JP2008233494A - レンズユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】組み立て後にシール性能の確認が可能なレンズユニットを提供する。
【解決手段】レンズユニット1は、鏡筒2と、鏡筒2に保持されるレンズ31,32,33,34からなるレンズ群3と、レンズ群3の中に配置される絞り部材11と、鏡筒2とレンズ31との間に介挿されるシール部材4と、鏡筒2とレンズ34との間に位置する接着剤5と、を備えている。鏡筒2は、壁を貫通して形成された貫通穴25と、鏡筒2の内部空間の横断面積を狭めるように形成された縮径部23と、を有する。レンズ34側の縮径部23の面には、接着剤5の余剰分が入る溝部23cが形成されている。貫通穴25は、光軸の方向に関しシール部材4と接着剤5との間に位置している。貫通穴25を介してシール性能を確認した後に、貫通穴25を閉塞部材6で塞く。
【選択図】図1
【解決手段】レンズユニット1は、鏡筒2と、鏡筒2に保持されるレンズ31,32,33,34からなるレンズ群3と、レンズ群3の中に配置される絞り部材11と、鏡筒2とレンズ31との間に介挿されるシール部材4と、鏡筒2とレンズ34との間に位置する接着剤5と、を備えている。鏡筒2は、壁を貫通して形成された貫通穴25と、鏡筒2の内部空間の横断面積を狭めるように形成された縮径部23と、を有する。レンズ34側の縮径部23の面には、接着剤5の余剰分が入る溝部23cが形成されている。貫通穴25は、光軸の方向に関しシール部材4と接着剤5との間に位置している。貫通穴25を介してシール性能を確認した後に、貫通穴25を閉塞部材6で塞く。
【選択図】図1
Description
本発明は、カメラに用いられるレンズユニットに関するものである。
カメラの一部を構成する撮像素子やレンズ等の高性能化や低コスト化により、カメラの用途が広がり、カメラが、例えば屋外監視装置や車載カメラ装置に組み込まれて用いられるようになった。
この屋外監視装置としては、例えば、公園や道路等で人や自動車の動きを録画して監視するシステムであり、防犯意識の高まり等から、街中にも屋外監視装置が数多く設置されるようになってきている。
また、車載カメラ装置としては、例えば、運転席から死角となる助手席側の側方や後方等に車載カメラを取り付けて、車内のモニタ画面で確認できるようにするシステムである。また、画像認識機能を持たせて視覚補助以外の用途に用いられる車載カメラ装置もある。すなわち、道路の白線を車載カメラでとらえて車の位置を正確に割り出し、衝突事故を未然に防ぐシステムである。このように、車一台当たりに複数の車載カメラが装備されるようになってきている。
この屋外監視装置としては、例えば、公園や道路等で人や自動車の動きを録画して監視するシステムであり、防犯意識の高まり等から、街中にも屋外監視装置が数多く設置されるようになってきている。
また、車載カメラ装置としては、例えば、運転席から死角となる助手席側の側方や後方等に車載カメラを取り付けて、車内のモニタ画面で確認できるようにするシステムである。また、画像認識機能を持たせて視覚補助以外の用途に用いられる車載カメラ装置もある。すなわち、道路の白線を車載カメラでとらえて車の位置を正確に割り出し、衝突事故を未然に防ぐシステムである。このように、車一台当たりに複数の車載カメラが装備されるようになってきている。
このようなシステムに搭載されるカメラのレンズユニットは、レンズ面が雨風にさらされる環境下に設置される場合があることから、耐熱性及び耐湿性が要求される。このような要求に対応するために、従来から種々の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、CCDあるいはCCDを実装した実装基板が発熱して内部の温度が上がっても、外部に接するレンズあるいは保護板の表面が結露することがないようにしたカメラが開示されている。具体的には、4枚のレンズを鏡筒によって光軸方向に沿って配列するとともに、1番目のレンズと鏡筒との間にOリングを配し、4番目のレンズと鏡筒との間にOリングを配し、さらに1番目のレンズと2番目のレンズとの間に空間を、2番目のレンズと3番目のレンズとの間に空間を、3番目のレンズと4番目のレンズとの間に空間を形成し、これらの空間同士の間で空気の移動が起らないようにする構成が開示されている。
特許文献1には、CCDあるいはCCDを実装した実装基板が発熱して内部の温度が上がっても、外部に接するレンズあるいは保護板の表面が結露することがないようにしたカメラが開示されている。具体的には、4枚のレンズを鏡筒によって光軸方向に沿って配列するとともに、1番目のレンズと鏡筒との間にOリングを配し、4番目のレンズと鏡筒との間にOリングを配し、さらに1番目のレンズと2番目のレンズとの間に空間を、2番目のレンズと3番目のレンズとの間に空間を、3番目のレンズと4番目のレンズとの間に空間を形成し、これらの空間同士の間で空気の移動が起らないようにする構成が開示されている。
ここで、製品の品質を確保するために、製造されたカメラのレンズ部分についてシーリングが確実になされているかどうかを検査する必要がある。しかしながら、従来の構成では、組み立てられた後に検査を行うことができる構造にはなっていない。
本発明の目的は、組み立て後にシール性能の確認が可能なレンズユニットを提供することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用されるレンズユニットは、物体の像を形成するための複数のレンズと、筒状に形成される筒状部の内面に前記複数のレンズを受け入れる受け入れ部を有し、かつ、当該受け入れ部の一部が半径方向に縮小するように形成される縮径部を有する筒状のホルダと、前記複数のレンズのうち最も物体側に位置する物体側レンズと前記ホルダの前記受け入れ部との間に介挿される物体側シール部材と、前記ホルダの前記縮径部と前記複数のレンズのうち当該縮径部の像側に隣接する所定のレンズとの間に介挿される像側シール部材と、前記ホルダにおける前記物体側シール部材によるシール位置と前記像側シール部材によるシール位置との間に形成され、当該ホルダの外部と前記受け入れ部とを互いに連通する連通路と、を含むものである。
ここで、前記連通路は、前記レンズユニットが取り付けられる外部ケースとの間のシール位置より像側に設けられていることを特徴とすることができる。また、前記ホルダの前記連通路を塞ぐ閉塞部材を更に含むことを特徴とすることができる。また、前記閉塞部材の材質は紫外線硬化樹脂であることを特徴とすることができる。また、前記ホルダの前記縮径部は、前記所定のレンズに入射する光を絞る絞り部を有することを特徴とすることができる。また、前記像側シール部材は、接着剤であり、前記縮径部は、像側の面に形成される溝部を有することを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、本発明が適用されるレンズユニットは、物体の光が一端から入射して他端から出射するように筒状に形成され、光軸の方向における当該一端と当該他端との間で当該光軸の方向とは異なる方向に延びる貫通穴を有し、当該貫通穴の位置よりも当該他端の側で当該筒状の内周面を部分的に狭めるように形成される縮径部を有するホルダと、前記ホルダの前記貫通穴の位置よりも前記一端の側で当該ホルダに収容され、外部に露出する面を有する第1のレンズと、前記ホルダの前記縮径部の前記他端の側に隣接するように当該ホルダに収容される第2のレンズと、前記ホルダと前記第1のレンズとの間に介挿される第1のシール部材と、前記ホルダの前記縮径部と前記第2のレンズとの間に介挿される第2のシール部材と、を含み、前記ホルダの前記貫通穴は、前記第1のシール部材のシール位置と前記第2のシール部材のシール位置との間に設けられていることを特徴とするものである。
ここで、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に他のレンズが配設されていることを特徴とすることができる。また、前記他のレンズを収容する前記ホルダの部分は、内周面が多角形状に形成され、かつ、当該ホルダの部分に前記貫通穴が形成され、前記他のレンズは、外周面が略円形状に形成されると共に当該外周面の一部に切欠き部が形成され、前記他のレンズは、前記切欠き部が前記貫通穴に近接するように配置されていることを特徴とすることができる。また、前記ホルダの前記縮径部は、前記第2のレンズに入射する光を絞る絞り部を有することを特徴とすることができる。また、前記第2のシール部材は、接着剤であり、前記ホルダの前記縮径部は、像側の面に形成され、前記第2のシール部材が入り込む溝部を有することを特徴とすることができる。
本発明によれば、組み立て後にシール性能の確認が可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るレンズユニット1を示す概略構成図である。
図1に示すレンズユニット1は、物体の像を像側に形成するためのもので、例えば車載カメラに用いられる広角レンズである。このレンズユニット1は、レンズユニット1の本体をなす鏡筒(ホルダ、バレル)2と、鏡筒2に保持されて光学系を形成するレンズ群3と、を備えている。
図1は、本実施の形態に係るレンズユニット1を示す概略構成図である。
図1に示すレンズユニット1は、物体の像を像側に形成するためのもので、例えば車載カメラに用いられる広角レンズである。このレンズユニット1は、レンズユニット1の本体をなす鏡筒(ホルダ、バレル)2と、鏡筒2に保持されて光学系を形成するレンズ群3と、を備えている。
また、レンズユニット1は、所定の口径を有し、レンズ群3の中に配置される絞り部材11と、鏡筒2とレンズ群3との間に介挿されるシール部材(物体側シール部材、第1のシール部材)4と、鏡筒2にレンズ群3を固着するための接着剤(像側シール部材、第2のシール部材)5と、を備えている。なお、絞り部材11は、円盤状の遮光シートであり、上下のレンズによって固定されて通過光の範囲を制限するためのものである。絞り部材11の主な材料は、PET(延伸ポリエステル)等のプラスチック材及びカーボンブラックである。
図2は、レンズユニット1の分解図である。
図2に示すように、鏡筒2は、両端開口の筒状部材である。すなわち、鏡筒2は、物体側(外側、入射側)の端部(一端)に開口部21を有し、かつ、像側(内側、出射側)の端部(他端)に開口部22を有する。なお、開口部22は、開口部21よりも狭められている。
図2に示すように、鏡筒2は、両端開口の筒状部材である。すなわち、鏡筒2は、物体側(外側、入射側)の端部(一端)に開口部21を有し、かつ、像側(内側、出射側)の端部(他端)に開口部22を有する。なお、開口部22は、開口部21よりも狭められている。
また、鏡筒2の開口部21と開口部22との間には、鏡筒2の内部空間の横断面積を部分的に狭めるように形成された縮径部23を有する。この縮径部23の端面23aは、所定の口径を有するように斜面形状に形成されている。すなわち、縮径部23は、絞り部材11と同じ絞り機能を有する。このため、1枚の絞り部材を省略することが可能になる。このように、縮径部23は、レンズユニット1の構成部品の数を減らすことに寄与するものである。
また、縮径部23の取り付け面23bには、端面23aの周縁部に沿って延びる溝部23cが形成されている。詳細は後述するが、この縮径部23の取り付け面23bには、レンズ群3のレンズ34が接着剤5で取り付けられる。
鏡筒2は、内周面2aで画成された受け入れ部24を有する。この受け入れ部24は、レンズ群3を受け入れる空間を形成するためのものであり、レンズ群3の位置決め及び保持を行うことができるように複数の段差形状に形成されている。具体的に説明すると、受け入れ部24は、円形状の内周面で構成され、レンズ31を受け入れる円形状部24aを有する。また、受け入れ部24は、八角以上の多角形状の内周面で構成され、レンズ32を受け入れる多角形状部24bと、八角以上の多角形状の内周面で構成され、レンズ33を受け入れる多角形状部24cと、八角以上の多角形状の内周面で構成され、レンズ34を受け入れる多角形状部24dと、を有する。
レンズ群3を鏡筒2の受け入れ部24に挿入して取り付けると、所望の光学特性を得られるようになっている。なお、鏡筒2は、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維とカーボンブラック等の黒色顔料の混合物からなる。
レンズ群3を鏡筒2の受け入れ部24に挿入して取り付けると、所望の光学特性を得られるようになっている。なお、鏡筒2は、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維とカーボンブラック等の黒色顔料の混合物からなる。
更に説明すると、多角形状部24cと多角形状部24dとの間に縮径部23が位置している。そして、縮径部23の物体側に円形状部24a及び多角形状部24b,24cが位置し、縮径部23の像側に多角形状部24dが位置する。このように、受け入れ部24の一部が縮径部23によって半径方向に縮小するように形成されている。言い換えると、縮径部23は、受け入れ部24を仕切るように形成されている。
鏡筒2は、鏡筒2の壁を貫通して形成された貫通穴(連通路、気密状態を確認するための穴)25を有する。この貫通穴25は、光軸の方向とは異なる方向に延びている。付言すると、この貫通穴25は、内周面2a側と外周面2b側とを互いに結んで貫通しており、これにより、受け入れ部24と鏡筒2の外部とを互いに連通させている。すなわち、受け入れ部24は、開口部21,22を介さなくても、貫通穴25により鏡筒2の外部と連通する。更に説明すると、図1に示すように、貫通穴25には、閉塞部材6が挿入される。この閉塞部材6の材質としては、ゴム材、接着剤、紫外線硬化樹脂を用いることが考えられる。紫外線硬化樹脂を用いると、貫通穴25を塞ぐ作業を容易かつ確実に行うことができる。
なお、この貫通穴25は、鏡筒2においては光軸の方向に関し後述のシール部材4と縮径部23との間に位置している。言い換えると、シール部材4と縮径部23とに挟まれた位置に貫通穴25が形成されている。また、貫通穴25は、カメラケースとのシール部材203よりも像側に位置するので、貫通穴25を隠す部材を設けなくても、貫通穴25が外部に露出しなくなる。また、外挿するシール部材とカメラケースとによってシールされることから直接風雨にさらされることはない。
この実施形態のように、フランジ部27を用いてシール部材203の位置を固定すれば、別途シール部材203の位置決め手段を鏡筒2に設ける必要がない。
なお、この貫通穴25は、鏡筒2においては光軸の方向に関し後述のシール部材4と縮径部23との間に位置している。言い換えると、シール部材4と縮径部23とに挟まれた位置に貫通穴25が形成されている。また、貫通穴25は、カメラケースとのシール部材203よりも像側に位置するので、貫通穴25を隠す部材を設けなくても、貫通穴25が外部に露出しなくなる。また、外挿するシール部材とカメラケースとによってシールされることから直接風雨にさらされることはない。
この実施形態のように、フランジ部27を用いてシール部材203の位置を固定すれば、別途シール部材203の位置決め手段を鏡筒2に設ける必要がない。
鏡筒2は、像側の端部の外周面2bに螺設された雄ねじ26を有する。この雄ねじ26は、後述するマウント202(図5参照)に取り付けるのに用いられる。また、鏡筒2は、物体側の端部の外周面2bから突出して形成されたケース部材との位置合わせのためのフランジ部27と、フランジ部27に凹形状に形成され、ケース部材に取り付ける図示しない工具と係合可能な回し部28と、を有する。
レンズ群3は、複数のレンズにより構成されている。すなわち、レンズ群3は、レンズ31、レンズ32、レンズ33及びレンズ34で構成されている。これらレンズ31、レンズ32、レンズ33及びレンズ34は、物体側から順に配列されている。すなわち、レンズ31は、物体側に最も近い位置の物体側レンズであり、レンズ34は、像側に最も近い位置の像側レンズである。レンズ32及びレンズ33は、レンズ31とレンズ34との間に位置する中間レンズである。
ここで、上述したように、受け入れ部24は、縮径部23により仕切られているので、レンズ31,32,33は、鏡筒2の開口部21側から受け入れ部24に挿入され、レンズ34は、鏡筒2の開口部22側から受け入れ部24に挿入されることになる。
更に説明すると、鏡筒2の開口部21側には、レンズ31の外面側の周縁部を係止するための熱カシメ部K(図1参照)が形成されている。この熱カシメ部Kによって、レンズ31,32,33及び絞り部材11が鏡筒2に固定される。
また、縮径部23の取り付け面23bとレンズ34の底面34cとの間に接着剤5(図1参照)が塗布され、これにより、レンズ34は、鏡筒2に固定される。この接着剤5の一部(余剰分)は、取り付け面23bの溝部23cに入り込む。このため、接着剤5が縮径部23の端面23aからはみ出て光路を遮ることが防止される。また、この接着剤5により、縮径部23の取り付け面23bとレンズ34の底面34cとの間が封止され、気密性が確保される。すなわち、この接着剤5に、シール部材4と同じシーリング機能を持たせている。このため、1つのシール部材を省略することが可能になり、レンズユニット1の構成部品の数を減らすことが可能になる。なお、接着剤5の材質としては、熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂を用いることが考えられる。
レンズ31は、ガラス製であり、このため、キズや熱に強い。レンズ31は、隣接するレンズ32に近い側の周縁に形成されている凹部31aを有する。この凹部31aは、入射側のシール部材4が配設される空間を形成するためのものである。
レンズ32,33,34は、非結晶ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂からなり、射出成形により製造されたプラスチック製レンズである。レンズ32,33,34は、外周が円形状であり、射出成形した際に外周面に形成されるゲート跡部32b,33b,34bが外周面の一部に残されている。
また、シール部材4は、Oリング部材であり、その材質としては、例えばNBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンピロピレンゴム)、FKM(ふっ素ゴム)、CR(クロロプレンゴム)、VMQ(シリコーンゴム)、UR(ポリウレタンゴム)、NR(天然ゴム)、ACM(アクリルゴム)のいずれでも良い。
更に説明すると、シール部材4は、鏡筒2の受け入れ部24とレンズ31とに係合して両者間の隙間をなくして、物体側の外部に対する受け入れ部24の気密状態を形成するためのものである。なお、上述したように、鏡筒2の受け入れ部24とレンズ34との間の隙間が接着剤5により充填され、像側の外部に対する受け入れ部24の気密状態を形成することができる。
すなわち、受け入れ部24のうちシール部材4及び接着剤5に挟まれた領域は、物体側の外部及び像側の外部と気密状態になる。より具体的に説明すると、レンズ31,34と鏡筒2の内周面2aとシール部材4と縮径部23と接着剤5とにより画成された空間であるレンズ室Lは、貫通穴25のみを通じてレンズユニット1の外部と連通している。そして、貫通穴25を閉塞部材6で塞ぐと、レンズ室Lとレンズユニット1の外部との気密状態が確立されることになる。これにより、レンズ群3のとりわけレンズ31の内面(レンズ32に近い面)の結露をより確実に防止することができる。また、レンズ室Lの容積を大きくすることにより断熱作用を持たせることができ、外部の温度変化が装置内部に及ぼす影響を抑制することができる。
すなわち、受け入れ部24のうちシール部材4及び接着剤5に挟まれた領域は、物体側の外部及び像側の外部と気密状態になる。より具体的に説明すると、レンズ31,34と鏡筒2の内周面2aとシール部材4と縮径部23と接着剤5とにより画成された空間であるレンズ室Lは、貫通穴25のみを通じてレンズユニット1の外部と連通している。そして、貫通穴25を閉塞部材6で塞ぐと、レンズ室Lとレンズユニット1の外部との気密状態が確立されることになる。これにより、レンズ群3のとりわけレンズ31の内面(レンズ32に近い面)の結露をより確実に防止することができる。また、レンズ室Lの容積を大きくすることにより断熱作用を持たせることができ、外部の温度変化が装置内部に及ぼす影響を抑制することができる。
図3は、鏡筒2とレンズ33との位置関係を示す図1の横断面図である。なお、鏡筒2とレンズ32,33,34との位置関係は同じものゆえ、その代表として、鏡筒2とレンズ33との位置関係を図3に示すと共に以下説明する。
図3に示すように、鏡筒2の多角形状部24cの内周面とレンズ33の円形状の外周面33cとは、圧接部P,P'で圧接している。このように、多角形状部24cの内周面にレンズ33の外周面33cを圧接させることで、レンズ33を鏡筒2に保持させている。
図3に示すように、鏡筒2の多角形状部24cの内周面とレンズ33の円形状の外周面33cとは、圧接部P,P'で圧接している。このように、多角形状部24cの内周面にレンズ33の外周面33cを圧接させることで、レンズ33を鏡筒2に保持させている。
また、レンズ33の外周面33cの一部に形成されているゲート跡部33bは、レンズ33の外周面33cよりもレンズ33の中心側に位置する。このため、ゲート跡部33bは多角形状部24cに圧接されない。
更に説明すると、複数の圧接部Pのうちゲート跡部33bの両側に位置する圧接部P'は、ゲート跡部33bにおける中心位置Cと光軸とを結ぶ基準線Bを中心として、ゲート跡部33bの近傍でかつ左右両側に位置している。また、ゲート跡部33bにおける隙間(切欠き部)Gは、レンズ33の外周面33cと多角形状部24cの内周面との最大離間距離よりも大きい。このため、温度や湿度の変動に伴う膨張収縮によって真円度の低下をきたしてゲート跡部33b側に光軸が偏ることが抑制される。
また、レンズ33は、ゲート跡部33bが貫通穴25に向かい合うように配置されている。言い換えると、レンズ33の隙間Gは、貫通穴25に近接している。このため、後述する気密検査後に閉塞部材6で貫通穴25を封止する際に、閉塞部材6を多めに貫通穴25に注入しても、閉塞部材6がレンズ室Lに入り込んで光路に悪影響を与えてしまうことが低減される。
図4は、レンズユニット1の気密状態を検査する検査装置100を説明する図である。
図4に示す検査装置100は、レンズユニット1を受ける受け台101と、レンズユニット1を受け台101に取り付けるための取り付け部材102と、受け台101に窒素(N2)又は乾燥したエアを所定の圧力で供給するための配管103と、を備えている。また、検査装置100は、配管103の途中に配置されている圧力ゲージ104及び漏れ検査器(リークディテクタ)105を備えている。また、検査装置100は、受け台101とレンズユニット1との間に介挿されるシール部材106,107を備えている。
図4に示す検査装置100は、レンズユニット1を受ける受け台101と、レンズユニット1を受け台101に取り付けるための取り付け部材102と、受け台101に窒素(N2)又は乾燥したエアを所定の圧力で供給するための配管103と、を備えている。また、検査装置100は、配管103の途中に配置されている圧力ゲージ104及び漏れ検査器(リークディテクタ)105を備えている。また、検査装置100は、受け台101とレンズユニット1との間に介挿されるシール部材106,107を備えている。
受け台101は、レンズユニット1を受けることが可能なように形成された受け部101aと、受け部101aと配管103とを互いに接続するための接続部101bと、雌ねじ部101cと、を有する。取り付け部材102は、受け台101の雌ねじ部101cと螺合可能に形成された雄ねじ部102cを有する。
圧力ゲージ104は、配管103を通じて受け台101の受け部101aに供給されるエア等の圧力を表示するための機器である。また、漏れ検査器105は、受け部101aに所定の圧力で供給されているエアの漏れすなわち気体の流れを検知するための機器である。
検査装置100を用いて行う検査方法は次のように行う。まず、受け台101の受け部101aにシール部材106,107を介挿してレンズユニット1を入れた後に、取り付け部材102を受け台101にねじ結合する。これにより、受け台101と取り付け部材102との相互作用によりレンズユニット1のフランジ部27が固定される。
こうしてレンズユニット1が固定されると、受け部101aとシール部材106とシール部材107とレンズユニット1の外周面2bとにより空間Aが画成される。そして、この空間Aは、受け台101の接続部101bと連通すると共にレンズユニット1の貫通穴25にも連通する。このため、配管103を通じて所定の圧力で供給されるエア等は、接続部101b及び空間Aを介して貫通穴25に送られ、最終的に受け入れ部24のレンズ室Lに到達する。もしレンズ室Lに気密性がないときには、エア等が漏れるので、それを漏れ検査器105で検出することができる。
このように、レンズユニット1を検査装置100に取り付け、エア等を所定の圧力で加圧し、その際に、エア等の漏れを検知することにより、レンズ室Lの封止不良の有無を確認することができる。もし、レンズ室Lの封止不良がないときには、レンズユニット1を検査装置100から取り外し、レンズユニット1の貫通穴25に閉塞部材6を挿入し、例えば閉塞部材6が紫外線硬化樹脂であれば、紫外線を照射して硬化させる。これにより、気密検査済みのレンズユニット1におけるレンズ室Lを密封することができる。このような気密検査をレンズユニット1の全ての製品について出荷前に行うことにより、不良品を検出することができ、高品質の製品を提供することが可能になる。
なお、検査装置100は、加圧する形式を採用しているが、減圧する形式を採用することも考えられる。また、本実施の形態では、受け台101と取り付け部材102との嵌合を、雄ねじ部102cと雌ねじ部101cのねじ嵌合で行っているが、取り付け部材102を一定の力で受け台101に対し押し付けても良い。
なお、検査装置100は、加圧する形式を採用しているが、減圧する形式を採用することも考えられる。また、本実施の形態では、受け台101と取り付け部材102との嵌合を、雄ねじ部102cと雌ねじ部101cのねじ嵌合で行っているが、取り付け部材102を一定の力で受け台101に対し押し付けても良い。
図5は、カメラモジュール200の構成を示す概略構成図である。
図5に示すカメラモジュール200は、レンズユニット1を含んで構成されている。すなわち、カメラモジュール200は、外装部品である上ケース(カメラケース)201と、レンズユニット1を保持するマウント(フランジ、台座)202と、を備えている。また、カメラモジュール200は、シール部材203及びパッケージセンサ(撮像素子)204を備えている。
図5に示すカメラモジュール200は、レンズユニット1を含んで構成されている。すなわち、カメラモジュール200は、外装部品である上ケース(カメラケース)201と、レンズユニット1を保持するマウント(フランジ、台座)202と、を備えている。また、カメラモジュール200は、シール部材203及びパッケージセンサ(撮像素子)204を備えている。
上ケース201は、レンズユニット1の開口部21側の端部を露出させると共に他の部分を覆う部材である。マウント202は、上ケース201の内部に配置されており、レンズユニット1の雄ねじ26と螺合する雌ねじ202aを有する。シール部材203は、上ケース201の内面とレンズユニット1の外周面2bとの間に介挿された部材であり、上ケース201の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ204は、上ケース201の内部に配置されており、かつ、レンズユニット1により形成された物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ204は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等を備えており、レンズユニット1を通じて集光して到達した光を電気信号に変換する。変換された電気信号はカメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
1…レンズユニット、11…絞り部材、2…鏡筒、2a…内周面、2b…外周面、21,22…開口部、23…縮径部、23a…端面、23b…取り付け面、23c…溝部、24…受け入れ部、24a…円形状部、24b,24c,24d…多角形状部、25…貫通穴、26…雄ねじ、27…フランジ部、28…回し部、3…レンズ群、31,32,33,34…レンズ、31a…凹部、32b,33b,34b…ゲート跡部、33c…外周面、34c…底面、4…シール部材、5…接着剤、6…閉塞部材、B…基準線、C…中心位置、G…隙間、K…熱カシメ部、L…レンズ室、P,P'…圧接部
Claims (11)
- 物体の像を形成するための複数のレンズと、
筒状に形成される筒状部の内面に前記複数のレンズを受け入れる受け入れ部を有し、かつ、当該受け入れ部の一部が半径方向に縮小するように形成される縮径部を有する筒状のホルダと、
前記複数のレンズのうち最も物体側に位置する物体側レンズと前記ホルダの前記受け入れ部との間に介挿される物体側シール部材と、
前記ホルダの前記縮径部と前記複数のレンズのうち当該縮径部の像側に隣接する所定のレンズとの間に介挿される像側シール部材と、
前記ホルダにおける前記物体側シール部材によるシール位置と前記像側シール部材によるシール位置との間に形成され、当該ホルダの外部と前記受け入れ部とを互いに連通する連通路と、
を含むレンズユニット。 - 前記連通路は、前記レンズユニットが取り付けられる外部ケースとの間のシール位置より像側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
- 前記ホルダの前記連通路を塞ぐ閉塞部材を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
- 前記閉塞部材の材質は紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
- 前記ホルダの前記縮径部は、前記所定のレンズに入射する光を絞る絞り部を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
- 前記像側シール部材は、接着剤であり、
前記縮径部は、像側の面に形成される溝部を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。 - 物体の光が一端から入射して他端から出射するように筒状に形成され、光軸の方向における当該一端と当該他端との間で当該光軸の方向とは異なる方向に延びる貫通穴を有し、当該貫通穴の位置よりも当該他端の側で当該筒状の内周面を部分的に狭めるように形成される縮径部を有するホルダと、
前記ホルダの前記貫通穴の位置よりも前記一端の側で当該ホルダに収容され、外部に露出する面を有する第1のレンズと、
前記ホルダの前記縮径部の前記他端の側に隣接するように当該ホルダに収容される第2のレンズと、
前記ホルダと前記第1のレンズとの間に介挿される第1のシール部材と、
前記ホルダの前記縮径部と前記第2のレンズとの間に介挿される第2のシール部材と、
を含み、
前記ホルダの前記貫通穴は、前記第1のシール部材のシール位置と前記第2のシール部材のシール位置との間に設けられていることを特徴とするレンズユニット。 - 前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に他のレンズが配設されていることを特徴とする請求項7記載のレンズユニット。
- 前記他のレンズを収容する前記ホルダの部分は、内周面が多角形状に形成され、かつ、当該ホルダの部分に前記貫通穴が形成され、
前記他のレンズは、外周面が略円形状に形成されると共に当該外周面の一部に切欠き部が形成され、
前記他のレンズは、前記切欠き部が前記貫通穴に近接するように配置されていることを特徴とする請求項8に記載のレンズユニット。 - 前記ホルダの前記縮径部は、前記第2のレンズに入射する光を絞る絞り部を有することを特徴とする請求項7に記載のレンズユニット。
- 前記第2のシール部材は、接着剤であり、
前記ホルダの前記縮径部は、像側の面に形成され、前記第2のシール部材が入り込む溝部を有することを特徴とする請求項7に記載のレンズユニット。
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2007
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