JP2022037808A - p型III族窒化物半導体の製造方法 - Google Patents

p型III族窒化物半導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Alを必須の構成要素として含むp型III 族窒化物半導体のキャリア濃度を向上させること。【解決手段】発光層13上に、MOCVD法によってMgドープのAlGaNからなる電子ブロック層14を形成する。ここで、電子ブロック層14は、p型化の熱処理前におけるMg濃度に対するH濃度の比H/Mgが50~100%となるように形成する。H/Mgは、電子ブロック層14の成長温度、V/III 比、Mg濃度、などによって制御可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、Alを必須の構成要素として含むp型III 族窒化物半導体の製造方法に関する。
III 族窒化物半導体からなる紫外発光の発光素子では、発光層上にp-AlGaNからなる電子ブロック層を形成し、電子がp側に拡散してしまうのを防止して発光効率の向上を図っている。
非特許文献1には、AlN中におけるH+ 、H- の形成エネルギーの境界は、AlNの伝導帯から2.5eV付近に位置し、GaNとは境界の位置が大きく異なることが示されている。加えて、MgがGaN、AlN中に取り込まれる際、Mg-Hを形成した場合の方が、Mg単独よりも形成エネルギーが低いため、III 族サイトに取り込まれやすいことが示されている。
非特許文献2には、GaNではMg濃度が3×1019cm-3以下の場合、Mg濃度とH濃度が等しくなり、Mg-Hの錯体を形成することが示されている。Mg-Hの錯体を形成したHを熱処理によってGaN中から離脱させることで、p型が得られる。正味のアクセプタ濃度は、熱処理によって離脱したH濃度に等しいことが示されている。一方、Mg濃度が3×1019cm-3以上の場合、Mg濃度とH濃度は等しくならず、一部がMg-Hの錯体を形成し、残りはおそらくMg単独、またはMgのクラスターを形成していることが示されている。また、熱処理によってHの離脱が見られていない。そのため、過剰にドーピングしたMgに起因したMg2 3 や窒素空孔によってキャリアが補償され、高いキャリア濃度が得られないと示されている。
非特許文献3には、III 族窒化物半導体のフェルミ準位をコントロールすることによる様々な欠陥の抑制の可能性が言及されている。
PHYSICAL REVIEW LETTERS 108,156403 (2012) APPLIED PHYSICS LETTERS 98, 213505 (2011) JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 120, 185704 (2016)
紫外発光素子の出力を向上させるためには、p-AlGaNのキャリア濃度を高くする必要がある。また、p-GaNからなるコンタクト層を用いない深紫外発光素子が実現できれば、p層での光吸収を抑制させることが可能となり、GaNをp層に用いた場合の光取り出し効率7%程度から、理論的には80%まで向上させることが可能となる。しかし、AlGaNではMg活性化エネルギーが高く、窒素空孔にアクセプタが補償されてしまうことから、p-AlGaNのキャリア濃度を高くすることは困難であり、p-AlGaNと金属のコンタクトについても困難であった。
そこで本発明は、Alを必須の構成要素とするMgドープのp型III 族窒化物半導体のキャリア濃度向上を目的とする。
発明者はp-AlGaNのキャリア濃度を向上させるべく研究を重ねたところ、AlGaNではGaNとは異なりMg濃度とH濃度が等しくならないことを見出した。つまり、GaNでは、MgとHの結合Mg-Hが生成し、MgがGaサイトに入りやすくなることでキャリア濃度の向上が図られているが、AlGaNではH濃度がMg濃度に比べて低くなり、Mg-Hが少なくなるためにキャリア濃度が向上しないことがわかった。そして発明者は、窒素空孔の発生を抑制してMg濃度に対するH濃度の比を100%に近づけることでキャリア濃度が向上し低抵抗化できることを見出した。本発明は発明者の上記発見に基づくものである。
本発明は、Alを必須の構成要素とするMgドープのp型III 族窒化物半導体の製造方法において、p型化の熱処理前においてMg濃度に対するH濃度の比が50~100%となるようにMgドープのIII 族窒化物半導体を形成する、ことを特徴とするp型III 族窒化物半導体の製造方法である。
Alを必須の構成要素とするIII 族窒化物半導体は、AlN、AlGaN、AlInN、またはAlGaInNである。
III 族窒化物半導体の成長温度は、1100℃以上とするのがよい。
III 族窒化物半導体のV/III 比は、2000~10000とするのがよい。
III 族窒化物半導体のMg濃度は、1×1018~2×1020/cm3 とするのがよい。さらに好ましくは7×1018~7×1019/cm3 とするのがよい。
CLスペクトルにおける4.37~4.6eVにおけるピーク強度に対する3~3.8eVにおけるピーク強度の比は3以下とするのがよい。4.37~4.6eVにおけるピークはIII 族サイトのMgに起因する遷移、3~3.8eVにおけるピークはV族空孔に起因する欠陥準位からの遷移を示すものである。
III 族窒化物半導体の成長圧力は、10~60kPaとするのがよい。
III 族窒化物半導体のC濃度は、1×1017/cm3 以下とするのがよい。
本発明によれば、Alを必須の構成要素とするMgドープのp型III 族窒化物半導体のキャリア濃度を向上させることができ、低抵抗化を図ることができる。
実施例1の発光素子の構成を示した図。 H/Mgと成長温度との関係を示したグラフ。 H/MgとV/III 比との関係を示したグラフ。 H/Mgとピーク強度比との関係を示したグラフ。 発光素子の出力P0とV/III 比との関係を示したグラフ。 発光素子の順方向電圧VfとV/III 比との関係を示したグラフ。 H/MgとMg濃度の関係を示したグラフ。 H濃度とMg濃度の関係を示したグラフ。 C濃度と成長温度の関係を示したグラフ。 C濃度と成長圧力の関係を示したグラフ。 C濃度とV/III 比の関係を示したグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の発光素子の構成を示した図である。フリップチップ型の紫外発光素子であり、基板10と、バッファ層11と、nコンタクト層12と、発光層13と、電子ブロック層14と、pコンタクト層15と、透明電極16と、p電極17と、n電極18と、を有している。
(各層の構成)
まず、実施例1の発光素子の各層の構成について説明する。
基板10は、サファイアからなる成長基板である。基板10の厚さは、たとえば900μmである。サファイア以外にも、AlN、Si、SiC、ZnOなどを用いることができる。
バッファ層11は、基板10上に位置している。バッファ層11は、核層、低温バッファ層、高温バッファ層の3層を順に積層した構造である。核層は、低温で成長させたノンドープのAlNからなり、結晶成長の核となる層である。核層の厚さは、たとえば10nmである。低温バッファ層は、核層よりも高温で成長させたノンドープのAlNからなる層である。低温バッファ層の厚さは、たとえば0.3μmである。高温バッファ層は、低温バッファ層よりも高温で成長させたノンドープのAlNからなる層である。高温バッファ層の厚さは、たとえば2.7μmである。このようなバッファ層11を設けることで、AlNの貫通転位の密度低減を図っている。
nコンタクト層12は、バッファ層11上に位置している。nコンタクト層12は、n-AlGaNからなる。Si濃度は1×1019~5×1019/cm3 とすることが好ましい。実施例1の発光素子の発光効率向上と低抵抗化を両立できるためである。nコンタクト層12の構成の一例として、Al組成は62%、厚さは1.3μm、Si濃度は2×1019/cm3 である。
発光層13は、nコンタクト層12上に位置する。発光層13は、井戸層が2層のMQW構造である。つまり、第1障壁層、第1井戸層、第2障壁層、第2井戸層、第3障壁層の順に積層された構造である。第1井戸層および第2井戸層は、n-AlGaNからなる。そのAl組成は、所望の発光波長に応じて設定される。たとえば波長210~360nmであり、特に250~300nmである。第1障壁層、第2障壁層、および第3障壁層は、第1井戸層および第2井戸層よりもAl組成の高いn-AlGaNからなる。第1井戸層および第2井戸層の構成の一例として、Al組成は40%、厚さは2.4nm、Si濃度は9×1018/cm3 である。第1障壁層および第2障壁層の構成の一例として、Al組成は55%、厚さは11nm、Si濃度は9×1018/cm3 である。第3障壁層の構成の一例として、Al組成は55%、厚さは4nm、Si濃度は5×1018/cm3 である。
電子ブロック層14は、発光層13上に位置している。電子ブロック層14は、第3障壁層よりもAl組成の高いMgドープのp-AlGaNからなる。電子ブロック層14によって、電子がpコンタクト層15側に拡散してしまうのを抑制している。電子ブロック層14は単層である必要はなく、複数の層で構成されていてもよい。たとえば、Al組成の異なる2層を交互に繰り返し積層させた構成としてもよい。また、第3障壁層からpコンタクト層15に向かってAl組成を傾斜させた構成としてもよい。
電子ブロック層14の好ましい構成は次の通りである。Al組成は60~90%、厚さは、10~50nm、Mg濃度は7×1018~1×1020/cm3 、キャリア濃度は1×1016~1×1017/cm3 である。一例として、Al組成は80%、厚さは25nm、Mg濃度は5×1019/cm3 である。
pコンタクト層15は、電子ブロック層14上に位置している。pコンタクト層15は、第1pコンタクト層15Aと第2pコンタクト層15Bを順に積層した構造である。第1pコンタクト層15AはMgドープのp-AlGaN、第2pコンタクト層15BはMgドープのp-GaNからなる。第1pコンタクト層15AのAl組成は、電子ブロック層14のAl組成よりも小さく、かつ発光波長の光を吸収しないように設定されている。pコンタクト層15をこのような2層構成とすることで、pコンタクト層15による光吸収を抑制し、光出力の向上を図っている。従来はp-AlGaNのキャリア濃度を高めることができなかったため、pコンタクト層15をこのような構成とすることは困難であった。しかし、後述の方法によればキャリア濃度が高いp-AlGaNを形成することができるので、このようなpコンタクト層15の構成を採用可能である。
第1pコンタクト層15Aの好ましい構成は次の通りである。Al組成は60~90%、厚さは、10~50nm、Mg濃度は7×1018~1×1020/cm3 、キャリア濃度は1×1016~1×1017/cm3 である。一例として、Al組成は50%、厚さは50nm、Mg濃度は5×1019/cm3 である。
第2pコンタクト層15Bの好ましい構成は次の通りである。厚さは、10~30nm、Mg濃度は1×1020~6×1020/cm3 である。一例として、厚さは18nm、Mg濃度は4×1020/cm3 である。
pコンタクト層15表面の一部領域には溝が設けられている。溝はpコンタクト層15および発光層13を貫通し、nコンタクト層に達する深さである。この溝はn電極18を設けるためのものである。
透明電極16は、pコンタクト層15上に位置している。透明電極16の材料は、たとえばIZO、ITO、ICO、ZnO、MgZnOなどの透明導電性酸化物である。ここでいう透明は、可視光波長領域における透過率が高いことを意味する。一例として、膜厚が2nmの薄膜ITOを用いている。
p電極17は、透明電極16上に位置している。p電極17は、Rh、Ni/Al、Pd/Al、Pd/Al/Au、Ni/Au、Alなどである。一例としてAlを用いている。
n電極18は、溝の底面に露出するnコンタクト層12上に位置している。n電極18は、Ti/Al/Ni、V/Al/Ni、V/Al/Ruなどである。
以上、実施例1の発光素子は、p-AlGaNからなる電子ブロック層14および第1pコンタクト層15Aのキャリア濃度が高く低抵抗化されている。また、GaNからなる第2pコンタクト層15Bの厚さが薄いため、発光層13から放射される光の吸収が少ない。そのため実施例1の発光素子によれば光出力の向上を図ることができ、順方向電圧を低減することができる。
(発光素子の製造工程について)
次に、実施例1の発光素子の製造工程について説明する。なお、III 族窒化物半導体の結晶成長にはMOCVD法を用い、窒素源としてアンモニア、Ga源としてトリメチルガリウム、またはトリエチルガリウム、Al源としてトリメチルアルミニウムを用いる。また、n型ドーパントガスとしてシラン、p型ドーパントガスとしてビス(シクロペンタジエニル)マグネシウムを用いる。また、キャリアガスとして水素、窒素を用いる。
まず、サファイアからなる基板10を用意する。そして、基板10上にバッファ層11を形成する。バッファ層11の形成は、まずMOCVD法によってAlNからなる核層を形成する。成長温度は、たとえば880℃である。つぎに、核層上に、MOCVD法によってAlNからなる低温バッファ層、高温バッファ層を順に形成する。
次に、バッファ層11上に、MOCVD法によってn-AlGaNからなるnコンタクト層12を形成する。
次に、nコンタクト層12上に、MOCVD法によって発光層13を形成する。発光層13の形成は、第1障壁層、第1井戸層、第2障壁層、第2井戸層、第3障壁層の順に積層して形成する。
次に、発光層13上に、MOCVD法によってMgドープのAlGaNからなる電子ブロック層14を形成する。ここで、電子ブロック層14は、p型化の熱処理前におけるMg濃度に対するH濃度の比H/Mgが50~100%となるように形成する。より好ましいH/Mgの範囲は70~100%、さらに好ましくは80~100%である。H/Mgをこのような範囲とする理由は次の通りである。
GaNでは、H+ 、H- の形成エネルギーの境界が伝導帯に近く、H+ が形成されやすい。そのためMgとHの結合Mg-Hが形成されやすく、MgがGaサイトに入りやすくなることでキャリア濃度の向上が図られている。一方、AlGaNでは、p型化の熱処理前においてH濃度がMg濃度に比べて低くなっていることを発明者は発見した。このことから、p-AlGaNのキャリア濃度が低いのは次のように考えれらる。AlGaNはH+ 、H- の形成エネルギーの境界が価電子帯に近く、H+ が形成されにくい。それゆえに、AlGaN中の窒素欠陥によりフェルミ準位がH+ 、H- の形成エネルギーの境界よりも伝導帯側になり、H+ の形成が阻害されてしまう。これらの理由からAlGaNではH濃度がMg濃度に比べて低くなっている。その結果、Mg-Hが形成されにくく、MgがGaサイトに入りにくくなり、キャリア濃度が向上しないと考えられる。
そこで、実施例1では、p型化の熱処理前においてH/Mgを50~100%とし、H濃度をMg濃度に近づけている。このようにすれば、AlGaNのフェルミ準位を価電子帯に近づけることができ、AlGaN中の窒素欠陥を低減することができる。すると、AlGaN中にH+ が形成されやすくなり、MgとHの結合であるMg-Hを増やすことができ、Mgがアクセプタサイトへ取り込まれやすくなる。その結果、AlGaNのキャリア濃度を向上させることができる。
H/Mgは、電子ブロック層14の成長温度、V/III 比、Mg濃度、などによって制御可能である。たとえば、成長温度、V/III 比、Mg濃度を以下の範囲とすることで、H/Mgを50~100%に制御することができる。
成長温度は、1100℃以上である。成長温度の上限はAlGaNが蒸発しない範囲であればよく、たとえば1400℃以下である。より好ましくは1250℃以上、さらに好ましくは1300℃以上である。
V/III 比は、2000~10000である。より好ましくは3000~9000、さらに好ましくは4000~8000である。
Mg濃度は、1×1018~2×1020/cm3 である。2×1020/cm3 よりも多くMgをドーピングした場合、III 族(AlとGa)とV族(N)の配列が反転し、極性反転が起こる。極性反転が生じた場合、CやOといった不純物を取り込みやすく、電気特性を劣化させてしまう。さらに好ましくは7×1018~7×1019/cm3 である。
また、H/Mgは、CLスペクトルおけるピーク強度比によって制御することもできる。具体的には、4.37~4.6eVにおけるピーク強度に対する3~3.8eVにおけるピーク強度の比が3以下となるようにすれば、H/Mgを50~100%とすることが可能である。なお、4.37~4.6eVにおけるピークはIII 族サイトのMgに起因する遷移、3~3.8eVにおけるピークはV族空孔に起因する欠陥準位からの遷移を示すものである。CLスペクトルは、十分に低温、たとえば10K以下における値であることが好ましい。
成長圧力は、10~60kPaとするのがよい。AlGaNの場合、成長圧力が高いとAlとNH3 が寄生反応し、うまく成長しないためである。また、C濃度を後述の範囲に制御するためにも成長圧力を上記範囲とするのがよい。
C濃度は、1×1017/cm3 以下とするのがよい。CはV族サイトのNを置換し、ドナーのような働きをし、アクセプタを補償してしまう。そのため、フェルミ準位は伝導帯側へとシフトし、H+ 形成を阻害する要因になると考えられる。つまり、C濃度はキャリア補償要因と考えられ、C濃度が高いとH/Mgが減少することになる。C濃度は低ければ低い方がよく、下限は特に規定しないが、1×1016/cm3 程度がバックグラウンドレベルとなる。C濃度は、成長温度が高いほど、V/III 比が高いほど、成長圧力が高いほど低減することができる。たとえば、成長温度を1050~1300℃、V/III 比を1000~10000、成長圧力を10~60kPaとすることにより、C濃度を1×1017/cm3 以下に制御することが可能となる。なお、C濃度によるキャリア補償の強さはV族空孔によるキャリア補償よりも弱いと考えられる。
次に、電子ブロック層14上に、MOCVD法によってpコンタクト層15を形成する。pコンタクト層15の形成は、MgドープのAlGaNからなる第1pコンタクト層15A、MgドープのGaNからなる第2pコンタクト層15Bの順に積層して形成する。ここで、第1pコンタクト層15Aは、電子ブロック層14と同様にH/Mgが50~100%となるように形成する。これにより第1pコンタクト層15Aのキャリア濃度を向上させることができる。
その後、窒素雰囲気で熱処理することにより電子ブロック層14およびpコンタクト層15のp型化を行う。p型化の熱処理前のH/Mgを50~100%としていることから、p型化の熱処理後の電子ブロック層14、第1pコンタクト層15Aのキャリア濃度は従来の製造方法に比べて高い値とすることができる。
次に、pコンタクト層15表面の所定領域をドライエッチングし、nコンタクト層12に達する深さの溝を形成する。
次に、pコンタクト層15上に透明電極16を形成する。次に、透明電極16上にp電極17、溝の底面に露出するnコンタクト層12上にn電極を形成する。透明電極16、p電極17、およびn電極18は、スパッタや蒸着などによって形成する。以上によって実施例1の発光素子が製造される。
次に、実施例1に関する各種実験例について説明する。
(実験1)
サファイアからなる基板上にAlNからなるバッファ層、アンドープのAlGaN、Mgドープのp-AlGaNを順に積層した試料を作製し、p-AlGaNのH濃度、Mg濃度、C濃度、H/Mgを二次イオン質量分析法(SIMS)、V族空孔およびIII 族サイトMgに起因する遷移をCLスペクトルによってそれぞれ測定した。
図2は、H/Mgとp-AlGaNの成長温度の関係を示したグラフである。p-AlGaNのAl組成は25%、60%、80%、100%(つまりAlN)の4パターンとした。なお、この成長温度は基板を熱電対により測定した値であり、基板表面温度は測定した成長温度よりも80~100℃低くなる。図2のように、成長温度が高いほどH/Mgが高くなり、100%に近づくことがわかった。
図3は、H/Mgとp-AlGaN形成時のV/III 比の関係を示したグラフである。p-AlGaNのAl組成は35%、50%、85%とした。図3のように、V/III 比が高いほどH/Mgが高くなり、100%に近づくことがわかった。また、図3から、V/III 比が2000~10000であれば、H/Mgを50%以上にできることが推察される。また図2、3から、Al組成は20%以上40%以下、または70%以上90%以下の範囲においてH/Mgをより向上できることが推察される。Al組成が50%付近でH/Mgが向上しにくいのは、AlGaN中の欠陥、もしくは転位密度に関係すると考えられる。AlGaN層のAl組成が高い場合、下地のAlN層との格子整合性が大きくなく、ミスフィット転位の発生が少ない。一方、AlGaN層のAl組成が低い場合、AlGaN成長開始時にミスフィット転位が多く発生するが、成長膜厚が増加するにつれてミスフィット転位同士が重なり減っていく。そのため、中間の組成であるAl組成50%付近ではH/Mgが向上しにくくなっていると考えられる。
図4は、H/Mgとピーク強度比の関係を示したグラフである。ピーク強度比は、AlGaNのV族空孔の量を示しており、Al組成50%のp-AlGaNのCLスペクトルにおける4.37~4.6eVにおけるピーク強度に対する3~3.8eVにおけるピーク強度の比である。4.37~4.6eVのピークは、III 族サイトのMg(MgIII )に起因する遷移を示し、3~3.8eVのピークは、V族空孔(VN)に起因する欠陥準位からの遷移を示している。図4のように、ピーク強度比が小さくなるにつれてH/Mgは増加し、ピーク強度比が3以下であれば、H/Mgを50%以上とできることがわかった。
図7は、H/MgとMg濃度の関係を示したグラフ、図8は、H濃度とMg濃度の関係を示したグラフである。図7のように、Mg濃度が高いほどH/Mgも高くなる傾向にあることがわかった。また、図8のように、Mg濃度が2×1019/cm3 辺りまではMg濃度の増加に対してH濃度がおよそ線形に増加していくが、2×1019/cm3 を超えるとH濃度は飽和していくことがわかった。この結果と、実際のデバイスにおいて実用的なMg濃度とを考慮すれば、Mg濃度は7×1018~7×1019/cm3 の範囲が最適であると考えられる。
図9は、C濃度と成長温度の関係を示したグラフ、図10は、C濃度と成長圧力の関係を示したグラフ、図11は、C濃度とV/III 比の関係を示したグラフである。図9のように、成長温度が高いほどC濃度は低下することがわかった。また、図10のように、成長圧力が高いほどC濃度が低下することがわかった。また、図11のように、V/III 比が高いほどC濃度が低下することがわかった。このように、C濃度は成長温度、成長圧力、V/III 比によって制御可能であり、1×1017/cm3 以下に制御可能であることがわかった。
(実験2)
電子ブロック層14および第1pコンタクト層15A形成時のV/III 比を変化させて実施例1の発光素子を作製し、出力P0と順方向電圧Vfを測定した。
図5は、発光素子の出力P0とV/III 比との関係を示したグラフである。図5のように、V/III 比が大きいほど出力P0が向上し、特にV/III 比が2000以上で出力P0の向上が大きかった。図3のように、V/III 比の向上によりH/Mgが大きくなり、電子ブロック層14および第1pコンタクト層15Aのキャリア濃度が向上したため出力P0が向上したと考えられる。
図6は、発光素子の順方向電圧VfとV/III 比との関係を示したグラフである。図6のように、V/III 比が大きいほど順方向電圧Vfが減少しており、電子ブロック層14および第1pコンタクト層15Aのキャリア濃度向上による低抵抗化を確認できた。
(変形例)
実施例1はp-AlGaNのキャリア濃度向上を図るものであったが、本発明はAlGaNだけでなく、AlN、AlInN、AlGaInNにも適用できる。つまり、Alを必須の構成要素とするIII 族窒化物半導体であれば適用できる。また、本発明はAlを必須の構成要素とするのであればAl組成の値は限られないが、Al組成が20%以上40%以下、または70%以上90%以下であればよりH/Mgが向上しやすく、キャリア濃度の向上もより容易となる。
本発明は紫外発光素子の製造に適しており、特に波長が250~300nmの場合に好適である。
10:基板
11:バッファ層
12:nコンタクト層
13:発光層
14:電子ブロック層
15:pコンタクト層
16:透明電極
17:p電極
18:n電極

Claims (9)

  1. Alを必須の構成要素とするMgドープのp型III 族窒化物半導体の製造方法において、
    p型化の熱処理前においてMg濃度に対するH濃度の比が50~100%となるようにMgドープのIII 族窒化物半導体を形成する、
    ことを特徴とするp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記III 族窒化物半導体の成長温度は、1100℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  3. 前記III 族窒化物半導体のV/III 比は、2000~10000である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  4. 前記III 族窒化物半導体のMg濃度は、1×1018~2×1020/cm3 である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  5. 前記III 族窒化物半導体のMg濃度は、7×1018~7×1019/cm3 である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  6. 前記III 族窒化物半導体のAl組成は20%以上40%以下、または70%以上90%以下である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  7. CLスペクトルにおける4.37~4.6eVにおけるピーク強度に対する3~3.8eVにおけるピーク強度の比が3以下である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  8. 前記III 族窒化物半導体の成長圧力は、10~60kPaである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  9. 前記III 族窒化物半導体のC濃度は、1×1017/cm3 以下である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
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