JP2022049375A - 組成物、硬化物、硬化物の製造方法及び積層体 - Google Patents

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JP2022049375A JP2020155554A JP2020155554A JP2022049375A JP 2022049375 A JP2022049375 A JP 2022049375A JP 2020155554 A JP2020155554 A JP 2020155554A JP 2020155554 A JP2020155554 A JP 2020155554A JP 2022049375 A JP2022049375 A JP 2022049375A
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Tomoyuki Iwashima
和彦 松土
Kazuhiko Matsudo
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Abstract

【課題】接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能な、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物を提供すること。【解決手段】脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と、重合性化合物と、を有し、上記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体の含有量が、上記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と上記重合性化合物との合計100質量部中に30質量部以上であり、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物である。上記非脂環樹脂は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる樹脂であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能な組成物に関するものである。
テレビやパソコンなどに使用されている液晶ディスプレイには、様々な光学フィルムが使用されており、例えば、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、視野角保護フィルムなどが使用されている。これらの光学フィルムに用いられる基材としては、シクロオレフィン樹脂、セルロースアシレート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を含む樹脂基材が知られている。
光学フィルムに用いられる樹脂基材には、機能性追加の観点から、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が添加される場合がある(特許文献1等)。
また、光学フィルムには、低透湿性化の課題解決のために、樹脂基材上に環状脂肪族炭化水素基を有する化合物を含む組成物から形成されたバリア層を設ける場合がある(特許文献1等)。
特開2016-133612号公報
光学フィルムの樹脂基材に用いられる、シクロオレフィン樹脂、セルロースアシレート樹脂等の脂肪族炭化水素環構造を有する脂環樹脂は、添加剤等との相溶性が低く、添加剤の添加量、均一分散が困難である場合がある。
一方、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の脂肪族炭化水素環構造を含まない非脂環樹脂は、添加剤等の添加が容易であるが、脂環式樹脂等と比較して、防湿性が低い。このため、非脂環式樹脂を含む基材を用いる場合には、特許文献1等に記載されているような環状脂肪族炭化水素基を有する化合物を含む組成物から形成されたバリア層を併用することも考えられる。
しかしながら、上述のバリア層は、非脂環樹脂との接着力及び防湿性が不十分な場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能な、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物を提供することを主目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、水添炭化水素樹脂、水添石油樹脂等の脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と重合性化合物とを所定の割合で配合した組成物を用いることで、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と、重合性化合物と、を有し、上記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体の含有量が、上記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と上記重合性化合物との合計100質量部中に30質量部以上であり、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物である。
本発明によれば、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能な、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物を提供することが可能となる。
本発明においては、上記非脂環樹脂が、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる樹脂であることが好ましい。上記組成物は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能となるとの効果をより効果的に発揮可能となるからである。
本発明においては、上記非脂環樹脂基材が、偏光板保護フィルムであることが好ましい。上記組成物は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能となるとの効果をより効果的に発揮可能となるからである。
本発明においては、上記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位が、下記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)又は(I-5)で表される構成単位であることが好ましい。上記組成物は、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能となるからである。
Figure 2022049375000001
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
とR及びRとRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
mは、0又は正の整数を表し、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000002
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
とR及びRとRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
p及びqは、それぞれ独立に、0又は正の整数を表し、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000003
(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17及びR17とR18は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000004
(式中、R41、R42、R43、R44、R45及びR46は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
41とR42、R42とR43、R43とR44、R44とR45及びR45とR46は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000005
(式中、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
51とR52、R52とR53及びR53とR54は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は、結合手を表す。)
本発明においては、上記重合性化合物が、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも一方を含むことが好ましい。上記組成物は、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能となるからである。
本発明においては、上記重合性化合物が、脂肪族炭化水素環構造を有する化合物を含むことが好ましい。上記組成物は、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能となるからである。
本発明は、上述の組成物の硬化物を提供する。
上記硬化物は、上述の組成物を用いているため、接着力及び防湿性の高い被覆層として用いることができる
本発明は、上述の組成物を硬化する工程を有する硬化物の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、上述の組成物を用いているため、接着力及び防湿性の高い被覆層を容易に得ることができる。
本発明は、非脂環樹脂基材と、被覆層と、が、この順で積層している積層体であって、上記被覆層が、上述の硬化物を含むことを特徴とする積層体を提供する。
上記積層体は、上記被覆層が上述の硬化物を含むため、非脂環樹脂基材及び被覆層との接着力が高く、防湿性に優れたものとなる。
本発明は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能な、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物を提供できるという効果を奏する。
本発明は、非脂環樹脂基材の被覆形成用である組成物、その硬化物、硬化物の製造方法及びその硬化物を用いた積層体に関するものである。
以下、本発明の組成物、硬化物、硬化物の製造方法及び積層体について詳細に説明する。
A.組成物
まず、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、非脂環樹脂基材の被覆形成用であり、脂肪族炭化水素環構造(以下、「脂環構造」と称する場合がある。)を有する構成単位を含む重合体と、重合性化合物と、を有し、上記脂環構造を有する構成単位を含む重合体の含有量が、上記脂環構造を有する構成単位を含む重合体と上記重合性化合物との合計100質量部中に30質量部以上であることを特徴とするものである。
上記組成物は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能なものである。
ここで、上記組成物が、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能となる理由は、以下のように推察される。
上記脂環構造を有する構成単位を含む重合体(以下、「重合体A」と称する場合がある。)は、脂環構造が高密度な領域を、被覆層中に容易に形成可能となる。また、このような脂環構造が高密度な領域が、被覆対象である非脂環樹脂基材に対して平面状に容易に配置されることで、非脂環樹脂基材との間において高い接着力を発揮することが可能となると共に、高い防湿性を発揮可能となる。特に、上記重合体Aの含有量が所定量以上であることで、このような高い接着力及び防湿性を安定的に発揮可能となる。
また、重合体Aと共に、重合性化合物を含むことで、被覆層中の重合体Aの配置状態を安定的に固定化することが可能となる。その結果、上記重合体Aに起因する高い接着力及び防湿性を、安定的に発揮することが可能となる。
本発明の組成物は、脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体(重合体A)と、重合性化合物とを含むものである。
以下、本発明の組成物の各成分について説明する。
1.脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体(重合体A)の含有量
上記重合体Aの含有量は、上記重合体A及び上記重合性化合物の合計100質量部中に、30質量部以上であることが好ましい。
本発明においては、上記重合体A及び上記重合性化合物の合計100質量部中に、50質量部以上95質量部以下であることがより好ましく、55質量部以上90質量部以下であることが更に好ましく、特に60質量部以上85質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記重合体Aの含有量は、所望の接着力及び防湿性が得られるものであればよいが、上記組成物の固形分100質量部中に、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上95質量部以下であることがより好ましく、55質量部以上90質量部以下であることが更に好ましく、特に60質量部以上85質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
なお、組成物の固形分とは、組成物の溶剤以外の全ての成分の合計をいうものである。
上記重合体Aの含有量は、所望の接着力及び防湿性が得られるものであればよいが、上記組成物100質量部中に、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上30質量部以下であることが更に好ましく、特に10質量部以上20質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、塗工性に優れたものとなるからである。また、上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記重合体A及び重合性化合物の合計の含有量は、所望の接着力及び防湿性が得られるものであればよいが、上記組成物の固形分100質量部中に、60質量部以上であることが好ましく、70質量部以上99.5質量部以下であることがより好ましく、80質量部以上99質量部以下であることが更に好ましく、85質量部以上98質量部以下であることが特に好ましく、90質量部以上96質量部以下であることが最も好ましい上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記重合体A及び重合性化合物の合計の含有量は、所望の接着力及び防湿性が得られるものであればよいが、上記組成物100質量部中に、3質量部以上であることが好ましく、5質量部以上60質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上40質量部以下であることが更に好ましく、特に15質量部以上30質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、塗工性に優れたものとなるからである。また、上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
2.脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体(重合体A)
上記重合体Aは、脂環構造を有する構成単位(以下、「構成単位A」と称する場合がある。)を有するものである。
(1)構成単位A
構成単位Aは、脂環構造を有する構成単位である。
脂環構造としては、主鎖に脂環構造を有する構成単位(以下、「構成単位A1」と称する場合がある。)及び側鎖に脂環構造を有する構成単位(以下、「構成単位A2」と称する場合がある。)が挙げられる。
上記構成単位A1は、脂環構造の一部が主鎖構造に含まれる構成単位をいうものであり、例えば、シクロアルケン等の環構造内のエチレン性不飽和結合が付加重合することで得られる構造及びノルボルネン等のシクロアルケンを開環メタセシス重合することで得られる構造等が挙げられる。
上記構成単位A2は、脂環構造が主鎖構造に含まれない構成単位をいうものであり、例えば、スチレン等の環構造外のエチレン性不飽和結合を付加重合させ、水素添加することで得られる構造等が挙げられる。
本発明においては、構成単位Aとして、少なくとも構成単位A1を含むことが好ましい。すなわち、構成単位Aとして、構成単位A1のみを含むこと、並びに、構成単位A1及び構成単位A2の両者を含むことのいずれも好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
(1-1)構成単位A1
上記構成単位A1は、主鎖に脂環構造を有する構成単位である。
上記構成単位A1が有する脂環構造としては、単環構造及び多環構造のいずれでもよいが、多環構造であることが好ましく、架橋構造を有する構造であることがより好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
本発明においては、上記構成単位A1が、シクロアルケン等の環構造内のエチレン性不飽和結合同士が付加重合することで得られる構造を含むものであることが好ましく、例えば、下記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)及び(I-5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2022049375000006
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
とR及びRとRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
mは、0又は正の整数を表し、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000007
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
とR及びRとRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
p及びqは、それぞれ独立に、0又は正の整数を表し、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000008
(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17及びR17とR18は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000009
(式中、R41、R42、R43、R44、R45及びR46は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
41とR42、R42とR43、R43とR44、R44とR45及びR45とR46は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は、結合手を表す。)
Figure 2022049375000010
(式中、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
51とR52、R52とR53及びR53とR54は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は、結合手を表す。)
上記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)及び(I-5)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
上記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)及び(I-5)における無置換の炭素原子数1~30の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基及び炭素原子数7~30のアリールアルキル基が挙げられる。
無置換の炭素原子数1~30のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t-アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、エチルオクチル、2-メトキシエチル、3-メトキシプロピル、4-メトキシブチル、2-ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3-メトキシブチル、2-メチルチオエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ジフルオロエチル、トリクロロエチル、ジクロロジフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、デカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、ペンタデカフルオロヘプチル、ヘプタデカフルオロオクチル、メトキシメチル、1,2-エポキシエチル、メトキシエチル、メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、エトキシエチル、ブトキシメチル、t-ブチルチオメチル、4-ペンテニルオキシメチル、トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、メトキシシクロヘキシル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、エチルジチオエチル、トリメチルシリルエチル、t-ブチルジメチルシリルオキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、t-ブトキシカルボニルメチル、エチルオキシカルボニルメチル、エチルカルボニルメチル、t-ブトキシカルボニルメチル、アクリロイルオキシエチル、メタクリロイルオキシエチル、2-メチル-2-アダマンチルオキシカルボニルメチル、アセチルエチル、2-メトキシ-1-プロペニル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル及び1,2-ジヒドロキシエチル等が挙げられる。
無置換の炭素原子数6~30のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、4-ビニルフェニル、3-iso-プロピルフェニル、4-iso-プロピルフェニル、4-ブチルフェニル、4-iso-ブチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ヘキシルフェニル、4-シクロヘキシルフェニル、4-オクチルフェニル、4-(2-エチルヘキシル)フェニル、4-ステアリルフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル、2,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル、2,4-ジ-tert-ペンチルフェニル、2,5-ジ-tert-アミルフェニル、2,5-ジ-tert-オクチルフェニル、2,4-ジクミルフェニル、4-シクロヘキシルフェニル、(1,1’-ビフェニル)-4-イル、2,4,5-トリメチルフェニル及びフェロセニルが挙げられる。
無置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、1-メチル-1-フェニルエチル、1-ナフチルメチル、9-アントラセニルメチル、9-フルオレニル、3-フェニルプロピル、メチル-2-フェニルプロパン-2-イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェネチル、スチリル及びシンナミルが挙げられる。
上記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)及び(I-5)における置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基の置換基としては、ビニル、アリル、アクリル、メタクリル等のエチレン性不飽和基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2-クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4-トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、n-オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N-メチル-アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2-ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N-ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N-ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t-ブトキシカルボニルアミノ、n-オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N-メチル-メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N-ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、リン酸基又はカルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、リン酸基の塩等が挙げられる。
上記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)及び(I-5)における無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基の連結基としては、カルボニル基、イミノ基、エーテル結合、シリルエーテル結合、チオエーテル結合等の2価の連結基を挙げることができる。
本発明において、基の炭素原子数は、置換基を有する場合、すなわち、基中の水素原子が置換基で置換されている場合、その置換後の基の炭素原子数を意味する。例えば、炭素原子数1~30の炭化水素基における炭素原子数とは、置換基を含む炭素原子数を指し、水素原子が置換される前の炭素原子数を指すのではない。
また、基の炭素原子数は、基中のメチレン基が連結基で置換されている場合、置換前の基の炭素原子数を意味する。例えば、炭素原子数1~30の炭化水素基中のメチレン基が連結基で置換された基の炭素原子数は、1~30である。
上記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)及び(I-5)におけるRとR等が互いに結合して形成する環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環及びシクロオクタン環等の炭素原子数5~10のシクロアルカン(飽和脂肪族環)、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロノネン、シクロノナジエン、シクロノナトリエン及びシクロノナテトラエン等の炭素原子数5~10のシクロアルケン(不飽和脂肪族環)等を挙げることができる。
本発明においては、上記一般式(I-4)及び(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方を含むものであることが好ましく、上記一般式(I-4)及び(I-5)で表される構成単位の両者を含むものであることがより好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
構成単位A1を形成する単量体成分(以下、「単量体成分A1」と称する場合がある。)としては、ナフサの熱分解によって得られるC5留分に含まれるシクロペンタジエン等の環状のジオレフィン系炭化水素化合物、及びC5留分中のシクロペンタジエンを二量体化して得られるジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
単量体成分A1として、DCPDのような付加重合後に不飽和基を有する構成単位(以下、「構成単位A1’」と称する場合がある。)が形成されるものを用いる場合には、重合体形成後に、重合体に含まれる構成単位A1’を部分的又は完全に水素添加することで、構成単位A1を得ることができる。
(1-2)構成単位A2
上記構成単位A2は、側鎖に脂環構造を有する構成単位である。
上記構成単位A2としては、例えば、下記一般式(II)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2022049375000011
(式中、R21は、水素原子又はメチル基を表し、
20は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数3~40のシクロアルキル基を表し、
*は結合手を表す。)
上記一般式(II)における無置換の炭素原子数3~40のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、デカハイドロナフチル、オクタヒドロペンタレン及びビシクロ[1.1.1]ペンタニル等が挙げられる。
上記一般式(II)における置換基を有している炭素原子数3~40のシクロアルキル基の置換基は、上記一般式(I-1)における置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基の置換基と同様である。
本発明においては、上記構成単位A2が、下記一般式(II-1)で表される構成単位を含むことが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
Figure 2022049375000012
(式中、R21は、水素原子又はメチル基を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30及びR31は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R26とR27、R27とR28、R28とR29、R29とR30及びR30とR31は、互いに結合して環を形成していてもよく、
*は結合手を表す。)
上記一般式(II-1)におけるハロゲン原子、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、上記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基、並びにR22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R26とR27、R27とR28、R28とR29、R29とR30及びR30とR31が互いに結合して形成する環は、上記一般式(I-1)と同様である。
本発明においては、特に、上記構成単位A2が、下記一般式(II-2)及び(II-3)で表される構成単位の少なくとも一方を含むことが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
Figure 2022049375000013
構成単位A2を形成する単量体成分(以下、「単量体成分A2」と称する場合がある。)としては、ナフサの熱分解によって得られるC9留分に含まれるα-メチルスチレン、β-メチルスチレン、γ-メチルスチレン等のスチレン同族体や、インデン、クマロン等のインデン同族体、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート等の脂肪族環を有するアクリレート又はメタクリレート等が挙げられる。
また、単量体成分A2として、スチレン同族体のような付加重合後に不飽和基を有する構成単位(以下、「構成単位A2’」と称する場合がある。)が形成されるものを用いる場合には、重合体形成後に、重合体に含まれる構成単位A2’を部分的又は完全に水素添加することで、構成単位A2を得ることができる。
(2)その他の構成単位
上記重合体Aは、必要に応じ、上記構成単位A以外の構成単位(以下、「その他の構成単位」と称する場合がある。)を有することができる。
上記その他の構成単位は、脂環構造を有しない構成単位であってもよい。このようなその他の構成単位としては、エチレン、プロピレン、ブテンのようなオレフィン;ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;エチリデンノルボルネンのような非共役ジエン;アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルのような重合性化合物に由来する構成単位が挙げられる。
上記その他の構成単位としては、芳香族環を有する構成単位も挙げられる。例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、α-クロルスチレン等のビニル芳香族化合物、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等の芳香族アクリレート及び芳香族メタクリレート等に由来する構成単位が挙げられる。
また、インデン等の脂環及び芳香族環の両者を含む化合物に由来する構成単位も挙げられる。
(3)重合体A
上記重合体Aとしては、上記構成単位A1を含むもの、並びに上記構成単位A1及びA2を含むものが挙げられ、これらは上記その他の構成単位を含んでいてもよい。
上記構成単位A1を含む上記重合体Aとしては、上記一般式(I-1)で表される構成単位を含むホモポリマー及びコポリマー、上記一般式(I-2)で表される構成単位を含むホモポリマー及びコポリマー、並びに上記一般式(I-1)で表される構成単位と上記一般式(I-2)で表される構成単位とを含むコポリマー等が挙げられる。
また、上記一般式(I-3)で表される構成単位を含むホモポリマー及びコポリマー、並びに上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方を含むホモポリマー及びコポリマー等が挙げられる。
上記構成単位A1を含む上記重合体Aの市販品としては、TOPAS 8007F-40、TOPAS 6015、TOPAS 6013S-4、TOPAS 9506F-4、TOPAS 5013等のポリプラスチック社製TOPASシリーズ(エチレン-ノルボルネン共重合体、上記構成単位A1として上記一般式(I-1)で表される構成単位を含む重合体);T-REZ HA085、T-REZ HA103、T-REZ HA125等のJXTGエネルギー社製T-REZ HAシリーズ(DCPD重合体の水素添加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体)等が挙げられる。
本発明においては、上記重合体Aが、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方を含むホモポリマー又はコポリマーであることが好ましく、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の両方を含むコポリマーであることがより好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記構成単位A1及びA2を含む上記重合体Aとしては、上記一般式(I-3)で表される構成単位と上記一般式(II)で表される構成単位とを含むコポリマー、上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方と、上記一般式(II)で表される構成単位とを含むコポリマー等が挙げられる。
本発明においては、上記重合体Aが、上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方と、上記一般式(II)で表される構成単位とを含むコポリマーであることが好ましく、上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方と、上記一般式(II-2)で表される構成単位及び上記一般式(II-3)で表される構成単位の少なくとも一方とを含むコポリマーであることがより好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
構成単位A1及び構成単位A2を含む重合体Aの市販品としては、アルコンP-90、アルコンP-100、アルコンP-115、アルコンP-125、アルコンP-140、アルコンM-90、アルコンM-100、アルコンM-115、アルコンM-135等の荒川化学工業社製アルコン(C9系石油樹脂の水素添加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(II-2)で表される構成単位及び上記一般式(II-3)で表される構成単位の少なくとも一方とを含む重合体);T-REZ HB103、T-REZ HB125等のJXTGエネルギー株式会社製T-REZ HBシリーズ(DCPD/C9系モノマー共重合体の水素添加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方と、上記一般式(II-2)で表される構成単位及び上記一般式(II-3)で表される構成単位の少なくとも一方とを含む重合体)等が挙げられる。
上記重合体Aの重量平均分子量は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能であれば特に制限はないが、300以上100,000以下であることが好ましく、300以上3,000以下であることがより好ましく、350以上1,500以下であることが更に好ましく、特に500以上1,000以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレン換算で得ることができる。具体的な測定方法としては、例えば、特開2017-105916号公報に記載の重量平均分子量の測定方法と同様の方法が挙げられる。
上記重合体Aのメルトフローレート(MFR)は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能であれば特に制限はないが、1~500g/10minであることが好ましく、5~200g/10minであることがより好ましく、40~200g/10minであることが更に好ましく、特に100~200g/10minであることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
MFRは、東洋精機製作所 メルトインデックサにより測定することができる。
上記重合体Aの軟化点は、接着力及び防湿性の高い被覆層を形成可能であれば特に制限はないが、70℃以上200℃以下であることが好ましく、80℃以上160℃以下であることがより好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
軟化点は、JIS K7234(環球法)に準拠した方法により測定することができる。
3.重合性化合物
上記重合性化合物は、重合することで上記組成物を硬化可能なものであり、脂環構造を有していてもよく、有していなくてもよい。
本発明においては、上記重合性化合物が脂環構造を有する化合物を含むことが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
なお、上記重合性化合物は、上記重合体A以外の成分として含まれるものである。したがって、例えば、上述のような重合体を構成する部位として脂環構造を有する構成単位(構成単位A)を有し、かつ、重合性基を有する化合物は、重合体Aに分類されるものである。
上記重合性化合物としては、ラジカル重合性基を有するラジカル重合性化合物、カチオン重合性基を有するカチオン重合性化合物及びアニオン重合性基を有するアニオン重合性化合物等が挙げられる。
(1)ラジカル重合性化合物
上記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基を有し、ラジカル重合可能な化合物であればよく、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基(ビニルエーテル基は除く)等のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を挙げることができる。
なお、ラジカル重合性基と、カチオン重合性基、アニオン重合性基等と、を有する化合物も、ラジカル重合性化合物に該当するものとする。
本発明においては、アクリロイル基を有するアクリレート化合物及びメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物が好ましく、特にアクリレート化合物が好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、下記一般式(101)で表される化合物が好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
Figure 2022049375000014
(式中、R101は、水素原子又はメチル基を表し、
101は、直鎖、分岐又は脂環構造を有する炭素原子数1~40の炭化水素基、又は該炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が-O-、-CO-又は-NH-CO-で置換された基を表し、直鎖、分岐又は脂環構造を有する炭素原子数1~40の炭化水素基中の水素原子の1つ又は2つ以上は、水酸基で置換されていてもよく、
は、1~10の整数を表す。)
上記一般式(101)における直鎖、分岐又は脂環構造を有する炭素原子数1~40の炭化水素基としては、直鎖の炭素原子数1~40の炭化水素基、分岐の炭素原子数1~40の炭化水素基、又は脂環構造を有する炭素原子数1~40の炭化水素基が挙げられる。また、X101で表される直鎖、分岐又は脂環構造を有する炭素原子数1~40の炭化水素基としては、直鎖、分岐又は脂環構造を有する炭素原子数1~40のアルキル基から水素原子を「n-1」つ除いた基が挙げられる。
上記直鎖の炭素原子数1~40の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル及びイコシル等の直鎖の炭素原子数1~40のアルキル基が挙げられる。
上記分岐の炭素原子数1~40の炭化水素基としては、イソプロピル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、イソアミル、t-アミル、イソオクチル、2-エチルヘキシル、t-オクチル及びイソノニル等の分岐の炭素原子数1~40のアルキル基が挙げられる。
上記脂環構造を有する炭素原子数1~40の炭化水素基における脂環構造としては、シクロヘキサン環構造、イソボルネン環構造、アダマンタン環構造、ジシクロペンテン環構造、ジシクロペンタン環構造、ビシクロヘキサン環構造、ビシクロデカン環構造、トリシクロデカン環構造等が挙げられる。
上記炭素原子数1~40の脂環構造を有する炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が-O-、-CO-又は-NH-CO-で置換された基としては、複素環構造を有する基が挙げられ、例えば、ピロリジン環構造、ピペリジン環構造、ピペラジン環構造、モルホリン環構造、チオモルホリン環構造、ホモピペリジン環構造、ホモピペラジン環構造、テトラヒドロピリジン環構造、テトラヒドロフラン環構造、テトラヒドロピラン環構造、カプロラクタム環構造、イソシアヌル環構造及びヒダントイン環構造等の単環構造、テトラヒドロキノリン環構造、テトラヒドロイソキノリン環構造、ジヒドロベンゾフラン環構造、テトラヒドロカルバゾール環構造等の多環構造が挙げられる。
は、X101が直鎖又は分岐の炭化水素基である場合には、3~8の整数であることが好ましく、3~6の整数であることがより好ましく、3~4の整数であることが更に好ましく、特に3であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
は、X101が脂環構造を有する炭化水素基である場合には、1~4の整数であることが好ましく、特に2~3の整数であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
101は、脂環構造を含むことが好ましく、脂環構造を有する炭素原子数3~20の炭化水素基又は該炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が-O-、-CO-又は-NH-CO-で置換された基であることが好ましく、脂環構造を有する炭素原子数5~20の炭化水素基又は該炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が-O-、-CO-又は-NH-CO-で置換された基であることがより好ましく、脂環構造を有する炭素原子数8~15の炭化水素基又は脂環構造を有する炭素原子数6~10の炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が-O-、-CO-又は-NH-CO-で置換された基であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記脂環構造を有する炭素原子数8~15の炭化水素基としては、飽和多環式炭化水素環を有する炭素原子数8~15の炭化水素基が好ましく、イソボルネン環又はトリシクロデカン環を有する炭素原子数8~15の炭化水素基が好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記脂環構造を有する炭素原子数6~10の炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が-O-、-CO-又は-NH-CO-で置換された基としては、イソシアヌル環を有する炭素原子数6~10の炭化水素基が好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記組成物におけるラジカル重合性化合物の含有量は上記組成物の固形分100質量部中に、50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上40質量部以下であることがより好ましく、特に10質量部以上35質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記組成物におけるラジカル重合性化合物の含有量は、上記重合体A100質量部に対して、65質量部以下であることが好ましく、5質量部以上60質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上50質量部以下であることが更に好ましく、特に15質量部以上40質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記組成物におけるラジカル重合性化合物の含有量は、上記組成物100質量部中に、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、特に2質量部以上8質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
(2)カチオン重合性化合物
上記カチオン重合性化合物は、カチオン重合可能な化合物であればよく、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
本発明においては、エポキシ化合物及びオキセタン化合物が好ましく、特にエポキシ化合物が好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物が挙げられる。
a.芳香族エポキシ化合物
上記芳香族エポキシ化合物は、芳香族環及びエポキシ基を有する化合物である。
上記芳香族エポキシ化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であり、複数のエポキシ基を有していてもよい。また、上記芳香族エポキシ化合物は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような芳香族エポキシ化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール等の一価フェノール、及びそのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、2個以上の芳香環を有する多価フェノール、及びそのアルキレンオキサイド付加物等の多価フェノール類のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ化合物;レゾルシノール、ハイドロキノン及びカテコール等の2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール類のグリシジルエーテル;ベンゼンジメタノール、ベンゼンジエタノール及びベンゼンジブタノール等のアルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;フタル酸、テレフタル酸及びトリメリット酸等の2個以上のカルボン酸を有する多塩基酸芳香族化合物のポリグリシジルエステル;安息香酸、トルイル酸及びナフトエ酸等の安息香酸類のグリシジルエステル;スチレンオキサイド及びジビニルベンゼンのエポキシ化物等が挙げられる。
多価フェノール類のポリグリシジルエーテルとしては、ビスフェノール構造を有する多価フェノール類のポリグリシジルエーテルであるビスフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(102)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022049375000015
(式中、R111及びR112は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R113は、水素原子又はグリシジル基を表し、nは0以上の整数を表す)
上記式(1)で表される化合物としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明においては、上記芳香族エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物であることが好ましく、上記一般式(102)で表されるビスフェノール型エポキシ化合物であることがより好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
b.脂肪族エポキシ化合物
上記脂肪族エポキシ化合物は、エポキシ基を有し、芳香族環及び脂環式エポキシ基を有しない化合物である。上記脂環式エポキシ基とは、シクロアルケンオキサイド構造を指す。
上記脂肪族エポキシ化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であり、複数のエポキシ基を有していてもよい。また、上記脂肪族エポキシ化合物は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような脂肪族エポキシ化合物としては、脂環構造を含まない鎖状脂肪族エポキシ化合物、及び脂環構造を含む脂環構造含有エポキシ化合物が挙げられる。
上記鎖状脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(103)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022049375000016
上記一般式(103)中、Yは、炭素原子数1~10のアルキレン基、又は炭素原子数1~10のアルキレン基中のメチレン基の1つ又は2つ以上が酸素原子で置換された構造の基を表す。
上記一般式(103)中のYで表される炭素原子数1~10のアルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキル基から水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
上記炭素原子数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、t-アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、t-オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基及びイソデシル基等が挙げられる。
脂環構造含有エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(104)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022049375000017
上記一般式(104)中、Yは、シクロアルキル環を有する炭素原子数3~20の脂肪族炭化水素基を表す。
上記シクロアルキル環を有する炭素原子数3~20の脂肪族炭化水素基におけるシクロアルキル環としては、シクロヘキサン環、イソボルネン環、アダマンタン環、ジシクロペンテン環、ジシクロペンタン環、ビシクロヘキサン環、ビシクロデカン環、トリシクロデカン環等が挙げられる。
上記シクロアルキル環を有する炭素原子数3~20の脂肪族炭化水素基としては、上記シクロアルキル環と、アルキレン基とを組み合わせた基も挙げられる。
本発明においては、Yが、イソボルネン環を有する炭素原子数8~15の脂肪族炭化水素基又はトリシクロデカン環を有する炭素原子数10~15の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
また、脂肪族環含有エポキシ化合物として、下記一般式(105)で表される化合物も挙げられる。
Figure 2022049375000018
上記式(105)中、R201は、炭素原子数1~10のn価の脂肪族炭化水素基であり、nは、1~30の整数を表し、nは、1~10の整数を表す。nが2以上の場合、複数のnはそれぞれ異なっていてもよい。
上記式(105)中のR201で表される炭素原子数1~10のn価の脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数1~10のアルキル基から水素原子をn-1個除いた基が挙げられる。
上記炭素原子数1~10のアルキル基は、上記式(103)の説明で例示した炭素原子数1~10のアルキル基と同様である。
c.脂環式エポキシ化合物
上記脂環式エポキシ化合物は、シクロアルケンオキサイド構造を有し、芳香族環を有しない化合物である。
シクロアルケンオキサイド構造は、シクロヘキセン環含有化合物やシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド構造やシクロペンテンオキサイド構造のように、脂肪族環とエポキシ環とが環構造の一部を共有する構造である。
上記脂環式エポキシ化合物のうち、シクロアルケンオキサイド構造を1つ有する化合物としては、例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシル、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-2-エポキシエチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、シクロアルケンオキサイド構造を2つ有する化合物としては、例えば、下記一般式(106)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022049375000019
(式中、Yは、直接結合又は1以上の原子を有する二価の連結基を表す。)
で表される連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数連結した基等が挙げられる。
上記二価の炭化水素基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が挙げられる。上記アルキレン基は、上記一般式(103)中のYで表される炭素原子数1~10のアルキレン基と同じである。
d.オキセタン化合物
上記オキセタン化合物は、オキセタニル基を有し、エポキシ基を有しない化合物である。
上記オキセタン化合物は、少なくとも1つのオキセタニル基を有する化合物であり、複数のオキセタニル基を有していてもよい。また、上記オキセタン化合物は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記オキセタン化合物のうち、オキセタニル基を1つ有する化合物としては、例えば、下記式(107)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022049375000020
上記式(107)中、R301は水素原子又は炭素原子数1~10のアルキル基を表し、R302は炭素原子数1~10のアルキル基を表す。
上記式(107)中のR301及びR302で表される炭素原子数1~10のアルキル基は、上記式(103)の説明で例示した炭素原子数1~10のアルキル基と同様である。
上記式(107)で表される化合物の具体例としては、3-エチル-3-(ヒドロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(メトキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(4-ヒドロキシブチロキシメチル)オキセタン等が挙げられる。
また、オキセタニル基を2つ有する化合物としては、例えば、下記式(108)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022049375000021
上記式(108)中、R303及びR304は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~10のアルキル基を表し、Yは炭素原子数2~20の連結基を表し、nは0~3の整数を表す。
上記式(108)中のR303及びR304で表される炭素原子数1~10のアルキル基は、上記式(103)の説明で例示した炭素原子数1~10のアルキル基と同様である。
上記式(108)中のYで表される炭素原子数2~20の連結基としては、炭素原子数2~10のアルキレン基及び炭素原子数8~20の芳香環含有基等が挙げられる。
上記式(108)中のYで表される炭素原子数2~10のアルキレン基としては、炭素原子数2~10のアルキル基から水素原子を1個除いた基が挙げられ、該アルキル基としては、上記式(103)の説明で例示した炭素原子数1~10のアルキル基のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。具体的には、メチルメチン基、イソプロピリデン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
上記式(108)中のYで表される炭素原子数8~20の芳香環含有基としては、ベンゼン環1~2個と、アルキレン基、カーボネート基、アミド基若しくはこれらが複数連結した基を組み合わせた基が挙げられ、具体的には、下記式(a)~(d)で表される基等が挙げられる。
Figure 2022049375000022
上記式(108)で表される化合物の具体例としては、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、3-エチル-3-(3-エチル-3-オキセタニルメチルオキシメチル)オキセタン、キシリレンビスオキセタン等が挙げられる。
オキセタン化合物の市販品としては、例えば、アロンオキセタンOXT-101、OXT-212、OXT-121、OXT-221(東亞合成製)、エタナコールEHO、HBOH、OXBP、OXIPA(宇部興産製)等が挙げられる。
上記組成物におけるカチオン重合性化合物の含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上40質量部以下であることがより好ましく、特に10質量部以上35質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記組成物におけるカチオン重合性化合物の含有量は、上記重合体A100質量部に対して、65質量部以下であることが好ましく、5質量部以上60質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上50質量部以下であることが更に好ましく、特に15質量部以上40質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記組成物におけるカチオン重合性化合物の含有量は、上記組成物100質量部中に、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、特に2質量部以上8質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
(3)重合性化合物
上記重合性化合物の含有量は、上記重合体A100質量部に対して、10質量部以上60質量部以下であることが好ましく、15質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、特に20質量部以上45質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
なお、上記重合性化合物が2種以上の化合物を含む場合、上記重合性化合物の含有量とは、含まれる化合物の合計の含有量を意味する。
上記組成物が、上記重合性化合物として、脂環構造を有する化合物を含む場合、上記脂環構造を有する化合物の含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、5質量部以上35質量部以下であることがより好ましく、特に10質量部以上30質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記脂環構造を有する化合物の含有量は、上記組成物100質量部中に、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、特に2質量部以上8質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記脂環構造を有する化合物の含有量は、上記脂重合体A100質量部に対して、10質量部以上60質量部以下であることが好ましく、15質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、特に15質量部以上40質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
4.エラストマー
上記組成物は、上記重合体A、上記重合性化合物以外の樹脂成分としてエラストマーを含むことができる。
エラストマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)を水素添加して得られるスチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SBBS)及びスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、両端のスチレンポリマーブロックの間がイソプレンポリマーブロックであるスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加して得られるスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)等の水添スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
本発明においては、上記エラストマーがSBBS又はSEBSであることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
水添スチレン系熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、タフテックHシリーズ、Pシリーズ、Mシリーズ(旭化成製)等が挙げられる。
上記エラストマーの含有量は、上記重合体A、重合性化合物及びエラストマーの合計100質量部中に、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上15質量部以下であることが好ましく、5質量部以上13質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記エラストマーの含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上15質量部以下であることが好ましく、5質量部以上13質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
上記エラストマーの含有量は、上記組成物100質量部中に、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上15質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能なものとなるからである。
5.重合開始剤
上記組成物は、重合性化合物の重合を容易にするために、重合開始剤を含むことができる。
重合開始剤としては、重合性化合物がラジカル重合性化合物を含む場合には、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等のラジカル重合開始剤を含むことが好ましく、なかでも、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。上記組成物が、硬化性に優れたものとなるからである。
重合開始剤としては、重合性化合物がカチオン重合性化合物を含む場合には、光酸発生剤、熱酸発生剤等のカチオン重合開始剤を含むことが好ましく、なかでも、光カチオン重合開始剤を含むことが好ましい。上記組成物が、硬化性に優れたものとなるからである。
(1)ラジカル重合開始剤
上記光ラジカル重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線、高周波のような活性エネルギー線(以下、単に「エネルギー線」と称する場合がある。)の照射によりラジカルを発生させることが可能な化合物である。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンジルジメチルケタール等のベンジルケタール類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ベンジル-1-ジメチルアミノ-1-(4’-モルホリノベンゾイル)プロパン、2-モルホリル-2-(4’-メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒドロキシ-1-ベンゾイルシクロヘキサン、2-ヒドロキシ-2-ベンゾイルプロパン、2-ヒドロキシ-2-(4’-イソプロピル)ベンゾイルプロパン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、4-ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4-フェノキシベンゾイルジクロロメタン等のアセトフェノン類;2-メチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン及び2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等のオキサイド類;3-(2-メチル-2-モルホリノプロピオニル)-9-メチルカルバゾール等のカルバゾール類;ベンジル、ベンゾイル蟻酸メチル等のα-ジカルボニル類;特開2000-80068号公報、特開2001-233842号公報、特開2005-97141号公報、特表2006-516246号公報、特許第3860170号公報、特許第3798008号公報、国際公開第2006/018973号公報、特開2011-132215号公報、国際公開第2015/152153号公報に記載の化合物等のオキシムエステル類;p-メトキシフェニル-2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ナフチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-ブトキシスチリル)-s-トリアジン等のトリアジン類;過酸化ベンゾイル、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、エチルアントラキノン、1,7-ビス(9’-アクリジニル)ヘプタン、チオキサントン、1-クロル-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド、2-(p-ブトキシスチリル)-5-トリクロロメチル-1,3,4-オキサジアゾール、9-フェニルアクリジン、9,10-ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、チオキサントン/アミン等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブチルバレレート、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物類;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類;テトラメチルチラウムジスルフィド等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、なかでも、1質量部以上35質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以上30質量部以下であることが好ましく、なかでも特に、15質量部以上25質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、硬化性に優れたものとなるからである。
(2)カチオン重合開始剤
上記光酸発生剤は、エネルギー線照射により酸を発生させることが可能な化合物である。
上記光酸発生剤としては、オニウム塩である複塩又はその誘導体、あるいはオキシムスルホネート化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、ジアゾメタン化合物、ニトロベンジル化合物、ベンゾイントシレート化合物、鉄アレーン錯体、アセトフェノン誘導体化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明においては、光酸発生剤が、オニウム塩である複塩又はその誘導体であることが好ましく、下記群I又は群IIで表されるスルホニウムカチオンと、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の陰イオンとのスルホニウム塩がより好ましい。上記組成物が、硬化性に優れたものとなるからである。
Figure 2022049375000023
Figure 2022049375000024
上記カチオン重合開始剤の含有量は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上7質量部以下であることがより好ましく、特に1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。上記組成物が、硬化性に優れたものとなるからである。
6.溶剤
上記組成物は、必要に応じて溶剤を含むことができる。
上記溶剤は、常温(25℃)大気圧下で液状であり、組成物中の各成分を分散又は溶解可能なものであり、上記ラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤の作用により、組成物中の他の成分と反応しないものである。
したがって、常温(25℃)大気圧下で液状であっても、上述の重合体A及び重合性化合物、ラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤は、上記溶剤には含まれない。
このような溶剤としては、水、有機溶剤のいずれも用いることができるが、有機溶剤を好ましく用いることができる。上記組成物は、分散性に優れたものとなるからである。
上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;メタノール、エタノール、イソ-又はn-プロパノール、イソ-又はn-ブタノール、アミルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、1-t-ブトキシ-2-プロパノール、3-メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート等のエーテルエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;テレピン油、D-リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤;カルビトール系溶剤、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられ、これらの溶剤は1種又は2種以上の混合溶剤として使用することができる。これらの中でも、ケトン類、エーテルエステル系溶剤等、特にプロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート、シクロヘキサノン等が挙げられ、これらの溶剤は1種又は2種以上の混合溶剤として使用することができる。
上記有機溶剤の中でも、ケトン類、アルコール系溶剤、エーテルエステル系溶剤、芳香族系溶剤等であることが好ましく、エーテルエステル系溶剤、アルコール系溶剤であることがより好ましい。上記組成物が、塗工性に優れたものとなるからである。
上記溶剤の含有量は、上記組成物100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、10質量部以上80質量部以下であることが好ましく、15質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上40質量部以下であることが特に好ましい。上記組成物が、塗工性に優れたものとなるからである。
7.非脂環樹脂基材
上記組成物は非脂環樹脂基材の被覆層の形成に用いるものである。
上記非脂環樹脂とは、脂環構造を含まない構成単位の割合が50質量%以上の重合体を意味し、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
(1)アクリル樹脂
上記アクリル樹脂は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合体であり、複数のモノマーの共重合体であってもよい。
上記アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル及びアクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル及びメタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステルが挙げられる。
本発明においては、耐熱性及び透明性に優れることから、上記アクリル樹脂がメタクリル酸メチルに由来する構成単位を30質量%以上含むことが好ましい。上述の含有量であることで、上記組成物を用いて形成される被覆層との接着性に優れたものとなるからである。
(2)ポリカーボネート樹脂
上記ポリカーボネート樹脂は、ジオール成分とカーボネート前駆体とを界面重合法又は溶融重合法で反応させた重合体であり、ジオール成分として、例えば、ビスフェノールA、2,2-ビス{(4-ヒドロキシ-3-メチル)フェニル}プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼン、イソソルビド、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。これらを単独で使用したホモポリマーでも、2種類以上使用した共重合体であっても良い。
本発明においては、上記ポリカーボネート樹脂が、ジオール成分中の30質量%以上がビスフェノールAであるポリカーボネート樹脂であることが好ましい。耐熱性及び透明性に優れたものとなるからである。また、上記組成物を用いて形成される被覆層との接着性に優れたものとなるからである。
(3)ポリエステル樹脂
上記ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合させた重合体であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート及びポリブチレンテレフタレート等が挙げられ、それらの2種以上を用いることもできる。
本発明においては、上記ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレートを30質量%以上含むことが好ましい。上述の含有量であることで、上記組成物を用いて形成される被覆層との接着性に優れたものとなるからである。
(4)非脂環樹脂基材
上記非脂環樹脂基材の用途としては、偏光板用保護フィルム、光学補償フィルム、光学フィルタ、塗料、コーティング剤、ライニング剤、接着剤、印刷版、絶縁ワニス、プリント基板・車載基板・電子制御基板・LED照明用防湿コート、絶縁シート、積層板、プリント基板、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・量子ドットディスプレイ用・光学素子用・電気絶縁用・電子部品用・太陽電池用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、プリント基板、及びカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、プラズマ表示パネル用の電極材料、印刷インク、歯科用組成物、光造形用樹脂、液状及び乾燥膜の双方、微小機械部品、ガラス繊維ケーブルコーティング、ホログラフィ記録用材料等が挙げられる。
本発明においては、上記非脂環樹脂基材が偏光板用保護フィルム用であることが好ましい。偏光板用保護フィルムは、防湿性の要求が高く、本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
上記非脂環樹脂基材の膜厚は、35μm以下であることが好ましく、30~10μmがより好ましく、25~15μmが特に好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層により防湿性に優れたものとなるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
上記非脂環樹脂基材は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。上記非脂環樹脂基材は、上述のように光学部材に使用することができるが、劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。上記紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物及びニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。これは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、マット剤、レターデーション発現剤、可塑剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤及び波長分散調整剤などのその他の添加剤を含んでいてもよい。
上記非脂環樹脂基材は、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理がされていてもよい。
8.組成物
上記組成物は、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて上記各成分を混合することによって製造することができる。
上記組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、非脂環樹脂基材上に塗膜を形成することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、非脂環樹脂基材上に転写することもできる。
上記組成物の用途としては、非脂環樹脂基材の被覆形成用途であれば特に限定されるものではなく、光学フィルム、接着剤、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、塗料、コーティング剤、ライニング剤、インキ、高屈折材料、水溶性材料、半導体・ディスプレイ・MEMS・医療機器用レジスト、液状レジスト、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、カラーフィルタの保護膜、スペーサー、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、ハードディスク用記録材料、固体撮像素子、発光ダイオード、有機発光デバイス、ルミネセントフィルム、蛍光フィルム、アクチュエーター、ホログラム、プラズモンデバイス、偏光板、偏光フィルム、位相差フィルム、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、又はこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、光学的造形用注型剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、接着力及び防湿性のより高い被覆層を形成可能との効果をより効果的に発揮できる観点から、ヘッドアップディスプレイやカーナビゲーションに代表される車載用機器及び有機ELや液晶に代表されるディスプレイパネル等の光学部材に用いられることが好ましい。上記光学部材としては、特に偏光板保護フィルムが好ましい。
B.硬化物
次に、本発明の硬化物について説明する。
本発明の硬化物は、上述の組成物の硬化物である。
上記硬化物は、上述の組成物を用いているため、接着力及び防湿性の高いものとなる。
なお、本発明の組成物については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の硬化物は、脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を有する重合体と、重合性化合物の重合物とを含むものであればよい。
本発明の硬化物の用途等については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本発明の硬化物の製造方法としては、本発明の組成物を硬化させることができる方法であればよい。本発明の硬化物の製造方法としては、後述する「C.硬化物の製造方法」に記載の方法を用いることができる。
C.硬化物の製造方法
次に、本発明の硬化物の製造方法について説明する。
本発明の硬化物の製造方法は、上述の組成物を硬化する工程を有するものである。すなわち、上記組成物中の重合性化合物を反応させることを特徴とするものである。
なお、本発明の組成物については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様である。
1.硬化する工程
上記組成物を硬化する方法としては、上記重合性化合物がラジカル重合性化合物を含む場合、上記ラジカル重合開始剤からラジカルを発生させ、上記組成物中のラジカル重合性成分同士を反応させる方法が挙げられ、上記重合性化合物がカチオン重合性化合物を含む場合、上記カチオン重合開始剤から酸を発生させ、上記組成物中のカチオン重合性成分同士を反応させる方法が挙げられる。
上記ラジカル開始剤からラジカルを発生させる方法及び上記酸発生剤から酸を発生させる方法については、上記「A.組成物」の項に記載の方法と同様の方法を挙げることができる。
本工程においては、上記ラジカル開始剤からラジカルを発生させる方法及び上記酸発生剤から酸を発生させる方法のいずれもエネルギー線を照射する方法を含むことが好ましい。効率よくラジカル及び酸を発生可能であり、上記組成物を効果的に硬化可能だからである。
2.その他
上記製造方法により製造される硬化物及び用途等については、上記「B.硬化物」の項に記載の内容と同様である。
D.積層体
次に、本発明の積層体について説明する。
本発明の積層体は、非脂環樹脂基材と被覆層とが、この順で積層している積層体であり、上記被覆層が上記硬化物を含むことを特徴とするものである。
上記積層体は、上記被覆層が上述の硬化物を含むため、非脂環樹脂基材及び被覆層との接着力が高く、防湿性に優れたものとなる。
本発明の積層体は、非脂環樹脂基材及び被覆層を有するものである。
以下、本発明の積層体の各構成について詳細に説明する。
なお、非脂環樹脂基材については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様である。
1.被覆層
上記被覆層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましい。膜厚を5μm以上とすることで、上記非脂環樹脂基材に十分な防湿性を付与できるからである。上記非脂環樹脂基材をフィルムとして光学部材に用いる場合のデバイスの薄型化の観点から、膜厚が30μm以下であることが好ましい。上記被覆層の膜厚は、7μm以上20μm以下であることがより好ましく、7μm以上18μm以下であることが更に好ましく、7μm以上17μm以下であることが特に好ましく、7μm以上15μmで以下あることが最も好ましい。
2.その他の構成
上記積層体は、非脂環樹脂基材及び被覆層以外のその他の構成を含むものであってもよい。上記その他の構成としては、非脂環樹脂基材の被覆層が形成された面とは反対の面上、又は、被覆層上に配置される、接着剤層、機能層等が挙げられる。
上記機能層等としては、ハードコート層、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層、防汚層、光学異方性層などが挙げられる。
上記機能層としては、上記積層体を偏光板として用いる場合には、偏光子等が挙げられる。偏光子については、液晶表示装置等に一般的に用いられるものを用いることができる。例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜、ポリエン系偏光膜等が挙げられる。偏光膜の詳細については、例えば特開2011-136503号公報に記載の偏光膜と同様とすることができる。
上記接着剤としては、水系及び硬化型等が挙げられ、硬化型接着剤が好ましく、カチオン硬化型接着剤がより好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
上記カチオン硬化型接着剤としては、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物から選択される少なくとも1種のエポキシ化合物を含む組成物が挙げられ、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物から選択される少なくとも2種のエポキシ化合物を含む組成物が好ましく、特に、芳香族エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物を主成分とする組成物(以下、組成物1と称する場合がある。)、並びに、脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物を主成分とする組成物(以下、組成物2と称する場合がある。)が好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
芳香族エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物を主成分とするとは、芳香族エポキシ化合物の含有量及び脂肪族エポキシ化合物の含有量のいずれもが、脂環式エポキシ化合物の含有量より多いことを意味する。
脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物を主成分とするとは、脂環式エポキシ化合物の含有量及び脂肪族エポキシ化合物の含有量のいずれもが、芳香族エポキシ化合物の含有量より多いことを意味する。
本発明においては、組成物1中の芳香族エポキシ化合物の含有量が、エポキシ化合物100質量部中に、30質量部以上80質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
本発明においては、組成物1中の脂肪族エポキシ化合物の含有量が、エポキシ化合物100質量部中に、30質量部以上80質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
本発明においては、組成物2中の脂環式エポキシ化合物の含有量が、エポキシ化合物100質量部中に、30質量部以上80質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
本発明においては、組成物2中の脂肪族エポキシ化合物の含有量が、エポキシ化合物100質量部中に、30質量部以上80質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
本発明においては、カチオン硬化型接着剤中のエポキシ化合物の含有量が、カチオン重合性化合物100質量部中に、50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることが好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
なお、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物については、上述の「A.組成物」に記載の内容と同様である。
本発明においては、芳香族エポキシ化合物が、上記一般式(102)で表されるビスフェノール構造を有する化合物であることが好ましく、脂環式エポキシ化合物が、上記一般式(106)で表される化合物であることが好ましく、脂肪族エポキシ化合物が、上記一般式(103)で表される化合物であることが好ましい。上記組成物を用いて形成される被覆層等に対する接着力に優れるからである。また、上記接着剤は、偏光板を構成する上述の偏光子等に対する接着力にも優れる。このため、上記接着剤は、偏光子と、被覆層で被覆された偏光板用保護フィルムとして非脂環樹脂基材とを高い接着力で接着可能だからである。
上記カチオン硬化型接着剤中のエポキシ化合物以外の成分としては、オキセタン化合物及びビニルエーテル化合物等が挙げられる。
オキセタン化合物及びビニルエーテル化合物については、上述の「A.組成物」に記載の内容と同じである。
上記カチオン硬化型接着剤は、酸発生剤を含むことができる。
酸発生剤については、上述の「A.組成物」に記載の内容と同様である。
本発明においては、上記酸発生剤が、光酸発生剤であることが好ましく、特にトリアリールスルホニウム塩であることが好ましい。上記カチオン硬化型接着剤は硬化感度に優れたものとなるからである。
3.積層体
上記積層体は、上記組成物を上記非脂環樹脂基材上に塗布し、硬化することによって製造することができる。
上記組成物の塗布は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で行うことができる。
上記組成物の硬化方法については、上述の「C.硬化物の製造方法」の項に記載の内容と同様である。
上記積層体は、接着力及び防湿性の高いものであるため、特に偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応装置に、水1,000部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「PVA-117」)1部、イソボルニルアクリレート350部、アゾビスイソブチロニトリル5部、ドデシルメルカプタン5部を仕込み、80℃の窒素ガス気流下で8時間、懸濁重合法により重合反応を行った。固液分離後、減圧下で乾燥し、イソボルニルアクリレートホモポリマーを得た。なお、得られたイソボルニルアクリレートホモポリマーの重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で、10,000以上であった。
[実施例1~33及び比較例1~7]
下記表1~4に記載の配合に従って、各成分を配合して組成物を得た。各成分は以下の材料を用いた。なお、表中の配合量は、各成分の質量部を表す。
A-1:TOPAS8007(ポリプラスチックス社製、エチレン-ノルボルネン共重合体、上記構成単位A1として上記一般式(I-1)で表される構成単位を含む重合体)
A-2:T-REZ HA103(JXTGエネルギー社製、DCPD重合体の水素添加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体、重量平均分子量(Mw)620、軟化点100.0℃~106.0℃)
A-3:T-REZ HB103(JXTGエネルギー社製、DCPD/C9系モノマー共重合体の水素添加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方と、上記一般式(II-2)で表される構成単位及び上記一般式(II-3)で表される構成単位の少なくとも一方とを含む重合体、重量平均分子量(Mw)730、軟化点100.0℃~106.0℃)
A-4:T-REZ HA125(JXTGエネルギー社製、DCPD重合体の水素添A-2加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体、重量平均分子量(Mw)630、軟化点120.0℃~130.0℃)
A-5:T-REZ HB125(JXTGエネルギー社製、DCPD/C9系モノマー共重合体の水素添加物、上記構成単位A1として上記一般式(I-3)で表される構成単位と、上記一般式(I-4)で表される構成単位及び上記一般式(I-5)で表される構成単位の少なくとも一方と、上記一般式(II-2)で表される構成単位及び上記一般式(II-3)で表される構成単位の少なくとも一方とを含む重合体、重量平均分子量(Mw)650、軟化点120.0℃~130.0℃)
A-6:イソボルニルアクリレートホモポリマー(上記製造例1で得た重合体)
B-1:A-DCP(新中村化学工業社製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、脂環構造を有するアクリレートモノマー、2官能)
B-2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(脂環構造を有しないアクリレートモノマー、6官能)
B-3:イソボルニルアクリレート(脂環構造を有するアクリレートモノマー、1官能)
B-4:A-9300(新中村化学工業社製、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、脂環構造を有するアクリレートモノマー、3官能)
B-5:A-200(新中村工業社製、ポリエチレングリコール♯200ジアクリレート、脂環構造を有しないアクリレートモノマー、2官能)
B-6:トリメチロールプロパントリアクリレート(脂環構造を有しないアクリレートモノマー、3官能)
C-1:イルガキュア184(BASF社製、ラジカル重合開始剤)
C-2:パーブチルO(日油社製、ラジカル重合開始剤)
D-1:セロキサイド2021P(ダイセル社製、脂環構造を有するエポキシ化合物、2官能)
D-2:下記式(D-2)で表される化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、2官能)
D-3:下記式(D-3)で表される化合物(脂環構造を有するエポキシ化合物、2官能)
D-4:OXT-221(東亜合成社製、オキセタン化合物、2官能)
E-1:SP-150(ADEKA社製、芳香族スルホニウム塩系カチオン重合開始剤)
F-1:タフテックH1041(旭化成社製、水添スチレン系熱可塑性エラストマー)
F-2:タフテックH1052(旭化成社製、水添スチレン系熱可塑性エラストマー)
G-1:トルエン
G-2:ヘプタン
G-3:酢酸ブチル
H-1:下記式(H-1)で表される化合物(テトラアザポルフィリン系色素、着色剤)
Figure 2022049375000025
Figure 2022049375000026
[評価]
得られた各組成物につき、防湿性、接着力、塗布性、耐傷性、接着剤との接着性について、下記に示す方法により評価した。
<防湿性>
実施例1~34及び比較例1~7で得られた組成物を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工厚が5~6μmになるように、TACフィルム(富士フイルム社製:FT TD60ULP)に塗工し、塗膜を形成した。形成した塗膜をオーブンで乾燥(80℃、120秒)させ、その後、超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm)して塗膜を硬化物とし、これを試験片とした。
各試験片について、水蒸気透過率測定装置7001(ILLINOISINSTRUMENTS,INC.製)を使用し、50cmフォルダーで水蒸気透過率(g/m/day)を測定した。結果を下記表1~4に示す。
<接着力>
実施例1~34及び比較例1~7で得られた組成物を、バーコーターを用いて、乾燥後の塗工厚が5~6μm(実施例2で得られた組成物の場合は、1~2μm)になるようにPMMAフィルム(住友化学社製 テクノロイ125S001)に塗工し、塗膜を形成した。形成した塗膜をオーブンで乾燥(80℃、120秒)させ、その後、超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm)して塗膜を硬化物とし、これを試験片とした。
また、PMMAフィルム(住友化学社製 テクノロイ125S001)に代えて、PETフィルム(東洋紡社製 コスモシャインA-4300)及びPCフィルム(三菱瓦斯化学社製、ユーピロン)を用いて、同様にして試験片を得た。
接着力は、JIS K5600-5-6の試験方法に従って、各試験片の塗膜に、1mm×1mmの大きさの碁盤目を100個刻み、セロハンテープによるピーリングテスト後の、剥離数を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を下記表1~4に示す。
+++:剥離した数が0である。
++ :剥離した数が5未満である。
+ :剥離した数が5以上10未満である。
- :剥離した数が10以上である。
<塗布性>
上記防湿性の評価で作製した試験片について、露光後の硬化物の表面の状態を観察し、下記の評価基準で均一な塗膜形成の有無を目視で確認した。結果を下記表1~4に示す。
+:均一な塗膜が得られた。
-:塗工後、塗膜のはじきやムラが観察された。
<耐傷性>
上記防湿性の評価で作製した試験片と同様な方法で試験片を作製した。
得られた試験片に対して、荷重変動型摩擦磨耗システム(新東科学社製 TRIBOGEAR HHS2000)を使用し、スチールウール#0000を用い、1cmあたり2Kgの荷重をかけて20往復させ、傷の状況を、そのまま(自然光下)と、緑光下の目視で、下記の基準により評価した。結果を下記表1~4に示す。
評価は5点が最高で、0点が最低となる。
5点:全く傷がない。
4点:傷が1~5本認められる。
3点:傷が6~15本認められる。
2点:傷が16~30本認められる。
1点:傷が多数認められる。
0点:全面に傷が認められる。
<接着力(接着剤1)>
上記D-1を50質量部、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを50質量部、下記一般式(E-2)で表される化合物を2.5質量部及び下記一般式(E-3)で表される化合物を2.5質量部配合して接着剤1を得た。
実施例1~34及び比較例1~7で得られた組成物を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工厚が5~6μmになるように、PMMAフィルム(住友化学社製 テクノロイ125S001)に塗工し、塗膜を形成した。形成した塗膜をオーブンで乾燥(80℃、120秒)させ、その後、超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm)して塗膜を硬化物とした。
上記硬化物上に、硬化後の厚みが3μmとなるように上記接着剤1を塗布し、コロナ放電処理を施したCOPフィルム(シクロオレフィンポリマー、日本ゼオン社製 ゼオノアフィルム14-060)を、ラミネーターを用いて貼り合わせ、無電極紫外光ランプを用いて1000mJ/cmに相当する光をCOPフィルム越しに照射し、接着剤1を硬化して試験片を得た。
接着力評価は、引張試験機FTN1-13A(アイコーエンジニアリング製)を用い、25℃で、各試験片のPMMAフィルムを90°方向に引っ張って剥がし、PMMAフィルムがCOPフィルムから剥離する際の最大強度を測定し、下記基準で評価した。結果を下記表1~4に示す。
+++:COP又はPMMAとの接着力が2.0N/2.5cm以上
++ :COP又はPMMAとの接着力が1.5N/2.5cm以上2.0N/2.5cm未満
+ :COP又はPMMAとの接着力が1.0N/2.5cm以上1.5N/2.5cm未満
- :COP又はPMMAとの接着力が1.0N/2.5cm未満
なお、剥離強度が大きいほど、接着力に優れると判断できる。
Figure 2022049375000027
<接着力(接着剤2)>
上記D-1の代わりに、上記D-2を用いた以外は、上記接着剤1と同様の配合で接着剤2を得た。
上記接着剤1の代わりに上記接着剤2を用いた以外は、上記接着力(接着剤1)と同様の方法で試験片を作製して評価を行った。結果を下記表1~4に示す。
Figure 2022049375000028
Figure 2022049375000029
Figure 2022049375000030
Figure 2022049375000031
[まとめ]
上記表1~4より、実施例の組成物は、接着力及び防湿性に優れた被覆層を形成可能であることを確認できた。
また、実施例の組成物は、塗布性、耐傷性、接着剤との接着性に優れた被覆層を形成可能であることを確認できた。

Claims (8)

  1. 脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と、
    重合性化合物と、を有し、
    前記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体の含有量が、前記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を含む重合体と前記重合性化合物との合計100質量部中に30質量部以上であり、
    非脂環樹脂基材の被覆層形成用である、組成物。
  2. 前記非脂環樹脂が、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる樹脂である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位が、下記一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)又は(I-5)で表される構成単位である請求項1又は2に記載の組成物。
    Figure 2022049375000032
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、前記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
    とR及びRとRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
    mは、0又は正の整数を表し、
    *は、結合手を表す。)
    Figure 2022049375000033
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、前記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
    とR及びRとRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
    p及びqは、それぞれ独立に、0又は正の整数を表し、
    *は、結合手を表す。)
    Figure 2022049375000034
    (式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、前記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
    11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17及びR17とR18は、互いに結合して環を形成していてもよく、
    *は、結合手を表す。)
    Figure 2022049375000035
    (式中、R41、R42、R43、R44、R45及びR46は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、前記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
    41とR42、R42とR43、R43とR44、R44とR45及びR45とR46は、互いに結合して環を形成していてもよく、
    *は、結合手を表す。)
    Figure 2022049375000036
    (式中、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1~30の炭化水素基、前記炭化水素基中のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む連結基で置換された基を表し、
    51とR52、R52とR53及びR53とR54は、互いに結合して環を形成していてもよく、
    *は、結合手を表す。)
  4. 前記重合性化合物が、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも一方を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記重合性化合物が、脂肪族炭化水素環構造を有する化合物を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物を硬化する工程を有する硬化物の製造方法。
  8. 非脂環樹脂基材と、
    被覆層と、
    が、この順で積層している積層体であって、
    前記被覆層が、請求項7に記載の硬化物を含む積層体。
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