実施の形態1.
図1〜図18は、実施の形態1に係るビルトイン式の複合型加熱調理器を示すものであ
る。なお、以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、単に「加熱調理器」と呼ぶ。
各図中、符号RTは、加熱調理器1の右方向を示し、LEは左方向を示す。またFTは
前方を示し、BKは後方を示す。
この実施の形態1において「誘導加熱調理器」とは、誘導加熱原理に基づく加熱手段を有
したものをいう。加熱手段が複数ある場合、その中に誘導加熱方式と異なる方式、例えば輻
射式電熱源等の他の方式の加熱手段があっても良い。
この実施の形態1において「複合型加熱調理器」とは、マイクロ波発生手段の他に、これと異なる加熱原理の加熱手段を備え、それら2つ以上の加熱手段によって、1つの加熱室において加熱調理ができるものをいう。例えば、1つの加熱室が、シーズヒーターやマイカヒーター等の輻射式電熱手段によって加熱され、またその加熱室の内部がマイクロ波によって加熱される形態は、「複合型加熱調理器」の1種である。
この実施の形態1において、加熱室の加熱手段とは、加熱室の壁面を、その外側から加熱するものであっても、加熱室の内部空間に設置したものであっても、何れでも良い。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を配置し、この発熱部材で加熱室の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室内の空気を加熱したりする何れの形態であっても良い。
例えば、日本特許文献で、特開2017−74305号公報には、加熱室(グリル庫)
内に配置されて被調理物を載置する調理皿を、下方から被調理物を加熱する第2の加熱体(誘導加熱コイル)と、側方から被調理物を加熱する第3の加熱体(誘導加熱コイル)と、を備えた加熱調理器が提案されている。
さらに、特開2016−85996号公報には、加熱室の下方には、電気絶縁体で上下に区画し、その電気絶縁体の下方空間に誘導加熱コイル(IHコイル)を設け、前記IH熱コイルの上に置いた調理プレートを誘導加熱する構成が提案されている。調理プレートは、誘導加熱可能な素材で形成され、例えば、鉄、ステンレス、カーボン含有率90%以上の炭素材、導電材料としてSi(シリコン)またはFeSi(フェロシリコン)を含有するセラミック素材等が用いられている。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を配置した代表的なものとして、特開2005−071695号公報には、IHコイルに高周波電流を供給して、IHコイルに高周波磁束を発生させ、その高周波磁束を加熱庫内に配設されたヒーターと鎖交させて、ヒーターに誘導電流が流れるようにし、ヒーター自身の電気抵抗によって発生するジュール熱で加熱庫内の調理物を加熱調理することが開示されている。
さらに、特開2013−247048号公報には、加熱室の内部に、電気的に閉回路のヒーターを配置し、このヒーターに、加熱室の外部に配設されたIHコイルから生じる高周波磁束を鎖交させ、ヒーターを高温にして加熱室内に放熱させることが提案されている。なお、ここでいうヒーターとは、電気的に閉回路を形成しており、ステンレスや高ニッケル合金等の丸棒や丸パイプを所定の形状に曲げて、両端を互いに溶接やロウ付け等によって接合して無端状に形成したものである。
この実施の形態1でいう「IHコイル」には、代表的なものとして、0.1mm〜0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したがある(例えば、日本の特許文献で、特開2012−79580号公報)。
また、別の特許文献である特開2018−32551公報には、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体を、加熱コイルとして使用した誘導加熱調理器が提案されている。
これら何れの形態のものも誘導加熱源の主要部となる「IHコイル」に相当する。
図1〜図17において、本実施の形態1の加熱調理器1は、例えば流し台付きの厨房家具(システムキッチンという家具も含む)2に組み込まれる加熱調理器である。2Aは、厨房家具2に形成された設置口である。加熱調理器1には、後述するように商用電源99から、電圧200V、周波数50Hz又は60Hzの交流電力が供給される。
図1と図13に示しているように、本実施の形態1の加熱調理器1は、誘導加熱装置を左右に2個所有している。
図13において、CL1は、上部ユニット100の左右の中心点を前後方向に通る中心線、ALは、トッププレート15が上部ユニット100の上面で露出している範囲を示している。
17HRは、中心線CL1から右側の範囲に設けた右誘導加熱装置であり、この真上で誘導加熱できる。
17HLは、中心線CL1から左側の範囲に設けた左誘導加熱装置であり、この真上で誘導加熱できる。このように、この加熱調理器1は、トッププレート15の上面に「加熱口」を2つ(2口)設けた加熱調理器である。
なお、例えば、中心線CL1を跨ぐように、右誘導加熱装置17HRと左誘導加熱装置17HLの間に、更に別の誘導加熱装置を設けても良い。
以下の説明では、誘導加熱装置という場合は、参照符号として17Hを用いる。
金属製の鍋やプレート(焼き板)等の被加熱物を載置する望ましい位置を示すための、円形の位置マーク17LS、17RSを、トッププレート15の上面に設けている。前記円形の位置マーク17LS、17RSを見ることによって、加熱調理器1の使用者は本実施の形態1の加熱調理器1では、誘導加熱装置17Hが左右に2個所あると認識できる。なお、音声合成装置の音声ガイドによって、誘導加熱装置が左右に2個所あることを認識できるようにしてもよい。
前記位置マーク17LS、17RSは、印刷によって形成している。位置マーク17LS、17RSの真下には、後述する誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」という)17L、17Rが設置されている。なお、位置マーク17LS、17RSは、円形である必要はなく、例えば被加熱物を載置する望ましい位置の中心点だけを、図形や「+」のような記号、あるいは文字で示しても良い。
前記位置マーク17LS、17RSは、IHコイル17L、17Rによって誘導加熱できる目安的な位置を表示した円形マークであるため、当該IHコイル17L、17Rの最大外径よりも少し大きな直径で描かれている。
前記IHコイル17L、17Rの、何れか1つを、ラジエントヒーターや赤外線ヒーター等の輻射式電熱装置に代えても良い。または、前記IHコイル17L、17Rに加えて、輻射式電熱装置を設けて、3口又はそれ以上の加熱装置を保有する形態にしても良い。
この実施の形態1では、IHコイル17L、17Rを総称して、IHコイルと呼ぶ場合、符号は17を用いる。従って、「IHコイル」17と呼んだ場合には、左側のIHコイル17Lと右側のIHコイル17Rの両方と、何れか一方の場合がある。
図4に示すように、加熱調理器1は、設置口2Aの口縁部上面2Pに載せて支持されている。厨房家具2は、この実施の形態1では図2に示すように、水道の給水口2Dから出る水を一時的に貯めることができる水槽2Cを備えている。2Bは、厨房家具2の所定の位置に形成した前方開口である。この前方開口は、加熱調理器1を組み込んだ際に、その前面構成部分(後述するドア114(本発明の加熱室扉体)と前カバー112)を前方へ露出させるためのものである。
前記厨房家具2の前方開口2Bと設置口2Aの大きさは、標準的なものである場合、業界によって標準化が推進されているため、標準的な寸法で事前に形成されていることが殆どである。これについては、あとで詳しく説明する。
加熱調理器1を厨房家具2に組み込む通常の方法は、図3に示している通りである。この図3は、厨房家具2へ組み込む作業の、途中段階を示す模式図である。
図3のように、加熱調理器1の前方側(手前側)が下になるように傾けたまま、前記設置口2Aの中に加熱調理器1を入れ、その後、加熱調理器1の後方側を、実線の矢印BDで示すように下げると、加熱調理器1が厨房家具2の設置口2Aの周縁部に載せられた状態になる。
この後、固定金具(図示せず)で厨房家具2に固定にして設置が完了する。固定金具(図示せず)を外せば、加熱調理器1の全体を厨房家具2から取り出すことができる。これにより、以後、点検や修理が厨房家具2の外側で行える。なお、上部ユニット100だけの範囲で「本体」と呼ぶ場合は、符号10を付して区別する。
厨房家具2に形成された設置口2Aは、図2に示すように平面形状が長方形である。但し、4つの角部は円弧状になっている。
設置口2Aの横幅寸法W1は、560mm〜564mmである。また前後方向の寸法D1は、460mm〜464mmに形成されている。
図1と図2において、3と4は、厨房家具2の表面を構成する表面材である。5及び6は、厨房家具2に加熱調理器1を組み込んだ場合、その左右両側に隣接する表面材である。
これら表面材3〜6の前面は、厨房家具2の中に加熱調理器1を組み込んだ場合、その加熱調理器1の前面と、ほぼ面一状態となる。言い換えると、加熱調理器1を組み込んだ場合、表面材3〜6と加熱調理器1は、統一された平面になっているような意匠感覚を使用者に呈することができる。
図3において、8は、厨房家具2の内部を上下に複数の部屋に仕切る壁であり、この壁の下方は、例えば、台所用品や食料等の保存庫として利用する例が多い。なお、図2では壁8の図示を省略している。また、壁8が、着脱可能なように厨房家具2の内部に設置されている形態でも良い。
以上説明した構成により、厨房家具2の中に加熱調理器1を組み込んだ場合、厨房家具2の前面全体は、略一つの平面を呈する。使用者が厨房家具2を見た場合、全体に前面(正面)が、すっきりした統一感のあるデザインであると認識できるように設計されている。
厨房家具2と、加熱調理器1は、同じ製造業者が設計したものでなくとも良く、厨房家具は、流し台等の厨房家具、住宅設備業者が製造販売し、加熱調理器1は家電機器業者が製造販売している場合が多い。
図1と図2において、7は、表面材3〜5の前面に印刷で表示した枠線であり、表面材3〜5の前面に物理的な凹凸を形成するものではない。なお、光沢のある金属製の細い化粧板やテープ等を貼り付けて、枠線7の存在を示して高級感を出したものでも良い。
前記4種類の表面材3〜6は同じものであっても良い。またこれら表面材3〜6は、扉や引き出しのように、前後に移動するものでなくとも良い。例えば厨房家具2の表面に常に固定状態で存在し、全く移動しないものであっても良い。
前記4種類の表面材3〜6は、その前面の色と表面形態(模様や光沢の有無、凹凸状態等)を統一させると、厨房家具2としての統一的意匠感が高まる。例えば、表面材4の正面全体が、単一の色や木目調で統一されている場合、表面材3の前面も、同じ単一の色や木目調デザインで統一すれば良い。
次に図4と図5について説明する。図4は、図1の厨房家具2と加熱調理器1の寸法関係を示す縦断面模式図である。図5は、図4に示す厨房家具2の前方の一部を拡大して示す縦断面模式図である。
厨房家具2等は、日本では「長期使用住宅部材標準化推進協議会」(略称:長住協)によって住宅部品・部材の標準(共通)化が推進されている。
前記「長住協」が制定された「IHクッキングヒーター(ビルトイン)に関する「長期使用対応部材基準書」によれば、当該IHクッキングヒーターを取り付けるカウンタートップ(厨房家具2)が具備すべき条件として、以下の通り規定されている。
(1)設置口2Aの寸法は、横幅寸法W1が、560mm〜564mm。また前後方向の寸法D1は、460mm〜464mmであること。
(2)前下がり部2Fの高さ寸法C1は、40mm以下であること。
(3)前下がり部2Fの奥行(前後方向)寸法D3は、45mm以下であること。
(4)前下がり部2Fの天井部奥行(前後方向)寸法D2は、58mm〜70mmであること。
さらに、前記「長期使用対応部材基準書」によれば、ビルトイン式IHクッキングヒーター(誘導加熱調理器)の外形寸法も、以下の通り規定されている。
(1)トッププレート下端から前面パネル下端までの高さ寸法H2は、215mm〜223mmであること。
以上のような各種条件を満たすように本発明の加熱調理器1は設計されている。図4において、A1は、後述するトッププレート15の前後方向の寸法であり、510mmである。A2は、本体110の前面を覆う前カバー112前面から、本体110の最後尾までの前後方向の最大寸法であり、498mmである。A3は、本体110の後部に形成した傾斜部111から前記前カバー112の前面までの前後方向の寸法であり、451mmである。
図4において、113は後述する加熱室であり、本体110を構成する下部ユニット200の内部に形成されている。前記加熱室113の前面には、フライパン等の調理器具や、被調理物等を出し入れできる開口113A(図10参照)が形成されている。その開口113Aは、ドア114(本発明の加熱室扉体 図10参照)によって開閉自在に覆われている。
ドア114(本発明の加熱室扉体)の前面と、前カバー112の前面は、面一となるように設計されている。そしてドア114(本発明の加熱室扉体)は、その前面が、取っ手部115を除いて前カバー112前面に面一となるように、本体110にヒンジ176とアーム116(図示せず)により、回動自在に支持されている。このため、ドア114(本発明の加熱室扉体)は、その下端部を支点(回動中心)として前方に開く「前開き」ドアとして機能する。
図4において、H1は、加熱調理器1の最大高さ寸法である。つまり、前記トッププレート15の上面から下部ユニット200の底面までの寸法であり、227mmである。
図4において、H2は、トッププレート15下端から前カバー112の下端までの高さ寸法であり、215mm〜223mmである。H3は、前記前カバー112又は前記ドア114の上端から下端までの寸法であり、171mmに設定してある。H4は、前記トッププレート15の高さ方向の寸法であり、11mmである。
次に実施の形態1の加熱調理器1の構成について、図7〜図17を参照しながら詳細に説明する。
図6は、加熱調理器1の平面図である。図7は、加熱調理器1を、図6のY−Y線で切断した場合の縦断面図である。図8は、加熱調理器1を、図6のZ−Z線で切断し、冷却風の流れを示した縦断面図である。図9は、加熱調理器1を、図7のW−W線で切断した場合の縦断面図である。図10は、加熱調理器1を、図6のY−Y線で切断した場合の縦断面図である。図11は、加熱調理器1を、図7のV−V線で切断した場合の縦断面図である。図12は、加熱調理器1を、図7のX−X線で切断した場合の縦断面図である。図13は、加熱調理器1の上部ユニットの操作部を説明するための簡略平面図である。図14は、加熱調理器1の上部ユニット100内部の冷却風の流れを示す簡略横断面図である。図15は、加熱調理器1の主要な制御関係部分を示すブロック図である。図16は、図1の誘導加熱調理器の主要な冷却風路を示す説明図である。図17は、図1の誘導加熱調理器のインバーター回路の詳細を示す回路図である。
(上部ユニット100)
この実施の形態1では、上部ユニット100単体でも加熱調理器1として機能する。そのために、商用電源99は上部ユニット100だけに供給される。但し、商用電源99にプラグ(図示せず)を介して直接接続するための電源コード(図示せず)は、下部ユニット200から加熱調理器1の外部に引き出される。
上部ユニット100は、上部ユニットの本体10の外郭を構成する箱形形状の上部ケース(上筐体)16と、この上部ケースの上部に固定された金属製の額縁状の補強板(支持枠)22(図7参照)と、この補強板22の上面の、後部を除く略全体を覆うように、その上面に重ねて取り付けられた耐熱強化ガラス又は結晶化ガラス製のトッププレート15とから構成されている。言い換えると、上部ユニット100の上部ユニットの本体10は、外殻となる上部ケース16とトッププレート15と、をそれぞれ備えている。
前記上部ケース16は、1枚の亜鉛鋼板等の金属製薄板をプレス加工して形成される。または複数枚の金属製薄板をスポット溶接やネジ等で接合して箱形形状に形成される。実施の形態1では、後述するように1枚の金属薄板の周辺部を、垂直に折り曲げて、底壁(底面)16S、後方壁16Bや前方垂直壁16F、側方垂直壁16L、16Rを、それぞれ一体に形成している。
前記上部ケース16は、別の形態で形成しても良い。例えば、底壁(底面)16S、後方壁16B及び前方垂直壁16Fの3つの部分だけを1枚の金属板をプレス加工して形成する。これとは別に形成した2つの側方垂直壁16L、16R、1枚の後方壁16B及び前方垂直壁16Fを、後からネジやスポット溶接等で取り付けて、最終的に上面全体が開口した箱形形状にする。
トッププレート15は、全体の厚みが略均等な平板状に形成されており、その下面全体は可視光線が透過しない塗装面で覆われている。このため、トッププレート15の上方からは、その下方の機能部品、例えばIHコイル17L、17Rが視認できないようになっている。
IHコイル17Rは、平面形状がドーナッツ状形状を有している。そしてこのIHコイル17Rの最大火力は例えば3200Wである。最大外形寸法(直径)は例えば168mmである。
また、他方のIHコイル17Lも同様にドーナッツ状形状を有している。このIHコイル17Lの最大火力は例えば3200Wである。最大外形寸法(直径)は例えば168mmである。なお、大きな鍋やフライパン等の被加熱物にも対応できるように、例えば180mm程度まで直径を拡大しても良い。
18は、前記上部ケース16の後部に横に長く形成した開口(図7参照)、19は、この開口の上方に設置される排気カバーであり、通気性を持たせるために鎧戸又は多数の貫通孔が形成されている。20は、前記排気カバー19と開口18の間で形成される排気口である。
22は、前述したように、上部ケース16の後部上端部に固定された金属製の補強板である。この補強板22は、上部ケース16の後縁部横幅と同等の長さを有している。21は、補強板22の上面に固定された金属製の飾り板である。25は、金属製の保護枠であり、図6に示すようにトッププレート15の周囲4辺の端面を、外部からの衝撃から保護するように設置されている。
26は、弾力性に富む素材、例えばシリコンゴム等から形成された環状のクッション材であり、保護枠25の下面全周または下部ケース101の一部に貼りつけてある。これにより上部ユニット100及び下部ケース101は、このクッション材26を介して厨房家具2に載置される。
図6と図13において、31Lは左側表示部、31Rは、右側表示部である。30は統合表示部(本発明の表示手段)であり、トッププレート15の前方部で、かつ左右中心部の下方に設置されている。31Lは、左側表示部であり、31Rは右側表示部である。これら左右表示部31L、31Rも、トッププレート15の前方部左側と、右側の下方に設置されている。
前記統合表示部30(本発明の表示手段)と、左右の表示部31L、31Rは、液晶表示画面(図示せず)を主体に構成されている。これら統合表示部30、左右の表示部31L、31Rの真上の位置に対応して、前記トッププレート15の下面には、前記したような可視光線を遮断する塗装面を設けていない。このため、統合表示部30、左右の表示部31L、31Rの表示内容は、トッププレート15の上方から視認できる。
統合表示部30(本発明の表示手段)は、加熱調理器1の共通的な情報や警報を表示する。例えば、この加熱調理器1の3種類の加熱手段の選択結果や、それら加熱手段の動作状態を示す注意情報、警告情報を表示する。すなわち、前記統合表示部30(本発明の表示手段)は、誘導加熱手段187と、後述する加熱室加熱手段188と、マイクロ波発生(加熱)手段189の、3つの加熱手段に関係する情報を表示する場合があるため、統合表示部30と称している。なお、誘導加熱手段187は、誘導加熱装置17と後述するIH駆動部213で構成され、加熱室加熱手段188は、ヒーター163と後述するヒーター駆動部218で構成され、マイクロ波発生(加熱)手段189は、後述するマイクロ波を発信するマグネトロン122とマグネトロン駆動部219で構成されている。
左側表示部31Lは、左側の誘導加熱装置17HLの動作に関する情報を表示する。例えば、図示しないが、タイマー調理をセットする場合には、1分単位で設定できるが、その設定時間を表示できる。また加熱動作を開始してからの経過時間や、タイマー設定時間が終了するまでの「残時間」も表示できる。更に、予熱調理を選択した場合には、自動的に設定された温度(デフォルト温度)や、現在の温度などを表示する。なお、上記「残時間」は、10分未満になった段階から9分59秒という表示が行われ、1秒単位で残時間表示される。
同様に、右側表示部31Rは、右側の誘導加熱装置17HRの動作に関する情報を表示する。この右側表示部31Rは、基本的に左側表示部31Lと同様に、右側の誘導加熱装置17HRのタイマー設定時間や、予熱温度、経過時間等の各種情報を表示する。
なお、発明の実施の形態では統合表示部30、左側表示部31L、右側表示部31Rというように表示部をそれぞれ独立して3つ設けた例で説明したが、表示部は1つでもよく、統合表示部30に全ての設定内容や情報を表示させるようにしてもよい。
図13において、40は、入力操作部である。この入力操作部40は、前記保護枠25の最前部後方においてトッププレート15の前端縁部に沿って、横に長く配置されている。
前記入力操作部40は、横に長く、かつ帯状に設置してある図示しない操作基板の上面に配置されている。図示しないが操作基板には、各種の電子部品類と、加熱調理器1の制御全般を司る統合制御装置211を実装している。この統合制御装置211の役割については後で説明する。
図7において、16Bは、前記上部ケース16の後方垂直壁である。後述する下部ケース101と上部ケース16は、複数個所において、それぞれ図示しないネジによって一体化されている。
図7から明らかなように、上部ケース16の後方垂直壁16Bと下部ケース101とは、20mm〜30mm程度の範囲で、緊密に対面しており、その対面部分を図示しないネジによって固定されている。
図7において、104は深さも平面積も大きな空洞である。この空洞104は、上部ケース16の底壁(底面)16S下面から、後述する下部ユニット200の後部の底板101U上面までの空間である。BHは、その空洞104の深さ(垂直方向)寸法を示している。
この図7に示す構造から明らかなように、この実施の形態1では、前記トッププレート15によって上面の開口部が閉鎖された扁平な(本体10の外殻を構成する)上部ケース16を有している。そして、この上部ケース16を後述する下部ケース101の上に載置した状態では、当該上部ケース16の底壁16Sが前記下部ケース101の天井面を兼ねている構成である。
図7で説明したように、上部ケース16の底壁16Sと、下部ケース101の底板101Uとの対向間隔が最も大きい空間が、空洞104である。空洞104には、導波管123が、前記加熱室113の背後において左右方向に長く配置されている。さらに導波管123よりも後方には、下部ユニット200内の電気系統に電源を供給する回路を実装した下部電源回路基板127の収容用ケースC154が、左右方向に長く配置されている。
図7において、101Tは、下部ケース101の前方側に設けた金属板製の前方水平壁である。この前方水平壁101Tは、下部ケース101の前板101F上端を後方に折り曲げて形成したものである。
上部ケース16と下部ケース101の一方又は双方が、薄い金属製板で形成された箱状であっても、ネジ(図示せず)の締結によって、上部ケース16と下部ケース101とは、強固な1つの箱形構造物になる。言い換えると、箱形形状の上部ケース16の外形寸法は、下部ケース101の内側寸法よりも僅かに小さいので、下部ケース101に上部ケース16が、20mm〜30mm程度の範囲(深さ)で嵌合している。なお、ネジに代えて、ボルトとナット等のような、他の締結手段でも良い。
上部ケース16と下部ケース101が、軽くなるように薄い金属製板で形成されていても、強固な1つの箱形構造物になっていることは、後述するドア114の部分におけるマイクロ波漏洩防止に有益である。
特に上部ユニット100のトッププレート15は、厨房家具2の上面に支持されて下部ユニット200の全荷重を受けるので、上部ケース16と下部ケース101の全体が歪んだり、変形したりしない構造にすることは重要である。なお、クッション材26が、保護枠25の下面全周に貼りつけてあるため、実際に厨房下部2の上面に接触するのは、クッション材26である。
図7において80は、インバーター基板で平面形状が左右方向に長い長方形であり、誘導加熱装置17Hに高周波電力を供給する後述するIH駆動部213、IH駆動部213を制御して誘導加熱手段187の加熱を制御する後述するIH制御装置321がそれぞれ回路として実装され、上部ケース16の中央部に設置されている。
インバーター基板80の上面には、アルミニウム製のヒートシンク(放熱シンク)82が合計4個取り付けられている。ヒートシンク82は、図7に示すように2つの放熱フィン82F同士が向かい合うように、2列並べ、かつ数mm〜10mm程度まで接近させて設置されている。
ヒートシンク(放熱シンク)82には、図7から分かるように、互いに向かい合っている側と反対側にある傾斜面の上に、IH駆動部213の一部を構成する電力制御用スイッチング素子83が取り付けてある。そのため、電力制御用スイッチング素子83の動作時に発生する熱を、放熱フィン82Fの周囲を通過する冷却風によって冷却できる。
コイルベース17Cは、2つのIHコイル17L、17Rの個々に設けても良いし、2つのIHコイル17L、17Rに共通に1つの構造物で形成しても良い。IHコイル17L、17Rは、1つの水平線(第2の水平線HL2)の上にある。言い換えると、第2の水平線で確定される1つの平面(第2の水平面HL2)上に存在している(図9参照)。
図9において、16Aは、前記上部ケース16の側方垂直壁16L、16Rの上端部から一連に、外側へ直角に折り曲げて形成された水平なフランジである。
101Aは、後述する下部ケース101の側方垂直壁101L、101Rの上端部から一連に、外側へ直角に折り曲げて形成された水平なフランジである。
上部ケース16と、下部ケース101は、フランジ16Aがフランジ101Aの上に重なっている。この重合状態で、上部ケース16側壁面と下部ケース101の側壁面とは、ネジで固定されている。そのためネジによる固定と、このフランジ16Aとフランジ101Aとの密着固定によって、上部ケース16と、下部ケース101は、強固な一体構造物となっている。言い換えると、上部ケース16の総重量は、下部ケース101のフランジ101Aの上面が受けるので、仮に上部ケース16と、下部ケース101が、薄い金属製板で形成された場合でも、一体化された状態では、機械的な強度を備えた箱形構造物にできる。
フランジ16Aとフランジ101Aとが重なった状態で固定する手段は、ネジではなく、ボルトとナット等のような、他の締結手段でも良い。なお、フランジ16Aとフランジ101Aは、厨房家具2の上面には接触しない。これらフランジ16Aとフランジ101Aは固い材料(金属)で形成されているので、厨房家具2を傷つける懸念がある。またこのフランジ16Aとフランジ101Aが厨房家具2に当たってしまうと、クッション材26を圧縮したまま設置することができないことになる。クッション材26が密着した状態になっていないと、水等の侵入防止効果を損なう懸念がある。
図9において、165は凹部(吸気ダクト)であり、通気孔64を下部ケース101の通気孔164に直接連通させるために設けている。この凹部165は、左側から一定の深さ(寸法)DP1だけ凹ませて形成してある。なお、この寸法DP1は99mmである。
図9において、インバーター基板80の後方に上部電源回路基板55が配置されており、電源回路基板55には、上部ユニット100内の電気系統に電源を供給する後述する主電源部336が実装されており、商用電源99からの交流電力が、後述するフィルター部54を介して供給される。そして、この上部電源回路基板55において、交流から直流に変換する。そのため、交流から直流に変換するための図示しないダイオード、トランス等の電気部品が実装されている。
(操作、表示)
次に、入力操作部40の主要部について説明する。図14において、40はトッププレート15の前方側上面に形成された入力操作部であり、例えば、使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる方式の各種入力キーを、横方向に一直線状に配置している。
入力操作部40は、右操作部40R、中央操作部40M及び左操作部40Lの3つを含んでいる。98は、後述する商用電源99を供給すること、及び遮断することができる主電源をオンする電源スイッチである後述する主電源リレー302の操作キー(本発明の電源ボタン)である。この操作キー98は、右操作部40Rの右端部に隣接した位置に配置されている。なお、この操作キー98は、入力操作部40の範囲内(図14参照)にあるという前提で以下説明する。
図14と図16に示すように、前記右操作部40Rには、合計5つのタッチ式入力キー43R1〜43R4、44Rを配置してある。これら入力キー43R1〜43R4、44Rは、以下に述べるように、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。
43R1は、右誘導加熱装置17HRでの加熱を選択する入力キーである。また、加熱動作を停止することができる。このため、最初に1回押した場合には、右誘導加熱装置17HRの選択機能を発揮し、その次に1回押した場合には、瞬時に加熱動作の停止指令を発する機能がある。このように、この入力キー43R1は、1回タッチする毎に、後述するIH制御装置321に対して指令することができる内容が自動的に切り替わる。
42R2と42R3は、誘導加熱時の火力(消費電力)を指定する1対の入力キーである。左側の入力キー42R2にタッチすると、その操作の度に、1段階ずつ火力が下げられる。例えば、3200W(定格最大火力:火力レベル9)である場合、この入力キー42R2に1回タッチすると、2500W(火力レベル:8)になる。
右側の入力キー42R3にタッチすると、その操作の度に、1段階ずつ火力が上げられる。例えば、2500W(火力レベル8)の火力である場合、この入力キー42R3に1回タッチすると、3200W(定格最大火力:火力レベル9)を選択できる。
43R4は、タイマー調理の制御メニューを選択する入力キーである。タイマー調理とは、ユーザーが調理時間を設定すると、その設定時間の間だけ誘導加熱動作が行える制御方法である。例えば、10分間を指定してタイマー調理を開始した場合、10分経過時に所定の表示が右側表示部31Rで行われる。このとき図示しない音声合成装置から、音声で調理終了の報知が自動的に行われるようにしてもよい。設定時間(例えば、10分間)の経過時には自動的に誘導加熱が停止するが、設定時間経過前に延長操作をして、誘導加熱時間を延長することもできる。
44Rは、誘導加熱調理の「制御メニュー」を選択する入力キーであり、操作する毎に複数の制御メニューの中から1つを選択できる。なお、「制御メニュー」とは、例えば、湯沸し、煮込み、揚げ物(自動調理)等のように、誘導加熱手段187の制御モード、言い換えると制御の種類である。つまり、湯沸しや煮込み、揚げ物等は、IHコイル17Rの駆動時間や、火力、火力を変化させる駆動パターン等が異なるのである。
右加熱部17HRのための「制御メニュー」とは、誘導加熱して得られる最終的な調理物の名称や食材の名称とは異なる。例えば「ハンバーグ」や「天ぷら」は調理物の名称であり、ここでいう「制御メニュー」ではない。言い換えると、「制御メニュー」とは、調理を完成させるまでの加熱の種類、調理方法や条件等を総括的に表現したものとも言える。
次に図14と図17を参照しながら、左操作部40Lについて説明する。左操作部40Lには、合計5つの入力キー43L1〜43L4、44Lを備えている。
43L1は、左誘導加熱装置17HLによる調理を選択する入力キーである。また、左側のIHコイル17Lの加熱動作が開始された後は、その動作を随時停止させることができる。つまり、最初に1回押した場合には、左誘導加熱装置17HLを選択する機能を発揮し、誘導加熱が開始されてから次に1回押した場合には、瞬時にその加熱動作を停止できる。
43L2と43L3は、右操作部40Rの入力キー43R2〜43R3と同様に、左誘導加熱装置17HLにおける火力(消費電力)を指定する1対の入力キーである。右操作部40Rの入力キー43R2、43R3と同様に、1回タッチする度に、規定されている火力値のデータテーブルの中で、1段階上げた火力を選択し、又は1段階下げた特定の火力を選択できる。
43L4は、タイマー調理を選択する入力キーである。この入力キー43L4は、右操作部40Rの入力キー43R4と同様に、誘導加熱調理の時間を指定することができる。また、タイマー調理終了時には、入力キー43R4と同様に、左側表示部31Lにおいてタイマー調理の終了が表示される。このとき、図示しない音声合成装置によって音声で報知され手もよい。
44Lは、誘導加熱調理の「制御メニュー」を選択できる入力キーである。右操作部40Rの入力キー44Rと同様に、複数の「制御メニュー」の中から1つの制御メニューを選択できる。なお、左側の入力キー44Lで選択できる制御メニューは、右側の入力キー44Rで選択できる制御メニューと全く同じである。なお、この左操作部40Lに配置された合計5つの入力キー43L1〜43L4、44Lは、図14と図17から明らかなように、左右方向に1直線上に並んでいる。
図14と図15において、中央操作部40Mには、合計10個の入力キーを配置してある。これら入力キーは、1つ又は複数の入力機能が割り当てられている。以下、10個の入力キーについて説明する。
最も左側にある入力キー43KPは、加熱調理器1全体の各種動作や表示等を、使用者の希望通りに設定できるようにするためのものである。図示しないが統合表示部30(本発明の表示手段)に機能選択が可能である旨の表示がされる。この状態で中央操作部40Mに配置された入力キー43M1〜43M3を操作すれば、加熱調理器1の機能設定を行うことができる。
43MSは、加熱室113を利用したマイクロ波加熱調理とオーブン加熱調理の動作開始を指令することができる入力キーである。45MTは、逆にマイクロ波加熱とオーブン加熱の動作を停止させることができる入力キーである。なお、この中央操作部40Mに配置された10個の入力キーは、図15からも明らかなように、左右方向に1直線上に並んでいる。
主電源をオンする電源スイッチの操作キー98を押して、加熱調理を開始する場合、右操作部40Rにおいては、5つのタッチ式入力キー43R1〜43R4、44Rは、常に入力機能が必要ではない。
同様に、左操作部40Lにおいても、5つのタッチ式入力キー43L1〜43L4、44Lは、常に入力機能が必要ではない。中央操作部40Mにおいても同じである。使用者が認識しないまま触れた場合等、不必要な入力を避けるために、統合制御装置211では、加熱調理器1の起動直後から、調理条件の入力過程や、調理の進行度合い等に応じて、入力が必要な入力キーを除いて、その他の入力キーの入力機能は一時的に無効にし、入力を受け付けないようにしている。
そこで、以上のような各入力キーの入力機能が有効であることを示すために、図14〜図17に示すように、3つの操作部40R、40L、40M毎に、発光表示部27R、27L、27Mを設けている。
図14と図16に示しているように、右操作部40Rにおいては、5つの入力キー43R1〜43R4、44Rの直ぐ後方に個別発光部27R1〜27R4を配置している。入力キー43R2と43R3は、1対であるので、個別発光部27R2は、1つを共用している。
個別発光部27R1〜27R4は、右操作部40Rの下方に発光ダイオードを1つ又は複数個ずつ配置してあり、統合制御装置211によって個々の個別発光部27R1〜27R4は発光と消灯が制御される。あるいは発光色を変化させるように制御される。
例えば、右操作部40Rの入力キー43R1(図16参照)が操作される前には、その入力キー43R1の直ぐ後方に隣接している個別発光部27R1は、例えば青く発光している。これにより、操作入力を受け付けることができることを表示している。
使用者が入力キー43R1を操作し、統合制御装置211が入力を受け付けた場合には、個別発光部27R1は、例えば赤色で発光して、使用者に操作を受け付けていることを表示する。この表示のための制御は、統合制御装置211が行う。なお、1つの色で発光させず、例えば青色から赤色に発光色を変えて、使用者に操作を受け付けていることを表示するようにしても良い。
なお、入力キー43R1が操作される前には、その入力キー43R1の直ぐ後方に隣接している個別発光部27R1を発光させず、操作を受け付けた時点で発光開始し、発光を継続する方式でも良い。また、操作入力が可能であることだけを事前(操作前の段階)に発光で示し、操作入力を受け付けたことは、光で表示させない方式にしても良い。さらには、操作入力が可能で入力待ちの状態では点滅させ、操作入力を受け付け段階で連続発光に変化させるような形態を採用しても良い。
同様に、図14と図17に示しているように、左操作部40Lにおいても、5つの入力キー43L1〜43L4、44Lの直ぐ後方に、個別発光部27L1〜27L4を配置している。入力キー43L2と43L3は、1対であるので、個別発光部27L4は、1つを共用している。
個別発光部27L1〜27L4は、左操作部40Lの下方に発光ダイオードを1つ又は複数個ずつ配置してあり、統合制御装置211によって個々の個別発光部27L1〜27L4は、統一された発光色での発光と消灯が制御される。さらには、操作入力が可能で入力待ちの状態では点滅させ、操作入力を受け付け段階で連続発光に変化させるような形態を採用しても良い。
同様に、図14と図15に示しているように、中央操作部40Mにおいても、10個の入力キー43KP、43MC、43M1〜43M3、43MS、43MTの直ぐ後方に、個別発光部27M1〜27M6を配置している。
個別発光部27M1〜27M6は、中央操作部40Mの下方に発光ダイオードを1つ又は複数個ずつ配置してあり、統合制御装置211によって個々の個別発光部27M1〜27M6は、統一された発光色での発光と消灯が制御される。さらには、操作入力が可能で入力待ちの状態では点滅させ、操作入力を受け付けた段階で連続発光に変化させるような形態を採用しても良い。
1対の入力キー43M1は、1つの個別発光部27M3を共用している。2つの入力キー43M2と43M3についても、それぞれ1対であるので、個別発光部27M4と27M5は、1つずつ共用している。以下の説明で、中央操作部40Mにおける個別発光部を総称する場合には、符号は27Mを用いる。
右操作部40Rの右端部に隣接した位置にある、主電源スイッチの操作キー98の真後ろにも個別発光部27R5が配置してある。
以上のような発光表示部27R、27L、27Mの発光形態(連続発光、点滅、発光色等)は、使用者の無用な混乱、誤解を避けるため、3つの操作入力部で統一することが望ましい。
各入力キーの入力機能が有効であることを示すために、入力キーの操作部自体を発光させる方法もあるが、その場合、入力キーの操作部真下に発光部を配置し、かつ操作部を、光透過性の材料で製造する必要もあり、入力キーの操作部の感度を確保する課題もあるので、構造やコスト面で課題が多い。そこで、この実施の形態1では、発光表示部27R、27L、27Mを、入力キーの操作部を避けて、隣接した位置に設けている。
なお、ここでいう「隣接」とは、例えば入力キー43R1と発光表示部27Rの関係のように、使用者の視点から見て両者が接近しており、1対1の関係が瞬時に分かる位置関係をいう。そのため、例えば入力キー43R1と発光表示部27Rの間が、入力キー43R1の表面を基準にして、上方に突出した壁等の構造物で仕切られている場合を除く。
図14において、右操作部40Rと左操作部40Lの後方位置には、誘導加熱調理時の火力段階を示すように火力表示部67L、67Rを設けている。これら火力表示部67L、67Rは、右誘導加熱装置17HRと左誘導加熱装置17HLにおける火力段階を例えば赤色に発光させることによって示すものである。例えば定格最小火力(火力レベル1:150W)〜定格最大火力(火力レベル9:3200W)までの、9段階を光で示す。
火力表示部67L、67Rは、右操作部40Rと左操作部40Lの下方空間に設置した複数の発光ダイオード(LED)によって構成されている。発光色は、火力の大きさによって変化させてもよい。
左表示部31Lには、左誘導加熱装置17HLの火力レベル値が、数字の1〜9で表示される。最小火力レベル1のときは「1」、最大火力レベル9のときは「9」が表示される。この左表示部31Lでの火力表示は、火力表示部67Lによって表示される火力段階と合致しており、同じタイミングで表示される。また、右表示部31Rでも、右誘導加熱装置17HRの火力レベル値が、数字の1〜9で表示される。表示の条件は、左表示部31Lの場合と全く同じである。
図14から分かるように、3つの発光表示部27L、27M、27Rと、2つの火力表示部67L、67Rは、それぞれが左右方向に1直線上に並んでいる。しかも、3つの発光表示部27L、27M、27Rと、2つの火力表示部67L、67Rは、左右方向に並行して並んでいる。
このように、3つの発光表示部27L、27M、27Rと、2つの火力表示部67L、67Rが、3つの入力操作部40L、40M、40Rに対して、その後方において左右方向に1直線上に並んでいるため、操作性と視認性が良い。更に統合表示部30と、左側表示部31L及び右側表示部31Rも、横方向に一直線上に並んでおり、加熱調理器1の前方側に立って操作する使用者の立場から見て、全体の操作性と視認性がよくなっている。
図14において、68は、統合表示部30の後方に配置した加熱源表示部である。この加熱手段表示部68は、中央操作部40Mを使用して複数の加熱手段を使用することがあるため、実際に動作している加熱手段がどれであるかLEDを発光させて使用者に分かるように表示するものである。
加熱手段表示部68は、3つの表示部から構成されている。最も左端の表示部68Lは、マイクロ波加熱手段189を使用していることを示す表示部であり、手前側近傍には文字で「レンジ」という表示をし、マイクロ波加熱であることが容易に分かるようにしてある。
中央の表示部68Mは、加熱室113にて、上ヒーター163A又は下ヒーター163Bの両方又は何れか一方を使用して「グリル調理」をしている場合を示す表示部である。手前側に「グリル」と記載し、グリル調理であることが容易に分かるようにしてある。
最も右側の表示部68Rは、加熱室113にて、上ヒーター163A又は下ヒーター163Bの両方又は何れか一方を使用して「オーブン調理」をしている場合を示す表示部である。
「オーブン調理」は、グリル調理とは異なり、加熱室113の中の温度を把握して上ヒーター163A、下ヒーター163Bの通電制御に反映させる(フィードバックさせる)ものである。最も右側の表示部68R近傍には、「オーブン」という表示をし、オーブン調理であることが容易に分かるようにしてある。
図14において、69は、前記加熱源表示部68の直ぐ後方位置に設けた高温報知部である。この高温報知部69は、統合制御装置211からの指令に基づき、LED発光部を発光させて、トッフ゜プレート15や加熱室113内が高温であることを表示する。統合制御装置211は、図示しない各種温度センサーからの温度情報に基づき、高温報知を指令する。
高温報知部69は、図示していないが、高温であることを注意する箇所として、左誘導加熱装置17HLと、加熱室113と、右誘導加熱装置17HRの3つを定めてあり、これらの状況を個別に表示する。そのため、例えば、左誘導加熱装置17HLで誘導加熱調理をした後、左誘導加熱装置17HLに対応しているトッププレート15の中央から左側範囲が高温になっていることを報知し、使用者に注意喚起できる。
図13に戻り、46L、46Rは、外部に設置された換気装置(図示せず)に対して、運転開始用の指令信号となる赤外線信号を送信する窓である。この窓の下方には、赤外線発信部(図示せず)が設置されている。なお、実際には、この窓46L、46Rは、トップテーブル15の上方からは視認できないように、目立たないような表面シートで覆っている。そのシートは、当然ながら赤外線信号を透過させる材料から形成されている。
図13において、49は、無線通信部(通信モジュール)であり、外部からの電波を受信し、また外部へ電波を送信するアンテナ(図示せず)と送受信回路(図示せず)を備えている。この無線通信部49は、前記表示基板41の右側端部の下方で、上部ケース16の底面と少し間隔を保って設置してある。
次に下部ユニット200について説明する。図7から図10において、101は、下部ユニット200の本体110の外殻を構成する下部ケースである。この下部ケース101は、1枚の亜鉛鋼板等の金属製薄板をプレス加工して形成されるか、または複数枚の金属製薄板をスポット溶接やネジ等で接合して形成される。
101Hは、下部ケース101の後方と左右部分の3つの面を構成する胴部、101Uは、前記胴部の底面開口部を完全に閉鎖する平板状の底板である。101Cは傾斜部であり、加熱調理器1を厨房家具2に設置する際に、厨房家具2の設置口2Aに当たらないよう、下方に行くに従って前方へ傾斜した壁面である。101Fは、下部ケース101の前面を構成する前板であり、全体が1枚の平らな板である。この前板101Fの前面は、ドア114の後面を密着させて、前板101Fとドア114の間に隙間からマイクロ波が漏洩しないようにしている。
下部ユニット200は、2つの独立した加熱手段を備えている。その内の1つはマイクロ波を発信するマグネトロン122とマグネトロン駆動部219で構成されるマイクロ波発生(加熱)手段189である。もう1つはヒーター163と後述するヒーター駆動部218で構成される加熱室加熱手段188である。本発明の実施の形態では加熱室加熱手段188のヒーター163は、加熱室113を、その外側から加熱するものとしているが、加熱室113の内部から加熱するものでも良い。
図7から図10は、マイクロ波発生(加熱)手段189の主要部分を示している。最も前方側には、マイクロ波発信用のインバーター回路が実装されるグリル基板121(図7、図9参照)が配置される。このグリル基板121の後方には、マイクロ波を発信するマグネトロン122、マグネトロン122の発振部122Aを包囲した導波管123を配置している。
さらに、導波管123の後方には、導波管123に接続されているアンテナケース124、アンテナケースの中にあるアンテナ125を、それぞれ配置している。
アンテナケース124の後方には、マイクロ波加熱時にアンテナ125を回転又は回動させるアンテナ駆動用モーター126を配置している。
前述の下電源回路基板127には、ヒーター163と後述するヒーター駆動部218で構成される加熱室加熱手段188と、マイクロ波を発信するマグネトロン122とマグネトロン駆動部219で構成されるマイクロ波発生(加熱)手段189を制御するグリル制御装置322が実装されている。
図7、図8において、128はグリル基板冷却ファンであり、グリル基板121を収容した箱形形状のケースA150の真下に配置されている。ケースA150は、下面全体が開放され、底面が無い形状である。
129はマグネトロン冷却ファンであり、マグネトロン122の放熱部122Hを載置した箱形形状のケースB151の真下に配置されている。放熱部122Hには、マグネトロン冷却ファン129からの冷却風が通過するための、数枚の放熱フィンが並列状に形成されている。ケースB151は、下面全体が開放され、底面が無い形状である。
グリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129は、例えば、軸流型ファンである。そして回転翼の中心部にある回転軸が鉛直(垂直)方向になるように、下部ケース101の底板101Uに支持されている。
グリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129を、全く同じ構造、同じ形状、同じ定格仕様で揃えた場合、製造時の調達コストを安価にできる。なお、同一仕様の冷却ファンを並列配置し運転させるとうなり音が発生する可能性が高いため、うなり対策として、グリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129の回転数は、異なる値にする制御を行う場合がある。
ケースA150と、ケースB151は、前述したように底面全体が開口しており、その開口の内側に、グリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129が、それぞれ横たわるように配置されている。
図7において、ケースA150の内部に2列に設けた風向板199は、前記ケースA150の内側に一体又は別個に形成されたものである。この風向板199は、グリル基板121と、後述する2つの連通口138A、138Bに対して、グリル基板冷却ファン128からの冷却風を効率良く流すために設置してある。
152Fは、前方側の吸気口であり、下部ケース101の底板101Uに形成されている。この吸気口は、多数の小さな円形の貫通孔、または長方形や楕円形の貫通孔から構成されている。この吸気口152Fは、グリル基板冷却ファン128用である。
152Bは、後方側の吸気口であり、下部ケース101の底板101Uに形成されている。この吸気口は、多数の小さな円形の貫通孔、または長方形や楕円形の貫通孔から構成されている。この吸気口152Bは、マグネトロン冷却ファン129用である。
153は、放熱部122Hの上部に設置されたダクトであり、放熱部122Hを通過したマグネトロン冷却ファン129からの冷却風RF6を、図11に示すように下流側へ案内するものである。
154は、ケースCであり、下部電源回路基板127を密封状態に収容している。このケースC154は、電気絶縁性に富むプラスチック材料から形成されている。ケースC154は、後方側の蓋154Aと、前方側にある容器状又は箱形状の本体154Bと、の2者を重ね合わせて構成している。本体154Bの前面側に形成した大きな開口部を、前記蓋154Aが塞いでいる。
このケースC154は、加熱室113からの熱の影響を受けないように、加熱室113の背面からできるだけ離して設置されている。また前記底板101Uからも離して設置してあり、万一、下部ケース101内部に、上部ユニット100側から水や調理液などの液体が浸入した場合でも、電気絶縁性を損なうことが無いようにしている。
図7で説明したように、上部ケース16の底壁16Sと下部ケース101の底板101Uとの対向間隔が最も大きい空間が、前記空洞104である。空洞104には、マイクロ波を加熱室に導く導波管123が、前記加熱室113の背後において左右方向に長く配置され、導波管123よりも後方には、マイクロ波加熱制御部130に電力を供給する回路部品を実装した下部電源回路基板127の収容用ケースC154が、左右方向に長く配置されている。
図7と図8において、132Aは、主扉スイッチ、132Bは、副扉スイッチである。主扉スイッチ132Aと副扉スイッチ132Bとで本発明の複数の扉スイッチが構成される。主扉スイッチ132Aは、ドア114(本発明の加熱室扉体)側に固定されて突出しているピン134で押されて、内蔵した接点が開閉される。副扉スイッチ132Bは、ドア114(本発明の加熱室扉体)側に固定されて突出しているピン135に押され、内蔵した接点が開閉される。
136Aは、ドア114(本発明の加熱室扉体)の動きを主扉スイッチ132Aに伝える連動棒であり、常にドア側へ復帰するように圧縮バネでドア方向に付勢されている。136Bは、ドア114(本発明の加熱室扉体)の動きを副扉スイッチ132Bに伝える連動棒であり、常にドア側へ復帰するように圧縮バネでドア方向に付勢されている。
137は、主扉スイッチ132A、副扉スイッチ132B、連動棒136A、136B等を、一括して取り付けてある支持板である。この支持板137は、下部ケース101に対して、複数個のネジによって固定されている。
図7から図9において、138Aは、グリル基板121を収容したケースA150の上部に形成した連通口、138Bは、ケースA150の上下中間部に形成した連通口である。
連通口138Aは、図9に示しているようにグリル基板冷却ファン128からの冷却風RF5の一部分を、後述する空間141に案内するものである。
連通口138Bは、図9に示しているようにグリル基板冷却ファン128からの冷却風RF5の一部分を、後述する空間142に案内し、後述する赤外線式の温度センサー160の冷却用に利用している。
温度センサー160は、中空状のセンサーケースと、センサーケースの内部に収納されるセンサー基板と、このセンサー基板の表面に搭載される1つ又は複数個の赤外線検出素子と、この赤外線検出素子に臨んでセンサーケースに取付け固定されるレンズと、を主な構成要素として構成させている。なお、温度センサー160を、加熱室113の複数個所に設けて広い範囲の温度検知ができるようにしても良く、また温度センサー160の方向を固定せず、自動的にある角度範囲で揺動させて、広い角度の温度を検知させる形態でも良い。
図9において、161は、温度センサー160を臨ませた検知窓であり、温度センサー160の外周面との間に、冷却風が通過するような間隙を形成しても良い。実施の形態1では、数mm程度の間隙が形成されている。
加熱室113は、その全体がステンレス鋼板等の金属製薄板によって形成されている。162は、磁器や耐熱性プラスチックで形成された調理皿である。この調理皿162は、加熱室113の前面開口113Aから出したり、入れたりできるような外形寸法に形成されている。
図9において、HVは、調理皿162の上面から加熱室113の天井面までの有効高さ寸法である。HXは、調理皿162の上面から加熱室113の中央を上方向に凹ませた凹部113Tの天井面までの最大高さ寸法である。この実施の形態1では、有効高さ寸法HVは、94mm、最大高さ寸法HXは100mmである。これは1例であって、本発明はこの寸法の構成に何ら限定されたものではない。
図10において、WHは、加熱室113の内側横幅寸法である。加熱室113は、この内側横幅寸法で前方の開口113Aまで形成してあるので、被調理物やフライパン等の調理器具が挿入できるかどうかを決定する間口寸法とも言える。この内側横幅寸法WHは、310mmである。
163は、加熱室113を外部から加熱する電気輻射式のヒーターであり、例えばシーズヒーター、または薄いマイカ製の支持板全体にヒーター線を巻き付けた形態の、マイカヒーターである。ヒーター163は2つのヒーターから構成されている。163Aは、加熱室113の天井面の上に密着又は近接して固定されている上ヒーターであり、163Bは、加熱室113の底面の下に密着又は近接して固定されている下ヒーターである。
図9において、166Rは、加熱室113の右側壁面との間に、空隙GP5Rを形成するように垂直に設置された右側仕切板であり、金属製薄板から形成されている。166Lは、加熱室113の左側壁面との間に、空隙GP5Lを形成するように垂直に設置された左側仕切板であり、金属製薄板から形成されている。加熱室113の左側と右側にある空隙GP5L、GP5Rには、断熱材(図示せず)が挿入されており、加熱室113の熱伝導を抑制している。
167は、上ヒーター163Aの上方全体を覆う上部遮熱板であり、金属製の薄板又は耐熱性プラスチックから形成されている。GP6は、上部遮熱板167と上ヒーター163Aとの間に形成した空隙であり、大きさは数mm〜10mm程度である。この空隙GP6は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。上部遮熱板167の周縁部は、前記右側仕切板166R及び左側仕切板166Lとの上端縁を間に挟んだ形で、加熱室113の天井面に密着状態に固定されている。
168は、上部遮熱板167と上下対称形の縦断面形状を有する下部遮熱板である。この下部遮熱板は、下ヒーター163Bの下方全体を覆っており、金属製の薄板又は耐熱性プラスチックから形成されている。
GP7は、下部遮熱板168と下ヒーター163Bとの間に形成した空隙であり、大きさは数mm〜10mm程度である。この空隙は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。下部遮熱板168の周縁部は、右側仕切板166R及び左側仕切板166Lの下端縁を間に挟んだ形で、加熱室113の底壁面に密着状態に固定されている。
169は、上部遮熱板167の上方全体を覆うように、その上部遮熱板167の周辺部に重ねてある上部ケースである。170は、下部遮熱板168の下方全体を覆うように、その下部遮熱板168の周辺部に重ねてある下部ケースである。
上部ケース169と下部ケース170は、図9に示すように、縦断面形状が上下対称形状であり、金属製薄板又は耐熱性プラスチックで形成されている。GP8は、上部ケース169と上部遮熱板167との間に形成した空隙であり、大きさは数mm〜10mm程度である。この空隙GP8は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。
GP9は、前記下部ケース170と下部遮熱板168との間に形成した空隙であり、大きさは数mm〜10mm程度である。この空隙GP9は外部との空気の流通をしないように、密閉空間になっている。
前記空隙GP6の中には、シート又は板状の断熱材(図示せず)を配置している。同じく空隙GP8の中には、シート又は板状の断熱材(図示せず)を配置している。
前記空隙GP7の中には、シート又は板状の断熱材(図示せず)を配置している。同じくGP9の中には、シート又は板状の断熱材(図示せず)を配置している。これらの各断熱材は、1層構造ではなく、複数層を重ねた形態にすると、更に断熱性能が向上する。なお、各断熱材の平面的な大きさ(縦・横寸法)は、少なくとも上ヒーター163Aと下ヒーター163Bの、それぞれの設置範囲よりも大きい。
図9において、171は、上部ケース169の上方に、冷却風RF5が流れる通路172を区画形成した仕切板である。仕切板171後方壁面上部には、連通口173が開口しており、この連通口173に排気ダクト102の入口端部が接続されている。図10に示すように、174は、加熱室113の天井面の後部に形成した連通口であり、この連通口174に排気ダクト102の入口部が接続されている。102Eは、冷却風の最終出口となる終端部である。
図10に示すように、前記排気ダクト102は、上下に2つの独立した内部通路102A、102Bを備えており、その内、上側にある内部通路102Aには、グリル基板121を冷却したあとの冷却風RF5が流れる。また、もう一方の内部通路102Bには、加熱室113内部に導入されて温度の上がった冷却風RF6が流れる。
風路の開口面積を絞った冷却風RF5の排出口により、冷却風RF5の風速は大きくなる。このため、排出口付近において冷却風RF6が、前記冷却風RF5によって誘引される。このような作用により、加熱室113内部の気体が、内部通路102Bに吸引される。これにより、2つの冷却風RF5、RF6が、ともに前記排気口20から加熱調理器1の外部へ効率良く排出される。なお、このような誘引構造を採用せず、排気ダクト102に入る前の上流段階で合流させる方式を採用しても良い。
図10において、180は加熱室113の背面壁(後壁面)113Bに形成した大きな給電口、181は、この給電口180を外側から閉鎖するカバーであり、マイクロ波を透過させる耐熱性プラスチックや耐熱性ガラスから板状に形成されている。カバー181は、背面壁(後壁面)113Bの外側に固定されている。
カバー181は、背面壁(後壁面)113Bに密着している。このカバー181の背面側全体を覆うように、アンテナケース124が加熱室113の背面壁113Bに固定されている。カバー181は、図10に示しているようにアンテナケース124の前面開口部の内側に挿入されている。
123は、前述したカバー181の更に背面側に接続された導波管である。アンテナ駆動用のモーター126は、このように導波管123の背面側に、耐熱性シール材184を介して固定されている。
126Aは、アンテナ駆動用モーター126の回動軸であり、前後方向に向けて水平に設置されている。回動軸126Aの自由端側(前方端部)には、アンテナ125が固定されている。なお、回動軸126Aは、プラスチックやセラミック材から形成されているが、アンテナ125側から一定の範囲だけを金属製にし、そこからアンテナ駆動用モーター126まではプラスチック、セラミック等の耐熱性と絶縁性に富む材料で形成しても良い。
185は、回動軸126Aを中心として、その周囲に所定の寸法で形成されている電波封印室である。この電波封印室は、いわゆるチョーク室構造になっている。また更に効果的なマイクロ波漏洩防止のために、チョーク構造物よりもアンテナ駆動用モーター126に近い側に、電波吸収体(図示せず)を配置し、回転軸126Aの周囲からのマイクロ波漏洩防止を図っても良い。
図10において、LAは、加熱室113の背面壁(後壁面)113Bを起点にして、アンテナ駆動用モーター126の最後尾までの寸法を示している。以後、この寸法を「突出寸法」と呼ぶ。この突出寸法LAを小さくすることが望ましいが、現実には上述したように、アンテナケース124、電波封印室185の寸法も必要であり、アンテナ駆動用モーター126の外形寸法を小さくしても、限界がある。この寸法LAは70mmである。
図10において、GP10は、アンテナ駆動モーター126の背面から下部ケース101の傾斜部101Cまでの間の空隙であり、モーター126の上端では69mm、逆に下端と下部ケース101Cとの空隙は、53mm程度である。この空隙GP10の中に、ケースC154を配置することは寸法上無理であるため、この実施の形態1では、ケースC154を、アンテナ駆動モーター126の真後ろ(背後)から右方向にずらして配置している。
次に、ドア114(本発明の加熱室扉体)の構造について説明する。図10において、190はドア114の外殻を構成する金属製又はプラスチック製のフレームであり、前方側から見ると額縁状に形成されている。192は、内枠であり、金属製板から形成されている。この内枠192の中央部には、図示しない覗き窓が形成されている。
191は、内枠192の前方側全体を覆うように、内枠192とフレーム190との間に外周縁部を固定されたカバーであり、加熱室113を覗けるように透明な耐熱性プラスチックやガラス等で形成してある。
193は、図示しない覗き窓に対応する部分に、マイクロ波が透過しない寸法の、無数の小孔を形成した内側シール枠である。この内側シール枠は、全体が金属製薄板をプレス成形して形成され、外周縁部には、加熱室113側に入口(スリット)を形成したチョーク室194を形成している。
195は、金属製の薄板からなるシール板である。このシール板195の外周縁部は、図10に示すように内側シール枠193側に一連に曲がっている。チョーク室194は、このシール板195の外周縁部と前記内側シール枠193で囲まれた空間で、チョーク室194を形成している。
ドア114を完全に閉じた状態では、シール板195の外周縁部と内側シール枠193の両者が、下部ケース101の前板101F表面に接触した状態となる。そのため、加熱室113内部に供給されたマイクロ波が、このドア114と加熱室113の前面の開口113Aから漏洩しない。
196は、内枠192の図示しない覗き窓に対応する部分の内側に設けた透明なシール板であり、耐熱性ガラスで製造されている。197は、ドア114の上面に沿って、少なくともドア114の横幅と同等な横幅寸法を有する金属製の上部遮蔽板である。この上部遮蔽板197は、ドア114の上面に近接して庇状に設けてあり、かつ下部ケース101に電気的に繋がるよう金属製ネジ等の固定具で下部ケース101に固定されている。
ドア114は、その下部が下部ケース101にヒンジ部(図示せず)によって支持されているため、取っ手部115を持って手前に引けばドア114を開けることができる。このような開放の初期においてドア114と下部ケース101との重合部が、瞬間的に空隙が生じてマイクロ波の一部分が漏洩する懸念があるが、この実施の形態1では、前記上部遮蔽板197によって、そのような不要なマイクロ波の漏洩をドア114の上方で抑制できる。
図12において、201は加熱室113の右側壁面の前方部に形成した導入口であり、マイクロ波が漏洩しないような口径の小さい多数の孔から形成されている。この導入口201を加熱室113の右側壁面の前方部に設けた理由は、ドア114の内側付近へ冷却風RF6の一部を供給し、ドア114の内枠192に設けられた図示しない覗き窓の曇りを抑制するためである。導入口201には、マグネトロン122の放熱部122Hを冷却した後の冷却風RF6が、空隙GP5Rによって案内される。
導入口201よりも冷却風RF6の流れで上流側には、温度センサー160があり、その温度センサー160の部分で、一部の冷却風RF6は、加熱室113の内部へ吹き出されるので、導入口201に至る冷却風RF6の量は、少ない。しかし、この導入口201から空気を入れている目的は、前記ドア114の内側にあるシール板196の「曇り抑制」であり、少ない風量で何ら問題はない。なお、この温度センサー160の周囲にある狭い間隙から空気を供給することを採用しなくとも良い。
次に、図18から図21により、本発明の加熱調理器の回路構成と動作について説明する。図18は本発明の実施の形態1に係るビルトイン式の加熱調理器の一例の回路ブロック図、図19は図19に示す主電源部とグリル電源部の詳細説明図、図20は図19に示す回路ブロック図における信号の送信元及び送信先の関係を示した図、図21は本発明の実施の形態1に係るビルトイン式の加熱調理器でグリル調理を行うときの信号の動作を表した図である。
誘導加熱調理器1の回路構成として、電源が供給されて最初に商用電源99からのノイズを取り除くためのフィルター部54Aがある。フィルター部54Aはフィルター基板54(図7参照)に実装されている。
フィルター部54Aの次段には、後段で説明する複数の負荷回路と、それら負荷回路に電源を供給する主電源リレー(本発明の実施の形態1における電源スイッチ)302と補助電源リレー(本発明の実施の形態1における補助スイッチ)301がある。補助電源リレー(補助スイッチ)301には、専用で電源を供給するための補助リレー用電源部338がある。主電源リレー(電源スイッチ)302と補助電源リレー(補助スイッチ)301は並列に接続されている。補助電源リレー(補助スイッチ)301よりも後段で説明する負荷回路側に、補助電源リレー(補助スイッチ)301と直列に突入電流防止抵抗304が接続されている。突入電流防止抵抗304については後段の動作の説明の中で説明する。
電源が供給される負荷回路はIH駆動部213とグリル駆動部218と後段で説明するアンテナ駆動用モーター126、主電源部336とグリル電源部337があり、IH駆動部213にはトッププレートに載置されている鍋などを加熱するのに必要な負荷の誘導加熱コイルであるIHコイル17RとIHコイル17Lが接続されている。IH駆動部213にはIHコイル17RとIHコイル17Lに高周波電流を流すための、IHコイル17RとIHコイル17Lそれぞれに対応した図示しないインバーター回路等を含むIH駆動回路があり、IH駆動回路からIHコイル17RとIHコイル17Lに高周波電流を流すことができる。
また、IH駆動部213を冷却する上部冷却ファン駆動部331と上部冷却ファン60も誘導加熱時の負荷回路であるが、商用電源99からの電源が直接供給される訳ではなく、後段で説明する主電源部336が生成する電源24Vが供給される。
それぞれのインバーター回路には定格を超えた電流が流れた場合に溶断して電源の回路を遮断するヒューズ(図示せず)が設けられており、インバーター回路に過電流、例えば15Aの定格に対し20Aの電流が流れた時に溶断してインバーター回路と電源を物理的に遮断する。なお、短絡故障などの保護のため、IH駆動部213にはIH駆動部213へ電源を供給するためのIH負荷リレー(図示せず)があっても良い。
グリル駆動部218には2つの加熱手段、それぞれに対応する駆動部、ヒーター駆動部218Aとマグネトロン駆動部218Bがある。ヒーター駆動部218Aには輻射式加熱で被加熱物を加熱する負荷であるヒーター163、詳しくは上ヒーター163A、下ヒーター163Bが接続されており、ヒーター駆動部218Aには上ヒーター163A、下ヒーター163Bと電源を接続するためのリレー又はトライアックなどのスイッチング素子(図示せず)が搭載されている。
スイッチング素子は上ヒーター163A、下ヒーター163Bなどの負荷を介して、後段で説明するグリル負荷リレー217対して電気的に異極にあり、グリル負荷リレー217とスイッチング素子で両切りの構成になっており、故障により片方がアーズに短絡しても負荷への電源供給を遮断することができる。
マグネトロン駆動部218Bにはマイクロ波による高周波加熱で被加熱物を加熱する負荷であるマイクロ波を発信するマグネトロン122が接続されている。
主電源部336は上部電源回路基板55(図9参照)に搭載され、上部冷却ファン60やドア114(本発明の加熱室扉体)の開閉を検知して、ドア114(本発明の加熱室扉体)が開いているという情報からマイコンへ信号を出し、電源の供給を停止したり、閉じている情報からをマイコンへ信号を出し、電源の供給を開始したりするためのドアセンサー222などの負荷が接続されている。
グリル駆動部218に至る回路には、定格を超えた電流が流れた場合に溶断して電源の回路を遮断するグリル負荷ヒューズ221が設けられており、グリル駆動部218に過電流、例えば15Aの定格に対し20Aの電流が流れた時に溶断してインバーター回路と電源を物理的に遮断する。
グリル駆動部218とグリル負荷ヒューズ221の間には、グリル駆動部218に流れる電流を検知するためのグリル電流検知部214がある。グリル駆動部218とグリル電流検知部214の間には、ドア114(本発明の加熱室扉体)の開閉動作に応じて回路の開閉を行う主扉スイッチ132Aと副扉スイッチ132Bがある。
主扉スイッチ132A及び副扉スイッチ132Bとグリル駆動部218の間には、IH駆動部213とグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126といった負荷と電源を接続するためのグリル負荷リレー217がある。
主扉スイッチ132Aと副扉スイッチ132Bは、ヒーター駆動部218A及びマグネトロン駆動部218Bの負荷を介して主電源リレー(電源スイッチ)302に対して電気的に異極にあり、主電源リレー(電源スイッチ)302とグリル負荷リレー217で両切りの構成になっている。
マグネトロン駆動部218Bはインバーター回路基板121(図9参照)に実装されたマイクロ波発信用のインバーター回路(図示せず)を有しており、このインバーター回路(図示せず)からマグネトロンに高周波電流を流し、マイクロ波を発生させることができる。
アンテナ駆動用モーター126はマグネトロン122が発生したマイクロ波を加熱室113の内部に均等に伝搬させるためのアンテナ125(図10参照)を回転させるもので、アンテナ駆動用モーター126とグリル負荷リレー217の間にはアンテナ駆動用モーター126の駆動(回転)を検知するための回転検知部220がある。
主電源部336は、主電源リレー(電源スイッチ)302、IH駆動部213、上部冷却ファン60、上部冷却ファン駆動部331、統合制御装置211、統合表示部(本発明の表示手段)30と左側表示部31Lと右側表示部31Rと入力操作部40など操作入力と表示に関連する全てを含む表示・操作部212の各種信号の送受信に必要な電源を生成する。
グリル電源部337は、グリル駆動部218、グリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129を駆動するグリル冷却ファン駆動部333、ドアセンサー222、などの動作に必要な電源を生成している。
主電源部336は上部電源回路基板55に実装されており、グリル電源部337は、下部電源回路基板127に実装されていて、電源回路127に搭載されており、主電源部336で生成する電源とグリル電源部337で生成する電源のグランドは、図19に示すようにそれぞれ主電源部336のトランス336Aとグリル電源部337のトランス337Aとで分離されている。
このように主電源部336で生成する電源とグリル電源部337で生成する電源のグランドを分離することで、互いのノイズの影響を受けないようになっている。また、上部電源回路基板55と下部電源回路基板127を離れた位置に配置することで、電源のグランドも離れた位置になり、さらに互いのノイズの影響を受けないようになっている。
IH制御装置321は統合制御装置211からIH駆動部213や上部冷却ファン60などの各種負荷の動作信号を受信し各種負荷に動作指示を行い、また負荷の動作情報を統合制御装置211に送信する。
グリル制御装置322は、グリル駆動部218の2つの駆動部であるヒーター駆動部218Aとマグネトロン駆動部218Bとアンテナ駆動用モーター126、及びグリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129を駆動するグリル冷却ファン駆動部333を制御する機能を有しており、グリル制御装置322からヒーター駆動部218Aとマグネトロン駆動部218Bとアンテナ駆動用モーター126、及びグリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129を駆動するグリル冷却ファン駆動部333などの各種負荷の動作信号受信し各種負荷に動作指示を行い、また負荷の動作情報やセンサーからの情報などを統合制御装置211に送信する。
グリル負荷リレー217とアンテナ駆動用モーター126の間には、アンテナ駆動用モーター126の駆動と停止を行うアンテナリレー303があり、アンテナON信号又はアンテナOFF信号によってアンテナリレー303の開状態と閉状態を切替える。
アンテナリレー303が無い場合、アンテナ駆動用モーター126を駆動させる必要がないヒーター駆動部218Aにより上ヒーター163A、下ヒーター163Bが通電しているときにもアンテナ駆動用モーター126に電源が供給され、アンテナ駆動用モーター126が駆動し無駄に電力消費してしまうため、アンテナリレー303によりアンテナリレー303の開状態と閉状態を切替えて無駄に電力消費しないようにしている。
上部冷却ファン駆動部331は、図20、図21に示す統合制御装置211からの上部冷却ファン駆動信号S6、上部冷却ファン停止信号S13によって上部冷却ファン60の駆動と停止を切替える。
グリル冷却ファン駆動部333は、図20、図21に示すグリル制御装置322からのグリル冷却ファン駆動信号S7、グリル冷却ファン停止信号S14によってグリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129の駆動と停止を切替える。グリル基板冷却ファン128とマグネトロン冷却ファン129は個別に制御可能であり、グリル冷却ファン駆動信号S7とグリル冷却ファン停止信号S1)の中に、個別の駆動情報と停止情報が含まれている。グリル基板冷却ファン128はグリル駆動部218が搭載している部品などの冷却を行い、マグネトロン冷却ファン129はマグネトロン122の冷却や加熱室113内の排気などを行う。
次に動作の説明を行う。IH駆動部213、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126、主電源部336、グリル電源部337などの負荷回路に電源が供給されていない電源オフの状態では、補助電源リレー(補助スイッチ)301には電源が供給されていないが、補助電源リレー(補助スイッチ)301に専用で電源を供給するための補助リレー用電源部338には、商用電源99が接続されていれば常時電源が供給されており、補助リレー用電源部338では補助電源リレー(補助スイッチ)301を駆動するための電源24V、5Vが生成されている。
図14に示す主電源スイッチの操作キー(本発明の電源ボタン)98を操作入力すると、電源ボタン入力検知部203が主電源スイッチの操作キー(本発明の電源ボタン)98の入力を検知して、まず補助電源リレー(補助スイッチ)301に図20、図21に示す補助電源リレーオン信号S1を送信し、補助電源リレー(補助スイッチ)301を閉状態にし、統合制御装置211に主電源リレー(電源スイッチ)302を閉状態にする主電源リレー(電源スイッチ)入力信号S2を送信する。
前述のように商用電源99に接続されるときには、まず補助電源リレー(補助スイッチ)301が閉状態となるので、補助電源リレー(補助スイッチ)301が閉状態となったときに大電流(突入電流)が流れるおそれがあるため、それを防止するために前述のように補助電源リレー(補助スイッチ)301よりも負荷回路側に、補助電源リレー(補助スイッチ)301と直列に突入電流防止抵抗304が接続されている。
補助電源リレー(補助スイッチ)301が閉状態になると主電源部336に電流が流れ、負荷回路に供給される電源5V、18V、24Vが生成される。各電源の供給先は、5Vは統合制御装置211、IH制御装置321、18VはIH駆動部213、24Vは上部冷却ファン60である。
同じく、補助電源リレー(補助スイッチ)301が閉状態になるとグリル電源部337に電流が流れ、負荷回路に供給される電源5V、18V、24Vが生成される。各電源の供給先は、5Vはグリル制御装置322、18Vはグリル駆動部218、24Vはグリル基板冷却ファン128、マグネトロン冷却ファン129である。
主電源部336で5Vが生成されると前述のように統合制御装置211に電源が供給され、統合制御装置211が起動する。統合制御装置211は起動すると電源ボタン入力検知部203が送信した信号、主電源リレー(電源スイッチ)入力信号S2を受信し、主電源リレー(電源スイッチ)302に主電源リレー(電源スイッチ)オン信号S51を送信し、主電源リレー(電源スイッチ)302を閉状態に維持する。
主電源リレー(電源スイッチ)302を閉状態に維持するため、補助電源リレーオン信号S1が停止し補助電源リレー(補助スイッチ)301が開状態になっても、負荷回路に常時電源が供給される電源オンの状態になる。
このとき統合制御装置211は表示・操作部212の統合表示部(本発明の表示手段)30に、電源がオンしていることを文字、あるいは図形で表示(図示せず)し、個別発光部27R5(図16参照)を点灯する制御をし、表示・操作部212の入力操作部40からの操作入力が受付可能な状態となっている。なお、統合表示部(本発明の表示手段)30に、電源がオンしていることを文字、あるいは図形で表示(図示せず)せず、個別発光部27R5(図16参照)だけを点灯させて電源がオンしていることを示すようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態では、主電源リレー(電源スイッチ)302と補助電源リレー(補助スイッチ)301を個別に設けた例で説明したが、主電源リレー(電源スイッチ)と補助電源リレー(補助スイッチ)の機能を備えた1つのリレーで構成してもよく、1つのリレーにすることで部品点数を減らすことができ、省スペース化、低コスト化ができる。
次に、使用者が加熱室113を使って調理を始める場合、入力操作部40の中央操作部40M(図13参照)を操作し、統合表示部(本発明の表示手段)30に調理メニューを選択する図示しないメニュー画面を表示し、調理が開始できる状態、言い換えると調理準備状態にする。
図15に示す中央操作部40M(図13参照)の入力キー43MSは、加熱室113を利用したマイクロ波加熱調理、グリル調理、オーブン調理の動作開始を指令することができる入力キーである。入力キー45MTは、逆にマイクロ波加熱調理、グリル調理、オーブン調理の動作を停止させることができる入力キーである。
例えば、レンジ調理メニューを選択、あるいはレンジ調理メニューで調理を開始すると、図15に示す表示部68Lは、加熱室113にて、高周波加熱によるレンジ調理を選択、あるいはレンジ調理を開始したことを、例えば発光ダイオードを点灯させることで示す。表示部68Lの手前には「レンジ」と記載されていて、レンジ調理であることが容易に分かるようになっている。
例えば、グリル調理メニューを選択、あるいはグリル調理メニューで調理を開始すると、図15に示す表示部68Mは、加熱室113にて、上ヒーター163A又は下ヒーター163Bの両方又は何れか一方を使用するグリル調理を選択、あるいはグリル調理を開始したことを、例えば発光ダイオードを点灯させることで示す。表示部68Mの手前には「グリル」と記載されていて、グリル調理であることが容易に分かるようになっている。なお、グリル調理メニューには、レンジ調理との複合調理メニューも含まれ、レンジ調理との複合調理のメニューを選択したときには表示部68Lと表示部68Mの発光ダイオードを点灯させて、グリル調理の複合調理メニューであることを示す。
例えば、オーブン調理メニューを選択、あるいはオーブン調理メニューで調理を開始すると、図15に示す表示部68Rは、加熱室113にて、上ヒーター163Aと下ヒーター163Bの両方を使用して加熱室113内の温度調節をしながら調理するオーブン調理を選択、あるいはオーブン調理を開始したことを、例えば発光ダイオードを点灯させることで示す。表示部68Rの手前には「オーブン」と記載されていて、オーブン調理であることが容易に分かるようになっている。
ここでグリル調理メニューから複合調理メニューを選択し、入力キー43MSで調理を開始すると、統合制御装置211は中央操作部40M(図13参照)で受け付けた操作情報に合わせてグリル制御装置322に、グリル駆動部218のヒーター駆動部218Aとマグネトロン駆動部218B、及びアンテナ駆動用モーター126の動作指示(信号)を出す。
加熱が開始されるには、まず、統合制御装置211からグリル制御装置322に図20、図21に示すグリル負荷信号S72を送信し、グリル制御装置322からグリル負荷リレー217に図20、図21に示すグリル負荷リレーオン信号S4を送信してグリル負荷リレー217を閉状態にし、ヒーター駆動部218A、マグネトロン駆動部218B、アンテナ駆動用モーター126に電源を供給できる状態にする。
このとき、使用者によりドア114(本発明の加熱室扉体)が開いた状態であれば、主扉スイッチ132Aが負荷と遮断された状態となり、ヒーター駆動部218A、マグネトロン駆動部218B、アンテナ駆動用モーター126へ電源が供給されない。
グリル制御装置322は、図20、図21に示すグリル負荷リレーオン信号S4を送信するのと同時に、グリル冷却ファン駆動部333にグリル冷却ファン駆動信号S7を送信する。グリル冷却ファン駆動部333はグリル冷却ファン駆動信号S7を受信すると、グリル基板冷却ファン128に電流を流しグリル基板冷却ファン128を駆動させる。
マグネトロン122を駆動させる複合調理の場合は、マグネトロン冷却ファン129も駆動させ、グリル制御装置322はアンテナリレー303にアンテナオン信号S61を送信し、アンテナリレー303を閉状態にしてアンテナ駆動用モーター126を駆動させる。
また、統合制御装置211はIH制御装置321に図20、図21に示す本体上部負荷動作信号S71を送信し、IH制御装置321は上部冷却ファン駆動部331に図20、図21に示す上部冷却ファン駆動信号S6を送信して上部冷却ファン60を駆動させる。
なお、グリル調理メニューで調理をするときに、上部冷却ファン60を駆動させる理由であるが、商用電源99から最初に電源が供給されるのが、図7に示す上部ユニット100に配置されたフィルター部54A(図18参照)が実装されたフィルター基板54(図7参照)であり、フィルター基板54に搭載されたノイズを取り除くための図示しないリアクトルが発熱し温度が高くなるためで、フィルター基板54を冷却するためである。
グリル基板冷却ファン128及びマグネトロン冷却ファン129が発生させる冷却風は、図示しないが上部ユニット100に配置された電気部品を通過する構成となっていない、言い換えると上部ユニット100に配置された電気部品を冷却する構成となっていないので、フィルター基板54を冷却するために上部冷却ファン60を駆動させる必要がある。
但し、フィルター基板54が下部ユニット200に配置されていたり、グリル基板冷却ファン128及びマグネトロン冷却ファン129が発生させる冷却風がフィルター基板54などを冷却する構成になっていたりする場合には、上部冷却ファン60を駆動させなくてもよい場合がある。
グリル制御装置322は、グリル負荷リレー217を閉状態にしてから、図20、図21に示すヒーター駆動信号S8をヒーター駆動部218Aに送信、又はマグネトロン駆動信号S9をマグネトロン駆動部218Bに送信する。
ヒーター駆動部218Aは、ヒーター駆動信号S8を受信すると、図示しないヒーター駆動素子を駆動させ、上ヒーター163A又は下ヒーター163Bに電流を流しヒーター163を発熱させる。ヒーター駆動素子に必要な電源はグリル電源部337から供給される。
マグネトロン駆動部218Bは、マグネトロン駆動信号S9を受信すると、図示しないインバーター回路のスイッチング駆動素子(IGBTなど)を駆動させ、マグネトロン122に高周波電流を流し、マグネトロン122がマイクロ波を発生させる。インバーター駆動素子に必要な電源はグリル電源部337から供給される。
使用者によるグリル調理の停止操作、又は自動調理の調理シーケンスによりグリル調理を終了する場合、グリル制御装置322は、図20、図21に示すヒーター停止信号S10をヒーター駆動部218Aに送信、又はマグネトロン停止信号S11をマグネトロン駆動部218Bに送信する。ヒーター駆動部218Aは、ヒーター停止信号S10を受信すると、ヒーター駆動素子を停止させ、上ヒーター163A、又は下ヒーター163Bへの給電を停止する。
マグネトロン駆動部218Bは、マグネトロン停止信号S11を受信すると、図示しないインバーター回路のスイッチング駆動素子(IGBTなど)を停止させ、マグネトロン122への給電を停止させる。また、アンテナリレー303にはアンテナオフ信号S62を送信し、アンテナリレー303を開状態にする。
グリル制御装置322は、ヒーター停止信号S10、又はマグネトロン停止信号S11を送信後、グリル負荷リレー217に図20、図21に示すグリル負荷リレーオフ信号S12を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にする。
上部冷却ファン60、グリル基板冷却ファン128、マグネトロン冷却ファン129は調理終了も一定時間、又は図示しない温度センサーが規定温度を下回るまで駆動させ、基板等の本体内部部品や加熱室113内を冷却する。各種冷却ファンが停止するタイミングは同じでなくてもよい。
加熱調理器1での調理が終了後、使用者が電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)を操作した場合は、電源ボタン入力検知部203から統合制御装置211に電源ボタン入力信号S2を送信する。電源ボタン入力信号S2は使用者が電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)を操作している間(タッチキーであるならばタッチしている間)は送信される。電源ボタン入力信号S2が停止すると主電源リレー(電源スイッチ)302に主電源リレーオフ信号S52を送信し、主電源リレー(電源スイッチ)302は開状態になり負荷回路への給電を停止する。
また、加熱調理器1での調理が終了後、使用者が操作せず、あらかじめ設定された時間、例えば何も操作がされない状態が30分間継続すると、統合制御装置211は主電源リレー(電源スイッチ)302に主電源リレーオフ信号S52を送信し、主電源リレー(電源スイッチ)302は開状態になり負荷回路への給電を停止する。
以上のように、使用者の電源スイッチの操作キー(本発明の電源ボタン)の操作による主電源リレー(電源スイッチ)302のオフ動作と、統合制御装置211による主電源リレー(電源スイッチ)302のオフ動作を分けることで、ノイズ等による加熱調理器1の電源オン又はオフの誤作動を低減することができる。また、主電源部336とグリル電源部337を分離することで、ノイズ等による負荷の誤作動や各種信号の欠落などを低減することができる。
誘導加熱装置17Hで調理を始める場合、使用者は左誘導加熱装置17HLを使用するのであれば入力操作部40の左操作部40Lで、右誘導加熱装置17HRを使用するのであれば入力操作部40の右操作部40Rで誘導加熱装置を選択する。ここでは、左誘導加熱装置17HLを使用する例で説明する。
図17に示す入力キー43L1は、左誘導加熱装置17HLによる調理を選択する入力キーである。入力キー43L1で左誘導加熱装置17HLを選択し、統合制御装置211が入力を受け付けた場合には、図17に示す個別発光部27L1は、例えば赤色で発光して、使用者に左誘導加熱装置17HLを選択する操作を受け付けていることを表示する。
43L2と43L3は、左誘導加熱装置17HLにおける火力(消費電力)を指定する1対の入力キーである。1回入力する度に、規定されている火力値のデータテーブルの中で、1段階上げた火力を選択し、又は1段階下げた特定の火力を選択できる。選択された火力の強さは火力表示部67Lの発光部の点灯、または点滅している数で表される。図示しない加熱モードを選択し、加熱を開始するキーである入力キー43L4で入力すると、統合制御装置211は左操作部40Lで受け付けた操作情報を受信する。
統合制御装置211は操作情報を受信すると、IH制御装置321に図20、図21に示す本体上部負荷動作信号S71を送信し、IH駆動部213がIHコイル(誘導加熱コイル)17Lに高周波電流を供給する。また、IHコイル(誘導加熱コイル)17Lへの高周波電流の供給と同時にIH制御装置321は上部冷却ファン駆動部331に図20、図21に示す上部冷却ファン駆動信号S6を送信して上部冷却ファン60を駆動させる。上部冷却ファン60は本体外部から外気を吸引し、上部ユニット100内の負荷回路が搭載されているインバーター基板80やIHコイル(誘導加熱コイル)17Lなどを冷却し、本体外部に排気される。
使用者による誘導加熱装置17Hでの調理の停止操作、又は自動調理の調理シーケンスにより誘導加熱装置17Hでの調理を終了する場合、統合制御装置211は、図20、図21に示す本体上部負荷動作信号S71をIH制御装置321に送信する。IH制御装置321は、図20、図21に示す本体上部負荷動作信号S71を受信すると、IH駆動部213がIHコイル(誘導加熱コイル)17Lへの高周波電流の供給を停止する。
上部冷却ファン60は調理終了も一定時間、又は図示しない温度センサーが規定温度を下回るまで駆動させ、基板等の本体内部部品や加熱室113内を冷却する。上部冷却ファン60を停止する場合は、統合制御装置211から図20、図21に示す上部冷却ファン停止信号S13を上部冷却ファン駆動部331に送信し、上部冷却ファン60を停止させる。
次に、グリル調理中に使用者によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられた場合の動作を、図18、図20を用いて説明する。ドア(本発明の加熱室扉体)114を開け始めると、まず、主扉スイッチ132Aが負荷回路であるグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126から電気的に遮断され、グリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126への電力の供給が遮断される。さらにドア(本発明の加熱室扉体)114を開けると、副扉スイッチ132Bが負荷回路であるグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126を介して電気的に異極に接続される。
また、ドアセンサー222によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられたのを検知すると、ドアセンサー222から統合制御装置211にドア開閉信号S6(開状態)が送信される。総合制御装置211は、ドア開閉信号S6(開状態)を受信するとヒーター駆動部218Aにヒーター停止信号S10を、マグネトロン駆動部218Bにマグネトロン停止信号S11を送信し、上ヒーター163A、下ヒーター163B、及び、マグネトロン122が停止後、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S12を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にする。
統合制御装置211が、ヒーター駆動部218Aにヒーター停止信号S10を、マグネトロン駆動部218Bにマグネトロン停止信号S11を送信し、上ヒーター163A、下ヒーター163B、及び、マグネトロン122が停止後、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S12を送信しグリル負荷リレー217を開状態にすることで負荷回路であるグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126の負荷動作が停止される。
負荷動作が停止された場合、統合制御装置211は、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30にドア(本発明の加熱室扉体)114が開かれたことを表示する表示情報を送信し、使用者にドア(本発明の加熱室扉体)114が開かれたことにより加熱動作が停止したことを報知する。加熱を再開するときは、ドア(本発明の加熱室扉体)114を閉めた後、使用者が中央操作部40Mで加熱再開の操作を行うことで加熱が再開される。
以上のように、グリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126などの負荷が動作中に、使用者によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられると、回路(ハード)でグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126などの負荷への電源の供給を停止すると共に、ソフトウェアでもグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126などの負荷の駆動を停止することで、加熱室113で行う調理における負荷回路の動作を複数の異なる手段で停止することができ、ヒーターによる火傷やマイクロ波による人体やその他電子機器への影響などの悪影響を軽減することができる。
次に、主扉スイッチ132Aが故障した場合の動作を、図18、図20を用いて説明する。主扉スイッチ132Aが故障しグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷に接続された状態になった場合、グリル調理中に使用者によりドア(本発明の加熱室扉体)114を開けると、副扉スイッチ132Bと主扉スイッチ132Aが短絡状態となりグリル負荷ヒューズ221が溶断されるため、電源が供給されなくなり、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷が停止する。
以上のように、主扉スイッチ132Aが故障しグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷に接続された状態になった場合でも回路上で物理的にグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷への電源の供給を停止することで、加熱調理器1の安全性を確保することができる。
他に、副扉スイッチ132Bと主扉スイッチ132Aが短絡状態になる前に、ドアセンサー222によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられたことを検知し、統合制御装置211にドア開閉信号(開状態)S16を送信し、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷の動作停止、またはグリル駆動部218などの一部の負荷の動作停止を実施することで、ソフトウェアでも加熱を停止することができる。
なお、グリル負荷ヒューズが溶断され加熱室113で行う調理ができない状況であっても、誘導加熱装置17Hでの調理は可能であるので、修理するまでの間、使用者は誘導加熱装置17Hを継続して使用することができる。
図18に示すように加熱調理器1はグリル電流検知部214を備える。グリル電流検知部214では、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷に流れる電流を監視し、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷の動作に応じて保護動作を行う。
例えば、グリル負荷リレー217を閉状態にしたときに、通常の場合、まだ駆動信号が出ていないので電流が流れないが、図示しない上ヒーター163A駆動用のリレーが故障(溶着)し閉状態となっていた場合、上ヒーター163Aに電流が流れる。
その場合、統合制御装置211は、グリル電流検知部214から送信される図20に示すグリル負荷電流値S17が、あらかじめ設定されている異常電流値を超えていると判断し、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30に異常発生時の表示情報を表示・操作部212に送信し、統合表示部(本発明の表示手段)30に異常情報を表示すると共に、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S12を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にすることで、図示しない上ヒーター163A駆動用のリレーが故障(溶着)した場合でも上ヒーター163Aへの電源の供給を遮断し、使用者の意図しない加熱を防止することができる。
なお、グリル負荷リレー217の代わりに、主電源リレー(電源スイッチ)302により電源の供給を遮断しても良い。
グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷が動作しているときの異常検知電流値は、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷が動作していないときの異常検知電流値よりも高く設定することで、電流異常検知が誤動作しないようになっている。
図示しない下ヒーター163B駆動用のリレーが故障した場合も同様に、グリル負荷リレー217を閉状態にしたときに、通常の場合、まだ駆動信号が出ていないので電流が流れないが、図示しない下ヒーター163B駆動用のリレーが故障(溶着)し閉状態となっていた場合、下ヒーター163Bに電流が流れる。
その場合、統合制御装置211は、グリル電流検知部214から送信される図20に示すグリル負荷電流値S17が、あらかじめ設定されている異常電流値を超えていると判断し、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30に異常発生時の表示情報を送信し、統合表示部(本発明の表示手段)30に異常情報を表示すると共に、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S12を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にすることで、図示しない上ヒーター163B駆動用のリレーが故障(溶着)した場合でもしたヒーター163Bへの電源の供給を遮断し、使用者の意図しない加熱を防止することができる。
アンテナ駆動用モーター126の回転検知部220では、アンテナリレー303の開閉状態に応じて保護動作を行う。電源がオン状態、かつ、グリル負荷リレー221が閉状態のときに、アンテナ駆動用モーター126の駆動を検知すると、アンテナリレー303が故障(溶着)と判断し、統合制御装置211は表示情報を表示・操作部212に送信し、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30に異常情報を表示した後、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S12を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にすることで、図示しない上ヒーター163B駆動用のリレーが故障(溶着)した場合でもしたヒーター163Bへの電源の供給を遮断できる。
また、グリル負荷リレー221が閉状態であり、マグネトロン駆動部218Bが動作中、あるいは、マグネトロン駆動部218Bが動作前にアンテナ駆動用モーター126の駆動を検知しない(アンテナ駆動用モーター126が回転していない)場合は、グリル負荷リレー217が故障し開状態、または、アンテナ駆動用モーター126が故障していると判断し統合制御装置211は表示情報を表示・操作部212に送信し、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30に異常情報を表示する。異常情報を表示したあと、主電源リレー(電源スイッチ)302を開状態にし、負荷回路への電源の供給を停止してもよい。
グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷による異常が発生した場合、異常発生時にグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷が動作している場合は、異常発生と同時に制御装置211は表示情報を表示・操作部212に送信し、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30に異常情報を表示し、動作している負荷を停止させる。
以上のように、商用電源から電源が供給される回路において、ヒーターやマグネトロンなどの負荷に至るまでに複数のスイッチを設けることで、いずれかのスイッチの故障を検知し、故障した箇所の前段のスイッチ、または、ヒューズ等の保護部品が働くことで、安全に負荷への電源供給を停止することができる。また、故障していない加熱部を使用できるようにすることで、ユーザーへの利便性を向上することができる。
また、電源ボタンにより電源を入れなければ電源が供給されないので、小さい子供などが意図せずドアを開閉しても、ヒーターやマグネトロンなどの負荷に電源が供給されないため、使用者が意図しない加熱が開始されることが無く安全が確保できる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、本発明の実施の形態1と電源スイッチの構成が異なる。また、本発明の実施の形態1では制御装置が統合制御装置、IH制御装置、グリル制御装置と複数設けられていたが、本発明の実施の形態2では統合制御装置である。さらに電源部の構成が異なる。ここでは図22により本発明の実施の形態1と異なる点を詳細に説明し、共通事項は省略する場合がある。図22は本発明の実施の形態2に係るビルトイン式の加熱調理器の一例の回路ブロック図である。
本発明の実施の形態1と同様、誘導加熱調理器1の回路構成として、電源が供給されて最初に商用電源99からのノイズを取り除くためのフィルター部54Aがある。フィルター部54Aはフィルター基板54(図7参照)に実装されている。
フィルター部54Aの次には、IH負荷リレー401とグリル負荷リレー217と主電源部402がある。商用電源99と主電源部402との間には回路を遮断する電気部品がないため、商用電源99に接続すると主電源部402には常時電源が供給される。
主電源部402では、負荷回路に供給される電源5V、24Vが生成される。各電源の供給先は、5Vは統合制御装501、24Vは上部冷却ファン60、グリル部冷却ファン560である。
主電源部402の次段にはマイコンリレー403(本発明の実施の形態2における電源スイッチ)があり、使用者が電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)を操作した場合は、電源ボタン入力検知部203からのマイコンリレーオン信号S85により、マイコンリレー403(電源スイッチ)が閉状態になると、統合制御装置501に主電源部402が生成した電源(5V)が供給され統合制御装置501が起動する。
IH負荷リレー401の次段にはIH駆動部213があり、統合制御装置501からIH負荷リレーオン信号S81が送信されIH負荷リレー401が閉状態になるとIH駆動部213にIH電源部404が生成した電源(18V)が供給される。
次に動作の説明を行う。使用者が電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)を操作入力すると電源ボタン入力検知部203が電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)の入力を検知してマイコンリレー403(電源スイッチ)にマイコンリレーオン信号S83を送信しマイコンリレー403(電源スイッチ)を閉状態にし、統合制御装置501に電源ボタン入力信号S22を送信する。
マイコンリレー403(電源スイッチ)が閉状態になると、統合制御装置501に主電源部402が生成した電源(5V)が供給され統合制御装置501が起動する。統合制御装置501は起動すると電源ボタン入力信号S22を受信し、マイコンリレー403(電源スイッチ)にマイコンリレーオン信号S83を送信し、マイコンリレー403(電源スイッチ)を閉状態に維持する。このため、電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)の入力がなくなっても統合制御装置501に常時電源が供給される電源オンの状態になる。
このとき統合制御装置501は表示・操作部212の統合表示部(本発明の表示手段)30に、電源がオンしていることを文字、あるいは図形で表示(図示せず)し、個別発光部27R5(図16参照)を点灯する制御をし、表示・操作部212の入力操作部40からの操作入力が受付可能な状態となっている。なお、統合表示部(本発明の表示手段)30に、電源がオンしていることを文字、あるいは図形で表示(図示せず)せず、個別発光部27R5(図16参照)だけを点灯させて電源がオンしていることを示すようにしてもよい。
例えば、使用者がグリル調理メニューを選択、あるいはグリル調理メニューで調理を開始すると、図15に示す表示部68Mは、加熱室113にて、上ヒーター163A又は下ヒーター163Bの両方又は何れか一方を使用するグリル調理を選択、あるいはグリル調理を開始したことを、例えば発光ダイオードを点灯させることで示す。表示部68Mの手前には「グリル」と記載されていて、グリル調理であることが容易に分かるようになっている。なお、グリル調理メニューには、レンジ調理との複合調理メニューも含まれ、レンジ調理との複合調理のメニューを選択したときには表示部68Lと表示部68Mの発光ダイオードを点灯させて、グリル調理の複合調理メニューであることを示す。
ここでグリル調理メニューから複合調理メニューを選択し、入力キー43MSで調理を開始すると、統合制御装置501は中央操作部40M(図13参照)で受け付けた操作情報に合わせてグリル駆動部218のヒーター駆動部218Aとマグネトロン駆動部218B、及びアンテナ駆動用モーター126の動作指示(信号)を出す。
加熱を開始するには、まず、統合制御部からグリル負荷リレーオン信号S24をグリル負荷リレー217に送信し、グリル負荷リレー217を閉状態にし、ヒーター駆動部218A、マグネトロン駆動部218B、アンテナ駆動用モーター126に電源を供給できる状態にする。
このとき、使用者によりドア114(本発明の加熱室扉体)が開いた状態であれば、主扉スイッチ132Aが負荷と遮断された状態となり、ヒーター駆動部218A、マグネトロン駆動部218B、アンテナ駆動用モーター126へ電源が供給されない。
統合制御装置501は、グリル負荷リレーオン信号S24を送信するのと同時に、冷却ファン駆動部502に冷却ファン駆動信号S27を送信する。冷却ファン駆動部502は冷却ファン駆動信号S27を受信すると、上部冷却ファン60、グリル冷却ファン560に電流を流し上部冷却ファン60、グリル冷却ファン560を駆動させる。
なお、グリル調理メニューで調理をするときに、上部冷却ファン60を駆動させる理由であるが、商用電源99から最初に電源が供給されるのが、図7に示す上部ユニット100に配置されたフィルター部54A(図22参照)が実装されたフィルター基板54(図7参照)であり、フィルター基板54に搭載されたノイズを取り除くための図示しないリアクトルが発熱し温度が高くなるためで、フィルター基板54を冷却するためである。
グリル冷却ファン560が発生させる冷却風は、図示しないが上部ユニット100に配置された電気部品を通過する構成となっていない、言い換えると上部ユニット100に配置された電気部品を冷却する構成となっていないので、フィルター基板54を冷却するために上部冷却ファン60を駆動させる必要がある。IH駆動部213が駆動している場合は、上部冷却ファン60の冷却風により上部ユニット100内の負荷回路が搭載されているインバーター基板80や誘導加熱装置17Hも冷却する。
但し、フィルター基板54が下部ユニット200に配置されていたり、グリル冷却ファン560が発生させる冷却風がフィルター基板54などを冷却する構成になっていたりする場合には、上部冷却ファン60を駆動させなくてもよい場合がある。
グリル負荷リレー217が閉状態になるとアンテナ駆動用モーター126にも電源が供給されてアンテナ駆動用モーター126の駆動が開始され、アンテナ駆動用モーターの回転検知部220からアンテナ駆動用モーター回転信号S25が統合制御装置501に送信される。なお、アンテナ駆動用モーター回転信号S25は回転数を見るようにしてもよいし、回転の有り無しを見るようにしてもよい。
統合制御装置501は、グリル負荷リレー217を閉状態にしてからヒーター駆動信号S28をヒーター駆動部218Aに送信、又はマグネトロン駆動信号S29をマグネトロン駆動部218Bに送信する。
ヒーター駆動部218Aは、ヒーター駆動信号S28を受信すると、図示しないヒーター駆動素子を駆動させ、上ヒーター163A又は下ヒーター163Bに電流を流しヒーター163を発熱させる。ヒーター駆動素子に必要な電源はグリル電源部405から供給される。
マグネトロン駆動部218Bは、マグネトロン駆動信号S29を受信すると、図示しないインバーター回路のスイッチング駆動素子(IGBTなど)を駆動させ、マグネトロン122に高周波電流を流し、マグネトロン122がマイクロ波を発生させる。インバーター駆動素子に必要な電源はグリル電源部405から供給される。
使用者によるグリル調理の停止操作、又は自動調理の調理シーケンスによりグリル調理を終了する場合、統合制御装置501は、ヒーター停止信号S30をヒーター駆動部218Aに送信、又はマグネトロン停止信号S31をマグネトロン駆動部218Bに送信する。ヒーター駆動部218Aは、ヒーター停止信号S30を受信すると、ヒーター駆動素子を停止させ、上ヒーター163A、又は下ヒーター163Bへの給電を停止する。
マグネトロン駆動部218Bは、マグネトロン停止信号S31を受信すると、図示しないインバーター回路のスイッチング駆動素子(IGBTなど)を停止させ、マグネトロン122への給電を停止させる。
統合制御装置501は、ヒーター停止信号S30、又はマグネトロン停止信号S30を送信後、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S32を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にする。グリル負荷リレー217が開状態になるとアンテナ駆動用モーター126への電源の供給も停止するため、アンテナ駆動用モーター126が停止する。
上部冷却ファン60、グリル冷却ファン560は調理終了も一定時間、又は図示しない温度センサーが規定温度を下回るまで駆動させ、基板等の本体内部部品や加熱室113内を冷却する。
上部冷却ファン60とグリル冷却ファン560を停止する場合は、統合制御装置501から冷却ファン停止信号S33を冷却ファン駆動部502に送信し、上部冷却ファン60とグリル冷却ファン560を停止させる。このとき上部冷却ファン60とグリル冷却ファン560が停止するタイミングは同じでなくてもよい。
加熱調理器1での調理が終了後、使用者が電源スイッチの操作キー98(本発明の電源ボタン)を操作した場合は、電源ボタン入力検知部203から統合制御装置501に電源ボタン入力信号S22を送信する。
電源ボタン入力信号S22が停止するとマイコンリレー403(電源スイッチ)にマイコンリレーオフ信号S84を送信し、マイコンリレー403(電源スイッチ)は開状態になり負荷回路への給電を停止する。
ただし、冷却ファン動作や高温注意表示などの機器の動作が必要な場合はマイコンリレー403(電源スイッチ)を開状態にせず、機器の動作の必要な動作が停止してからマイコンリレー403(電源スイッチ)を開状態にする。
また、加熱調理器1での調理が終了後、使用者が操作せず、あらかじめ設定された時間、例えば何も操作がされない状態が30分間継続すると、統合制御装置501はマイコンリレー403(本発明の電源スイッチ)にマイコンリレーオフ信号S84を送信し、マイコンリレー403(本発明の電源スイッチ)は開状態になり負荷回路への給電を停止する。
誘導加熱装置17Hで調理を始める場合、使用者は左誘導加熱装置17HLを使用するのであれば入力操作部40の左操作部40Lで、右誘導加熱装置17HRを使用するのであれば入力操作部40の右操作部40Rで誘導加熱装置を選択する。ここでは、左誘導加熱装置17HLを使用する例で説明する。
図17に示す入力キー43L1は、左誘導加熱装置17HLによる調理を選択する入力キーである。入力キー43L1で左誘導加熱装置17HLを選択し、統合制御装置501が入力を受け付けた場合には、図17に示す個別発光部27L1は、例えば赤色で発光して、使用者に左誘導加熱装置17HLを選択する操作を受け付けていることを表示する。
43L2と43L3は、左誘導加熱装置17HLにおける火力(消費電力)を指定する1対の入力キーである。1回入力する度に、規定されている火力値のデータテーブルの中で、1段階上げた火力を選択し、又は1段階下げた特定の火力を選択できる。選択された火力の強さは火力表示部67Lの発光部の点灯、または点滅している数で表される。図示しない加熱モードを選択し、加熱を開始するキーである入力キー43L4で入力すると、統合制御装置501は左操作部40Lで受け付けた操作情報を受信する。
統合制御装置501は操作情報を受信すると、IH負荷リレー401にIH負荷リレーオン信号S81を送信し、IH負荷リレー401を閉状態にする。IH負荷リレー401を閉状態にすることでIH電源部404からIH駆動部213に電源が供給され、統合制御装置501からIH駆動部213にIH駆動信号S35が送信され、IH駆動部213はIH駆動信号S35を受信するとIHコイル(誘導加熱コイル)17Lに高周波電流を供給する。
また、IHコイル(誘導加熱コイル)17Lへの高周波電流の供給と同時に統合制御装置501は冷却ファン駆動部502に冷却ファン駆動信号S27を送信して上部冷却ファン60とグリル冷却ファン560を駆動させる。
使用者による誘導加熱部17Hでの調理の停止操作又は自動調理の調理シーケンスにより誘導加熱部17Hでの調理を終了する場合、統合制御装置501は、IH停止信号S36をIH駆動部213に送信する。IH駆動部213は、IH停止信号S36を受信すると、IHコイル(誘導加熱コイル)17Lへの高周波電流の供給を停止する。
IHコイル(誘導加熱コイル)17Lへの高周波電流の供給を停止後、IH負荷リレー401にIH負荷リレーオフ信号S82を送信し、IH負荷リレー401を開状態にする。IH負荷リレー401を開状態にすることでIH駆動部213への電源を遮断する。
上部冷却ファン60は調理終了も一定時間、又は図示しない温度センサーが規定温度を下回るまで駆動させ、基板等の本体内部部品や加熱室113内を冷却する。上部冷却ファン60を停止する場合は、統合制御装置501から冷却ファン停止信号S33を冷却ファン駆動部502に送信し、上部冷却ファン60を停止させる。
このように、制御装置を統合制御装置501の1つにして、制御装置に供給される5Vの電源を供給する電源1つにしたので、信号のやり取りにおけるノイズの影響を低減することができる。また、基板に搭載する部品数や基板面積などを削減することができ、コスト削減や基板の小型化が図れる。
グリル調理中に使用者によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられた場合、ドア(本発明の加熱室扉体)114を開け始めると、まず、主扉スイッチ132Aが負荷回路であるグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126から電気的に遮断され、グリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126への電力の供給が遮断される。さらにドア(本発明の加熱室扉体)114を開けると、副扉スイッチ132Bが負荷回路であるグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126を介して電気的に異極に接続される。
また、ドアセンサー222によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられたのを検知すると、ドアセンサー222から統合制御装置501にドア開閉信号S37(開状態)が送信される。総合制御装置501は、ドア開閉信号S37(開状態)を受信するとヒーター駆動部218Aにヒーター停止信号S30を、マグネトロン駆動部218Bにマグネトロン停止信号S31を送信し、上ヒーター163A、下ヒーター163B、及び、マグネトロン122が停止後、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S32を送信し、グリル負荷リレー217を開状態にする。
統合制御装置501が、ヒーター駆動部218Aにヒーター停止信号S30を、マグネトロン駆動部218Bにマグネトロン停止信号S31を送信し、上ヒーター163A、下ヒーター163B、及び、マグネトロン122が停止後、グリル負荷リレー217にグリル負荷リレーオフ信号S32を送信しグリル負荷リレー217を開状態にすることで負荷回路であるグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126の負荷動作が停止される。
負荷動作が停止された場合、統合制御装置501は、図示しないが統合表示部(本発明の表示手段)30にドア(本発明の加熱室扉体)114が開かれたことを表示する表示情報を送信し、使用者にドア(本発明の加熱室扉体)114が開かれたことにより加熱動作が停止したことを報知する。加熱を再開するときは、ドア(本発明の加熱室扉体)114を閉めた後、使用者が中央操作部40Mで加熱再開の操作を行うことで加熱が再開される。
以上のように、グリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126などの負荷が動作中に、使用者によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられると、回路(ハード)でグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126などの負荷への電源の供給を停止すると共に、ソフトウェアでもグリル駆動部218とアンテナ駆動用モーター126などの負荷の駆動を停止することで、加熱室113で行う調理における負荷回路の動作を複数の異なる手段で停止することができ、ヒーターによる火傷やマイクロ波による人体やその他電子機器への影響などの悪影響を軽減することができる。
主扉スイッチ132Aが故障しグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷に接続された状態になった場合、グリル調理中に使用者によりドア(本発明の加熱室扉体)114を開けると、副扉スイッチ132Bと主扉スイッチ132Aが短絡状態となりグリル負荷ヒューズ221が溶断されるため、電源が供給されなくなり、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷が停止する。
以上のように、主扉スイッチ132Aが故障しグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷に接続された状態になった場合でも回路上で物理的にグリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷への電源の供給を停止することで、加熱調理器1の安全性を確保することができる。
他に、副扉スイッチ132Bと主扉スイッチ132Aが短絡状態になる前に、ドアセンサー222によりドア(本発明の加熱室扉体)114が開けられたことを検知し、統合制御装置501にドア開閉信号(開状態)S37を送信し、グリル駆動部218、アンテナ駆動用モーター126などの負荷の動作停止、またはグリル駆動部218などの一部の負荷の動作停止を実施することで、グリル負荷ヒューズ221が溶断する前に負荷への給電を停止することができるので、グリル負荷ヒューズ221を溶断させないことで加熱調理器1を継続して使用することができる。
なお、グリル負荷ヒューズが溶断され加熱室113で行う調理ができない状況であっても、誘導加熱装置17Hでの調理は可能であるので、修理するまでの間、使用者は誘導加熱装置17Hを継続して使用することができる。
以上のように、電源ボタンにより電源を入れなければ電源が供給されないので、小さい子供などが意図せずドアを開閉しても、ヒーターやマグネトロンなどの負荷に電源が供給されないため、使用者が意図しない加熱が開始されることが無く安全が確保できる。