JP2022013699A - 作業機 - Google Patents

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祐史 福田
Yuji Fukuda
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Abstract

Figure 2022013699000001
【課題】作業性を向上させつつ、エンジンストールの防止を行うことができるようにする。
【解決手段】作業機は、原動機と、原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、前記走行ポンプを作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な作動弁と、前記作動弁の出力するパイロット油のパイロット圧を、前記第1速度と前記第2速度とで異なる値となるように制御する制御装置と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機に関する。
特許文献1は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機においてエンジンストールを防止する技術を開示している。
特許文献1に開示の作業機は、エンジンと、エンジンの動力により駆動するHSTポンプと、HSTポンプを操作する走行操作装置と、走行操作装置の一次側の圧力である走行一次側圧力を制御する圧力制御弁と、圧力制御弁を制御する制御装置とを備えている。
この制御装置は、エンジンに負荷が加わっていない無負荷時に採用する無負荷時特性線と、エンジンに所定以上の負荷が加わったときに採用するドロップ特性線とに基づいて、圧力制御弁を制御する。特許文献1に開示の作業機は、この圧力制御弁の制御を通して、エンジンストールを防止するとしている。
言い換えると、特許文献1に開示の作業機は、作業機に所定以上の走行負荷が加わったときに圧力制御弁を制御して走行一次側圧力を急激に低下させることにより、エンジン回転数の低下をできるだけ少なくする。この構成によって、エンジンストールの防止を図っている。
特開2013-036274号公報
特許文献1に開示の技術では、作業機の走行に関係なく、エンジンに所定以上の負荷が加わったときに、走行操作装置の一次側の圧力である走行一次側圧力を制御してエンジンストールを防止する。例えば、一般的に作業機は、作業を実施している最中に走行モータを1速又は2速などに変速することがある。この変速時にエンジンストールを防止する制御が実行されると、従来の作業機では作業性が低下することがあった。
本発明は、作業性を向上させつつ、エンジンストールの防止を行うことができる作業機を提供することを目的とする。
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
本発明の一態様による作業機は、原動機と、原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、前記走行ポンプを作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な作動弁と、前記作動弁の出力するパイロット油のパイロット圧を、前記第1速度と前記第2速度とで異なる値となるように制御する制御装置と、を備える。
前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるか又は前記第2速度であるかに基づいて、前記パイロット圧を制御する。
前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときに、前記原動機の回転数に基づいて前記第1速度であるときのパイロット圧である第1速パイロット圧を制御し、且つ、前記走行モータの回転速度が前記第2速度であるときに前記原動機の回転数に基づいて前記第2速度であるときのパイロット圧である第2速パイロット圧を制御する請求項2に記載の作業機。
前記制御装置は、前記第2速パイロット圧を、前記第1速パイロット圧よりも低い値となるように制御する。
上述の作業機は、前記原動機の目標回転数を決定するアクセルと、前記原動機の実回転数を検出する回転検出装置と、を備え、前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、前記パイロット圧を制御する。
前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、前記実回転数に基づいて前記パイロット圧を設定する。
前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときに、前記原動機の実回転数に基づいて前記第1速度であるときのパイロット圧である第1速パイロット圧を制御し、且つ、前記走行モータの回転速度が前記第2速度であるときに、前記原動機の実回転数に基づいて前記第2速度であるときのパイロット圧である第2速パイロット圧を前記第1速パイロット圧よりも低い値に制御する。
上述の作業機は、前記原動機の目標回転数を決定するアクセルと、前記原動機の実回転数を検出する回転検出装置と、を備え、前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときに前記実回転数に基づいて前記第1速パイロット圧を決定する第1ラインと、前記走行モータの回転速度が前記第2速度であるときに前記実回転数に基づいて前記第2速パイロット圧を決定する第2ラインと、前記走行モータの回転速度にかかわらず前記実回転数に基づいて前記第1速パイロット圧及び前記第2速パイロット圧を決定する第3ラインとを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記第1ライン、第2ライン及び第3ラインのいずれかに基づいて、前記パイロット圧の設定を行う設定部と、を備える。
前記設定部は、前記アクセルで決定した目標回転数と前記回転検出装置で検出した実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、前記第1ライン又は第2ラインのいずれかに基づいて、前記パイロット圧の設定を行う。
前記制御装置は、前記走行モータを前記第1速度及び第2速度のいずれかに切り換える前又は後において、前記作動弁を制御する制御量を低下させるように前記パイロット圧を制御する。
前記制御装置は、前記走行モータを前記第1速度及び第2速度のいずれかに切り換える前又は後において、前記原動機の回転数を低下させる。
上述の作業機は、前記原動機の目標回転数を決定するアクセルと、前記原動機の実回転数を検出する回転検出装置と、を備え、前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数に基づくPI制御又はPID制御によって、前記パイロット圧を制御する。
前記制御装置は、前記PI制御又はPID制御において、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときと前記第2速度であるときとで、異なる制御ゲインを用いる。
前記制御装置は、前記PI制御又はPID制御において、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときと第2速度であるときとで、異なる比例ゲインを用いる。
前記制御装置は、前記PI制御又はPID制御において、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときと第2速度であるときとで、異なる微分ゲインを用いる。
本発明によれば、作業性を向上させつつ、エンジンストールの防止を行うことができる。
作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。 走行一次圧の上限を設定する制御情報の一例を示した図である。 操作電流値の上限を設定する制御情報の一例を示した図である。 第1速パイロット圧、第2速パイロット圧の設定の動作フローである。 走行モータを第1速度から第2速度に増速するときの作動弁の制御量、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 走行モータを第2速度から第1速度に減速するときの作動弁の制御量、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 走行モータを第2速度から第1速度に減速するときに、作動弁の制御量を複数の段階を経て低減させる例を示す図である。 走行モータを増速するときの実回転数、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 走行モータを減速するときの実回転数、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 操作装置を電気で作動するジョイスティックに変更したときの作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。 操作弁と作動弁とを一体化(兼用化)したときの作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。 図6Bとは異なる作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。 操作装置の操作方向及び指令値を示す図である。 指令値を電流値に変換する図である。 第1補正係数を示す図である。 走行モータを第1速度から第2速度に増速するときの第2補正係数、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 走行モータを第2速度から第1速度に減速するときの第2補正係数、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 走行モータを第2速度から第1速度に減速するときの第2補正係数、走行モータの切換及びアンチストール制御の関係を示した図である。 作業機の一例であるトラックローダを示す側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態による作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機について説明する。
(第1実施形態)
図10を参照し、本実施形態による作業機1について説明する。図10は、本実施形態による作業機1の側面図を示す。図10は、作業機1の一例として、コンパクトトラックローダを示す。但し、作業機1は、コンパクトトラックローダに限定されない。作業機1は、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機や、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
図10に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備える。本実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図10の左方)を前方、運転者の後側(図10の右方)を後方、運転者の左方(図10の手前側)を左方、運転者の右方(図10の奥側)を右方という。また、本実施形態において、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向という。さらに、機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方という。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。さらに、機体外方とは反対の方向である機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。
走行装置5は、機体2の外側に設けられている。走行装置5は、機体2の左部に設けられた第1走行装置5Lと、機体2の右部に設けられた第2走行装置5Rとを含んでいる。
機体2内の後部には、原動機32が搭載されている。
作業装置4は、一対のブーム10と、作業具11と、一対のリフトリンク12と、一対の制御リンク13と、一対のブームシリンダ14と、一対のバケットシリンダ15とを有している。
一対のブーム10は、キャビン3の左右に設けられ、上下方向に揺動可能である。作業具11は、例えば、バケット(以下、バケット11という)であって、バケット11は、一対のブーム10の先端部(つまり前端部)に設けられ、上下方向に揺動可能である。
一対のリフトリンク12及び一対の制御リンク13は、一対のブーム10が上下方向に揺動可能となるように、一対のブーム10の基部(つまり後部)を支持する。一対のブー
ムシリンダ14は、伸縮することにより一対のブーム10を昇降させる。一対のバケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
左右に設けられた一対のブーム10の前部同士は、異形の連結パイプで連結されている。一対のブーム10の基部(つまり後部)同士は、円形の連結パイプで連結されている。
一対のリフトリンク12、一対の制御リンク13及び一対のブームシリンダ14は、左右にもうけられた一対のブーム10に対応して、機体2の左右にそれぞれ設けられている。
一対のリフトリンク12は、一対のブーム10の基部の後部に、起立するように縦向きに設けられている。一対のリフトリンク12の上部(つまり一端部)は、一対のブーム10の基部の後部の近くに一対の枢支軸16を介して枢支され、横軸回りに回転可能である。また、一対のリフトリンク12の下部(つまり他端部)は、機体2の後部近くに一対の枢支軸17を介して枢支され、横軸回りに回転可能である。一対の枢支軸17は、一対の枢支軸16の下方に設けられている。
一対のブームシリンダ14の上部は、一対の枢支軸18を介して枢支され、横軸回りに回転可能である。一対の枢支軸18は、一対のブーム10の基部に設けられており、特に当該基部の前部に設けられている。一対のブームシリンダ14の下部は、一対の枢支軸19を介して機体2内の後下部に枢支され、横軸回りに回転可能である。詳しくは、一対の枢支軸19は、機体2の後部の下部であって枢支軸18の下方に設けられている。
一対の制御リンク13は、一対のリフトリンク12の前方に設けられている。一対の制御リンク13の一端は、一対の枢支軸20を介して枢支され、横軸回りに回転可能である。一対の枢支軸20は、機体2であって、一対のリフトリンク12の前方の位置に設けられている。一対の制御リンク13の他端は、一対の枢支軸21を介して枢支され、横軸回りに回転可能である。一対の枢支軸21は、一対のブーム10の後部であって、一対の枢支軸17の前方且つ上方に設けられている。
一対のブームシリンダ14を伸縮することにより、一対のリフトリンク12及び一対の制御リンク13によって一対のブーム10の基部が支持されながら、一対のブーム10が一対の枢支軸16回りに上下揺動し、一対のブーム10の先端部が昇降する。一対の制御リンク13は、一対のブーム10の上下方向の揺動に伴って一対の枢支軸20回りに上下方向に揺動する。一対のリフトリンク12は、一対の制御リンク13の上下方向の揺動に伴って一対の枢支軸17回りに前後方向に揺動する。
一対のブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具を装着することができる。別の作業具としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
左に設けられたブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、左に設けられたブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的に、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
一対のバケットシリンダ15は、一対のブーム10の前部近くにそれぞれ配置されている。一対のバケットシリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
本実施形態では、走行装置5を構成する左方に設けられた第1走行装置5L及び右方に設けられた第2走行装置5Rは、それぞれクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置を採用している。なお、クローラ型の代わりに、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。
原動機32は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、又は電動モータ等である。本実施形態では、原動機32は、ディーゼルエンジンであるが、これに限定されない。
図1を参照し、本実施形態による作業機1の油圧システムについて説明する。図1は、
本実施形態による作業機1の油圧システム(つまり油圧回路)を示す図である。この作業機1の油圧システムは、走行装置5を駆動することが可能である。
作業機1の油圧システムは、第1走行ポンプ53Lと、第2走行ポンプ53Rと、第1走行モータ36Lと、第2走行モータ36Rとを備える。
第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rは、原動機32の動力によって駆動するポンプである。具体的には、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rはそれぞれ、斜板形可変容量アキシャルポンプで構成され、原動機32の動力によって駆動される。第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rはそれぞれ、パイロット圧が作用する前進用受圧部53aと後進用受圧部53bとを有している。第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rにおいて、受圧部53a、53bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。これら斜板の角度を変更することによって、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの作動油の吐出量(出力)や吐出方向を変えることができる。
第1走行ポンプ53Lと、第1走行モータ36Lとは、循環油路57hによって接続され、第1走行ポンプ53Lが吐出した作動油は、第1走行モータ36Lに供給される。第2走行ポンプ53Rと、第2走行モータ36Rとは、循環油路57iによって接続され、第2走行ポンプ53Rが吐出した作動油は、第2走行モータ36Rに供給される。
第1走行モータ36Lは、機体2の左方に設けられた第1走行装置5Lの駆動軸に動力を伝達するモータである。第1走行モータ36Lは、第1走行ポンプ53Lから吐出された作動油により回転が可能であり、当該作動油の流量によって、回転速度を変更することができる。第1走行モータ36Lには、斜板切換シリンダ37Lが接続され、斜板切換シリンダ37Lを一方或いは他方に伸縮させることによっても第1走行モータ36Lの回転速度を変更することができる。
斜板切換シリンダ37Lを収縮すると、第1走行モータ36Lの回転速度は低速(第1速度という)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸展すると、第1走行モータ36Lの回転速度は高速(第2速度という)に設定される。つまり、第1走行モータ36Lの回転速度を、低速である第1速度と、高速である第2速度とに変更することができる。
第2走行モータ36Rは、機体2の右方に設けられた第2走行装置5Rの駆動軸に動力を伝達するモータである。第2走行モータ36Rは、第2走行ポンプ53Rから吐出された作動油により回転が可能であり、当該作動油の流量によって、回転速度を変更することができる。第2走行モータ36Rには、斜板切換シリンダ37Rが接続され、斜板切換シリンダ37Rを一方或いは他方に伸縮させることによっても第2走行モータ36Rの回転速度を変更することができる。
斜板切換シリンダ37Rを収縮すると、第2走行モータ36Rの回転速度は低速(第1速度という)に設定され、斜板切換シリンダ37Rを伸展すると、第2走行モータ36Rの回転速度は高速(第2速度という)に設定される。つまり、第2走行モータ36Rの回転速度を、低速である第1速度と、高速である第2速度とに変更することができる。
図1に示すように、作業機1の油圧システムは、走行切換弁34を備えている。走行切換弁34は、走行モータ(つまり、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36R)の回転速度を第1速度にするポジション(第1状態という)と、当該回転速度を第2速度にするポジション(第2状態という)とのいずれかをとることができる。走行切換弁34は、第1切換弁71L、71Rと、第2切換弁72と、を含む。
第1切換弁71Lは、第1走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続された二位置切換弁であり、第1位置71L1及び第2位置71L2の2つの位置を有する。第1切換弁71Lは、任意に切り換えられることで、これら2つの位置のいずれかをとることができる。第1切換弁71Lは、第1位置71L1に切り換えられると、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2に切り換えられると、斜板切換シリンダ37Lを伸展する。
第1切換弁71Rは、第2走行モータ36Rの斜板切換シリンダ37Rに油路を介して接続された二位置切換弁であり、第1位置71R1及び第2位置71R2の2つの位置を
有する。第1切換弁71Rは、任意に切り換えられることで、これら2つの位置のいずれかをとることができる。第1切換弁71Rは、第1位置71R1に切り換えられると、斜板切換シリンダ37Rを収縮し、第2位置71R2に切り換えられると、斜板切換シリンダ37Rを伸展する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、第1位置72aと第2位置72bの2つの位置を有する二位置切換弁である。第2切換弁72は、励磁によって切り換えられることで、これら2つの位置のいずれかをとることができる。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aに切り換えられると、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rをそれぞれ第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bに切り換えられると、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rをそれぞれ第2位置71L2、71R2に切り換える。
つまり、第2切換弁72が第1位置72a、第1切換弁71Lが第1位置71L1、第1切換弁71Rが第1位置71R1にあるときに、走行切換弁34は第1状態になり、2つの走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度を第1速度にする。また、第2切換弁72が第2位置72b、第1切換弁71Lが第2位置71L2、第1切換弁71Rが第2位置71R2にあるときに、走行切換弁34は第2状態になり、2つの走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度を第2速度にする。
したがって、走行切換弁34によって、2つの走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)を低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに切り換えることができる。
作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2、操作装置54とを備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に油圧システムの制御に用いる作動油を吐出する。
説明の便宜上、作動油を貯留するタンク22のことを作動油タンクということがある。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油といい、パイロット油の圧力のことをパイロット圧という。
第2油圧ポンプP2は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能であって、例えば、作業系の油路に作動油を供給する。第2油圧ポンプP2は、例えば、ブーム10を作動させるブームシリンダ14や、バケットを作動させるバケットシリンダ15や、予備油圧アクチュエータを作動させる予備油圧アクチュエータを制御する制御弁(流量制御弁)などに作動油を供給する。
操作装置54は、2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L、第2走行ポンプ53R)を操作する装置であり、各走行ポンプの斜板の角度(斜板角度)を変更可能である。操作装置54は、操作レバー59と、複数の操作弁55とを含んでいる。
操作レバー59は、複数の操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作レバーである。即ち、操作レバー59は、中立位置Nを基準として、中立位置Nから右方及び左方に揺動可能であると共に、中立位置Nから前方及び後方に揺動可能である。言い換えれば、操作レバー59は、中立位置Nを基準に少なくとも4方向に揺動することが可能である。尚、説明の便宜上、前方及び後方の双方向、即ち、前後方向のことを第1方向という。また、右方及び左方の双方向、即ち、左右方向(機体幅方向)のことを第2方向という。
複数の操作弁55は、1本の操作レバー59によって操作される。図1では、2つの操作レバー59が示されているが、これは、1本の操作レバー59を前後方向及び左右方向の2つの方向から見てときの2つの構成を示した結果である。複数の操作弁55は、操作レバー59の揺動に基づいて作動する。複数の操作弁55には、吐出油路40が接続され
、当該吐出油路40を介して、第1油圧ポンプP1からの作動油(つまりパイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C及び操作弁55Dである。
操作弁55Aは、操作レバー59を前後方向(つまり第1方向)のうち前方(一方)に揺動したとき(前操作したとき)に、当該前操作の操作量(揺動量)に応じて、出力する作動油の圧力を変化させる。操作弁55Bは、操作レバー59を前後方向(つまり第1方向)のうち後方(他方)に揺動したとき(後操作したとき)に、当該後操作の操作量(揺動量)に応じて、出力する作動油の圧力を変化させる。
操作弁55Cは、操作レバー59を左右方向(つまり第2方向)のうち右方(一方)に揺動したとき(右操作したとき)に、当該右操作の操作量(揺動量)に応じて、出力する作動油の圧力を変化させる。操作弁55Dは、操作レバー59を左右方向(つまり第2方向)のうち左方(他方)に揺動したとき(左操作したとき)に、当該左操作の操作量(揺動量)に応じて、出力する作動油の圧力を変化させる。
複数の操作弁55と2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)は、走行油路45によって接続されている。言い換えれば、2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)は、複数の操作弁55(操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C、操作弁55D)から出力された作動油によって作動可能な油圧機器である。
走行油路45は、第1走行油路45aと、第2走行油路45bと、第3走行油路45cと、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有する。第1走行油路45aは、走行ポンプ53Lの前進用受圧部53aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ53Lの後進用受圧部53bに接続された油路である。
第3走行油路45cは、走行ポンプ53Rの前進用受圧部53aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ53Rの後進用受圧部53bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55と、第1走行油路45aと、第2走行油路45bと、第3走行油路45cと、第4走行油路45dとを接続する油路である。
操作レバー59を前方(図1では矢示A1方向)に揺動させると、操作弁55Aが操作されて当該操作弁55Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して第1走行ポンプ53Lの前進用受圧部53aに作用すると共に、第3走行油路45cを介して第2走行ポンプ53Rの前進用受圧部53aに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36Rが正転(前進回転)することで、作業機1が前方に直進する。
また、操作レバー59を後方(図1では矢示A2方向)に揺動させると、操作弁55Bが操作されて当該操作弁55Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第2走行油路45bを介して第1走行ポンプ53Lの後進用受圧部53bに作用すると共に第4走行油路45dを介して第2走行ポンプ53Rの後進用受圧部53bに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36Rが逆転(後進回転)することで、作業機1が後方に直進する。
また、操作レバー59を右方(図1では矢示A3方向)に揺動させると、操作弁55Cが操作されて当該操作弁55Cからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して第1走行ポンプ53Lの前進用受圧部53aに作用すると共に第4走行油路45dを介して第2走行ポンプ53Rの後進用受圧部53bに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36Lが正転し且つ第2走行モータ36Rが逆転することで、作業機1が右方に旋回する。
また、操作レバー59を左方(図1では矢示A4方向)に揺動させると、操作弁55Dが操作されて当該操作弁55Dからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第3走行油路45cを介して第2走行ポンプ53Rの前進用受圧部53aに作用すると共に
第2走行油路45bを介して第1走行ポンプ53Lの後進用受圧部53bに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36Lが逆転し且つ第2走行モータ36Rが正転することで、作業機1が左方に旋回する。
また、操作レバー59を斜め方向に揺動させると、前進用受圧部53aと後進用受圧部53bとに作用するパイロット圧の差圧によって、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36Rの回転方向及び回転速度が決定され、作業機1が前進又は後進しながら右旋回又は左旋回する。
すなわち、操作レバー59を左斜め前方に揺動操作すると、操作レバー59の揺動角度(つまり揺動量)に対応した速度で作業機1が前進しながら左旋回する。操作レバー59を右斜め前方に揺動操作すると、操作レバー59の揺動角度(つまり揺動量)に対応した速度で作業機1が前進しながら右旋回する。
また、操作レバー59を左斜め後方に揺動操作すると、操作レバー59の揺動角度(つまり揺動量)に対応した速度で作業機1が後進しながら左旋回する。操作レバー59を右斜め後方に揺動操作すると、操作レバー59の揺動角度(つまり揺動量)に対応した速度で作業機1が後進しながら右旋回する。
さて、2つの走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)における第1速度と、第2速度との切換は、切換部によって行うことができる。切換部は、例えば、制御装置60に接続された切換スイッチ61であり、作業者等が操作することができる。切換部(つまり、切換スイッチ61)は、第1速度(第1状態)から第2速度(第2状態)に切り換える増速と、第2速度(第2状態)から第1速度(第1状態)に切り換える減速とのいずれかに切り換える動作を行うことができる。
制御装置60は、CPU、MPU等の半導体、電気電子回路等から構成されている。制御装置60は、切換スイッチ61の切換操作に基づいて、走行切換弁34を切り換える。切換スイッチ61は、プッシュスイッチである。切換スイッチ61は、例えば、走行モータが第1速度の状態で押圧されると、当該走行モータを第2速度にする指令(走行切換弁34を第2状態にする指令)を制御装置60に出力する。また、切換スイッチ61は、走行モータが第2速度の状態で押圧されると、当該走行モータを第1速度にする指令(走行切換弁34を第1状態にする指令)を制御装置60に出力する。なお、切換スイッチ61は、ON/OFFに保持可能なプッシュスイッチであってもよく、OFFであるときには、走行モータを第1速度に保持する指令を制御装置60に出力し、ONであるときには、走行モータを第2速度に保持する指令を制御装置60に出力する。
制御装置60は、走行切換弁34を第1状態にする指令を取得すると、第2切換弁72のソレノイドを消磁して走行切換弁34を第1状態にする。また、制御装置60は、走行切換弁34を第2状態にする指令を取得すると、第2切換弁72のソレノイドを励磁して走行切換弁34を第2状態にする。
図1に示すように、制御装置60には、アクセル65と、回転検出装置66とが接続されている。アクセル65は、原動機32の目標回転数を設定する部材である。アクセル65は、運転席8の近傍に設けられている。アクセル65は、揺動自在に支持されたアクセルレバー、揺動自在に支持されたアクセルペダル、回転自在に支持されたアクセルボリューム、スライド自在に支持されたアクセルスライダー等である。なお、アクセル65は、上述した例に限定されない。回転検出装置66は、原動機32の実原動機回転数(実回転数)を検出するセンサ等である。
さて、制御装置60は、原動機32の停止を防止する制御、即ち、エンジンストールを防止する制御(つまり、アンチストール制御)を行う。本実施形態においてアンチストール制御とは、回転検出装置66で検出した実回転数との差(ドロップ回転数という)が閾値以上であるときに、2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の出力を低下させることである。例えば、アンチストール制御において、制御装置60は、原動機32のドロップ回転数が閾値以上であるときに、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの出力を低下させることによって、エンジンストールを防止する。
以下、本実施形態によるアンチストール制御について詳しく説明する。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、作動弁67を備えている。作動弁67は、2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な弁である。作動弁67は、パイロット油が流れる吐出油路40に設けられ、開度を変更することによって、2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧(つまり、受圧部53a、53bに作用する作動パイロット圧)を変更する。例えば、作動弁67は、制御装置60の制御信号(例えば、電圧、電流)に基づいて開度が変更可能な電磁比例弁である。
つまり、制御装置60は、作動弁67のソレノイド67aを励磁することによって、作動弁67から操作装置54へ向かうパイロット圧(走行一次圧)を変更し、2つの走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット圧(作動パイロット圧)を変更する。
本実施形態によるアンチストール制御において、制御装置60は、作動弁67によって変更されるパイロット圧(走行一次圧)の上限値を、走行モータが第1速度であるときと、走行モータが第2速度であるときとで異なる値に設定する。制御装置60は、原動機回転数、走行モータが第1速度であるか、及び走行モータが第2速度であるかに基づいて、走行一次圧の上限を設定する。
例えば、走行モータが第1速度であるときに、制御装置60は、第1速度でのパイロット圧(第1速パイロット圧という)の上限値を、原動機回転数に基づいて設定する。また、走行モータが第2速度であるときに、制御装置60は、第2速度でのパイロット圧(第2速パイロット圧という)の上限値を、原動機回転数に基づいて設定する。
制御装置60は、走行モータが第2速度であるときの第2速パイロット圧の上限値を、走行モータが第1速度であるときの第1速パイロット圧の上限値よりも低い値に設定する。
図2は、走行一次圧の上限値を設定する制御情報の一例を示した図である。
図2に示すように、制御情報は、走行一次圧の上限値と、原動機回転数との関係を示すデータである。走行一次圧とは、吐出油路40において、作動弁67から複数の操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)に至る油路におけるパイロット油のパイロット圧である。即ち、走行一次圧とは、走行操作を行う操作レバー59に設けられた複数の操作弁55に作用するパイロット油の一次圧である。
制御情報は、走行一次圧の上限値と原動機回転数との関係を示す複数のライン80を含んでいる。複数のライン80は、第1ライン80Aと、第2ライン80Bと、第3ライン80Cとを含む。
第1ライン80Aは、上述した目標回転数と実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上で且つ走行モータが第1速度であるときに、実回転数に基づく走行一次圧の上限値として第1速パイロット圧の上限値を決定するラインである。第2ライン80Bは、ドロップ回転数が閾値以上で且つ走行モータが第2速度であるときに、実回転数に基づく走行一次圧の上限値として第2速パイロット圧の上限値を決定するラインである。第2ライン80Bは、第1ライン80Aに比べて、パイロット圧の上限値が低くなる側にシフトしていて、第2ライン80Bで決定される第2速パイロット圧の上限値は、第1速パイロット圧の上限値よりも低い。
図2を参照して、第1ライン80Aによれば、時点P10において原動機回転数(つまり、原動機の実回転数)が実回転数M10であるときに、走行一次圧の上限値は、パイロト圧V10に決まる。第2ライン80Bによれば、時点P11において原動機回転数が実回転数M11であるときに、走行一次圧の上限値は、パイロト圧V11に決まる。また、第3ライン80Cによれば、時点P12において原動機回転数が実回転数M12であるときに、走行一次圧の上限値は、パイロト圧V12に決まる。
第3ライン80Cは、ドロップ回転数が閾値未満であるときに、実回転数に基づいて第1速パイロット圧及び第2速パイロット圧の上限値を決定するラインである。つまり、ド
ロップ回転数が閾値未満であれば、第1速パイロット圧の上限値も第2速パイロット圧の上限値も、第3ライン80Cに基づいて決定され同一である。
しかし、ドロップ回転数が閾値以上であれば、第1速パイロット圧の上限値は第1ライン80Aに基づいて決定され、第2速パイロット圧の上限値は第2ライン80Bに基づいて決定されるので、いずれも第3ライン80Cに基づいて決定される値よりも小さい。
複数のライン80、即ち、制御情報は、制御装置60に設けられた記憶部60Aに記憶されている。記憶部60Aは、不揮発性のメモリで構成される。
制御装置60は、設定部60Bを備えている。設定部60Bは、制御装置60に設けられた電気回路・電子回路、制御装置60に格納されたプログラム等で構成される。設定部60Bは、制御情報、即ち、複数のライン80(第1ライン80A、第2ライン80B、第3ライン80C)に基づいて走行一次圧の上限値を決定し設定する。即ち、記憶部60Aに記憶された第1ライン80A、第2ライン80B及び第3ライン80Cのいずれかに基づいて走行一次圧(つまり、第1速パイロット圧、第2速パイロット圧)の上限値の決定及び設定を行う。
このとき、制御装置60は、図2に示す第1ライン80A、第2ライン80B及び第3ライン80Cのいずれかに基づいて走行一次圧の上限値の決定及び設定を行う。しかし実際には、決定された走行一次圧の上限値を実現するために、制御装置60は、以下に説明する図3の制御情報を用いて、作動弁67へ出力する操作電流の上限値を決定し設定する。
図3は、パイロット圧を変更する作動弁67へ出力する操作電流の上限値を設定する制御情報の一例を示した図である。図3は、図2と同様に、原動機回転数と操作電流の上限値との関係を表している。図3に示す制御情報は、操作電流の上限値と原動機回転数との関係を示すデータである。
操作電流とは、作動弁67を操作するために制御装置60から出力される信号電流である。アンチストール制御下での操作電流を、特にアンチストール電流という。
図3に示す制御情報において、複数のライン180は上述の複数のライン80に対応している。複数のライン180は、第1ライン180Aと、第2ライン180Bと、第3ライン180Cとを含む。
第1ライン180Aは、第1ライン80Aに対応しており、第1ライン80Aが示す走行一次圧の上限値を得るための操作電流の上限値を表す。第2ライン180Bは、第2ライン80Bに対応しており、第2ライン80Bが示す走行一次圧の上限値を得るための操作電流の上限値を表す。第3ライン180Cは、第3ライン80Cに対応しており、第3ライン80Cが示す走行一次圧の上限値を得るための操作電流の上限値を表す。
図3に示す第1ライン180A~第3ライン180Cは、対応する図2に示す第1ライン80A~第3ライン80Cとほぼ同じ傾向の形状を描く。制御装置60は、この第1ライン180A~第3ライン180Cに基づいて決定された操作電流の上限値以下のアンチストール電流として用いて作動弁67の動作を制御する。
つまり、操作電流値の上限を、図2に示す走行一次圧の値を上限に対応する値とする。その上で、操作レバー59の操作方向及び操作量に基づく操作電流値が図3に示す操作電流の上限値を超えるときは、制御装置60は、この図3に示す上限値を、作動弁67に出力する。
図3を参照して、第1ライン180Aによれば、時点P10において原動機回転数(つまり、原動機の実回転数)が実回転数M10であるときに、操作電流の上限値は、走行一次圧の上限値であるパイロト圧V10を得るための電流値C10に決まる。第2ライン180Bによれば、時点P11において原動機回転数が実回転数M11であるときに、操作電流の上限値は、走行一次圧の上限値であるパイロト圧V11を得るための電流値C11に決まる。に決まる。また、第3ライン80Cによれば、時点P12において原動機回転数が実回転数M12であるときに、操作電流の上限値は、走行一次圧の上限値であるパイロト圧V12を得るための電流値C12に決まる。
図4は、第1速パイロット圧及び第2速パイロット圧の上限値の決定及び設定の動作フ
ローである。
図4に示すように、設定部60Bは、アクセル65で設定した目標回転数と回転検出装置66で検出した実回転数とを参照する(ステップS1)。
設定部60Bは、目標回転数から実回転数を差し引くことによってドロップ回転数を求める(ステップS2)。
設定部60Bは、ドロップ回転数が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS3)。
設定部60Bは、ドロップ回転数が閾値以上でないとき、即ち、ドロップ回転数が閾値未満であるとき(ステップS3、No)に第3ライン80Cを選択し、選択した第3ライン80Cに基づいてパイロット圧(第1速パイロット圧、第2速パイロット圧)の上限値を決定及び設定する(ステップS4)。
ステップS4において、設定部60Bは、図2に示すように原動機回転数が時点P10において実回転数M10であるとき、走行モータが第1速及び第2速のいずれであっても、第3ライン80Cに基づいて、第1速パイロット圧及び第2速パイロット圧の上限値を実回転数M10に対応するパイロット圧V10に決定及び設定する。つまり、ドロップ回転数が閾値未満であるとき、設定部60Bは、第1速パイロット圧及び第2速パイロット圧の上限値のそれぞれを、第3ライン80Cに沿うように、実回転数に応じて決定及び設定する。
設定部60Bは、ドロップ回転数が閾値以上であるとき(ステップS3、Yes)、走行モータが第1速度であるか否かを判断する(ステップS5)。設定部60Bは、走行モータが第1速度であるとき(ステップS5、Yes)、第1ライン80Aを選択し、選択した第1ライン80Aに基づいて、第1速パイロット圧の上限値を決定及び設定する(ステップS6)。
ステップS6において、設定部60Bは、図2に示すように原動機回転数が時点P11において実回転数M11であるとき、第1ライン80Aに基づいて、第1速パイロット圧の上限値を実回転数M11に対応するパイロット圧V11に決定及び設定する。つまり、ドロップ回転数が閾値以上且つ走行モータが第1速度であるとき、設定部60Bは、第1速パイロット圧の上限値を、第1ライン80Aに沿うように、実回転数に応じて決定及び設定する。
設定部60Bは、走行モータが第1速度でないとき、即ち、走行モータが第2速度であるとき(ステップS5、No)、第2ライン80Bを選択し、選択した第2ライン80Bに基づいて、第2速パイロット圧の上限値を決定及び設定する(ステップS7)。
ステップS7において、設定部60Bは、図2に示すように原動機回転数が時点P12において実回転数がM12であるとき、第2ライン80Bに基づいて、第2速パイロット圧の上限値を実回転数M12に対応するパイロット圧V12に決定及び設定する。つまり、ドロップ回転数が閾値以上且つ走行モータが第2速度であるとき、設定部60Bは、第2速パイロット圧の上限値を、第2ライン80Bに沿うように、実回転数に応じて決定及び設定する。
なお、ドロップ量が変化したときや走行モータの変速等が行われたときは、第1速パイロット圧及び第2速パイロット圧の上限値を、例えば、第3ライン80Cに基づく上限値から第1ライン80A又は第2ライン80Bに基づく上限値へ変更することになる。このときは、図2に示すように、第1ライン80A、第2ライン80B及び第3ライン80Cを結ぶ第4ライン80Dに基づいて決定及び設定されたパイロット圧(第1速パイロット圧、第2速パイロット圧)の上限値を経て、第3ライン80Cに基づく上限値から第1ライン80A又は第2ライン80Bに基づく上限値へ移行してもよい。
これとは逆に、例えば、第1ライン80A又は第2ライン80Bに基づく上限値から第3ライン80Cに基づく上限値へ移行するときも、第1速パイロット圧又は第2速パイロット圧の上限値は、第4ライン80Dに基づいて決定及び設定された上限値を経て移行してもよい。
設定部60Bは、作業機1の走行、或いは、原動機32の駆動が停止したとき(ステッ
プS8、Yes)、アンチストール制御を終了し、作業機1の走行、或いは、原動機32の駆動が停止しないとき(ステップS8、No)、アンチストール制御を継続する。
上述のアンチストール制御は、作業機1が走行しているとき、又は原動機32が駆動しているときに継続的に実行されている。
上述のアンチストール制御を実行する作業機1の構成は以下の通りである。
作業機1は、原動機32と、原動機32の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプ(第1走行ポンプ53L、第2走行ポンプ53R)と、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L、第2走行ポンプ53R)が吐出した作動油により回転可能で且つ回転速度が第1速度と第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)と、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度を第1速度にする第1状態と、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度を第2速度にする第2状態と、に切換可能な走行切換弁34と、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L、第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な作動弁67と、作動弁67のパイロット油のパイロット圧を、第1速度と第2速度とで異なる値に設定する制御装置60と、を備えている。
これによれば、制御装置60は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)が第1速度であるときと、第2速度であるときとで、作動弁67のパイロット油のパイロット圧を異ならせていることから、第1速度であるときの走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の出力と、第2速度であるときの走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の出力とを変更することができるため、変速(第1速度、第2速度)に応じてエンジンストールの防止を行うことができ、作業性も向上させることができる。
制御装置60は、原動機32の回転数、第1速度及び第2速度に基づいて、パイロット圧を設定する。これによれば、第1速度及び第2速度だけでなく、原動機32の状態を表す原動機32の回転数によって、パイロット圧を設定することができるため、原動機32の状態及び変速(第1速度、第2速度)に応じてエンジンストールの防止を行うことができ、作業性も向上させることができる。
制御装置60は、第1速度であるときに原動機32の回転数に基づいて第1速度であるときのパイロット圧である第1速パイロット圧を設定し、且つ、第2速度であるときに原動機32の回転数に基づいて第2速度であるときのパイロット圧である第2速パイロット圧を設定する。これによれば、作業機1が第1速度であるときの第1速パイロット圧と、作業機1が第2速度であるときの第2速パイロット圧とを簡単に設定することができる。
制御装置60は、第2速パイロット圧を、第1速パイロット圧よりも低い値に設定する。これによれば、第2速パイロット圧を、第1速パイロット圧よりも低い値に設定することによって、第2速度における作業性を大幅に低下させずにエンジンストールを防止することができる。
作業機1は、原動機32の目標回転数を設定するアクセル65と、原動機32の実回転数を検出する回転検出装置66と、を備え、制御装置60は、目標回転数と実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、パイロット圧を設定する。これによれば、アクセル65によって設定された目標回転数と回転検出装置66によって検出した実回転数との差(ドロップ回転数)によって、原動機32にかかる負荷を簡単に求めることができ、負荷に応じてパイロット圧を設定することができる。
制御装置60は、アクセル65で設定した目標回転数と回転検出装置66で検出した実回転数との差が閾値以上で且つ第1速度であるときに第1速パイロット圧を設定する第1ライン80Aと、目標回転数と実回転数との差が閾値以上で且つ第2速度であるときに第2速パイロット圧を設定する第2ライン80Bと、目標回転数と実回転数との差が閾値未満であるときに第1速パイロット圧及び第2速パイロット圧を設定する第3ライン80Cとを記憶する記憶部60Aと、記憶部60Aに記憶された第1ライン80A、第2ライン80B及び第3ライン80Cのいずれかに基づいてパイロット圧の設定を行う設定部60Bと、を備えている。
これによれば、第1ライン80A、第2ライン80B及び第3ライン80Cのそれぞれによって、原動機32にかかる負荷が低負荷(目標回転数と実回転数との差が閾値未満)であるときと、原動機32にかかる負荷が高負荷(目標回転数と実回転数との差が閾値以上)で且つ第1速度であるときと、原動機32にかかる負荷が高負荷で且つ第2速度であるときとの3つの状態に応じて適正にパイロット圧の設定を行うことができる。
上述の構成を有する作業機1において、制御装置60は、アンチストール制御と同時に、ショック低減制御を実行してもよい。ショック低減制御は、作動弁67へ出力される制御信号(つまり、アンチストール電流)の電流値(制御量という)を補正する制御である。詳しくは、ショック低減制御は、第1速度から第2速度への変速時又は第2速度から第1速度への変速時に、作動弁67への制御信号の制御量を瞬間的に下げるなど、作動弁67への制御信号を補正する制御である。
図5Aは、走行モータを第1速度から第2速度に増速するときの作動弁67への電流量(制御量)に対する補正量と、走行モータの切換(切換弁、切換SW)と、アンチストール制御及びショック低減制御との関係を示した図である。図5Aの時間Z10は、切換スイッチ(切換SW)61の操作によって増速指令を行ってから、走行切換弁(切換弁)34の第1状態(第1速度)から第2状態(第2速度)への切り換えが始まるまでの切換時間(遅延時間)である。
図5Aに示すように、時点Q1において、切換スイッチ61が操作されると、制御装置60は、切換スイッチ61から、第1状態(第1速度)から第2状態(第2速度)に切り換えるための増速指令(2速指令)を取得する。
制御装置60は、時点Q2以降、作動弁67へ出力する制御信号(つまり、アンチストール電流)の電流量に対して補正を行う。制御装置60は、時点Q2以降、時間T1の間に、アンチストール電流の電流値を所定値(ショック低減値)W3だけ徐々に低下させる。つまり、制御装置60は、時点Q2以降、時間T1の間に、アンチストール電流の電流値に対する補正量を増加させる。ショック低減値W3は、第1速度から第2速度へ切り換えたときの変速ショックを軽減するための電流値の補正量であり、実績、実験、理論的なシミュレーション等から求めた値である。
時点Q2以降、時間T1経過した時点Q3において、走行切換弁34の第2速度への切り換えが完了する。この時点Q3において、制御信号の補正量がショック低減値W3に達すると、制御装置60は、時点Q3以降、時間T2の間に、制御信号の補正量を徐々に零に戻す。つまり、アンチストール電流の電流値を、補正前の時点Q2以前の値に徐々に戻す。
また、制御装置60は、時点Q3以降、即ち、走行切換弁34を第1状態(第1速度)から第2状態(第2速度)に切り換えた後は、図2に示す第2ライン80Bに基づく第2速度におけるアンチストール制御(第2速度アンチストール制御)へ移行する。
つまり、制御装置60は、例えば、作動弁67へのアンチストール電流の補正量(電流値)を零に戻した時点Q5において、第2ライン80Bによる第2速パイロット圧の設定を行う第2速度アンチストール制御へ移行する。
ここで、時点Q1及び時点Q2は、同時(同じ)であってもよいし、非常に短時間であってもよく、限定されない。時点Q2から時点Q3までの区間(時間)は、時点Q3から時点Q5までの区間(時間)よりも短く設定されている。言い換えれば、時点Q3から時点Q5までの区間(時間)は、時点Q2から時点Q3までの区間(時間)よりも長く設定されている。
図5Bは、走行モータを第2速度から第1速度に減速するときの作動弁67への電流量(制御量)に対する補正量と、走行モータの切換(切換弁、切換SW)と、アンチストール制御及びショック低減制御との関係を示した図である。図5Bの時間Z11は、切換スイッチ(切換SW)61の操作によって減速指令を行ってから、走行切換弁(切換弁)34の第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)への切り換えが始まるまでの切換時間(遅延時間)である。この時間Z11は、図5Aで説明した時間Z10よりも長くなるように設定されている。
図5Bに示すように、時点Q11において、切換スイッチ61が操作されると、制御装置60は、切換スイッチ61から、第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換えるための減速指令(1速指令)を取得する。
制御装置60は、時点Q11から時間T11経過した時点Q12以降、作動弁67へ出力するアンチストール電流の電流値に対して補正を行う。制御装置60は、時点Q12以降、時間T12の間に、アンチストール電流の電流値を所定値(ショック低減値)W5だけ徐々に低下させる。つまり、制御装置60は、時点Q12以降、時間T12の間に、アンチストール電流の電流値に対する補正量を、図5Aの時点Q2から時点Q3の間の増加に比べて緩やかに、徐々に増加させる。ショック低減値W5は、第2速度から第1速度へ切り換えたときの変速ショックを軽減するための電流値の補正量であり、実績、実験、理論的なシミュレーション等から求めた値である。
時点Q12以降、時間T12経過した時点Q13において、走行切換弁34の第2速度への切り換えは、まだ行われていない。この時点Q13において、制御信号の補正量がショック低減値W5に達すると、制御装置60は、時点Q13以降、時点Q15までの時間T13の間に、制御信号の補正量を徐々に零に戻す。つまり、アンチストール電流の電流値を、補正前の時点Q12以前の値に徐々に戻す。
また、制御装置60は、時点Q13以降、即ち、作動弁67に対する制御信号の補正量が徐々に零に戻る過程において、走行切換弁34を第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換える。この切換は、制御信号の補正量が零に戻る前に完了し、この切り換えの完了後、少し遅れて制御信号の補正量が零に戻る。
制御装置60は、例えば、作動弁67への制御信号の補正量を徐々に零に戻している途中である時点Q14において、図2に示す第1ライン80Aに基づく第1速度におけるアンチストール制御(第1速度アンチストール制御)へ移行する。
なお、上述した実施形態では、時点Q13以降において、補正量(電流値)を徐々に零に戻している途中の時点Q14にて第1速度アンチストール制御へ移行していたが、制御装置60は、時点Q13以降において、アンチストール電流の補正量(電流値)が零になる時点Q15に達したときに、第1速度アンチストール制御へ移行してもよい。
また、時点Q11及び時点Q12は、同時(同じ)であってもよいし、非常に短時間であってもよく、限定されない。時点Q12から時点Q13までの区間(時間)は、時点Q13から時点Q14までの区間(時間)よりも長く設定されている。言い換えれば、時点Q13から時点Q14までの区間(時間)は、時点Q12から時点Q13までの区間(時間)よりも短く設定されている。
また、制御装置60は、ショック低減制御において、連続的にではなく複数段に分けて補正量を変化させてもよい。図5Eに示すように、制御装置60は、ショック低減制御において、複数段に分けて制御量(電流値)を変化させるとき、例えば、ラインL31に示すように、時点Q12で急峻に補正量を増加させ、その後徐々に補正量を減少させて、補正量(電流値)がショック低減値W5に達した後に、走行切換弁34を第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換えてもよい。また、制御装置60は、この時点Q13以降、補正量(電流値)が徐々に零に戻る途中で、第1速度アンチストール制御に移行してもよい。
なお、図5A及び図5Bに示すように、切換スイッチ61の操作によって切換の操作後において、ショック低減制御を行う長さは、増速指令(図5A)よりも減速指令(図5B)が長くなっている。
図5A及び図5Bを用いて説明した構成において重要な点は、増速指令のときは、補正量が増加している途中で第1速度から第2速度への切り換えを完了することと、減速指令のときは、補正量が徐々に零に回復している途中で第2速度から第1速度への切り換えを完了することである。このように、制御装置60は、ショック低減制御によって作動弁67に対する制御信号の補正が行われている間に、増速指令又は減速指令を完了する。このように、ショック低減制御では、走行一次圧が補正されている間に増速指令又は減速指令が完了する。 制御装置60は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ3
6R)を第1速度及び第2速度のいずれかに切り換えるときに、作動弁67を制御する制御量を補正する。
例えば、作動弁67を制御する制御量として、作動弁67へ供給する電流又は電圧等を用いれば、当該電流又は電圧を低下させることによって、第1速度及び第2速度間の変速における変速ショックを低減させつつ、エンジンストールを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、アンチストール制御下で増速指令又は減速指令が出されたときに、作動弁67に対する制御信号を補正するショック低減制御を行っていた。しかし、このショック低減制御に代えて、図5C、図5Dに示すように、原動機32の実回転数を低下させる制御を行っても同様のショック低減効果を得ることができる。
制御装置60は、アンチストール制御下で走行モータを第1速度及び第2速度のいずれかに切り換えるときに、原動機32の実回転数を低下させる。つまり、図5C、図5D、図5Eを用いた説明は、上述した図5A及び図5Bを用いた説明において作動弁67を原動機32に、アンチストール電流の制御量(電流)を実回転数に読み替えることで成立する。このように読み替えれば、ショック低減制御に代えて実回転数を低下させる制御を行う構成の説明となる。
図5Cに示すように、制御装置60は、時点Q2から時点Q3までの時間T1の間に、原動機32の実回転数を所定値W3だけ徐々に低下させる。つまり、制御装置60は、時点Q2から時点Q3までの時間T1の間に、原動機32の実回転数に対する補正量を徐々に増加させる。制御装置60は、時点Q2以降、第1速度アンチストール制御から第2速度アンチストール制御に切り換える。
このとき、図5Cの時間Z11は、切換スイッチ(切換SW)61の操作によって減速指令を行ってから、走行切換弁(切換弁)34の第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)への切り換えが始まるまでの切換時間(遅延時間)である。この時間Z11は、図5Aで説明した時間Z10よりも長くなるように設定されている。
また、図5Dに示すように、制御装置60は、時点Q12から時点Q13までの時間T12の間に、原動機32の実回転数を所定値W5だけ徐々に低下させる。つまり、制御装置60は、時点Q12から時点Q13までの時間T12の間に、原動機32の実回転数に対する補正量を徐々に増加させる。制御装置60は、時点Q13と時点Q15との間、例えば、時点Q14で第2速度アンチストール制御から第1速度アンチストール制御に切り換える。
図5C及び図5Dに示すように、切換スイッチ61による切換操作から、第1速アンチストール制御が第2アンチストール制御に切り換わるまでの時間(第1制御切換時間)と、第2速アンチストール制御が第1アンチストール制御に切り換わるまでの時間(第2制御切換時間)とを比べると、第1制御切換時間は第2制御切換時間よりも短い。
制御装置60は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)を第1速度及び第2速度のいずれかに切り換えるときに、原動機32の実回転数を補正する。
例えば、原動機32の実回転数を低下させることで、作動弁67へ供給するパイロット圧を低下させる。これによって、第1速度及び第2速度間の変速における変速ショックを低減させつつ、エンジンストールを防止することができる。
(第2実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、操作装置54は、操作レバー59と操作弁55によって走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)に作用するパイロット圧を変更する油圧式であった。しかし、第2実施形態では、電気的に作動するジョイスティックと後述する制御装置60及び油圧レギュレータ58とを採用することによって、第1実施形態による操作装置54及び作動弁67が行う動作を実現する。
図6Aに示すように、操作レバー59は、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作レバーである。操作レバー59は、操作量(揺動量)及び操作方向(揺動方向)を検出するセンサ(操作検出センサ)を有する。この操作検出センサは、制御装置60に接続されている。
制御装置60には、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の斜板を操作する油圧レギュレータ58が接続されている。第1走行ポンプ53Lの斜板と第2走行ポンプ53Rの斜板のそれぞれに油圧レギュレータ58が一つずつ接続されている。従って、第1走行ポンプ53Lの斜板と第2走行ポンプ53Rの斜板を、それぞれ独立して制御することができる。
操作レバー59が前方(図1のA1方向に相当)に操作されると、制御装置60は、油圧レギュレータ58に制御信号を出力する。この制御信号を受けて、油圧レギュレータ58は、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板を正転(前進)の方向に揺動させる。
操作レバー59が後方(図1のA2方向に相当)に操作されると、制御装置60は、油圧レギュレータ58に制御信号を出力する。この制御信号を受けて、油圧レギュレータ58は、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板を逆転(後進)の方向に揺動させる。
操作レバー59が右方(図1のA3方向に相当)に操作されると、制御装置60は、油圧レギュレータ58に制御信号を出力する。この制御信号を受けて、油圧レギュレータ58は、第1走行ポンプ53Lの斜板を正転の方向に揺動させ、第2走行ポンプ53Rの斜板を逆転の方向に揺動させる。
操作レバー59が左方(図1のA4方向に相当)に操作されると、制御装置60は、油圧レギュレータ58に制御信号を出力する。この制御信号を受けて、油圧レギュレータ58は、第1走行ポンプ53Lの斜板を逆転の方向に揺動させ、第2走行ポンプ53Rの斜板を正転の方向に揺動させる。
図6Aでは、油圧レギュレータ58を制御装置60に接続していたが、これに代えて、図6Bに示すように、電磁比例弁で構成された操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)を採用し、制御装置60が、操作レバー59の操作量及び操作方向に応じて、操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)へ制御信号を出力してもよい。操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)は、それぞれ操作レバー59の操作方向(A1方向~A4方向)に割り当てられる。
図6Bにおける操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)は、それぞれ電磁比例弁で構成されているため、同じく電磁比例弁で構成された第1実施形態による作動弁67の機能を含んでいる。制御装置60が、これら操作弁55を制御することによってアンチストール制御及びショック低減制御を行うことができる。
さらに、図6Bの操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)に代えて、図6Cに示す操作弁155L、155Rを採用し、図6Bの油圧レギュレータ58に代えて、図6Cに示す油圧レギュレータ156L、156Rを採用してもよい。操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)と同様に操作弁155L、155Rにおいても、操作レバー59の操作に応じた制御装置60からの制御信号によって、各弁の切換位置及び開度が制御される。また、操作弁155L、155Rは、それぞれ電磁比例弁で構成されているため、同じく電磁比例弁で構成された第1実施形態による作動弁67の機能を含んでいる。制御装置60が、これら操作弁155L、155Rを制御することによってアンチストール制御及びショック低減制御を行うことができる。
図6Cに示すように、油圧レギュレータ156L、156Rは、それぞれ走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の斜板に接続されている。油圧レギュレータ156L、156Rの各々は、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の斜板の角度(斜板角度)を変更可能であって、作動油が供給される供給室157と、供給室157に設けられたピストンロッド158とを含んでいる。ピストンロッド158は斜板に連結されていて、ピストンロッド158の移動(つまり、伸縮)によって斜板が揺動し、斜板角度を変更することができる。
操作弁155Lは、直接的には油圧レギュレータ156Lを操作する弁であり、油圧レギュレータ156Lの操作を通して第1走行ポンプ53Lが出力する作動油の量を制御する弁である。操作弁155Lは、ソレノイド160Lを有する電磁比例弁で構成されてお
り、制御装置60からソレノイド160Lに出力された制御信号に基づいて、操作弁155Lのスプールが移動する。このスプールの移動によって、操作弁155Lの開度が変更される。ここで、操作弁155Lは、第1位置159aと第2位置159bと中立位置159cとを有し、いずれかの位置に切り換え可能である。
操作弁155Lの第1ポートと油圧レギュレータ156Lの供給室157とは、第1走行油路145aにより接続されている。操作弁155Lの第2ポートと油圧レギュレータ156Lの供給室157とは、第2走行油路145bにより接続されている。
操作弁155Rは、直接的には油圧レギュレータ156Rを操作する弁であり、油圧レギュレータ156Rの操作を通じて第2走行ポンプ53Rが出力する作動油の量を制御する弁である。操作弁155Rは、ソレノイド160Rを有する電磁比例弁で構成されており、制御装置60からソレノイド160Rに付与された制御信号に基づいて、操作弁155Rのスプールが移動する。このスプールの移動によって、操作弁155Rの開度が変更される。ここで、操作弁155Rは、第1位置159aと第2位置159bと中立位置159cとを有し、いずれかの位置に切り換え可能である。
操作弁155Rの第1ポートと油圧レギュレータ156Rの供給室157とは、第3走行油路145cにより接続されている。操作弁155Rの第2ポートと油圧レギュレータ156Rの供給室157とは、第4走行油路145dにより接続されている。
操作弁155L及び操作弁155Rを第1位置159aに切り換えれば、油圧レギュレータ156L、156Rが作動して走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の斜板が揺動し、走行ポンプは正転する。操作弁155L及び操作弁155Rを第2位置159bに切り換えれば、油圧レギュレータ156L、156Rが作動して走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の斜板が揺動し、走行ポンプは逆転する。
操作弁155Lを第1位置159aに切り換え且つ操作弁155Rを第2位置159bに切り換えれば、第1走行ポンプ53Lは正転し、第2走行ポンプ53Rは逆転する。操作弁155Lを第2位置159bに切り換え且つ操作弁155Rを第1位置159aに切り換えれば、第1走行ポンプ53Lは逆転し、第2走行ポンプ53Rは正転する。
さて、上述したように、図6Aに示す油圧レギュレータ58を用いる構成、図6Bに示す操作弁55を用いる構成、及び図6Cに示す操作弁155L、155Rを用いる構成において、制御装置60は、図7A、図7B、図8に示す構成に基づいて、アンチストール制御(第1速度アンチストール制御、第2速度アンチストール制御)を行う。
図7Aは、操作レバー59の8方向の操作方向及びそれぞれの方向における操作量に対応する指令値を示している。図7Aにおいて、プラスの表示は走行ポンプの正転を意味しており、マイナスの表示は走行ポンプの逆転を意味していて、操作量(指令値)を百分率(%)で示している。操作レバー59の操作量が最大であるときは±100%、操作量が最小であるときは0%である。
言い換えれば、図7Aに示した値は、第1走行ポンプ53Lへの指令値、及び第2走行ポンプ53Rへの指令値を示しており、例えば、(100%、100%)との表示は、第1走行ポンプ53Lへの前進の指令値が100%であり、第2走行ポンプ53Rへの前進の指令値も100%であることを示す。例えば、操作レバー59を右に倒したときの(100%、-100%)との表示は、、第2走行ポンプ53Rへの後進の指令値が-100%であり、第1走行ポンプ53Lへの前進の指令値が100%であることを示す。
図7Bは、操作レバー59の指令値に対応する電流値(つまり、油圧レギュレータ58、操作弁55、操作弁155L、155Rに出力する操作電流値)をアンペア(A)で示している。
図8は、アンチストール制御(第1速度アンチストール制御、第2速度アンチストール制御)時に走行ポンプを制御するために、操作レバー59の指令値(電流)に適用される補正値(第1補正係数)と原動機32の実回転数との関係を示すグラフを表す。第1補正係数の値は、実回転数が高ければ「1」に近く大きいが、実回転数が低くなれば「0.5~0.4」に向かって小さくなる。
図7Bに示す指令値に対応する操作電流値によって油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rが動作するのであるから、図7Bに示す操作電流値は、第1実施形態における走行一次圧に相当する機能を果たす。第1実施形態では、走行一次圧を図2に示すように制御することでアンチストール制御を実行することを目的として、図3に示す制御情報を用いて、作動弁67へ出力する制御信号である操作電流の上限値を設定していた。
そこで、本実施形態では、アンチストール制御として、原動機32の実回転数応じた補正係数(第1補正係数という)を図8に示すグラフから抽出し、抽出した第1補正係数を図7Bに示す操作電流値に乗じることで、当該操作電流値を補正する。図8において、第1ライン280A、第2ライン280B、第3ライン280C、第4ライン280Dは、アンチストール制御の際に操作電流値を補正する補正値(第1補正係数)である。
まず、制御装置60は、図7Aに示すように、操作レバー59の操作方向及び操作量に応じて、指令値を決定する。次に制御装置60は、図7Bに示すように、指令値を油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rに出力する操作電流値に換算する。即ち、制御装置60は、図7A及び図7Bに示すように、操作レバー59の操作方向及び操作量に基づいて、油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rのそれぞれに出力する制御信号である操作電流の電流値(操作電流値という)を決定する。
制御装置60は、アンチストール制御(第1速度アンチストール制御、第2速度アンチストール制御)を実行すると、アンチストール制御として、図7A及び図7Bに示す構成に基づいて決定された操作電流値に対して、図8に示す補正値(第1補正係数)を乗算する。制御装置60は、この第1補正係数の乗算によって決定された操作電流値を、アンチストール制御下での操作電流値であるアンチストール電流値として、決定された操作電流値に対応する電流を油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rへ出力する。
上述のように決定し出力された電流値は、実質的に第1実施形態の図3に示す制御情報に実質的に相当するものである。従って、ジョイスティックで構成された操作レバー59を採用する本実施形態においても、第1実施形態と同様のアンチストール制御を行うことができる。
本実施形態において、制御装置60は、操作電流値に対して補正値(第1補正係数)を乗算することで、アンチストール制御下の操作電流であるアンチストール電流値を求めていたが、ただ単に、図8に示す第1補正係数に対応する電流値を、操作レバー59の指令値に対応する電流値の上限として用いることでもアンチストール制御を実現することができる。
つまり、操作レバー59の指令値100%に対応する操作電流値に第1補正係数を乗じることで得られる電流値を操作電流値の上限として、図8に示すグラフの縦軸に採用する。その上で、第1ライン180A、第2ライン180B、第3ライン180C、第4ライン180Dに基づいて、原動機32の実回転数に対応する操作電流値の上限を求めてもよい。この方法によっても、第1実施形態と同様のアンチストール制御を行うことができる。
さらに、第1実施形態と同様に、操作電流値の上限を、図3に示す制御情報に基づいて決定してもよい。本実施形態においても、操作レバー59の操作方向及び操作量に基づく操作電流値が図3に示す操作電流の上限値を超えるときは、制御装置60は、この図3に示す上限値を、アンチストール制御下での操作電流値であるアンチストール電流値として、油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rへ出力する。この方法によっても、第1実施形態と同様のアンチストール制御を行うことができる。
また、制御装置60は、第1実施形態と同様のショック低減制御を行うにあたっては、図9A及び図9Bに示すように、操作電流値に対して第2補正係数を乗算して、油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rへ出力する電流値(ショック低減電流値)を求める。
図9A及び図9Bは、それぞれ第1実施形態による図5A及び図5Bに対応する。図9A及び図9Bは、図5A及び図5Bにおいて電流値補正量を第2補正係数に置き換えた図である。アンチストール電流値に対して、図9A及び図9Bに示すように変動する第2補正係数を乗じることで、走行モータの増速及び減速におけるショックを低減することができる。
より詳しくは、制御装置60は、図9Aに示すように、時点Q2以前は、第1速度におけるアンチストール制御である第1速度アンチストール制御下で、操作電流値に対して補正値(第1補正係数)を乗算する。このとき、第2補正係数の値は、例えば、1であり、第2補正係数の値を小さくすることで、操作電流値に対する補正量を大きくする。
本実施形態による作業機1においても、制御装置60は、アンチストール制御と同時に、ショック低減制御を実行してもよい。ショック低減制御は、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへ出力される制御信号であるアンチストール電流の電流値(操作電流値)を補正する制御である。
詳しくは、ショック低減制御は、第1速度から第2速度への変速時又は第2速度から第1速度への変速時に、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへの制御信号であるアンチストール電流の電流値(制御量)を瞬間的に下げるなど、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへの操作電流値を補正する制御である。
図9Aは、走行モータを第1速度から第2速度に増速するときの油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへのアンチストール電流の電流値(操作電流値)に対する補正量と、走行モータの切換(切換弁、切換SW)と、アンチストール制御及びショック低減制御との関係を示した図である。図9Aの時間Z10は、切換スイッチ(切換SW)61の操作によって増速指令を行ってから、走行切換弁(切換弁)34の第1状態(第1速度)から第2状態(第2速度)への切り換えが始まるまでの切換時間(遅延時間)である。
図9Aに示すように、時点Q1において、切換スイッチ61が操作されると、制御装置60は、切換スイッチ61から、第1状態(第1速度)から第2状態(第2速度)に切り換えるための増速指令(2速指令)を取得する。
制御装置60は、時点Q2以降、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへ出力するアンチストール電流値に対して補正を行う。制御装置60は、時点Q2以降、時間T1の間に、アンチストール電流値を所定値(ショック低減値)W3だけ徐々に低下させる。つまり、制御装置60は、時点Q2以降、時間T1の間に、アンチストール電流の電流値に対する補正量を増加させる。ショック低減値W3は、第1速度から第2速度へ切り換えで生じるの変速ショックを軽減するための電流値の補正量であり、実績、実験、理論的なシミュレーション等から求めた値である。アンチストール電流値に対する補正値であるショック低減値は、零から所定値W3の間で変化する。
時点Q2以降、時間T1経過した時点Q3において、走行切換弁34の第2速度への切り換えが完了する。この時点Q3において、操作電流値の補正量がショック低減値W3に達すると、制御装置60は、時点Q3以降、時間T2の間に、アンチストール電流値の補正量を徐々に零に戻す。つまり、アンチストール電流を、補正前の時点Q2以前の値に徐々に戻す。
また、制御装置60は、時点Q3以降、即ち、走行切換弁34を第1状態(第1速度)から第2状態(第2速度)に切り換えた後は、図8に示す第2ライン180Bに基づく第2速度におけるアンチストール制御(第2速度アンチストール制御)へ移行する。
つまり、制御装置60は、例えば、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへのアンチストール電流値の補正量(電流値)を零に戻した時点Q5において、第2ライン180Bによる第2速パイロット圧の設定を行う第2速度アンチストール制御へ移行する。
ここで、時点Q1及び時点Q2は、同時(同じ)であってもよいし、非常に短時間であってもよく、限定されない。時点Q2から時点Q3までの区間(時間)は、時点Q3から
時点Q5までの区間(時間)よりも短く設定されている。言い換えれば、時点Q3から時点Q5までの区間(時間)は、時点Q2から時点Q3までの区間(時間)よりも長く設定されている。
図9Bは、走行モータを第2速度から第1速度に減速するときの油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへのアンチストール電流値に対する補正量と、走行モータの切換(切換弁、切換SW)と、アンチストール制御及びショック低減制御との関係を示す図である。図9Bの時間Z11は、切換スイッチ(切換SW)61の操作によって減速指令を行ってから、走行切換弁(切換弁)34の第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)への切り換えが始まるまでの切換時間(遅延時間)である。この時間Z11は、図9Aで説明した時間Z10よりも長くなるように設定されている。
図9Bに示すように、時点Q11において、切換スイッチ61が操作されると、制御装置60は、切換スイッチ61から、第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換えるための減速指令(1速指令)を取得する。
制御装置60は、時点Q11から時間T11経過した時点Q12以降、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへ出力するアンチストール電流の電流値に対して補正を行う。制御装置60は、時点Q12以降、時間T12の間に、アンチストール電流値を所定値(ショック低減値)W5だけ徐々に低下させる。つまり、制御装置60は、時点Q12以降、時間T12の間に、アンチストール電流の電流値に対する補正量を、図9Aの時点Q2から時点Q3の間の増加に比べて緩やかに、徐々に増加させる。ショック低減値W5は、第2速度から第1速度へ切り換えで生じる変速ショックを軽減するための電流値の補正量であり、実績、実験、理論的なシミュレーション等から求めた値である。アンチストール電流値に対する補正値であるショック低減値は、零から所定値W5の間で変化する。
時点Q12以降、時間T12経過した時点Q13において、走行切換弁34の第2速度への切り換えは、まだ行われていない。この時点Q13において、アンチストール電流の補正量がショック低減値W5に達すると、制御装置60は、時点Q13以降、時点Q15までの時間T13の間に、アンチストール電流値に対する補正量を徐々に零に戻す。つまり、アンチストール電流値を、補正前の時点Q12以前の値に徐々に戻す。
また、制御装置60は、時点Q13以降、即ち、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rに対するアンチストール電流の補正量が徐々に零に戻る過程において、走行切換弁34を第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換える。この切換は、アンチストール電流値に対する補正量が零に戻る前に完了し、この切り換えの完了後、少し遅れてアンチストール電流値に対する補正量が零に戻る。
制御装置60は、例えば、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへのアンチストール電流の補正量を徐々に零に戻している途中である時点Q14において、図8に示す第1ライン180Aに基づく第1速度におけるアンチストール制御(第1速度アンチストール制御)へ移行する。
なお、本実施形態では、時点Q13以降において、補正量(電流値)を徐々に零に戻している途中の時点Q14にて第1速度アンチストール制御へ移行していたが、制御装置60は、時点Q13以降において、アンチストール電流の補正量(電流値)が零になる時点Q15に達したときに、第1速度アンチストール制御へ移行してもよい。
また、時点Q11及び時点Q12は、同時(同じ)であってもよいし、非常に短時間であってもよく、限定されない。時点Q12から時点Q13までの区間(時間)は、時点Q13から時点Q14までの区間(時間)よりも長く設定されている。言い換えれば、時点Q13から時点Q14までの区間(時間)は、時点Q12から時点Q13までの区間(時間)よりも短く設定されている。
また、制御装置60は、ショック低減制御において、連続的にではなく複数段に分けて補正量を変化させてもよい。図9Cに示すように、制御装置60は、ショック低減制御において、複数段に分けて制御量(電流値)を変化させるとき、例えば、ラインL131に示すように、時点Q12で急峻に補正量を増加させる。その後、制御装置60は、徐々に
補正量を減少させて、補正量(電流値)がショック低減値W5に達した後に、走行切換弁34を第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換えてもよい。また、制御装置60は、この時点Q13以降、補正量(電流値)を徐々に零に戻す途中で、第1速度アンチストール制御に移行してもよい。
このとき、図9Cの時間Z11は、切換スイッチ(切換SW)61の操作によって減速指令を行ってから、走行切換弁(切換弁)34の第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)への切り換えが始まるまでの切換時間(遅延時間)である。この時間Z11は、図9Aで説明した時間Z10よりも長くなるように設定されている。
なお、図9A及び図9Bに示すように、切換スイッチ61の操作によって切換の操作後において、ショック低減制御を行う長さは、増速指令(図9A)よりも減速指令(図9B)が長くなっている。
図9A~図9Cを用いて説明した構成において重要な点は、増速指令のときに、補正量が増加している途中で第1速度から第2速度への切り換えを完了することと、減速指令のときに、補正量が徐々に零に回復している途中で第2速度から第1速度への切り換えを完了することである。このように、制御装置60は、ショック低減制御によって油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rに対する操作電流値の補正が行われている間に、増速指令又は減速指令を完了する。このように、ショック低減制御では、操作電流値が補正されている間に増速指令又は減速指令が完了する。
第2実施形態において、操作電流値及びアンチストール電流値を様々に補正する方法を説明した。この操作電流値及びアンチストール電流値を補正する方法を、以下のようにまとめることができる。
つまり、アンチストール制御の下では操作電流値及びアンチストール電流値に対して上述の補正がなされるので、油圧レギュレータ58、操作弁55、又は操作弁155L、155Rへ出力するアンチストール電流の電流値は、操作レバー59の指令値に基づく図7Bに示す操作電流値と必ずしも一致しておらず異なる挙動をとる。例えば、その挙動とは、図9Aに示すように、増速指令が出力されたときは、急峻にアンチストール電流値を低下させてから、低下時よりも緩やかにアンチストール電流値を上昇させる。また、図9Bに示すように、減速指令が出力されたときは、緩やかにアンチストール電流値を低下させてから、低下時よりも急峻にアンチストール電流値を上昇させる。さらに、図9Cに示すように、減速指令が出力されたときは、アンチストール電流値を、所定電流値分だけ急峻に低下させてから低下の傾きを緩やかにして徐々に低下させ、その後低下時よりも急峻にアンチストール電流値を上昇させる。
本実施形態においても、上述のショック低減制御に代えて、第1実施形態で説明した図5C、図5Dに示すような、原動機32の実回転数を低下させる制御を行えば、同様のショック低減効果を得ることができる。
原動機32の実回転数を低下させる制御によってショック低減を実現する構成及び方法については、第1実施形態で説明した構成及び方法と同様であるので、説明を省略する。
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、電磁比例弁、例えば、電磁比例弁で構成された作動弁67、油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rに対して制御信号(つまり、操作電流)を出力する際に、PI制御、PID制御を適用して、原動機の目標回転数、実回転数に応じた電流値を出力するようにしてもよい。
例えば、制御装置60は、目標回転数と実回転数の偏差に基づいて、作動弁67、油圧レギュレータ58、操作弁55、及び操作弁155L、155Rへ出力する操作電流値を変更するように、PI制御やPID制御によるフィードバック制御を行ってもよい。例えば、目標回転数と実回転数の偏差が大きくなれば操作電流値を本来の値から小さくなるように補正し、当該偏差が小さくなれば操作電流値を本来の値へ戻すように補正する。このようなフィードバック制御をPI制御又はPID制御によって実現し、上述のアンチストール制御に相当する制御を実現することができる。
特に、制御装置60は、PI制御及びPID制御において、比例ゲイン(つまり、Pゲイン)を、第1速度のときと第2速度のときとで異なる値とする。具体的には、第1速度
で用いる比例ゲインと第2速度で用いる比例ゲイン、つまり2つの比例ゲインを用いる。制御装置60は、この2つの比例ゲインを選択的にもちいることで、同じ偏差であっても、第2速度よりも第1速度の方が操作電流値が大きく補正されるようにフィードバック制御(アンチストール制御)を行うことができる。
また、制御装置60は、PI制御及びPID制御において、微分ゲイン(つまり、Dゲイン)を、第1速度のときと第2速度のときとで異なる値としても、つまり、2つの微分ゲインを選択的に用いても、同様のフィードバック制御(アンチストール制御)を行うことができる。この2つの微分ゲインを選択的にもちいることで、偏差の変化率が同じであっても、第2速度よりも第1速度の方が操作電流値が大きく補正されるようにフィードバック制御(アンチストール制御)を行うことができる。
PI制御及びPID制御については、制御対象の特性に応じていずれかが選択されることはいうまでもない。また。比例ゲイン、微分ゲイン、及び積分ゲインの値はそれぞれ独立して決定されるものではなく、その組み合わせにおいて最適なフィードバック制御を得られる値に決定される。
また、PI制御及びPID制御に代えて、以下に示す式(1)~(3)を用いた計算によっても、アンチストール制御下での操作電流値であるアンチストール電流値を決定することができる。式(1)~(3)において、記号(A)は電流値アンペアを示す。
アンチストール電流値(A)=操作電流(A)×α×(エンジン目標回転数-実回転数)・・・(1)
式(1)では、アンチストール制御が実行されていないときの操作電流値に係数αを乗じて、エンジン目標回転数と実回転数の偏差に比例させることで、アンチストール電流を決定することができる。
このとき、係数αに、第1速度のときと第2速度のときとで異なる値を用いれば、上述の実施形態と同様に、適切なアンチストール電流値を決定することができる。
アンチストール電流値(A)=0.3A+(操作電流(A)-0.3)×α×(エンジン目標回転数-実回転数)・・・(2)
式(2)は、ジョイスティックで構成された操作レバー59の指令値の変動が上下10%以上変動したときに用いるとよい。式(2)では、まず基礎となる電流値として0.3Aを導入する。その上で、操作電流値から基礎となる0.3Aを除いた値に係数αを乗じ、さらにエンジン目標回転数と実回転数の偏差に比例させて補正分の電流値を得る。基礎となる電流値である0.3Aに補正分の電流値を加えることで、アンチストール電流を決定することができる。
式(2)においても、係数αに、第1速度のときと第2速度のときとで異なる値を用いれば、上述の実施形態と同様に、適切なアンチストール電流値を決定することができる。
アンチストール電流値(A)=操作電流(A)-α×(エンジン目標回転数-実回転数)・・・(3)
式(3)は、式(2)とは異なり、操作レバー59の指令値の変動が上下10%未満のときにも用いることができる。式(3)では、操作電流値から、エンジン目標回転数と実回転数の偏差に比例する電流値を除くことで、アンチストール電流を決定することができる。式(3)は、エンジン目標回転数と実回転数の偏差が極端に大きいときに、マイナスのアンチストール電流値を返すことがある。このときは、制御装置60は、アンチストール電流値を零とみなす。
式(3)においても、係数αに、第1速度のときと第2速度のときとで異なる値を用いれば、上述の実施形態と同様に、適切なアンチストール電流値を決定することができる。
第1実施形態の図5Aに示す増速指令及び第2実施形態の図9Aに示す増速指令における走行切換弁34の切り換え期間と増速指令の時期について説明する。第1実子形態及び第2実施形態において、走行切換弁34が第1速度から第2速度へ切り換わる期間、つまり、図5A及び図9Aにおいて走行切換弁34が第1速度から第2速度へ切り換わる期間は、電流値に対する補正量及び第2補正係数に対する補正量が増加する期間と少なくとも一部でも重なるように制御されればよい。
つまり、制御装置60は、走行切換弁34が第1速度から第2速度へ切り換わる期間と補正量が増加する期間とが少なくとも一部で重なるようなタイミングで増速指令を出力すればよい。この期間の重なりを制御することで、走行切換弁34(つまり、第1切換弁71L、71R及び第2切換弁72)や斜板切換シリンダ37L、37Rの応答遅れを考慮した滑らかな増速を実現しエンジンストールをより確実に防ぐことができる。この期間の重なりを、さらに作動油の温度や油圧機器の構成を加味して制御すれば、さらに滑らかな増速を実現しエンジンストールをより確実に防ぐことができる。
第1実施形態の図5Bに示す減速指令及び第2実施形態の図9Bに示す減速指令における走行切換弁34の切り換え期間と増速指令の時期についても同様に、走行切換弁34が第2速度から第1速度へ切り換わる期間、つまり、図5B及び図9Bにおいて走行切換弁34が第2速度から第1速度へ切り換わる期間は、電流値に対する補正量及び第2補正係数に対する補正量が減少する期間と少なくとも一部でも重なるように制御されてもよい。
つまり、制御装置60は、走行切換弁34が第2速度から第1速度へ切り換わる期間と補正量が増加する期間とが少なくとも一部で重なるようなタイミングで減速指令を出力すればよい。この期間の重なりを制御することで、走行切換弁34(つまり、第1切換弁71L、71R及び第2切換弁72)や斜板切換シリンダ37L、37Rの応答遅れを考慮した滑らかな減速を実現しエンジンストールをより確実に防ぐことができる。この期間の重なりを、さらに作動油の温度や油圧機器の構成を加味して制御すれば、さらに滑らかな減速を実現しエンジンストールをより確実に防ぐことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上述の実施形態では、ショック低減制御及び実回転数低下制御をアンチストール制御と両立させて(つまり、組み合わせて)実行しているが、ショック低減制御を、アンチストール制御を停止した状態で実行してもよい。アンチストール制御を受けていない制御信号(つまり、操作電流値)に対してショック低減制御を実行することもできる。
上述した実施形態では、切換部が、作業者等が手動などで操作することができる切換スイッチ61で構成されているが、制御装置60に内蔵されていてもよい。切換部を制御装置60に内蔵したとき、切換部は、制御装置60に格納されたプログラム、電気、電子部品(電子電子回路)で構成される。この場合、制御装置60の切換部は、作業機1に設けた様々な検出装置、例えば、センサからの検出情報に基づいて1速状態と2速状態とに切り換えるか判断して、判断結果に基づいて走行切換弁34に制御信号を出力する。走行切換弁34は、1速状態の制御信号を取得したとき1速状態に切り換わり、2速状態の制御信号を取得したときに2速状態に切り換わる。
走行切換弁34は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)を第1速度にする第1状態と、第2速度にする第2状態とに切換可能である弁であればよく、方向切換弁とは異なる比例弁であってもよい。
走行モータは、第1速度、第2速度との間に中立(ニュートラル)を有するモータであってもよい。
走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)は、アキシャルピストンモータであってもラジアルピストンモータであってもよい。走行モータがアキシャルピストンモータ及びラジアルピストンモータであれば、モータ容量を大きくすることで、第1速に切り換えることができ、モータ容量を小さくすることで、第2速に切り換えることができる。
1 :作業機
32 :原動機
34 :走行切換弁
53L :走行ポンプ
53R :走行ポンプ
60 :制御装置
60A :記憶部
60B :設定部
65 :アクセル
66 :回転検出装置
67 :作動弁
M10 :実回転数
M11 :実回転数
M12 :実回転数
V10 :パイロット圧
V11 :パイロット圧
V12 :パイロット圧

Claims (16)

  1. 原動機と、
    原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、
    前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、
    前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、
    前記走行ポンプを作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な作動弁と、
    前記作動弁の出力するパイロット油のパイロット圧を、前記第1速度と前記第2速度とで異なる値となるように制御する制御装置と、を備える作業機。
  2. 前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるか又は前記第2速度であるかに基づいて、前記パイロット圧を制御する請求項1に記載の作業機。
  3. 前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときに、前記原動機の回転数に基づいて前記第1速度であるときのパイロット圧である第1速パイロット圧を制御し、且つ、前記走行モータの回転速度が前記第2速度であるときに前記原動機の回転数に基づいて前記第2速度であるときのパイロット圧である第2速パイロット圧を制御する請求項2に記載の作業機。
  4. 前記制御装置は、前記第2速パイロット圧を、前記第1速パイロット圧よりも低い値となるように制御する請求項3に記載の作業機。
  5. 前記原動機の目標回転数を決定するアクセルと、
    前記原動機の実回転数を検出する回転検出装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数の大きさに応じて前記パイロット圧を制御する請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機。
  6. 前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、前記パイロット圧を制御する請求項5に記載の作業機。
  7. 前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、前記実回転数に基づいて前記パイロット圧を設定する請求項5又は6に記載の作業機。
  8. 前記制御装置は、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときに、前記原動機の実回転数に基づいて前記第1速度であるときのパイロット圧である第1速パイロット圧を制御し、且つ、前記走行モータの回転速度が前記第2速度であるときに、前記原動機の実回転数に基づいて前記第2速度であるときのパイロット圧である第2速パイロット圧を前記第1速パイロット圧よりも低い値に制御する請求項1又は2に記載の作業機。
  9. 前記原動機の目標回転数を決定するアクセルと、
    前記原動機の実回転数を検出する回転検出装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときに前記実回転数に基づいて前記第1速パイロット圧を決定する第1ラインと、前記走行モータの回転速度が前記第2速度であるときに前記実回転数に基づいて前記第2速パイロット圧を決定する第2ラインと、前
    記走行モータの回転速度にかかわらず前記実回転数に基づいて前記第1速パイロット圧及び前記第2速パイロット圧を決定する第3ラインとを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記第1ライン、第2ライン及び第3ラインのいずれかに基づいて、前記パイロット圧の設定を行う設定部と、を備える請求項8に記載の作業機。
  10. 前記設定部は、前記アクセルで決定した目標回転数と前記回転検出装置で検出した実回転数との差であるドロップ回転数が閾値以上であるときに、前記第1ライン及び第2ラインのいずれかに基づいて、前記パイロット圧の設定を行う請求項9に記載の作業機。
  11. 前記制御装置は、前記走行モータを前記第1速度及び第2速度のいずれかに切り換える前又は後において、前記作動弁を制御する制御量を低下させるように前記パイロット圧を制御する請求項1~10のいずれか1項に記載の作業機。
  12. 前記制御装置は、前記走行モータを前記第1速度及び第2速度のいずれかに切り換える前又は後において、前記原動機の回転数を低下させる請求項1~10のいずれか1項に記載の作業機。
  13. 前記原動機の目標回転数を決定するアクセルと、
    前記原動機の実回転数を検出する回転検出装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記目標回転数と前記実回転数との差であるドロップ回転数に基づくPI制御又はPID制御によって、前記パイロット圧を制御する請求項1に記載の作業機。
  14. 前記制御装置は、前記PI制御又はPID制御において、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときと前記第2速度であるときとで、異なる制御ゲインを用いる請求項13に記載の作業機。
  15. 前記制御装置は、前記PI制御又はPID制御において、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときと前記第2速度であるときとで、異なる比例ゲインを用いる請求項14に記載の作業機。
  16. 前記制御装置は、前記PI制御又はPID制御において、前記走行モータの回転速度が前記第1速度であるときと前記第2速度であるときとで、異なる微分ゲインを用いる請求項15に記載の作業機。
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