(定義)
「家電機器」400とは、主に家庭で使用されることを想定して設計された電気機器をいう。家電機器400には、後述する誘導加熱調理器1や冷蔵庫401、テレビジョン受像機402、空気調和機403、空気清浄機404、換気装置405、電気炊飯器(電気ジャー炊飯器を含む)406、電子レンジ408、照明器具409、空気清浄機410が含まれる。なお、以下の説明では、「冷蔵庫」とは、特に断りがない限り、冷凍庫(冷凍室)を内蔵した冷凍冷蔵庫と、冷凍機能だけを備えた冷凍庫の双方を含む。
家電機器400の「機器識別情報」とは、家電機器400を特定するための固有の情報である。具体的には、情報通信を行う場合に必要となる重要な情報であり、MACアドレス、家電機器400の製造者名、型名(モデル名)、形式番号、製造番号等である。
「ホーム・ゲートウエイ」411とは、1つの家庭における、2つ以上の家電機器400の間の情報を中継し、連携した動作に関与するための情報処理装置をいう。また、これに加えて、1つの家電機器400に対して動作の指令信号を与えること、又は1つの家電機器400から情報(「データ」ともいう)を取得する動作を行うものである。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、前記家電機器400の全部又は一部について、1つの家庭の総電力使用量を管理させるために、ピークカット機能等の電力制御機能を持たせている場合があり、その場合、「電力制御装置」や「統合管理装置」等と呼ばれる場合がある。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、家電機器400の運転や停止、待機状態等の現在状況に関する情報を、有線又は無線信号で家電機器400から取得する機能を有する。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、無線通信を利用する場合、前記機器識別情報を利用して目的の家電機器400と接続される。
前記ホーム・ゲートウエイ411が、1つの家電機器(例えば、誘導加熱調理器1)400に対して、「統合管理装置」又は「電力指令装置」として機能する場合があっても、他の家電機器(例えば、照明器具409)に対しては、消費電力を制限しない場合には、「統合管理装置」又は「電力指令装置」には相当しない。例えば、当該ホーム・ゲートウエイ411が、照明器具409の運転情報を取得しても、他の家電機器400の消費電力と合わせた総消費電力が、規定の総消費電力の上限を超えないように、照明器具409自体の消費電力を規制する機能がない場合である。そのため、照明器具409から見てホーム・ゲートウエイ411は、統合管理装置、電力指令装置の何れにも該当しない。
実施の形態1.
図1~図121は、実施の形態1を開示したものである。この実施の形態1では、ビルトイン式複合型(誘導)加熱調理器1を開示している。なお、以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、単に「加熱調理器」と呼ぶ。
各図中、符号RTは、加熱調理器1の右方向を示し、LEは左方向を示す。またFTは前方を示し、BKは後方を示す。
この実施の形態1において、「第1の加熱手段」HM1とは、後述する誘導加熱源9やガス燃焼器(バーナー)(図示せず)等のように、トッププレート15上において、被調理物を収容した被加熱物Nを加熱する手段をいう。被加熱物Nは、例えば、金属製の鍋やフライパンである。
以下の説明で「トッププレートの上に載置された被加熱物N」という場合は、後述するトッププレート15の上面に鍋等の被加熱物Nを直接載せて加熱する場合と、ガス燃焼器(バーナー)等のように、トッププレートの上方に配置された五徳等の支持部材の上に被加熱物Nを載せて加熱する場合の、両方を含む意味である。
この実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室113の内部に収容した被調理物を加熱するための加熱源をいう。
実施の形態1では、加熱原理の異なる加熱源を複数備えている。当該加熱源は、後述するマイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188、あるいは(図示していない)ガス燃焼器(バーナー)の何れでも良い。マイクロ波加熱源189と、他の加熱原理によって加熱効果を発揮する加熱源を複数個備えても良い。更に第2の加熱手段は、高温の蒸気(過加熱蒸気など)を供給する蒸気発生器(ボイラー)でも良い。
この実施の形態1において「誘導加熱調理器」とは、前記被加熱物Nを誘導加熱する加熱部を有したものをいう。加熱部が複数ある場合、その中に誘導加熱方式と異なる方式、例えば輻射式電熱源(シーズヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター、ラジアントヒータ等)の他の方式を利用して加熱される加熱源があっても良い。
この実施の形態1において「複合型加熱調理器」とは、マイクロ波加熱源189と、電気ヒータ等から構成したオーブン加熱源188の関係のように、異なる加熱原理の加熱源を複数個備え、それら2種類の加熱源によって、1つの加熱室113において加熱調理ができるものをいう。電気ヒータ等から構成したオーブン加熱源188とガス燃焼器(バーナー)の両方で加熱室113を加熱する形態でも良い。更に加熱室113を加熱する加熱源として、誘導加熱源を使用しても良い。
この実施の形態1において、加熱室113の『加熱手段(以下の説明では「オーブン加熱源」という)』とは、加熱室113の壁面を、その外側から加熱する加熱源、加熱室113の内部空間に設置した加熱源の、何れでも良い。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を配置し、この発熱部材で加熱室113の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室113内部の空気を加熱したりする何れの形態であっても良い。
例えば、日本の特許文献で、特開2017-74305号公報には、加熱室(グリル庫)内に配置されて被調理物を載置する調理皿を、下方から加熱する第2の加熱体(誘導加熱コイル)と、側方から被調理物を加熱する第3の加熱体(誘導加熱コイル)と、を備えた加熱調理器が提案されている。
さらに、特開2016-85996号公報には、加熱室の下方に電気絶縁体を設け、その電気絶縁体の下方空間に誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」と呼ぶ)を設け、前記IH熱コイルの上に置いた調理プレートを誘導加熱する構成が提案されている。調理プレートは、誘導加熱可能な素材で形成されている。例えば、鉄、ステンレス、カーボン含有率90%以上の炭素材、導電材料としてSi(シリコン)またはFeSi(フェロシリコン)を含有するセラミック素材等が用いられている。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を配置した代表的なものとして、特開2005-071695号公報には、IHコイルに高周波電流を供給して、IHコイルに高周波磁束を発生させ、その高周波磁束を加熱庫内に配設されたヒータと鎖交させて、ヒータに誘導電流が流れるようにし、ヒータ自身の電気抵抗によって発生するジュール熱で加熱庫内の被調理物を加熱調理することが開示されている。
さらに、特開2013-247048号公報には、加熱室の内部に、電気的に閉回路のヒータを配置し、このヒータに、加熱室の外部に配設されたIHコイルから生じる高周波磁束を鎖交させ、ヒータを高温にして加熱室内に放熱させることが提案されている。なお、ここでいうヒータとは、電気的に閉回路を形成しており、ステンレスや高ニッケル合金等の丸棒や丸パイプを所定の形状に曲げて、両端を互いに溶接やロウ付け等によって接合して無端状に形成したものである。
この実施の形態1でいう「IHコイル」の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある(例えば、日本の特許文献で、特開2012-79580号公報)。あるいは、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。
また、別の特許文献である特開2018-32551公報には、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体を、IHコイルとして使用した誘導加熱調理器が提案されている。
これら何れの形態のものも誘導加熱源9の主要部となる「IHコイル」に相当する。
この実施の形態1において、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件が設定可能な2つ以上の加熱源を使用して行う調理をいう。
前記「連携調理」は、複数の加熱源を、時間差を置いて使用する場合が該当する。例えば1つの調理を完成させる過程で、マイクロ波加熱を終えて予備加熱したあと、被調理物を別の場所に移し、移動後の場所で、後述するIHコイル17Lで加熱して完成させる調理の場合は、ここでいう「連携調理」の一種である。
また、加熱室113の内部で被調理物を、ガス燃焼器(バーナー)によって加熱し、その後、当該被調理物をトッププレート15の上に移動し、ガス燃焼器(バーナー)や誘導加熱源9で加熱して、調理の完成度を上げるという形態も「連携調理」の一種である。
連携調理については、日本の特許第5833699号公報や、同じく特許第5500944号公報において、ビルトイン式加熱調理器の形態で提案されている。
(全体構成と家電機器の運転管理システム)
最初に家電機器400の運転管理システムについて説明する。
図1において、HAは、1つの家屋を示したものである。
家屋HAの中は、実際には図示していないが、壁やドアによって複数の居住空間に区画されており、その1つの居住空間であるキッチンKT(図2参照)には、冷蔵庫401、誘導加熱調理器1、電子レンジ408、電気炊飯器406などの家電機器400と、厨房家具2が配置されている。なお、居住空間には、この図1には示していないが、そのほかに「居間」や「浴室」等、またトイレのある部屋も含まれる。居住空間には、これ以外の部屋があっても良い。
全ての居住空間には、家屋の外部にある電力会社の商用電源EPから例えば200Vの電力が供給されている。その電力は、電力量計414を介して家屋HAの内部に引き込まれている。
415は、200Vの電圧の商用電源EPに対し、ブレーカーBKを介して接続された電源線(主幹線)である。この電源線415には、各種放送を受信できるテレビジョン受像機(TV受像機)402、空気調和機403、照明器具409、誘導加熱調理器1、電子レンジ408、電気炊飯器406、ホーム・ゲートウエイ411、無線ルーター419及び環境検知部413が、それぞれ接続されている。
ホーム・ゲートウエイ410、環境検知部413、TV受像機402、空気調和機403、加熱調理器1、冷蔵庫401、照明器具409は、常に所定の電源コードを介して電源線415に接続されている。なお、照明器具409は、1つだけではないが、他のものは図示を省略している。
引き続いて図1を説明する。
416は、広域通信回路網(「通信ネットワーク」又は「インターネット」と称する場合がある)である。
この広域通信回路網416は、ホーム・ゲートウエイ411に対して、無線ルーター419を介して接続される。
417は、ホーム・ゲートウエイ411や情報通信端末機器418に対して、有益な情報を発信する外部サーバーである。例えば、特定地域の地震情報提供機関や電力会社等の外部機関が設置したサーバーでも良いし、加熱調理器1を製造したメーカが用意したサーバーでも良い。この外部サーバーは、いわゆる「クラウドサーバー」と呼ばれる分散処理型のサーバーでも良い。なお、クラウドサーバーを利用する「クラウドコンピューティング」には、「IaaS」、「PaaS」、「SaaS」の3種類があることが知られている。
ホーム・ゲートウエイ411は、外部サーバー417から、各種のコンテンツの配信サービスを受けることができる。このコンテンツの中には、各種調理のレシピ情報(文字、画像)も含まれる。
なお、図示していないが、上記した環境検知部413の環境センサーは、家屋の外部の気温と湿度とを検知する温度センサーや湿度センサーを追加して設けても良い。
また、外部サーバー417は、前記家電機器400に対する情報提供手段として機能するものである。つまり、外部サーバー417は、家電機器400の製造業者(メーカ)、販売業者、修理業者、あるいは情報サービス提供業者等の組織が、単独で、又は2つ以上の組織が共同で設置したものでも良く、家電機器400に関する各種サービスを、広域通信回路網416を介してユーザーに提供するものである。
また、前記外部サーバー417は、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているものでも良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種情報通信端末機器418や、ホーム・ゲートウエイ410等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウェアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。
前記外部サーバー417には、家屋HAやその遠隔地から、ホーム・ゲートウエイ411を遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。後で詳しく述べる情報通信端末機器418、例えばスマートフォンと呼ばれている機器からは、外部サーバー417にアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記した遠隔制御を実現することができる。
前記情報通信端末機器418は、ユーザーが気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の通信を行える。広域通信回路網416を介して屋外の情報提供サイトから情報をダウンロードしたり、メールを送信・受信したり、遠隔操作信号を発信できる機器であるが、通話できない機器でも良く、そのような携帯用通信機器を総称して情報通信端末機器418と呼んでいる。なお、小型の携帯用パーソナル・コンピュータも情報通信端末機器418の一種である。
本実施の形態1における情報通信端末機器418は、各家電機器400の入出力部に数センチメートル程度接近(又は接触させても良い)した状態で、近距離通信で信号の授受をする機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)として知られている無線通信の国際規格技術のことである。
このNFCの通信では、誘導加熱調理器1や冷蔵庫401を含む家電機器400側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。
一方、情報通信端末機器418側から制御データ(「制御コマンド」ともいう)を家電機器400のNFC記憶部へ送り、家電機器400を、前記制御コマンドに従って制御することもできる。
この実施の形態1においては、情報通信端末機器418から家電機器400側に対する直接的な遠隔操作はできないようにしてある。家電機器400の中には、加熱調理器1等のように高熱を発するものもあるため、家屋413の外から多くの人が利用するインターネットを経由して遠隔操作することは採用していない。その代わり、統合的な情報処理装置として、前記ホーム・ゲートウエイ411を経由して全ての家電機器400の操作が可能となるようにしている。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1のホーム・ゲートウエイ411は、2つ以上の家電機器400の間の情報を中継し、連携した動作をさせるための情報処理装置をいう。また、これに加えて、1つの家電機器400に指令信号を与えること、又は1つの家電機器400から情報(データともいう)を取得する動作を行う。
図1においては、図示していないが、この家屋HAの中のキッチンKTには、後述するレンジフード422と、天井埋込型の空気清浄機404が設置されている。
413Aは、ホーム・ゲートウエイ411の環境検知部413のセンサー部である。このセンサー部413Aには、この図1には図示していないが、環境センサー453(図4参照)と、人の存在を(赤外線や超音波で)検知する人感センサー452(図4参照)と、を有している。なお、環境検知部413については、後で詳しく説明する。
前記「環境情報」とは、加熱調理器1や冷蔵庫401を使用する空間(キッチンKT)の雰囲気の温度情報と、塵埃飛散量情報、光量情報の3種類をいう。塵埃飛散量情報とは、空気中に存在する塵埃(花粉を含む)の量を計測した結果である。
「環境情報の利用」には、以下のような例を含む。
(1)温度が高い場合、電気炊飯器406の保温機能を炊飯工程の終了に連続して動作させる。また、冷蔵庫401の冷蔵目標温度、冷凍目標温度を、標準値よりも上げる。
(2)湿度が高い場合、空気調和機403を「除湿モード」又は「冷房モード」で動作させる。または換気装置405の運転を開始する。あるいは、空気調和機403が運転中であった場合、その運転条件(目標とする室温など)を変える。
(3)空中を浮遊するような微細な塵埃が飛散している場合、空気清浄機404を動作させる。または換気装置405の運転を開始する。
(4)花粉飛散量が多い場合、空気清浄機404の運転を開始する。
(5)光量(可視光線量)が少ない場合、照明器具409を点灯させる。
「居住者」とは、図1に示した1つの家屋HAに居住する者をいう。居住者には、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等が含まれる。なお、家電機器400を使用する場合には、居住者であるかどうかに関係なく、「ユーザー」と呼ぶ。
「家庭」とは、特定の管理者が管理する1つの家屋HAを意味しており、複数の部屋があり、複数の家族が入居している集合住宅も含む場合がある。すなわち、そのような集合住宅でも、1つの家屋HAの場合と同様に商用電力の上限が1つの電力遮断機器(1つのブレーカーBK、あるいは複数の電力遮断器等)で、一元的に管理されている場合は、ここでいう家庭とみなす。
「家電機器側の電力制限情報」とは、ホーム・ゲートウエイ411から家電機器400が受ける、電力消費量に関する何らかの信号に関する情報をいう。この「家電機器側の電力制限情報」とは、後述する電力削減要請信号AS1、電力削減指令信号AS2等のような送信指令に関する情報を含んだものをいう。それら情報には、その信号の受信時期(年月と秒単位の時刻)と信号の意味を示す情報が含まれる。例えば、加熱調理器1に対するある時点の電力削減指令信号AS2についての「送信時刻:2020年7月29日 17時00秒 瞬間最大消費電力量を2%下げ」のような情報である。
家電機器側の電力制限情報は、例えば加熱調理器1では、その後述する統合制御装置MCの記憶装置MMの中に時系列で記憶されており、主電源スイッチ98をON又はOFFしても消えない。主電源スイッチ98をONし、OFFしたことを1回の調理と考えて、少なくとも数回分は記憶保持されるようになっている。それを超えた分が順次自動的に消去される。
次に図2について説明する。
図2は、本実施形態1の加熱調理器1と家電機器の運転管理システムが適用されたハードウエアの構成例を示している。1つの居住空間として、キッチンKTを例にして以下説明する。
本実施の形態1が適用されたキッチンKTには、天井面(水平壁面)420上に設置された空気清浄機404、冷凍温度の異なる複数個の冷凍室401Aと、冷蔵室401Bとを備えた冷蔵庫401、電子レンジ408、厨房家具2に配置されたビルトイン式の(誘導)加熱調理器1、加熱調理器1の真上の位置に配置されるレンジフード(換気装置405の一種)422、ホーム・ゲートウエイ411が、それぞれ設置されている。なお、図1で説明した電気炊飯器406、空気調和機403や照明器具409の図示は省略している。
前記冷蔵庫401における複数個の冷凍室401Aは、例えばマイナス18℃±2℃、マイナス10℃、マイナス2℃等、冷凍食品(加工食品含む)や生鮮食材(肉、魚等)に適当な冷凍温度(温度帯)の冷凍室を選択できるようにしている。
また、前記冷凍温度や冷凍の温度帯は、生鮮食材(例えば、牛肉)を長期に保存した場合の、熟成にも影響するので、同じ冷凍室であっても、食材の種類によって、その都度適宜変更することができるようになっている。
前記レンジフード422は、前記天井面420を貫通している排気口423を有しており、この排気口423には、屋外に連通しているダクト424の一端部が接続されている。
425は、下面全体が吸込口425Aとして開放されたフードであり、このフードの内部には排気用の電動ファン426が設置されている。なお、このレンジフード422は、天井面420に固定されているが、詳しい構成については説明を省略する。
このレンジフード422の運転状況は、ホーム・ゲートウエイ411の中央制御部447(後で詳しく述べる)に随時送信される。このため、レンジフード422の内部には、ホーム・ゲートウエイ411との間で、排気運転の開始、停止と、運転の強度(排気能力の大小)等の各種運転情報を送信するため、送信部(図示せず)と、受信部(図示せず)とを備えている。例えば、それら送信部と受信部をハードウエアでは一体化し、通信部427として備えている。この通信部427はホーム・ゲートウエイ411との無線通信又は赤外線通信で情報の授受を行う。
電動ファン426が回転駆動されると、レンジフード422の吸込口425Aから空気を吸引し、調理時の臭いや煙も吸引して、ダクト424を通して家屋HAの外部に排気するものである。なお、レンジフード422は、加熱調理器1の側から赤外線信号等の運転信号を受信して、排気運転を開始する方式である。これについては、後で説明する。
図2において、矢印FF1は、加熱調理器1から上昇する気流を示す。FF2は、ダクト424からの排気流を示す。FF3は、天井面420の近くを横に移動する空気流を示す。FF4は、空気清浄機404から吹き出される空気流を示している。
レンジフード422に、加熱調理器1の方向に向けて熱感知センサー(熱起電力素子)を配置しても良い。この構成によれば、レンジフード422自身が加熱調理器1の運転開始を感知し、自らが電動ファン426の運転を制御する。
天井埋込型の空気清浄機404は、天井面420に埋め込む形で設置されている。空気清浄機404の箱型本体428の内部には、送風ファン429とフィルター430が備えられている。
431は、空気案内板であり、空気清浄機404の下方全体を覆っている。432は、空気案内板431によって一方の端部(前記レンジフード422に近い側)に形成した吸込口である。433は、空気案内板431によって前記吸込口432とは反対側の端部に形成した吹出口である。
前記送風ファン429は、キッチン内の汚れた空気を吸込口432から吸引し、フィルター430を通過させて清浄化した空気を、前記吹出口433からキッチンKTの下方に向けて排出する。このようにして、空気中のほこりや臭いを取り除き、室内の空気を清浄化するものである。
434は、空気清浄機404の臭いセンサーであり、前記吸込口432の入口部に臨むように配置されている。これは、運転時に空気清浄機404に取り込む空気の中から、臭いを検出し、空気の汚染度を検出している。なお、臭いセンサー434の位置は、吸込口432側の風路で、かつフィルター430の前段であれば、どこに配置してもその効果に大きな差異はない。
前記臭いセンサー434の検出結果は、空気清浄機404の本体428の内部に配置された臭い感知部(図示せず)で、臭いの強度が判定され、またその結果は、前記ホーム・ゲートウエイ411の環境検知部413に随時送信される。このため、空気清浄機404の内部には、ホーム・ゲートウエイ411との間で、空気清浄運転の開始、停止、臭いの強度の判定結果等の各種情報を送信する送信部(図示せず)と、受信部(図示せず)とを備えている。例えば、それら送信部と受信部をハードウエアでは一体化し、通信部435として備えている。通信部435は、ホーム・ゲートウエイ411との間で、無線通信又は赤外線通信によって情報の授受を行う。
空気清浄機421が、臭いを検出できるのは、空気清浄機404が運転中であり、しかも、キッチンKTのどこかの場所で発生した臭いが、その発生場所から空気清浄機404に到達したときである。
この空気清浄機404は、一般的に空気中の塵埃や花粉等を捕捉するために、微細な空気の通路を有したフィルター430を1枚又は複数枚(複数層)備えた構成である。そのため、加熱調理器1によって食用油を使った調理(例えば、「あげもの」、「天ぷら」)で発生した油煙を濾過すると、油の粒子がフィルター430の表面に付着し、その油の粒子が結合して油膜を形成する。
この油膜が原因で、フィルター430の濾過性能が低下する。すなわち、フィルター430を通過する空気の量が低下し、空気清浄機404の空気浄化能力が低下する事態を招く。そこで、加熱調理で発生した排気の中に油調理で発生した油煙が含まれる場合には、空気清浄機404の運転をできるだけ避けるというアイデアが既に提案されている(例えば、特許文献 特開2016-95126号公報)。
図2において、冷蔵庫401は、厨房家具2の右側近傍に設置されているように描いてあるが、実際の場面では、この図2と異なる場所に設置していても良い。また、冷蔵庫401は、1つだけではなく、複数台使用していても良い。
412は、ホーム・ゲートウエイ411の外郭を構成する本体ケースである。この本体ケース412は、居住者が入力操作や表示を確認できるような高さで、キッチンの垂直壁面436に固定されている。
445は、本体ケース412の近くの垂直壁面436に固定されている警報装置であり、あとで詳しく説明する。2Dは、厨房家具2に設置した水道の給水口2Dである。
次に図3について説明する。図3は、加熱調理器1とレンジフード422との関係を示した縦断面模式図である。
図3において、440は、加熱調理器1の温度監視装置である。この温度監視装置は、この実施の形態1では、ハードウエア上で前記レンジフード422の1つの構成部分としている。しかし、ハードウエア上で、前記ホーム・ゲートウエイ411の1つの構成部分として構成しても良い。
温度監視装置440は、温度検出部441と、通信部442を備えている。温度検出部441は、赤外線センサー(図示せず)と、熱画像カメラ(図示せず)と、温度判定回路443と、を備えている。
温度監視装置440は、図2に示しているように、ハードウエア上で前記レンジフード422の1つの構成部分であっても、レンジフード422の排気運転とは無関係に常時通電されている。言い換えると、排気運転していない状態でも温度監視装置440は常時温度の監視動作を実行している。
前記温度検出部441は、例えば、後述するトッププレート15の全領域を、少なくとも64の領域(縦8個×横8個)(以下、「検知領域」という)に区画し、各領域の温度を検出する。
前記検知領域は、後述する加熱調理器1の誘導加熱部17Hを含んでいる。
前記温度監視装置440は、前記検知領域の温度を、前記レンジフード421の運転中はもちろん、運転停止中の期間も、所定の時間間隔で繰り返し計測する。
前記温度監視装置440は、計測した温度の監視情報を、前記通信部442から前記ホーム・ゲートウエイ411に送信する。なお、前記ホーム・ゲートウエイ411に送信することに加え、前記加熱調理器1に直接送信する構成を採用しても良い。また、温度監視情報を得るための、温度計測間隔は、一定時間(例えば5秒おき)ではなく、温度が高い領域においては、時間間隔を短くしている。
前記加熱調理器1の赤外線送信部48からの赤外線信号を、前記レンジフード421の受光部444が受けると、当該レンジフード421が運転開始される。前記温度監視装置440は、レンジフード421が運転開始時点で、加熱調理器1のトッププレート15の温度情報の取得を開始する。
前記温度監視装置440は、前記加熱調理器1の運転終了を示す(赤外線送信部48からの)赤外線信号をレンジフード421が受けたあとも、温度取得動作を継続する。そして、トッププレート15の全領域の推定温度が、事前に定めた所定温度(例えば、40℃)以下になるまで温度情報の取得を所定の時間間隔で継続する。なお、当該所定温度よりも低温になった段階で、温度計測動作の間隔は遅くなる。なお、低い温度になった場合には、上記のような監視運転を一旦終了しても良いが、少なくとも、前記加熱調理器1の運転開始時点では、再度温度監視動作を開始する。
加熱調理器1は、後で詳しく説明するが、厨房家具2の中に設置されている。113は、加熱調理器1の内部に形成した加熱室、114は、当該加熱室113の前面開口部113Aを開閉自在に覆うドアである。
加熱調理器1は、その上面を覆うトッププレート15の上に、磁性金属製の鍋やフライパン等の被加熱物Nを載置し、IHコイル17によって誘導加熱する。16Sは、加熱調理器1の内部を上下2つの空間に区画する底壁面である。
CKは、前記底壁面16Sより上方にある設置空間であり、前記IHコイル17が収容されている。
次に図4について説明する。図4は、ホーム・ゲートウエイ411と家電機器400及び温度監視装置440との関係を示したブロック図である。なお、家電機器400の内、加熱調理器1と電子レンジ408は、ホーム・ゲートウエイ411から電力量制御を受ける。
このため、ホーム・ゲートウエイ411は、加熱調理器1と電子レンジ408に対しては、電力指令装置を兼ねているが、この点は前に説明したので、ここでは詳しく説明しない。なお、この図4には示していないが、前記空気調和機403も電力量制御を受ける家電機器400である。
電力量制御部448は、対象となる家電機器(例えば、加熱調理器1と、電子レンジ408)から使用する電力量の情報を常に取得し、事前に設定された総電力量を超えないように、当該家電機器400の消費電力を制限する機能を有しており、既にHEMS(家庭用電力マネジメントシステム)という名称で知られている。
電力量制御部448は、通信部446を介して外部から電力削減要請又は電力削減指示を示す情報を取得した場合、事前に定めた優先順位に従って対象となる家電機器(例えば、加熱調理器1と、電子レンジ408、空気調和機403)の消費電力を削減する動作を行う。
この場合、加熱調理器1で受信する情報(指令信号)が、前記電力削減要請信号AS1、や電力削減指令信号AS2等である。
図4において、ホーム・ゲートウエイ411の中には、人感知センサー452の検知出力を受ける人感知部413Hを内蔵した環境検知部413がある。統合環境検知部413は、花粉センサー(図示せず)やキッチンの気温と湿度を検知するセンサー等からの検知結果も所定の形式のデータで受信している。453は、キッチンKTの気温や湿度等を計測する環境センサーである。
前記人感知センサー452は、キッチンKTの中の、特に加熱調理器1の前方と冷蔵庫401のドア(図示せず)の前方エリアにおいて、人が居ることを検知するものである。 前記人感知センサー452は、キッチンKTの内部に、1つ又は複数個設置している。
例えば、加熱調理器1前方と冷蔵庫401のドアとの距離が近い場合には、その加熱調理器1前方と冷蔵庫401の間の空間に向けて、キッチンKTの天井面420等に前記人感知センサー452を設置する。
また、加熱調理器1前方と冷蔵庫401のドアとの距離が少し離れている場合には、1つの人感知センサー452は、その加熱調理器1前方近傍の空間に向けて、キッチンKTの天井面420等に設置する。そして、もう1つの人感知センサー453は、冷蔵庫401のドアの前方空間に向けて、キッチンKTの天井面420等に設置すると良い。
前記レンジフード422のフード425の下端部に1つの人感知センサー452を取り付けて、加熱調理器1の前方にユーザーが居ることを感知させても良い。
以上のように、人感知センサー452、453の設置する場所は、冷蔵庫401と加熱調理器1の位置関係と、人感知センサーの感知能力を考慮して適宜決めれば良い。
前記人感知センサー452は、環境検知部413の1つのセンサーとして機能させているが、家屋HAの内部、すなわちキッチンKT等に人間が居るということを検知するための在宅検知装置(図示せず)の1つのセンサーとして機能させても良い。その場合、家屋HAの玄関(入口)のドアの錠を開けたことを検知する開錠センサー等の情報も、前記在宅検知装置で利用すれば良い。これにより、在宅と留守の判定処理における、精度を向上させることができる。
入力部449は、液晶表示画面に形成されたタッチ入力式のキーを操作して、ホーム・ゲートウエイ411の各種機能を設定できる。その機能の1つとして、消費電力の上限値を設定する家電機器400を特定し、その上で消費電力の上限値や使用できる時間帯等も設定できる。例えば、ユーザーは、加熱調理器1の最大消費電力を、例えば、4800W、5400Wのように入力することができる。
前記入力部449は、液晶表示画面に形成されたタッチ入力式のキーを操作して入力する機能に加え、音声で入力する機能も備えており、居住者が発する音声を、マイク部(図示せず)に向けて発することで、希望する各種機能を入力できる。
445は、音や光の手段で居住者に警報を発する警報装置である。前記環境検知部413からの計測データや、温度監視装置440からの監視データを前記中央制御部447が受けて、警報指示信号を警報装置445に送信する。なお、この警報装置445は、電力量制御部448による制御対象にはなっていないので、家電機器400の消費電力の変化によって、電力が制限・遮断されることはない。
図4において、ホーム・ゲートウエイ411の中には、通信部(受信部・送信部)446と、中央制御部447と、記憶装置450と、を更に備えている。
前記通信部446は、加熱調理器1や冷蔵庫401等の家電機器400と個別に無線通信や赤外線通信ができる通信部である。
図4において、記憶装置450は、ホーム・ゲートウエイ411の運転履歴情報や、家電機器400の毎日の電力制御の履歴情報、更には環境検知部413で取得した毎日の「環境情報」等、比較的大きなデータ量の情報を記録する装置である。記憶装置450は、例えば各種半導体メモリーやHDD等である。
中央制御部447には、情報処理の中核となるマイクロコンピューターと、ROM及びRAMを内蔵し、各種動作を規定するコンピュータプログラムが格納されている。
図4において、416は、ホーム・ゲートウエイ411の通信部(受信部・送信部)446と、無線ルーター419を介して無線通信を行う広域通信回路網(インターネット)である。
図4では、ホーム・ゲートウエイ411には、通信部446が1つだけ記載されているが、家電機器400用の通信部(受信部・送信部)と無線ルーター419用の通信部を、それぞれ個別に設けても良い。また、情報通信端末器418が備えたNFC(近距離無線通信)との間で、無線通信によって、直接情報の授受ができるようにNFC通信部を別に設けても良い。
451は、スケジュール管理部である。このスケジュール管理部は、カレンダー機能を有しており、少なくとも1月(最大31日間)におけるイベントの予定情報を記憶させることができる。
スケジュール管理機能自体については、既に多くの特許文献で提案されている。この実施の形態1では、前記入力部449によって、居住者毎のイベント(例えば、買い物、外出等)の予定日と開始予定時刻(又は、時間帯)が登録できる。
前記スケジュール管理部451に、イベント情報を記憶させておくと、記憶された日時になると、前記スケジュール管理部451から通知が出される。通知の形態は、前記入力部449の液晶表示画面で表示したり、音声合成装置(図示せず)で報知したりすることである。また、居住者が所持する情報通信端末機器418に向けて通知を発する方法でも良い。
加熱調理器1等の家電機器400が起動している場合には、前記スケジュール管理部451から登録されたイベント情報に基づいて通知が行われる場合がある。
(加熱調理器の概要)
次に図5~図122において、本実施の形態1の加熱調理器1について説明する。
図5において、加熱調理器1は、厨房家具2に組み込まれるビルトイン式の加熱調理器である。2Aは、厨房家具2に形成された設置口である。加熱調理器1には、後述するように商用電源99から、電圧200V、周波数50Hz又は60Hzの交流電力が供給される。
図5と図19に示しているように、加熱調理器1は、加熱部17L、17Rを左右に2個所有している。
図19において、CL1は、上部ユニット100の左右の中心点を前後方向に通る中心線、ALは、トッププレート15が上部ユニット100の上面で露出している範囲を示している。
図19において、17HRは、中心線CL1から右側の範囲に設けた右加熱部(「第1加熱部」に相当する)であり、この真上で誘導加熱できる。
17HLは、中心線CL1から左側の範囲に設けた左加熱部(「第2加熱部」に相当する)であり、この真上で誘導加熱できる。このように、この加熱調理器1は、トッププレート15の上面に「加熱口」(加熱部)を2つ(2口)設けた調理器である。
なお、左右中心線CL1を跨ぐように、右加熱部(第1加熱部)17HRと左加熱部(第2加熱部)17HLの間に、更に別の誘導加熱部を設け、3口の(誘導)加熱調理器としても良い。または、右加熱部17HR又は左加熱部17HLを構成するIHコイル17L、17R(詳しくは後述する)の、何れか1つを、ラジエントヒータや赤外線ヒータ等の輻射式電熱源に代えても良い。
以下の説明では、「誘導加熱部」という場合は、参照符号として17Hを用いる。
図5と図19に示すように、金属製の鍋やプレート(焼き板)等の被加熱物N(図3参照)を載置する望ましい位置を示すための、円形の位置マーク17LS、17RSを、トッププレート15の上面に設けている。位置マーク17LS、17RSは、トッププレート15の上面に印刷によって形成されている。
前記位置マーク17LS、17RSを見ることによって、加熱調理器1のユーザー(使用者)は、誘導加熱部17Hが左右に2個所あると認識できる。なお、後述する音声合成装置95の音声ガイドによってもユーザーは、誘導加熱部が左右に2個所あることを認識できる。
前記位置マーク17LS、17RSの真下には、後述するIHコイル(誘導加熱コイル)17L、17Rが設置されている。なお、位置マーク17LS、17RSは、円形である必要はなく、例えば被加熱物Nを載置する望ましい位置の中心点だけを、図形や「+」のような記号、あるいは文字で示しても良い。
前記位置マーク17LS、17RSは、IHコイル17L、17Rによって誘導加熱できる目安的な位置を表示した円形マークであるため、当該IHコイル17L、17Rの最大外径よりも少し大きな直径で描かれている。
この実施の形態1では、前記IHコイル17L、17Rを総称して、IHコイルと呼ぶ場合、符号は17を用いる。従って、「IHコイル」17と呼んだ場合には、左側のIHコイル17Lと右側のIHコイル17Rの両方と、何れか一方の場合がある。
この実施の形態1で、「誘導加熱源」9とは、特に断りがない限り、前記IHコイル17と、後述するインバーター回路81R、81Lとを含んだ構成をいう。
(加熱源と制御メニューの基本)
この実施の形態1の加熱調理器1は、加熱原理の異なる3種類の加熱手段を備えている。すなわち、第1の加熱手段HM1は誘導加熱源9(第1の加熱源)であり、第2の加熱手段HM2は、マイクロ波加熱源189(第2の加熱源)とオーブン加熱源188(第3の加熱源)を含んだものである。
前記した3つの加熱源は、以下のように使用できる。
(1)誘導加熱源9、オーブン加熱源188及びマイクロ波加熱源189は、互いに独立して通電可能であるため、各加熱源単独で加熱調理ができる。この形態の運転パターンが、後述する「単独調理モード」KM1である。
(2)誘導加熱源9と、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の2者の内の少なくとも何れか一方とを併用して、異なる2個所以上の場所を利用して1つの調理ができる。この形態の運転パターンが、後述する「連携調理モード」KM3である。
(3)オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の2者を併用して1つの調理ができる。この運転パターンが「複合調理モード」KM2である。なお、ここでいう「運転パターン」とは、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の2者が、シリーズで運転される場合、同時に運転される場合、あるいは、時間差を持って運転される場合の、何れも含む。
(4)誘導加熱源9は、専用の入力操作部がある。具体的には、右操作部(第1個別操作部)40Rと左操作部(第2個別操作部)40Lである。右操作部40Rと左操作部40Lを操作すれば、誘導加熱動作の開始、加熱条件(火力等)の設定、及び誘導加熱動作の停止ができる。
(5)オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の両者には、専用の入力操作部がない。中央操作部40Mを共用している。このため、中央操作部40Mは「共用操作部」と呼ぶ場合がある。
(6)誘導加熱源9、オーブン加熱源188及びマイクロ波加熱源189の何れか1つを使用した単独調理モードKM1と、連携調理モードKM3及び複合調理モードKM2の間には、優劣関係はない。あくまでも先に使用を開始した加熱源の調理が優先するルールになっている。このため、例えば、誘導加熱源9の右加熱部17HRを使用する連携調理モードを選択しようとしても、先にその右加熱部17HRが、別の調理のために既に単独加熱動作をしていれば、当該連携調理モードでは、その右加熱部17HRは使用できないから、結局、連携調理モードKM3では、加熱源が一部制約されることになる。
(7)入力操作についても、誘導加熱源9、オーブン加熱源188及びマイクロ波加熱源189の何れか1つを使用した単独加熱調理と、連携調理モード及び複合調理モードの間には、優劣関係はない。従って、例えば、連携調理モードKM3を設定しようとして、入力を途中まで行ったまま、連携調理モードKM3に移行しない状態で放置しておく(例えば30秒間、何も入力しない)と、自動的にそれまでの入力がキャンセルされる。またその放置状態の途中で、例えば、誘導加熱源9の右操作部40Rから単独調理モードKM1のための入力が行われると、誘導加熱の調理に進めることができる。
(8)前記連携調理モードKM3には、最初の調理工程(調理工程1)に誘導加熱源9を使用する「第1の連携調理モード」と、最初の調理工程(調理工程1)にオーブン加熱源188及びマイクロ波加熱源189の少なくとも何れか1つを使用する「第2の連携調理モード」と、を有している。これについては、後で図61を参照しながら説明する。
「第1の連携調理モード」は、被調理物の表面に焼き目を付けて肉汁を閉じ込めた後に、中(中心部)までしっかり火を通すことができる。「ハンバーグ」や「ローストビーフ」等の調理に向いている。
「第2の連携調理モード」は、先に中(中心部)まで火を通し、短い時間で揚げるので、素材のジューシーさを損なわずに仕上げることができる。「天ぷら」や「からあげ」等の料理に向いている。
(9)前記連携調理モードKM3には、誘導加熱源9を予熱工程で使用する「連携予熱調理モードKM4」を有している。なお、第2の加熱手段HM2を使用して加熱室113で予熱工程を実行する場合も、「連携予熱調理モード」の1つの形態であるが、実施の形態1では、この形態については詳しく述べない。
(厨房家具2)
図5~図8に示すように、加熱調理器1は、設置口2Aの口縁部上面2Pに載せて支持されている。厨房家具2は、この実施の形態1では図6に示すように、水道の給水口2Dから出る水を一時的に貯めることができる水槽2CPを備えている。2Bは、厨房家具2の所定の位置に形成した前方開口である。この前方開口2Bは、加熱調理器1を組み込んだ際に、その前面構成部分(後述するドア114と前カバー112)を前方へ露出させるためのものである。
前記厨房家具2の前方開口2Bと設置口2Aの大きさは、標準的なものである場合、業界によって標準化が推進されているため、標準的な寸法で事前に形成されていることが殆どである。これについては、あとで詳しく説明する。
加熱調理器1を厨房家具2に組み込む通常の方法は、図7に示している通りである。この図7は、厨房家具2へ組み込む作業の、途中段階を示す模式図である。
図7のように、加熱調理器1の前方側(手前側)が下になるように傾けたまま、前記設置口2Aの中に加熱調理器1を入れ、その後、加熱調理器1の後方側を、実線の矢印BDで示すように下げると、加熱調理器1が厨房家具2の設置口2Aの周縁部に載せられた状態になる。
この後、ネジを締めて、後述する下部ユニット100の後部周縁部に設置してある固定金具(図示せず)を移動(回動)させ、当該固定金具を厨房家具2に強く押し当てた状態にして設置が完了する。なお、このような設置方法は既に広く採用されているので、詳しい構造については説明を省略する。
加熱調理器1の本体110は、図7に示しているように、上部ユニット100と下部ユニット200を上下に重ねた状態で、結合されて一体化されており、そのような一体化された形態でメーカから出荷される。このため、図7の組込作業では、上記ネジで厨房家具2に(直接)固定されるのは、上部ユニット100のみである。前記固定金具(図示せず)を外せば、加熱調理器1の全体を厨房家具2から取り出すことができる。これにより、以後、点検や修理が厨房家具2の外側で行える。なお、上部ユニット100だけの範囲で「本体」と呼ぶ場合は、符号10を付して区別する。
この実施の形態1において、「本体ケース」HCとは、上部ユニット100の外殻を構成する上部ケース16と、下部ユニット200の外殻を構成する下部ケース101との総称である。なお、上部ケース16と下部ケース101を一体のケース(筐体)で構成しても良い。
厨房家具2に形成された設置口2Aは、図6に示すように平面形状が長方形である。但し、4つの角部は円弧状になっている。
設置口2Aの横幅寸法W1は、560mm~564mmである。また前後方向の寸法D1は、460mm~464mmに形成されている。
図5と図6において、3と4は、厨房家具2の表面を構成する表面材である。5及び6は、厨房家具2に加熱調理器1を組み込んだ場合、その左右両側に隣接する表面材である。
これら表面材3~6の前面は、厨房家具2の中に加熱調理器1を組み込んだ場合、その加熱調理器1の前面と、ほぼ面一状態となる。言い換えると、加熱調理器1を組み込んだ場合、表面材3~6と加熱調理器1は、統一された平面になっているような意匠感覚をユーザーに呈することができる。
図7において、8は、厨房家具2の内部を上下に複数の部屋に仕切る壁であり、この壁の下方は、例えば、台所用品や食料等の保存庫として利用する例が多い。なお、図6では壁8の図示を省略している。また、壁8が、着脱可能となるように厨房家具2の内部に設置されている形態でも良い。
以上説明した構成により、厨房家具2の中に加熱調理器1を組み込んだ場合、厨房家具2の前面全体は、略一つの平面を呈する。ユーザーが厨房家具2を見た場合、全体に前面(正面)が、すっきりした統一感のあるデザインであると認識できるように設計されている。
厨房家具2と、加熱調理器1は、同じ製造業者が設計したものでなくとも良く、厨房家具は、厨房家具や住宅設備業者が製造販売し、一方、加熱調理器1は家電機器業者が製造販売している場合が多い。
図5と図6において、7は、表面材3~5の前面に印刷で表示した枠線であり、表面材3~5の前面に物理的な凹凸を形成するものではない。なお、光沢のある金属製の細い化粧板やテープ等を貼り付けて、枠線7の存在を示して高級感を出したものでも良い。逆に、枠線7を省略しても良い。
前記4種類の表面材3~6は同じものであっても良い。またこれら表面材3~6は、扉や引き出しのように、前後に移動するものでなくとも良い。例えば厨房家具2の表面に常に固定状態で存在し、全く移動しないものであっても良い。
前記4種類の表面材3~6は、その前面の色と表面形態(模様や光沢の有無、凹凸状態等)を統一させると、厨房家具2としての統一的意匠感が高まる。例えば、表面材4の正面全体が、単一の色や木目調で統一されている場合、表面材3の前面も、同じ単一の色や木目調デザインで統一すれば良い。
次に図8と図9について説明する。図8は、図1の厨房家具2と加熱調理器1の寸法関係を示す縦断面模式図である。図9は、図8に示す厨房家具2の前方の一部を拡大して示す縦断面模式図である。
厨房家具2等は、日本では日本工業規格(JIS)の他、「長期使用住宅部材標準化推進協議会」(略称:長住協)によって住宅部品・部材の標準(共通)化が推進されている。
前記「長住協」が制定された「IHクッキングヒーター(ビルトイン)に関する「長期使用対応部材基準書」によれば、当該IHクッキングヒーターを取り付けるカウンタートップ(厨房家具2)が具備すべき条件として、以下の通り規定されている。
(1)設置口2Aの寸法は、横幅寸法W1が、560mm~564mm。また前後方向の寸法D1は、460mm~464mmであること。
(2)前下がり部2Fの高さ寸法C1は、40mm以下であること。
(3)前下がり部2Fの奥行(前後方向)寸法D3は、45mm以下であること。
(4)前下がり部2Fの天井部奥行(前後方向)寸法D2は、58mm~70mmであること。
さらに、前記「長期使用対応部材基準書」によれば、ビルトイン式IHクッキングヒーター(誘導加熱調理器)の外形寸法も、以下の通り規定されている。
(1)トッププレート下端から前面パネル下端までの高さ寸法H2は、215mm~223mmであること。
以上のような各種の制約条件を満たすように本開示の加熱調理器1は設計されている。
図8において、A1は、後述するトッププレート15の前後方向の寸法であり、510mmである。A2は、本体110の前面を覆う前カバー112前面から、本体110の最後尾までの前後方向の最大寸法であり、498mmである。A3は、本体110の後部に形成した傾斜部111から前記前カバー112の前面までの前後方向の寸法であり、451mmである。
前カバー112は、プラスチック又は金属の一体成形によって形成されている。また、この前カバー112は、左右対称形状に形成され、装着される背面側には突起状の取付脚112Pが数個所形成されている(図18参照)。この取付脚112Pを、下部ケース101の前板102に形成した複数の縦長の嵌合孔(図示せず)に挿入し、下方へ少し摺動させて当該嵌合孔に取付脚112Pが係合するようにしている。この状態で前カバー112は、固定具(図示せず)によって下部ケース101に固定されている。この固定によって前カバー112は、上方には移動しないようになるので、下部ケース101に装着された状態となる。
図8において、113は、後述する金属製の薄い板から全体が形成された加熱室であり、下部ユニット200の内部に形成されている。前記加熱室113の前面には、フライパン等の調理器具(被加熱物N)、あるいは被調理物等を出し入れできる開口113A(図15参照)が形成されている。その開口113Aは、ドア114によって開閉自在に覆われている。
ドア114の前面と、前記前カバー112の前面は、面一となるように設計されている。そして前記ドア114は、その前面が、取っ手部115を除いて前記前カバー112前面に面一となるように、2個のヒンジ176(図12参照)と、左右に2本配置したアーム116(図示せず)とにより、本体110に対して回動自在に支持されている。このため、ドア114は、その下端部のヒンジ176を支点(回動中心)として前方に開く「前開き」ドアとして機能する。
前記前カバー112は、加熱調理器1を厨房家具2の中に設置した後で、販売店や設置業者等の専門家が、加熱調理器1の前面に装着する。なお、ドア114は、加熱調理器1を工場で出荷する段階で装着しており、専門業者以外の者、すなわち各家庭のユーザーが事後的に取り外せないようにしている。これにより、取り付け後のドア114の密閉度が悪いことが原因で、加熱室113の内部からマイクロ波が漏洩するという事態を防止している。
図8において、H1は、加熱調理器1の最大高さ寸法である。つまり、前記トッププレート15の上面から下部ユニット200の底面までの寸法であり、227mmである。
図8において、H2は、トッププレート15下端から前カバー112の下端までの高さ寸法であり、215mm~223mmである。H3は、前記前カバー112又は前記ドア114の上端から下端までの寸法であり、171mmに設定してある。H4は、前記トッププレート15の高さ方向の寸法であり、11mmである。なお、このような寸法関係にすることで、加熱調理器1を設置した際に、ドア114の下面と前カバー112の下面のそれぞれ下方には、後述する前方空隙302(図12参照)が確保されるようになっている。
次に図10について説明する。図10は、図1と図2に示した厨房家具の斜視図である。この図10において、2Gは、前記前方開口2Bの左右両側角部に形成された段部である。この段部は、後述する下部ユニット200の前カバー112が近接して対面する部分である。W2は、設置口2Aの真下に形成される設置空間の最大横幅寸法である。この最大横幅寸法W2は、560mm程度である。
次に実施の形態1の加熱調理器1の構成について、図11~図24を参照しながら詳細に説明する。
図11は、図5に示した加熱調理器1の平面図である。図12は、加熱調理器1を、図11のZ-Z線で切断した場合の縦断面図である。図13は、加熱調理器1を、図11のZ-Z線で切断し、冷却風の流れを示した縦断面図である。図14は、加熱調理器1を、図12のW-W線で切断した場合の縦断面図である。図15は、加熱調理器1を、図11のY-Y線で切断した場合の縦断面図である。図16は、加熱調理器1を、図12のV-V線で切断した場合の縦断面図である。図17は、加熱調理器1を、図12のX-X線で切断した場合の縦断面図である。図18は、加熱調理器1を、厨房家具2に設置した場合の右側要部横断面図である。図19は、加熱調理器1の入力操作部40を説明するための簡略平面図である。図20は、加熱調理器1において、入力操作部40と各種表示部の配置を説明するための前方部分の平面図である。図21は、加熱調理器1の中央操作部40Mと統合表示部30を示す拡大平面図である。図22は、加熱調理器1の右操作部40Rと右側表示部31Rの拡大平面図である。図23は、加熱調理器1の左操作部40Lと左側表示部31Lの拡大平面図である。図24は、加熱調理器1の上部ユニット100内部の冷却風の流れを示す簡略横断面図である。
(加熱調理器の特徴的な全体の構成・機能)
実施の形態1における詳細な説明に入る前に、この実施の形態1で説明する加熱調理器1の全体像を、以下簡単に説明する。
(1)本体ケースHCの上面にトッププレート15を配置し、そのトッププレート15の上に載置された被加熱物Nは、第1の加熱手段HM1の1つである誘導加熱源9で誘導加熱できる。
(2)前記本体ケースHC内部に、ドア114によって前面開口部が開閉自在に閉鎖される加熱室113を備えている。
(3)前記加熱室113の内部に置かれた被調理物を加熱するために、第2の加熱手段HM2の1つである、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の少なくとも何れか一方又は両方を備えている。
(4)前記本体ケースHCは、上部空間300Aと下部空間300Bに区画されており、前記上部空間300Aには、上部風路AHを備え、前記下部空間300Bには、下部風路UHを備えている。
(5)前記上部風路AHには、上部冷却ファン60、61を配置している。上部風路AHは、上部冷却ファン60、61によって、下部空間300Bを経由せずに外気が導入される。
(6)前記下部風路UHには、下部冷却ファン128,129を配置している。下部風路UHは、下部冷却ファン128、129によって、上部空間300Aを経由せずに外気が導入される。
(7)前記誘導加熱源9、前記マイクロ波加熱源189、前記オーブン加熱源188及び前記上部冷却ファン60、61と前記下部冷却ファン128、129は、統合制御装置MCによって統合制御されている。統合制御装置MCは、IH制御部90、マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159等の個別制御部を集中制御している。
(8)前記統合制御装置MCには、ユーザーによって操作される1つの主電源操作部(主電源スイッチ)98を介して電源が供給される。
(9)ユーザーの指令を受ける入力操作部40を有し、当該入力操作部40は、加熱調理動作の開始と停止の指令を前記統合制御装置MCに与える機能がある。
(10)前記統合制御装置MCが実行する調理モードには、単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3の3種類がある。
(11)前記連携調理モードと前記複合調理モードには、駆動される複数の加熱源と、その加熱源の駆動される順序の、少なくとも2つが規定されている。
(12)前記3種類の調理モードの何れか1つを選択すると、加熱動作(運転)を開始する前に、ユーザーに調理モードや制御条件を報知する特定の画面が表示される。連携調理モードKM3は、第1特定画面30SP、複合調理モードKM2は第2特定画面30SC、単独調理モードKM1は第3特定画面30STである。但し、共用操作部40Mで、複合調理モードKM2を選択した際に、対応する第2特定画面30SCで表示される制御メニューの中には、マイクロ波加熱源189等の単独加熱に関する制御メニュー(例えば「レンジ手動」)も例外的に含んでいる。
(13)誘導加熱源9は、専用の操作部(個別操作部)があるため、ユーザーによって加熱源を基準に「制御メニュー」(例えば、「湯沸し」)を最初に選択することができる。
(14)第3特定画面STは、誘導加熱源9を(単独調理モードKM1で)選択した場合だけ表示される。単独調理モードKM1の選択は、誘導加熱源9だけが専用の個別操作部40L、40Rによって可能であるためである。
(15)マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188は、専用の操作部(個別操作部)がなく、共用操作部40Mを使用するため、加熱源を基準に制御メニューを最初に選択することができない。つまり、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の2者は、単独調理モードKM1を最初に選択することはできない。
(16)マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188は、複合調理モードKM2のための第2特定画面30SCを共用している。そのため、共用操作部40Mにおいて複合調理モードKM2を選択した場合、第2特定画面30SCが表示され、その第2特定画面30SCの中に表示された特定の制御メニュー(例えば「レンジ手動」、「あたため」)を選択した結果として、最終的に単独調理モードKM1を選択できる。このような構成のため、共用操作部40Mを操作しても、(例外的に)第3特定画面30STは表示されない構成である。
(17)加熱調理器1が運転中に、異常を検知する機能が、前記統合制御装置MCにある。検知できる異常の種類は複数個あるが、主なものは、誘導加熱源9を内蔵した上部空間300Aの過熱である。
(18)加熱調理動作中、前記主電源操作部(主電源スイッチ)98により、主電源を遮断すると全ての加熱調理動作・調理モードの調理工程は停止するが、運転していた上部冷却ファン60、61又は下部冷却ファン128、129がある場合、制限された時間内は運転が継続する又は温度環境に依存して運転が継続する。
(19)前記連携調理モードKM3は、前記加熱室113の内部空間と、前記トッププレート15の上方空間の、少なくとも異なる2つの場所で、1つの被調理物がそれぞれ加熱される調理の方法であり、前記誘導加熱源9と、前記マイクロ波加熱源189及び前記オーブン加熱源188は、時間差を持って運転される場合と、同一時間帯に運転される場合が有り得る。
(20)前記時間差を持って運転される場合と、同一時間帯に運転される場合の何れでも良いが、誘導加熱源9で前記被加熱物Nを予熱する予熱工程、又は前記オーブン加熱源188で前記加熱室113を予熱する予熱工程を、前記制御部MCが実行することができる(これは、連携調理モードKM3の中の、「連携予熱調理モードKM4」という)。
(21)前記連携調理モードKM3を実行する場合、少なくとも2つの調理工程(調理工程1及び調理工程2)を行うが、前記入力操作部40によって、前記調理工程1と調理工程2の開始を決定できる。また開始した前記調理工程1又は調理工程2を、前記入力操作部40によって途中段階で終了することもできる。
(22)前記入力操作部40によって前記連携調理モードKM3を選択した場合、その実行開始前であれば、その連携調理モードの選択を解除(取り消し)することが可能である。
(23)前記連携調理モードKM3を実行する場合、前記予熱工程と前記調理工程1及び前記調理工程2の順番は、当該連携調理モードKM3の実行開始前に前記制御部MCの制御プログラムで決定される。
(24)前記予熱工程は、前記入力操作部40によって任意の時点で終了できる。当該終了によって連携調理モードKM3の設定は解除されない。
(25)前記連携調理モードKM3は、前記調理工程1が開始された以降は、途中段階で停止することができる。調理工程1が終了した(ユーザーが任意の時点で終了させた場合含む)段階で、当該調理工程1で使用した加熱源(誘導加熱源の場合は、加熱部)を対象にした予約(占用)関係は自動的に解除することができる。従って、調理工程1で使用していた加熱源が、第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9の、例えば右加熱部17HR)であった場合、当該第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9の、右加熱部17HR)を別の加熱調理に使用できる。
(26)前記上部冷却ファン60,61によって前記上部空間300Aの内部に形成された上部風路AHと、前記下部冷却ファン128、129よって前記下部空間300Bに形成された下部風路UHとは、それぞれの外気吸気口が別々の位置にあるため、前記上部空間300Aと前記下部空間300Bには、前記本体ケースHCの外部から、それぞれ個別に外気が導入され、その後は個別に外部へ排出される。
(27)前記下部冷却ファン128、129は、前記誘導加熱源9又は前記マイクロ波加熱源189の運転に応じて運転され、当該オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の冷却対象部分を冷却する。
(28)前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードKM3の実行中に、前記トッププレート15又は前記上部空間300A等の範囲で、異常を検知して前記第1の加熱手段HM1の加熱動作を自動的に停止させた場合、下部空間300Bの中で前記第2の加熱手段HM2が調理工程を開始している場合には、当該第2の加熱手段HM2の加熱動作も停止する。そして、連携調理モードKM3の設定は、解除される。
(29)加熱調理器1の運転状況を報知する報知部ANがある。報知部には、前記主電源操作部(主電源スイッチ)98により、主電源を投入した直後の情報を表示する待機時初期画面30Dと、前記連携調理モードKM3を実行中の情報を表示する第1特定画面30SPとを、表示する表示部(統合表示部30)を設けている。
(30)トッププレート15の上に設定された(少なくとも)2つの(左右)加熱部の間において、被加熱物Nを移動させて2回以上加熱して調理を完成するケースは、連携調理(モード)ではない。但し、調理の途中段階で、加熱室113に被調理物を移動させて調理を続行(追加の加熱)する形態は連携調理である。
(31)前記統合制御装置MCに対してユーザーが指令を与える入力操作部40は、
前記本体ケースHCの上方向からユーザーがタッチ操作できる入力キーを備えた形態と、一部の入力を音声で行う音声入力形態の何れでも良い。
(32)ユーザーが直接触れて入力操作する入力操作部40には、前記単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3の、それぞれを選択できる特定の入力キーが配置されている。
(33)連携調理モードKM3の選択を決定する入力キー43MSと複合調理モードKM2の選択を決定する入力キー43MSは、同じ入力キー43MSを利用している。但し、前記単独調理モードKM1の選択用入力キー(43L1、43R1又は44L、44R)は、誘導加熱源9の個別操作部40L、40Rだけにしか存在しない。
(34)連携調理モードKM3で第2の加熱手段による調理工程の開始を決定する入力キー43MSと複合調理モードKM2の調理工程の開始を決定する入力キー43MSは、同じ入力キーを使用している。
(35)連携調理モードKM3で第2の加熱手段による調理工程の終了を決定する入力キー43MTと複合調理モードKM2の調理工程の終了を決定する入力キー43MTは、同じ入力キーを使用している。
(36)調理工程の終了を決定する(終了部)入力キー43MTは、調理工程の途中で1回又は2回連続して操作されると、実行中の調理モード(連携調理モードKM3、複合調理モードKM2、単独調理モード)の運転全体(つまり、全部の調理工程)を解除する機能がある。
例えば、連携調理モードKM3で、調理工程1が「マイクロ波加熱」であり、調理工程2が「誘導加熱」であった場合、調理工程1(マイクロ波加熱の場合)では、加熱停止も入力キー43MTを兼用しているので、加熱停止と調理モード全体の取り消し(調理工程全て)を区別するため、加熱停止は入力キー43MTを押し、取り消しは、更にもう1回入力キー43MTを押す。
これに対し、調理工程2が「誘導加熱」になると、加熱停止は入力キー44L(又は43L1)であるので、加熱停止と調理モード全体の取り消し(調理工程全て)が区別できる。そのため加熱停止は44R(又は43R1)、調理モード取り消しは43MTである(43MTを2回押さなくても良いが、押しても影響なし)。
調理工程2が「マイクロ波加熱」の場合、共用操作部40Mを使用するため、入力キー43MTを1回押すと加熱停止、更にもう1回押すと調理モードは解除(全てキャンセル)になる。
(上部ユニット100)
この実施の形態1では、前記上部ユニット100単体でも加熱調理器1として機能する。そのために、商用(交流)電源99は上部ユニット100だけに供給される。但し、商用電源99にプラグ106A(図示せず)を介して直接接続するための電源コード106(図示せず)は、下部ユニット200から加熱調理器1の外部に引き出される。
上部ユニット100は、本体10の外郭を構成する箱形形状の上部ケース(上筐体)16と、この上部ケースの上部に固定された金属製の額縁状の補強板(支持枠)22(図12参照)と、この補強板22の上面の、後部を除く略全体を覆うように、その上面に重ねて取り付けられた耐熱強化ガラス又は結晶化ガラス製のトッププレート15と、から構成されている。言い換えると、上部ユニット100の本体10は、外殻となる上部ケース16とトッププレート15と、をそれぞれ備えている。
前記上部ケース16は、1枚の亜鉛鋼板等の金属製薄板をプレス加工して形成される。または複数枚の金属製薄板をスポット溶接やネジ等で接合して箱形形状に形成される。
実施の形態1では、この上部ケース16は、後述するように1枚の金属薄板の周辺部を、垂直に折り曲げて、底壁(底壁面)16S、後方壁16B、前方垂直壁16F、(左右の)側方垂直壁16L、16Rを、それぞれ一体に形成している。この底壁16Sは、後で説明するように、「仕切り壁」を兼ねている。
前記上部ケース16は、別の形態で形成しても良い。例えば、1枚の金属製平板をプレス加工して、底壁(底壁面)16S、後方壁16B及び前方垂直壁16Fの3つの面が形成された1つの「胴部」を形成する。一方、これとは別に2つの側方垂直壁16L、16Rを個々に形成する。そしてこれら2枚の側方垂直壁16L、16Rを、ネジやスポット溶接等で、前記した「胴部」の端部に取り付けて、最終的に上面全体が開口した箱形形状にする。
トッププレート15は、全体の厚みが略均等な平板状に形成されており、その下面全体は、可視光線が透過しない塗装面で覆われている。このため、トッププレート15の上方からは、その下方の機能部品、例えばIHコイル17が視認できないようになっている。
右側のIHコイル17Rは、平面形状がドーナッツ状形状を有している。そしてこのIHコイル17Rの最大火力は3200Wである。最大外形寸法(直径)は168mmである。
また、左側のIHコイル17Lも同様にドーナッツ状形状を有している。このIHコイル17Lの最大火力は3200Wである。最大外形寸法(直径)は168mmである。なお、大きな鍋やフライパン等の被加熱物Nにも対応できるように、180mm程度まで直径を拡大しても良い。図11は、左側のIHコイル17Lの直径を、右側のIHコイル17Rよりも大きくした場合を示している。
図12において、18は、前記上部ケース16の後部に横に長く形成した開口、19は、この開口の上方に設置される排気カバーであり、通気性を持たせるために鎧戸又は多数の貫通孔が形成されている。20は、前記排気カバー19と開口18の間で形成される排気口である。
図12と図14において、22は、前述したように、上部ケース16の後部上端部に固定された金属製の補強板である。この補強板22は、上部ケース16の後縁部横幅と同等の長さを有している。
21は、補強板22の上面に固定された金属製の飾り枠である。この飾り枠は、上部ケース16の後方に張り出しており、また上部ケース16の横幅よりも長く形成されている。つまり、上方から見た場合、排気カバー19の後方と左右両側を一連に囲んでいるように見える(図11参照)
図11、図12と図14において、25は、金属製の飾り枠である。この飾り枠25は、トッププレート15の左右端面と前方の端面を、外部からの衝撃から保護するように設置されている。
26は、弾力性に富む素材、例えばシリコンゴム等から形成された環状のクッション材であり、前記飾り枠21、25の下面全周に貼りつけてある。これにより上部ユニット100は、このクッション材26を介して厨房家具2に載置される。なお、トッププレート15の左右端面と前方の端面の3つの部分(辺)又は後方の端面を含む4つの部分(周囲4辺)を、1つの飾り枠25で囲むようなデザインにしても良い。
(統合表示部30と左右の表示部30L、30R)
図11と図19において、30は、統合表示部である。この統合表示部30は、トッププレート15の前方部で、かつ左右中心部の下方に設置されている。
31Lは、左側表示部であり、31Rは右側表示部である。これら左右表示部31L、31Rも、トッププレート15の前方部左側と、右側の下方に、それぞれ1つずつ設置されている。
右側表示部31Rは、右操作部(第1個別操作部)40Rに対応した表示部であるため、「第1個別表示部」と呼ぶ場合がある。
同様に、左側表示部31Lは、左操作部(第2個別操作部)40Lに対応した表示部であるため、「第2個別表示部」と呼ぶ場合がある。
前記統合表示部30は、後述する連携調理モードKM3と複合調理モードKM2において使用される表示手段である。つまり、マイクロ波加熱調理時とオーブン加熱調理時において使用される。
この統合表示部30には、前記連携調理モードKM3で使用される第1特定画面30SP(図60参照)と、前記複合調理モードKM2で使用される第2特定画面30SC(図55参照)及び第3特定画面30ST(図54参照)が、それぞれ択一的に表示される。また、待機時初期画面(図52参照)も表示される。待機時初期画面(図52参照)と、前記第1~第3特定画面30SP、30SC、30STは、同時には表示されない。
前記統合表示部30と、左右の表示部31L、31Rは、液晶表示画面(図示せず)を主体に構成されており、これら統合表示部30、左右の表示部31L、31Rは、左右方向に長く設置された水平な操作基板41の上に設置されている。
統合表示部30、左右の表示部31L、31Rの真上の位置に対応して、前記トッププレート15の下面には、前記したような可視光線を遮断する塗装面を設けていない。このため、統合表示部30、左右の表示部31L、31Rの表示内容は、トッププレート15の上方から視認できる。
前記統合表示部30は、加熱調理器1の共通的な情報や警報を表示する。例えば、この加熱調理器1の3種類の加熱源の選択結果や、それら加熱源の動作状態を示す注意情報、警告情報を表示する。すなわち、前記統合表示部30は、誘導加熱源17と、オーブン加熱源188と、マイクロ波加熱源189とに関係する情報を表示する場合があるため、統合表示部30と称している。
また、前記統合表示部30は、後述する連携調理モードKM3に対応した各種調理の名称や、その制御条件等を表示する機能もある。
更に、前記統合表示部30には、後述する冷蔵庫401の「在庫情報」を表示する機能もある。
(右側表示部31R・左側表示部31L)
左側表示部31Lは、左側のIHコイル17Lの動作に関する情報を表示する。例えば、後述するように、タイマー調理をセットする場合には、1分単位で設定でき、その設定した時間を表示できる。また加熱動作を開始してからの経過時間や、タイマー設定時間が終了するまでの「残りの時間」も表示する。更に、予熱調理を選択した場合には、自動的に設定された温度(デフォルト温度)や、現在の温度などを表示する。なお、上記「残りの時間」は、10分未満になった段階から9分59秒という表示が行われ、1秒単位で残時間が表示される。
同様に、右側表示部31Rは、右側のIHコイル17Rの動作に関する情報を表示する。この右側表示部31Rは、基本的に左側表示部31Lと同様に、右側のIHコイル17Rのタイマー設定時間や、予熱温度、経過時間等の各種制御条件に関する情報を表示する。
(入力操作部40)
図19において、40は、入力操作部である。この入力操作部40は、トッププレート15の前端縁部に沿って、横に長く帯状に配置されている。
前記入力操作部40は、横に長く、かつ帯状に設置してある操作基板41の上面に配置されている。
前記操作基板41には、各種の電子部品類を実装している。前記操作基板41は、電気絶縁性に富むプラスチック材料で形成されている。上部ユニット100の操作基板41の後方側には、ホルダー50に支持された中央操作基板32がある。後述する統合制御装置MCは、前記中央操作基板32の裏面側に実装されている。
前記操作基板41の下方には、この操作基板41と空隙を置いて対面するように、平板状の補助支持板(図示せず)が上下に重なるように設置されている。つまり、間隔を置いて対面する上下2層(2枚)構造になっており、できるだけ多くの電気部品や回路を実装できるようになっている。
F2は、後述する第2冷却ファン61からの冷却風が流れる第2風路であり、後述するカバー70と、前記上部ケース16の前方にある前方垂直壁16Fとの間の空間によって形成される(図12、図24参照)。
図12において、16Bは、前記上部ケース16の後方垂直壁である。後述する下部ケース101と上部ケース16は、複数個所において、それぞれネジ51によって一体化されている。
図12から明らかなように、上部ケース16の後方垂直壁16Bと下部ケース101の上端部とは、20mm~30mm程度の範囲で、緊密に対面しており、その対面部分を前記ネジ51によって締め付けて固定されている。なお、なお、このネジ51とは別に、上部ケース16と下部ケース101の対面部を固定するネジ51F(図示せず)も設けており、上部ケース16と下部ケース101は、複数の個所で結合されている。
16BXは、後方垂直壁16Bの上端部を更に後方BKに折り曲げて形成した水平折り曲げ部である。この水平折り曲げ部16BXと、後述するフランジ16A(図14参照)の位置は、同じ水平線の上にある。
上記構成のため、上部ケース16と下部ケース101の両方の重量物を、厨房家具2が支える場合には、このフランジ16Aと水平折り曲げ部16BXが協働して、そのような荷重を強固に支える部分として機能する場合があり得る。つまり、金属製板を一連に折り曲げて機械的強度が増しているフランジ16Aと、水平折り曲げ部16BXとが、上部ケース16自身を支え、結果的に下部ケース101も確実に支持するという構造が実現されている。なお、この実施の形態1では、水平折り曲げ部16BXは、図12に示すように厨房家具2の上面に直接接触しない。
図12において、104は、深さも平面積も大きな空洞である。この空洞104は、上部ケース16の底壁(底面)16S下面から、後述する下部ユニット200の後部の底板101U上面までの空間である。BHは、その空洞104の深さ(垂直方向)寸法を示している。
この図12に示す構造から明らかなように、この実施の形態1では、前記トッププレート15によって上面の開口部が閉鎖された扁平な(本体10の外殻を構成する)上部ケース16を有している。そして、この上部ケース16を後述する下部ケース101の上に載置した状態では、当該上部ケース16の底壁16Sが前記下部ケース101の天井面を兼ねている構成である。
図12で説明したように、上部ケース16の底壁16Sと、下部ケース101の底板101Uとの対向間隔が最も大きい空間が、前記空洞104である。
前記空洞104には、後述するマイクロ波加熱装置120の一部を構成する導波管123が、前記加熱室113の背後において左右方向に長く配置されている。
さらに導波管123よりも後方には、マイクロ波加熱制御部130に電力を供給する回路部品を実装した電源回路基板127の収容用ケースC154が、左右方向に長く配置されている。
マイクロ波加熱制御部130は、マイクロコンピューターを主体に構成されており、前記ケースC154の内部の、前記電源回路基板127に実装している。言い換えると、ケースCの内部に格納された電源回路基板127は、マイクロ波加熱制御部130を実装した制御基板を兼ねている。なお、このような制御基板と電源回路基板127を、別々に設けても良いが、この実施の形態1では、設置スペースを最小にするため、一体化している。
図12において、101Tは、下部ケース101の前方側に設けた金属板製の前方水平壁である。この前方水平壁101Tは、下部ケース101の前板101F(図15参照)上端を後方に折り曲げて形成したものである。
198は、金属製板から形成された連結用の支持金具であり、水平部198Hと垂直部198Vとを備えている。そして、その水平部198Hは、前記下部ケース101の前方水平壁101Tに固定されている。
上部ケース16と下部ケース101の一方又は双方が、薄い金属製板で形成された箱状であり、前記ネジ51、51F(図示せず)の締結によって、上部ケース16と下部ケース101とは、強固な1つの箱形構造物になっている。
この実施の形態1では、上部ケース16と、前記下部ケース101は、以下の通り、緊密な状態で嵌合している。
すなわち、前記下部ケース101の上面開口の縦横寸法(内側最大縦横寸法)は、上部ケース16の前後方向最大幅寸法D5(図示せず)と、左右方向最大幅寸法W4(図示せず)と、設計上では同じ寸法である。あるいは、下部ケース101の上面開口の前後方向最大寸法D5と左右方向最大寸法W4よりも(最大でも)僅か0.2mmだけ大きいだけである。
左右の垂直壁101L、101Rや後壁面(後方垂直壁)101Bの上端部に、外側方向へ少し力を加えると、下部ケース101の上面開口が少し広がるので、その内側に上部ケース16を緊密に(ぴったりと)嵌合させることができる。
この実施の形態1でいう「嵌合」とは、必ずしも上記実施の形態1のように、緊密に嵌り合う状態をいうのではない。外側になる下部ケース101の内側(前後・左右方向の)寸法に対し、内側に挿入される上部ケース16の外側寸法が、最大で1mm程度異なっていても良く、全体で緊密に密着している状態でなくとも良い。また、そのように若干の寸法差がある場合でも、ネジ51等で固定して強固な本体ケースHCにすることができる。
上部ケース16と下部ケース101は、強固な1つの箱形構造物になっているため、後述するドア114の支持構造も強固に実現でき、ドア114と加熱室113の開口113Aの周辺部との間における、マイクロ波漏洩防止に有益である。
特に上部ユニット100のトッププレート15は、厨房家具2の上面に支持されて下部ユニット200の全荷重を受けるので、上部ケース16と下部ケース101の全体が歪んだり、変形したりしない構造にすることは重要である。なお、前記クッション26が、前記飾り枠21、25の下面全周に貼りつけてあるため、実際に厨房下部2の上面に接触するのは、前記クッション材26である。
図12において、80は、インバーター回路基板であり、上部ケース16の中央部に水平に設置されている。
前記インバーター回路基板80は、平面形状が左右方向に長い長方形である。インバーター回路基板80の長さW16は、316mm、前後方向の長さ(幅)W7は、195mmである(図25参照)。
図12において、ホルダー50は、絶縁性のある材料、例えばプラスチック材料で形成されている。このホルダー50は、入力操作部40の全域と前記統合表示部30、右側表示部31R、左側表示部31Lの範囲に対応した大きさを有し、左右方向に長く帯状に設けてある。このホルダー50の下面に少し間隙を保って、中央操作基板32が重なるように取り付けてある。
(インバーター回路基板の冷却構造)
次に図25~図28について説明する。
図25は、加熱調理器1の上部ユニット内部の冷却風の流れを示す簡略横断面図である。図26は、図24のS-S線で切断した場合の縦断面図である。図27は、図25に示した模式図を拡大し、冷却風の流れと冷却原理を示す説明図である。図28は、第1冷却ファン60の吹出口からの冷却風とインバーター回路基板80との位置関係を説明する簡略斜視図である。
この種のインバーター回路基板80は、様々な電子部品で回路を作成する際に、絶縁体の基板に半導体集積回路や抵抗器、コンデンサー、トランジスタ等の部品を固定し、それら部品間は銅箔で配線して形成する。このような複雑で細かい作業であるため、現在では自動装入機械等で実装して量産している。そのため、前記基板の形状や大きさには色々制約があり、この種の加熱調理器で使用する場合でも、回路基板の形状は正方形や長方形が基本である。そこで、上部ユニット100の中の限られたスペースに、この種のインバーター回路基板を収容するには、周囲の部品との干渉や重なり等を回避するための工夫が求められる。しかも、インバーター回路の数を増やすと、実装する部品数も増加し、インバーター回路基板80の面積も必然的に大きくなる。
前記インバーター回路基板80の上に実装されているインバーター回路81は、左側のIHコイル17Lに対して高周波電力を供給するインバーター回路81Lと、前記右側のIHコイル17Rに対して高周波電力を供給するインバーター回路81Rと、から構成されている。これらについては、図29、図30及び図33を参照しながら後で説明する。
前記インバーター回路基板80の上面には、アルミニウム製のヒートシンク(放熱シンク)82が合計4個取り付けられている。前記ヒートシンク82は、図12、図15、図26に示している通りである。すなわち、ヒートシンク82は、2つの放熱フィン82FN同士を向かい合うように、2列並べ、かつ数mm~10mm程度まで接近させて設置している。
図27において、GP2は、2つのヒートシンク82の放熱フィン82FN同士が向かい合って形成された空隙である。この空隙GP2の大きさ(前後方向の幅)は、前後2列のヒートシンク82の、左右方向全体に亘って同じである。例えば、8mmになっている。後述する(第2の)空隙GP12と区別するため、この空隙GP2は、「第1の空隙」と呼ぶ場合がある。
前記ヒートシンク(放熱シンク)82には、図12と図26から分かるように、互いに向かい合っている側と反対側に存在する傾斜面の上に、前記インバーター回路81L、81Rの一部を構成する電力制御用スイッチング素子83が、それぞれ取り付けてある。そのため、スイッチング素子83の動作時に発生する熱を、放熱フィン82FNの周囲を通過する冷却風RF1、RF2によって冷却できる。
前記電力制御用スイッチング素子83は、例えばIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)である。一方の前記インバーター回路81L側の電力制御用スイッチング素子83は、前後2列あるヒートシンク82の後方側に取り付けてある。
また他方のインバーター回路81R側の電力制御用スイッチング素子83は、前後2列あるヒートシンク82の前方側に取り付けてある。なお、この逆の側に取り付けるようにしても良い。
図12と図26において、70は、前記インバーター回路基板80の上方全体を覆う金属製薄板又はプラスチック材料から一体に形成されたカバーである。このカバー70の左右両側端部は開放されており、図24に示すようにカバー70の左側端面が、後述する冷却風RF1、RF2の入口FIとなり、カバー70の右側端面が冷却風RF1、RF2の出口FOを構成する。
前記カバー70は、前記IHコイル17L、17Rを支持するコイルベース17Cの下面との間に一定の空隙GP11を確保している位置にある(図26参照)。なお、空隙GP11は、直線距離で、1mm~最大で数mm程度である。
この実施の形態1では、前記空隙GP11は、2mmである。これにより、IHコイル17L、17Rの下面とカバー70の上面との間には、最低でも5mm以上の空間が確保される。この空間は、前記IHコイル17L、17Rからカバー70に対する磁気的影響を緩和し、またカバー70とIHコイル17L、17Rの下面との間に、冷却用の空気が流れやすくする効果がある。
前記カバー70は、前記インバーター回路基板80の最上面とも一定の空隙GP12を確保する大きさである。この実施の形態1では、GP12は、20mmである。
前記(第1の)空隙GP2と区別するため、この空隙GP12は、「第2の空隙」と呼ぶ場合がある。
図26において、H5は、カバー70の高さ寸法である。H5は27mmである。
H6は、上部ケース(上筐体)16の底面16Sを基準にしたヒートシンク82の高さ寸法であり、28mmである。H7は、同じく底面16Sからの高さ寸法であり、31mmである。なお、71は、支持板であり、後で説明する。この支持板71の上面とカバー70又はインバーター回路基板80との間に、絶縁性シートや防磁シート(アルミ製の薄い板等)を設置しても良い。
図26において、H9は、IHコイル設置空間CKの最大高さ寸法である。言い換えると、トッププレート15の下面から上部ケース16の底壁面までの直線距離である。この実施の形態1では、この高さ寸法H9は、44mm又は44.5mmである。
図16、17で説明した、上部ケース16の側壁面最大高さ寸法H10は、40mmである。この高さ寸法H10と前記IHコイル設置空間CKの最大高さ寸法H9が一致していないのは、トッププレート15が水平なフランジ16A等の上方に設置されているからである。
前記カバー70が、IHコイル17Lの真下にあって、かつそれと接近している状態になるから、カバー70に防磁効果を期待する場合には、カバー70をアルミニウム等の非磁性金属製にすると良い。鉄や磁性ステンレス等で形成すると、カバー70が漏洩磁束で加熱されて温度上昇する懸念がある。そこで、この場合は、カバー70の上面を、非磁性金属で覆うと良い。例えば、アルミニウムのシートを重ねたり、アルミニウムのテープを貼り付けたりするという手段を採用すると良い。
なお、前記カバー70を金属で形成した場合には、上部ケース16に電気的に繋がるようにすると更に良い。例えば、カバー70を取り付けるための金属製ネジ(図示せず)が、直接カバー70のネジ孔まで届いている状態にする。
上部ケース16は、後述する下部ケース101と金属製ネジ等で連結されるので、下部ケース101に設けているアース端子(図示せず)にも電気的に繋がり、アースにノイズが吸収される。このようにすると、カバー70の防磁効果により、インバーター回路基板80の上に実装した各種電気部品に対するノイズ遮蔽効果が期待できる。
また、カバー70をプラスチック材料で射出成形するようにすれば、カバー70の断面形状も比較的自由に決定できる。このため、第1風路F1を流れる冷却風RF1の流れ(方向)を調整することもできる利点がある。例えば、特にヒートシンク82の特定部位へ多くの冷却風RF1が流れるように、リブ状の風向板等をカバー70の下面に、一体に形成しても良い。
次に、前記カバー70について更に詳しく説明する。
図26において、FHは、全てのヒートシンク82(82F、82B)自体の高さ寸法であり、20mmである。
インバーター回路基板80の上面とカバー70の天井面との空隙GP12は、20mm程度確保されており、この空隙GP12の高さが、前記第1風路F1の高さにもなる。
カバー70の天井部上面とトッププレート15の下面との間隔(空隙)寸法GP13は、13mm程度である。カバー70の前後両方の端縁から下方に向けて、一連に垂下壁70Bが形成されている。
前後で1対の垂下壁70Bの対向間隔、すなわち、前後方向の空間の寸法W9(図26参照)は、205mmである。垂下壁70Bの下端面は、支持板71の上面と当接しているが、両者の間に微小な空隙があっても冷却風の案内効果には支障はない。
図26において、GP16は、前記ヒートシンク82の放熱フィン82FN上面と、前記カバー70の天井面との間に形成された空隙である。この空隙GP16は、例えば、1mm程度である。
以上の構成により、前記第1風路F1は、カバー70の内側に形成された前記空隙GP12、GP16及び放熱フィン82FNの相互間に形成されることになる。
図26において、W7は、インバーター回路基板80の前後方向の幅であり、195mmである。また、W9は、垂下壁70Bの対向間隔(前後方向の空間の寸法)であり、205mmである。
次に図25に戻って説明する。
W10は、カバー70の右側端面、すなわち、出口側端面から上部ケース16の側方垂直壁16Rまでの距離を示している。この距離W10は、110mm程度であり、この距離の空間があるため、その空間を利用して電源回路基板55を配置している。
図25において、70Aは、カバー70の左側端縁、すなわち、入口側端部に形成した前方切り欠き部である。この前方切り欠き部70Aは、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の冷却風の一部を、前記カバー70の直前で外側へ案内するためのものである。
前方切り欠き部70Aは、複数個形成しても良い。
図25において、GP14は、第1冷却ファン60とカバー70の左側端面との空隙を示している。この空隙GP14は40mm程度である。なお、前方側にある第2冷却ファン61とカバー70の左側端面との間にも空隙GP15(図示せず)を設けても良い。図25では、当該空隙GP15は僅少なので、図示していない。
図25と図27において、XBは、第1冷却ファン60の吹出口60Aの中心点を通り、かつその吹出口60Aの先端面に直交する「吹出線」FL1(図27参照)と、前記仕切壁11との交差する点を示している。
第1冷却ファン60の吹出口60Aは、2つのIHコイル17L、17Rの各中心点を左右方向に横切る中心線CL5に対し、所定の角度θ1だけ傾いている。なお、IHコイル17L、17Rの各中心点を左右方向に横切る中心線CL5ではなく、単に仕切壁11を横切る直線(図27の基準線BLが該当)に対して傾斜しても良い。
XFは、第2冷却ファン61の吹出口61Aの中心点を通り、かつその吹出口61Aの先端面に直交する「吹出線」FL2と、前記仕切壁11との交差する点(交点)を示している。これらの交点XB、XFについては、後で図27を参照しながら詳しく説明する。なお、吹出線FL1と吹出線FL2は、本実施形態1の説明のために便宜上設けた架空の直線であり、冷却風が実際にこの吹出線FL1、FL2に沿って進むというものではない。
図25において、第2冷却ファン61の吹出口61Aは、前記中心線CL5に対し、所定の角度θ2だけ傾いている。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の、中心点で計測した設置間隔W14は、150mmである。
図27から明らかなように、第1冷却ファン60の吹出口60Aと、前記ヒートシンク82(82B)は、直線距離(最短距離)LD1だけ離れている。この直線距離LD1は、110mm程度である。
また、第2冷却ファン61の吹出口61Aと、前記ヒートシンク82(82F)は、直線距離(最短距離)LD2だけ離れている。この直線距離LD2は、100mm程度である。
以上の構成によって、前記第1冷却ファン60の吹出口60Aは、前記空隙GP2の中心部を貫通する直線(基準線)BLを挟んで、その後方から前記第1のヒートシンク82Fと前記第2のヒートシンク82Bに向けられている。
吹出口60Aは、前記直線(基準線)BLに対して斜め(角度はθ1)になっている。
逆に、第2冷却ファン61の吹出口61Aは、前記直線(基準線)BLを挟んで、その前方向から前記直線(基準線)BLに対して斜め(角度はθ2)になっている。
なお、この角度θ1とθ2の大小関係は、「θ1>θ2」となっているが、同等でも良い。
図27でも分かるように、この実施の形態1では、2つの交点XB、XFは同じ位置ではない。前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の位置や、前記第1冷却ファン60の吹出口60Aと、前記第2冷却ファン61の吹出口61Aの方向によって変化する。
図28に示しているように、前記ヒートシンク82は、前方FR側のヒートシンク82Fとして、82F1と82F2がある。後方BK側のヒートシンク82Bとして、82B1と82B2とがある。なお、加熱調理器1の前方側から見て、前後2列あるヒートシンク82の内、前方左側にあるヒートシンクを「前方の第1ヒートシンク」82F1と呼び、前方右側に少し離れて設置してあるヒートシンクを「前方の第2ヒートシンク」82F2と呼ぶ場合がある。
図28に示すように、前後2列あるヒートシンク82の内、後方左側にあるヒートシンクを「後方の第1ヒートシンク」82B1と呼び、後方右側に少し離れて設置してあるヒートシンクを「後方の第2ヒートシンク」82B2と呼ぶ場合がある。
再び図26の説明に戻る。
11は、カバー70の天井面から下方へ一体に突出するように一体に形成された仕切壁である。カバー70がプラスチック材料で射出成形されている場合は、上記のように一体に形成できるが、カバー70と別の板状部材を使用しても良く、その場合は、仕切部材11と呼ぶ。以下、説明を簡単にするため、総称として「仕切壁」11と呼ぶ。
この仕切壁11は、その右端部から左端部までの全長に亘り、表面と裏面(背面)は、平坦に形成されている。これは、第1風路F1を流れる冷却風RF1、RF2の風路抵抗を出来るだけ小さくするためである。仕切壁の前後方向の厚さは、2.0mm程度である。
仕切壁11は、電気絶縁性の高い材料(例えば、プラスチック材料)で形成することが望ましい。なお、図12、図13及び図15では、仕切壁11の図示を省略している。
図24と図25に戻って、D6は、上部ケース16の内部空間の大きさを決定する前後方向最大幅寸法である。この寸法D6は、後述する仕切り板52と前記前方垂直壁16Fとの間隔で決まる(図12参照)。
GP1は、仕切り板52の背後側に横方向に連続して形成された空隙である。
図24と図25において、D7は、上部ケース16の後方垂直壁16Bと、後述する仕切り板52との対向間隔であり、前記空隙GP1(図13、図24参照)の大きさを決定する寸法である。W8は、上部ケース16の内部空間の大きさを決定する左右方向最大(横幅)寸法である。
2つのIHコイル17L、17は、耐熱性プラスチックで形成されたコイルベース17C(図12参照)という部品で下方から支持されている、コイルベース17Cは、2つのIHコイル17L、17Rの個々に設けても良いし、2つのIHコイル17L、17Rに共通に1つの構造物で形成しても良い。
前記コイルベース17Cは、カバー70の上面に直接載せられて、カバー70にネジ等の固定具で固定する構造である。あるいは、カバー70の上面との間に圧縮バネ等の弾性体を介在させて、前記トッププレート15側に常に押し上げられた形で支持された構成である。これら支持構造の詳細な説明は省略する。何れにしても、IHコイル17L、17Rは、トッププレート15の裏面(下面)との対向間隔(距離)が、長期間に亘り変化しない。コイルベース17Cには、全体に亘って上下方向に空気が通過しやすいように、大きな連通孔(図示せず)を複数個形成している。
上記構成のため、誘導加熱調理時においては、トッププレート15の上に載置される被加熱物NとIHコイル17L、17Rとの距離が変化しない。この結果、IHコイル17L、17Rに高周波電流を供給するインバーター回路81L、81Rに発生する高周波電圧および高周波電流の変化を抑制でき、誘導加熱性能を安定化することができる。
前記IHコイル17L、17Rは、インバーター回路基板80の上面に一致した1つの水平面(以下、これを「第1の水平面HP1」という)よりも、上方に離れた位置にある。言い換えると、第2の水平面HP2の上に存在している(図15参照)。
前記カバー70は、IHコイル17L、17Rの下方に配置されており、前記コイルベース17Cと、ヒートシンク82の両方に接触していない位置にある。
前記カバー70は、このカバー70の平面形状よりも大きな平板状の支持板71の上面に密着するように固定されている。そしてインバーター回路基板80とカバー70との間には、図24、図25に示しているように左右方向に長い第1風路F1が区画形成される。支持板71は、絶縁性材料、例えば耐熱性プラスチックから形成されている。
図12と図15において、102は、下部ユニット200からの排気流が案内される金属製の排気ダクトである。この排気ダクト102の排出口側末端部102Eは、後述する仕切り板52と上部ケース16の後方垂直壁16Bとの間に形成された空隙GP1の中を貫通している(図13参照)。つまり、排気ダクト102は、空隙GP1の中を煙突のように垂直に貫通している。
図15において、TS10は、サーミスタ等の接触式温度センサーであり、加熱室113内部の被調理物やその周囲の雰囲気温度を計測するものである。
この温度センサーTS10は、感熱部が前記排気ダクト102の内側に露出するように、その排気ダクト102の外側壁面に密着させて設置してある。
また、温度センサーTS10の設置位置は、加熱室113の背面に近い位置が良いため、加熱室113の天井面の後部に形成した連通口174に近い位置にある。
前記温度センサーTS10は、オーブン加熱源188を駆動した加熱調理の際は勿論、マイクロ波加熱源189によって加熱調理(例えば、冷凍食品の解凍)をする動作中(後述する複合調理モードKM2の調理工程において)も、常に温度を計測している。この温度センサーTS10の温度検出データは、加熱室制御部159(図30参照)に入力される。
図14において、16Aは、前記上部ケース16の側方垂直壁16L、16Rの上端部から一連に、外側へ直角に折り曲げて形成された水平なフランジである。
101Aは、後述する下部ケース101の側方垂直壁101L、101Rの上端部から一連に、外側へ直角に折り曲げて形成された水平なフランジである。
上部ケース16と、下部ケース101は、前記したフランジ16Aがフランジ101Aの上に重なっている。この重合状態で、上部ケース16側壁面と下部ケース101の側壁面とは、前述したネジ51(図12参照)で固定されている。そのためネジ51による固定と、このフランジ16Aとフランジ101Aとの密着固定によって、上部ケース16と、下部ケース101は、強固な一体構造物となっている。言い換えると、上部ケース16の総重量は、下部ケース101のフランジ101Aの上面が受けるので、仮に上部ケース16と、下部ケース101が、薄い金属製板で形成された場合でも、一体化された状態では、機械的な強度を備えた箱形構造物にできる。
フランジ16Aとフランジ101Aとが重なった状態で固定する手段は、前記ネジ51ではなく、ボルトとナット等のような、他の締結手段でも良い。なお、前記フランジ16Aとフランジ101Aは、厨房家具2の上面には接触しない。これらフランジ16Aとフランジ101Aは固い材料(金属)で形成されているので、厨房家具2を傷つける懸念がある。またこのフランジ16Aとフランジ101Aが厨房家具2に当たってしまうと、クッション材26を圧縮したまま設置することができないことになる。クッション材26が密着した状態になっていないと、水等の侵入防止効果を損なう懸念がある。
次に、加熱調理器1の外殻(筐体)である本体ケースHCと、厨房家具2との間の空隙について説明する。
図8、図12~図15において、311は、本体ケースHCの外殻を構成する下部ケース101の底板101Uと、厨房家具2との間に形成された下部空隙であり、約10mmの大きさである。
図14において、301Rは、同じく下部ケース101の右側の側方垂直壁101Rと厨房家具2との間に形成された右側空隙であり、約5mmの大きさである。
301Lは、同じく下部ケース101の左側の側方垂直壁101Lと厨房家具2との間に形成された左側空隙であり、約5mmの大きさである。
図13と図15において、302は、ドア114を閉じた状態で、そのドア114の下面又はヒンジ部176の下面と、厨房家具2との間に形成された前方空隙であり、10mm程度の大きさである。なお、前カバー112の下面の位置も、ドア114の下面の位置とは、水平面上で一致しているので、前カバー112の下方にも前方空隙302と同等な大きさの空隙が確保されている構成である。
前記前方空隙302は、ドア114の開閉によって大きさが変化するが、図12に示すように、ドア114を閉じた状態で外気の吸引が可能なような大きさ(例えば5mm~10mm程度)が確保されれば良い。なお、加熱調理器1の説明で、「外気」とは、加熱調理器1の外部に存在する空気をいうもので、図1で示した家屋HAの屋外の空気を指すものではない。
図12~図15と図18に示したように、前記下部空隙311、右側空隙301R、左側空隙301L及び前方空隙302は、相互に連通している。このため、加熱調理器1の運転開始によって、前方空隙302から外気が吸い込まれると、下部空隙311、右側空隙301R及び左側空隙301Lに、吸込まれた外気がそれぞれ適宜分配される。なお、図18で説明する空隙303も、それら各空隙311、右側空隙301R、左側空隙301L及び前方空隙302に連通する。
次に図18に戻って説明する。
W3は、加熱調理器1の前面部における最大横幅寸法である。この横幅寸法W3は、前記厨房家具2の設置空間の最大横幅寸法W2(560mm)よりも大きく、例えば595mmである。
303は、厨房家具2の設置空間の右側に存在する右側壁面材の内面(右側面)と、前記前カバー112の右端面との間に形成される空隙である。この空隙は、加熱調理器1を設置する際に厨房家具2と衝突しないように確保されるものである。大きさは1~2mm程度で良い。
左側の前カバー112においても、厨房家具2の設置空間の左側に存在する左側壁面材の内面(左側面)との間に、前記空隙303と同じような空隙が形成される。なお、加熱調理器1の設置によっては、左右の空隙303の大きさは多少異なることがある。また、厨房家具2のタイプによっては、弾力性のあるシール材(クッション材)を段部2G(図10参照)に配置していて、空隙303が殆ど塞がれた状態で設置される場合もあるが、そのような状態でも、この加熱調理器1の内部冷却機能には何ら支障はない。
前記前カバー112が、図18に示しているように右側空隙301Rと左側空隙301Lよりも、外側まで伸びている。このため、加熱調理器1を設置した状態では、左右2つの前カバー112によって、前記右側空隙301Rと左側空隙301Lの前方側が覆われる。
前記右側空隙301Rと左側空隙301Lの前方側が覆われるため、ユーザーが正面側から厨房家具2を見た場合、加熱調理器1と厨房家具2との間に、大きな隙間が存在するような感覚を与えることはない。
加熱調理器1の設置状態では、前記右側空隙301Rと左側空隙301Lが確保されるので、後述する上部ユニット100の上部風路AHと下部ユニット200の下部風路UHのための外気の導入が確実に行える。
図18において、WSは、ドア114が前記下部ケース101の前板101Fに対面する横幅寸法である。この横幅寸法は、ドア114と下部ケース101が密着してマイクロ波の漏洩防止をするため、及び開口113Aの前後・左右の位置に、後述するチョーク室194を形成するためにも必要である(図11参照)。
(第1冷却ファン60・第2冷却ファン61)
図24に示しているように、上部ケース16の左側にある側方垂直壁16Lの近くには、第1冷却ファン60(上部冷却ファン)と第2冷却ファン61が、それぞれ設置されている。これら第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転翼(図示せず)の中心部にある回転軸60T(図示せず)は、鉛直(垂直)方向に伸びており、前記回転翼は、1つの水平面(第1の水平面HP1)上を回転する。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、遠心ファン(ブロワー)が採用されている。この理由は、静圧が高く、高実装密度の空間で通風抵抗が大きいことを考慮したためである。なお、一般的に遠心ファンには、吸込み口が1個所で、吹き出し(吐き出し)方向が全半径方向となっているタイプも存在する。しかし、この実施の形態1のものは、吹き出し方向が1つだけのタイプである。
図24において、60Aは、第1冷却ファン60のファンケース60Cと一体に形成された吹出口、61Aは、第2冷却ファン61のファンケース61Cと一体に形成された吹出口である。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、後述する上部空間300Aの内部の、IHコイル設置空間CKを冷却する。そのため、これら2つの冷却ファン60、61を「上部冷却ファン」と総称する場合がある。
前記吹出口60A、61Aは、前記インバーター回路基板80に向けられている。つまり2つの吹出口60A、61Aは、何れも共通な第1の水平面(HP1)の上方に存在し、かつ右方向に向けられている。なお、この実施の形態1でいう「第1の水平面」HP1とは、前述したように、インバーター回路基板80の上面と一致した1つの平面をいう。
前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、全く同じ構造、同じ形状、同じ「定格仕様」であり、平常な誘導加熱動作時は、同じ回転数で運転されることを想定している。しかしながら、本実施の形態1では、IH制御部90によって回転数を異ならせて、送風量を変化させている。例えば、IHコイル17L、17Rに加える駆動電力を大きくして加熱能力を上げる場合や、前記統合表示部30や入力操作部40の温度が平常時よりも上昇していることが検知された場合、冷却効果を上げるために回転数を増加させて、送風量を増加させる場合がある。また、後述する「うなり音」対策によって第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、互いに回転数を異ならせて運転する場合がある。
定格仕様とは、例えば、定格電圧、使用電圧範囲、定格電流、定格回転数、最大風量、最大静圧、音圧レベル等である。使用電圧範囲の中で印加する電圧又は電圧印加時間(オンDUTY時間)を変化させれば、回転数を変化させることができる。
これに対し、本実施の形態1では、PWM制御(Pulse Width Modulation)方式を採用しており、入力信号(DCレベル)の大きさに応じて、パルス幅のデュ-ティ・サイクル(パルス幅のHとLの比)を変え、第1冷却ファン60のモータを制御している。このPWM制御は、第2冷却ファン61でも採用している。
前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、回転翼(図示せず)の周囲をファンケース60C、61Cで囲った構成であり、そのファンケースの下面には、円形の吸込口(図示せず)を設けている。
前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の、それぞれの前記吸込口(図示せず)の直下になる位置には、多数の丸孔又は楕円形の孔から構成される通気孔64(図14と図16参照)がある。この通気孔64は、下ケース16の底壁面に形成してある。この通気孔64は、後述する下部ケース101の左側側壁面に形成した通気孔164に連通している。そのため、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、その通気孔164を介して、下部ケース101の外部から外気を直接導入できる。
図14において、165は凹部(吸気ダクト)であり、前記通気孔64を下部ケース101の通気孔164に直接連通させるために設けている。この凹部165は、左側から一定の深さ(寸法)DP1だけ凹ませて形成してある。なお、この寸法DP1は99mmである。
図14に示すように、前記第1冷却ファン60の吹出口60Aの上下方向の中心点と、前記ヒートシンク82の上下方向の中心点、及び後述する電源回路基板55の上面に実装された電気部品85の上下方向の中心点は、1つの水平線HL1の位置にある。言い換えると、第1冷却ファン60の吹出口60Aから吹き出された冷却風RF1が、真っすぐに右側方向に進行すると、ヒートシンク82と電気部品85に到達するような位置関係になっている。この水平線HL1で確定される水平面は、前記第1の水平面HP1よりも上にある。
図14において、前記電源回路基板55には、商用交流電源99からの交流電力が、後述するフィルター回路基板54を介して供給される。そして、この電源回路基板55において、交流から直流に変換する。そのため、交流から直流に変換するためのダイオード、トランス57(図示せず)等の電気部品85が実装されている。
インバーター回路基板80のヒートシンク82の温度が異常に上がった場合、誘導加熱調理を制御するIH制御部90は、前記IHコイル17L、17Rの加熱量を低減させる。なお、この動作に加えて第1冷却ファン60の単位時間あたりの送風量を、一時的に増加させるようにしても良い。ヒートシンク82の温度は、ヒートシンク82の表面に密着状態に固定されたサーミスタ等のような接触型の温度センサーTS8、TS9(図24参照)によって検知している。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61を、全く同じ構造、同じ形状、同じ定格仕様で揃えた場合、製造時の調達コストを安価にできる。
同一仕様の冷却ファンを並列配置し運転させると、うなり音が発生する可能性が高い。このため、この実施の形態1では、うなり音対策として、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の回転数は、うなり音が発生しやすい範囲では、異なる値になるような制御を行っている。つまり、常に異なる回転数で運転している訳ではない。
図24において、52は、上部ケース16の後部において左右に長く設置している金属製の仕切り板であり、上部ケース16に固定されている。この仕切り板52は、上部ケース16の内部空間を、前後に区画するように垂直に伸びた壁となっている。なお、ここでいう「区画する」とは、空気の流通を完全に遮断するような厳密な遮蔽を意味していない。仕切り板52の上端面を越えて、前記第1冷却ファン60、第2冷却ファン61からの冷却風が後方へ流れることを、ある程度抑制できる程度であれば良い。
後述する上部風路AHは、前記上部ユニット100の内部において、前記通気孔64から仕切り板52までの範囲の風路をいう。この仕切り板52の背後側に形成された前記空隙GP1の中には、前記した下部ユニット200からの排気ダクト102が存在している。このため、後述する下部風路UHは、前記上部通路AHの中を通過せず、実質的に加熱調理器1の外部に連通する構造となっている。
図24において、52Aは、前記仕切り板52の左半分に形成した排気窓、52Bは、前記仕切り板52の右半分に形成した排気窓である。
53Lは、その排気窓52Aの前方側を覆うように設置した(左側の)排気口板であり、多数の貫通孔53L1が形成され、仕切り板52の排気窓52Aに向かう冷却風が通過するようになっている。
53Rは、前記排気窓52Bの前方側を覆うように設置した(右側の)排気口板であり、多数の貫通孔53R1が形成され、仕切り板52の排気窓52Bに向かう冷却風が通過するようになっている。これら排気窓52A、52Bを通過した冷却風は、前記排気カバー19を介して加熱調理器1の外部空間へ放出される。
図24において、LFは、IHコイル17L、17Rの設置空間CKから排気される排気について、後述する区画板12より左側の範囲(横幅寸法)を示した排気口寸法である。この排気口寸法は、前記貫通孔53L1の形成範囲と、排気窓52Aの横幅寸法によって定まる。排気窓52Aの横幅寸法の方が貫通孔53L1の形成範囲よりも狭い場合(図24に示した形態)では、その排気窓52Aの横幅寸法によって(左側の)排気範囲LFが定まる。
右側の排気窓52Bの横幅寸法と貫通孔53R1の形成範囲は、同等である。
図24において、54は、上部ケース16の後部の右隅部に配置したフィルター回路基板である。このフィルター回路基板では、商用電源99からの電源の中のノイズを除去して出力端子側へ供給し、また逆にノイズを、入力端子側にある商用(交流)電源側へ流出(逆流)させないようにしており、抵抗とインダクタ(チョークコイル)、ライン間コンデンサー、リレー、電流ヒューズ等の電気部品(図示せず)を実装している。なお、商用電源99にプラグを介して接続された電源ケーブル(図示せず)の末端部は、後述する下部ユニット200の内部を経由して、このフィルター回路基板54に接続されている。
前記電源回路基板55は、前記インバーター回路基板80を挟んで前記第1冷却ファン60と反対側(右側)にある。言い換えると、この電源回路基板55は、前記インバーター回路基板80とカバー70との間に形成された第1風路F1の出口FOの右側にあるため、第1風路F1から出た直後の冷却風によって冷却される。
図24において、CL3は、左側のIHコイル17Lの中心点を前後方向に通る中心線、CL4は、右側のIHコイル17Rの中心点を前後方向に通る中心線である。
CL5は、2つのIHコイル17L、17Rの各中心点を左右方向に横切る中心線である。CL2は、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61における、各回転翼(図示せず)の回転中心を前後方向に貫通する中心線である。この図24から明らかなように、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、前後方向の一直線上に並んでいる。
図24において、RF1は、第1冷却ファン60から吹出された冷却風を示す。RF2は、第2冷却ファン61から吹出された冷却風を示す。
RF3は、第1風路F1の出口FOから出たあとの冷却風を示す。また、RF4は、第2風路F2を通過したあとの冷却風を示す。なお、出口FOから出たあとの冷却風RF3と第2風路F2を通過したあとの冷却風RF4は、その一部が途中で合流する。つまり、排気口板53L、53Rの貫通孔53L1、53R1に至る前に、冷却風RF3と冷却風RF4は合流する。
図24において、GP1は、仕切り板52と上部ケース16の後方垂直壁16Bとの間に形成された空隙である。この空隙GP1の前後方向の幅は、30mm~50mm程度である。
図24と図25において、12は、区画板であり、仕切り板52の背後側に形成された前記空隙GP1の中に垂直に設置されている。13は、同じく区画板であり、仕切り板52の背後側に形成された前記空隙GP1の中に垂直に設置されている。
区画板12によって、仕切り板52の背後側に形成された前記空隙GP1の中が左右2つの空間に区画される。この区画板12の左側には、下方から排気ダクト102が垂直に存在している。また、この区画板13の右側には、前記下部ユニット200のマグネトロン122を冷却した後の空気を排出する排気ダクト307(図示せず)の終端部(排気口)を配置する場合がある。しかし、この実施の形態1では、そのような排気ダクト307(図示せず)は、配置していない。
図24と図25において、14は、垂直に設置された板状又はリブ形状(隆起物状)の仕切壁である。この仕切壁14は、前記上部ケース16の底壁面16Sの上に重なるように設置された支持板29(図示せず)の上面に一体に形成するか、または固定されている。
前記支持板29(図示せず)は、前記支持板71のように電気絶縁性のあるプラスチック材料で形成されている。
前記仕切壁14は、カバー70の後方から前記仕切り板52の前面まで形成されている。但し、前記仕切壁14は、トッププレート15の下面に接触するような位置まで垂直に伸びている訳ではない。つまり、前記仕切壁14は、トッププレート15の下面の近くまで伸びているが、仕切壁14によってカバー70の後方の空間が完全に、左右2つに仕切られている状態ではない。
図25に示すように、主に第1風路F1を経由してカバー70の右側へ案内された冷却風RF4の一部は、前記仕切壁14によって2つの冷却風RF4LとRF4Lの2つに分けられ、排気窓52Aと52B方向へ案内される。
図25に示すように、主に第1風路F1を経由してカバー70の右側へ案内された冷却風RF4の一部を、前記仕切壁14によって2つの冷却風RF4LとRF4Lの2つに分け、排気窓52A、52B方向へ案内することができる。
以上の構成によって、図24に示したように、冷却風RF4L、RF4Rは、IHコイル17L、17Rの設置空間CKから排気窓52A、52Bを介して排気される。
なお、図24と図25では、仕切壁14の右側から排気される冷却風をRF4Rと表示し、仕切壁14の左側から排気される冷却風をRF4Lと表示している。これら2つの冷却風を総称する場合には、以下の説明では、符号はRF4を使用する。
(入力操作部40の細部構成)
次に図19と図20に戻り、前記入力操作部40の主要部について説明する。
図19と図20において、40は、トッププレート15の前方側上面に形成された入力操作部であり、以下述べるように、ユーザーが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる方式の各種入力キー(タッチ式キー)を、横方向に一直線状に配置している。
入力操作部40は、右操作部40R、中央操作部(共用操作部)40M及び左操作部40Lの3つを含んでいる。98は、後述する商用電源99を供給すること、及び遮断することができる主電源スイッチ97の操作ボタン又は操作キー(タッチ入力式)である。この操作ボタン又は操作キー98は、右操作部40Rの右端部に隣接した位置に配置されている。なお、この操作ボタン又は操作キー98は、入力操作部40の範囲内(図19参照)にあるという前提で以下説明する。
前述したように、前記右操作部40Rは、誘導加熱源9だけの入力操作を行うものであるため「個別操作部」と呼ぶ場合がある。同様に左操作部40Lも、「個別操作部」と呼ぶ場合がある。
これに対して、前記中央操作部40Mは、マイクロ波加熱源189と、オーブン加熱源188の2つに共通して使用されることから「共用操作部」と呼ぶ場合がある。なお、この「共用操作部」は、後述する連携調理モードを実行するための「連携操作部」40Mも含んでいる。これらについては、図21で詳しく説明する。
前記主電源スイッチ97は、図24と図25に示すように上部ユニット100のフィルター基板54に取り付けてある。商用電源99は、電源回路基板55、インバーター回路81、下部ユニット200の電源回路部(図25では図示せず)に供給されている。
図20と図22に示すように、前記右操作部40Rには、合計5つのタッチ式入力キー43R1~43R4、44Rを配置してある。これら入力キー43R1~43R4、44Rは、以下に述べるように、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。
43R1は、右加熱部17HRでの加熱を選択する入力キーである。また、加熱動作を開始した右側のIHコイル17Rの動作を、停止することができる。このため、最初に1回押した場合には、右加熱部17HRの選択機能を発揮し、その次に1回押した場合には、瞬時に加熱動作の停止指令を発する機能がある。このように、この入力キー43R1は、1回タッチする毎に、後述するIH制御部90に対する指令の内容が自動的に切り替わる。
前記入力キー44R、44L(又は43R1、43L1)は、第3の選択手段と呼ぶ場合がある。すなわち、後述する左側の入力キー44L(又は43L1)と、右側の入力キー43R1は、誘導加熱源9の右加熱部17HR又は左加熱部17HLの何れか1つを使用する「単独(加熱)調理」モードを選択し、かつ、加熱動作開始を指令する手段である。
43R2と43R3は、誘導加熱時の火力(消費電力)を指定する1対の入力キーである。
2つある入力キー43R2の内、左側の入力キー43R2にタッチすると、その操作の度に、1段階ずつ火力が下げられる。例えば、3200W(定格最大火力:火力レベル9)である場合、この入力キー43R2に1回タッチすると、2500W(火力レベル:8)に下げられる。
右側の入力キー42R3にタッチすると、その操作の度に、1段階ずつ火力が上げられる。例えば、2500W(火力レベル8)の火力である場合、この入力キー42R3に1回タッチすると、3200W(定格最大火力:火力レベル9)を選択できる。
43R4は、タイマー調理の制御メニューを選択する入力キーである。タイマー調理とは、ユーザーが調理時間を設定すると、その設定時間の間だけ誘導加熱動作が行える制御方法である。例えば、10分間を指定してタイマー調理を開始した場合、10分経過時に所定の表示が右側表示部31Rで行われ、また後述する音声合成装置95からも、音声で調理終了の報知が自動的に行われる。設定時間(例えば、10分間)の経過時には自動的に誘導加熱が停止するが、設定時間経過前に延長操作をして、誘導加熱時間を延長することもできる。
この実施の形態1では、統合表示部30や右表示部31R等の表示部と、音声合成装置95の両者を総称して「報知部」ANと呼ぶ場合がある。
44Rは、誘導加熱調理の「制御メニュー」を選択するタッチ式入力キーであり、タッチ操作する毎に複数の制御メニューの中から1つを選択できる。なお、この誘導加熱調理において「制御メニュー」とは、図38に示しているような、例えば、「湯沸し」、「茹で」、「揚げ物(自動調理)」等のように、誘導加熱源9の制御モード、言い換えると制御の種類である。つまり、「湯沸し」や「煮込み」、「揚げ物」等は、個々の制御メニューある。また、1つの制御メニューに関する制御条件としては、例えば(IHコイル17Rの)駆動時間や、火力値等がある。制御メニューが同じでも、制御条件が同じとは限らない。
右加熱部17HRのための「制御メニュー」とは、誘導加熱して得られる最終的な被調理物の名称や食材の名称とは異なる。例えば「ハンバーグ」や「天ぷら」は被調理物の名称であり、ここでいう「制御メニュー」ではない。言い換えると、「制御メニュー」とは、調理を完成させるまでの加熱の種類、調理方法や条件等を総括的に表現したものとも言える。
誘導加熱源9の制御メニューは、他の加熱源の制御メニューと区別するため、「IH制御メニュー」と呼ぶ場合がある。
次に図20と図23を参照しながら、左操作部40Lについて説明する。左操作部40Lには、合計5つのタッチ式入力キー43L1~43L4、44Lを備えている。
43L1は、左加熱部17HLによる調理を選択する入力キーである。また、左側のIHコイル17Lの加熱動作が開始された後は、その動作を随時停止させることができる。つまり、最初に1回押した場合には、左加熱部17HLを選択する機能を発揮し、誘導加熱が開始されてから次に1回押した場合には、瞬時にその加熱動作を停止できる。
前記入力キー43L1は、第3の選択手段と呼ぶ場合がある。
43L2と43L3は、前記右操作部40Rの入力キー43R2~43R3と同様に、左加熱部17HLにおける火力(消費電力)を指定する1対の入力キーである。前記右操作部40Rの入力キー43R2、43R3と同様に、1回タッチする度に、規定されている火力値のデータテーブルの中で、1段階上げた火力を選択し、又は1段階下げた特定の火力を選択できる。
43L4は、タイマー調理を選択する入力キーである。この入力キー43L4は、右操作部40Rの入力キー43R4と同様に、誘導加熱調理の時間を指定することができる。また、タイマー調理終了時には、入力キー43R4と同様に、左側表示部31Lにおいてタイマー調理の終了が表示され、音声合成装置95によっても報知される。
44Lは、誘導加熱調理の「制御メニュー」を選択できるタッチ式入力キーである。前記右操作部40Rの入力キー44Rと同様に、複数の「制御メニュー」の中から1つの制御メニューを選択できる。なお、左側の入力キー44Lで選択できる制御メニューは、右側の入力キー44Rで選択できる制御メニューと全く同じである。
なお、連携調理モードKM3において誘導加熱源9を使用する調理工程では、前記入力キー43L1と43R1の機能は、入力キー44L、44Rに移される。
この左操作部40Lに配置された合計5つのタッチ式入力キー43L1~43L4、44Lは、図20と図23から明らかなように、左右方向の直線上に並んでいる。
図20と図21において、前記中央操作部40Mには、合計10個のタッチ式入力キーを配置してある。これら入力キーは、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。
以下、10個のタッチ式入力キーについて説明する。
最も左側にある入力キー43KPは、加熱調理器1全体の各種動作や表示等を、ユーザーの希望通りに設定できるようにするためのものである。
入力キー43KPを押すと、後述する統合制御装置MCは「機能モード」に切り替わり、統合表示部30の表示画面30Dに以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力キーの操作無効化設定)
(2)換気扇連動モード設定
(3)お掃除ガイド設定(加熱室113と排気カバー19の清掃時期自動報知機能設定)
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)
(5)音声ガイドの音声設定
(6)音声ガイドの音量設定
(7)加熱室113からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声合成装置95と統合表示部30での警報の要否)
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)
(9)タイマー調理の時間単位(1分単位設定を、5分や30分単位へ変更)設定
(10)初心者モードと通常(習熟者)モードの切り替え
(11)冷蔵庫401から取得する在庫情報の種類(範囲)の設定
(12)連携調理モードKM3の各調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な調理メニュー、識別情報330)の設定
(13)複合調理モードKM2の各制御メニュー(例えば、「レンジグリル」、「葉菜下ゆで」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な制御メニュー)の設定
(14)主電源スイッチ97のONの後、加熱室113のドア114が開けられた場合、自動的に統合表示部30に表示する調理モードの設定(連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の2者の間の、表示優先度など)。
前記初心者モードとは、加熱調理器1の使用に不慣れな人(ユーザー)のための、オプション機能であり、この初心者モードに設定すると、音声合成装95における音声ガイドの内容が、より細かく、丁寧になる。また、入力操作部40での入力操作について、音声ガイドが増えたり、統合表示部30の表示画面30Dの表示情報が増える。
前記初心者モードに設定した場合は、特に、複合調理モードKM2と、連携調理モードKM3における調理の場合、調理工程1と調理工程2において、統合表示部30の表示画面30Dで表示する参考情報(後述する付加情報331を含む)の量が増え、又は音声合成装置95における音声ガイドの内容が増える。このため、ユーザーの入力操作を支援できる機能が強化される。
主電源スイッチ97のONの後、加熱室113のドア114が開けられた場合、自動的に統合表示部30に表示する調理モードの設定とは、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の何れを一方を設定することをいう。連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の両方が、1つの統合表示部30を使用しているため、どちらか一方の表示を優先させることをユーザーが設定できる。これについては、後で詳しく説明する。
主電源スイッチ97のONの後、加熱室113のドア114が開けられた場合、このドア114の開放を統合制御装置MCが検知する。
ユーザーが加熱室113を使用する調理を行うものと推定し、先に連携調理モードKM3のための第1特定画面30SP、又は複合調理モードKM2のための第2特定画面30SCの、何れか一方を統合表示部30に自動的に表示させる機能である。
なお、第1特定画面30SP又は第2特定画面30SCは、後述する待機時初期画面(表示画面1、2A、2B:図46)が表示された後、ドア114が開放された直後に、自動的に表示される。
統合表示部30の表示画面30Dに「機能設定メニュー」が表示された後、中央操作部40Mにおいて、前記入力キー43KP以外の特定の1つの入力キーを「長く押す」(以下、「長押し」という)と、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを選択し、続けて、希望する設定内容に変更することができる。
あるいは、前記入力キー43KP以外の特定の2つの入力キーを同時に「長押し」した場合、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを呼び出して、希望する設定内容に変更することができる。
前記「長押し」とは、例えば連続して5秒以上押された状態をいう。
前記「長押し」の状態であるかどうかは、入力操作部40におけるタッチ入力のタイミングを、前記統合制御装置MCが基準値と比較して判定する。つまり、中央操作部40Mにおいて、前記入力キー(例えば、43M1と43M2)が同時に押されたタイミングは、入力操作部40から統合制御装置MCに送信されたON(タッチ時)-OFF(非タッチ時)信号で判別できるが、統合制御装置MCでは、そのON信号時点からOFF信号に変化した時点までの時間を計測して、「長押し」であるかどうかを判別している。
前記冷蔵庫401から取得する在庫情報の種類(範囲)とは、例えば、冷凍食品だけに限定したり、マイクロ波加熱源189によって加熱できる食材だけに限定することである。
入力キー43KPを押して、統合表示部30の表示画面を「機能モード」に切り替えた上で、前記中央操作部40Mに配置された後述するタッチ式入力キー43M1~43M3を操作すれば、加熱調理器1の「機能設定メニュー」に定めてある上記14種類の個別機能を、個々に変更することができる。
統合表示部30において、マイクロ波加熱源189やオーブン加熱源188の制御モードや制御条件(温度や火力、時間など)を選択している段階では、機能モードの切り替えをしないように、入力キー43KPの入力機能は無効にしてある。そのため、入力キー43KPに対応する発光部27M1は、制御モードや制御条件の設定作業中には発光しない(図21参照)。
例えば、加熱調理器1のピークカット値の設定について述べる。メーカからの出荷時点のデフォルト値が、仮に5400Wであったとしても、ユーザーの自宅に設置した際に、5000W、4800W又は4000Wの何れにも設定できる。このように、加熱調理器1の機能を、ユーザーの希望や使用環境(設置家庭の電力事情)等に合わせて変更することができる。なお、このようなピークカット値の設定を行うと、この設定結果は、統合制御装置MC又は電力制御部72に記憶されるので、後述するように連携調理モードKM3をユーザーが選択した際に、その連携調理モードKM3の使用を許可するかどうかの判定に利用される。
図21に示しているように、前記中央操作部40Mの範囲には、マイクロ波加熱源189と、オーブン加熱源188の2つに共通して使用される共用操作部又はRG操作部40M2と呼ぶ範囲を含んでいる。中央操作部40Mの範囲は、図21に一点鎖線で囲んだ範囲である。
一方、その中央操作部40Mの範囲で、入力キー43KPを除いた範囲は、後述する連携調理モードを実行するための連携操作部40MCである。
なお、以下の説明では、前記「RG操作部」40M2は、マイクロ波加熱源189(第2の加熱手段)の入力操作部を兼ねているため、「第2操作部」40M2と呼ぶ場合がある。
43MCは、前記連携操作部40MCの左端部に配置された連携調理モードKM3の選択用入力キーである。タッチ式キーから構成されている。
この入力キー43MCは、発光ダイオード(LED)等によって下方から照らされ、「連携調理」という文字や、それを示す図形等が、ユーザーから容易に確認できるようになっている。但し、連携調理モードKM3の期間中しか当該入力キー43MCは光って見えない。つまり、連携調理モードKM3の全ての調理工程を終えた後は、前記LEDは発光を停止し、連携調理モードKM3が有効でないことを表示するようになっている。
前記入力キー43MCは、「第1調理モード選択部」又は「第1入力キー」と呼ぶ場合がある。
43M1は、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189によって、加熱室113において加熱調理することを選択する入力キーである。オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の両方を使用する複合調理モードKM2も選択できる。つまり、この入力キー43M1は、「複合調理モード」KM2を選択する入力手段(入力キー)である。なお、入力キー43M1を操作した場合、後述するように、「複合調理モード」KM2の実行により、マイクロ波加熱又はオーブン加熱の何れか一方の単独加熱調理も可能である。 前記入力キー43M1は、「第2調理モード選択部」又は「第2入力キー」と呼ぶ場合がある。また、入力キー43M1は、「第3入力キー」と呼ぶ場合もある。
前記入力キー43M1が操作されると、前記統合表示部30は、特別な表示画面構成に切り替わる。すなわち、前記複合調理モードKM2に使用される第2特定画面30SCが表示される。この点については、図55~図59を参照して後で説明する。
また、前記入力キー43MCが操作されると、前記統合表示部30は、連携調理モードKM3を実行できるように、特別な表示画面を表示する。すなわち、第1特定画面30SPを表示する構成に切り替わる。この点については、図60、図82~図109を参照して後で説明する。
ここで、入力キー43M1、43M2、43M3が統合制御装置MCに対して入力信号を発信することについて説明する。つまり、後述する「第2調理モード選択部」を構成する入力キー43M1等の操作について説明する。
代表として入力キー43M1に限定して説明する。
複合調理モードKM2の制御メニューの情報が、前記第2特定画面30SCに表示されている場合に、前記入力キー43M1にユーザーが触れた場合、その接触の回数が統合制御装置MCに把握される。
一方、入力キー43KPのところで説明したように、特定の入力キー(例えば43M1)を「長押し」した場合、その入力キー43M1のタッチ面に触れた瞬間からの経過時間が前記統合制御装置MCにカウントされる。例えば、連続して6秒間「長押し」した場合には、6秒経過時点で「入力操作1回」とカウントされ、次にまた経過時間がカウントされる。
このようにして、例えば、連続12秒間タッチしていると、「入力操作2回」であると統合制御装置MCに判定される。
従って、統合制御装置MCは、例えば、第2特定画面30SCに表示している制御メニューを、2段階更新する。このように、入力キー43M1を押している動作は1回(12秒間)であっても、その連続時間に応じて、複数回の指令を与えたことになり、制御メニューや制御条件等を、規定された順に変更することができる。なお、このような「長押し」の場合、その1つの区間(上記の例では6秒間)経過時点で、報知部ANによって、何らかの報知音をその都度鳴らすようにし、ユーザーに注意喚起しても良い。
なお、全ての入力キーに上記したような「長押し」を許可していない。「長押し」をした場合、警報音を報知部ANで発したり、音声合成装置95によって異常な操作であると、音声で指摘しても良い。
この実施の形態1では、連携調理モードKM3の調理メニュー、複合調理モードKM2の制御メニューの、少なくとも2つの何れかを選択する場面では、関係する入力キーには上記のような「操作時間に応じた」入力を、統合制御装置MC側で認めている。
前記統合表示部30の表示画面30Dは、ハードウエア上は1枚の液晶表示画面であるが、図21に示しているように、表示部駆動回路63によって最大で3つの表示エリア30L、30M、30Rに分けて表示される。
3つの表示エリアの内、左側に位置する表示エリア30Lを、以後、「第1エリア」という。また中央に位置する表示エリア30Mを、以後、「第2エリア」という。右側に位置する表示エリア30Rを、以後、「第3エリア」という。なお、このように1つの表示画面の中を、複数に区分して表示させる方法は、例えば日本の特許第5425171号公報や特開2017-172940号公報で提案されているため、詳細な説明は省略する。
43M1は、前記入力キー43MCを操作した後、前記表示画面30Dの第1エリア30Lに表示された画面を切り替えるための、左右で1対の入力キーである。第1エリア30Lに表示される情報は、統合制御装置MCの表示プログラムに従って前記表示部駆動回路63で選択される。
次に、前記入力キー43M1を操作して、統合表示部30に「複合調理モード」KM2や「単独調理モード」KM1を示す個別の名称が表示された状態について説明する。
左右に並んだ2つの入力キー43M1の内、左側の入力キー43M1が操作されると、第1エリア30Lの表示画面は前方に移動して、後方側に表示されている情報が前後中央に表示されるイメージで表示画面が切り替わる。
左側の入力キー43M1が1回操作されると、統合制御装置MCに記憶させてある「制御メニュー」(複合調理モードKM2の場合)、被調理物の識別情報(連携調理モードKM3の場合)等の表示情報群の中から、希望する表示情報の1つ(例えば、制御メニューの1つである「レンジグリル」調理を特定する名称)を選択できる。なお、表示画面自体が、実際に前方に移動する訳ではなく、視覚上で前方に移動したように見えるだけである。
逆に、右側の入力キー43M1が1回操作されると、第1エリア30Lの表示画面は後方に移動し、代わりに別の情報が、今度は第1表示エリアの前後中央に表示されるイメージで、表示画面が切り替わる。つまり、右側の入力キー43M1を操作しても、統合制御装置MCの表示プログラムで規定されている「表示情報群」の中の1つが選択されるが、表示される情報の選択方向(選択順位)が逆となる。
このように、ユーザーは、右側の入力キー43M1と左側の入力キー43M1の何れかを操作すれば、表示情報群の中から、希望する情報を第1エリア30Lの中央部に表示させることができる。
43M2は、前記表示画面30Dの第2エリア30Mに表示された画面を切り替える1対の入力キーである。この入力キー43M2の何れか1つを操作すれば、前記入力キー43M1と同様に、第2エリア30Mの表示情報を1つずつ順次切り替えることができる。 前記入力キー43M2は「第4入力キー」と呼ぶ場合がある。
43M3は、前記表示画面30Dの第3エリア30Rに表示された画面を切り替える1対の入力キーである。この入力キー43M3の何れか1つを操作すれば、前記入力キー43M1と同様に、第3エリア30Rの表示情報を1つずつ順次切り替えることができる。
前記入力キー43M3は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2について、ユーザーの入力を支援するためのガイドキーを兼ねている。
この入力キー43M3は、第3エリア30Rに何も情報が表示されていない場合、又は後述する案内情報30Pが表示されている場合等、特定の場面においてタッチ操作された場合には、前記第3エリア30Rに、ユーザーの操作に参考となる「案内情報」30Pを表示する(図55参照)。
案内情報30Pの表示は、一定時間(例えば、10秒間)経過すると自動的に消え、直前の表示画面の状態に復帰する。このような動作の詳細については、図80と図81を参照して後で説明する。
43MSは、加熱室113を利用したマイクロ波加熱調理とオーブン加熱調理の動作開始を指令することができる「開始部」であり、具体的にはタッチ式入力キーである。また、連携調理モードKM3への移行を指令することができる入力キーも兼ねている。この入力キー43MSは、他の入力キーと特に区別する場合、「開始用入力キー」と呼ぶ場合がある。
43MTは、逆にマイクロ波加熱とオーブン加熱の動作を停止させることができる「終了部」であり、具体的にはタッチ式入力キーである。また、連携調理モードKM3への移行を取り消すための指令を発することができる入力キーも兼ねている。この入力キー43MTは、他の入力キーと特に区別する場合、「終了用入力キー」と呼ぶ場合がある。
主電源スイッチの操作キー98を押して、加熱調理を開始する場合、例えば、右操作部40Rにおいては、5つのタッチ式入力キー43R1~43R4、44Rは、常に入力機能が必要ではない。
同様に、左操作部40Lにおいても、5つのタッチ式入力キー43L1~43L4、44Lは、常に入力機能が必要ではない。中央操作部40Mにおいても同じである。ユーザーが認識しないまま触れた場合等、不必要な入力を避けるために、統合制御装置MCでは、加熱調理器1の起動直後から、調理条件の入力過程や、調理の進行度合い等に応じて、入力が必要な入力キーを除いて、その他の入力キーの入力機能は一時的に無効にし、入力を受け付けないようにしている。
そこで、以上のような各入力キーの入力機能が有効であることを示すために、図20~図23に示すように、3つの操作部40R、40L、40M毎に、発光表示部27R、27L、27Mを設けている。
図20と図22に示しているように、右操作部40Rにおいては、5つのタッチ式入力キー43R1~43R4、44Rの直ぐ後方に個別発光部27R1~27R4を配置している。入力キー43R2と43R3は、1対であるので、個別発光部27R2は、1つを共用している。
個別発光部27R1~27R4は、右操作部40Rの下方に発光ダイオード(LED)を1つ又は複数個ずつ配置してあり、表示部駆動回路63によって個々の個別発光部27R1~27R4は発光と消灯が制御される。あるいは発光色を変化させるように制御される。
例えば、右操作部40R(右加熱部17HR用の個別操作部)の入力キー43R1(図22参照)が操作される前には、その入力キー43R1の直ぐ後方に隣接している個別発光部27R1は、青く発光している。これにより、操作入力を受け付けることができる状態であることが分かる。
ユーザーが入力キー43R1を操作し、統合制御装置MCが当該入力を受け付けた場合には、個別発光部27R1は、統一された色(赤色)で発光して、ユーザーに操作を受け付けていることを表示する。この表示のための制御は、統合制御装置MCの指令に基づき、表示部駆動回路63が行う。なお、1つの色で発光させず、例えば青色から赤色に発光色を変えて、ユーザーに操作を受け付けていることを表示するようにしても良い。これは、後で述べる個別発光部27M1~27M6、27L1~27L4についても言える。
なお、入力キー43R1が操作される前には、その入力キー43R1の直ぐ後方に隣接している個別発光部27R1を発光させず、操作を受け付けた時点で発光開始し、発光を継続する方式でも良い。また、操作入力が可能であることだけを事前(操作前の段階)に発光で示し、操作入力を受け付けたことは、光で表示させない方式にしても良い。さらには、操作入力が可能で入力待ちの状態では点滅させ、操作入力を受け付けた段階で連続発光に変化させるような形態を採用しても良い。
同様に、図20と図23に示しているように、左操作部40Lにおいても、5つのタッチ式入力キー43L1~43L4、44Lの直ぐ後方に、個別発光部27L1~27L4を配置している。入力キー43L2と43L3は、1対であるので、個別発光部27L4は、1つを共用している。
図20と図21に示しているように、中央操作部40Mにおいても、10個のタッチ式入力キー43KP、43MC、43M1~43M3、43MS、43MTの直ぐ後方に、個別発光部27M1~27M6を配置している。
入力キー43MSを押し、誘導加熱が始まった場合は、中央操作部40Mにおける各入力キー(43M1、43M2など)は、入力できなくなる。但し、入力キー43MTの入力機能は有効に維持される。
前記入力キー43MTは、制御メニューや連携調理モードKM3の入力を取り消すことができる。例えば、連携調理モードKM3の調理工程1が(加熱室113で)開始された場合、この入力キー(終了部)43MTを1回押すと、加熱室113に対応している第2の加熱手段HM2に加熱動作が停止する。更に1回押すと、その時点で連携調理モードKM3の設定は取り消され、後述するように、当該連携調理モードKM3で使用していた左加熱部17HLの占用状態は、即時解除される。
従って、この解除後は、他の調理のために左加熱部17HLを使った単独調理モードKM1の入力を開始できる。
なお、前記連携調理モードの調理工程1が、誘導加熱源9を使用して実施している場合には、前記入力キー(終了部)43MTを続けて2回押すと、連携調理モードKM3の設定は取り消される。つまり、誘導加熱源9による調理工程1は、その時点で終了してしまい、次の調理工程2の予約状態は解除される。そのため、後述するように、加熱室113のマイクロ波加熱源189が占用状態になっていた状態は、即時解除される。
入力キー43M1や、入力キー43MCを操作して連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を統合表示部30に表示させた段階で、調理工程開始前に入力キー43MTを操作すると、それ以前の入力設定はすべて解除される。そのため、仮に連携調理モードKM3の調理メニューを表示させるには、再度入力キー43MCを操作する必要がある。
個別発光部27M1~27M6は、中央操作部40Mの下方に発光ダイオードを1つ又は複数個ずつ配置してあり、表示部駆動回路63(図30参照)によって個々の個別発光部27M1~27M6は、統一された発光色での発光と消灯が制御される。さらには、操作入力が可能で入力待ちの状態では点滅させ、操作入力を受け付けた段階で連続発光に変化させるような形態を採用しても良い。
図21に示しているように、1対の入力キー43M1は、1つの個別発光部27M3を共用している。2つの入力キー43M2と43M3についても、それぞれ1対であるので、個別発光部27M4と27M5は、1つずつ共用している。以下の説明で、中央操作部40Mにおける個別発光部を総称する場合には、符号は27Mを用いる。
図22に示すように、右操作部40Rの右端部に隣接した位置にある前記主電源スイッチ97の操作キー(又は操作ボタン)98の真後ろにも、個別発光部27R5を配置してある。
以上のような発光表示部27R、27L、27Mの発光形態(連続発光、点滅、発光色等)は、ユーザーの無用な混乱、誤解を避けるため、3つの操作部で統一することが望ましい。そこで、この実施の形態1では、右操作部40R、左操作部40L及び中央操作部40Mにおいて、発光表示部27R、27L、27Mの発光形態を統一している。
各入力キーの入力機能が有効であることを示すために、入力キーの操作部自体を発光させる方法もあるが、その場合、入力キーの操作部真下に発光部を配置し、かつ当該操作部を、光透過性の材料で製造する必要もあり、入力キーの操作部の感度を確保する課題もあるので、構造やコスト面で課題が多い。
そこで、この実施の形態1では、上記のように発光表示部27R、27L、27Mを、入力キーの操作部を避けて、隣接した位置に設けている。ここでいう「隣接」とは、例えば入力キー43R1と発光表示部27Rの関係のように、ユーザーの視点から見て両者が接近しており、1対1の関係が瞬時に分かる位置関係をいう。そのため、例えば入力キー43R1と発光表示部27Rの間が、入力キー43R1の表面を基準にして、上方に突出した壁等の構造物で仕切られている場合を除く。但し、入力キー43MCは、特に連携調理モードKM3を示すために重要であるから、下方から光で照らす構造を採用している。
図20において、右操作部40Rと左操作部40Lの後方位置には、誘導加熱調理時の火力段階を示すように火力表示部67L、67Rを設けている。
これら火力表示部67L、67Rは、右加熱部17HRと左加熱部17HLにおける火力段階を発光(赤色)によって示すものである。定格最小火力(火力レベル1:150W)~定格最大火力(火力レベル9:3200W)までの、9段階を光で示す。
火力表示部67L、67Rは、右操作部40Rと左操作部40Lの下方空間に設置した複数の発光ダイオード(LED)によって構成されている。発光色は、火力の大きさによって変化させても良い。この実施の形態1では、例えば火力レベル1と2は、以下のように構成している。
(1)(最小)火力レベル1:赤色点灯1個、残り8個は青色点灯
(2)火力レベル2:赤色点灯2個、残り7個は青色点灯
なお、火力表示部67L、67Rの左端部には、最小火力レベル1よりも小さな火力で被加熱物を加熱する「保温モード」(図54の「表示画面3A」参照)で動作させた場合に、LEDを発光させて表示する保温表示部67Hを設けている。
前記左表示部31Lには、左加熱部17HLの火力レベル値が、数字の1~9で表示される。最小火力レベル1のときは「1」、最大火力レベル9のときは「9」が表示される。この左表示部31Lでの火力表示は、火力表示部67Lによって表示される火力段階と合致しており、同じタイミングで表示される。
また、右表示部31Rでも、右加熱部17HRの火力レベル値が、数字の1~9で表示される。表示の条件は、左表示部31Lの場合と全く同じである。
図20から分かるように、前記3つの発光表示部27L、27M、27Rと、2つの火力表示部67L、67Rは、それぞれが左右方向に1直線上に並んでいる。しかも、前記3つの発光表示部27L、27M、27Rと、2つの火力表示部67L、67Rは、左右方向において並んでいる。
このように、前記3つの発光表示部27L、27M、27Rと、2つの火力表示部67L、67Rが、3つの入力操作部40L、40M、40Rに対して、その後方において左右方向に1直線上に並んでいるため、操作性と視認性が良い。更に統合表示部30と、左側表示部31L及び右側表示部31Rも、横方向に一直線上に並んでおり、加熱調理器1の前方側に立って操作するユーザーの立場から見て、全体の操作性と視認性が良いデザインとなっている。
図20と図21において、68は、前記統合表示部30の後方に配置した加熱源表示部である。
この加熱源表示部68は、中央操作部40Mを使用して複数の加熱源を使用するため、実際に動作している加熱源をLEDの光で表示するものである。
加熱源表示部68は、3つの表示部から構成されている。最も左端の表示部68Lは、マイクロ波加熱源189を使用していることを示す表示部であり、手前側近傍には文字で「レンジ」という表示をし、マイクロ波加熱であることが容易に分かるようにしてある。
中央の表示部68Mは、加熱室113にて、上部ヒータ163A又は下部ヒータ163Bの両方又は何れか一方を使用して「グリル調理」をしている場合を示す表示部である。手前側に「グリル」と記載し、グリル調理であることが容易に分かるようにしてある。
最も右側の表示部68Rは、加熱室113にて、上部ヒータ163A又は下部ヒータ163Bの両方又は何れか一方を使用して「オーブン調理」をしている場合を示す表示部である。
「オーブン調理」は、グリル調理とは異なり、加熱室113の中の温度を把握して上部ヒータ163A、下部ヒータ163Bの通電制御に反映させる(フィードバックさせる)ものである。これらについては、後で詳しく説明する。
図20と図21において、69は、前記加熱源表示部68の直ぐ後方位置に設けた高温表示部である。この高温表示部69は、統合制御装置MCからの指令に基づきLED発光部を発光させて、温度監視対象部分が高温であることを表示する。
統合制御装置MCは、後述するように各種温度センサーからの温度検出信号を受ける温度検出回路93や加熱室制御部159からの温度情報に基づき、高温表示を指令する。
高温表示部69は、図19には示していない。
高温表示部69は、温度監視対象部分として、左加熱部17HLと、加熱室113と、右加熱部17HRの3つを定めてあり、これら温度監視対象部分の状況を個別に表示する。そのため、例えば、左加熱部17HLで誘導加熱調理をした後、左加熱部17HLに対応しているトッププレート15の中央から左側範囲が高温になっていることを報知し、ユーザーに注意喚起できる。
高温表示部69で高温表示している期間を可能な限り短くするため、例えば1つの誘導加熱調理が終わった直後の時点で、まだトッププレート15の温度が高い場合には、前記IH制御部90は、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の運転を継続し、外気によって上部ユニット100の内部空間、つまり上部空間300Aを冷却するようにしている。
図19に戻って説明する。
47は、統合制御装置MCに対して無線通信を求めるインターネット接続指令用のタッチ式入力キーである。この入力キー47を押せば、その都度、前記ホーム・ゲートウエイ411に無線で接続され、ホーム・ゲートウエイ411を経由して外部からの情報を取得できる。
46L、46Rは、外部に設置された換気装置405(レンジフード422)に対して、運転開始用の指令信号となる赤外線信号を送信する窓である。この窓の下方には、赤外線発信部48(図29、30参照)が設置されている。なお、実際には、この窓46L、46Rは、トッププレート15の上方からは視認できないように、目立たないような表面シートで覆っている。そのシートは、当然ながら赤外線信号を透過させる材料から形成されている。
前記連携調理モードKM3の調理工程1を実行中に、手動によって冷蔵庫401の在庫情報の詳細を統合表示部30に一時的に表示させる場合、この入力キー47を押せば良い。一定時間だけ、統合表示部30の第1エリア30Lから第3エリア30Rの、全部又は一部において、具体的な在庫情報が自動的に表示される。なお、その場合の、在庫情報とは、例えば、冷凍食品の名称(例えば、「ご飯」や「餃子」)と、その量(1人前や、重量200gなど)が表示されると良い。
連携調理モードKM3の調理工程1を実行中に、加熱調理器1は上記入力キー47の操作に関係なく、自動的に所定のタイミングで在庫情報を取得する。これについては、図110と図111を参照しながら後で説明する。
図19において、49は、無線通信部(通信モジュール)であり、外部からの電波を受信し、また外部へ電波又は赤外線信号を送信するアンテナ(図示せず)と送受信回路(図示せず)を備えている。この無線通信部49は、前記表示基板41の右側端部の下方で、上部ケース16の底壁面16Sと少し間隔を保って設置してある。このように間隔を保っている目的は、上部ケース16の底壁面16Sに接近しすぎると、電波の受信感度が低くなる懸念があるためである。
厨房家具2に設置された状態では、加熱調理器1の上面は、当該厨房家具2の上に露出する。このため、入力操作部40も上方から操作でき、また排気ダクト102の排出口側末端部102E(図15参照)からの排気も、同様に厨房家具2の上方に放出できる。
(上部ユニット100の制御手段)
次に、上部ユニット100の制御手段について、図29~図31を参照しながら説明する。
図29~図31では、一部構成については記載を省略しており、前記フィルター回路基板54のフィルター回路は記載していない。また、下部ユニット200の構成についても一部図示している。
図29は、上部ユニット100の制御手段と下部ユニット200の制御手段を示している。図31では、図29の中の主要な制御手段だけを抽出して、制御指令信号の授受や、電力の供給関係等を、矢印によって示している。
図30において、97は、ユーザーによって開閉操作される主電源スイッチで、200Vの商用電源99に電源コードと電源プラグ(図示せず)介して接続されている。91は、前記主電源スイッチ97を介して電気エネルギーが供給される電源回路、92は、商用電源からの交流電力を直流に変換する直流電源変換部である。この電源回路91が、前記電源回路基板55(図25参照)の上に実装されている。
図29と図30において、MCは、統合制御装置であり、メインコントローラ又はホストコンピュータの機能を有する。この統合制御装置MCは、マイクロコンピューターを中心に構成されている制御装置である。この統合制御装置MCは、前記電源回路91から所定の定圧電流が供給される。
前記統合制御装置MCは、前述したように、前記中央操作基板32の下面にある(図24と図25に破線の枠で示している)。しかし、これを前記操作基板41の裏(下)面側に配置しても良い。何れにしても、統合制御装置MCは、上部ユニット100に内蔵されており、下部ユニット200には設けていない。
前記統合制御装置MCは、入力部と、出力部と、記憶部と、CPU(演算制御部)の4つの部分から構成され、その記憶部には、3つの加熱源の通電制御プログラムが予め記憶(格納)されている。また、前記マイクロコンピューターの記憶部(ROM、RAM)とは別に、異常監視情報を記録する大容量の記憶装置(メインメモリー)MMを内蔵している。この記憶装置MMに、3つの加熱源の通電制御プログラムを記憶させても良い。
90は、誘導加熱時の制御を司るIH制御部であり、マイクロコンピューターを中心に構成されている。このIH制御部90には、誘導加熱時の、各種制御メニューに対応した通電制御プログラムが予め記憶(格納)されている。また、異常監視情報を記録する記憶装置(図示せず)を内蔵している。
なお、このIH制御部90の機能の一部を、別に設けた第2のIH制御部90A(図示せず)に担当させても良い。例えば、前記インバーター回路基板80の上に、マイクロコンピューターを実装して、当該マイクロコンピューターでインバーター回路81L、81Rの入力と出力制御を担当させても良い。
誘導加熱調理やマイクロ波加熱調理等、全ての加熱調理動作中は、電気的な異常状態の有無の監視が、統合制御装置MCによって集中して実施されている。
図30において、96は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路であり、前記主電源スイッチ97に繋がる電源回路91とは別の専用電源(内蔵電池)BT1から電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。これは例えば電波時計でも良く、常に統合制御装置MCから求めがあれば、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものであり、この加熱調理器1の製造段階で正しい日時にセットされている。
加熱調理器1の主電源を切り、その後再度主電源を投入しても、前記時計回路96の時刻情報は影響受けず、常に最新の正しい時刻を統合制御装置MCに伝える機能がある。このため、前記統合制御装置MCの記憶装置MMに記録される異常監視情報も、常に正確な時間が同時に記録されて保存されることになる。なお、この時計回路96を省略し、計時機能を統合制御装置MCに保有させても良い。
図30において、72は、電力制御部(「デマンド制御部」ともいう)である。この電力制御部72は、統合制御装置MCによる誘導加熱やマイクロ波加熱を行う指令信号を解析し、加熱調理器1の総電力消費量が、規定値又はユーザーが個別に設定した上限値を超えないように監視する機能があり、また総電力消費量が、規定値又は任意設定値を超えないよう、誘導加熱やマイクロ波加熱、オーブン加熱時の火力(消費電力)を自動的に制限する機能がある。
一般に、「デマンド制御装置」又は「デマンドコントロール装置」とは、デマンド(需要電力)の値を制御するものをいう。自動的に電力の使用状況をチェックし、設定した値を超過しそうな場合は、警報等で報知し、停止可能な機器の自動停止を設定しておけば、装置自体が決められたとおりに停止可能な電気機器を自動的に停止する。その後、一定の時間が経過すればその電気機器を自動的に復帰させるものとして知られており、各家庭においても電力会社との契約電力管理に大きな威力を発揮すると言われている。
この実施の形態1の電力制御部72は、加熱調理器1自体に上記したような消費電力の抑制機能を持たせるために設けている。なお、電力制御部72は、特別なハードウエアを設けず、前記統合制御装置MCの中の制御機能として設けても良く、デマンド用の制御プログラムを統合制御装置MCの中に最初から組込み、あるいはあとから追加したものでも実現できる。
この実施の形態1の電力制御部72は、加熱調理器1全体の最大消費電力を、前述したように4段階の中から1つだけを、機能設定用入力キー43KPの操作によって設定できる。なお、この設定は、入力操作部40の中の特定のキーを複数個同時に押した場合に、統合表示部30に表示される上記4段階の数値を見ながら、その入力操作部40で設定できる。このような簡単な設定方法は、例えば、日本特許第6012780号公報で紹介されている。
図20、図21で説明したように、中央操作部40Mの入力キー43KPを押すと、統合制御装置MCは「機能モード」に切り替わり、統合表示部30の表示画面30Dには、「ピークカット値設定」や「HEMS登録設定」をできる表示が行われるので、上記したような加熱調理器1の総電力消費量の抑制機能は、簡単に追加設定したり、機能の変更・取消し等を設定したりすることができる。後述する「許可条件」の判定では、この電力制御部72に設定された最大消費電力(総電力消費量)の上限値のデータが利用される。
73は、上部ユニット100と下部ユニット200との間で、各種制御信号を伝達するために設けた信号伝達部である。例えば、有線で信号を伝達できる信号線とコネクターが該当する。また、無線で信号を授受できるように例えば、赤外線通信部であっても良い。なお、信号伝達部73は、前記統合制御装置MCとIH制御部90の間にも設けている。
前記IH制御部90は、温度検出回路93から温度情報を得て、上部ユニット100の主要な部分が異常な高温度になっていないかどうかを監視している。例えば前記中央操作部40Mには、前記した各種入力キー43M1~43M3、43MS、43MT等に対応する電子部品や半導体部品を配置してあるが、それら部品類は比較的熱に弱いので、所定温度(例えば60℃)を超えないように温度検出回路93を通じて監視している。
計測された温度が、前記所定温度を超えた時点で「異常予備状態」であるとIH制御部90によって判定される。なお、異常予備状態は、検出温度が60℃~65℃の範囲にある場合に限る。65℃を超えると危険度高まり、IH制御部90は本当の異常状態と認定する。
この異常予備状態では直ちに誘導加熱動作は停止せず、誘導加熱の火力を下げる制御を行う。しかし65℃を超えた時点で異常状態とIH制御部90によって判定され、直ちに誘導加熱動作を停止する。具体的には、例えば、駆動されているIHコイルが、右側のIHコイル17Rである場合、当該IHコイル17Rに高周波電力を供給しているインバーター回路81Rの電源供給を遮断する。そしてIHコイル17Rや共振用コンデンサー等を含む誘導加熱回路94Rの動作を停止させる。なお、94Lは、左側のIHコイル17L用の誘導加熱回路である。
上記した異常予備状態では誘導加熱の火力を維持したまま、上部ユニット100のIHコイル設置空間CKを冷却している第2冷却ファン61のモータ61Mの送風能力を上げることで改善しても良い。更に、誘導加熱の火力を下げる対策と併用しても良い。
そして、少なくともこのような異常予備状態から緊急停止までの期間における誘導加熱時の主要な部分の電気的、物理的(一例として前記した統合表示部30の温度)な変化状況を示す(異常監視)情報が、IH制御部90の記憶装置90Rの中に格納される。
前記した異常予備状態では直ちに誘導加熱動作は停止せず、また第2冷却ファン61のモータ61Mの送風能力を上げることもせず(回転翼の回転数を変化させず)、IHコイル17L、17Rの火力を、強制的に下げることで改善するようにしても良い。
前記IH制御部90の記憶装置に記憶される異常監視情報は、統合制御装置MCから起動指令を受けた時点から調理を正常に終了するまで期間中に取得される。そのため、前記単独調理モードKM1における「IH制御メニュー」(例えば、左操作部40Lの場合の、「湯沸し」、「煮込み」、「揚げ物」など)や、誘導加熱の火力の情報も、時系列で記録される。途中で異常状態が原因で緊急停止した場合は、その時点まで異常監視情報とIH制御メニューを識別する情報が、前記記憶装置90Rに時系列で保存されることになる。
更に、この実施の形態1では、より広範囲にわたって加熱調理器1の動作を監視してデータを取得するため、主電源スイッチ97をONにしてから、上部ユニット100と下部ユニット200側における全ての加熱調理状態に関する監視情報を、統合制御装置MCが取得している。前記加熱室制御部159とマイクロ波加熱制御部130から、信号伝達部73を介して、異常有無の監視情報を統合制御装置MCが取得する。
前記インバーター回路基板80の中には、右側のIHコイル17R専用のインバーター回路81Rと、左側のIHコイル17L専用のインバーター回路81Lが、1つずつ実装されている。
そしてこれら2つのインバーター回路81L、81Rは、前記IH制御部90によって互いに独立して駆動されるようになっている。なお、これらインバーター回路を総称する場合、符号は「81」を使用する。
2つのインバーター回路81L、81Rの詳細は、図33を参照しながら後で説明する。
図29、30において、95は、電子的に作成した音声を合成する音声合成装置である。この音声合成装置95は、ユーザーに対する入力操作の案内や、異常発生時の報知などをスピーカー95Sから音声でその都度報知する。音声合成装置95は、報知部ANを構成する一部分である(図29参照)。
前記した温度検出回路93は、少なくとも7個の温度センサーTS3~TS9に接続されている。具体的には、トッププレート15の温度や、IHコイル設置空間CKの雰囲気温度、インバーター回路基板80のヒートシンク82の温度、統合表示部30等の温度を検知するため、温度センサーTS3~TS9がある。温度検出回路93は、前記温度センサーTS3~TS9から、それぞれ温度検知情報を受け取り、それら温度検出結果をIH制御部90に送る。
前記温度センサーTS3~TS9は、赤外線センサーのような非接触型、あるいはサーミスタのような接触型の何れであっても良く、それらを単独で、又は組み合わせて使用している。
前記温度センサーTS3~TS9の内、2つの温度センサーTS5、TS6は、赤外線センサーのような非接触型センサーである。これら2つの温度センサーTS5、TS6は、図19に示しているように前記IHコイル17L、17Rの中心部の、空隙部にそれぞれ配置されており、トッププレート15方向からの赤外線信号を受信する。つまり、これによって被調理物を入れた金属製の鍋やフライパン等の被加熱物Nの底面温度を、非接触で計測できる。
前記温度センサーTS3~TS9の内、2つの温度センサーTS3、TS4は、接触型センサーとしてサーミスタを使用している。これら温度センサーTS3、TS4は、トッププレート15の下面に直接接触し、又は熱伝導性のある介在物を介してトッププレート15の下面に接触している。これにより、トッププレート15の温度を計測できる。
前記温度センサーTS3~TS9の内、1つの温度センサーTS7(図19参照)は、接触型センサーとしてサーミスタを使用しており、ホルダー50の上面に設置されている。そして統合表示部30や入力操作部40の雰囲気温度を検知する。また2つの温度センサーTS8、TS9は、サーミスタを使用したものであり、前述したようにヒートシンク82の上面に取り付けてある。
下部ユニット200側にも、下部ユニット200の内部空間温度を検出するため、少なくとも2つの温度センサーTS1、TS2を備えているが、詳細は後で説明する。なお、前述したように加熱室113の内部雰囲気温度を検知するサーミスタ型の温度センサーTS10も設置してある。
図29、30において、62は、冷却ファン駆動回路であり、前記第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の駆動用モータ60M、61Mの駆動用電力を制御する。つまり、冷却ファン駆動回路62による制御によって第1冷却ファン60と第2冷却ファン61との、送風能力が互いに独立して、それぞれ多段階に変更される。
図30において、63は、表示部駆動回路であり、前記統合表示部30、左側表示部31L、右側表示部31Rの動作を制御でき、必要な情報を表示させる機能がある。
表示部駆動回路63は、専用のマイクロコンピューターによって構成しても良い。またこの表示部駆動回路63の機能を発揮する制御プログラム(ソフトウエア)は、統合制御装置MCの中に組み込んでも良い。表示部駆動回路63は、前記操作基板41の上面に実装されている(図24、25参照)。
図30において、84は、地震発生時の揺れを検知する感振機器であり、所定の震度(加速度)以上を感知した場合、振動感知信号を前記統合制御装置MCに送り、統合制御装置MCではその信号を受けて地震発生と判断し、使用中の全ての加熱手段の電源を瞬時に遮断する動作を行う。
図29、30において、49は、図19にも示した無線通信部であり、前記統合制御装置MCからの指令を受けて情報を発信する。また、前記統合制御装置MCからの指令を受けて外部からの情報を取得する。例えば、総電力消費量を削減する「ピークカット信号」を受信する。
この実施の形態1において、異常検知部EMは、トッププレート15の上で発生する各種異常を検知できる異常検知部1(EM1)と、上部空間300Aの内部の電気部品類に関係する各種異常を検知できる異常検知部2(EM2)と、下部ユニット300Bの内部の電気部品類に関係する各種異常を検知できる異常検知部3(EM3)とを、備えている。
前記異常検知部1(EM1)で検知できる主な異常とは、例えば次のような異常1~異常3の3種類がある。
異常1:トッププレート15の上で、被加熱物Nの中に収容していた水や調理液が、沸騰して吹き零れが発生して異常検知された場合。
異常2:誘導加熱中、被加熱物(金属鍋など)Nの底面が変形(湾曲度が拡大)し、異常な載置状態と判定された場合(IH制御部90によって判定)。
異常3:誘導加熱中、被加熱物(金属鍋など)が移動されてしまい、直ぐに元の加熱部に戻されない場合(IH制御部90によって判定)。
なお、この他に、次のような異常4、異常5もある。
異常4:第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転数が、制御指令内容に合致していない場合(異常検知部2で対応)。
異常5:第3冷却ファン128、第4冷却ファン129の回転数が、制御指令内容に合致していない場合(異常検知部3で対応)。
前記異常検知部2(EM2)の機能は、例えば、温度センサーTS8、TS9からの温度情報を取得する温度検出回路93(図30参照)と、IH制御部90に内容された温度判定回路(図示せず)とが担当する。また、第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転に関する異常(異常4)は、冷却ファン駆動回路62によって検出できる。
前記異常検知部3(EM3)の機能は、例えば、温度センサーTS1からの温度情報を取得するマイクロ波加熱制御部130(図30参照)と、温度センサーTS10からの温度情報を取得する加熱室制御部159(図30参照)と、が担当する。
また、第3冷却ファン128の回転数が、加熱室制御部159からの制御指令内容に合致していない場合も該当する。
更には、前記異常検知部3(EM3)は、マイクロ波加熱制御部130が担当し、アンテナ125を回転又は回動させるモータ126の回転又は回動の不具合を検出する(図15参照)。
異常検知部EMは、図29、30に示した例では、IH制御部90とハードウエア上は別に構成されたものであるが、IH制御部90や統合制御装置MCの制御プログラムを構成するソフトウエアの一部に組み込んで構成しても良い。
この実施の形態1で採用した異常検知部1(EM1)は、前記した「異常1」に対応するため、トッププレート15の裏面に配置した検知電極(図示せず)と、この検知電極に流れる電流の変化を監視し、誘導加熱時に被加熱物Nから、お湯や調理液等が沸騰して溢れ出したことを判別する判定回路(図示せず)とを備えている。
前記異常検知部EM(EM1)は、異常を検知すると、異常検知信号を統合制御装置MCに送信する。すると、統合制御装置MCは、IH制御部90に緊急停止指令信号を出して、加熱動作中の加熱部17HL、17HRを緊急停止させる。なお、この場合でも、2つの冷却ファン60、61は運転が継続する。
また、前記異常検知部EMの異常検知部1(EM1)だけが、上部ユニット100の異常を検知した時点で、加熱室113においてマイクロ波加熱やオーブン加熱調理(複合調理モードと連携調理モードの場合を含む)が実行されている場合は、下部ユニット200の冷却ファン128,129は、影響を受けずに運転が継続する。これらについては、図45~図47を参照しながら、後で詳しく説明する。
トッププレート15の上で発生する各種異常を検知できるための異常検知部1(EM1)は、上述した通りである。
この実施の形態1では、その他の異常検知部として温度検出回路93によって、ヒートシンク82自体の温度の他に、統合液晶表示部30近傍の雰囲気温度を、誘導加熱動作中と、その後のある期間中、繰り返し計測している(異常検知部2)。
そのため、この温度検出回路93の計測データを取得したIH制御部90が、統合表示部30の周辺の温度規制値を超えないように監視している。このため、異常検知部2(EM2)には、この温度検出回路93やIH制御部90も含まれる。
なお、4つの冷却ファン60、61、128,129の回転異常は、前記異常検知部2(EM2)と異常検知部3(EM3)の範疇である。例えば、第1冷却ファン60については、冷却ファン駆動回路62によって、回転駆動用の入力電流を電流センサーで計測し、その電流を周波数分析して回転異常を検知している。異常が検知された場合には、異常1の場合と異なり、直ちに回転駆動を停止して冷却ファン60を停止させるという処理を行う(異常検知部2)。
前記「異常4」に関しては、この実施の形態1の加熱調理器1では、前記異常検知部2(EM2)は、上記したように前記上部冷却ファン60、61の回転の異常を検知する機能を有している。前記調理工程1又は前記調理工程2を実行中に、前記異常検知部EM2(EM2)が前記上部冷却ファン60、61の一方又は双方の異常を検知した場合、前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードKM3の運転を取り消して、加熱動作中の全ての加熱手段の駆動を停止し、前記上部冷却ファン60、61の運転を直ちに停止する、構成である。
このため、前記上部冷却ファン60、61の回転の異常が検知された場合には、全ての加熱源が運転を自動的に停止し、安全性が高い。また、上部冷却ファン60、61は、即時停止されるため、上部冷却ファン60、61が故障している場合、その事態を深刻化することが回避できる。
(下部ユニット200)
次に下部ユニット200について説明する。
図12~図17において、101は、下部ユニット200の本体110の外殻を構成する下部ケース(下筐体)である。この下部ケース101は、1枚の亜鉛鋼板等の金属製薄板をプレス加工して形成されるか、または複数枚の金属製薄板をスポット溶接やネジ等で接合して形成される。実施の形態1では、以下説明する通り、3枚の金属製薄板から構成されている。
101Hは、下部ケース101の後方と左右部分の3つの面(垂直面)を構成する胴部、101Uは、前記胴部101Uの底面開口部を完全に閉鎖する平板状の底板である。101Cは傾斜部であり、加熱調理器1を厨房家具2に設置する際に、厨房家具2の設置口2Aに当たらないよう、下方に行くに従って前方へ傾斜した壁面である。
101Fは、下部ケース101の前面を構成する前板であり、全体が1枚の平らな板である。この前板101Fの前面には、前記ドア114の閉鎖時に、そのドア114の後面が密着し、前板101Fとドア114の間の隙間からマイクロ波が漏洩しないようにしている。101Bは、下部ケース101の傾斜部101Cの上端に連続して垂直に立ち上がっている後壁面(後方垂直壁)である。
下部ユニット200は、2つの独立した加熱源を備えている。その内の1つはマイクロ波加熱装置120のマイクロ波加熱源189である。もう1つはオーブン加熱装置140のオーブン加熱源188である。
オーブン加熱源188は、加熱室(オーブン庫)113を、その壁面の外側から加熱するものであるが、加熱室113の内部に存在して、被調理物を直接加熱するものでも良い。なお、以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、「マイクロ波加熱源189」とは、後述する「インバーター回路基板121」を含まないという前提で説明する。
図12、図13、図15は、マイクロ波加熱装置120の主要部分を示している。
前方側から、以下の順番で主要な部品が順次設置されている。
最も前方側には、インバーター回路121A(図30参照)を実装したインバーター回路基板121(図14参照)を配置している。
このインバーター回路基板121の後方には、マイクロ波の発生源となるマグネトロン122、当該マグネトロン122の発振部122Aを包囲した導波管123を配置している。
さらに、導波管123の後方には、導波管123に接続されているアンテナケース124と、アンテナケースの中にあるアンテナ125とを、それぞれ配置している。
アンテナケース124の後方には、マイクロ波加熱時にアンテナ125を回転又は回動させるモータ126を配置している(図15参照)。
図13において、127は、マイクロ波加熱の出力や前記マグネトロン122に電力を供給する電源回路基板であり、前記フィルター回路54からの商用電源を受ける電源回路部120P(図示せず)と、後述するマイクロ波加熱制御部130とを、実装している。
図12、図13において、128は、第3冷却ファンであり、前記インバーター回路基板121を収容した箱形形状のケースA150の真下に配置されている。ケースA150は、下面全体が開放されている。つまり、底面が無い箱形形状である。
129は、第4冷却ファンであり、前記マグネトロン122の放熱部122Hを載置した箱形形状のケースB151の真下に配置されている。放熱部122Hには、第4冷却ファン129からの冷却風が通過するための、数枚の放熱フィンが並列状に形成されている。ケースB151は、下面全体が開放され、底面が無い箱状である。
前記第3冷却ファン128と第4冷却ファン129を総称して「下部冷却ファン」と呼ぶ場合がある。これら2つの冷却ファン128、199は、下部空間300Bの内部を冷却する機能があるからである。
前記ケースA150は、下部風路UHの入口端部の1つを構成する。
ケースA150には、図13と図14に示すように、前記吸気口152Fの真上の位置で前記加熱室113の側壁面から離れて上下方向に伸びている垂直部308がある。
前記マイクロ波加熱源188用のインバーター回路基板121は、前記垂直部308の中に、縦方向に収容されている。
前記第3冷却ファン128と第4冷却ファン129は、例えば、軸流型ファンである。そして回転翼の中心部にある回転軸が鉛直(垂直)方向になるように、下部ケース101の底板101Uに支持されている。
前記ケースA150と、ケースB151は、前述したように底面全体が開口しており、その開口の内側に、前記第3冷却ファン128と第4冷却ファン129が、それぞれ横たわるように配置されている。
図12において、ケースA150の内部に2列に設けた風向板199は、前記ケースA150の内側に一体又は別個に形成されたものである。この風向板199は、インバーター回路基板121と、後述する2つの連通口138A、138Bに対して、前記第3冷却ファン128からの冷却風を効率良く流すために設置してある。
図12、13において、152Fは、前方側の吸気口であり、下部ケース101の底板101Uに形成されている。この吸気口は、多数の小さな円形の貫通孔、または長方形や楕円形の貫通孔から構成されている。この吸気口152Fは、前記第3冷却ファン128用である。
図12、13において、152Bは、後方側の吸気口であり、下部ケース101の底板101Uに形成されている。この吸気口は、多数の小さな円形の貫通孔、または長方形や楕円形の貫通孔から構成されている。この吸気口152Bは、前記第4冷却ファン129用である。
図14に示した通り、前記誘導加熱源9の冷却用の外気を前記上部ユニット100の内部に導入する通気孔(第1の吸気口)164と、前記マイクロ波加熱源189の冷却用の外気を下部ユニット200の内部に導入する第2の吸気口152B、152Fとは、前記加熱室113を挟んで、互いに反対側に配置されている。
言い換えると、加熱調理器1を前方側から見た場合、加熱室113を挟んで、右側には第2の吸気口152B、152Fがあり、反対に左側には通気孔(第1の吸気口)164と通気孔64がある。
図13において、153は、前記放熱部122Hの上部に設置されたダクトであり、放熱部122Hを通過した第4冷却ファン129からの冷却風RF6を、図16に示すように下流側へ案内するものである。
図12と図13において、154は、ケースCであり、電源回路基板127とマイクロ波加熱制御部130とを密封状態に収容している。このケースC154は、電気絶縁性に富むプラスチック材料から形成されている。
前記ケースC154は、後方側の蓋154Aと、前方側にある容器状又は箱形状の本体154Bと、の2者を重ね合わせて構成している。本体154Bの前面側に形成した大きな開口部を、前記蓋154Aが後方から塞いでいる。
ケースC154は、前方側にある本体154Bに、電源回路基板127と、マイクロ波加熱制御部130を取り付けた基板(図示せず)を取り付けてある。保守点検時には、この蓋154Aを開けて内部にある電源回路基板127や、マイクロ波加熱制御部130の各種点検や修理ができるようにしている。
このケースC154は、加熱室113からの熱の影響を受けないように、加熱室113の背面からできるだけ離して設置されている。また前記底板101Uからも離して設置してあり、万一、下部ケース101内部に、上部ユニット100側から水や調理液などの液体が浸入した場合でも、電気絶縁性を損なうことが無いようにしている。
図12で説明したように、上部ケース16の底壁16Sと下部ケース101の底板101Uとの対向間隔が最も大きい空間が、前記空洞104である。
前記空洞104には、マイクロ波加熱装置120の一部を構成する導波管123が、前記加熱室113の背後において左右方向に長く配置され、前記導波管123よりも後方には、前記ケースC154が、左右方向に長く配置されている。
図12で説明したように、下部ケース101の前方側に設けた金属板製の前方水平壁101Tは、下部ケース101の前板101F上端を後方に折り曲げて形成したものである。そして、下部ケース101側の支持金具198は、前記上部ケース16に固定されている。
図12と図13において、131は、マイクロ波加熱時の電波漏洩対策として設けているドア開閉検知機構である。
マイクロ波加熱装置の安全性を担保するため、ドア開閉検知機構131の搭載が法的に要求されている。この種の代表的なドア開閉検知機構131は、日本特許第4372099号公報、特開平11-214147号公報等の特許文献で知られている。
前記特許文献によれば、ドア開閉検知機構131として、ラッチスイッチ、ドアスイッチ、モニタースイッチの3種類のスイッチを内蔵させ、これらのスイッチをドアの開閉に連動して、時間差をつけて開閉検知することが提案されている。
また特開平11-214147公報では、第1インターロックスイッチと、第2インターロックスイッチとにより、インバーター回路の電源を開閉し、また、第1インターロックスイッチが短絡故障した時に、電源回路に挿入されているヒューズをOFF状態するため、モニタースイッチを設けることが提案されている。
図12と図13には、実施の形態1で採用しているドア開閉検知機構131の主要部分を示している。これら図において、132Aは、ラッチスイッチ、132Bは、ドアスイッチである。なお、前記ラッチスイッチ132Aと、ドアスイッチ132Bの何れか一方、又は双方が異常によって開放されない場合、前記インバーター回路基板121に実装されたインバーター回路121Aの電源を遮断するための、モニタースイッチ133(図示せず)も設けてある。
前記ラッチスイッチ132Aは、ドア114側に固定されて突出しているピン134で押されて、内蔵した接点が開閉される。前記ドアスイッチ132Bは、ドア114側に固定されて突出しているピン135に押され、内蔵した接点が開閉される。
図12において、136Aは、ドア114の動きをラッチスイッチ132Aに伝える連動棒であり、常にドア側へ復帰するように圧縮バネ(図示せず)でドア方向に付勢されている。
136Bは、ドア114の動きをドアスイッチ132Bに伝える連動棒であり、常にドア側へ復帰するように圧縮バネでドア方向に付勢されている。
図12において、137は、前記ラッチスイッチ132A、ドアスイッチ132B、モニタースイッチ133(図示せず)、連動棒136A、136B等を、一括して取り付けてある支持板である。この支持板137は、下部ケース101に対して、複数個のネジによって固定されている。ドア開閉検知機構131は、このように支持板137の上に装着された各種スイッチを中心として構成されている。
前記ラッチスイッチ132Aやドアスイッチ132Bの製造過程における取付け位置にバラツキが発生した場合、各々のスイッチを動作させるタイミングが規定値から外れることが懸念させる。そこで、この実施の形態1では、前記支持板137に、後述するドア114の閉鎖検知部139(図30参照)を取り付け、この支持板137の全体を取外し可能にしている。具体的には、前記したように複数のネジで支持板137に下部ケース101を強固に固定している。製造時やアフターサービス時において、閉鎖検知部139の動作確認や調整、交換等を行える。
図12と図14において、138Aは、インバーター回路基板121を収容したケースA150の上部に形成した連通口、138Bは、ケースA150の上下中間部に形成した連通口である。
前記連通口138Aは、図14に示しているように第3冷却ファン128からの冷却風RF5の一部分を、後述する空間141に案内するものである。
前記連通口138Bは、図14に示しているように第3冷却ファン128からの冷却風RF5の一部分を、後述する空間142に案内し、後述する赤外線式温度センサー160の冷却用に利用している。
温度センサー160は、中空状のセンサーケース(図示せず)と、センサーケースの内部に収納されるセンサー基板(図示せず)と、このセンサー基板の表面に搭載される1つ又は複数個の赤外線検出素子(図示せず)と、この赤外線検出素子に臨んで前記センサーケースに取付け固定されるレンズ(図示せず)と、を主な構成要素として構成させている。
温度センサー160は、加熱室113の複数個所に設けて広い範囲の温度検知ができるようにしても良く、また温度センサー160の方向を固定せず、自動的にある角度範囲で揺動させて、広い角度の温度を検知させる形態でも良い。
図14において、161は、前記温度センサー160を臨ませた検知窓であり、前記温度センサー160の外周面との間に、冷却風が通過するような間隙を形成しても良い。実施の形態1では、数mm程度の間隙が形成されている。
図14と図15において、162は、磁器や耐熱性プラスチックで形成された調理皿である。この調理皿162は、加熱室113の前面開口113Aから出したり、入れたりできるような外形寸法に形成されている。
図14において、HVは、前記調理皿162の上面から加熱室113の天井面までの有効高さ寸法である。図15において、HXは、調理皿162の上面から加熱室113の中央に形成した凹部113Tの天井面までの最大高さ寸法である。
この実施の形態1では、前記有効高さ寸法HVは、94mm、最大高さ寸法HXは100mmである。これは1例であって、本開示はこの寸法の構成に何ら限定されたものではない。
図14において、WHは、加熱室113の内側横幅寸法である。加熱室113は、この内側横幅寸法で前方の開口113Aまで形成してあるので、被調理物やフライパン等の調理器具が挿入できるかどうかを決定する間口寸法とも言える。この内側横幅寸法WHは、310mmである。
図15において、WBは、加熱室113の奥行寸法である。前記横幅寸法WH(図14参照)と同様に、被調理物や調理皿162、フライパン等の調理器具が挿入できるかどうかを決定する寸法と言える。この奥行寸法WBは、約310mmである。
前記オーブン加熱源188は、ヒータ163を有している。
このヒータ163は、加熱室113を外部から加熱する電気輻射式のヒータであり、例えばシーズヒータである。あるいは、薄いマイカ製の支持板全体にヒータ線を巻き付けた形態の、マイカヒータである。
ヒータ163は、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの、2つから構成されている。これら2つのヒータ163A、163Bは、互いに独立して通電が制御される。
163Aは、加熱室113の天井面の上に密着又は近接して固定されている上部ヒータであり、163Bは、加熱室113の底面の下に密着又は近接して固定されている下部ヒータである。
上部ヒータ163Aは、最大火力1000W~最小火力50Wまでの範囲で、多段階の火力を選択できる。また下部ヒータも、最大火力1000W~最小火力50Wまでの範囲で、多段階の火力を選択できる。
図14において、166Rは、前記加熱室113の右側壁面との間に、空隙GP5Rを形成するように垂直に設置された右側仕切板であり、金属製薄板から形成されている。
166Lは、前記加熱室113の左側壁面との間に、空隙GP5Lを形成するように垂直に設置された左側仕切板であり、金属製薄板から形成されている。
加熱室113の左側と右側にある前記空隙GP5L、GP5Rには、断熱材(図示せず)が挿入されており、加熱室113からの熱伝導(放熱)を抑制している。
167は、前記上部ヒータ163Aの上方全体を覆う上部遮熱板であり、金属製の薄板又は耐熱性プラスチックから形成されている。
GP6は、前記上部遮熱板167と上部ヒータ163Aとの間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙GP6は外部と空気の流通がないように、密閉空間になっている。上部遮熱板167の周縁部は、前記右側仕切板166R及び左側仕切板166Lとの上端縁を間に挟んだ形で、加熱室113の天井面に密着状態に固定されている。
168は、前記上部遮熱板167と上下対称形の縦断面形状を有する下部遮熱板である。この下部遮熱板は、下部ヒータ163Bの下方全体を覆っており、金属製の薄板又は耐熱性プラスチックから形成されている。
GP7は、前記下部遮熱板168と下部ヒータ163Bとの間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。下部遮熱板168の周縁部は、前記右側仕切板166R及び左側仕切板166Lの下端縁を間に挟んだ形で、加熱室113の底壁面に密着状態に固定されている。
169は、前記上部遮熱板167の上方全体を覆うように、その上部遮熱板167の周辺部に重ねてある上部ケースである。170は、前記下部遮熱板168の下方全体を覆うように、その下部遮熱板168の周辺部に重ねてある下部ケースである。
上部ケース169と下部ケース170は、図14に示すように、縦断面形状が上下対称形状であり、金属製薄板又は耐熱性プラスチックで形成されている。GP8は、前記上部ケース169と上部遮熱板167との間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙GP8は外部との間で空気の流通がないように、密閉空間になっている。
GP9は、前記下部ケース170と下部遮熱板168との間に形成した空隙であり、大きさは数mm~10mm程度である。この空隙GP9も空気の流通がないように、密閉空間になっている。
前記空隙GP6の中には、シート又は板状の断熱材175A(図示せず)を配置している。同じく空隙GP8の中には、シート又は板状の断熱材175B(図示せず)を配置している。
前記空隙GP7の中には、シート又は板状の断熱材175C(図示せず)を配置している。同じくGP9の中には、シート又は板状の断熱材175D(図示せず)を配置している。これらの各断熱材175A~175Dは、1層構造ではなく、複数層を重ねた形態にすると、更に断熱性能が向上する。なお、各断熱材175A~17Dの平面的な大きさ(縦・横寸法)は、少なくとも上部ヒータ163と下部ヒータ163Bの、それぞれの設置範囲よりも大きい。
図14において、171は、前記上部ケース169の上方に、冷却風RF5が流れる通路172を区画形成した仕切板である。前記仕切板171後方壁面上部には、連通口173が開口しており、この連通口173に前記排気ダクト102の入口端部が接続されている。
図15において、174は、加熱室113の天井面の後部に形成した連通口であり、この連通口174に前記排気ダクト102の入口部が接続されている。102Eは、冷却風の最終出口となる終端部である。
図15に示しているように、前記排気ダクト102は、上下に2つの独立した内部通路102A、102Bを備えており、その内、上側にある内部通路102Aには、前記インバーター回路基板121を冷却したあとの冷却風RF5が流れる。
また、もう一方の内部通路102Bには、前記加熱室113内部に導入されて温度の上がった冷却風RF6が流れる。
図32で詳しく説明するが、前記排気ダクト102は、加熱室113の外部を経由している内部通路(内部経路)102Aと、加熱室113内部を経由している内部通路(内部経路)102Bが合流する部分である。
風路の開口面積を絞った冷却風RF5の排出口により、冷却風RF5の風速は大きくなる。このため、排出口付近において冷却風RF6が、前記冷却風RF5によって誘引される。このような作用により、加熱室113内部の気体が、内部通路102Bに吸引される。
これにより、2つの冷却風RF5、RF6が、ともに前記排気口20から加熱調理器1の外部へ効率良く排出される。なお、このような誘引構造を採用せず、排気ダクト102に入る前の上流段階で合流させる方式を採用しても良い。
図15において、180は、前記加熱室113の背面壁(後壁面)113Bに形成した大きな給電口、181は、この給電口180を外側から閉鎖するカバーであり、マイクロ波を透過させる耐熱性プラスチックや耐熱性ガラスから板状に形成されている。カバー181は、背面壁(後壁面)113Bの外側に固定されている。
カバー181は、背面壁(後壁面)113Bに密着している。このカバー181の背面側全体を覆うように、前記アンテナケース124が前記加熱室113の背面壁113Bに固定されている。カバー181は、図15に示しているようにアンテナケース124の前面開口部の内側に挿入されている。
図15において、123は、前記カバー181の更に背面側に接続された導波管である。前記アンテナ駆動用のモータ126は、このように導波管123の背面側に、耐熱性シール材184を介して固定されている。
126Aは、アンテナ駆動用モータ126の回動軸であり、前後方向に向けて水平に設置されている。回動軸126Aの自由端側(前方端部)には、前記アンテナ125が固定されている。なお、回動軸126Aは、プラスチックやセラミック材から形成されているが、アンテナ125側から一定の範囲だけを金属製にし、そこからアンテナ駆動用モータ126まではプラスチック、セラミック等の耐熱性と絶縁性に富む材料で形成しても良い。
図15において、185は、前記回動軸126Aを中心として、その周囲に所定の寸法で形成されている電波封印室である。この電波封印室は、いわゆるチョーク室構造になっている。また更に効果的なマイクロ波漏洩防止のために、チョーク構造物よりもアンテナ駆動用モータ126に近い側に、電波吸収体(図示せず)を配置し、前記回転軸126Aの周囲からのマイクロ波漏洩防止を図っても良い。なお、マイクロ波加熱装置におけるチョーク構造は、日本の特許文献として、例えば特開2011-174669号公報、特開2010-255978号公報、特開昭63-172828号公報(4分の1波長のチョーク室と電波吸収体の併用)等があるので、詳しい説明は省略する。
図15において、LAは、加熱室113の背面壁(後壁面)113Bを起点にして、前記アンテナ駆動用モータ126の最後尾までの寸法を示している。以後、この寸法を「突出寸法」と呼ぶ。この突出寸法LAを小さくすることが望ましいが、現実には上述したように、アンテナケース124、電波封印室185の寸法も必要であり、アンテナ駆動用モータ126の外形寸法を小さくしても、限界がある。この突出寸法LAは70mmである。
図15において、GP10は、前記アンテナ駆動モータ126の背面から下部ケース101の傾斜部101Cまでの間の空隙であり、モータ126の上端では69mm、逆に下端と下部ケース101Cとの空隙は、53mm程度である。この空隙GP10の中に、前記ケースC154を配置することは寸法上無理である。そのため、この実施の形態1では、前記ケースC154を、前記アンテナ駆動モータ126の真後ろ(背後)から右方向にずらして配置している。
これにより、マイクロ波加熱装置120を加熱室113の背後の狭い空間に内蔵させることが可能となった。
(ドア114)
次に、ドア114の内部構造について説明する。
図15において、190は、ドア114の外殻を構成する金属製又はプラスチック製のフレームであり、前方側から見ると額縁状に形成されている。192は、内枠であり、金属製板から形成されている。この内枠192の中央部には、覗き窓192Wとなる開口が形成されている。
191は、前記内枠192の前方側全体を覆うように、当該内枠192と前記フレーム190との間に外周縁部を固定されたカバーであり、加熱室113を覗けるように透明な耐熱性プラスチックやガラス等で形成してある。
193は、前記覗き窓192Wに対応する部分に、マイクロ波が透過しない寸法の、無数の小孔を形成した内側シール枠である。この内側シール枠は、全体が金属製薄板をプレス成形して形成され、外周縁部には、加熱室113側に入口(スリット)を形成したチョーク室194を形成している。
195は、金属製の薄板からなるシール板である。このシール板195の外周縁部は、図15に示すように内側シール枠193側に一連に曲がっている。前記チョーク室194は、このシール板195の外周縁部と前記内側シール枠193で囲まれた空間である。
ドア114を完全に閉じた状態では、前記シール板195の外周縁部と前記内側シール枠193の両者が、前記下部ケース101の前板101F表面に接触した状態となる。そのため、加熱室113内部に供給されたマイクロ波が、このドア114と加熱室113の前面の開口113Aから漏洩しない。
196は、前記内枠192の覗き窓192Wに対応する部分の内側に設けた透明なシール板であり、耐熱性ガラスで製造されている。197は、前記ドア114の上面に沿って、少なくともドア114の横幅と同等な横幅寸法を有する金属製の上部遮蔽板である。この上部遮蔽板197は、ドア114の上面に近接して庇状に設けてあり、かつ下部ケース101に電気的に繋がるよう金属製ネジ等の固定具で下部ケース101に固定されている。
前記ドア114は、その下部が下部ケース101にヒンジ176(図12、13参照)によって支持されているため、取っ手部115を持って手前に引けばドア114を、水平位置まで開けることができる。
このような開放の初期においてドア114と下部ケース101との重合部が、瞬間的に空隙が生じてマイクロ波の一部分が漏洩する懸念があるが、この実施の形態1では、前記上部遮蔽板197によって、そのような不要なマイクロ波の漏洩をドア114の上方で抑制できる。
図5で説明したように、厨房家具2の前下がり部2Fの高さ寸法C1が、40mm以下が推奨されていることに鑑み、図16、17において、H10は、上部ケース16の底壁面16Sからフランジ16Aの下面まで高さ寸法である。この実施の形態1では、40mmに設定されている。
上記のように、厨房家具2の前下がり部2Fの高さ寸法C1と、上部ケース16のフランジ16Aより下方の高さ寸法H10が同一(40mm)であるため、厨房家具2に設置した場合、上部ケース16は、前下がり部2Fよりも下方には突出しない。このため、この上部ケース16の下方空間が従来よりも大きなものとなり、以下説明するような、下部ケース101を設置する場合にも有利である。
図17において、201は、前記加熱室113の右側壁面の前方部に形成した導入口であり、マイクロ波が漏洩しないような口径の、多数の貫通した孔から形成されている。この導入口201を加熱室113の右側壁面の前方部に設けた理由は、ドア114の内側付近へ前記冷却風RF6の一部を供給し、ドア114の覗き窓192Wの曇りを抑制するためである。
前記導入口201には、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却した後の冷却風RF6が、空隙GP5Rによって案内される。
導入口201よりも冷却風RF6の流れで上流側には、前記温度センサー160があり、その温度センサー160の部分で、一部の冷却風RF6は、加熱室113の内部へ吹き出されるので、導入口201に至る冷却風RF6の量は、少ない。しかし、この導入口201から空気を入れている目的は、前記ドア114の内側にあるシール板196の「曇り抑制」であり、少ない風量で何ら問題はない。なお、この温度センサー160の周囲にある狭い間隙から空気を供給することを採用しなくとも良い。
(下部ユニット200の制御手段)
次に、再び図30に示すブロック図を参照しながら、下部ユニット200における各種制御手段の詳細について説明する。
図30において、マイクロ波加熱制御部130は、前記インバーター回路基板121のインバーター回路121Aや前記マグネトロン122、アンテナ駆動用モータ126、及び2つの冷却ファン128、129に供給される電力を制御し、それらの動作の開始、停止や動作条件等を制御するものである。
このマイクロ波加熱制御部130の電源回路は、前記電源回路基板55に実装されている電源回路91と別に用意されており、マイクロ波加熱装置120の専用回路である。なお、電源回路91から電源を供給しても良い。
マイクロ波加熱制御部130の電源回路は、電源回路基板127(図12参照)の上に実装されている。この電源回路基板127の上には、交流電源を直流に変換する各種電気部品(ダイオード等)が実装され、ケースC154の中に密封状態に収容されている。
マイクロ波加熱制御部130は、前記電力制御部72からの指令信号を受信した場合、その指令信号に応じて、マイクロ波加熱装置120の総電力消費量を減らすように動作し、マグネトロン122の出力を下げるような指令信号を、インバーター回路121Aへ送信する機能がある。
前記マイクロ波加熱制御部130には、マグネトロン122の放熱部122Hの温度を検出する温度センサーTS1を備えている。マイクロ波加熱調理が終わっても、マグネトロン122の放熱部122Hの温度が規定値よりも高い場合には、温度が下がるまで第4冷却ファン129の運転を継続させるための指令信号を当該第4冷却ファン129に対して発信する。なお、図30では、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129のための、冷却ファン駆動回路は図示を省略している。
139は、ドア114の閉鎖検知部である。この閉鎖検知部139は、ラッチスイッチ132A、第2ドアスイッチ132B(図12参照)、モニタースイッチ133(図示せず)のいずれかまたは2つ以上の開閉状況を各回路に流れる電流または開閉信号によって電気的に検知するものである。つまり、前記したドア開閉検知機構131の動作に対応した検知部である。
この閉鎖検知部139を構成する回路基板は、前記支持板137に取り付けてあるので、支持板137を取り外して検査したり、設置したまま計測したりして、正常に動作するものであるかどうかの検査ができる(図12参照)。
158は、加熱室113の中に置かれた食品や調理器具等の温度を検出する非接触温度計測部(赤外線温度計測部)であり、前記温度センサー160と、この温度センサーからの計測信号を解析して温度情報に変換する回路(図示せず)等と、から構成されている。
加熱室制御部159は、前記上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bに供給される電力を制御し、それらの動作の開始、停止や動作条件(火力、すなわち発熱量)等を制御するものである。この加熱室制御部159の制御回路は、電源回路基板127(図13参照)に実装されている。
加熱室制御部159は、前記電力制御部72からの指令信号を受信した場合、その指令信号に応じて、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの総電力消費量を減らすように動作し、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163の出力を下げるような指令信号を送信する機能がある。なお、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163の出力を下げるために単位時間あたりの通電率を変化させて実質的な火力を変化させることも行う。
(誘導加熱源9の駆動回路)
次に加熱調理器1のIHコイル17L、17Rの駆動回路の構成について説明する。説明を簡潔にするため、図33では、1つのIHコイル17Rだけを示した回路の例で説明する。
加熱調理器1では、駆動回路74により高周波電力が各IHコイル17L、17Rに供給されることで、誘導加熱動作が行われる。
前記駆動回路74は、IHコイル毎に備える。図33では、右側のIHコイル17Rの駆動回路74の構成例を示す図である。左側のIHコイル17Lでも駆動回路は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
駆動回路74は、図33に示すように、直流電源回路75、インバーター回路81R、共振コンデンサー76、入力電流検出部77aおよび出力電流検出部77bを備える。
入力電流検出部77aと出力電流検出部77bの電流検出データは、IH制御部90へ送られる。
入力電流検出部77aは、交流電源99から直流電源回路22へ入力される電流、すなわち駆動回路74へ入力される電流を検出し、検出した値すなわち入力電流値を示す電圧信号をIH制御部90へ出力する。99は、商用交流電源である。
直流電源回路75は、ダイオードブリッジ78a、リアクタ78b、平滑コンデンサー78cと、を備え、交流電源99から入力される交流電圧を直流電圧に変換して、インバーター回路81Rへ出力する。
インバーター回路81Rは、前記スイッチング素子83としてのIGBT79a、79bが直流電源回路75の出力に直列に接続された、いわゆるハーフブリッジ型のインバーターである。インバーター回路81Rでは、フライホイールダイオードとしてダイオード79c、79dがそれぞれIGBT79a、79bと並列に接続されている。
インバーター81Rは、直流電源回路75から出力される直流電力を、20kHz~80kHz程度の高周波の交流電力、いわゆる高周波電力に変換して、IHコイル17Rと共振コンデンサー76とからなる共振回路に供給する。
共振コンデンサー76を含む共振回路は、IHコイル17Rのインダクタンスおよび共振コンデンサー76の容量等に応じた共振周波数を有する。
このように構成することで、IHコイル17Rには数十A程度の高周波電流が流れ、流れる高周波電流により発生する高周波磁束によってIHコイル17Rの直上のトッププレート15上にある被加熱物Nが誘導加熱される。
IGBT79a、79bは、例えばシリコン系からなる半導体で構成されているが、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いた構成でも良い。
図12で説明した電力制御用スイッチング素子83は、この図33でいうIGBT79a、79bである。
このIGBTに、ワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子としての通電損失を減らすことができる。またスイッチング周波数すなわち駆動周波数を高周波にしても、すなわち高速にスイッチングしても放熱が良好となる。このため、スイッチング素子(IGBT)79a、79bを取り付けたヒートシンク82の放熱フィンを小型にすることができ、駆動部の小型化および低コスト化を実現することができる。
出力電流検出部77bは、IHコイル17Rと共振コンデンサー76とからなる共振回路に接続されている。出力電流検出部77bは、例えば、IHコイル17Rに流れる電流、すなわち駆動回路74から出力される電流を検出し、検出した値に相当する電圧信号をIH制御部90に出力する。本構成ではハーフブリッジ型のインバーターで説明したが、IHコイル17Rを駆動する回路は、フルブリッジ型のインバーターでも良い。また、図33で説明した回路は、電流共振型であったが、電圧共振型を採用しても良い。
無線通信部49は、図19でも説明したが、家庭内の家電機器400の電力使用量や運転情報等を統合的に管理しているホーム・ゲートウエイ411と無線通信を行うための無線通信手段であり、無線信号を送受信することができる。
前記無線通信部49は、統合制御装置MCと通信用配線により接続されているが、配線が長いほどノイズの影響を受けやすいため、無線通信部49と統合制御装置MCは近くに配置し、無線通信部49と統合制御装置MCを接続する配線を短くすることが望ましい。
前記したノイズの影響を考えて、この実施の形態1では、無線通信部49は、入力操作部40の右端部に設置してある。具体的には、無線通信部49は操作基板41の右端部に設置してある。また、統合制御装置MCは、入力操作部40の左右中央部に設置してある(図19参照)。
(冷却風路)
次に冷却風路の構成について説明する。
図12において、実施の形態1の加熱調理器1は、厨房家具2の中に設置された本体ケースHCの内部が、金属製の上部ケース16の底面16Sによって上部空間300Aと、前記底面16Sの下方に形成された下部空間300Bと、の2つの空間に区画されている。つまり前記底面16Sが「仕切り壁」16Sとして機能し、本体ケースHCの中を上下2つの空間に区画している。
前記上部空間300Aに収容されたIHコイル17L、17Rと、当該IHコイル用のインバーター回路基板80に冷却用空気を導く上部風路AHは、前記仕切り壁16Sを貫通している前記通気孔64を介して、前記下部ケース101の外側から外気が導入される。
一方、マイクロ波加熱装置120用の冷却用空気を導く下部風路UHは、前記下部空間300Bに形成されている。そして、前記マイクロ波加熱装置120の放熱部122Hは、前記下部風路UHに配置されている。この放熱部122Hは、下部ケース101の底面の右端部に形成した第2の吸気口152Bから導入された空気によって冷却される。また、マイクロ波加熱装置120のインバーター回路基板121は、下部ケース101の底面の右端部に形成した第1の吸気口152Fから導入された空気によって冷却される。
そして、上部風路AHの中を流れた冷却用空気と、下部風路UHを流れた冷却用空気は、途中で合流することはない。上部ユニット100内部の冷却風は、仕切り板52よりも背後側にある空隙GP1の中に排出され、排気口20から加熱調理器1の外部に放出される。
一方、下部ユニット200からの冷却風は、同じ空隙GP1の中に上下に伸びた排気ダクト102の中を経由し、最終的に前記排気口20から加熱調理器1の外部に放出される。
次に冷却風路の全体の経路を、図32を参照して説明する。
図32から明らかな通り、加熱調理器1の外部にある空気(外気)は、2つの経路で加熱調理器1の本体ケースHC内部を通過する。
第1の経路:下部ケース101の左側面に形成した通気孔164から、上部ケース16の底面の通気孔64を経由し、第1冷却ファン60からインバーター回路基板80と、IHコイル17L、17Rを冷却し、排気口20に至る経路。図32では、これを「上部風路」AHと記載している。
第2の経路:下部ケース101の底板101Uの右端部に形成した2つの吸気口152F、152Bから外気が吸引される。そして、その外気の一方は、第3冷却ファン128を経由してインバーター回路基板121を冷却する。他方の外気は、第4冷却ファン129を経由し、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却するものである。このように第2の経路は、2つあるが、最終的には共通の排気ダクト102に入り、排気口20に至る。図32では、これを「下部風路」UHと記載している。
以上のように、この実施の形態1では、本体ケースHCの内部が、金属製の上部ケース16の底面(仕切り壁)16Sによって上部空間300Aと、前記仕切り壁16Sの下方に形成された下部空間300Bと、の2つの空間に区画され、それぞれに、お互いに独立した風路(上部風路AHと下部風路UH)を備え、かつそれら各風路毎に専用の冷却ファン60、128、129を備えている構成である。
なお、上部ユニット100では、第2冷却ファン61もあり、前記第1冷却ファン60と協同して上部ユニット100内部の冷却を行っている。
(中央操作部の制御メニューと調理メニュー)
次に、中央操作部40Mによって統合表示部30に表示され、選択できる制御メニューについて、図34を参照しながら説明する。
前述したように、誘導加熱源9を使用する左操作部40Lと右操作部40Rで選択できる「単独調理モード」の「IH制御メニュー」は、図39に示しているような、例えば、「湯沸し」、「茹で」、「揚げ物(自動調理)」等である。
しかしながら、中央操作部40Mによって選択できる制御メニューは、(後述する連携調理モードの場合を除いて)図34に示しているように11種類ある。これら11種類の制御メニューを総称して、中央操作部40Mの「制御メニュー群」という場合がある。これら制御メニュー群を実行するための命令となるものが「制御メニュープログラム」であり、前記統合制御装置MCの記憶装置MMに格納されている。
中央操作部40Mによって選択できる「制御メニュー」は、マイクロ波加熱源189又はオーブン加熱源188で加熱して得られる最終的な調理の名称や食材の名称等で分類していない。つまり「制御メニュー」では、個別の被調理物を基準にして直接選択できない。
中央操作部40Mで選択する「単独調理モード」KM1と「複合調理モード」KM2における「制御メニュー」とは、調理を完成させるまでの加熱の種類、方法や条件等を考えて、大きく分類したものとも言えるため、制御メニューの名称は、例えば「あたため」や「オーブン(調理)」などのように概念的、総括的である。
この中央操作部40Mによって選択される制御メニューには、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を利用する「レンジグリル制御メニュー」又は「RG制御メニュー」と呼ぶ制御メニューがある。なお、この中央操作部40Mによって選択される制御メニューには、後述する「連携調理モード」KM3の調理メニューが含まれていない。
本実施の形態1では、誘導加熱源9については個別操作部40L、40Rを有し、「あたため」等の単独調理モードKM1を直接選択することができる。
これに対し、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188については、中央操作部(共用操作部)40Mを使用しているため、単独調理モードKM1を選択する専用の表示画面(第3特定画面30ST)を表示させることができない。
このため、本実施の形態1では、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の2つについては、単独調理モードKM1を直接選択できない。その代わりに、以下述べる「RG制御メニュー」の中で、単独調理モードKM1と同様な「単独加熱メニュー」を選択できるようにしている。
RG制御メニューと、後述する「連携調理モード」KM3とは、基本的に異なるものである。また、連携調理モードKM3の「調理メニュー」は、個々の被調理物に直接対応させたものである。言い換えると、個々の被調理物を基準にした、個々の制御パターン(制御メニュー)になっているのが連携調理モードKM3の「調理メニュー」である。これらについては、あとで詳しく説明する。
図34を参照しながら中央操作部40Mによって選択できる各種制御メニューについて、以下詳しく説明する。なお、図34に示されたものは、マイクロ波加熱源189を利用した単独調理モードKM1の制御メニュー(例えば「レンジ手動」)を含むが、その制御メニューを選択しても、例外的に、第3特定画面30STを表示させることはできない。
図34の「左表示エリア」とは、統合表示部30の第1エリア(表示エリア)30Lを意味している。
「中央表示エリア」とは、同じく第2エリア30Mのことである。
「右表示エリア」とは、同じく第3エリア30Rを意味している。
中央操作部40Mの入力キー43MCが操作されると、前記統合表示部30の第1エリア30Lには、図34の左表示エリアの「あたため」という制御メニューが必ず最初に表示される。この「あたため」というRG制御メニューがデフォルト設定してあるからである。
図34の「左表示エリア」から明らかなように、「あたため」以外には、「レンジ手動」や「葉菜下ゆで」、「RG調理」「グリル」、「オーブン」など合計11個のRG制御メニューがある。但し、図34の「左表示エリア」の最下段に記載の「中央ヒータ」は、上記上部ユニット100では対応していないので、実際には表示されない。
「RG制御メニュー」とは、マイクロ波加熱(レンジ)とオーブン(加熱室113)加熱とを併用する(複合調理モードKM2の)制御パターンである。
但し、この実施の形態1では、マイクロ波加熱(レンジ)とオーブン加熱の、何れか一方の(単独調理モードKM1)の制御パターンも、例外的に含んでいる。
前記「中央ヒータ」とは、上部ユニット100において、右加熱部17HRと左加熱部17HLの間に、更に別の誘導加熱部(中央の誘導加熱部)を増設した場合に対応するものであるので、厳密には、「レンジ」でも「グリル」でもない。
「RG」とは、レンジグリルの略称である。ここで、「レンジ」とは、マイクロ波加熱源189を使用する加熱調理をいう。「グリル」とは、オーブン加熱源188を使用する加熱調理をいう。
レンジグリルの加熱調理方法は、レンジとグリルを同時に行い、食材の外側と内側(内部)から加熱して火を通した後、グリルで焼き上げる方法が代表的である。「フレンチトースト」や「冷凍したチキン」の焼き上げにも可能である。
図34の第1エリアには、「あたため」や「グリル」等、合計10種類が表示されるが、2つ以上の加熱源を併用する「複合調理」とは、「RG調理」や「RG手動」等である。また、「あたため」は、マイクロ波加熱源9だけを使用するので、本来は複合調理モードKM2の制御メニューに属さない。しかしながら、例外的に含めている。なお、図34に示した「あたため」、「グリル」、「レンジ手動」等は、連携調理モードKM3の調理メニューにも該当しない。
図34の「中央表示エリア」に記載された内容は、統合表示部30の第2エリア(表示エリア)30Mに表示される内容を示している。「中央表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「中央表示エリア」の右の列に列挙している。
図34の「右表示エリア」に記載された内容は、統合表示部30の第3エリア(表示エリア)30Rに表示される内容を示している。「右表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「右表示エリア」の右の列に列挙している。空白の部分は、何も表示されないことを意味している。
以上のようなルールで、RG制御メニューのデータベースが作成されている。
このため、
(1)中央操作部40Mの入力キー43MCが操作されると、前記統合表示部30には、後述する第1特定画面30SPが表示され、連携調理モードKM3への移行のために参考となる案内情報30Pが表示される。
(2)中央操作部40Mの入力キー43MCを押さないで、入力キー43M1が操作されると、複合調理モードKM2の制御メニュー群が選択され、第1エリア30Lには、デフォルト表示として制御メニューの1つの「あたため」、第2エリア30Mには、温度条件を示す「80℃」、第3エリア30Rには、制御条件は何も表示がされないことになっている。さらに、この実施の形態1では、第3エリア30Rに、加熱調理に参考となる前記案内情報30Pが表示される。これらについては、後で図55等を参照しながら説明する。
RG制御メニューは、ユーザーが、入力キー43M1を操作して、1つのRG制御メニューを第1エリアの中央部に表示すると、図34に示した11種類メニューの中から、1つのRG制御メニューに対応する「制御条件」(温度や火力、時間など)が、第2エリア30Mと第3エリア30Rに同時に表示される。
その選択されたRG制御メニューが、「RG調理」等のように「複合調理モードKM2」に属するものであった場合には、その後、加熱動作開始を指令する入力キー43MSがユーザーによって操作されると、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の両者による「複合調理モードKM2」に移行し、加熱動作が開始される。
連携調理モードKM3については、あとで説明する。
図34に示したRG制御メニュー群の具体的な内容、制御条件、付加情報等の詳細なデータと表示プログラム等は、統合制御装置MCの記憶装置MMに格納されている。
以下、主なRG制御メニューの概要について説明する。
(1)あたため:マイクロ波加熱源189を使用して食品を加熱するため、本来は「単独調理モードKM1の制御メニュー」の1種である。しかし、例外的に複合調理モードKM2の1種に分類して、第2特定画面30SCに表示される。
食品の再加熱の場合も、この「あたため」が適する。デフォルト設定で「80℃」となっているので、食品が加熱されて80℃になった時点で自動的にマイクロ波の照射が停止する。なお、「80℃」は、目標温度であり、この温度は加熱開始前にユーザーが調節できる。
図34に示すように、0℃~90℃の範囲では5℃刻みで設定できる。冷凍食品の加熱では-10~0℃の範囲において、2℃刻みで設定可能である。なお、マイクロ波加熱出力は、500Wで固定されている。
(2)レンジ手動:マイクロ波加熱源189を使用して食品を加熱することをいうが、加熱時間を設定して行うものである。また、マイクロ波加熱出力も、500W、200W、100Wの3段階から選べる。加熱時間もデフォルト値は1分間であるが、500W出力では、10秒から15分間までの間で設定できる。
この「レンジ手動」も、本来は、マイクロ波のみによる加熱のため「単独調理モードKM1の制御メニュー」に属す。しかし、例外的にこれも複合調理モードの制御メニューの1種として分類し、第2特定画面30SCに表示される。つまり、図25に示したRG制御メニューの中には、このようにマイクロ波加熱源189の単独調理モードKM1の制御メニューも含んでおり、同じ第2特定画面30SCに表示される。
(3)葉菜下ゆで:マイクロ波加熱源189を使用して食品、特に、葉を食用とする野菜、例えば、ほうれん草、白菜などの葉菜類を茹でることに適するものである。マイクロ波加熱出力値は表示されず、第2エリアには、デフォルト表示として「標準」と表示される。非接触温度計測部(赤外線温度計測部)158が温度上昇を計測し、自動的に加熱を停止する。この「葉菜下ゆで」も、本来は「単独調理モードKM1の制御メニュー」の1種である。
(4)根菜下ゆで:マイクロ波加熱源189を使用して食品、特に、根や地下茎等を食べるじゃが芋などの根菜類を茹でることに適するものである。マイクロ波加熱出力値は表示されず、第2エリアには、デフォルト表示として「標準」と表示される。なお、火力値は、加熱調理器1側で事前に決めているので、火力を調整する場合には、第2エリアのデフォルト表示の「標準」を、「弱め」や「強め」等に変える(選択する)必要がある。
この「葉菜下ゆで」も、本来は「単独調理モードKM1の制御メニュー」の1種である。
(5)肉解凍:冷凍した各種の肉類を解凍する場合に適するRG制御メニューである。
マイクロ波加熱源189を使用して食品を加熱するため、「単独調理モードKM1の制御メニュー」の1種である。
(6)RG調理:加熱室113を使用した調理に適するものであり、マイクロ波加熱とオーブン加熱を組み合わせて加熱調理するものである。つまり、純粋な「複合調理モードKM2」の制御メニューの1種である。
マイクロ波加熱を先に行い、ある程度食品を加熱してから、上部ヒータ163Aや下部ヒータ163Bで加熱する制御パターンと、この逆の順序で加熱する制御パターン、及びマイクロ波加熱とヒータ加熱を同時に行う制御パターンの3種類がある。マイクロ波加熱時の火力値(ワット)は、表示されず、ユーザーは第2エリア30Mの表示を見て、「弱め」、「強め」等の何れか1つを選択して加熱強度を選択できる。
(7)RG再調理:加熱室113を使用して、調理済の食品を再度加熱する場合に適するものである。これも、純粋な「複合調理モードKM2」の制御メニューの1種である。マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を併用する。
(8)RG手動:加熱室113を使用した調理に適するものであり、マイクロ波加熱とオーブン加熱を組み合わせて加熱調理するものである。なお、マイクロ波加熱を先に行い、ある程度食品を加熱してから、上部ヒータ163Aや下部ヒータ163Bで加熱するパターンと、この逆の順序で加熱するパターン、及びマイクロ波加熱とヒータ加熱を同時に行うパターンの3種類がある。これも、純粋な「複合調理モードKM2」の制御メニューの1種である。
(9)グリル:加熱室113を使用して、食品を加熱するものであり、加熱源としては、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの一方又は両方が使用される。前述したように加熱室113の温度管理は行わず、また食品の温度上昇を検知して加熱動作を停止するという制御も行わない。上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの火力は、加熱調理器1側の加熱室制御部159で事前に決めている。代表的な適用調理としては、焼き魚がある。因みに、上部ヒータ163Aの定格火力は、1000Wであり、下部ヒータ163Bの定格火力も1000Wである。これは、実態上は「単独調理モードKM1」の制御メニューの1種であるが、この実施の形態1では、複合調理モードKM2の1つの制御メニューとして用意している。
(10)オーブン:加熱室113を使用して、食品を加熱するものであり、加熱源としては、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの一方又は両方が使用される。加熱室113の温度は、加熱室制御部159によって計測され、設定した目標温度になるように加熱室制御部159により通電制御が行われる。
図25に示すように、デフォルト温度は180℃であるので、ユーザーは必要であれば、この目標温度を変更できる。なお、「グリル」のところで説明したように、上部ヒータ163Aの定格火力は、1000Wであり、下部ヒータ163Bの定格火力も1000Wである。そして、これら上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bに対する通電率を加熱室制御部159で制御し、それら2つのヒータ163A、163Bの発熱量を制御している。これは、「単独調理モードKM1」の制御メニューの1種である。
図35は、統合制御装置MCの記憶装置MMと、中央操作部40Mとの関係を示す説明図1である。図36は、同じく統合制御装置MCの記憶装置MMと、中央操作部40Mとの関係を示す説明図2である。
統合表示部30の第1エリア30Lに表示させることができる合計10個のRG制御メニューの中の個々の制御メニュー名称(例えば「あたため」、「レンジ手動」等)を示すデータは、前記記憶装置MMの第1層に記憶させてある。
統合表示部30の第2エリア30Mに表示させることができる「制御条件」(例えば「マイクロ波出力値」、「通電時間」等)を示すデータは、前記記憶装置MMの第2層に記憶させてある。
統合表示部30の第3エリア30Rに表示させることができる「制御条件」(例えば「グリル調理の加熱時間」等)を示すデータと、参考情報30P、30P1は、前記記憶装置MMの第3層に記憶させてある。
(連携調理モード)
次に、図35と図36を参照しながら、「連携調理モードKM3」について説明する。
図35と図36に示すように、記憶装置MMの内部には、前記入力キー43MCを操作すると表示される第1特定画面30SPのデータと、この後に前記入力キー43M1を操作すると読み出される「連携調理モードKM3」の制御用データと動作プログラム(以下、これらを総称して「連携動作プログラム」と呼ぶ場合がある)とが、前記RG制御メニューとは別の記憶エリアに格納されている。
ここで、「連携調理モードKM3」のデータと前記「連携動作プログラム」とは、個々の被調理物(例えば、ハンバーグ)を実行するために使用する複数の加熱源を特定する情報、各種制御条件(火力や、標準の加熱温度など)や制御パラメータの情報、動作させる加熱源の順番(シーケンス)を含む調理工程の情報を含む。つまり、統合制御装置MCの各機能を実現する内部の処理回路やプロセッサーの制御手順を、マイクロコンピュータに実行させるために必要なものである。
連携調理モードKM3の1つの調理メニューを特定すると、使用できる(複数の)加熱源と、それらが動作する順番とが自動的に決定される。例えば、連携調理モードKM3で調理ができる調理メニューの1つである「ハンバーグ」については、最初に右加熱部17HRと左加熱部17HLの何れか1つを選択する必要はない。最初に表示手段30には、前記第1特定画面30SPが表示され、その表示を見てユーザーがその後、例えば右加熱部17HRを選択すれば連携調理モードKM3が実際に開始できる。
事前に左加熱部17HLを使用するような内容で、第1特定画面30SPが表示される。ユーザーは、左加熱部17HLを使用せず、右加熱部17HRを使用するように事前に設定ができる。但し、そのような設定ができない場合もある。
また、調理工程1で右加熱部17HRを使用し、その次の調理工程2では加熱室113において、オーブン加熱源188で加熱する場合では、一連の調理工程の情報は、記憶装置MMに記憶させてある。
また、連携調理モードKM3への移行のために参考となる付加情報331として、例えば、後述する調理工程の情報、使用する加熱源の情報、制御条件(予熱完了温度等)、次の調理工程に進むためにユーザーの入力操作を促す誘導情報や指示情報等が、個々の連携調理モードの調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」、「からあげ」)毎に対応させて記憶させてある。
以下の説明では、予熱が必要な場合、設定(目標)温度に上昇するまでの工程を「予熱工程」と呼び、設定温度に至った後で実際に被調理物を加熱し、調理に寄与する工程を「調理工程1」又は「調理工程2」と呼んでいる。
例えば、誘導加熱においては、予熱工程を終え、既に所望の温度まで加熱されている被加熱物N、例えばフライパンに、ユーザーが被調理物を載せて実際に加熱を始めた時点が「調理工程」の開始時点になる。
なお、このように、同じ加熱源を使用している場合で、予熱工程を終えた時点とその後調理工程1を開始した時点を(統合制御装置MCが)明確に識別できるように、中央操作部40Mや個別操作部40L、40Rで特定の入力キーを押すこと等の、動作を追加しても良い。
(RG制御メニュー等の使い分け情報)
次に、図34で説明したRG(レンジグリル)制御メニューと、誘導加熱源9による単独調理モードKM1の制御メニューの使い分けについて説明する。
図37は、RG制御メニューと、誘導加熱源9による単独調理モードKM1の制御メニューの分類表である。
この図37の分類3に示す制御メニューの名称は、その一部分が図34に示したように、第1エリア30Lにおいても表示され、ユーザーに対して制御メニューの選択に利用される。
更に、この図37の分類2に示しているように、各制御メニューの要点を示す情報も、図35、36で説明したように記憶装置MMの第1層又は第2層のデータとして記憶させてある。
従って、入力キー43M1を操作する段階で、この図37の分類2に示した各制御メニューの要点を示す情報も、ユーザーは任意で表示させることができる。また、統合制御装置MCは、RG制御メニューをユーザーが選択する段階で、自動的にこの分類2に示した情報を統合表示部30に表示して、ユーザーの入力操作を支援することができる。例えば、入力キー43M1をユーザーが1回押したまま、例えば時間が事前に定めた基準時間(例:10秒間)を経過した場合、前述した第1エリア30L~第3エリア30Rの何れかにおいて、図37の分類2に示した各制御メニューの要点を示す情報を表示する。あるいは、音声合成装置95によって音声で報知すると良い。例えば「あたため」は、「ご飯や弁当をお好みの温度にあたためる場合に最適です」というように音声で案内する。
なお、図37の分類3には、「制御メニュー」の名称が記載されているが、中央操作部40Mによって実行できる制御メニューは、「あたため」から「オーブン」までの10個である。
前記入力操作部40(中央操作部40M)には、前記第2特定画面30SCの中に、前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189を使用した合計10個の「制御メニュー」を、前記選択部(入力キー43M1)を押した直後から表示させることができる。
そのように、第2特定画面30SCの中に表示させた、合計10個の前記「制御メニュー」は、順次(順送り及び逆送りで)表示させて、その中から1つだけを、前記選択部(入力キー43M1)によって選択できる。
具体的には、前記選択部(入力キー43M1)は、ユーザーがタッチ操作できる操作面(操作部)が左右1対ある(図60参照)。この内、左側の操作面にタッチすると、そのタッチの都度、図56に示すように下方に(順送りで)制御メニューが動いたように表示を変更できる。また、逆に右側の操作面にタッチすると、逆送りで表示内容を更新し、結果的に、希望する制御メニューを第1エリア30Lの前後中央部(所定の位置)に表示させることができる。その位置に表示された制御メニューが、その後、加熱動作開始の指令を受けた場合、統合制御装置MCで実行する制御メニューとなる。
(加熱調理器の動作)
次に、上記の構成からなる加熱調理器1の動作の概要を、図38~図47を中心に説明する。
図38は、加熱調理器1の調理開始前の制御動作の全体を説明するためのフローチャートである。図39は、加熱調理器1における誘導加熱調理時の制御動作を説明するためのフローチャートである。図40は、加熱調理器1で、誘導加熱調理中にマイクロ波加熱を行う場合の制御動作を説明するためのフローチャートである。図41は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。図42は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。図43は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。図44は、加熱調理器1の冷却ファンと、加熱調理の種類との対応関係を示す一覧表である。図45は、加熱調理器1の異常検知時における冷却ファンと調理工程の関係を示す説明図1である。図46は、加熱調理器1の異常検知時における冷却ファンと調理工程の関係を示す説明図2である。図47は、加熱調理器1の異常検知の事例における冷却ファンと調理工程の関係を示すフローチャートである。
図38について説明する。
電源投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、統合制御装置MCの内部にある記憶装置MMに格納されている。
ビルトイン型の加熱調理器1では、電源プラグ106A(図示せず)は厨房家具2の設置時から常に商用(交流)電源99に接続されているので、ユーザーは、主電源スイッチ97の操作ボタン98(図20、30参照)を押して電源を投入する(図38のステップST1)。
電源回路基板55の中の直流電源変換部92を介して所定の低い電源電圧が統合制御装置MCに供給され、統合制御装置MCは起動される。統合制御装置MC自身の制御プログラムにより自己の異常有無の診断を開始する。
そして誘導加熱源9を集中制御するIH制御部90、加熱室制御部159及びマイクロ波加熱制御部130の異常有無をチェックする。
上部ユニット100の温度検出回路93には、トッププレート15の温度、インバーター回路81L、81Rの温度、統合表示部30の近傍等の温度を検知するために、合計7個の温度センサーTS3~TS9を接続しているので、それら温度センサーの検出温度は、前記温度検出回路93に伝達される。これによって、IH制御部90は、異常の有無を判定できる(ST2)。
また、加熱室制御部159とマイクロ波加熱制御部130においても、温度センサーTS1、TS2、TS10からの検出温度を取得して異常有無を判定できる。
ステップST2で「外部に起動情報送信」とあるが、これは無線通信部49から、キッチンKTにあるホーム・ゲートウエイ411に、加熱調理器1の運転開始の予告を行うことをいう。これについては、あとで説明する。
IH制御部90には、上部ユニット100に内蔵した主要な構成部分の温度情報が集まるので、IH制御部90は、調理開始前の異常監視制御として、異常加熱判定処理を行う。例えば、温度センサーTS7が検出した温度が、統合表示部30における液晶表示画面30D等の電子素子の耐熱温度(例えば70℃)よりも高い場合、IH制御部90は異常高温と判定する。そして、統合制御装置MCに異常を報知し、運転開始できないことを表示したり、報知したりする等の処理を実行する。なお、この処理を、統合制御装置MCによって実行させても良い。
異常が発見されない場合、IH制御部90は、統合制御装置MCに信号を送信する。すると、統合表示部30が起動され、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する(ST3)。なお、この初期時点での表示画面は、図52を参照して後で説明する。
これと同時に、音声合成装置95によって、統合表示部30で表示した内容と同様な内容を音声で報知する(ST3)。
ステップST3では、無線通信部49は、前記ホーム・ゲートウエイ411にアクセスし、健康管理に有益な制御メニュー、レシピ情報等の情報を、事前にユーザーが設定していた範囲で取得する。例えば、事前にこの加熱調理器1のユーザーが、情報通信端末機器418等を使ってインターネット416経由でホーム・ゲートウエイ411に送信していた情報も、この統合表示部30の起動時に取得できる。
加熱調理器1が、何らかの情報を取得した場合には、上部ユニット100の入力操作部40の近くに設けた専用の注意情報ランプ(図示せず)を点灯させてユーザーへ報知すると良い。
冷蔵庫401の在庫情報は、この時点では取得しない。但し、図110と図111で示すように、ホーム・ゲートウエイ411に対しては、この時点で在庫照会信号RQ1を送信する。
次に上記のように異常判定が完了したあと、統合制御装置MCは、統合表示部30と音声合成装置95によって、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う(ST4)。
そして、入力キー43M1が操作されずに、個別操作部である左操作部40L又は右操作部40Rによる、単独調理モードKM1が選択されたかどうかを判別する(STC)。
前述したように(図34、図37参照)、マイクロ波加熱源189だけを使用する「レンジ加熱」で「あたため」という制御メニューは、単独調理モードKM1に属するが、この制御メニュー(「あたため」)を選択する手段は、入力キー43M1である。このため、中央操作部40では単独調理モードKM1を直接選択することはできない。この加熱調理器1で加熱源を直接選択できるのは、誘導加熱源9だけである。
一定の猶予時間(例えば10秒間又は30秒間)内に入力キー43M1の選択も、入力キー43MCの選択も行われなかった場合は、連携調理モードKM3の選択も、複合調理モードKM2の選択も行われなかったと判定する。ステップST4の直ぐ後か、又は上記猶予時間内に、ユーザーが左操作部40L又は右操作部40Rの、少なくとも何れか1つを操作した場合、上部ユニット100の加熱源、すなわちIHコイル17L、17Rだけが選択されたものと判断する(ステップST6で、「Yes」)。
一方、前記ステップSTCにおいて、入力キー43MCが操作された場合、連携調理モードの処理ステップSTR1に進む。連携調理モードの処理ステップSTR1は、図60~図109等を参照して後で詳しく説明する。
以上のようにステップST6が「Yes」であった場合には、次のステップST10に進む。以後の誘導加熱の制御ステップについては、あとで図39を参照しながら説明する。
一方、ステップST5において、下部ユニット200の加熱源の選択が行われた場合、統合制御装置MCは、下部ユニット200が備えている2つの加熱源のメニュー選択ステップST8に進む。なお、このステップST5は、中央操作部40M(入力キー43M1)を操作した場合である。
ステップST8では、図38に示しているように、3種類の制御メニュー(ST9A~ST9D)が前記統合表示部30に一定の順番で順次表示される。この3種類の制御メニューとは、前記した第1エリア30Lに表示される計10個の制御メニュー(図34参照)である。
図38のステップST8の段階で表示される制御メニューは、下部ユニット200の加熱源を使用することを前提にして、以下の3種類の制御メニューが表示される。
(1)上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの少なくとも何れか一方を使用する調理のメニュー(ST9A)。図34で示した制御メニューの「グリル」や「オーブン」が該当する。
(2)上記(1)に加え、マイクロ波加熱装置120を併用する制御メニュー(ST9B)。これは、図34と図37で示した制御メニューの「レンジグリル」加熱(調理)が該当する。
(3)マイクロ波加熱装置120のみを使用する制御メニュー(ST9C)。これは、図34で示した制御メニューの「レンジ手動」や「葉菜下ゆで」、「あたため」等が該当する。
なお、ここでは、前記「連携調理モードKM3」は表示されない。
なお、途中から連携調理モードKM3の方が良いと分かった場合には、中央操作部40Mの入力キー43MCを操作すれば、図74のステップSTR1の段階まで進むことができる。つまり、連携調理モードKM3の許可条件1の判定直前まで進めることができる。
図39は、誘導加熱の制御メニューを選択したステップ(ST11)以後の、統合制御装置MCの動作ステップを示したものである。
次に、誘導加熱時の制御動作について図39を参照しながら説明する。
なお、以下は右加熱部17HRを使用する例で説明する。
右側にある入力キー43R1に触れると、IH制御部90は加熱準備動作をユーザーが指令したと判定する。
IHコイル17Rの上方に被加熱物(金属製の鍋やフライパン等)Nが載置されているか否か、または被加熱物の底部面積が所定値より大きいか否かが推定され、この推定結果がIH制御部90に伝達され、標準の径の鍋に適する加熱処理にするか大径鍋に適する加熱処理にするか等が決定される(ステップMS1)。
適合鍋であるが大径鍋である場合、あるいは加熱不適合等の場合は、標準鍋とは別の処理になる。
IH制御部90からの指令を受けて、統合制御装置MCは、統合表示部30の表示画面30Dに対し、希望する調理の「IH制御メニュー」を選択するように促す表示をする(MS2)。
ユーザーが調理の「IH制御メニュー」や火力、調理時間などを右操作部40Rで選択、入力した場合(MS3)、本格的に右加熱部17HRにおいて誘導加熱動作が開始される(MS4)。
統合表示部30に表示される「IH制御メニュー」としては、「高速加熱」、「揚げ物」、「湯沸し」、「予熱」、「炊飯」、「茹で」、「湯沸し+保温」という7つである。但し、操作性を簡略化するため、前述した「機能設定」で上記7つのIH制御メニューの一部又は全部の選択をできないように設定しても良い。
ユーザーがこれら7つのIH制御メニューの中の何れか一つを選択した場合、それらIH制御メニューに対応した制御条件がIH制御部90の内蔵プログラムによって自動的に選択され、IHコイル17Rの通電量(火力)、通電時間などが設定される。IH制御メニューによってはユーザーに任意の火力や通電時間等を設定するように促す表示を表示部に行う(MS5)。なお、IH制御メニューに対応した制御条件の動作プログラムは、IH制御部90ではなく、統合制御装置MCに格納していても良い。
以上のような表示を行ってから一定時間(例えば、15秒又は30秒)内に、ユーザーが再度入力キー43R1をタッチ操作して使用中止しない限り、その一定時間の経過後、IH制御部90は誘導加熱回路94Rのインバーター回路81Rを駆動し、誘導加熱を開始する(MS6)。なお、入力キー43R1は、タッチする毎に入力機能が変化し、加熱動作開始と加熱動作停止を指令することができる。
「大径鍋」の場合も基本的には上記ステップMS1~MS7と同様であるが、IH制御メニューとしては、図39のステップMS3で示した7つのIH制御メニューの一部は選択できない。
図39の「高速加熱メニュー」は、左側にあるIHコイル17Lを使って、「通常鍋」又は「大径鍋」だけの場合しか加熱できない。なお小型鍋とはこの実施の形態1では鍋底面の直径が10cm未満のものをいい、誘導加熱に適さないものとして検知され、誘導加熱できない。
次に、誘導加熱とマイクロ波加熱などのように、異なる種類の加熱源を2つ以上同時に使用した場合の、統合電力制御動作について図40と図41を参照しながら説明する。なお、これら図40、41で説明する例は、前記した連携調理モードKM3の場合ではない。
図40に示した例は、先に上部ユニット100で誘導加熱調理を行っている期間中に、ユーザーが下部ユニット200の加熱室113を使って、マイクロ波加熱を行おうとした場合である。なお、誘導加熱調理を行っている期間中に、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの両方又は何れか一方を使用して、オーブン調理やグリル調理等を行う場合でも、この図40で説明したような基本的な(加熱調理器1全体での)総電力制御が、統合制御装置MCと電力制御部72によって行われる。
また、この場合は、複合調理モードKM2を中央操作部40Mで選択する必要がある。
ユーザーが下部ユニット200の加熱室113を使って、マイクロ波加熱を行おうとすると、最初に主電源スイッチ97をONにし、入力操作部40の中央操作部40Mで、下部ユニット200の加熱源を選択する必要がある。
しかしながら、簡単に行う方法はそのままドア114を開けることである。つまり、この実施の形態1では、上部ユニット100が運転されている場合(主電源スイッチ97がON状態である場合)は、そのまま下部ユニット200による調理を開始できる。従って。上部ユニット100のような主電源スイッチ97を入れる操作は必要ではない。
ドア114を開けると、ドア開閉検知機構131の主要部分で説明したように、ドア114の開閉に応じて開閉されるラッチスイッチ132Aとドアスイッチ132Bがあるので、前記主電源スイッチ97を投入した段階で、前記ラッチスイッチ132Aとドアスイッチ132Bの双方又は何れか一方の開放を、統合制御装置MCが(前記ドア開閉検知機構131の働きで)検知できる。
図40において、上記したように加熱室113のドア114が開放されたことを示す信号を受信した場合(ステップS1)、統合制御装置MCは、ユーザーに対して音声ガイドを行う(ステップS2)。音声ガイドの内容は、例えば、「加熱を開始するためには、レンジ加熱を選んで、スタートボタンを押して下さい」等である。
マイクロ波加熱のデフォルト設定では、目標温度80℃であるので、ドア114を閉めて、そのまま加熱開始しても被調理物温度が80℃になったと検知された段階で自動的に停止する。なお、80℃を変更(例えば75℃)する場合には、温度条件を変更してから入力キー43MS(図21参照)を押せば良い。
ユーザーが、入力キー43M1で複合調理のメニューの中から、例えば「レンジ手動」を選択し、次に「加熱開始」という指示を中央操作部40Mの入力キー43MSで行った場合、マグネトロン122で定まっている定格消費電力値に、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129等の消費電力も反映して事前に分かっている消費電力値を使用し、統合制御装置MCはステップS3において総電力規制値を超過するかどうかの判定を行う。
例えば、先に開始している誘導加熱調理の火力値や第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の消費電力量もデータとして統合制御装置MCは保有しているので、上部ユニット100の消費電力とマイクロ波加熱装置120の消費電力の合計値が算定できる。なお、統合制御装置MCが、中央操作部40Mの入力キー43M1の操作があった段階で、インバーター回路81の消費電力データ等を使用して、最大消費電力量を予測しても良い。
ステップS3が「Yes」の場合には、稼働しているIHコイル17Rの出力を下げるか、マイクロ波加熱の火力の何れかを下げる必要ある。ステップS3では、誘導加熱の制御メニューと調理工程から、その時点の誘導加熱の調理の優先度を判定する。例えば、上部ユニット100で炊飯(特に、「沸騰工程」)を行っている場合には、その炊飯(沸騰工程)を優先し、上部ユニット100の加熱源の火力を削減しない。
また、上部ユニット100で「揚げ物」を行っている場合には、その揚げ物は、食材の投入等に合わせて食用油の温度が過度に低下しないように自動的に火力を増加させる制御を行っているので、このような場合も、上部ユニット100の加熱源の火力を削減しない。
ステップS5で、誘導加熱が優先すると判定された場合、マイクロ波加熱の電力消費量を減らすため、マイクロ波定格出力が仮に500W(消費電力が900W)であった場合、消費電力を一時的に下げて、例えば出力300Wにする。そして、このような制限を行うことをユーザーに報知する。報知は、統合表示部30と音声合成装置95によって行う(S6)。
そして、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に指令信号を出し、マイクロ波加熱を低火力で開始する(S7)。
加熱室113の中に置かれた食品や調理器具等の温度を検出する非接触温度計測部(赤外線温度計測部)158を有しているので、食品が加熱されて、目標温度に至ったかどうかを、マイクロ波加熱制御部130は監視している(S8)。
目標温度に到達しない場合には、上部ユニット100の誘導加熱動作が終了したかどうかの判定をする(S9)。当該誘導加熱動作が終了しない限り、目標温度に至るまでは上記ステップS8、S9が繰り返し行われる。
目標温度に至った場合には、マイクロ波加熱制御部130から統合制御装置MCに信号を出る。すると次のステップS12に進み、マイクロ波加熱が終了した旨を報知する。
一方、上部ユニット100の誘導加熱が終了した場合、ステップS10に進み、マイクロ波加熱制御部130に対して指令を出し、初期にユーザーが意図した設定火力に復帰させてマイクロ波加熱を継続させる。そして、被調理物の温度の監視を継続させる(S11)。
そして、目標温度に至った場合には、マイクロ波加熱制御部130から統合制御装置MCは信号受け、ステップS12に進み、マイクロ波加熱が終了した旨を報知する。
図40に示した例は、マイクロ波加熱調理と誘導加熱調理の2者の間の電力優先度は、誘導加熱調理で実行している制御メニュー(例えば、「揚げ物」)と調理の工程(例えば、炊飯の「沸騰工程」)から、その時点で誘導加熱との優先度を判定するという前提であった。
従って、マイクロ波加熱調理と誘導加熱調理の2者の間の電力優先度を、常に誘導加熱側に設定しておいた場合には、マイクロ波加熱の開始という指示を中央操作部40Mの入力キー43MSで行う前に、例えば、統合表示部30において警告メッセージが表示される。さらに、音声合成装置95からも警報メッセージが出る。また、その後マイクロ波加熱を開始しても、上記した例のように火力値が強制的に下げられるケースがあり得る。
加熱調理器1全体の中での、誘導加熱源9と、オーブン加熱源188及びマイクロ波加熱源189の電力優先度は、前述した「機能設定」の中で設定しておくことができる。一度、電力優先度を設定すれば、主電源スイッチ97を切っても、統合制御装置MCに設定条件が記憶され、次の加熱調理以降にも引き継がれる。
この図40に示した例では、被加熱物の温度を監視し、目標温度になった場合に、マイクロ波加熱を終了させていた。しかし、マイクロ波の照射時間を計測し、設定した時間が経過したときに調理を終了させる制御方法もあるので、次に図41について説明する。
図41は、マイクロ波の照射時間で調理を終了させる制御方法を採用している場合の例である。
ステップS6までは図40と同じなので説明は省略する。
マイクロ波加熱制御部130は、ステップ7でマイクロ波加熱を開始する場合、マグネトロン122の出力を、ある値まで下げた場合の加熱時間の補正(延長)を算出する。そして、ステップS8では、その延長後の時間を「設定時間1」と決めて(S8)、ステップ9、ステップ8を繰り返す。
その過程で、上部ユニット100の誘導加熱が終了した場合、加熱開始(ステップS7)からの経過時間も考慮し、再度運転所要時間(設定時間2)を計算し直す。
そして、設定時間2を経過した場合、マイクロ波加熱を終了し、これを報知する(S12)。なお、この設定時間2が経過するまでの間、非接触温度計測部(赤外線温度計測部)158による温度監視を併用しても良い。
(統合制御装置と総電力量制御)
次に図42と図43について説明する。
図42と図43は、加熱調理器1の制御動作を説明するためのフローチャートである。この2つの図に示した例は、最初に上部ユニット100で誘導加熱調理を行っている期間中に、ユーザーが下部ユニット200の加熱室113を使って、(単独調理モードKM1で)マイクロ波加熱を行おうとした場合である。この場合でも、図40で説明したような基本的な(加熱調理器1全体での)総電力量制御が、統合制御装置MCと電力制御部72によって行われる。
図42と図43では、図40、図41とは異なり、統合制御装置MCとマイクロ波加熱装置120、IHコイル17L、17Rやインバーター回路81等からなる誘導加熱装置と、の3者の間の信号の授受も示している。
図42と図43において、L1~L10は、各動作信号や指令信号等の発生タイミングを示している。上部ユニット100で、主電源スイッチ97を入れると、起動信号が統合制御装置MCに送信される(L1)。
その後、入力操作部40においてIHコイル17L、17Rの火力や制御メニュー等(図39のステップMS2、MS3参照)を決定すると、その内容を示す情報が統合制御装置MC経由に送信される(L2)。つまり、誘導加熱時の最大火力や運転時間等の条件を示す情報を、統合制御装置MCからIH制御部90が受ける。そして入力操作部40から誘導加熱開始指令があれば、IH制御部90は、誘導加熱回路94L、94Rによって加熱動作を開始させる。
このようにして誘導加熱調理が開始された場合で、マイクロ波加熱も開始されるケースについて説明する。なお、誘導加熱は、左側のIHコイル17Lの最大火力3200Wで開始されたものと仮定する。
ユーザーがドア114を開けると、図40で説明したようにラッチスイッチ132Aとドアスイッチ132Bの双方又は何れか一方が開放するので、これを監視しているドア開閉検知機構131(閉鎖検知部139)から、ドア114の開放を示す信号が統合制御装置MCに送信される(L3)。
ユーザーが、中央操作部40Mで火力を入力した場合には、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に運転開始の指令信号を出す。そして次のステップS3に進む。
又は、ユーザーが単に「加熱開始」という指示を中央操作部40Mで行った場合、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に運転開始の指令信号を出す。
マイクロ波加熱制御部130側で何の異常もなければ、統合制御装置MCに対して、マイクロ波加熱制御部130から調理開始の「予告信号」が発信される(L4)。例えば、マイクロ波出力500Wの場合では、マイクロ波加熱装置全体の定格消費電力が1000Wである場合には、この図42のように、1000Wを使用する情報を含んだ「予告信号」になる。
次に統合制御装置MCからの情報を受けて電力制御部72は、マグネトロン122で定まっている定格消費電力値に、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129等の消費電力も反映して事前に分かっている消費電力値を使用して、マイクロ波加熱と誘導加熱を同時に行った場合の、消費電力の合計値を求め、この合計値が総電力量規制値を超過するかどうかの判定を行う(図40、図41のステップS3と同じ)。そして結果を、統合制御装置MCへ送信する。
なお、別の方法として、下部ユニット200(のマイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188)の総電力量の上限値を決め(例えば、2000W)、下部ユニット200と上部ユニット100(誘導加熱源9)を同時に使用した場合に、総電力量規制値を超過するかどうかの判定を行うことでも良い。
ステップS3が「Yes」の場合には、稼働しているIHコイル17Rの出力を下げるか、マイクロ波加熱の火力の何れかを下げる必要ある。次のステップS4では、統合制御装置MCは、誘導加熱の制御メニューと加熱工程から、その時の誘導加熱の調理の優先度を判定する。
この図42の例では、マイクロ波加熱が優先すると設定されている場合であるから、マイクロ波加熱の火力を削減しない。
ステップS5で、マイクロ波加熱が優先すると判定された場合、誘導加熱の電力消費量を減らすため、IH制御部90に対して、IHコイル17Rの目標火力を下げる制御を指令し、消費電力を一時的に下げる。このような制限を行うことをユーザーに報知する。報知動作は、統合表示部30と音声合成装置95によって行う。
そして、IH制御部90は、誘導加熱を低い火力に変更するようにインバーター回路81Rに指令する(L5)。
インバーター回路81R側での電力削減処理が終わると、IH制御部90は、入力電流検出部77aと出力電流検出部77bの電流値から、電力削減されたことを判別する。そして電力削減完了した旨を統合制御装置MCへ送信する(L6)。この送信を受けて、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱装置120に対して加熱動作開始の許可信号を送信する(L7)。
インバーター回路121Aには、上部ユニット100のインバーター回路81Rで使用している入力電流検出部77aや出力電流検出部77bのような、電流検出部(図示せず)がある。
そのため、マイクロ波加熱が終了した場合、インバーター回路121Aの電流検出値から、マイクロ波加熱制御部130は加熱動作終了したことを判別し、加熱動作を統合制御装置MCに特定の信号で通知する(L8)。また、マイクロ波加熱は、タイマー設定によってある時間だけ行われる場合もあり、その場合は、その時間経過をマイクロ波加熱制御部130が検知して、加熱動作終了したことを通知する(L8)。
統合制御装置MCはマイクロ波加熱が終了したあと、ユーザーが最初に希望した設定火力に復帰させるようにIH制御部90に対し、指令信号を出す(L9)。そして火力を最初の目標レベルまで上げて誘導加熱を継続させる(S10)
そして、設定した調理時間や目標温度に至った場合には、IH制御部90は、誘導加熱を終了させる。そして運転終了した旨を統合制御装置MCに報知する(L10)。
(誘導加熱調理の基本動作と冷却動作)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器1において、誘導加熱を行う場合の、各部分の基本動作について説明する。
入力操作部40において、誘導加熱調理の開始が指令されると、IH制御部90は、指定された加熱部に対応する誘導加熱回路94L、94Rに対して駆動指令を出し、IHコイル17L、17Rのインバーター回路81L、81Rを駆動する。
冷却ファン駆動回路62に対してIH制御部90から運転指令信号が出される。
インバーター回路81L、81Rの駆動開始と同時、又は少し遅れたタイミングで、前記第1冷却ファン60と、第2冷却ファン61の運転を開始する。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の送風能力は固定したものでなくとも良い。例えば、ヒートシンク82の温度センサーTS8と、統合表示部30の近傍の温度を検知する温度センサーTSの温度に応じて、弱運転から強運転の間で自動的に送風能力を変更しても良い。
一般的に冷却ファンを、弱運転から強運転に変更すると、ファンの風切り音が大きくなるため、ノイズとなる懸念がある。そこで、2つの温度センサーTS7、TS8による検出温度と、冷却ファン60、61の運転強度を、事前の送風試験等のデータから、対応表(データテーブル)にして決定しておき、この対応表をIH制御部90の記憶装置90Rに記憶させておく。そしてそのデータテーブルに従ってIH制御部90が、随時第1冷却ファン60と第2冷却ファン61の運転条件を、変更するようにしても良い。
なお、冷却ファン60、61の運転強度を決める対応表(データテーブル)は、IH制御部90の記憶装置90Rではなく、統合制御装置MCに格納していても良い。
第1冷却ファン60が運転されると、第1冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64から空気が吸引される。吹出口60Aから図24に太い矢印で示すように冷却風RF1が第1風路F1に押し込まれる。
第2冷却ファン61が運転されると、第2冷却ファン61の真下の位置にある通気孔64から空気が吸引される。吹出口61Aから図24に太い矢印で示すように冷却風RF2が第2風路F2に押し込まれる。
ここで、この実施の形態1の特徴の1つについて説明する。特に、インバーター回路基板80に対する冷却風の供給について、図24、図25、図27及び図28を参照しながら説明する。
第1冷却ファン60は、扁平な回転翼60Tが反時計回り方向RD1に回転する。すると、ファンケース60Cの内部に吸い込まれた外気は、図27に示すように旋回しながら吹出口60Aまで進み、吹出口60Aからインバーター回路基板80方向に吹き出される。
吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLの風速分布について説明する。
吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLの風速は、吹出口60Aの前後方向全域において均等ではない。ファンケース60C内部の最も外周側を旋回して来た冷却風が最も速度が大きく、内側に行くに従って速度は小さい。この様子を図27では3本の実線の矢印によって、模式的に示している。
図27に示しているように、吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLは、前記吹出線FL1方向に進むが、第1冷却ファン60の回転翼60Fの回転方向RD1と冷却風60FL自身の速度差により、前記ヒートシンク82側に向かうに従って図27に破線の矢印で示しているように、後方側に少しずつ向きを変える冷却風となる。
吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLの主成分は、前後2列になっているヒートシンク82の中心部に位置している仕切壁11の後面(背面)側に集中する。そして仕切壁11の後面で前方へ進むことを規制されながら右方向に進む。図27に、破線の矢印で示したものが、放熱フィン82FNの周囲を流れる冷却風RF1の流れである。
ヒートシンク82の前後と上方をトンネル状に囲むように、カバー70が設置されているので、吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLの主成分は、周囲に拡散するのではなく、仕切壁11より後方側にあるヒートシンク82の放熱フィン82FNの狭い空間に押し込まれる形となる。
なお、カバー70の左端部を通過したところから、前記第1風路F1が始まっているため、第1風路F1の入口F1に、吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLの主要部分が導入され、そのまま右側の出口FOまで冷却風RF1として直線的に運ばれる。
但し、吹出口60Aとカバー70の左端面との間は直接接続されておらず、空隙GP14や前方切り欠き部70Aがあるため、吹出口60Aから吹き出された直後の冷却風60FLの一部分は、第1風路F1の入口FIに至る前に後方に向きを変える。そして相対的に圧力の低い部分に流れる。そのため、後部の排気口板53Lの方向に流れる冷却風も発生する。
図25、図27及び図28を参照しながら、第2冷却ファン61からの冷却風の流れについて説明する。
扁平な回転翼61Tが反時計回り方向RD2に回転する。すると、ファンケース61Cの内部に吸い込まれた外気は、図27に示すように旋回しながら吹出口61A方向に進む。そして、吹出口61Aからインバーター基板80方向に吹き出される。
吹出口61Aから吹き出された直後の冷却風61FLの風速は、吹出口61Aの前後方向全域において均等ではない。ファンケース61C内部の最も外周側を旋回して来た冷却風が最も速度が大きく、内側に行くに従って速度は小さい。この様子を図27では3本の実線の矢印で示している。
図27に示しているように、吹出口61Aから吹き出された直後の冷却風61FLは、前記吹出線FL2方向に進むが、第1冷却ファン61の回転翼61Fの回転方向RD2と冷却風61FL自身の速度差により、前記ヒートシンク82側に向かうに従って図27に破線の矢印で示しているように、後方側に少しずつ向きを変える冷却風となる。
吹出口61Aから吹き出された直後の冷却風61FLの主成分は、前後2列になっているヒートシンク82の中心部に位置している仕切壁11の前面(正面)側に集中する。そして仕切壁11の前面で前方へ進むことを規制されながら右方向に進む。図27に、破線の矢印で示したものが、放熱フィン82FNの周囲を流れる冷却風RF2の流れである。
ヒートシンク82の前後と上方を、少し間隙を保ってトンネル状に囲むように、カバー70が設置されている。
そのため、吹出口61Aから吹き出された直後の冷却風61FLの主成分は、周囲に拡散するのではなく、仕切壁11より前方側にあるヒートシンク82の放熱フィン82FNの狭い空間に押し込まれる形となる。
なお、カバー70の左端部を通過したところから、前記第1風路F1が始まっているため、第1風路F1の入口FIに、吹出口61Aから吹き出された直後の冷却風61FLの主要部分が導入され、そのまま右側の出口FOまで冷却風RF2として直線的に運ばれる。
但し、吹出口61Aとカバー70の左端面との間は直接接続されておらず、空隙(図示せず)や前方切り欠き部70Aがあるため、吹出口61Aから吹き出された直後の冷却風61FLの一部分は、第1風路F1の入口FIに至る前に前方にも漏れる。そして相対的に圧力の低い部分に流れる。そのため、前方の入力操作部40の真下の空間方向に分岐した冷却風として流れ、冷却風RF2Aとなる(図25参照)。
第1冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64と、第2冷却ファン60の真下の位置にある通気孔64とは、上部ケース16の底面において隣接して個々に設けているが、多数の小孔群を設けて、その小孔群を共用しても良い。
インバーター回路基板80の上面には、ダイオード79c(図33参照)や、その他電気部品が実装されているが、それらは前記冷却風RF1、RF2により冷却される。
1つのIHコイル17Lには、2つのIGBT79a、79b(電力制御用スイッチング素子83)を使用している。また、もう1つのIHコイル17Lにも、同様に電力制御用スイッチング素子83を使用している。
それら2つの電力制御用スイッチング素子83は、誘導加熱動作時に発熱するが、前記冷却風RF1、RF2によって連続的に冷却される。
前記冷却風RF2Aは、入力操作部40に配置された入力操作を受ける各種スイッチ、液晶表示画面、表示部駆動回路63等の部品を冷却しながら、右側方向に進む。
図24に太い矢印で示すように、冷却風RF1は、カバー70の出口FOを出た段階で、上方に方向を変えるものがあるが、前方側から合流する冷却風RF2の勢いもあるため、冷却風RF3のようにカバー70の上を左側に反転して進行するものと、冷却風RF4に示すようにフィルター回路基板54の方向に進行するものに大きく分かれる。
冷却風RF3は、右側のIHコイル17Rの下方を流れて、その後左側のIHコイル17Lの真下まで流れる。この過程においてそれら2つのIHコイル17R、17Lを冷却する。一般にこの種のIHコイルは、誘導加熱動作時に250℃~300℃付近まで温度が上昇する。そこで、上記のように2つの冷却風RF1、RF2を合わせた冷却風RF3、RF4で冷却する。
図24、図25で説明したように、仕切板14よりも右側に進んだ冷却風RF4Rは、前記フィルター回路基板54を冷却しながら後方に進行し、排気窓52Bから排出される。なお、53Rは、排気板であり、多数の貫通孔53R1を形成している。
IHコイル17L、17Rを冷却した冷却風RF3も、最終的な排気口となる排気窓52Aの方向に向きを変えて進み、排気板53Lに多数設けた貫通孔53L1を通過し、排気窓52Aから排出される。
これによって上部ケース16内部を流れる冷却風RF3、RF4は、排気口20に到達する。そして排気カバー19から室内へ放出される。
前述したように、IHコイル17L、17Rやインバーター回路基板80等の部品群は、上部ユニット100の内部(IHコイル設置空間CK)において冷却すべき部品群である。これら部品群を冷却するための空間は、前記排気窓52A、52Bよりも手前の位置である。言い換えると、この排気窓52A、52Bよりも下流では、排気口20まで連通する空隙GP1が存在するが、この空隙GP1内部には、上記したような冷却すべき部品群は存在しないので、上部ユニット100の冷却空間とはなっていない。
(マイクロ波加熱調理時の基本動作)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器1において、マイクロ波加熱を行った場合の、各部分の基本動作について説明する。
前記主電源スイッチ97をONにした場合、上部ユニット100において実際に誘導加熱調理を実行していなくても、そのままマイクロ波調理を開始できる。しかし、主電源スイッチ97を一旦OFFにした場合には、マイクロ波加熱調理を開始するためには、最初に主電源スイッチ97を入れる必要がある。
安全上、前記主電源スイッチ97は、マイクロ波加熱、オーブン(加熱室113)加熱及び誘導加熱の何れかを使用が終了した最後のタイミングから、一定時間(例えば、30分)後に自動的にリセットされて開放される。または、トッププレート15や加熱室113等の温度が全て規定値以下に下がった場合に、主電源スイッチ97は、自動的に開放される。このような安全対策を採用している。
次に、ドア114を開けて、食品等の被調理物を加熱室113に入れ、ドア114を占めた後で、入力操作部40の中央操作部40Mにおいて、入力キー43MS(図20参照)によってマイクロ波加熱調理の開始が指令されると、統合制御装置MCは、マイクロ波加熱制御部130に対して駆動指令を出し、第3冷却ファン128、第4冷却ファン129の運転を開始させる。
マイクロ波加熱制御部130は、マグネトロン122のインバーター回路121Aを駆動して、発振部122Aからマイクロ波を放射させる。なお、ここでいうマイクロ波とは、2450MH±50MHzの電波のことである。
発生したマイクロ波は、導波管123からアンテナケース124の中に導かれる。アンテナ125の駆動用モータ126は、マイクロ波が発振されたタイミングで運転開始しているので、アンテナケース124の中に導入されたマイクロ波は、回転するアンテナ125と、回転軸126Aの作用により、加熱室113の内部に均等に伝搬させることができる。なお、この種のアンテナと回転軸126Aの作用は、例えば日本特許第4836965号及び特許第5674914号によって詳細に説明されているので、詳しい説明は省略する。
第3冷却ファン128が運転されると、下部ケース101の底板101Uに形成した吸気口F152Fから外気がケースA150の内部に吸引され、冷却風RF5となる。そして冷却風RF5は、最初にインバーター回路基板121を冷却し、当該回路基板に実装している各種電気部品を冷却する。
冷却風RF5は、次にケースA150の上下2個所に設けた連通口B138Bと連通口A138Aの中を通過し、連通口B138Bを通過した冷却風RF5は、温度センサー160の背面に当る。
温度センサー160は、右側仕切板166Aの取付孔の中に設置してある。温度センサー160の外殻ケースと取付孔の口縁との間には、数mm以下の微小な間隙が存在する。この間隙を、前記冷却風RF5が通過して、温度センサー160の検知窓161から加熱室113内部へ吹き出される。
一方、インバーター回路基板121を冷却した冷却風RF5の大部分は、連通口A138Aの方から通路172へ案内される。つまり、加熱室113の上方を覆っている上部ケース169と、仕切板171との間に形成された通路172へ案内される。この通路は、加熱室113の上方にある上部ヒータ163Aが300℃を超えるような高温になっても、その高熱を上部ユニット100側へ伝わらないようにする効果がある。
連通口A138Aから連通口173の位置を平面的に見ると、通路172を斜め後方に横切った位置に連通口173がある。つまり、最も遠い位置に連通口173がある。
このため、通路172の全体の空気は連通口173に案内され、連通口173を通過して後方に水平に伸びる排気ダクト102の中に導入される(図15参照)。
冷却風RF5は、排気ダクト102を出た段階で、下側から上昇してくる冷却風RF6と合流して、排気口20から室内へ放出される。
次に、第4冷却ファン129による冷却風RF6の流れについて説明する。
第4冷却ファン129が運転されると、図12と図13に示したように、下部ケース101の底板101Uに形成した吸気口B152Bから空気がケースA151の内部に吸引され、冷却風RF6となる。そして冷却風RF6は、最初にマグネトロン122の放熱部122Hを冷却し、当該放熱部122Hを通過してダクト153の中に至る。
冷却風RF6は、次にダクト153から加熱室113の右側に隣接している空隙GP5Rに入り、前方側へ進む。そして図17に示したように導入口201から加熱室113の中に導入される。
前記導入口201は、加熱室113の開口113Aに近い位置にあるため、冷却風RF6の一部は、ドア114の内側にも到達し、シール板196の加熱室113側に生ずる曇りを解消させる。
加熱室113の中に導入された冷却風RF6は、加熱室113の内部で食品等の被加熱物から発生する水蒸気や煙等を排出する目的がある。具体的には、冷却風RF6は、図15に示しているように加熱室113の前部から後方に移動し、最終的には後部の天井部に形成された連通口174に至る。
冷却風RF6は、連通口174から後方に水平に伸びる排気ダクト102の中に導入される。そして冷却風RF6は、排気ダクト102を出た段階で、冷却風RF5の上昇気流に誘引されるように合流して、排気口20から室内へ放出される。
冷却風RF5と冷却風RF6の最初の風量が同等であった場合でも、この実施の形態1のような経路の違いによって、冷却風RF5の方がダクト102から放出される際、風速が早い。そのため、下方から放出された冷却風RF6を誘引する作用がある。
冷却風RF5、RF6を排気ダクト102から強制的に放出するため、排気ダクト102の途中に排気ファンを設けても良い。この実施の形態1では、そのような排気ファンを省略しているので、コスト的に安価で実現でき、また上部ユニット100内部への部品配置を考える上で有利である。
次に図44について説明する。
図44は、加熱調理器1の4つの冷却ファンと、加熱調理の種類との対応関係を示す一覧表である。
この図44から明らかなように、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、誘導加熱調理の場合に運転される。また、マイクロ波加熱調理とオーブン加熱調理の場合にも運転される。
一方、第3冷却ファン128は、マイクロ波加熱調理とオーブン加熱調理の場合に、それぞれ運転される。
一方、第4冷却ファン129は、オーブン加熱調理の場合だけ運転される。
次に図45について説明する。
この図45は、連携調理モードKM3を使用し、調理メニューとして「ハンバーグ」を選択して調理を行った場合を示している。
誘導加熱源9による予熱工程、誘導加熱源9による調理工程1、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189を使用した調理工程2の、3段階で調理を行う場合の例である。
この図45は、前記した異常検知部1(EM1)で検知できる主な異常の内、前記した異常1~異常3の少なくとも何れか1つを検知した場合である。なお、異常4(第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転数が、制御指令内容に合致していない場合)については、この図45には示していない。
予熱工程:上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、誘導加熱源9やマイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188、及び第1~第4冷却ファン60、61、128、129は、図45に示しているように制御される。
すなわち、即時に誘導加熱源9の駆動は停止する。また第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、後で説明するように誘導加熱源9の駆動停止時点から、放熱運転の時間「Th1」、「Th2」だけ運転される。
第3冷却ファン128と第4冷却ファン129は、予熱工程では最初から運転されていないので、何も影響受けない。
調理工程1:上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、加熱動作中の誘導加熱源9は、即時停止される。また第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、後で説明するように誘導加熱源9の駆動停止時点から、放熱運転の時間「Th1」、「Th2」だけ運転される。
第3冷却ファン128と第4冷却ファン129は、予熱工程では最初から運転されていないので、何も影響受けない。
調理工程2:調理工程2は、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の両方が使用される。オーブン加熱源188が駆動されると同時に第3冷却ファン128の運転が開始される。
また、マイクロ波加熱源189が駆動されると、第3冷却ファン128の運転に加えて、同時に第4冷却ファン129の運転が開始される(図44参照)。
上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、加熱動作中のオーブン加熱源188は、即時停止される。またマイクロ波加熱源189が駆動中であれば、それも即時停止される。
第3冷却ファン128と第4冷却ファン129が運転されていた場合には、後で説明するように、放熱運転の時間「Tm1」、「Tm2」、「To1」、「To2」だけ運転される。
なお、図45に示すように、第4冷却ファン129が運転されていない期間中に、上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが検知された場合には、最初から運転されていないので、第4冷却ファン129は、何も影響受けない。
上記のように、予熱工程、調理工程1及び調理工程2の何れの段階でも、上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、統合制御部MCは、連携調理モードKM3の運転(図45では、調理メニューは「ハンバーグ」)を、即時取り消す。
この「取り消し」の効果は、入力キー43MTを押して連携調理モードKM3自体を解除した効果と同じである。
従って、この取り消しによって、使用する加熱源の「占用」は無くなる。なお、「占用」については、後で図62~図64を参照しながら詳しく説明する。
次に図46について説明する。
この図46は、連携調理モードKM3を使用し、調理メニューとして「からあげ」を選択して調理を行った場合を示している。
誘導加熱源9による予熱工程を開始し、その予熱工程に通電を行っている期間中に、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189を使用した調理工程1を開始する。つまり、予熱工程と調理工程1が時間的に重複する。
調理工程2は、予熱工程で高温になった被加熱物Nに、トッププレート15の上方で、誘導加熱源9によって被調理物Nを更に加熱して、調理を行う場合の例である。
この図46は、図45と同様に、前記した異常1~異常3の少なくとも何れか1つを検知した場合である。なお、異常4(第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転数が、制御指令内容に合致していない場合)については、この図46には示していない。
次に図46について説明する。
誘導加熱源9による予熱工程、誘導加熱源9による調理工程1、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189を使用した調理工程2の、3種類で調理を行う場合の例である。予熱工程と調理工程1が時間的に重複する点で、図45の調理モードとは異なる。
この図46は、前記した異常検知部1(EM1)で検知できる主な異常の内、前記した異常1~異常3の少なくとも何れか1つを検知した場合である。なお、異常4(第1冷却ファン60、第2冷却ファン61の回転数が、制御指令内容に合致していない場合)については、この図46には示していない。
予熱工程:誘導加熱源9が最初に通電開始され、被加熱物Nの予熱を開始する。
上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、誘導加熱源9の駆動は即時停止される。また第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、後で説明するように誘導加熱源9の駆動停止時点から、放熱運転の時間「Th1」、「Th2」だけ運転される。
第3冷却ファン128と第4冷却ファン129は、予熱工程では最初から運転されていないので、何も影響受けない。
この予熱工程で、上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、統合制御部MCは、連携調理モードKM3の運転(図46では、調理メニューは「からあげ」)を、即時取り消す。
調理工程1:上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、加熱動作中のオーブン加熱源188は、即時停止される。また第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、後で説明するように誘導加熱源9の駆動停止時点から、放熱運転の時間「Th1」、「Th2」だけ運転される。
オーブン加熱源188の駆動と同時に運転が開始されていた第3冷却ファン128は、、後で説明するようにオーブン加熱源189の駆動停止時点から、放熱運転の時間「Tо1」だけ運転される。
また、第4冷却ファン129は、最初から運転されていないので、何も影響受けない。
一方、マイクロ波加熱源189が駆動されると、第3冷却ファン128の運転に加えて、同時に第4冷却ファン129の運転が開始される(図44参照)。
上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、加熱動作中のマイクロ波加熱源189は、即時停止される。
第3冷却ファン128と第4冷却ファン129が運転されていた場合には、後で説明するように、放熱運転の時間「Tm1」、「Tm2」、「To1」、「To2」だけ運転される。
調理工程2:調理工程2は、誘導加熱源9が使用される。そのため、誘導加熱源9が駆動されると同時に第1、第2冷却ファン60、61の運転が開始される。
上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、誘導加熱源9は、即時停止される。
第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、後で説明するように誘導加熱源9の駆動停止時点から、放熱運転の時間「Th1」、「Th2」だけ運転される。
この調理工程2の段階でも、上記した「異常1」~「異常3」の、少なくとも何れか1つが異常検知部1(EM1)で検知された場合、統合制御部MCは、連携調理モードKM3の運転(図46では、調理メニューは「からあげ」)を、即時取り消す。
上記のような予熱工程、調理工程1及び調理工程2における、連携調理モードの「取り消し」の効果は、入力キー43MTを押して連携調理モードKM3自体を解除した効果と同じである。
従って、この取り消しによって、使用する加熱源の「占用」は無くなる。
次に図47について説明する。
図47は、加熱調理器1の加熱調理動作中、特に異常検知部EMによって異常が検知された以後の統合制御装置MCの動作を説明するものである。
前記異常検知部EMは、図39で説明したステップMS1のような、実際の加熱動作開始前の異常検知は対象としていない。従って、実際に加熱動作が開始された以降の、調理工程における物理的(電気的、機械的等)な異常を検知するものである。
図47において、ステップS20~S33が、統合制御装置MCの動作を示したものである。
説明を簡単にするため、異常検知部EMが、前記した異常1~異常3の内、異常1を検知した場合について説明する。
異常1とは、トッププレート15の上で、被加熱物Nの中に収容していた水や調理液が、沸騰して吹き零れが発生して異常検知された場合である。
トッププレート15の上で誘導加熱によって被加熱物Nから液体が溢れ出たことを検知すると、統合制御装置MCが異常発生信号を受信する(ステップS20で「Yes」判定)。つまり、トッププレート15の上面に吹き零れた液体が流れ、その液体の範囲が入力操作部40の上面まで到達すると、入力操作部40の誤動作を招く懸念がある。
次のステップS21では、動作中の誘導加熱源9の例えば左加熱部17HLに対応するIHコイル17Lの加熱を止めるため、インバーター回路81Lの駆動を停止する。また、統合表示部30において異常発生で停止したことを表示する。なお、この場合、左側表示部31Lにおいても同様な表示を行うと良い。
次のステップS22では、誘導加熱源9以外の加熱源が駆動されているかどうかを判定し、「No」の場合には、ステップS23に進み、2つの冷却ファン60、61の運転停止処理を行う。なお、この運転停止処理とは、前記ステップS21の直後に直ちに冷却ファン60、61を停止するというものではない。この点については、図48と図49において詳しく説明する。
ステップS22で、誘導加熱源9以外の加熱源が駆動されているという判定をした場合には、ステップS24に進む。
ステップS24では、マイクロ波加熱源129による調理工程が実行されているかどうかを判定する。
ステップS24では、マイクロ波加熱源189による調理工程が実行されていると判定した場合、ステップS25に進む。
ステップS25では、マイクロ波加熱源189による調理工程が終了したかどうかを、一定の短時間(数秒未満)の間隔で繰り返し判定する。
マイクロ波加熱源189による調理工程が終了したと判定すると、マグネトロン122の駆動を停止させた後で、ステップS26に進む。
ステップS26では、オーブン加熱源188による調理工程の有無を判定する。
ステップS26では、オーブン加熱源188の調理工程がある、「No」の判定になり、ステップS30に進む。
一方、ステップS26が「Yes」の判定であった場合、ステップS27に進む。
ステップS27では、マイクロ波加熱源189による調理工程が終了したことを統合表示部30において表示する。
次のステップS28では、マグネトロン122の放熱部122Hを、冷却風RF6によって冷却していた第4冷却ファン129の運転停止処理を行う。なお、冷却風RF6は、導入口201から加熱室113の中に導入されていたが、この冷却風の供給が停止する。
前記ステップS28の「運転停止処理」とは、前記ステップS27の判定直後に直ちに当該冷却ファン129を停止するというものではない。この点については、図48と図49において詳しく説明する。
一方、前記ステップS24において「No」の判定であった場合はステップS30に進む。
また、前記ステップS26において「No」の判定であった場合も、ステップS30に進む。
ステップS30では、オーブン加熱源188の調理工程が終了しているかどうかを、短時間(数秒未満)の間隔で繰り返し判定する。
オーブン加熱源188の通電が停止され、調理工程が終了した場合には「Yes」判定となり、ステップS31に進む。
ステップS31では、オーブン加熱源188による調理工程が終了したことを統合表示部30において表示する。
次のステップS32では、マグネトロン122の放熱部122Hを、冷却風RF6によって冷却していた第4冷却ファン129の運転停止処理を行う。なお、この運転停止処理とは、前記ステップS31の判定直後に直ちに当該冷却ファン129を停止するというものではない。この点については、図48と図49において詳しく説明する。
また、冷却風RF5を温度センサー160周辺に供給していた第3冷却ファン128の運転停止処理を行う。なお、この運転停止処理とは、前記ステップS31の判定直後に直ちに当該冷却ファン128を停止するというものではない。この点については、図48と図49において詳しく説明する。
前記ステップS23、S28、S32、S33によって各冷却ファン60、61、128、129の運転停止処理を終え、冷却ファンが停止した時点でステップS29に示す運転履歴情報の記録が行われる。つまり、ステップS20以降の一連の動作内容が、記憶装置MMの内部に用意された運転履歴記憶域に記憶され、以後に制御に利用される。また、ユーザーや保守点検専門業者等の異常確認等に利用される。
次に、図48について説明する。
図48は、加熱調理器1で連携調理した場合における、第1~第4の冷却ファンの運転開始と終了のタイミングを示すタイムチャートである。
図48に示すように、第1~第4の冷却ファン60、61、128、129の運転開始は、基本的には加熱調理の開始時と同じタイミングである。
図48に示す実線の矢印は、運転開始から終了までの期間を示し、その実線に続いている破線の矢印は、以下説明する放熱のための追加運転時間を示すものである。なお、各冷却ファン60、61、128,129は、実際には、実線矢印の終わりで、一旦運転を停止することはなく、そのまま追加運転時間だけ運転が継続される。
この実施の形態1では、各冷却ファン60、61、128,129について、運転の開始から終了までの時間を次のように規定している。
第1冷却ファン60:誘導加熱動作が開始されたタイミングで運転開始される。また、マイクロ波加熱調理及びオーブン加熱調理の開始のタイミングでも運転が開始される。単独調理モードKM1では、その調理モードが終了した時刻を基準として最長10分間だけ「放熱運転」する。これはトッププレート15等の高熱部を冷却するためのである。誘導加熱時間の長さと、使用された最大火力(インバーター回路の消費電力)の大きさの「積」で決まる数値の大きさに応じて、「放熱運転の時間Th1」が、3分間、5分間、10分間の3段階の何れか1つが選定される。これはIH制御部90によって行われる。
第1冷却ファン60は、誘導加熱源9が使用される「連携調理モード」KM3では、誘導加熱源9の運転停止よりも最も後に加熱動作が終了した加熱源がある場合には、当該加熱源の加熱動作が終了した時刻を基準として最長10分間又はトッププレート15の温度が基準温度よりも下がった時点まで「放熱運転」する。連携調理モードKM3の場合、統合制御装置MCによって運転が制御される。
図48では、第1冷却ファン60の「放熱運転の時間」は、符号Th1で示している。
第2冷却ファン61:第1冷却ファン60の運転に同期して「放熱運転の時間Th2」が決定される。これはIH制御部90からの運転開始指令と運転終了指令によって行われる。なお、運転開始は、第1冷却ファン60と同じタイミングである。連携調理モードKM3の場合、統合制御装置MCによって運転が制御される。
第4冷却ファン129:
(1)マイクロ波加熱調理の場合:マイクロ波加熱動作が終了した時刻を基準として3分間だけ「放熱運転」する。つまり、この「放熱運転の時間Tm2」は、3分間で固定されている。これはマイクロ波加熱制御部130によって行われる。
(2)オーブン加熱調理の場合:運転されない。
第3冷却ファン128:
(1)マイクロ波加熱調理の場合:「放熱運転の時間Tm1」は、第4冷却ファン129の「放熱運転の時間Tm2」と同じである。また、運転開始と終了の制御は、第4冷却ファン129と同じく、マイクロ波加熱制御部130によって行われる。
(2)オーブン加熱調理の場合:上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの何れか一方又は両方による動作が終了した直後から、加熱室113の温度を計測し、加熱室113の壁面温度が一定温度以下に下がるまで運転される。つまり、このような条件で「放熱運転の時間Tо1」が決まる。
温度の計測は、赤外線を利用して非接触で計測する温度センサー160と、接触式の温度センサーTS10(図15、図30参照)によって行われる。温度計測データは、非接触温度計測部158と加熱室制御部159と、に対してそれぞれ送信される。最終的には、統合制御装置MCまで温度計測データは送信され、第3冷却ファン128への運転終了指令が出るまで、当該第3の冷却ファン128は運転を継続する。
図48に示したように、オーブン加熱調理の場合には、第3冷却ファン128の「放熱運転の時間To1」が重要である。
オーブン加熱調理では、加熱室113全体は高温(例えば200℃)になる。従って、このような加熱室113を冷却するには時間を要する。
仮に、加熱室113の温度を下げておかないと、次に直ぐにマイクロ波加熱調理をする場合、最初から加熱室113が高い場面が想定される。
加熱室113の温度が高すぎると、マイクロ波加熱源189を使用して、「あたため」の調理はできないことになる。なぜならば、当該「あたため」の制御メニューは、食品が加熱されて、例えば80℃(デフォルト値)になった時点で自動的にマイクロ波の照射が停止する制御を採用しているからである。そのため、ユーザーの混乱を招かないようにするためには、例えば最初から加熱室113が80℃以上の温度になっている場合、エラー処理にして、加熱調理を受け付けないようにする必要がある。
この実施の形態1では、実施の形態1の制御メニューと、前記第1~第4の冷却ファン60、61、128、129の運転時間(期間)との関係を、以下のように設定している。
すなわち、1つの制御メニューの制御プログラムの中には、上述したような「放熱運転の時間Th1」、「放熱運転の時間Th2」、「放熱運転の時間To1」等の時間も、含まれている。つまり、第1冷却ファン60~第4冷却ファン129までの運転時間も、IH制御部90や、加熱室制御部159、統合制御装置MCによって制御されるようにしている。
このため、1つの制御メニューを設定すると、その制御メニューに応じて、加熱動作終了後の放熱運転が終わるまでの一連の制御動作が確定する。逆に言えば、1つの制御メニューが終了するのは、関係する第1冷却ファン60~第4冷却ファン129の運転終了した時点である。そのため、誘導加熱源9については、1つの制御メニューの実行期間を示す矢印は、連携調理モードKM3の場合、図48に示すようにオーブン加熱源188の(制御メニューの実行期間よりも)後まで長い期間となっている。
以上の説明では、加熱調理時の冷却ファン60、61、128,129の送風量(送風能力)が一定であるとの前提で説明したが、加熱調理時は送風量を大きくし、放熱運転の際には送風量を小さくすること等の変更を行っても良い。また、下部ユニット200や上部ユニット100の内部の温度が高い時よりも、低い場合には送風量を小さくするような能力可変運転をしても良い。
なお、図48では、マイクロ波加熱源189が駆動した時点よりも遅い時点まで誘導加熱源9が駆動(通電)されているように描いているが、これは誘導加熱源9によって被加熱物N、例えばフライパンを予熱温度(例えば180℃)まで加熱し(予熱工程)、高温になった当該フライパンで被調理物を少し加熱し(調理工程1)、その後、被調理物を加熱室113に移してマイクロ波加熱した事例であり、必ずしも、マイクロ波加熱を開始する以前に、誘導加熱源9を停止させる必要がないためである。
また、図48では、オーブン加熱調理時に、第4冷却ファン129の運転期間が破線で示してある通り、第4冷却ファン129を運転しても良い。
その(オーブン加熱調理の)場合、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの何れか一方又は両方による動作が終了した直後から、加熱室113の温度を計測し、加熱室113の壁面温度が一定温度以下に下がるまで運転される。つまり、「放熱運転の時間To2」は、その時々に変化させても良い。又は、前記第3冷却ファン128の「放熱運転の時間To1」に合わせても良い。
次に、図49について説明する。
図49は、加熱調理器1で、複数の加熱源を同時に駆動した場合における、第1~第4の冷却ファンの運転開始と終了のタイミングを示すタイムチャートである。
図49は、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189の両方を同時に駆動している調理工程の途中で、異常検知部EMが異常を検知したため、統合制御装置MCが「異常処理モードA」を実行した場合のタイムチャートである。
誘導加熱源9が、図49に示すように加熱動作を終了すると、図48で説明したように、第1冷却ファン60は、加熱動作を終了した時刻を基準として最長10分間だけ「放熱運転」する。具体的には、前述したように「放熱運転の時間Th1」が、3分間、5分間、又は10分間の内から1つだけ選定される(これはIH制御部90によって行われる)。
第2冷却ファン61についても、第1冷却ファン60と同じ「放熱運転の時間Th2」だけ運転される。
一方、第3冷却ファン128は、マイクロ波加熱源189の駆動を終了したあと、「放熱運転の時間Tm1」だけ運転される。
また、第4冷却ファン129は、マイクロ波加熱源189の駆動が終了した時刻を基準として、図46で説明したように「放熱運転の時間Tm2」だけ運転される。なお、この「放熱運転の時間Tm2」は、3分間で固定されている。
異常検知部EMが、例えば、トッププレート15の上で「異常1」(例えば、被加熱物Nからの吹き零れ)を検知した場合、異常検知信号を統合制御装置MC受けると、直ちに上部空間300Aの内部に配置された誘導加熱源9の運転を停止する。例えば、左加熱部17HLで誘導加熱していた場合には、IH制御部90による左加熱部17HL専用のインバーター回路81L(図30参照)の駆動を停止させる。なお、前記「異常2」と「異常3」についても同じである。
図49において、ET1は、誘導加熱源9の加熱動作を緊急停止したタイミングを示している。
一方、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、図49に示したET2のタイミングまでは、前記異常発生前と同じ条件(送風量)で運転が継続される。
図49に示しているように、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、マイクロ波加熱源189の駆動中は、前記異常発生前と同じ条件(送風量)で運転が継続される。
そして、マイクロ波加熱源189の駆動が終了した時刻を基準として、「放熱運転の時間Th3」と「放熱運転の時間Th4」だけ運転される。
前記「放熱運転の時間Th3」は、「放熱運転の時間Th1」に対応したものである。 また、前記「放熱運転の時間Th4」は、「放熱運転の時間Th2」に対応したものである。
「放熱運転の時間Th3」と「放熱運転の時間Th4」は、マイクロ波加熱源189が加熱動作を終了した時刻を基準として最長10分間と規定されている。この時間の決定は、マイクロ波加熱制御部130の運転情報を統合制御装置MCが把握し、この統合制御装置MCからの運転情報に基づいて、IH制御部90が、3分間、5分間、又は10分間の内から1つだけ選定する。
以上のように、誘導加熱調理とマイクロ波加熱調理を同時に行っている段階で、突然異常検知部EMが異常を検知して誘導加熱源9のインバーター回路81L、81R等の駆動源を緊急停止した場合でも、上部空間300Aの内部を冷却している第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、図49で説明したように、少なくともマイクロ波加熱源189の駆動が終了するまでの期間中は、前記異常発生前と同じ条件(送風量)で運転が継続される。
このため、誘導加熱源9のヒートシンク82だけではなく、加熱調理器1全体の制御を司る統合制御装置MCや、各加熱源に関係する重要な構成部品である電源回路基板55、フィルター回路基板54等の冷却効果も何ら影響を受けない。従って、これら各部品の過熱や品質低下等の不具合発生を防止することができる。
次に、図50について説明する。
図50は、加熱調理器1で、複数の加熱源を同時に駆動した場合における、第1~第4の冷却ファンの運転開始と終了のタイミングを示すタイムチャートである。
図50は、誘導加熱源9とオーブン加熱源188の両方を同時に駆動している調理工程の途中で、異常検知部EMが異常を検知したため、統合制御装置MCが「異常処理モードB」を実行した場合のタイムチャートである。
誘導加熱源9が、図50に示すように加熱動作を終了すると、図48で説明したように、第1冷却ファン60は、加熱動作を終了した時刻を基準として最長10分間だけ「放熱運転」する。具体的には、前述したように「放熱運転の時間Th1」が、3分間、5分間、又は10分間の内から1つだけ選定される(これはIH制御部90によって行われる)。
第2冷却ファン61についても、第1冷却ファン60と同じ「放熱運転の時間Th2」だけ運転される。
一方、第3冷却ファン128は、加熱室113の温度を計測し、加熱室113の壁面温度が一定温度以下に下がるまで運転される。つまり、このような条件で「放熱運転の時間Tо1」が決まる。
異常検知部EMが、例えば、トッププレート15の上で被加熱物Nからの吹き零れを検知した場合、図49で説明したように、直ちに上部空間300Aの内部に配置された誘導加熱源9の運転は停止される。
図50において、ET1は、誘導加熱源9の加熱動作を緊急停止したタイミングを示している。
一方、このように、誘導加熱源9の加熱動作が緊急停止された時点では、まだオーブン加熱源188の調理工程が終わっていない場合には、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、図48に示したET3のタイミングまでは、前記異常発生前と同じ条件(送風量)で運転が継続される。
図50に示しているように、第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、オーブン加熱源188の駆動中は、前記異常発生前と同じ条件(送風量)で運転が継続される。
そして、オーブン加熱源188の駆動が終了した時刻を基準として、「放熱運転の時間Th5」と「放熱運転の時間Th6」だけ運転される。
前記「放熱運転の時間Th5」は、「放熱運転の時間Th1」に対応したものである。 また、前記「放熱運転の時間Th6」は、「放熱運転の時間Th2」に対応したものである。
「放熱運転の時間Th5」と「放熱運転の時間Th6」は、オーブン加熱源188が加熱動作を終了した時刻を基準として最長10分間と規定されている。この時間の決定は、加熱室制御部159の運転情報を統合制御装置MCが把握し、この統合制御装置MCからの運転情報に基づいて、IH制御部90が、3分間、5分間、又は10分間の内から1つだけ選定する。
なお、オーブン加熱源188単独での調理の場合には、第4冷却ファン129は運転しないが、図49に示したように運転しても良い。この場合の「放熱運転の時間To2」は、加熱室113の壁面温度が一定温度以下に下がるまでの時間である。つまり、その時々に変化させても良い。又は、前記第3冷却ファン128の「放熱運転の時間To1」に合わせても良い。
以上のように、誘導加熱調理とオーブン加熱調理を同時に行っている段階で、突然異常検知部EMが異常を検知して上部ヒーター163Aと下部ヒーター163Bへの通電を緊急停止した場合でも、上部空間300Aの内部を冷却している第1冷却ファン60と第2冷却ファン61は、図50で説明したように、少なくともオーブン加熱源188の駆動が終了するまでの期間中は、前記異常発生前と同じ条件(送風量)で運転が継続される。
このため、誘導加熱源9のヒートシンク82だけではなく、加熱調理器1全体の制御を司る統合制御装置MCや、各加熱源に関係する重要な構成部品である電源回路基板55、フィルター回路基板54等の冷却効果も何ら影響を受けない。従って、これら各部品の過熱や品質低下等の不具合発生を防止することができる。
前記放熱運転の時間(Th1、Tm1、Tо1、Th2等)は、主電源スイッチ97の操作ボタン(キー)98を押してユーザーが主電源を切る操作をしても保証される。つまり、統合制御装置MCは、上記のような放熱運転を終了してから自己の電源回路を切断するような制御プログラムになっている。
(オーブン加熱調理時の基本動作)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器1において、オーブン加熱装置140の基本動作について説明する。
前記主電源スイッチ97をONにした場合、統合制御装置MCは、何らかの調理が開始されるものと推定して予備起動する。このため、上部ユニット100において実際に誘導加熱調理やマイクロ波加熱調理を実行していなくても、そのままオーブン加熱調理を開始できる。しかし、主電源スイッチ97を一旦OFFにした場合には、オーブン加熱調理を開始するためには、最初に主電源スイッチ97を入れる必要がある。
なお、この主電源スイッチ97を再度押せば、スイッチOFFとなるため、実行中の加熱調理は全て一括して停止することになる(但し、後述する冷却ファン60、61、128、129は、即時運転停止することはなく、後述するように、一定の条件を満たすまで放熱運転される)。
次に、ドア114を開けて、食品等の被調理物を加熱室113に入れ、その後入力操作部40の中央操作部40Mにおいて、加熱室113を使用した調理の制御メニューを選択する。例えば、魚や肉を焼き上げる調理の場合には、加熱時間や火力を設定する。但し、自動的に焼き上げる制御メニューを選択した場合には、火力は加熱室制御部159によって自動で設定される。なお、この制御メニューを選択することについては、この後で説明する。
加熱室制御部159は、統合制御装置MCからの指令信号を受けて、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの通電の有無、通電の時間帯、通電パターン(間欠加熱)、火力等を制御する。
温度センサーTS2は、加熱室113の中の温度を赤外線信号で検知し、検知温度データを温度計測部158経由で、前記加熱室制御部159に送信する。加熱室制御部159は、目標温度と検出された温度との差を見て、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの双方、又は何れか一方の通電を制御する(フィードバック制御)。なお、前記温度センサーTS2は、「第2の温度センサー」と呼ぶ場合がある。
また、タイマー調理の制御方法が中央操作部40Mで入力された場合、設定時間だけ上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの双方、又は何れか一方の通電が行われる。つまり、加熱室制御部159は、温度センサーTS2の検知温度データに従って、通電時間を制限しない。
ドア114を閉めた後で、入力操作部40の中央操作部40M(入力キー43MS)において、オーブン(加熱室113)加熱調理の開始が指令されると、統合制御装置MCは、加熱室制御部159に対して駆動指令を出し、第3冷却ファン128の運転を開始する。なお、加熱室制御部159から直接第3冷却ファン128に駆動指令信号を出すようにしても良い。
第3冷却ファン128が運転されると、下部ケース101の底板101Uに形成した吸気口F152Fから空気がケースA150の内部に吸引される。しかし、マイクロ波加熱調理の場合と異なり、インバーター回路基板121の発熱はない。そのため冷却風RF5は、インバーター回路121基板を冷却することなく、連通口B138Bと連通口A138Aの中に、それぞれ入る。
そして、連通口A138Aの中を通過した冷却風RF5は、温度センサー160の外殻ケースと取付孔の口縁との間の間隙から検知窓161を経て、加熱室113内部へ吹き出される。
連通口A138Aを通過した冷却風RF5は、通路172へ案内される。そして、上部ケース169を冷却しながら連通口173に至り、その後は排気ダクト102の中に導入される(図15参照)。
一方、第4冷却ファン129は、オーブン加熱調理の場合は最初から運転されない(図44参照)。仮に運転した場合には、冷却風RF6は、マグネトロン122の放熱部122Hを通過し、ダクト153の中に至る。しかし、マグネトロン122は駆動されていないので、発熱していない。そのため、冷却風RF6は殆ど温度上昇せずに空隙GP5Rに入る(図16、17参照)。
そして冷却風RF6は、図17に示したように導入口201から加熱室113の中に導入される。そのため、ドア114の内側部分に冷却風RF6が到達する。
加熱室113の中においた食品等の被調理物は、上部ヒータ163A又は下部ヒータ163Bの輻射熱により水蒸気や油煙等を発生する場合がある。そのような水蒸気、油煙等は、図15に示しているように加熱室113の前部から後方に移動する冷却風RF6によって連通口174まで運ばれる。
その後、冷却風RF6は、連通口174から後方に水平に伸びる排気ダクト102の中に導入される。そして、冷却風RF6は排気ダクト102を出た段階で、上方へ上昇していく冷却風RF5に誘引されながら、排気口20を通過して室内へ放出される(図15参照)。
以上説明した実施の形態1では、主電源スイッチ97をONにしたあと、統合制御装置MCが、ある段階まで加熱調理器1の全体の状況を制御し、その後、仮に左操作部40L又は右操作部40Rが操作された場合には、以後の誘導加熱制御をIH制御部90に委ねていた。しかしながら、統合制御装置MCが制御する範囲を、IH制御部90との間で変更しても良い。
また、同様に統合制御装置MCが制御する範囲を、加熱室制御部159やマイクロ波加熱制御部130との間で変更しても良い。
例えば、誘導加熱、マイクロ波加熱又はオーブン(加熱室)加熱の何れかの制御メニューの選択がされた以後は、IH制御部90、加熱室制御部159又はマイクロ波加熱制御部130の何れかで基本的に加熱に関する制御動作をすることでも良い。
その場合、入力操作部40にて新たな入力が行われた場合(加熱停止を含む)には、一旦は統合制御装置MCにて制御するが、入力が行われない場合には、そのままIH制御部90、加熱室制御部159又はマイクロ波加熱制御部130の何れかで調理を実行させることで良い。
(IH制御部90による揚げ物調理時の制御)
IH制御部90の具体的な制御動作例について、図51を参照して以下説明する。
図51は、加熱調理器1において、誘導加熱源9を使用した単独調理モードの1種である揚げ物調理(自動)を行った場合の、IH制御部90の動作を説明したフローチャートである。
左操作部40L又は右操作部40Rを操作して誘導加熱調理の制御メニューで、「揚げ物(自動調理)」が選択された場合、被加熱物(金属製の鍋)Nの中に入れた食用油の温度は、温度検出回路93によって監視され、自動的にIHコイル17L、17Rの火力は制御される。
揚げ物調理(自動)の制御メニューをユーザーが選択すると、IH制御部90は、図51に示すように、予熱工程、揚げ物調理工程、火力アップ工程を順次実行する。
また前記統合表示部30の表示画面30Dには、必要な情報、参考情報(例えば、予熱に要する予想時間など)を示す情報が文字や図形等で現れる。また電力制御部72によって電力が制限(抑制)されない優先調理である旨も、表示される。
このため、この揚げ物調理中には、マイクロ波加熱やオーブン加熱の使用があっても、電力が優先的に確保されることを、ユーザーは認識できる。
予熱工程では、ユーザーが設定した目標の油温度が180℃である場合、予熱工程では所定の火力値(最大1500W)で、インバーター回路81R(又は81L)が駆動開始され、急速に油の温度は室温(例えば20℃)から目標温度T1の180℃まで上昇する。
この温度上昇は、前記した温度検出回路93によってリアルタイムで監視されているので、目標温度T1(第1の温度)の180℃になったことが温度検出回路93によって検出されると、IH制御部90は、誘導加熱量、つまりインバーター出力を調節して、目標温度をそのまま維持しようとする(このような温度検出情報に基づいて、目標温度に近づけようと高周波火力を自動的に調節する制御動作を以下、「温度フィードバック制御」という)。
その後、統合制御装置MCへ表示指令を出し、音声合成装置95を介してユーザーに「油の温度が適温になりました。具材を投入してください」というような音声ガイドを行う。
ユーザーが具材、例えば冷凍されていたコロッケを食用油の中に入れると、この時点から調理工程1が始まる。
その食用油は冷たい具材(コロッケ)によってその投入時点から急速に冷やされるので、図51に示すように温度が急降下する。しかし、温度検出回路93はこのような温度降下の動きを監視しているので、直ちにインバーター回路81R(81L)の火力を所定の火力1500W又は1800Wに上げて駆動するので、油の温度は再び上昇する(温度フィードバック制御)。このようにしてして再び目標温度T1に至った段階で直ちに(または所定時間経過したら)揚げ物工程から火力アップ工程に移行する。
火力アップ工程では、前記目標温度T1よりも高い第2の温度T2の225℃と、これより更に高い上限温度(第3の温度)T3の230℃間に油の温度が維持されるように制御装置90はインバーター回路81R(81L)を制御する。
図51に示すように、火力値は900W程度で間欠駆動される。
第1の温度T1になった以降の工程を「揚げ物仕上げ工程」と呼び、揚げ物をカラッと仕上げるために重要な工程である。このような火力アップ工程で十分な火力を投入して調理しないと、揚げ物がうまくできないことになる。なお、揚げ物工程は所定の時間内に制限されていないので、ユーザーが入力キー43R1(又は入力キー43L1)を押下すれば、揚げ物調理は全て終了する。
図51に示すように(自動)揚げ物調理の制御メニューにおいて、前記揚げ物調理工程から火力アップ工程までを「優先制御メニューの実行時間帯」と定義しており、この実行時間帯には、他の加熱源の開始や運転条件変更によって、電力の削減が行われないようにしている。つまり、この誘導加熱のIH制御部90は、実行中の制御メニューが、前記「優先制御メニューの実行時間帯」にあるかどうかを常に把握し、もしその実行時間帯にある場合には、その旨を外部に報知する機能を有している。
以上の説明で明らかなように、特定の加熱工程に入った場合には、その都度統合制御装置MCがIH制御部90に対して制御信号を発することなく、加熱工程の進捗は、全てそのIH制御部90の制御に委ねている。
後で詳しく述べる「連携調理モードKM3」では、このような「予熱工程」を含む制御動作を行った場合、被調理物を実際に加熱する「揚げ物調理工程」の段階からが、「調理工程」になる。つまり、予熱工程は調理工程(調理工程1、調理工程2など)に含まない。
(統合表示部30の表示)
次に、統合表示部30と、中央操作部40M、右操作部40R及び左操作部40Lの各種入力キーとの関係について図52~図59を参照して説明する。
図52は、加熱調理器1の起動直後における統合表示部の表示動作を示す説明図1である。図53は、加熱調理器1の左操作部の動作説明図1である。図54は、加熱調理器1の左操作部と統合表示部の動作説明図1である。図55は、加熱調理器1の複合調理時における統合表示部の表示動作を示す説明図1である。図56は、加熱調理器1の複合調理時における統合表示部の表示動作を示す説明図2である。図57は、加熱調理器1の複合調理時における統合表示部の表示動作を示す説明図3である。図58は、加熱調理器1の複合調理時における統合表示部の表示動作を示す説明図4である。図59は、加熱調理器1の複合調理時における統合表示部の表示動作と中央操作部との関係を示す平面図である。
図52について説明する。主電源スイッチ97をOFFにしている状態では、統合表示部30は起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ97をONにした状態では、統合制御装置MCは、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、図52の表示画面1を統合表示部30で表示させる。
図52の表示画面1において、30Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。30Bは、インターネット経由で専用のレシピ掲載サイトに誘導するための二次元情報(二次元コード)である。30Cは、その二次元コードの意味を説明した文章である。
前記した情報処理端末器418によって、前記二次元コード30Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した外部サーバー417に前記情報処理端末器418を接続することができる。この二次元情報30Cと、前記表示文30Aは、「待機時共通情報」30Nの1種である。
図52の表示画面1が表示されたあと、自動的に表示画面2A又は2Bが表示される場合がある。表示画面2Aにおいて、「突沸注意」という文字表示は、注意表示30Eの1つである。
ここで「突沸」とは、例えばカレーやシチューのような粘性のある被調理物(液体)を加熱している場合、その被調理物の内部が沸点以上の過熱状態になっていて、突発的に激しい沸騰を起こす現象をいう。熱せられた液体から蒸気が噴き出すことに伴い、熱い液滴が飛散して危険な場合がある。突沸が発生するタイミング、原因は、外部からの異物の混入又は衝撃であると言われている。そのため、被調理物を入れた金属鍋等をトッププレート15の上に置いて誘導加熱する場合、その被調理物をかき混ぜる際の注意喚起をしている。この注意喚起で表示している情報は、「待機時共通情報」30Nの1種である。
図52に示している表示画面1、表示画面2A及び表示画面2Bの3つの表示画面は、共通画面30Zと呼ぶ場合がある。なお、この3つ以外の形態を共通画面30Zに含めても良い。
表示画面2Bにおいて、30Eは、加熱室113の内部が高温度になっていて、不用意に接触しないように警告した注意表示である。加熱室113でオーブン調理を実施したあとで、まだ加熱室113が十分冷え切っていないことを統合制御装置MCが検知した場合、この表示画面2の状態に自動的に切り替わる。なお、表示画面2Aと2Bは、同時に表示できないが、数秒間隔で交互に表示することにより、突沸表示と高温表示の両方について注意喚起するようにしても良い。また、音声合成装置95によって、表示画面2Aと2Bの注意喚起の内容を音声でも並行して行っても良い。
図52の表示画面1~表示画面2A、2Bによって明らかなように、これら表示は、表示画面30Dの全体を利用して行っている。つまり、前述した第1エリア30L~第3エリア30Rの何れかで部分的に表示するのではなく、できるだけ広い表示面積を確保するため、第1エリア30L~第3エリア30Rの3つを識別できないように一体化表示をして、ユーザーには統合表示部30の全体で表示しているように見せている。
前記表示画面1~表示画面2A、2Bは、図38の動作ステップでいうと、ST3の段階である。
この表示画面1~表示画面2A、2Bの表示時点から一定時間、例えば10秒経過すると、加熱源(加熱手段)の選択を促す表示内容に変化する(図38の動作ステップST4の段階に相当)。
そこで、次に誘導加熱調理する場合について、図53を参照して説明する。なお、図53で説明するのは、誘導加熱源9を使用した単独調理モードKM1の場合であり、複合調理モードKM2や連携調理モードKM3の場合ではない。
図53は、左加熱源17HLのための左側表示部31Lと左操作部40Lを、平面的に見た図である。左加熱部17HLによる調理を選択するための入力キー43L1を押さない前は、図53(A)に示した状態である。図53(A)(B)において、星印の図形は、発光表示部27が点灯したこと又は点滅していることを示すものである。
左加熱部17HLを単独調理モードKM1で使用する場合、(主電源スイッチ97をONにした後は)最初に入力キー43L1を押す。これによって左加熱部17HLが選択されたことになる。
なお、後述する連携調理モードKM3によって誘導加熱に移行する場合は、最初に入力キー44Lを押す。この点が単独調理モードKM1の場合と異なる。
図53(A)で示したように、入力キー43L1に対応した個別発光部27L3は、点滅しており、入力待ちの状態にある。
入力キー43L1を押すと、統合制御装置MCは、左加熱源17HLをユーザーが選択したことを検知する。そして、統合制御装置MCは、図53(B)に示しているように、個別発光部27L3を発光させ、操作入力を受け付けたことを表示する。
タイマー調理を選択する入力キー43L4も入力待ちの状況であるため、個別発光部27L1を点滅させる。また、制御メニューの選択も入力待ちの状況であるため、入力キー44Lの真後ろにある個別発光部27L2を点滅させる。
誘導加熱調理時の火力段階を示す火力表示部67Lは、デフォルト火力が「3」に設定してあれば、火力3を示すまで火力表示部67Lの発光部を左側から連続して発光させ(又は青色を赤色に変更させ)、ユーザーに火力の大きさを表示する。
ユーザーがデフォルト設定の火力ではない火力に変更する場合、入力キー43L2又は43L3を押せば、1回押す毎に1段階火力が小さくなり、または大きくなり、それに応じて火力表示部67Lの発光部(又は赤色発光部)の範囲が左側から右に拡大し、又は左側へ縮小して、火力の調節状態をユーザーに表示する。
次に図54について説明する。
図54は、加熱調理器1の左操作部40Lと左側表示部31Lの動作説明図である。
図54において、左側に描いた状態A~状態Cの図は、左操作部40Lと左側表示部31Lの模式図である。操作開始前の状態を示したものは、図54の状態Aである。
図53で説明したように、入力キー43L1を操作すると、図54の状態Bに示しているように、発光表示部27L3が連続発光する。
状態Bでは、発光表示部27L4も点灯しており、入力キー43L2と43L3の双方とも入力機能は有効であることが分かる。そこで、この左側の入力キー43L2を押すと火力が下がる。なお、火力の増減は、直ぐ後方にある火力表示部67Lの発光状態で分かる。
次に、誘導加熱源9を使用した「単独(加熱)調理モード」を行う場合について説明する。
説明を簡単にするため、左加熱部17HLを使用する場合を説明する。
左操作部40Lの入力キー43L2を1回押すと、火力レベル1の下まで指定されたことになり、統合制御装置MCでは、「保温」の制御モードを指定したと判断し、統合表示部30の表示画面30Dには、保温表示の「第3特定画面」30STが表示される。
更に、第3特定画面30STが表示されている状態で、入力キー44Lを1回押すと、制御メニュー群の中から1つの制御メニューとして「揚げ物」が選択されて、揚げ物対応の「第3特定画面」30STが表示される。
揚げ物対応の「第3特定画面30ST」は、デフォルト温度が180℃に設定されているので、「揚げ物 180℃」という文字を表示しても良い。
入力キー44Lを更に1回を押すと、予熱対応の「第3特定画面30ST」が表示される。
予熱のメニューの利用方法や、玉子焼きなどにお薦めの制御モードである等の情報を、表示しても良い。
図54の表示画面3Aから分かるように、統合表示部30の第1エリア30Lには、鍋等の「容器の模式図」280を表示し、第2エリア30Mと第3エリア30Rは結合されて、横長の広い表示エリアになっている。
第2エリア30Mと第3エリア30Rの結合されたスペースに、「保温(左IH)」という文字を表示し、保温の温度は約80℃であることを表示している。そして、スープなどにお薦めの制御メニューであることを説明文30Fで示している。なお、この表示画面3Aの段階では、左側表示部31Lには何も表示されない。しかし、図54に示すように保温の温度を「80℃」のように表示しても良い。
次に、図54の状態Bで、入力キー44Lを押すと、押す度に、「IH制御メニュー群」の中から1つの制御メニューが選択されて、表示画面3Bのように表示される。表示画面3Bの例では「揚げ物」が選択されたことを示している。この状態Bで、一定時間経過すると、左加熱部17HLの制御メニューは「揚げ物」で確定し、IHコイル17Lの駆動が開始される。なお、IH制御メニュー群には、図39で説明したように、「揚げ物」の他に、「茹で」や「湯沸かし」等がある。
表示画面3Bのケースでは、デフォルト温度は180℃に設定されているので、左側表示部31Lには、図54に示すように「揚げ物 180℃」という文字が表示される。
この「180℃」という温度は、食用油をIHコイル17Lで加熱して、180℃近傍に維持するということであり、その180℃に到達した際には、音声合成装置95によって音声で報知され、それに加えて、この統合表示部30によって「予熱温度に到達したこと」が表示され、ユーザーに対して食材の投入等を促す効果を期待している。
仮に、この揚げ物(自動)の制御メニューで、予熱(目標)温度を、変更したい場合には、入力キー43L2によって温度を下げたり、入力キー43L3によって温度を上げたりすることができる。
表示画面30Dは、表示画面3Bから分かるように、第2エリア30Mと第3エリア30Rは結合されて、横長の広い表示エリアになっており、その第2エリア30Mと第3エリア30Rの結合されたスペースに、予熱の開始と、予熱動作中は、加熱調理器1の傍から離れないことの注意文30Gを表示している。
次に、図54の状態Bで、メニューキーと呼ばれる入力キー44Lを押して、別の制御メニューとして「適温」を選択すると、表示画面3Cのように表示される。この表示画面3Cに示しているように、「適温」という制御メニューは、鍋等を設定温度(デフォルト温度は、180℃)に温めることと、玉子焼きなどにお薦めの制御モードである。このような意味が理解できるように推奨文30Hが表示される。なお、この表示画面3Cの段階では、左側表示部31Lには「予熱 180℃」という文字情報が表示される。また、この「適温」の場合は、フライパン等の被加熱物Nには食用油等を入れずに加熱する。
なお、前記専用操作部(右操作部40R、左操作部40L)に隣接している個別表示部(左側表示部31L、右側表示部31R)において、前記「第3特定画面」30STを表示させても良い。
次に図55について説明する。
図55は、加熱調理器1の中央操作部40Mを操作した場合の、統合表示部30の表示動作を説明した模式図である。前記複合調理モードKM2を実行する場面を示している。
表示画面4STは、統合制御装置MCによって定められたデフォルト表示画面であるから、「あたため」が第1エリア30Lの前後方向の中央に表示される。
図21で説明したように、入力キー43M1を操作すると、図55の表示画面4STが統合表示部30に表示される。
表示画面4STから明らかなように、第1エリア30Lの前後方向の中央には、「あたため」という(RG制御メニューの)1つの制御メニューの名称を示す特定文30Jが大きく表示される。
第1エリア30Lの中央に表示された「あたため」の特定文30Jの後方BKには、「オーブン」という文字が、また逆に前方FR側には「レンジ手動」という文字が、少し小さく表示される。
そして、ユーザーが制御メニューを選択する場合、次の候補は「オーブン」と「レンジ手動」であることが分かる。仮にこの段階で、第1エリア31Lに対応した位置にある(左側)入力キー43M1を1回押すと、「あたため」という文字(特定文30J)は「レンジ手動」に変わる。
また、第1エリア31Lに対応した位置にある(右側)入力キー43M1を1回押すと、「あたため」という文字は「オーブン」に変わる。
図55において、デフォルト表示の画面である表示画面4STには、第2エリア30Mに「80℃」という目標温度情報30Tが表示される。この目標温度でマイクロ波加熱した場合には、食品の温度が80℃であると、温度センサーTS1が80℃を検知した際に、マイクロ波加熱は自動的に停止される。
この第2エリア30Mの目標温度(80℃)を上げて85℃にするためには、第2エリア30Mの直前位置にある、右側の入力キー43M2を1回操作する。逆に温度を下げて75℃にしたい場合には、左側の入力キー43M2を1回操作すれば良い。
第2エリア30Mの目標温度(80℃)の数字の上には、山型の記号30UPが表示されている。また、同じく80℃の数字の下には、下方に尖った(V字形状の)記号30DNが表示されている。
この記号30UPと、中央操作部40Mの(右側の)入力キー43M2の形状を類似させているので、温度や火力等を上げる場合には、右側の入力キー43M2を操作すれば良いことがユーザーには理解しやすい。
逆に、記号30DNと中央操作部40Mの(左側の)入力キー43M2の形状を類似させているので、温度や火力等を下げる場合には、左側の入力キー43M2を操作すれば良いことがユーザーには理解しやすい。この対応ルールは、第3エリア30Rの表示と左右1対の入力キー43M3との関係でも適用される。このように、ユーザーの入力操作時における操作ミス(入力キーの間違い)を避ける工夫をしている。
図55において、30Kは、加熱源がマイクロ波加熱源189だけであることを文字で表示した加熱源表示部である。なお、30Pは、前記したように、おかず等の温めにお薦めの制御メニューであることを自動的に表示させた参考情報である。なお、この参考情報の内容は、別の付加情報30Qであっても良く、2種類以上の情報を表示画面30Dで、数秒間ずつ交互に表示しても良い。
更に、図37の分類2で示したように、各制御メニューの要点を示す情報(参考情報)30P1を、入力キー43M3の操作に応じて随時表示させても良い。
つまり、この実施の形態1では、各制御メニュー(例えば「あたため」)を選択するかどうかユーザーが迷わないように、当該制御メニュー(例えば「あたため」)と1対1に対応している前記参考情報30Pを表示させる。
更に、図55のように参考情報30Pが表示されている場合、その参考情報30Pの手前に位置している(2つの)入力キー43M3にタッチ操作した場合、前記参考情報30P1を、参考情報30Pに代えて、第3エリア30Rに表示させることができる。
次に図56について説明する。
図56は、加熱調理器1の中央操作部40Mを操作し、複合調理モードKM2を実施する場合の、統合表示部30の表示動作を説明した別の模式図である。
この図56に示された表示画面5ST、5UPN、5DN1等が、全て前記第2特定画面30SCの1種である。
制御メニューを「レンジ手動」にした場合は、表示画面5STが、統合制御装置MCによって定められたデフォルト表示画面である。
つまり、連携調理モードの前記第2特定画面30SCでは、1つの制御メニュー(この場合、「レンジ手動」と、制御条件のデフォルト値(この場合、マイクロ波出力500W、1分間加熱)が、セットになって表示される。
図21と図55で説明したように、入力キー43M1を操作すると、図55の表示画面4STが、前記第2特定画面30SCの1種として前記統合表示部30に表示される。その次に、中央操作部40Mの左側の入力キー43M1を何回か操作した場合、特定文30Jは、「レンジ手動」に変化し、図56の表示画面5STが統合表示部30に表示される。
表示画面5STから明らかなように、第1エリア30Lの前後方向の中央には「レンジ手動」という制御メニューの特定文30Jが大きく表示される。
表示画面5STにおいて、第2エリア30Mには「500W」というマイクロ波出力値(ワット値)情報30Xが表示される。また、隣接した第3エリア30Rには、「1分00秒」というマイクロ波加熱時間情報30MYが表示される。この表示画面5STから分かるように、複合調理モードの中に含まれているが、この「レンジ手動」では、最初からマイクロ波加熱源189だけを使用することが分かっているので、図55に示したような(マイクロ波加熱源189であることを文字で表示した)加熱源表示部30Kは、表示しないで良い。
この表示画面5STの第2エリア30Mのマイクロ波出力値(ワット値)500Wを、1段階下げて200Wにしたい場合には、左側の入力キー43M2を1回操作すれば良い。
同様に、第2エリア30Rの加熱時間を長くして1分10秒にするためには、第3エリア30Mの直前位置にある、右側の入力キー43M3を1回操作する。逆に加熱時間を1段階短くして50秒にしたい場合には、左側の入力キー43M3を1回操作すれば良い。
図56の表示画面5STにおいて、第2エリア30Mの出力(500W)の数字の上には、前記山型の記号30UPが表示されていない。また、同じく500Wの数字の下には、下方に尖った(V字形状の)記号30DNが表示されている。
図56における表示画面5DNNは、最小火力(100W)と最短時間(10秒間)を示したものであり、第1エリア30Lの表示内容は省略している。
この表示画面5DNNの最小火力(100W)の上側だけに、前記記号30UPが表示されており、この火力より大きな火力しか選択できないことを示している。また、同じく、最短時間(10秒)の数字の上側だけに記号30UPが表示されており、記号30DNは表示されていない。つまり、ここでも記号30UPによって、これより短い時間の選択は出来ないことを示している。
次に図57について説明する。
図5は、複合調理モードKM2の調理を実施する場合の、統合表示部30の表示動作を説明した更に別の模式図である。つまり、前記第2特定画面30SCの表示内容が、ユーザーの入力操作に応じて、随時変化する状況を示している。
図56で示した表示画面の状態で、第1エリア30Lに対応した左側の入力キー43M1を1回操作すると、図57に示したように、「レンジ手動」から「葉菜下ゆで」に変更できる。
図57の、表示画面6STがデフォルト表示画面である。第1エリア30Lには制御メニューの特定文(名称)30Jである「葉菜下ゆで」が大きく表示される。
第2エリア30Mには、マイクロ波出力レベルを示す情報30Vが「標準」と表示され、このまま調理スタートすると500Wで加熱されることになる。なお、この「標準」という場合のマイクロ波出力値は、500Wの場合もあるが、これ以外であっても良い。つまり、マイクロ波加熱源9を使用する場合の、火力レベルの「標準」とは、個々の複合調理メニューで異なり、常に同じ出力(例えば、500W)ではない。
図57の第1エリア30Lには、図55で説明したように、加熱源がマイクロ波加熱源189であることを文字で表示した加熱源表示部30Kを表示する。なお、30Pは、前記したように、おかず等の温めにお薦めの制御モードであることを示した推奨文(参考情報)である。なお、この推奨文の内容は、別の付加情報30Qであっても良く、2種類以上の情報を表示画面30Dで、数秒間ずつ交互に表示しても良い。
この図57の推奨文30Pに代えて、図55で説明したように、図37の分類2で示した各制御メニューの要点を示す参考情報30P1を、ユーザーの要求に応じてその都度表示させても良い。
次に図58について説明する。
図58は、複合調理モードKM2の調理を実施する場合の、統合表示部30の表示動作を説明した更に別の模式図である。前記第2特定画面30SCの表示内容が、ユーザーの入力操作に応じて、随時変化する状況を示している。
図58は、「RG調理」というレンジグリル(RG)制御メニューを選択する場面を示したものである。
前記「RG調理」とは、前述したが、加熱室113を使用して、マイクロ波加熱とオーブン加熱を組み合わせて加熱調理することができる(複合調理モードKM2の)制御メニューである。
マイクロ波加熱を先に行い、ある程度食品を加熱してから、上部ヒータ163Aや下部ヒータ163Bで加熱するパターンと、この逆の順序で加熱するパターン、及びマイクロ波加熱とヒータ加熱を同時に行うパターンの3種類がある。なお、ここでいう「同時」とは、加熱開始と終了の両方のタイミングが全く同じであるという意味ではなく、加熱動作の時間帯が一部分でも重なれば良い。
図58に示した表示画面7ST1では、最初にマイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の両方を同時に駆動して1分間加熱し、その後、マイクロ波加熱を止めてオーブン加熱源188だけで5分間加熱するという加熱制御(時間制御)パターンであることが分かる。
「レンジグリル」の用語を使用せず、短縮形の「RG」を使用しているのは、第1の表示エリア30Lに表示できる文字数を最小限にするためものである。より多くの文字数を表示させようとすると、第1エリア30Lの専有面積が増えてしまうからである。
この図58に示す表示の例では、第2エリア30Mには加熱時間の情報30Sが分単位で表示され、またその後のグリル調理の加熱時間情報30GYも、分単位で表示される(但し、短い時間になった場合は、10秒単位で表示)。
これら第2エリア30Mに示された加熱時間情報30Sと、第3エリア30Rの加熱時間情報30GYは、中央操作部40Mの入力キー43M2、43M3によって、適宜変更できる。
図58において、表示画面7ST2は、最初にマイクロ波加熱源189単独で、1分間加熱(マイクロ波出力500W)し、その後、オーブン加熱源188だけで5分間加熱するという加熱制御(時間制御)パターンの場合である。この表示画面7ST2は、デフォルト表示画面である。なお、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱縁188の両方を最初1分間だけ駆動する表示画面7ST1も、デフォルト表示画面である。ユーザーは、デフォルト表示画面を事前に指定しておくことができる(前述した入力キー43KPによる「機能設定」)。
次に図59について説明する。
図59は、図57に示した「葉菜下ゆで」の制御メニューを、第1エリア30Lの所定位置(前後の中央位置)に表示させている表示画面6STの状態と、中央操作部40Mとの動作を説明した平面模式図である。
図59に示しているように、主電源スイッチ97を投入した段階では、表示部駆動回路63によって個々の個別発光部27M1~27M4は、統一された発光色で発光する。
その後、さらには、複合調理モードKM2の選択用入力キー43M1を操作すると、第1エリア30Lには、図57に示した表示画面6STがデフォルトで表示される。
この表示段階では、第1エリア30Lと第2エリア30Mに対応している合計4つの入力キー43M1~43M2は、何れも入力を受け付けることができる。そのため、それら4つの入力キー43M1~43M2に対応する2つの個別発光部27M3、27M4は、発光を継続する。
一方、表示画面6STや表示画面6UP1、6DN1等が表示された後は、スタート用の入力キー43MSと対応している個別発光部27M6は、連続発光から、図59において点線の円で示しているように、点滅に変化する。そして、入力キー43MSの存在を光で強調する。
ユーザーが、図59に示す状態で、前記入力キー43MSにタッチすれば、複合調理モードKM2に移行する。誘導加熱源9以外の他の加熱手段の場合には、直ちに加熱動作が開始される。しかし、誘導加熱源9の場合には、複合調理モードKM2に移行した後、入力キー44R(又は43R1)や入力キー44L(又は43L1)を1回押す必要がある。なお、連携調理モードKM3でも、誘導加熱源9を使用する調理工程に移行する指令を(入力キー43MS)で与えた以降は、同じである。
このように、この実施の形態1では、入力キー43M1と入力キー43MSの、それぞれの入力機能が有効である場合に第1の発光形態(連続発光)で個々の発光部27M1~27M6を発光させる発光手段(表示部駆動回路63)を備えている。
前記統合制御装置MCは、前記参考情報30P、30P1を表示させた場合、前記スタート選択部(入力キー43MS)に対応している発光部27M6だけを、第2の発光形態(点滅)で発光させる構成である。
上記構成であるため、(複合調理モードKM2で)加熱動作開始の指令を待っている状態が、前記発光部27M6の点滅によってユーザーは容易に識別できる。なお、発光部27M6は、マイクロ波加熱とオーブン加熱の動作を停止させることができるタッチ式入力キー43MTにも対応しているので、加熱動作が始まった後でも、発光部27M6が発光している場合には、入力キー43MTも入力機能は有効であり、タッチ操作すれば、加熱停止の指令を発信できる。
なお、主電源スイッチ97を投入した段階では、表示部駆動回路63によって、スタート選択部となる入力キー43MSに対応した発光部27M6だけを、最初から点滅させるようにしても良い。また、その他の発光部27M1~27M4は、連続発光をさせ、スタート選択部の入力キー43MSとは異なる形態で発光させても良い。
(連携調理モードの加熱調理時の基本動作)
次に、連携調理モードKM3の基本動作について、図60~図69を参照しながら説明する。
図60は、連携調理時における、統合表示部30の表示動作と中央操作部40Mとの関係を示す平面図である。図61は、連携調理モードKM3実施時と単独調理モードKM1実施時の、それぞれの入力操作と工程を示す説明図である。図62は、連携調理モードの調理工程と単独調理モードとの関係を示す説明図1である。図63は、連携調理モードKM3の調理工程と単独調理モードKM1との関係を示す説明図2である。
中央操作部40Mの入力キー43MCを押すと、図60に示すような第1特定画面30SPが表示される。
なお、先に入力キー43M1が押され、図55~図59に示すような複合調理モードKM2の設定操作が途中まで行われていた場合でも、入力キー43MSを押す前の段階であれば、入力キー43MCを押した段階から連携調理モードKM3のための入力工程に変更となる。つまり、この段階から第1特定画面30SPが表示される。
入力キー43MCに続いて、その次に、入力キー43M1にタッチすると、統合表示部30(第1特定画面30SP)の第1エリア30Lには、複数の連携調理モードKM3の対象となる(連携調理メニューである)被調理物を特定するための、更に別の識別情報(図形マーク、調理物の名称を含む)330が表示される。
この図60では、統合表示部30に表示されている連携調理モードで実行できる「被調理物」の数は3つである。すなわち、「ハンバーグ」、「グラタン」及び「ローストビーフ」の3つであり、このように被調理物の数を「連携調理メニューの数」と呼ぶ。
この実施の形態1では、連携調理メニューの数は全部で8個ある。詳しくは図83~図84で説明する。
図60において、330が識別情報であり、この実施の形態1では、被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す情報である。
識別情報は330は、8つある。言い換えると、連携調理メニューの数も8つあることになる。331は、被調理物(例えば、ハンバーグ)を加熱調理することに関してユーザーに提示された付加情報である。
この図60では、付加情報331として「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」と表示している。この意味は、中央操作部40Mの入力キー43MSを押せば、左加熱部17HLで誘導加熱が開始できることである。但し、この実施の形態1では、入力キー43MSの後に、左操作部40Lで入力キー44Lを押す必要がある。
図60に示している通り、第1特定画面30SPに示された識別情報330の上には、別の調理物(例えば、グラタン)の名称を示す識別情報330Aが表示されている。
また、前記識別情報330の下には、別の調理物(例えば、ローストビーフ)の名称を示す識別情報330Bが表示されている。なお、以下の説明では、識別情報を総称する場合には、符号は330を用いる。
図55~図59で説明した「複合調理モードKM2」の表示の切り替えと同様に、前記した2つの入力キー43M1を操作することにより、連携調理モードKM3で調理できる被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報330は、順次上方向又は下方向に移動する形で表示が変化する。つまり、順送りと逆送りで識別情報330を第1エリア30Lの所定位置(前後中央位置)に順次表示させることができる。
この実施の形態1では、連携調理モードKM3における被調理物の種類が、前述したように全部で8個ある。そのため、例えば左側の入力キー43M1を8回操作すれば、全ての被調理物の識別情報330が一巡する。逆に右側の入力キー43M1を8回操作すれば、全ての被調理物の識別情報330が一巡する。これについては、図83~図85において詳しく説明する。
連携調理メニューに関するデフォルト表示は、図60に示しているように「ハンバーグ」である。
この被調理物(ハンバーグ)の名称を示す識別情報330が(第1エリア30Lの)前後方向の中央に表示される。この状態で、前記入力キー43M1を操作すれば、別の被調理物の識別情報を中央に表示させることができる(図75のステップSTR4に相当)。
本実施の形態1でいう「第1特定画面」30SPとは、この図60に示した統合表示部30の表示画面をいう。この第1特定画面SPの表示内容は、ユーザーによる中央操作部40Mの入力や、加熱調理器1の運転状態によって随時変化するため、常に同じとは限らない。
第1特定画面30SPに表示される主な情報は、図60に示している通りである。
(1)第1エリア30Lには、識別情報330が表示される。この識別情報330は、連携調理モードKM3の加熱工程が進んでも、原則として常に表示される。但し、図94(B)の表示画面10Cに示すように、一部の例外はある。
(2)第2エリア30Mと第3エリア30Rを合体した横長のエリアの前半部分には、使用される誘導加熱源9の加熱部に対応した1対の加熱部特定部333R、333Lが表示される。この加熱部特定部333R、333Lの何れか一方を、前記入力キー43M2を操作して選択できる。選択された方の加熱部特定部333R、333Lは、例えば図60に示すように白抜文字の「左」のように色彩や明るさが変化し、選択された加熱部(右か左の何れか一方)を示す。
(3)第2エリア30Mと第3エリア30Rを合体した横長の、前記エリアの後半部分には、横長に帯状の工程表示部332を表示する。この工程表示部332は、連携調理モードKM3の移行前から当該連携調理モードの全ての調理工程が終了するまでの期間中、継続して表示される。また、調理工程の進捗に合わせて、現在の調理工程が分かるように、白黒反転表示や色彩を変更する等の方法で、随時内容が更新される。これについては後で詳しく説明する。
(4)調理に参考となる付加情報331が、前記加熱部特定部333R、333Lの右隣に表示されるが、例外的には、統合表示部30の全体に及ぶような広い範囲で表示される場合もある(図94の表示画面10C参照)。
目的の被調理物(例えば、ハンバーグ)の識別情報330を、第1エリア30Lの中央部に表示させた状態で、入力キー43MSを押すと、その被調理物を加熱調理するための、連携調理モードKM3の実行指令が、統合制御装置MCに対して行われたことになる(図75のステップSTR7に相当)。
なお、誘導加熱源9を調理工程1で使用する調理(例えば、ハンバーグ)では、左加熱部17HLと右加熱部17HRの何れか一方を、連携調理モードに応じて推奨しても良い。例えば、左加熱部17HLの使用を推奨するために、ハンバーグの場合の第1特定画面30SPのデフォルト表示画面は、図60に示す通りであり、左加熱部17HLが推奨されている。
前記付加情報331は、調理工程の進行に応じて変化し、また被調理物によっても変化する。この図60に示した例は、誘導加熱調理を開始するためには、入力キー43MSを操作する必要があることを説明したものである。
次に図61について説明する。
図38に示した加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャートにおいて、ステップST4以降の動作が、図61に示されている。
加熱手段の選択を促す表示・報知のステップ(ST4)以降、右操作部40Rによって右加熱部17HRによる加熱調理を選択することができる(SP1)。また、左操作部40Lによって左加熱部17HLによる加熱調理も選択することができる(SP2)。
更に、そのステップ(ST4)以降では、中央操作部40Mによってマイクロ波加熱源189による加熱調理を選択できる(SS1)。また、中央操作部40Mによってオーブン加熱源188によって加熱室113を利用した加熱調理も選択できる(SS2)。
更に、中央操作部40Mによって複合調理モードKM2も選択できる(SS3A)。また単独調理モードKM1も選択できる(SS3B)
前記ステップ(ST4)以降では、中央操作部40Mの入力キー43MCを操作することにより、連携調理モードKM3を選択できる(SR1)。
この図61において、CH1は、3種類の加熱源を選択する第1層の選択手段である。つまり、第1層の選択手段としては、前記中央操作部40Mの入力キー43MCと、入力キー43M1と、個別操作部である左操作部40Lの入力キー44L(又は43L1)と、同じく右操作部40Rの入力キー44R(又は43R1)の、合計4個ある。
前述した通り、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む。以下、同じ)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件(以下、「制御条件」という)が設定可能な2つ以上の加熱源を使用して行う調理をいう。
更に具体的にいうと、この実施の形態1における「連携調理」は、1つの被調理物に対する加熱場所が、トッププレート15の上と、加熱室113の内部である。
そして独立して加熱動作条件が設定可能な2種類の加熱源とは、誘導加熱源9と、マイクロ波加熱源189である。なお、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188とは、同じ時間帯又は時間差をもって加熱動作する。
この実施の形態1における「連携調理」は、「第1の連携調理」と「第2の連携調理」の2つから構成されている。
「第1の連携調理」とは、最初に誘導加熱源9によって左加熱部17HLで加熱調理し、その後、加熱室113の内部でマイクロ波による加熱調理を行うものである。この「第1の連携調理」の調理工程、すなわち調理のシーケンスを規定するものが「第1の連携調理モード」(SR2A)である。
一方、「第2の連携調理」とは、最初に加熱室113の内部でマイクロ波加熱、又はオーブン加熱源188により、あるいはこれら2つの加熱源による(協働)加熱調理を行い、その後、誘導加熱源9によって左加熱部17HLで加熱調理を行うものである。
この「第2の連携調理」の調理工程、すなわち調理のシーケンスを規定するものが「第2の連携調理モード」(SR2B)である。
第2の連携調理モードの場合、通常(デフォルト設定条件)は、最初に使用される加熱源であるマイクロ波加熱源189又はオーブン加熱源188の何れか一方又は両方について、特定の期間は前記連携調理モードKM3以外のメニューに対応した動作を制限する処理を、前記統合制御装置MCが行う。
「第1の連携調理モード」と「第2の連携調理モード」の選択(SR2A、SR2B)は、ユーザーがその都度判断して選択操作を行うものではなく、連携調理モードにて連携調理メニューに対応している識別情報330(例えば、「ハンバーグ」という調理の名称)を選択した段階で、統合制御装置MCが自動的に選択(判別)する。
この実施の形態1では、「連携調理」メニューの実行時に使用される誘導加熱源9の加熱部は、右加熱部17HRと左加熱部17HLの双方である。従って、連携調理モードKM3の実施過程で、例えば左加熱部17HLだけが使用されている場合、その連携調理モードの実行中、右加熱部17HRを、連携調理とは無関係に自由に使用することができる。但し、連携調理時の消費電力と、個別に使用する右加熱部17HRの消費電力との合計値が、制限値を超えることが電力制御部72によって判明した場合には、右加熱部17HRの使用を禁止し、あるいは、火力を強制的に下げるという指令を統合制御装置MCが行う。
この図61において、CH2は、制御メニューを選択する第2層の選択手段である。つまり、第2層の選択手段としては、連携調理モードKM3においては、前記中央操作部40Mの入力キー43M1である。
一方、第2層の選択手段としては、複合調理モードKM2においては、前記中央操作部40Mの入力キー43M1である。
更に、第2層の選択手段としては、誘導加熱源9を使用した単独調理モードKM1においては、左操作部40Lの入力キー43L2、43L3である。同じく右操作部40Rでは、入力キー43R2、43R3の2つである。
つまり、この実施の形態1では、前記複合調理モードKM2の制御メニューと前記連携調理モードKM3の調理メニューとを、順送り及び逆送りして、前記統合表示部30の所定の表示位置に表示させる入力キーは、何れも入力キー43M1である。このため、ユーザーが調理メニューや制御メニューを選択する場合に、同じ入力キー43M1によって希望する調理メニュー等を表示させることができ、操作性が良い。
図61に示しているように、誘導加熱調理が開始された段階(SR5)では、ユーザーは左操作部40Lの入力キー43L2、43L3を操作して左加熱部17HLにおける火力(消費電力)を指定することができる(SR6)。また入力キー44R(又は43L1)を操作すれば、加熱動作を任意のタイミングで停止することもできる(SR7)。
なお、連携調理モードKM3においては、基本的に左加熱部17HLの加熱調理時間は、事前に設定されていないので、ユーザーが希望する任意の時間だけ加熱調理できる。
また、右加熱部17HRを使用して、誘導加熱調理が開始された段階(SR5)では、ユーザーは右操作部40Rの入力キー43R2、43R3を操作して右加熱部17HRにおける火力(消費電力)を指定することができる(SR6)。
更に、右加熱部17HRを駆動している場合、入力キー44R(又は43R1)を操作すれば、加熱動作を任意のタイミングで停止することもできる(SR7)。
更に、左加熱部17HLを駆動している場合、入力キー44L(又は43L1)を操作すれば、加熱動作を任意のタイミングで停止することもできる(SR7)。
入力キー44Lによって、左加熱部17HLによる調理工程1を終了させた場合、連携調理モードKM3の調理工程は次の調理工程2に進む(図64において詳しく説明する)。
第1の連携調理の調理工程の中で、誘導加熱の工程を終えた場合には、中央操作部40Mの入力キー43MSを再度操作する必要がある(SR8)。この連携調理の再開指令が行われた場合(SR9)、中央操作部40Mの入力キー43M2又は43M3を操作することにより、マイクロ波加熱時のマイクロ波出力値を増減できる場合もある(SR10)。しかし、マイクロ波出力は例えば500Wで固定されたまま調理工程が進むような制御のケースもある。
マイクロ波加熱調理(調理工程2)を、入力キー43MTによって終了させた場合、この終了時点で連携調理モードKM3の全調理工程の運転は終了する(SR11)。つまり、連携調理モードKM3の運転は、取り消された状態と同じなる。但し、調理工程2の後に調理工程3がある場合は、連携調理モードKM3の設定状態は維持される。
なお、連携調理モードKM3の調理工程ではないが、これ以降はユーザーが中央操作部40Mを操作して(複合調理モードKM2や、単独調理モードKM1により)マイクロ波加熱調理を更に行っても良い。
引き続き図61について説明する。
図61のSS1~SS11が、中央操作部40Mによってマイクロ波加熱調理とオーブン加熱調理をする際の動作ステップを示したものである。
前述したように、中央操作部40Mの入力キー43M1を操作すれば、マイクロ波加熱とオーブン加熱のための単独調理モードKM1、複合調理モードKM2の制御メニュー(11種類)が統合表示部30に表示される(図34参照)。
そのため、入力キー43M1を押せば、1つの複合調理モードKM2の制御メニュー又は単独制御モードKM1の制御メニューを選択できる(SS3)。但し、前述したように、複合調理モードKM2だけしか中央操作部(共用操作部)40では選択できないので、第3特定画面30STは、統合表示部30に表示されない。
次に、入力キー43MSを押せば、1つの複合調理モードKM2又は単独制御モードKM1の実行が指令され(SS4)、調理を開始できる(SS5)。なお、図34の説明では、複合調理モードとして全体を説明したが、「レンジ手動」等のメニューは、厳密にいえば、単独調理モードKM1の制御パターンでありながら、複合調理モードKM2を選択したいと選択できない。つまり、実態は単独加熱モードKM1の制御メニューも含んでいる。これについては、図37で説明した。
例えば、前記入力キー43M1を操作すると、前記した「レンジグリル(RG)調理」という制御メニューが統合表示部に表示できるが、この「RG調理」は、マイクロ波加熱調理とグリル調理を組み合わた(複合調理モードKM2の)1つの制御メニューである。
一方、同じ入力キー43M1を操作すると、「あたため」を選択できるが、これはマイクロ波加熱源189単独での調理であり、単独調理モードKM1の1つの制御メニューである。中央操作部(共用操作部)40Mをしている制約上、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の2つについては、単独調理モードKM1を直接選択できず、また対応する第3特定画面30STも表示できない構成となっている。
マイクロ波加熱又はオーブン加熱の開始後に、加熱条件(例えば、加熱時間)を変更するようにしても良い(SS6)。
入力キー43MTを押せば、1つの制御メニューの実行の停止が指令され(SS7)、マイクロ波加熱又はオーブン加熱の動作が停止される(SS8)。
引き続き図61について説明する。
図61のSP1~SP8は、右操作部40Rと左操作部40Rによって誘導加熱調理を行う際の動作ステップを示したものである。
例えば、左操作部40Lの入力キー43L1を押せば、右加熱部17HLによる加熱調理を選択することができる(SP2)。そして、入力キー43L2または43L3を操作しなくとも、一定時間後に自動的に誘導加熱制御メニューが確定する(SP3)。なお、ここでいう「誘導加熱制御メニュー」は、IH制御メニューのことである。
言い換えると、誘導加熱制御メニューは、前記入力キー43MCを操作して統合表示部30に、第1特定画面30SPにより表示される「連携調理モードKM3」の調理メニューとは、全く別のものである。
1つの制御メニューの実行が指令され(SP4)、「単独調理モードKM1」の調理を開始できる(SP5)。
このステップSP5でいう「単独調理」とは、使用する加熱源が誘導加熱源9単独であるという意味である。
もし、誘導加熱が開始された後で、ユーザーが入力キー43R2又は43R3を操作して誘導加熱の火力の変更を指令した場合、統合制御装置MCは、制御条件の1つである火力を変更する(SP6)。
複合調理モードKM2の場合と連携調理モードKM3の場合の何れも、マイクロ波加熱を行う調理工程の開始は、入力キー43MSを操作した場合である。また、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を、それぞれ単独で駆動する単独調理モードKM1の調理工程開始も、入力キー43MSを操作した場合である。
上記のように、この実施の形態1では、誘導加熱源9のための、調理の開始を指令する専用のスイッチ(ボタンや入力キー)を備えていないが、専用のスイッチや入力キーを(入力キー43MSの他に)設けても良い。
入力キー43R1を押せば、右加熱部17HRに対する停止が指令され(SP7)、誘導加熱の動作が停止される(SS8)。左加熱部17HLの場合には、入力キー44R(又は43L1)を押せば良い。このように、入力キー44R、44L(又は43L1、43R1)は、加熱部を選んで動作開始させる場面と、調理を終了する場合の、両方で使用される。
次に図62について説明する。図62は、連携調理モードKM3と誘導加熱源9による単独調理モードKM1の優先関係を示す説明図である。また、連携調理の際に、使用される加熱源が動作の制限を受けることを示す模式図である。
なお、この図62に示す連携調理モードKM3は、図61で説明した「第1の連携調理モード」である。
この事例の「第1の連携調理モード」は、誘導加熱源9を調理工程1において使用し、その加熱動作終了後に、調理工程2ではマイクロ波加熱源189を動作させる。また、調理工程2では、オーブン加熱源188を動作させる、という場合である。
図62に示すように、1つの連携調理モードKM3は、4つの段階から構成されている。
P1は、第1の段階(準備期間)であり、連携調理モードを実行しようと、入力キー43MCを操作し、その後で入力キー43MSを押すまでの期間である。
P2は、加熱調理期間(調理工程1)である。なお、この調理工程1には、実際には被調理物を加熱していない「予熱工程」を含まない。
P3は、調理工程1で使用された加熱手段による調理から、別の加熱手段が使用される調理工程2の調理に切り替わるため、調理工程1で使用した加熱手段の動作を一旦停止し、別の加熱手段の加熱が開始されるまでの休止期間(「移行期間TR」ともいう)である。この休止期間の長短は、ユーザーの操作タイミングに依存する。つまり、ユーザーが調理工程2を開始する指令を早く行えば、この休止時間は短くなる。
P4は、調理工程2で使用される加熱手段(加熱源は単独、複数の何れでも良い)による加熱調理期間(調理工程2)である。
この実施の形態1では、前記連携調理モードKM3の1種として「連携予熱調理モードKM4」を備えている。
当該連携予熱調理モードKM4は、後で詳しく説明するが、その連携予熱調理モードKM4を利用する調理メニューとして、例えば、「ハンバーグ」がある。この「ハンバーグ」の場合は、その予熱工程を誘導加熱源9で行うが、調理工程1の開始時点で、その予熱工程の加熱動作は、停止させる必要がない(つまり、予熱工程の誘導加熱のための通電と、調理工程2の加熱源の通電が、ある時間帯では、同時並行的となる)。
言い換えると、連携予熱調理モードKM4では、調理工程1の前から動作を開始している加熱源(上記説明では、誘導加熱源9)を、調理工程1の開始時点で必ずしも停止せず、調理工程1の期間中、誘導加熱源9とオーブン加熱源188又はマイクロ波加熱源189が、同時に駆動される場合がある。
特に矛盾を生じない限り、前記連携調理モードKM3には、前記連携予熱調理モードKM4を含んでいるという前提で、以下説明する。
図62から明らかなように、連携調理モードKM3を選択する段階には、被調理物の名称を示す識別情報330を統合表示部30に(第1特定画面30SPの上で)表示させた時点で、左加熱源17HLの左操作部40Lは、使用できないようになる。
具体的には、左操作部40Lの各種入力キーの内、少なくとも入力キー44L(又は43L1)は、統合制御装置MCによって無効化される。この「無効化」という意味は、入力キー44L(又は43L1)から、有効な指令信号が統合制御装置MCに発信されないという意味と、有効な指令信号が発信されても、統合制御装置MCが、その指令信号を有効な指令信号として処理しないこと、の両方の意味がある。何れにしても、左加熱部17HLを選択できないことになる。
一方、第1特定画面30SPが表示された時点、つまり、識別情報330が表示された時点においても、右加熱部17HRの右側操作部40Rは、使用できる。右加熱部17HRは、連携調理モードKM3では使用しないことを、統合制御装置MCが最初に(制御プログラムで)決定しているからである。従って、右側操作部40Rには、上記のような「使用禁止」の処理は行わない。他の調理を実施中である場合にも、それは何ら制限されない。
従って、誘導加熱源9では、左加熱部17HLだけが、連携調理モードKM3の選択によって「占用」された状態となる。また誘導加熱源9の全体から見れば、2つの加熱部の一部分(左側)だけ使用が「制限」されたことになる。なお、右加熱部17HLが他の調理のために使用中でない場合には、この右加熱部17HRも同様に占用した状態にしても良い。なお、連携調理モードKM3の選択を終え、入力キー43MSを押した時点で、前記「占用」状態にするように制御プログラムを変更しても良い。
ここで、誘導加熱源9の占用について、入力操作部40の機能を中心に説明する。
前述したように、入力操作部には、左加熱部17HLによる調理を選択する入力キー43L1と、入力キー44Lの2つがある。
連携調理モードKM3以外の場合、誘導加熱源9を使用する際には、最初に前記入力キー43L1を押す必要があり、左側のIHコイル17Lの加熱動作が開始された後は、その入力キー43L1を押せば、加熱動作を随時停止させることができる。つまり、最初に1回押した場合には、左加熱部17HLを選択する機能を発揮し、誘導加熱が開始されてから次に1回押した場合には、瞬時にその加熱動作を停止できる。
一方、入力操作部には、入力キー44Lがある。この入力キー44Lは、左加熱部17HLによる誘導加熱調理の「制御メニュー」を選択できるタッチ式入力キーである。
この場合の「制御メニュー」とは、「湯沸し」や「茹で」、「炊飯」、「揚げ物(自動)」等があり、この中から1つだけを選択できる。
前記連携調理モードKM3による誘導加熱源9の調理工程を開始する場合、前記入力キー43L1ではなく、入力キー44Lを押すように設計されている。なお、通常の単独調理モードKM1の場合と同じように、最初に入力キー43L1を押し、また加熱動作を終了する場合には、同じ入力キー43L1を押すようにプログラムを変更しても良い。
本実施の形態1では、連携調理モードKM3による誘導加熱源9の調理工程を開始し、また終了する場合、前記入力キー44Lを使用するというプログラムの例で説明する。
前記連携調理モードKM3による調理の選択は、最初に中央操作部40Mの入力キー43MCを押す必要がある。この入力キー43MCを押すと、前述した「許可条件」を満たした場合、第1特定画面30SPが表示される。
この第1特定画面30SPが表示された段階(図62参照)又は、連携調理モードに移行するための「開始用の入力指令」が入力キー43MSで行われた場合(図63参照)に、連携調理モードKM3に移行し、これと同時に、使用する予定の加熱源は「占用状態」となる。
誘導加熱源9が「占用状態」になった場合の、左操作部40Lについて説明する。
統合制御装置MCが左加熱部17HLを占用状態にする方法は2つある。
(1)第1の方法:
連携調理モードKM3に移行すると、前記入力キー43L1の入力機能を有効にしておく。その他の入力キー43L2、43L3、43L4、44Lは、全て入力機能を無効化する。
この場合、入力キー43MSが押されてから一定時間後(例えば、10秒後に)、左IHコイル17Lに高周波電力の供給が開始される。
そのため、開始された(連携調理モードKM3での)誘導加熱を停止する場合には、入力キー43L1を1回押せば良い。また、高周波電力の供給開始と同時に、入力機能が無効化されていた入力キー43L2、43L3等の入力機能は復活する。
また、この状態で追加の加熱のために、再び加熱を開始するには、同じく入力キー43L1を1回押せば良い(連携調理モードは、この段階でも解除されない)。
(2)第2の方法:
前記左加熱部17HLにおける入力キー43L1、43L2、43L3、43L4の入力機能を無効化する。連携調理モードに移行しても、入力キー44Lだけは有効にしておく。
そのため、連携調理モードKM3に移行してから、入力キー44Lを1回押した場合に限り、初めて(連携調理モードKM3での)誘導加熱源189の動作が確定する。
その後、左IHコイル17Lに高周波電力の供給が開始され、誘導加熱が開始された場合には、入力キー43L1や入力キー43L2等の入力機能は即時に回復される。
この後、入力キー44Lを1回押せば、即時に誘導加熱動作が停止できる。また、再度入力キー44Lを押せば、誘導加熱動作を再開できる(連携調理モードKM3は、この段階でも解除されない)。
これらについては、図64において後で説明する。
前記第1の方法でも第2の方法でも、左加熱部17HLを選択させないために、ある時期までは入力キー43L1の入力機能を無効化していた。
以下の説明では、上記第2の方法を前提にして説明するが、第1の方法を採用しても、本開示で得られる基本的効果には何ら影響はない。
図62に示すように、調理工程1(P2)において、誘導加熱が開始された後から、ユーザーは左操作部40Lの入力キー43L2、43L3を操作して、火力を増大させたり、減少させたりすることができる。
調理工程1では、最初に左操作部40Lの入力キー44L(図23参照)を1回だけ押す必要があり、この時点で左操作部40Lから誘導加熱の開始指令が統合制御装置MCに送られる。なお、連携調理モードKM3以外の調理では、最初に入力キー43L1を押す。
前記左操作部40Lの入力キー44Lによる加熱開始指令の操作を省略し、入力キー43MSによる入力時点から一定の時間(例えば10秒後)に、誘導加熱調理が一定の火力(弱又は標準火力)でスタートする方式にしても良い。
また、調理工程1(P2)において、ユーザーは左操作部40Lにおいて、入力キー44Lにタッチすれば、誘導加熱動作を即時停止することができる。
この加熱動作停止の操作を行うと、調理工程1は即時に終了する。しかし、連携調理モード自体は解除されない。
そのため、左加熱部17HLによる加熱動作(連携調理モード)が開始できる。但し、加熱動作を再開する操作は、図53(A)(B)で説明したような単独加熱モードKM1の場合と同じであり、左加熱部17HLによる調理を再開するための入力キー44Lを、再び1回だけ押す必要がある。更に、誘導加熱動作が開始された後で、ユーザーが火力を指定(変更)する場合には、入力キー43L2又は43L3を押せば、1回押す毎に1段階火力が小さくなり、または大きくなり、希望の火力に設定できる。
図62に示すように、調理工程1(P2)の後において、誘導加熱した被調理物を加熱室113に移動する。なお、誘導加熱時に使用した金属皿を、そのまま加熱室113に収容してマイクロ波加熱することも可能であるが、被調理物(食品)の周囲が全て金属で覆われている場合には、内部の食品等のマイクロ波加熱できないので、蓋の無い金属容器や耐熱ガラス、磁器製の容器に移し替える必要がある。
加熱休止期間(P3)において、ドア114を閉めて、入力キー43MSを押すと、マイクロ波加熱源189のマグネトロン122で発生させたマイクロ波が、加熱室113の内部へ案内され、加熱調理期間(調理工程2)(P4)が始まる。
入力キー43MSによって開始された後は、マイクロ波加熱の制御条件は、中央操作部40Mの各種入力キー43M2、43M3を操作して、ユーザーが任意に設定できる(デフォルト値を、変更することができる)。但し、連携調理モードKM3が対象にしている個々の被調理物によっては、制御条件の変更が一部制限されている場合もある。例えば、マイクロ波加熱の出力は、基本的に500Wであるため、調理工程の途中では、これをユーザーが任意で増減できないような制御プログラムになっている。
図62に示すように、調理工程2(P4)の後において、マイクロ波加熱の制御条件(例えば、加熱時間)を設定しなくとも、制御プログラムにて規定された所定の時間(デフォルト時間)を経過した段階で、自動的に調理工程を終了する場合と、ユーザーが中央操作部40Mの入力キー43MTを操作して、任意の段階で終了する場合の、2つのタイプがある。
また、調理工程2を一旦停止させると、連携調理モードKM3の全ての調理工程を終えたという扱いになる。そのため、連携調理モードKM3は解除されるので、複合調理モードKM2を実施する場合と同様に、再び入力キー43M1を操作して、「レンジ手動」等の制御メニューを設定して、追加で加熱調理をすることもできる。
なお、連携調理モードKM3の動作プログラムが、調理工程2の後に調理工程3があることを予定している場合は、調理工程2を一旦停止させても、連携調理モードKM3の全ての調理工程を終えたという扱いにならない。停止させた当該調理工程2の後は、移行期間TRを経て、次の調理工程3に進むことができる。
図62に示すように、この連携調理モードKM3では、第1の加熱源9の左加熱部17HLだけが使用されるので、準備期間(P1)~調理工程2(P4)の間、右加熱部17HRの使用は何ら制限を受けない。このため、これら調理工程1、調理工程2の期間中に、右加熱部17HRで別の加熱調理も同時並行的に行うことができる。例えば、右操作部(右側の第1操作部)40Rを使用してIH制御メニューの中の、例えば「湯沸かし」を右加熱部17HRで開始しても良い。
次に図63について説明する。
図63は、連携調理モードKM3と誘導加熱源による単独調理モードKM1の優先関係を示す説明図であり、図62の構成を少し変更した事例である。
図63は、連携調理モードKM3の際に、使用される加熱源(この場合、誘導加熱源9)が動作の制限を受ける開始時期を、図62から少し変更したものである。
この図63で示した例は、連携調理モードKM3の選択をする段階、すなわち、連携調理モードの調理の名称を示す識別情報330を統合表示部30(第1特定画面30SP)に表示させた時点では、まだ左加熱源17HLを占用する状態になっていない。そのため、左加熱源17HLの左操作部40Lは、入力操作可能であり、単独調理モードKM1によってIH制御メニュー(例えば、「湯沸かし」)の調理を選択できる。
つまり、この準備期間P1において、左操作部40Lによる新たな(単独調理モードKM1)の入力操作は可能である。
連携調理モードKM3の調理開始を、入力キー43MSで指令した時点で、左操作部40Lの各種入力キーの内、少なくとも入力キー44Lは、統合制御装置MCによって無効化される。この点が図62のものと異なっている。左操作部40Lの全ての入力キーを無効化しても良い。なお、この図63における「無効化」という意味は、図62で説明したものと同じである。
次に、本実施形態1における連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の基本的動作を、図64~図71を参照しながら説明する。
図64は、連携調理モードKM3の選択から移行までの入力操作部40における入力キーと調理工程等の関係を時系列で示す説明図である。図65は、連携調理モードによる加熱動作開始から終了までの、入力操作部の入力機能の変化と報知を時系列で示すフローチャートである。図66は、複合調理モードKM2と、連携調理モードKM3の、それぞれの移行までの入力操作と表示の関係を時系列で示す説明図である。図67は、連携調理モードによる調理の各種工程と動作の関係を示す説明図1である。図68は、連携調理モードによる調理の各種工程と動作の関係を示す説明図2である。図69は、連携調理モードによる調理の各種工程と動作の関係を示す説明図3である。図70は、連携調理モードの調理工程の報知動作を示すフローチャート1である。図71は、加熱調理器において、連携調理モードの調理工程の報知動作を示すフローチャート2である。
図64について説明する。
図64は、調理工程1は、左加熱部17HLで行い、調理工程2は、加熱室113で行う連携調理モードKM3(連携予熱調理モードKM4)の場合である。
図64では、主な入力キーの入力機能が有効であって、調理工程の開始や終了に関係した場合には、白抜きの長方形の枠で示している。なお、全ての入力キーを描いてはいない。
準備期間P1では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSは、何れも入力機能は有効である。入力キー43MCを押して第1特定画面30SPを表示させた状態で、43MSを押すと、連携調理モードKM3に移行する(この段階で、加熱調理期間P2に入る)。
ユーザーが左加熱部17HLを選択した場合、左加熱部17HLで調理工程1が実行される。
そのため、図64に示すように左操作部40Lの入力キー44L、43L2、43L3を押す必要がある。なお、デフォルト設定で、火力や加熱時間等の制御条件が自動的に表示されるので、必ずしも入力キー43L2や43L3を操作しなくとも良い。
一方、加熱調理期間P2(調理工程1)に入ると、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSは、入力機能が無効になる(実際には、統合制御装置MCに入力操作信号が届いても、統合制御装置MCで無視される)。
図64では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSの、入力機能が無効になったことを、破線の枠で示している。
左操作部40Lの入力キー44Lを再度押すと、その入力キーからのタッチ信号は統合制御装置MCに「OFF」信号として認識されるので、この段階で誘導加熱の動作は停止し、加熱調理期間P2は終了する。
次に加熱休止期間P3に入る。つまり移行期間TRに入る。この段階では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSの、入力機能は全て有効になる(各入力キーは実線の枠で示している)。
なお、この実施の形態1において「前記調理工程1が終了した場合、前記中央操作部(共用操作部)40Mにおける前記第2加熱手段のための入力機能を復活させて、前記調理工程2の加熱動作開始と終了は、当該中央操作部40Mからの指令に従って実行する」という意味について説明する。
上記のような「入力機能を復活」は、調理工程1の終了直後に、無条件に復活することを意味するものではない。例えば、調理工程1が終了する前から終了した後まで、依然としてドア114が継続して閉じたままである場合、統合制御装置MCは、無効化した入力キーの機能を有効にしない。つまり、ドア114が開いた時点で有効に復活させている。次の調理工程2に向けたユーザーの操作等を考慮し、このように、実際のユーザーの操作(ドアの開閉も含め)に適合するように、入力機能の復活の条件やタイミングを適宜決めている。この点は、図65において説明する。
一方、図64に示すように左操作部40Lの入力キー44L、43L2、43L3の入力機能は、何れも有効に維持されるので、左加熱部17HLを、移行期間TR又は加熱調理期間P4において別の調理のために使用しても良い(この場合、単独調理モードKM1の中で制御メニューを選択することになる)。
ユーザーが、中央操作部40Mの入力キー43MSにタッチすると、連携調理モードKM3の調理工程2が開始される。そして、入力キー43MTを押せば、当該調理工程2は、任意のタイミングで終了させることができる。
なお、調理工程2は、タイマー調理で設定した時間や、デフォルト値で定まった時間が経過した段階で自動的に終了する場合もある。ユーザーが任意に終了させた場合及び自動的に終了した場合の何れでも、調理工程2の終了と同時に、連携調理モードKM3は解除される。
従って、調理工程2の終了直後に、再度加熱室113で、マイクロ波加熱源189やオーブン加熱源188で追加の加熱をしたい場合には、中央操作部40Mの入力キー43M1や43M2等と、入力キー43MSを操作して、単独調理モードKM1や複合調理モードKM2の調理を行えば良い。但し、中央操作部40Mでは、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を直接選択して単独調理モードKM1を再開できないので、一旦は、複合調理モードKM2のために主に使用される入力キー43M1を操作し、制御メニューの選択の段階で例えば「あたため」を選ぶという方法を採用する。この選択も入力キー43M1で行える。
なお、調理工程2の終了と同時に連携調理モードKM3を自動的に解除しないような制御にしても良い。調理工程2を終えた直後、例えば統合表示部30の第1特定画面30SPにおいて、一定の時間内(例えば、1分以内)にスタートスイッチ(入力キー43MS)を押した場合には、連携調理モードKM3の一部として取扱うような案内を行い、ユーザーの入力(入力キー43MSの操作)を待つような処理にしても良い。
このようにすると、調理工程2を終えたあと、ユーザーが加熱室113から被調理物を取り出して焼き加減等を確認し、加熱が不足している場合、直ぐに加熱室113に戻して、ユーザーの追加操作を待っている入力キーMSにタッチする、という方法を採用できる。この方法でもユーザーの使い勝手を向上させることができる。
図65について説明する。
この図65は、共用操作部40Mの入力機能を無効化するタイミングと有効に復帰させる場合の統合制御装置MCの動作を示すフローチャートである。
この事例では、調理工程1は左加熱部17HLで行い、調理工程2を加熱室113で行う場合である。
共用操作部40Mの入力キー43MSを押して調理工程1に移行した場合、報知部ANで調理工程1を(例えば、左加熱部17HLで)開始できることを報知する。この時点では、左加熱部17HLは、火力ゼロの状態で待機している状態にあり、実質的な加熱動作は開始していない。
左操作部の少なくとも入力キー44Lを押すと、誘導加熱動作が開始される(ステップS40)。
この加熱動作開始の時点から共用操作部40Mの入力機能は無効化される。実際に無効化されるのは、入力キー43MTを除いた入力キー(43M1、43MC等)である(ステップS41)。
この後、調理工程1が終了したかどうかの判定が繰り返し行われ(S42)、調理工程1が終了した場合にはステップS43に進む。つまり、加熱休止期間P3(図62~図64参照)に入る。そして報知部ANでは、左加熱部17HLで加熱した被調理物を加熱室113に移動させるように音声や第1特定画面30SPで案内する(S43)。なお、左加熱部17HLで使用したフライパン等の被加熱物Nを、そのまま加熱室113の中に入れても良い(但し、金属蓋をせず、上面全体が開放されていないと、マイクロ波加熱に支障がある)。
ステップS43では、加熱室113のドア114を開け、被調理物を加熱室113の中に置いた後、再びドア114を閉めるように注意喚起しても良いが、この図65に示しているように、加熱休止期間P3においてドア114を1度開け、再びドア114を閉めたかどうかの判定がステップS44、S45で行われる。
ドア114が閉められたことが統合制御装置MCで判定された場合、その時点で初めて共用操作部40Mの入力機能を復活させる。つまり、ドア114を開けたままで、マイクロ波加熱等、開始できない設計になっている。
なお、図65に破線で表示したステップS46Aは、ステップS46に相当するものである。このように、ドア114が一旦開放された時点で共用操作部40Mの入力機能を復活させても良い。この場合、このステップS46Aの直後において、共用操作部40Mの、例えば入力キー43MSを押すと、統合制御装置MCに対しては入力信号が(入力操作部40から)送信されるが、統合制御装置MCでは、次のステップS45の「ドア閉鎖」の確認信号が届かない限り、調理工程2を開始しない制御プログラムになっている。
ステップS46では、共用操作部40Mの入力キーを操作して調理工程2を開始するように報知する。なお、この場合、入力機能を復活させるのは、少なくとも調理開始を指令する入力キー43MSである。調理工程2の制御条件(例えば、火力や加熱時間)をユーザーが設定する必要がある場合には、入力キー43M1と43M2を復活させれば良い。
この後、調理工程2の開始指令があったかどうかの判定が繰り返し行われ(S47)、入力キー43MSが押された場合、調理工程2が開始される(S48)。
この後、調理工程2が終了したかどうかの判定が繰り返し行われ(S49)、調理工程2が終了した場合にはステップS50に進む。そして、連携調理モードKM3による調理を終えたことを報知する。なお、この時点で、上記ステップS46の段階で、共用操作部40Mの入力キーの入力機能を復活させていないものがある場合には、全ての入力機能を復活させておく。
図66について説明する。
複合調理モードKM2に移行するまでの操作手順は、この図66に示すように4回の入力が必要である。つまり、第1入力~第4入力までを、入力キー43M1、43M2、43M3及び43MSで行う。そして、複合調理モードKM2に移行した場合、誘導加熱源9を実際に加熱動作させるには、入力キー44R又は44Lの操作が必要である。
一方、連携調理モードKM3に移行するまでの操作手順は、この図66に示すように4回の入力が必要である。つまり、第1入力~第4入力までを、入力キー43MC、43M1、43M2及び43MSで行う。
上述したように連携調理モードKM3に移行した場合、ユーザーは中央操作部40Mにおける入力キー43M2の操作後、右加熱部17HRを最初に動作させるには、右操作部40Rで、入力キー44Rの操作をする。
また、左加熱部17HLを連携調理モードで使用することを選択した場合には、ユーザーは、左操作部40Lにおいて入力キー44Lを操作する。
このように、連携調理モードKM3に移行した後は、加熱部17HL、17HRに対応した個別操作部40L、40Rにおいて、加熱動作の開始を指令できるようにしている。また、加熱停止動作も同じ操作部で行えるようにしており、これらによりユーザーが加熱開始と終了の際に、操作部や入力キーの位置で迷わないように工夫している。
次に図67について説明する。
図67は、連携調理モードにおける各種工程を横軸に示し、縦軸には、ユーザーの操作や表示部等の主要構成部分の動作内容を示した説明図である。
図67では、連携調理モードKM3の調理動作が開始されるまでの工程を示している。
図67の左側の項目Aで、「ユーザーの操作」とは、中央操作部40Mや右操作部40Rにおける各種入力操作を示す。この「ユーザーの操作」の工程では、A1~A5の5回の操作を行っている。
A1の「リレーボタン押下」とは、連携調理モードKM3を選択する入力キー43MCを操作することである。
A2の「メニュー選択」とは、連携調理モードKM3の中で、希望する1つの調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)を選択することである。この選択は、入力キー43M1で行う。
A3の「加熱源選択」とは、誘導加熱源9の右加熱部17HRと左加熱部17HLの何れか1つを選択する操作であり、入力キー43M2で行う。この例では、右加熱部17HRが選択された場合を示す。
A4の「スタートボタン押下」とは、入力キー43MSを操作することである。
A5の「右IHの入力ボタン押下」とは、右操作部40Rの入力キー43R1を操作することである。
図67の左側の項目Bで、「調理工程」とは、連携調理モードKM3を実行するまでの工程の種類を示している。ここでいう工程は、前記調理工程1と調理工程2とは異なる。
B1の「連携調理モード選定中」とは、被調理物を選択し、その被調理物に対応する連携調理モードKM3の動作プログラムを選択する工程を示している。
B2の「グリル加熱源待機中」とは、オーブン加熱源188が待機している期間を示す。B3の「加熱中」とは、右加熱部17HRによる誘導加熱期間を示す。
図67の左側の項目Cで、「左IH表示部」とは、左側表示部31Lを指す。
C1の「消灯(操作を受け付けない)」とは、左側表示部31Lで情報を全く表示しないことを意味している。前述したように、連携調理モードKM3の移行開始を指令する入力(この図67の操作A4)の時点までは、連携調理モードKM3の第1特定画面30SPを見ながら、ユーザーが入力操作している段階である。このため、左加熱部17HLをユーザーが連携調理モードKM3で使用する可能性があるため、左加熱部17HLを「占用状態」にする一環で、左側表示部31の表示画面を起動しない。また、同時に左操作部40Lにおける入力機能を受け付けないようにしている。
C2の「消灯(通常操作を受け付ける)」とは、左側表示部31Lにおいて、情報を全く表示しないことを意味している。しかしながら、連携調理モードKM3の移行開始を指令する入力(この図67の操作A4)の時点を過ぎた段階では、前記第1特定画面30SPの入力操作は終えている段階である。このため、右加熱部17HRをユーザーが連携調理モードKM3で使用することが確定しており、左加熱部17HLを使用する可能性はなくなった段階である。そのため、左加熱部17HLを「占用状態」にする必要はなくなる。この理由から、この段階では左操作部40Lにおける入力機能を受け付け可能としている。実際に左操作部40Lの入力キー44Lを押せば、左加熱部17HLを使用した単独調理モードKM1の制御メニュー(例えば、「湯沸かし」)を選択できるようになる。
図67の左側の項目Dで、「右IH表示部」とは、右側表示部31Rの表示内容を指す。
D1の「消灯(操作を受け付けない)」とは、右側表示部31Rで情報を全く表示しないことを意味している。
前述したように、連携調理モードKM3の移行開始を指令する入力(この図67の操作A4)の時点までは、連携調理モードKM3の第1特定画面30SPを見ながら、ユーザーが入力操作している段階である。このため、右加熱部17HRをユーザーが連携調理モードKM3で使用する可能性があるため、右加熱部17HRを「占用状態」にすることに合わせて、右側表示部31の表示画面を起動しない。また、同時に右操作部40Rにおける入力機能を受け付けないようにしている。
その後、連携調理モードKM3の移行開始を指令する入力(この図67の操作A4)の時点を過ぎた段階では、連携調理モードKM3の第1特定画面30SPの入力操作は終えている段階である。
D2の「加熱待機状態」とは、右加熱部17HRをユーザーが連携調理モードKM3で使用することが確定した後において、ユーザーの操作A5を待っている状態を指している。つまり、右加熱部17HRによる調理工程1の開始指令を待っている段階である。
D3の「予熱表示」とは、右側表示部31Rで予熱状態の情報を表示することを意味している。例えば、予熱(目標)温度(例えば、180℃)に到達するまでの、実際の温度上昇の情報を表示することである
図67の左側の項目Eで、「中央表示部」とは、統合表示部30の表示内容を指す。
E1の「連携調理の初期画面」とは、前記統合表示部30に第1特定画面30SPが表示されることを示している(図95参照)。
E2の「メニュー変更」とは、入力キー43M1を操作して、連携調理モードの中から目的の1つの被調理物を選び、対応する連携調理メニューを選択することを意味している(図96(A)参照)。
E3の「選択加熱源変更(右IHを選択)とは、第1特定画面30SPを見ながら、右加熱部17HRを選択することを指す。この選択は、入力キー43M2で行われる(図96(B)参照)。
E4の「右IHの入力ボタン押下案内表示」とは、統合表示部30の第1特定画面30SPにおいて、連携調理を開始するため、右操作部40Rに配置されている、入力キー43R1の操作が必要であることを表示する意味である。つまり、ユーザーに対して、連携調理の調理工程1を開始するために、入力キー43R1を押すという操作を推奨している(図97(A)参照)。
E5の「IH予熱表示」とは、右加熱部17HRで予熱動作を開始していることを示したものである。右側表示部31Rでは、前述したように、例えば、予熱(目標)温度180℃に到達するまでの、実際の温度上昇の情報を表示している。これに対し、統合表示部(中央表示部)30では、第1特定画面30SPの中において、例えば「IH予熱中」や「予熱完了しました」等の情報(付加情報331)が表示される(図97(B)参照)。
図67の左側の項目Fで、「報知手段」とは、音声合成装置95によって報知される報知内容を指す。
F1~F5で示すように、連携調理モードとして「ハンバーグ」を選択して調理した場合、合計5回の音声報知が行われる。
F1の報知内容は、例えば「ハンバーグです。IHで調理してから、レンジグリルで仕上げます」である。つまり、第1特定画面30SPでも、被調理物を表示し、また調理工程を表示するが、音声によっても同等の情報がユーザーに報知される。
F2の報知内容は、例えば「からあげです。レンジグリルで調理してから、IHで仕上げます」である。つまり、ユーザーのメニュー選択の操作A2に応じて、リアルタイムで連携調理モードの選択の結果と、調理工程の説明がある。
F3の報知内容は、例えば「右IHです」である。つまり、右IH(右加熱部)17HRを、ユーザーが操作A3で行ったため、加熱源の選択の結果を即時報知している。
F4の報知内容は、例えば「右のIHの入力ボタンを押すと、加熱を開始します」である。つまり、ユーザーに対して、メニュー選択の操作A3に続けて、スタートボタン(入力キー43MS)の操作A4を求めている。この操作A4が行われると、右操作部40Lでの「入力キー」の操作を求めている。なお、ここでいう入力キーとは、入力キー43R1である。
F5の報知内容は、例えば「180℃で鍋の予熱を始めます」である。
連携調理を右加熱部17HRで開始した後、右加熱部17HRの加熱動作が始まり、トッププレート15の上に置かれた鍋等の被加熱物Nの温度が、目標温度180℃になるように予熱動作開始され、この事実が報知される。
図67の左側の項目Gで、「左IH駆動部」とは、インバーター回路81Lの動作のことである。
図67の左側の項目Hで、「右IH駆動部」とは、インバーター回路81Rの動作のことである。
H1の「予熱工程」とは、インバーター回路81Rが駆動され、予熱工程の動作を行っていることを示している。
図67の左側の項目Jで、「レンジグリル駆動部」とは、オーブン加熱源188を構成する上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの通電を制御する加熱室制御部159の動作と、マイクロ波加熱源189のマイクロ波加熱制御部130の動作を指す。つまり、前記した「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)を行う駆動部の動作を総括的に示している。
次に図68について説明する。
図68は、連携調理モードKM3で「ハンバーグ」を調理する場合を示したものである。図67と同様に、連携調理モードKM3の各種工程を横軸に示し、縦軸には、ユーザーの操作や表示部等の主要構成部分の動作内容を示した説明図である。
図68の左側の項目A~Jの意味は、図67で説明したものと同じである。
図68において、A11の操作内容は、ハンバーグを調理するために、予熱を始め、次に調理工程1(図68の、調理工程B11が該当部分)を行うため、最初に左加熱部17HLを選択し、入力キー44Lを押すことである。
A12の「IH切/入ボタン押下」とは、ハンバーグの調理工程1を終了するため、ユーザーが入力スイッチとして最初に左加熱部17HLを選択し、入力キー44Lを押すことである。
A13の「グリル扉を開ける」とは、ドア114をユーザーが開ける操作である。
A14の「スタートボタン押下」とは、中央操作部40Mの入力キー43MSを押すことである。
A15の「時間ボタン押下」とは、中央操作部40Mの入力キー43M2を押すことである。
A16の「スタートボタン押下」とは、中央操作部40Mの入力キー43MSを押すことである。
A17の「取消ボタン押下(グリル加熱の途中で取消)」とは、オーブン加熱源188を押すことである。
A18の「取消ボタン押下」とは、中央操作部40Mの入力キー43MTを押すことである。この入力キー43MTの操作により、連携調理モードの一連の加熱動作は全て終了する(連携調理モードの解除)。
図68の項目B(調理工程)において、B11の「IH加熱工程」とは、ユーザーが選択した左加熱部17HLにおける誘導加熱工程を示している。
B12の「グリル加熱待機工程」とは、ユーザーの操作A14が行われるまでの間の、オーブン加熱源188が待機している期間を示す。
B13の「グリル加熱工程」とは、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189による加熱工程を示す。
B14の「グリル加熱延長待機工程」とは、B13のグリル加熱工程が一旦終了したあと、ユーザーが延長工程を指令するかどうかの判断を待っている待機期間を示す。
B15の「延長加熱工程」とは、B14のグリル加熱延長待機工程の間に、ユーザーが操作A16(スタートボタン押下)を行ったために、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189を再度駆動(通電開始)して行う工程である。延長加熱工程は、入力キー43MSを押すことで開始される。
図68に示すように、「延長加熱工程」B15は、ユーザーが操作A16(スタートボタン押下)を行えば、1回だけではなく、何度も行える。しかし、一旦、A18の「取消ボタン押下」を行った場合には、(連携調理モードと複合調理モードの取消用)入力キー43MTの取り消し操作時点で、連携調理モードは解除されるので、再度加熱室113で加熱調理するには、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189を、「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)で運転する必要がある。
図68の項目C(左IH表示部)において、C11の「予熱表示」とは、予熱工程における目標予熱温度を、右側表示部31Rや左側表示部31Lにおいて表示することである(図88、図90参照)。例えば、予熱目標温度(例えば180℃)を表示する。
C11a~C11dは、進捗表示1~進捗表示4を示している。例えば、進捗表示1とは「予熱中」という表示であり、「進捗表示4」とは、「適温」という表示である。この「適温」とは、予熱目標温度(例えば180℃)まで被加熱物(鍋等)Nが加熱されたことを指している。予熱表示(C11)の期間中、予熱の進捗(温度上昇)に合わせて、前記進捗表示1~進捗表示4(C11a~C11d)が行われる。この図68では、左加熱部17HLによる予熱状態表示C11が、左側表示部31Lにおいて行われる。
C12の「調理工程」とは、左加熱部17HLが、予熱目標温度(例えば180℃)に到達した以降、被加熱物Nを加熱調理していることを示している。つまり、調理工程1を開始していることを表示している。このC11とC12の調理工程から明らかなように、この期間中、ユーザーの操作は何も行われていない(操作の必要がない)。つまり、操作A11を行った後、操作A12までの間にユーザーの操作入力は必要ではない。
図68の項目E(中央表示部)は、統合表示部30の表示内容を示すものである。
E11の「IH予熱表示」とは、統合表示部30に表示された第1特定画面30SPにおいて、左加熱部17HLにより予熱が開始されたことを表示するものである(図97(A)参照)。
図68において、E12の「IH加熱表示」とは、予熱が完了したので、左加熱部17HLで加熱できる状態になったことを表示するものである(図98(B)参照)。つまり、誘導加熱(IH加熱)を使用した調理工程1に進む段階であることを示すものである。
E13の「グリル扉開閉操作誘導表示」とは、誘導加熱(調理工程1)を終えたので、被調理物を(調理工程2を行う)加熱室(加熱庫)113に移すように促すものである(図100参照)。この場面における付加情報331の1つの例は、「食品を加熱庫に入れて下さい」という表示である。
図99に示すように、左IHコイル17HLによる誘導加熱調理中、ユーザーが任意のタイミングで当該加熱動作を停止させようとする場合には、「左のIHの切入ボタンを押してください」という付加情報331を表示させても良い。ここでいう「切入ボタン」とは入力キー44L(入力キー43L1に変更しても良い)のことである。
図68において、E14の「火力変更表示とスタート誘導表示の交互表示」とは、加熱室113におけるレンジグリル調理(複合加熱)における火力を変更できることを表示し、更に、そのような加熱室でのグリル加熱調理を、スタートボタン(入力キー43MS)で開始できることを表示したものである(図101参照)。
図68において、E15の「グリル加熱表示」とは、加熱室113の中で被調理物を、マイクロ波加熱源189又はオーブン加熱源188の両方又は何れか一方により加熱していること(調理工程2)を示すものである(図102参照)。
この実施の形態1では、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の両方を同時に駆動し、マイクロ波と輻射熱の相乗効果により被調理物を内部と外部から同時に加熱する方法を採用している。
図68において、E16の「延長操作案内表示と終了操作表示の交互表示」とは、前記グリル加熱工程B13が終了したので、時間ボタン(入力キー43M3)で時間を延長し、再度グリル加熱できることを表示するものである(図103(A)参照)。
また、ユーザーが延長加熱を希望しない場合には、取消しボタン(入力キー43MT)を押せば、延長加熱せずに連携調理モードを終了できることを表示するものである(図103(B)参照)。これら2種類の情報を、第1特定画面30SPの中において、例えば数秒間隔で、交互に表示する。
E17の「時間設定表示」とは、入力キー43M3で加熱調理時間を延長し、再度グリル加熱する場合、その延長時間を設定した結果を表示するものである(図104参照)。この時間設定表示の後で、前記「グリル加熱表示」E15と、「延長操作案内表示と終了操作表示の交互表示」E16が行われる。
図68の項目F(報知手段)において、F11の報知内容は、「180℃で鍋の予熱を始めます」である。これは、IH加熱工程B11において、右加熱部17HRにより予熱工程を始めたことを音声で報知するものである。
図68において、F12の報知内容は、「右のIHが設定温度になりました調理を始めてください」である。前記右加熱部17HRによる予熱が目標温度(例えば180℃)に到達したことを知らせ、右側操作部40Rでの加熱開始操作を促すものである。
図68のFA1は、第1の参考情報の報知である。この「第1の参考情報」FA1を、以下の説明では、「参考情報1」と呼ぶ。なお、この参考情報の趣旨を文字や図形によって前記統合表示部30や、左右の表示部31L、31Rに表示しても良い。その場合の表示は、「参考表示1」と呼ぶ。
参考情報1(FA1)の報知は、左IHコイル17Lによる調理工程1(図68のG12)が開始された時点から所定の時間(第1の時間TN1)を経過した時点で行われる。これについては、図70によって後で詳細に説明する。
図68において、F13の報知内容は、「なべが熱くなっています。やけどに注意して、食品を庫内に入れてください」である。これは、右加熱部17HRによる調理工程1(G12)が終わったので、食品を調理工程2のために加熱室113に移動させることと、トッププレート15等が熱いため、注意喚起をするものである。
F14の報知内容は、「スタートボタンでレンジグリルの加熱を開始します」である。これは、入力キー43MSを操作して、レンジグリル調理を開始することができることを報知するものである。
F15の報知内容は、「レンジグリル仕上がり標準を始めます」である。これは、レンジグリルの調理工程2を開始して、調理(例えば、ハンバーグ)を完成させることを報知するものである。なお、「標準を始めます」とは、レンジグリル調理時の火力が「標準」であるという意味である。
図68のFA2は、第2の参考情報の報知である。この「第2の参考情報」FA2を、以下の説明では、「参考情報2」と呼ぶ。なお、この参考情報の趣旨を文字や図形によって前記統合表示部30や、左右の表示部31L、31Rに表示しても良い。その場合の表示は、「参考表示2」と呼ぶ。
参考情報2(FA2)の報知は、加熱室113におけるレンジグリル駆動部による調理工程2(図68のグリル加熱工程B13)が開始された時点から所定の経過時間(第2の経過時間TN2)を経過した時点で行われる。又は、調理工程2(図68のグリル加熱工程B13)が開始された時点から所定の温度(第2の上昇温度TN2)を超過した時点で行われる。これらについては、図70によって後で詳細に説明する。
F16の報知内容は、レンジグリルの調理が終わったことと、時間ボタン(入力キー43M2)で調理時間を延長できることを報知するものである。また、取り消し用ボタン(入力キー43MT)を操作すれば、延長加熱をせずに、一連の連携調理モードKM3を終了することも報知する。更に、加熱室113は高温になっているので、冷えてから庫内を清掃するように注意喚起する。
F17の報知内容は、レンジグリルの調理工程(B13)が終了した後で、ユーザーが延長加熱の操作をして、更に2分20秒の加熱を始めることを報知するものである。このF17の報知の後で、前記F16の報知が再度行われる。延長加熱を更にユーザーが指令すれば、このような報知F16とF17が繰り返される。
図68の項目G(右IH駆動部)において、G11は、予熱工程(B11)のための誘導加熱動作を示している。
G12は、その予熱工程に引き続いて行われる調理工程1のための誘導加熱動作を示している。
図68の項目J(レンジグリル駆動部)において、J11は、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189を駆動した期間を示しており、この期間に調理工程2が実行される。
J12は、延長加熱工程のためにオーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189とを駆動する期間を示している。
次に図69について説明する。図69は、連携調理モードの1つである「からあげ」を連携調理モードで行う場合の、各種工程と動作の関係を示す説明図である。図67、図68と同様に、連携調理モードの各種工程を横軸に示し、縦軸には、ユーザーの操作や表示部等の主要構成部分の動作内容を示している。
図69において、項目A(ユーザーの操作)のA21の操作内容は、からあげを調理するために、最初に左加熱部17HLを選択し、入力キー44Lを押すことである。これにより予熱工程(図69のG21参照)が開始される。
A22の操作は、加熱室113のドア114を開ける操作を示す。この段階では既に左加熱部17HLでの誘導加熱(予熱)は開始されている。
A23の操作は、「スタートボタン押下」と呼び、中央操作部40Mの入力キー43MSを押すことである。
このA23の操作により、「レンジグリル駆動部」が駆動され、グリル加熱工程B23が行われる。なお、「レンジグリル駆動部」とは、加熱室制御部159とマイクロ波加熱制御部130を指す。
左加熱部17HLによるIH予熱工程G21が終了する前から、前記加熱室113における「レンジグリル駆動部」のグリル加熱工程B23を開始している。
このように、オーブン加熱源188を通電しても加熱室113の温度を直ぐには上げることができないため、温度の立ち上げに必要な時間を考慮して、オーブン加熱源188へ通電を開始する時間を決定している。
A24の操作は、「レンジグリル駆動部」によるグリル加熱工程B23が終了してから、加熱室113のドア114を開ける操作を示す。これにより、被調理物(食品)を加熱室113から取り出すことができる。
一方、ドア114を開けて被調理物(食品)を加熱室113から取り出す前の時点から、からあげの調理器具(専用鍋などの被加熱物N)を左加熱部17HLにおいて加熱(調理工程G22)している(この場合は、食用油は注いでいない)。従って、予熱された加熱物Nの上に、上記した加熱室113の中からの被調理物を載せると、誘導加熱源9による調理工程2になる(この時点で食用油や調味料等を追加しても良い)
。
A25の操作は、「レンジグリル駆動部」によるグリル加熱工程B23を再度行うために、時間ボタンと呼んでいる入力キー43M3を操作することである。
A26の操作は、グリル加熱工程B23を再度開始するために、入力キー43MSを押すことである。
A27の操作は、グリル加熱工程B23を途中の任意の時点で終了させるため、入力キー43MTを押すことである。これにより、連携調理モードは解除される。
A28の操作は、左加熱部17HLによる加熱動作を終了するために入力キー44Lを押すことである。
次に図69において、項目B(調理工程)について説明する。
B21は、IH予熱工程で、ユーザーが選択した左加熱部17HLで予熱する工程である。
B22は、グリル加熱待機工程であり、ユーザーがドア114を開け、その後に、加熱開始の操作A23を待っている状態である。
B23は、グリル加熱工程(調理工程1)である。
B24は、IH加熱工程で、ユーザーが選択した左加熱部17HLで加熱する調理工程2である。
次に図69において、項目C(左IH表示部)について説明する。
C21の表示は、左加熱部17HLで予熱していることを示すものである。
C21a~C21dの表示は、前記表示C21の期間中に順次表示されるものであり、C21aは、進捗表示1、C21bは進捗表示2、C21cは進捗表示3、C21dは、進捗表示4である。
C22の表示は、左加熱部17HLによる予熱動作の完了(調理工程)表示である。
図69において、項目E(中央表示部)について説明する。
E21の表示は、IH予熱表示であり、左加熱部17HLで予熱動作を行っていることが分かる(図105(A)参照)。
E22は、グリル扉開閉操作誘導表示であり、ドア114を開けて、グリル加熱工程B23を行うために、被調理物(食品)を加熱室113に入れることを促すものである(図105(B)参照)。
E23は、火力変更表示とスタート誘導表示の交互表示であり、からあげの調理を「レンジグリル駆動部」を駆動して行う際に、火力の調節ができることや、入力キー43MSを押せば調理をスタートできること等を表示している(図106(A)参照)。
E24は、レンジ加熱表示であり、「レンジグリル駆動部」を駆動して行う際に調理の火力を変更できること、また調理が始まったあとは、終了するまでの残り時間等を表示する(図107参照)。
E25は、図107(A)(B)に示すように、延長操作案内表示とIH予熱完了表示の交互表示である。
前記「レンジグリル駆動部」を駆動して行っている調理工程B24が終了したあと、時間ボタン(入力キー43M2)で時間を延長し、加熱調理時間を延長できることを、表示する。
一方、左加熱部17HLによる予熱が完了したことを表示する。つまり、これら2種類の情報は、第1特定画面30SPの中において、例えば数秒間隔で、交互に表示する。
E26は、時間設定表示である。これは、前記「レンジグリル駆動部」を駆動して行っている調理工程B24を、例えば2分30秒間行うことを表示するものである(図109参照)。
図69において、項目F(報知手段)について説明する。
F21の報知は、例えば「180℃で鍋の予熱を始めます」というように、予熱目標温度と左加熱部17HLにより予熱工程を始めたことを音声で報知するものである。
F22の報知は、「まもなく左のIHが設定した温度になります。食品を庫内に入れてください」というものである。左加熱部17HLによる予熱が目標温度(例えば180℃)に到達したことを知らせ、一方、加熱室113でのレンジグリル調理を開始できるように、加熱室113に食品等を入れることを促すものである。
F23の報知は、「スタートボタンでレンジの加熱を開始します」という内容である。つまり、入力キー43MSを押してレンジグリル調理を開始することを報知する。
F24の報知は、例えば「レンジ、仕上がり標準を始めます」というものである。この場合の「仕上がり標準」とは、火力が標準レベルであるという意味である。
図69のFA3は、第3の参考情報の報知である。この「第3の参考情報」を、以下の説明では、「参考情報3」と呼ぶ。なお、この参考情報3(FA3)の趣旨を文字や図形によって前記統合表示部30に表示しても良い。その場合の表示は、「参考表示3」と呼ぶ。
参考情報3の報知は、加熱室113におけるレンジグリル駆動部による調理工程1(図69のB23)が、ユーザーの操作入力(図69のA23)により開始された時点から所定の時間(第3の経過時間TN3)を経過した時点で行われる。これについては、図71によって詳細に説明する。
F25の報知は、レンジグリルの調理が終了した際の、ユーザーの操作に関するものである。例えば「レンジグリルの調理が終わりました。時間ボタンで調理を延長できます。庫内から食品を取り出し、IHで調理を始めてください」という内容である。
F26の報知は、レンジグリルの調理が終了した後で、再度レンジグリルの調理を行うものことを知らせるものである。例えば「レンジグリル、2分を始めます」という報知が行われる。これは延長時間を2分間に設定したため、これから2分間レンジグリルの調理を開始するという意味である。
図69のFA5は、第5の参考情報の報知である。この「第5の参考情報」FA5を、以下の説明では、「参考情報5」と呼ぶ。なお、この参考情報5(FA5)の趣旨を文字や図形によって前記統合表示部30に表示しても良い。その場合の表示は、「参考表示5」と呼ぶ。
参考情報5の報知は、加熱室113におけるレンジグリル駆動部による調理工程3(図69のB23)が、ユーザーの操作入力(図69のA26)により開始された時点から所定の時間(第5の時間TN5)を経過した時点で行われる。これについては、図71によって詳細に説明する。
図69において、項目G(左IH駆動部)において、G21の予熱工程は、左加熱部17HLによる予熱工程であり、インバーター回路81Lの駆動期間を示す。
図69において、G22は、同じく左加熱部17HLによる調理工程のための加熱動作(インバーター回路81Lの駆動)期間を示す。
項目J(レンジグリル駆動部)において、J21の加熱工程は、オーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189による駆動期間を示す。なお、図69で説明した連携調理モードは、「からあげ」を調理する場合であるので、実際はマイクロ波加熱源189だけの駆動で良い。
次に、図70~72について説明する。
図70~72は、連携調理モードKM3が実行される場合において、前記「参考情報1」~「参考情報4」が報知される過程を示したものである。
図70は、連携調理モードKM3として、ハンバーグを調理する場合である。
この図70は、図68に示した連携調理モードKM3の各種工程に対応したフローチャートである。
この実施の形態1では、ハンバーグは、調理工程1を、例えば、左加熱部17HLで行い、調理工程2は、「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)で行う。つまり、調理工程2は、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を併用する。
最初のステップSA1では、左加熱部17HLで既に予熱温度(例えば、180℃)まで加熱された被加熱物Nにおいて、誘導加熱(調理工程1)が開始され、図68で説明したように、「左のIHが設定温度になりました調理を始めてください」という音声報知F12が行われる。なお、この「設定温度」は、ユーザーが設定した予熱温度のことである。デフォルト値は180℃になっている。また、この調理工程1は、IHコイル17Lが誘導加熱を開始した時点から開始されたものではない。予熱温度になった被加熱物Nの上に被調理物(この場合、ハンバーグ)が載せられて加熱が開始された時点が、スタート時点である。
次のステップSA2では、経過時間TN1の経過時間の計測が開始される。
この経過時間TN1の計測は、時計回路96によって行われる。
ステップSA3では、経過時間TN1を超過するかどうかの判定を行う。
ハンバーグを焼く場合、ハンバーグの分量(重量)、焼く時間、焼く火加減、の3つが重要であるが、所定の分量(例えば、300g)のハンバーグを標準火力(例えば1000W)で加熱調理する場合の、標準的な時間が「7分間」であるとすると、前記経過時間TN1は例えば5分間である。
経過時間TN1の利用目的が、ハンバーグを途中で上下反転させる(ひっくり返す)タイミングの目安を知ることにある場合、上記の例では、5分経過時点の報知FA1によって、上下反転のタイミングを、ユーザーは知ることができる。なお、実際の報知内容は、例えば「加熱開始から5分経過しました。あと2分で加熱終える予定です」である。
なお、その他の連携調理モードの場合では、例えば、途中で水や調味料、調理液を加えるタイミングを知ることもできる報知となる。
経過時間TN1を超過した場合、ステップSA3は「Yes」となり、ステップSA4に進み、第1の参考情報(参考情報1)FA1の報知が音声合成装置95によって行われる。
また、これと同期して、左側表示部31Lによって、参考情報1(FA1)を表示しても良い。
このステップSA4の後で、ユーザーが左加熱部17HLの加熱動作を停止するかどうかの判断が行われ(ステップSA5)、停止指令があった場合には、ステップSA6に進む。
ステップSA6では、左加熱部17HLによる加熱動作が停止される。図68で説明したように、「鍋が熱くなっています。やけどに注意して、食品を庫内に入れてください」という趣旨の音声報知F13が行われる。
ユーザーが被調理物(この場合は、ハンバーグ)を、前記加熱室113の内部に移動させる。この場合、誘導加熱で使用した金属製の鍋は使用しない場合は、代わりに耐熱性の高いプラスチックや磁器、ガラス等で形成されている食器や、専用の受け皿145(図示せず)を使用する。そのような食器や受け皿の中にハンバーグを入れて加熱室113の中に置く。
また、誘導加熱で使用した被加熱物Nを、そのまま加熱室113に入れて調理しても良い。但し、マイクロ波加熱調理ができるような(電波透過性又は開放形の)被加熱物Nに限られる。
加熱室113のドア114が閉じた状態にあることが統合制御装置MCで検知されると、次のステップSA7では、図68で説明したように、「スタートボタンでレンジグリルの加熱を開始します」という趣旨の音声報知F14が行われる。
ユーザーが、入力キー43MSを操作すると、ステップSA8は「Yes」となり、調理工程2として、レンジグリル調理が開始される。
図68で説明したように、「レンジグリル仕上がり標準を始めます」という内容の音声報知F15が行われる(ステップSA9)。
次のステップSA10では、レンジグリルの加熱源となるマイクロ波加熱源189が、標準火力で駆動される。例えば、前述したように出力500Wで運転開始される。
また、レンジグリルの加熱源となるオーブン加熱源188の、上部ヒータ163Aが1000Wで通電開始される。
次に、前記ステップSA10の時点からの経過時間TN2の計測が開始される(SA11)。そして経過時間TN2を超過したことが判定される(ステップ:SA12)と、ステップSA13に進み、第2の参考情報(参考情報2)の報知が音声合成装置95によって行われる。また、これと同期して、統合表示部30によって、参考情報2(FA2)が表示される。
参考情報2(FA2)の報知内容は、例えば、調理工程2が開始された時点から所定の時間を経過したことである。調理工程2の標準的な時間が例えば5分間であった場合、経過時間TN2を、4分30秒に設定しておくと、調理工程2の終了より30秒前で、調理工程2の終了を知ることができる。
一般に、食材がある程度加熱されると、食材の加熱度合いが急速に進行すると言われている。特に、その食材を使った加熱調理に慣れていない場合には、過加熱となる懸念がある。そこで、調理工程1では、その終了よりも前の時点で参考情報1(FA1)を報知している。
同様に、調理工程2では、その終了よりも前の時点で参考情報2(FA2)を報知している。このため、ユーザーに対して調理の終了や次の工程への注意や準備を促すことができる。
この後、次のステップに進む。
この後、図68に示したF16の報知が行われる。つまり、前述したように時間ボタン(入力キー43M3)で調理時間を延長できることが報知される。また、取消ボタン(入力キー43MT)を操作すれば、連携調理モードによる「ハンバーグ」の調理工程を全て終了することになる。
次に図71について説明する。
この図71は、連携調理モードKM3として、「からあげ」を選定し、調理工程1を、「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)で行う。調理工程2は、例えば左加熱部17HLを使用する場合である。
また、この図71の例では、調理工程3もあり、その工程は、「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)で行う。
図71は、図69に示した連携調理モードの各種工程に対応したフローチャートである。
図69で説明したように、調理工程1を開始(A23)すると、例えば「レンジ、仕上がり標準を始めます」という音声報知F24が行われる。この場合の「仕上がり標準」とは、火力が標準レベルであるという意味である。例えば、マイクロ波出力500Wによって加熱動作が開始される(ステップ:SB1)。
次のステップSB2では、加熱室113や被調理物の温度の計測が開始される。つまり、「からあげ」調理の基礎食材(鶏肉)の上昇温度TN3の計測が開始される。
この温度TN3の計測は、温度検出回路93によって行われる。
次のステップSB3では、上昇温度TN3を超過したかどうかの判定を行う。
「からあげ」の食材となる鶏肉をマイクロ波で加熱すると、温度が上昇するので、この温度の計測結果が所定の上昇温度TN3になったかどうかを判定する。
からあげの分量(重量)、焼く時間、火加減の3つに起因して温度TN3の上昇速度は変化する。所定の分量(例えば、300g)の「からあげ」の材料を標準火力(例えば出力500Wのマイクロ波)で加熱調理する場合の温度上昇パターンは、事前の実験結果等から統合制御装置MCが制御データとして保有している。
つまり、統合制御装置MCは、標準的なマイクロ波出力(500W)で仕上げる場合、ある温度まで上昇して、その温度で加熱を継続した場合が良いというデータを保有している。そこで、その上昇温度(TN3)まで上昇した時点を、ユーザーに報知することにしている(ステップ:SB4)。
ユーザーは、からあげの(マイクロ波)加熱を終了させるタイミングが近づいていることを、参考情報3(FA3)の音声報知によって事前に知ることができる。なお、これと同期して、統合表示部30の参考表示3によっても知ることができる。
このステップSB4の後で、マイクロ波加熱は(調理時間超過により)自動的に停止される。なお、ユーザーが途中で停止させても良い。例えば、上昇温度TN3まで上昇してから1分後に、統合制御装置MCがマイクロ波加熱制御部130を経由してマイクロ波加熱源189による加熱動作を停止するという制御プログラムであった場合、上昇温度TN3まで上昇したことの参考情報3の報知を受けてから、1分間経過前に任意に加熱動作を停止させても良い。
この後、誘導加熱部17Hを使用する調理工程2に進む。このためには、ユーザーが加熱室113の中の被調理物を、トッププレート15の上まで移動させる必要がある。この点については、図72で説明する。
図71において、ステップSB7は、調理工程2における参考情報4(FA4)の報知である。これは、誘導加熱部17Hで予熱が完了した以降に、ユーザーが被調理物を予熱で高温になった被加熱物Nに載せた時点からの、経過時間TN4又は上昇温度TN4で判定する。
このステップSB8では、ユーザーが入力操作部40の入力操作を全く行わない。単に被調理物を移動させるだけである。そのため、経過時間TN4の起点は、被加熱物Nの温度が低下したタイミンングを検知した情報を採用する。被調理物の載置、投入で被加熱物Nの温度は、一旦急激に低下するので、その時点を温度検出回路93で検知し、この検知時刻からの経過時間をカウントすれば良い。
この後のステップSB8は、調理工程2を終えた後の、調理工程3を加熱室113で行うための指令を判定する場面である。ユーザーが、図69に示したA26の操作を行う。そのためには、入力キー43MSを押す必要がある。
なお、このステップSB7の前には、トッププレート15の上で誘導加熱(調理工程2)を行った被調理物を、ユーザーが再び加熱室113に戻す作業が必要がある。この点については、図72で説明する。
次のステップSB9では、「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)の調理工程3が開始される。
F26の報知は、前述したように、レンジグリルの調理が終了した後で、再度レンジグリルの調理を行うものことを知らせるものである。例えば「レンジグリル、2分を始めます」という報知が行われる。
次のステップSB10では、経過時間TN5の計測が開始される。つまり、調理工程3の開始時点からの経過時間TN5の計測が開始される。
この経過時間TN5の計測は、時計回路96によって行われる。
次のステップSB11では、経過時間TN5を超過したかどうかの判定を行う。
調理工程3を開始する前の段階(ステップSB8よりも前の段階)で、例えば、「レンジグリル制御メニュー」(RG制御メニュー)の調理を、2分間行うことを設定した場合、前記経過時間は、例えば1分30秒に設定されている。言い換えると、調理工程3が終了する30秒前に設定されている。
経過時間TN5を超過した場合、ステップSB12に進む。
ステップSB12では、参考情報5(FA5)が音声で報知される。参考情報5は、例えば、「あと30秒で加熱終了します。更に延長する場合には、時間を設定して下さい」等の案内が行われる。また、最終的な調理工程を終えることが分かるので、ユーザーは、「からあげ」を加熱室113から取り出すための準備を、この参考情報5の報知の時点から開始できる。また、これと同期して、統合表示部30によって、参考情報5(FA5)が表示される。
次のステップSB13では、調理工程3が自動的に停止される。
また図69に示したF25の報知も行われる。この報知は、レンジグリルの調理が終了した際の、ユーザーの操作に関するものである。例えば「レンジグリルの調理が終わりました。時間ボタンで調理を延長できます。庫内から食品を取り出してください」という内容である。なお、調理工程3の停止は、ユーザーが入力操作部40を操作しなくとも、ドア114を開ければ良い。
次に、図72について説明する。
この図72は、連携調理モードKM3で「からあげ」を行った場合の動作ステップを示している。この図72は、図69と図71に対応したタイムチャートである。
図72の中で、#1~#9は、ユーザーの操作や加熱調理器1の状態変化を示したものである。その他の符号は、図69と図71に対応している。
図72において、ユーザーが「からあげ」を調理するために、調理工程1を始める前に、最初に左加熱部17HLを選択し、入力キー44Lを押す(図69の操作A21)。そしてトッププレート15上に置いた被加熱物Nの予熱を開始する。この場合の被加熱物Nは、天ぷら用の金属製鍋であり、食用油を一定の量以上入れておく。
一方、ユーザーは、加熱室113のドア114を開けて、「からあげ」の食材(味付けした鶏肉など)を、加熱室113の中に入れる(#1)。
そして、ドア114を閉めた後、「スタートボタン押下」と呼んでいる操作A23を行う。これは、中央操作部40Mの入力キー43MSを押すことである。
この時点でマイクロ波加熱源189が動作してマイクロ波加熱調理の調理工程1が開始される。すると、図71のステップSB1~SB3を経由して、参考情報3の報知が行われる(図71のSB4)。
また、この調理工程1の間に、左側誘導加熱部17HLの予熱は完了する(例えば、前記被加熱部Nは、予熱の標準温度である180℃まで加熱された状態になる)。この予熱完了は、報知部ANによって音声と文字等でユーザーに知らされる(#2)。
ユーザーは、調理工程1の途中で、任意のタイミングでマイクロ波加熱調理を停止できる。停止するためにはドア114を開ければ良い。なお、中央操作部40Mの入力キー40MTを押すと、連携調理モードの「からあげ」の選択がキャンセルされてしまう。
ドア114の開放によって即時にマイクロ波加熱動作は停止され、調理工程1が終了する(#3)。
次に、ユーザーは、加熱室113の中で加熱された食材を、今度はトッププレート15の上で予熱されている被加熱物Nの中に移動させる(#4)。
そして、左加熱部17HLで調理工程2を開始する(#5)。
調理工程2では、予熱を始める前の最初に、左操作部40Lの入力キー44L(図23参照)を押しているので、その時点で左操作部40Lから誘導加熱の開始指令が統合制御装置MCに送られる。
調理工程2の開始(#5)は、ユーザーは入力操作部40を特に操作する必要はない。
実際に予熱された被加熱物Nの上に被調理物を置いて加熱される状態にした時点が、調理工程2の開始時点となる。
調理工程2の終了は、ユーザーが左操作部40Lを操作すれば、任意のタイミングで終了することができる。
次に、ユーザーは、被調理物を再び移動させる。
まず、ドア114を開放して加熱室113の中へ、被調理物を入れ、ドア114を閉める(#6)。
そして、中央操作部40Mの入力キー43MSを押して、レンジグリル制御メニュー(RG制御メニュー)の調理工程3を開始する。
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加熱室113におけるレンジグリル駆動部による調理工程3が、ユーザーの操作入力(図68のA26)により開始された時点から所定の時間(第5の時間TN5)を経過した時点で、参考情報5(FA5)の報知が行われる。
前記参考情報5(FA5)は、例えば「あと30秒で加熱終了します。更に延長する場合には、時間を設定して下さい」等の案内を含んだ情報である。また、最終的な調理工程を終えることが分かるので、ユーザーは、からあげを加熱室113から取り出すための準備を、この参考情報5の報知の時点から開始できる。また、これと同期して、統合表示部30によって、参考情報5(FA5)が表示される。
その後、マイクロ波加熱動作は停止され、調理工程3が終了する(#7)。なお、この調理工程3は、ユーザーがドア114を開ければ、即座に停止できる。
そして、この後にユーザーは、加熱室113の中で加熱された食材を、今度はトッププレート15の上で予熱されている被加熱物Nの中に移動する(#8)。なお、この場合、誘導加熱によって前記被加熱物Nが加熱された状態に維持されているので、更に誘導加熱(調理工程4)しても良い(#9)。この場合、既に被加熱物Nが予熱されている状態なら、そのまま被調理物をトッププレート15の上の被加熱物Nに移動するだけで良い。
誘導加熱調理は、左側操作部40Lを操作して終了することができる。つまり、ユーザーの操作A28は、左加熱部17HLに対応した左側操作部40Lの入力キー44Lを押すことである。
この図72に示した調理シーケンスは、誘導加熱源9の加熱動作開始(予熱工程開始)から調理工程1の終了時点までの所要時間を短くすることができる。
すなわち、誘導加熱源9の予熱完了又はその予熱完了報知を待つことなく、それよりも以前に食材(被調理物)を加熱室113に入れて、調理工程1を開始しているからである。
そして調理工程1が完了する前に、誘導加熱源9の予熱が完了するため、調理工程1の終了後に、直ぐに被調理物をトッププレート15の上の被加熱物Nの中に移し、調理工程2を開始することができる。
なお、必ず調理工程3や調理工程4が必要になるものではない。被調理物の種類やユーザーの希望等に応じて、必要な調理工程で終えれば良い。
また、図72では、調理工程2を終えた後も「左IHコイル駆動期間」が継続するような図になっているが、調理工程2を終えた以降で誘導加熱源9を使用しない場合には、調理工程2の終了後に、左側操作部40Lによって左IHコイル17Lの駆動を何時でも停止して良い。具体的には、左側操作部40Lの入力キー44Lを押せば、左加熱部17HLの過熱動作は停止する。但し、図68に破線で記載しているように、更に調理工程4でも左IHコイル17Lを使用する場合には、調理工程4の前に再び予熱を開始する必要がある。
次に、図73について説明する。
この図73は、図72と同様に連携調理モードKM3で、調理メニューとして「からあげ」を行った場合の動作ステップを示している。この図73は、図69と図71に対応したタイムチャートである。
図73の中で、#1~#9は、図72で説明したように、ユーザーの操作や加熱調理器1の状態変化を示したものである。その他の符号は、図69と図71に対応している。
この図73と図72との差異について説明する。
図73は、誘導加熱源9による被加熱物Nの予熱完了とその報知(#2)を待って、加熱室113において調理工程1を開始する場合を示している。
ユーザーは、誘導加熱源9による被加熱物Nの予熱完了が、第1特定画面30SPや、左右の表示部31L、31Rによって表示され、また音声合成装置95によって音声で報知された場合、加熱室113のドア114を開けて、「からあげ」の食材(味付けした鶏肉など)を、加熱室113の中に入れる(#1)。
そして、ドア114を閉めた後、中央操作部40Mの入力キー43MSを押す。
この時点でマイクロ波加熱源189が動作してマイクロ波加熱調理の調理工程1が開始される。すると、図71のステップSB1~SB3を経由して、参考情報3の報知が行われる(図71のSB4)。これ以後は、図72に示した工程と同じである。
この図73に示した調理シーケンスは、誘導加熱源9の加熱動作開始(予熱工程開始)から調理工程1の終了時点までの所要時間は、図72の事例に比較して長くなる。
しかしながら、誘導加熱源9の予熱完了又はその予熱完了報知を待ってから、食材(被調理物)を加熱室113において加熱開始しているので、この加熱室113における調理工程1の終了時には、被調理物を移動させれば、必ず誘導加熱源9による加熱動作が直ぐに開始できる保証がある。そのため、あまり連携予熱調理モードKM4に習熟していないユーザーには、この方法が適している。
なお、図73では、調理工程2を終えた後も「左IHコイル駆動期間」が継続するような図になっているが、調理工程2を終えた以降で誘導加熱源9を使用しない場合には、調理工程2の終了後に、左側操作部40Lによって左IHコイル17Lの駆動を何時でも停止して良い。但し、図73に破線で記載しているように、更に調理工程4でも左IHコイル17Lを使用する場合には、調理工程4の前に再び予熱を開始する必要がある。
次に、図74~図76について説明する。
図74は、連携調理モードへ移行する前の統合制御装置の制御動作を示すフローチャート1である。図75は、連携調理モードへ移行するまでの、統合制御装置の制御動作を示すフローチャート1である。図76は、連携調理モードへ移行する前の許可条件と、判定結果を示す説明図である。
図74について説明する。ステップST2~ST4は、図38で説明したので、簡単に説明する。
ステップST2は、IH制御部90が、異常の有無を判定するステップである。加熱室制御部159及びマイクロ波加熱制御部130の異常有無も、統合制御装置MCにより異常有無の診断が行われる。
ステップST3の段階では、統合表示部30が起動され、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する。なお、この段階で、統合制御装置MCは、総電力消費量の上限値について入力操作部40から設定指令を受けているかどうかも確認する。
ステップST4では、統合制御装置MCが、統合表示部30と音声合成装置95によって、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
このステップST4では、統合表示部30には、待機時初期画面(表示画面1、2A、2B)が表示され、また注意情報の表示も行われる(図52参照)。
そして、入力キー43MC以外の入力キー(例えば、43M1)が操作されたかどうかを判別する(STC)。入力キー43MCが操作されていた場合は、ステップSTCは「No」となり、ステップSTR1に進む。ステップSTR1では、「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。例えば、連携調理モードKM3で使用される加熱源の使用状態をチェックする。
この許可条件と判定結果については、図76を参照しながら後で詳しく説明する。
ステップSTCでは、最初の入力操作をチェックする。例えば、入力キー43MCが押される前に、個別操作部である左操作部40L又は右操作部40Rによる、個別加熱調理が選択されたかどうかを判別し、また中央操作部40Mによって複合調理モードKM2が選択されたかどうかを判別する。
一定の猶予時間(例えば30秒間)内に、最初に入力キー43MCの操作が行われた場合には、前述したように「連携調理モードKM3」の表示が開始される。
一方、入力キー43MCの操作が行われず、入力キー43M1がタッチ操作された場合には、ステップSTCは「Yes」の判定となり、ステップST5に進む(図38参照)。
図74において、ステップSTR1とSTR2は、連携調理モードKM3による調理を許可するかどうかを決定する「許可条件」の判定ステップである。
ステップSTR1は、「許可条件1」を判定する段階である。
ここで「許可条件1」とは、
(1)前記ピークカット値設定が5000W以上であること、
(2)外部のホーム・ゲートウエイ411から受信した電力削減指令信号がある場合、その削減指令のピークカット値が5000W以上であること、
の2つであり、この2つを満たせば、ステップSTR1は「Yes」判定になる。
次のステップSTR2における「許可条件2」とは、以下の3つである。
(1)誘導加熱源9において、中央加熱部17HM(図示せず)を設けた場合、当該中央加熱部が加熱動作中ではない。
(2)オーブン加熱手段188又はマイクロ波加熱手段189の一方又は両方が加熱動作中ではない。
(3)誘導加熱源9の右加熱部と左加熱部の両方とも加熱動作中ではない(又は、一方だけが加熱動作中である)。
以上の3つを満たせば、ステップSTR2は「Yes」判定となる。そして、STR3に進む(図75参照)。
前記ステップSTR1とSTR2で「No」の判定になった場合は、ステップSTR12に進み、連携調理モードKM3は選択できないことを前記統合表示部30や音声合成装置95によってユーザーへ知らせる。
ここで、前記「許可条件1」に「5000W以上」であることと規定している意味について説明する。なお、説明を簡単にするため、以下の説明では、加熱源以外の電気部品、例えば上部冷却ファン60等の消費電力については、特に言及しない。
連携調理モードKM3を実施する際の必要デマンド(電力需要量の事前確保)が5000W以上必要な理由は、連携調理モード実行時の、各加熱源の動作時の最大(瞬間)電力が、以下の通りであるためである。
(1)レンジ動作時(マイクロ波加熱源189):1000W
(2)オーブン動作時:2000W(上部ヒーター:1000W、下部ヒーター:1000W)
(3)レンジグリル動作時:1500W(マイクロ波加熱源189:500W、上部ヒーター:1000W)
一方、誘導加熱源9の「自動制御メニュー」(揚げ物、適温の2種類)の最大電力は1500Wである。
このため、連携調理モードを許可する前に、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源189と、誘導加熱源9が同時に動作する場合で、必要な電力を考慮する必要がある。
以上のように、3つの加熱源を同時に使用する場合は、マイクロ波加熱源189の「1000W」と、オーブン加熱源188の「1000W(2000Wは、1000Wずつ、交互通電)」と、誘導加熱源9の「1500W」の3者の合計で、最大電力は3500W必要となる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が5000Wの場合:
右加熱部17HRで3000Wの加熱(通常加熱、つまり、「非連携調理モード」)をしているとき、デマンドの残りは2000Wとなる。
この状態から連携調理モードKM3を実施すると、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1500W足らないので、右加熱部17HRの火力を(3000Wから)1500Wに落とすことにより、連携調理を開始することができる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が4000Wであった場合:
右加熱部17HRで揚げ物(最大1500W必要)をしているとき、デマンドの残りは2500Wとなる。
この状態から連携調理を行うと場合、連携調理モードKM3に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1000W足らないので、右加熱部17HRの火力を落とする必要がある。しかしながら、上記「自動制御メニュー」を実行中に火力を落とした場合、調理がうまくいかなくなってしまうため、この「自動制御メニュー」の火力は落とせない。
結局、4000Wでは、「自動制御メニュー」(揚げ物、適温の2種類)の必要火力を確保できないことになる。
以上の説明から明らかなように、連携調理モードを開始する前に、連携調理に必要な電力(3500W)と、右加熱部17HR又は左加熱部17HLの自動制御メニューに必要な電力(1500W)の合計値である5000Wのデマンド(電力需要量の事前確保)があるかどうかを判定(確認)する必要がある。
次に図75について説明する。
この実施の形態1の連携調理モードでは、最初に誘導加熱源9を駆動させ、その次にマイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を駆動するパターン(第1の連携調理モード)(図61参照)がある。
これとは逆の順番の第2の連携調理モードもある。
この図75のステップは、第1の連携調理モードと、第2の連携調理モードの両方に共通のものである。
ステップSTR3では、統合表示部30に第1特定画面30SPを表示し、連携調理モードの情報を表示する。図60に示したように、個々の連携調理モードの調理メニューを選択するため、識別情報の1種として「被調理物の名称」(例えば、「ハンバーグ」)330を表示する。
次のステップSTR4では、入力キー43M1が操作されたかどうかを判定する。図60で説明した通り、前記した2つの入力キー43M1を操作することにより、連携調理モードで調理できる被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報330は、順次上方向又は下方向に移動する形で表示が変化する。この実施の形態1では、全部で被調理物の種類が8個あるため、図60の状態で、例えば左側の入力キー43M1を1回操作すれば、識別情報330は「ハンバーグ」から「グラタン」に切り替わる。
入力キー43M1の操作が(一定時間内に)なければ、ステップSTR5は「Yes」と判定され、次のステップSTR5に進む。
ステップSTR5は、前記第1特定画面の中に2つ表示された加熱部特定部333R、333Lの何れか1つを選ぶステップである。ユーザーが、左右に1対ある入力キー43M1を操作すれば、加熱部特定部333R、333Lの何れか1つを選択できる。
なお、右加熱部17HRをデフォルト設定しておいて、加熱部特定部333Rが第1特定画面30SPに最初に表示させ、そのままステップSTR7まで進むようにしておいても良い。図60で説明した例では、連携調理でハンバーグを行う際には、逆に左加熱部17HLがデフォルト設定されてあり、左側加熱部17HLを優先的に選択するように、加熱部特定部333Lが表示されていた。
次のステップSTR6では、連携調理モードの選択を取り消すための入力操作がされたかどうかを判定する。入力キー43MTが操作された場合には、「No」と判定され、ステップST4(図77参照)に戻る。
一方、入力キー43MTが操作されていない場合には、「Yes」と判定され、次のステップSTR7に進む。
入力キー43MSが操作された場合、動作プログラム通り、ステップSTR8に進む。
ステップSTR8では、前記第1特定画面30SPの中に、最終的に選択された加熱部(例えば右加熱部17HR)やマイクロ波加熱時の出力値が500Wである等、制御条件を表示して、次のステップSTR9に進み、この段階から連携調理モードに移行する。つまり、この後は、入力キー44Rを押せば、連携調理モードの調理に自動的に進む。
ステップSTR8の第1特定画面30SPの表示内容としては、最初の調理工程1は、右加熱部17HRを使用し、次の調理工程2では、マイクロ波加熱源189が使用されること等の工程情報が、工程表示部332に表示される。これら表示画面の内容と変遷については、後で詳しく説明する。
連携調理モードに移行した場合、右操作部40Rの入力キー44Rを押した時点から、誘導加熱調理が開始される。なお、即時、誘導加熱が開始されないことは、図39で説明した通りである。なお、ステップSTR9から先は、図39に示したステップMS4である。
なお、ステップSTR7において、入力キー43MSが操作されていない場合には、「No」と判定され、ステップSTR3に戻る。なお、入力キー43MCの操作が行われた時点から例えば30分間経過しても、ステップSTR3~STR7の間を巡回している状態の場合には、自動的に主電源を切るか、又は前記ステップST4(図74、図77参照)に戻るようにしても良い。
次に図76について説明する。
この図76は、図74のステップSTR1とSTR2の判定処理を示したものである。
ステップSTX1は、入力キー43MCを操作した段階である。
次のステップSTX2は、前記した許可条件1と許可条件2に対して、統合制御装置MCが加熱調理器の最新状態を調査した段階である。
次のステップSTX3は、図74のステップSTR1とSTR2に相当する判定処理の段階である。このステップSTX3では、前記した許可条件1と許可条件2に対して、統合制御装置MCが加熱調理器の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
この図76のステップSTX3において、報知1~報知4は、音声合成装置95によってユーザーに報知される内容を示している。
また、表示1~表示4は、統合表示部30において表示される内容を示している。なお、この表示1~表示4は、図75のステップSTR3の時点から表示される第1特定画面30SPで表示するものではなく、第1特定画面30SPが表示されていない統合表示部30において表示するものである。つまり、第1特定画面30SPは、連携調理モードに移行する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、表示されない。
次に図77について説明する。
図77の制御形態は、図75の(第1の)連携調理モードとは別の(第2の)連携調理モードの場合である。この図77の連携調理モードで使用される加熱源は2つあり、最初に使用されるのはマイクロ波加熱源189であり、その次に使用される加熱源は、誘導加熱源9の左加熱部17HLである。この図77の制御形態が図75のものと大きく異なっている部分は、ステップSTR11である。
前述したレンジグリル調理(複合調理)メニューの「あたため」(レンジ自動)では、非接触(赤外線)温度計測部158が加熱室113内の被調理物の温度や加熱室113の壁面温度を検知して、「目標温度」に到達した段階で自動的にマイクロ波の発振を停止する。そのため、以前行った調理時の熱が加熱室113の内部に残っていて温度が最初から高い場合には、マイクロ波加熱を自動で行うことを統合制御装置MCで禁止している。なお、ここでいう「目標温度」のデフォルト値は80℃であるが、これを中央操作部40Mによって更に高温側に設定したり、低温側に設定したりすることができる。
ステップSTR11は、そのように加熱室113の温度が基準温度(例えば70℃)よりも高い場合には、温度計測部158が早期に高温度を検知し、加熱調理が不完全な状態でマイクロ波加熱を停止してしまう懸念がある。
そこで、この図77に示す制御では、加熱室113の温度が基準温度を超過している場合には、その時点で連携調理モードKM3が実行できないことを、右側表示部31Rと左側表示部31Lで表示する(STR12)。さらには、統合表示部30でも表示しても良い。また、音声合成装置95によって音声で報知すると更に確実である。なお、左右の表示部31L、31Rで表示したのは、この段階ではまだユーザーが左右の加熱部17HL、17HRの何れも選択していないからである。
また、許可条件1と許可条件2を満たした場合に表示される第1特定画面30SPも、この段階では表示されていないので、右側表示部31Rと左側表示部31Lで表示することに加えて、あるいはそれに代えて、統合表示部30で表示しても良い(STR12)。
言い換えると、図74と図76では、第1の条件(許可条件1)と第2の条件(許可条件2)で、連携調理モードへの移行可否を決めていたが、この図77におけるステップSTR11は、第3の条件(許可条件3)に相当するといえる。
このようにして、連携調理モードの選択段階で、最初に使用する加熱源(この場合は、マイクロ波加熱源189)が、使用できないことをユーザーに報知することができる。
なお、ステップSTR12の段階で、加熱室113の温度が高すぎて調理開始できないことを表示又は報知する際に、ドア114を開ければ加熱室113の温度が早く下がることなど、ユーザー側に有益な情報を併せて伝えるようにしても良い。
図78は、連携調理モードKM3の実行途中において、その連携調理モードKM3とは関係なく、左加熱部17HLを使用する場合の、統合制御装置MCの制御動作を示すフローチャートである。
この図78の実施の形態1においては、連携調理モードKM3で使用される加熱源は、最初(調理工程1)が誘導加熱源9の左加熱部17HLであり、その次(調理工程2)に使用される加熱源は、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188である。
上記連携調理モードの調理工程が、既にマイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の加熱段階(調理工程2)に進んでいる段階で、ユーザーが別の調理を行うため、左加熱部17HLを使用したいと思って、左操作部40Lを操作した場合、その操作信号を統合制御装置MCが受信する(ステップSH1)。
次のステップSH2では、前記した「許可条件1」と同じように、例えば、総電力規制値の5000Wを超えるような使用にならないことが判定される。
ステップSH2で「No」の判定を受けると、ステップSH8に進み、左加熱部17HLを使用した場合の最大電力量と、連携調理中の加熱源(マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188)の電力量との合計値が、電力制御部72の規制値を超えないように、例えば、左加熱部17Hの最大火力値を制限し、その制限値を報知部ANによってユーザーに報知する。
一方、連携調理モードKM3の調理を実行中である加熱源の状態から、左加熱部17HLで使用する電力(誘導加熱の火力)を下げることでも、許容された総電力量を超えてしまう場合には、ステップSH8では左加熱部17HLの不許可処理が行われる。具体的には、左側表示部31Lにおいて使用できないことの表示が行われ、また音声合成装置95によって音声で報知される。使用できない理由は、音声合成装置95でも報知される。
次のステップSH3では、ユーザーの入力操作結果を分析し、禁止された制御メニュー(以下、「禁止制御メニュー」という)に該当しない「許可の制御メニュー」であるかどうかを判定する。
「禁止された制御メニュー」とは、使用する(調理に必要な)電力量のことを考慮して事前に決めてあり、例えば、図51で説明した「(自動)揚げ物」と、炊飯の2つが指定されている。
(自動)揚げ物と炊飯の何れも、調理工程の中で大きな電力を使用する場面が想定される制御方法を採用するため、その電力の確保のために、連携調理モードKM3の実行中の加熱源(マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188)の電力供給に支障が出る懸念がある。
以上のような理由から、ステップSH3では「許可の制御メニュー」に該当するかどうかの判定が行われる。例えば、許可された制御メニューの1つである、「湯沸かし」であるかどうかのチェックが行われる。
ステップSH3では、「許可の制御メニュー」に該当しないと判定した場合、前記した不許可処理が行われ、使用できないことの報知が行われる。
ステップSH3で「Yes」の判定を受けると、ステップSH4に進み、左加熱部17HLのIHコイル17Lの駆動形態が自動的に決定し、ユーザーが設定した火力値又はIH制御部90が選定した火力値等が決定される。なお、この後、入力キー44Lが押されると次のステップSH5に進む。
次にインバーター回路81Lの駆動が開始され、誘導加熱調理が開始される(SH5)。この後、ユーザーからの停止指令が入力キー44Lであるかどうかの監視が行われ(SH6)、停止指令を受けた場合には、即時に誘導加熱動作を停止する。そして、左側表示部31Lで、調理の終了が表示される。また、音声合成装置95によって音声で調理終了が報知される(SH7)。
ステップSH8は、許可される条件(例えば、火力を下げること)への変更ができる場合は、変更を行って報知する。
また、使用したい左加熱部17HLに使用許可できない理由がある場合には、不許可の報知をする。そして変更処理できた場合は、ステップSH2に戻る。
図79は、1つの連携調理モードの調理工程で、最初に使用した加熱源の加熱を終えた段階で、追加の加熱を行う場合の、統合制御装置MCの制御動作を示すフローチャートである。
この図79に示した制御は、連携調理モードで、調理工程2で使用されるマイクロ波加熱源189を、ユーザーが設定した時間(例えば、5分間)だけ駆動する調理の場合である。説明の都合上、オーブン加熱源188の動作については省略する。
この図79に示す実施の形態1においては、連携調理モードの調理工程1で使用される加熱源は、図75で説明したように、デフォルト設定されている右加熱部17HRである。その次の調理工程2で使用される加熱源は、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188である。
ユーザーが、図78で説明した1つの連携調理モードKM3による調理工程2を行うため、マイクロ波加熱源189を使用する場面について説明する。
右加熱部17HRでの調理工程1を終えたあと、次に中央操作部40Mの入力キー43MSを操作した場合、その操作信号を統合制御装置MCが受信する(ステップSJ1)。
次のステップSH2では、インバーター回路121Aの駆動が開始され(SJ2)、タイマー調理(この場合、5分間)の設定時間の計測を開始する(SJ3)。
マイクロ波加熱の出力値は、デフォルト値のまま(500W)であるが、ユーザーが中央操作部40Mを操作して、火力の変更もできる(SJ4、SJ5)。
一方、オーブン加熱源188を構成する上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bは、加熱室制御部159によって通電が開始される。
この実施の形態1では、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの通電開始は、マイクロ波加熱源189のマグネトロン122の発振動作開始と同時である。
そして、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bは、前記マグネトロン122の発振中に通電が行われる。言い換えると、被調理物は、マイクロ波と電気輻射熱によって同時に加熱される(調理工程2)。
以上の通り、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの通電期間は、マイクロ波加熱期間と同一であるので、以下の説明では、マイクロ波の加熱時間だけについて説明し、上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの加熱時間の説明を省略する。
ステップSJ6では、マイクロ波加熱の停止を指令する入力キー43MTが操作された場合(SJ6)、インバーター回路121Aの駆動を停止し、時間計測もリセットされる(SJ7)。
加熱停止を指令する入力キー43MTが操作されない場合、タイマー調理の設定時間内に、ステップSJ4~SJ6、SJ10が繰り返し行われる。タイマー調理の設定時間が経過した場合、ステップSJ7に進む。
ステップSJ8では、一旦停止したマイクロ波加熱調理を、更に所定時間又はユーザーが指定した時間だけ実行するかどうか、ユーザーに判断してもらうための表示を行う。具体的には、統合表示部30の第1特定画面30SPに、例えば「時間を延長して加熱しますか? 延長する場合、時間キーを押して下さい」のように文字で表示する。
このような延長を認めている理由は、被調理物の加熱状態を見た結果、まだ加熱が不足しているとユーザーが判断した場合、迅速に加熱(この場合、マイクロ波加熱と電気輻射式加熱)を再開し、被調理物をより良好な状態に仕上げるためである。
ユーザーが中央操作部40Mの入力キー43MSを押した場合、その操作信号があったことをステップSJ9で判定し、操作信号があった場合には「Yes」の判定を行う。
そしてステップSJ3に戻る。なお、入力キー43MSを押す前に、入力キー43M3を1回操作した場合には、固定時間(例えば3分間)だけ調理時間が延長される設定、又は入力キー43M3を1回押したら3分間、2回続けて押したら5分間のように、プログラムを設定しても良い。また、再度加熱調理が開始されても、入力キー43MTを押せば、即時に加熱動作を停止できる。
一方、ユーザーが中央操作部40Mの入力キー43MSを押さない場合(例えば、「保留時間:15秒」以内に押さない場合)、ステップSJ11に進み、連携調理モードKM3の最終調理工程の動作を終了する。そして、その旨、統合表示部30で表示し、また音声合成装置95でも報知動作をする(SJ11)。なお、ステップSJ8からドア114の開放が1回も行われず、前記保留時間を経過した場合には、音声合成装置95で警報を出して、ユーザーに注意喚起しても良い。
前記統合制御装置MCは、連携調理モードKM3の調理工程を終えた場合、前記マイクロ波加熱源9と前記マイクロ加熱源及びオーブン加熱源188が動作した制御条件を、前記記憶装置MMに時系列で自動的に記憶する(この記憶時に、調理工程の終了日時が同時に記録される)。
その後、中央操作部40Mから、所定の指令信号を受けた場合、その記憶した直前の連携調理モードと制御条件を前記記憶装置MMから呼び出して統合表示部30に表示させ、次の連携調理モードKM3の実施に利用する再現機能を有している。なお、直前の1回の連携調理モードだけではなく、過去数回又は一定の期間(例えば、1ケ月)における全ての調理履歴を(調理実施日時の情報も含めて)呼び出し、その中から所望のものをユーザーが選択するという構成にしても良い。入力キー43KPを押して、「機能モード」に切り替えれば、ユーザーが調理履歴の再現性について、色々と設定できる。
なお、上述したように、RG調理工程の開始によってオーブン加熱源189についても通電が開始されているため、統合表示部30には、このオーブン加熱源189単独での加熱時間の延長を行うかどうかの情報を表示しない。しかしながら、最初にマイクロ波加熱源189を動作させ、その後オーブン加熱源188を動作させるシーケンスである場合には、あるいはこの逆の順番で動作させる場合には、マイクロ波加熱の時間延長とオーブン加熱源188の時間延長を、別々に設定できるようにしても良い。
次に、図80と図81について説明する。
図80は、連携調理モードKM3を選択した場合の、統合制御装置MCの制御動作を示すフローチャートである。図81は、複合調理モードKM2を選択した場合の、統合制御装置MCの制御動作を示すフローチャートである。
図80は、中央操作部40Mにおける入力ステップを示しており、特に、ユーザーが入力操作を誤った場合や操作に迷った場合の支援動作のステップを示している。
この図80のステップは、第1の連携調理モードと、第2の連携調理モードの両方に共通のものである。
ユーザーが入力キー43MCを操作すると、統合制御装置MCは、統合表示部30に第1特定画面30SPを表示する(ステップSL1)。
第1特定画面30SPには、連携調理モードKM3の情報として、連携調理メニューを選択するための識別情報330、330A、330Bを表示する(図60参照)(ステップSL2)。
次のステップSL3では、入力キー43M1が操作されたかどうかを判定する。図75で説明した通り、2つの入力キー43M1を操作することにより、連携調理モードで調理できる被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報330は、順次上方向又は下方向に移動する形で表示が変化し、別の被調理物に対応した識別情報330が第1エリア30Lの中央部に表示される(ステップSL9)。
この図80では、図60で説明した加熱部特定部333R、333Lの何れか1つを選ぶステップは、図示を省略してある。
次のステップSL4では、連携調理モードの選択を取り消すための入力操作がされたかどうかを判定する。入力キー43MTが操作された場合には、「No」と判定され、図77のステップST4に戻る。つまり、待機時初期画面の状態に戻る。
一方、入力キー43MTが操作されていない場合には、「Yes」と判定され、次のステップSL5に進む。
次に、中央操作部40Mにおける入力キーの内、連携調理モードKM3の設定に必要ではない入力キーが操作された場合、ステップSL5は「No」と判定され、ステップSL11に進む。
ここで、「連携調理モードKM3の設定に必要ではない入力キー」とは、例えば中央操作部40Mの入力キー43KPである。また、右側操作部40Rの入力キー43R1や44Rである。
図63で説明したように、連携調理モードKM3を入力キー43MCで選択した段階で、右加熱部17HRは占用されるので、右側操作部40Rの入力キー43R1や44Rによる入力自体は、無効である。しかしながら、ユーザーはそれに気が付かない場合も想定される。
そこで、ステップSL11では、操作が正しくないことを報知部ANで報知する。例えば、音声合成装置95によって入力キー43KPや、入力キー43R1、44Rが操作された時点で直ぐに誤操作を報知する。なお、右加熱部17HRが占用され、右側操作部40Rの入力キーのタッチ有無を検知できないように統合制御装置MCで制御されている場合には、入力キー43R1、44Rの誤操作は検知できない。しかし、前述したように、入力キー43R1等からの入力自体を有効にし、統合制御装置MCで有効な信号と見なさない処理をしている場合には、誤操作を検知できる。
ステップSL11で、操作が正しくないことを報知したあとステップSL12に進む。ステップ12では、前記ガイドキーを兼用する入力キー43M3が操作されたかどうか判定される。
ガイドキー(入力キー)43M3が操作された場合には、第3エリア30Rにおいて、正しい操作内容や誤った操作の内容を表示する(ステップSL13)。そして、ステップSL3に戻り、操作のやり直しを推奨する。
ステップSL5で、誤った入力キーの操作が無かった場合、ステップSL5は「Yes」判定となり、ステップSL6に進む。
このステップSL6で、ガイドキーを兼用する入力キー43M3が操作されたかどうか判定される。操作された場合は、前記ステップSL13に進み、正しい操作内容等の詳細な情報が表示される。また、この段階で第1特定画面30SPに表示されている識別情報330に対応した、被調理物の概要を表示しても良い。
次のステップSL7において、入力キー43MSが操作されたことが判定された場合、連携動作のプログラム通り、調理工程1を開始するステップSL8に進む。なお、調理工程1の前に、予熱動作を開始するための予熱工程を開始しても良い。なお、入力キー43MSが操作されない場合には、ステップSL7からステップSL3に戻る。
次に、図81について説明する。
図81は、複合調理モードKM2を選択した場合の、統合制御装置MCの制御動作を示すフローチャートである。
図81は、中央操作部40Mにおける入力ステップを示しており、特に、ユーザーが入力操作を誤った場合や操作に迷った場合の支援動作のステップを示している。
ユーザーが入力キー43M1を操作すると(ステップSL20)、統合制御装置MCは、統合表示部30に第2特定画面30SCを表示する。
更に、その第2特定画面30SPには、複合調理モードKM2で調理を行うための制御メニューを表示する(図55参照)(ステップSL21)。
次のステップSL22では、入力キー43M1が更に操作されたかどうかを判定する。図55~図59で説明した通り、左右1対の、入力キー43M1を操作することにより、複合調理モードKM2で採用できる制御メニューの名称(略称を含む)を示す特定文30Jは、順次上方向又は下方向に移動する形で表示が変化し、別の制御メニューの特定文30Jが第1エリア30Lの中央部に表示される。
ステップSL22で、入力キー43M1が操作されなかった場合、デフォルト表示として規定されている「あたため」という制御メニューの特定文30Jの表示が維持され、ステップSL23に進む。
入力キー43M1が操作された場合は、ステップSL22は「No」と判定され、ステップSL28に進む。
ステップSL28では、前記したように、複合調理モードKM2で採用できる別の制御メニューの名称(略称を含む)を示す特定文30Jを、第2エリア30Mの中央部に表示し、次のステップSL23に進む。
次のステップSL23では、入力キー43M2が操作されたかどうかを判定する。入力キー32M2を操作すれば、第2エリア30Mに示された加熱時間情報30S等の制御条件を、別の制御条件に変更できる(図58参照)。
ユーザーが入力キー43M2を操作すると、ステップSL23は「No」判定となり、ステップSL29に進む。ステップSL29では、別の制御条件を第2エリア30Mの中央部に表示し、次のステップSL24に進む。
次のステップSL25では、中央操作部40Mにおける入力キーの内、複合調理モードKM2の設定に必要ではない入力キーが操作された場合、「No」と判定され、ステップSL30に進む。
ここで、「複合調理モードKM2の設定に必要ではない入力キー」とは、例えば中央操作部40Mの入力キー43KP、43MCである。また、右側操作部40Rの入力キー43R1や44Rである。
ステップSL30では、操作が正しくないことを報知部ANで報知する。例えば、音声合成装置95によって入力キー43KPや、入力キー43R1、44Rが操作された時点で直ぐに誤操作を報知する。そしてステップSL31に進む。
ステップSL31では、前記ガイドキーを兼用する入力キー43M3が操作されたかどうか判定される。
ガイドキー(入力キー)43M3が操作された場合には、第3エリア30Rにおいて、正しい操作内容や誤った操作の内容を表示する(ステップSL32)。そして、ステップSL22に戻り、操作のやり直しを推奨する。
ステップSL24で、誤った入力キーの操作が無かった場合、ステップSL24は「Yes」判定となり、ステップSL25に進む。
ステップSL25で、ガイドキーを兼用する入力キー43M3が操作されたかどうか判定される。操作された場合は、前記ステップSL32に進み、正しい操作内容等の詳細な情報が表示される。また、この段階で第2特定画面30SCに表示されている制御メニューに関する参考情報30P1を表示しても良い。
次のステップSL26において、入力キー43MSが操作されたことが判定された場合、複合調理モードKM2の動作プログラム通り、調理工程1を開始するステップSL27に進む。
(連携調理モードにおける各種表示と入力操作部)
次に図82~図109について説明する。
これらの図は、連携調理モードKM3を選択した場合の、入力操作部40と表示部(統合表示部30・左側表示部31L)の制御動作を示すものである。
図82は、連携調理モードを選択した場合の、入力操作部40と表示部(統合表示部30・左側表示部31L)の制御動作を示す平面図である。
図中、符号FGは、ユーザーの指先である。
中央操作部40Mの入力キー43MCを押すと、統合表示部30には図82に示すように、第1特定画面30SPが表示される。
そして、連携調理メニューに含まれている3つの識別情報330、330A、330Bが表示される。これら識別情報は、被調理物の「ハンバーグ」、「グラタン」、「ローストビーフ」の3つに、それぞれ対応している。これらの識別情報330、330A、330Bは、同時に表示される。
図82と次の図83では、第1特定画面30SPには、工程表示部332の図示を省略している。
識別情報330の右側には、付加情報331が表示されている。図82と図83の例では、前記付加情報331は「左加熱部17HLにおいて誘導加熱が開始できること」を表示したものである。
入力キー43MSと近接している個別発光部27M6は、図82に破線の円で示すように点滅しており、ユーザーにこの入力キー43MSを操作するように誘導している。
一方、連携調理モードにおいて最初に使用される加熱源が、誘導加熱源9の左加熱部17HLである場合には、この図82に示すように、発光表示部27L2と27L3が発光する。
そして、入力キー43MSを操作すると連携調理モードKM3に移行する。その際に、入力キー44Lは、入力機能が有効になっているので、この入力キー44Lを押すと、左側加熱部17HLでの加熱調理が実行される。
同時に、左加熱部17HLにおける誘導加熱調理時の火力段階を示す火力表示部67Lが点灯する(点灯する火力表示部の数は、デフォルト値によって決まっている)。
仮に、連携調理モードを実行中に、この左加熱部17HLを(連携調理モードKM3と関係なく)個別に使用する操作を行った場合でも、前記したように統合制御装置MCによって左加熱部17HLの動作が禁止されている場合(占用された状態)では、図82において、発光表示部27L3の発光もない。また火力表示部67Lも点灯していない。
更に上記のように、連携調理モードKM3の調理の途中で、この連携調理モードKM3とは関係なく、左加熱部17HL用の左操作部40Lを操作しても、左加熱部17HLを使用できない。このことは、統合表示部30の第1特定画面30SPの中に参考情報として表示される。例えば、「連携調理中のため、左IHは使えません」という表示や、「連携調理中のため、左IHと加熱室は現在使えません」という表示がされる。
以上の説明から明らかなように、連携調理モードKM3の実行を開始させる操作部(入力キー43MS)は、トッププレート15の上面において左右の中央部に存在するため、ユーザーの目線は自然と中央へ集まる。そして、連携調理モードKM3の選択や、調理開始までの誘導表示も中央部の統合表示部30で集中して行っている。
更に、最初の加熱源である左加熱部17HLの調理工程1を終えた段階で、次の加熱源に進むための入力キー43MSも、中央操作部40Mにある。
つまり、連携調理モードKM3の選定、最初の調理工程1の開始、次の調理工程2の開始という主要な入力操作は、全て加熱調理器1の前方の左右中央部(中央操作部40M)で集中して行える。
次に図83について説明する。
図83は、加熱調理器1の連携調理モードを選択した場合の、中央操作部40Mや左操作部40Lの操作や、第1特定画面30SPの表示内容を示す平面図である。
中央操作部40Mの入力キー43MCを押すと、統合表示部30には図83(B)に示すように、連携調理メニューに含まれている3つの識別情報330、330A、330Bが同時に表示される(表示画面8A)。
また、それらの識別情報330、330A、330Bの右側には、付加情報331が表示されている。この図83の例では、前記付加情報331は「左加熱部17HLにおいて誘導加熱が開始できること」を表示している。
左側の入力キー43M1を、更に1回押すと、統合表示部30の第1エリア30Lの中央に表示されていた被調理物の識別情報330(名称「ハンバーグ」)が後方に移動し、代わりに前方に表示されていた「ローストビーフ」の識別情報330Bが中央部に表示される(表示画面8B)。
左側の入力キー43M1を、以上のように1回押す度に、統合表示部30の第1エリア30Lに表示される(被調理物の名称を示す)識別情報330は、1つずつ一定の順番で更新される。
右側の入力キー43M1を押した場合には、1回押す度に図83(B)の表示画面8Dから表示画面8Cへ、というように逆回りで選択されることになる。
なお、この図83では、連携調理メニューが4つしか示されていないが、前述したように連携調理メニューは合計8個ある。これら表示画面8A~8Dは、全て第1特定画面30SPである。
次に図84について説明する。
図84は、加熱調理器の連携調理モードKM3を選択した場合の、連携調理メニューの種類を示す説明図である。
図84から明らかなように、8つの連携調理メニューは、前記入力キー43M1の操作により順次、第1特定画面30SPの中に(順送り又は逆送りで)表示される。
次に図85について説明する。
図85は、連携調理モードKM3を選択した場合の、統合表示部30における第1特定画面30SPの表示内容を示す一覧表である。
調理工程を開始する直前段階での工程表示部332は、調理メニュー(ハンバーグからグラタンまでの8種類)に応じて、図85に示すように数種類ある。
また付加情報331については、付加情報Aと付加情報Bに示すように、連携調理モードの全体にわたり、統一されている。なお、付加情報Aと付加情報Bは、一定時間(例えば5秒間毎)に交互に表示される。
更に付加情報Bでは、使用する誘導加熱源9の加熱部について「変更できる」と表示しているのは、左加熱部17HLと右加熱部17HRの2つあるからである。
次に図85に示した8種類の被調理物ついて、調理工程を簡単に説明する。
その1:誘導加熱源9からレンジグリル調理をする調理メニュー(4種類)
ハンバーグ:適温予熱→適温加熱調理→レンジグリル調理
「適温予熱」とは、フライパン等の被加熱物Nを予熱して適温(例:180℃)にするもの。その適温状態で、調理工程1として、適温加熱調理(誘導加熱源9による)を行うもの。被加熱物Nには、食用油は入れない。
ユーザーが、誘導加熱源9で上記「適温」として設定できる範囲は140℃~220℃であり、20℃刻みである。
レンジグリル調理時は、その調理開始時点から一定時間(例えば、20秒間)は、仕上がり状態を変更できるように、火力を変更できる。
ローストビーフ、パエリア、グラタン:上記ハンバーグと同じ。
その2:レンジグリル調理から誘導加熱源9で調理する調理メニュー(4種類)
からあげ:揚げ物予熱→レンジグリル加熱→揚げ物調理。
「揚げ物予熱」とは、被加熱物N(天ぷら等の鍋)に、食用油を規定量(200g又は約220CC以上)を入れて、誘導加熱源9で指定の温度まで予熱するもの。
ユーザーが、誘導加熱源9で上記「揚げ物予熱」として設定できる範囲は140℃~200℃であり、10℃刻みである。
レンジグリル調理時は、その調理開始時点から一定時間(例えば、20秒間)は、仕上がり状態を変更できるように、火力を変更できる。
とんかつ、天ぷら:上記「からあげ」と同じ。
野菜炒め:適温予熱→レンジ加熱→適温調理。
「適温予熱」とは、フライパン等の被加熱物Nを予熱して適温にするもの。その適温状態は誘導加熱源9で実現する。その後、調理工程1としては、レンジ加熱調理を加熱室113で行う。
ユーザーが、誘導加熱源9で上記「適温」として設定できる範囲は140℃~220℃であり、20℃刻みである。
次の図86は、加熱調理器1の連携調理モードを選択した場合の、入力操作部40、統合表示部30、左側表示部31Lの制御動作と表示内容を示す平面図である。
中央操作部40Mの入力キー43MCを押すと、統合表示部30には図82と図83に示したように、第1特定画面30SPが表示される。
この第1特定画面30SPには、3つの連携調理モードの識別情報330が表示される。つまり、図86に示しているように、前記統合表示部30の第1エリア30Lの前後方向中央には「ハンバーグ」の識別情報330が表示される。同時に、付加情報331及び調理工程の表示部(調理工程情報部)332が、第1特定画面30SPに一覧状態で表示される。
統合表示部30に、連携調理モードの識別情報330を表示させた時点、つまり、第1特定画面30SPが表示された初期の段階では、右加熱部選択マーク334Rと左加熱部選択マーク334Lの何れか1つをユーザーが選択できるようにしている。
図86の例は、左加熱部17HLを推奨するようにデフォルト設定した場合である。図86に示すように「左」と白抜きの文字で表示された左加熱部選択マーク334Lが、常に最初の第1特定画面30SPで表示される。
左右1対の入力キー43M2によって、右加熱部選択マーク334Rと左加熱部選択マーク334Lの何れか1つを選択できる。例えば、左側の入力キー43M2を押せば、左加熱部選択マーク334Lが選択でき、図86に示すように白抜きの文字に変化して、選択されたことを表示する。
逆に、図86の状態で、右側の入力キー43M2を押せば、右加熱部選択マーク334Rが選択できる。
統合表示部30に(入力キー43MCを押して)連携調理モードの識別情報330を表示させた時点(図62参照)又は入力キー43MSを押した時点(図63参照)で、左加熱部17HLは、連携調理モードの実行のために占用状態となる。このため、左加熱部17HLは、他の制御メニューの設定を(統合制御装置MCは)受け付けない状態となる。
そこで、ユーザーは、フライパン等の被加熱物Nを左加熱部17HLの上方に置き、入力キー44Lを押す。すると誘導加熱が自動的に開始される。なお、この入力キー44Rを押すという操作を省略し、入力キー43MSを押した時点から一定時間(例えば10秒間)経過後に、自動的に左加熱部17HLでの誘導加熱が開始されるように変更しても良い。
上記のように左加熱部17HLにおける加熱動作が開始された時点で、右加熱部17HRの占用状態は解除される。従って、右側操作部40Rでの単独調理モードの入力も直ぐに開始できる。
なお、左右1対の入力キー43M2によって、左加熱部選択マーク334Lを選択した時点で、右加熱部17HRの占用状態を解除するという方法もあるが、入力キー43M2による加熱部の選択は簡単に変更できるため、このような左加熱部選択マーク334Lの選択時点では、上記の通り、右加熱部17HRの占用状態を解除しないことにしている。
前記「適温 180℃」は、この場合の被調理物である「ハンバーグ」を入れる容器である金属鍋、フライパン等の被加熱物Nを予熱する温度が180℃であるという意味である。つまり、IH制御部90は、インバーター回路81Lと温度検出回路93等の働きにより、被加熱物Nの底面部の温度が180℃になるように自動で火力レベルを制御する。
前記予熱温度の上昇と共に、誘導加熱調理時の火力段階を示すための火力表示部67Lは、火力レベルを表示するのではなく、予熱温度の上昇度合いと、目標の予熱温度までの到達度合い(接近度合い)を表示する機能を発揮する。
図86において、火力表示部67Lの所に破線の円で示すものは、現時点の温度の範囲を示すものであり、温度が上昇するに伴って、当該破線の円は次第に右側へ移動していく。つまり温度上昇の様子が火力表示部67Lの発光状態によって分かる。詳しくは図87で説明する。
付加情報331は、図86に示しているように「設定温度になるとお知らせします」と表示する。
一方、調理工程の表示部(調理工程情報部)332は、統合表示部30の第2エリア30Mと第3エリア30Rを横に横断するように帯状に文字で表示される。
図86の調理工程の表示部332から分かるように、ハンバーグを連携調理する場合には、誘導加熱源9により予熱工程が最初に開始され、次に調理工程1、最後にはレンジグリル加熱(RG加熱)を行う調理工程2が開始される。
この図86に示しているように、連携調理モードを開始する瞬間まではユーザーの指先FGと目線は、入力キー43MSを操作するために、統合表示部30の右前方、言い換えると中央操作部40Mにある。
その後、ユーザーの目線は、矢印で示すように左加熱部17HLの方に移る。つまり、加熱すべき被調理物を収容した被加熱物Nを左加熱部17HLの上方に置く際に、ユーザーの目線は左方向に移動する。
連携調理モードを開始した後は、図86の中に横に長い、大きな矢印を示したように、中央部から左側にユーザーの目線や体が移動することになる。しかし、この左方向への動きは大きなものではなく、ユーザー自身に移動の負担を掛ける程でもない。
次に図87について説明する。
図87は、連携調理モードKM3を選択した場合の、左操作部40Lと左側表示部31Lの制御動作を示す平面図であり、予熱温度の変化を時系列で表示している。
図87の(A)は、左側の火力表示部67Lの部分を示したものである。破線の円で示すものは、現時点の温度の範囲を示すものである。例えば、目標の予熱温度が180℃である場合、誘導加熱の調理工程の最初から、4つの火力表示部67Lが発光している。最も左側の発光部は、破線の円で示すように点滅している。この点滅状態は、現在の温度のレベルを示すものである。
予熱温度が上昇するに伴って、現在温度は上昇するから、上記した「点滅部分」の位置は順次右側へ移動していく。そして予熱温度に到達した場合には、点滅部分はなくなる。
一方、図87(B)に示すように、誘導加熱の予熱工程が始まった初期(例えば、開始から20秒以内)には、左操作部40Lの入力キー43L2と43L3の何れかを操作すれば、前記した予熱温度の目標値を変更できる。
例えば、左側の入力キー43L2を1回押す度に、1段階ずつ予熱温度を下げることができる。逆に右側の入力キー43L3を1回押す度に、1段階ずつ予熱温度を上げることができる。このように、予熱温度を変更する過程は、図87(C)に示すように、その都度左側表示部31Lに表示されるので、ユーザーがこの表示内容を容易に確認できる。
次に図88について説明する。
図88は、連携調理モードKM3を選択した場合の、左操作部40Lと左側表示部31Lの制御動作を示す平面図である。
左側加熱部17HLの上に置いた被加熱物Nが、設定された予熱温度になると、火力表示部67Lの点滅はなくなる。
このように予熱温度まで加熱されると、統合表示部30ではこの図88に示しているように、付加情報331によって「予熱が終わったこと」を表示する。
また、調理工程の表示部(調理工程情報部)332は、表示内容が変化する。具体的には、IH予熱という表示から次の調理工程1の「IH加熱」の段階が白抜き文字で表示される。つまり、これからIH加熱(誘導加熱)工程に進むことを示す。
これらの情報から、ユーザーは誘導加熱を本格的に実施する段階になったことが容易に理解できる。つまり、左加熱部17HLの上に置いたフライパン等の被加熱物Nが、被調理物を加熱するのに適する温度になった段階であることが分かる。
左操作部40Lの1対の入力キー43L2、43L3は、左加熱部17HLにおける火力(消費電力)を指定する機能がある。そのため、予熱工程から本格的な加熱工程(調理工程1)への移行にあたり、これら入力キー43L2、43L3を1回タッチする度に、規定されている火力値のデータテーブルの中で、1段階上げた火力を選択し、又は1段階下げた特定の火力を選択できる。これにより、誘導加熱する際の被加熱物の温度を上げたり、下げたりすることがユーザーは自由に行える。
次に図89について説明する。
図89は、連携調理モードを選択した場合の、統合表示部30(第1特定画面30SP)の表示内容の変化を示す説明図である。
図89(A)に示したように予熱工程が終わった段階で、統合表示部30は、ユーザーに対して、調理工程1(本格的な誘導加熱)が開始できることを表示する。また、その調理工程1は、左操作部40Lの入力キー44Lを押せば、随時停止させることができる。
この図89の(A)と(B)の表示の切り替えは、例えば5秒間隔で自動的に繰り返し行われる。そして、本格的な誘導加熱の調理工程1が開始された後は、図89(C)だけの表示となる。この時点の火力は、「やや弱め」であることが示されている。更に、この火力レベルをユーザーが調節できることも示されている(出力レベルを示す情報30V。この場合は、誘導加熱の火力)。図89の(D)は、調理工程1(誘導加熱)を終えた直後の状況を示した例である。
次に、図90は、連携調理モードKM3を選択した場合の、統合表示部30の表示内容を示す平面図である。図89の表示内容とは少し変化させてあり、付加情報331の中に予熱温度値(例えば、180℃)を含めている。図89(B)に示す表示内容は、この図90のように変更しても良い。
図90は、連携調理モードKM3を選択した場合において、誘導加熱の調理工程1が未だ開始されていない段階である。
そこで、入力キー43MSの操作を促すため、個別発光部27M6では、破線の円で示すように点滅状態となっている。
予熱工程を終え、次の調理工程1を開始したタイミングを明確にするために、入力キー43MSを再び押すというステップをユーザーに求める場合、この図90に示すように入力キー43MSを押すステップを追加しても良い。その場合、この図90に示すように入力キー43MSに対応した個別発光部27M6で報知しても良い。
図90では、破線の円で示しているように、個別発光部27M6を点滅させ、ユーザーに対して入力キー43MSの操作を促している例である。
図89と図90の状態において、仮に入力キー43M1を操作しても、統合表示部30には、「レンジ手動」や「レンジ自動」等を含む複合調理モードKM2の制御メニューは表示できない。この段階で連携調理モードKM3の運転を中止するには、入力キー43MTを押すことが必要である。言い換えると、左操作部40Lの入力キー44L(又は43L1に変更しても良い)を押しても、最初に使用する左側加熱部17HLの調理工程1を終了できるだけであり、連携調理モードKM3の設定を全部解除(取り消し)したことにはならない。
次に図91について説明する。
図91は、誘導加熱の調理工程1をユーザーが左操作部40Lの入力キー44L(43L1)で終了させた場面を示している。すでに加熱動作が終了しているので、火力表示部67Lは、何も発光していない。
一方、統合表示部30の第1特定画面30SPにおいては、調理工程情報(調理工程情報部)332により、調理工程2、すなわち、「レンジグリル調理」(RG調理)の段階まで進んでいることを表示する。具体的には、IH加熱という白抜きの表示から、最終の調理工程2であるRG調理の段階に進んだことを、白抜き文字で表示する。
これらの情報から、ユーザーはマイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188を組みわせた調理工程2を実施する段階になったことが容易に理解される。
連携調理モードKM3の調理工程2を開始する指令も、中央操作部40Mの入力キー43MSで行う必要がある。このため、図91に示しているように、入力キー43MSと対応した個別発光部27M6は、破線の円で示しているように、点滅状態になり、ユーザーに対して入力キー43MSの操作を促す。
一方、図91の段階は、誘導加熱の調理工程1をユーザー自身が左操作部40Lの入力キー44L(43L1)で終了させた後であるから、左加熱部17HLの占用状況は解除されている。そのため、左操作部40Lの入力キー44L(43L1)を操作すれば、左加熱部17HLを、連携調理モードKM3とは別の単独調理モードKM1の調理のために使用開始できる。
この段階では、左操作部17HLで入力すれば、誘導加熱源189で別の調理メニューを開始できる。但し、まだ連携調理モードKM3が解除された訳ではないので、加熱室113を使用する別の調理(複合調理モードKM2の調理)をすることはできない。あくまでも左加熱部17HLの占用が解除されただけである。
次に図92について説明する。
図92は、連携調理モードKM3を選択した場合において、調理工程2の「レンジグリル調理」(RG調理)の段階に進んでいる際に、マイクロ波加熱の出力レベルを調節できることを示している。
具体的には、統合表示部30の第2エリア30Mにマイクロ波加熱の出力レベルが、「やや弱め」、「弱め」等のように5段階で表示される。この表示情報は、図89で説明した「マイクロ波出力レベルを示す情報30V」と同じものである。このため、一対の入力キー43M2を操作すれば、マイクロ波加熱の出力レベルをユーザーが選択できる。
次に図93について説明する。
図93は、図92と同様に、連携調理モードKM3を選択した場合において、調理工程2の段階に進んだ際に、マイクロ波加熱の出力レベルを調節できることを示している。
図93(B)で示すように、第2エリア30Mに、マイクロ波加熱の出力レベルが、「強め」~「弱め」まで合計5段階で表示される。このようなマイクロ波出力レベルは、入力キー43M2を操作してユーザーが選択できる。
このため、最終工程(調理工程2)において、ユーザーが被調理物の仕上り状態に応じてマイクロ波による加熱強度を調整することができる。なお、このように加熱強度を調整できるのは、前述したように調理工程2に入ってから一定時間(例えば、20秒間)内に限られている。
この図93で説明した最終の調理工程2では、ユーザーの操作や目線は、統合表示部30と中央操作部40Mの範囲に集中する。このため、ユーザーは、加熱調理器1の正面中央部に居て、調理工程2の終了に集中できる。
調理工程2の途中で、加熱室113の内部の被調理物を加熱室113の中から取り出して直接確認したい場合には、ユーザーはドア114を任意のタイミングで開ければ良い。ドア114を開けた場合、ドア開閉検知機構131の働きで瞬時にマイクロ波の発信が停止し、また上部ヒータ163Aと下部ヒータ163Bの通電も停止される。
ドア114を再び閉めて、再度入力キー43MSを押せば、再びマイクロ波加熱が瞬時に開始される。なお、ドア114を上記のように調理工程2の途中で開けた場合、前記第3冷却ファン128と第4冷却ファン129の運転は、継続したままである。
次に図94について説明する。
図94は、図93の調理工程2の後の最終段階における操作と、統合表示部30(第1特定画面30SP)の表示内容を示す説明図である。
加熱調理の最終工程(調理工程2)を、ユーザーが任意で終了させる場合には、入力キー43MTを1回操作する。これを押すと、連携調理モードKM3の調理工程は終了する。但し、この時点では、連携調理モードKM3の一連の制御シーケンスは未だ取り消されてはいない。そのため、このように一旦、停止させたあと、再びマイクロ波加熱又はオーブン加熱を行うには、中央操作部40Mで再度入力操作が必要になる。
そこで、この実施の形態1では、追加の加熱を簡単に行えるように、RG調理を終了させた場合には、一定の時間内に、再度入力キー43MSで時間を設定すれば、再びマイクロ波加熱が開始されるようにした(なお、追加の時間は、入力キー43M2又は43M3を1回押せば1分、2回押せば2分間のような制御にしても良い)。
RG調理を終了させた後(自動的に終了の場合を含む)、「一定の時間内」に、再度入力キー43MSで時間を設定すれば、再びマイクロ波加熱が開始できると述べたが、その「一定の時間内」とは例えば10分間である。
ユーザーが、加熱調理の最終工程(調理工程2)となるRG調理工程を終了するタイミングを知ることができるように、図94(B)に示すように、第1特定画面30SPは、表示画面10Aの後で、表示画面10Bを表示した内容に変化する。そして、調理工程2が間もなく終了することを表示させる構成にしている。図94(B)の表示画面10Bでは、あと12秒間で加熱室113での調理工程2が終わることを表示している。
この表示画面10Bは、加熱室113の内部の温度上昇の推移を温度検出回路93が検出し、被調理物である食品等の負荷を判定し、終了できるまでの到達時間を統合制御装置MCが予測する処理を行って、その結果として表示される。
なお、被調理物や加熱室113の温度上昇を検知して調理の仕上がり時期を予測するのではなく、ユーザーが事前にタイマー設定して、時間制御により調理工程2を終えるようにしても良い。この場合は、上記したような負荷判定は必要ない。
なお、前述のように、ユーザーが事前にタイマー設定して、時間制御により調理工程2を終える場合には、図70で説明したように参考情報2を報知(ステップSA13。FA2)することができる。つまり、図94(B)に示すように、第1特定画面30SPは、表示画面10Aの後で、表示画面10Bを表示した内容に変化し、報知(FA2)の一環として参考情報2に合致した表示を行っている。
図94(B)の表示画面10Cは、調理工程2を終了した直後から一定時間(例えば、30秒間。但し、ドア114を開けた場合には15秒間)内に、再度加熱を開始できることを示した例である。
この表示画面10Cでいう「時間ボタン」とは、入力キー43M3のことである。なお、加熱室113は、この直前までの調理で高温になっているので、「グリル高温注意」等の付加情報331を表示しており、ユーザーの安全性を高めている。
ところで、図88や図89のように調理工程1(誘導加熱)の段階でも連携調理モードKM3の調理工程(誘導加熱)を、ユーザーは任意のタイミングで停止できる。この場合、停止するためには、入力キー43MTを1回押せば良い。しかし、このまま連携調理モードKM3を取り消して、次の調理工程2にも進まないようにするのは、更に続けて入力キー43MTを1回押す必要がある。
これに対し、図94(A)~(C)のような、連携調理モードKM3の調理工程2(この場合は、レンジグリル)の段階で、ユーザーが任意のタイミングで調理工程2を停止するには、入力キー43MTを1回押せば良い。また、この場合(調理工程3が無いという前提)、次に進むべき調理工程が無いので、入力キー43MTを更に1回押す必要はない。なお、入力キー43MTを2回押しても何ら不都合な動作が開始されるものではない。
(第1特定画面の変遷)
次に、図67で説明した連携調理モードKM3の移行開始までの期間において、統合表示部30の第1特定画面30SPが変化する内容を詳しく説明する。
図95~図97は、図67で説明した各種工程と動作の関係を示す説明図1において、項目Eの「中央表示部」で説明した表示E1~E5の内容と入力操作部との対応関係を示したものである。
図95の状態は、「E1:連携調理の初期画面」の段階を示したものであり、前記統合表示部30に第1特定画面30SPが表示された際の初期の画面と、中央操作部40Mとの関係を示している。
図96(A)は、「E2:メニュー変更」の段階の画面と中央操作部40Mとの関係を示したものである。入力キー43M1を操作して、連携調理モードの中から目的の1つの被調理物を選び、対応する連携調理モードKM3の調理メニューを選択する段階である。
例えば「ハンバーグ」を「天ぷら」又は「ローストビーフ」に変更することができる。
図96(B)は、「E3:選択加熱源変更(右IHを選択)」の段階である。第1特定画面30SPを見ながら、ユーザーが右加熱部17HRを選択する段階を示している。この選択は、入力キー43M2で行われる。
次に図97(A)は、「E4:右IHの入力ボタン押下案内表示」の段階である。第1特定画面30SPにおいて、連携調理を開始するため、右操作部40Rに配置されている、入力キー44Rの操作が必要であることを表示した段階である。つまり、ユーザーに対して、連携調理の調理工程1を開始するために、入力キー44Rを押すという操作を推奨している。
図97(B)は、「E5:IH予熱表示」の段階である。この段階では、第1特定画面30SPでは、右加熱部17HRで予熱動作を開始していることを示している。右側表示部31Rでは、前述したように、例えば、予熱(目標)温度180℃に到達するまでの、実際の温度上昇の情報を表示している。これに対し、第1特定画面30SPの中において、例えば「IH予熱中」や「予熱完了しました」、「設定温度にあるとお知らせします」等の情報(付加情報331)が表示される。
次に図98~図104は、図68で説明した「ハンバーグ」の調理(連携調理モード)の各種工程と動作の関係を示す説明図2において、項目Eの「中央表示部」の表示E11~E17の内容と入力操作部との対応関係を示したものである。
図98(A)は、図68の項目E(中央表示部)で説明した「E11:IH予熱表示」の段階を示している。第1特定画面30SPにおいて、右加熱部17HRにより予熱が開始されたため、設定温度になると知らせる旨表示している(付加情報331)。
図98(B)は、同じく図68で説明した「E12:IH加熱表示」の段階である。この段階では、予熱が完了したので、右加熱部17HRで加熱できる状態になったことを付加情報331によって表示している。つまり、誘導加熱(IH加熱)の工程に進む段階であることを示している。
図99の段階は、図98の表示になった時点から一定時間(例えば、1分間)後に行われる表示内容を示している。この図99の表示は、図68の項目Eには記載していない。
図99の段階では、現在実行している誘導加熱源9による調理工程1をユーザーが終えるには、左操作部40Lを入力キー44Lを押すことが必要であることを示している。なお、入力キー44Lではなく、44Lで調理工程1を終了できるように、事前にプログラムを変更しておいても良い。
次の図100は、図68で説明した「E13:グリル扉開閉操作誘導表示」の段階である。この段階は、誘導加熱(調理工程1)を終えたので、付加情報331によって、被調理物を(調理工程2を行うために)加熱室113に移すように促している。
次の図101(A)~(C)は、図68で説明した「E14:火力変更表示とスタート誘導表示の交互表示」の段階である。この段階では、加熱室113におけるレンジグリル調理(複合調理)における火力を変更できることを表示し、更に、そのような加熱室でのグリル加熱調理を、スタートボタン(入力キー43MS)で開始できることを表示している。
図101(C)では、入力キー43MSが、破線の円で示しているように点滅状態であり、ユーザーの操作を待っていることを示している。なお、図101(A)と図101(B)の表示は、例えば5秒置きに交互に行われる。
次の図102(A)~(C)は、図68で説明した「E15:グリル加熱表示」の段階である。ここでは、加熱室113の中で被調理物を、マイクロ波加熱源189又はオーブン加熱源188の両方又は何れか一方により加熱していること(調理工程2)を示している。
図102(A)では、火力調節ができることを示し、図102(B)では、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188が同時に駆動されて複合加熱中であることを示している。図102(C)は、このRG調理工程(調理工程2)が、あと2分30秒で終了することを示している。
次の図103(A)(B)は、図68で説明した「E16:延長操作案内表示と終了操作表示の交互表示」の段階である。ここでは、RG加熱工程が終了したので、時間ボタン(入力キー43M3)で時間を延長し、再度グリル加熱できることを表示している。
ユーザーが延長加熱を希望しない場合には、取消しボタン(入力キー43MT)を1回押せば、延長加熱せずに連携調理モードを終了できることを表示している。なお、図103(A)と図103(B)の内容の、第1特定画面30SPは、例えば数秒間隔で、交互に表示される。
次の図104は、「E17:時間設定表示」の段階である。ここでは、入力キー43M3で加熱調理時間を延長し、入力キー43MSを押すと延長時間だけ再度加熱室113の内部で加熱調理することができる。
図104は、その延長時間を設定した結果(延長時間は、2分30秒)を表示している。この時間設定表示の後で、前記「E15:グリル加熱表示」と、「E16:延長操作案内表示と終了操作表示の交互表示」が行われる。
次に図105~図109について説明する。
図105~図109は、図69で説明した連携調理モードKM3による「からあげ」の調理(連携調理モード)の各種工程と動作の関係を示す説明図3において、項目Eの「中央表示部」で説明した表示E21~E26の内容と入力操作部との状態を示している。
図105(A)は、「E21:IH予熱表示」の段階を示している。ここでは、左加熱部17HLで予熱動作を行っていることが分かる。つまり、左加熱部17HLの上に置かれた被加熱物Nは、既に誘導加熱が開始されている。
図105(B)は、「E22:グリル扉開閉操作誘導表示」の段階である。ここでは、ドア114を開けて、グリル加熱工程B23(図69参照)を行うために、被調理物(食品)を加熱室113に入れることを促している。
次の図106(A)~(C)は、「E23:火力変更表示とスタート誘導表示の交互表示」の段階である。ここでは、からあげの調理を「レンジグリル駆動部」を駆動して行う際に、火力の調節ができることや、入力キー43MSを押せば調理をスタートできること等を表示している。
図106(A)と図106(B)の表示は、例えば5秒置きに交互に行われる。
また、ドア114が開放されたままの状態であると、図106(C)の表示が行われる。なお、仮にドア114を開けたままで入力キー43MSを押しても加熱動作は開始されない。ドア114を開けたままでは、入力キー43MSからの指令信号が統合制御装置MCに届いても、ドア114が閉鎖中でない限り、統合制御装置MCから加熱開始指令は出ない。
次に図107(A)(B)は、「E24:レンジ加熱表示」の段階である。
図107(A)は、「レンジグリル駆動部」を駆動して行う際に調理の火力を変更できることを表示している。なお、この火力を調節できる期間は、調理工程1(レンジ加熱)が開始されてから一定時間(例えば20秒間)内に制限されている。
図107(B)は、調理が始まったあとに表示される内容であり、調理を終了するまでの残り時間等を表示する例である。この段階が調理工程1を開始した段階である。
次の図108(A)(B)は、「E25:延長操作案内表示とIH予熱完了表示の交互表示」の段階である。ここでは、前記「レンジグリル駆動部」を駆動して行っている調理工程B24(図69参照)が終了したあと、時間ボタン(入力キー43M2)で時間を延長し、加熱調理時間を延長できることを、表示している。
図108(A)の表示画面と、図108(B)の表示画面は、第1特定画面30SPとして、例えば数秒間隔で、交互に表示している。
次の図109は、「E26:時間設定表示」の段階である。ここでは、前記調理工程B24を、例えば2分30秒間、更に延長して実行することを表示している。なお、この図109の段階で「レンジグリル(RG)」加熱を終えれば、次は既に予熱が完了している左加熱部17HLでの、調理工程2に進むことができる。
(家電機器の運転管理システム)
次に図110~図119について説明する。図110~図119は、本開示の対象である加熱調理器1を利用した家電機器の運転管理システムに関するものである。
図110は、連携調理モードの調理時における冷蔵庫401と加熱調理器1の情報の授受を、時系列で示す説明図である。図110は、加熱調理器1側の制御動作を示している。図111は、図110に示した事例において、冷蔵庫401とホーム・ゲートウエイと加熱調理器1の、3者の間の情報の授受を示すシステム構成図1である。
図112は、図110に示した事例において、冷蔵庫401とホーム・ゲートウエイと加熱調理器1の、3者の間の情報の授受を示すシステム構成図2である。
図113は、加熱調理器1における統合表示部30の表示内容を示す平面図である。図114は、加熱調理器1において、起動直後における統合表示部30の表示動作を示す説明図である。図115は、加熱調理器1において、起動直後における統合表示部の表示動作を示す説明図1である。
図116は、加熱調理器1において、起動直後における統合表示部30の表示動作を示す説明図2である。図117は、起動直後における統合表示部30の表示動作を示す説明図3である。図118は、図1に示したホーム・ゲートウエイの動作を示すフローチャートである。図119は、加熱調理器1において、連携調理モードを実施する場合の、冷蔵庫401との間の情報の授受を示すフローチャートである。
図110について説明する。
この図110に示した動作ステップは、統合制御装置MCの連携調理モードを実行する制御プログラムの中に規定されている。
この最初のステップSD1よりも前の時点で在庫照会信号RQ1が発信されている。すなわち、図38のステップST2の段階で在庫照会信号RQ1が発信されている。
この図110に示した動作ステップは、図72に示したユーザーの操作(A23)以後を示している。ステップSD1において、連携調理モードKM3の調理メニューとして、例えば「からあげ」を選択して調理工程1を開始すると、マイクロ波によって食材の加熱が開始される。
このステップSD1は、図71のステップSB1に相当するものである。この段階では、図69の報知F24のように「レンジ、仕上がり標準を始めます」と音声で報知する。
次に、前記ステップSD1の時点からの経過時間TN3の計測が開始される(SD2)。このステップSD2は、図71のステップSB2に相当するものである。なお、図71のステップSB2は、温度上昇を計測していたが、この図110のステップSD2は、経過時間TN1を計測するものである。
次のステップSD3では、開始された連携調理モードKM3の内容が照合される。この場合は、統合表示部30の第1特定画面30SPにおいて、識別情報330を表示し、「からあげ」の調理を実行していることが統合制御装置MCで照合できる。
そして、からあげの調理は、調理工程1が加熱室113を使用することもこの時点で分かる。言い換えると、調理工程1が終われば、加熱室113を使用しない状態になることが分かる。
なお、ステップSD3を省略し、個々の連携調理モード(例えば、からあげ、ハンバーグと、グラタン)で、それぞれ専用のプログラムを用意しても良い。
次のステップSD4では、特定の連携調理モードであるかどうかの判定が行われる。この「特定の連携調理モード」とは、例えば、以下のものである。
(1)からあげ、ハンバーグや餃子のように、一般的には副食の調理物に分類できるもの。
(2)個々の連携調理モードの被調理物(例えば、ハンバーグ)と、通常は同時に食されるもの(例えば、スープ、フライドポテト)。
このステップSD4で「No」の場合には、この図110の動作はこの時点で終了する。
次のステップSD5では、加熱室113で調理工程1を実行しているかどうかの判定が行われる。このステップSD5で「No」の場合には、この図110の動作はこの時点で終了する。
ステップSD5が「Yes」の場合は、次のステップSD6に進む。ステップSD6では、冷蔵庫401に保存されている食材の在庫情報を照会するために、ホーム・ゲートウエイ411に対して照会信号RQ3(図111参照)を発する。
なお、加熱調理器1の主電源スイッチ97をONにした時点で、加熱調理器1からは図38で説明したように、既に在庫照会信号RQ1が送信されている。
この実施の形態1では、更に条件を絞り込み、在庫情報を必要とする可能性が高いことが判明した段階(図110のステップSD6)で在庫照会信号RQ3を送信している。
次のステップSD7では、ホーム・ゲートウエイ411から食材の在庫情報を取得する。そして統合制御装置MCは記憶装置MMに一時的に記憶させる。
次のステップSD8では、受信した食材の在庫情報を分析する。
このステップSD8では、連携調理モードで実行している調理(この場合、からあげ)と関連性の高い食材の有無を検索する。ここでいう「関連性」とは、からあげという副食と一緒に食されることが多い食材(例えば、冷凍された野菜)又は主食としての、ご飯が代表的なものである。そのため、このステップSD8では、「冷凍されたご飯」を抽出したものと仮定して以下説明する。
このステップSD7が「No」の判定であった場合には、そのままこの図110の処理は終了し、ユーザーには何も報知されない。
次のステップSD9では、前記経過時間TN1を経過したかどうかの判定が行われる。 そして、次のステップSD10では、調理工程1が間もなく終了する旨の報知が行われる。なお、この報知は、図68には示していない。また、この報知は省略しても良い。
次のステップSD11では、調理工程1の終了後に、からあげの調理では使用されなくなる加熱室113を有効に活用する別の加熱調理のメニューを報知する。
前記したように、推奨調理メニューとして「冷凍ご飯」を報知する。
次のステップSD12では、ユーザーが調理工程1を停止させる操作を行ったかどうかの判定が行われる。このステップSD12で、ユーザーの停止操作があると、ステップSD13に進み、加熱室113における調理工程1のマイクロ波加熱動作が停止される。
次のステップSD14では、調理工程1の終了の報知(F25:図69参照)が行われる。
そして、ユーザーは、加熱室113の中から被調理物(からあげの食材)を取り出して、既に予熱されて高温になっている被加熱物(フライパン等)Nの中に置くと、調理工程2が始まる。なお、既にこの段階では、被加熱物Nの中に入れられた食用油は適当な温度になっている。
上記の説明から分かるように、調理工程1が終了する前の段階のステップSD8で、ユーザーは推奨調理のメニューを知ることができる。
しかも、当該推奨制御メニューは、冷蔵庫401からの在庫情報を基にしたものであるから、ユーザーは調理工程2の前の段階で、加熱室113を有効に使用して別の調理をすることができる。
上記のように、「からあげ」の連携調理モードKM3の調理メニューに対して、主食となるご飯を解凍し、温めた調理物(ご飯)を同時並行的に用意できるので、連携調理を開始してから終えるまでの、実質的なトータル時間を短くすることができる。これにより、ユーザーの利便性を向上させることができる。
上記のように、連携調理モードの調理工程1を終えた加熱室113を、その調理工程1の終了から短時間の内に使用する場合、加熱室113の温度が高い場合が想定される。
前述したように、マイクロ波を利用する「あたため」(レンジ自動)の制御メニューでは、非接触(赤外線)温度計測部158が加熱室113内の被調理物の温度や加熱室113壁面温度を検知して、目標温度に到達した段階で自動的にマイクロ波の発振を停止する。そのため、加熱室113の高熱が残っていて温度が最初から高い場合には、マイクロ波加熱を自動で行うことは、統合制御装置MCで禁止されている。
そこで、連携調理モードの調理工程1を終えた加熱室113を、その後で使用する場合には、「レンジ手動」の制御メニュー(単独加熱調理)を選べば良い。つまり、マイクロ波の加熱時間をユーザーが設定して行えば良い。
図62で説明したように、連携調理を行うために、統合表示部30に第1特定画面30SPを表示させた時点で、左加熱部17HLは使用できないようになるが、調理工程1を終えた段階以降まで、加熱室113の占用状態を継続するという(統合制御装置MCによる)処理は行っていない。そのため、推奨制御メニューの実行には何ら支障はない。
更に、仮に、加熱室113において連携調理の調理工程1を終えた場合でも、それ以降(調理工程2の後)まで、加熱室113の占用状態を継続するという制御方法を採用した場合には、前記ステップSD8にて説明したような「推奨制御メニュー」がある場合に限り、例外的に加熱室113の占用状態を解除するという制御プログラムにしても良い。
次に、図111と図112について説明する。
図111と図112は、加熱調理器1の主電源投入以降におけるホーム・ゲートウエイ411及び冷蔵庫401との情報授受を、時系列で説明した図である。
図111を参照しながら、連携調理モードKM3を実行する場合を想定して以下説明する。
ホーム・ゲートウエイ411と冷蔵庫401は、キッチンKTに設置時から常に商用(交流)電源99に接続されている。
ホーム・ゲートウエイ411は、警報装置445に対し、「在宅モード」で監視するように指令信号を出している(図111のステップSE1)。「在宅モード」とは、家屋HAの中に居住者が1人でもいる場合の運転パターンをいう。居住者が全員留守になる場合には、「留守番モード」に切り替わる。
ユーザーは、加熱調理器1の主電源スイッチ97の操作ボタン98(図19参照)を押して電源を投入する(図111のステップSE2)。そして、ユーザーの入力操作に応じて加熱調理が開始される。
加熱調理器1では、図110で説明したように、調理工程1の開始時点(ステップSD1)の段階で在庫照会信号RQ1が発信されている。。この在庫照会信号RQ1は、無線通信部49からホーム・ゲートウエイ411の通信部446に対して行われる
ホーム・ゲートウエイ411の中央制御部447は、キッチンKTにおける人の存在や移動を検知する人検知部413Hの検知情報を受けるので、調理する場面であると判定し、加熱調理器1との相互連携運転に切り替える(ステップSE3)。
ホーム・ゲートウエイ411の中央制御部447は、更に、冷蔵庫401に対して在庫データの検索指令信号RQ2を発信する。
この在庫照会信号RQ2は、ホーム・ゲートウエイ411の通信部446から冷蔵庫401の無線通信部(図示せず)に対して行われる。その他の信号の授受も、通信部446と、冷蔵庫401の通信部(図示せず)との間の無線通信で行われる。
冷蔵庫401は、冷蔵室401Bや複数の冷凍室401Aの中に収容されている食品の在庫を検索して、在庫情報を更新し、自己の記憶部に記憶する(ステップ:SE4)。なお、冷蔵庫に保存している食品は、家庭で途中まで加工した食品や、外部で購入した袋入りの食品等、各種形態がある。それらの在庫情報の識別、検索方法については既に多くの提案が行われており、カメラで撮影した画像を利用することや、RFタグ、二次元コード利用などが知られている。
また、冷蔵庫401に食品を入れる際に手動で食品の名称やその属性等のデータをインプットする方法、あるいは光学的又は磁気的に自動で食品等の情報を読み込んで在庫情報を蓄積する方法等、各種方法が提案されている。
本実施の形態1では、冷蔵庫401に食品を入れる際、あるいは収容した後の食品の特定について何ら制限を受けないので、何れの方法であっても良い。
冷蔵庫401は、収集した在庫情報のデータを、返信信号RS1として、一括してホーム・ゲートウエイ411の通信部446に送信する。
ホーム・ゲートウエイ411は、その返信信号RS1で送信された在庫データを、記憶装置450に一時的に記憶する(SE5)。なお、ここで「一時的」とは、冷蔵庫401から再度在庫情報のデータが送信されて、それを受信するまでの期間であり、長期間に亘って記憶を継続させる訳ではない。記憶装置450の在庫データは、常に最新のものが上書きされて保存される。
加熱調理器1では、図110で説明したように、加熱室113で調理工程1が実施されている場合、所定のタイミング(図110のステップSD6)で、ホーム・ゲートウエイ411に対して在庫照会信号RQ3が発信される(SE6)。
ホーム・ゲートウエイ411では、記憶装置450に記憶させてある最新の在庫データを、在庫データ信号RS2として、通信部446から加熱調理器1の無線通信部49に送信する。
加熱調理器1では、無線通信部49が受信した在庫データを記憶装置MMに記憶させる(SE7)。そして、統合制御装置MCは、図110のステップSD8で説明したように、在庫データの中から、実行している連携調理モードの1つの調理メニューに直接関係する別の調理メニュー(食材や料理の名称等)を報知する(SE8)。
なお、図110の例では、加熱室113で調理工程1を行う連携調理モードとして「からあげ」だけを説明したが、図85に示したように「野菜炒め」、「とんかつ」、「天ぷら」等でも良い。
次に図112について説明する。
図112は、図111のステップSE8以降の動作を説明した図である。
加熱調理器1は、連携調理モードの全ての調理工程を終えた場合(SE9)、連携調理の実施内容を示す主要なデータ(以下、「調理実施データ」という)を、ホーム・ゲートウエイ411に対して信号BS1として送信する。
ここで「調理実施データ」とは、以下の情報の少なくとも1つをいう。
(1)被調理物を特定できる識別情報330。例えば「からあげ」や「野菜炒め」等の被調理物の名称(略称を含む)。
(2)被調理物の重量又は容積に関する情報
(3)前記調理工程1と前記調理工程2の制御条件(例えば、マイクロ波出力500W、誘導加熱時の火力1500W又は「中火」)を示す情報
(4)前記調理工程1から前記調理工程2の終了までの所要時間を示す情報
(5)前記調理工程2(又は最終の調理工程)の終了時刻を示す情報
(6)予熱工程開始から全ての調理工程2の終了までの所要時間を示す情報
(7)加熱調理動作した加熱源(例えば、左加熱部17HL)を特定する情報
(8)次の加熱調理の際にユーザーが受ける制限に関する情報(例:加熱室113は、高温であるため、レンジ(自動)加熱は実行できないこと)
(9)前記加熱室113の現在温度等のユーザーの安全性に関係する情報
前記「(2)被調理物の重量又は容積に関する情報」は、例えば、「からあげ:300g」のような情報である。これは、調理工程1における被調理物(からあげ)の温度上昇速度から統合制御装置MCが推測できる。
前記「調理実施データ」は、ホーム・ゲートウエイ411と冷蔵庫401に有益な情報となり得る。
また、前記「調理実施データ」は、警報装置445にも有益な情報になり得る。
例えば、「調理実施データ」の内、「(4)調理工程2の終了までの所要時間を示す情報」、「(5)終了時刻を示す情報」、「(6)全ての調理工程2の終了までの所要時間を示す情報」は、ホーム・ゲートウエイ411のスケジュール管理部451で活用できる。これらデータを蓄積することにより、キッチンKTにおける調理の集中時間帯が推定できることになる。
更に、前記「調理実施データ」の内、「(9)前記加熱室の現在温度等のユーザーの安全性に関係する情報」は、温度監視装置440にも有益な情報になり得る。加熱調理器1側の現在温度と、温度監視装置440側で光学的に計測して、推定している温度の「乖離」の状況が分かるからである。
前記「調理実施データ」は、冷蔵庫401に有益な情報となり得る。例えば、「調理実施データ」を、前記スケジュール管理部451で活用して調理の集中時間帯が推定できることから、その後に冷蔵庫401に食品が収容されるタイミングが想定できるようになる。
外部の電気機器(例えば、空気調和機や調理機器)から、外部の環境の状態を表す環境情報を取得して、冷却装置等の各部の運転状態を制御する冷蔵庫は、例えば日本の特開2019-211153号公報等で提案されている。しかしながら、従来の提案では、加熱調理器1側から提供される環境情報は、曖昧なものが多く、冷蔵庫側から見て必ずしも利用価値があるものではなかった。これに対し、この実施の形態1の「調理実施データ」は、具体的な制御メニューに即したものであり、利用価値が高い。
ホーム・ゲートウエイ411では、前記送付信号BS1で送付された「調理実施データ」を、冷蔵庫401に対して「調理実施データ」を含む信号BS2にして送信する。なお、送付信号BS1で送付された「調理実施データ」と送付信号BS2で送付された「調理実施データ」の内容は、基本的に同一でも良いが、異なっていても良い。前記送付信号BS1で送付された「調理実施データ」では、温度監視装置440や警報装置445に有益な情報も含まれていたが、それらは冷蔵庫401には必要がないので、ホーム・ゲートウエイ411で削除してから、冷蔵庫401に送信しても良い。
冷蔵庫401では、「調理実施データ」の内容を分析し、冷蔵庫401の運転に有益なものを収集・分析する(SE10)。
次に、冷蔵庫401では、「調理実施データ」の分析結果から、冷蔵庫401の運転条件を変更する(SE12)。
ホーム・ゲートウエイ411の中央制御部447は、「調理実施データ」を記憶装置450に記憶する。また、スケジュール管理部451の「調理履歴データ」を更新する。これにより、この1回の加熱調理(連携調理)の実施日時、時間帯、調理メニュー(例えば調理名「からあげ」)、その他関連情報(例えば、からあげ推定「300g」)が記録される。
更に、スケジュール管理部451には、記録される前記「調理履歴データ」の中に、前記ステップSE8において具体的に報知した在庫のデータから「冷凍ご飯」等の具体的な食材や調理メニューが推奨(図110のステップSD8参照)された場合、その推奨事実も含めて良い。このような日常の調理の実態がデータとして蓄積されると、人工知能等を利用したスケジュール管理部451であれば、「学習と予測」の能力が向上するので、ユーザーに対する情報提供の価値が次第に向上する。
加熱調理器1からは、連携調理モードKM3の全ての調理工程を終えた以降、運転の終了予告信号BS3が、ホーム・ゲートウエイ411に対して送信される(SE9)。
この後、主電源スイッチ96が開放(OFF)される(SE13)。
ホーム・ゲートウエイ411の主制御部447は、運転の終了予告信号BS3を受信した場合、「相互連携運転モード」を終了する。そして更に、警報装置445を「監視モード」に切り替える(SE14)。これにより、ユーザーがキッチンKTに居るかどうかに関係なく、キッチンKT内部空間の温度変化を監視させる。
(在庫情報の表示例1)
図113は、加熱調理器1の中央操作部40Mと統合表示部30の周辺部を示す拡大平面図である。
この図113は、図110のステップSD11の場面を示している。
図113に示した例は、連携調理モードの調理メニューの1種である「からあげ」を実行している段階である。
調理工程1を加熱室113で行っている途中で、統合表示部30には、在庫情報として「冷凍ご飯」があることが表示される。なお、音声合成装置95でも同様に音声で報知される。
この図113の状態で、仮に入力キー43MTを1回押すと、調理工程1のマイクロ波加熱調理が停止する。連携調理モードの設定が取り消される訳ではない。
そのため、ドア114を開けて加熱室113から被調理物を取り出して、左加熱部17HLの上に置いた被加熱物Nに、前記被調理物を載せれば、その時点から(調理工程2の)誘導加熱調理を開始することができる。なお、この統合表示部30で表示しているように、左操作部40Lの入力キー44L(43L1に変更しても良い)は、図69で説明したように最初の予熱開始段階で押されている(図69の操作A21参照)ので、新たに左操作部40Lを操作する必要はない。
なお、図90でも説明したように、予熱工程から調理工程1に移行したタイミングを統合制御装置MCがデータ上で明確に把握できるように、調理工程1に移行したときに、ユーザーに入力キー43MSを1回押すように求めても良い。
(在庫情報の表示例2)
図114は、加熱調理器1の統合表示部30を示す拡大平面図である。
この図114は、図113の統合表示部30の表示内容を変更した例である。
図114(A)に示した例は、統合表示部30の第1エリア30Lに、時間短縮できることを意味する時短情報333と、「あたため」という調理の推奨情報338を表示したものである。
統合表示部30の第2エリア30Mと第3エリア30Rは合体され、その広くなった表示面を使用して「加熱庫であたため・解凍できます」と表示している。つまり、加熱室113を使用して「あたため」と「解凍」ができることを示している。
図114(A)において、記号335U、335Dは、他にも情報があることを示した記号であり、この記号に対応した(左右1対の)入力キー43M2の何れかを押せば、次の情報が表示される。
図114(A)において、記号336、336Dは、他にも情報があることを示した記号であり、この記号に対応した(左右1対の)入力キー43M3の何れかを押せば、次の情報が表示される。
この図114(A)では、ユーザーが入力キー43M2でも43M3でも操作すれば、次の情報が表示されるようにしており、ユーザーが操作に迷う局面を減らすようにしたものである。
図114(B)に示した別の例は、統合表示部30の第1エリア30Lに、文字による冷蔵庫情報334を表示している。
また、統合表示部30の第2エリア30Mと第3エリア30Rは合体され、その広くなった表示面を使用して「冷凍ご飯」と、「おでん」の2種類の個別食材情報339を表示している。つまり、冷蔵庫401には、食材として「冷凍ご飯」と、「おでん」があることをユーザーに報知している。
前記個別食材情報は、1つの食品を特定する情報である。冷蔵庫401の「食材情報」とは、前記個別食材情報339の集合体を意味している。
図114(A)と図114(B)の表示は、例えば数秒おきに交互に行っても良いし、何れか一方だけでも良い。何れにしても、ユーザーは調理工程1の途中で、冷蔵庫401の中に保存してある食材情報を利用して、加熱室113で別の調理が行えることを理解できる。
次の図115は、統合表示部30の表示画面の変遷を示す拡大平面図である。
この図115は、図52の表示内容を改良した例である。
この図115において、表示画面1、表示画面2A及び表示画面2Bは、図52で説明したものと同じであるので、説明は省略する。
表示画面2Cは、表示画面2A又は表示画面2Bの後で表示される画面である。この表示画面2Cでは、加熱源を選択するように推奨文30R1によって、ユーザーに対して入力操作を促している。
次に図116は、統合表示部30の表示画面の変遷を示す拡大平面図である。
この図116は、図52の表示内容を改良した更に別の例である。
この図116において、表示画面2Dは、表示画面2A又は表示画面2Bの後で表示される画面である。
この図116の表示画面2Cでは、加熱調理器1が冷蔵庫401の食材情報を自動的に確認していることをユーザーに知らせている。つまり、在庫情報の取得動作を実行中である旨を報知している。
図38に示したステップST2では、在庫照会信号RQ1を送信していると説明した。そのステップにおける動作が、この図116の表示画面2Dで表示されている。
次に図117は、統合表示部30の表示画面の変遷を示す拡大平面図である。
図116で示した表示画面2Dの後で、食材情報を取得したことを表示画面2Eでユーザーに知らせる。更に、その直後に表示画面2Eによって、具体的な食材として「冷凍ハンバーグ」と、冷蔵の「餃子」があることを知らせている。なお、表示画面2D~2Eが表示される前に、加熱源の選択は自由に行える。表示画面2Cが出た直後に加熱源の選択(図38のステップSTC参照)が行われた場合には、表示画面2D~2Eの表示は行われない。
(ホーム・ゲートウエイの動作例)
図118は、ホーム・ゲートウエイの動作を示したフローチャートである。
ホーム・ゲートウエイは、図111で説明したように「在宅モード」で警報装置445を運転している期間において、スケジュール管理部451が「調理時間帯」に入ったかどうかを判定している。
「調理時間帯」について、居住者が入力部449(図4参照)によって手動で入力しても良い。例えば、平日は午前6時30分~7時30分が調理時間帯であると設定すれば良い。
また、スケジュール管理部451に内蔵したデータ処理部では、過去の例えば30日間の加熱調理器1の運転時間帯を分析し、平均的な時間帯が「午前6時20分から7時30分」にあると判定している。
以上のような状況の場合、ステップSF1では、現在の時刻が調理時間帯に入ったかどうかの判定を行う。
ステップSF1では、現在の時刻が、6時25分であった場合、上記のように平均的な時間帯(午前6時20分から7時30分)に入ったことになるので、「Yes」と判定し、ステップSF2に進む。
ステップSF2では、人検知部413Hの人感知センサー452、453が人を感知したかどうかの判定が行われる。
例えば、居住者が、冷蔵庫401と加熱調理器1の前方空間を移動したり、冷蔵庫401や加熱調理器1の前方に立ち止まっていたりした場合には、このような人の動きが検知される。
ステップSF2で、人を検知した場合、次のステップSF3に進む。
ステップSF3では、冷蔵庫401のドア(図示せず)が開けられたかどうかを、冷蔵庫401側からの動作情報によって判定する。ドアが開けられ、その後、ドアが閉じられたことを感知した場合(SF4)、次のステップSF5では、冷蔵庫401に収容されている食品の最新状況を確認する。
ステップSF5における在庫情報の確認は、図111で説明したような「在庫データ検索指令信号RQ2」である。
冷蔵庫401は、収集した在庫情報のデータを、図111で説明したように、返信信号RS1として、一括してホーム・ゲートウエイ411の通信部446に送信する。
そこで、ホーム・ゲートウエイ411の主制御部447は、収集した最新の在庫情報のデータと、前回冷蔵庫401から送られた在庫情報のデータとの比較を行い、全く変化がなければ、ステップSF6で処理を終了する。
ステップSF6において、前回の在庫情報のデータと変化があった場合には、記憶装置450に記憶させてある在庫情報のデータを、新しいものに書き換える(上書きする)(SF7)。
そして、加熱調理器1からの在庫照会信号RQ1が来ることに備える。
以上のように、ホーム・ゲートウエイ411は、加熱調理器1の主電源スイッチ97が投入される前から、冷蔵庫401の在庫情報の取得を行い、加熱調理器1から照会があった場合、迅速に在庫情報を提供できるような動作をしている。
冷蔵庫401に収容された食品の在庫を詳細に調査するには、一定の時間を要すると思われること、また冷蔵庫401のドアが開いたままの状態では、外部からの照明の光が外乱光となって光学的検知、画像分析等の妨げになる懸念もある。このような状況から、ド冷蔵庫401のドアが閉じられた直後に、迅速に在庫情報を取得することにしている。
以上のような構成であるから、図111で説明した在庫データ収集の返信信号RS1が、加熱調理器1の在庫照会信号RQ3より遅れるという事態を回避できる。つまり、最新の在庫情報を加熱調理器1が取得できるシステムとなっている。
(加熱休止期間での個別食材情報の表示)
図119は、加熱調理器1の連携調理モードKM3において、冷蔵庫401の個別食材情報339を取得するための別の動作プログラムを示したフローチャートである。
図110の動作プログラムでは、加熱室113における調理工程1の途中段階で、自動的に在庫情報を取得し、推奨調理のメニューが報知される方法であった。
これに対し、この図119に示した例は、連携調理モードの調理工程1と調理工程2の間の「加熱休止期間(移行期間TR)」において、別の調理が実行できることを報知し、ユーザーの指令に応じて報知できるようにしたものである。
従って、図110の動作プログラムによる動作と、この図119に示した動作プログラムによる報知方法は、互いに矛盾することはない。そのため両方の報知プログラムを採用(併用)しても良い。
図110までに説明した加熱調理器1は、
(1)前記誘導加熱源9を動作させる(IH)単独調理モードKM1
(2)前記マイクロ波加熱源189を動作させる(レンジ)単独調理モードKM1
(3)前記オーブン加熱源188を動作させる(オーブン)単独調理モードKM1
(4)前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188の両方又は何れか一方と、前記誘導加熱源を、ユーザーの入力操作に依存して開始と終了のタイミングが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる連携調理モードKM3
を、ユーザーの入力操作に応じて実行させる機能を有している。
更に、前記連携調理モードKM3は、加熱室113で行う調理工程1と、前記移行期間TRの後に、前記加熱室の外部で行う調理工程2とを含み、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1の途中において、当該調理工程1の終了後に、前記加熱室113で実行可能な調理メニューと、当該調理メニューに関する冷蔵庫の個別食材情報との、少なくとも何れか1つを前記報知部ANによって報知することを特徴とする構成であった。
これに対し、この図119に示した例は、調理工程1を終えた以降で、前記移行期間TR(図62~図64の「加熱休止期間P3」)においても、別の調理が加熱室113において(前記調理工程2と同時並行的に)実行できることを報知し、ユーザーの指令に応じて報知できるようにしたものである。
図119において、ステップSG1は、連携調理モードを選択し、第1特定画面30SPに示される識別情報330から、ユーザーの希望する調理メニュー(例えば、鶏肉の「からあげ」)を選択した段階である。
次のステップSG2では、図110のステップSD5と同様に、選択された連携調理モードKM3の調理工程1が、加熱室113で実行されるものであるかどうかを判定する。
このステップSG2が「Yes」の場合、次のステップSG3に進む。
次のステップSG3では、ホーム・ゲートウエイ411に対して在庫情報の照会が行われる。このステップSG3では、在庫情報の内、特に冷凍食品と再加熱食品の情報を取得する。なお、この図119では、図110のステップSD7のような、在庫情報受信と一時記憶のステップの記載を省略しているが、この図119の動作プログラムでも同様な処理が行われる。
次のステップSG4では、加熱室113で実行されている調理工程1が、終了したのかどうかを判定する。
ステップSG4の段階で、調理工程1が終了していた場合、その時点から前記移行期間TR(図62~図64の「加熱休止期間P3」)になる。つまり、連携調理の加熱動作は休止しており、ユーザーから調理工程2の開始指令を待っている段階になる。
そのような移行期間TRにおいて、ステップSG5では、別の加熱調理を行えるかどうかの判定を行う。これは、図110のステップSD8に相当する処理である。
前記ステップSG5が「Yes」の場合、ステップSG6に進み、統合表示部30及び音声合成装置95によって、加熱室113で行える別の調理メニューの提案がある旨を報知する。このステップSG5の判定結果が「No」の場合は、処理を終える。
この後のステップSG6にて、中央操作部30Mの特定の入力キー又は前記入力キー47(図19参照)が操作された場合は「Yes」と判定される。
ステップSG7では、加熱室113において実行できる別の調理メニュー(例えば、「餃子の温め」)を1つ又は複数個表示する。表示する場所は、連携調理モードの調理工程を表示している統合表示部30で良い。そして、調理工程2の開始指令を待つステップSG8に進む。
(在庫情報の表示例3)
図120は、加熱調理器1の中央操作部40Mと統合表示部30の周辺部を示す拡大平面図である。図121は、同じく中央操作部40Mと統合表示部30の周辺部を示す拡大平面図である。図122は、同じく中央操作部40Mと統合表示部30の周辺部を示す拡大平面図である。
図120は、図119のステップSG6の場面における、統合表示部30の表示例を示している。この図120から明らかなように、統合表示部30の第1エリア30L~第3エリア30R(図21参照)は、1つに合体され、横に長い表示エリアになっている。
図120において、338は、加熱室113で行える別の調理メニューがあることを文字で示した推奨情報、337は、その推奨情報の調理メニューの提案内容を表示するための、入力キー43M2の操作を説明した表示案内部である。
この図120の状態では、ユーザーの入力操作を促すため、入力キー43M2に対応した個別発光部27M4が、点線の円で示すように点滅している。この状態で(2つの)入力キー43M2の何れか1つを押せば、具体的な推奨調理(例えば「冷凍ご飯」)等の個別食材情報339を、この第1特定画面30SPに表示させることができる。
図120において、入力キー43M2を押した場合、図121の表示画面に切り替わる。図120で示した推奨情報338は、図121に示した内容に変化する。
図121において、339は、加熱室119で行える別の調理メニュー(推奨調理)を文字で示した個別食材情報である。この図121に示した例では、冷蔵された「餃子」と冷凍された「ご飯」の重量や冷凍温度が表示されている。つまり、個別食材情報は、1つの食材の名称や重量、冷蔵又は冷凍状態(温度等)の情報も含んでいる。なお、賞味期限情報や冷蔵庫401への保存開始時期(日にち)等の関連情報を含めても良い。
次に図122は、図120に示された表示内容のまま、数秒経過すると自動的に切り替わる表示内容を示している。つまり、図120の状態になったあと、入力キー43M2を押さずに数秒経過すると、図122の表示画面に切り替わる。また、この図122の状態で数秒経過すると、図120の表示に自動的に戻る。
図120~図122で明らかなように、前記統合制御装置MCは、前記調理工程1の途中において、当該調理工程1の終了後に、前記加熱室113で実行可能な調理メニューと、当該調理メニューに関する冷蔵庫の在庫情報との、少なくとも何れか1つを前記報知部ANによって報知する構成であった。
以上のように、図120~図122に示した例では、調理工程1を終えたあとで、移行期間TR(図62~図64の「加熱休止期間P3」)の間、加熱室113において別の調理が(前記調理工程2と同時並行的に)実行できることを報知し、ユーザーの指令に応じて、「別の調理」に使用する食材の情報を報知できる。
このため、例えば連携調理モードの1つの調理A(例:からあげ)が、左加熱部17HLにおいて調理工程2の段階に入り、最後の仕上げ段階になっている状態で、加熱室113では、その調理とは別の調理B(冷凍ご飯の解凍~温め)を同時に実行することができる。つまり、1回の食事で調理Aと調理Bを食する場合に、調理Aを終えてから調理Bを開始する方法ではなく、並行して調理ができる。これにより、全体の調理時間を短縮できることになり、ユーザーの利便性が向上する。
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
被加熱物Nを加熱部17HL、17HRで加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部17HL、17HRと別の場所にある加熱室113で加熱調理する複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
調理情報を表示する表示手段(統合表示部30、個別表示部31L、31R)と、
前記入力操作部40からの指令を受ける統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1調理モード選択部43MCと、第2調理モード選択部43M1と、を備え、
前記第1調理モード選択部43MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記第2の加熱手段HM2の前記複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を自動で組合せて併用する複合調理モードKM2と、前記複数の加熱源の1つを単独で使用する単独調理モードKM1とを、選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記複合調理モードKM2と、前記単独調理モードKM1に属する複数の制御メニューの中から、1つの制御メニューを選択する手段を兼用している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モード(複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1)の何れにおいても、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第1の開示に関して、
前記第1調理モード選択部43MCの操作に応じて、前記連携調理モードKM3で実行できる被調理物毎の調理メニューが、前記表示手段(統合表示部30)によって表示される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、統合表示部30の表示内容を確認して、被調理物を基準にして希望する調理メニューを選択でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第1の開示に関して、
前記表示手段(統合表示部30)には、少なくとも1つの前記制御メニュー(例えば、「レンジグリル手動」。図37参照)と、当該制御メニューに適用される制御条件を示す情報(例えば、図56の、出力値情報30X参照)とが、それぞれ表示され
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは、統合表示部30において、制御メニューと制御条件を容易に認識して調理を開始でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第1の開示に関して、
前記表示手段(統合表示部30)は、前記連携調理モードKM3と、前記複合調理モードKM2の情報を表示する統合表示部30と、
前記第1の加熱手段HM1の運転情報を表示する個別表示部31L、31Rと、を更に備え、
前記連携調理モードKM3が選択されると前記統合表示部30には、第1特定画面30SPが表示され、
前記第2調理モード選択部43M1によって選択動作が行われると前記統合表示部30には、第2特定画面30SCが表示され、
前記第2特定画面30SCには、前記制御メニューが選択可能に表示される、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、ユーザーは、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2に対応した第1特定画面30SPと、第2特定画面30SCを利用して、制御メニューと制御条件を容易に認識して調理を開始でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第1の開示に関して、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記制御メニューの情報が前記第2特定画面30SCに表示されている場合に、前記第2調理モード選択部43M1が操作されると、当該操作の回数又は時間に応じて、前記制御メニューの表示内容を更新して表示し、
(2)前記第2特定画面30SCの「特定位置」(図55参照)に表示されている1つの前記制御メニュー(図55の例では、「あたため」、図58では「RG手動」)を、前記入力操作部40からの調理開始の指令を受けて実行する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
すなわち、図55、図58で説明したように、複合調理モードKM3の制御メニューを示す文字情報30Jが表示された位置が、前記第2特定画面30SCの「特定位置」であり、この位置に希望する制御メニューを表示させれば、制御メニューの選択を終えることができる。
このため、ユーザーは、第2特定画面30SCを利用して制御メニューを容易に選択でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第1の開示に関して、
前記入力操作部40は、前記第1調理モード選択部43MCと前記第2調理モード選択部43M1を配置した共用操作部40Mと、前記第1の加熱手段を使用した制御メニューを、前記第2調理モード選択部43M1と独立して選択できる個別操作部40L、40Rと、を備えている、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは、調理モードに応じて共用操作部40Mと、左右に配置された個別操作部40L、40Rとを使い分けることができ、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第1の開示に関して、
前記第1の加熱手段HM1は、前記加熱部17HL、17HRの上で前記被加熱物Nを加熱できる誘導加熱源9であり、
前記第2の加熱手段HM2の複数の前記加熱源は、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と、前記加熱室にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189である、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーはトッププレート15の上に載置した被加熱物Nを誘導加熱することができ、直火を使用しないので安全性が高く、かつ利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、加熱室113において、マイクロ波と輻射熱等の組合せによって被調理物を加熱することが可能であり、各種の被調理物に対して加熱原理の異なった2つの加熱源により効果的、効率的な加熱が期待できる。これにより、各種の被調理物に対応できる利便性の高い加熱調理器1を提供できる。
この実施の形態1では、以下の通り第2の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
統合表示部30と、
開放された空間に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
閉鎖された加熱室113で加熱する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1調理モード選択調理部43MCと、第2調理モード選択部43M1と、これら2つの調理モードに共用される開始部(入力キー)43MSと、を有し、
前記第1調理モード選択部43MCと、前記開始部43MSとが順次操作された場合、統合制御装置MCによって、被調理物に対応した調理メニューに従って対象となる加熱手段が駆動され、
前記第1調理モード選択部43MCが操作されずに、第2調理モード選択部43M1と前記開始部43MSが順次操作された場合、前記統合制御装置MCによって、加熱動作のパターンに対応した制御メニューに従って対象となる加熱手段が駆動され、
前記調理メニューは、特定の被調理物の加熱調理のために、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を駆動する順番を規定しているものであり、
前記統合表示部30には、前記調理メニューを示す情報(識別情報330)を表示した状態の第1特定画面30SPと、前記制御メニューを示す情報(文字情報30J)を表示した状態の第2特定画面30SCとが、前記第1調理モード選択部43MCと前記第2調理モード選択部43M1の操作に応じて、それぞれ切り替えて表示される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モードの何れにおいても、入力操作部40を操作することによって、前記統合表示部30には、前記調理メニューを示す情報(識別情報330)を表示した第1特定画面30SPと、前記制御メニューを示す情報(文字情報30J)を表示した第2特定画面30SCの何れかが、第1、第2調理モード選択部43MC、43M1の操作に応じて表示されるので、2つの調理モードの何れでも、ユーザーは希望する調理メニューや制御メニューの確認動作が容易に行え、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第2の開示に関して、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記第1特定画面30SPに前記調理メニューが表示されている状態で前記第2調理モード選択部43M1が操作されると、当該操作の回数又は時間に応じて、前記調理メニューの表示内容を更新して表示し、
(2)前記第2特定画面30SCに前記制御メニューが表示されている状態で前記第2調理モード選択部43M1が操作されると、当該操作の回数又は時間に応じて、前記制御メニューの表示内容を更新して表示する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、第1特定画面30SPと前記第2特定画面30SCの何れにおいても、前記第2調理モード選択部(入力キー)43M1の操作回数やタッチ操作の連続時間に応じて前記調理メニューや制御メニューを示す情報を、更新することができる。これにより、ユーザーは希望する調理調理メニューや制御メニューの確認動作が容易に行え、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第2の開示に関して、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記調理メニューを示す情報(識別情報330)の表示を更新するときに、当該調理メニューに対応して表示している制御条件の情報も同時に更新し(図89の、制御条件に関する情報30V参照)、
(2)前記制御メニューを示す情報(文字情報30J)の表示を更新するときに、当該制御メニューに対応して表示している制御条件の情報の表示も同時に更新する(図56の、出力値情報30X参照)、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは、第1特定画面30SP又は前記第2特定画面30SCにおいて、調理メニュー又は制御メニューと、制御条件とを容易に認識して調理を開始でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第2の開示に関して、
前記制御メニューには、複数種類の被調理物(野菜類)に共通して適用できる「下ゆで」の加熱パターンが複数個含まれている(図34で説明した「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」参照)、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、複数種類の被調理物(野菜類)に共通して、野菜類の「下ゆで」が行え、調理のレパートリーを拡大できるから、利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第2の開示に関して、
前記第1の加熱手段は、誘導加熱源であり、
前記第2の加熱手段は、前記加熱室を加熱するオーブン加熱源188と、前記加熱室にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、を備えている、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーはトッププレート15の上に載置した被加熱物Nを誘導加熱することができ、直火を使用しないので安全性が高く、かつ利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、加熱室113において、被調理物をマイクロ波と輻射熱等の組合せによって加熱することが可能であり、各種の被調理物に対して加熱原理の異なった2つの加熱源により効果的、効率的な加熱が期待できる。これにより、各種の被調理物に対応できる利便性の高い加熱調理器1を提供できる。
この実施の形態1では、以下の通り第3の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
統合表示部30と、
開放された空間に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
閉鎖された加熱室で加熱する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)と、
前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の駆動条件を入力する入力操作部40と、
統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、被調理物に対応した調理メニューを示す情報を前記統合表示部30に表示する第1調理モード選択部43MCと、加熱動作のパターンに対応した制御メニューを示す情報を前記統合表示部30に表示する第2調理モード選択部43M1と、を有し、
前記調理メニューは、特定の被調理物に対応しており、かつ、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を駆動する順番を規定しているものであり、
前記制御メニューは、使用される加熱手段の制御の種類を指定するものであり、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記統合表示部30に前記調理メニューが表示されている状態で前記第2調理モード選択部43M1が操作されると、当該操作の回数又は時間に応じて、前記調理メニューの表示内容を更新して表示し、
(2)前記統合表示部30に前記制御メニューが表示されている状態で、前記第2調理モード選択部43M1が操作されると、当該操作の回数又は時間に応じて、前記制御メニューの表示内容を更新して表示する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、前記第2調理モード選択部(入力キー)43M1の操作回数やタッチ操作の連続時間に応じて前記調理メニューや制御メニューを示す情報を、更新することができる。これにより、ユーザーは希望する調理調理メニューや制御メニューの確認動作が容易に行え、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
前記調理メニューを示す情報(識別情報330)が表示されると、当該調理メニューに対応して事前に定めてある制御条件Aの情報が前記統合表示部30に表示され(図89の、制御条件に関する情報30V参照)、
前記入力操作部には、前記制御条件Aを変更する第1条件選択部(入力キー)43M2を設けた、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、前記調理メニューに対応する制御条件を示す情報を、統合表示部30を介して確認し、また第1条件選択部(入力キー)43M2によって、前記制御条件を変更することが容易に行え、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
前記制御メニューを示す情報(文字情報30J)が表示されると、当該制御メニューに対応して事前に定めてある制御条件Bの情報が前記統合表示部に表示され(図56の、出力値情報30X参照)、
前記入力操作部40には、前記制御条件Bを変更する第2条件選択部(入力キー)43M2を設け、
前記第2条件選択部(入力キー)43M2は、前記第1条件選択部(入力キー)43M2と同じ入力キーを共用している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、設置面積が制約されている入力操作部40において、1つの前記入力キー43M2によって2つの機能を発揮させているから、入力操作部40に占める面積を大きくしなくとも良い。言い換えると、当該入力キー43M2によって制御条件を変更することが容易に行え、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
前記統合制御装置MCは、前記統合表示部30に待機時初期画面(図52の、共通画面30Z参照)を表示した後、
(1)前記第1調理モード選択部(入力キー)43MCが操作されたことを検知した場合、前記調理メニューの情報を前記統合表示部30に表示させ、
(2)前記第1調理モード選択部(入力キー)43MCが操作されずに、前記第2調理モード選択部(入力キー)43M1が操作されたことを検知した場合、前記制御メニューを示す情報を前記統合表示部30に表示させる、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは待機時初期画面(図52の、共通画面30Z参照)によって、加熱動作が開始される前に、必要な情報を確認でき、その後、第1調理モード選択部(入力キー)43MCや第2調理モード選択部(入力キー)43M1の操作に対応して、調理メニューや制御メニューが統合表示部30に表示されるから、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
統合制御装置MCは、前記統合表示部30に前記待機時初期画面(図52の、共通画面30Z参照)を表示した後、
(1)前記調理メニューの情報を前記統合表示部30に表示させる場合、前記待機時初期画面と異なる第1特定画面30SPの表示に切り替え、
(2)前記制御メニューの情報を前記統合表示部30に表示させる場合、前記待機時初期画面と異なる第2特定画面30SCの表示に切り替える、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは待機時初期画面(図52の、共通画面30Z参照)によって、加熱動作が開始される前に、必要な情報を確認でき、その後、待機時初期画面とは異なる第1特定画面30SPや第2特定画面30SCにおいて調理メニューや制御メニューが表示されるから、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
前記入力操作部40には、開始部(入力キー)43MSと取消部(入力キー)43MTとを、更に有し、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記第1調理モード選択部43MCが操作され、前記第1特定画面30SPが表示されている段階で、前記取消部43MTが操作された場合、前記待機時初期画面の表示に復帰させ、
(2)前記第1調理モード選択部43MCが操作された後、前記第1特定画面30SPが表示されている段階で、前記開始部43MSが操作されたことを検知した場合、前記第1特定画面30SPに表示された条件で加熱動作に移行する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは開始部43MSと取消部43MTによって、加熱動作の開始や中止を決定でき、しかも、第1特定画面30SPが表示されている状態で前記開始部43MSが操作された場合には、その表示された条件で、加熱動作に移行するから、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
前記調理メニューは、調理工程1と調理工程2で使用する加熱手段が規定されており、
前記調理工程1は、前記第1の加熱手段(誘導加熱源9)を使用し、前記調理工程2は前記第2の加熱手段(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を使用するものであり、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1を実行している期間中、前記取消部(入力キー)43MT以外の前記入力操作部40の入力機能を制限する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、前記第1の加熱手段(誘導加熱源9)によって調理工程1を実施している期間中に、前記共用操作部40Mにおける入力機能の一部を無効にするので、ユーザーが誤って共用操作部40Mを操作しても、調理工程の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。つまり、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる。
更に、第3の開示に関して、
前記入力操作部40には、前記第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)専用の2つの個別操作部40L、40Rを含み、
前記調理メニューは、調理工程1と調理工程2で使用する加熱手段が規定され、
前記調理工程1は、前記第2の加熱手段HM2を使用し、前記調理工程2は前記第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)を使用するものであり、
前記統合制御装置は、前記調理工程1を実行している期間中、前記個別操作部40L、40Rの入力機能を制限する、
このため、前記第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)によって調理工程1を実施している期間中に、前記個別操作部40L、40Rにおける入力機能の一部を無効にするので、ユーザーが誤って個別操作部40L、40Rを操作しても、調理工程の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。つまり、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる。
更に、第3の開示に関して、
前記加熱室113の上方にはトッププレート15を、更に有し、
前記第1の加熱手段HM1は、前記トッププレート15の上に載置した被加熱物Nを加熱できる誘導加熱源9であり、
第2の加熱手段HM2は、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、を備え、
前記誘導加熱源9を単独で使用するIH制御メニューを、前記制御メニューの一部に組み込み、前記第2調理モード選択部43M1によって選択可能にした、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーはトッププレート15の上に載置した被加熱物Nを誘導加熱することができ、直火を使用しないので安全性が高く、かつ利便性の高い加熱調理器1を提供することができる。
更に、加熱室113において、被調理物をマイクロ波と輻射熱等の組合せによって加熱することが可能であり、各種の被調理物に対して加熱原理の異なった2つの加熱源により効果的、効率的な加熱が期待できる。これにより、各種の被調理物に対応できる利便性の高い加熱調理器1を提供できる。
更に、第3の開示に関して、
前記第2調理モード選択部43M1で選択される制御メニューは、前記オーブン加熱源188と前記マイクロ波加熱源189を、自動的に切り替えて駆動する複合調理モードKM2の制御メニューと、前記誘導加熱源9と、前記オーブン加熱源188と前記マイクロ波加熱源189の何れか1つを単独で駆動する単独調理モードKM1の制御メニューと、を含んでいる、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、第2調理モード選択部(入力キー)43M1で制御メニューを選択すれば、複合調理モードKM2の制御メニューと、単独調理モードKM1の制御メニューとの、それぞれの加熱調理を実施でき、調理可能な範囲が拡大した利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示に関して、
前記統合表示部30には、上方に向けて情報を表示する表示画面30Dを有し、
前記表示画面30Dよりも前方に前記入力操作部40を配置し、
前記表示画面30Dは、前記制御メニューと前記調理メニューとを示す情報が、それぞれ表示される第1エリア30Lと、前記制御条件A又は前記制御条件Bを示す情報が、それぞれ表示される第2エリア30Mとが、隣接しており、
前記第1エリア30Lと対応してそれよりも前方に前記第2調理モード選択部(入力キー)43M1を配置し、
前記第2エリア30Mと対応してそれよりも前方に前記第2条件選択部(入力キー)43M2を配置している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた(特に、図59、図60参照)。
このため、入力操作部40(中央操作部40M)には、第2調理モード選択部(入力キー)43M1と、第2条件選択部(入力キー)43M2が、統合表示部30の第1エリア30Lと第2エリア30Mに、それぞれ対応するような位置に配置されているから、ユーザーの入力操作で混乱を招くことはなく、操作性の高い加熱調理器1を実現できる。
この実施の形態1では、以下の通り第4の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
加熱室113と、
前記加熱室とは別の場所に置かれた被加熱物を加熱する誘導加熱源9と、
前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と、
前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、
待機時初期画面(図52の、共通画面30Z参照)を表示する統合表示部30と、
統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記統合表示部30には、前記入力操作部40の操作に応じて、第1調理モードの第1特定画面30SPと、第2調理モードの第2特定画面30SCが、前記待機時初期画面から、それぞれ切り替えて表示され、
前記入力操作部40には、前記第2特定画面30SCの中に、前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189を、それぞれ単独で使用する制御メニューを表示させて、その中から1つだけを選択できる選択部43M1を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、第4の開示に関して、
前記選択部(入力キー)43M1は、前記統合制御装置MCに対して少なくとも第1の機能と第2の機能があり、
前記第1の機能は、前記待機時初期画面(共通画面30Z)の表示から前記第2特定画面30SCの表示に変更することであり、
前記第2の機能は、前記第2特定画面30SCに表示された前記制御メニューの表示情報を、更新することである。
このため、共用操作部40Mの、1つの入力キー43M1が第1の機能から第2の機能を発揮するため、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、第4の開示に関して、
前記選択部(入力キー)43M1は、隣接した位置に1対の操作面を配置した入力キーから構成され、
前記片方(例えば、左側)の操作面を操作した場合、前記制御メニューを示す情報が順送りで順次表示され、
前記他方(例えば、右側)の操作面を操作した場合、前記制御メニューを示す情報が逆送りで順次表示される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、共用操作部40Mの、1つの入力キー43M1を操作することで、実施の形態1で説明したように合計10個の制御メニューの中から、ユーザーの希望する制御メニューを選択することができる。しかも、入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、第4の開示に関して、
前記第1調理モードKM3は、調理工程1と調理工程2と、を有し、前記調理工程1は、前記誘導加熱源9を使用し、前記調理工程2は前記オーブン加熱源188又は前記マイクロ波加熱源189の少なくとも何れか一方を使用するものであり、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1を実行している期間中、前記選択部(入力キー)43M1の入力機能を制限する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、前記誘導加熱源9によって調理工程1を実施している期間中に、前記中央操作部(共用操作部)40Mの前記選択部(入力キー)43M1の入力機能は制限される。
これにより、ユーザーが誤って前記選択部(入力キー)43M1を操作しても、調理工程1の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。つまり、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる。
更に、第4の開示に関して、
前記第1特定画面30SPの中には、前記第1調理モードKM3が適用できる複数の調理メニューとして、個々の被調理物(例えば、「ハンバーグ」、「グラタン」)にそれぞれ対応した固有の識別情報330(330A、330B)が表示され、
前記選択部43M1は、当該識別情報330の中から1つのだけを選択できる機能を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、前記選択部(入力キー)43M1を操作することによって、個々の被調理物に対応した第1連携調理モード(連携調理モード)KM3の調理メニューもユーザーが選択でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、第4の開示の加熱調理器1は、
前記入力操作部40は、前記統合表示部30と対応した位置にある共用操作部40Mと、前記誘導加熱源9の加熱部17HL、17HRと対応した個別操作部40L、40Rと、を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、前記選択部(入力キー)43M1を操作する段階で、統合表示部30によって必要な情報の確認を容易に行うことができ、また誘導加熱源9では、加熱部17HL、17HRと対応した個別操作部40L、40Rによって、個々の被加熱物Nに対応した制御条件の設定や加熱動作の停止等が実行でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、第4の開示に関して、
前記入力操作部40は、前記統合表示部30と対応した位置にある共用操作部40Mと、前記誘導加熱源9の加熱部17HL、17HRと対応した個別操作部40L、40Rと、を備え、
前記第1調理モード(連携調理モード)KM3は、調理工程1と調理工程2と、を有し、前記調理工程1のために前記誘導加熱源9を使用する第1の連携調理モードと、前記調理工程1のために前記オーブン加熱源188又は前記マイクロ波加熱源189の少なくとも何れか一方を使用する第2の連携調理モードと、を含み、
前記第1の連携調理モードと前記第2の連携調理モードの何れにおいても、
(1)前記共用操作部において、前記第1の連携調理モード又は前記第2の連携調理モードの選択と前記調理工程1を開始する決定を行い、
(2)前記調理工程2の終了は、当該調理工程2を前記誘導加熱源9によって実行している場合は前記個別操作部で行い、当該調理工程2を前記オーブン加熱源188又は前記マイクロ波加熱源189の少なくとも何れか一方によって実行している場合は前記共用操作部40Mで行う、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、2種類の連携調理モードKM3を使用できるので、従来よりも幅広い調理に対応した利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
また、前記連携調理モードKM3の選択や前記調理工程1、調理工程2の開始と終了のための操作が単純であり、操作性の高い加熱調理器1となる。
更に、第4の開示に関して、
前記入力操作部40は、前記統合表示部30と対応した位置にある共用操作部40Mと、前記誘導加熱源9の加熱部17HL、17HRと対応した個別操作部40L、40Rと、を備え、
前記第1調理モード(連携調理モード)KM3は、調理工程1と調理工程2と、を有し、前記調理工程1は前記誘導加熱源9を使用し、前記調理工程2は前記オーブン加熱源188又は前記マイクロ波加熱源189の少なくとも何れか一方を使用するものであり、
前記加熱室113の開口部を開閉自在に閉鎖するドア114を、更に有し、
前記統合制御装置MCは、前記ドア114の開放と閉鎖を検知する機能を有し、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1を実行している期間中、共用操作部40Mの入力機能を制限し、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1が終了し、その終了時点よりも後に前記ドア114が開放され、その後閉鎖されたことを検知した場合に、前記共用操作部40Mの入力機能の制限を解除する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた(特に、図65参照)。
このため、加熱室113が開放されたまま、前記共用操作部40Mの入力機能を復活させて、加熱動作が開始されることはない。このため、安全性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、第4の開示に関して、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1が終了した場合、
(1)前記調理工程1の終了時点よりも後に前記ドア114が開放され、その後閉鎖されたことを検知するステップ1と、
(2)前記ステップ1のあと、前記共用操作部40Mの入力機能の制限を解除するステップ2と、
(3)前記ステップ1のあと、前記共用操作部40Mで前記調理工程2の開始を指令する入力が行われたことを確認するステップ3と、
を経て、前記調理工程2を開始する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた(特に、図65参照)。
このため、加熱室113が開放されたまま、前記共用操作部40Mの入力機能を復活させて、加熱動作が開始されることはない。このため、安全性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第5の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
トッププレート15を有する本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
前記トッププレート15の上方に置かれた被加熱物Nを加熱する誘導加熱源9と、
前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、
調理についての情報を提供する統合表示部30と、
前記誘導加熱源9、前記オーブン加熱源188、前記マイクロ波加熱源189及び前記統合表示部30を制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、共用操作部40Mと、前記誘導加熱源9のための個別操作部40L、40Rと、を有し、
前記統合制御装置MCは、前記誘導加熱源9と前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源188の2者の内の少なくとも何れか一方とを、決められた順番で駆動する連携調理モードKM3と、前記オーブン加熱源188と前記マイクロ波加熱源189を自動的に切り替えて駆動する複合調理モードKM2と、前記各加熱源を単独で駆動する単独調理モードKM1とを、それぞれ実行する運転プログラムを有し、
前記統合制御装置MCは、前記統合表示部30において、前記連携調理モードKM3の調理メニューが表示された第1特定画面30SPと、前記複合調理モードKM2と前記単独調理モードKM1の両者の制御メニューが表示された第2特定画面30SCとを、それぞれ切り替えて表示させ、
前記共用操作部40Mには、前記第2特定画面30SCの中に、前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189の、それぞれを単独で使用する制御メニューを、順次表示させて、その中から1つだけを選択できる選択部(入力キー)43M1を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、第2特定画面30SCが表示されている状態で、共用操作部40Mの選択部(入力キー)43M1を操作することによって、2種類の加熱源(オーブン加熱源188及びマイクロ波加熱源189)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第6の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
加熱部17HL、17HRの上方に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱室113において加熱調理する複数種類の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を有する第2の加熱手段HM2と、
調理についての情報を提供する報知部ANと、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記報知部ANを制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、共用操作部40Mと、前記加熱部17HL、17HRのための個別操作部40L、40Rと、を有し、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、決められた順番で駆動する連携調理モードKM3と、複数の前記加熱源(188、189)を自動的に切り替えて駆動する複合調理モードKM2と、を実行する運転プログラムを有し、
前記共用操作部40Mには、前記連携調理モードKM3の選択用の第1入力キー43MCと当該連携調理モードKM3の調理メニュー選択用の第2入力キー43M1とを、それぞれ有し、
前記共用操作部40Mには、前記複合調理モードKM2選択用の第3入力キー43M1と当該複合調理モードKM2の制御条件選択用の第4入力キー43M2とを、それぞれ有し、
前記第2入力キー43M1と前記第3入力キー43M1が共用される、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、共用操作部40Mにおいて、前記連携調理モードKM3の調理メニューを選択する入力キー43M1と、複合調理モードKM2の制御メニューを選択する第2入力キー43M1とを、兼用することができる。これにより設置スペースが制約されている入力操作部40において、2つの調理モードの入力を効率良く行うことができ、ユーザーの操作性を向上させることができる。
更に、第6の開示に関して、
前記連携調理モードKM3として、調理工程1と調理工程2と、を有し、前記調理工程1のために前記第1の加熱手段を使用する第1の連携調理モードと、前記調理工程1のために前記第2の加熱手段HM2を使用する第2の連携調理モードと、を含む、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、2種類の連携調理モードKM3を使用できるので、従来よりも幅広い調理に対応した利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
第1の連携調理モードと前記第2の連携調理モードの何れにおいても、
(1)前記共用操作部40Mにおいて、前記連携調理モードKM3の選択と前記調理工程1を開始する決定を行い(入力キー43MSによる)、
(2)前記調理工程2の終了は、当該調理工程2を前記第1の加熱手段によって実行している場合は前記個別操作部40L、40Rで行い、当該調理工程2を前記第2の加熱手段によって実行している場合は前記共用操作部40Mで行う、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、2種類の連携調理モードKM3は、何れも共用操作部40Mで調理工程を決定でき、その後、調理工程2で使用している加熱源に対応した入力操作部によって調理工程2を終了できるので、調理の開始から終了までの入力操作部で混乱を招く懸念がなく、使い勝手の良い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記共用操作部40Mには、前記連携調理モードKM3と前記複合調理モードKM2の運転の開始を指令する共通の入力キー43MSと、当該運転の終了を指令する共通の入力キー43MTとを、備えたこと、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、連携調理モードKM3と複合調理モードの何れについても、共用操作部40Mで調理の開始と調理モードの運転終了を、共通の入力キーを使用して決定できる。そのため、使い勝手の良い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記入力キー43MTは、前記連携調理モードの運転を、前記調理工程1の段階で前記調理工程2まで取り消す機能を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、連携調理モードKM3の運転を、調理工程の進行に関係なく共用操作部40Mで常に取り消すことができ、使い勝手の良い加熱調理器を提供することができる。また、連携調理モードKM3の運転中に、ユーザーが急いで加熱動作を停止したい場合の混乱も回避できる。
更に、第6の開示に関して、
前記入力キー43MTは、前記連携調理モードKM3において、前記第2の加熱手段を使用した前記調理工程1又は前記調理工程2を、ユーザーが任意の時点で終了することができる機能を有し、
前記入力キー43MTは、前記連携調理モードKM3の運転中に、1回操作した場合は、実行中の調理工程を停止し、続けて2回操作した場合は、実行中の前記連携調理モードの運転を取り消す、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、連携調理モードKM3の運転の終了を簡単に行え、また調理工程の停止と取り消しの両方を、1つの入力キー43MTの操作回数で対応できるので、使い勝手の良い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記報知部ANとして、前記共用操作部40Mを操作する段階で表示動作を行う統合表示部30と、前記個別操作部40L、40Rの操作に関する表示動作を行う個別表示部31L、31Rと、を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、統合表示部30と個別表示部31L、31Rによって、ユーザーは入力結果や調理の状況を容易に確認することができるので、使い勝手の良い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記統合表示部には、前記調理工程1と前記調理工程2の進捗を示す、調理工程情報332を表示する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、統合表示部30に表示される調理工程情報332によって、ユーザーは調理の進行度合いを容易に確認することができるので、使い勝手の良い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記共用操作部40Mにおいて、前記連携調理モードKM3の選択のための操作を行っている段階では、前記個別操作部40L、40Rの入力機能の一部又は全部が制限される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、連携調理モードKM3の運転に移行させたあと、加熱部17HL、17HRに対応した第1個別操作部40R又は第2個別操作部40Lにおける入力機能の一部又は全部は無効にされているので、ユーザーが誤って個別操作部40L、40Rを操作しても、調理工程の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。つまり、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる。
更に、第6の開示に関して、
前記個別操作部40L、40Rによって前記連携調理モードの前記調理工程1又は前記調理工程2が開始された段階で、前記共用操作部40Mは、前記第2の加熱手段を使用する新たな調理のための入力が制限される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、前記個別操作部40L、40Rによって連携調理モードKM3の運転を開始したあと、前記共用操作部40Mにおける入力機能の一部又は全部は無効にされているので、ユーザーが誤って共用操作部40Mを操作しても、調理工程の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。つまり、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる。
更に、第6の開示に関して、
前記共用操作部40Mにおいて、前記連携調理モードKM3の選択のための入力操作を行っている段階では、前記統合表示部30には、前記連携調理モードKM3の調理メニューの識別情報330が表示された第1特定画面30SPが表示される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、ユーザーは連携調理モードKM3を希望する場合、第1特定画面30SPにおいて、希望する調理メニューを容易に認識でき、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記共用操作部Mにおいて、前記複合調理モードの選択のための操作を行っている段階では、前記統合表示部には、前記複合調理モードKM3の制御メニューを示す文字情報30Jが表示された第2特定画面30SCが表示される、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、ユーザーは複合調理モードKM2を希望する場合、第2特定画面30SCにおいて、希望する制御メニューを容易に認識でき、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードKM3の運転において、前記調理工程1が終了する時点より前に、前記報知部ANによって前記調理工程1の終了又は前記調理工程2への準備の情報を報知し、その後前記調理工程1の終了によって加熱休止期間に移行する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、ユーザーは連携調理モードKM3の途中で調理工程の終了や次の調理工程の準備等の情報を得ることができ、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、第6の開示に関して、
前記第2の加熱手段HM2は、前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と、を含んでおり、
前記統合制御装置MCは、前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188とを、互いに独立して制御できる、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、加熱室113において、被調理物をマイクロ波と輻射熱等の組合せによって加熱することが可能であり、各種の被調理物に対して加熱原理の異なった2つの加熱源により効果的、効率的な加熱が期待できる。これにより、各種の被調理物に対応できる利便性の高い加熱調理器1を提供できる。
更に、第6の開示に関して、
前記本体110は、上部空間300Aと下部空間300Bに区画されており、
前記上部空間300Aには、前記下部空間を経由せずに外気を導入して冷却風を通過させる上部冷却ファン60、61を配置し、
前記下部空間300Bには、前記上部空間300Aを経由せずに外気を導入して冷却風を通過させる下部冷却ファン128、129を配置し、
前記統合制御装置MCは、前記上部冷却ファン60、61によって冷却される、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
この構成であるため、上部空間300Aにおける誘導加熱源9の運転や冷却と、下部空間300Bのマイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188及び加熱室113等の冷却が、お互いに影響(干渉)を受けずに独立して実行できる。
更に、統合制御装置MCも上部空間300Aの内部を流れる冷却風で冷却されるので、加熱調理器1の内部構成部品の過熱を防止し、安定的な運転を期待できる。
更に、第6の開示に関して、
前記本体110の内部には、異常検知部EMを備え、
前記異常検知部EMは、前記上部空間300Aにおける温度の異常を検知する機能を有し、
前記連携調理モードKM3による運転中に、前記異常検知部EMが異常を検知した場合、前記統合制御装置MCは、全ての加熱手段の駆動を停止し、当該駆動停止後も、前記上部冷却ファン60、61は放熱運転を行う、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、異常検知部EMによる異常検知時には、全ての加熱源が運転を自動的に停止し、安全性が高い。また、その場合でも、上部冷却ファン60、61によって、上部空間300Aが外気によって冷却されるため、上部空間300Aに収容した統合制御装置MCや電源回路基板55やフィルター回路基板54等のように、加熱調理器1の全体の機能に関係する重要な電気部品類の冷却効果を維持することができる。そのため、過熱による品質劣化や動作不良等を防止できるという効果が期待できる。
更に、第6の開示に関して、
実施の形態1の加熱調理器1では、前記異常検知部EMは、更に、前記上部冷却ファン60、61の回転の異常を検知する機能(「異常4」検知機能)を有し、
前記調理工程1又は前記調理工程2を実行中に、前記異常検知部EMが前記上部冷却ファン60、61の一方又は双方の異常を検知した場合、前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードKM3の運転を取り消して、加熱動作中の全ての加熱手段の駆動を停止し、前記上部冷却ファン60、61の運転を直ちに停止する、構成であった。
このため、前記上部冷却ファン60、61の回転の異常が検知された場合には、全ての加熱源が運転を自動的に停止し、安全性が高い。また、上部冷却ファン60、61は、即時停止されるため、上部冷却ファン60、61が故障している場合、その事態を深刻化することが回避できる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第7の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
加熱部17HL、17HRの上方に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱室113において加熱調理するマイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188とを有する第2の加熱手段HM2と、
調理についての情報を提供する表示画面30D(統合表示部30)を備えた報知部ANと、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記報知部ANを制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、共用操作部40Mと、前記加熱部17HL、17HRのための個別操作部40L、40Rと、を有し、
前記統合制御装置MC、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、決められた順番で駆動する連携調理モードKM3と、複数の前記加熱源(188、189)を自動的に切り替えて駆動する複合調理モードKM2と、前記個別操作部40L、40Rによって選択される前記第1の加熱手段HM1を使用する単独調理モードKM1とを、それぞれ実行する運転プログラムを有し、
前記共用操作部40Mには、前記連携調理モードKM3選択用の第1入力キー43MCと当該連携調理モードKM3の調理メニュー選択用の第2入力キー43M1とを、それぞれ有し、
前記共用操作部40Mには、前記複合調理モードKM2選択用の第3入力キー43M1と当該複合調理モードKM2の制御条件選択用の第4入力キー43M2とを、それぞれ有し、
前記第2入力キー43M1と前記第3入力キー43M1が共用され、
前記第1入力キー43MCを操作せずに、前記第3入力キー43M1を操作すると、前記複合調理モードKM2の制御メニューと、前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188の何れか一方を使用する制御メニューとを、前記表示画面(統合表示部30)に選択可能に表示できる、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)に対応した制御メニューを、ユーザーがそれぞれ確認し、その1つを選択する作業が容易となる。
更に、共用している入力キー43M1を操作することによって、連携調理モードKM3の調理メニューも選択することができる。
以上の理由により、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
以上の説明以外に、この実施の形態1では、以下の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
加熱部17HL、17HRの上方に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記加熱室113に収容された被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
調理についての情報を提供する報知部AN(統合制御装置30、音声合成装置95等)と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記報知部ANを制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、共用操作部40Mと、前記加熱部のための個別操作部40L、40Rと、を有し、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを連携させる連携調理モードKM3の実行機能とを有し、
前記連携調理モードKM3は、前記第1の加熱手段HM1による調理工程1と、前記第2の加熱手段HM2による調理工程2を実行するものであり、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記共用操作部40Mからの入力を受けて前記連携調理モードKM3を選択し、
(2)前記調理工程1の開始と終了は、前記個別操作部40L、40Rからの指令に応じて行い、
(3)前記調理工程1の期間中、前記共用操作部40Mにおける前記第2の加熱手段のための入力機能の一部又は全部を無効にし、
(4)前記調理工程1が終了した場合、前記共用操作部40Mにおける前記第2の加熱手段のための入力機能を復活させ、
(5)前記調理工程2の開始と終了は、当該共用操作部40Mからの指令に従って実行する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、中央操作部40Mにおいて、前記連携調理モードKM3の調理メニューを選択して連携調理モードの運転に移行させたあと、調理工程1の加熱動作開始と終了は、加熱部に対応した第1個別操作部40R又は第2個別操作部40Lで決定でき、しかも、この調理工程1の(開始から終了までの)期間中、中央操作部40Mにおける前記第2の加熱手段HM2のための入力機能の一部又は全部は無効にされているので、ユーザーが誤って中央操作部40Mを操作しても、調理工程1の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。つまり、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる。
更に、その後調理工程1が終了した場合、中央操作部40Mにおける前記第2の加熱手段HM2のための入力機能を復活させて、加熱室113を使用した調理工程2を、中央操作部40Mで制御できるから、ユーザーの操作性を改善することによって、各種の加熱調理に幅広く対応できる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記報知部ANは、前記共用操作部40Mに対応した統合表示部30と、前記個別操作部に対応した個別表示部31L、31Rとを有し、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1の開始前から、当該調理工程1と前記調理工程2とを含む調理工程情報332を、前記統合表示部30に表示し、前記調理工程2の終了まで当該表示を継続する、
構成を開示していた。
このため、ユーザーは調理工程の情報を統合表示部30で簡単に知ることができるので、複合型加熱調理器でありながら、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードKM3が選択される前は、待機時初期画面(図52参照)を前記報知部ANの統合表示部30に表示し、前記連携調理モードKM3が選択された場合、前記待機時初期画面に代えて第1特定画面30SPを表示し、
前記第1特定画面30SPには、前記連携調理モードKM3が適用できる調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)が表示される、
構成を開示していた。
このため、ユーザーは連携調理モードKM3において、希望する調理メニューを容易に認識でき、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記複合調理モードが選択された場合、前記統合制御装置MCによって待機時初期画面に代えて第2特定画面30SCを、前記統合表示部30に表示し、
前記第2特定画面30SCには、前記複合調理モードKM2が適用できる制御メニュー(例えば「レンジグリル」のメニュー)が表示される、
構成を開示していた。
このため、ユーザーは複合調理モードKM2において、希望する制御メニューを容易に認識でき、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記統合制御装置MCは、前記単独調理モードKM1が選択される前は、待機時初期画面を前記統合表示部30に表示し、前記単独調理モードKM1が選択された場合、前記待機時初期画面に代えて第3特定画面30STを表示し、
前記第3特定画面30STには、前記単独調理モードKM1が適用できる制御メニュー(例えば「湯沸かし」)が表示される、
構成を開示していた。
このため、ユーザーは単独調理モードKM1において、希望する制御メニュー(例えば、「湯沸かし」)を容易に認識でき、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
左右方向に離れた(右側の)第1加熱部17HRと(左側の)第2加熱部17HLを有し、
前記個別操作部40L、40Rは、前記第1加熱部に対応した第1個別操作部40Rと、前記第2加熱部17HLに対応した第2個別操作部40Lと、を有している、
構成を開示していた。
このため、連携調理モードKM3では、2つの加熱部17HR、17HLを使用できるので、ユーザーによる調理場所の選択の幅が拡大し、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記共用操作部40MCには、前記連携調理モードの調理メニューを選択する入力キー43M1と、当該入力キー43M1で選択された前記調理メニューに対応する制御条件を選択する入力キー43M2と、を備え、
前記調理工程1の開始から終了までの期間中、前記入力キー43M1、43M2の入力機能が無効化される、
構成を開示していた。
このため、調理工程1の(開始から終了までの)期間中は、中央操作部40Mにおいて、前記連携調理モードKM3の調理メニューを選択する入力キー43M1と制御条件設定用の入力キー43M2を誤って操作しても、調理工程1の加熱動作が意図せずに停止するという事態は発生しない。これにより、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記報知部ANは、前記共用操作部40Mに対応した統合表示部30と、前記個別操作部40L、40Rに対応した個別表示部31L、31Rと、を有し、
前記第1特定画面30SPは、前記統合表示部30に表示され、
前記第1特定画面30SPには、前記調理メニューの識別情報330と、前記調理工程1及び前記調理工程2で使用する加熱源を示す情報(331)と、調理の進捗を示す情報(332)と、前記調理メニューに適用される制御条件に関する情報(図89参照。30V)の、少なくとも何れか1つの情報を表示する、
構成を開示していた。
このため、調理工程1と調理工程2の各種情報をユーザーが知ることができ、ユーザーの不安感を解消し、ユーザーの誤解や誤操作を防止できる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記共用操作部40Mには、前記連携調理モードKM3の運転を選択する入力キー43MCを、更に備え、
前記入力キー43MCによって前記連携調理モードKM3の運転が選択された段階で、前記共用操作部40Mは、前記第2の加熱手段を使用する新たな調理のための入力機能が制限される、
構成を開示していた(図62参照)。
このため、中央操作部40Mにおける入力キー43M1と制御条件設定用の入力キー43M2等を誤って操作しても、連携調理モードKM3の運転が意図せずに停止するという事態は発生しない。これにより、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記開始部43MSによって前記連携調理モードKM3の運転を開始することが確定した段階で、前記共用操作部40Mは、前記第2の加熱手段を使用する新たな調理のための入力機能が制限される、
構成を開示していた(図63参照)。
このため、中央操作部40Mにおける入力キー43M1と制御条件設定用の入力キー43M2等を誤って操作しても、連携調理モードKM3の運転が意図せずに停止するという事態は発生しない。これにより、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記共用操作部40Mには、前記複合調理モードKM2の制御メニューを選択するための第2特定画面30SCを表示させる選択部43M1と、前記複合調理モードKM3の運転に移行させる開始部43MSと、前記複合調理モードKM2の運転を取り消す終了部43MTと、を備え、
前記開始部43MSと前記終了部43MTは、前記連携調理モードKM3の運転の開始と運転の取り消しのために共用される、
構成を開示していた(図21参照)。
このため、設置スペースが制約されている中央操作部40Mにおいて、必要な入力キーを必要な大きさで設置できる等の利点があり、また、入力キーの兼用によりユーザーの操作性を向上させることができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記終了部43MTを、前記調理工程2において1回操作した場合は、当該調理工程2が終了し、続いて更に1回操作した場合は、前記連携調理モードKM3の運転が取り消される、
構成を開示していた。
このため、終了部の入力キー43MTを操作した回数に応じて、調理工程2を終了させたり、連携調理モードKM2の運転を取り消したりすることができる。
これにより、1つの入力キー(終了部)43MTを利用して、操作性の良い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記中央操作部40Mには、連携調理モードKM3の運転に移行させる開始用入力キー(開始部)43MSと、連携調理モードKM3の運転を取り消す終了用入力キー(終了部)43MTと、を有し、
前記調理工程2の加熱動作開始は、前記開始用入力キー43MSによって実行し、
前記調理工程2の加熱動作終了は、前記終了用入力キー43MTによって実行する、
構成を開示していた。
このため、中央操作部40Mにおいて、調理工程2の加熱動作開始と終了を集中して行うことができるので、ユーザーが中央操作部40Mを操作して、調理工程2の開始と終了を行える。これにより、操作性の良い加熱調理器を提供することができる。
この実施の形態1では、以下の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
加熱部17HL、17HRの上方に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記加熱室113に収容された被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
調理についての情報を提供する報知部AN(統合表示部30、音声合成装置95等)と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記報知部ANを制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、共用操作部40Mと、前記加熱部17HL、17HRのための個別操作部40L、40Rと、を有し、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを連携させる連携調理モードKM3の実行機能とを有し、
前記連携調理モードKM3は、調理工程1と調理工程2の、少なくとも2つを含み、
前記第1の加熱手段HM1を前記調理工程1で使用し、前記第2の加熱手段HM2を前記調理工程2で使用する第1の連携調理モードと、前記第2の加熱手段HM2を前記調理工程1で使用し、前記第1の加熱手段HM1を前記調理工程2で使用する第2の連携調理モードと、を有し、
前記連携調理モードKM3には、前記第1の加熱手段HM1又は前記第2の加熱手段HM2の何れか一方による予熱工程を、前記調理工程1と前記調理工程2に加えて実行する連携予熱調理モードKM4を含み、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記連携調理モードKM3が選択された場合、前記報知部の1つである統合表示部30に第1特定画面30SPを表示し、
(2)前記第1特定画面30SPで調理メニュー(例えば「ハンバーグ」、「からあげ」)の候補を複数表示し、
(3)前記調理メニューの候補の中から1つが選択された場合、前記第1の連携調理モードと前記第2の連携調理モードの何れか一方を自動的に決定し、
(4)選択された前記調理メニューに適用する制御条件の入力を、前記共用操作部40Mから入力することを求め、
(5)前記予熱工程、前記調理工程1及び前記調理工程2の期間中、前記個別操作部と前記共用操作部40Mにおける入力機能を制限する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、1つの加熱調理器1において、加熱する場所と加熱手段が異なる連携調理モードKM3を選択できるので、幅広い調理に対応できる利便性が高い加熱調理器となる。
更に、前記連携調理モードKM3を選択した場合、希望する調理メニューの候補を専用の表示画面(第1特定画面30SP)で確認した上で、連携調理モードの運転に移行することができる。
更に、前記予熱工程、前記調理工程1及び前記調理工程2の期間中、前記個別操作部40L、40Rと前記共用操作部40Mにおける入力機能を制限するため、ユーザーの誤操作を防止し、調理の失敗を防ぐことができる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、前記IHコイル設置空間CKには、前記下部空間300Bを経由せずに前記上部冷却ファン60、61によって直接外気が導入され、かつ、当該外気を前記IHコイル設置空間CKの外部へ排出するための上部風路AHを形成し、
前記統合制御装置MCと、前記誘導加熱源9のインバーター回路基板80は、前記上部風路AHの内部に配置した、
構成の加熱調理器1を開示していた。
この構成であるため、加熱調理器1の重要な機能部品である統合制御装置MCやインバーター回路基板80は、下部空間300Bを経由しないで新鮮な外気によって冷却でき、過熱による動作不良や品質低下等を招かないので、信頼性の高い加熱調理器1を提供できる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、前記下部空間300Bには、前記本体の下部にある吸気口から前記下部冷却ファン128、129によって外気が導入される下部風路UHを有し、
前記下部風路UHには、前記マイクロ波加熱源9用インバーター回路基板121を収容した第1の下部風路と、前記マイクロ波加熱源9の放熱部122Hを配置した第2の下部風路と、を備えた構成であった。
この構成であるため、下部空間300Bには上部空間300Aを経由しないで新鮮な外気が導入されるので、マイクロ波加熱源9の放熱部122Hを効果的に冷却でき、過熱による動作不良や品質低下等を招かない、信頼性の高い加熱調理器1を提供できる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記統合制御装置MCは、
(1)前記マイクロ波加熱源189による加熱動作のみで、1つの制御メニューを実行している期間中、前記下部冷却ファン128、129と、前記上部冷却ファン60、61は、何れも運転を行い、
(2)前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188とを、順次自動的に駆動させる複合調理モードKM2を指定して、1つの制御メニューを連続して実行している期間中は、前記下部冷却ファン128、129と、前記上部冷却ファン60、61は、何れも運転を行い、
(3)前記誘導加熱源9のみで1つの制御メニューを実行している期間中、前記上部冷却ファン60、61は運転を行い、かつ、前記下部冷却ファン128、129は運転しない、構成であった(図44参照)。
この構成であるため、前記統合制御装置MC等を収容した上部空間300Aは、上部冷却ファン60、61によって温度が低く抑えられ、かつ、誘導加熱源9による加熱だけを行う場合には、下部空間300Bの冷却ファンを運転しないため、全体として冷却ファンの消費電力を少なくできる。
また、前記オーブン加熱源188のみを加熱動作させる場合には、第4冷却ファン129の運転をしないので、省エネルギー運転となる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
誘導加熱源9の加熱条件(例えば、火力レベル、火力値、加熱時間等)を設定し、かつ、加熱動作の開始及び停止を指令する第1の操作部としての左側操作部40L、右側操作部40Rと、
前記マイクロ波加熱源189の加熱条件を設定し、かつ加熱動作の開始及び停止を指令する第2の操作部としての中央操作部40Mと、を有し、
前記連携予熱調理モードKM4の選択は、前記第2の操作部(中央操作部40M)で行い、
前記予熱工程の終了は、前記第1の操作部(左側操作部40L、右側操作部40R)で行う、構成であった。
この構成であるため、ユーザーは連携予熱調理モードKM4の選択を、中央操作部40Mで行ったあと、誘導加熱源9の加熱部17HL、17HRに対応した第1の操作部(左側操作部40L、右側操作部40R)において、加熱動作の開始と停止を行うことができる。このため、連携調理モードKM3において誘導加熱源9を使用する調理工程の開始と終了で、ユーザーが操作に迷うことを低減でき、操作性を向上させることができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記本体110には、入力手段としての入力操作部40を更に備え、
前記入力操作部40には、前記統合制御装置MCの機能を変更する機能設定用入力手段(入力キー43KP)を更に有し、
前記機能設定用入力手段43KPにより、前記連携調理モードKM3の各調理メニュー表示方式又は前記複合調理モードKM2の各制御メニューの表示方式の、少なくとも何れか一方を変更できる、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
例えば、前記入力キー43KPにより、前記連携調理モードKM3の各調理メニューと、前記複合調理モードKM2の各制御メニューを、前記統合表示部30に表示する場合の優先度を設定できる構成であった。
この構成であるため、機能モードにすれば、複合調理モードKM2の制御メニューの表示方式と、前記連携調理メニューKM3の表示方式や、表示の優先度とを、ユーザーが変更することができ、幅広い調理に対応できる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記本体110には、入力手段としての入力操作部40を更に備え、
前記入力操作部40には、前記統合制御装置MCの機能を変更する機能設定用入力手段(入力キー43KP)を更に有し、
前記機能設定用入力手段43KPにより、複合調理モードKM2と、連携調理モードKM3との表示優先度を設定でき、
統合制御装置MCは、主電源スイッチ97がONとなって、前記統合表示部30を起動した後に、前記ドア114が開放された場合、前記機能設定用入力手段(入力キー43KP)で予め設定された許可条件(例えば、最大消費電力、つまり総電力消費量の上限値)を満たすときは、前記連携調理モードKM4用の第1特定画面30SPを前記統合表示部30に優先的に表示する構成であった。
この構成であるため、機能モードにすれば、ドア114の開放の後で、ユーザーの希望に応じて自動的に、複合調理モードKM2用の第2特定画面30SCや連携調理モードKM3用の第1特定画面30SPを表示させることができ、ユーザーの使い勝手を向上させることができる。
この実施の形態1では、以下の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
トッププレート15上において、被調理物を収容した被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
加熱室113内に収容した被調理物を加熱するための、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188)と、
加熱調理の情報を報知する報知部ANと、
加熱動作を制御する統合制御装置MCと、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2に指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1を使用して前記被加熱物Nを予熱する予熱工程と、当該予熱工程の後、前記第2の加熱手段HM1で被調理物(例えば「からあげ」)を加熱する調理工程1と、当該調理工程1の後、前記第1の加熱手段HM1を使用する調理工程2と、を有した連携予熱調理モードKM4を実行する機能を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた(図69、図72、図73参照)。
この構成であるため、トッププレート15上においたフライパンや鍋等の被加熱物Nを予熱しておき、一方、加熱室113の中で前記被調理物(例えば「からあげ」)を第2の加熱手段で加熱調理(調理工程1)し、この後、誘導加熱源9で加熱調理(調理工程2)するという連携調理メニューを実行できる。これにより、幅広い調理に対応できる、利便性の高い加熱調理器を提供することができる。
また別の連携予熱調理モードKM4としては、前記第1の加熱手段HM1を使用して前記被加熱物Nを予熱する予熱工程と、当該予熱工程の後、前記第1の加熱手段HM1で予熱した被加熱物(フライパン等)Nの上に被調理物(例えば「ハンバーグ」)を載せて加熱する調理工程1と、当該調理工程1の後、被調理物を加熱室113の中に移し、前記第2の加熱手段HM2によって加熱する調理工程2と、を有した連携予熱調理モードKM4を実行する機能を備えた加熱調理器1も開示していた(図60、図68参照)。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、前記報知部ANには、前記入力操作部40によって前記連携予熱調理モードKM4を選択した場合、適用される被調理物(例えば「ハンバーグ」)の識別情報330が表示される表示部(統合表示部)30を備えた、
構成を開示していた(図60参照)。
この構成であるため、識別情報330によって連携予熱調理モードKM4を適用する具体的な被調理物(例えば「ハンバーグ」)を容易に選択できる、操作性の高い加熱調理器を提供することができる。
実施の形態1で開示したその他の特徴.
以下のような特徴的な構成を開示していた。
(1)その1:
本体110と、
前記本体の内部にある加熱室113と、
前記本体の上方に置かれた被加熱物を、加熱する第1の加熱手段HM1としての誘導加熱源9と、
前記加熱室113に収容された被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)と、
加熱調理の情報を報知する報知部ANと、
前記第1の加熱手段HM1が駆動された場合及び前記第2の加熱手段HM2が駆動された場合に、運転が開始される2つの上部冷却ファン60、61と、
前記第2の加熱手段HM2が駆動された場合、当該第2の加熱手段HM2の冷却を開始する2つの下部冷却ファン128、129と、
前記第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2と、前記報知部ANと、前記上部冷却ファン60、61と、前記下部冷却ファン128、129と、をそれぞれ制御する統合制御装置MCと、
異常検知部EMと、
前記統合制御装置MCに指令信号を与える入力操作部40と、を有し、
前記本体110は、上部空間300Aと下部空間300Bとに区画され、
前記上部空間300Aには、前記第1の加熱手段HM1と前記統合制御装置MCとが収容され、
前記下部空間300Bには、前記第2の加熱手段HM2と前記加熱室113が収容され、
前記上部冷却ファン60、61は、前記下部空間300Bの外側に連通している通気孔64から、前記下部空間300Bを経由せずに外気を導入する上部風路AHに配置され、
前記下部冷却ファン128、129は、前記下部空間300Bの下部にある吸気口152F、152Bから外気を導入する下部風路UHに配置され、
前記上部風路AHと前記下部風路UHは、途中で交差することなく前記本体110の上部に設けた排気口20から外部へ連通し、
前記上部冷却ファン60、61は、隣接した2つの冷却ファン60、61から構成され、かつ協働して冷却風を前記第1の加熱手段HM1に供給するものであり、
前記入力操作部40は、前記第2の加熱手段HM2の操作部(中央操作部40M)と、前記第1の加熱手段HM1の操作部(個別操作部40R、40L)と、を備え、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを連携させる連携調理モードKM3の実行機能を有し、
前記連携調理モードKM3による調理は、前記第1の加熱手段HM1による調理工程1と、前記第2の加熱手段HM2による調理工程2を有し、
前記制御部MCは、前記調理工程1及び前記調理工程2の実行中、前記異常検知部EMが異常を検知した場合、
(1)加熱動作を実行していた前記調理工程1又は前記調理工程2の加熱動作を停止し、
(2)前記連携調理モードKM3の運転を取り消し、
(3)前記上部冷却ファン60、61の運転は、加熱動作を実行していた前記調理工程1又は前記調理工程2の加熱手段の加熱動作停止から停止条件Aを満たすまで継続する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
この構成であるため、調理工程1又は調理工程2の何れおいても、異常が検知された場合、駆動されていた加熱手段は全て停止して、連携調理モードKM3の運転を取り消し、その上で、上部空間300Aの内部を冷却していた上部冷却ファンを停止するから、安全性が高く、しかも連携調理モードを利用して幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
(2)その2:
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1又は前記調理工程2の進捗度合いを検知する機能を有し、当該調理工程1の途中段階で、第1の参考情報FA1又は前記調理工程2に関する第2の参考情報FA2の、少なくとも何れか1つを前記報知部ANによって自動で報知する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の3種類の加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードによって、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
更に、前記調理工程1又は前記調理工程2の進捗度合いを、例えば経過時間や上昇温度(TN1、TN2等)等を検知して判定する機能を有し、当該調理工程1又は調理工程2の途中段階で、ユーザーに参考情報を自動で報知するため、加熱源の種類が増えていても、ユーザーに調理の進行を知らせて、不安感を払拭したり、途中で確認のために加熱動作を一旦停止することによって、効率的な連携調理の実行を損なってしまう等の失敗を回避でできる。これによりユーザーの安心感や使い勝手を更に向上させることが期待できる。
(3)その3:
前記連携調理モードKM3は、前記マイクロ波加熱源189又は前記オーブン加熱源188の少なくとも何れか一方を使用する調理工程1と、前記誘導加熱源9を使用する調理工程2とを、含み、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1を自動で進行させ、当該調理工程1は、ユーザーからの指令で終了させ、当該終了後、ユーザーの開始指令を受けて前記調理工程2を開始し、当該調理工程2を自動で進行させるものであり、
前記統合制御装置MCは、前記調理工程1又は前記調理工程2の進捗度合いを検知する機能を有し、当該調理工程1又は前記調理工程2の途中段階で、前記調理工程1の第1の参考情報FA1又は前記調理工程2に関する第2の参考情報FA2の、少なくとも何れか1つを前記報知部ANによって自動で報知する、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の3種類の加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードによって、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
更に、前記調理工程1又は前記調理工程2の進行度合いを、例えば経過時間や上昇温度(TN1、TN2等)等を検知して判定する機能を有し、当該調理工程1又は調理工程2の途中段階で、ユーザーに参考情報を自動で報知するため、加熱源の種類が増えていても、ユーザーに調理の進行を知らせて、不安感を払拭したり、途中で確認のために加熱動作を一旦停止することによって、効率的な連携調理の実行を損なってしまう等の失敗を回避できる。これによりユーザーの安心感や使い勝手を更に向上させることが期待できる。
(4)その4:
前記誘導加熱源9と前記マイクロ波加熱源189とを、ユーザーの操作で切り替えて動作させる連携調理モードを有し、
連携調理モードを設定した場合、前記加熱室113内に収容した被調理物を加熱する調理工程1と、前記調理工程1が終了した後、トッププレート15の上に載置された被加熱物Nの上で前記被調理物を前記誘導加熱源で誘導加熱する調理工程2、とを予約できるものであり、
前記連携調理モードによる加熱調理の予約がなされた場合には、
(1)前記誘導加熱源9を、前記調理工程1の前から駆動して前記予熱工程を開始させることができ、
(2)前記予熱工程中、前記加熱室113で前記マイクロ波加熱源189による調理工程1を開始でき、
(3)前記マイクロ波加熱源9の駆動を停止して前記調理工程1を終了したあと、前記誘導加熱源9で予熱された前記被加熱物Nの上で前記調理工程2を開始でき、
(4)前記調理工程1と前記調理工程2において、調理工程の進捗を示した情報を前記報知部ANによって報知させる、ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189を、組み合わせて使用できる。このため、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器1を提供できる。
更に、前記調理工程1の前に誘導加熱源9による予熱工程を開始したままで、調理工程1を開始でき、その後、予熱された被加熱物Nの方に被調理物を移動させて、調理工程2を行うことができる。
更に、調理工程1又は調理工程2の途中段階で、ユーザーに参考情報を自動で報知するため、加熱源の種類が増えていても、ユーザーに調理の進行を知らせて、不安感を払拭したり、途中で確認のために加熱動作を一旦停止することによって、効率的な連携調理の実行を損なってしまう等の失敗を回避できる。これによりユーザーの安心感や使い勝手を更に向上させることが期待できる
(5)その5:
前記統合制御装置MCは、
(1)前記誘導加熱源9を単独で動作させるIH単独調理モード
(2)前記マイクロ波加熱源189を単独で動作させるレンジ単独調理モード
(3)前記オーブン加熱源188を単独で動作させるオーブン単独調理モード
(4)前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188の両方又は何れか一方と、前記誘導加熱源9を、ユーザーの入力操作に依存して開始と終了のタイミングが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる連携調理モードKM3、
の動作プログラムを有し、
前記連携調理モードKM3は、前記加熱室113を使用して前記移行期間TRの前に行われる調理工程1と、前記移行期間の後に、前記加熱室113以外の場所で行われる調理工程2と、を含み、
前記統合制御装置MCは、前記移行期間TRにおいて、前記調理工程2に関する参考情報又は前記加熱室113で前記連携調理モードKM3の調理とは別の調理を行えることを示す情報を、前記報知部ANによって報知させる、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の3種類の加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードと複合調理モードによって、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
更に、前記連携調理モードによって加熱調理をする場合、加熱動作を中止している(予熱動作は継続している場合もある)移行期間TRの中で、調理工程1を終えた加熱室113で別の調理が行えることを報知できる。
このため、ユーザーが加熱調理に費やす時間を短縮化でき、従来よりも迅速な調理を実現し、ユーザーの負担軽減や使い勝手を向上させることが期待できる。
(6)その6:
前記統合制御装置MCは、前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188とで構成されるグループと、前記誘導加熱源9とが、時間差をおいて駆動開始される連携調理モードKM3と、
前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188が同時又は時間差をおいて駆動開始され、もしくは自動的に切り替えて駆動される複合調理モードKM2と、
を行う機能を有し、
前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードにおいて、前記加熱室113を占用する調理工程1を含んでおり、当該調理工程1を終了する前の時点において、前記加熱室113で前記マイクロ波加熱源189又は前記オーブン加熱源188の何れか一方又は双方を使用して、前記連携調理モードの調理とは別の調理を行うことができることを、前記報知部ANにより報知する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の3種類の加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードと複合調理モードによって、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
更に、前記連携調理モードによって加熱調理をする場合、加熱室113を占用する調理工程1が終わる場合、事前に当該加熱室113を使用した別の加熱調理が行えることを報知できるため、ユーザーが加熱調理に費やす時間を短縮化でき、従来よりも迅速な調理を実現し、ユーザーの負担軽減や使い勝手を向上させることが期待できる。
(7)その7:
加熱室113と、
前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、
前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と、
被加熱物Nを加熱する誘導加熱源9と、
有線又は無線によって情報処理装置(ホーム・ゲートウエイ)411との間で情報の授受を行う送受信部(無線通信部)49と、
報知部ANと、
前記マイクロ波加熱源189と、前記オーブン加熱源188と、前記誘導加熱源9と、前記送受信部49と、前記報知部ANとを、それぞれ制御する統合制御装置MCを有し、
前記統合制御装置MCは、前記マイクロ波加熱源189、前記オーブン加熱源188及び前記誘導加熱源9の3者を連携させて加熱調理を実行する連携調理モードを有し、
前記連携調理モードは、調理工程1と、前記調理工程1の終了後にユーザーからの指令に応じて開始される調理工程2と、が実行されるものであり、
前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードが適用される調理に関連した参考情報を、前記送受信部49を介して前記情報処理装置411から取得する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の3種類の加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードによって、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
更に、前記連携調理モードで加熱調理をする場合、当該連携調理モードが適用される調理に関連した参考情報として、冷蔵庫401の中にある食材情報を取得できるので、ユーザー側の調理の負担軽減や使い勝手を向上させることが期待できる。
(8)その8:
加熱室113と、
前記加熱室113にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源189と、
前記加熱室113を加熱するオーブン加熱源188と、
被加熱物Nを加熱する誘導加熱源9と、
有線又は無線によって情報処理装置(ホーム・ゲートウエイ)411との間で情報の授受を行う送受信部(無線通信部)49と、
報知部ANと、
前記マイクロ波加熱源189と、前記オーブン加熱源188と、前記誘導加熱源9と、前記送受信部49と、前記報知部ANとを、それぞれ制御する統合制御装置MCを有し、
前記統合制御装置MCは、前記マイクロ波加熱源189、前記オーブン加熱源188及び前記誘導加熱源9の3者を連携調理プログラムによって連携させて加熱調理を実行する連携調理モードを有し、
前記連携調理プログラムは、調理工程1と、加熱動作を行わない移行期間TRの後でユーザーの指令に応じて開始される調理工程2とを規定しており、
前記統合制御装置MCは、前記連携調理モードを適用して実行した調理に関する調理実施データを、前記送受信部49を介して前記情報処理装置411へ送信する、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の3種類の加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードによって、幅広い調理に対応することができる、利便性の高い加熱調理器を提供できる。
更に、前記連携調理モードで加熱調理をした場合、当該加熱調理の実施データを外部の情報処理装置(ホーム・ゲートウエイ)411に提供するから、ホーム・ゲートウエイ4110と冷蔵庫401に有益な情報となり得る。そして、そのような情報の活用が最終的にはユーザーの利便性向上や安全性、快適空間維持・向上等にも寄与し得る。
(9)その9:
前記統合制御装置MCは、前記複合調理モードKM2又は前記連携調理モードKM3の選択用入力を受け付けた場合、当該複合調理モード又は前記連携調理モードに対応した表示動作、すなわち1例として、第1特定画面30SPと第2特定画面30SCの何れか一方を表示することによって、ユーザーが容易に調理モードの識別ができる構成であった。
この構成であるため、誘導加熱源9とマイクロ波加熱源189等の2つの加熱源を、使用でき、しかも、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2と、を容易に使い分けることができる加熱調理器を提供できる。
更に、前記連携調理モードと前記複合調理モードの何れか1つを選択する入力を行う入力操作部40と、前記第1特定画面30SPと前記第2特定画面30SCを択一的に表示する統合表示部30を備えた構成であった。
このため、統合表示部30を確認しながら、連携調理モードKM3と前記複合調理モードKM2の何れか1つを選択でき、使い勝手が良い。
更に、前記入力操作部40は、前記第1、第2の加熱手段に共通のものであり、前記統合制御装置MCに電力を供給する主電力スイッチ97の操作部98と、前記連携調理モード及び前記複合調理モードによる個々の調理開始を指令する入力キー43MS(調理開始入力手段)と、を有している構成であった。
このため、入力操作部40において主電力の投入から加熱開始の指令までを行うことができ、操作性が良い。
更に、前記入力操作部40には、前記連携調理モードKM3及び前記複合調理モードKM2の個々の調理工程の終了を決定する調理モード解除手段となる入力キー43MTでを有していた。
このため、入力キー43MTで連携調理モード及び前記複合調理モードの運転の両方を解除でき、操作性が良い。
更に、前記統合制御装置MCは、前記入力操作部40において、前記複合調理モードKM2、前記連携調理モードKM3及び前記単独調理モードKM1の何れか1つの入力を受け付け、調理モードに応じた特定画面(第1特定画面30SP、第2特定画面30SC及び第3特定画面30ST)を、それぞれ前記統合表示部30で、切り替えて表示する構成である。
しかも、連携調理モードの、例えば「ハンバーグ」「からあげ」等の個々の調理メニューについて、第1特定画面30SPにおいて、調理工程1と調理工程2の加熱源が表示され、更に前記した第1の参考情報FA1や第2の参考情報FA2等の、ユーザーに有益な情報が表示されるので、ユーザーの調理の失敗を少なくでき、利便性を向上させた加熱調理器を提供できる。
また、前記統合制御装置MCは、前記入力操作部40により主電源が投入された後、前記統合表示部30で待機時初期画面(共通画面30Z)を表示させ、この後、前記入力操作部40からの入力に応じて、前記第1特定画面30SP、第2特定画面30SC等を前記統合表示部30で表示する構成であった。
このため、連携調理モードKM3と、複合調理モードKM2及び単独調理モードKM1と、を効果的に使用できる。
前記特定画面は、連携調理モード用の第1特定画面30SPと、前記複合調理モード用の第2特定画面30SCであり、前記第1特定画面30SPと前記第2特定画面30SCは、前記統合表示部30に択一的に表示される構成であった。
このため、連携調理モードと複合調理モードで誤解を招く懸念がなく、ユーザーの使い勝手が良い。
(10)その10:
更に、統合制御装置MCは、前記入力キー43M1が押下されたと判断すると、1つの連携調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の調理工程情報332と、当該メニューに適用される1つ以上の「制御条件」情報(火力、加熱強度情報、目標温度情報30T等の1つ又は複数の合わせを含む)を、前記表示画面30D(第1エリア30L、第2エリア30M)に表示させる。
そして、前記統合制御装置MCは、前記ユーザーの操作を促す案内等の付加情報331を表示させ、この状態で前記スタート用入力43MSキーが押された場合、連携調理モードの実行を開始する構成である(図60参照)。
この実施の形態1によれば、3種類の加熱源に共用される統合表示部30において、前記表示画面30Dにより、前記連携調理モードKM3の調理メニュー群(集合体)の中から選択した1つの制御メニューによって規定される加熱源、調理工程、及びユーザーの入力操作等、少なくとも3つの情報を一括して表示できるため、加熱源を3つ以上備えた複合型加熱調理器であっても、使い勝手が良い加熱調理器とすることができる。
(11)その11:
統合制御装置MCが、調理工程1又は調理工程2の進捗度合いを検知するために、調理工程1又は調理工程2の開始時点からの経過時間又は温度上昇を計測し、第1の参考情報FA1や第2の参考情報FA2を報知する構成であった。
このため、それら参考情報の報知動作を確実なものにすることができる。
(12)その12:
入力操作部40には、
(1)前記誘導加熱源を単独で動作させるIH単独調理モードの選択手段43L、43Rと、
(2)前記マイクロ波加熱源を単独で動作させるレンジ単独調理モードの選択手段43M1と、
(3)前記オーブン加熱源を単独で動作させるオーブン単独調理モードの選択手段43M1と、
(4)前記マイクロ波加熱源と前記オーブン加熱源の両方を、同時又は時間差で自動的に切り替えて動作させる複合調理モードの選択手段43M1と、
(5)前記連携調理モードの選択手段43MCと、を具備した構成である。
このため、3つの加熱源の選択手段(入力キー等)の数や、その設置スペースを大きくしない状態で、各加熱源の選択を簡単に行えるという利点がある。
(13)その13:
前記入力操作部40は、前記誘導加熱源9専用の2つの個別操作部として、右操作部40Rと左操作部40Lとを有し、
更に、前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188の共用操作部(中央操作部)40Mを有し、
前記共用操作部40Mは、前記連携調理モードKM3を選択する第1の選択手段(入力キー43MC)と、前記複合調理モードKM2を選択する第2の選択手段(入力キー43M1)と、を備え、
前記第2の選択手段(入力キー43M1)よりも先に前記第1の選択手段(入力キー43MC)の入力操作を開始した場合、前記連携調理モードの調理に関する入力用の第1特定画面(30SP)が表示され、
前記第1の選択手段(入力キー43MC)よりも先に前記第2の選択手段(入力キー43M1)の入力操作を開始した場合、前記複合調理モードの調理に関する入力用の第2特定画面30SCが表示される構成であった。
このため、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の選択は、先に操作した方が有効となる。しかも、別々の特定画面が表示されるので、2種類の調理モードの間で、選択につき誤操作を招く懸念がない。
(14)その14:
前記調理工程1と前記調理工程2において、マイクロ波加熱源9、オーブン加熱源188及び誘導加熱源9の少なくとも何れか1つの加熱条件は、前記統合制御装置MCによって自動的に決定している構成であった。例えば、「レンジ手動」(図34参照)では、マイクロ波加熱時のマイクロ波出力を、ユーザーが100W、200W、500Wの中から選択することができるが、デフォルト値では500Wにしてあった。つまり、特別に指定しなければ500Wに決定される。
このため、ユーザーの入力操作を減らし、使い勝手を向上させることができる。
(15)その15:
前記誘導加熱源9を使用する調理工程1の終了及び前記調理工程2の終了は、前記専用操作部(右操作部40Rと左操作部40L)に対する入力操作によって決定される構成であった。具体的には、入力キー44L、44R(43L1、43R1)によって誘導加熱動作の開始と停止のタイミングが決定された。
このため、連携調理モードKM3を実行することを選定したあと、ユーザーは右操作部40Rか左操作部40Lの何れかの前方に立って、誘導加熱の開始と終了に集中できる。言い換えると、中央操作部40Mと左右の操作部40L、40Rの両方を使い分けて、調理工程1の開始・終了を行う必要がないので、ユーザーの操作に混乱を招かない。
(16)その16:
前記調理工程1と前記調理工程2において、前記マイクロ波加熱源189、前記オーブン加熱源188及び前記誘導加熱源9の少なくとも何れか1つの加熱条件は、前記入力操作部40(40M、40L、40R)をユーザーが操作することによって決定する構成であった。
このため、被調理物と加熱形態、加熱源に応じた加熱条件(火力や加熱時間等)を設定でき、調理の仕上がりを良好なものにすることができる。
(17)その17:
前記報知部ANは、前記IH単独調理モードKM1の実行期間中に表示動作を行う第1の表示部(31L、31R)と、連携調理モードの実行期間中に表示動作を行う統合表示部30と、を有していた。
そのため、特に複数の加熱源を使用する連携調理モードKM3の調理時には、1つの統合表示部30によって集中的に調理工程や加熱条件等が表示されるので、その統合表示部30に注意を集中することができる。
(18)その18:
連携調理モードKM3は、複数の被調理物を特定する識別情報330が、前記第1特定画面30SPの中に一定の順番で表示され、入力操作部40を操作するたびに、識別情報330が順次選択可能な状態となる構成であった。
このため、目的の調理(例えば、ハンバーグ)を行う場合に、識別情報330を順次表示させて選択できるから、選択の方法が簡単であり、ユーザーの操作性を向上させることができる。
(19)その19:
複合調理モードは、前記マイクロ波加熱源189と前記オーブン加熱源188を駆動する制御メニューによって区分けされており(図34、図37参照)、
前記第2特定画面30SCには、前記制御メニューを特定する情報(例えば、図55の「あたため」、「レンジ手動」という特定文30J)が表示される構成であった。
このため、ユーザーは制御メニューの選択が容易に行える。
(20)その20:
前記統合制御装置MCが、前記送受信部(無線通信部)49を介してホーム・ゲートウエイ411から取得する参考情報は、加熱調理が可能な食材の情報である構成を開示した。
このため、食材の情報を得るために、加熱調理の途中で冷蔵庫401のところに移動して確かめるという面倒な作業を必要としないので、ユーザーの労力を軽減できる。
(21)その21:
統合制御装置MCは、前記参考情報(食材情報)を、1つの前記連携調理モードの調理を終えるまで記憶装置MMに記憶させておく構成であった。
このため、ユーザーが参考情報をその都度特別な記録のための操作したり、紙に記載して記録する作業も不要である。
(22)その22:
前記食材情報は、冷蔵庫401が保有している情報であった。更に、その食材情報には、当該食材の冷蔵温度又は冷凍温度の情報が含まれていた。
このため、加熱調理器1で連携調理モードの調理を行う場合に、制御条件(火力、加熱強度、目標温度等の1つ又は複数の合わせを含む)を決める場合に参考にすることができ、より仕上がり状態の良い調理が期待できる。
(23)その23:
統合制御装置MCは、前記調理工程1の開始前において、前記送受信部(無線通信部)49から前記した食材情報の提供を求める信号(図111のRQ1、RQ3参照)を、前記情報処理装置(ホーム・ゲートウエイ)411へ送信する構成であった。
。
このため、食材の情報を得るために、加熱調理の途中で冷蔵庫401のところに移動して確かめるという面倒な作業を必要としないので、ユーザーの労力を軽減できる。
(24)その24:
統合制御装置MCは、前記調理工程1の開始前において、前記送受信部(無線通信部)49から前記参考情報の提供を求める信号を、前記情報処理装置(ホーム・ゲートウエイ)411へ送信し、更に、参考情報の提供を求めていることを前記報知部ANの1つである統合表示部30で報知する構成であった(図113参照)。
このため、ユーザーが加熱調理の途中で冷蔵庫401のところに移動して確かめるという行動を、事前に見合わせることができるので、ユーザーの労力を軽減できる。
(25)その25:
統合制御装置MCは、前記調理工程2の終了後において前記調理実施データを記憶装置MMに記憶させる構成であった。
このため、ユーザーが調理実施データを記録するために、特別な操作したり、紙に記載して記録する作業等も不要である。
(26)その26:
前記調理実施データは、調理工程2の終了後において送信され、前記調理実施データは、少なくとも以下の情報を1つ以上含んでいる構成であった。
(1)被調理物の名称を示す情報
(2)被調理物の重量又は容積に関する情報
(3)前記調理工程1と前記調理工程2の制御条件を示す情報
(4)前記調理工程1から前記調理工程2の終了までの所要時間を示す情報
(5)前記調理工程2の終了時刻を示す情報
(6)加熱調理に使用した加熱源を特定する情報
(7)次の加熱調理の際にユーザーが受ける制限に関する情報
(8)前記加熱室の現在温度等のユーザーの安全性に関係する情報
このため、ユーザーが調理実施データを、正確かつ詳細に記録するために、特別な操作したり、紙に記載して記録する作業等も不要にできる。
(27)その27:
統合制御装置MCは、前記連携調理モードによる調理の終了後において、当該調理を終了するまでの所要時間の情報を、記憶装置MMに記憶させる構成であった。
このため、ユーザーが調理に要した時間の情報を、その都度記録するために、特別な操作したり、紙に記載して記録する作業等も不要にできる。
(28)その28:
実施の形態1の家電機器の運転管理システムでは、情報処理装置(ホーム・ゲートウエイ)411は、加熱調理器1と前記冷蔵庫401が設置された空間に、人がいることを検知している場合であって、かつ、前記加熱調理器1からの起動情報を受けた場合に、加熱調理時間帯と判定し、前記冷蔵庫401に対する在庫データの収集指令を発信する構成であった(図110のステップSD6参照)。
このため、ユーザー(居住者)が冷蔵庫401や加熱調理器1の付近に居て、調理する可能性が高い場合に、自動的に在庫データの収集動作を行うことができ、しかも、調理の際にユーザーが当該データの収集のための特別な入力操作も不要であり、労力を掛けずに有益な情報を取得できるから、全体として利便性の高い運転管理システムを実現できる。
実施の形態2.
図123~図124は、実施の形態2に係る加熱調理器を示すものである。
図123は、ビルトイン式複合型加熱調理器の主要な制御関係部分を示したブロック図である。図124は、図123の加熱調理器において、連携調理モードの選択から移行までの入力操作部における入力キーと調理工程等の関係を時系列で示す説明図である。実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、説明を省略する場合がある。
この実施の形態2では、蒸気発生器(ボイラー)500を、第2の加熱手段HM2の1つとして追加した点が、実施の形態1と大きく異なる。
蒸気発生器(ボイラー)500が、加熱室113の中に過加熱蒸気を吹き出す位置、方向は、図123で示したように、加熱室113の側壁面からで良いし、あるいは、耐熱性の高いプラスチックや磁器、ガラス等で形成されている食器や、専用の受け皿145の下方から上方に向けて吹き出しても良い。
次に図124について説明する。
図124は、誘導加熱源9で予熱を行い、この予熱動作と並行して調理工程1を行うものである。調理工程1は、第2の加熱手段HM2で行い、調理工程2は、左加熱部17HLで行う連携調理モードKM3(連携予熱調理モードKM4)の場合である。
図124では、主な入力キーの入力機能が有効であって、調理工程の開始や終了に関係した場合には、白抜きの長方形の枠で示している。なお、全ての入力キーを描いてはいない。
準備期間P1では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSは、何れも入力機能は有効である。入力キー43MCを押して第1特定画面30SPを表示させた状態で、43MSを押すと、連携調理モードKM3に移行する(この準備期間P1段階から、次の予熱工程に入る)。
更に、ユーザーが左加熱部17HLを選択した場合(少なくとも入力キー44Lを押す)、左加熱部17HLで予熱工程(P2)が実行される。入力キー44Lの後に、続けて入力キー43L2又は43L3の、少なくとも何れか1つを押すことで、実際に火力が入るようにしても良い(43L2、43L3を押すまでは、待機状態となる)。
入力キー43L2,43L3を押した入力が、統合制御装置MCに有効な信号となるのは、前記入力キー44Lを押した時点から一定時間(例えば、20秒間)内に制限されている。これを過ぎると入力キー43L2等によって火力等の制御条件は変更できない。
なお、図123に示すように左操作部40Lの入力キー44L以外の入力キー43L2や43L3を押して、予熱目標温度を設定しても良い。また、デフォルト設定で、火力や加熱時間等の制御条件が自動的に左表示部31Lに表示されるので、必ずしも入力キー43L2や43L3を操作しなくとも良い。
一方、加熱調理期間P2に入ると、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MS、43MTの内、43MCと43M1の入力機能は無効になる(実際には、統合制御装置MCに入力操作信号が届いても、統合制御装置MCで無視される)。
図124では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1の、入力機能が無効になったことを、破線の枠で示している。
一方、左加熱部17HLでは、予熱動作が継続する(予熱工程)。なお、左操作部40Lの入力キー44Lを押すと、その入力キーからのタッチ信号は統合制御装置MCに「OFF」信号として認識されるので、この段階で誘導加熱の「予熱工程」は停止し、加熱調理期間P2は終了してしまう。調理工程2まで予熱を維持するためには、入力キー44L(43L1)は押さない。
また、被加熱物Nの大きさや予熱時の火力にも依存するが、誘導加熱源9に通電を開始してから、数分間掛けて所定の(目標)予熱温度に到達する場合があるので、予熱動作を途中で一旦遮断する必要はない。
次に入力キー43MSを再度押すと、加熱室113での調理工程1(加熱調理期間P3)の段階に入る。なお、事前にドア114を開けて被調理物を145の上に載せておく。そしてドア114を閉めないと、入力キー43MSを押しても、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188への駆動信号は、統合制御装置MCから送られない。
同様に、ドア114を閉めないと、蒸気供給器500からの蒸気の吹出しは行われない(蒸気供給器500への通電は、準備期間P1において入力キー43MSを押した段階で開始されている)。
加熱室113の内部には、高温の蒸気が被調理物の周囲を覆い、またマイクロ波が照射されるので、冷凍食品であっても短時間に解凍される。また、オーブン加熱源188の輻射熱が加わることで、加熱室113の内部の雰囲気が高温になり、更に被調理物の加熱調理(解凍含む)が促進される。
入力キー43MTを1回押せば、調理工程1は終了するので、この段階で加熱休止期間P4に入る。つまり移行期間TRに入る。この段階では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSの内、43MCと43M1の入力機能は全て有効になる。
一方、図124に示すように左操作部40Lの入力キー44L、43L2、43L3の入力機能は、何れも有効に維持されるので、左加熱部17HLで予熱の制御条件を変更することもできる。
ユーザーが、入力キー43MTを1回押して移行期間TRに入った段階で、加熱室113から調理の途中段階にある被調理物を左加熱部17HLで既に熱されている被加熱物Nの上に移動させる。なお、この場合、誘導加熱源9によってフライパンや鍋等が予熱されているので、加熱室113の中で使用した皿や容器は、左加熱部17HLの上には移動させない。
なお、入力キー43MTを1回も押さずに、調理工程1の途中でドア114を開放すれば、その時点で加熱室113での加熱調理は停止するので、そのまま、加熱室113から被調理物を左加熱部17HLの上の被加熱物Nに移しても良い。
次に、左操作部40Lの入力キー44Lにタッチすると、連携調理モードKM3の調理工程2が左加熱部17HLで開始される。すなわち、既に予熱工程で高温になっている被加熱物Nの上で被調理物が加熱調理される。
そして、入力キー44Lを押せば、当該調理工程2は、任意のタイミングで終了させることができる。なお、この入力キー44Lの機能を、別の入力キー43L1に担当させても良い。
なお、調理工程2は、タイマー調理で設定した時間や、デフォルト値で定まった時間が経過した段階で自動的に終了する場合もある。ユーザーが任意に終了させた場合及び自動的に終了した場合の何れでも、調理工程2の終了と同時に、連携調理モードKM3は解除される(図124では、入力キー43MTを押して、連携調理モードKM3を解除するような図になっているが、このように入力キー43MTを押しても良い)。
従って、調理工程2の終了直後に、再度左加熱部17HLで追加の加熱をしたい場合には、左側操作部40Lの入力キー44Lを再度押して、更に入力キー43M1や43M2等を操作して、単独調理モードKM1で加熱調理を行えば良い(これは、連携調理モードKM3の一部ではなく、単独加熱モードKM1の調理工程になる)。
なお、調理工程2の終了と同時に連携調理モードKM3を自動的に解除しないような制御にしても良い。調理工程2を終えた直後、例えば統合表示部30の第1特定画面30SPにおいて、一定の時間内(例えば、2分以内)にスタートスイッチ(入力キー43MS)を押した場合には、連携調理モードKM3の一部として取扱うような案内を行い、ユーザーの入力(入力キー43M1の操作)を待つような処理にしても良い。
このようにすると、調理工程2を終えたあと、ユーザーが被調理物の仕上がり状態を確認し、加熱が不足している場合、直ぐに入力キー44L(43L1)にタッチする、という方法を採用できる。この方法でもユーザーの使い勝手を向上させることができる。
なお、このように、調理工程2を終えたあと、一定の時間内(例えば、2分以内)にスタートスイッチ(入力キー43MS)を押した場合には、連携調理モードKM3の一部として取扱うような案内を行い、ユーザーの入力(入力キー43M1の操作)を待つような処理をする場合、ユーザーの誤解を避ける意味で、統合表示部30では「未だ連携調理の工程は完全に終わっていません。終了するには、更に停止スイッチを押してください」のような案内を行うことでも良い。その場合の「停止スイッチ」とは、入力キー43MTのことである。
なお、この実施の形態2においても、予熱工程~調理工程2の間で、異常検知部EMが異常を検知した場合には、実施の形態1(特に、図45と図46)で説明したように、加熱源や冷却ファン60、61、128、129を停止し、報知する。
実施の形態2の変形例1.
この実施の形態2に開示した加熱調理器1を、以下のように変形しても良い。
すなわち、
被加熱物Nが載置されるトッププレート15を有する本体110(本体ケースHC)と、
前記本体110内に配置されており、前記被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1としての誘導加熱源9と、
前記本体110の内部に配置された加熱室113と、
前記本体110の内部に配置され、前記加熱室113の内部に収容される被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2としてのマイクロ波加熱源189及びオーブン加熱源188と、
前記第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)の加熱条件を設定し、かつ、加熱動作の開始及び停止を指令する第1の操作部40R、40Lと、
前記本体110に前記第1の操作部40R、40Lとは別に配置されており、前記第2の加熱手段HM2の加熱条件を設定し、かつ加熱動作の開始及び停止を指令する第2の操作部40M(入力キー43MS、43MT)と、
前記本体110に配置されており、前記第1の加熱手段HM1及び前記第2の加熱手段HM2の加熱を一括して停止する主操作部(主電源スイッチ97の操作部)98と、
前記第1の操作部40R及び前記第2の操作部40Mで設定された加熱条件に基づき、前記第1の加熱手段HM1及び前記第2の加熱手段HM2を制御する統合制御装置MCと、を備え、
前記統合制御装置MCは、1つの被調理物のために、前記第1の加熱手段HM1を使用して前記トッププレート15の上において前記被加熱物Nを予熱する予熱工程と、前記第2の加熱手段HM2を使用して前記被調理物を加熱する調理工程とを、同じ時間帯に実行する連携予熱調理モードKM4の機能を有し、
前記統合制御装置MCは、前記連携予熱調理モードKM4の実行過程において、前記第1の加熱手段HM1が前記予熱工程を実行し、かつ、前記第2の加熱手段HM2が調理工程1を実行している段階で、
(1)前記主操作部98から停止の指令を受けると、前記第1の加熱手段HM1及び前記第2の加熱手段HM2の加熱動作を停止し、前記連携予熱調理モードKM4の設定を解除する第1の停止機能と、
(2)前記第1の操作部40R、40Lから停止の指令(例えば、入力キー44Lによる)を受けると、前記第1の加熱手段HM1による予熱動作を停止するとともに、前記連携予熱調理モードKM4の設定は、「一定時間」内(例えば2分間)維持する第2の停止機能と、
(3)前記「一定時間」内に、再開の指令(例えば、入力キー44Lによる)を受けた場合、前記第2の加熱手段HM2による調理工程1を再開する機能とを、
具備した加熱調理器1である。
この構成によれば、加熱調理を終えて全ての電源を一括で遮断するには、前記主操作部98によって一括して電源を遮断できる。
また、連携予熱調理モードKM4において、予熱動作だけを停止するには、予熱動作を行う第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)の第1の操作部40R、40Lによって当該予熱動作を停止できる。
しかも、このように予熱動作を停止しても、連携予熱調理モードKM4の設定は維持されたままである。そのため、第2の加熱手段HM2による調理工程1の実行までも停止する訳ではないので、調理工程1の調理に悪影響を及ぼすことはない。
この構成であるため、被加熱物Nの予熱を一時的に停止しても、再度連携予熱調理モードKM4の調理に簡単に復帰でき、ユーザーの利便性が高い調理器を提供できる。
更に、この変形例の加熱調理器1では、前記本体110には、前記第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)による異常状態を検知し、当該第1の加熱手段HM1の加熱動作を緊急停止する異常検知部EMを、更に有し、
前記異常検知部EMによって前記第1の加熱手段HM1の加熱動作が緊急停止された場合、前記連携予熱調理モードKM4の設定条件としての予熱目標温度の設定情報は、統合制御装置MCの記憶装置MM等に記憶(維持)される構成にしても良い。
この構成にすれば、一旦設定した予熱目標温度を、再度設定して予熱を再開する手間を必要とせず、ユーザーの使い勝手を向上させることが期待できる。
実施の形態2の変形例2.
以下のような構成の加熱調理器1に変形しても良い。
すなわち、
被加熱物Nが載置されるトッププレート15を有する本体110と、
前記本体110内に配置されており、前記被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1としての誘導加熱源9と、
前記本体110内に配置された加熱室113と、
前記本体110内に配置されており、前記加熱室113内に収容された被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2としての、マイクロ波加熱源189及びオーブン加熱源188と、
前記トッププレート15に配置されており、前記第1の加熱手段HM1の加熱条件を設定し、かつ、加熱動作の開始及び停止を指令する第1の操作部40R、40Lと、
前記本体110に前記第1の操作部40L、40Rとは別に配置されており、前記第2の加熱手段HM2の加熱条件を設定し、かつ加熱動作の開始及び停止を指令する第2の操作部40Mと、
前記本体110に配置されており、前記第1の加熱手段HM1及び前記第2の加熱手段HM2の加熱を一括して停止する主操作部(主電源スイッチ操作部)98と、
前記第1の操作部40R、40L及び前記第2の操作部40Mで設定された加熱条件に基づき、前記第1の加熱手段HM1及び前記第2の加熱手段HM2を制御する統合制御装置MCと、を備え、
前記統合制御装置MCは、1つの被調理物のために、前記第1の加熱手段HM1を使用して前記トッププレート15の上において前記被加熱物Nを予熱する予熱工程と、前記第2の加熱手段HM2を使用して前記被調理物を加熱する調理工程とを、同じ時間帯に実行する連携予熱調理モードKM4の機能を有し、
前記統合制御装置MCは、前記連携予熱調理モードKM4の実行過程において、前記第1の加熱手段HM1が前記予熱工程を実行し、かつ、前記第2の加熱手段HM2が調理工程1を実行している段階で、
(1)前記主操作部98から停止の指令を受けると、前記第1の加熱手段HM1及び前記第2の加熱手段HM2の加熱動作を停止し、前記連携予熱調理モードKM4の設定を解除する第1の停止機能と、
(2)前記第1の操作部40Rから停止の指令を受けると、前記第1の加熱手段HM1による予熱動作を停止するとともに、前記連携予熱調理モードKM4の設定は「一定時間」内(例えば2分間)は維持し、前記第2の加熱手段HM2による調理工程1は継続する第2の停止機能と、
(3)前記「一定時間」内に、前記第1の操作部40Rからの再開の指令(例えば、入力キー44Rによる)を受けた場合、前記第1の加熱手段HM1による調理工程1を再開する機能とを、
(4)前記第2の操作部40Mからの解除指令(例えば、入力キー43MTによる)を受けると、前記連携予熱調理モードKM4の設定を解除し、前記第1の加熱手段HM1の加熱動作と前記第2の加熱手段HM2による加熱動作とを、それぞれ停止する第3の停止機能とを、
具備した加熱調理器である。
このため、加熱調理を終えて全ての電源を一括で遮断するには、前記主操作部98によって一括して電源を遮断できる。また、連携予熱調理モードKM4において、第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)の第1の操作部40R、40Lによって当該予熱動作を、「一定時間」内(例えば2分間)停止できる。
更に、第2の操作部40M(中央操作部の入力キー43MT)を操作すれば、連携予熱調理モードKM4の設定自体を解除することができる。
以上のように、ユーザーの目的によって停止方法を適宜選択できる。また第1の操作部40L、40Rを操作して、前記第1の加熱手段HM1による予熱を一時的に停止しても、第2の加熱手段HM2による調理工程1の実行までも停止する訳ではないので、第2の加熱手段HM2による加熱調理に悪影響を及ぼさない。このため、ユーザーの利便性を向上させることが期待できる。
実施の形態2の総括.
実施の形態1と同様に、この実施の形態2の加熱調理器1においても、第1の開示に関して、以下の形態の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
被加熱物Nを加熱部17HL、17HRで加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部17HL、17HRと別の場所にある加熱室113で加熱調理する複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188、蒸気供給器500)を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
調理情報を表示する表示手段(統合表示部30、個別表示部31L、31R)と、
前記入力操作部40からの指令を受ける統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1調理モード選択部43MCと、第2調理モード選択部43M1と、を備え、
前記第1調理モード選択部43MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記第2の加熱手段HM2の前記複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188及び蒸気供給器500)を自動で組合せて併用する複合調理モードKM2と、前記複数の加熱源の1つを単独で使用する単独調理モードKM1とを、選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記複合調理モードKM2と、前記単独調理モードKM1に属する複数の制御メニューの中から、1つの制御メニューを選択する手段を兼用している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モード(複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1)の何れにおいても、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、3種類の加熱源(前記オーブン加熱源188、前記マイクロ波加熱源189及び蒸気供給器500)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、この実施の形態2においても、前記統合表示部30には、連携調理モードKM3の第1特定画面30SPと、複合調理モードKM2の第2特定画面30SCが、前記待機時初期画面(図52参照)とそれぞれ切り替えて表示され、
前記入力操作部40には、前記第2特定画面30SCの中に、前記オーブン加熱源188、前記マイクロ波加熱源189及び前記蒸気供給器500を、それぞれ単独で使用する制御メニューを、順次(順送り及び逆送りで)表示させて、その中から1つだけを選択できる選択部(入力キー43M1)を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器を開示していた。
このため、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、3種類の加熱源(オーブン加熱源188、前記マイクロ波加熱源189、蒸気供給器500)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
なお、蒸気供給器500を単独で使用する制御メニューとしては、冷凍食品の解凍があるが、この解凍は、冷凍食品の温度や種類によっては前記マイクロ波加熱源189を同時に使用しても良く、更には、オーブン加熱源188を併用しても良い。
また、実施の形態1と同様に、前記連携予熱調理モードKM3は、前記共用操作部40Mにおいて、当該連携予熱調理モードKM4の選択と調理工程を開始する決定を行ない、調理工程1の開始と終了は共用操作部40Mで行うことができ、その後の調理工程2の開始と終了、予熱工程の終了は、何れも誘導加熱源9に対応した個別操作部40L、40Rで行うから、操作ルールが単純であり、ユーザーの操作ミスや混乱を招くことを防止することが期待できる。従って、加熱源と入力操作部が2つ以上ある調理器でありながら、操作性を向上させた加熱調理器を提供できる。
実施の形態3.
図125は、実施の形態3の加熱調理器1において、入力操作部と各種表示部の配置を説明するための前方部分の平面図である。図126は、連携調理モードの選択から移行までの入力操作部における入力キーと調理工程等の関係を時系列で示す説明図である。実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、説明を省略する場合がある。
この実施の形態3では、実施の形態2のように、誘導加熱源9で予熱工程を行うものの、予熱時に使用する大きな直径のフライパン等の被加熱物Nが、誘導加熱源9に対応した個別操作部40L、40Rの操作の支障になることを考慮したものである。
具体的には、予熱から調理工程1、調理工程2までの開始と終了を、全て前記共用操作部40Mにおいて行えるようにした点が、実施の形態1及び2と大きく異なる。
次に図125について説明する。
トッププレート15の前方側上面に形成された入力操作部40は、左操作部40L、中央操作部40M及び右操作部40R(図示せず)の3つを含んでいる。
前記左操作部40Lは、誘導加熱源9だけの入力操作を行うものであるため「個別操作部」と呼ぶ場合がある。
前記中央操作部40Mは、マイクロ波加熱源189と、オーブン加熱源188の2つに共通して使用されることから「共用操作部」と呼ぶ場合がある。なお、この「共用操作部」は、連携調理モードを実行するための「連携操作部」40MCを兼ねている。
左操作部40Lには、合計5つのタッチ式入力キー43L1~43L4、44Lを配置してある。これら入力キー43R1~43R4、44Rは、実施の形態1で説明したように、1つ又は複数の入力機能が割り当てられており、実施の形態1と基本的な機能は同じである。
また、中央操作部40Mに配置した各種入力キー43MC、43M1、43MS、43MT等の機能も、実施の形態1と同じである。
左加熱部17HLの上に置かれた被加熱物Nは、例えば底面の直径が280mm~300mm程度の、比較的直径の大きなフライパンである。NHは、この被加熱物N(フライパン)の口縁部に、着脱自在に装着されるハンドルである。つまり、ユーザーが任意に取り外しできるハンドル(把手)である。
上記被加熱物Nは、前記加熱室113の前面開口113Aから加熱室113の中に挿入し、ドア114を閉めることができる寸法を有している。但し、その場合、ハンドルNHは取り外す必要がある。
FGは、ユーザーの指先を示すものである。
前記ハンドルNHは、図125では水平方向に伸びた形態になっているが、実際には斜め上方に傾いた形状でも良い。また、途中から垂直に立ち上がり、横から見た場合、L字形状になっているハンドルでも良い。
次に図126について説明する。
この図126は、誘導加熱源9で予熱を行い、この予熱動作のあと、そのまま調理工程1を行うものである。その後の調理工程2は、第2の加熱手段HM2で行う連携調理モードKM3(連携予熱調理モードKM4)の場合である。
図126では、主な入力キーの入力機能が有効であって、調理工程の開始や終了に関係した場合には、白抜きの長方形の枠で示している。なお、全ての入力キーを描いてはいない。
準備期間P1では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MSは、何れも入力機能は有効である。入力キー43MCを押して第1特定画面30SPを表示させた状態で、43MSを押すと、連携調理モードKM3に移行する(この準備期間P1段階から、次の予熱工程に入る)。
更に、ユーザーが左加熱部17HLを選択した場合(少なくとも入力キー44Lを1回押す)、左加熱部17HLで予熱工程(P2)が実行される。
なお、図126に示すように左操作部40Lの入力キー43L1以外の入力キー43L2と43L3を押して、予熱目標温度を設定しても良い。また、デフォルト設定で、火力や加熱時間等の制御条件が自動的に左表示部31Lに表示されるので、必ずしも入力キー43L2や43L3を操作しなくとも良い。
一方、加熱調理期間P2に入ると、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1、43MS、43MTの内、43MCと43M1の入力機能は無効になる(実際には、統合制御装置MCに入力操作信号が届いても、統合制御装置MCで無視される)。
図126では、中央操作部40Mの入力キー43MC、43M1の、入力機能が無効になったことを、破線の枠で示している。
一方、左加熱部17HLでは、予熱動作が継続する(予熱工程)。なお、左操作部40Lの入力キー44Lを再度押すと、その入力キーからのタッチ信号は統合制御装置MCに「OFF」信号として認識されるので、この段階で誘導加熱の「予熱工程」は停止し、加熱調理期間P2は終了してしまう。調理工程2まで予熱を維持するためには、入力キー44Lは押さない。
被加熱物Nは、ユーザーが設定した(目標)予熱温度又はデフォルト設定温度に到達すると、音声合成装置95が予熱完了したことを音声で報知する。また、第1特定画面30SPにおいても予熱完了の表示がされる。
そこで、ユーザーは、高温に維持された被加熱物N(フライパン)に被調理物を載せて加熱調理する(調理工程1)。
なお、この調理工程1の間、加熱室113では他の調理を行うことはできない。入力キー43MCや43M1の入力機能は無効になっているため、加熱室113が占用された状態である。
つまり、調理工程1の終了は、左操作部40Lの入力キー44Lによって停止しない。なお、この時点で入力キー43MTを2回連続して押すと、連携調理モードKM3は全て解除されてしまう。
前記共用操作部40Mにおいて入力キー43MTを押すと、左加熱部17HLによる調理工程1を、ユーザーは任意のタイミングで終了することができる。
次に、ユーザーは被加熱物NにハンドルNHを装着(ロック状態)したまま、被加熱物Nを左加熱部17HLから持ち上げ、ドア114を開けた加熱室113に移動させる。そして、最後にハンドルNHを外す。
こうして、被調理物が被加熱物Nの上に載ったまま、加熱室113に収容される。
ドア114を閉めないと、入力キー43MSを押しても、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188への駆動信号は、統合制御装置MCから発信されない。
そこで、次に入力キー43MSを押すと、加熱室113での調理工程2(加熱調理期間P5)の段階に入る。
なお、調理工程2では、実施の形態2で示したような、蒸気供給器500からの高温の蒸気を供給しても良い。
以上のようにして、加熱室113の内部にて被調理物が加熱調理される。入力キー43MTを1回押せば、ユーザーの希望するタイミングで、調理工程2を終了することができる。
なお、調理工程2の段階では、左加熱部17HLの占有は解除されているので、他の被調理物を左加熱部17HLで加熱調理することができる。
なお、調理工程2は、タイマー調理で設定した時間や、デフォルト値で定まった時間が経過した段階で自動的に終了する場合もある。自動的に終了した場合、調理工程2の終了と同時に、連携調理モードKM3は解除される(図126では、自動的に停止したものではなく、入力キー43MTを押して、任意のタイミングで連携調理モードKM3を停止した場合である。任意停止の場合、この図126のように更に1回入力キー43MTを押しても良い)。
なお、調理工程2の終了と同時に連携調理モードKM3を自動的に解除しないような制御にしても良い。調理工程2を終えた直後、例えば統合表示部30の第1特定画面30SPにおいて、一定の時間内(例えば、1分以内)にスタートスイッチ(入力キー43MS)を押した場合には、連携調理モードKM3の一部として取扱うような案内を行い、ユーザーの入力(入力キー43M1の操作)を待つような処理にしても良い。
このようにすると、調理工程2を終えたあと、ユーザーが被調理物の仕上がり状態を確認し、加熱が不足している場合、直ぐに入力キー43MSにタッチする、という方法を採用できる。この方法でもユーザーの使い勝手を向上させることができる。
なお、この実施の形態3においても、予熱工程~調理工程2の間で、異常検知部EMが異常を検知した場合には、実施の形態1(特に、図45と図46)で説明したように、加熱源や冷却ファン60、61、128、129を停止し、報知する。
実施の形態3の総括.
実施の形態1と同様に、この実施の形態3の加熱調理器1においても、以下の構成を開示していた。
すなわち、
被加熱物Nを加熱部17HL、17HRで加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部17HL、17HRと別の場所にある加熱室113で加熱調理する複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
調理情報を表示する表示手段(統合表示部30、個別表示部31L、31R)と、
前記入力操作部40からの指令を受ける統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1調理モード選択部43MCと、第2調理モード選択部43M1と、を備え、
前記第1調理モード選択部43MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記第2の加熱手段HM2の前記複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を自動で組合せて併用する複合調理モードKM2と、前記複数の加熱源の1つを単独で使用する単独調理モードKM1とを、選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記複合調理モードKM2と、前記単独調理モードKM1に属する複数の制御メニューの中から、1つの制御メニューを選択する手段を兼用している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モード(複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1)の何れにおいても、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、第3の開示の加熱調理器1でも、第1の開示の加熱調理器1と同様に、共用操作部40Mの選択部(入力キー43M1)は、第1特定画面30SPの中に、前記連携調理モードKM3が適用できる複数の被調理物(例えば「ハンバーグ」「からあげ」)に対応した複数の識別情報330が表示された状態で、当該識別情報330の中から1つのだけを選択できる機能を備えた構成であった。
このため、上記入力キー43M1を操作することによって、個々の被調理物に対応した連携調理モードKM3の調理メニューもユーザーが選択でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、この実施の形態3の加熱調理器1は、以下のような構成を開示していた。
すなわち、
本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
前記本体110の上面に載置される被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱室113において加熱調理する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)と、
情報を提供する報知部AN(統合表示部30、左側表示部31L、右側表示部31R)と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記報知部ANを制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、前記第1の加熱手段HM1に専用の個別操作部40L、40Rと、前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1のための共用操作部40Mと、を有し、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を、決められた順番で駆動する連携予熱調理モードKM4の運転プログラムを有し、
前記連携予熱調理モードKM4は、前記第1の加熱手段HM1で前記被加熱物Nを予熱する予熱工程と、前記予熱工程に続いて前記第1の加熱手段HM1で前記被加熱物Nを使用して加熱調理する調理工程1と、当該調理工程1を終えた後、この調理工程1で使用した被加熱物N(フライパン)を加熱室113に移動することで、加熱室113に被調理物を移して、当該被調理物を更に加熱する調理工程2と、を有し、
前記連携予熱調理モードKM4は、
(1)前記共用操作部40Mにおいて、前記連携予熱調理モードKM4の選択(入力キー43MCによる操作)と前記予熱工程を開始する決定(入力キー43MSによる操作)を行ない、
(2)前記調理工程1の終了は、前記共用操作部40Mで行い(入力キー43MTによる操作)、
(3)前記調理工程2の開始と終了は、前記共用操作部40M(入力キー43MSと43MTによる操作)で行う、
ことを特徴とした加熱調理器1を開示していた。
この構成によれば、1つの加熱調理器において、加熱する場所と加熱手段が異なる連携調理モードの1種である連携予熱調理モードを選択できるので、幅広い調理に対応できる利便性が高い加熱調理器となる。
しかも、前記連携予熱調理モードは、前記共用操作部40Mにおいて、当該連携予熱調理モードKM4の開始から終了までの一連の動作を決定できるので、操作ルールが単純であり、ユーザーの操作ミスや混乱を招くことを防止することが期待できる。従って、加熱源と入力操作部が2つ以上ある調理器でありながら、操作性を向上させた加熱調理器を提供できる。
更に、この実施の形態3においては、比較的直径の大きなフライパンのような被加熱物Nを使用する場合、図124に示しているように、ハンドルNHの位置が、左操作部40L又は右操作部40Rの真上や近傍を横切るような形になる場合がある。
調理工程1を開始したときから、ハンドルNHを装着したまま調理工程1を進めていると、左操作部40Lや右操作部40Rを操作して加熱動作(調理工程1)を終了する際に、指先FGがハンドルNHに接近する懸念がある。特に慌てて被加熱物Nを移動させようとした際、意図せずに指先がハンドルNHに触れる可能性がある。
そこで、この実施の形態3では、連携調理モードKM3を利用して、餃子等を大量に焼くために大径のフライパン等が使用されることにも鑑み、調理工程1を終了する操作を、共用操作部40Mにおいて行えるようにした。
このため、上記したような個別操作部40L、40RとハンドルNHとの交差があっても、共用操作部40Mを使用して、調理工程1の停止の制御指令を安全に与えることができる。つまり、実施の形態3によれば、更に安全性を高めた加熱調理器1を提供できる。
実施の形態4.
図127は、実施の形態4の加熱調理器1において、連携調理モードの選択から移行までの入力操作部における入力キーと調理工程等の関係を時系列で示す説明図である。実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、説明を省略する場合がある。
この実施の形態4では、加熱室113において予熱工程を行う点が、実施の形態1と大きく異なる。
以下、図127について説明する。
実施の形態4では、第2の加熱手段HM2で予熱を行い、この予熱動作のあと、そのまま加熱室113において調理工程1を行うものである。その後の調理工程1は、第1の加熱手段HM1で行う連携調理モードKM3(連携予熱調理モードKM4)の場合である。
図127では、主な入力キーの入力機能が有効であって、調理工程の開始や終了に関係した場合には、白抜きの長方形の枠で示している。なお、全ての入力キーを描いてはいない。
準備期間P1では、中央操作部40M(共用操作部40M)の入力キー43MC、43M1、43MSは、何れも入力機能は有効である。入力キー43MCを押して第1特定画面30SPを表示させる。第1特定画面30SPに表示された調理メニューの中から、希望する被調理物の識別情報330を選んで、入力キー43MSを押す。
すると、連携予熱調理モードKM4に移行する(この準備期間P1段階から、次の予熱工程に入る)。
統合制御装置MCでは、前記識別情報330を第1特定画面30SPに表示した時点で、予熱工程は加熱室113において、オーブン加熱源188によって行うことを指定している。そのため、ユーザーは入力キー43MSを押す前に、加熱室113で予熱動作を行うことが理解できる。
ユーザーが、共用操作部40Mを何も操作しなくとも、入力キー43MSを押す前に、ドア114が閉じてあればオーブン加熱源188に通電が開始され、加熱調理期間P2(予熱工程)が実行される。
一方、加熱調理期間P2に入ると、連携予熱調理モードKM4において調理工程2で使用する予定の左加熱部17HLの対応した左操作部(個別操作部)40Lにおいては、入力キー44L、43L1、43L2、43L3の入力機能は無効になる(実際には、統合制御装置MCに入力操作信号が届いても、統合制御装置MCで無視される)。
図127では、左操作部(個別操作部)40Lの入力キー44L、43L2、43L3の入力機能が無効になったことを、破線の枠で示している(なお、図示していないが、入力キー43L1の入力機能も無効にして良い)。
なお、この加熱調理期間P2においては、右操作部40Lの入力機能は有効に維持されているので、右加熱部17HRは、別の調理に使用できる(但し、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の設定はできない)。
加熱室113の内部雰囲気温度は、ユーザーが設定した(目標)予熱温度(例えば、200℃)又はデフォルト設定温度に到達すると、音声合成装置95が予熱完了したことを音声で報知する。また、第1特定画面30SPにおいても予熱完了の表示がされる。
そこで、ユーザーは、ドア114を開け、被調理物を加熱室113の中に終了する。その際に、次の調理工程2のことを考えて、図124で示したような被加熱物N(フライパン)に載せたまま加熱調理しても良い。被加熱物Nが仮に金属製でも、フライパンのような上面全体が開放した形態であれば、マイクロ波加熱調理も可能である。または、耐熱プラスチックや耐熱性ガラスの調理皿の上に被調理物を載せた形態でも良い。
加熱調理期間P3は、オーブン加熱源188が動作するだけではなく、マイクロ波加熱源189を駆動させて、輻射熱とマイクロ波の相乗作用で被調理物を加熱しても良い。
予熱工程1から調理工程1の間、加熱室113では他の調理を行うことはできない。入力キー43MCや43M1の入力機能は有効になっているが、予熱工程を含む連携予熱調理モードKM4を(入力キー43MTを2回押して)取り消さない限り、他の調理モードの設定はできない。
前記共用操作部40Mにおいて入力キー43MTを押すと、調理工程1をユーザーは任意のタイミングで終了することができる。
ユーザーが調理工程1を終了する参考になるように、進捗情報を統合制御装置MCが、付加情報331(実施の形態1の図60等参照)等で随時報知しても良い。また、第3の参考情報(実施の形態1の図69、図71参照)FA3等の報知を行って、調理工程1が開始された時点から所定の時間(TN3)を経過したことを報知しても良い。
入力キー43MTを押すと、調理工程1は終了し、加熱休止期間P4に入る。
加熱休止期間P4に入ると、共用操作部40Mの入力キー43MC、43M1の入力機能は復活する(制限が解除される)。
一方、個別操作部40Lでも、加熱休止期間P4に入ると、入力キー44L、43L2、43L3の入力機能は復活するので、被加熱物Nを左加熱部17HLに載せれば、何時でも誘導加熱調理を開始することができる。
次に、ユーザーは加熱休止期間P4において、ドア114を開けて被調理物を加熱室113の中から取り出す。
その際、前記したようにハンドルNHが取り外してある被加熱物N(フライパン)を使用していた場合には、ハンドルNHを装着し、被調理物を載せたままの被加熱物Nを加熱室113から取り出す。そして左加熱部17HLの上に移動させる。
こうして、被調理物は、左加熱部17HLに載せた被加熱物Nの上に載ったままとなるので、次に入力キー44Lを押すと、調理工程2(加熱調理期間P5)の段階に入る。なお、入力キー43L2、43L3を押して火力を調節しても良い。
以上のようにして、左加熱部17HLにて被調理物が加熱調理されるので、左側の個別操作部40Lにある入力キー44Lを1回押せば、調理工程2は終了する。
なお、この段階で、共用操作部40MCの入力キー43MTを押すと、連携調理モードKM3(連携予熱調理モードKM4)は、全て取り消された状態になる。
なお、調理工程2の段階では、加熱室113の占有は解除されているので、他の被調理物を加熱室113で加熱調理することができる。
なお、調理工程2は、タイマー調理で設定した時間や、デフォルト値で定まった時間が経過した段階で自動的に終了する場合もある。ユーザーが任意に終了させた場合及び自動的に終了した場合の何れでも、調理工程2の終了と同時に、連携調理モードKM3は解除される(図127では、入力キー43MTを押して、連携調理モードKM3を解除するような図になっているが、このように入力キー43MTを押しても良い)。
なお、調理工程2の終了と同時に連携調理モードKM3を自動的に解除しないような制御にしても良い。調理工程2を終えた直後、例えば統合表示部30の第1特定画面30SPにおいて、一定の時間内(例えば、10分以内)にスタートスイッチ(入力キー43L2や入力キー43L3)を押した場合には、連携調理モードKM3の一部として取扱うような案内を行い、ユーザーの調理再開入力(入力キー43L1や44Lの操作)を待つような処理にしても良い。
このようにすると、調理工程2を終えたあと、ユーザーが被調理物の仕上がり状態を確認し、加熱が不足している場合、一定時間(例えば10分間)内に入力キー43L2又は43L3にタッチする、という方法を採用できる。この方法でもユーザーの使い勝手を向上させることができる。
なお、この実施の形態4においても、予熱工程~調理工程2の間で、異常検知部EMが異常を検知した場合には、実施の形態1(特に、図45と図46)で説明したように、加熱源や冷却ファン60、61、128、129を停止し、報知する。
実施の形態4の総括.
実施の形態1と同様に、この実施の形態4の加熱調理器1においても、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
被加熱物Nを加熱部17HL、17HRで加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部17HL、17HRと別の場所にある加熱室113で加熱調理する複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
調理情報を表示する表示手段(統合表示部30、個別表示部31L、31R)と、
前記入力操作部40からの指令を受ける統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1調理モード選択部43MCと、第2調理モード選択部43M1と、を備え、
前記第1調理モード選択部43MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記第2の加熱手段HM2の前記複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を自動で組合せて併用する複合調理モードKM2と、前記複数の加熱源の1つを単独で使用する単独調理モードKM1とを、選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記複合調理モードKM2と、前記単独調理モードKM1に属する複数の制御メニューの中から、1つの制御メニューを選択する手段を兼用している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モード(複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1)の何れにおいても、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、この第4の開示の加熱調理器1でも、第1の開示の加熱調理器1と同様に、共用操作部40Mの選択部(入力キー43M1)は、第1特定画面30SPの中に、前記連携調理モードKM3が適用できる複数の被調理物(例えば「ハンバーグ」「からあげ」)に対応した複数の識別情報330が表示された状態で、当該識別情報330の中から1つのだけを選択できる機能を備えた構成であった。
このため、上記入力キー43M1を操作することによって、個々の被調理物に対応した連携調理モードKM3の調理メニューもユーザーが選択でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、この実施の形態4では、以下の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
本体110と、
前記本体110の内部に形成された加熱室113と、
前記本体110の上面に載置される被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱室113において加熱調理する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)と、
情報を提供する報知部AN(統合表示部30、左側表示部31L、右側表示部31R)と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記報知部ANを制御する統合制御装置MCと、
前記統合制御装置MCに指令を与える入力操作部40と、を備え、
前記入力操作部40は、前記第1の加熱手段HM1に専用の個別操作部40L、40Rと、前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1のための共用操作部40Mと、を有し、
前記統合制御装置MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を、決められた順番で駆動する連携予熱調理モードKM4の運転プログラムを有し、
前記連携予熱調理モードKM4は、前記第2の加熱手段HM2で前記被加熱物Nを予熱する予熱工程と、前記予熱工程に続いて前記第2の加熱手段HM2で前記被加熱物Nを使用して)加熱調理する調理工程1と、当該調理工程1を終えた後、この調理工程1で使用した被加熱物N(フライパン)を、誘導加熱源9の加熱部17HL(又は17HR)の上に移動することで、当該被調理物を更に加熱する調理工程2と、を有し、
前記連携予熱調理モードKM4は、
(1)前記共用操作部40Mにおいて、前記連携予熱調理モードKM4の選択(入力キー43MC)と前記予熱工程及び前記調理工程1を開始する決定(入力キー43MS)を行ない、
(2)前記予熱工程の終了は、前記共用操作部40M(入力キー43MT)で行い、
(3)前記調理工程1の開始と終了は、前記共用操作部40M(入力キー43MSと入力キー43MTによる)で行い、
(4)調理工程2の開始と終了は、前記個別操作部40L、40Rで行うこと(入力キー44Lによる)、
を特徴とした加熱調理器1を開示していた。
この構成によれば、1つの加熱調理器において、加熱する場所と加熱手段が異なる連携調理モードの1種である連携予熱調理モードを選択できるので、幅広い調理に対応できる利便性が高い加熱調理器となる。
しかも、前記連携予熱調理モードは、前記共用操作部40Mにおいて、当該連携予熱調理モードKM4の開始から終了までの一連の動作を決定でき、引き続いて調理工程1の開始と終了も決定できるので、操作ルールが単純であり、ユーザーの操作ミスや混乱を招くことを防止することが期待できる。従って、加熱源と入力操作部が、それぞれ2つ以上ある調理器でありながら、操作性を向上させた加熱調理器を提供できる。
実施の形態5.
図128は、実施の形態5に係るビルトイン式複合型加熱調理器の簡略平面図である。図129は、図128に示す加熱調理器の要部簡略斜視図である。図130は、図128に示す加熱調理器の各種調理モードの一覧表である。図131は、図128の加熱調理器の主要な冷却風路を示す説明図である。図132は、図128の加熱調理器における、中央(共用)操作部と統合表示部を示す拡大平面図である。図133は、図128の加熱調理器の右操作部と右側表示部の拡大平面図である。図134は、図128の加熱調理器の左操作部と左側表示部の拡大平面図である。図135は、図128の加熱調理器の主要な制御関係部分を示すブロック図である。実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して、説明を省略する場合がある。
図128に示す加熱調理器1は、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却したあとの冷却風の全部又は一部分を、そのまま加熱室113の内部を経由せずに、加熱調理器1の外部へ放出する点が、実施の形態1と大きく異なる。
また、図128に示す加熱調理器1は、誘導加熱部17Hが、左加熱部17HLと右加熱部17HRに加えて、中央加熱部17HMを備えている点が、実施の形態1と大きく異なる。なお、この中央加熱部17HMを設けたため、左加熱部17HLと右加熱部17HRの位置は、実施の形態1の場合よりも前方に少し移動している。
TS11は、接触型の温度センサーとしてのサーミスタであり、前記中央IHコイル17Mの中心部の空洞の中に配置されている。この温度センサーTS11は、実施の形態1の温度センサーTS4と同じように、トッププレート15の下面に直接接触し、又は熱伝導性のある介在物を介してトッププレート15の下面に接触している。これにより、トッププレート15の温度を計測する。そして温度計測結果を示す信号を、前記統合制御装置MCに送信するようになっている。
17MSは、金属製の鍋などの被加熱物Nを載置する望ましい位置を示すためにトッププレート15の上面に印刷等で表示している円形の位置マークである。
中央加熱部17Mを構成する中央IHコイル17Mは、後述する第2のIH制御部90M2によって駆動される(図135参照)。
中央操作部40Mには、中央加熱部17HMを選択できる選択部としての入力キー43M1(図132参照)を備えている。当該入力キー43M1を操作すると、実施の形態1の図25で説明したように、統合表示部30にて制御メニューの1つである「中央ヒータ」を選択できる。これにより、中央加熱部17HMでの加熱動作を指定できる。
30は、中央操作部40Mの後方に配置した統合表示部である。31Lは、個別操作部40Lの後方に配置された左側表示部である。31Rは、個別操作部40Rの後方に配置された右側表示部である。
統合表示部30は、実施の形態1で説明したように、3つの表示エリア30L、30M、30Rに区画されて表示される場合がある(表示画面自体が3分割されている訳ではない)。上記3つの表示エリアは、左側に位置した第1エリア30L、中央の第2エリア30M、右側に位置した第3エリア30Rであるが、図132では、第2エリア30Mと第3エリア30Rが合体し、2つの表示区域で描かれている。
前記左側表示部31Lと右側表示部31Rは、液晶表示画面等の表示画面を有している。その表示画面の有効表示面積は、前記統合表示部30の表示画面の有効表示面積と同等である。また、平面形状も同じである(横に長い長方形)。
主電源スイッチ97の押しボタン98を押した場合、最初に前記統合表示部30の表示画面30Dには、図52で説明したような待機時初期画面(共通画面30Z)が自動的に表示される。
一方、前記左側表示部31Lと右側表示部31Rにおいても、同時に同じ待機時初期画面(共通画面30Z)が自動的に表示される。この点が実施の形態1とは異なっている。
また、連携調理モードKM3において、誘導加熱源9を使用する調理工程においては、前記左側表示部31Lと右側表示部31Rにおいても、同時に同じ第1特定画面30SPと基本的に同じ情報が表示される。つまり、調理工程情報(調理工程の表示部)332(図60参照)が表示される。
更に、誘導加熱源9だけを使用する単独調理モードKM1においては、実施の形態1で説明したような第3特定画面30STが、前記左側表示部31Lと右側表示部31Rにおいても、表示される。この点も実施の形態1とは異なっている
以上のように、この実施の形態5では、前記統合表示部30と、前記左側表示部31L及び右側表示部31Rとの間の、表示情報を可能な限り同等レベルにしているので、ユーザーは、左右の表示部31L、31Rにおいて、実施の形態1よりも豊富な情報に接することができる。
次に図129において、129は、第4冷却ファン(下部冷却ファンの1つ)であり、下部ケース101の底板101Uに形成された吸気口(第2の吸気口)152B(図示せず)の真上に設置されている。
前記吸気口152Bの真上には、前記マグネトロン122の放熱部122Hを収容した
箱形形状のケースB151が設置されている。ケースB151の底面には、前記吸気口152Bよりも大きな開口150Hを形成している。
前記ケースA151は、プラスッチック材料で全体が形成されている。
この実施の形態5では、下部ユニット200内部において、下部経路が以下のように構成されている。
内部経路1:図示していないが、第2の吸気口152Fから第3冷却ファン128で吸引された外気によってインバーター回路基板121を冷却する。その他は、実施の形態1と同じである。
内部経路2:第2の吸気口152Bから第4冷却ファン129で吸引された外気によって放熱部122Hを冷却する。
放熱部122Hを収容したケースB151の左側壁面で、かつ天井部に近い位置には、連通窓309を開口している。この連通窓309は、空隙GP5(図示せず)に連通しており、最終的には加熱室113の内部に連通している。
一方、ケースB151の後壁面で、かつ天井部に近い位置には、連通窓306を開口している。この連通窓306の外側には、後方に伸びる排気ダクト307が接続されている。なお、図129に示した排気ダクト307は、終端部307側に近づくに従って高くなるように全体が傾斜しているが、水平方向に伸びる形態でも良い。
この排気ダクト307の終端部307Eは、上部ユニット100の後部にある空隙GP1の右側端部まで伸びている。そしてその排気ダクト307の排気(出口)側終端部は、上部ユニット100側の上部空間300Aの中を貫通することなく、前記空隙GP1の中を貫通するように垂直方向に伸び、上面は開口している。
図129において、320は、実施の形態1の排気口20に対応した排気口であり、加熱調理器1から冷却風RF7を排出するものである。前記排気口320は、上部ユニット100の後部右側位置に配置されており、上部ユニット100の後部左側位置に配置されている排気口20((図13参照)とは、大きく離れている。
このように構成しているので、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却した冷却風RF6は、その一部が実施の形態1のように加熱室113の中を経由して排気ダクト102に至る。
一方、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却した冷却風の一部RF7は、加熱室113や前記排気ダクト102には至らず、放熱部122Hを冷却した直後に、ダクト307によって、直接加熱調理器1の外部へ放出することができる。つまり、外部に放出される過程では、上部ユニット100の上部風路AHの中の冷却風とは混合していない。
この実施の形態5では、上部ユニット100内部において、上部風路AHが以下のように構成されている。
通気孔64から第1冷却ファン60で吸引された外気によってインバーター回路基板80を冷却する。
同時に、第1冷却ファン60の吹出口60Aから出た冷却風RF1の一部は、副冷却風RF1Aとなって左側のIHコイル17Lを冷却する(図131参照)。
通気孔64から第2冷却ファン61で吸引された外気の一部は、吹出口61Aから、直ぐ上方にある左側IHコイル17Lに向かって移動し、副冷却風RF1Aとなって左側のIHコイル17Lを冷却する(図131参照)。
以上のように、この実施の形態5の構造では、放熱部122H以降の風路を2つに分岐しており、加熱室ダクト307を経由する風路とは別に、終端部307Eまでの長さを短縮化した風路を形成している。このため、放熱部122Hを冷却した後の冷却風RF7を、短い風路を経由して放出でき、風路抵抗を小さくできる。
前記中央加熱部17HMのためのインバーター回路81を実装した(第2の)インバーター回路基板80Mが、インバーター回路基板80よりも後方位置に水平に設置されており、前記第1冷却ファン60の吹出口60Aから出た冷却風RF1の一部で、冷却される構成になっている。
実施の形態1との相違点は以上の通りである。このような変更にあたり、第3冷却ファン128と、第4冷却ファン129の送風能力を変更しても良い。具体的には、風路抵抗の大きさを考慮して、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却する第4冷却ファン129の送風能力を(第3冷却ファン128に比較して)小さなものに設定して、第4冷却ファン129の省電力化や、安価な冷却ファンへの切り替えができるようにしても良い。
次に図130について説明する。
この実施の形態5の加熱調理器1は、3つの調理モードを選択できる。
第1調理モードは、連携調理モードKM3である。この第1調理モードは、前記第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と前記第2の加熱手段HM2とを、規定の順序で駆動させる運転方法である。
第2調理モードは、複合調理モードKM2である。複合調理モードKM2は、前記第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188)の、複数の前記加熱源を自動で組合せて併用するものである。
第3調理モードは、誘導加熱源9を利用した単独調理モードKM1である。
図130に示した一覧表の中では、第2調理モードを選択した後で、中央加熱部17HMを使用する単独調理モードKM1を選択することができるように記載してある。また、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の一方だけを使用する単独調理モードKM1も選択することができる。これらについては、後で詳しく説明する。
図130に示しているように、第1調理モード(連携調理モードKM3)を選択する選択手段(選択部)は、入力キー43MCである。
第2調理モード(複合調理モードKM2)を選択する選択手段(選択部)は、入力キー43M1である。
個別操作部40L、40Rにおいて、前記第3調理モード(単独調理モードKM1)を選択する選択手段(選択部)は、入力キー43R1、43L1である。
前記入力キー43MCは、「第1調理モード選択部」43MCと呼ぶ場合がある。
前記入力キー43M1は、「第2調理モード選択部」43M1と呼ぶ場合がある。
前記第2調理モード選択部43M1は、前記複合調理モードKM2と、前記単独調理モードKM1に属する複数の制御メニューの中から、1つだけを選択する手段を兼用している。
図130から明らかなように、入力キー43MCを押さずに、入力キー43M1を押した場合、複合調理モードKM2に所属する各種制御メニュー(例えば、「レンジグリル調理」)(図34参照)が第2特定画面30SCに表示される。
更に、前記制御メニュー(例えば、「レンジグリル調理」)が第2特定画面30SCの所定の位置(第1エリア30Lの前後方向中央部)に表示された状態で、再度入力キー43M1を押すと、次の制御メニューが第2特定画面30SCの所定の位置(第1エリア30Lの前後方向中央部)に表示される。
更に、前記制御メニュー(例えば、「レンジグリル調理」)が第2特定画面30SCの所定の位置(第1エリア30Lの前後方向中央部)に表示された状態で、再度入力キー43M1を押すと、次の制御メニュー(「レンジグリル再加熱」)が第2特定画面30SCの所定の位置(第1エリア30Lの前後方向中央部)に表示される。
このようにして、入力キー43M1を押す回数に応じて、1つずつ制御メニューの表示を更新することができるから、特定の制御メニューを1つだけ選択することができる。
つまり、図130に示すように、誘導加熱源9(中央加熱部17HM)を使用した単独調理モードKM1も選択することができる。
更に、続けて入力キー43M1を押すと、第2特定画面30SCには、マイクロ波加熱源189とオーブン加熱源188の一方だけを使用する単独調理モードKM1の制御メニューも表示される。
実施の形態1で説明(図34参照)したように、「グリル」、「オーブン」という順序で単独調理モードKM1の制御メニューが順次表示される。更に入力キー43M1を押すと、「中央ヒータ」という誘導加熱の制御メニューが表示される。
一方、右操作部40Rや左操作部40Lを使用して第3調理モード(単独調理モードKM1)を選択する選択手段(選択部)は、入力キー43R1、43L1である。
次に図131において、RF2Aは、第2冷却ファン61から吹き出された冷却風RF2の一部分である。この冷却風RF2Aは、入力操作部40の真下の空間を、左から右方向に向かって流れ、入力操作部40や左右の表示部31L、31及び統合表示部30等を順次冷却する。
上部空間300Aには、中央加熱部17HMのための専用のインバーター回路81M(図135参照)を有しているが、そのインバーター回路81Mを実装したインバーター回路基板80Mは、前記第1冷却ファン60の冷却風RF1(図131参照)によって冷却される。
図132は、実施の形態1の図59に対応した図である。
図132は、第2調理モードKM2として入力キー43M1で選択された1つの制御メニューである「中央IH」を、統合表示部30の第1エリア30Lの所定位置(前後の中央位置)に表示させている第2特定画面30SCの状態と、中央操作部(共用操作部)40Mとの動作を説明した平面模式図である。この「中央IH」という1つの制御メニューは、例外的に加熱部(中央加熱部17HM)を指定したものである。
図132に示しているように、主電源スイッチ97を投入した段階では、表示部駆動回路63によって個々の個別発光部27M1~27M4は、統一された発光色で発光する。
その後、さらには、複合調理モードKM2の選択用入力キー43M1を操作すると、第1エリア30Lには、「中央IH」という中央加熱部17HMを示す特定文30Jが表示される。つまり、「オーブン」や「あたため」等の制御メニューを示す特定文30Jではなく、前記したように加熱部(中央加熱部17HM)を特定する名称を表示したものとなる。
この表示段階では、第1エリア30Lと第2エリア30Mに対応している合計4つの入力キー43M1~43M2は、何れも入力を受け付けることができる。そのため、それら4つの入力キー43M1~43M2に対応する2つの個別発光部27M3、27M4は、発光を継続する。
一方、加熱動作の開始を指令する入力キー43MSと対応している個別発光部27M6は、連続発光から、図132において点線の円で示しているように、点滅に変化する。そして、入力キー43MSの存在を光で強調する。
ユーザーが、図132に示す状態で、前記入力キー43MSにタッチすれば、第2調理モードに移行する。そして誘導加熱源9(中央加熱部17HM)による単独加熱動作が開始される。
このように、この実施の形態5では、入力キー43M1と入力キー43MSの、それぞれの入力機能が有効である場合に第1の発光形態(連続発光)で個々の発光部27M1~27M6を発光させる発光手段(表示部駆動回路63)を備えている。
前記統合制御装置MCは、前記参考情報30Pを表示させた場合、前記スタート選択部(入力キー43MS)に対応している発光部27M6だけを、第2の発光形態(点滅)で発光させる構成である。
上記構成であるため、(第2調理モードで)加熱動作開始の指令を待っている状態が、前記発光部27M6の点滅によってユーザーは容易に識別できる。なお、発光部27M6は、誘導加熱の動作を停止させることができるタッチ式入力キー43MTにも対応しているので、加熱動作が始まった後でも、発光部27M6が発光している場合には、入力キー43MTも入力機能は有効であり、タッチ操作すれば、誘導加熱停止の指令を発信できる。
なお、主電源スイッチ97を投入した段階では、表示部駆動回路63によって、スタート選択部となる入力キー43MSに対応した発光部27M6だけを、最初から点滅させるようにしても良い。また、その他の発光部27M1~27M4は、連続発光をさせ、スタート選択部の入力キー43MSとは異なる形態で発光させても良い。
この図132から明らかなように、この実施の形態5では、中央操作部40Mを使用し、特定の加熱部(中央加熱部17HM)を指定した単独調理モードKM1の制御メニュー(例えば、「中央IH」)を、統合表示部30(第2特定画面30SC)を利用して選択し、加熱調理を実行することができる。
すなわち、この実施の形態5では、
前記統合表示部30において、連携調理モードKM3の第1特定画面30SPと、複合調理モードKM2の第2特定画面30SCが、前記待機時初期画面(共通画面30Z)とそれぞれ切り替えて表示される構成である。
ここでいう第2特定画面30SCは、複合調理モードKM2の各種制御メニューを表示するが、これに加えて、誘導加熱源9の中央加熱部17HMを指定した単独調理モードKM1の制御メニュー(「中央IH」)を表示することができる。
図132において、43Pは、操作面が左右で1対になっている入力キー43M1の近傍に印刷等で表示した表示部である。この表示部43Pは、左側の入力キー43M1が、各種制御メニューを選択する機能があることを文字で表示しているものである。
43Hは、操作面が左右で1対になっている入力キー43M1の、前方近傍に印刷等で表示した表示部である。この表示部43Hは、右側の入力キー43M1が、前記中央加熱部17HMの(単独調理モードの)制御メニューを選択する機能があることを文字で表示している。
左側の入力キー43M1を押せば、実施の形態1の図34で説明したように、「あたため」、「レンジ手動」等を経て、「グリル」、「オーブン」、「中央ヒータ(中央IH)」という順序で、制御メニューと、中央加熱部17HMと、を第2特定画面30SCに順次表示できる(図132参照)。
一方、「中央IH」という文字による表示部43Hが近接した位置に表示された入力キー43M1を押せば、上記のような制御メニューの表示順序に関係なく、直ぐに「中央ヒータ(中央IH)」を、第2特定画面30SCに表示できる。
このため、中央加熱部17HMを使用した誘導加熱調理をユーザーが希望した場合、その加熱源(中央加熱部17HM)の選択操作を、少ない操作ステップで実現できる。
従って、この図132の構成によれば、実施の形態1に比較して、更に簡単に目的の加熱部(中央IH)を選択でき、操作性が向上する。
なお、中央IHでは、左右の加熱部17HL、17HRのような制御メニュー(例えば「湯沸かし」)を実施できるようにしても良いし、特定の食材を対象にした調理メニュー(例えば、炊飯)を実施できるようにしても良い。この中央加熱部17HMは、左右の加熱部17HL、17HRの加熱能力(最大火力3200W)よりも小さい火力しか使用できないようになっているが、例えば火力1(150W)~火力5(1000W)まで5段階の火力を選択できる。そのため、例えば、「炊飯」という調理メニューを選択すれば、最大火力1000Wまでの範囲で炊飯工程を自動的に実行することができる。
以上の説明から明らかなように、実施の形態5においては、前記第2特定画面30SCの中に、誘導加熱源9とオーブン加熱源188とマイクロ波加熱源189の3つの加熱源それぞれを、単独で使用する制御メニューを、図132に示すように順次表示させ、その中から1つだけを選択できる選択部43M1を備えた構成である。この点が、実施の形態1と大きく異なる点である。
また、制御メニューを順次表示させずに、一回で表示させることができる入力キー43M1が、前記表示部43Hの後方に配置されている構成である。
この構成によって、1つの入力キー43M1を使用することによって、第2調理モードに属する複合調理モードKM2の制御メニュー(例えば「レンジグリル自動」)と、前記中央加熱部17HMを使用した、単独調理モードKM1に属するIH制御メニューと、の何れか一方を選択して、簡単な操作で、加熱調理を実行できる。
図133は、実施の形態1の図22に対応した図である。図134は、実施の形態1の図23に対応した図である。
図133と図134から分かるように、入力キー43L1、43R1、44L、44Rの位置が実施の形態1とは異なっているが、各入力キーの入力機能は実施の形態1と同じである。
次に図135について説明する。図135は、実施の形態1の図30に対応した図である。図135において、17Mは、中央加熱部17HMに配置されたIHコイル(誘導加熱コイル)である。81Mは、中央加熱部17HMのIHコイル17Mに高周波電力を供給する(中央)インバーター回路である。
実施の形態1のIH制御部90は、この実施の形態5では、第1のIH制御部90M1と、第2のIH制御部90M2から構成されている。これら第1、第2のIH制御部90M1、90M2は、マイクロコンピューターを主体に構成されている。
前記中央加熱部17HM用のインバーター回路81Mは、前記第2のIH制御部90M2によって制御される。
なお、図示していないが、前記インバーター回路81Mは、インバーター回路基板80とは別の第2のインバーター回路基板80Mに実装されている。更にその第2のインバーター回路基板80Mのスイッチング手段(IGBT等)は、実施の形態1で説明したヒートシンク82(図26参照)とは別のヒートシンク(図示せず)に装着されている。
そして、上部冷却ファン60、61の内、後方に位置している第2冷却ファン61の冷却風の一部を分岐させて、冷却風RF1とし、この冷却風RF1によって前記第2のインバーター回路基板80Mのスイッチング手段(IGBT等)は冷却される構成になっている。
実施の形態5の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第7の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
被加熱物Nを加熱部17HL、17HRで加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部17HL、17HRと別の場所にある加熱室113で加熱調理する複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
調理情報を表示する表示手段(統合表示部30、個別表示部31L、31R)と、
前記入力操作部40からの指令を受ける統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1調理モード選択部43MCと、第2調理モード選択部43M1と、を備え、
前記第1調理モード選択部43MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記第2の加熱手段HM2の前記複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を自動で組合せて併用する複合調理モードKM2と、前記複数の加熱源の1つを単独で使用する単独調理モードKM1と、前記第1の加熱手段HM1の加熱部17HMを使用する単独調理モードKM1と、を選択するものであり、
前記第2調理モード選択部43M1は、前記複合調理モードKM2に属する複数の制御メニューと、前記単独調理モードKM1に属する複数の制御メニュー及び前記加熱部17HMを使用する制御メニューの中から、1つ(の制御メニュー)を選択する手段を兼用している、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モード(複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1)の何れにおいても、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)と、1つの加熱源(誘導加熱源9)の特定の加熱部(中央加熱部17HM)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その中の1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、1つの入力キー43M1によって、各制御メニューを表示させることができる。
これにより、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、実施の形態5で開示した加熱調理器1は、
第1の加熱手段HM1として誘導加熱源9を有し、
複合調理モードKM2と前記単独調理モードKM1の前記制御メニューには、前記誘導加熱源9の3つの加熱部17HL、17HR、17HMを、単独で駆動するIH制御メニューを、更に含んでおり、
第2調理モード選択部(入力キー)43M1は、中央の加熱部17HMを使用した前記IH制御メニューを選択することが可能である、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、実施の形態1の加熱調理器1に比較して、更に利便性が向上する。
すなわち、中央加熱部17HMを使用する単独調理モードKM1も、前記第2調理モード選択部(入力キー)43M1で選択することができるから、入力キー43M1で選択できる範囲が拡大する。しかも、入力キー43M1を増設することではないので、共用操作部40Mの面積を拡大することなく、ユーザーの操作性を損なうこともない。
更に、図132で説明したように、入力キー43M1の、右側の入力キー43M1には、前記中央加熱部17HMの(単独調理モードの)制御メニューを選択する機能があることを、文字で表示した表示部43Hを設けているので、ユーザーが中央IH(中央加熱部17HM)を選択する際に、当該入力キー43M1を迷わずに直感的に操作でき得る。
更に、この実施の形態5で開示した加熱調理器1は、
前記した3つの加熱部17HL、17HR、17HMは、複数個所(トッププレート15の右側中央部、中央部、左側中央部)にそれぞれ配置され、前記統合制御装置MCによって互いに独立して制御され、
前記加熱部17HL、17HR、17HMの、それぞれが実行する前記IH制御メニューには、特定の種類の被調理物(例えば、炊飯のための「米」や「揚げ物」)に対応した加熱制御パターン(保温、揚げ物、予熱等)が規定されている。
このため、実施の形態1の加熱調理器1に比較して、更に誘導加熱調理できる場所が拡大しており、利便性が更に向上する。
更に、実施の形態5で開示した加熱調理器1は、
制御メニューには、前記誘導加熱源9の中央加熱部17HMを単独で使用するIH制御メニューを含み、
前記入力キー43M1を操作すると、前記オーブン加熱源188と前記マイクロ波加熱源189の前記制御メニューを示す情報と、中央加熱部17HMを使用した前記IH制御メニューを示す情報とが、連続して前記第2特定画面30SCの中に、1つ又は複数個ずつ表示される、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、実施の形態1の加熱調理器1に比較して、更に誘導加熱調理できる場所が拡大しており、ユーザーの利便性が更に向上する。
更に、実施の形態5で開示した加熱調理器1では、
前記選択部(入力キー43M1)は、前記第1特定画面30SPの中に、前記連携調理モードKM3が適用できる複数の被調理物(例えば「ハンバーグ」「からあげ」)に対応した複数の識別情報330が表示された状態で、当該識別情報330の中から1つだけを選択できる機能を備えていた。
このため、上記入力キー43M1を操作することによって、個々の被調理物に対応した連携調理モードKM3の調理メニューもユーザーが選択でき、操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、この実施の形態5では、以下の通り第8の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
被加熱物Nを複数の加熱部17HL、17HM、17HMで、それぞれ加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部と別の場所にある加熱室113で加熱調理する複数の加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部40と、
調理情報を表示する表示手段(統合表示部30、個別表示部31L、31R)と、
前記入力操作部40からの指令を受ける統合制御装置MCと、を備え、
前記入力操作部40は、第1モード選択部43MCと、第2モード選択部43M1と、を備え、
前記第1モード選択部43MCは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2モード選択部43M1は、
(1)前記第2の加熱手段HM2の複数の前記加熱源(マイクロ波加熱源189、オーブン加熱源188)を自動で組合せて併用する複合調理モードKM2に属する複数の制御メニューと、
(2)複数の前記加熱源の1つを使用する単独調理モードKM1に属する複数の制御メニューと、
(3)前記加熱部17HL、17HM、17HMの中の、特定の加熱部(中央加熱部17HM)を使用するIH制御メニュー、
ことを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
このため、2つの調理モード(複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1)の何れにおいても、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作することによって、2種類の加熱源(前記オーブン加熱源188及び前記マイクロ波加熱源189)と、1つの加熱源(誘導加熱源9)の特定の加熱部(中央加熱部17HM)に対応した制御メニューをユーザーが確認し、その中の1つを選択する作業が容易となり、また、加熱源の数の増加に応じて入力キーの数を増やす必要もなく、1つの入力キー43M1によって、各制御メニューを表示させることができる。
これにより、入力操作部40の設置スペースが制約されている中で、ユーザーの操作性を向上させた利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
更に、実施の形態5においては、第8の開示の加熱調理器1において、前記誘導加熱源9のIH制御メニューが表示される場合、運転される前記加熱部(中央加熱部17HM)を特定する情報(中央IH)が同時に表示される、
構成であった。
このため、共用操作部40Mの入力キー43M1を操作する際に、中央加熱部17HMの制御メニューを容易に判別して、入力操作を完了することができ、ユーザーの操作性を向上させることが期待できる。
その他の実施の形態.
実施の形態1では、(第1の)連携調理モード(図61参照)で最初に使用される誘導加熱源9について、入力操作部40から連携調理モードKM3以外の動作を禁止又は制限されるのは左加熱部17HLと右加熱部17HRであったが、更に別の誘導加熱部を対象に加えても良い。
更に、第2の連携調理モード(図61参照)では、マイクロ波加熱源189又はオーブン加熱源188、あるいはこれら両者が同時に駆動されて調理工程を開始するので、この場合には、マイクロ波加熱源189又はオーブン加熱源188、あるいはこれら両者を、連携調理モードKM3以外の調理モードによって動作させることを禁止又は制限しても良い。第1の連携調理モードでも第2の連携調理モードでも、調理工程で必要となる加熱源を優先して確保することにより、連携調理モードで複数の加熱手段を利用した幅広い調理を行うことができる。
実施の形態1の説明では、前記統合制御装置MCは、前記複合調理モードKM2又は前記連携調理モードKM3の選択用入力を受け付けた場合、当該複合調理モードKM2又は前記連携調理モードKM3に対応した表示動作として、連携調理モードKM3専用の第1表示画面30SPを表示するか、又は前記複合調理モードKM2用の第2表示画面30SCを、統合表示部30や左側表示部31L等に表示する構成であった。
このような画面全体の切り替えという態様に代えて、第1表示画面30SPと第2表示画面30SCの基本的構成を統一し、複合調理モードKM2と前記連携調理モードKM3の識別を明確に行うデザインにしても良い。
例えば、第1表示画面30SPでは、連携調理モードKM3を表示していることを文字で明確に表示する一方、第2表示画面30SCでは、複合調理モードKM2を表示していることを、文字で明確に表示すれば良い。これにより、2つの表示画面の識別は、更に容易となる。
更には、実施の形態1で説明した発光表示部27Lのような発光表示部を、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の表示部に、それぞれ設け、何れか一方が発光している場合には、その発光している側の調理モードであることが分かるようにすれば良い。
以上のように、統合制御装置MCが、前記複合調理モードKM2又は前記連携調理モードKM3の選択用入力を受け付けた場合、当該複合調理モード又は前記連携調理モードに対応した表示動作を行う場合、このような調理モード表示部(発光部)を設ける構成でも良い。
連携調理モードは、調理工程1と調理工程2の2つで構成されることに限定されない。例えば、調理工程1を誘導加熱源9の左加熱部17HLで行い、調理工程2をマイクロ波加熱源189で行った被調理物を、最後にトッププレート15の上に戻し、加熱不足を補う目的、調節や調味料や他の調理液の添加等を行う目的等ための調理工程3を設ける。この調理工程3を誘導加熱源9で行う。なお、この場合、調理工程1と調理工程3においては、同じ加熱部17HL、17HRに統一する必要はない。
1つの例としては、右加熱部17HRの上で、直接目視で確認しながら最終的な調理の仕上げまでを行う。言い換えると、調理工程2で略完成した被調理物を右加熱部17HRの上に移して、弱い加熱を長時間行い、肉や野菜等の具材や煮汁等の熟成度を上げるケースである。
以上の説明では、連携調理モードは、1つの調理メニュー(例えば、ハンバーグ)を特定すると、使用する加熱源とその順番が自動的に決定されるものであったが、ユーザーの意思を優先する形態に変更しても良い。
例えば、連携調理モードの1つである「被調理物X」と「被調理物Y」については、比較的ユーザーが使用する頻度があり、それら2つは、共に調理工程1は右加熱部17HRで行うものであるので、ユーザーは右加熱部17HRでの調理に慣れている場合を想定する。
この後、連携調理モードの1つである「被調理物Z」をユーザーが選択した場合、左加熱部17HLが指定されると、ユーザーが普段使い慣れていないことから、操作に戸惑うことも想定される。
そこで、統合制御装置MCによる許可条件の判定結果から、右加熱部17HRでも左加熱部17HLの何れでも問題ない場合、最初に連携調理モードを選択する際に、第1特定画面30SPでは、ユーザーが使い慣れている右加熱部17HRを優先的に表示しても良い。つまり、例えば、加熱部を選択する際に、常に「右加熱部」を表示し、この後に、ユーザーが左加熱部17HRを指定する入力を行うことでも良い。
一方、被調理物を加熱調理するための火力値や、誘導加熱の通電制御パターン等の制約から、ユーザーの希望する加熱部では、加熱が適正にできない場合には、統合制御装置MC側の動作プログラムで指定(デフォルト設定)の加熱部しか調理を実行できないようにすると、ユーザーの誤使用や誤解を招くことがない。例えば、左右の加熱部17HL、17HRに加えて、中央加熱部17HMのような比較的火力の弱い加熱部を設けた場合、そのユーザーが選択した場合、加熱調理器1側で、ユーザーに報知し、是正する(鍋等の被加熱物を、別の加熱部へ移動させること)案内を行うと良い。
実施の形態1では、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却したあと、加熱室113の内部を経由する内部経路と、インバーター回路基板121を冷却したあと加熱室113の外部を通る外部経路と、の2つがあったが、この経路を入れ替えて、以下のように変更しても良い。
(1)内部経路:第2の吸気口152Fから第3冷却ファン128で吸引された外気によってインバーター回路基板121を冷却し、その冷却風を加熱室113に導入し、排気ダクト102に至る経路。
(2)外部経路:第2の吸気口152Bから第4冷却ファン129で吸引された外気によって、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却し、その冷却風を加熱室113の外側に案内し、最終的に排気ダクト102に至る経路。
一般的に、マグネトロン122の放熱部122Hは、複数の放熱板(放熱フィン)が積層されて、その放熱板相互の狭い空間を冷却風が通過して熱交換(放熱)する構造になっているため、冷却風の圧力損失が大きい。言い換えると風路抵抗が大きい。
そのため、マグネトロン122の放熱部122Hを経由する冷却風を、加熱室113の中に入れずに(風路の長さも短くして)排気することで、内部経路と外部経路のバランスを取るという改善である。これは、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129が同等の性能である場合に有効である。つまり、実施の形態1で説明したように、第3冷却ファン128と第4冷却ファン129を、全く同じ構造、同じ形状、同じ定格仕様で揃えて、製造時の調達コストを安価に実現するために有望な1つの案である。
また、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却したあと、加熱室113の内部を経由する冷却風RF6のための内部経路を廃止し、インバーター回路基板121を冷却したあとの冷却風RF7を、そのまま全量、ダクト307を介して加熱調理器1の外部へ放出し、下部ユニット200内部の冷却風路を簡略化しても良い。風路抵抗を減らすことで、第4の冷却ファン129の定格送風能力を、より低レベルのものに変更できる。これによってコスト的にも有利になる等の利点がある。
実施の形態1~5で示したような上部ユニット100と下部ユニット200の双方を同時に必要でないユーザーの場合には、上部ユニット100と下部ユニット200の販売や厨房家具2への設置作業は別個になる。そして、下部ユニット200は例えばオプション品で設定される。このような場合には、例えば、上部ユニット100と下部ユニット200のセット販売の梱包形態と、上部ユニット100だけの販売に備えた梱包形態を別に設定しておけば、販売時の利便性を損なうことがない。
本開示の加熱調理器1は、実施形態1~5で示したように、上部ユニット100と下部ユニット200を、別々の筐体で構成することは必須ではない。そのため、上部ユニット100と下部ユニット200を最初から1つの筐体(本体ケースHC)で構成しても良い。
実施形態1~5では、上部ケース16と、下部ケース(下筐体)101が、金属製薄板で形成されていた。しかし、上部ケース16や下部ケース101の何れか一方、又は双方をプラスチック材料で形成しても良い。例えば、熱可塑性のプラスチック材料で形成しても良い。1つの材料例として、PET又はPA、PP又はABSなどである。「PET」とは、ポリエチレンテレフタレートのことをいう。また「PA」はポリアミド、「PP」は、ポリプロピレンのことを意味する。耐熱温度や構造物としての耐久性等を考慮して決めれば良い。また、上部ケース16と、下部ケース(下筐体)101の、一部分だけをプラスチックで形成し、残りの部分を金属製板材で形成しても良い。
誘導加熱回路は、IHコイル17L、17Rの形態や数等に応じて、ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路等、色々な駆動方式を採用しても良い。例えば、フルブリッジ回路では、日本特許第6130411号特許公報や、日本特許第617h23号公報で提案されている。
また、IHコイルについては、ドーナッツ状の形態だけではなく、例えば日本特許第5538546号公報に示されているように、円環状の主加熱コイルと、この主加熱コイルの両側に近接して配置され、主加熱コイルの半径より小さな横幅寸法を有する扁平形状の第1副加熱コイル及び第2副加熱コイルと、を備えた誘導加熱部でも良い。
更に、実施の形態1では、誘導加熱を開始する際に、火力を設定しなくともデフォルト条件(火力値や火力レベル)で誘導加熱動作に入り、その後に希望する火力をユーザーが決めるという加熱開始操作方法を採用していた。しかしながら、この方法以外でも良い。例えば、主電源投入後に必ず、目的の誘導加熱源と、火力値(ワット)や火力レベル(火力「大」~「小」のような段階の1つ)とを決めて、その後で所定の入力キー等によってスタート指令を行う操作方法を採用しても良く、そのような方法でも本開示の効果と、本質的な効果には影響がない。
実施の形態1では、図32に示したように、マイクロ波加熱時の下部風路は、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却した冷却風の風路(内部経路)と、インバーター回路基板121を冷却した冷却風の風路(外部経路)との、2つあり、この2つの風路は、最後に1つの排気ダクト102の中に集合してから、共通の排気口20を経由して、加熱調理器1の外部へ放出されていた。
しかしながら、必ずしもそのように1つ(共通)の排気ダクトを経由する必要もなく、また1つの排気口20に排気流を集める必要もない。例えば排気口20と別の第2の排気口を別の位置(排気カバー19の真下の位置)に設けて、その第2の排気口から、内部経路又は外部経路の何れか一方の冷却風を排気するようにしても良い。特に仕切り板52によって上部ユニット100の後部を前後に仕切っている形態(実施の形態1)では、その仕切り板52の背後側に形成された空隙GP1の中に排気口を臨ませると良い。
実施の形態1では、主電源スイッチ97の操作キー98は、前記本体ケースHCの上面に露出している入力操作部40(操作キー98を含む)に配置し、本体ケースHCの上方方向から操作する形態であった。なお、前記操作キー98は、操作ボタンと呼ばれる場合があるが、基本的に同じ構造物である。
しかしながら、本開示の加熱調理器1は、このような入力操作部40の形態には何ら限定されない。例えば、入力操作部40は、本体ケースHCの上方から見て常時露出している必要はなく、使用しない場合は、本体ケースHCの内部へ格納する形態でも良い。格納する形態には、引き出しのように水平方向に移動するものと、1つの支点を中心に回動する方式が従前から知られている。
回動して格納する方式は、カンガルーポケット機構の操作部と呼ばれており、例えば、特開2004-28569号公報、特開2004-3845号公報、特開平3-2h26号公報等にて提案されている。また、主電源スイッチ97は、特開2004-3845号に示されたような、シーソー式のスイッチを用いても良い。
このような回動して格納される入力操作部40であっても、使用時には、本体ケースHCの上方(方向)から操作できる。つまり、ユーザーが加熱調理器1の主電源を、その加熱調理器1の前方近傍に立ったまま行えるので、本開示の加熱調理器1を実現する上で、何ら支障はない。また、ユーザーに無理な姿勢を強いることもなく、操作性が良い。
このような回動して格納される入力操作部40は、例えば実施の形態1で説明した右側の前カバー112に設けると良い。
また、トッププレートの上に露出させた(臨ませた)加熱部(ガスバーナ等)と、加熱室(グリル庫)の加熱部とを備え、それぞれの操作部を回動して格納するカンガルーポケット機構の操作部を採用した加熱調理器も、例えば、特開2017-172941号公報で提案されている。
実施の形態1~5では、マイクロ波発生源122としてマグネトロンを使用した例で説明したが、他の手段でマイクロ波を発生させても良い。例えば、半導体発振器を用いた加熱調理器としては、特表2019-509587や特開昭51-9562号公報等で提案されている。
特表2019-509587号公報では、マイクロ波発生器は、第1の電力レベルで高周波信号を生成するように構成された小信号発生器(1つ又は複数個)と、この小信号発生器からの高周波信号を増幅する固体高周波信号増幅器(固体増幅器。1つ又は複数個)と、を含んでいる。そして、その固体増幅器は、第1低電力レベルを有する第1高周波信号を、第2高電力レベルを有する第2高周波信号に増幅して、被調理物(食品)を収容した加熱室内へ供給していた。
本開示の加熱調理器1を実現する際には、このような半導体素子で構成されたマイクロ波発生源を使用しても良い。
実施の形態1においては、下部(第3、第4)冷却ファン128、129の運転は、前記上部ユニット100の誘導加熱源9による加熱動作と独立して行われる旨説明した。つまり、誘導加熱源9を使用する場合、その冷却用の上部(第1)冷却ファン60の運転の際に、下部(第3、第4)冷却ファン128、129の運転はされないことを説明したが、(第1)冷却ファン60と、下部(第3、第4)冷却ファン128、129が同時に運転されることが全く無いという意味ではない。
例えば、実施の形態1の図38で説明したように、使用する加熱源の選択の前の、起動時の異常有無チェックの段階(図38のステップST2参照)で、全ての冷却ファンを短時間だけ試運転し、回路上に異常電流や電圧等が発生しないかどうかを統合制御装置MCがチェックする方法を採用しても良く、その場合には、一定の短い時間帯は、各冷却ファン60、61、128、129が一斉に起動される場合も有り得るし、順次1つずつ短時間起動する場合も有り得る。このようにしても、本開示の本質的効果を何ら損なうことはない。
実施の形態1では、右加熱部17HRと左加熱部17HLの何れか一方を、ユーザーが選択する必要があった(図75。ステップSTR5)。つまり、最初に入力キー43M2によって右加熱部17HRと左加熱部17HLの何れか一方を選択していた。
しかしながら、本開示の加熱調理器1ではこのような加熱部の選択ステップを必ずしも必要としない。
例えば、日本特許第6230712号公報や、日本特許公開2014-44852号公報には、
被加熱物を載置するトッププレートの下方に、互いに隣接するように規則正しく配置された複数個の加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバーター回路と、前記加熱コイルの直上に被加熱物が載置されているかどうかを判定する被加熱物載置判定部と、前記本体の上面に設けた入力操作部と、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記被加熱物載置判定部が、前記加熱コイルの上に被加熱物が載置されている状況と判定した結果に基づいて、前記表示画面の表示エリア内に被加熱物に対応した数のアイコンを表示させ、
前記制御装置は、第1の被加熱物に対応した第1のアイコンに使用者がタッチしたことを検知することで、当該第1の被加熱物の加熱調理条件の入力が行えるように動作する誘導加熱調理器を開示している。
また、日本特許第5202064号公報には、
鍋などの被加熱物を載置するトッププレートと、このトッププレートの下方に分散配置された複数の誘導加熱コイルと、前記被加熱物を検出するセンサーと、前記天板近傍の所定の領域に連続して配置された帯状の操作表示手段と、制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記センサーの出力に基づいて前記被加熱物の前記トッププレート上の占用領域を特定し、さらに特定した前記占用領域とその周辺の領域に対応する前記誘導加熱コイルを駆動して前記被加熱物の領域を特定し、特定した前記占用領域の中心位置と大きさを推定し、推定結果に基づいて前記操作表示手段の特定領域に前記操作手段を表示して前記操作手段を有効にして外部操作によりアクセス可能にする誘導加熱調理器が開示されている。
つまり、トッププレートの特定の位置に鍋等の被加熱物を置いて調理するのではなく、トッププレート上の広い範囲に、比較的自由に被加熱物を置き、その被加熱部の位置を制御装置側で検知して調理開始できるという技術が提案されている。
本開示の加熱調理器1においても、上記のような技術を適用することができる。つまり、実施の形態1で説明したように第1特定画面30SPに、統合制御装置MC側で駆動を許可することを示す右加熱部選択マーク334Rや左加熱部選択マーク334Lを表示させる必要はなくなる。
また、最初に入力キー43M2によって右加熱部17HRと左加熱部17HLの何れか一方を選択するという操作も不要となり、更に使い勝手を向上させることもできる。
また、実施の形態1~5の加熱調理器1では、多機能化のために入力操作部40には多数の入力キー43MC、43M1~43M3、43R1~43R4、43L1~43L4等が設けてある。そこで、操作に慣れていないユーザーには目的の操作を簡単に行えないという懸念がある。
そこで、最初から全ての機能を使いたくないユーザーには、特定のスイッチを操作すると、入力キー自体の表示を消し、また当該入力キーの入力機能を無効化して、入力操作部40の数が減ったような視覚的効果を期待する形態にしても良い。なお、このようなユーザーの希望に応じて使用できる機能を限定する加熱調理器は、日本特許公開2009-243771号公報により既に提案されている。
また、連携調理モードと複合調理モードの何れか一方を、ユーザーの操作によって使用できないように設定しても良い。その場合は、実施の形態1で説明した入力キー43KPによる設定でも良いし、ユーザーがタッチするだけで機能限定と拡張ができる入力キー又は押し釦スイッチ等を設けると良い。
実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。また手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
実施の形態1~4では、誘導加熱部17Hが、左加熱部17HLと右加熱部17HRの2つあり、インバーター回路81L、81Rも、それら2つの加熱部に対応して1つずつ配置していた構成であったが、これを以下のような形態に変更しても良い。
(1)隣り合う2つの加熱部の上に跨るような大きな被加熱物を加熱する場合に、それら隣接する2個所の加熱部のIHコイルを協調させて駆動する方式(代表例として、日本特許第5188215号参照)。
(2)トッププレート15の下方に、略同一の形状およびサイズを有し同一方向に巻かれ、前記トッププレートの下方に略同一平面に近接して配置された4つのIHコイルと、前記4つのIHコイルに電力を供給する2つのインバーター回路と、を具備し、前記4つのIHコイルを、2つのコイル群(グループ)に分け、前記2つのインバーター回路から、前記2つのIHコイル群の各々にそれぞれ電力を供給する方式(代表例として、日本特許第5299590号公報参照)。
(3)トッププレート15の下方に配置された円形状のIHコイル(中央IHコイル)と、前記円形状のIHコイルの周囲を取り囲むように配置された(複数個の)補助IHコイルと、を有し、中央IHコイルに電力を供給する第1のインバーター回路と、前記補助コイル群に電力を供給する第2のインバーター回路と、を具備した方式(代表として、日本特許第5257542号公報参照)。
(4)トッププレート上に載置された被加熱物を加熱する主IHコイルと、この主IHコイルの外側にそれぞれ隣接して設置された複数個の副IHコイルからなる副IHコイル群と、前記主IHコイルに高周波電流を供給する主インバーター回路と、前記副IHコイル群に対し、その副IHコイル毎に高周波電流を独立して供給する副インバーター回路群と、前記主IHコイルと前記複数の副IHコイルの内の少なくとも1つの上に同じ被加熱物が載置されているか否かを判断する被加熱物載置判断部と、前記主インバーター回路と副インバーター回路群の出力を制御する通電制御回路と、を備え、前記副IHコイルは、前記主IHコイルの周囲に所定の絶縁用空間を置いて互いに所定の間隔を保って複数設けられ、前記副IHコイルの外径形状は、前記主IHコイルの外周縁に隣接する側縁部が前記主IHコイルの外周縁に沿って湾曲した形状であり、前記通電制御回路は、ユーザーの設定した火力値となるように、前記主インバーター回路の出力と前記副インバーター回路群の出力とを所定の配分に制御して協同加熱動作を行わせ、その後協同加熱動作する副IHコイルの数が増加、減少、又は他の副IHコイルに切り替わった場合には、変化前の出力配分を維持する方式(代表として、日本特許第特許5642168号公報参照)。
また図示した各回路、部品、装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくとも良い。さらに特に図30や図122で説明した統合制御装置MC、マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159、表示部駆動回路63は、これら各装置・回路の機能の分散・統合が可能であり、具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、機能や動作状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
統合制御装置MC、IH制御部90の各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、メモリーに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
処理回路がプロセッサである場合、統合制御装置MC、IH制御部90の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア又はソフトウエアとファームウエアの組合せによって実現される。ソフトウエアとファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリーである記憶装置MMに格納される。プロセッサは、記憶装置MMに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、統合制御装置MC、IH制御部90の各機能を実現する。
これらプログラムは、統合制御装置MC、IH制御部90の制御手順を、マイクロコンピュータに実行させるものである。なお、記憶装置MMとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリーが代表的なものである。
更に、図30に示した記憶装置MMと記憶装置90Rのデータやプログラムの一部は、加熱調理器1が保持せずに、外部の記録媒体(ストレージサーバ等)に保持されてもよい。この場合、加熱調理器1は、外部の記録媒体(ストレージサーバ)にアクセスすることで、必要なデータやプログラムの情報を取得する。
さらに特に図30で説明した統合制御装置MC、マイクロ波加熱制御部130、加熱室制御部159、表示部駆動回路63の動作プログラムは、ユーザーの希望により、又は加熱調理器1の製造業者等の希望によって、適宜改善されたものに更新できるようにしても良い。この場合、例えば、無線通信部49を通じて修正プログラムを入手するようにしても良い。
前記トッププレート15の上で加熱調理する前記誘導加熱源9(第1の加熱手段HM1)の1つの加熱部17HL、17HRは、ガス燃焼バーナに変えても良い。この場合、ガス流量弁が制御部によって制御される構成となる。
また、誘導加熱源9、マイクロ波加熱源189、又はオーブン加熱源188を、ガス燃焼バーナに変えても良い。
実施の形態1~5では、入力操作部40、左操作部40L、連携操作部40MC、右操作部40Rは、何れも入力キーにユーザーが触れて入力指令を行う「接触式入力」の操作部で説明したが、ユーザーの指や手の動きを非接触で検知して入力する非接触方式でも良い。更には、ユーザーの声を認識して入力する音声入力方式を併用しても良い。音声入力方式の場合には、ユーザーの声を受信して音声認識信号に変換するためのマイクや音声受信部が、入力操作部に相当するものとなる。
実施の形態1~5では、第1特定画面30SC、第2特定画面30SP及び第3特定画面30STに表示される各種制御メニューや制御条件等を選択する手段が、入力操作部40であったが、表示手段である統合表示部30や左右の表示部30L、30Rの表示画面の中に設けても良い。
例えば、複合調理に関して提案している前記特許第5833699号公報には、複合調理の表示画面を表示させ、当該表示画面の中に複合調理のメニューの名称を表示させ、当該メニュー選択部をユーザーが直接指で触れて、メニューを選択するという技術が提案されている。
そこで、第1特定画面30SCや第2特定画面30SPの中に複合調理や連携調理モードで可能な調理のメニューや被調理物の名称(識別情報の1種)等を表示させ、その表示部分(「アイコン」部分ともいう)をユーザーが指で直接タッチして連携調理モードのメニュー等を選択するようにしても良い。
実施の形態1では、無線通信部49によって、加熱調理器1の外部から送信された指令信号を受信し、また加熱調理器1からは、各動作信号や指令信号L1~L10を外部へ発信していたが、更に調理工程1、調理工程2の開始や終了等の進捗を示す情報を送信しても良い。これら進捗情報をユーザーが携帯用端末機器418等で知ることができ、利便性が向上する。
また、実施の形態1では、無線通信部49によって指令信号や運転動作信号等の授受を、家屋HA内部のホーム・ゲートウエイ411との間で行っていたが、電力線搬送技術(「PLC技術」ともいう)を利用しても良い。
また、実施の形態1では、情報管理装置として、冷蔵庫401の在庫情報の検索結果のデータを受ける機能を保有するホーム・ゲートウエイ411を利用したが、加熱調理器1と冷蔵庫401は、インターネット(広域通信回路網)416に、それぞれ接続し、インターネット416を介して外部サーバー417に接続することでも良い。その場合、当該外部サーバー417が、冷蔵庫401の在庫情報を記憶して保持するようにしても良い。
更に、外部サーバー417には、加熱調理器1で利用できる各種調理のレシピ情報を保有させる。そして、加熱調理器1又は情報通信端末機器418からの要求に応じて、レシピ情報を検索して、抽出されたレシピ情報を、加熱調理器1又は情報通信端末機器418に提供する形態のシステムにしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。