JP2022010016A - レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のレンズ22~24と、これら複数のレンズが収納される鏡筒21と、複数のレンズのうち最も物体側に位置する物体側レンズ22と鏡筒1の内周面との間に設けられたシール部材35とを備え、鏡筒21の内面側に、光軸方向に深さを有する溝部36が鏡筒21の周方向に沿って設けられ、溝部36にシール部材35の一部が収納されているので、レンズユニットを大型化することなく、物体側レンズ22と鏡筒1の内周面との間にシール部材35を容易に設けることができる。
【選択図】図1
Description
このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般的に、複数のレンズが光軸に沿って並べられた複数のレンズからなるレンズ群と、このレンズ群が収納される鏡筒とを備えている。
また、このようなレンズユニットは、自動車の外部の車載カメラに取り付けられて風雨に晒されるため、複数のレンズのうち最も物体側に位置する物体側レンズと鏡筒との間をシールする第1のシール部と、この第1のシール部の前記シール部材によるシール位置よりも像側に位置する第2のシール部とを備え、これによって、鏡筒内の気密性を確保して、鏡筒内への水やゴミの侵入を防止している。
すなわち、図3に示すように、従来のレンズユニット10は、鏡筒1と、この鏡筒1内に配置される複数(3枚)のレンズ2~4からなるレンズ群5とを備えている。
また、レンズ2とレンズ3との間には中間環(スペーサ)6が設けられ、レンズ3とレンズ4との間には中間環(スペーサ)7が設けられている。
これらレンズ2~4およびスペーサ6,7は鏡筒1の像側(図3において下側)の開口から挿入され、隣り合うレンズとスペーサとは互いに当接している。
そして、最も物体側に位置するレンズ(物体側レンズ)2と鏡筒1の内周面との間にはOリング等のシール部材は設けられておらず、物体側からの鏡筒1内の気密性を確保していない。
なお、鏡筒1の像側の開口部には、光学フィルタ8が設けられ、この光学フィルタ8とレンズ4との間には中間環(スペーサ)9が設けられている。
しかしながら、図3に示すような、従来のレンズユニット10では、最も物体側に位置する物体側レンズ2が他のレンズ3,4に比して小径でかつ光軸方向の厚さも薄いので、当該物体側レンズ2の外周部にシール用のシール部材(例えばOリング)を収めるための段部(凹部)を形成するのが困難である。
このため、物体側レンズ2の光軸方向の厚さを厚くして、シール部材用の段部(凹部)を形成することも考えられるが、この場合、レンズ群5を収めるための鏡筒1の光軸方向の長さが長くなり、レンズユニット10が大型化するという問題がある。
前記鏡筒の内面側に、前記光軸方向に深さを有する溝部が前記鏡筒の周方向に沿って設けられ、
前記溝部に前記シール部材の一部が収納されていることを特徴とする。
前記フランジ部の前記物体側と反対側の下面に前記溝部が設けられていてもよい。
本実施の形態のレンズユニットは自動車の運転手監視用のカメラ等のカメラモジュール用のものであり、当該カメラモジュールは、自動車の室内に取り付けられる。
また、図1に示すように、本実施の形態のレンズユニット20は、円筒状の鏡筒21と、この鏡筒21内に配置される複数(3枚)のレンズ22~24からなるレンズ群25とを備えている。
また、レンズ23とレンズ24との間には中間環(スペーサ)26が設けられている。
また、鏡筒21の像側の開口部には、光学フィルタ(赤外線カットフィルタ)27が設けられ、この光学フィルタ27とレンズ24との間には中間環(スペーサ)28が設けられている。
また、鏡筒21の物体側の端部には、鏡筒21の内周側に突出するフランジ部30が設けられており、このフランジ部30の内周側に開口部21aおよび縮径部21cが設けられている。
そして、収容部31aにレンズ22がその外周面を収容部31aの内周面に当接した状態で収容され、収容部31bにレンズ23がその外周面を収容部31bの内周面に当接した状態で収容されている。
また、収容部31cの内周面は上部が略円錐面状に形成され、下部が円筒面状に形成されている。収容部31cに中間環26がその円筒状の外周面を収容部31cの下部の内周面に当接し、円錐面状の外周面を収容部31cの上部の内周面との間に隙間をもった状態で収容されている。また、収容部31cの一部にはレンズ23の下凸のレンズ部の一部が収容されている。
また、収容部31dにレンズ24がその外周面を収容部31dの内周面に当接した状態で収容され、収容部31eに中間環28がその外周面を収容部31eの内周面に当接した状態で収容されている。
このようにして、レン22~24および中間環26,28は径方向の位置決めがなされている。
また、レンズ22のフランジ部には前記段部22aより内周側でかつ凸球面状のレンズ面に近い側に光軸方向と直交して設けられた円環面22dが形成されている。
一方、鏡筒21のフランジ部30の下面には環状の凸部32が周方向に沿って形成されている。
そして、レンズ22は鏡筒21にその像側の開口部21bから挿入されたうえで、レンズ22の円環面22dを凸部32に当接することによって、光軸方向の位置決めがなされている。
中間環26は鏡筒21の開口部21bから挿入されたうえで、中間環26の上端面をレンズ23のフランジ部の下面に当接することによって、光軸方向の位置決めがなされている。
中間環28は鏡筒21の開口部21bから挿入されたうえで、中間環28の上面をレンズ24のフランジ部の下面に当接することによって、光軸方向の位置決めがなされている。
光学フィルタ27は鏡筒21の開口部21bから挿入されたうえで、光学フィルタ27の上面を中間環28の下面に当接することによって、光軸方向の位置決めがなされている。
また、光学フィルタ27は、鏡筒21の開口部21bの内周縁部を加締めることによって、この加締め部と中間環28とで挟持されて固定されている。
このようにして、レン22~24、中間環26,28および光学フィルタ27は光軸方向の位置決めがなされている。
すなわち、鏡筒21のフランジ部30の物体側と反対側(像側)の下面には、断面矩形状の溝部36が前記凸部32の径方向外側において、周方向に沿って設けられている。この溝部36の溝幅は、物体側レンズ22のフランジ部に設けられた段部22aの円筒面22bと収容部31aの内周面との間の距離とほぼ等しくなっている。したがって、物体側レンズ22のフランジ部と収容部31aの内周面との間には断面縦長の長方形状の空洞部が設けられている。
また、Oリング35の下面は段部22aの円環面22cに当接または密着しており、上面は、溝部36の底面36aとの間に隙間Sが設けられている。すなわち、溝部36の底面36aと、当該溝部36に収納されているOリング35の一部(上面)との間に隙間Sが設けられている。
そして、このOリング付きの物体側レンズ22を鏡筒21の開口部21bから挿入し、当該物体側レンズ22の円環面22dを鏡筒21の凸部32に当接することによって、Oリング35を、段部22aの円筒面22bおよび円環面22cと、収容部31aの内周面と、溝部36によって囲まれた空洞部に挿入する。この状態において、Oリング35は、鏡筒21の径方向に圧し潰された状態となり、当該Oリング35の外周面は収容部31aの内周面に密着し、内周面は物体側レンズ22の段部22aの円筒面22bに密着する。また、Oリング35の下面は段部22aの円環面22cに当接または密着し、上面は溝部36の底面36aとの間において隙間Sが設けられる。これによって、物体側からの鏡筒21内の気密性を確保して、鏡筒21内への水やゴミの侵入が防止される。
また、溝部36の底面36aと溝部36に収納されているOリング35の上部(上面)と間に隙間Sが設けられているので、Oリング35が鏡筒21の軸方向と直交ないし交差する溝部36の底面36aに圧接することがない。このため、これに起因して物体側レンズ22にOリング35から光軸方向の力が作用するのを防止できるので、物体側レンズ22の光軸方向の位置決め精度を高く保持できる。
さらに、鏡筒21の内周側に突出するフランジ部30の下面に溝部36が設けられているので、溝部36を容易に設けることができるとともに、このフランジ部30に物体側レンズ22を当接することによって、物体側レンズ22の光軸方向の位置決めを容易かつ確実に行えるとともに、フランジ部30にしぼり機能を持たせることもできる。
次に、レンズユニットを大型化することなく、物体側レンズと鏡筒の内周面との間にOリング(シール部材)を容易に設けることができる参考例について説明する。
本例の形態のレンズユニットは自動車の運転手監視用のカメラ等のカメラモジュール用のものであり、当該カメラモジュールは、自動車の室内に取り付けられる。
また、図2に示すように、本実施の形態のレンズユニット40は、円筒状の鏡筒41と、この鏡筒41内に配置される複数(3枚)のレンズ42~44からなるレンズ群45とを備えている。レンズ42はガラス研磨レンズ、レンズ43はガラスモールドレンズ、レンズ44はプラスチックレンズである。
また、鏡筒41の像側の開口部には、光学フィルタ47が設けられ、この光学フィルタ47とレンズ24との間には中間環(スペーサ)48が設けられている。
また、鏡筒41の内周面には光軸方向の略中央部において、内側に突出する内フランジ部50が形成されており、この内フランジ部50の上面は光軸方向と直交する環状の平坦面50aとなっている。
そして、収容部49aにレンズ42とレンズ43とがそれらの外周面を収容部49aの内周面に当接した状態で収容されている。これによって、レンズ42,43の径方向の位置決めがなされている。
また、レンズ43のフランジ部は前記内フランジ部50の平坦面50aに当接され、レンズ43のフランジ部の上面にレンズ42の外周部の下面が当接されている。これによって、レンズ42,43の光軸方向の位置決めがなされている。なお、レンズ43のレンズ部の一部は収容部49aと収容部49bとの間にある空間に位置している。
蓋部材55は略円筒状に形成され、その外周面は鏡筒41の内周面(収容部49aの内周面)に溶着されている。また、鏡筒41の開口部41bの上端内周部は内側に加締められることで、蓋部材55の上端外周部に係止されている。このようにして蓋部材55は収容部49aに固定されている。
また、蓋部材55の径方向中央部には、逆円錐台状の孔55aが形成されており、この孔55aの内周面は、絞り機能を果たす形状に形成されている。
また、蓋部材55の下面は、上凸の球面状に形成されており、この下面には2つの凸部55b,55cが同軸かつ径方向に所定間隔をもって形成されている。そして、凸部55b,55cはレンズ42の球面状の上面に当接されている。
また、レンズ44のフランジ部の上面は収容部49bを形成する上壁面に、円板環状の絞り部材46を介して当接されており、これによって、レンズ44と絞り部材46の光軸方向の位置決めがなされている。
また、収容部49cには、中間環48がその外周面を収容部49cの内周面に当接した状態で収容され、これによって、中間環48の径方向の位置決めがなされている。また、中間環48の上面はレンズ44のフランジ部の下面に当接されており、これによって、中間環48の光軸方向の位置決めがなされている。
そして、この段部42aと鏡筒41の内周面(収容部49aの内周面)との間の空洞部にОリング60が収容されている。この状態において、Oリング60は、鏡筒41の径方向に圧し潰された状態となり、当該Oリング60の外周面は収容部49aの内周面に密着し、内周面は物体側レンズ42の段部42aの円筒面42bに密着している。これによって、物体側からの鏡筒41内の気密性を確保して、鏡筒41内への水やゴミの侵入が防止されている。
また、Oリング60の下面はレンズ43のフランジ部の上面に当接または密着し、上面は円環面42cとの間において隙間が設けられている。
そして、まずレンズ43を鏡筒41の開口部41bから挿入して、内フランジ部50の平坦面50aに当接し、次に、Oリング付きの物体側レンズ42を鏡筒41の開口部41bから挿入し、当該物体側レンズ42の下面(像側の面)をレンズ43のフランジ部に当接することによって、Oリング60を、段部42aの円筒面42bおよび円環面42cと、収容部49aの内周面と、レンズ43のフランジ部の上面によって囲まれた空洞部に挿入する。この状態において、Oリング60は、鏡筒41の径方向に圧し潰された状態となり、当該Oリング60の外周面は収容部49aの内周面に密着し、内周面は物体側レンズ42の段部42aの円筒面42bに密着する。また、Oリング60の下面はレンズ43のフランジ部の上面に当接または密着し、上面は段部42aの円環面42cとの間において隙間が設けられる。
さらに、蓋部材55を鏡筒41の上端部(物体側の端部)から挿入して、凸部55b,55cをレンズ42の上面に当接したうえで、蓋部材55の外周面を鏡筒41の内周面(収容部49aの内周面)に溶着し、鏡筒41の開口部41bの上端内周部を内側に加締めることで、蓋部材55の上端外周部を係止する。
これによって、物体側からの鏡筒41内の気密性を確保して、鏡筒41内への水やゴミの侵入が防止される。
また、レンズ42には、その像側の外周部にOリングを設けるための段部42aが1つ設けられているだけで、実施の形態のレンズ22と異なり、レンズ43の物体側の外周部には段部が設けられていない。したがって、レンズ42は、実施の形態のレンズ22より、光軸方向の厚さを薄くすることができるので、レンズユニット40を大型化することなく、物体側レンズ42と鏡筒41の内周面との間にOリング60を容易に設けることができる。
また、レンズ42には段部42aが1つ設けられているだけであるので、実施の形態のレンズ22に比して段部を形成する加工コストを低減することができる。
21 鏡筒
22~24 レンズ
22 物体側レンズ
30 フランジ部
35 Oリング(シール部材)
36 溝部
36a 底面
S 隙間
Claims (3)
- 光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズが収納される鏡筒と、前記複数のレンズのうち最も物体側に位置する物体側レンズと前記鏡筒の内周面との間に設けられたシール部材と、を備えるレンズユニットであって、
前記鏡筒の内面側に、前記光軸方向に深さを有する溝部が前記鏡筒の周方向に沿って設けられ、
前記溝部に前記シール部材の一部が収納されていることを特徴とするレンズユニット。 - 前記溝部の底面と、前記溝部に収納されている前記シール部材の一部との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
- 前記鏡筒の物体側の端部に、前記鏡筒の径方向内側に突出するフランジ部が設けられ、
前記フランジ部の前記物体側と反対側の下面に前記溝部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
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