JP7134004B2 - レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成し得るレンズユニットおよびカメラモジュールに関する。
従来から、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒(バレル)と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
特に、車載カメラ用のレンズユニットでは、少なくとも一部が車外に設置される場合、防水および防塵の目的で、図4に示されるように、例えば最も物体側に位置されるガラスレンズ100と鏡筒102との間にOリング104が介挿され、鏡筒102の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、ガラスレンズ100の外周面100aに、該レンズ100の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部100bが設けられ、この縮径部100bにOリング104が装着されて、ガラスレンズ100の外周面100aと鏡筒102の内周面102aとの間でOリング104が径方向で圧縮されることにより、鏡筒102の物体側端部が封止された状態となっている。
また、鏡筒102は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図4において上端部)のカシメ部123が径方向内側にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置されるガラスレンズ100をこのカシメ部123で鏡筒102の物体側端部に固定する。この場合、安定したカシメを行なえるように、カシメ部123が圧接されるガラスレンズ100の部位は平面状に斜めにカットされた平坦部100eとして形成される。
特開2013-231993号公報
ところで、最も物体側に位置されるガラスレンズ100は、球面レンズが多用されており、近年、レンズの広角化が進むにつれて、その像側の凹面100cおよび物体側の凸面100dの曲率半径が小さく(曲率がきつく)なってきている。魚眼レンズなど、特に広角レンズユニットにおいては、凹面100cおよび凸面100dの曲率半径がかなり小さくなり、ガラスレンズ100の縮径部100bの光軸O方向の長さ寸法を十分に確保することが難しくなっており、そのため、この縮径部100bに巻き付け装着されるOリング104が外れ易い。以下、これについて詳しく説明する。
Oリング104は、一般に、縮径部100bから脱落しないようにガラスレンズ100の縮径部100bの外径よりも小さい内径に設定されて、図5に示されるようにガラスレンズ100の縮径部100bに弾性的に拡径されつつ巻き付けられるように押し込まれる(図5の(a)~(c)には押し込み方向が左向きの矢印で示される)が、その際、Oリング104にはねじれ(図5の(a)~(c)にはねじれ方向が径方向内側に向かう反時計回りの矢印で示される)が発生するため、Oリング104を縮径部100bの奥まで押し込んでも、ねじれの反力(図5の(d)(e)にはねじれ反力の方向が径方向外側に向かう時計回りの矢印で示される)によってOリング104は縮径部100bから外れる方向に押し戻されようとする。
そのような状態下でも、図6の(b)に二点鎖線で示されるような画角が比較的狭いガラスレンズ100Aであれば、凹面100cおよび凸面100dの曲率半径が比較的大きく、縮径部100bの光軸方向の長さを十分に確保できる(したがって、ガラスレンズ100Aに対するOリング104の掛かり代に余裕がある)ため、前述したようなねじれ反力によってOリング104が押し戻されても、Oリング104が縮径部100bから外れ難い。
しかしながら、図6の(c)に実線で示されるような画角が大きい魚眼レンズ等の広角レンズ100Bは、凸面100dの曲率が小さいため、鏡筒102のカシメ部123が圧接されるその平坦部100e’が図6の(a)に示されるようにガラスレンズ100Aの平坦部100eと比べて下方(像側)に位置されるとともに、凹面100cの曲率も小さいため、製造上の困難性から図7に示されるような半球率x/R(x:凹面100cの径方向両端A,B間を結ぶ弦の長さの1/2、R:凹面100cの曲率半径)が所定値(例えば0.93~0.95:完全な半球では半球率が1)以下に制限される従来の研磨によるレンズ加工法を用いると、ガラスレンズ100Bの最外径を規定する直線状の周側面100fを確保する必要性も相俟って、縮径部100bを像側へ更に延ばす(光軸方向の長さ寸法を更に大きくする)のにも限界がある。
このように、画角が大きい広角レンズ100Bでは、カシメに関与するガラスレンズ100Bの平坦部100e’が下方(像側)に位置される一方で、縮径部100bの光軸方向の長さ寸法を像側へ更に延ばすのにも限界があることから、Oリング104を巻き付けるガラスレンズ100Bの縮径部100bの光軸方向の長さ(Oリング104の掛かり代)が短くなって、Oリング104がガラスレンズ100の縮径部100bから像側に部分的に突出した(はみ出した)状態となり(縮径部100bの光軸方向の長さよりもOリング104の円形断面の直径が長くなる)、したがって、前述したねじれ反力によるOリング104の押し戻し(図5の(d)(e)参照)も相俟ってOリング104が縮径部100bから外れ易くなる。
縮径部100bの光軸方向の長さが短くなってOリング104が縮径部100bから外れ易くなると、以下に述べるような2つの問題が主に生じる。すなわち、第1の問題としては、図8に示されるように、ガラスレンズ100を鏡筒102内に挿入する組み付け過程でOリング104が縮径部100bから脱落して所定の位置に収まらず、Oリング104が例えばガラスレンズ100の像側の径方向外側周縁部100gと鏡筒102の対応する座部102bとの間に挟み込まれてしまい、所望の気密性能が得られなくなる(組み付け後は、Oリング104を外部から見ることができないため、この状態を把握できないまま、シールが不十分となる)。
一方、第2の問題としては、縮径部100bにOリング104が装着されたガラスレンズ100を図9の(a)の状態から図9の(b)の状態へと鏡筒102内に挿入して組み付けた後、カシメ部123によるガラスレンズ100のカシメ固定までの間に、押し潰されて弾性変形されたOリング104の弾発力および前述したねじれ反力に伴う押し戻しに起因してガラスレンズ100が鏡筒102から物体側へと押し出されてカシメ部123による固定位置から浮き上がってしまい、最悪の場合、ガラスレンズ100をカシメ部123によって固定できなくなる(ガラスレンズ100を組み付けできない)。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、シール部材が装着されたレンズ群の最も物体側に位置されるガラスレンズを鏡筒に組み込んだ状態で弾性変形されるシール部材の弾発力およびねじれ反力によってシール部材がガラスレンズから脱落する事態およびガラスレンズが組み付けに支障を来すほど鏡筒から浮き上がる事態を回避し得るレンズユニットおよびカメラモジュールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを備え、前記レンズ群を構成する最も物体側に位置されるガラスレンズと鏡筒との間をシールする環状のシール部材が前記ガラスレンズの像側部位に設けられる段差状の縮径部に装着されて成るレンズユニットであって、
前記縮径部は、前記シール部材と接触するその外周面に、像側へ向けて外径が大きくなるように傾斜するテーパ部を有することを特徴とする。
本発明において、ガラスレンズの像側部位に設けられる段差状の縮径部は、シール部材と接触するその外周面に、像側へ向けて外径が大きくなるように傾斜するテーパ部を有するため、特に、シール部材が縮径部に巻き付けて押し込み装着されることによりその装着過程で生起されるねじれ反力および変形弾発力に起因してシール部材が縮径部から外れる方向(像側)に押し戻されようとする場合であっても、縮径部の像側に設けられる前記テーパ部にシール部材が係止されて縮径部からのシール部材の脱落が確実に防止される。したがって、ガラスレンズを鏡筒内に挿入する組み付け過程でシール部材が縮径部から脱落して所定の位置に収まらずガラスレンズの像側の径方向外側周縁部と鏡筒の対応する座部との間に挟み込まれてしまうことにより所望の気密性能が得られなくなるといった前述の図8に示されるような事態を回避できる。
なお、上記構成において、テーパ部は、縮径部の像側部位を含む縮径部全体にわたって設けられてもよく、または、縮径部の像側部位のみに部分的に設けられてもよく、その形成形態は限定されない。また、テーパ部にシール部材を係止させて縮径部からのシール部材の脱落を防止できさえすれば、光軸に対するテーパ部の傾斜角も任意に設定できる。また、テーパ部は、像側へ向けて外径が大きくなるように連続的に滑らかに傾斜する平坦面として形成されてもよいが、段付き部や凹凸部などの係止力を高める異形部が存在していても構わない。また、環状のシール部材としては、例えばOリングを挙げることができるが、これに限定されない。
また、本発明の上記構成では、ガラスレンズと鏡筒との間に介挿されて縮径部から像側に突出するシール部材の突出部位を逃がすための逃げ溝が鏡筒に設けられることが好ましい。このような逃げ溝は、ガラスレンズと鏡筒との間に介挿されて弾性変形されるシール部材の弾発力および縮径部に対するシール部材の装着過程でシール部材に生起され得るねじれ反力を逃がすことができるため、シール部材の前記弾発力およびねじれ反力に伴う押し戻しに起因してガラスレンズが鏡筒から物体側へと押し出されて浮き上がってしまう(ガラスレンズが組み付けに支障を来すほど鏡筒から浮き上がる)といった前述の図9に示されるような事態を回避できる。なお、逃げ溝が設けられる鏡筒の部位(位置)は、少なくとも縮径部から突出するシール部材の突出方向に対応する位置であるが、逃げ溝の形成形態は、縮径部に対するシール部材の装着形態に応じて適宜決定される。
また、本発明の上記構成において、シール部材には、縮径部と接触する径方向内側部位に平坦部が設けられることが好ましい。このような平坦部は、縮径部上でのシール部材の転動を規制するため、縮径部に対するシール部材の装着過程でシール部材がねじれて、ねじれ反力が生起されることを抑制できる。したがって、ねじれ反力によってシール部材が縮径部から外れる方向に押し戻されようとする前述した図5に示されるような現象を抑制できる。この場合、シール部材の平坦部は、シール部材の径方向に対して略直交する方向に延びていることが好ましいが、そのような延在方向に限定されない。
以上のようなガラスレンズに設けられるテーパ部、鏡筒に設けられる逃げ溝、および、シール部材に設けられる平坦部は、ガラスレンズを鏡筒に組み込んだ際にガラスレンズと鏡筒との間に形成されるシール部材充填空間内で互いに協働することにより、その相乗作用により、ガラスレンズを鏡筒に組み込んだ状態で弾性変形されるシール部材の弾発力およびねじれ反力によってシール部材がガラスレンズから脱落する事態およびガラスレンズが組み付けに支障を来すほど鏡筒から浮き上がる事態を効果的に回避し得る。
また、そのような作用効果は、レンズ群が広角レンズを構成する場合に特に有益である。すなわち、広角レンズの場合には、前述したように半球率にも関連して縮径部を十分に長くすることが難しい場合があるため、一般に、縮径部の光軸方向に沿う長さよりも長い直径の円形断面を有するシール部材が縮径部に装着される(縮径部から像側にシール部材の一部が突出する)結果となるが、そのような状況下においてこそ、前述したテーパ部、逃げ溝、および、平坦部は、ガラスレンズと鏡筒との間に形成されるシール部材充填空間内で互いに有利に協働して、縮径部から外れる傾向が高いシール部材をガラスレンズの縮径部に確実に保持するとともにシール部材が保持する弾発力およびねじれ反力を効果的に逃がし、前述した作用効果を確実に達成できるようにする。なお、「広角レンズ」とは、本明細書中においては、画角が160°以上であるという条件を満たすレンズを言うものとする。
また、本発明に係るカメラモジュールは、前記レンズユニットを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、前述のレンズユニットの作用効果をカメラモジュールで得ることができる。
本発明によれば、ガラスレンズの像側部位に設けられる段差状の縮径部が、シール部材と接触するその外周面に、像側へ向けて外径が大きくなるように傾斜するテーパ部を有するため、特に、シール部材が縮径部に巻き付けて押し込み装着されることによりその装着過程で生起されるねじれ反力および変形弾発力に起因してシール部材が縮径部から外れる方向(像側)に押し戻されようとする場合であっても、縮径部の像側に設けられる前記テーパ部にシール部材が係止されて縮径部からのシール部材の脱落が確実に防止される。したがって、ガラスレンズを鏡筒内に挿入する組み付け過程でシール部材が縮径部から脱落して所定の位置に収まらずガラスレンズの像側の径方向外側周縁部と鏡筒の対応する座部との間に挟み込まれてしまうことにより所望の気密性能が得られなくなるといった事態を回避できる。
本発明の一実施の形態に係るレンズユニットの概略断面図である。 図1のレンズユニットの要部拡大図である。 図1のレンズユニットを有するカメラモジュールの概略断面図である。 従来のレンズユニットの一例を示す概略断面図である。 (a)~(e)は、ガラスレンズの縮径部にOリングを装着する際にOリングにねじれ反力が生起されていく態様を示す一連の概略状態図である。 (a)は、画角が小さいガラスレンズと画角が大きいガラスレンズとを重ね合わせて比較した概略的な線図、(b)は、画角が小さいガラスレンズの概略的な線図、(c)は、画角が大きいガラスレンズの概略的な線図である。 半球率を説明するための模式図である。 ガラスレンズを鏡筒内に挿入する組み付け過程でOリングが縮径部から脱落する状態を示す従来のレンズユニットの概略断面図である。 (a)は、Oリングが装着されたガラスレンズを鏡筒内に組み込んでいく過程でOリングにねじれが生じている状態を示す従来のレンズユニットの概略断面図、(b)は、(a)の状態からガラスレンズを鏡筒内に組み込んだ状態(Oリングにねじれ反力と弾発力とが生じている状態)を示す従来のレンズユニットの概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下で説明される本実施の形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1~図9においてレンズについてはハッチングを省略している。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、本実施の形態のレンズユニット11は、例えば樹脂製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、物体側から、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、絞り部材22とを備えている。絞り部材22は、本実施の形態では、第3のレンズ15と第4のレンズ16との間に介挿されており、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12の内側収容空間S内に組み込まれて収容保持される複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で積み重ねられて配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。特に、本実施の形態では、レンズ群Lが例えば画角195°の広角レンズを構成している。この場合、レンズ群Lを構成する最も物体側に位置される第1のレンズ13は、物体側に凸面を有するとともに像側に凹面を有する球面ガラスレンズであり(以下、第1のレンズをガラスレンズと称する)、その他のレンズ14,15,16,17は樹脂レンズであるが、これに限定されない。
本実施の形態を含む本発明は、ガラスレンズ13を鏡筒12に組み込んだ際にガラスレンズ13と鏡筒12とによって画定されてシール部材としてのOリングが介挿状態で充填される充填空間Cの構造形態に特徴があり、レンズの数、レンズおよび鏡筒の素材(ただし、第1のレンズ13はガラス製)等については用途等に応じて任意に設定できるとともに、レンズ群Lが広角レンズを構成していなくても構わない。また、本実施の形態において、像側に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は貼り合わせレンズであるが、そうである必要はない。なお、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
また、本実施の形態において、最も物体側に位置されるガラスレンズ13と鏡筒12との間には、充填空間C内に位置されるようにシール部材としてのOリング26が介挿され、鏡筒12の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、ガラスレンズ13の外周面13aに、該レンズ13の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部13bが設けられ、この縮径部13bにOリング26が装着されて、ガラスレンズ13の外周面13aと鏡筒12の内周面12aとの間でOリング26が径方向で圧縮されることにより、鏡筒12の物体側端部が封止された状態となっている。特に、本実施の形態では、縮径部13bの光軸方向に沿う長さLよりも長い直径Rの円形断面を有するOリング26が縮径部13bに装着される(図2も参照)。したがって、縮径部13bから像側にOリング26の一部が突出する状態となっている。しかしながら、縮径部13bとOリング26との寸法関係がこのようになっている必要はなく、本発明は、そのような寸法関係に拘束されることなく適用可能である。なお、ガラスレンズ13と鏡筒12との間に介挿されるシール部材は、Oリングに限定されず、ガラスレンズ13と鏡筒12との間をシールできる環状体であればどのような形態であっても構わない。
また、鏡筒12は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置されるガラスレンズ13をこのカシメ部23で鏡筒12の物体側端部に固定する。この場合、安定したカシメを行なえるように、カシメ部23が圧接されるガラスレンズ13の部位は平面状に斜めにカットされた平坦部13cとして形成される。
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17と絞り部材22とが光軸方向で保持固定されている。
また、図2に拡大して示されるように、Oリング26が介挿状態で充填される前述の充填空間Cを画定するガラスレンズ13の縮径部13bは、Oリング26と接触するその外周面13baに、像側へ向けて外径が大きくなるように傾斜するテーパ部90を有している。また、同様に充填空間Cを画定する鏡筒12の部位には、少なくとも縮径部13bから突出するOリング26の突出方向に対応する位置に、像側へ向けて凹むように形成される逃げ溝(陥凹溝)92が設けられている。この逃げ溝92は、ガラスレンズ13と鏡筒12との間に介挿されて縮径部13bから像側に突出するOリング26の突出部位26aを逃がすことができるようになっている。また、充填空間C内に充填状態で介挿されるOリング26には、縮径部13bと接触する径方向内側部位に平坦部26bが設けられている。この平坦部26bは、本実施の形態では、Oリング26の径方向に対して略直交する方向に延びている。
この場合、テーパ部90は、縮径部13bの像側部位を含む縮径部13b全体にわたって設けられてもよいが、本実施の形態では、縮径部13bの像側部位のみに部分的に設けられている。また、本実施の形態において、テーパ部90は、像側へ向けて外径が大きくなるように連続的に滑らかに傾斜する平坦面として形成されているが、段付き部や凹凸部などの係止力を高める異形部を伴っていてもよい。
また、図3は、以上のような構成を成すレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、このカメラモジュール300は、フィルタ99が装着された図1のレンズユニット11を含んで構成される。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、鏡筒12の外周面12bに鍔状に設けられるフランジ部25に係合されるとともに、レンズユニット11の物体側の端部を露出させて他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12bとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
以上説明したように、本実施の形態において、ガラスレンズ13の像側部位に設けられる段差状の縮径部13bは、Oリング26と接触するその外周面13baに、像側へ向けて外径が大きくなるように傾斜するテーパ部90を有するため、特に、Oリング26が縮径部13bに巻き付けて押し込み装着されることによりその装着過程で生起されるねじれ反力および変形弾発力に起因してOリング26が縮径部13bから外れる方向(像側)に押し戻されようとする場合であっても、縮径部13bの像側に設けられるテーパ部90にOリング26が係止されて縮径部13bからのOリング26の脱落が確実に防止される。したがって、ガラスレンズ13を鏡筒12内に挿入する組み付け過程でOリング26が縮径部13bから脱落して所定の位置に収まらずガラスレンズ13の像側の径方向外側周縁部と鏡筒12の対応する座部との間に挟み込まれてしまうことにより所望の気密性能が得られなくなるといった前述の図8に示されるような事態を回避できる。
また、本実施の形態では、ガラスレンズ13と鏡筒12との間に介挿されて縮径部13bから像側に突出するOリング26の突出部位26aを逃がすための逃げ溝92が鏡筒12に設けられるため、ガラスレンズ13と鏡筒12との間に介挿されて弾性変形されるOリング26の弾発力および縮径部13bに対するOリング26の装着過程でOリング26に生起され得るねじれ反力を逃げ溝92によって逃がすことができる。したがって、Oリング26の前記弾発力およびねじれ反力に伴う押し戻しに起因してガラスレンズ13が鏡筒12から物体側へと押し出されて浮き上がってしまう(ガラスレンズ13が組み付けに支障を来すほど鏡筒12から浮き上がる)といった前述の図9に示されるような事態を回避できる。
また、本実施の形態において、Oリング26には、縮径部13bと接触する径方向内側部位に平坦部26bが設けられているため、縮径部13b上でのOリング26の転動を平坦部26bによって規制でき、したがって、縮径部13bに対するOリング26の装着過程でOリング26がねじれて、ねじれ反力が生起されることを抑制できる。そのため、ねじれ反力によってOリング26が縮径部13bから外れる方向に押し戻されようとする前述した図5に示されるような現象を抑制できる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状は、前述した実施の形態に限定されない。テーパ部や逃げ溝の形成形態も前述した実施の形態に限定されない。また、ガラスレンズに設けられるテーパ部、鏡筒に設けられる逃げ溝、および、Oリングに設けられる平坦部は、前述した実施の形態のように充填空間C内に同時に存在していなくても構わない。
11 レンズユニット
12 鏡筒
13 ガラスレンズ
13b 縮径部
13ba 外周面
26 Oリング(シール部材)
26a 突出部位
26b 平坦部
90 テーパ部
92 逃げ溝
300 カメラモジュール
L レンズ群
O 光軸
S 内側収容空間

Claims (2)

  1. 複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るとともに広角レンズを構成するレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを備え、前記レンズ群を構成する最も物体側に位置されるガラスレンズと鏡筒との間をシールする環状のOリングが前記ガラスレンズの像側部位に設けられる段差状の縮径部に装着されて成るレンズユニットであって、
    前記Oリングは、前記縮径部の光軸方向に沿う長さよりも長い直径の円形断面を有するとともに、前記縮径部と接触する径方向内側部位に平坦部が設けられ、
    前記縮径部は、前記Oリングと接触するその外周面に、像側へ向けて外径が大きくなるように傾斜するテーパ部を有し、
    前記ガラスレンズと前記鏡筒との間に介挿されて前記縮径部から像側に突出する前記Oリングの突出部位を逃がすための逃げ溝が前記鏡筒に設けられることを特徴とするレンズユニット。
  2. 請求項に記載のレンズユニットを備えていることを特徴とするカメラモジュール。
JP2018133111A 2018-07-13 2018-07-13 レンズユニットおよびカメラモジュール Active JP7134004B2 (ja)

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