JP2022039995A - 感光性ドライフィルム及び感光性ドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性ドライフィルム及び感光性ドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、絶縁信頼性と解像性に優れた、艶消し外観を有する光硬化膜を得ることができる感光性ドライフィルムを提供する。【解決手段】第1の主表面と該第1の主表面に対向した第2の主表面とを有する支持フィルムと、前記第1の主表面に設けられた感光性樹脂層と、を備えた感光性ドライフィルムであって、前記第1の主表面が、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する感光性ドライフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆材料、特に、艶消し外観を有し、解像性、絶縁信頼性に優れた被覆材料を形成できる感光性ドライフィルム、感光性ドライフィルムを用いた、被覆材料を形成したプリント配線板の製造方法に関するものである。
リジット基板を用いたプリント配線板、フレキシブル基板を用いたフレキシブルプリント配線板等には導体(例えば、銅箔)の回路パターンが形成されている。この回路パターンのはんだ付けランドに電子部品がはんだ付けにより搭載され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は、保護膜としての絶縁被膜(例えば、ソルダーレジスト膜)で被覆される。前記絶縁保護膜として、感光性樹脂と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物の光硬化膜が使用されることがある。
また、基板上に前記絶縁保護膜を形成する方法として、感光性ドライフィルムを使用することがある。感光性ドライフィルムは、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製支持フィルムに感光性樹脂組成物を塗工して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥処理することで、支持フィルム上にソルダーレジスト層を形成後、形成したソルダーレジスト層上にカバーフィルムを積層することで製造することができる。上記感光性ドライフィルムのカバーフィルムを剥がしながらソルダーレジスト層とプリント配線板をはり合わせることで、プリント配線板上にソルダーレジスト層を形成する。その後、支持フィルム上から紫外線を露光して該ソルダーレジスト層を光硬化処理してから、さらに熱硬化処理をすることで、プリント配線板上に絶縁保護膜を形成することができる。
一方で、感光性樹脂組成物の絶縁保護膜には、高級感の付与等、保護膜としての使用条件等により、艶消し外観を有することが要求されることがある。感光性ドライフィルムを用いて艶消し外観を有する絶縁保護膜を形成するために、感光性ドライフィルムの支持フィルムに粗面化加工を施しておき、粗面化加工が施された支持フィルムに感光性樹脂組成物を塗工することで、絶縁保護膜の表面に表面粗さを転写することが行われている。
絶縁保護膜の表面に表面粗さを転写する従来技術として、支持フィルムと、前記支持フィルムの一方の面に設けられた感光性樹脂層と、を備えたソルダーレジスト層形成用感光性ドライフィルムであって、前記支持フィルムの、感光性樹脂層を設ける面側の算術平均表面粗さRaが100~390nmである感光性ドライフィルムが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、支持フィルムとして、熱可塑性樹脂とフィラーとを含む樹脂組成物を成膜して得られた熱可塑性樹脂フィルム(熱可塑性樹脂にフィラーを練り込んだ、練り込みマットフィルム)を使用することが好ましいとしている。
しかし、フィラーを含む樹脂組成物で作製された支持フィルムは、支持フィルム表面の粗面状態が十分に均一化されていない場合があった。表面の粗面状態が十分に均一化されていない支持フィルムを用いて艶消し外観を有する絶縁保護膜を形成すると、絶縁保護膜表面の粗面状態が十分に均一化されずに十分な艶消し外観を有する絶縁保護膜が得られない場合があった。また、支持フィルム表面の粗面状態が十分に均一化されていないと、支持フィルムの不均一なヘイズによって露光時に光の乱反射が生じて光がハレーションして現像にて除去するべき塗膜の部分も光硬化してしまうことから、絶縁保護膜のパターンを高解像化できない場合があった。また、絶縁保護膜の表面が不均一化であることにより絶縁保護膜の絶縁信頼性が低減してしまう場合があった。
また、フィルムの片面にコーティング処理を行った、支持フィルムと中間層が一体化された支持フィルムを使用することで光硬化膜の艶消し外観を得ることも提案されている(特許文献2)。特許文献2では、コーティング処理を行って形成した中間層が粗面化剤であり、該中間層の作用により、光硬化膜に艶消し外観を付与している。
しかし、特許文献2では、支持フィルムに中間層が形成されているので、中間層に起因したヘイズ等によって、露光時に照射される光が支持フィルムによって乱反射してしまうので、絶縁保護膜のパターンを高解像化できない場合があった。
また、支持フィルム表面をブラスト処理することで、支持フィルム表面に粗面を形成することも提案されている。しかし、ブラスト処理した支持フィルムを用いると、ブラスト処理時に支持フィルム表面に残存したブラスト材によって絶縁保護膜が汚染されてしまい、やはり、高解像性を有する絶縁保護膜を得ることができず、また、絶縁信頼性が低減してしまう場合があるという問題があった。
特開2016-27363号公報 特開2018-116255号公報
上記事情に鑑み、本発明は、絶縁信頼性と解像性に優れた、艶消し外観を有する光硬化膜を得ることができる感光性ドライフィルムを提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]第1の主表面と該第1の主表面に対向した第2の主表面とを有する支持フィルムと、前記第1の主表面に設けられた感光性樹脂層と、を備えた感光性ドライフィルムであって、
前記第1の主表面が、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する感光性ドライフィルム。
[2]前記第1の主表面の、前記凹凸表面の算術平均表面粗さSaが、0.10μm以上1.00μm以下である[1]に記載の感光性ドライフィルム。
[3]前記第2の主表面が、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有さない[1]または[2]に記載の感光性ドライフィルム。
[4]前記感光性樹脂層が感光性樹脂組成物により形成され、前記感光性樹脂組成物が、脂肪族系ウレア化合物を含有する[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の感光性ドライフィルム。
[5]前記感光性樹脂組成物が、(A)感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)脂肪族系ウレア化合物と、(D)反応性希釈剤と、(E)光重合開始剤と、を含有する[4]に記載の感光性ドライフィルム。
[6]前記(B)エポキシ化合物が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む[5]に記載の感光性ドライフィルム。
[7]ソルダーレジスト膜の形成用である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性ドライフィルム。
[8][1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性ドライフィルムの感光性樹脂層をプリント配線板に貼り合わせる工程と、
前記感光性ドライフィルムの支持フィルム上から紫外線を照射して前記感光性樹脂層を光硬化する工程と、
前記支持フィルムを前記感光性ドライフィルムから剥がして、光硬化した前記感光性樹脂層を現像して所定のパターンを有する光硬化膜を形成する工程と、
所定のパターンを有する前記光硬化膜を熱硬化処理して、凹凸表面部を有する硬化被膜を形成する工程と、を有し、
前記硬化被膜の凹凸表面部の算術平均表面粗さSaが、0.10μm以上1.00μm以下であるプリント配線板の製造方法。
本明細書中、「算術平均表面粗さSa」は、ISO 25178に準拠して測定された値を意味する。
本発明の感光性ドライフィルムの態様によれば、支持フィルムの、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する第1の主表面に感光性樹脂層が設けられていることにより、絶縁信頼性と解像性に優れた、艶消し外観を有する光硬化膜を得ることができる。
本発明の感光性ドライフィルムの態様によれば、凹凸表面の算術平均表面粗さSaが、0.10μm以上1.00μm以下であることにより、絶縁信頼性と解像性がさらに優れた、艶消し外観を有する光硬化膜を得ることができる。
本発明の感光性ドライフィルムの態様によれば、感光性樹脂層が脂肪族系ウレア化合物を含有する感光性樹脂組成物により形成されていることにより、より確実に艶消し外観を有する光硬化膜を得ることができる。
<感光性ドライフィルム>
本発明の感光性ドライフィルムについて、以下に詳細を説明する。本発明の感光性ドライフィルムは、第1の主表面と該第1の主表面に対向した第2の主表面とを有する支持フィルムと、第1の主表面に設けられた感光性樹脂層と、を備えた感光性ドライフィルムであって、第1の主表面が、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する。支持フィルムの第1の主表面はケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有し、凹凸表面を有する第1の主表面上に感光性樹脂層が塗工されている。
[支持フィルム]
支持フィルムは、感光性樹脂層を支持するとともに、感光性樹脂層の露光時に、感光性樹脂層の支持フィルムと接する表面に所定の表面形態を付与する役割を有するものである。
支持フィルムは、薄膜形状である。支持フィルムは、支持フィルムの平面方向を形成する第1の主表面(表側表面部)と、支持フィルムの平面方向を形成する、第1の主表面に対向した第2の主表面(裏側表面部)と、第1の主表面と第2の主表面を繋ぎ、支持フィルムの厚さ方向を形成する側面部と、を有している。
支持フィルムの平面方向を形成する第1の主表面と第2の主表面のうち、第1の主表面にのみ、粗面化処理が行われていることで凹凸表面が形成されている。第1の主表面には、粗面化処理としてケミカルエッチング(化学研磨)が施されている。すなわち、第1の主表面には、ケミカルエッチングによって凹凸表面が形成されている。ケミカルエッチングは、被処理体(本発明では、支持フィルム)を酸溶液またはアルカリ溶液である研磨液に所定時間にわたって浸漬し、研磨液の溶解作用により、被処理体の表面を粗面化し、その後、水洗、乾燥することで、粗面化された被処理体を形成する処理である。被処理体の表面の粗さ、すなわち、凹凸表面の凹凸の程度は、研磨液への浸漬時間等により調節することができる。研磨液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、過マンガン酸カリウム水溶液等を挙げることができる。第1の主表面の凹凸表面が、ケミカルエッチングで形成された凹凸表面か、他の処理で形成された凹凸表面(例えば、フィラーを含む樹脂組成物をフィルム状に成膜して得られた粗面、ブラスト処理された粗面等)かは、凹凸の加工状態を顕微鏡等で観察することで判別することができる。
上記から、本発明の感光性ドライフィルムでは、支持フィルムとして、フィルムを成膜する際の樹脂組成物中にフィラーを添加して練り込み処理したマット化フィルム(練り込みマットフィルム)、マット化のコーティング処理をしたコーティングマットフィルム、フィルム表面をサンドブラスト処理等のブラスト処理したフィルム等、他の粗面化処理を施したフィルムは使用されていない。
ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面は、滑らかな粗面構造なので、露光時に光の乱反射を防止でき、また、粗面化処理時の加工残渣も発生しない。さらに、ケミカルエッチングは、支持フィルムの光透過性、耐溶剤性及び濡れ性が、上記した他の粗面化処理よりも優れているので、絶縁信頼性を損なうことなく、光硬化膜(硬化被膜)を形成できる。また、後述するように、支持フィルムの、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する第1の主表面に感光性樹脂層が設けられていることにより、第1の主表面の凹凸表面の形状に応じて凹凸表面部を有する光硬化膜(硬化被膜)が形成される。従って、本発明の感光性ドライフィルムでは、解像性と絶縁信頼性に優れた、艶消し外観を有する光硬化膜(硬化被膜)を得ることができる。
第1の主表面の、凹凸表面の算術平均表面粗さSaは、特に限定されないが、その下限値は、光硬化膜の艶消し外観を確実に得る点から、0.10μmが好ましく、0.20μmがより好ましく、艶消し外観と解像性及び絶縁信頼性とをバランスよく向上させる点から0.30μmが特に好ましい。一方で、第1の主表面の、凹凸表面の算術平均表面粗さSaの上限値は、より確実に光硬化膜に解像性と絶縁信頼性を付与する点から、1.00μmが好ましく、0.90μmがより好ましく、0.80μmがさらに好ましく、艶消し外観と解像性及び絶縁信頼性とをバランスよく向上させる点から0.70μmが特に好ましい。
一方で、支持フィルムの第2の主表面には、粗面化処理が行われていない。従って、第2の主表面には、ケミカルエッチングが施されておらず、凹凸表面が形成されていない。上記から、支持フィルムの第2の主表面は、第1の主表面よりも算術平均表面粗さSaが低い、平滑な表面形態であり、平滑面となっている。
支持フィルムを酸溶液またはアルカリ溶液である研磨液に所定時間にわたって浸漬する際に、第2の主表面をマスキングフィルムで覆い、第1の主表面はマスキングフィルムで覆わずに研磨液に曝すことで、第1の主表面を粗面化しつつ、ケミカルエッチングが施されていない第2の主表面とすることができる。
支持フィルムの厚さは、感光性ドライフィルムの使用条件等により、適宜選択可能であり、例えば、10μm以上100μm以下が挙げられる。また、支持フィルムの材料としては、上記のような凸凹表面を形成でき、露光時の光を透過させることができるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリイミドフィルム;ポリアミドイミドフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
[感光性樹脂層]
感光性樹脂層は、支持フィルムの第1の主表面上に感光性樹脂組成物が塗工されて形成された塗膜である。感光性樹脂層は、第1の主表面に、直接、接した状態で形成されてもよく、感光性樹脂層と第1の主表面との間に表面処理層等の中間層が介装されていてもよい。感光性樹脂組成物は、例えば、(A)感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)脂肪族系ウレア化合物と、(D)反応性希釈剤と、(E)光重合開始剤と、を含有している。
(A)感光性樹脂
感光性樹脂としては、例えば、側鎖に遊離のカルボキシル基を有するカルボキシル基含有感光性樹脂を挙げることができる。カルボキシル基含有感光性樹脂の化学構造は、特に限定されず、例えば、1分子中に、感光性の不飽和二重結合を1個以上、好ましくは2個以上有するカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、該樹脂に生成した水酸基に、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
多官能エポキシ樹脂の樹脂種は、2官能以上のエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、例えば、その上限値は、3000g/eqが好ましく、2000g/eqがより好ましく、1500g/eqが特に好ましい。一方で、多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量の下限値は、例えば、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの多官能エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、チグリン酸、アンゲリカ酸などを挙げることができる。これらのうち、入手容易性の点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が、多官能エポキシ樹脂のエポキシ基と反応することで、樹脂の側鎖に感光性の不飽和二重結合が導入されて、樹脂に感光性が付与される。
多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、特に限定されず、例えば、多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な非反応性の希釈剤(例えば、有機溶剤)中で加熱することが挙げられる。
多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応によりエポキシ基が開環して生成した水酸基に、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物が反応することで、感光性の不飽和二重結合が導入された樹脂に、さらに遊離のカルボキシル基が導入される。感光性の不飽和二重結合が導入された樹脂に遊離のカルボキシル基が導入されることで、樹脂にアルカリ現像性が付与される。多塩基酸、多塩基酸無水物は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用することができる。多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、フタル酸誘導体(例えば、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられる。また、多塩基酸無水物としては、上記した多塩基酸の無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸及び/または多塩基酸無水物との反応方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸及び/または多塩基酸無水物とを適当な非反応性の希釈剤(例えば、有機溶剤)中で加熱することが挙げられる。
上記した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂も感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基の一部に、さらに、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物(例えば、グリシジル化合物)を反応させて、樹脂の側鎖にラジカル重合性不飽和基をさらに導入することで、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、遊離のカルボキシル基にグリシジル化合物が付加することによって、ラジカル重合性不飽和基が多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性、すなわち、光硬化性がより向上し、より優れた感光性を発揮する。グリシジル化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像性を得る点から、30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部(光硬化部)の溶解を確実に防止する点から、200mgKOH/gが好ましく、光硬化物の耐湿性を防止する点から、150mgKOH/gが特に好ましい。
感光性樹脂の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、その下限値は、光硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から、6000が好ましく、7000がより好ましく、8000が特に好ましい。一方で、感光性樹脂の質量平均分子量(Mw)の上限値は、アルカリ現像性の低下を確実に防止する点から、200000が好ましく、100000がより好ましく、50000が特に好ましい。
感光性樹脂は、上記各出発物質を用いて上記反応にて合成してもよく、上市されている感光性樹脂を使用してもよい。上市されている感光性樹脂としては、例えば、「SP-4621」(昭和電工株式会社)、「KAYARAD ZAR-2000」、「KAYARAD ZFR-1122」、「KAYARAD FLX-2089」、「KAYARAD ZCR-1569H」(以上、日本化薬株式会社)、「サイクロマーP(ACA)Z-250」(ダイセル株式会社)等のカルボキシル基含有感光性樹脂を挙げることができる。また、これらの感光性樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、光硬化物の架橋密度を上げて十分な強度の光硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、化学構造は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂(脂環式エポキシ樹脂)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエポキシ化合物のうち、絶縁信頼性と解像性に優れた、艶消し外観を有する光硬化膜をより確実に得ることに寄与できる点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されないが、感光性樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下が特に好ましい。
(C)脂肪族系ウレア化合物
脂肪族系ウレア化合物は、光硬化物の解像性と絶縁信頼性の向上に寄与しつつ、光硬化物の艶消し外観の形成に寄与することができる。脂肪族系ウレア化合物は、その化学構造中に芳香環を有さない、脂肪族のウレア化合物である。
脂肪族系ウレア化合物の融点は、特に限定されないが、艶消し外観、絶縁信頼性及び解像性に確実に寄与する点から、100℃以上250℃以下が好ましく、120℃以上230℃以下が好ましく、140℃以上210℃以下が特に好ましい。
脂肪族系ウレア化合物としては、環状脂肪族構造を有する脂肪族系ウレア化合物が挙げられる。環状脂肪族構造を有する脂肪族系ウレア化合物としては、下記一般式(1)
Figure 2022039995000001
(式中、R、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ、独立して、炭素数1~20個の飽和脂肪族炭化水素基、または少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する炭素数2~20個の不飽和脂肪族炭化水素基を表す。)で表される化合物を挙げることができる。
これらのうち、光硬化物のグロス値を低減して艶消し外観の形成に確実に寄与する点から、R、R、R、R、R、R、Rが、それぞれ、独立して、炭素数1~5個の飽和脂肪族炭化水素基である一般式(1)の脂肪族系ウレア化合物がより好ましく、R、R、R、R、R、R、Rが、それぞれ、独立して、炭素数1~3個の飽和脂肪族炭化水素基である一般式(1)の脂肪族系ウレア化合物がさらに好ましく、R、R、R、R、R、R、Rが、いずれもメチル基である一般式(1)の脂肪族系ウレア化合物が特に好ましい。R、R、R、R、R、R、Rが、いずれもメチル基である一般式(1)の脂肪族系ウレア化合物は、N’-[3-[[[(ジメチルアミノ)カルボニル]アミノ]メチル]-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル]-N,N-ジメチルウレアである。N’-[3-[[[(ジメチルアミノ)カルボニル]アミノ]メチル]-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル]-N,N-ジメチルウレアの融点は、約150℃である。
脂肪族系ウレア化合物の含有量は、特に限定されないが、その下限値は、感光性樹脂100質量部に対して、艶消し外観の形成に確実に寄与する点から1.0質量部が好ましく、2.0質量部がより好ましく、3.0質量部が特に好ましい。一方で、脂肪族系ウレア化合物の含有量の上限値は、感光性樹脂100質量部に対して、絶縁信頼性の点から20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部が特に好ましい。
(D)反応性希釈剤
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、光硬化物の耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性等に寄与する。反応性希釈剤としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができ、具体的には、単官能の(メタ)アクリレートモノマー、2官能の(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができる。具体例としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートが配合されることで、光硬化物に柔軟性も付与することができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
反応性希釈剤の含有量は、特に限定されないが、感光性樹脂100質量部に対して、5.0質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下が特に好ましい。
(E)光重合開始剤
光重合開始剤は、特に限定されず、例えば、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、2-(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン-9-オン、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、(Z) -(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ) -2-メチルフェニル)メタノン O-アセチルオキシム等のオキシムエステル系光重合開始剤、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-モルホリノフェノン)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパノン-1、1-ベンジル-1-(ジメチルアミノ)プロピル-4-モルホリノフェニル-ケトン等のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤が挙げられる。
また、光重合開始剤として、オキシムエステル系光重合開始剤とα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤以外の、他の光重合開始剤を使用してもよい。他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4′-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2‐メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリーブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン系光重合開始剤;2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;エチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-n-ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、メチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-( ジメチルアミノ) エチルベンゾエート、2-エチルへキシル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート等のベンゾエート系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記光重合開始剤のうち、感光性に優れる点から、オキシムエステル系光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、感光性樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上10質量部以下が好ましく、2.0質量部以上8.0質量部以下が特に好ましい。
感光性樹脂組成物には、上記した(A)~(E)成分の他に、必要に応じて、さらに、他の成分、例えば、体質顔料、難燃剤、硬化促進剤、添加剤、着色剤、非反応性希釈剤等を、適宜、配合することができる。
体質顔料としては、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。また、硬化促進剤としては、例えば、メルカプトベンゾオキサザール及びその誘導体、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、三フッ化ホウ素-アミンコンプレックス、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等が挙げられる。添加剤としては、例えば、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等の消泡剤、(メタ)アクリル系ポリマー等の分散剤、チキソ性付与剤、酸化防止剤、フィラー等が挙げられる。
着色剤としては、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、黒色着色剤、橙色着色剤、赤色着色剤等、所望の色彩に応じて、いずれの着色剤も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である二酸化チタン(ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン)、黒色着色剤であるアセチレンブラック、カーボンブラック等の無機系着色剤や、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン及び青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系、橙色着色剤であるクロモフタルオレンジ等のジケトピロロピロール系等の有機系着色剤などを挙げることができる。
難燃剤は、感光性樹脂層の光硬化物に難燃性を付与するためのものである。難燃剤としては、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができる。リン系の難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3-ジブロモプロピル-2,3-クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t-ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。このうち、有機リン酸塩系の難燃剤が好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非反応性希釈剤は、感光性樹脂層の粘度及び乾燥性、感光性樹脂組成物の粘度及び塗工性を調節するための成分である。非反応性希釈剤としては、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記した感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温(例えば、10℃~30℃)にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ニーダー等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー、トリミックス等の攪拌、混合手段により、混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合を実施してもよい。
感光性樹脂層の厚さは、感光性ドライフィルムの使用条件等により、適宜選択可能であり、例えば、10μm以上100μm以下が挙げられる。
<感光性ドライフィルムの製造方法>
次に、本発明の感光性ドライフィルムの製造方法例について説明する。本発明の感光性ドライフィルムは、支持フィルムと、該支持フィルムに塗工された感光性樹脂層と、該感光性樹脂層を保護するカバーフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の樹脂フィルム)と、を有する積層構造となっている。先ず、支持フィルムの第1の主表面上に上記した感光性樹脂組成物を、ローラコート法、バーコータ法等の公知の方法で塗工して所定の膜厚を有する感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。形成した感光性樹脂組成物の塗膜を乾燥処理することで、支持フィルムの第1の主表面上に感光性樹脂層を形成する。その後、形成した感光性樹脂層上にカバーフィルムを積層することで、感光性樹脂層を有する感光性ドライフィルムを作製できる。
<感光性ドライフィルムの使用方法>
次に、本発明の感光性ドライフィルムの使用方法例について説明する。ここでは、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、本発明の感光性ドライフィルムを用いて、絶縁保護膜であるソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。すなわち、ソルダーレジスト膜の形成用として本発明の感光性ドライフィルムを使用することで、絶縁保護膜を有するプリント配線板を製造する方法について説明する。
絶縁保護膜を有するプリント配線板の製造方法は、感光性ドライフィルムの感光性樹脂層をプリント配線板に貼り合わせる工程と、前記感光性ドライフィルムの支持フィルム上から紫外線を照射して前記感光性樹脂層を光硬化する工程と、前記支持フィルムを前記感光性ドライフィルムから剥がして、光硬化した前記感光性樹脂層を現像して所定のパターンを有する光硬化膜を形成する工程と、所定のパターンを有する前記光硬化膜を熱硬化処理して、凹凸表面部を有する硬化被膜を形成する工程と、を有している。
具体的には、先ず、上記のように作製した感光性ドライフィルムについて、カバーフィルムを剥がしながら感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)とプリント配線板を貼り合わせることで、プリント配線板上に感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)を形成する。感光性ドライフィルムの感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)とプリント配線板を貼り合わせるラミネート条件としては、例えば、真空下、温度40~60℃、圧力0.3~0.7MPaにて10~60秒間加圧する条件が挙げられる。なお、この段階では、感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)上には支持フィルムが積層されたままとなっている。その後、必要に応じて、感光性樹脂層中の非反応性希釈剤を揮散させるために100~120℃程度の温度で1~10分間程度加熱する予備乾燥を行い、感光性樹脂層から非反応性希釈剤を揮発させて感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)の表面をタックフリーの状態にする。その後、支持フィルム上に、回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを載置し、ネガフィルムの上から紫外線(例えば、波長300~400nmの範囲)を照射させて感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)を光硬化させる。その後、支持フィルムを剥がして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)を現像して所定のパターンを有する光硬化膜を形成する。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5~5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。アルカリ現像後、130~170℃の熱風循環式の乾燥機等で、20~80分間、感光性樹脂層(ソルダーレジスト層)を熱硬化処理することにより、プリント配線板上に、凹凸表面部を有することで艶消し外観が付与されたソルダーレジスト膜を形成させることができる。
本発明の感光性ドライフィルムでは、支持フィルムの、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する第1の主表面に、感光性樹脂層が設けられているので、第1の主表面の凹凸表面の形態に応じて凹凸表面部を有する硬化被膜が形成される。上記から、硬化被膜は、第1の主表面の凹凸表面の形態が転写された凹凸表面部を有している。従って、例えば、第1の主表面の凹凸表面の算術平均表面粗さSaが0.10μm以上1.00μm以下の範囲である場合には、硬化被膜の凹凸表面部の算術平均表面粗さSaは0.10μm以上1.00μm以下の範囲となり、第1の主表面の凹凸表面の算術平均表面粗さSaが0.50μmである場合には、硬化被膜の凹凸表面部の算術平均表面粗さSaは0.50μmとなる。
本発明の感光性ドライフィルムでは、上記の通り、艶消し外観を有する、すなわち、マット化された外観を有する光硬化物を得ることができる。例えば、本発明の感光性ドライフィルムの感光性樹脂層を基板上に貼り合わせた後、110℃にて5分間乾燥し、150mJ/cmの紫外線を照射して、150℃、60分間にて熱硬化させた後の光硬化物表面について、光沢計を用いて60度鏡面反射率を測定することにより得られるグロス値は、好ましくは50%以下である。上記グロス値が50%以下に低減されていることにより、艶消し外観を有し、また隠蔽力を備えた光硬化物とすることができる。上記グロス値は、低いほど好ましいが、例えば、40%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1~7、比較例1~6
下記表1、2に示す各成分を下記表1、2に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温(約25℃)にて混合分散させて、実施例1~7、比較例1~6の感光性ドライフィルムの感光性樹脂層としてそれぞれ使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1、2に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1、2中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
なお、下記表1、2中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)感光性樹脂
・KAYARAD ZCR-1569H:固形分(樹脂分)65質量%、日本化薬株式会社
KAYARAD ZCR-1569Hは、カルボキシル基含有感光性樹脂であり、エポキシ樹脂(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸を反応させて、エポキシアクリレートを得、エポキシアクリレートの水酸基に多塩基酸を反応させることで調製される化学構造を有する、多塩基酸変性エポキシアクリレート樹脂である。
(B)エポキシ化合物
・EPICLON 850-S:液体状エポキシ化合物、DIC社
・YX-4000:融点が130℃未満の結晶性エポキシ化合物、融点約105℃、三菱ケミカル株式会社
・セロキサイド2021P:株式会社ダイセル
(C)脂肪族系ウレア化合物
・U-Cat3513N:融点約150℃、N’-[3-[[[(ジメチルアミノ)カルボニル]アミノ]メチル]-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル]-N,N-ジメチルウレア、サンアプロ株式会社
(D)反応性希釈剤
・EBECRYL8405:ダイセル・サイテック株式会社
(E)光重合開始剤
・OXE02:エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、BASF社
・Irgacure 369:1-ベンジル-1-(ジメチルアミノ)プロピル-4-モルホリノフェニル-ケトン、BASF社
体質顔料
・ハイジライトH42M:昭和電工株式会社
難燃剤
・エクソリット OP-935:クラリアントジャパン社
硬化促進剤
・メラミン:日産化学工業株式会社
・DICY-7:三菱化学株式会社
添加剤
・AC-303:分散剤、共栄社化学株式会社
着色剤
・デンカブラック:電気化学工業株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
感光性ドライフィルム作製工程
感光性ドライフィルム用支持フィルム
・実施例1~7の支持フィルム:三菱樹脂株式会社、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「R310」(算術平均表面粗さSa:0.03μm)の一方の片面(第2の主表面)にポリプロピレンフィルム製のマスキングフィルムを貼り合わせた後、38質量%の水酸化カリウム水溶液(95℃)に浸漬(ケミカルエッチング)し、水洗した後、マスキングフィルムを剥離して乾燥し、他方の片面(第1の主表面)に所定の算術平均表面粗さSaを有するケミカルエッチングフィルムを得た。このケミカルエッチングフィルムを実施例1~7の支持フィルムとして使用した。ケミカルエッチングフィルムの第1の主表面の算術平均表面粗さSaは、水酸化カリウム水溶液への浸漬時間によって調整した。
・比較例1の支持フィルム:ユニチカ株式会社、エンブレットCM-25、厚さ25μmのコーティングマットフィルム(算術平均表面粗さSa:0.6μm)
・比較例2の支持フィルム:ユニチカ株式会社、エンブレットSM-25、フィルム表面をサンドブラスト処理した厚さ25μmのサンドマットフィルム(算術平均表面粗さSa:0.6μm)
・比較例3の支持フィルム:ユニチカ株式会社、エンブレットPTH-25、厚さ25μmの練り込みマットフィルム(両面練り込みマットフィルムであり、第1の主表面及び第2の主表面の算術平均表面粗さSa:0.3μm)
・比較例4の支持フィルム:三菱樹脂株式会社、R310、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(マット処理なし、算術平均表面粗さSa:0.03μm)
・比較例5の支持フィルム:R310の第2の主表面にマスキングフィルムを貼らずに、第1の主表面と第2の主表面ともにケミカルエッチングをした以外は実施例と同様にして、両面ケミカルエッチングしたケミカルエッチングフィルムを支持フィルムとして使用した(算術平均表面粗さSaは第1の主表面と第2の主表面ともに0.4μm)。
・比較例6の支持フィルム:ユニチカ株式会社、厚さ25μmの練り込み片面マットフィルム(第1の主表面の算術平均表面粗さSa:0.3μm、第2の主表面の算術平均表面粗さSa:0.03μm)。
支持フィルムへの感光性樹脂組成物の塗工:支持フィルムの片面(第1の主表面)に、感光性樹脂層の予備乾燥後の厚さが30μmとなるように、感光性樹脂組成物をバーコータ法にて塗工した。
予備乾燥:110℃、5分
上記の工程にて、感光性ドライフィルムを作製した。
試験サンプル作製工程
評価基板:二層銅張積層板(導体間ピッチ25μm、導体厚12.5μm)
評価基板の表面処理:5質量%硫酸を用いた表面処理
評価基板への感光性ドライフィルムのラミネート条件:50℃、加圧0.5MPa、真空30s/加圧30s
露光処理(光硬化処理):投影露光装置(光源は高圧水銀灯、USHIO株式会社)にて感光性樹脂層上に紫外線(波長300~400nm)を150mJ/cm照射して露光
現像:支持フィルムを剥がした後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像。現像条件は、温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
熱硬化処理(ポストキュア):150℃、60分
評価項目
(1)グロス値(艶消し外観)
感光性樹脂層表面に対し、光沢計VG-2000(日本電色工業株式会社)を用い、60度鏡面反射率を測定した。グロス値50%以下にて、艶消し外観が得られたと評価した。
(2)算術平均表面粗さSa
支持フィルムの凹凸表面および硬化被膜の凹凸表面部の算術平均表面粗さSaについて、表面粗さ計(株式会社キーエンス、型式「形状解析レーザー顕微鏡VK-X1000」)を用いて、ISO 25178に準拠して測定した。
(3)フォトビア解像性
所定のフォトマスク(ビアの開口径φ200μm)を介して感光性樹脂層を露光処理後、現像にて開口させたフォトビア直径を金属顕微鏡にて測定した。
(4)絶縁信頼性(硬化塗膜の厚さ方向(Z軸方向)の絶縁信頼性)
上記試験サンプル作製工程にて作製した試験サンプルについて、硬化被膜の上に銀を蒸着した硬化被膜の上面を陽極に、上記評価基板の導体である銅を陰極に、それぞれ、接続した。次いで、60℃、湿度95%の恒温恒湿槽の中で、50V印加を行い、イオンマイグレーションテスター(IMV社、「MIG-8600B/128」)を用いて抵抗値の連続測定を行った。50V印加時を測定開始時間とし、抵抗値が1.0E+6(1.0×10)Ω未満に低下するまでの時間を計測し、これを絶縁破壊時間とし、以下の基準に従って厚さ方向(Z軸方向)の絶縁信頼性を評価した。
◎:絶縁破壊時間1500時間以上。
○:絶縁破壊時間1000時間以上1500時間未満。
×:絶縁破壊時間1000時間未満。
評価結果を、下記表1、2に示す。
Figure 2022039995000002
Figure 2022039995000003
上記表1に示すように、支持フィルムの片面がケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する実施例1~7の感光性ドライフィルムでは、絶縁信頼性と解像性に優れ、艶消し外観を有する硬化被膜を形成することができた。特に、支持フィルムの凹凸表面の算術平均表面粗さSaが0.3~0.7μmである実施例1~5、7では、絶縁信頼性に優れ、支持フィルムの凹凸表面の算術平均表面粗さSaが0.3~0.6μmである実施例1~4、7では、解像性と絶縁信頼性に優れていた。また、支持フィルムの凹凸表面の算術平均表面粗さSaが0.4~0.8μmである実施例2~6、7では、グロス値が30%以下と、さらに優れた艶消し外観を得ることができた。また、実施例3と実施例7から、エポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂のいずれを配合しても、絶縁信頼性と解像性に優れ、艶消し外観を有する硬化被膜を形成することができた。従って、感光性樹脂組成物に配合されるエポキシ化合物の化学構造は、特に限定されないことが判明した。
一方で、上記表2に示すように、支持フィルムとしてコーティングマットフィルムを使用した比較例1とサンドマットフィルムを使用した比較例2では、艶消し外観を得ることができたものの絶縁信頼性が得られなかった。また、支持フィルムとして練り込みマットフィルムを使用した比較例3では、艶消し外観を得ることができたものの解像性が得られなかった。また、支持フィルムとして片面練り込みマットフィルムを使用した比較例6でも、艶消し外観を得ることができたものの解像性が得られなかった。また、支持フィルムの両面がケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する比較例5では、艶消し外観を得ることができたものの解像性が得られなかった。また、算術平均表面粗さSaが0.03μmの支持フィルムを使用した比較例4では、艶消し外観を得ることができなかった。
本発明の感光性ドライフィルムは、支持フィルムの片面がケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有することにより、絶縁信頼性と解像性に優れた、艶消し外観を有する光硬化膜を得ることができるので、例えば、プリント配線板に設ける絶縁保護膜(ソルダーレジスト膜)の分野で利用価値が高い。

Claims (8)

  1. 第1の主表面と該第1の主表面に対向した第2の主表面とを有する支持フィルムと、前記第1の主表面に設けられた感光性樹脂層と、を備えた感光性ドライフィルムであって、
    前記第1の主表面が、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有する感光性ドライフィルム。
  2. 前記第1の主表面の、前記凹凸表面の算術平均表面粗さSaが、0.10μm以上1.00μm以下である請求項1に記載の感光性ドライフィルム。
  3. 前記第2の主表面が、ケミカルエッチングにより形成された凹凸表面を有さない請求項1または2に記載の感光性ドライフィルム。
  4. 前記感光性樹脂層が感光性樹脂組成物により形成され、前記感光性樹脂組成物が、脂肪族系ウレア化合物を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性ドライフィルム。
  5. 前記感光性樹脂組成物が、(A)感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)脂肪族系ウレア化合物と、(D)反応性希釈剤と、(E)光重合開始剤と、を含有する請求項4に記載の感光性ドライフィルム。
  6. 前記(B)エポキシ化合物が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項5に記載の感光性ドライフィルム。
  7. ソルダーレジスト膜の形成用である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性ドライフィルム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性ドライフィルムの感光性樹脂層をプリント配線板に貼り合わせる工程と、
    前記感光性ドライフィルムの支持フィルム上から紫外線を照射して前記感光性樹脂層を光硬化する工程と、
    前記支持フィルムを前記感光性ドライフィルムから剥がして、光硬化した前記感光性樹脂層を現像して所定のパターンを有する光硬化膜を形成する工程と、
    所定のパターンを有する前記光硬化膜を熱硬化処理して、凹凸表面部を有する硬化被膜を形成する工程と、を有し、
    前記硬化被膜の凹凸表面部の算術平均表面粗さSaが、0.10μm以上1.00μm以下であるプリント配線板の製造方法。
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