JP2022026118A - 積層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品を真空包装するのに好適な樹脂フィルムであって、食品を真空包装して得られた包装体の高圧殺菌を可能とし、高圧殺菌後の包装体を長期保管中に、食品の変色を抑制できる樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムを用いた包装体の提供。【解決手段】積層フィルム1であって、積層フィルム1に対して、ASTM F392に準拠して、温度23℃、屈曲回数500回の条件でゲルボフレックス試験を行ったとき、前記ゲルボフレックス試験後の積層フィルム1において認められるピンホールの数が100個以下であり、JIS K 7126-2:2006に準拠して測定した、温度23℃、相対湿度50%の条件下での、積層フィルム1の酸素透過量が、1.0ml/(m2・24h・atm)以下である、積層フィルム1。積層フィルム1を備えた、包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、積層フィルム及び包装体に関する。
ハム、ウインナー、ベーコン等の食肉加工品をはじめとする各種の食品には、真空包装されて、流通するものがある。
真空包装では、例えば、樹脂フィルムで構成された底材と蓋材を用い、蓋材と底材の間で被包装物(食品)を挟み、収納部となる部位を真空引きした後、蓋材と底材を加熱シールすることにより、被包装物を包装する。底材としては、被包装物の収納部を構成するための凹部が形成されたものを用いることもある。その場合には、底材中の凹部内に被包装物を配置し、蓋材と底材の間で被包装物を挟み、前記凹部において、蓋材と底材によって形成された収納部の内部を真空引きした後、蓋材と底材の周縁部を枠状に加熱シールすることにより、被包装物を包装する。そして、このような用途の包装体を構成するのに適した樹脂フィルムが、開示されている(特許文献1参照)。
特開2016-222259号公報
食品を真空包装して製造された包装体は、包装した食品の品質を長期間維持するために、その出荷前に高圧殺菌されることがある。包装体の高圧殺菌は、包装体を高圧の水中で特定時間保持することによって行われる。
しかし、従来の樹脂フィルムを用いて製造された包装体を高圧殺菌すると、その長期保管中に、食品が変色してしまうものがあった。食品の変色がたとえ僅かで、食用目的での品質に影響が無くても、外観の変化は、食品の商品価値を下げてしまう。
本発明は、食品を真空包装するのに好適な樹脂フィルムであって、食品を真空包装して得られた包装体の高圧殺菌を可能とし、高圧殺菌後の包装体を長期保管中に、食品の変色を抑制できる樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムを用いた包装体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1].積層フィルムであって、前記積層フィルムに対して、ASTM F392に準拠して、温度23℃、屈曲回数500回の条件でゲルボフレックス試験を行ったとき、前記ゲルボフレックス試験後の前記積層フィルムにおいて認められるピンホールの数が100個以下であり、JIS K 7126-2:2006に準拠して測定した、温度23℃、相対湿度50%の条件下での、前記積層フィルムの酸素透過量が、1.0ml/(m・24h・atm)以下である、積層フィルム。
[2].直鎖状低密度ポリエチレンを含むシーラント層を備えた樹脂フィルムからなる試験用蓋材と、被包装物の収納部を構成するための凹部が形成され、前記積層フィルムからなる試験用底材と、を用いて、前記凹部内に前記被包装物を配置し、前記試験用蓋材と前記試験用底材の間で前記被包装物を挟み、前記凹部において、前記試験用蓋材及び試験用底材によって形成された前記収納部の内部を、温度140℃、真空引き時間2秒の条件で真空引きし、次いで、前記試験用蓋材及び試験用底材の周縁部を、シール温度140℃、シール時間2秒の条件で枠状にシールして、枠シール部を形成することにより、前記枠シール部を備え、さらに、前記枠シール部よりも前記収納部側に、前記試験用蓋材及び試験用底材によって形成された、面シール部を備えた試験用包装体を作製し、JIS Z 0238:1998に準拠して、前記試験用包装体の前記枠シール部の剥離強度と、前記面シール部の剥離強度と、を測定したとき、前記枠シール部の剥離強度が前記面シール部の剥離強度よりも大きく、前記枠シール部の剥離強度が1.0~8.0N/15mmであり、前記面シール部の剥離強度が0.5~6.0N/15mmである、[1]に記載の積層フィルム。
[3].前記積層フィルムが酸素バリア層を備え、前記酸素バリア層が、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含み、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体において、構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合が、25~30モル%である、[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4].前記積層フィルムがイージーピール層を備え、前記イージーピール層が、低密度ポリエチレンを含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[5].前記積層フィルムに対して、水温10℃、圧力600MPa、時間3分の条件で、水中で高圧殺菌を行ったとき、前記高圧殺菌を行う前の前記積層フィルムの前記酸素透過量に対する、前記高圧殺菌の終了時から24時間後の前記積層フィルムの前記酸素透過量の割合が、150%以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[6].[1]~[5]のいずれか一項に記載の積層フィルムを備えた、包装体。
[7].前記包装体が、蓋材及び底材を備え、前記包装体が、前記蓋材及び底材のシールによって構成されており、前記底材が前記積層フィルムからなる、[6]に記載の包装体。
本発明によれば、食品を真空包装するのに好適な樹脂フィルムであって、食品を真空包装して得られた包装体の高圧殺菌を可能とし、高圧殺菌後の包装体を長期保管中に、食品の変色を抑制できる樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムを用いた包装体が提供される。
本発明の一実施形態に係る積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 蓋材と底材を用いて、真空包装により製造された包装体の一例を、模式的に示す正面図である。 図2中のI-I線における前記包装体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。
<<積層フィルム>>
本発明の一実施形態に係る積層フィルムは、前記積層フィルムに対して、ASTM F392に準拠して、温度23℃、屈曲回数500回の条件でゲルボフレックス試験を行ったとき、前記ゲルボフレックス試験後の前記積層フィルムにおいて認められるピンホールの数が100個以下となり、JIS K 7126-2:2006に準拠して測定した、温度23℃、相対湿度50%の条件下での、前記積層フィルムの酸素透過量が、1.0ml/(m・24h・atm)以下となる、積層フィルムである。
本実施形態の積層フィルムが、上記のゲルボフレックス試験の評価結果を満たすことで、前記積層フィルムを用いて、包装対象物を真空包装して得られた包装体は、高圧殺菌が可能となる。すなわち、前記包装体を高圧殺菌したときに、包装体における穴あきや破れ等の破損が抑制され、高圧殺菌を正常に行うことができる。
また、本実施形態の積層フィルムは、上記の酸素透過量の測定結果を満たすことで、酸素バリア性に優れており、前記積層フィルムを用いて、食品(包装対象物)を真空包装して得られた包装体を、高圧殺菌後に、長期保管したときに、包装体中の食品の変色が抑制される。
本発明者は、従来の樹脂フィルムを用いて、食品を真空包装して製造された包装体において、その長期保管中に、食品が変色してしまう原因を調査した。その結果、樹脂フィルムを介した、包装体の外部から内部への酸素ガスの透過が、変色の主原因であること見出した。この知見に基づき、本実施形態の積層フィルムは、酸素バリア性が高い構成を採用した。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本実施形態の積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層フィルム1は、イージーピール層11を備え、イージーピール層11上に、柔軟層12、耐ピンホール層14、酸素バリア層15及び外層17がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。積層フィルム1は、さらに、柔軟層12と耐ピンホール層14との間に第1接着層13を備え、酸素バリア層15と外層17との間に第2接着層16を備えている。
すなわち、積層フィルム1は、イージーピール層11、柔軟層12、第1接着層13、耐ピンホール層14、酸素バリア層15、第2接着層16及び外層17がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
<イージーピール層>
イージーピール層11は、積層フィルム1の一方の最表層であり、積層フィルム1を構成する各層の積層方向において、一方の最も外側に配置されている。
イージーピール層11の柔軟層12側とは反対側の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)11bは、積層フィルム1の一方の最表面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)1bであり、露出面である。
イージーピール層11は、イージーピールタイプのシーラント層である。
積層フィルム1同士を、その中のイージーピール層11において加熱シールするか、又は、積層フィルム1を、その中のイージーピール層11において、他のフィルム又はシートと加熱シールすることにより、包装体を構成できる。
イージーピール層11の第2面11bは、イージーピール層11同士の、又は他のフィルム又はシートとのシール面となる。
イージーピール層11は、透明性を有することが好ましい。
イージーピール層11の構成材料は、公知のものであってよい。
好ましいイージーピール層11としては、凝集破壊による剥離性を示すものが挙げられる。
凝集破壊による剥離性を示すイージーピール層11としては、例えば、非相溶性の2種のポリオレフィンを含むものが挙げられる。
イージーピール層11が含む、非相溶性の2種のポリオレフィンとしては、例えば、エチレンから誘導された構成単位を少なくとも有するエチレン系重合体と、プロピレンから誘導された構成単位を少なくとも有するプロピレン系重合体と、が挙げられる。
すなわち、イージーピール層11としては、例えば、エチレンから誘導された構成単位を少なくとも有するエチレン系重合体、並びに、プロピレンから誘導された構成単位を少なくとも有するプロピレン系重合体、を含むものが挙げられる。
イージーピール層11が含む前記エチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体と、エチレン系共重合体と、が挙げられる。
前記エチレンの単独重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。
前記エチレン系共重合体は、エチレンから誘導された構成単位と、エチレン以外のモノマーから誘導された構成単位と、を有する。
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、アイオノマー樹脂(ION樹脂)等が挙げられる。
前記アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンと少量のアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体が、その中の酸部分と、金属イオンと、の塩形成によって、イオン橋かけ構造を有している樹脂が挙げられる。
イージーピール層11は、前記エチレン系重合体として、低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。このようなイージーピール層11のイージーピール性は、より良好である。
イージーピール層11が含む、前記プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体(すなわちポリプロピレン又はホモポリプロピレン、hPP)と、プロピレン系共重合体と、が挙げられる。
前記プロピレン系共重合体は、プロピレンから誘導された構成単位と、プロピレン以外のモノマーから誘導された構成単位と、を有する。
前記プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体(別名:ポリプロピレンランダムコポリマー、rPP)、プロピレン-エチレンブロック共重合体(別名:ポリプロピレンブロックコポリマー、bPP)等が挙げられる。
イージーピール層11は、前記プロピレン系重合体として、ポリプロピレンを含むことが好ましい。このようなイージーピール層11のイージーピール性は、より良好である。
イージーピール層11が含む、イージーピール性を発現する成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。例えば、イージーピール性を発現する成分が、上述の非相溶性の2種のポリオレフィンである場合、イージーピール層11が含むこれらポリオレフィンは、それぞれ、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
イージーピール層11において、前記エチレン系重合体及びプロピレン系重合体の合計含有量(質量部)に対する、前記エチレン系重合体の含有量(質量部)の割合は、10~90質量%であることが好ましく、例えば、30~90質量%、50~90質量%、及び70~90質量%のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、イージーピール層11のイージーピール性がより良好となる。前記割合が前記上限値以下であることで、ピール強度がより安定する。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、前記エチレン系重合体及びプロピレン系重合体の合計含有量(質量部)に対する、前記エチレン系重合体の含有量(質量部)の割合、と同じである。
イージーピール層11は、イージーピール性を損なわない範囲で、イージーピール性を発現する成分(例えば、上述の非相溶性の2種のポリオレフィン)以外に、他の成分を含んでいてもよい。
イージーピール層11が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
イージーピール層11において、イージーピール層11の総質量に対する、イージーピール性を発現する成分の含有量の割合(例えば、上述の非相溶性の2種のポリオレフィンの合計含有量の割合)は、50~100質量%であることが好ましく、70~100質量%であることがより好ましく、例えば、80~100質量%、90~100質量%、95~100質量%、97~100質量%、及び99~100質量%のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、イージーピール層11のイージーピール性がより良好となる。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、イージーピール性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
イージーピール層11が含む前記他の成分としては、例えば、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
イージーピール層11が含む前記防曇剤は、積層フィルム1の曇り、特にイージーピール層11の露出面における曇りを抑制するための成分である。
イージーピール層11が含む防曇剤は、公知のものでよい。防曇剤としては、例えば、ポリグリセン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記アンチブロッキング剤は、積層フィルム1同士を重ねたとき、又は、積層フィルム1と、他のフィルム又はシートと、を重ねたときに、積層フィルム1同士の張り付き、又は、積層フィルム1と、これに隣接するフィルム又はシートと、の張り付き(ブロッキング)を抑制するための成分である。「積層フィルム1同士を重ねる」態様には、「1枚の積層フィルム1をロール状に巻き取る」態様も含まれる。
イージーピール層11が含むアンチブロッキング剤は、公知のものでよい。アンチブロッキング剤としては、例えば、天然シリカ、合成シリカ等のシリカが挙げられる。
イージーピール層11は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。イージーピール層11が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、イージーピール層11の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよいし、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
イージーピール層11の厚さは、3~40μmであることが好ましく、4~30μmであることがより好ましく、5~20μmであることがさらに好ましい。イージーピール層11の厚さが前記下限値以上であることで、イージーピール層11のシール強度が適度に高くなる。イージーピール層11の厚さが前記上限値以下であることで、イージーピール性がより高くなる。
ここで、「イージーピール層11の厚さ」とは、イージーピール層11全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるイージーピール層11の厚さとは、イージーピール層11を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<柔軟層>
柔軟層12は、積層フィルム1の柔軟性を向上させるための層である。
柔軟層12は、透明性を有することが好ましい。
柔軟層12は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
柔軟層12が含む前記樹脂としては、例えば、ポリオレフィン等が挙げられる。
前記ポリオレフィンは、オレフィンから誘導された構成単位を有する樹脂であれば、特に限定されず、例えば、構成単位が1種のみである単独重合体であってもよいし、構成単位が2種以上である共重合体であってもよく、前記共重合体は、例えば、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。
前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン共重合体、アイオノマー樹脂(ION樹脂)等が挙げられる。
前記ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)等が挙げられる。
前記エチレン共重合体としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)等が挙げられる。
前記アイオノマー樹脂としては、先に説明したものと同じものが挙げられる。
柔軟層12が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
柔軟層12は、ポリオレフィンを含むことが好ましく、ポリエチレンを含むことがより好ましく、低密度ポリエチレンを含むことがさらに好ましい。このような柔軟層12は、その柔軟性がより高い。
柔軟層12は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤等が挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
柔軟層12が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
柔軟層12において、柔軟層12の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、柔軟層12において前記樹脂を用いたことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する柔軟層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
柔軟層12が前記ポリオレフィンを含む場合、柔軟層12において、前記樹脂の総含有量に対する、前記ポリオレフィンの含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、柔軟層12が前記ポリオレフィンを含むことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する柔軟層形成用組成物における、前記樹脂の総含有量(質量部)に対する、前記ポリオレフィンの含有量(質量部)の割合、と同じである。
柔軟層12は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。柔軟層12が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
柔軟層12の厚さは、特に限定されないが、5~100μmであることが好ましく、10~95μmであることがより好ましく、15~90μmであることがさらに好ましい。柔軟層12の厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1の柔軟性がより向上する。柔軟層12の厚さが前記上限値以下であることで、柔軟層12の厚さが過剰となることを避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
ここで、「柔軟層12の厚さ」とは、柔軟層12全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる柔軟層12の厚さとは、柔軟層12を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<耐ピンホール層>
耐ピンホール層14は、積層フィルム1においてピンホールの発生を抑制するなど、積層フィルム1の構造を保護するための層である。
耐ピンホール層14は、透明性を有することが好ましい。
耐ピンホール層14は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
耐ピンホール層14が含む前記樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
例えば、ポリアミドを含む耐ピンホール層14は、より高強度であり、耐ピンホール層14における破損が顕著に抑制される。さらに、このような耐ピンホール層14を備えていることにより、積層フィルム1における、耐ピンホール層14よりもイージーピール層11側の層に対する保護作用や、後述する包装体中の被包装物に対する保護作用が顕著に大きくなる。このように、ポリアミドを含む樹脂層である耐ピンホール層14は、より高強度である点で好ましい。
耐ピンホール層14が含む前記ポリアミドとしては、例えば、環状ラクタム(環員数が3以上のラクタム)、アミノ酸、又はジアミンとジカルボン酸との反応で得られたナイロン塩を、重合又は共重合することによって得られたポリアミド等が挙げられる。
前記環状ラクタムとしては、例えば、ε-カプロラクタム、ω-エナントラクタム、ω-ラウロラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドン等が挙げられる。
前記アミノ酸としては、例えば、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等が挙げられる。
前記ナイロン塩を形成する前記ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン;
1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス-(4-アミノシクロヘキシル)プロパン等の脂環族ジアミン;
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記ナイロン塩を形成する前記ジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セパチン酸、ウンデカンジオン酸、及びドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
ヘキサヒドロテレフタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族カルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
前記ポリアミドとして、より具体的には、例えば、4-ナイロン、6-ナイロン、7-ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン、46-ナイロン、66-ナイロン、69-ナイロン、610-ナイロン、611-ナイロン、612-ナイロン、6T-ナイロン、6Iナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/66)、6-ナイロンと610-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと611-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと12-ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/12)、6-ナイロンと612ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと6T-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと66-ナイロンと610-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと66-ナイロンと12-ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/66/12)、6-ナイロンと66-ナイロンと612-ナイロンとのコポリマー、66-ナイロンと6T-ナイロンとのコポリマー、66-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー、6T-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー、66-ナイロンと6T-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー等が挙げられる。
前記ポリアミドは、耐熱性、機械的強度、及び入手の容易さ等の点においては、6-ナイロン(本明細書においては、「Ny6」と略記することがある)、12-ナイロン、66-ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12又はナイロン6/66/12であることが好ましい。
耐ピンホール層14が含む前記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等が挙げられる。
耐ピンホール層14が含む前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
耐ピンホール層14が含む前記ポリビニル系樹脂は、ビニル基(エテニル基)を有するモノマーから誘導された構成単位を有する樹脂である。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。
耐ピンホール層14が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
耐ピンホール層14は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニル系樹脂及びポリカーボネートからなる群より選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ポリアミドを含むことがより好ましい。このような積層フィルム1は、その加熱成形時における耐ピンホール性がより高い。
耐ピンホール層14は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、柔軟層12が含むものとして先に説明した添加剤と同じものが挙げられる。
耐ピンホール層14が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
耐ピンホール層14において、耐ピンホール層14の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、耐ピンホール層14において前記樹脂を用いたことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する耐ピンホール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
耐ピンホール層14が前記ポリアミドを含む場合、耐ピンホール層14において、前記樹脂の総含有量に対する、前記ポリアミドの含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、耐ピンホール層14による積層フィルム1の保護能がより高くなる。また、積層フィルム1を用いて得られた包装体の高圧殺菌適性(高圧殺菌時に包装状態を安定して維持できる特性)がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する耐ピンホール層形成用組成物における、前記樹脂の総含有量(質量部)に対する、前記ポリアミドの含有量(質量部)の割合、と同じである。
耐ピンホール層14は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。耐ピンホール層14が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
耐ピンホール層14の厚さは、特に限定されないが、5~100μmであることが好ましく、10~95μmであることがより好ましく、15~90μmであることがさらに好ましい。耐ピンホール層14の厚さが前記下限値以上であることで、耐ピンホール層14の保護能がより高くなる。また、積層フィルム1を用いて得られた包装体の高圧殺菌適性(高圧殺菌時に包装状態を安定して維持できる特性)がより高くなる。耐ピンホール層14の厚さが前記上限値以下であることで、耐ピンホール層14の厚さが過剰となることを避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
ここで、「耐ピンホール層14の厚さ」とは、耐ピンホール層14全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる耐ピンホール層14の厚さとは、耐ピンホール層14を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<酸素バリア層>
酸素バリア層15は、積層フィルム1を介した酸素ガスの透過を抑制するための層である。積層フィルム1は、酸素バリア層15を備えていることで、酸素バリア性が高くなる。
酸素バリア層15は、透明性を有することが好ましい。
酸素バリア層15は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
酸素バリア層15が含む前記樹脂としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH、別名:エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
前記エチレン-ビニルアルコール共重合体における、構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合(本明細書においては、「エチレンの共重合比率」と略記することがある)は、25~30モル%であることが好ましく、26.5~29.5モル%であることがより好ましく、27~29モル%であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、積層フィルム1の成形がより容易となり(積層フィルム1の成形性がより高くなり)、積層フィルム1を用いて目的とする形状の包装体をより精密に製造できる。前記割合が前記上限値以下であることで、積層フィルム1を用いて製造された包装体の、被包装物への密着性が、より高くなる。また、積層フィルム1を用いて得られた包装体において、被包装物の保存安定性(例えば、食品の変色の抑制効果)がより高くなる。
酸素バリア層15が含む前記ポリアミドとしては、例えば、耐ピンホール層14が含むものとして先に説明したポリアミドと同じものが挙げられる。
酸素バリア層15が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
酸素バリア層15及び積層フィルム1の酸素バリア性がより高くなる点では、酸素バリア層15は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むことが好ましい。
酸素バリア層15は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、柔軟層12が含むものとして先に説明した添加剤と同じものが挙げられる。
酸素バリア層15が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
酸素バリア層15において、酸素バリア層15の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、酸素バリア層15において前記樹脂を用いたことにより得られる効果(例えば、酸素バリア層15及び積層フィルム1の酸素バリア性)がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する酸素バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
酸素バリア層15が、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリビニルアルコール及びポリアクリロニトリルからなる群より選択される1種又は2種以上の酸素バリア樹脂を含む場合、酸素バリア層15において、前記樹脂の総含有量に対する、前記酸素バリア樹脂の合計含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、酸素バリア層15及び積層フィルム1の酸素バリア性がより高くなる。そして、積層フィルム1を用いて得られた包装体において、被包装物の保存安定性(例えば、食品の変色の抑制効果)がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する酸素バリア層形成用組成物における、前記樹脂の総含有量(質量部)に対する、前記酸素バリア樹脂の合計含有量(質量部)の割合、と同じである。
酸素バリア層15は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むことが好ましく、その場合、酸素バリア層15において、前記樹脂の総含有量に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、酸素バリア層15及び積層フィルム1の酸素バリア性がさらに高くなる。そして、積層フィルム1を用いて得られた包装体において、被包装物の保存安定性(例えば、食品の変色の抑制効果)がさらに高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する酸素バリア層形成用組成物における、前記樹脂の総含有量(質量部)に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体の含有量(質量部)の割合、と同じである。
より好ましい酸素バリア層15としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含み、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体において、構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合が、25~30モル%であるものが挙げられる。
さらに好ましい酸素バリア層15としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含み、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体において、構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合が、25~30モル%であり、酸素バリア層15において、前記樹脂の総含有量に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体の含有量の割合が、80質量%以上であるものが挙げられる。
酸素バリア層15は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。酸素バリア層15が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
酸素バリア層15の厚さは、特に限定されないが、2μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、例えば、7.5μm以上、12.5μm以上、17.5μm以上、及び22.5μm以上のいずれかであってもよい。酸素バリア層15の厚さが前記下限値以上であることで、酸素バリア層15及び積層フィルム1の酸素バリア性がより高くなる。そして、積層フィルム1を用いて得られた包装体において、被包装物の保存安定性(例えば、食品の変色の抑制効果)がより高くなる。
ここで、「酸素バリア層15の厚さ」とは、酸素バリア層15全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる酸素バリア層15の厚さとは、酸素バリア層15を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
酸素バリア層15の厚さの上限値は、特に限定されない。積層フィルム1の成形性がより高くなる点と、酸素バリア層15の厚さが過剰となることを避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる点では、酸素バリア層15の厚さは、32μm以下であることが好ましい。
酸素バリア層15の厚さは、上述のいずれかの下限値と、上限値と、を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。
例えば、一実施形態において、酸素バリア層15の厚さは、2~32μm、4~32μm、7.5~32μm、12.5~32μm、17.5~32μm、及び22.5~32μmのいずれかであってもよい。
酸素バリア層15が前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む場合、酸素バリア層15の厚さは、エチレン-ビニルアルコール共重合体におけるエチレンの共重合比率に応じて、調節してもよい。
例えば、前記エチレンの共重合比率が好ましくは28モル%未満、より好ましくは25モル%以上28モル%未満である場合には、酸素バリア層15の厚さは28μm以下であり、前記エチレンの共重合比率が好ましくは28モル%以上、より好ましくは28~30モル%である場合には、酸素バリア層15の厚さは32μm以下であってもよい。このような積層フィルム1を用いることで、強度がより高く、高圧殺菌に対する適性がより高い包装体を製造できる。
<外層>
外層17は、積層フィルム1を構成する他の層を保護するための層であり、その構成材料を適切に選択することによって、さらに、積層フィルム1に新たな特性を付与する層とすることが可能である。
外層17は、透明性を有することが好ましい。
外層17は、積層フィルム1の他方の最表層であり、外層17の酸素バリア層13側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)17aは、積層フィルム1の他方の最表面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)1aであり、露出面である。
外層17は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
外層17の構成材料である前記樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられる。
外層17が含む前記ポリアミドとしては、例えば、耐ピンホール層14が含むものとして先に説明したポリアミドと同じものが挙げられる。
外層17が含む前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
外層17が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
外層17は、ポリアミド及びポリオレフィンからなる群より選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。このような場合、外層17による積層フィルム1の保護能がより高くなる。
外層17は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、柔軟層12が含むものとして先に説明した添加剤と同じものが挙げられる。
外層17が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
外層17において、外層17の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、外層17において前記樹脂を用いたことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する外層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
外層17が前記ポリアミド及びポリオレフィンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む場合、外層17において、前記樹脂の総含有量に対する、前記ポリアミド及びポリオレフィンの合計含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、外層17による積層フィルム1の保護能がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する外層形成用組成物における、前記樹脂の総含有量(質量部)に対する、前記ポリアミド及びポリオレフィンの合計含有量(質量部)の割合、と同じである。
外層17は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。外層17が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
外層17の厚さは、特に限定されないが、5~45μmであることが好ましく、10~40μmであることがより好ましく、15~35μmであることがさらに好ましい。外層17の厚さが前記下限値以上であることで、外層17による積層フィルム1の保護能がより高くなる。外層17の厚さが前記上限値以下であることで、外層17の厚さが過剰となることを避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
ここで、「外層17の厚さ」とは、外層17全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる外層17の厚さとは、外層17を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<第1接着層>
第1接着層13は、積層フィルム1において、隣接する2層(ここでは、柔軟層12及び耐ピンホール層14)を接着するための層であり、接着性を発現する成分を含む。
第1接着層13は、透明性を有することが好ましい。
第1接着層13は任意の構成であり、積層フィルム1は第1接着層13を備えていなくてもよいが、第1接着層13を備えていることで、その構造がより安定する。
第1接着層13は、接着性樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
前記接着性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンから誘導された構成単位を有する樹脂であり、例えば、酸性基を有する酸変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体、これら共重合体の変性物(換言すると変性共重合体)、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、接着性がより向上する点では、ランダム共重合体、グラフト共重合体又はブロック共重合体であってもよい。
第1接着層13が含む前記エチレン系共重合体としては、例えば、イージーピール層11が含むものとして先に説明したエチレン系共重合体、その変性物(変性共重合体)等が挙げられる。
第1接着層13が含む前記プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、その変性物(変性共重合体)等が挙げられる。このようなプロピレン系共重合体として、より具体的には、例えば、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリプロピレン、プロピレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
第1接着層13が含む前記ブテン系共重合体としては、例えば、1-ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2-ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、これら共重合体の変性物(変性共重合体)等が挙げられる。
第1接着層13が含む、接着性を発現する成分(例えば、前記接着性樹脂)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第1接着層13は、その接着性を損なわない範囲で、接着性を発現する成分(例えば、前記接着性樹脂)以外に、他の成分を含んでいてもよい。
第1接着層13が含有する前記他の成分としては、例えば、酸化防止剤等が挙げられる。
第1接着層13が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第1接着層13において、第1接着層13の総質量に対する、接着性を発現する成分の含有量の割合(例えば、前記接着性樹脂の含有量の割合)は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、第1接着層13の接着性がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する接着層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、接着性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
第1接着層13は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。第1接着層13が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第1接着層13の厚さは、特に限定されないが、0.1~25μmであることが好ましく、0.5~20μmであることがより好ましく、1~20μmであることがさらに好ましい。第1接着層13の厚さが前記下限値以上であることで、第1接着層13はより優れた接着性を有する。第1接着層13の厚さが前記上限値以下であることで、第1接着層13が過剰な厚さとなることが避けられる。
ここで、「第1接着層13の厚さ」とは、第1接着層13全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1接着層13の厚さとは、第1接着層13を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<第2接着層>
第2接着層16は、積層フィルム1において、隣接する2層(ここでは、酸素バリア層15及び外層17)を接着するための層であり、接着性を発現する成分を含む。
第2接着層16は、透明性を有することが好ましい。
第2接着層16は任意の構成であり、積層フィルム1は第2接着層16を備えていなくてもよいが、第2接着層16を備えていることで、その構造がより安定する。
第2接着層16は、積層フィルム1における配置位置が異なる点を除けば、第1接着層13と同様のものであり、その詳細な説明は省略する。
積層フィルム1において、第1接着層13及び第2接着層16は、互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、第1接着層13及び第2接着層16が互いに異なっているということは、第1接着層13及び第2接着層16の間で、構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なっていることを意味する。
積層フィルム1の厚さは、特に限定されないが、100~250μmであることが好ましく、例えば、100~210μm、100~170μm、140~250μm、180~250μm、110~220μm、及び120~190μmのいずれかであってもよい。積層フィルム1の厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1を用いて得られた包装体において、被包装物の保存安定性(例えば、食品の変色の抑制効果)がより高くなるとともに、前記包装体の高圧殺菌適性(高圧殺菌時に包装状態を安定して維持できる特性)がより高くなる。積層フィルム1の厚さが前記上限値以下であることで、積層フィルム1の成形性がより高くなる。
積層フィルム1が備えているすべての層が透明性を有し、積層フィルム1が透明性を有すること、すなわち、積層フィルム1は透明積層フィルムであることが好ましい。このような積層フィルム1を用いて得られた包装体においては、積層フィルム1を介して、被包装物を容易に視認できる。
<積層フィルムの特性>
[ゲルボフレックス試験に対する耐性]
積層フィルム1に対して、ASTM F392に準拠して、温度23℃、屈曲回数500回の条件でゲルボフレックス試験を行ったとき、前記ゲルボフレックス試験後の積層フィルム1において認められるピンホールの数は、100個以下となる。ここで、前記ゲルボフレックス試験を行う積層フィルム1は、ピンホールが認められない(ピンホールの数が0個である)試験前のものである。このような条件を満たす積層フィルム1を用いて、包装対象物を真空包装して得られた包装体は、先の説明のとおり、高圧殺菌したときに、包装体における穴あきや破れ等の破損が抑制される。
積層フィルム1においては、前記ゲルボフレックス試験後に認められるピンホールの数が、90個以下であることが好ましく、例えば、75個以下、55個以下、及び35個以下のいずれかであってもよい。前記ピンホールの数が少ないほど、積層フィルム1を備えた包装体は、高圧殺菌適性が高い。
一方、前記ピンホールの数は、0個以上である。
積層フィルム1を用いて得られた包装体に対しては、高圧殺菌として、高圧の水中で包装体を特定時間保持することによって行うものが、想定される。
このような高圧殺菌においては、水温は5~15℃であることが好ましく、圧力は300~900MPaであることが好ましく、高圧殺菌時間は1~10分であることが好ましい。
積層フィルム1の前記ピンホールの数は、例えば、積層フィルム1を構成する各層の含有成分の種類、各層の厚さ等を調節することで、調節できる。特に、耐ピンホール層14及び外層17の含有成分の種類、耐ピンホール層14及び外層17の厚さ等を調節することで、積層フィルム1の前記ピンホールの数をより容易に調節できる。
[酸素透過量]
(高圧殺菌前の酸素透過量)
JIS K 7126-2:2006に準拠して測定した、温度23℃、相対湿度(RH)50%の条件下での、積層フィルム1の酸素透過量は、1.0ml/(m・24h・atm)以下である。このような条件を満たす積層フィルム1を用いて、食品(包装対象物)を真空包装して得られた包装体を、高圧殺菌後に、長期保管したときには、先の説明のとおり、包装体中の食品の変色が抑制される。
積層フィルム1の前記酸素透過量は、0.85ml/(m・24h・atm)以下であることが好ましく、0.7ml/(m・24h・atm)以下であることがより好ましく、例えば、0.55ml/(m・24h・atm)以下、0.4ml/(m・24h・atm)以下、及び0.2ml/(m・24h・atm)以下のいずれかであってもよい。積層フィルム1の前記酸素透過量が前記上限値以下であることで、包装体中の食品の変色抑制効果がより高くなる。
積層フィルム1の前記酸素透過量の下限値は、特に限定されない。例えば、このような積層フィルム1の製造がより容易である点では、積層フィルム1の前記酸素透過量は、0.05ml/(m・24h・atm)以上であってもよい。
(高圧殺菌後の酸素透過量)
高圧殺菌前の積層フィルム1を、水中に浸漬し、水温10℃、圧力600MPa、時間3分の条件で、水中で積層フィルム1を高圧殺菌した後、高圧殺菌の終了時から24時間後に、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、JIS K 7126-2:2006に準拠して測定した、この高圧殺菌後の積層フィルム1の酸素透過量は、1.02ml/(m・24h・atm)以下であることが好ましい。このような条件を満たす積層フィルム1を用いて、食品(包装対象物)を真空包装して得られた包装体を、高圧殺菌後に、長期保管したときには、包装体中の食品の変色がより抑制される。
前記高圧殺菌後の積層フィルム1の前記酸素透過量の下限値は、特に限定されない。例えば、このような積層フィルム1の製造がより容易である点では、前記高圧殺菌後の積層フィルム1の前記酸素透過量は、0.05ml/(m・24h・atm)以上であってもよい。
本明細書においては、特に断りのない限り、積層フィルムについての単なる「酸素透過量」との記載は、「高圧殺菌前の積層フィルムの酸素透過量」を意味する。
(酸素透過量変化率)
前記高圧殺菌前の積層フィルム1の前記酸素透過量に対する、前記高圧殺菌の終了時から24時間後の積層フィルム1の前記酸素透過量(前記高圧殺菌後の積層フィルム1の前記酸素透過量)の割合([前記高圧殺菌後の積層フィルム1の前記酸素透過量]/[前記高圧殺菌前の積層フィルム1の前記酸素透過量]×100、本明細書においては、「酸素透過量変化率」と称することがある)は、150%以下であることが好ましく、145%以下であることがより好ましく、140%以下であることがさらに好ましく、例えば、125%以下、110%以下、及び95%以下のいずれかであってもよい。前記酸素透過量変化率が前記上限値以下である積層フィルム1を用いて、食品(包装対象物)を真空包装して得られた包装体を、高圧殺菌後に、長期保管したときには、包装体中の食品の変色がより抑制される。
前記酸素透過量変化率の下限値は、特に限定されない。例えば、このような積層フィルム1の製造がより容易である点では、前記酸素透過量変化率は、50%以上であってもよい。
積層フィルム1の前記酸素透過量は、例えば、酸素バリア層15の含有成分の種類、酸素バリア層15の厚さ等を調節することで、調節できる。
[シール部の剥離強度]
積層フィルム1を用いて、食品(包装対象物)を真空包装して得られた包装体の、高圧殺菌に対する適性は、以下に示す試験用包装体の枠シール部の剥離強度と、面シール部の剥離強度によって、判定できる。
すなわち、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むシーラント層を備えた樹脂フィルムからなる試験用蓋材と、被包装物の収納部を構成するための凹部が形成され、積層フィルム1からなる試験用底材と、を用いて、前記凹部内に前記被包装物を配置し、前記試験用蓋材と前記試験用底材の間で前記被包装物を挟み、前記凹部において、前記試験用蓋材及び試験用底材によって形成された前記収納部の内部を、温度140℃、真空引き時間2秒の条件で真空引きする。
次いで、前記試験用蓋材及び試験用底材の周縁部を、シール温度140℃、シール時間2秒の条件で枠状にシールして、枠シール部を形成することにより、前記枠シール部を備え、さらに、前記枠シール部よりも前記収納部側に、前記試験用蓋材及び試験用底材によって形成された、面シール部を備えた試験用包装体を作製する。
前記シーラント層において、シーラント層の総質量に対する、LLDPEの含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましい。
前記シーラント層の厚さは、30μmであることが好ましい。
前記枠シール部の幅は、例えば、1cmであることが好ましい。
前記面シール部の面積は、例えば、150cmであることが好ましい。
ここで、前記試験用包装体をはじめとして、蓋材と底材を用いて、真空包装により作製された包装体を、図2~図3を参照して説明する。図2は、前記包装体の一例を模式的に示す正面図であり、図3は、図2中のI-I線における前記包装体の断面図である。
ここに示す包装体101は、蓋材8と、底材7と、を備えて構成されている。
蓋材8はシート状であり、通常は、透明であることが好ましい。
底材7には、凹部70が形成されている。底材7は、フィルムを深絞り成形することで得られたものであり、通常は、透明であることが好ましい。
蓋材8及び底材7のいずれか一方又は両方が透明であることにより、包装体101で包装されている被包装物9を、包装体101の外部から容易に視認できる。
包装体101において、底材7の凹部70を除く領域の一方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)7bと、蓋材8の一方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)8bとは、いずれもシール面であり、互いに対向している。底材7の第2面7bは、包装体101を構成せずに、前記凹部70内に被包装物9を収納した状態で、被包装物9が露出する側の面となる。
さらに、包装体101は、蓋材8及び底材7のシールによって構成されている。より具体的には、底材7の凹部70を除く領域の第2面7bと、蓋材8の第2面8bは、重ね合わされ、互いにこれらの周縁部においてシールされている。その結果、底材7の凹部70の領域において、底材7の第2面7bと、蓋材8の第2面8bと、の間に、収納部101aが形成されている。そして、この収納部101a内には、被包装物9が収納されている。被包装物9としては、食品が好適である。
包装体101の周縁部は、シール部(枠シール部)1011となっている。そして、包装体101において、前記枠シール部1011よりも収納部101a側で、かつ収納部101aに含まれない領域は、面シール部1012となっている。面シール部1012においては、底材7と蓋材8は、軽度にシールされた状態となっており、包装時の収納部101a内の真空引きによる減圧の効果によって、密着した状態となっている。
図2に示すように、包装体101を、その蓋材8側の上方から見下ろして平面視したとき、包装体101において、面シール部1012は収納部101aを取り囲むように存在し、枠シール部1011は面シール部1012を取り囲むように存在する。また、枠シール部1011は、包装体101の外周に沿って形成されている。
包装体101においては、典型的には、蓋材8と被包装物9とは直接接触している。そして、底材7の凹部70の領域、特に凹部70の底部の領域(例えば、凹部70の蓋材8と対抗している領域)と、被包装物9と、は直接接触している。図3においては、底材7の凹部70の領域のうち、側面部と、被包装物9と、は直接接触せず、隙間が見られるが、直接接触していることもある。
包装体101が前記試験用包装体である場合には、蓋材8が前記試験用蓋材であり、底材7が前記試験用底材であり、凹部70が前記試験用包装体中の凹部であり、枠シール部1011が前記試験用包装体中の枠シール部であり、面シール部1012が前記試験用包装体中の面シール部である。
底材7(試験用底材)は、積層フィルム1からなる。底材7の第2面7bは、積層フィルム1中のイージーピール層11の第2面11bに相当し、底材7の第2面7bとは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)7aは、積層フィルム1中の外層17の第1面17aに相当する。
蓋材8(試験用蓋材)の第2面8bは、LDPEを含む前記シーラント層の一方の面(シール面)である。
なお、図2~図3においては、底材7(積層フィルム1)中での各層の区別を省略している。
本実施形態においては、JIS Z 0238:1998に準拠して、前記試験用包装体の前記枠シール部の剥離強度と、前記面シール部の剥離強度と、を測定したとき、前記枠シール部の剥離強度が前記面シール部の剥離強度よりも大きいことが好ましい。このような条件を満たす試験用包装体(積層フィルム1を用いて、食品を真空包装して得られた包装体)は、その高圧殺菌時に包装状態をより安定して維持できる。
本明細書において、「枠シール部の剥離強度」とは、特に断りのない限り、枠シール部における、蓋材(試験用蓋材)と底材(試験用底材)との剥離強度を意味する。同様に、「面シール部の剥離強度」とは、特に断りのない限り、面シール部における、蓋材(試験用蓋材)と底材(試験用底材)との剥離強度を意味する。
本実施形態においては、JIS Z 0238:1998に準拠して測定した、前記試験用包装体の前記枠シール部の剥離強度は、1.0~8.0N/15mmであることが好ましい。前記枠シール部の剥離強度が前記下限値以上であることで、試験用包装体(積層フィルム1を用いて、食品を真空包装して得られた包装体)の取り扱い時に、目的外の枠シール部の剥離を抑制する効果が、より高くなる。前記枠シール部の剥離強度が前記上限値以下であることで、試験用包装体(積層フィルム1を用いて、食品を真空包装して得られた包装体)の開封が、より容易となる。
本明細書において、「包装体(試験用包装体)の開封」とは、特に断りのない限り、蓋材(試験用蓋材)と底材(試験用底材)との剥離に伴う包装体の開封を意味する。
本実施形態においては、JIS Z 0238:1998に準拠して測定した、前記試験用包装体の前記面シール部の剥離強度は、0.5~6.0N/15mmであることが好ましい。前記面シール部の剥離強度が前記下限値以上であることで、面シール部の剥離がより抑制され、例えば、被包装物が収納されている前記凹部を複数箇所有する包装体(積層フィルム1を用いて、食品を真空包装して得られた包装体)においては、凹部内の成分の、凹部間での移動が顕著に抑制される。前記面シール部の剥離強度が前記上限値以下であることで、試験用包装体(積層フィルム1を用いて、食品を真空包装して得られた包装体)の開封が、より容易となる。
本実施形態においては、前記枠シール部の剥離強度と、前記面シール部の剥離強度に関わる、上述の3つの条件をすべて満たすことが、特に好ましい。
すなわち、本実施形態においては、JIS Z 0238:1998に準拠して、前記試験用包装体の前記枠シール部の剥離強度と、前記面シール部の剥離強度と、を測定したとき、前記枠シール部の剥離強度が前記面シール部の剥離強度よりも大きく、前記枠シール部の剥離強度が1.0~8.0N/15mmであり、前記面シール部の剥離強度が0.5~6.0N/15mmであることが、特に好ましい。このような積層フィルム1を用いて、包装対象物を真空包装して得られた包装体は、高圧殺菌を行うものとして、特に優れた特性を有する。
図4は、本実施形態の積層フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。
なお、図4において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す積層フィルム2は、耐ピンホール層14を備えていない点以外は、図1に示す積層フィルム1と同じである。
すなわち、積層フィルム2は、イージーピール層11、柔軟層12、第1接着層13、酸素バリア層15、第2接着層16及び外層17がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
イージーピール層11の第2面11bは、積層フィルム2の第2面2bであり、露出面である。
外層17の第1面17aは、積層フィルム2の第1面2aであり、露出面である。
積層フィルム2は、積層フィルム1における耐ピンホール層14を備えていないが、外層17が、耐ピンホール層としての機能を併せ持つため、積層フィルム2は耐ピンホール性を有する。
積層フィルム2は、積層フィルム1と同様の特性(ゲルボフレックス試験に対する耐性、酸素透過量、枠シール部の剥離強度、面シール部の剥離強度)を有する。
積層フィルム2は、積層フィルム1と同様の効果を奏する。
本実施形態の積層フィルムは、積層フィルム1~2に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、積層フィルム1~2において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、積層フィルム1又は積層フィルム2が備えている層として、イージーピール層、柔軟層、第1接着層、耐ピンホール層、酸素バリア層、第2接着層及び外層が挙げられるが、本実施形態の積層フィルムは、これら以外の他の層を備えていてもよい。
<他の層>
前記他の層の種類、層数及び配置位置は、目的に応じて任意に選択できる。
前記他の層の一例としては、隣接する2層を接着するための接着層として、第1接着層と、第2接着層と、のいずれにも該当しない層;積層フィルムの厚さ方向において、イージーピール層と外層との間に配置され、柔軟性と、酸素バリア性と、耐ピンホール性と、接着性と、のいずれにも該当しない他の特性を積層フィルムに付与する層等が挙げられる。
本実施形態の積層フィルムは、少なくとも外層及びイージーピール層を備えていればよく、それ以外の層は任意の構成であり、外層及びイージーピール層以外の層は、目的に応じて任意に選択できる。
本実施形態の積層フィルムは、各種包装体を構成するのに好適であり、なかでも、真空包装するための包装体における、底材又は蓋材としてより好適である。この場合の包装対象物としては、例えば、食品等が挙げられる。
すなわち、本実施形態の積層フィルムは、食品の真空包装用としてより好適であり、高圧殺菌を必要とする、食品の真空包装用として、特に好適である。
<<積層フィルムの製造方法>>
本実施形態の積層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
また、本実施形態の積層フィルムは、その中のいずれかの層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を、積層フィルムを構成するための別の層の表面にコーティングして、必要に応じて乾燥させることにより、積層フィルム中の積層構造を形成し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
また、本実施形態の積層フィルムは、そのうちのいずれか2層以上を構成するための2枚以上のフィルムをあらかじめ別々に作製しておき、接着剤を用いてこれらフィルムを、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法及びウェットラミネート法のいずれかによって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。このとき、接着剤として、前記接着層(第1接着層、第2接着層)を形成可能なものを用いてもよい。
また、本実施形態の積層フィルムは、上記のように、あらかじめ別々に作製しておいた2枚以上のフィルムを、接着剤を用いずに、サーマル(熱)ラミネート法等によって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
本実施形態の積層フィルムを製造するときには、ここまでに挙げた、積層フィルム中のいずれかの層(フィルム)の形成方法を、2以上組み合わせてもよい。
製造方法がいずれの場合であっても、前記積層フィルム中のいずれかの層の形成材料となる前記樹脂組成物は、形成する層が目的とする成分(構成材料)を、目的とする含有量で含むように、含有成分の種類と含有量を調節して、製造すればよい。例えば、前記樹脂組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、この樹脂組成物から形成された層中の、前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
イージーピール層(図1に示す積層フィルム1、図4に示す積層フィルム2においては、イージーピール層11)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「イージーピール層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記イージーピール性を発現する成分と、必要に応じて前記他の成分と、を含むものが挙げられる。
柔軟層(図1に示す積層フィルム1、図4に示す積層フィルム2においては、柔軟層12)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「柔軟層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記ポリオレフィンと、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含むものが挙げられる。
耐ピンホール層(図1に示す積層フィルム1においては、耐ピンホール層14)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「耐ピンホール層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニル系樹脂及びポリカーボネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含むものが挙げられる。
酸素バリア層(図1に示す積層フィルム1、図4に示す積層フィルム2においては、酸素バリア層15)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「酸素バリア層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記酸素バリア樹脂と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含むものが挙げられる。
外層(図1に示す積層フィルム1、図4に示す積層フィルム2においては、外層17)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「外層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記ポリアミド及びポリオレフィンからなる群より選択される1種又は2種以上と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含むものが挙げられる。
第1接着層又は第2接着層(図1に示す積層フィルム1、図4に示す積層フィルム2においては、第1接着層13、第2接着層16)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「接着層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記接着性を発現する成分と、必要に応じて前記他の成分と、を含むものが挙げられる。
<<包装体>>
本発明の一実施形態に係る包装体は、上述の本発明の一実施形態に係る積層フィルムを備えている。
本実施形態の包装体は、前記積層フィルムを用いて構成されているため、食品等の被包装物を真空包装した状態での高圧殺菌が可能であり、高圧殺菌後の長期保管中に、被包装物である食品の変色を抑制できる。
本実施形態の包装体の包装対象物である食品は、特に限定されない。前記食品としては、例えば、生肉、生魚、生野菜等の生鮮食品;ハム、ウインナー、ベーコン等の食肉加工品をはじめとする各種加工食品等、公知のものが挙げられる。
好ましい前記包装体としては、例えば、蓋材及び底材を備え、前記蓋材及び底材のシールによって構成されており、前記蓋材と、前記底材と、のいずれか一方又は両方が、前記積層フィルムからなる包装体が挙げられる。
なかでも、前記積層フィルムを用いたことによる有利な効果が、特に顕著に得られることから、前記包装体は、蓋材及び底材を備え、前記蓋材及び底材のシールによって構成されており、前記底材が前記積層フィルムからなる包装体であることが好ましい。このような包装体においては、前記蓋材が前記積層フィルムからなるものであってもよい。前記積層フィルムは、成形をより容易とすることが可能(前記積層フィルムの成形性をより高くすることが可能)であり、このような積層フィルムを用いることで、目的とする形状の包装体をより精密に製造できる。
図2~図3に示す包装体101が、本実施形態の包装体である場合には、蓋材8と、底材7と、のいずれか一方又は両方が、前記積層フィルムからなり、少なくとも底材7が前記積層フィルムからなることが好ましい。
例えば、底材7が、図1に示す積層フィルム1又は図4に示す積層フィルム2からなる場合には、底材7の第2面7bは、積層フィルム1又は積層フィルム2中のイージーピール層11の第2面11bに相当し、底材7の第1面7aは、積層フィルム1又は積層フィルム2中の外層17の第1面17aに相当する。
蓋材8が、図1に示す積層フィルム1又は図4に示す積層フィルム2からなる場合には、蓋材8の第2面8bは、積層フィルム1又は積層フィルム2中のイージーピール層11の第2面11bに相当し、蓋材8の第1面8aは、積層フィルム1又は積層フィルム2中の外層17の第1面17aに相当する。
なお、図2~図3においては、蓋材8と、底材7と、のいずれか一方又は両方が前記積層フィルムからなる場合、その積層フィルム中での各層の区別を省略している。
包装体101において、蓋材8が、上述の本発明の一実施形態に係る積層フィルムからなるものでない場合、蓋材8は、通常の深絞り包装体で使用可能なものであればよい。このような蓋材8としては、例えば、単層又は多層の樹脂フィルムからなるものが挙げられる。
包装体101において、底材7が、上述の本発明の一実施形態に係る積層フィルムからなるものでない場合、底材7は、通常の深絞り包装体で使用可能なものであればよい。このような底材7としては、例えば、単層又は多層の樹脂フィルムが深絞り成形されたものが挙げられる。
包装体101において、蓋材8又は底材7が、上述の本発明の一実施形態に係る積層フィルムからなる場合、蓋材8又は底材7の厚さは、先に説明した前記積層フィルムの厚さと同じである。
蓋材8又は底材7が、前記積層フィルムではなく、他のフィルムからなる場合には、蓋材8又は底材7の厚さは、前記積層フィルムの厚さと同じであってもよい。
本実施形態の包装体は、上述のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
<<包装体の製造方法>>
本実施形態の包装体は、従来のフィルムに代えて、前記積層フィルムを用いる点を除けば、従来の包装体の場合と同じ方法で製造できる。
例えば、蓋材及び底材を備え、前記蓋材及び底材のシールによって構成されており、前記蓋材と、前記底材と、のいずれか一方又は両方が、前記積層フィルムからなる包装体は、前記蓋材と前記底材とを、前記収納部を形成するように重ね合わせ、加熱シールする(加熱によりシール部を形成する)ことにより、製造できる。このとき、シール部として、前記枠シール部及び面シール部を形成してもよい。
前記蓋材及び底材を備えた包装体の製造時には、蓋材と底材との加熱シール前に、前記収納部に包装対象物を収納する。そして、前記収納部内を真空引きした状態で、蓋材と底材とを加熱シールしてもよい。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図1に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、イージーピール層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(1)(LDPE(1)、住友化学社製「L211」)とポリプロピレン(1)(PP(1)、住友化学社製「FS2011DG2」)を用意した。
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(2)(LDPE(2)、宇部丸善ポリエチレン社製「F222NH」)を用意した。
耐ピンホール層及び外層を構成する樹脂として、6-ナイロン(Ny6、宇部興産社製「1030B2」)を用意した。
酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)(EVOH(1)、クラレ社製「L171B」、前記エチレンの共重合比率27モル%)を用意した。
第1接着層及び第2接着層を構成する接着性樹脂として、無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性PE、三井化学社製「NF536」)を用意した。
前記LDPE(1)(75質量部)と前記PP(1)(25質量部)を常温下で混合することにより、イージーピール層形成用組成物を製造した。
ダイの温度を250℃とし、前記イージーピール層形成用組成物と、前記LDPE(2)と、前記変性PEと、前記Ny6と、前記EVOH(1)と、前記変性PEと、前記Ny6とを、この順で共押出しすること(共押出Tダイ法)により、イージーピール層(厚さ10μm)、柔軟層(厚さ42μm)、第1接着層(厚さ12μm)、耐ピンホール層(厚さ37μm)、酸素バリア層(厚さ15μm)、第2接着層(厚さ12μm)及び外層(厚さ22μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)を得た。
<<積層フィルムの評価>>
<酸素透過量の測定>
上記で得られた積層フィルムについて、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、JIS K 7126-2:2006に準拠して、高圧殺菌前の酸素透過量を測定した。結果を表1に示す。
<高圧殺菌後の酸素透過量の測定、酸素透過量変化率の算出>
高圧殺菌前の酸素透過量を測定後の積層フィルムを、水中に浸漬し、水温10℃、圧力600MPa、時間3分の条件で、水中で積層フィルムを高圧殺菌した。次いで、水中から積層フィルムを取り出し、高圧殺菌の終了時から24時間後に、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、JIS K 7126-2:2006に準拠して、この高圧殺菌後の積層フィルムの酸素透過量を測定した。さらに、この測定値と、先に測定した高圧殺菌前の酸素透過量の測定値から、積層フィルムの酸素透過量変化率を算出した。結果を表1に示す。
<ゲルボフレックス試験>
上記で得られた積層フィルムについて、温度23℃、屈曲回数500回の条件で、ASTM F392に準拠して、ゲルボフレックス試験を行った。そして、試験後の前記積層フィルムを目視観察し、積層フィルムにおいて認められるピンホールの数を確認した。結果を表1に示す。
<高圧殺菌適性の評価(高圧殺菌時の破損数の確認)>
(包装体の製造)
包装体の蓋材として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むシーラント層を備えた、幅が420mmである樹脂フィルムを用意した。この蓋材用樹脂フィルムのシーラント層において、シーラント層の総質量に対する、LLDPEの含有量の割合は、99質量%であり、シーラント層の厚さは30μmであった。
深絞り成形機(ムルチバック社製「R-535」)を用いて、上記で得られた、幅が422mmである積層フィルムを、加熱温度95℃、加熱時間2.0秒、成形時間2.5秒の条件で深絞り成形し、凹部を形成することにより、包装体の底材を作製した。
前記底材の凹部内に食肉加工品(ロースハム100g)を配置し、前記蓋材のシーラント層と、前記底材(積層フィルム)のイージーピール層と、を対向させて、前記蓋材と前記底材の間で前記食肉加工品を挟み、前記凹部において、前記蓋材及び底材によって形成された収納部の内部を、温度140℃、真空引き時間2秒の条件で真空引きした。次いで、前記蓋材及び底材の周縁部を、シール温度140℃、シール時間2秒の条件で枠状にシールして、幅1cmの枠シール部を形成することにより、前記枠シール部を備え、さらに、前記枠シール部よりも前記収納部側で、前記食肉加工品と前記枠シール部の間に、前記蓋材及び底材によって形成された、面シール部を備えた、包装体(真空包装体)を作製した。
同じ手順により、前記包装体を10個製造した。
(包装体の高圧殺菌)
上記で得られた包装体を水中に浸漬し、水温10℃、圧力600MPa、時間3分の条件で、水中で包装体を高圧殺菌した。
(高圧殺菌適性の評価)
この高圧殺菌後の10個の包装体を1個ずつ目視観察し、穴あきや破れ等の破損の有無を確認した。破損が認められた包装体の個数(破損数)を表1に示す。
<被包装物の保存安定性の評価>
上記の高圧殺菌適性の評価時に、破損が認められなかった包装体を、大気下、温度10℃の条件で70日間保存した。
次いで、この包装体中に真空包装されている食肉加工品を目視観察し、食肉加工品が変色している包装体が1個も認められない場合には「A」と判定し、1個以上認められる場合には「B」と判定した。結果を表1に示す。
<シール部の剥離強度の測定>
(包装体の製造)
上述の高圧殺菌適性の評価時と同じ方法で、包装体を製造した。
(シール部の剥離強度)
JIS Z 0238:1998に準拠して、上記で得られた包装体の枠シール部の剥離強度と、面シール部の剥離強度と、を測定した。結果を表1に示す。
<<積層フィルムの製造及び評価>>
[実施例2]
低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて47μmとした点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて10μmとした点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて37μmとした点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて20μmとした点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)(EVOH(1)、クラレ社製「L171B」、前記エチレンの共重合比率27モル%)に代えて、エチレン-ビニルアルコール共重合体(2)(EVOH(2)、三菱ケミカル社製「DT2904RB」、前記エチレンの共重合比率29モル%)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて47μmとした点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(2)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて10μmとした点、以外は、実施例4の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて37μmとした点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(2)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて20μmとした点、以外は、実施例4の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例7]
低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて27μmとした点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(2)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて30μmとした点、以外は、実施例4の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例8]
低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて52μmとした点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(2)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて5μmとした点、以外は、実施例4の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例9]
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(2)(LDPE(2)、宇部丸善ポリエチレン社製「F222NH」)に代えて、高密度ポリエチレン(HDPE、プライムポリマー社製「3300F」)を用いた点以外は、実施例4の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例10]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図4に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、イージーピール層を構成する樹脂、柔軟層を構成する樹脂、酸素バリア層を構成する樹脂、外層を構成する樹脂、並びに第1接着層及び第2接着層を構成する接着性樹脂として、それぞれ実施例4の場合と同じもの(LDPE(1)、PP(1)、LDPE(2)、EVOH(2)、Ny6、変性PE)を用意した。
イージーピール層形成用組成物として、実施例4の場合と同じものを製造した。
ダイの温度を250℃とし、前記イージーピール層形成用組成物と、前記LDPE(2)と、前記変性PEと、前記EVOH(2)と、前記変性PEと、前記Ny6とを、この順で共押出しすること(共押出Tダイ法)により、イージーピール層(厚さ10μm)、柔軟層(厚さ79μm)、第1接着層(厚さ12μm)、酸素バリア層(厚さ15μm)、第2接着層(厚さ12μm)及び外層(厚さ22μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)を得た。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表2に示す。
[実施例11]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図1に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、イージーピール層を構成する樹脂、柔軟層を構成する樹脂、酸素バリア層を構成する樹脂、耐ピンホール層を構成する樹脂、及び第1接着層を構成する接着性樹脂として、それぞれ実施例4の場合と同じもの(LDPE(1)、PP(1)、LDPE(2)、EVOH(2)、Ny6、変性PE)を用意した。
外層を構成する樹脂として、ポリプロピレン(2)(PP(2)、住友化学社製「FL8115A」)を用意した。
第2接着層を構成する接着性樹脂として、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン(変性PP、三井化学社製「QF551」)を用意した。
イージーピール層形成用組成物として、実施例4の場合と同じものを製造した。
ダイの温度を250℃とし、前記イージーピール層形成用組成物と、前記LDPE(2)と、前記変性PEと、前記Ny6と、前記EVOH(2)と、前記変性PPと、前記PP(2)とを、この順で共押出しすること(共押出Tダイ法)により、イージーピール層(厚さ10μm)、柔軟層(厚さ42μm)、第1接着層(厚さ12μm)、耐ピンホール層(厚さ37μm)、酸素バリア層(厚さ15μm)、第2接着層(厚さ12μm)及び外層(厚さ22μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)を得た。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表3に示す。
<<積層フィルムの製造及び評価>>
[比較例1]
酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(2)(EVOH(2)、三菱ケミカル社製「DT2904RB」、前記エチレンの共重合比率29モル%)に代えて、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)(EVOH(1)、クラレ社製「L171B」、前記エチレンの共重合比率27モル%)を用いた点以外は、実施例7の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表3に示す。
[比較例2]
酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)(EVOH(1)、クラレ社製「L171B」、前記エチレンの共重合比率27モル%)に代えて、エチレン-ビニルアルコール共重合体(3)(EVOH(3)、クラレ社製「J171B」、前記エチレンの共重合比率32モル%)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表3に示す。
[比較例3]
酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(1)(EVOH(1)、クラレ社製「L171B」、前記エチレンの共重合比率27モル%)に代えて、エチレン-ビニルアルコール共重合体(3)(EVOH(3)、クラレ社製「J171B」、前記エチレンの共重合比率32モル%)を用いた点と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(3)の使用量を変更することにより、酸素バリア層の厚さを15μmに代えて25μmとした点と、低密度ポリエチレン(2)の使用量を変更することにより、柔軟層の厚さを42μmに代えて32μmとした点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2022026118000002
Figure 2022026118000003
Figure 2022026118000004
上記結果から明らかなように、実施例1~11の積層フィルムにおいては、ゲルボフレックス試験で認められたピンホールの数が80個以下(20~80個)で、低水準に抑制されており、これら積層フィルムを用いて製造した包装体においては、高圧殺菌時の破損が認められなかった。このように、実施例1~11の積層フィルムを用いて、食肉加工品を真空包装して得られた包装体は、その高圧殺菌が可能であった。
実施例1~11の積層フィルムを用いて製造した包装体においては、枠シール部の剥離強度が3.8~5.1N/15mmであり、面シール部の剥離強度が1.7~2.4N/15mmであって、さらに、実施例ごとに、枠シール部の剥離強度が面シール部の剥離強度よりも大きかった。
実施例1~11の積層フィルムを用いて製造した包装体においては、70日間保存後に、食肉加工品の変色が認められず、高圧殺菌後の長期保管中での食肉加工品の変色が抑制されていた。
実施例1~11の積層フィルムの前記酸素透過量(高圧殺菌前の酸素透過量)は、0.6ml/(m・24h・atm)以下(0.1~0.6ml/(m・24h・atm))であった。また、実施例1~11の積層フィルムの高圧殺菌後の酸素透過量は、0.65ml/(m・24h・atm)以下(0.12~0.65ml/(m・24h・atm))であった。そして、積層フィルムの酸素透過量変化率は、89.3~120.0%であった。
これに対して、比較例1の積層フィルムにおいては、ゲルボフレックス試験で認められたピンホールの数が110個で、高水準であり、この積層フィルムを用いて製造した包装体においては、高圧殺菌時の破損が認められた。このように、比較例1の積層フィルムを用いて、食肉加工品を真空包装して得られた包装体は、その高圧殺菌を行うのに適していなかった。
比較例2~3の積層フィルムを用いて製造した包装体においては、70日間保存後に、食肉加工品の変色が認められ、高圧殺菌後の長期保管中での食肉加工品の変色が抑制されていなかった。
比較例2~3の積層フィルムの前記酸素透過量(高圧殺菌前の酸素透過量)は、1.1ml/(m・24h・atm)以上(1.1~1.8ml/(m・24h・atm))であった。また、比較例2~3の積層フィルムの高圧殺菌後の酸素透過量は、1.05ml/(m・24h・atm)以上(1.05~1.8ml/(m・24h・atm))であった。そして、積層フィルムの酸素透過量変化率は、99.5~100.0%であった。
本発明は、食品を真空包装する包装体に利用可能である。
1,2・・・積層フィルム
11・・・イージーピール層
15・・・酸素バリア層、
7・・・底材(試験用底材)
70・・・底材の凹部
8・・・蓋材(試験用蓋材)
9・・・被包装物
101・・・包装体(試験用包装体)
101a・・・包装体の収納
1011・・・包装体の枠シール部
1012・・・包装体の面シール部

Claims (7)

  1. 積層フィルムであって、
    前記積層フィルムに対して、ASTM F392に準拠して、温度23℃、屈曲回数500回の条件でゲルボフレックス試験を行ったとき、前記ゲルボフレックス試験後の前記積層フィルムにおいて認められるピンホールの数が100個以下であり、
    JIS K 7126-2:2006に準拠して測定した、温度23℃、相対湿度50%の条件下での、前記積層フィルムの酸素透過量が、1.0ml/(m・24h・atm)以下である、積層フィルム。
  2. 直鎖状低密度ポリエチレンを含むシーラント層を備えた樹脂フィルムからなる試験用蓋材と、被包装物の収納部を構成するための凹部が形成され、前記積層フィルムからなる試験用底材と、を用いて、前記凹部内に前記被包装物を配置し、前記試験用蓋材と前記試験用底材の間で前記被包装物を挟み、前記凹部において、前記試験用蓋材及び試験用底材によって形成された前記収納部の内部を、温度140℃、真空引き時間2秒の条件で真空引きし、次いで、前記試験用蓋材及び試験用底材の周縁部を、シール温度140℃、シール時間2秒の条件で枠状にシールして、枠シール部を形成することにより、前記枠シール部を備え、さらに、前記枠シール部よりも前記収納部側に、前記試験用蓋材及び試験用底材によって形成された、面シール部を備えた試験用包装体を作製し、
    JIS Z 0238:1998に準拠して、前記試験用包装体の前記枠シール部の剥離強度と、前記面シール部の剥離強度と、を測定したとき、前記枠シール部の剥離強度が前記面シール部の剥離強度よりも大きく、前記枠シール部の剥離強度が1.0~8.0N/15mmであり、前記面シール部の剥離強度が0.5~6.0N/15mmである、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記積層フィルムが酸素バリア層を備え、
    前記酸素バリア層が、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含み、
    前記エチレン-ビニルアルコール共重合体において、構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合が、25~30モル%である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記積層フィルムがイージーピール層を備え、
    前記イージーピール層が、低密度ポリエチレンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. 前記積層フィルムに対して、水温10℃、圧力600MPa、時間3分の条件で、水中で高圧殺菌を行ったとき、前記高圧殺菌を行う前の前記積層フィルムの前記酸素透過量に対する、前記高圧殺菌の終了時から24時間後の前記積層フィルムの前記酸素透過量の割合が、150%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の積層フィルムを備えた、包装体。
  7. 前記包装体が、蓋材及び底材を備え、
    前記包装体が、前記蓋材及び底材のシールによって構成されており、
    前記底材が前記積層フィルムからなる、請求項6に記載の包装体。
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