JP2022022594A - チオラクトン化合物及びビオチン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明度の高いチオラクトン化合物の製造方法と、この製造方法により得られたチオラクトン化合物を用いたビオチン誘導体の製造方法とを提供する。【解決手段】下記式で表されるチオラクトン化合物を含む有色体と、酸化剤とを接触させて、下記式で表される、精製されたチオラクトン化合物を含む第1化合物を得ることを含む。TIFF2022022594000014.tif3653式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ベンジル基、又は置換基を有するベンジル基である。【選択図】図1
Description
本発明は、チオラクトン化合物及びビオチン誘導体の製造方法に関する。
チオラクトン化合物は、環状エステルであるラクトン化合物の環を形成する酸素原子を硫黄原子に置き換えた構造を有する化合物である。チオラクトン化合物は、医薬、食品、化粧品をはじめとする各種有用化合物の合成中間体として重要な化合物である。
チオラクトン化合物を合成中間体として活用した合成法の一つとして、以下に表されるビオチン(水溶性ビタミンの一種)の製造法が知られている(非特許文献1)。
上記DTLで表されるチオラクトン化合物は、上記LCTで表されるラクトン化合物と有機硫黄化合物とを反応させて、LCTをチオ化させることにより得られる(Stage 4)。特許文献1には、チオラクトン化合物の粗体を得た後、その純度を高めるために、チオラクトン化合物の粗体を含む溶液を、活性炭処理に供することが記載されている。
Pierre J. de Clercq, "Biotin: A Timeless Challenge for Total Synthesis" Chemical Reviews, 1997, Vol. 97, No. 6.
本発明の目的は、透明度の高いチオラクトン化合物の製造方法と、この製造方法により得られたチオラクトン化合物を用いたビオチン誘導体の製造方法とを提供することにある。なお、本発明において、「透明度が高いチオラクトン化合物」とは、下記の実施例の測定条件で測定した際に、透過率が高いものを指す。
一実施形態によると、チオラクトン化合物の製造方法が提供される。この製造方法は、下記式(1)で表されるチオラクトン化合物を含む有色体と、酸化剤とを接触させて、精製された式(1)で表されるチオラクトン化合物を含む第1化合物を得ることを含む。
式(1)において、式中R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ベンジル基、又は置換基を有するベンジル基である。
他の実施形態によると、ビオチン誘導体の製造方法が提供される。この製造方法は、精製された式(1)で表されるチオラクトン化合物と、下記式(2)で表される亜鉛試薬とを接触させて、下記式(3)で表されるビオチン誘導体を得ることを含む。
式(2)において、R3は、アルキル基又はアラルキル基である。Xは、ヨウ素、臭素、又は塩素である。
式(3)において、R1及びR2は、式(1)におけるものと同義であり、R3は、式(2)におけるものと同義である。
実施形態によると、透明度の高いチオラクトン化合物の製造方法と、この製造方法により得られたチオラクトン化合物を用いたビオチン誘導体の製造方法とが提供される。
実施形態に係る製造方法は、上記式(1)で表されるチオラクトン化合物(以下、チオラクトン化合物とも称する)を含む有色体と、酸化剤とを接触させて、精製された式(1)で表されるチオラクトン化合物を含む第1化合物を得ることを含む。
上述したように、チオラクトン化合物は、下記式(4)に示すラクトン化合物(以下、ラクトン化合物とも称する)をチオ化させることにより得られる。この方法により得られたチオラクトン化合物は、着色された有色体であり得る。すなわち、ラクトン化合物及びチオラクトン化合物は、本来、無色透明ないしは白色の化合物である。しかしながら、ラクトン化合物をチオ化させる工程において、着色成分が副生成物として生じ、この副生成物がチオラクトン化合物の結晶に付着することにより、未精製のチオラクトン化合物は、黒色ないしは褐色に着色されたように見えることがある。
式(4)において、R1及びR2は、式(1)に示すものと同義である。
特許文献1に記載のように、この着色成分は、上記Stage 5に示す、DTLから、DVEで表されるビオチン誘導体を得る工程において、触媒毒となるおそれがある。また、この着色成分は、最終製品の品質に影響を与え得る。したがって、この着色成分が十分に取り除かれた、透明度の高いチオラクトン化合物が求められている。
本発明者は、この着色成分が、R-SH(Rは有機基)で表されるチオールであると推定した。この推定に基づいて、該チオールを除去するために、チオラクトン化合物の有色体と酸化剤とを接触させたところ、チオラクトン化合物の結晶に影響を与えることなく、着色成分を十分に除去し、透明度の高いチオラクトン化合物を得ることに成功した。このことから、前記の推定は正しいものと判断している。すなわち、酸化剤の働きにより、チオールが、R-SO3H(Rは有機基)で表されるスルホン酸へと酸化されたと考えられる。スルホン酸は親水性であるため、反応系内からの除去が容易である。その結果、透明度の高いチオラクトン化合物が得られるものと考えられる。
以下、本発明の詳細を説明する。
<有色体>
有色体は、白色及び無色透明を除く色を有するチオラクトン化合物である。有色体の色は、例えば、黒色、赤色、赤褐色、赤紫色、紫色、橙色、又は褐色である。有色体は、チオラクトン化合物と有色成分とを含み得る。
有色体は、白色及び無色透明を除く色を有するチオラクトン化合物である。有色体の色は、例えば、黒色、赤色、赤褐色、赤紫色、紫色、橙色、又は褐色である。有色体は、チオラクトン化合物と有色成分とを含み得る。
有色体は、典型的には、固体状である。固体状の有色体は、チオラクトン化合物の固体と有色成分とを含み得る。固体状の有色体は、未精製のチオラクトン化合物の固形物であり得る。有色体は、液状であってもよい。液状の有色体は、チオラクトン化合物と、有色成分と、溶剤とを含み得る。液状の有色体は、未精製のチオラクトン化合物が、溶媒に溶解した状態にあり得る。溶媒としては、後述する有機溶媒と同様の種類の溶媒を用い得る。
チオラクトン化合物は、下記式(1)で表される。
式(1)において、式中R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ベンジル基、又は置換基を有するベンジル基である。ベンジル基が有する置換基は、例えば、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ基、及びハロゲン基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。R1及びR2は、ベンジル基であることが好ましい。R1及びR2がベンジル基であるチオラクトン化合物は、ビオチン合成のための中間体として特に好適である。
有色成分は、チオール等の有機硫黄化合物を含むと推定される。有色成分は、黒色、赤色、赤褐色、赤紫色、紫色、橙色、又は褐色を有し得る。
チオラクトン化合物が有色体であることは、目視で確認できる。また、酸化剤処理前のチオラクトン化合物の透明度が、酸化剤処理後の精製されたチオラクトン化合物よりも低ければ、酸化剤処理前のチオラクトン化合物は、有色体であると言える。チオラクトン化合物の透明度は、例えば、分光光度計の透過率で表せる。透過率の測定には、例えば、1gの有色体を、10mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解された溶液を測定試料として用いる。有色体の波長400nmにおける透過率は、一例によると、30%以下であり、他の例によると、20%以下であり、更に他の例によると、0%である。
<有色体の製造方法>
有色体は、例えば、ラクトン化合物のチオ化により得られる。チオ化の方法は特に限定されないが、ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩とを接触させる方法が好ましい。ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩との接触方法には、例えば、以下の(i)~(iii)の方法がある。
有色体は、例えば、ラクトン化合物のチオ化により得られる。チオ化の方法は特に限定されないが、ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩とを接触させる方法が好ましい。ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩との接触方法には、例えば、以下の(i)~(iii)の方法がある。
方法(i):第1反応容器内でチオカルボン酸とアルカリ金属塩とを反応させて、チオカルボン酸アルカリ金属塩を生成し、このチオカルボン酸アルカリ金属塩を第1反応容器から取り出して第2反応容器に投入した後、この第2反応容器にラクトン化合物を投入して、ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩とを接触させる。あるいは、工業的に入手可能なチオカルボン酸アルカリ金属塩を利用する。
方法(ii):第1反応容器内でチオカルボン酸とアルカリ金属塩とを反応させて、チオカルボン酸アルカリ金属塩を生成した後、第1反応容器内にラクトン化合物を投入し、ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩とを接触させる。
方法(iii):第1反応容器内でラクトン化合物とアルカリ金属塩とを混合して混合物を得た後、この混合物にチオカルボン酸を加えることにより、チオカルボン酸アルカリ金属塩を生成して、ラクトン化合物と接触させる。
上記方法(i)~(iii)の何れの方法を用いてもよいが、チオカルボン酸アルカリ金属塩は比較的不安定な物質であるため、収率を高めるという点から方法(ii)又は方法(iii)を用いることが好ましい。また、上記方法(i)~(iii)の何れの方法においても、反応は窒素雰囲気下で行われることが好ましい。
方法(i)~(iii)の何れの方法においても、ラクトン化合物と、チオカルボン酸アルカリ金属塩との反応温度は、例えば、20~200℃とし、好ましくは、80~170℃とし、特に好ましくは100~150℃とする。反応時間は、例えば、0.5~5時間とし、好ましくは0.3~3時間とし、特に好ましくは0.5~2時間とする。
1モルのラクトン化合物に対するチオカルボン酸アルカリ金属塩の量は、例えば、1~3モルであり、好ましくは1~2モルであり、特に好ましくは1~1.8モルである。
チオカルボン酸アルカリ金属塩として具体的には、チオ酢酸ナトリウム、チオ酢酸カリウム、チオ酢酸リチウム等のチオ酢酸アルカリ金属塩;チオ安息香酸ナトリウム、チオ安息香酸カリウム、チオ安息香酸リチウム等のチオ安息香酸アルカリ金属塩等が挙げられる。チオカルボン酸アルカリ金属塩としては、チオ酢酸アルカリ金属塩を用いることが好ましく、チオ酢酸カリウムを用いることがより好ましい。
なお、上記のとおり、チオカルボン酸アルカリ金属塩は、チオカルボン酸とアルカリ金属塩とを反応させることにより生成できる。
チオカルボン酸とアルカリ金属塩との反応温度は、例えば、0~50℃であり、好ましくは5~40℃であり、特に好ましくは10~30℃である。反応時間は、例えば、0.5~4時間であり、好ましくは0.5~3時間であり、特に好ましくは0.5~2時間である。
チオカルボン酸は、アルカリ金属塩と比較して、不安定な物質であり得る。したがって、チオカルボン酸とアルカリ金属塩とは速やかに反応させることが好ましい。チオカルボン酸としては、例えば、チオ酢酸及びチオ安息香酸の少なくとも一方を用いる。チオカルボン酸としては、チオ酢酸を用いることが好ましい。
1モルのラクトン化合物に対するチオカルボン酸の量は、例えば、1モル以上4モル以下であり、好ましくは、1.05モル以上3モル以下であり、より好ましくは、1.10モル以上2モル以下であり、更に好ましくは1.2モル以上2モル以下である。
アルカリ金属塩の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属塩;水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属塩;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸アルカリ金属塩等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩の中でも、チオカルボン酸との反応性、工業的に入手可能な点から、水酸化アルカリ金属塩及び酢酸アルカリ金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、酢酸アルカリ金属塩を用いることがより好ましい。
1モルのチオカルボン酸に対する、アルカリ金属塩の量は、1モル以上6モル以下であることが好ましく、1モルより大きく6モル以下であることがより好ましく、1.1モル以上4モル以下であることが更に好ましい。以上の範囲の中でも、チオカルボン酸を使用する量(モル数)は、前記ラクトン化合物のモル数以上となることが好ましい。
ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩との接触、及び、チオカルボン酸とアルカリ金属塩との接触は、有機溶媒存在下で行われることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、及びN,N-ジメチルイミダゾリジン-2-オン(DMI)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。
ラクトン化合物とチオカルボン酸アルカリ金属塩との反応は、これらの混合物に水を加えることにより終了させることができる。また、この水の添加により、着色されたチオラクトン化合物の析出物、すなわち、有色体が得られる。
<酸化剤>
酸化剤は、有色体を脱色させる。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化アルカリ金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、過硫酸アルカリ金属塩、過硫酸水素アルカリ金属塩、及び過カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。酸化剤としては、過酸化水素を用いることが好ましい。酸化剤として、上記化合物を水に溶解させた酸化剤水溶液を用いてもよい。
酸化剤は、有色体を脱色させる。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化アルカリ金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、過硫酸アルカリ金属塩、過硫酸水素アルカリ金属塩、及び過カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。酸化剤としては、過酸化水素を用いることが好ましい。酸化剤として、上記化合物を水に溶解させた酸化剤水溶液を用いてもよい。
過酸化アルカリ金属塩は、例えば、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化リチウム又はこれらの混合物を含む。過炭酸アルカリ金属塩は、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸リチウム又はこれらの混合物を含む。過硫酸アルカリ金属塩は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸リチウム又はこれらの混合物を含む。過硫酸水素アルカリ金属塩は、過硫酸水素ナトリウム、過硫酸水素カリウム、過硫酸水素リチウム又はこれらの混合物を含む。過カルボン酸は、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過プロピオン酸、過吉草酸、過酪酸、m-クロロ過安息香酸又はこれらの混合物を含む。
1モルの有色体に対する酸化剤の量は、例えば、0.05モル以上2モル以下であり、好ましくは、0.1モル以上1.0モル以下であり、より好ましくは、0.2モル以上0.5モル以下である。
<精製されたチオラクトン化合物の製造方法>
チオラクトン化合物を含む有色体と酸化剤とを接触させることにより、有色体が脱色され、精製されたチオラクトン化合物を含む第1混合物が得られる。すなわち、実施形態に係る製造方法は、チオラクトン化合物の精製方法、あるいは、チオラクトン化合物の脱色方法であるとも言える。
チオラクトン化合物を含む有色体と酸化剤とを接触させることにより、有色体が脱色され、精製されたチオラクトン化合物を含む第1混合物が得られる。すなわち、実施形態に係る製造方法は、チオラクトン化合物の精製方法、あるいは、チオラクトン化合物の脱色方法であるとも言える。
有色体と酸化剤との接触方法は特に限定されない。有色体と酸化剤とを混合して、攪拌することが望ましい。有色体と酸化剤との反応温度は、例えば、0℃以上100℃以下とし、好ましくは5℃以上50℃以下とし、より好ましくは10℃以上40℃以下とする。また、反応時間は、例えば、0.1時間以上72時間以下とし、好ましくは1時間以上48時間以下とし、より好ましくは3時間以上36時間以下とする。
有色体と酸化剤との接触により、チオラクトン化合物が精製されたことは、酸化剤と接触後のチオラクトン化合物の色により目視で確認できる。すなわち、酸化剤と接触後のチオラクトン化合物の色が、有色体よりも薄くなっていれば、チオラクトン化合物を精製できたと言える。精製されたチオラクトン化合物の色は、例えば、赤色、赤褐色、褐色、薄紅色、薄紫色、橙色、薄橙色、黄色、薄黄色、又は白色である。
また、精製されたチオラクトン化合物の透明度は、有色体について記載したのと同様に、分光光度計の透過率で表せる。透過率の測定には、上記と同様の条件で調製したサンプルを用い得る。酸化剤と接触後のチオラクトン化合物の透過率が、有色体の透過率よりも高ければ、酸化剤処理後のチオラクトン化合物は精製されたと言える。
<有機溶媒>
有色体と酸化剤との反応は、有機溶媒存在下で行われてもよい。有色体及び酸化剤の少なくとも一方が溶解可能な有機溶媒を用いることにより、有色体と酸化剤との接触面積が増え、酸化剤の脱色効果がより高まる。有機溶媒を用いる際には、有色体を有機溶媒に溶解させて有色体溶液を得た後、この有色体溶液に酸化剤を加えることが好ましい。
有色体と酸化剤との反応は、有機溶媒存在下で行われてもよい。有色体及び酸化剤の少なくとも一方が溶解可能な有機溶媒を用いることにより、有色体と酸化剤との接触面積が増え、酸化剤の脱色効果がより高まる。有機溶媒を用いる際には、有色体を有機溶媒に溶解させて有色体溶液を得た後、この有色体溶液に酸化剤を加えることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、t-ブチルメチルエーテル(TBME)、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF),N,N-ジメチルアセトアミド(DMA),N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、及びN,N-ジメチルイミダゾリジン-オン(DMI)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。
有機溶媒としては、トルエン及びDMAからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、トルエン及びDMAの混合溶媒を用いることがより好ましい。トルエン及びDMAは、有色体及び酸化剤の溶解性又は親和性が高く、酸化剤の脱色効果がより高まる。
1gの有色体に対する有機溶媒の量は、例えば、0.5mL以上100mL以下であり、好ましくは1mL以上50mL以下であり、より好ましくは5mL以上20mL以下である。
<カルボン酸>
有色体と酸化剤との反応は、カルボン酸存在下で行われてもよい。カルボン酸は、酸化剤と同様に、有色体を脱色し得る。特に、酸化剤として過酸化水素を用いた場合、反応系内でカルボン酸は過カルボン酸へと酸化され得るため、その脱色効果がより高まる。カルボン酸を加える場合には、有色体とカルボン酸とを混合した後、この混合物に酸化剤を加えることが好ましい。
有色体と酸化剤との反応は、カルボン酸存在下で行われてもよい。カルボン酸は、酸化剤と同様に、有色体を脱色し得る。特に、酸化剤として過酸化水素を用いた場合、反応系内でカルボン酸は過カルボン酸へと酸化され得るため、その脱色効果がより高まる。カルボン酸を加える場合には、有色体とカルボン酸とを混合した後、この混合物に酸化剤を加えることが好ましい。
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、吉草酸、酪酸、及びm-クロロ安息香酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これらのカルボン酸は、有機溶媒に溶解し易く、脱色効果をより高め得る。カルボン酸としては、酢酸を用いることがより好ましい。
1モルの有色体に対するカルボン酸の量は、例えば、0.05モル以上20モル以下であり、好ましくは0.1モル以上10モル以下であり、より好ましくは1モル以上5モル以下である。
1モルの酸化剤に対するカルボン酸の量は、例えば、例えば、1モル以上100モル以下であり、好ましくは1モル以上20モル以下である。
<チオラクトン化合物の更なる精製方法>
第1混合物内の精製されたチオラクトン化合物は、例えば、以下の方法で更に精製されることが好ましい。先ず、第1混合物と還元剤とを混合して、第2混合物を得る。第1混合物と還元剤とを混合することにより、酸化剤を除去できる。第2混合物において酸化剤が十分に除去されていることは、例えば、ヨウ化カリウムでんぷん試験紙を用いて確認できる。なお、還元剤の添加は、省略してもよい。
第1混合物内の精製されたチオラクトン化合物は、例えば、以下の方法で更に精製されることが好ましい。先ず、第1混合物と還元剤とを混合して、第2混合物を得る。第1混合物と還元剤とを混合することにより、酸化剤を除去できる。第2混合物において酸化剤が十分に除去されていることは、例えば、ヨウ化カリウムでんぷん試験紙を用いて確認できる。なお、還元剤の添加は、省略してもよい。
第1混合物と還元剤との反応(混合)温度は、例えば、0℃以上100℃以下とし、好ましくは5℃以上50℃以下とし、より好ましくは10℃以上40℃以下とする。また、反応時間は、例えば、0.1時間以上10時間以下とし、好ましくは0.5時間以上5時間以下とする。
1モルの酸化剤に対する還元剤の量は、例えば、1モル以上100モル以下であり、好ましくは1モル以上50モル以下である。
還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、及びハイドロサルファイトナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。還元剤として、上記化合物を水に溶解させた還元剤水溶液を用いてもよい。
次に、第2混合物とpH調整剤とを混合し、pHが6以上8以下である第3混合物を得る。pH調製剤は、主に、第2混合物内に残留した酸を中和するために用いられる。第3混合物のpHは、リトマス紙又はpH測定機により確認できる。pH調製剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。pH調整剤は、上記化合物を水に溶解させたpH調製剤水溶液を用いてもよい。なお、pH調整剤の添加は省略してもよい。第2混合物とpH調製剤との混合温度は、特に限定されないが、例えば、10℃以上40℃以下である。
次に、第3混合物を加熱し、有機層と水層とに分離させる。分離温度は、例えば、40℃以上であり、他の例によると、50℃以上である。分離温度に上限は特にないが、一例によると、80℃以下である。
分離させた有機層を抽出した後、これに水を加えて洗浄する。水を加えた有機層から溶媒を乾燥除去して、残留物を得る。この残留物を精製溶媒に溶解させた後、得られた溶液を所定温度で所定時間にわたって攪拌して、析出物を得る。この析出物を濾過等により取り出し、乾燥させることにより、精製されたチオラクトン化合物の結晶を得られる。
溶液攪拌時の所定温度は、例えば、-40℃以上100℃以下とし、好ましくは-30℃以上50℃以下とし、より好ましくは-20℃以上20℃以下とする。溶液攪拌時の所定時間は、例えば、1時間以上48時間以下とし、好ましくは2時間以上24時間以下とし、より好ましくは3時間以上20時間以下とする。
精製溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、ヘキサン、及びヘプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。精製溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、及びヘプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、トルエンを用いることがより好ましい。
1gの有色体に対する精製溶媒の量は、例えば、1mL以上50mL以下であり、好ましくは1mL以上20mL以下であり、より好ましくは1mL以上10mL以下である。
なお、前記の方法は、第1混合物と還元剤とを混合し、得られた第2混合物とpH調整剤とを混合して、第3混合物とする対応を記載したが、第3混合物は、以下のように調整することもできる。つまり、先ず、第1混合物とpH調整剤とを混合し、得られた第2’混合物と還元剤とを混合して、第3混合物とすることもできる。この場合、pH調整剤、還元剤を混合する際の条件等は、前記に記載した条件と同じである。また、得られた第3混合物の後処理方法も前記と同じである。
以上のような方法を使用できるが、操作性等を考慮すると、第1混合物、第2混合物、および第3混合物とする方が好ましい。
なお、チオラクトン化合物の精製においては、活性炭処理に更に供してもよい。活性炭処理により、有色体中の不純物をより除去できる。すなわち、水を加えた有機層に、活性炭を加えて所定温度で攪拌する。攪拌後、活性炭を加えた有機層から、例えば、セライト濾過等により活性炭を除去して、濾液を得る。セライト濾過後のろ紙をトルエン等を用いて洗浄した後、洗浄に用いたトルエンを濾液に加えてもよい。得られた濾液を、上記の水を加えた有機層の代わりに、精製溶媒を用いて精製することにより、チオラクトン化合物の結晶が得られる。
活性炭として具体的には、白鷺A-1(大阪ガスケミカル株式会社製)、白鷺P(大阪ガスケミカル株式会社製)、精製白鷺-2(大阪ガスケミカル株式会社製)等を用い得る。これらの活性炭の中でも、着色成分の除去効率の高さから、白鷺A-1を用いることが好ましい。
活性炭の量は特に限定されないが、1gの有色体に対して、例えば、0.05g以上2g以下の範囲で用いる。活性炭処理の温度は、例えば、10~110℃とし、好ましくは20~100℃とし、特に好ましくは50~80℃とする。活性炭処理の時間は、例えば、0.1~3時間とし、好ましくは0.2~2時間とし、特に好ましくは0.3~1時間とする。
なお、前記には、第3混合物を使用した有機層を活性炭で処理する方法を記載したが、活性炭で処理する順序は、特に制限されるものではなく、第1混合物、第2混合物、第2’混合物を使用した有機層を活性炭で処理することができる。ただし、最も効率よく着色成分を除去するためには、第3混合物を使用した有機層を活性炭処理することが好ましい。
以上の方法により、不純物が除去され、透明度の高いチオラクトン化合物の結晶が得られる。以上の方法により得られたチオラクトン化合物の結晶の波長400nmにおける透過率は、上記と同一の条件下で、一例によると、50%以上であり、他の例によると、80%以上であり、更に他の例によると、90%以上である。
<ビオチン誘導体の製造方法>
以上の方法で得られた精製されたチオラクトン化合物と、下記式(2)で表される亜鉛試薬とを接触させることにより、下記式(3)で表されるビオチン誘導体を得ることできる。
以上の方法で得られた精製されたチオラクトン化合物と、下記式(2)で表される亜鉛試薬とを接触させることにより、下記式(3)で表されるビオチン誘導体を得ることできる。
式(2)において、R3は、アルキル基又はアラルキル基であり、Xは、ヨウ素、臭素、又は塩素である。
式(3)において、R1及びR2は、式(1)におけるものと同義であり、R3は、式(2)におけるものと同義である。
チオラクトン化合物からビオチン誘導体を製造する方法は、公知の方法を採用できる。例えば、チオラクトン化合物と、上記式(2)で表される亜鉛試薬とを反応させる方法においては、パラジウム及びニッケルの少なくとも一方の触媒存在下で行われてもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<製造例1>
以下の方法により、式(1)に示すチオラクトン化合物を含む有色体を得た。なお、R1及びR2は、ベンジル基とした。
以下の方法により、式(1)に示すチオラクトン化合物を含む有色体を得た。なお、R1及びR2は、ベンジル基とした。
式(4)に示すラクトン化合物 30g(0.093mol)を、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA) 90mL に溶解させて、溶液を得た。この溶液に、チオ酢酸カリウム 15.9g(0.139mol)を加えて、窒素気流下、130℃で1時間にわたって撹拌して反応液を得た。この反応液を10℃まで冷却後、これに水 180mLを15分かけて滴下し、10℃以下で2時間にわたって撹拌して、固形物を析出させた。濾過により析出物を取り出し、これを50℃で17時間にわたって送風乾燥することにより、有色体を得た。目視で確認したところ、有色体は褐色であった。有色体の量は28gであり、単離収率は90%であった。
<実施例1>
以下の方法で、精製された式(1)に示すチオラクトン化合物を得た。
先ず、50mLナズフラスコに、2.00g(5.9mmol)の有色体と、l)、10mLのトルエンと、1mL(1.049g、17.5mmol)の酢酸と、1mLのDMAとを加えて、混合物を得た。この混合物に、0.2mL(1.96mmol、0.33当量)の30質量%過酸化水素水を、20~30℃の温度範囲の環境下で2回に分けて加えた後、24時間にわたって撹拌して、第1混合物を得た。
以下の方法で、精製された式(1)に示すチオラクトン化合物を得た。
先ず、50mLナズフラスコに、2.00g(5.9mmol)の有色体と、l)、10mLのトルエンと、1mL(1.049g、17.5mmol)の酢酸と、1mLのDMAとを加えて、混合物を得た。この混合物に、0.2mL(1.96mmol、0.33当量)の30質量%過酸化水素水を、20~30℃の温度範囲の環境下で2回に分けて加えた後、24時間にわたって撹拌して、第1混合物を得た。
次に、第1混合物に、10mLの10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、室温で1時間にわたって撹拌して、第2混合物を得た。第2混合物について、ヨウ化カリウムでんぷん試験紙を用いて、酸化剤が残留していないことを確認した。第2混合物のpHが6.5に到達するまで飽和重曹水を加えて、第3混合物を得た。
次に、第3混合物の温度を50℃まで昇温させて、有機層と水層とに分離させた。有機層を抽出し、50℃に維持した状態で10mLの水を加えて、有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に、0.1gの活性炭を加え、50℃の温度で1時間にわたって撹拌した。攪拌後、活性炭を加えた有機層をセライトろ過に供し、活性炭等の不要物を取り除き、濾液を得た。セライト濾過後のろ紙を2mLのトルエンで洗浄し、洗浄後のトルエンを濾液に加えた。このようにして、14.11gのセライト濾過後の処理液を得た。
セライト濾過後の処理液を乾燥させて溶媒を除去し、残留物を得た。この残留物を8mLのトルエンに溶解させて、-10℃の温度で1時間にわたって攪拌して、結晶を析出させた。濾過により結晶を取り出して、精製されたチオラクトン化合物を得た。精製されたチオラクトン化合物の量は1.76gであり、収率は88%であり、その色は、白色であった。
<比較例1>
30質量%過酸化水素水の添加を省略したこと以外は、実施例1に記載したのと同様の方法で、精製されたチオラクトン化合物を得た。精製されたチオラクトン化合物の量は1.7gであり、収率は85%であり、その色は、薄黄色であった。
30質量%過酸化水素水の添加を省略したこと以外は、実施例1に記載したのと同様の方法で、精製されたチオラクトン化合物を得た。精製されたチオラクトン化合物の量は1.7gであり、収率は85%であり、その色は、薄黄色であった。
<純度測定>
製造例1で得られた有色体に含まれるチオラクトン化合物、並びに、実施例1及び比較例1で得られた精製されたチオラクトン化合物の純度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
製造例1で得られた有色体に含まれるチオラクトン化合物、並びに、実施例1及び比較例1で得られた精製されたチオラクトン化合物の純度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
その結果、製造例1の有色体のチオラクトン化合物の純度は、98.4%であり、実施例1に係る精製されたチオラクトン化合物の純度は、99.76%であり、比較例1に係る精製されたチオラクトン化合物の純度は、98.4%であった。
HPLC条件を下記にまとめる。
測定波長:210nm
流速:1.0mL/min
移動相:アセトニトリル/水=40/60→100/0(0→20min)
カラム:X Bridge C18(Waters社製)、粒子径5μm、4.8mm×150mm
カラム温度:30℃
保持時間:DTL 8.28min。
流速:1.0mL/min
移動相:アセトニトリル/水=40/60→100/0(0→20min)
カラム:X Bridge C18(Waters社製)、粒子径5μm、4.8mm×150mm
カラム温度:30℃
保持時間:DTL 8.28min。
<透過率測定>
製造例1で得られた有色体、並びに、実施例1及び比較例1で得られた精製されたチオラクトン化合物の波長400nmにおける透過率を、下記測定条件1~3下で測定した。分光光度計としては、分光光度計U-3900H(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いた。
製造例1で得られた有色体、並びに、実施例1及び比較例1で得られた精製されたチオラクトン化合物の波長400nmにおける透過率を、下記測定条件1~3下で測定した。分光光度計としては、分光光度計U-3900H(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いた。
(測定条件1)
1gの試料を、10mLのTHFに溶解させた溶液を測定試料に用いた。試料としては、製造例1で得られた有色体、並びに、実施例1及び比較例1で得られた精製されたチオラクトン化合物を用いた。
1gの試料を、10mLのTHFに溶解させた溶液を測定試料に用いた。試料としては、製造例1で得られた有色体、並びに、実施例1及び比較例1で得られた精製されたチオラクトン化合物を用いた。
その結果、製造例1の有色体の透過率は0%であり、実施例1に係る精製されたチオラクトン化合物の透過率は93.1%であり、比較例1に係る精製されたチオラクトン化合物の透過率は88.2%であった。
(測定条件2)
0.1gの製造例1で得られた有色体を、10mLのTHFに溶解させた溶液を測定試料に用いた。その結果、製造例1の有色体の透過率は82%であった。
0.1gの製造例1で得られた有色体を、10mLのTHFに溶解させた溶液を測定試料に用いた。その結果、製造例1の有色体の透過率は82%であった。
(測定条件3)
2mLの試料と8mLのTHFとを混合した混合物を測定試料に用いた。試料としては、実施例1及び比較例1で得られたセライト濾過後の処理液を用いた。
2mLの試料と8mLのTHFとを混合した混合物を測定試料に用いた。試料としては、実施例1及び比較例1で得られたセライト濾過後の処理液を用いた。
この結果を図1に示す。図1は、測定条件3で得られた実施例1及び比較例1に係る透過率を示すグラフである。図1のグラフにおいて、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。実施例1で得られたセライト濾過後の処理液の400nmにおける透過率は、85.7%であり、比較例1で得られたセライト濾過後の処理液の400nmにおける透過率は、70.1%であった。
以上、HPLC測定及び透過率測定結果を下記表1にまとめる。
上記表1のとおり、酸化剤処理を行った実施例1に係るチオラクトン化合物の透過率は、酸化剤処理を行った比較例1に係るチオラクトン化合物の透過率よりも高かった。また、酸化剤処理を行うことにより、チオラクトン化合物のHPLC測定による純度も高まった。
Claims (9)
- 1モルの前記有色体に対する前記酸化剤の量は、0.05モル以上2モル以下である請求項1に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
- 前記酸化剤は、過酸化水素、過酸化アルカリ金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、過硫酸アルカリ金属塩、過硫酸水素アルカリ金属塩、及び過カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
- 前記有色体と前記酸化剤との接触は、カルボン酸存在下で行われる請求項1乃至3の何れか1項に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
- 1モルの前記有色体に対する前記カルボン酸の量は、0.05モル以上20モル以下である請求項4に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
- 前記カルボン酸は、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、吉草酸、酪酸、及びm-クロロ安息香酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項4又は5に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
- 前記第1混合物と還元剤とを混合することを更に含む請求項1乃至6の何れか1項に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
- 前記第1混合物とpH調整剤とを混合することを更に含む請求項1乃至7の何れか1項に記載のチオラクトン化合物の製造方法。
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JP2020111589A JP2022022594A (ja) | 2020-06-29 | 2020-06-29 | チオラクトン化合物及びビオチン誘導体の製造方法 |
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WO2024080317A1 (ja) * | 2022-10-13 | 2024-04-18 | 株式会社トクヤマ | ヒドロキシビオチン誘導体及びビニルビオチン誘導体の製造方法 |
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2020
- 2020-06-29 JP JP2020111589A patent/JP2022022594A/ja active Pending
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