JP2022019972A - 疲労感軽減用または凝り改善用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、疲労感の軽減、または凝りの改善に効果的な組成物および剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、ケルセチン配糖体を有効成分として含有する、疲労感軽減用または凝り改善用組成物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、疲労感軽減用または凝り改善用組成物、疲労感軽減剤および凝り改善剤に関する。
首、肩および腰等の凝りは筋肉が硬くなってその部分が重く感じられることであり、疲労感につながる。疲労感は活動意欲や身体活動量の低下を引き起こすため、大きな社会問題となっている。特にVDT(Visual Display Terminals)作業の多いオフィスワーカーは長時間同じ姿勢で作業することにより、首、肩および腰等の疲労感を強く感じており、作業効率の低下につながっている。
凝りの原因は様々であるが、主な原因として、例えば、(1)VDT作業等による目の疲れが原因で、その結果交感神経が興奮状態になり、血管が収縮して血液の循環が悪くなる、(2)長時間同じ姿勢や無理な姿勢をとることにより筋肉が緊張した結果、血液の循環が悪くなる、(3)精神的な緊張により交感神経が優位になり、筋肉内の血管が収縮し、筋肉を使ってないにもかかわらず、血行が悪くなり筋肉に老廃物が溜まる、等が挙げられる。
疲労感および凝りを解消するための方法としては、針、灸等による方法、マッサージまたは温熱による血流の改善等があるが、その多くは自宅や外出先で簡単に行うことができない。また、薬用浴剤や浴用剤組成物(特許文献1および2)は疲労感および凝りを改善するためには有効であるが、突発的に起こる首・肩・腰の凝り等の症状を改善するために有効であるとは言えない。
血行促進剤を配合した湿布剤(特許文献3)の貼付等は疲労感または凝りの改善に有効である。しかしながら、湿布剤の持つ特有のにおいが倦厭され、また長時間の使用により肌への刺激およびかぶれ等を生じさせるため、使用が好まれないのが現状である。
また、医薬品および食品などの形態で摂取する組成物として、特許文献4には、カシス濃縮物と、アミノ酸および有機酸からなる群より選択される少なくとも1種とを含んでなる、血流改善作用を有する組成物が開示されている。また、特許文献5には、ベリー類果実と有機酸成分とを有効成分とする血管拡張剤が開示されている。しかしながら、カシスやベリー果実中のアントシアニンの安定性が悪く食品へ利用しにくいという問題がある。
したがって、疲労感の軽減および凝りの改善に有効な食品、医薬品などQOL(Quolity of Life)の向上が期待される商品が望まれている。
特開平09-025226号公報 特開平11-158058号公報 特開2000-072615号公報 特開2004-262878号公報 国際公開第2010/092941号
本発明は、疲労感の軽減、または凝りの改善に効果的な組成物および剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、ケルセチン配糖体が、首、肩および腰の凝りを改善する作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の発明を提供する。
[1]ケルセチン配糖体を有効成分として含有する、疲労感軽減用、または凝り改善用組成物。
[2]ケルセチン配糖体がα-グルコシルルチンである[1]に記載の疲労感軽減用、または凝り改善用組成物。
[3]α-グルコシルルチンがα-モノグルコシルルチンである[2]に記載の疲労感軽減用、または凝り改善用組成物。
[4]ケルセチン配糖体を有効成分として含有する疲労感軽減剤。
[5]ケルセチン配糖体を有効成分として含有する凝り改善剤。
[6]ケルセチン配糖体がα-グルコシルルチンである[4]に記載の疲労感軽減剤。
[7]ケルセチン配糖体がα-グルコシルルチンである[5]に記載の凝り改善剤。
[8]α-グルコシルルチンがα-モノグルコシルルチンである[6]に記載の疲労感軽減剤。
[9]α-グルコシルルチンがα-モノグルコシルルチンである[7]に記載の凝り改善剤。
本発明の組成物および剤は、単回投与および短時間で優れた凝り改善作用を奏して疲労感を軽減し、肉体的および精神的な健康の維持、増進に有用である。
図1Aは、ケルセチン配糖体が首・肩の凝りの改善作用を有することを示す図である。また図1Bは、ケルセチン配糖体が腰の凝りの改善作用を有することを示す図である。 図2は、ケルセチン配糖体が毛様体筋の緩和作用を有することを示す図である。
本発明の疲労感軽減用または凝り改善用組成物(以下、本発明の組成物とも略す)並びに本発明の疲労感軽減剤および凝り改善剤(以下、本発明の剤とも略す。)はケルセチン配糖体を有効成分として含有する。
本発明において、「ケルセチン配糖体」は、ポリフェノールの一種であるケルセチンの配糖体を示し、これは下式(I)で表される。
Figure 2022019972000002
式(I)中、(X)nは糖鎖を表し、nは1以上の整数である。
ここで、ケルセチンにグリコシド結合で結合するXで表される糖鎖を構成する糖としては、例えば、グルコース、ラムノース、ガラクトース、グルクロン酸等が挙げられ、特にグルコースおよびラムノースが好ましい。また、nは1以上であれば特に制限されないが、好ましくは1~16、さらに好ましくは1~8である。nが2以上であるとき、X部分は1種類の糖鎖からなっていてもよく、複数の糖鎖からなっていてもよい。
ケルセチン配糖体には、既存のケルセチン配糖体を酵素などで処理して糖転移させたものも含まれる。ケルセチン配糖体としては、具体的には例えば、ルチン、グルコシルルチン、クエルシトリン、イソクエルシトリンが挙げられる。
本発明の一態様においては、ケルセチン配糖体に包含される一の化合物を単独で用いてもよいし、複数の化合物を混合して用いてもよい。ケルセチン配糖体の由来については特に制限されず、例えば、ケルセチンまたはケルセチン配糖体を多く含む植物として、ソバ、エンジュ、ケッパー、リンゴ、茶、タマネギ、ブドウ、ブロッコリー、モロヘイヤ、ラズベリー、コケモモ、クランベリー、オプンティア、葉菜類、柑橘類等が挙げられる。
また、ケルセチン配糖体は、天然由来の抽出物を、濃縮、精製糖の操作によってケルセチン配糖体濃度を高めたもの、例えば、ケルセチン配糖体含有抽出物の、濃縮物または精製物を用いることができる。濃縮方法または精製方法は、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の一態様においては、ケルセチン配糖体として、α-グルコシルルチンを用いることが好ましい。α-グルコシルルチンは、「酵素処理ルチン」(「糖転移ルチン」と呼ばれることもある。)として知られている製品に主成分として含まれている化合物であって、下式(II)で表される構造を有する化合物、すなわちルチンが有するルチノース残基中のグルコース残基に、α1→4結合により1または複数(2~20程度)のグルコースが結合した化合物である。
本明細書において、α-グルコシルルチンのうち、グルコースが1つだけ結合したものを「α-モノグルコシルルチン」と称し、グルコースが2つ以上結合したものを「α-ポリグルコシルルチン」と称する。
つまり、下式(II)において、α-グルコシルルチンは一般的にnが1~20の化合物であり、α-モノグルコシルルチンはnが1の化合物であり、α-ポリグルコシルルチンは一般的にnが2~20の化合物である。
Figure 2022019972000003
α-モノグルコシルルチンであっても、本発明の組成物または剤の作用効果およびα-グルコシルルチンについての一般的な作用効果は問題なく発揮され、α-モノグルコシルルチンの分子量はα-ポリグルコシルルチンの分子量よりも小さいため、単位質量あたりの分子数はα-モノグルコシルルチンの方が多くなり、作用効果の上で有利であると考えられる。したがって、α-グルコシルルチンの一部または全部は、α-モノグルコシルルチンであることが好ましい。
酵素処理ルチンは、α-グルコシル糖化合物(サイクロデキストリン、澱粉部分分解物など)の共存下で、ルチンに糖転移酵素(サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase、EC2.4.1.19)など、ルチンにグルコースを付加する機能を有する酵素)を作用させることにより得られる生成物(以下、第1酵素処理ルチンとも略す。)である。
第1酵素処理ルチンは、結合したグルコースの個数が異なる様々なα-グルコシルルチン、すなわちα-モノグルコシルルチンおよびそれ以外のα-グルコシルルチンからなる集合体と、未反応物であるルチンとを含有する組成物である。必要に応じて、例えば多孔性合成吸着材と適切な溶出液を用いて、第1酵素処理ルチンを精製することにより、糖供与体およびその他の不純物を除去し、さらにルチンの含有量を減らし、α-グルコシルルチンの純度を高めた第1酵素処理ルチン(α-グルコシルルチン精製物)が得られる。
また、第1酵素処理ルチンを、α-1,4-グルコシド結合をグルコース単位で切断するグルコアミラーゼ活性を有する酵素、たとえばグルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)で処理し、複数のグルコースが付加されたα-グルコシルルチンにおいて、ルチン自体の(ルチノース残基中の)グルコース残基に直接付加されたグルコース残基を1つだけ残してそれ以外のグルコース残基を切断することにより、α-モノグルコシルルチンを多く含有する酵素処理ルチン(以下、第2酵素処理ルチンとも略す。)を得ることができる。この酵素処理によって、ケルセチン骨格に直接結合しているルチノース残基中のグルコース残基が、ケルセチン骨格から切断されることはない。
α-グルコシルルチンは、例えば東洋精糖社製の商品名「αGルチンPS」、商品名「αGルチンP」、商品名「αGルチンH」などに主成分として含まれている。これら商品は、α-モノグルコシルルチンを10~90重量%含有する組成物である。
前記組成物は、(i)上述した第1酵素処理ルチンを調製する、(ii)第1酵素処理ルチンを、グルコアミラーゼ活性を有する酵素で処理し、α-グルコシルルチンをほとんど全てα-モノグルコシルルチンに変換する、という手順により製造することができる。
本発明の組成物または剤における有効成分であるケルセチン配糖体の含有量は、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上である。上限は特に限定されないが、通常90質量%以下であることが好ましい。
なお、本発明の組成物または剤に含まれるα-グルコシルルチン等の成分は、HPLCのクロマトグラムによって確認することができ、各成分の含有量、または特定の成分の純度はクロマトグラムのピーク面積から算出することができる。
本発明の組成物または剤における有効成分であるケルセチン配糖体の有効量は、経口摂取(経口投与)の場合、被験者の状態や年齢にもよるが、例えば、成人1人につき、1日当たり好ましくは10~2500mgが好ましく、50~1000mgがより好ましく、100~500mgがさらに好ましい。
上記量を1日1回摂取(投与)してもよいし、1日に複数回に分けて摂取(投与)してもよい。本明細書において、「有効量」とは、被験者の疲労感を軽減するのに、又は凝りを改善するのに有意な量を意味する。当該有意な量は、本明細書の実施例の記載等を参酌して、当業者が適宜設定することができる。
本発明の剤は、サプリメント等としてそのまま摂取(投与)してもよいし、飲食品等の組成物に疲労感軽減作用および凝り改善作用の少なくとも一方を付与するための添加剤として使用してもよい。また、本発明の組成物には、有効成分であるケルセチン配糖体をそのまま、又はケルセチン配糖体を含む剤の形態で配合することができる。
本発明の剤を、疲労感軽減作用および凝り改善作用の少なくとも一方を付加するための添加剤として配合し得る組成物、および本発明の組成物としては、特に制限されず、例えば、飲食品、医薬組成物が挙げられる。
本発明において、飲食品には、美容食品・健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示を付した食品、又は病者用食品のような分類のものも包含される。疾病リスク低減表示としては、例えば、疲労感および/または凝りを軽減、改善、治療、緩和および/または抑制するためのものである旨の表示が挙げられる。
飲食品の具体例としては、例えば、サプリメント類;飯類、餅類、麺類、パン類及びパスタ類等の炭水化物含有飲食品;クッキー及びケーキなどの洋菓子類、饅頭及び羊羹等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、並びにゼリー、ヨーグルト及びプリンなどの冷菓又は氷菓などの各種菓子類;ジュース、清涼飲料、乳飲料、茶飲料、ゼリー飲料、粉末飲料、機能性飲料、栄養補助飲料及びノンアルコールビール等の各種飲料;ビール及び発泡酒等のアルコール飲料;スープ、味噌汁及びお吸い物などの液状飲食品;卵を用いた加工品、及び魚介類又は畜肉の加工品;調味料;などが挙げられる。
また、本発明における飲食品は、上記有効成分の他、栄養補助成分などの他の成分を含むことができる。かかる成分としては、例えば、ビタミン類、ミネラル類、各種植物体並びにその抽出物、精製物及び分画物、微生物並びにその増殖因子及び微生物生産物、食物繊維及びその酵素分解物、動物体並びにその抽出物、精製物、分解物及び生産物、各種オリゴ糖、脂質、各種タンパク質並びにタンパク分解物などが挙げられる。
本発明における医薬組成物は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。
本発明の組成物または剤は、本発明の所望の効果を得られる限り、摂取(投与)経路は特に限定されない。例えば、経口(例えば、口腔内、舌下など)、非経口(例えば、点眼、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、経鼻、経肺など)等の経路が挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない経路が好ましく、経口がより好ましい。
経口摂取(経口投与)の場合の本発明の組成物または剤の一態様としては、例えば、例えば、粉末、細粒、顆粒、カプセル、サシェ、錠剤、タブレット、ボーラス、ロゼンジ等の固体態様;水溶液、エキス、懸濁液、シロップ、エリキシル、エマルジョン、分散体等の液体態様;半液体状、クリーム状、ペースト状等の態様が挙げられる。
本発明の組成物または剤は、ピルの形態(カプセル中の粉末又は濃縮液)、又は(粉末茶を飲むのと同様に)水やお湯等の液体に入れたり又は溶かしたりした後で摂取され得る粉末形態や顆粒形態(フリーズドライ顆粒を含む)で摂取(投与)してもよい。
非経口投与の場合の本発明の組成物または剤の一態様としては、例えば、水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散体等の液体などの点眼剤または組成物;半液体状、クリーム状、ペーストなどの眼科用剤または組成物;水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散体等の液体などの点滴剤または組成物;水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散体等の液体などの静脈内注射剤若しくは組成物、筋肉内注射剤若しくは組成物又は皮下注射剤若しくは組成物;水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散体等の液体などの経皮投与剤または組成物;水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散体等の液体、粉末、細粒などの経鼻投与剤若しくは組成物または経肺投与剤若しくは組成物;直腸坐剤若しくは組成物または膣坐剤若しくは組成物などの坐剤若しくは組成物などの態様が挙げられる。
本発明の組成物または剤は、ケルセチン配糖体に加えて、固形剤形または液体剤形を製造するのに用いられている慣用の任意の補助成分、例えば、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤、着色剤、矯味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑択剤、懸濁剤、防腐剤、酸化防止剤などの1種以上を含有してもよい。
本発明の組成物または剤を摂取(投与)するタイミングは、特に限定されるものではないが、本発明の組成物または剤は即効性があることから、疲労感、首・肩・腰の凝りおよび/または筋肉疲労を感じた時に摂取(投与)するのが好ましい。また、疲労感、首・肩・腰の凝りおよび/または筋肉疲労を感じやすい時間帯(例えば、夕方)またはVDT作業前後等に摂取(投与)することが好ましい。
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の実施態様は本実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
VDT作業による凝りに対する改善効果を評価するため、以下に示すように、プラセボ対照二重盲検比較クロスオーバー法を用いて、成人男女18名について、主観指標(視覚的評価スケール、以下VASとも略す)および客観指標[遠方視(調節安静時)の調節微動高周波成分の出現頻度、High Frequency Component1、以下HFC1とも略す]について評価した。
実験スケジュールは下記の通りとした。
・午前9時~9時20分:PCを見ずにアイマスクをして休憩し、休憩の最後の5分間音楽を聴く。
・午前9時20分:1回目のVASアンケートを実施。
・午前9時20分~午前9時30分:1回目のHFC1測定。
・午前9時30分:サンプルを摂取。
・午前9時30分~午前10時:VDT負荷。
・午前10時:2回目のVASアンケートを実施。
・午前10時~午前10時10分:2回目のHFC1測定。
・午前10時10分~午前10時30分:PCを見ずにアイマスクをして休憩し、休憩の最後の5分間音楽を聴く。
・午前10時30分~午前10時40分:3回目のHFC1測定。
VDT作業は、目から30cmの距離になる位置にパソコンのモニターを設置し、英字のタイピング作業を30分間実行した。サンプルとしては、被験食品(α-モノグルコシルルチン187.5mgを含有するケルセチン配糖体配合ハードカプセル)、対照食品(ケルセチン配糖体非配合ハードカプセル)を用意し、9時30分に各カプセルを2粒摂取した。被験食品および対照食品のハードカプセルの内容物処方について表1に示す。
Figure 2022019972000004
VASアンケートは、「首・肩の凝り」および「腰の凝り」の項目について、10cmの線分の左端から回答した斜線位置までの長さを測定し、回答値とした。回答値は、10が最良、0を最悪とし、より値が高い方が改善を意味する。即ち、「首・肩の凝り」および「腰の凝り」の項目について、「非常に凝る」が最悪の状態、「全く凝りはない」が最良の状態である。「首・肩の凝り」および「腰の凝り」について、VASアンケートにより評価した結果をそれぞれ図1Aおよび図1Bに示す。
またHFC1測定について、毛様体筋の緊張状態をオートレフケラトメーターARK-560(ニデック社製)および眼調節機能解析ソフトウェアAA-2(ニデック社製)を用いたHFC1の値を評価した。結果を図2に示す。
図1Aおよび図1Bに示すように、VASスケールによる首・肩の凝りおよび腰の凝りの自覚症状の評価において、対照食品を摂取した群では有意な変化が表れなかったのに対し、被験食品を摂取した群は対照食品を摂取した群と比較して、負荷後から休憩後においてVASスケールが有意に向上した。この結果から、ケルセチン配糖体の摂取により、疲労感が軽減および/または凝りが改善することが示された。
また、図2に示すように、HFC1測定による毛様体筋の緊張度の評価において、被験食品を摂取した群は対照食品を摂取した群と比較して、摂取前および負荷後から休憩後におけるHFC1の値が有意に低下した。この結果から、ケルセチン配糖体の摂取により、毛様体筋が弛緩して緊張状態が緩和され、交感神経と副交感神経のバランスが整うことにより、疲労感が軽減および/または凝りが改善される可能性が示唆された。
本発明の組成物または剤は、単回投与および短時間で疲労感を軽減および/または凝りを改善する効果を有する。この特徴から、本発明の組成物または剤は、疲労感および/または凝りを軽減、改善、治療、緩和および/または抑制するための新たな飲食品、医薬組成物などに利用されることが期待される。

Claims (3)

  1. ケルセチン配糖体を有効成分として含有する、疲労感軽減用、または凝り改善用組成物。
  2. ケルセチン配糖体がα-グルコシルルチンである請求項1に記載の疲労感軽減用、または凝り改善用組成物。
  3. α-グルコシルルチンがα-モノグルコシルルチンである請求項2に記載の疲労感軽減用、または凝り改善用組成物。
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