却ファン129を、図7に示しているように前後方向に一直線上に並べ、かつ隣接させると、2つの独立した冷却風RF5、RF6を案内する構造が簡単に、かつコンパクトに実現できる。
(3)マイクロ波加熱装置120を構成するケースA150とケースB151、マグネトロン122、ドア114の閉鎖検知部139のラッチスイッチ132A、ドアスイッチ132B等の重要な部品を、加熱室113の右側側方に集約させているので、これら部品の点検や修理が必要になった場合、下部ケース101の右側だけで対応でき、便利である。例えば、下部ケース101の右側外殻を構成している側方垂直壁101Rを取り外せば、上記各部品の全体が露出し、保守点検等の作業性を容易に行える
実施の形態2.
図26~図54は、実施の形態2に係る加熱調理器を示すものである。この実施の形態2では、上部ユニット100と下部ユニット200の連結構造を工夫して、加熱調理器1の強度を増加させたところが特徴である。なお、図1~図25と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。
図26は、本発明の実施の形態2に係るビルトイン式誘導加熱調理器で、厨房家具への設置前の状態の斜視図である。図27は、図26に示す誘導加熱調理器において、ドアを開放した状態を示す斜視図である。図28は、図26に示す誘導加熱調理器の正面図である。図29は、図26に示す誘導加熱調理器の平面図である。図30は、図26に示す誘導加熱調理器の右側面図である。
図31は、図26に示す誘導加熱調理器の左側面図である。図32は、図26に示す誘導加熱調理器の背面(後面)図である。図33は、図26に示す誘導加熱調理器の底面(下面)図である。図34は、図29に示す誘導加熱調理器のZ-Z線縦断面図である。図35は、図29に示す誘導加熱調理器のY-Y線縦断面図である。図36は、図29に示す誘導加熱調理器のY-Y線縦断面図であり、ドアを開放した状態を示しているものである。図37は、図29に示す誘導加熱調理器のX-X線縦断面図である。図38は、図26に示す誘導加熱調理器において、上部ユニットの全体を示す斜視図である。図39は、図26に示す誘導加熱調理器において、トッププレートを取り外した状態の上部ユニットの斜視図である。
図40は、図26に示す誘導加熱調理器において、トッププレートとIHコイルを取り外した状態の上部ユニットの斜視図である。図41は、図26に示す誘導加熱調理器において、トッププレート、IHコイル及びカバーを取り外した状態の上部ユニットの斜視図である。図42は、図41において、冷却風の流れを示した参考斜視図である。図43は、図26に示す誘導加熱調理器における上部ユニットの、平面図、正面図、右側面図及び背面図である。図44は、図26に示す上部ユニットで、トッププレートとIHコイルの双方を取り外した状態の、平面図、正面図、右側面図及び背面図である。図45は、図26に示す上部ユニットで、トッププレート、IHコイル及びカバーを取り外した状態の、平面図、正面図、右側面図及び背面図である。図46は、図26に示す誘導加熱調理器の、上部ユニットの底面(下面)図である。図47は、図43に示す上部ユニットのX-X線縦断面図である。図48は、図43に示す上部ユニットのX-X線縦断面図である。図49は、図43に示す上部ユニットのZ-Z線縦断面図である。
図50は、図26に示す誘導加熱調理器の分解状態を示す斜視図1である。図51は、図26に示す誘導加熱調理器の分解状態を示す斜視図2である。図52は、図26に示す誘導加熱調理器の連結部材(補強部材)の斜視図である。図53は、図26に示す誘導加熱調理器の下部ユニットの分解途中段階を示す斜視図である。図54は、図26に示す誘導加熱調理器の下部ユニットの要部を説明する横断面図である。
実施の形態1と特に異なる点を中心に、各図面を参照しながら説明する。
図26において、118は、上部ユニット100と下部ユニット200を一体化するための連結部材であり、補強の目的もあるので、「補強部材」とも呼ぶ場合がある。
連結部材118は、下部ユニット200の右側面から下面、更に左側面を一連に覆うよう、図52に示す形状を有している。すなわち、118Rは、下部ユニット200の前方部の右側面に密着状態に重なる右垂直部、118Lは、下部ユニット200の前方部の左側面に密着状態に重なる左垂直部、118Mは、前記右垂直部118Rと左垂直部118Lに一連に形成されている中央平坦部である。中央平坦部118Mは、下部ケース101の前方部の底板101Uの下面に密着状態に重なる部分である。
前記連結部材118は、1枚の金属製薄板(例えば、板厚1mm)をプレス加工して、前記右垂直部118R、中央平坦部118M及び右垂直部118Lを一体に形成している。
118Pは、連結部材118のプレス加工時にプレス加工金型によって一体に形成した凹部又は凸部であり、図52に示すように左垂直部118L、右垂直部118R及び中央平坦部118Mに、3列ずつ形成してある。この凹部又は凸部118Pは、連結部材118の機械的強度を高める目的で形成している。
図27において、116は、ドア114を水平状態に支えるとともに、ドア114を閉じる際にドア閉鎖方向に引っ張る金属製のアームである。このアーム116は、下ケース101の前板101Fに形成された透孔(ガイド孔)117に案内されて、その透孔117を前後方向に移動する。なお、アーム116を利用した高周波加熱装置のドア構造は、例えば、特開2002-39541号公報、特開2010-181106号公報及び特開2007-218544号公報等で紹介されているので、詳しい説明は省略する。
図27において、176は、左右に1対設けたヒンジであり、前記ドア114を下部ケース101の回動自在に支持している。このため、ドア114はヒンジ176を支点として開閉する。なお、前記した左右一対のアーム116は、前記透孔117の裏側下方に回転自在に設けたローラー(図示せず)又は滑動部材(図示せず)によって下方から支持されており、ドア114の開閉時には、アーム116は当該ローラー又は滑動部材の上面に接しながら前後に移動する。
112は、下部ユニット200の前面の左右両側に設けた前カバーであり、下部ケース101の横幅よりも左右に大きく張り出している。この前カバー112は、加熱調理器1を厨房家具2に設置した場合、その厨房家具2との隙間を、可能な限り埋める役目を果たすものである。
198は、金属製の支持金具であり、図53に示しているように、下部ケース101の横幅全体に及ぶ長さを有している。198Hは、前記上部遮蔽板197の上に密着するように重なっている水平部、198Vは、前記水平部198Hの後端部を垂直方向に折り曲げて形成した垂直部である。支持金具198は、このように水平部198Hと垂直部198Vから構成されている。
198Rは、前記支持金具198の水平部198Hの右端部を下方に折り曲げて形成した固定部である。前記支持金具198には、図31に示しているように、前記水平部198Hの左端部を下方に折り曲げて形成した固定部198Lを有している。これら2つの固定部198L、198Rは、前記連結部材118の上端縁を外側から抱えるように、当該上端縁部に密着状態になっている。連結部材118は、合計4か所をネジ186によって下部ケース101の前方水平壁101Tに固定されている。
図27において、101RPは、下部ケース101の側方垂直壁101Rに一体に形成した凸部である。この凸部は、下部ケース101の内側から外側方向へ側方垂直壁101Rをプレス加工することによって形成されており、側方垂直壁101Rの機械的強度アップを目的にしたものである。同様に下部ケース101の側方垂直壁101Lも、一定の面積を外側に突出させて凸部101LPを形成している(図31参照)。
図29において、L1は、排気ダクト102の終端部102Eの横幅寸法を示している。LWは、通気性に富む排気カバー19の下方空間の横幅寸法を示している。なお、この排気カバー19の下方は、図34に示しているように底板65で閉鎖されているので、排気カバー19の上から水等の異物が浸入しても、前記底板65で阻止される。
図29において、D4は、トッププレート15の前後方向の有効幅である。なお、「有効幅」とは、トッププレート15の周囲を囲む飾り枠25等で覆われる外周縁の寸法を除外した寸法をいう。トッププレート15の前後方向の有効幅D4は、413mmである。
図29に示すものは、トッププレート15の横幅が600mmに設定した事例であり、実際の各部寸法は以下の通りである。
D5は、加熱調理器1の前後方向の最大幅であり、510mmである。
W2は、トッププレート15の左右方向の有効幅であり、580mmである。
W3は、加熱調理器1の左右方向の最大幅であり、599mmである。なお、上部ユニットの左右方向の最大幅と、前カバー112を含む下部ユニット200の左右方向の最大幅は、同じである。因みに前記排気カバー19の左右方向の最大幅は595mmである。
上記したトッププレート15の大きさは1例であり、本発明はこの例には限定されない。
例えば、最大幅W3を650mm、有効幅W2は639mm、前後方向の最大幅D5を507mm、前後方向の有効幅D4を425mmに変更しても良い。
図30において、187は、前記連結部材118を下部ケース101の側方垂直壁101L、101Rに固定するネジ、16Pは、上部ケース16の側方垂直壁16L、16Rと後方垂直壁16Bに形成された爪である(図32、43、図45参照)。148は、同じく前記連結部材118を下部ケース101の側方垂直壁101L、101Rに固定するネジ(固定具)である。183は、上部ケース16の側方垂直壁16L、16Rと後方垂直壁16Bを固定するネジであり、このネジの先端部は前記下部ケース101の壁に形成したネジ孔(図示せず)に固定される。
最も前方側に形成した前記爪16Pの部分は、連結部材118に形成した四角形又は長方形の貫通孔(係合孔)118Nの口縁に係合した状態で前記ネジ187によって固定している。
中間位置と後方側に形成した前記爪16Pは、下ケース101の側方垂直壁101Rに形成した四角形又は長方形の貫通孔(係合孔)101Nの口縁に係合し、このままの状態で前記ネジ183によって固定されている。なお、下ケース101の背面板101Bにも前記貫通孔101Nが形成され、上部ケース16の後方垂直壁16Bに形成された爪16Pが係合する。
図30と図31において、103は、前記側方垂直壁101Rの上端部に一体に形成した段部である。この段部には、上部ケース16の側方垂直壁16Rが重なる。これにより、その上部ケース16は右方向への移動が確実に阻止されている。つまり、上部ケース16を下部ケース101の上方から挿入した場合、この段部103と側方垂直壁101Rが嵌合状態になる。
179は、固定金具であり、上部ユニット100の後部において、後端部が上下に揺動するように支持台179B(図53参照)に中間部分が固定されている。加熱調理器1を厨房家具2の設置口2Aに設置した段階で、前記支持台179Bに収容してある「専用ネジ」を閉めることにより、前記固定金具179の後端部が上方に持ち上がり、設置口2Aの下側に係合する。これにより、加熱調理器1は持ちあがらないように固定される。なお、「専用ネジ」h、前記排気カバー19を外すと、上部ケース16の内部にあることが目視できるので、設置業者はこのような作業を簡単に行うことができる。
図32において、101Bは、下部ケース101の背面を構成する金属板製の背面板である。101Kは、背面板101Bをプレス加工時に折り曲げて形成した折り曲げ部であり、これより下方が前記傾斜部101C(本体110の傾斜部111)となる。
図33において、DP2は、上部ケース16の側方垂直壁16Lから下部ケース101の側方垂直壁101Lまでの寸法を示している。この図33から明らかなように、上部ケース16の通気孔64の中心点を避けて、それよりも右側に側方垂直壁101Lがある。なお、図中、破線101Lは、側方垂直壁であり、連結部材118の上面に対向する部分においても、前後方向に伸びていることを示している。
図33において、131は、ドア開閉検知機構であり、実施の形態1で説明した閉鎖検知部139を備えた機構である。このドア開閉検知機構131は、支持板137にラッチスイッチ132Aやドアスイッチ132B等を装着して構成している。このドア開閉検知機構131は、下部ケース101において、前記ケースA150と下部ケースの前板101Fとの間の空間に設置されている。支持板137は、前板101Fと底板101Uの両方に、それぞれネジで固定されている。
図35と図36において、145は、前記加熱室113の内部において使用される専用の受け皿であり、耐熱性の高いプラスチックや磁器、ガラス等で形成されている。この受け皿145は、加熱室113の開口113Aから出し入れ自在となるような外形寸法を有している。
147は、受け皿145の上に置かれた磁器や耐熱性の高い材料で形成された食器である。101Pは、加熱室113の壁面に一体にプレス加工によって形成した補強用の凸部である。
マイクロ波加熱を使用しない場合には、前記食器147は、金属製でも良い。例えば、誘導加熱源17を使用してフライパン(図示せず)の上で食品(例えば、ハンバーグ)をある程度焼き、その後そのフライパンを加熱室113の中に移動させ、上部ヒータ163A、下部ヒータ163Bによって加熱調理しても良い(これは、連携調理の1種である)。
LAは、加熱室113の背面壁(後壁面)113Bを起点にして、前記アンテナ駆動用モータ126の最後尾までの「突出寸法」である。154は、電気絶縁材料から形成されたケースCであり、図53に示しているように左右方向に長く、前後方向には薄い「箱形」形状を呈している。
前記ケースC154の中には、マイクロ波加熱制御部130の電源回路基板127が格納されている。なお、前記加熱室制御部159の制御回路基板(図示せず)を格納しても良い。
図35に示すように、前記アンテナ駆動用モータ126の最後尾とケースC154との間には、僅かな隙間GP11が確保されている。なお、図35と図36では、ケースCの外殻を破線で示している。
前記空隙GP6の中には、シート又は板状の断熱材175A(図示せず)を配置している。同じく空隙GP8の中には、シート又は板状の断熱材175B(図示せず)を配置している。
図39は、トッププレート15を外した状態を示している。この図39において、30Wは、表示窓であり、操作基板41において前記中央表示部30に対応した位置に形成している。
31LW、31RWは、それぞれ表示窓である。この表示窓は、操作基板41において前記左側表示部31Lと右側表示部31Rに、それぞれ対応した位置に形成している。
56は、チョークコイルであり、フィルター回路基板54の中の重要な電気部品の1つである。17Cは、コイルベース(コイル支持枠)であり、2つのIHコイル17L、17Rを上面に載置している。
コイルベース17Cは、耐熱性の高いプラスチック材料で一体に形成されている。またコイルベース17Cは、IHコイル17L、17Rの形状に合わせて、全体が円形であるが、中心部から放射状に伸びる腕17CHを複数本備えている。この実施の形態2では、腕17CHは8本である。各腕17CHの間には大きな通風空間となる空隙が形成されている。
17Fは、隣り合う2つの腕17CHの間に設置されたフェライト板である。左側のIHコイル17Lにおいて、TS3は、サーミスタのような接触型の温度センサーである。
1つの温度センサーTS3は、IHコイル17Lの中心部に設置されている。他の2つの温度センサーTS3は、IHコイル17Lの中心部から少し離れて、その外側位置にそれぞれ設置してある。
TS5は、赤外線センサーのような非接触型温度センサーである。右側のIHコイル17Rにおいて、TS4は、サーミスタのような接触型の温度センサーである。1つの温度センサーTS4は、IHコイル17Rの中心部に設置されている。他の2つの温度センサーTS4は、IHコイル17Rの中心部から少し離れて、その外側位置にそれぞれ設置してある。
TS6は、赤外線センサーのような非接触型の温度センサーである。これら各温度センサーTS3~TS6からの計測データは、温度検出回路93に入力される。
図39において、66は、アルミニユム等の金属製の防磁リングであり、前記コイルベース(コイル支持枠)を囲むように、当該コイルベース17Cに固定されている。
図40において、57は、トランスであり、電源回路基板55の中の重要な電気部品の1つである。この図40では、カバー70の左側端部を横幅寸法W11の範囲で切欠いている。この切欠いている部分には、IHコイル17L側のコイルベース17Cに支持された温度センサーTS5が配置される。つまり、当該温度センサーTS5とカバー70が接触しないように切欠いている。
図41において、58は、コンデンサーであり、インバーター回路基板80の中の重要な電気部品の1つである。
この図41から明らかなように、アルミ製のヒートシンク82は、左右に2個(2列)で、前後に2つあるため、合計で4つある。4つのヒートシンク82は、前後で2個ずつが近接して向かい合うように設置してある。59は、1つのヒートシンク82に取り付けたダイオードブリッジ回路(ダイオードモジュール)である。ダイオードブリッジ回路(ダイオードモジュール)59は、動作時に発生する熱が、ヒートシンク82によって放熱され、過熱状態にならない。
図41から明らかなように、第1冷却ファン60の吹出口60Aと、前記ヒートシンク82との間は、50~100mm程度の距離LDだけ離れている。
図46は、上部ユニット100の底面(下面)図である。D6は、上部ユニット100の前後方向最大幅寸法であり、432mmである。
図46と図47において、W4は、上部ユニット100の左右方向最大幅寸法であり、544mmである。
図49において、D4は、トッププレート15の前後方向の有効幅である。ここで、この前後方向の有効幅D4は、413mmである。
図50において、70は、金属製薄板からプレス加工によって形成したカバーであり、中央部には強度を増すために大きな凸部70Pをプレス加工で形成している。118TLは、水平面となっている支持辺である。この支持片118Lは、前記連結部材(補強部材)118の左垂直部118Lを水平に折り曲げて形成している。
118TRは、水平面となっている支持片である。この支持片118Rは、前記連結部材(補強部材)118の右垂直部118Rを水平に折り曲げて形成している。
この支持片118Rは、上部ユニット100と下部ユニット200が結合された状態では、上部ユニット100のフランジ16A下面に近接又は当接する(図54参照)。このため、上部ユニット100のトッププレート15等が上方から受ける荷重は、この連結部材118の支持片118Rで受けることができる。
また、左側の支持片118Lでも、上部ユニット100と下部ユニット200が結合された状態では、上部ユニット100のフランジ16A下面に近接又は当接する。このため、上部ユニット100は、下部ユニット200によって下方から強固に支持される構成になっている。
図51において、101Mは、下部ケース101の側方垂直壁101Lの前方部に大きく形成した切り欠き部である。W5は、その切り欠き部101Mの開口幅(横幅寸法)であり、50mm~80mm程度である。但し、この開口幅W5は、前記ドア開閉検知機構131の点検や修理ができる程度の大きさである。例えば、前記支持板137を取り外して取り出せる大きさにしてある。
連結部材(補強部材)118の右垂直部118Rの前後方向の幅は、前記切り欠き部101Mの開口幅(横幅寸法)W5よりも大きい。つまり、連結部材(補強部材)118を下部ケース101に固定した場合には、前記切り欠き部110Mが同時に閉鎖される。これにより、完成した加熱調理器1では、前記切り欠き部110Mからの異物の侵入は無い。
以上の構成であるから、上部ユニット100において誘導加熱調理を行った場合には、図42に矢印で示すように、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61から吹き出された冷却風RF1、RF2によって、インバーター回路基板80、入力操作部40、電源回路基板55、及びフィルター回路基板54が、それぞれ冷却される。
実施の形態2の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2の加熱調理器1は、第1の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するIHコイル17L、17Rと、このコイル17L、17Rの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイル17L、17Rと前記インバーター回路基板80との間に設置されたカバー70と、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する第1冷却ファン60と、を備え、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有し、かつ前記インバーター回路基板80と前記カバー70との間に形成された第1風路F1の入口に臨んでおり、
前記第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の一方の端部にある入口FIから他方の端部にある出口FOに向けて第1冷却風RF1を供給することを特徴とする構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKと、インバーター回路基板80の設置空間をカバー70によって上下に区画し、インバーター回路基板80を効果的に冷却できる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第2の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するために左右2個所にそれぞれ配置された左側のIHコイル17L及び右側のIHコイル17Rと、これら2つのIHコイルに共通であり、かつそれらIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記2つのIHコイルと前記インバーター回路基板80との間に設置されたカバー70と、前記本体の左側壁面近くに設置され、前記筐体に形成した通気孔から冷却用の空気を導入する第1冷却ファン60と、を備え、
前記カバー70は、前記第1冷却ファン60から前記左側のIHコイル17Lの真下よりも右側まで一連に設置され、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有し、かつ前記インバーター回路基板80と前記カバー70の間に形成された第1風路F1の入口FIに臨んでおり、
前記第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の左側端部にある入口FIから右側端部にある出口FOに向けて第1冷却風FR1を供給するものであり、
前記本体10の内側後部には、前記第1風路F1から出た前記第1冷却風FR1が、前記カバー70の上方空間を経由してから導入される排気窓52Aを設け、
前記排気窓52Aの形成位置は、前記第1風路F1の前記出口FOの位置よりも左側にある構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKと、インバーター回路基板80の設置空間とをカバー70によって上下に区画し、インバーター回路基板80を効果的に冷却できる。しかも、前記風路F1から出た前記冷却風が、左側から右側に流れ、カバー70の真下を過ぎたあとで上方空間に進み、上方にある右側のIHコイル17Rを冷却して、この位置から遠い位置に設けた排気窓52Aに進む。
また、冷却風RF1の一部は、排気窓52Aに向かう途中で、左側のIHコイル17Lも冷却する。このため、特別な案内板等で冷却風を案内しなくとも、左右のIHコイル17L、17Rを冷却することができる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第3の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するIHコイル17L、17Rと、このIHコイル17L、17Rの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイル17L、17Rと前記インバーター回路基板80との間に設置されたカバー70と、前記本体10の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファン60及び第2冷却ファン61と、使用者の操作入力を受け付ける入力操作部40と、を備え、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファン60は、前記インバーター回路基板80と前記カバー70との間に形成された第1風路F1の入口FIに臨んでおり、当該第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の一方の端部にある入口FIから他方の端部にある出口FOに向けて第1冷却風FR1を供給する構成であり、
前記第2冷却ファン61は、前記第1冷却ファン60よりも前記入力操作部40に近い位置にあって、当該入力操作部40に第2冷却風FR2を供給する構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKの下方にあるインバーター回路基板80を第1の冷却ファンにより効果的に冷却できる。また第2冷却ファンにより前記入力操作部40も冷却させることができる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第4の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体10の内部には、前記トッププレート15上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバー70と、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファンと、商用電源からの電力を受けて必要な電源を生成する電源回路基板55と、を備え、
前記第1冷却ファン60は、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファン60は、前記インバーター回路基板80と前記カバー70との間に形成された第1風路F1の入口に臨んでおり、当該第1冷却ファン60は、前記第1風路F1の一方の端部にある入口から他方の端部の出口に向けて第1冷却風FR1を供給する構成であり、
前記電源回路基板55は、前記カバー70を挟んで前記第1冷却ファン60と反対側に配置されている構成である。
この構成のため、IHコイル設置空間CKの下方にあるインバーター回路基板80を第1の冷却ファンにより効果的に冷却できる。またインバーター回路基板80を冷却した冷却風F1は、その進行方向にある電源回路基板55に到達するので、電源回路基板55に実装されている電気部品85を冷却させることができる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第5の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2における加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を上部に備えた扁平な本体10を有し、
前記本体の内部には、前記トッププレート上の被加熱物を加熱するIHコイルと、このIHコイルの下方に配置されたインバーター回路基板80と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバー70と、前記本体の外部から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファン60と、を備え、
前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
前記第1冷却ファンは、ファンケースの下面に吸気口を有し、側面に冷却風を吹出す吹出口を備え、
前記吹出口の上下中心部を横切る第1の水平面HP1上に、前記カバー70の下方に形成された第1風路F1と、前記インバーター回路基板80の上面に配置されたヒートシンク82と、前記ヒートシンク82に取り付けられた電力制御用スイッチング素子93と、をそれぞれ配置し、
前記第1の水平面HP1から上にある第2の水平面HP2上に、前記IHコイ17L、17Rを通過した後の空気を排出する排気窓52Aを配置している構成である。
この構成のため、インバーター回路基板80のヒートシンクを、第1の冷却ファンから水平に流れてくる冷却風RF1により効果的に冷却できる。またインバーター回路基板80を冷却した冷却風RF1は、上方に進み、IHコイル17L、17Rに到達して、水平方向にある排気窓52Aに至るので、IHコイル17L、17R部分も冷却することができる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第6の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置140と、前記マイクロ波加熱装置を冷却するための冷却ファン128、129と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発生源122は、前記加熱室113の、左右何れか1つの側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源122の発振部122Aが当該加熱室113の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室113の背面側には、当該加熱室113の内部に通ずる給電口180と、前記マイクロ波発生源122からのマイクロ波が導入されるアンテナケース124と、を設け、
前記アンテナケース124内には、前記マイクロ波発生源122から発振されたマイクロ波を、前記給電口180を介して前記加熱室113内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナ125を配置した構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)から背面側の空間に、マイクロ波加熱装置120のマグネトロン122とアンテナケース124と、を一連にした形態で設置でき、狭い内部空間の下部ユニット200の中にこれら装置を内蔵させることができる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第7の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具2の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記上部ユニット100から電力の供給を受け、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、前記マイクロ波加熱装置120を冷却するため冷却ファン128、129と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発生源122は、前記加熱室113の1つの右側壁面又は左側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源122の発振部122Aが当該加熱室113の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室113の背面側には、前記マイクロ波発生源122からのマイクロ波が導入されるアンテナケース124を設け、
前記アンテナケース124内には、前記マイクロ波発生源122から発振されたマイクロ波を、前記加熱室113の背面に設けた給電口180を介して当該加熱室113内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナ125を配置し、
前記誘導加熱源17、前記マイクロ波加熱装120、前記オーブン加熱装置140及び前記冷却ファン128、129は、前記上部ユニット100側にある統合制御装置MCによって運転が制御されることを特徴とする構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)から背面側の空間に、マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発振器(マグネトロン122)とアンテナケース124と、を一連にした形態で設置でき、狭い内部空間の下部ユニット200の中にこれら装置を内蔵させることができる。
さらに前記誘導加熱源17を制御する統合制御装置MCは、前記マイクロ波加熱装置120、オーブン加熱装置140、第3冷却ファン128及び第4冷却ファン129も、集中して制御しているので、各加熱源の連携が確実に実行されるビルトイン式複合型加熱調理器1を提供できる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第8の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具2の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記上部ユニット100から電力の供給を受け、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120は、マイクロ波加熱制御部130と、マイクロ波発生源122と、前記マイクロ波発生源122に高周波電力を供給する第1のインバーター回路基板121と、を備え、
前記オーブン加熱装置140は、加熱室制御部159を備え、
前記マイクロ波発生源122と前記第1のインバーター回路基板121とは、前記加熱室113の1つの側壁面に沿って、かつ前後方向に離れて配置され、
前記第1のインバーター回路基板121の下方と、前記マイクロ波発生源122の放熱部122Hの下方には、前記下部ユニット200の外部から、それぞれ空気を吸引し、当該空気を前記第1のインバーター回路基板121と前記放熱部122Hに個別に供給する前方側冷却ファン128と、後方側冷却ファン129とを、それぞれ配置した構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)にマイクロ波加熱装置120のマイクロ波発振器(マグネトロン122)とインバーター回路基板121と、を狭い内部空間の下部ユニット200の中に内蔵させることができる。
さらに前記放熱部122Hとインバーター回路基板121とを、それぞれ個別に冷却するための前方側(第3)冷却ファン128と、後方側(第4)冷却ファン129とを、それぞれ配置しているので、マイクロ波加熱装置120の過熱を防止できる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第9の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源17と、前記トッププレート15によって上面開口部を閉鎖した扁平な本体10と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニット100と、
マイクロ波が供給される加熱室113と、マイクロ波発生源122とを内蔵した下部ユニット200と、
前記上部ユニット100と前記下部ユニット200を連結する連結部材118と、を備え、
前記連結部材118は、前記下部ユニット200の少なくとも1つの側壁面と前記上部ユニット100の少なくとも1つの側壁面とに近接又は密着した状態で設置され、前記下部ユニット200と上部ユニット100との両者に、それぞれ結合されている構成である。
この構成のため、下部ユニット200側にマイクロ波加熱装置120を有する構成であっても、上部ユニット100と下部ユニット200は強固な一体構造にすることができる。このため、長期の使用に伴って構造物に変形が生ずることを防止し、加熱室113とドアの密着度が変形によって低下し、マイクロ波が漏洩するような事態を未然に防止でき、安全性の高い加熱調理器1を提供できる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第10の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源17と、前記トッププレート15によって上面開口部を閉鎖した扁平な本体10と、を有しており、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
マイクロ波が供給される加熱室113と、マイクロ波発生源122とを下部ケース101に内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記本体10の外殻を構成する上部ケース16と、前記下部ケース101は、それぞれが金属製の薄い板から形成されたものであり、
前記上部ケース16の周端部には、垂直方向に伸びる側方垂直壁16L、16Rが形成され、
前記下部ケース101は、上面全体が開口しており、当該開口の内側に前記上部ケース16が嵌合した状態で、前記上部ユニット100と前記下部ユニット200とは、連結されている構成である。
この構成のため、下部ユニット200側にマイクロ波加熱装置120を有する構成であっても、上部ユニット100と下部ユニット200は強固な一体構造にすることができる。このため、長期の使用に伴って構造物に変形が生ずることを防止し、例えば、加熱室113とドアの密着度が変形によって低下し、マイクロ波が漏洩するような事態を未然に防止でき、安全性の高い加熱調理器1を提供できる。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第11の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15と、前記トッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17と、前記トッププレート15で上面の開口部が閉鎖された扁平な上部ケース16と、を有しており、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
マイクロ波が供給される加熱室113と、マイクロ波加熱装置120とを下部ケース101に内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ケース101の上に前記上部ケース16が載置された状態では、当該上部ケース16の底壁が前記下部ケース101の天井面を兼ねることを特徴とする構成であった。
この構成のため、下部ケース101の天井を覆うための専用の仕切板や、蓋板等の構造物を必要とせず、製造コストを大幅に低減でき、また軽量化が図れる。
また、上部ケース101の後方直下には、平面的に大きく、かつ深さ寸法BHも大きな空洞104が加熱室113の後方に形成されるから、この空洞の中に導波管123や電源回路基板127(マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159の回路基板を含む)を収容できる。
さらに、フィルター基板回路54の真下の位置に前記空洞104があると、外部の商用交流電源99を電源コードで加熱調理器1に引き込む際に、前記空洞104を利用できて便利である。
この実施の形態2の加熱調理器1は、第12の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態2におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15と、前記トッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17と、前記トッププレート15で上面開口部を閉鎖した扁平な上部ケース16と、を有しており、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bによって上方と下方から、それぞれ加熱される加熱室113を内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、外殻を構成する下部ケース101と、前記加熱室113の開口113Aを開閉するドアと、このドア113を前記下部ユニット200に支持するアーム116とを有し、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113の右側方又は左側方に、マイクロ波発振源122と、当該マイクロ波発振源122に高周波電力を供給するインバーター回路基板121を内蔵したケースA150と、を備え、
前記マイクロ波発振源122Aの前方側に前記ケースA150を配置し、
前記下部ユニット200の内部には、前記ケースA150の前方側に空間144を設け、
前記アーム116と、前記ドア114のドア開閉検知機構131とを、隣接した状態で、かつ当該ドア開閉検知機構131が外側になるように前記空間144の内部に収容している構成である。
この構成であるから、アーム116は、ドア114の開閉動作に伴って前後方向に移動するため、比較的設置スペースを必要とするが、このアーム116を前記マイクロ波発生源122の前方にある空間144の中に収容したため、この空間144の後方において、マイクロ波発生源122とその関連構造物を集中的に配置でき、ビルトイン式で要求される外形寸法の中に、各種構造物が効率良く配置された加熱調理器1を提供できる。
実施の形態3.
図55~図56は、実施の形態3に係る加熱調理器を示すものである。この実施の形態では、加熱調理器1のドア114を支持するアーム116と、ドア開閉検知機構131の保守・点検を容易にするための構造を改善したところが特徴である。なお、図1~図54と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。
図55は、下部ユニット200の右前方部分を示した要部の横断面図であり、ドア114を閉じた状態で示している。但し、ドア114と前カバー112は、参考のために破線で示している。
図55において、150は、内部が空洞になっているケースAであり、全体がプラスチックで形成されている。このケースA150の内部には、インバーター回路基板121(図示せず)が垂直に設置されている。
122は、マイクロ波発振源となるマグネトロン122であり、前記ケースA150の真後ろに近接して配置されている。これらマグネトロン122とケースA150には、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129により、冷却風RF5、RF6がそれぞれ供給される。
前記ケースA150と前板101Fとの間には、側方垂直壁101Rと右側仕切板166Rとによって両側から囲まれた空間144ができている。
137は、ラッチスイッチ132A(図示せず)、ドアスイッチ132B、モニタースイッチ133(図示せず)を一括して取り付けた支持板である。
この支持板137は、垂直に設置されており、下部ケース101の底板101Uと、前板101Fに、それぞれネジ146で固定されている。
116は、ドア114に前方端部が回動自在に軸支されている金属製アームであり、前板101Fに形成した透孔117を貫通している。このアーム116の後端部には、当該アーム116を後方側で、かつ水平面に対して斜め下方に常に引っ張るための、コイル状の引っ張りバネ149が設置されている。
101Mは、側方垂直壁101Rに形成した切り欠き部、119は、この切り欠き部101Mを外側から閉鎖している蓋板であり、金属製の薄板から形成されている。この蓋板119は、外側からネジ(図示せず)等によって着脱できるように取り付けてある。
修理業者等が、加熱調理器1の保守点検の際には、前記蓋板119を取り外すと、切り欠き部101Mを通して前記ドア開閉検知機構131が目視できる。また、当該切り欠き101Mの外側から、前記支持板137を取り外すことによって、ラッチスイッチ132A(図示せず)、ドアスイッチ132B、モニタースイッチ133(図示せず)の点検や修理、交換等の作業が容易に行える。この場合、切り欠き101Mから見て、前記アーム116の手前に前記支持板137があるので、上記作業は行い易い。
この実施の形態3では、前記切り欠き部101Mがあるため、前記ドア開閉検知機構131を保守・点検する場合には、前記側方垂直壁101Rと取り外す必要がないが、この前記側方垂直壁101Rだけを分離できるようにすれば、前記切り欠き部101Mを設ける必要はない。
図56は、加熱調理器1の全体を下方から見た底面図である。この図56に破線で示しているように、下部ケース101は、連結部材118に対面する部分では、横幅寸法を大きくしている。そのため、側方垂直壁101Lの表面に連結部材118の左垂直部118Lが直接重なり、ネジ148で固定されている。このように横幅寸法を大きくすることで、それに対応して下部ケース101の内部スペースも大きくなり、ドア114の左側にあるアーム116や、当該アーム116を常に引っ張るための引っ張りバネ149等の設置が容易となる。
この実施の形態3の加熱調理器1は、第12の発明の構成を備えていた。
すなわち、実施の形態3のビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15と、前記トッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17と、前記トッププレート15で上面開口部を閉鎖した扁平な上部ケース16と、を有しており、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bによって上方と下方から、それぞれ加熱される加熱室113を内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、外殻を構成する下部ケース101と、前記加熱室113の開口113Aを開閉するドアと、このドア113を前記下部ユニット200に支持するアーム116とを有し、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113の右側方又は左側方に、マイクロ波発振源122と、当該発振源122に高周波電力を供給するインバーター回路基板121を内蔵したケースA150と、を備え、
前記マイクロ波発振源122Aの前方側に前記ケースA150を配置し、
前記下部ユニット200の内部には、前記ケースA150の前方側に空間144を設け、
前記アーム116と、前記ドア114のドア開閉検知機構131とを、隣接した状態で、かつ当該ドア開閉検知機構131が外側になるように前記空間144の内部に収容している構成である。
アーム116は、ドア114の開閉動作に伴って前後方向に移動するため、比較的設置スペースを必要とするが、このアーム116を前記マイクロ波発生源122の前方にある空間144の中に収容したため、この空間144の後方において、マイクロ波発生源122とその関連構造物を集中的に配置でき、ビルトイン式で要求される外形寸法の中に、各種構造物が効率良く配置された加熱調理器1を提供できる。
従来から、ドア114を支持し、ドアの開閉に伴って動くアーム116は、その可動範囲を確保するために広い設置スペースを要していた。
この実施の形態3の構成によれば、加熱室113に近い側にアーム116を配置し、そのアーム116より外側、つまり前記加熱室113と反対側にドアの開閉検知機構131を集中的に配置しているため、加熱室113の側方にマグネトロン122と、インバーター回路基板121とを並べて配置していることと相俟って、全体として、加熱室113の側方空間に、効率良くマイクロ波加熱に必要な部品を収納でき、外形寸法が制限されたビルトイン式複合加熱調理器をコンパクトに設計できる。
さらに、前記ケースA150の真下と、前記マグネトロン122の真下の位置に、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129を配置し、第3冷却ファン128からの冷却風で前記ケースA150の内部にあるインバーター回路基板121を冷却し、また第4冷却ファン129からの冷却風で前記マグネトロン122を冷却する構成を採用すれば、冷却風の吸込側と排気側を統一でき、下部ケース200内部における風路の構成を簡単にすることができ、下部ケース200の内部構成を簡単にしたり、よりコンパクトにしたりすることができる。
実施の形態4.
図57は、実施の形態4に係る加熱調理器を示すものである。この実施の形態では、加熱調理器1の上部ユニット100と下部ユニット200を連結する連結部材118を改善したところが特徴である。なお、図1~図56と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。
図57は、実施の形態1の図9と同じ部分の縦断面図である。
118は、上部ユニット100と下部ユニット200を一体化するための連結部材であり、補強の目的でも設置している。
この実施の形態4における連結部材118は、実施の形態3とは異なり、2つの部分に分かれている。
すなわち、右垂直部118Rと左垂直部118Lの2部品から構成されている。
前記右垂直部118Rは、金属製の板をプレス加工して形成したものであり、下部ユニット200の右側面(側方垂直壁101R)に沿って固定される。
前記左垂直部118Lは、金属製の板をプレス加工して形成したものであり、下部ユニット200の左側面(側方垂直壁101L)に沿って固定される。
右垂直部118Rは、複数の個所においてそれぞれネジ148によって側方垂直部101Rに密着するように固定される。同様に、左垂直部118Lもネジ148によって側方垂直壁101Lに固定されている。
前記左垂直部118Lには、通気孔164からの吸気を妨げないように多数の貫通孔118Hが形成されている。118TL、118TRは、左垂直部118Lと右垂直部118Rの上端部に形成した支持辺である。これら2つの支持片118TL、118TRは、前記連結部材(補強部材)118の左右垂直部118L、118Rを水平に折り曲げて形成している。
下部ユニット200の左右の側面に連結部材118を固定すると、支持片118L、118Rが、上部ユニット100のフランジ16A下面に近接又は当接する。このため、上部ユニット100のトッププレート15等が上方から受ける荷重は、この連結部材118の支持片118L、118Rで確実に受けることができる。
この実施の形態4では、連結部材118が、実施の形態3の連結部材118に比較すると、平坦な部品である。このため、製造コスト上で有利であり、また下部ユニット200の左右の側面に連結部材118を固定する際の作業も、実施の形態3の場合に比較して容易にできる。
また、下部ケース101の側方垂直壁101Lの前方部に切り欠き部101Mを形成していた場合においては、この右垂直部118Rによって平常時は切り欠き部101Mを閉鎖できる。そして、ドア開閉検知機構131の点検や修理が必要な場合には、片側の右垂直部118Rだけを取り外せば良いので、作業効率を向上させることができる。
この実施の形態4の加熱調理器1は、第10の発明の構成を備えていた。
すなわち、実施の形態4のビルトイン式複合型加熱調理器1は、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17と、前記トッププレートによって上面開口部を閉鎖した扁平な本体10と、を有しており、厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
マイクロ波が供給される加熱室113と、マイクロ波発生源122とを下部ケース101に内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記本体10の外殻を構成する上部ケース16と、前記下部ケース101は、それぞれが金属製の薄い板から形成されたものであり、
前記上部ケース16の周端部には、垂直方向に伸びる側方垂直壁(重合部)16L、16Rが一体に形成され、
前記下部ケース101は、上面全体が開口しており、当該開口の内側に前記上部ケース16が嵌合した状態で、前記上部ユニット100と前記下部ユニット200とが連結されている構成である。
この構成のため、下部ユニット200側にマイクロ波加熱装置120を有する構成であっても、上部ユニット100と下部ユニット200は強固な一体構造にすることができる。このため、長期の使用に伴って構造物に変形が生ずることを防止し、例えば、加熱室113とドア114の密着度が変形によって低下し、マイクロ波が漏洩するような事態を未然に防止でき、安全性の高い加熱調理器1を提供できる。
実施の形態5.
図58は、実施の形態5に係る加熱調理器を示すものである。この実施の形態では、加熱調理器1の上部ユニット100と下部ユニット200との間に空隙GP12を設けたこと、及び下部ユニット200の内部に排気専用ファンを連結する連結部材118を改善したところが特徴である。なお、図1~図57と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。
図58は、実施の形態1の図9と同じ部分の縦断面図である。
下部ケース101は、上部ケース16に吊り下げられている。その下部ケース101の実質的な天井面を構成する仕切板171と、上部ケース16の底壁16Sとの間には、微小な空隙GP12が形成されている。この空隙GP12は、上部ケース16と下部ケース101を、連結部材118等で連結すると自動的に形成される。なお、Nは、金属製の鍋等の被加熱物である。
前記空隙GP12は、下部ケース101の仕切板171の全体に及んでおり、また周囲(前後・左右)に開放されている。この空隙GP12の大きさは数mm以下で十分である。大きすぎると、上部ユニット100と下部ユニット200の外形寸法を小さくする必要が生ずる。この空隙GP12は、下部ユニット200の加熱室113からの熱的な影響を極力減らすために設けたもので、空気層による断熱効果を期待している。
155は、排気ファンである。この排気ファン155は、下部ケース101の内部で加熱室113の左側角部後方に配置してある。この排気ファン155の回転軸は、左右方向に長く設けてあり、かつ水平に設置してある。そしてその回転軸の周囲に回転翼が取り付けてある。
102は、排気ファン155の排気口側に一端開口部が接続され、排気カバー19の直下でその希望まで垂直に伸びている排気ダクトである。排気ダクト102の最終排気口の近傍には、仕切り板52の排気窓52Aが臨んでいる。そのため、上部ユニット100のIHコイル設置空間CKを流れて来た冷却風は、排気窓52Aを通過する。そして、排気ダクト102から放出される排気流に誘導されて外部へ放出される。
加熱室113は、マイクロ波加熱装置120のマグネトロン122(図示せず)からのマイクロ波が導入される。また図示していないが、加熱室113の底面と天井面近傍には、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bが、それぞれ配置されている。
156は、下部ケース101の底板101Uにおいて、ドア114に近い側に形成した吸気孔であり、口径の小さい孔を複数個設けて構成している。
113Hは、加熱室113の天井面に設けた排気孔である。この排気孔113は、図58に示しているように、ドア114に近い側と、反対に背面部に近い側に、それぞれ設けている。
図58に破線の矢印で示したものは、前記排気ファン155の駆動によって吸引される空気の流れを示している。実施の形態1で説明したように、加熱室113の内部には、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却したあとの冷却風RF6が導かれる。
一方、インバーター回路基板121を冷却したあとの冷却風RF5は、前記排気ファン155の吸込口の近傍まで案内される。この案内は、加熱室113の内部を経由することなく、外部を通過するように行われる。
従って、この実施の形態5でも、マイクロ波加熱装置120のインバーター回路基板121と、マグネトロン122は同時に2つの系統の冷却風によって冷却され、しかも最終的には排気ファン155によって強制的に外部へ放出される。このため、マイクロ波加熱装置120を冷却した冷却風が下部ユニット200の内部に滞留する懸念がない。
TS10は、加熱室113から放出される空気の温度を検出する温度センサーである。この温度センサーの温度計測データは、加熱室制御部159に送られ、加熱室113の雰囲気温度の制御と、過熱状態検知に利用される。
157は、ドア114と下部ユニット200の前板101Fとの間から、マイクロ波の漏洩を抑制するためのシール材であり、弾力性のあるマイクロ波吸収性ゴム等である。
GP13は、ドア114と厨房家具2との間に形成された空隙である。この空隙は、ドア114を前方に開けるために最小限度で必要である。
この実施の形態5の構成によれば、上部ユニット100と下部ユニット200を連結した状態で、それら両者の間に空隙GP12が形成されるので、下部ユニット200の加熱室113からの熱的な影響を極力減らすことができ、上部ユニット100に内蔵したフィルター回路基板54や電源回路基板55等が下方から加熱させることを防止できる。
実施の形態6.
図59は、実施の形態6に係るビルトイン式複合型加熱調理器を示すものである。なお、図1~図58に説明した各実施の形態の構成と同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
図59は、本発明の実施の形態6を示す加熱調理器1の、特に電気的構成を示すブロック図である。図59において、破線で示す矢印は、制御用の指令信号を示している。
この本発明の実施の形態6を示す加熱調理器1では、マイクロコンピューターを主体にした制御装置が、合計6つある。この点が実施の形態1~5と大きく異なる個所である。
前記した6つの制御装置の中で、加熱調理器1の全体の制御を司るものが綜合制御装置MCである。この統合制御装置MCからの指令を受けて、誘導加熱調理を制御するのは制御装置90である。またマイクロ波加熱調理とオーブン加熱調理を制御するのが、制御装置105である。この制御装置105は、実施の形態1で説明した加熱室制御部159とマイクロ波加熱制御部130を集合させたものである。
前記した2つの制御装置90、105は、統合制御装置MCに指令に従って規定の制御を行い、処理結果を統合制御装置MCへ返信するため、スレーブ(SLAVE)マイコンと呼ばれる場合がある。この場合、前記統合制御装置MCは、マスターマイコンと呼ばれる。
前記した6つの制御装置の中の残りの3つは、入力操作部40において、右側のタッチキー群の入力と表示部31Rの表示を処理する右側入力制御装置23と、左側のタッチキー群の入力と表示部31Lの表示を処理する左側入力制御装置24と、電源スイッチ制御装置28である。
電源スイッチ制御装置28は、入力操作部40に配置された主電源スイッチ97の操作ボタン(操作部)98の操作を検知して電源のON-OFFを決めるものである。
図59において、106Aは、商用(交流)電源99に接続されたプラグである。電圧200V、50Hz又は60Hzの電力は、電源コード106を介してフィルター回路基板54まで導かれる。なお、フィルター回路基板54は、上部ユニット100に内蔵されている。
フィルター回路基板54には、加熱調理器1の主電源をON-OFFするメインリレー107と、サブリレー(図示せず)を有している。図59には、メインリレーだけを模式的に記載している。
前記メインリレー107は、加熱調理器1の全体の制御を司る統合制御装置MCから、所定のリレー制御信号を受けて開閉動作が実行される。なお、サブリレーは、後述するように、電源スイッチ制御手段28からのリレー制御信号を受けて開閉動作が実行される。電源スイッチ制御手段28は、主電源スイッチ97の操作ボタン98の操作を検知して電源のON-OFFを決める機能を有している。これらメインリレー107とサブリレーによって主電源スイッチ97が構成されている。
前記統合制御装置MCは、前記制御装置90、105、右側入力制御装置23、左側入力制御装置24及び電源スイッチ制御装置28からの動作情報を常に取得し、それらを統合して制御する。さらに、中央制御部30の表示動作と、音声合成装置95及び無線通信部49を制御するものである。この統合御装置MCと、右側入力制御装置23及び電源スイッチ制御装置28は、入力操作部40を構成する中央操作基板32に取り付けられている。
前記中央操作基板32は、実施の形態1で説明した操作基板41と類似するものであり、後述する各種の電子部品類と、統合制御装置MC、前記右側入力制御装置23及び電源スイッチ制御装置28等を実装している。この中央操作基板32は、電気絶縁性に富むプラスチック材料で形成されている。
55は、フィルター回路54から、商用電源の電力が供給される電源回路基板であり、図59に示すように、整流回路33を経由して電力が印加される電源回路A34と、整流回路35を経由して電力が印加される電源回路B36、とを備えている。この2つの電源回路A34と電源回路B36により、電圧200Vの電力は、例えば24V、18V、6V、5V等のような、低い電圧の直流に変換される。
前記した5Vの電力は、前記統合制御装置MC、前記制御装置90、105、右側入力制御装置23、左側入力制御装置24及び電源スイッチ制御装置28の電源として供給される。
また、6Vの電力は、中央表示部30、右表示部31R、左表示部31Rの電源(バックライト電源含む)として使用される。
電源回路基板55は、上部ユニット100に設置されており、上記したように、その電源回路A34と、電源回路B36で生成された電力は、上部ユニット100の中の制御や表示部の電源として使用されている。
80は、上部ユニット100の内部に設置されている誘導加熱源17のインバーター回路基板である。
このインバーター回路基板80には、直流電源部75Rを備えた右側のインバーター回路81Rと、別の直流電源部75Lを備えた左側のインバーター回路81L、を備えている。
前記フィルター回路54から、インバーター回路基板80には200Vの電圧の交流電力が印加される。90は、誘導加熱の制御全般を司る制御装置であり、マイクロコンピューターを主体にして構成されている。
前記制御装置90は、インバーター回路82L、82Rの中のIGBT79a、79bを駆動する駆動回路37L、37Rに駆動信号を発信する。2つの駆動回路37L、37Rは、前記電源回路A34、電源回路B36から供給された18Vの電力で動作し、IGBT79a、79を制御する。これによりインバーター回路81L、81Rの駆動周波数が制御される。
例えば、駆動回路A37Rは、電力用スイッチング素子93(半導体スイッチング素子)(IGBT79a、79b)の導通時間を検知し、導通時間を切り替えることにより、インバーター回路81Rの駆動周波数を低下させて火力を低下させ、又は逆に駆動周波数を上げて火力を上げる制御をする。これら駆動周波数の指令は、制御装置90から出される。
77aは、インバーター回路81L、81Rの商用電源側に設置した入力電流検出部、77bは、インバーター回路81L、81Rの出力側の電力を検出する出力電流検出部である。
これら入力電流検出部77aと出力電流検出器77bの検出値は、前記制御装置90に入力される。
誘導加熱調理時の初期段階では、制御装置90が被加熱物の材質判定を行う。
例えば、ある駆動周波数から別の駆動周波数まで変更させた時に、前記入力電流値の変化を見て、鍋等の被加熱物の材質が、磁性金属であるか、非磁性ステンレス、アルミニウム等と判別し、前記スイッチング素子(IGBT)79a、79bの駆動周波数を適正な値に自動調整する。そして、被加熱物の材質を非磁性ステンレスと判別した場合は、鉄と判別した場合の駆動周波数(例えば、23KHz)よりも高い駆動周波数(例えば31kHz)で駆動させる。
TS5、TS6は、IHコイル17L、17Rの空隙部に設置した非接触形温度センサー、TS3、TS4は、IHコイル17L、17Rの中心部に設置した接触形温度センサーである。また、TS8、TS9は、インバーター回路基板80のヒートシンク82に設置した接触形温度センサーである。これら各温度センサーの温度検出データは、統合制御装置MCに入力される。
実施の形態1では、温度検出回路93を備えていたが、この実施の形態6では、そのようなハードウエア形式での温度検出回路93を備えていない。統合制御装置MCの中のソフトウエアによって温度検知や温度比較、異常有無等の処理が実行される。
131は、ドア開閉検知機構である。このドア開閉検知機構131は、ドア114の開閉動作に応じて開閉される1つのスイッチと、そのスイッチが正しく開閉していることを検知するモニタースイッチとを備えている。この点は、実施の形態1、2で説明したものと同じである。
120Pは、マイクロ波加熱装置120の電源回路部であり、フィルター回路54から供給される商用電圧(200V)の電力から、低電圧(例えば24Vと5V)の電源となる交流電力を生成する。なお、電圧5Vの電力は、前記制御装置105の電源として供給され、また24Vの電力は、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129の駆動回路177に対して、それぞれ供給される。さらに、24Vの電力は、アンテナ駆動用モータ126の駆動電源として供給される。
加熱室113を加熱する上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bは、前記制御装置105によってリレー178A、178Bが開閉されることで通電が制御される。なお、前記リレー178A、178Bは、細かい通電率制御ができるような半導体スイッチング素子を使用しても良いが、この実施の形態6では、ON-OFF制御するだけであるので、リレーを採用している。上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bには、商用電源と同じ200Vの電圧が加わり、動作する。
132Mは、ドア開閉検知機構131の一部を構成するドア開放検知スイッチである。スイッチ自体は、前記ドア開閉検知機構131の内部に設置してあるが、この図59では、開閉信号が制御装置105に入力されることを示すために、別の位置に描いている。
160は、加熱室113の中の食品等の温度を計測する赤外線センサー、TS2は、前記マイクロ波加熱装置120のマグネトロン122の温度を計測する接触式センサーである。これらセンサー160、TS2の温度検出データは、全て制御装置105に入力される。
121Aは、マグネトロン122に高周波電力を供給するインバーター回路であり、電源側回路に挿入されたリレー182によって発振が制御される。前記リレー182の開閉は、前記制御装置105によって行う。
60P、61Pは、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61をそれぞれ駆動する駆動回路である。この駆動回路60P、61Pは、前記制御装置90の指令を受けて動作する。
この図59では、中央表示部30や入力操作部40の温度を監視する温度センサーを図示していないが、実際にはそのような温度センサーを設置し、加熱調理中において、常に(一定時間毎に)温度計測データを統合制御装置MCが取得して、異常な温度にならないように監視している。
38は、左側操作基板であり、中央操作基板32の左側に設置されており、電気絶縁性材料から形成されている。この左側操作基板38には、前記左側入力制御装置24と、左側の表示部31Lを取り付けている。左側操作基板38と中央操作基板32は、略同一平面上に並ぶように隣接して設置してある。
以上のようにこの実施の形態6の加熱調理器1は構成されているので、加熱調理を開始する場合には、最初に主電源スイッチ97を入れるために、入力操作部40の操作キー98を例えば数秒間押し続けると、この操作を電源スイッチ制御装置28が検知し、フィルター回路基板54の中にあるメインリレー107を閉じる。
このため、フィルター回路基板54から電源回路基板55に商用電源の電力が供給される。そして電源回路基板55の電源回路A34と電源回路B36によって、所定の電圧の電源が生成され、統合制御装置MCに印加される。
統合制御装置MCは、起動されると最初に加熱動作開始前の初期の自己診断を行い、異常が発生していないことを確認する。また、中央表示部30を起動し、初期情報を表示する。
この状態で、マイクロ波加熱装置120を使用するために、ユーザーが加熱室113のドア114を開けると、ドア開閉検知機構131がドア114の開放を示す信号を、制御装置105に送信する。このため、制御装置105は、ドア114の開放を示す信号を統合制御装置MCへ送信する。統合制御装置MCは、ユーザーがマイクロ波加熱調理を行うものと推定して、中央表示部30にマイクロ波加熱を開始するための必要な情報を表示し、加熱開始のための入力を促す。
ユーザーが、食品等を加熱室113に入れてドア114を閉めると、再びドア開閉検知機構131がドア114の閉鎖を示す検知信号を、前記制御装置105を経由して統合制御装置MCに送信する。そのため、この状態で入力操作部40から加熱開始の指令が行われると、右側入力制御装置23は、マイクロ波加熱用の入力キーのタッチ入力有無を検知する。このため、右側入力制御装置23から統合制御装置MCに加熱開始指令を示す信号が送信される。なお、右側入力制御装置23は、実施の形態1で説明した中央操作部40Mの入力も検知している。そして実施の形態1で説明したような各種タッチ式入力キー43M、44Mを操作すると、その操作に対応した入力信号を、前記統合制御装置MCへ送信する。
統合制御装置MCは、マイクロ波加熱動作を制御する制御装置105に駆動指令を発信し、リレー182を閉じ、インバーター回路121Aを駆動してマイクロ波加熱を開始する。また同時に第3冷却ファン128と第4冷却ファン129の駆動回路177A、177Bに運転指令信号を出して、それら2つの冷却ファン128、129の運転を開始する。さらに、図59には示していないが、アンテナ駆動用モータ126を駆動してアンテナ125を回動させる。これにより加熱室113の内部にはマイクロ波が導入され、食品を加熱調理する。
以上の説明から明らかなように、マイクロ波加熱調理を行っている期間中は、上部ユニット100の第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、全く運転はされない。そのため、加熱調理器1全体の消費電力を少なく抑えることができる。
なお、入力操作部40を構成するタッチ式入力キー部は、静電容量の変化を検知する電極を、個々のタッチキーエリアに対応して設けるため、そのような電極と、各タッチキーの部分を光で照らすためのLED(発光ダイオード)等、多数の部品を必要とする。そのため、図59では示していないが、タッチ式入力キー部を構成する部品は、前記中央操作基板32と左側操作基板38に実装されている。なお、電源スイッチ97の入力用キー98の部品もその中央操作基板32に実装されている。
(実施の形態6の総括)
この実施の形態6の加熱調理器1は、実施の形態1と同様に、第7の発明の構成を備えていた。
すなわち、この実施の形態6におけるビルトイン式複合型加熱調理器1は、
厨房家具2の中に設置されるものであって、
被加熱物が載置されるトッププレート15を介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、前記厨房家具2に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100の下方に設置され、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えた下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記上部ユニット100から電力の供給を受け、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱装置140と、前記マイクロ波加熱装置120を冷却するため冷却ファン128、129と、を備え、
前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発生源122は、前記加熱室113の1つの右側壁面又は左側壁面に沿って配置され、かつマイクロ波発生源122の発振部122Aが当該加熱室113の背面側に突出するように横向きに設置され、
前記加熱室113の背面側には、前記マイクロ波発生源122からのマイクロ波が導入されるアンテナケース124を設け、
前記アンテナケース124内には、前記マイクロ波発生源122から発振されたマイクロ波を、前記加熱室113の背面に設けた給電口180を介して当該加熱室113内の空間へ伝搬させるための、回動されるアンテナ125を配置し、
前記誘導加熱源17と、前記マイクロ波加熱装置120、前記オーブン加熱装置140、前記冷却ファン128、129は、前記上部ユニット100側にある統合制御装置MCによって運転が制御されることを特徴とする構成である。
この構成のため、加熱室113の1つの側壁面(右側面)から背面側の空間に、マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発振器(マグネトロン122)とアンテナケース124と、を一連にした形態で設置でき、狭い内部空間の下部ユニット200の中にこれら装置を内蔵させることができる。
さらに、この実施の形態6では、
被加熱物を加熱する誘導加熱源17を有し、厨房家具に支持される上部ユニット100と、
前記上部ユニット100に取り付けられ、加熱室113を内蔵した下部ユニット200と、を備え、
前記下部ユニット200には、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱装置120と、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置140と、を配置し、
前記上部ユニットには、前記誘導加熱源17を制御する制御装置90と、前記マイクロ波加熱装置120とオーブン加熱装置140の両者を制御する制御装置105と、これら2つの制御装置(スレーブマイコン)90、105を統合制御する制御装置MC(マスターマイコン)MCと、を備え、
前記上部ユニット100には、商用電源99からの電力を受けるフィルター回路基板55と、前記フィルター回路基板55からの電力を規定の電源電圧に変換する電源回路55(34,36)と、を備え、
前記制御装置105と制御装置90及び前記統合制御装置MCは、前記電源回路55(34,36)で生成した低い電圧の電力が電源として供給され、
前記誘導加熱源17のインバーター回路81と、前記マイクロ波加熱装置120のマイクロ波発生源122と、前記オーブン加熱装置140の上部ヒータ163A、下部ヒータ163Bは、前記フィルター回路54と前記電源回路55(34,36)との間から分配された電力(200V電源)が印加される構成である。
この構成により、加熱調理器1の全体の電源構成が簡略化され、また不要なノイズの伝搬等を抑制して確実な動作が期待できる。
その他の実施の形態.
実施の形態1~6で示したような上部ユニット100と下部ユニット200の双方を同時に必要でないユーザー(使用者)の場合には、上部ユニット100と下部ユニット200の販売や厨房家具2への設置作業は別個になる。そして、下部ユニット200は例えばオプション品で設定される。このような場合には、例えば、上部ユニット100と下部ユニット200のセット販売の梱包形態と、上部ユニット100だけの販売に備えた梱包形態を別に設定しておけば、販売時の利便性を損なうことがない。
実施の形態2で説明した調理皿162は、その表面全体に、黒色のセラミックコーティングを施しても良い。そのようなセラミックコーティングによって遠赤外線効果が期待できるので、食品の内部深くまで加熱することができ、美味しい料理を作ることができる。
誘導加熱回路は、IHコイル17L、17Rの形態や数等に応じて、ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路等、色々な駆動方式を採用しても良い。例えば、フルブリッジ回路では、日本特許第6130411号特許公報や、日本特許第6173623号公報で提案されている。
また、IHコイルについては、ドーナッツ状の形態だけではなく、例えば日本特許第5538546号公報に示されているように、円環状の主加熱コイルと、この主加熱コイルの両側に近接して配置され、主加熱コイルの半径より小さな横幅寸法を有する扁平形状の第1副加熱コイル及び第2副加熱コイルと、を備えた誘導加熱部でも良い。
以上の説明では、加熱調理器1の代表例として、2つの誘導加熱部を備えた加熱調理器の場合で本発明を説明したが、例えば2つの誘導加熱部の1つを、赤外線ヒータやラジエントヒータ等の輻射式の各種電気ヒータに変更しても良い。
実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。また手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また図示した各回路、部品、装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくとも良い。さらに特に図15で説明した統合制御装置MC、マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159、表示部駆動回路63は、これら各装置・回路の機能の分散・統合が可能であり、具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、機能や動作状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、図15に示した記憶装置MMと記憶装置90Rのデータやプログラムの一部は、加熱調理器1が保持せずに、外部の記録媒体(ストレージサーバ等)に保持されてもよい。この場合、加熱調理器1は、外部の記録媒体(ストレージサーバ)にアクセスすることで、必要なデータやプログラムの情報を取得する。
さらに特に図15で説明した統合制御装置MC、マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159、表示部駆動回路63の動作プログラムは、ユーザーの希望により、又は加熱調理器1の製造業者等の希望によって、適宜改善されたものに更新するようにしても良い。この場合、例えば、無線通信部49を通じて修正プログラムを入手するようにしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
本発明に係る加熱調理器と厨房家具は、一般住宅の台所だけではなく、公共施設や店舗等の調理場でも広く利用することができる。
1 誘導加熱調理器
2 厨房家具
2A 設置口
2B 前方開口
2P 口縁部上面
3 表面材
4 表面材
5 表面材
6 表面材
7 枠線
8 壁
10 本体
11 傾斜部
13 加熱室
13A 開口
14 ドア
15 トッププレート
16 上部ケース(上筐体)
16A フランジ
16B 後方垂直壁
16F 前方垂直壁
16L 側方垂直壁
16R 側方垂直壁
16S 底壁(底面)
17 誘導加熱源
17C コイルベース(コイル支持枠)
17CH 腕
17L IHコイル(誘導加熱コイル)
17R IHコイル(誘導加熱コイル)
18 開口
19 排気カバー
20 排気口
21 飾り枠
22 補強板
23 右側入力制御装置
24 左側入力制御装置
25 飾り枠
26 クッション材
28 電源スイッチ制御装置
30 中央表示部
31L 左側表示部
31R 右側表示部
32 中央操作基板
33 整流回路
34 電源回路A
35 整流回路
36 電源回路B
37L 駆動回路
37R 駆動回路
40 入力操作部
40L 左操作部
40M 中央操作部
40R 右操作部
41 操作基板
42 基板ホルダー
43L 入力キー
43M 入力キー
43R 入力キー
44L 入力キー
44M 入力キー
44R 入力キー
45L 入力キー
45M 入力キー
45R 入力キー
46L 窓
46R 窓
47 入力キー
48 赤外線発信部
49 無線通信部(無線通信モジュール)
51 ネジ
51F ネジ
52 仕切り板
52A 排気窓
53 排気口板
53A 貫通孔
54 フィルター回路基板
55 電源回路基板
56 チョークコイル
57 トランス
58 コンデンサー
59 ダイオードブリッジ回路(ダイオードモジュール)
60 第1冷却ファン
60A 吹出口
60C ファンケース
60M モータ
60P 駆動回路
61 第2冷却ファン
61A 吹出口
61C ファンケース
61M モータ
61P 駆動回路
62 冷却ファン駆動回路
63 表示部駆動回路
64 通気孔
65 底板
66 防磁リング
70 カバー
71 支持板
72 電力制御部(デマンド制御部)
73 信号伝達部
74 駆動回路
75 直流電源回路
76 共振コンデンサー
77a 入力電流検出部
77b 出力電流検出部
78a ダイオードブリッジ
78b リアクタ
78c 平滑コンデンサー
79a IGBT
79b IGBT
79c ダイオード
79d ダイオード
80 インバーター回路基板
81 インバーター回路
81L インバーター回路
81R インバーター回路
82 ヒートシンク
82F 放熱フィン
83 電力制御用スイッチング素子
84 感振機器
85 電気部品
90 制御装置
90R 記憶装置
91 電源回路
92 直流電源変換部
93 温度検出回路
94L 誘導加熱回路
94R 誘導加熱回路
95 音声合成装置
95S スピーカー
96 時計回路
97 主電源スイッチ
98 主電源スイッチの操作ボタン又は操作キー
99 商用電源(商用交流電源)
100 上部ユニット
101 下部ケース(下筐体)
101B 背面板
101C 傾斜部
101F 前板
101H 胴部
101M 切り欠き部(点検口)
101U 底板
101L 側方垂直壁
101P 凸部
101T 前方水平壁
101R 側方垂直壁
101N 貫通孔(係合孔)
102 排気ダクト
102A 内部通路
102B 内部通路
102E 終端部
103 段部
104 空洞
105 制御装置
106 電源コード
106A プラグ
110 本体
111 傾斜部
112 前カバー
113 加熱室
113A 開口
113B 背面壁(後壁面)
113T 凹部
114 ドア
115 取っ手部
116 アーム
117 透孔(ガイド孔)
118 連結部材(補強部材)
118H 貫通孔
118L 左垂直部
118M 中央平坦部
118P 凹部又は凸部
118R 右垂直部
118TL 支持片
118TR 支持片
118N 貫通孔(係合孔)
119 蓋板
120 マイクロ波加熱装置
120P 電源回路部
121 インバーター回路基板
121A インバーター回路(駆動回路)
122 マグネトロン(マイクロ波発生源)
122A 発振部
122H 放熱部
123 導波管
124 アンテナケース
125 アンテナ
126 アンテナ駆動用モータ
126A 回動軸
127 電源回路基板
128 第3冷却ファン(前方側冷却ファン)
129 第4冷却ファン(後方側冷却ファン)
130 マイクロ波加熱制御部
131 ドア開閉検知機構
132A ラッチスイッチ
132B ドアスイッチ
133 モニタースイッチ
134 ピン
135 ピン
136A 連動棒
136B 連動棒
137 支持板
138A 連通口
138B 連通口
139 閉鎖検知部
140 オーブン加熱装置
141 空間(天井部空間)
142 空間(側面部空間)
143 ヒートシンクの放熱フィン
144 空間
145 受け皿
146 ネジ
147 食器
148 ネジ(固定具)
149 引っ張りバネ
150 ケースA
151 ケースB
152B 吸気口
152F 吸気口
153 ダクト
154 ケースC
154A 蓋体
154B 本体
155 排気ファン
156 吸気孔
157 シール材
158 非接触温度計測部(赤外線温度計測部)
159 加熱室制御部
160 温度センサー
161 検知窓
162 調理皿
163 ヒータ
163A 上部ヒータ
163B 下部ヒータ
164 通気孔
165 凹部(吸気ダクト)
166L 左側仕切板
166R 右側仕切板
167 上部遮熱板
168 下部遮熱板
169 上部ケース
170 下部ケース
171 仕切板
172 通路
173 連通口
174 連通口
176 ヒンジ
178A リレー
178B リレー
179 固定金具
179B 支持台
180 給電口
181 カバー
182 リレー
183 ネジ
184 シール材
185 電波封印室
186 ネジ
187 ネジ
190 フレーム
191 カバー
192 内枠
192W 覗き窓(開口)
193 内側シール枠
194 チョーク室
195 シール板
196 シール板
197 上部遮蔽板
198 支持金具
198H 水平部
198R 固定部
198V 垂直部
199 風向板
200 下部ユニット
201 導入口
AL トッププレートの露出範囲
BH 深さ寸法
BT1 専用電源(内蔵電池)
CK IHコイル設置空間
D6 前後方向最大幅寸法
DP1 深さ(寸法)
DP2 寸法
F1 第1風路
F2 第2風路
FI 入口
FO 出口
GP1 空隙
GP2 空隙
GP3 空隙
GP4 空隙
GP5L 空隙
GP5R 空隙
GP6 空隙
GP7 空隙
GP8 空隙
GP9 空隙
GP10 空隙
GP11 空隙
HL1 第1の水平線
HL2 第2の水平線
H1 最大高さ寸法
HP1 第1の水平面
HP2 第2の水平面
HV 有効高さ寸法
HX 最大高さ寸法
LA 突出寸法
LB 突出寸法
LD 距離
LF 排気口寸法
LW 排気範囲
MC 統合制御装置
MM 記憶装置
N 被加熱物
RF1 冷却風
RF2 冷却風
RF3 冷却風
RF4 冷却風
RF5 冷却風
RF6冷却風
W2 最大幅
W3 最大幅
W4 最大横幅寸法
W5 切り欠き部開口幅
WH 内側横幅寸法(間口寸法)。

Claims (21)

  1. 被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源と、前記トッププレートによって上面開口部を閉鎖した扁平な本体と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
    マイクロ波が供給される加熱室と、マイクロ波発生源とを内蔵した下部ユニットと、
    前記上部ユニットと前記下部ユニットを連結する連結部材と、を備え、
    前記連結部材は、前記下部ユニットの少なくとも1つの側壁面と前記上部ユニットの少なくとも1つの側壁面とに近接又は密着した状態で設置され、前記下部ユニットと前記上部ユニットとの両者に、それぞれ結合される構成であることを特徴とするビルトイン式複合型加熱調理器。
  2. 前記上部ユニットは、外殻を構成する箱形形状の上部ケースを更に有し、
    前記下部ユニットは、外殻を構成する箱形形状の下部ケースを更に有していることを特徴とする請求項1に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  3. 前記連結部材の上端部は、前記上部ケースの少なくとも1つの側壁面に固定され、
    前記連結部材の下端部は、前記下部ケースの少なくとも1つの側壁面に固定されていることを特徴とする請求項2に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  4. 前記連結部材は、前記下部ユニットの底面と左右側壁面とを一連に覆う形状であることを特徴とする請求項1に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  5. 前記連結部材は、金属製の薄い板から形成されており、前記下部ユニットの側面にネジで固定される左右垂直部と、この左右垂直部の下端部間を連結する中央平坦部とを、備えていることを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  6. 前記連結部材は、前記上部ユニットと下部ユニットに対し、着脱自在な固定具で結合していることを特徴とする請求項1に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  7. 前記加熱室の前方部にある開口を開閉自在に閉鎖するドアを更に有し、
    前記下部ユニットには、前記ドアの下部を回動自在に支持するヒンジと、前記ドアの荷重を左右で支える一対のアームとを備え、
    前記アームと前記下部ユニットとの連結部に対応した前記下部ケースの側面を、前記連結部材が覆っていることを特徴とする請求項2に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  8. 前記加熱室の前方部にある開口を開閉自在に閉鎖するドアを更に有し、
    前記下部ユニットには、前記ドアの下部を回動自在に支持するヒンジと、前記ドアの開閉を検知する複数のスイッチを備えたドア開閉検知機構と、を備え、
    前記複数のスイッチの配置部に対応して前記下部ケースの側面には、当該スイッチの点検を可能にする切り欠きを設け、
    前記切り欠きの外側が、前記連結部材によって覆われており、
    前記連結部材は、前記下部ユニット及び前記上部ユニットとの連結を解除した状態では、前記切り欠きを開放し、前記スイッチが露出することを特徴とする請求項2に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  9. 前記加熱室の前方部にある開口を開閉自在に閉鎖するドアを更に有し、
    前記下部ユニットには、前記ドアの下部を回動自在に支持するヒンジと、前記ドアの開閉を検知する複数のスイッチを備えたドア開閉検知機構と、前記ドアの荷重を左右で支えるアームと、を備え、
    前記ドア開閉検知機構は、前記加熱室から見て前記アームよりも外側位置に配置され、
    前記複数のスイッチの配置部に対応して前記下部ケースの側面には、当該スイッチの点検を可能にする切り欠きを設け、
    前記切り欠きの外側が、前記連結部材によって覆われており、
    前記連結部材は、前記下部ユニット及び前記上部ユニットとの連結を解除した状態では、前記切り欠きを開放し、前記スイッチが露出することを特徴とする請求項2に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  10. 前記上部ユニットは、外殻を構成する箱形形状の上部ケースを有し、
    前記上部ケースの上端部には水平方向に伸びるフランジを有し、
    前記下部ユニットは、外殻を構成する箱形形状の下部ケースを有し
    前記連結部材の上端部には、前記上部ケースと下部ケースに固定された状態で、前記フランジの下面に近接又は当接する支持片を形成していることを特徴とする請求項1に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  11. 被加熱物が載置されるトッププレートを介して前記被加熱物を加熱する第1の加熱源と、前記トッププレートによって上面開口部を閉鎖した扁平な本体と、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
    マイクロ波が供給される加熱室と、マイクロ波発生源とを下部ケースに内蔵した下部ユニットと、を備え、
    前記本体の外殻を構成する上部ケースと、前記下部ケースは、それぞれが金属製の薄い板から形成されたものであり、
    前記上部ケースの周端部には、垂直方向に伸びる側方垂直壁が形成され、
    前記下部ケースは、上面全体が開口しており、当該開口の内側に前記上部ケースが嵌合した状態で、前記上部ユニットと前記下部ユニットとは、連結されていることを特徴とするビルトイン式複合型加熱調理器。
  12. 前記マイクロ波発生源は、前記上部ユニット内部にある電源回路基板で生成された電力が制御用の電源として供給されることを特徴とする請求項11に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  13. 前記下部ユニットには、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置を更に備え、
    前記マイクロ波発生源と、前記オーブン加熱装置とは、前記上部ユニット内部にある電源回路基板で生成された電力が制御用の電源として供給されることを特徴とする請求項11に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  14. 前記第1の加熱源として、前記トッププレートの下方に配置されたIHコイルを備え、
    前記IHコイルに高周波電力を供給するインバーター回路基板を更に備え、
    前記インバーター回路基板は、前記上部ユニット内部にある電源回路基板よりも上流側から電力の供給を受ける構成であることを特徴とする請求項11に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  15. 前記第1の加熱源として、前記トッププレートの下方に配置されたIHコイルを有し、
    前記上部ケースの内部には、前記IHコイルの下方に配置され、当該IHコイルに高周波電力を供給するインバーター回路基板と、前記IHコイルと前記インバーター回路基板との間に設置されたカバーと、前記上部ケースの壁面に形成した通気孔から冷却用の空気を導入する、第1冷却ファンと、を備え、
    前記第1冷却ファンは、垂直な軸線を中心に回転する回転翼を有しており、
    前記第1冷却ファンは、前記インバーター回路基板と前記カバーの間に形成された第1通風路の入口に臨んでおり、当該第1冷却ファンは、前記第1通風路の一方の端部にある入口から他方の端部にある出口に向けて冷却風を供給する構成であることを特徴とする請求項11に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  16. 前記下部ケースには、前記マイクロ波発生源に対して高周波電力を供給するインバーター回路基板と、このインバーター回路基板の下方にあって、当該インバーター回路基板に対し冷却風を供給する前方側冷却ファンと、前記マイクロ波発生源の放熱部の下方にあって、当該放熱部に対して冷却風を供給する後方側冷却ファンとを、それぞれ配置したことを特徴とする請求項11に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  17. 前記下部ケースには、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置を更に備え、
    前記第1の加熱源と、前記マイクロ波発生源、前記オーブン加熱装置、前記前方側冷却ファン及び後方側冷却ファンは、前記上部ユニット側にある統合制御装置によって運転が制御されることを特徴とする請求項16に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  18. 前記下部ケースには、前記加熱室を加熱するオーブン加熱装置を更に備え、
    前記第1の加熱源と、前記マイクロ波発生源、前記オーブン加熱装置、前記前方側冷却ファン、後方側冷却ファンは、前記上部ユニット側にある統合制御装置によって運転が制御され、
    前記上部ユニットにおいて前記第1の加熱源だけで加熱調理を実行している期間中、前記前方側冷却ファン及び後方側冷却ファンは、何れも運転されないことを特徴とする請求項16に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  19. 被加熱物が載置されるトッププレートと、前記トッププレートを介して前記被加熱物を加熱する誘導加熱源と、前記トッププレートで上面開口部を閉鎖した扁平な上部ケースと、を有しており、厨房家具に支持される上部ユニットと、
    上部ヒータと下部ヒータによって上方と下方から、それぞれ加熱される加熱室を内蔵した下部ユニットと、を備え、
    前記下部ユニットには、外殻を構成する下部ケースと、前記加熱室の開口を開閉するドアと、このドアを支持するアームと、ドア開閉検知機構と、を有し、
    前記下部ユニットには、前記加熱室の右側方又は左側方に、マイクロ波発生源と、当該マイクロ波発生源に高周波電力を供給するインバーター回路基板を内蔵したケースと、を備え、
    前記マイクロ波発生源の前方側に前記ケースを配置し、
    前記下部ユニットの内部には、前記ケースの前方側に空間を設け、
    前記空間には、前記アームと、前記ドア開閉検知機構とを、隣接した状態で、かつ当該ドア開閉検知機構が外側になるように収容していることを特徴とするビルトイン式複合型加熱調理器。
  20. 前記ドア開閉検知機構には、前記ドアの開閉に応じて開閉されるスイッチを有し、
    前記スイッチの配置部に対応して前記下部ケースの側面には、当該スイッチの点検を可能にする切り欠きを設け、
    前記切り欠きの外側を覆うように、蓋板を前記下部ケースに着脱可能に取り付けており、
    前記蓋板を取り外した状態では、前記切り欠きが開放し、前記スイッチが露出することを特徴とする請求項19に記載のビルトイン式複合型加熱調理器。
  21. 上面に設置口を有し、当該設置口の中に請求項1、11、19の何れか1つに記載のビルトイン式複合型加熱調理器を設置していることを特徴とする厨房家具。
JP2022017340A 2018-11-15 2022-02-07 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具 Active JP7292450B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017340A JP7292450B2 (ja) 2018-11-15 2022-02-07 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP2023037746A JP7499904B2 (ja) 2018-11-15 2023-03-10 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214389A JP7055088B2 (ja) 2018-11-15 2018-11-15 加熱調理器及び厨房家具
JP2022017340A JP7292450B2 (ja) 2018-11-15 2022-02-07 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018214389A Division JP7055088B2 (ja) 2018-11-15 2018-11-15 加熱調理器及び厨房家具

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023037746A Division JP7499904B2 (ja) 2018-11-15 2023-03-10 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022051856A true JP2022051856A (ja) 2022-04-01
JP7292450B2 JP7292450B2 (ja) 2023-06-16

Family

ID=87699524

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022017340A Active JP7292450B2 (ja) 2018-11-15 2022-02-07 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP2023037746A Active JP7499904B2 (ja) 2018-11-15 2023-03-10 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023037746A Active JP7499904B2 (ja) 2018-11-15 2023-03-10 ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7292450B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5344347U (ja) * 1976-09-21 1978-04-15
JP2006275439A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mitsubishi Electric Corp 家電機器
JP2009149349A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Fpco Chupa Kk 容器
JP2009293853A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Panasonic Corp ビルトイン型加熱装置
JP2010055800A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理装置
JP2010142437A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Toto Ltd 厨房家具
JP2010266164A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Panasonic Corp ビルトイン電子レンジ
JP2016041992A (ja) * 2014-08-18 2016-03-31 リンナイ株式会社 組込式加熱調理器
WO2017033458A1 (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 加熱調理器
JP2018028410A (ja) * 2016-08-18 2018-02-22 三菱電機株式会社 加熱調理器、調理器セット、調理器用支持装置及び厨房家具

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003148744A (ja) 2001-11-14 2003-05-21 Inax Corp キッチンで用いられる調理器
JP2011146143A (ja) 2010-01-12 2011-07-28 Panasonic Corp マイクロ波処理装置
JP2016207400A (ja) 2015-04-21 2016-12-08 日立アプライアンス株式会社 誘導加熱調理器
KR102539016B1 (ko) 2016-09-01 2023-06-02 삼성전자주식회사 조리 장치 및 그 제어 방법

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5344347U (ja) * 1976-09-21 1978-04-15
JP2006275439A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mitsubishi Electric Corp 家電機器
JP2009149349A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Fpco Chupa Kk 容器
JP2009293853A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Panasonic Corp ビルトイン型加熱装置
JP2010055800A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理装置
JP2010142437A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Toto Ltd 厨房家具
JP2010266164A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Panasonic Corp ビルトイン電子レンジ
JP2016041992A (ja) * 2014-08-18 2016-03-31 リンナイ株式会社 組込式加熱調理器
WO2017033458A1 (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 加熱調理器
JP2018028410A (ja) * 2016-08-18 2018-02-22 三菱電機株式会社 加熱調理器、調理器セット、調理器用支持装置及び厨房家具

Also Published As

Publication number Publication date
JP7292450B2 (ja) 2023-06-16
JP7499904B2 (ja) 2024-06-14
JP2023060346A (ja) 2023-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7055088B2 (ja) 加熱調理器及び厨房家具
JP2008027601A (ja) 誘導加熱調理器
JP7494969B2 (ja) 複合型加熱調理器
JP2011155022A (ja) 誘導加熱調理器
JP7167874B2 (ja) 複合型加熱調理器、厨房家具及び複合型加熱調理器の制御用プログラム
JP2021068598A (ja) 複合型加熱調理器、厨房家具及び複合型加熱調理器の制御用プログラム
JP7450452B2 (ja) 複合型加熱調理器、厨房家具、及び家電機器の運転管理システム
JP2017117607A (ja) 加熱調理器
JP2021166120A (ja) 誘導加熱調理器、ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7167875B2 (ja) 複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7292449B2 (ja) ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7292450B2 (ja) ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7073292B2 (ja) 複合型加熱調理器、厨房家具及び複合型加熱調理器の制御用プログラム
JP2023060342A (ja) ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7332006B2 (ja) ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7167828B2 (ja) ビルトイン式複合型加熱調理器及び厨房家具
JP7270809B2 (ja) 複合型加熱調理器及び複合型加熱調理器の制御用プログラム
JP7400606B2 (ja) インバーター回路基板の冷却構造及び誘導加熱調理器
JP7399048B2 (ja) 加熱調理器
JP7337755B2 (ja) 加熱調理器
JP2021014968A (ja) 加熱調理器
JP2024048645A (ja) 加熱調理器
JP2023118133A (ja) 加熱調理器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7292450

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150