JP2022031987A - 車両駆動制御装置、車両の駆動制御方法及びプログラム - Google Patents

車両駆動制御装置、車両の駆動制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】道路幅員の変化に対して車両の加減速が変わらないと、運転者の運転性が低下することがあった。【解決手段】車両駆動制御装置1が備える車両駆動目標生成部13は、道路を加速又は減速して走行する車両10の進行方向における道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、車両10が目標とする加速度又は減速度に達するように駆動力又は制動力を補正して、補正した駆動力又は制動力の情報を出力する。駆動指令部16は、補正された駆動力又は制動力の情報により、車両10を走行させる右タイヤ7及び左タイヤ8の回転数を制御するための駆動指令を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両駆動制御装置、車両の駆動制御方法及びプログラムに関する。
近年、車両の運転支援技術の開発が進められている。運転支援技術として、例えば、巡航制御機能、車線維持支援機能、自動運転機能、自動緊急ブレーキ機能や緊急操舵回避支援機能が知られている。
特許文献1には、「自車前方に障害物が存在する場合、障害物が存在する位置における道幅残量、すなわち自車両が通過可能な残りの道幅に応じて車両特性が変更される」と記載されている。
特開平11-348598号公報
特許文献1に開示された技術により、前方の工事領域に対する車両の通過時、運転者のアクセル操作を起点とする通過車速を想定して減速度を制御することで、安全な速度で車両を走行することができる。従来、運転支援や自動運転が行われる際に、安全性を向上したり、減速性能を向上したりすることが、運転者が認識する運転性の向上につながると考えられていた。以下の説明で、運転性とは、運転者が、安全又は快適さを感じるような運転者の感覚を表す指標とする。
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、主に運転時における安全性の向上に寄与するものであり、通常の運転シーンにおいて頻繁に必要とされないため、運転性の観点から運転者に必要となる課題に対応する部分が少ない。特に減速度に関して運転者の運転意図を反映させるためには、車両の状況として特に道路幅員の変化が運転意図に大きな影響があることが知られている。しかし、特許文献1には、道幅残量の減少に関する記載があるものの道路幅員の拡大については記載されていない。また、特許文献1に開示された技術は、工事や駐車車両による危険回避のための構成が主たる内容であるため、運転者の運転性を向上するものではない。
しかし、運転者には、車両が走行している道路の道路幅員が狭ければ速度を下げたい要求があり、道路幅員が広ければ速度を下げたくないという要求がある。運転者が意図する速度感の相違は、運転者が要求する加減速の大小と相関があるため、道路幅員の広狭に応じた加減速に対する要求も、速度要求と同様に発生していると考えられる。このため、実際には運転者が危険と認識しないシーンであっても、従来の技術では運転者の安心感の増減に対して十分なサポートができていなかった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、車両が走行する道路の道路幅員が変化した場合でも、運転者に快適な運転性を提供することを目的とする。
本発明に係る車両駆動制御装置は、道路を加速又は減速して走行する車両の進行方向における道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、車両が目標とする加速度又は減速度に達するように駆動力又は制動力を補正して、補正した駆動力又は制動力の情報を出力する目標生成部と、補正された駆動力又は制動力の情報により、車両を走行させる駆動部の回転数を制御するための駆動指令を出力する駆動指令部と、を備える。
本発明によれば、加速又は減速する車両の進行方向における道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて補正された駆動力又は制動力により、目標とする加速度又は減速度に達するように車両が走行するため、運転者に快適な運転性を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両のシステム構成例を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る道路幅員が減少する場合における、道路状況と減速度の変化の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る道路幅員が増加する場合における、道路状況と減速度の変化の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る道路幅員が減少する場合における、道路状況と加速度の変化の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る道路幅員が増加する場合における、道路状況と加速度の変化の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る道路幅員に対する減速度の補正量の関係を示す特性線図である。 本発明の第1の実施の形態に係る運転者から見た車両の前方の道路状況の例を示すイメージ図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両が走行する道路毎に設定される制限速度と、この道路を走行中の車両の車速(実車速)に対する減速度の補正係数の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る道路幅員変化率に対する減速度の補正量変化時定数の関係を示す特性線図である。 本発明の第1の実施の形態に係るアクセル開度に対する目標駆動力の関係を示す特性線図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両が走行する道路毎に設定される制限速度と、この道路を走行中の車両の車速(実車速)に対する加速度の補正係数の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両駆動目標生成部が制駆動力の制御の適用可否を判断する処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る目標加減速度に対する変化率の制限を行うタイミングの例を示すチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関を有する車両のシステム構成例を示す機能ブロック図である。
従来は、リスクの低い運転シーンでは、運転者が道路状況を基に走行を行っていた。通常、運転者が操作する加減速の制御は一般的な道路を想定して行われるため、運転者の視覚情報の変化に対応できていなかった。視覚情報の変化には、道路幅員の変化が大きく作用する。例えば、車両の減速時において、車両の進行方向である前方の道路幅員が広がっているときには、緩やかに減速する制御が行われても問題ないが、急減速する制御が行われると運転者にとって運転性の違和感が強くなる。逆に、道路幅員が狭くなれば、運転者が早めに減速したくなるにも関わらず、緩やかに減速する制御が行われる車両であれば、運転者がブレーキペダルを踏み込む頻度が増加する。
一方、車両の加速時において、前方の道路幅員が広がっていれば、運転者がアクセルペダルを踏み込んでも加速感が小さくなる。このため、緩やかに加速する制御が行われる車両であれば、運転者がアクセルペダルを再度踏み込む操作が行われる。逆に前方の道路幅員が狭くなると、運転者が加速する操作を止めたくなるので、アクセルペダルを戻す操作が行われる。このように道路幅員の変化に応じて、車両の減速時におけるブレーキペダルの頻繁な操作、車両の加速時におけるアクセルペダルの頻繁な操作が必要であった。
そこで、本発明者は、車両が走行中の道路の道路情報の内、特に道路幅員を用いて加減速度を設定することで運転者の安心感や快適性を向上させ、さらには運転性を高めることが可能な制御を検討した。以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[第1の実施の形態]
(全体概要)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両10のシステム構成例を示す概略図である。
本実施の形態に係る車両10は、例えば、電動車両である。この車両10は、車両駆動制御装置1、道路情報出力装置2、摩擦制動制御装置3、動力機器制御装置4、動力機器5、差動装置6、右ドライブシャフト7aと右タイヤ7、左ドライブシャフト8aと左タイヤ8を備える。
車両駆動制御装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される計算機の一例である。CPUは、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROMから読み出して実行する。RAMには、演算処理の途中に発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれる。ROMは、CPUが動作するために必要なプログラムやデータ等を格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
この車両駆動制御装置1は、道路情報出力装置2、摩擦制動制御装置3及び動力機器制御装置4と通信線を介した車載通信機能により接続される。車両駆動制御装置1は、道路情報出力装置2から出力された道路情報を入力する。道路情報出力装置2は、ナビゲーションシステムや車載カメラなどであり、車両10が走行する道路に関する道路情報を出力する。道路情報には、車両10が走行する道路の道路幅員、路肩幅員、道路側壁の高さといった情報が含まれる。
車両駆動制御装置1は、他にもセレクトレバーの位置やアクセルやブレーキの踏み込み状態などに基づき、車両駆動系のシステム起動停止、目標駆動力算出、摩擦制動制御装置3(制動制御装置の一例)との協調、動力機器制御装置4(動力制御装置の一例)への指令値出力などを行うことができる。摩擦制動制御装置3は、車両10の右タイヤ7と左タイヤ8に設けられた不図示のブレーキパッド(制動装置の一例)に摩擦制動力を付与するための制御を行う。摩擦制動制御装置3の制御により、例えば、ブレーキパッドがブレーキディスクに接触することにより摩擦制動力が発生し、車両10が減速する。
動力機器制御装置4は、動力機器5(動力装置の一例)として示される電動機を電気的に制御することで、動力機器5に駆動力を付与するための制御を行う。動力機器5の出力軸は差動装置6に接続され右ドライブシャフト7aと左ドライブシャフト8aに動力分割されて右タイヤ7と左タイヤ8(駆動部の一例)を駆動して車両を走行させる。
車両駆動制御装置1は、入力処理部11、システム制御部12、車両駆動目標生成部13、道路幅員補正分14、配分部15及び駆動指令部16を備える。
入力処理部11には、道路情報出力装置2から出力される道路情報、摩擦制動制御装置3から出力される摩擦制動結果、及び動力機器制御装置4から出力される動力機器制御結果が入力される。そして、入力処理部11は、道路情報、摩擦制動結果、及び動力機器制御結果をシステム制御部12及び車両駆動目標生成部13に出力する。
システム制御部12は、車両10内の各装置に対するシステム起動、システム停止などの各種制御を行う。システム制御部12が行う制御指示は、駆動指令部16に出力される。
車両駆動目標生成部13(目標生成部の一例)は、車両10の走行状況を把握して、車両駆動目標を生成する。車両駆動目標とは、例えば、車両10の加速度又は減速度(「加減速度」とも呼ぶ)、制動力又は駆動力(「制駆動力」とも呼ぶ)をどのように変化させるかを示す指標である。このため、車両駆動目標生成部13は、車両10が走行する道路に合わせて、車両10を走行させる駆動部の回転数を制御するための駆動力又は制動力を算出する。
この車両駆動目標生成部13は、道路を加速又は減速して走行する車両10の進行方向における道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、車両10が目標とする加速度又は減速度に達するように駆動力又は制動力を補正して、補正した駆動力又は制動力の情報を出力する。車両駆動目標生成部13は、例えば、入力処理部11から入力した道路幅員、現在の車両10の走行状況、道路幅員補正分14などに基づいて、目標とする加減速度又は制駆動力(車両駆動目標)を補正することが可能である。
ここで、車両駆動目標生成部13は、減速度、又は減速度に達するための制動力を、車両10の進行方向における道路幅員の変化率(道路幅員変化率と呼ぶ)が閾値を超える道路の道路幅員に基づいて算出し、又は補正することができる。道路幅員の変化に注目した道路幅員変化率は、例えば、次式(1)により算出される。
道路幅員変化率[%] = 幅員変化幅[m]/変化距離(進行方向距離)[m]×100…(1)
例えば、道路幅員の変化が開始してから、変化が終了するまでの道路の長さを変化距離(例えば、10m)としたとき、道路幅員の変化幅(例えば、4m)に基づいて、道路幅員変化率が40%と算出される。道路幅員が変化しなければ、幅員変化幅が0mであるため、道路幅員変化率も0%となる。一方、道路幅員変化率が40%程度であれば道路幅員が減少し、又は増加している。このため、車両駆動目標生成部13が、閾値と、道路幅員変化率とを比べることで、道路幅員の減少又は増加を判断できる。例えば、道路脇の駐車車両や障害物等により、道路幅員が減少していたとしても、道路幅員変化率は0%程度であるため、車両駆動目標生成部13が、道路幅員が減少していると誤って判断することが避けられる。
その後、車両駆動目標生成部13は、算出した加減速度又は制駆動力の情報、又は補正した加減速度又は制駆動力の情報を配分部15に出力する。配分部15は、右タイヤ7と左タイヤ8の駆動力又は駆動トルク、及び/又は、制動力又は制動トルクの配分(「配分結果」と総称する)を決定する。配分部15が決定した配分結果は、駆動指令部16が備える第1駆動指令部16a,第2駆動指令部16bに出力される。
駆動指令部16は、配分部15により配分され、入力した駆動力又は制動力の情報により、右タイヤ7と左タイヤ8の回転数を制御するための駆動指令を出力する。この駆動指令は、右タイヤ7と左タイヤ8を駆動し、又は制動するために用いられる。
第1駆動指令部16aは、システム制御部12から入力した制御指示、及び配分部15から入力した配分結果に基づいて摩擦制動制御装置3に対する駆動指令を出力する。この駆動指令は、補正された制動力で、ブレーキパッドが右タイヤ7と左タイヤ8を制動するために用いられる。この駆動指令により摩擦制動制御装置3が駆動して、右タイヤ7と左タイヤ8に対する制動力が発生する。このとき、ブレーキパッドが右タイヤ7と左タイヤ8の回転数を減少させることで車両10が目標とする減速度に達する。
第2駆動指令部16bは、システム制御部12から入力した制御指示、及び配分部15から入力した配分結果に基づいて動力機器制御装置4に対する駆動指令を出力する。この駆動指令は、補正された駆動力で動力機器5が右タイヤ7と左タイヤ8を駆動するために用いられる。この駆動指令により動力機器制御装置4が駆動して、右タイヤ7と左タイヤ8に対する駆動力が発生する。このとき、動力機器5が右タイヤ7と左タイヤ8の回転数を増加させることで車両10が目標とする加速度に達する。
このように車両駆動制御装置1は、車両10のシステムを総合的に制御することが可能である。特に、車両駆動目標生成部13は、目標駆動力として車両の加減速度を決定することができる。このため、車両駆動制御装置1は、運転者によるアクセルペダルとブレーキペダルの踏み込み状態に応じて、運転者の加減速意図を具現化することが可能となる。
上述したように車両駆動目標生成部13は、車両10の駆動力又は制動力を算出する。そして、車両駆動目標生成部13は、道路幅員補正分14を用いて、車両10が目標とする加速度又は減速度(目標加減速度)に達するように、車両10の駆動力又は制動力を目標とする値(目標制駆動力)に補正する。そして、第1駆動指令部16aは、補正された目標制動力に基づいて、摩擦制動制御装置3に車両10を制動するための駆動指令を出力する。第2駆動指令部16bは、補正された目標駆動力に基づいて、動力機器制御装置4に車両10を駆動するための駆動指令を出力する。この結果、右タイヤ7及び左タイヤ8の回転が駆動又は制動され、運転者に快適な前後加速度を提供することが可能となる。
(道路幅員を用いた加減速制御に必要な項目と概要)
次に、本実施の形態に係る加減速度及び制駆動力の制御の例について、図2~図5に示す走行シーンを参照して説明する。始めに、図2と図3を参照して減速時の制御の例を説明し、次に、図4と図5を参照して加速時の制御の例を説明する。
(減速時の制御)
図2は、道路幅員が減少する場合における、道路状況と減速度の変化の例を示す説明図である。図2のシーン(1)、(2)は、道路を走行する車両10を表し、図2のチャート(3)は、シーン(1)、(2)における目標制動力の変化の例を表す。
図2のシーン(1)は、道路幅員が緩やかに減少する道路の例を表し、図2のシーン(2)は、道路幅員が急に減少する道路の例を表す。図2のシーン(1)、(2)に示すように走行中の車両10(自車両)が、道路幅員が減少する地点を通過する際に減速状態であったとする。減速状態とは、例えば、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ状態、又はアクセルペダルから足を離してエンジンブレーキにより減速する状態である。
このとき、車両10の運転者は、道路幅員が減少し始めるより手前の位置から減速状態を開始する。ここで、目標制動力を補正する制御がなければ、図2のチャート(3)に一点鎖線30で示すように、目標制動力が一定である。このため、運転者は、減速度が変わらないまま道路幅員が狭い道路に車両10が走行することで圧迫感を感じやすい。
このため、図2のチャート(3)の太実線31で示すように目標制動力を強める制御が行われる。以下の説明及び図面において、「制御あり」と「制御なし」と表記しているのは、制御中と制御中以外を表しているのではなく、制御量の相違を表している。すなわち、「制御あり」と記載している箇所は、本実施の形態に係る制御が行われたことにより、制御量(目標制動力又は目標駆動力)が、「制御なし」と記載している箇所よりも増減したことを表す。
このとき、車両駆動目標生成部13は、道路状況に応じて減速度を減速制御補正分32だけ増加させるような目標制動力に補正される。車両10の減速度は、減速制御補正分32だけ増加するので、運転者は道路幅の減少に従い車両10が減速度を強めていると判断して安心感を増すことができる。このように運転者の安心感を増すための効果を狙って減速制御補正分32の値が設定される。なお、減速制御補正分32は、図1の道路幅員補正分14に含まれる値である。
また、制動力を増加させる場合に、道路幅員の減少が緩やかな変化であれば、一定の変化率33で制動力を変化させることで問題ない。しかし、道路幅員の減少が急激に変化するのであれば、減速度も急激に変わると、運転者に減速時のショックが加わって不快感が起きやすい。このため、急激な減速度の変化を防ぐ必要がある。
そこで、車両駆動目標生成部13は、駆動指令に基づいて摩擦制動制御装置3が制動される期間における、減速度、又は減速度に達するための制動力の変化を制限する。例えば、図2のチャート(3)に減速時変化率制限34で表すように、車両駆動目標生成部13は、目標制動力の変化率の制限を設ける。変化率の制限が設けられたことにより運転者への車両10の減速時における違和感を低減させながら、道路幅員の減少に追従させて目標制動力を増加させることができる。
さらに、実際に道路幅員が減少する手前から減速度の増加を始めることで、運転者の前方視覚に合わせて車両10を挙動させることができる。そこで、演算に用いる道路幅員の開始は幅員減少時前方距離35のように車両10の前方の道路幅員とする。このため、車両10が実際に道路幅員が減少する地点で目標制動力が増加するのでなく、道路幅員が減少し始める手前から目標制動力が増加するので、運転者に減速度が増加することによる安心感を与えることができる。
図3は、道路幅員が増加する場合における、道路状況と減速度の変化の例を示す説明図である。図3のシーン(1)、(2)は、車両10が車線変更せずに道路を走行する例を表し、図3のチャート(3)は、シーン(1)、(2)における目標制動力の変化の例を表す。同様に、図3のシーン(4)は、車両10が車線変更して前方車両20に接近する様子を表し、図3のチャート(5)は、シーン(4)における目標制動力の変化の例を表す。
図3のシーン(1)は、道路幅員が緩やかに拡大する道路の例を表し、図3のシーン(2)は、道路幅員が急に拡大する道路の例を表す。図3のシーン(1)、(2)に示すように走行中の車両10(自車両)が、道路幅員が拡大する地点を通過する際に減速状態であったとする。
このとき、車両10の運転者は、減速状態を維持するが、目標制動力を補正する制御がなければ、図3のチャート(3)に一点鎖線30で示すように、目標制動力が一定である。このため、道路幅員が拡大した地点で車両10は減速したままとなるので、運転者は、車両10が減速しすぎているように感じてしまう。
そこで、図3のチャート(3)の太実線31で示すように目標制動力を弱める制御が行われる。このとき、車両駆動目標生成部13は、道路状況に応じて減速度を減速制御補正分32だけ減少させるような目標制動力を算出する。減速制御補正分32は道路幅員の増減に対して別々に設定してもよいし、道路幅員に応じた値としてもよい。車両10の減速度は、減速制御補正分32だけ減少するので、運転者は道路幅員の増加に従い、車両10が減速度を弱めていると判断して安心感を増すことができる。このように車両10の速度の減少を抑えることを狙って減速制御補正分32の値が設定される。
また、図2に示した道路幅員の減少と同様に、目標制動力を減少させる場合に、道路幅員の拡大が緩やかな変化であれば、一定の変化率33で制動力を変化させることで問題ない。しかし、道路幅員の拡大が急激に変化するのであれば、減速度も急激に変わると、運転者が減速状態を維持しているにも関わらず、車両10が加速し過ぎるかのような違和感が起きやすい。このため、急激な減速度の変化を防ぐ必要がある。
そこで、図3のチャート(3)に減速時変化率制限34で表すように、目標制動力の変化率の制限を設ける。変化率の制限が設けられたことにより運転者への車両10の減速時における違和感を低減させながら、道路幅員の拡大に追従させて目標制動力を増加させることができる。
さらに、図2を参照して説明した道路幅員が減少する場合と同様に、実際に道路幅員が拡大する手前から減速度を弱め始めると、道路幅員が狭いにも関わらず、運転者は、車両10が加速しようとしている感覚になる可能性がある。そこで、道路幅員の増加時に演算に用いる道路幅員の開始は幅員増加時前方距離44に示すように、道路幅員の減少における図2のチャート(3)に示した幅員減少時前方距離35とは分けて設定する。例えば、幅員増加時前方距離44は、幅員減少時前方距離35より長い値とする。幅員増加時前方距離44を設けたことにより、道路幅員が拡大し始める手前から目標制動力が減少するので、運転者に減速度が減少すること、すなわち自然に車両10が加速するような安心感を与えることができる。
また、図3のシーン(4)は、道路幅員が拡大して、1車線の道路が2車線になったことにより、車両10が車線変更した場合について表している。なお、図3のシーン(4)では、図3のシーン(1)に示す道路幅員の緩やかな拡大、図3のシーン(2)に示す道路幅員の急な拡大をまとめて表現している。
車両10が車線変更した場合についても、図3のチャート(3)と同様の制御が行われる。すなわち、道路幅員が拡大したことで、目標制動力が減少される。しかし、車両10が車線変更した先には、前方車両20が走行中であるため、車両10の目標制動力が減少したままだと、車両10が前方車両20に接近し過ぎてしまう。車両10の危険回避のために減速度を増加させなければならないため、本実施の形態に係る制御から外れて他の制御機能の減速度を用いるように変化させる。
例えば、目標制動力の制御が行われていなければ、一点鎖線30で示される一定の目標制動力から、図3のチャート(5)の二点鎖線40に示す目標制動力に増加する。
一方、減速制御力が減少した状態であれば、運転者が意図したよりも早く車両10が前方車両20に接近するため、車両駆動目標生成部13は、減速度を減速制御補正分41だけ増加させるような目標制動力を算出する。減速制御補正分41は、図1の道路幅員補正分14に含まれる値である。このため、太実線31で示される減少した目標制動力が、太破線43で示される目標制動力に増加する。この制御により、車両10が前方車両20に接近し過ぎることが避けられる。
ただし、必要な減速度に移行する時間の間で急激な変化を行わないように危険回避の目標変化時間の範囲内で制御解除時変化率42のような変化率制限を設けておく。変化率制限が設けられたことにより、制御解除時変化率42に従って、目標制動力が増加し、車両10が減速する。このため、車両10が前方車両20に接近し過ぎないような適切な減速度を実現しつつ、運転者への減速時のショック等の軽減を図ることができる。
(加速時の制御)
図4は、道路幅員が減少する場合における、道路状況と加速度の変化の例を示す説明図である。図4のシーン(1)、(2)は、道路を走行する車両10を表し、図4のチャート(3)は、シーン(1)、(2)における目標駆動力の変化の例を表す。
図4のシーン(1)は、道路幅員が緩やかに減少する道路の例を表し、図4のシーン(2)は、道路幅員が急に減少する道路の例を表す。図4のシーン(1)、(2)に示すように走行中の車両10(自車両)が、道路幅員が減少する地点を通過する際に加速状態であったとする。加速状態とは、運転者が、アクセルペダルを踏み込んだことで車両が加速する状態である。
このとき、車両10の運転者は、道路幅員が減少し始めるより手前の位置からアクセルペダルを踏み込むことで加速状態を開始する。ここで、目標駆動力を補正する制御がなければ、図4のチャート(3)に一点鎖線50で示すように、目標駆動力が一定である。このため、運転者は、加速度が変わらないまま道路幅員が狭い道路に車両10が走行することで圧迫感を感じやすい。
このため、図4のチャート(3)の太実線51で示すように目標駆動力を弱める制御が行われる。このとき、車両駆動目標生成部13は、道路状況に応じて加速度を加速制御補正分52だけ減少させるように目標駆動力を補正する。補正された目標駆動力により車両10の加速度は、加速制御補正分52だけ減少するので、運転者は道路幅の減少に従い車両10が加速度を弱めていると判断して安心感を増すことができる。このように運転者の安心感を増すための効果を狙って加速制御補正分52の値が設定される。なお、加速制御補正分52は、図1の道路幅員補正分14に含まれる値である。
また、駆動力を増加させる場合に、道路幅員の減少が緩やかな変化であれば、一定の変化率53で駆動力を変化させることで問題ない。しかし、道路幅員の減少が急激に変化するのであれば、加速度も急激に変わると、運転者に減速時のショックが加わって不快感が起きやすい。このため、急激な加速度の変化を防ぐ必要がある。
そこで、車両駆動目標生成部13は、駆動指令に基づいて動力機器制御装置4が制御されている期間における、加速度、又は加速度に達するための駆動力の変化を制限する。例えば、図4のチャート(3)に加速時変化率制限54で表すように、目標駆動力の変化率の制限を設ける。変化率の制限により運転者への車両10の減速時における違和感を低減させながら、道路幅員の減少に追従させて目標駆動力を減少させることができる。
さらに、実際に道路幅員が減少する手前から加速度の減少を始めることで、運転者の前方視覚に合わせて車両10を挙動させることができる。そこで、演算に用いる道路幅員の開始は幅員減少時前方距離55のように車両10の前方の道路幅員とする。このため、車両10が実際に道路幅員が減少する地点で目標駆動力が減少するのでなく、道路幅員が減少し始める手前から目標駆動力が減少するので、運転者に加速度が減少することによる安心感を与えることができる。
図5は、道路幅員が増加する場合における、道路状況と加速度の変化の例を示す説明図である。図5のシーン(1)、(2)は、車両10が車線変更せずに道路を走行する例を表し、図5のチャート(3)は、シーン(1)、(2)における目標駆動力の変化の例を表す。同様に、図5のシーン(4)は、車両10が車線変更して前方車両20に接近する様子を表し、図5のチャート(5)は、シーン(4)における目標駆動力の変化の例を表す。
図5のシーン(1)は、道路幅員が緩やかに拡大する道路の例を表し、図5のシーン(2)は、道路幅員が急に拡大する道路の例を表す。図5のシーン(1)、(2)に示すように走行中の車両10(自車両)が、道路幅員が拡大する地点を通過する際に加速状態であったとする。
このとき、車両10の運転者は、加速状態を維持するが、目標駆動力を補正する制御がなければ、図5のチャート(3)に一点鎖線50で示すように、目標駆動力が一定である。このため、道路幅員が拡大した地点で車両10は加速したままとなるので、運転者は、車両10が減速しているように感じてしまう。
このため、図5のチャート(3)の太実線51で示すように目標駆動力を強める制御が行われる。このとき、車両駆動目標生成部13は、道路状況に応じて加速度を加速制御補正分52だけ増加させるような目標駆動力を算出する。加速制御補正分52は道路幅員の増減に対して別々に設定してもよいし、道路幅員に応じた値としてもよい。車両10の加速度は、加速制御補正分52だけ増加するので、運転者は道路幅員の増加に従い、車両10が加速度を強めていると判断し、違和感が発生する可能性がある。そこでなるべく低い増加分により違和感の発生しない加速度を狙って加速制御補正分52の値が設定される。
また、図4に示した道路幅員の減少と同様に、目標駆動力を増加させる場合に、道路幅員の拡大が緩やかな変化であれば、一定の変化率53で駆動力を変化させることで問題ない。しかし、道路幅員の拡大が急激に変化するのであれば、加速度も急激に変わると、運転者が、車両10が加速し過ぎるかのような違和感が起きやすい。この違和感を低減するため、急激な加速度の変化を防ぐ必要がある。
そこで、図5のチャート(3)に加速時変化率制限54で表すように、目標駆動力の変化率の制限を設ける。変化率の制限により運転者の意図しない加速度の増加を感じさせないように、車両10の加速時における違和感を低減させながら、道路幅員の拡大に追従させて目標駆動力を増加させることができる。
さらに、図4を参照して説明した道路幅員が減少する場合と同様に、実際に道路幅員が拡大する手前から加速度の減少を始めると、道路幅員が狭いにも関わらず、運転者は、車両10が意図しない加速をしようとしている感覚になる可能性がある。そこで、道路幅員の増加時に演算に用いる道路幅員の開始は幅員増加時前方距離64に示すように、図4のチャート(3)に示した道路幅員の減少における幅員減少時前方距離55とは分けて設定する。例えば、幅員増加時前方距離64は、幅員減少時前方距離55より長い値とする。幅員増加時前方距離64を設定したことにより、道路幅員が拡大し始める手前から目標駆動力が減少するので、運転者に加速度が減少することによる安心感を与えることができる。
また、図5のシーン(4)は、道路幅員が拡大して、1車線の道路が2車線になったことにより、車両10が車線変更した場合について表している。なお、図5のシーン(4)では、図5のシーン(1)に示す道路幅員の緩やかな拡大、図5のシーン(2)に示す道路幅員の急な拡大をまとめて表現している。
車両10が車線変更した場合についても、図5のチャート(3)と同様の制御が行われる。すなわち、道路幅員が拡大したことで、目標駆動力が増加される。しかし、車両10が車線変更した先には、前方車両20が走行中であるため、車両10の目標駆動力が増加したままだと、車両10が前方車両20に接近し過ぎてしまう。車両10の危険回避のために加速度を減少させなければならないため、本実施の形態に係る制御から外れて他の制御機能の加速度を用いるように変化させる。
例えば、目標駆動力の制御が行われていなければ、一点鎖線50で示される一定の目標駆動力から、図5のチャート(5)の二点鎖線60に示す目標駆動力に減少する。
一方、目標駆動力が増加した状態であれば、運転者が意図したよりも早く車両10が前方車両20に接近するため、車両駆動目標生成部13は、車両10の加速度を加速制御補正分61だけ減少させるような目標駆動力を算出する。加速制御補正分61は、図1の道路幅員補正分14に含まれる値である。このため、太実線51で示される増加した目標駆動力が、太破線63で示される減少した目標駆動力に補正される。従って、車両10の加速度が減少し、車両10が前方車両20に接近し過ぎることが避けられる。
ただし、必要な加速度に移行する時間の間で急激な変化を行わないように危険回避の目標変化時間の範囲内で制御解除時変化率62のような変化率制限を設けておく。変化率制限が設けられたことにより、制御解除時変化率62に従って、目標駆動力が減少し、車両10が減速する。このため、車両10が前方車両20に接近し過ぎないような適切な加速度を実現しつつ、運転者への減速時のショック等の軽減を図ることができる。
(道路幅員の減速度補正値)
ここで、減速度の補正値を算出する例について、図6~図9を参照して説明する。
図2と図3に示した、道路幅員の減少に伴う、目標制動力の増加、すなわち車両10の減速度の設定は、図6に示す特性線図を用いることで実現可能である。
図6は、道路幅員に対する減速度の補正量の関係を示す特性線図である。この特性線図において横軸を道路幅員とし、縦軸を減速度の補正量とする。
車両駆動目標生成部13は、減速して走行する車両10の減速度、又は減速度に達するための制動力を、車両10の進行方向における道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、車両10が目標とする減速度に達するように補正する。そこで、車両駆動目標生成部13は、車両10の減速度、又は減速度に達するための制動力を、道路幅員の変化率が閾値を超える道路の道路幅員に基づいて算出し、又は補正する。この制動力を算出する処理は、図6に示す道路幅員に対する補正量の関係を示す特性線図に基づいて行われる。なお、車両駆動目標生成部13は、道路幅員に所定の係数を掛けて、車両10の減速度、又は減速度に達するための制動力を算出し、又は補正してもよい。
図6に示す直線71により、道路幅員が広くなるほど補正量が多くなって減速度が大きくなり、道路幅員が狭くなるほど補正量が少なくなって減速度が小さくなることが示される。このため、例えば、車両10が走行中の道路が2車線であれば、減速度の補正量を0とし、道路が1車線であれば、減速度の補正量を大きくし、道路が3車線であれば、減速度の補正量を小さくするといった補正が可能となる。
(路肩幅員の減速度補正値)
また、路肩幅員の広狭に応じて減速度の補正量を変化させてもよい。図6では、路肩幅員が狭い場合から広い場合における、それぞれの減速度の補正量を示す直線70,71,72で表す。例えば、減速度の補正量は、直線71を基準として、路肩幅員が狭い場合に、所定の係数として0.8を、直線71の補正量に掛けて得られる直線70、路肩幅員が広い場合に、所定の係数として1.2を、直線71の補正量に掛けて得られる直線72として求められる。このため、車両駆動目標生成部13は、減速度、又は減速度に達するための制動力を、道路情報に含まれる路肩幅員により補正することが可能である。このように路肩幅員に応じた補正量を減速度に加えることで、減速度を算出するためのより細かい制御が可能となる。
図6では、道路幅員と補正量の関係を直線で表しているが、曲線で表してもよい。また、道路幅員が増加する時に生じる減速感の減少が、運転者に加速を想定させてしまわないように補正量を変化させることが効果的である。
(道路側壁の高さの減速度補正値)
ところで、図6にて説明したように道路幅員を用いて減速度を補正するためには、運転者の視点を明確にイメージする必要がある。
図7は、運転者から見た車両10の前方の道路状況の例を示すイメージ図である。図7では、片側2車線の道路を運転者が見た場合における道路状況について説明する。
図7に示す道路幅員80は、2車線の道路の幅員を表す。また、路肩幅員81は、道路の左右に設けられた路肩の幅員を表す。また、壁高さ82は、各路肩の端から直立する道路側壁の高さを表す。ここで、路肩幅員81だけでなく、壁高さ82に対しても運転者の視覚による変化が発生することで、車両10の加速感又は減速感に影響が及ぶと考えられる。
そこで、車両駆動目標生成部13は、減速度、又は減速度に達するための制動力を、道路情報に含まれる道路側壁の高さにより補正する。壁高さ82を考慮して、減速度の補正を行うことで運転者意図をさらに細かく設定可能となる。この設定については、次式(2)にて求めた壁高さ補正値を、減速度の補正量に加えることができる。式(2)の第1補正係数は、壁高さ82が大きいほど、減速度を大きくするために用いられる。
壁高さ補正値=壁高さ×第1補正係数…(2)
(制限速度と実速度による減速度補正値)
上述したように路肩幅員81や壁高さ82等の指標を考慮して減速度を補正することで運転者意図を考慮した加減速が可能となる。さらに運転者の運転性の指標となる車速についても補正を行うことで、運転者に対してさらに安心感を向上させる加減速を行うことができる。
図8は、車両10が走行する道路毎に設定される制限速度と、この道路を走行中の車両10の車速(実車速)に対する減速度の補正係数の例を示す説明図である。
車両駆動目標生成部13は、減速度、又は減速度に達するための制動力を、道路毎に規定された制限速度と、車両10の実車速により補正することが可能である。例えば、制限速度と車両10の実車速とが等しい場合、制限速度-実車速=0である。このため、補正係数は、1より小さい値となり、減速度が低下する補正が行われる。ここで、制限速度よりも車速が小さい場合、範囲91に示すように、補正係数は、1より小さい値であるため、減速度を弱く低下させることで、運転者の必要以上の減速感を低減することが可能である。一方、車速が制限速度よりも上回っている場合、範囲92に示すように、強めの減速にすることで運転者の安心感を増加させることが可能である。
(道路幅員の減速度算出に用いる変化量の値)
図2と図3のシーン(1)、(2)に示した、道路幅員変化率に基づく減速度変化率の設定は、図9に示す特性線図を用いることで実現可能である。
図9は、道路幅員変化率に対する減速度の補正量変化時定数の関係を示す特性線図である。この特性線図において横軸を道路幅員変化率とし、縦軸を減速度の補正量変化時定数とする。ここで、道路幅員変化率は、既に説明した式(1)によって算出される。
図9に示す直線により、図2と図3のシーン(2)に示した、道路幅員変化率が急であるほど、補正量変化時定数が小さくなり、図2と図3のシーン(1)に示した、道路幅員変化率が緩くなるほど、補正量変化時定数が大きくなることが示される。
図9では、道路幅員変化率と補正量変化時定数との関係を直線で表しているが、曲線で表してもよい。
また、道路幅員が増加する時に生じる減速変化率の減少が、運転者に加速を想定させてしまわないように補正量変化時定数を大きくさせることが効果的である。
(道路幅員の加速度補正値)
次に、加速度の補正値を算出する例について、図10と図11を参照して説明する。
図4と図5に示したように車両駆動目標生成部13は、加速して走行する車両10の加速度、又は加速度に達するための駆動力を、車両10の進行方向における道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、車両10が目標とする加速度に達するように補正する。そこで、車両駆動目標生成部13は、車両10の加速度、又は加速度に達するための駆動力を、道路幅員変化率が閾値を超える道路の道路幅員に基づいて算出し、又は補正することができる。ここで、道路幅員又は路肩幅員の広狭に伴う加速度の設定は、図10に示す基準となる特性線図に対して、道路幅員又は路肩幅員により特性変更を行うことで実現可能である。
図10は、アクセル開度に対する目標駆動力の関係を示す特性線図である。この特性線図において横軸をアクセル開度とし、縦軸を目標駆動力とする。この特性線図により、車両10の運転者が行うアクセル操作に対する駆動力との関係が、道路幅員毎に規定される曲線によって表される。
例えば、次式(3)に示すように目標駆動力を数式として設定することも可能である。
目標駆動力=特性図の制御なし線×(道路幅員×係数)…(3)
図10に実線で示す曲線100は、本実施の形態に係る制御を行わない場合におけるアクセル開度に対する目標駆動力の関係を表す。
一方、破線で示す曲線101は、道路幅員が広いときに本実施の形態に係る制御を行った場合におけるアクセル開度に対する目標駆動力の関係を表す。
また、一点鎖線で示す曲線102は、道路幅員が狭いときに本実施の形態に係る制御を行った場合におけるアクセル開度に対する目標駆動力の関係を表し、曲線103は、路肩幅員に応じて本実施の形態に係る制御を行った場合におけるアクセル開度に対する目標駆動力の関係を表す。ここで、曲線102で想定される道路幅員よりも、曲線103で想定される路肩幅員の方が狭いものとする。
曲線101,102で示した道路幅員に応じて特性を直接変更することで、アクセル開度に対する目標駆動力の関係を変更することができる。このため、車両駆動目標生成部13は、この特性線図に従って、車両10が加速度、又は加速度に達するための駆動力を算出し、又は補正することが可能である。このとき、車両駆動目標生成部13は、道路幅員が増加する時に生じる加速感が、運転者に意図しない加速を想定させてしまわないように目標駆動力を設定するとよい。
(路肩幅員の加速度補正値)
また、運転者が加速する時、路肩幅員が狭い場合は、横からの人、物などの飛び出しなどの懸念が大きくなる。このため、運転者としてはアクセルペダルを踏み込み難い状況にあり、車両10についてもなるべく加速しないようにしたいという要望がある。
そこで、車両駆動目標生成部13は、加速度、又は加速度に達するための駆動力を、道路情報に含まれる路肩幅員により補正する。例えば、車両駆動目標生成部13は、図10の一点鎖線103で示す路肩幅員から求められる特性線に基づいて、目標駆動力が小さくなるように補正を行う。
なお、路肩幅員が広い場合においても、やはり運転者が意図しない加速感を感じないように、車両駆動目標生成部13が目標駆動力を補正するとよい。
(道路側壁の高さの加速度補正値)
また、図10に示したように道路幅員を考慮して目標駆動力を設定し、又は補正する際には、運転者の視点を明確にイメージする必要がある。
そこで、減速時における目標制動力を設定する際に用いた図7を参照する。加速時における目標駆動力についても、車両10が走行する道路の左右の路肩幅員81だけでなく、壁高さ82に対しても運転者の視覚による変化が発生することで、車両10の加速感に影響が及ぶと考えられる。
そこで、車両駆動目標生成部13は、加速度、又は加速度に達するための駆動力を、道路情報に含まれる道路側壁の高さにより補正する。例えば、車両駆動目標生成部13は、壁高さ82を考慮して、加速度の補正を行うことで運転者意図をさらに細かく設定可能である。この設定について、次式(4)で求めた壁高さ補正値を、加速度の補正量に加えることができる。式(4)の第2補正係数は、壁高さ82が大きいほど、加速度を小さくするために用いられる。
壁高さ補正値=壁高さ×第2補正係数…(4)
(制限速度と実速度による加速度補正値)
上述したように路肩幅員81や壁高さ82などの指標を考慮して加速度を補正することで運転者意図を考慮した加減速が可能となる。さらに運転者の運転性の指標となる車速についても補正を行うことで、運転者に対してさらに安心感を向上させる加減速を行うことができる。
図11は、車両10が走行する道路毎に設定される制限速度と、この道路を走行中の車両10の車速(実車速)に対する加速度の補正係数の例を示す説明図である。
車両駆動目標生成部13は、加速度、又は加速度に達するための駆動力を、道路毎に規定された制限速度と、車両10の実車速により補正することが可能である。例えば、制限速度と車両10の実車速とが等しい場合、制限速度-実車速=0である。このため、補正係数は、1より大きい値となり、加速度を強める補正が行われる。ここで、制限速度よりも車速が小さい場合、範囲111に示すように、補正係数は、1より大きい値であるため、加速度を強める補正が行われる。このため、運転者の必要以上の減速感を低減することが可能である。
一方、車速が制限速度よりも上回っている場合、範囲112に示すように、補正係数が1以下の値になる。このとき、加速度を弱める補正が行われることで車両10が加速し過ぎないので、運転者の安心感を増加させることが可能である。
(道路幅員の加速度算出に用いる変化量の値)
なお、減速度の補正量変化時定数を設定する処理は、上述した図9に示す特性線図を用いて行われることを説明した。ここで、減速時と同様に、加速時の補正量変化時定数についても、図9に示す特性線図を用いて、道路幅員に合わせて変化させてもよい。例えば、加速時において、図4と図5のシーン(2)に示したように、道路幅員変化率が急であるほど、補正量変化時定数が小さくなる。一方、図4と図5のシーン(1)に示したように、道路幅員変化率が緩くなるほど、補正量変化時定数が大きくなる。
ただし、道路幅員の急激な増加に対して急激に加速する補正を行うと、運転者が意図しない加速となる可能性がある。このため、加速度の補正量変化時定数を大きくすることで、車両10が緩やかに加速するように補正してもよい。
また、道路幅員が減少する場合の加速においても加速感が急減するよりは緩やかに加速が減少した方がよいと感じる場合もある。このため、道路幅員の増加又は減少で加速度の補正における特性を分けなくても問題はない。
(道路幅員に応じた制駆動力の制御開始又は終了の条件)
ここで、本実施の形態に係る制駆動力の制御開始又は終了の条件について説明する。
図12は、車両駆動目標生成部13が制駆動力の制御の適用可否を判断する処理の例を示すフローチャートである。
始めに、車両駆動目標生成部13は、入力処理部11から入力した道路幅員に応じて、設定する設定値又は補正値を演算する(S1)。次に、車両駆動目標生成部13は、後述する図13に示す方法により目標加減速度の変化率の制限、又はフィルタ処理を行う(S2)。目標加減速度の変化率の制限は、後述する図13に示すように制駆動力の制御開始又は終了時に、目標加減速度が急激に変化しないようにするために行われる処理である。フィルタ処理は、例えば、図2に示した目標制動力が急な立ち上がりとならないように、減速時変化率制限34を適用する処理である。
そして、車両駆動目標生成部13は、演算された値を使用するかどうかを判定条件により適用許可判断を行い、目標加減速度又は目標制駆動力などを指標として求める。車両駆動目標生成部13は、判定条件を、例えば、道路幅員が不明確などを含むパラメータの異常時、車両10に対する前後又は左右から他の車両が接近する場合などで安全支援機能が動作している時、車載機器の異常時などの有無に基づいて判断する。
また、車両駆動目標生成部13は、駆動指令に基づいて動力機器5又はブレーキパッドに行われる制御の開始条件を、道路幅員の検知状態、駆動系の故障、その他の運転支援制御の有無に基づいて判断する。例えば、駆動系が故障していれば、直ちに車両10を停止する制御が行われる。また、その他の運転支援制御が行われていれば、優先度に応じて本実施の形態に係る制駆動力の制御を行うか否かが判断される。このように、本実施の形態に係る制駆動力の制御は、様々な状況変化と協調して運転者の安心感や運転性向上に貢献することができる。
次に、車両駆動目標生成部13は、本実施の形態に係る制駆動力の制御を適用許可とするか否かを判断する(S3)。適用許可であれば(S3のYES)、車両駆動目標生成部13は、制駆動力の制御を適用する(S4)。適用不可であれば(S3のNO)、車両駆動目標生成部13は、制駆動力の制御を適用しない(S4)。ステップS4,S5の後、再び、ステップS1に戻り、車両駆動目標生成部13は、本処理を繰り返し実行する。
(道路幅員の開始又は終了に用いる変化量の値)
次に、本実施の形態に係る制御の開始又は終了時に、実車速を目標加減速度に変化させる際の変化率の制限を行うタイミングについて説明する。
図13は、目標加減速度に対する変化率の制限を行うタイミングの例を示すチャートである。
図13のチャート(1)には、本実施の形態に係る制駆動力の制御開始又は解除判定のタイミングの例が示される。初めは、制駆動力の制御が行われていない状態である。制駆動力の制御が開始されると、車両駆動目標生成部13は、制御ONに変化した時点(図中の矢印120)から「制御中」と判定する。その後、制駆動力の制御が解除されると、制御OFFに変化した時点(図中の矢印121)から「制御解除」と判定される。ここで、チャート(1)には、制御OFFに変化した後、現在時間122、切替目標時間123が定義される。切替目標時間123は、チャート(2)に示す目標到達時間127により規定される時間である。そして、切替目標時間123から現在時間122を減じた期間124が図中に示される。
図13のチャート(2)には、チャート(1)で示される制駆動力の制御に伴って変化する目標加減速度の例が示される。初めは制御なしの状態であり、車両10が一定の目標加減速度で走行している。車両駆動目標生成部13により制駆動力の制御が開始されると、制御ONに変化した時点(図中の矢印120)から緩やかに加減速度が変化する。その後、制御あり制駆動力の状態となるため、目標加減速度が低下する。制駆動力の制御中は、目標加減速度は低下したままとなる。制駆動力の制御が解除されると、制御OFFに変化した時点(図中の矢印121)から目標加減速度が上昇する。低下していた目標加減速度が、元に戻るまでには、目標到達時間127が必要である。
本実施の形態に係る制駆動力への制御の有無で加減速度が相違する場合、急激な加減速度の変化がもたらされないように、加減速度の変化を制限することが必要である。ただし、制駆動力の制御開始時は、一定の時間内に完了する制約はないため、運転者の違和感にならないように設定を行ってよい。チャート(2)には、制駆動力の制御開始時における開始時変化率制限125が示される。
以下に、制駆動力の制御解除時における目標加減速度の変化率について説明する。
例えば、制御解除時における目標加減速度の変化率は、制御なし制駆動力、制御あり制駆動力、切替目標時間を変数として、次式(5)を用いて算出できる。
目標加減速度の変化率=(制御なし制駆動力-制御あり制駆動力)×比率+制御なし制駆動力 …(5)
また、式(5)の比率とは、制御ONのときに100%、制御OFFのときに0%としたときに、例えば次式(6)を用いて算出される値である。上述したように図13のチャート(1)にて、式中の現在時間は矢印122で表され、切替目標時間は矢印123で表され、切替目標時間-現在時間は矢印124で表される。
比率=(切替目標時間-現在時間)/切替目標時間 …(6)
チャート(1)に示すように、制御OFFに変化した時点(図中の矢印121)から、切替目標時間(図中の矢印123)までを100%として、制御あり制駆動力と、制御なし制駆動力とを、制御切替(制御OFFの変化を示す矢印121)からの現在時間比率に応じて切替える。このため、制御OFFに変化した時点から緩やかに制駆動力の制御を弱めていき、現在時間122が切替目標時間123に達した時点で、制駆動力の制御なしとすることができる。制駆動力の制御を解除したときの解除時変化率は、解除時変化率制限126により制限される。このため、制駆動力の制御ありの状態から制駆動力の制御なしの状態に至るまでの目標加減速度の急な変化を抑えることができる。
なお、本実施の形態に係る制駆動力への制御により加減速度の変化が制限されている途中でも、例えば、車両10が前方車両20に接近し過ぎた場合等であれば、車両10の加速を停止し、又は減速する高優先度の制御に移行する。この場合には、一定の時間内に加減速度の変化の制限が解除されるため、直ちに加減速度が変化する。
(前方幅員を規定)
また、車両10が走行する道路の道路幅員は、車両10の走行方向である、車両10の前方から求めるべきである。そして、道路幅員を求める際に考慮すべき走行距離は、運転者が視覚的に認識できる範囲内の距離でかつ、運転者が車両10を通常操作して加減速度を合わせるのに必要な時間以上で車両10が移動する距離であることが望ましい。ここで、運転者の認識範囲はかなり広いため、極端な前方では、道路幅員が変わらないにも関わらず、車両10の加減速度が変化すると、運転者にとって違和感が大きくなる。
逆に、運転者が操作に必要な時間は、例えば減速停止時の空走距離などに基づき明白である。このため、車両駆動目標生成部13は、本実施の形態に係る制御において参照する道路幅員、路肩幅員、路肩高さは、少なくとも車両10の空走距離以上前方の道路に関する道路情報から求める。例えば、車両駆動目標生成部13は、車両10の車速に応じて、空走距離[m]=(車速[km/h]×1000/3600×0.75[s])以上前方の道路に関する道路情報から必要な値(例えば、道路幅員)を取ることが望ましい。そして、路肩幅員、側壁の高さについても、車両10の空走距離以上前方の道路の道路幅員を使用して求めるよい。
上述したように運転者の速度感に大きく影響するものには道路幅員と、道路幅員の変化とがある。また、路肩幅員も運転者の感覚に影響を及ぼす。このため、加減速の設定に際して制駆動力が補正されることで、運転者に快適な加減速度が提供される。さらに、道路側壁の高さ、制限速度と実際の走行速度、パラメータを基にした加減速度の変化率も考慮することで自動的に加減速が調整されることにより運転者の運転性が向上する。
なお、車両駆動目標生成部13は、本実施の形態に係る制御の開始時及び終了時に、本実施の形態に係る制御以外の他の制御により加速度又は減速度、制駆動力が変化する場合には、他の制御による加速度又は減速度の変化率、制駆動力の変化率を制限する。変化率が制限されることにより、本実施の形態に係る制御が有効に働き、運転者に対して、車両10の運転性に違和感を生じさせなくなる。
[第2の実施の形態]
(道路幅員の減速度算出に用いる変化量の値(電動車両と従来車両の相違))
次に、本発明の第2の実施の形態に係る車両について説明する。ここでは、駆動源として内燃機関を有する車両(「従来車両」とも呼ぶ)のシステム構成例について説明する。
図14は、内燃機関を有する車両200のシステム構成例を示す機能ブロック図である。
車両200が備える外界認識装置201は、カメラなどの撮像装置であり、車両200の周囲を撮像可能である。また、車両200が備える位置情報取得装置202は、GPS(Global Positioning System)やナビゲーションシステムなどであり、車両200の現在位置を示す位置情報を取得する。外界認識装置201及び位置情報取得装置202は、通信線で接続された道路情報出力装置203に対して、映像データを出力し、車両200の位置情報、車両200が走行する道路の道路情報などを出力することが可能である。
車両200が備える道路情報出力装置203、車両駆動制御装置204、変速機制御装置205、制動制御装置206、及び原動機制御装置207は、通信線で接続されており、各装置は、各々の情報を通信線を通じて情報により共有することができる。
車両駆動制御装置204の内部構成及び機能は、図1に示した車両駆動制御装置1と同様である。すなわち、車両駆動制御装置204は、車両200の減速時において、車両200の前方の道路幅員が狭まる場合には、急制動とならないように目標制動力を増加し、道路幅員が広がる場合には、加速感が得られるように目標制動力を減少する。一方、車両駆動制御装置204は、車両200の加速時において、車両200の前方の道路幅員が狭まる場合には、急制動とならないように目標駆動力を減少し、道路幅員が広がる場合には、加速感が得られるように目標駆動力を増加する。本実施の形態における目標制動力及び目標駆動力の減少又は増加は、道路幅員だけでなく、路肩幅員、道路側壁の高さによっても変化する。また、車両駆動制御装置204は、制限速度と実車速の差に応じて、車両200の車速に対する加減速度の補正係数を変え、道路幅員変化率に応じて補正両辺か時定数も変える。また、車両駆動制御装置204は、アクセル開度と道路幅員の広狭に応じて目標制動力を変えることもできる。
車両200が備える原動機208は車両200を走行させるための駆動源であり、減速力が出せるものであれば内燃機関であっても、その他の動力源であってもよい。この原動機208の原動機出力軸209には、一般的にクラッチやトルクコンバーターといった発進装置210が接続される。そして、発進装置210を介して、原動機出力軸209が、変速機212の変速機入力軸211に接続される。変速機212に接続されている変速機出力軸213は、差動装置214に接続される。差動装置214は、右ドライブシャフト215aと左ドライブシャフト216aに動力分割し、右タイヤ215と左タイヤ216を駆動して車両を走行させる。
図14に示した車両200と、図1に示した車両10との違いは、車両200の制駆動力を発生する装置として、内燃機関などの駆動源を有する原動機を搭載したことである。このため、車両200は、発進装置210や変速機212などの機構が必要である。
また、図1に示した車両10は電動車両であるため、車両10を減速する際、動力機器5の電動機のトルクを減速側にすることで減速度が発生する。一方、内燃機関を用いた車両200を減速する際には、燃料カットなどを行い、ポンピングロスなどのフリクションによって発生するマイナストルクを変速機で増幅するか、又は摩擦ブレーキを用いることになる。しかし、車両200が備えるこれらの機構は、加速から減速に変わる際などに応答性が悪く、目標とする減速度に対する実際の減速度のばらつきが発生しやすい。そこで、車両200のように、駆動源として内燃機関を用いる場合、車両駆動目標生成部13は、減速度変化率を大きく補正することで、応答性を上げることが可能となる。
(前方の道路幅員の規定(電動車両と従来車両の相違))
また、車両200の応答性の悪さに対応するためには、以下の手法も用いてもよい。例えば、図2のチャート(3)に示した幅員減少時前方距離35を、図4のチャート(3)に示した幅員減少時前方距離55に切替える。同様に、図3のチャート(3)に示した幅員増加時前方距離44を、図5のチャート(3)に示した幅員増加時前方距離64に切替える。このように車両200の場合は、加減速度の判断に使用する道路幅員の変化が影響する前方距離を多く取ることで、車両200が備える各機構の変化開始を早め、加減速の応答性を改善することができる。このため、電動車両と比べて加減速の応答性が悪い内燃機関を用いる車両200であっても、電動車両である車両10に相当する加減速感を実現可能となる。
(道路幅員の加速度算出に用いる変化量の値(電動車両と従来車両の相違))
図1と図14のシステム相違について前述したように、内燃機関の減速から加速などの応答性は悪いため、実現される加速度にばらつきが発生しやすい。そこで、駆動源が内燃機関である場合、車両駆動目標生成部13は、加速度変化率を大きく補正することで、内燃機関の応答性を上げ、加速度を制御することが可能となる。
[変形例]
なお、車両の動力源は、電動機又は内燃機関の少なくとも一つを含んでいればよい。図1には電動車両である車両10、図14には従来車両である車両200のシステム制御の例について説明したが、電動機と内燃機関の両方を備えるハイブリッド自動車に本実施の形態に係るシステム制御を適用してもよい。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…車両駆動制御装置、2…道路情報出力装置、3…摩擦制動制御装置、4…動力機器制御装置、5…動力機器、6…差動装置、7…右タイヤ、8…左タイヤ、10…車両、11…入力処理部、12…システム制御部、13…車両駆動目標生成部、14…道路幅員補正分、15…配分部、16…駆動指令部、16a…第1駆動指令部、16b…第2駆動指令部

Claims (15)

  1. 道路を加速又は減速して走行する車両の進行方向における前記道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、前記車両が目標とする加速度又は減速度に達するように駆動力又は制動力を補正して、補正した前記駆動力又は前記制動力の情報を出力する目標生成部と、
    補正された前記駆動力又は前記制動力の情報により、前記車両を走行させる駆動部の回転数を制御するための駆動指令を出力する駆動指令部と、を備える
    車両駆動制御装置。
  2. 前記駆動指令部は、
    補正された前記制動力で制動装置が前記駆動部を制動するための前記駆動指令を、前記制動装置を制御する制動制御装置に出力する第1駆動指令部と、
    補正された前記駆動力で動力装置が前記駆動部を駆動するための前記駆動指令を、前記動力装置を制御する動力制御装置に出力する第2駆動指令部と、を含み、
    前記制動装置が前記駆動部の回転数を減少させることで前記車両が目標とする前記減速度に達し、又は前記動力装置が前記駆動部の回転数を増加させることで前記車両が目標とする前記加速度に達する
    請求項1に記載の車両駆動制御装置。
  3. 前記目標生成部は、前記減速度、又は前記減速度に達するための前記制動力を、前記道路幅員の変化率が閾値を超える前記道路の前記道路幅員に基づいて算出し、又は補正する
    請求項2に記載の車両駆動制御装置。
  4. 前記目標生成部は、前記減速度、又は前記減速度に達するための前記制動力を、前記路肩幅員、又は前記道路の道路側壁の高さにより補正する
    請求項3に記載の車両駆動制御装置。
  5. 前記目標生成部は、前記減速度、又は前記減速度に達するための前記制動力を、前記道路毎に規定された制限速度と、前記車両の実車速により補正する
    請求項2に記載の車両駆動制御装置。
  6. 前記目標生成部は、前記駆動指令に基づいて前記制動制御装置が制御されている期間における、前記減速度、又は前記減速度に達するための前記制動力の変化を制限する
    請求項2に記載の車両駆動制御装置。
  7. 前記目標生成部は、前記加速度、又は前記加速度に達するための前記駆動力を、前記道路幅員の変化率が閾値を超える前記道路の前記道路幅員に基づいて算出し、又は補正する
    請求項2に記載の車両駆動制御装置。
  8. 前記目標生成部は、前記車両の運転者によるアクセル操作に対する前記駆動力との関係を表し、前記道路幅員毎に規定される特性線図に従って、前記加速度、又は前記加速度に達するための前記駆動力を算出し、又は補正する
    請求項7に記載の車両駆動制御装置。
  9. 前記目標生成部は、前記加速度、又は前記加速度に達するための前記駆動力を、前記路肩幅員、又は前記道路の道路側壁の高さにより補正する
    請求項7に記載の車両駆動制御装置。
  10. 前記目標生成部は、前記加速度、又は前記加速度に達するための前記駆動力を、前記道路毎に規定された制限速度と、前記車両の実車速により補正する
    請求項2に記載の車両駆動制御装置。
  11. 前記目標生成部は、前記駆動指令に基づいて前記動力制御装置が制御されている期間における、前記加速度、又は前記加速度に達するための前記駆動力の変化を制限する
    請求項2に記載の車両駆動制御装置。
  12. 前記目標生成部は、前記車両の空走距離以上前方の前記道路幅員に基づいて、前記制動力又は前記駆動力を算出し、又は補正する
    請求項3又は7に記載の車両駆動制御装置。
  13. 前記車両の動力源は、電動機又は内燃機関の少なくとも一つを含む
    請求項1~11のいずれか一項に記載の車両駆動制御装置。
  14. 道路を加速又は減速して走行する車両の進行方向における前記道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、前記車両が目標とする加速度又は減速度に達するように補正して、補正した駆動力又は制動力の情報を出力するステップと、
    補正された前記駆動力又は前記制動力の情報により、前記車両を走行させる駆動部の回転数を制御するための駆動指令を出力するステップと、を含む
    車両の駆動制御方法。
  15. 道路を加速又は減速して走行する車両の進行方向における前記道路の道路幅員又は路肩幅員に基づいて、前記車両が目標とする加速度又は減速度に達するように補正して、補正した駆動力又は制動力の情報を出力する手順と、
    補正された前記駆動力又は前記制動力の情報により、前記車両を走行させる駆動部の回転数を制御するための駆動指令を出力する手順と、を
    コンピューターに実行させるためのプログラム。
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