JP2022125729A - 作業機 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示された作業機は、第1速度と第1速度よりも高速の第2速度とに切換可能な走行モータを有し、該走行モータが第2速度の状態で走行している際において、該走行モータに所定以上の負荷が作用した場合に該走行モータを第2速度から第1速度に自動減速させるように構成されている。
また、前記操作量変化算出部は、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後、所定時間経過後に前記仮想の操作量の変化度合いの算出を行う。
また、前記自動減速を禁止する時間は、前記走行操作部材を前記第2操作量に操作した
状態において前記自動減速部が前記自動減速を行うか否かの判定を行うモータ回転数閾値に前記モータ回転数が上昇するまでの時間である。
また、前記走行ポンプを駆動する原動機を備え、前記自動減速部が、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後に前記モータ回転数が前記仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行うまでの時間は、前記原動機の回転数によって変更可能である。
また、前記走行ポンプを駆動する原動機を備え、前記モータ回転数閾値は、前記原動機の回転数によって変更可能である。
図12は、本発明に係る作業機1の側面図を示している。図12では、作業機1の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機1はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
る。作業装置4は機体2に装着されている。走行装置5は、一対の走行装置5L、5Rを含み、該一対の走行装置5L、5Rは、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機32が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ(作業具シリンダ)15とを有している。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
一対の走行装置5L、5Rのうち、走行装置5Lは機体2の左側に設けられ、走行装置5Rは機体2の右側に設けられている。一対の走行装置5L、5Rは、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を
有する車輪型の走行装置を採用してもよい。以下、説明の便宜上、走行装置5Lのことを左走行装置5L、走行装置5Rのことを右走行装置5Rということがある。
次に、作業機1の油圧システムについて説明する。
図1Aに示すように、作業機1の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2とを備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。説明の便宜上、作動油を貯留するタンク22のことを作動油タンクということがある。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rには、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)の圧力(パイロット圧)が作用する前進用受圧部53aと後進用受圧部53bとを有している、受圧部53a、53bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。斜板の角度を変更することによって、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの出力(作動油の吐出量)や作動油の吐出方向を変えることができる。
左走行モータ36Lは、左走行ポンプ53Lから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。左走行モータ36Lには、斜板切換シリンダ37Lが接続され、当該斜板切換シリンダ37Lを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても左走行モータ36Lの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Lを収縮した場合には、左走行モータ36Lの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸長した場合
には、左走行モータ36Lの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、左走行モータ36Lの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
第1切換弁71Lは、左走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続されていて、第1位置71L1及び第2位置71L2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Lは、第1位置71L1である場合、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2である場合、斜板切換シリンダ37Lを伸長する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、励磁により第1位置72aと第2位置72bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第2位置71L2、71R2に切り換える。
操作装置54は、走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)を操作する装置であり、走行ポンプの斜板の角度(斜板角度)を変更可能である。操作装置54は、走行操作部材59と、複数の操作弁55とを含んでいる。
。複数の操作弁55は、走行操作部材59の揺動に基づいて作動する。複数の操作弁55には、吐出油路40が接続され、当該吐出油路40を介して、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C及び操作弁55Dである。
走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、走行ポンプ53Lの前進用受圧部53aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ53Lの後進用受圧部53bに接続された油路である。第3走行油路45cは、走行ポンプ53Rの前進用受圧部53aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ53Rの後進用受圧部53bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。
左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36Lが逆転し且つ右走行モータ36Rが正転して作業機1が左側にスピンターン(超信地旋回)する。
すなわち、走行操作部材59を左斜め前方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら左旋回し、走行操作部材59を右斜め前方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら右旋回し、走行操作部材59を左斜め後方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら左旋回し、走行操作部材59を右斜め後方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら右旋回する。
モードスイッチ66は、自動減速を有効又は無効に切り換えるスイッチである。例えば、モードスイッチ66は、ON/OFFに切り換え可能なスイッチであり、ONである場合に自動減速を有効に切り換え、OFFである場合には自動減速を無効に切り換える。
制御装置60は、自動減速部61を備えている。自動減速部61は、制御装置60に設けられた電気電子回路等、当該制御装置60に格納されたプログラム等である。
自動減速制御では、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)が第2速度である場合において所定の条件(自動減速条件)を満たしたときに、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第2速度から第1速度に自動的に切り換える。自動減速制御では、少なくとも走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)が第2速度である状況において、自動減速条件を満たすと、制御装置60は、第2切換弁72のソレノイドを消磁することで、当該第2切換弁72を第2位置72bから第1位置72aに切り換えることにより、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第2速度から第1速度に減速する。つまり、制御装置60は、自動減速制御において、自動減速を行う際は、左走行モータ36Lと右走行モータ36Rとの両方を、第2速度から第1速度に減速する。
図2に示すように、操作検出装置64は、走行操作部材59を中立にした状態から徐々に傾けると、傾きの大きさに応じた操作量を検出する。操作検出装置64は、走行操作部材59を前方又は後方に傾けた場合、左方又は右方に傾けた場合、斜めに傾けた場合のいずれでも操作量を検出することができる。
自動減速部61は、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)が第2速度である場合において、操作検出装置64によって検出された操作量と第1制御情報に基づいて、第1速度ラインL1によって設定される第1速規定回転数を求め、回転数検出装置68が検出したモータ回転数(実モータ回転数)が、第1規定回転数以下である場合に、自動減速(第2速度から第1速度に減速)する。例えば、図3に示すように、第2速度である場合において、走行操作部材59の操作量がW1である場合には、走行モータの第2速規定回転数(最高回転数)は第2速度ラインL2で示されるV1となる。ここで、走行操作部材59の操作量がW1に維持された状態で、走行モータの実モータ回転数が下がり、第1速度ラインL1で示されるV2以下になると、自動減速部61は、自動減速する。一方、自動減速部61は、自動減速後において、実モータ回転数が復帰閾値以上である場合に、第1速度から第2速度に復帰する。
、第1速度ラインL1で定められる第1規定回転数以下である減速閾値を設定するラインである。第4速度ラインL4は、第1速度ラインL1で定められる第1規定回転数以下で且つ第3速度ラインL3で定められる減速閾値以上である復帰閾値を設定するラインである。言い換えれば、記憶装置69は、第1規定回転数以下で予め定められた減速閾値を記憶し、第1規定回転数以下で且つ減速閾値以上である復帰閾値している。
図4は、自動減速部61における処理をまとめた図である。
なお、上述した実施形態では、自動減速部61は、一対の走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の両方が第2速度である場合に第2速度から第1速度に自動的に減速していたが、自動減速部61は、一対の走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)のいずれかが第2速度である場合に自動減速を行ってもよい。また、自動減速部61は、一対の走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)のいずれかが自動減速後に、第1速度から第2速度に復帰してもよい。
自動減速部61は、走行モータ36(左走行モータ36L、右走行モータ36R)が第2速度であり且つ走行モータ36(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の両方が正転(前進)する場合において、操作検出装置64によって検出された操作量と第5速度ラインL5とに基づいて減速閾値を求め、実モータ回転数が減速閾値以下である場合に、
自動減速を行う。例えば、図5に示すように、走行操作部材59の操作量がW10である場合には、減速閾値は、第5速度ラインL5で示されるV11となる。ここで、走行操作部材59の操作量がW10に維持された状態で、作業機1が前進(直進)している場合に、左走行モータ36L、右走行モータ36Rの両方の実モータ回転数が下がり、両方の実モータ回転数が減速閾値V11以下になると、自動減速部61は、自動減速する。
第2実施形態では、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の両方が正転(前進)した場合において、自動減速及び復帰について説明をしたが、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の両方が逆転(後進)した場合も動作は同じである。即ち、第2実施形態において、正転(前進)を逆転(後進)に読み替えればよい。
上述した実施形態では、左走行モータ36L及び左走行モータ36Rは、同時に第1速度、第2速度に切り換わり、自動減速も左走行モータ36L及び左走行モータ36Rに対して同時に行われる構成であったが、少なくとも左走行モータ36L及び左走行モータ36Rのいずれかが第1速度、第2速度に切り換わり、少なくとも左走行モータ36L及び左走行モータ36Rのいずれかが第2速度になっている状態で自動減速を行ってもよい。
図6は、走行操作部材59の操作量と、モータ回転数閾値(減速閾値)との関係を示し
ている。モータ回転数閾値は、走行操作部材59の操作量に基づいて設定される閾値であって、自動減速部61が自動減速する際に判定されるモータ回転数の境界となる閾値である。つまり、走行モータ36が第2速度である場合に、回転数検出装置68で検出された実際のモータ回転数が、モータ回転数閾値を下回った場合に自動減速部61が自動減速を行う。
図7は、横軸を時間として、走行操作部材59の実際の操作量と、走行操作部材59の実際の操作量に対応するモータ回転数閾値(本来のモータ回転数閾値)と、走行操作部材59の実際の操作量の変化度合いと、制御装置60で算出した仮想の操作量の変化度合いと、制御装置60で算出した仮想のモータ回転数閾値と、走行操作部材59の実際の操作量に対応するモータ回転数の推移との関係を示している。
また、図7に示すモータ回転数ラインL41は、走行操作部材59の操作量に対応して設定されるモータ回転数の推移を示している。このモータ回転数ラインL41の始点a1は、走行操作部材59の操作開始点であり、該始点a1でのモータ回転数は、第1操作量W11に対応する回転数である。つまり、図例では、モータ回転数ラインL41の始点a1でのモータ回転数は0rpmである。また、モータ回転数ラインL41の終点a2でのモータ回転数Y1rpmは、第2操作量W12に対応する回転数である。また、モータ回転数ラインL41は、始点a1における時間t1から終点a2における時間t4に向かうにつれて時間の経過と共に徐々に増加する右肩上がりの傾斜状である。
間(時間t1→時間t4)を要する。つまり、走行操作部材59を第1操作量W11から第2操作量W12まで急峻に変化させた場合、モータ回転数は、始点a1から時間の経過と共に徐々に増加して、第2操作量W12に対応するモータ回転数Y1rpmまで上昇する。
具体的に説明すると、
図7において、第1操作量W11は、第1操作量ラインL21で示し、第2操作量W12は、第2操作量ラインL22で示している。また、第1操作量W11から第2操作量W12に変化させた際の、実際の操作量の変化度合いは、第1変化度合いラインL31で示している。図例では、第1変化度合いラインL31は、始点a1から上方に立ち上がっている。第1操作量W11から第2操作量W12に至る時間は、極めて短いので、図7では、第1変化度合いラインL31を鉛直上方に推移するように図示している。
図8に示すように、自動減速抑制部62は、操作量変化算出部62Aと、回転数閾値算出部62Bとを有している。操作量変化算出部62Aは、実際の操作量の変化度合い(第1変化度合いラインL31)に対して、操作量が増加するにつれて(図7において第1操作量W11から第2操作量W12に向かうにつれて)大きくなる時間遅れを持たせた仮想の操作量の変化度合いを算出する。回転数閾値算出部62Bは、操作量変化算出部62Aが算出した仮想の操作量の変化度合いに対応した仮想のモータ回転数閾値を算出する。
図7に示すように、第1変化度合いラインL31が始点a1から上方に立ち上がっているのに対し、第2変化度合いラインL32は、始点a1から、時間t4における第2操作量ラインL22上の点a4に至るように右肩上がりの傾斜状になるように設定される。つまり、実際には、走行操作部材59を第1操作量W11から第2操作量W12に急峻に変化させても、制御上では、走行操作部材59が第1操作量W11から第2操作量W12に緩やかに変化するように設定される。
つまり、上述したように、中立判定領域では(中立時には)自動減速を行うのを禁止しているが、中立判定領域(中立)から出た直後もモータ回転数が小さかったり、走行圧が大きかったりするので、発進直後に自動減速をさせたくはない。そこで、中立判定領域(中立)を出てからもモータ回転数の大きさに応じて自動減速禁止区間を設けている。
本実施形態の自動減速制御の目的は第2速度で走行したい一方で、負荷がかかって速度が落ち、結果的に第1速度で走行した方が速い場合に第1速度へ落とす機能である。そこで、ある一定以上の車速で走れているにもかかわらず自動減速が作動することの無い様に、モータ回転数が設定した値以上の時は自動減速を禁止する機能を設けている。
上記自動減速の禁止は、第2速度での走行中に負荷がかかって速度が落ちた場合であって、第1速度以上の車速がでている場合、又は第1速度を少し下回る車速である場合に行われる。また、車速は、原動機回転数(エンジン回転数)、パイロット圧、走行負荷(リリーフバルブからの排出流量の大小)によって変化する為、この車速の設定値は原動機回転数(エンジン回転数)によって変化させるようにしている。
上記実施形態にあっては、中立からの走行操作部材59の操作や走行操作部材59の操作そのものが不安定な場合でも状況に応じた閾値を設定することができ、自動減速すべきタイミングで自動減速させる為の制御精度を向上させることができる。
れることはない。即ち、図9に示すように、第4閾値ラインL14の始点a5をモータ回転数ラインL41の始点a1と一致させるようにしてもよい。これによれば、図7に示す判定時間T1を設けなくてもよい。なお、第4閾値ラインL14の始点a5をモータ回転数ラインL41の始点a1よりも低い位置に位置させるようにしてもよい。
図11は、自動減速抑制部62が、図7~図10に示す実施形態のように、仮想の操作量の変化度合い及び該仮想の操作量の変化度合いに対応する仮想のモータ回転数閾値を算出するのではなく、走行操作部材59の操作後、所定時間t3までは、自動減速部61が自動減速を行うのを、当該自動減速抑制部62が禁止する実施形態を示している。したがって、この図11に示す実施形態の場合は、自動減速抑制部62は、操作量変化算出部62A、回転数閾値算出部62Bを有していない。
制御装置60には、走行ポンプ36(左走行ポンプ53L,右走行ポンプ53R)の斜板を操作する油圧レギュレータ58が接続されている。操作レバー59が前方(図1AのA1方向参照)に操作されると、制御装置60は、油圧レギュレータ58に制御信号を出力し、当該油圧レギュレータ58によって、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板を正転(前進)の方向に揺動させる。
操作レバー59が右方(図1AのA3方向参照)に操作されると、制御装置60は、油圧レギュレータ58に制御信号を出力し、当該油圧レギュレータ58によって、左走行ポ
ンプ53Lの斜板を正転の方向に揺動させ、右走行ポンプ53Rの斜板を逆転の方向に揺動させる。
図1Bに示す作業機の油圧システムは、作動弁80を備えている。作動弁80は、走行ポンプ53(左走行ポンプ53L,右走行ポンプ53R)を作動させる油圧レギュレータ58のパイロット油のパイロット圧を変更可能な弁である。作動弁80は、パイロット油が流れる吐出油路40に設けられ、開度を変更することによって、油圧レギュレータ58を作動させるパイロット油のパイロット圧を変更する。例えば、作動弁80は、制御装置60の制御信号(例えば、電圧、電流)に基づいて開度が変更可能な電磁比例弁である。
制御装置60は、作動弁80によって変更する作動パイロット圧を、走行モータ36が第1速度である場合と、走行モータ36が第2速度である場合とで異なる値に設定する。制御装置60は、原動機回転数、第1速度及び第2速度に基づいて、作動パイロット圧を設定する。例えば、制御装置60は、走行モータ36が第1速度である場合に原動機回転数に基づいて第1速度であるときの作動パイロット圧である第1速パイロット圧を設定する。また、制御装置60は、走行モータ36が第2速度である場合に原動機回転数に基づいて第2速度であるときの作動パイロット圧である第2速パイロット圧を設定する。
図1Bに示すように、制御装置60は、記憶部60Aと、設定部60Bとを備えている。記憶部60Aは、不揮発性のメモリであり、作動パイロット圧を設定する制御情報が記憶されている。制御情報は、作動パイロット圧と、原動機回転数との関係を示すデータである。設定部60Bは、制御装置60に設けられた電気回路・電子回路、制御装置60に格納されたプログラム等である。設定部60Bは、記憶部60Aに記憶された制御情報に基づいて作動パイロット圧(第1速パイロット圧、第2速パイロット圧)の設定を行う。
上記作業機1は、機体2と、機体2を走行可能に支持する走行装置5と、走行装置5に動力を伝達可能で且つ、第1速度と第1速度よりも速い第2速度とに切換可能な走行モータ36と、走行モータ36に作動油を供給する走行ポンプ53と、走行モータ36の回転数であるモータ回転数を検出する回転数検出装置68と、走行ポンプ53を操作する走行操作部材59と、走行操作部材59の操作量を検出する操作検出装置64と、走行モータ36が第2速度である場合に、走行操作部材59の操作量に基づいて第2速度から第1速度に自動的に減速する自動減速を行う自動減速部61を有する制御装置60と、を備え、制御装置60は、走行操作部材59を第1操作量W11から第2操作量W12まで急峻に変化させる場合に、自動減速がされるのを抑制する自動減速抑制部62を有している。
また、自動減速抑制部62は、走行操作部材59を第1操作量W11から第2操作量W12まで変化させる場合に、第1操作量W11から第2操作量W12までの実際の操作量の変化度合いに対して、操作量が増加するにつれて大きくなる時間遅れを持たせた仮想の操作量の変化度合いを算出する操作量変化算出部62Aと、操作量変化算出部62Aが算出した仮想の操作量の変化度合いに対応した仮想のモータ回転数閾値を算出する回転数閾値算出部62Bと、を有し、自動減速部61は、走行モータ36が第2速度である場合において、回転数検出装置68で検出されたモータ回転数が仮想のモータ回転数閾値を下回った場合に、自動減速を行う。
また、自動減速部61は、走行操作部材59を第1操作量W11から操作した後、所定時間経過後にモータ回転数が仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、自動減速抑制部62は、走行操作部材59を第1操作量W11から第2操作量W12まで変化させる場合に、走行操作部材59を第1操作量W11から操作した後、所定時間経過するまで、自動減速部61が自動減速を行うのを禁止する。
また、自動減速を禁止する時間は、走行操作部材59を第2操作量W12に操作した状態において自動減速部61が自動減速を行うか否かの判定を行うモータ回転数閾値にモータ回転数が上昇するまでの時間である。
また、自動減速部61が、走行操作部材59を第1操作量W11から操作した後にモータ回転数が仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行うまでの時間は、モータ回転数、及び第2操作量W12の大小に応じて変更可能であってもよい。
また、走行ポンプ53を駆動する原動機32を備え、自動減速部61が、走行操作部材59を第1操作量W11から操作した後にモータ回転数が仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行うまでの時間は、原動機32の回転数によって変更可能であってもよい。
この構成によれば、中立付近で自動減速が行われるのを防止することができる。
また、走行ポンプ53を駆動する原動機32を備え、モータ回転数閾値は、原動機32の回転数によって変更可能であってもよい。
5 走行装置
32 原動機
36 走行モータ
53 走行ポンプ
59 走行操作部材
60 制御装置
61 自動減速部
62 自動減速抑制部
62A 操作量変化算出部
62B 回転数閾値算出部
64 操作検出装置
68 回転数検出装置
W11 第1操作量
W12 第2操作量
Claims (10)
- 機体と、
前記機体を走行可能に支持する走行装置と、
前記走行装置に動力を伝達可能で且つ、第1速度と前記第1速度よりも速い第2速度とに切換可能な走行モータと、
前記走行モータに作動油を供給する走行ポンプと、
前記走行モータの回転数であるモータ回転数を検出する回転数検出装置と、
前記走行ポンプを操作する走行操作部材と、
前記走行操作部材の操作量を検出する操作検出装置と、
前記走行モータが前記第2速度である場合に、前記走行操作部材の操作量に基づいて前記第2速度から前記第1速度に自動的に減速する自動減速を行う自動減速部を有する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記走行操作部材を第1操作量から第2操作量まで急峻に変化させる場合に、前記自動減速がされるのを抑制する自動減速抑制部を有している作業機。 - 前記自動減速抑制部は、前記走行操作部材を第1操作量から第2操作量まで変化させる場合に、前記第1操作量から前記第2操作量までの実際の操作量の変化度合いに対して、操作量が増加するにつれて大きくなる時間遅れを持たせた仮想の操作量の変化度合いを算出する操作量変化算出部と、
前記操作量変化算出部が算出した前記仮想の操作量の変化度合いに対応した仮想のモータ回転数閾値を算出する回転数閾値算出部と、を有し、
前記自動減速部は、前記走行モータが前記第2速度である場合において、前記回転数検出装置で検出された前記モータ回転数が前記仮想のモータ回転数閾値を下回った場合に、前記自動減速を行う請求項1に記載の作業機。 - 前記自動減速部は、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後、所定時間経過後に前記モータ回転数が前記仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行う請求項2に記載の作業機。
- 前記操作量変化算出部は、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後、所定時間経過後に前記仮想の操作量の変化度合いの算出を行う請求項2に記載の作業機。
- 前記自動減速抑制部は、前記走行操作部材を第1操作量から第2操作量まで変化させる場合に、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後、所定時間経過するまで、前記自動減速部が前記自動減速を行うのを禁止する請求項1に記載の作業機。
- 前記自動減速を禁止する時間は、前記走行操作部材を前記第2操作量に操作した状態において前記自動減速部が前記自動減速を行うか否かの判定を行うモータ回転数閾値に前記モータ回転数が上昇するまでの時間である請求項5に記載の作業機。
- 前記自動減速部が、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後に前記モータ回転数が前記仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行うまでの時間は、前記モータ回転数、及び前記第2操作量の大小に応じて変更可能である請求項3に記載の作業機。
- 前記走行ポンプを駆動する原動機を備え、
前記自動減速部が、前記走行操作部材を前記第1操作量から操作した後に前記モータ回転数が前記仮想のモータ回転数閾値を下回るか否かの判定を行うまでの時間は、前記原動機の回転数によって変更可能である請求項3に記載の作業機。 - 前記制御装置は、前記走行操作部材の操作量が、前記第1操作量から所定量操作された中立判定量よりも下回った場合に前記走行操作部材が中立であると判定し、前記走行操作部材が中立である場合は自動減速させない請求項1~8のいずれか1項に記載の作業機。
- 前記走行ポンプを駆動する原動機を備え、
前記モータ回転数閾値は、前記原動機の回転数によって変更可能である請求項9に記載の作業機。
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