JP2022021794A - 張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法 - Google Patents

張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022021794A
JP2022021794A JP2020125602A JP2020125602A JP2022021794A JP 2022021794 A JP2022021794 A JP 2022021794A JP 2020125602 A JP2020125602 A JP 2020125602A JP 2020125602 A JP2020125602 A JP 2020125602A JP 2022021794 A JP2022021794 A JP 2022021794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
tension fluctuation
tension
plate thickness
stand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020125602A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7272331B2 (ja
Inventor
和真 竹内
Kazuma Takeuchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2020125602A priority Critical patent/JP7272331B2/ja
Publication of JP2022021794A publication Critical patent/JP2022021794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7272331B2 publication Critical patent/JP7272331B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚の違いや、変形抵抗の差(材質差)があっても、圧延スタンド間の張力変動を精度よく予測し、張力変動を抑制することができる、張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法を提供する。【解決手段】圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更における張力変動予測方法であって、先行材の圧延操業パラメータと、先行材と後行材との圧延操業パラメータの差分値を表す圧延操業変更量パラメータとを入力データとし、先行材と後行材との接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動情報を出力データとした、機械学習により学習された張力変動予測モデルを用いて、接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動量を予測する。【選択図】図2

Description

本発明は、張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法に関する。
連続冷間圧延においては、材質や板厚等の条件が異なる被圧延材を複数溶接し、冷間タンデム圧延機により連続的に圧延する。このような連続冷間圧延では、条件の異なる被圧延材を用いる場合、各圧延スタンドにおける圧下位置(ロールギャップ)が異なるため、各圧延スタンドのロール間を溶接点(接合点)が通過する際に、その圧延スタンドにおけるワークロールの圧下位置を変更して板厚を変更する走間板厚変更が行われる。
通常は、タンデム圧延機の入側に接合点が到達する前に、先行材と後行材との、各パススケジュールに対応したロールギャップ及びロール速度の設定値(先行材においては実績値を用いることもできる。)の差を算出する。なお、先行材のパススケジュールをパススケジュールA、後行材のパススケジュールをパススケジュールBともいう。そして、接合点が各圧延スタンドを通過するタイミングに合わせて、ロールギャップ及びロール速度の変更量(差分量)を、それぞれのロールギャップ制御機及びロール周速制御機の指令値として出力する。
その際、先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚、変形抵抗(材質)等の圧延条件が異なると、走間板厚変更したときにスタンド間張力に大きな変動が生ずる。この張力変動量が大き過ぎると、板破断や絞込み等が発生し、大きな圧延トラブルを引き起こすことになる。さらに、接合点の前後で、板厚や変形抵抗、摩擦係数等の圧延操業パラメータの推定誤差があると、張力変動を増大させてしまう。
これに対して、タンデム圧延機の圧延スタンドにおいて、先行材と後行材との接合点が通過する際の張力変動を抑制しようとする技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ロールギャップの目標値(パススケジュールBに対応したロールギャップの設定値)に向けて制御するのではなく、走間板厚変更の開始時にロールギャップが動作する方向のみを設定し、接合点が通過した後の入側張力が目標張力となった時点でロールギャップ動作を停止する方法が開示されている。これにより、張力変動によるトラブルが低減できることが、特許文献1に開示されている。
特許文献2には、走間板厚変更前後の圧下率を一定に保つことで、マスフロー変化を抑制し、ロール周速の変更量を小さくすることにより張力変動を低減する方法が開示されている。
特許文献3には、圧延操業実績に基づいて摩擦係数や圧延荷重の近似曲線を生成し、その近似曲線から予測される摩擦係数や圧延荷重を用いてロールギャップやロール周速の設定を行うことが開示されている。
特許文献4には、走間板厚変更時の張力変動予測手段として、実際の走間板厚変更時の張力変動を教師データとして学習したニューラルネットワークによる張力変動学習手段が予測する張力変動値に基づいて張力変動の値を決定し、ロールギャップ及びロール周速の設定値をパススケジュールAからパススケジュールBへ変更する走間板厚変更時間(以下、「走変時間」と呼ぶ)を再設定することで、張力変動を抑制する手段が開示されている。また、ニューラルネットワークの入力には、走変時間、走間変更時の圧下量変更量、圧下位置制御応答、主機速度制御応答、鋼種、板厚、板幅等が用いられることが開示されている。
特開2007-61851号公報 特開平8-206712号公報 特開2015-36154号公報 特開平10-249423号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、パススケジュールAからパススケジュールBへのロールギャップの変更をスタンド間張力の実績値を用いたフィードバック制御により行う。このため、パススケジュールAからパススケジュールBへの遷移時間が長くなり、板厚オフゲージが増大するという問題点がある。特に、先行材と後行材との接合点の前後は、前工程である熱間圧延の非定常部に相当するため、板厚や変形抵抗等の変動が大きく、それらが外乱となって効果的な張力抑制手段とはならない。
特許文献2に開示された方法は、圧下率を一定に保つという制約を加えることで張力変動を抑制するものである。しかし、先行材と後行材との母板厚や仕上板厚が大きく異なるような場合には、圧下率を一定に保つことが困難となる場合が多い。特許文献2に記載の方法は、熱間圧延のように仕上圧延機の入側から出側にかけての総圧下率があまり大きく変化しない場合には有効であるが、冷間タンデム圧延のように、先行材と後行材との圧延条件が大きく変化する場合には適用が難しい。
特許文献3に開示された方法は、接合点が圧延スタンドを通過する際の圧延荷重や摩擦係数を操業実績データに基づいて予測するものであり、パススケジュールBに対応したロールギャップやロール速度の設定計算を高精度に行うことが可能となる。しかし、接合点通過時の張力変動は、先行材と後行材との板厚差や変形抵抗差など、接合点前後での圧延条件の変化に依存するため、必ずしも先行材と後行材のパススケジュールに対応したロールギャップやロール速度の設定値を高精度化したからといって、張力変動を抑制できるものではない。
特許文献4には、張力変動を予測する手段として、ニューラルネットワークによる張力変動の学習モデルが開示されている。しかし、上記と同様に、接合点通過時の張力変動は、先行材と後行材との板厚差や変形抵抗差等、接合点前後での圧延条件の変化に依存するのに対して、それらの影響を必ずしも考慮した予測モデルとはなっていないため、張力変動の予測精度が低いという問題点がある。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚の違いや、変形抵抗の差(材質差)があっても、圧延スタンド間の張力変動を精度よく予測し、張力変動を抑制することができる、張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法を提案することを目的としている。
本発明の一態様によれば、圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更における張力変動予測方法であって、前記先行材の圧延操業パラメータと、前記先行材と前記後行材との圧延操業パラメータの差分値を表す圧延操業変更量パラメータとを入力データとし、前記先行材と前記後行材との接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動情報を出力データとした、機械学習により学習された張力変動予測モデルを用いて、前記接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動量を予測する、張力変動予測方法が提供される。
本発明の一態様によれば、圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更における張力変動予測モデルの生成方法であって、前記先行材の圧延操業実績データ及び圧延操業変更量実績データを入力実績データとし、前記先行材と前記後行材との接合点が圧延スタンドを通過した際の張力変動情報を出力実績データとした、複数の学習用データを取得し、前記複数の学習用データを用いた機械学習によって、張力変動予測モデルを生成する、張力変動予測モデルの生成方法が提供される。
本発明の一態様によれば、圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更における張力変動抑制方法であって、前記タンデム圧延機の圧延操業パラメータを決定する際に、前記先行材と前記後行材の接合点が前記タンデム圧延機に到達する前に、上記の張力変動予測方法を用いて、前記接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動量を予測する張力変動量予測工程と、予測された前記張力変動量が所定値以上か否かを判定する張力変動判定工程と、前記張力変動判定工程において、前記張力変動量が所定値以上の場合、(4)式で表される張力変動評価関数の値が小さくなるように、前記後行材の中間スタンドの板厚を再設定する再設定工程と、を備える、走間板厚変更方法が提供される。
Figure 2022021794000002
f:張力変動評価関数、α:重み付け係数、N:スタンド数、i:スタンド番号、Δt:張力変動量
本発明の一態様によれば、上記の走間板厚変更方法を用いて鋼板を製造するステップを含む、鋼板の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚の違いや、変形抵抗の差(材質差)があっても、スタンド間の張力変動を精度よく予測し、張力変動を抑制することができる、張力変動予測方法、張力変動予測モデルの生成方法、走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態における冷間圧延設備を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る張力変動量の推定方法及び圧延操業条件の決定方法を示すフローチャートである。 タンデム圧延機における張力変動を示すグラフである。 張力変動予測モデルの生成方法を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るロールギャップの変更方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
<冷間タンデム圧延機の構成>
図1は、本発明の一態様における冷間連続圧延設備1の一例を示す概略構成図である。なお、図1では、設備に附帯する他の装置(例えば、入側の巻戻機、溶接機およびルーパ、並びに出側の切断機および巻取機等の装置)については図示を省略している。
図1に示すように、冷間連続圧延設備1は、タンデム圧延機2と、タンデム圧延機2を制御する圧延制御コントローラ(PLC)3と、圧延制御コントローラを含む冷間連続圧延設備1を管理する制御用計算機(プロセスコンピュータ)4とを備える。
タンデム圧延機2は、通板方向の入側から順に、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eを有する連続式冷間タンデム圧延機である。
第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの各圧延スタンドには、ワークロール21と、ワークロール21のロール速度を変更する電動機であるロール速度制御装置22と、上下のワークロール21のロールギャップを変更する圧下制御装置23とがそれぞれ設置されている。また、各圧延スタンドの下側のバックアップロールの下にはロードセルからなる圧延荷重検出器24が設けられている。さらに、各圧延スタンドには、圧下位置を検出する圧下位置検出器25が設けられている。さらに、各圧延スタンド間には圧延材の張力を検出する張力計26が設けられている。さらに、第1圧延スタンド2Aの出側及び第5圧延スタンド2Eの出側には、圧延材の板厚を検出する板厚計27が設けられている。
本実施形態では、制御用計算機4は、後述する圧延スケジュールを設定し、接合点が各圧延スタンドを通過する際のロールギャップ及びロール速度の差分指令値を生成する。圧延制御コントローラ3は、制御用計算機4から取得した各値に基づき、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの各圧延スタンドのロール速度制御装置22及び圧下制御装置23を制御するための処理を実行する。
制御用計算機4は、上位計算機から与えられる母材寸法や製品目標寸法等の情報に従って、パススケジュール、各圧延スタンドの圧延荷重及び先進率の予測値、並びにロールギャップ及びロール速度の設定値を計算すると共に、ロールギャップ及びロール速度の接合点通過時の変更量(差分指令値)を算出する。そして、制御用計算機4は、算出されるこれらの値を下位の圧延制御コントローラ3に設定する。圧延制御コントローラ3は、圧延荷重検出器24で検出される圧延荷重や、張力計26からの張力等の圧延データを連続的に収集し、それを制御用計算機4に出力する。また、圧延制御コントローラ3は、走間板厚変更時の接合点のトラッキングを行い、接合点が圧延スタンドを通過するタイミングで所定の制御出力を出力する。
<走間板厚変更方法>
本実施形態に係る走間板厚変更方法では、先行材と後行材とが接合された被圧延材のタンデム圧延機2での圧延において、予め、先行材と後行材との接合点が通過するときの張力変動を推定し、推定される張力変動が許容される所定値以下となるようにロールギャップやロール速度等の圧延操業パラメータを決定する。そして、被圧延を圧延する際に、決定された圧延操業パラメータに基づいて板厚変更を行う。
[張力変動量の推定方法及び圧延操業条件の決定方法]
張力変動量の推定方法及び圧延操業条件の決定方法について、図2を参照して説明する。まず、制御用計算機4は、上位計算機から与えられる冷間圧延の母材コイルの寸法や冷間圧延後の製品目標寸法等の情報に従って、先行材及び後行材のパススケジュール(板厚スケジュール)を設定する(設定工程、S100)。パススケジュールは、先行材及び後行材の各圧延スタンドの圧延後の板厚である。なお、初期に与えられる中間スタンド板厚は任意に設定することができ、経験的に設定された板厚値を設定することができる。
次いで、制御用計算機4は、圧延荷重モデルを用いて、各圧延スタンドの圧延荷重及び先進率の予測値を算出する(S102)。この際、圧延荷重モデルに、設定されたパススケジュールを用いることで予測値が算出される。
圧延荷重モデルによる計算では、母材板厚、各圧延スタンドの出側板厚、変形抵抗、摩擦係数及びワークロール径等の圧延条件から圧延荷重と先進率とが算出される。ここで、圧延荷重は、一般的に使用される2次元圧延理論の近似式が用いられ、(1)式から計算される。
Figure 2022021794000003
ここで、P:圧延荷重(kN)、H:入側板厚(mm)、h:出側板厚(mm)、b:板幅(mm)、k:圧延材の平均変形抵抗(MPa)、R’:扁平ロール半径(mm)、Q:圧下力関数、μ:摩擦係数である。なお、扁平ロール半径R’はHitchcockのロール扁平式が適用され、2次元圧延理論による荷重計算との連立解から求められる。
また、ロール速度と圧延機出側の板速度との比で定義される先進率fも2次元圧延理論から計算される。
ステップS102の後、制御用計算機4は、ロールギャップ及びロール速度の設定値を計算する(圧延制御パラメータ設定工程、S104)。ステップS104では、設定されたパススケジュールに対応する圧延荷重及び先進率の予測値から、ロールギャップ及びロール速度の設定値が算出される。ロールギャップの設定値Sは、ミル定数Kを用いて、(2)式の関係式から求めることができる。
Figure 2022021794000004
これにより、先行材と後行材とがそれぞれ定常状態にあると仮定して、各パススケジュールに対応したロールギャップの設定値が算出される。
一方、ロール速度は、上述の方法で算出された先進率fの予測値を用いて、定常状態のパススケジュールに対して、(3)式が成り立つように各圧延スタンドのロール速度のバランスを決定し、速度基準となる圧延スタンド(例えば最終圧延スタンド)のロール速度設定値に基づき、他の圧延スタンドのロール速度設定値を算出する。
Figure 2022021794000005
ここで、i:スタンド番号、V (i):第i圧延スタンドのロール速度(mm/min)、h(i):第i圧延スタンドの出側板厚(mm)、f (i):第i圧延スタンドの先進率(-)である。
ステップS104の後、制御用計算機4は、接合点が圧延スタンドを通過する際の制御出力として、ロールギャップとロール速度の差分指令値(変更量)を計算する(第1差分指令値生成工程、S106)。ステップS106では、先行材と後行材とが、それぞれ定常状態にあると仮定して、算出されたロールギャップ及びロール速度の設定値(絶対値)から、先行材から後行材への変更量を表す差分指令値が生成される。つまり、ロールギャップにおける差分指令値と、ロール速度における差分指令値とがそれぞれ生成される。これらの差分指令値は、後述する張力変動判定工程を経て(再設定される場合もあるが)、圧延制御コントローラ3に伝送され、走間板厚変更プログラム中の差分指令データとして保存される。
ステップS106の後、制御用計算機4は、ステップS106での算出結果を用いて、張力変動量を予測する(張力変動量予測工程、S108)。ステップS108での張力変動量は、オフライン処理により生成される張力変動予測モデルを用いて推定される。
ここで、タンデム圧延機2における張力変動について、図3(A)~(D)を用いて説明する。図3(A)~(D)のグラフは、各圧延スタンド間において発生した張力を示すものであり、図3(A)は第1圧延スタンド2Aと第2圧延スタンド2Bとの間、図3(B)は第2圧延スタンド2Bと第3圧延スタンド2Cとの間、図3(C)は第3圧延スタンド2Cと第4圧延スタンド2Dとの間、図3(D)は第4圧延スタンド2Dと第5圧延スタンド2Eとの間における張力の時間変化をそれぞれ示す。また、図3において、tは第3圧延スタンド2Cにおいてロールギャップの変更を開始したタイミングである変更開始時間、tは第3圧延スタンド2Cにおいてロールギャップの変更を終了したタイミングである変更終了時間をそれぞれ示す。また、図3において、実線で示すグラフは、通常の走間板厚変更時の測定結果を示す。
本実施形態では、接合点が圧延スタンドを通過する際に、ロールギャップの変更を行っている間の時間中(走変時間)に生じる張力変動における情報を、張力変動情報と定義する。例えば、図3の例では、第3圧延スタンド2Cに関する張力変動情報は、第3圧延スタンド2Cのロールギャップの変更開始時間tから変更終了時間tまでの間で生じる張力変動に関する情報である。変更開始時間tから変更終了時間tまでの間の張力変動情報としては、張力の最大値、最小値、最大値と最小値の差などの数値データを用いることができる。ただし、時系列の張力値を2次元のグラフに表した図形情報などで、張力変動情報を定義してもよい。
図3の実線に示すように、通常の走間板厚変更では、接合点が圧延スタンド(図3の例では第3圧延スタンド)を通過する際の張力変動は、ロールギャップを変更する圧延スタンドの出側(図3(C)で示される張力変動)よりも入側(図3(B)で示される張力変動)で大きな変動が生じる。したがって、張力変動情報としては、ロールギャップ変更を行う圧延スタンドの入側張力の変動情報によって定義するのが好ましい。すなわち、第i圧延スタンドの張力変動情報として、第i圧延スタンドのロールギャップの変更開始時間から変更終了時間の間の、第i圧延スタンドの入側張力の変動情報によって定義するのが好ましい。その際、張力量としては、単位面積当たりの張力を用いてもよく、全張力を用いても構わない。さらに、張力変動情報を数値化して表す場合には、先行材の定常状態の張力設定値に対する変化率として張力変動情報を定義してもよい。その際、通常の走間板厚変更では、張力変動率として-5%~10%程度の範囲に抑えるのが好ましい。
なお、先行材から後行材への走変時間は、各圧延スタンドのロールギャップ変更量とロールギャップの変更速度とに基づいて決定される。ロールギャップの変更速度は固定値として、例えば、油圧圧下で0.94mm/sec、電動圧下で0.47mm/secのように設定することができる。このとき、各圧延スタンドの走変時間は、ロールギャップ変更量の絶対値をロールギャップの変更速度で除した値(|ロールギャップ変更量|÷ロールギャップの変更速度)で計算されてもよい。走変時間は全圧延スタンドで統一するのが望ましいため、各圧延スタンドの走変時間のうち、最も長い走変時間で統一する。
張力変動予測モデルは、実績データである、先行材及び後行材の圧延操業実績データ並びに張力変動の時系列データに基づいて、所定の圧延条件における張力変動を予測する機械学習を用いた予測モデルである。具体的には、張力変動予測モデルは、先行材の圧延操業実績データと、圧延操業変更量実績データとを入力データとして用い、張力変動情報を出力データとして出力するものであり、図4に示す方法で生成される。
(張力変動予測モデルの生成方法)
図4に示すように、張力変動予測モデルは、先行材の圧延操業実績データと、後行材の圧延操業実績データと、張力変動の時系列データとを用いて生成されるものであり、変更量演算部51と、張力変動情報演算部52と、データベース53と、モデル生成部54とを用いて生成される。変更量演算部51、張力変動情報演算部52、データベース53及びモデル生成部54は、計算機のプログラム等で構成されるものであり、冷間連続圧延設備1とは異なる計算機又は制御用計算機4に構成されるものであってもよい。先行材の圧延操業実績データ、後行材の圧延操業実績データ及び張力変動の時系列データは、過去の操業において取得された実績データである。
本実施形態では、先行材の圧延操業実績データとして、板厚及び板幅、変形抵抗、圧延荷重の少なくとも一つの圧延条件に関連する実績データを用いる。また、後行材の圧延操業実績データも、先行材の圧延操業実績データと同様のものである。張力変動の時系列データは、先行材と後行材との接合点が圧延スタンドを通過した際の張力のデータであり、圧延スタンド間に設置された張力計によって測定される。また、上記に例示したように、張力変動の時系列データから、張力変動情報が求められる。
また、先行材と後行材との圧延操業パラメータの差分値を表す圧延操業変更量実績データとして、先行材及び後行材の板厚、板幅、変形抵抗及び圧延荷重の少なくとも一つの操業パラメータ同士の接合点前後における先行材から後行材への差分量を用いる。つまり、差分量として、先行材から後行材への板厚差分量、板幅差分量、変形抵抗差分量及び圧延荷重差分量の少なくとも一つを用いる。圧延操業変更量実績データは、これらの操業パラメータについて、先行材と後行材との差分として算出されるものであり、変動量演算部51が先行材の圧延操業実績データと後行材の圧延操業実績データとから算出する。
張力変動情報演算部52は、張力変動の時系列データから、張力変動情報を求める。
データベース53には、先行材の圧延操業データと、変動量演算部51で算出された圧延操業変更量実績データと、張力変動情報演算部52で得られた張力変動情報とを記憶する。
モデル生成部54は、データベース53に記憶された、複数回の操業実績における、先行材の圧延操業データと、圧延操業変更量実績データと、張力変動情報とから、張力変動予測モデルを生成する。この際、モデル生成部54は、先行材の圧延操業データ及び圧延操業変更量実績データを入力実績データとし、張力変動情報を出力実績データとして、機械学習を用いて張力変動予測モデルを生成する。
機械学習の方法として、公知の学習方法を適用することができる。例えば、機械学習として、ニューラルネットワークなどの公知の機械学習手法を用いることができる。また、他の手法としては、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰、ガウス過程、k近傍法等を用いることができる。ここで、張力変動予測モデルは、最新の学習データを用いて、適宜、更新すればよい。例えば、1か月ごと、あるいは1年ごとに、再学習により新たなモデルに更新してもよい。データベース53に保存されるデータが増えるほど、精度の高い張力変動予測が可能となるからである。
なお、上述の操業実績データに基づいた張力変動予測モデルの生成は、圧延スタンドごとに行うことができる。また、張力変動が大きく破断などのトラブルが生じやすい圧延スタンドに限定して、張力変動予測モデルが生成されてもよい。さらに、スタンド番号を入力データに加えて、任意の圧延スタンドにおける張力変動を予測する単一の機械学習モデルとして、張力変動予測モデルが生成されてもよい。
このような張力変動予測モデルは、先行材の操業パラメータと走間板厚変更における操業パラメータの差分量との両者を入力データとして用いるのが特徴である。これにより、先行材と後行材との組合せについて、単に先行材と後行材の属性情報を用いるだけでなく、その順番も考慮されることになる。つまり、圧延条件Cと圧延条件Cとで特定される、先行材Aと後行材Bとについて、A→Bの順で連続して圧延される場合と、B→Aの順で圧延される場合とでは張力変動挙動が異なる点が予測モデルに反映される。
さらに、その他の圧延操業実績データとしては、圧延条件に関連するパラメータとして摩擦係数や先進率、張力の推定値、張力の設定値等を含めることができる。また、各圧延スタンドの設備条件を表すパラメータとして、ロール径やロール粗さ、ミル剛性等を用いることができる。
そして、ステップS108では、制御用計算機4は、生成した張力変動予測モデルに、ステップS104で算出した先行材の圧延操業条件と、ステップS106で計算した差分指令値とを用いることで、張力変動情報を求める。その後、求めた張力変動情報から、張力変動量Δtを予測する。この張力変動量Δtには、例えば、予測される張力の最大値や最大値と最小値との差等を用いることができる。
ステップS108の後、制御用計算機4は、張力変動量が所定値以上か否かを判定する(張力変動判定工程、S110)。この際、所定値は、用いられる張力変動量Δtやタンデム圧延機2での実績等から、例えば、板破断や絞込み等の圧延トラブルの発生が予測される値として設定される。
ステップS110にて張力変動量が所定値以上と判定された場合、制御用計算機4は、後行材の中間スタンドの板厚を再設定する(再設定工程、S112)。ステップS112では、張力変動評価関数fとして、(4)式で表される値が小さくなるように、後行材の中間スタンド板厚を再設定する。
Figure 2022021794000006
ここで、α:重み付け係数、N:スタンド数である。
重み付け係数αは、圧延スタンドごとに重み付けをするものである。例えば、張力変動が発生することによって板破断等の操業トラブルが生じやすい圧延スタンドの重みを大きくすることで、その圧延スタンドでの張力変動を効果的に抑制できる。
また、中間スタンド板厚とは、第1圧延スタンド2Aの入側板厚(母材厚)と、最終圧延スタンドであるNスタンド(本実施形態の場合、第5圧延スタンド2E)の出側板厚(製品厚)とを除く、第1圧延スタンド2Aから第(N-1)圧延スタンド(本実施形態の場合、第4スタンド2D)の出側板厚を指す。例えば、表1に示す例では、中間スタンドの板厚として、後行材の板厚スケジュールにおいて、第1スタンド2A~第4スタンド2Dの出側板厚が、hb1~hb4からhb1’~hb4’へ変更される。後行材のパススケジュールの中では、母板厚は既に決まっており、仕上板厚は製品厚として変更することはできないが、それ以外の板厚は下流側スタンドの出側板厚が上流側スタンドの出側板厚よりも大きくならない限り任意に設定することができる。
Figure 2022021794000007
このとき、張力変動情報として、接合点の通過に伴う入側張力の変動を用いる場合には、第1スタンド2A入側の張力は、ブライドルロール等による張力制御により概ね一定に制御されるこのため、(5)式を用いて、張力変動評価関数fを算出してもよい。(5)式で示す計算では、接合点が第2スタンドに到達してから、最終スタンドを通過するまでの張力変動が用いられる。
Figure 2022021794000008
張力変動評価関数fを小さくする方法としては、後行材の中間スタンドの板厚を複数仮定して、それらの仮定値の中で、初期の張力変動評価関数fの値より小さくなるような後行材の中間スタンド板厚を決定すればよい。また、予め張力変動評価関数fの許容値を設定して、仮定した後行材の中間スタンド板厚の中で、張力変動評価関数fの値が許容値以下となるものを選択してもよい。張力変動は必ずしもゼロにする必要はなく、板破断など操業上のトラブルが生じない範囲での張力変動は許容される。さらに、後行材の中間スタンドの板厚を変数として、それらの変更可能範囲を制約条件とした、張力変動評価関数fを最小化する最適化問題として、後行材の中間スタンド板厚を求めてもよい。
ただし、張力変動評価関数fの値が許容値よりも小さくなるような中間スタンド板厚が設定できない場合もあるため、その場合には、先行材のパススケジュールと後行材のパススケジュールとの間に中間のパススケジュールを設定する、公知の2段の走間板厚変更を行うことで張力変動を抑制してもよい。
ステップS112の後、制御用計算機4は、ステップS112で再設定された中間スタンドの板厚、つまりパススケジュールに基づいて、接合点が圧延スタンドを通過する際の制御出力として、ロールギャップとロール速度の差分指令値を計算する(第2差分指令値生成工程、S114)。ステップS114での計算においては、ステップS112で再設定されたパススケジュールを用いて、ステップS102~S106と同様な処理が行われることで、差分指令値が算出される。
ステップS110にて張力変動量が所定値未満と判定された場合、又はステップS114の後、制御用計算機4は、先行材におけるロールギャップとロール速度の設定値(パススケジュール)、及び最終的に算出されたロールギャップとロール速度の変更量である差分指令値を、操業に用いる値として設定する(S116)。設定された先行材におけるロールギャップとロール速度の設定値、及び差分指令値を、圧延制御コントローラ3に出力する。圧延制御コントローラ3は、得られた先行材におけるロールギャップとロール速度の設定値、及び差分指令値を、内部に備えられた記憶部等に記憶する。
以上のステップS100~S116の処理が行われることで、ロールギャップ及びロール速度の差分指令値が決定する。
(ロールギャップの変更方法)
本実施形態では、上述のように設定されたロールギャップの差分指令値等に基づいて、圧延制御コントローラ3によるロールギャップの変更が行われる。また、本実施形態では、ロールギャップの変更に合わせて、ロール速度の差分指令値に基づいたロール速度の変更も行われる。図5にロールギャップの変更方法を示す。
被圧延材の圧延が開始されることで、図5の処理フローが開始される。この際、先行材の圧延は、設定されたパススケジュールとなるように、圧延制御コントローラ3がロール速度制御装置22及び圧下制御装置23を制御することで行われる。
ロールギャップの変更では、まず、圧延制御コントローラ3は、被圧延材の接合点のトラッキングを開始して、接合点情報を随時取得する(トラッキング工程、S200)。接合点のトラッキングは、接合点がタンデム圧延機の第1スタンド2A手前の所定距離上流側に設定された位置から開始される。第1スタンド2A通過後は、タンデム圧延機2入側の板速度計(入側ブライドルロールの周速の測定)により、第1スタンド2A入側での材料の搬送距離と板厚とからスタンド間での材料の搬送距離を算出する方法や、先進率の予測値と各スタンドのロール周速の現在値を用いて材料速度を算出し、搬送距離に換算する方法などが適用できる。
次いで、圧延制御コントローラ3は、接合点のトラッキング情報に基づいて、接合点がスタンドを通過したか否かを判定する(S202)。
ステップS200にて接合点がスタンドを通過していないと判定された場合、ステップS202の処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS200にて接合点が圧延スタンドを通過したと判定された場合、圧延制御コントローラ3は、板厚変更点に応じた差分指令値をロール速度制御装置22と圧下制御装置23に出力する(S204)。ステップS204では、ロールギャップ変更量の差分指令値が出力されることで、圧下制御装置23によって圧延スタンドのロールギャップが変更される。また、ロール速度の差分指令値が出力されることで、ロール速度制御装置22によって圧延スタンドのロール速度が変更される。
ステップS200~S204の処理は、圧延スタンドごとに行われる。なお、トラッキング工程は、少なくとも全てのスタンドにおいて接合点が通過するまで随時行われる。これにより、タンデム圧延機2のスタンド間に存在する接合点の位置情報が随時生成され、接合点が次圧延スタンドに到達するタイミングを判定することができる。
なお、上述のロールギャップの変更は、具体的に、圧延制御コントローラ3に設けられた走間板厚変更プログラムによって行われる。走間板厚変更プログラムは、ロールギャップ及びロール速度の差分指令値を記憶し、各圧延スタンドに対してロールギャップ及びロール速度の変更を指令する。
走間板厚変更プログラムによるロールギャップの変更では、接合点が第1スタンド2Aから順次下流側のスタンドに到達したタイミングで、接合点が通過したスタンド情報(スタンド番号等)が、走間板厚変更プログラムに受け渡される。そして、走間板厚変更プログラムは、受け渡されたスタンド情報に応じて、接合点の位置情報に対応した差分指令値を、ロール速度制御装置22及び圧下制御装置23に対して指令を出す、圧延制御コントローラ3に備えられた制御情報出力部に出力する。制御情報出力部は、走間板厚変更プログラムから出力された差分指令データを、新たな制御出力としてロール速度制御装置22及び圧下制御装置23に指令を出す。ただし、制御情報出力工程からの制御出力は、接合点が圧延スタンドを通過したタイミングで更新し、次に制御情報出力工程からの制御出力が更新されるまで制御出力を保持する。
なお、ロール速度制御装置22及び圧下制御装置23に対する制御出力は、接合点がタンデム圧延機2の第1スタンド2Aに到達する前に、各スタンドのロールギャップ及びロール速度の現在値を一旦記憶(ロックオン)し、それを保持する。上記の差分指令値は、このロックオン値に加算されて、ロール速度制御装置22及び圧下制御装置23の制御目標値とされる。
以上の処理によって、走間板厚変更が行われる。本実施形態によれば、タンデム圧延機2で圧延条件が異なる先行材と後行材とを接合し、走間板厚変更を行う際、先行材と後行材との圧延操業条件の差を用いて張力変動を予測することができ、走間板厚変更に伴う板破断や絞り込み等の圧延トラブルを抑止することができる。そして、先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚、変形抵抗等の違いによって張力変動が発生する場合においても、張力変動予測モデルの生成において懸念されるパラメータを考慮することで、張力変動を精度よく予測することができる。また、本実施形態の張力変動予測モデルでは、先行材と後行材との圧延順を考慮することができるようになるため、予測精度をより高めることができる。
また、接合点がタンデム圧延機2に入る前段階で、スタンド間張力の変動を予測できるので、スタンド間張力の変動量が過大になると判断される場合には、圧延速度を低下させたり、後行材の中間スタンド板厚をオペレータによる手介入で適宜修正したりすることが可能となる。また、張力変動が過大になると予測される場合には、警報を発するように警報発生装置に組み込んでもよい。これにより、走間板厚変更中の板破断等の圧延トラブルを未然に防止できるため、安定した生産を行うことが可能となる。
さらに、上記実施形態による走間板厚変更を行うことにより、接合点前後の板厚変動を低減できるので、オフゲージが小さい、歩留まりが良好な鋼板を製造することができる。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、図3に示すタンデム圧延機2は5つのスタンドを有する圧延機としたが、本発明はかかる例に限定されない。タンデム圧延機2のスタンドの数は、2つ以上の複数であればよく、6つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、ステップS110にて張力変動量が所定値以上である場合に、ステップS112の処理を行うとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ステップS110にて張力変動量が所定値以上である場合、ステップS100の処理をさらに行うようにしてもよい。この際、ステップS100では、後行材の中間スタンドの板厚を修正して、パススケジュールを再設定する。このような場合、張力変動量が所定値未満となるまで、ステップS100~S110の処理が繰り返し行われる。
さらに、本発明によれば、上記実施形態に係る走間板厚変更方法を用いて鋼板を製造するステップを含む、鋼板の製造方法が提供される。
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、図1に示した5つのスタンドを有する冷間タンデム圧延機であるタンデム圧延機2を用いた。タンデム圧延機2の使用は以下の通りである。
最高ライン速度:2000mpm(m/min)
ワークロール径:500~600mmφ
バックアップロール径:1300~1400mmφ
なお、圧延荷重検出器24、圧下位置検出器25、張力計26、板厚計27は、図1に示すような位置に設けた。
そして、上記実施形態に係る張力変動予測方法に従って、以下のような条件で溶接点通過時の張力変動予測を行った。
圧延実績データとしては、接合点が圧延スタンドを通過した後の単位断面積当たりの張力変動の最大値と最小値との差を出力実績データとして用い、先行材の圧延操業パラメータとして、各圧延スタンドの出側板厚、変形抵抗及び圧延荷重を用いた。また、圧延操業変更量パラメータには、先行材と後行材との板厚差、変形抵抗差を選択し、これらを学習用データとした。
そして、学習用データとして、操業実績データを1000本分用意し、モデル作成用(学習用)のデータとして900本使用し、残り100本で各圧延スタンドの張力変動の予測精度を検証した。その結果、モデル予測精度(実績/予測)は、標準偏差で0.08であった。
これにより、走間板厚変更を実施する前に圧延スタンド間張力の変動を予測することができ、圧延前に中間スタンドのパススケジュールを再設定することで、板破断や絞り込みによる操業トラブルが10%低減した。
1 冷間連続圧延設備
2 タンデム圧延機
2A~2E 第1圧延スタンド~第5圧延スタンド
21 ワークロール
22 ロール速度制御装置
23 圧下制御装置
24 圧延荷重検出器
25 圧下位置検出器
26 張力計
27 板厚計
3 圧延制御コントローラ
4 制御用計算機
51 変更量演算部
52 張力変動情報演算部
53 データベース
54 モデル生成部

Claims (6)

  1. 圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更における張力変動予測方法であって、
    前記先行材の圧延操業パラメータと、前記先行材と前記後行材との圧延操業パラメータの差分値を表す圧延操業変更量パラメータとを入力データとし、前記先行材と前記後行材との接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動情報を出力データとした、機械学習により学習された張力変動予測モデルを用いて、前記接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動量を予測する、張力変動予測方法。
  2. 前記先行材の圧延操業パラメータには、前記先行材の板厚、板幅、変形抵抗及び圧延荷重の少なくとも一つが含まれ、
    前記圧延操業変更量パラメータには、前記先行材と前記後行材との板厚差、板幅差、変形抵抗差及び圧延荷重差の少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の張力変動予測方法。
  3. 圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更における張力変動予測モデルの生成方法であって、
    前記先行材の圧延操業実績データ及び圧延操業変更量実績データを入力実績データとし、前記先行材と前記後行材との接合点が圧延スタンドを通過した際の張力変動情報を出力実績データとした、複数の学習用データを取得し、
    前記複数の学習用データを用いた機械学習によって、張力変動予測モデルを生成する、張力変動予測モデルの生成方法。
  4. 前記張力変動予測モデルを生成する機械学習として、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、及びサポートベクター回帰から選択された機械学習を用いる、請求項3に記載した張力変動予測モデルの生成方法。
  5. 圧延条件が異なる先行材と後行材とが接合された被圧延材を連続圧延するタンデム圧延機の走間板厚変更方法であって、
    前記タンデム圧延機の圧延操業パラメータを決定する際に、
    前記先行材と前記後行材の接合点が前記タンデム圧延機に到達する前に、請求項1又は2に記載の張力変動予測方法を用いて、前記接合点が圧延スタンドを通過する際の張力変動量を予測する張力変動量予測工程と、
    予測された前記張力変動量が所定値以上か否かを判定する張力変動判定工程と、
    前記張力変動判定工程において、前記張力変動量が所定値以上の場合、(4)式で表される張力変動評価関数の値が小さくなるように、前記後行材の中間スタンドの板厚を再設定する再設定工程と、
    を備える、走間板厚変更方法。
    Figure 2022021794000009
    f:張力変動評価関数、α:重み付け係数、N:スタンド数、i:スタンド番号、Δt:張力変動量
  6. 請求項5に記載の走間板厚変更方法を用いて鋼板を製造するステップを含む、鋼板の製造方法。
JP2020125602A 2020-07-22 2020-07-22 走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法 Active JP7272331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020125602A JP7272331B2 (ja) 2020-07-22 2020-07-22 走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020125602A JP7272331B2 (ja) 2020-07-22 2020-07-22 走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022021794A true JP2022021794A (ja) 2022-02-03
JP7272331B2 JP7272331B2 (ja) 2023-05-12

Family

ID=80220907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020125602A Active JP7272331B2 (ja) 2020-07-22 2020-07-22 走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7272331B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117019885A (zh) * 2023-10-09 2023-11-10 东北大学 一种控制板形的带钢轧制生产方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61273210A (ja) * 1985-05-27 1986-12-03 Nippon Steel Corp タンデム圧延機の走間スケジユ−ル変更方法
JPH07185627A (ja) * 1993-12-28 1995-07-25 Mitsubishi Electric Corp 連続圧延機の走間板厚変更方法
JPH10249423A (ja) * 1997-03-07 1998-09-22 Toshiba Corp 走間板厚変更設定制御装置及び設備仕様決定支援装置
JPH11290920A (ja) * 1998-04-10 1999-10-26 Kawasaki Steel Corp 圧延機の走間変更制御方法及びその装置
JP2015051444A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 Jfeスチール株式会社 タンデム圧延機の制御方法及び制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61273210A (ja) * 1985-05-27 1986-12-03 Nippon Steel Corp タンデム圧延機の走間スケジユ−ル変更方法
JPH07185627A (ja) * 1993-12-28 1995-07-25 Mitsubishi Electric Corp 連続圧延機の走間板厚変更方法
JPH10249423A (ja) * 1997-03-07 1998-09-22 Toshiba Corp 走間板厚変更設定制御装置及び設備仕様決定支援装置
JPH11290920A (ja) * 1998-04-10 1999-10-26 Kawasaki Steel Corp 圧延機の走間変更制御方法及びその装置
JP2015051444A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 Jfeスチール株式会社 タンデム圧延機の制御方法及び制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117019885A (zh) * 2023-10-09 2023-11-10 东北大学 一种控制板形的带钢轧制生产方法
CN117019885B (zh) * 2023-10-09 2023-12-12 东北大学 一种控制板形的带钢轧制生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7272331B2 (ja) 2023-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101683659B (zh) 冷轧带钢平直度和横向厚差综合控制方法
CN101678418B (zh) 可逆式轧钢机的板厚控制装置
CN101934292A (zh) 热轧带钢粗轧机组镰刀弯和楔形自动控制方法
JP2009208115A (ja) 圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置
US10095199B2 (en) Energy consumption predicting device for rolling line
CN105665449B (zh) 连轧机的控制装置和连轧机的控制方法
EP3332883B1 (en) Metal thickness control model based inferential sensor
JP7272331B2 (ja) 走間板厚変更方法及び鋼板の製造方法
CN102380515B (zh) 同步传输模型及其方法
JP6628049B2 (ja) タンデム圧延機における走間板厚変更方法
JP5077437B2 (ja) 冷間タンデム圧延機の圧延速度制御方法
JP2009160599A (ja) 圧延材の温度予測方法、圧延材の冷却装置の制御方法、及び連続圧延設備
JP6652097B2 (ja) 走間板厚変更方法および走間板厚変更装置
Pittner et al. Optimal control of tandem cold rolling using a pointwise linear quadratic technique with trims
US6220068B1 (en) Process and device for reducing the edge drop of a laminated strip
JP7211386B2 (ja) モデル学習方法、走間板厚変更方法、鋼板の製造方法、モデル学習装置、走間板厚変更装置および鋼板の製造装置
JP2012121063A (ja) タンデム圧延機の制御方法及び制御装置
JP7310780B2 (ja) 走間板厚変更における張力変動予測方法、走間板厚変更方法、鋼帯の製造方法、走間板厚変更における張力変動予測モデルの生成方法、及び走間板厚変更における張力変動予測装置
JP2002172406A (ja) 圧延機の板厚補正方法
JPH048122B2 (ja)
JP5811077B2 (ja) タンデム圧延機のライン加速時の最高圧延速度設定支援方法及び装置
JP5385643B2 (ja) 多段圧延機における板厚制御方法及び板厚制御装置
JP5928377B2 (ja) 熱間圧延材の冷却制御方法
JP7276267B2 (ja) 走間板厚変更方法
JP2023163603A (ja) 制御システムおよび制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7272331

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150