JP2022008403A - 眼の状態の治療のためのピロカルピン塩酸塩の使用 - Google Patents

眼の状態の治療のためのピロカルピン塩酸塩の使用 Download PDF

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Abstract

Figure 2022008403000001
【課題】老視および他の視覚障害は、主として光学レンズおよび他のそのような機械的装置によって長く治療されてきたが、このような装置の使用を回避し、これらが必然的に伴う様々な欠点を回避する代替的な治療を提供することを課題とする。
【解決手段】本明細書で記載するのは、薬学的に許容されるピロカルピン眼科用配合物を用いた眼の状態の治療のためのおよび視力パラメータの改善のための方法および組成物である。本明細書に開示される方法および組成物で治療され得る眼の状態の非限定的な例は、老視である。
【選択図】図2

Description

優先権
本出願は、2018年4月24日に出願された米国仮特許出願番号62/662,144号、2018年12月14日に出願された米国仮特許出願番号62/780,117号および2019年1月10日に出願された米国仮特許出願第62/790,957号の利益を主張するものであり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に援用されている。
背景
老視および他の視覚障害は、主として光学レンズおよび他のそのような機械的装置によって長く治療されてきた。本明細書でさらに詳細に説明されるように、このような装置の使用を回避し、これらが必然的に伴う様々な欠点を回避する代替的な治療を提供することが有利であろう。
ピロカルピンのようなコリン作動性アゴニストは、眼内圧(「IOP」)を低下させて原発性開放隅角緑内障を治療するために使用されてきた。このようなコリン作動性アゴニストは、1978年にチモロールの導入までIOPを低下させようとした治療のための主力であった。次の数十年で、局所炭酸脱水酵素阻害剤、アルファアゴニスト、およびプロスタグランジンアゴニストの導入により、より新しい薬物が低減された視力および眼の不快感のような副作用の発生がかなり低いので、ピロカルピンはそれほど処方されなくなってきた(Allingham et al., Shields' Textbook of Glaucoma, 5th edition, Lippincott Williams & Wilkins (Philadelphia), 2005, pp. 501-503)。
概要
本明細書で記載するのは、ピロカルピンを使用して視力を改善するための組成物および方法である。
いくつかの実施形態において、患者における眼の状態を治療する方法であって、ピロカルピン塩酸塩を含む眼科用組成物を上記患者に投与することを含む、上記方法が提供される。
1つの好ましい実施形態において、眼の状態を治療することを必要とする患者においてその眼の状態を治療する方法であって、ピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含む薬学的に許容される眼科用組成物を上記患者に投与することを含み、この配合物は、この患者の少なくとも一方の眼に局所的に投与され、上記眼の状態は、老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、調節性内射視、近視、および乱視からなる群から選択される、上記方法が提供される。
別の好ましい実施形態において、少なくとも1つの視力パラメータを改善することを必要とする患者においてその少なくとも1つの視力パラメータを改善する方法であって、ピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含む薬学的に許容される眼科用組成物を上記患者に投与することを含み、この配合物は、この患者の少なくとも一方の眼に局所的に投与され、上記少なくとも1つの視覚パラメータは、近見視力、中間視力、遠見視力、夜間視力、昼間視力、グレア、および光散乱からなる群から選択される、上記方法が提供される。
さらなる好ましい実施形態において、近見視力を改善することを必要とする老視の患者においてその近見視力を改善するための方法であって、ピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含む薬学的に許容される眼科用組成物を上記患者の眼に投与することを含む、上記方法が提供される。
いくつかの実施形態において、上記眼の状態は老視である。いくつかの実施形態において、上記眼の状態は遠視である。いくつかの実施形態において、上記眼の状態は散瞳である。いくつかの実施形態において、上記視力パラメータは近見視力である。いくつかの実施形態において、上記視力パラメータは中間視力である。いくつかの実施形態において、上記視力パラメータは、遠見視力である。いくつかの実施形態において、上記視力パラメータは夜間視力である。さらなる実施形態は、薄明視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも3ライン改善をもたらす方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記方法は、薄明視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも2ライン改善をもたらす。いくつかの実施形態において、上記方法は、薄明視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから平均文字変化の増加をもたらす。いくつかの実施形態において、上記方法は、明所視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも2ライン改善をもたらす。いくつかの実施形態において、上記方法は、明所視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも2ライン改善をもたらす。いくつかの実施形態において、上記方法は、薄明視の高コントラストDCNVAの条件下でベースラインから少なくとも3ライン改善をもたらす。この方法は、明所視の高コントラストDCNVAの条件下でベースラインから少なくとも3ライン改善をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、上記方法は、薄明視の高コントラストDCIVAの条件下でベースラインから少なくとも3ラインの改善をもたらす。この方法は、明所視の高コントラストDCIVAの条件下でベースラインから少なくとも3ライン改善をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、上記方法は、UNVA、UDVA、DCNVA、およびDCIVAからなる群から選択された少なくとも1つにおいて、少なくとも1ラインの改善をもたらす。
さらなる実施形態は、1質量/容量%以上1.5質量/容量%未満の濃度でピロカルピン塩酸塩を含む上記薬学的に許容される眼科用組成物を提供する。この薬学的に許容される眼科用組成物は、1.25質量/容量%の濃度でピロカルピン塩酸塩を含むことができる。いくつかの実施形態は、上記薬学的に許容される眼科用組成物において、唯一の有効成分であるピロカルピン塩酸塩を提供する。いくつかの実施形態において、上記薬学的に許容される眼科用組成物は、ポリマーを含まない。上記薬学的に許容される眼科用組成物の投与は、いくつかの実施形態においては、ピロカルピンとポリマーとを含む第2の眼科用組成物の投与と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みの少なくとも1つの低い発生率をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、上記薬学的に許容される眼科用組成物は、さらに、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む。この薬学的に許容される眼科用組成物は、1日1回投与され得る。この薬学的に許容される眼科用組成物は、1日2回投与され得る。この薬学的に許容される眼科用組成物は、患者の両眼に投与され得る。この薬学的に許容される眼科用組成物は、患者の一方の眼に投与され得る。この薬学的に許容される眼科用組成物は、上記患者の非優位眼に投与され得る。この薬学的に許容される眼科用組成物は、患者の優位眼に投与され得る。
さらなる好ましい実施形態は、眼の状態の治療のための組成物であって、上記組成物は、薬学的に許容され、1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度でピロカルピン塩酸塩を含み、上記眼の状態は、老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、調節性内斜視、近視、および乱視からなる群から選択される、上記組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、上記組成物は1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、上記眼の状態は老視である。いくつかの実施形態において、上記組成物は、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む。さらなる実施形態において、上記組成物は、1日1回適用される。この組成物は、1日2回適用され得る。この組成物は、患者の両眼に投与され得る。この組成物は、患者の非優位眼に投与され得る。この組成物は、患者の優位眼に投与され得る。いくつかの実施形態において、ピロカルピン塩酸塩は、唯一の有効成分である。いくつかの実施形態は、保存剤をさらに含み得る。この保存剤は、塩化ベンザルコニウムであり得る。ある種の実施形態において、上記組成物は、約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む。この組成物は、本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含み、pH 5.0を有する。この組成物は、ピロカルピンおよびポリマーを含む第2の眼科用組成物の投与と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みからなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の発生率を減少させる。この第2の組成物は、1質量/容量%のピロカルピンを含んでもよく、このポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースであってもよい。
さらに別の好ましい実施形態において、少なくとも1つの視力パラメータを改善するための組成物であって、上記組成物は、薬学的に許容されかつピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含み、上記少なくとも1つの視力パラメータは、近見視力、遠見視力、夜間視力、昼間視力、グレア、および光散乱からなる群から選択される、上記組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、上記組成物は1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、上記視力パラメータは近見視力である。この組成物は1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含んでもよく、この視力パラメータは遠見視力であってもよい。この組成物は、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含み得る。この組成物は1日に1回適用され得る。この組成物は1日2回適用され得る。いくつかの態様において、上記組成物は、患者の両眼に投与される。この組成物は、患者の非優位眼に投与され得る。いくつかの実施形態において、上記組成物は、患者の優位眼に投与され得る。いくつかの実施形態において、ピロカルピン塩酸塩が唯一の有効成分である。この組成物は、保存剤をさらに含み得る。この保存剤は塩化ベンザルコニウムであってもよい。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および0.0075%w/v塩化ベンザルコニウムからなり、pH 5.0を有する。
別の好ましい実施形態において、老視を有する患者における近見視力の改善のための組成物であって、上記組成物が、薬学的に許容され、ピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含む、上記組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、上記組成物は1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、上記眼の状態は老視である。いくつかの実施形態において、上記組成物は、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む。この組成物は1日1回投与し得る。いくつかの実施形態において、ピロカルピン塩酸塩は唯一の有効成分である。この組成物は、保存剤をさらに含み得る。この保存剤は塩化ベンザルコニウムであってもよい。別の実施形態において、上記組成物は、約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む。さらに別の実施形態において、上記組成物は、本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pH 5.0を有する。
好ましい実施形態において、老視を有する患者における近見視力を改善するための組成物であって、上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウム、および水を含み、pH 3.0~5.5を有する、上記組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、上記組成物は、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウム、および水からなり、pH 5.0を有する。いくつかの実施形態において、この組成物は1日1回患者に局所投与される。
さらに別の好ましい実施形態において、老視を有する患者における近見視力を改善するための方法は、ピロカルピンを唯一の有効成分として含む薬学的に許容される眼科用組成物を患者の少なくとも一方の眼に投与することを含み、上記組成物は、粘度増強ポリマーを含有しない。
いくつかの実施形態において、上記組成物はピロカルピン塩酸塩を含む。この組成物は、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み得る。いくつかの実施形態において、上記組成物はピロカルピン硝酸塩を含む。さらなる実施形態において、上記組成物は、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩またはモル当量のピロカルピン塩を含む。この組成物は1日1回投与し得る。この組成物は1日2回投与され得る。いくつかの実施形態において、上記組成物は、上記患者の非優位眼に投与される。いくつかの実施形態において、上記組成物は、患者の優位眼に投与される。この組成物はまた、患者の両眼に投与されてもよい。いくつかの実施形態において、上記組成物はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有しない。さらなる実施形態において、上記薬学的に許容される組成物の投与は、1種以上の粘度増強ポリマーを含むピロカルピン組成物の投与と比較して、1つ以上の有害事象の発生を減少させる。この1つ以上の有害事象は、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みからなる群から選択され得る。
さらなる好ましい実施形態において、第1の量のピロカルピン塩酸塩を唯一の有効成分として含む薬学的に許容される眼科用組成物を、老視を有する患者の少なくとも一方の眼に投与することを含む方法であって、このような投与は、以前に第2の量のピロカルピン塩酸塩を投与することなくおよび/またはその後に第3の量のピロカルピン塩酸塩を投与することなく行われ、上記第2の量は、上記第1の量よりも少なく、上記第3の量は、上記第1の量よりも多い、上記方法が提供される。
いくつかの実施態様において、上記第1の量のピロカルピン塩酸塩は、1.25質量/容量%である。上記薬学的に許容される眼科用組成物は、上記患者の両眼に投与され得る。この薬学的に許容される眼科用組成物は、1日1回、または1日2回投与され得る。
薄明視のUNVA(mITT、非優位眼、ANCOVAを用いた臨床試験B)における文字数のベースラインからの平均変化を示す。 ピロカルピン1%群において、第2日投与期間にわたる各時点におけるUNVAのベースラインからの平均変化を示し、1滴のピロカルピン塩酸塩を第1日および第2日の時間0に投与した。(mITT、非優位眼、臨床試験B)。 近見視力を改善するための最も効果的なピロカルピン濃度範囲のモデルを示す。 臨床試験Bにおける2日投与期間にわたるUDVAのベースラインからの平均文字変化を示す。 遠見視力を改善するための最も効果的なピロカルピン濃度範囲の計算モデルを示す。 臨床試験Aにおける試験設計のスキームを示す。 異なる濃度のオキシメタゾリンを有する1%ピロカルピン投与後の時点で読み取られたUNVA文字数の変化の比較を示す。 薄明視のUNVA(mITT集団)における3ライン改善のグラフを示す。 薄明視のUNVA(mITT集団)における3ライン改善のグラフを示す。 臨床試験Cにおける試験設計のスキームを示す。 臨床試験Cにおいて、評価1における2つの試験された配合物について時点あたりのそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価1における2つの試験された配合物について時点あたりのそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価1における2つの試験された配合物について時点全体のそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価1における2つの試験された配合物について時点全体のそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価2における2つの試験された配合物についての時点あたりのそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価2における2つの試験された配合物についての時点あたりのそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価2における2つの試験された配合物についての時点にわたるそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。 臨床試験Cにおいて、評価2における2つの試験された配合物についての時点にわたるそれぞれの平均の眼のぼやけおよび眼の不快感を示す。
詳細な説明
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が関係する当業者によって、一般的に理解されるものと同じ意味を有する
本発明の記載および特許請求の範囲において、下記の用語は、下記の定義に従って使用される。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形は、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
「治療有効量」という用語は、一方または両方の眼の状態を治療するためにおよび/または少なくとも1つの視力パラメータを改善するために、個体に投与されたときに有効な量をいう。治療有効量の化合物および/または組成物が個体に投与されたときの眼の状態の治療における視力改善および/または成功の程度は、本明細書に記載されているように当業者に容易に識別可能であろう。
「未矯正近見視力」(「UNVA」)という用語は、身体からの腕の距離内の物体の細部(例えば、眼から33~41cm離れている)を見る、視力補助具(眼鏡またはコンタクトレンズなど)を有さない人の能力をいう。同様に、「距離矯正された近見視力」(「DCNVA」)という用語は、距離視力の問題を矯正する眼鏡またはコンタクトレンズなどの視力補助具を使用して、身体からの腕の距離内の物体の細部(例えば、眼からの33~41cmで)を見る人の能力をいうために使用され得る。「近見視力」、「近位視力」、および「近方視力」という用語は、同義的に使用され得る。
「未矯正遠見視力」(「UDVA」)という用語は、身体から腕の距離を超えた物体の細部(例えば、眼から4メートル超えて離れている)を見る、視力補助具(眼鏡またはコンタクトレンズなど)を有さない人の能力をいう。「遠見視力」、「遠位視力」、および「遠方視力」という用語は、同義的に使用され得る。
「中間視」、「中間視力」、および「中程度の視力」という用語は、近い視覚野範囲と遠い視覚範囲との間の距離における物体の細部を見る人の能力をいうために使用され得る。換言すれば、このような距離範囲は、腕の距離(眼から約33~41cm)よりもほぼ遠い距離と、眼から約4メートル未満の距離との間である。いくつかの実施形態において、例えば、これは人の眼から人の足に近い物体までの距離を指すことができる。距離矯正された中間視力(「DCIVA」)という用語は、距離視力の問題を矯正する眼鏡またはコンタクトレンズなどの視力補助具を使用して、中間距離における物体の細部を見る人の能力をいうために使用され得る。
「ベースラインから2ライン改善」または「ベースラインから3ライン改善」またはベースラインから類似の改善という用語は、治療前に読み取り可能なラインの数と比較する際にピロカルピンによる治療後の標準チャート(例えば、スネレン、ETDRS、対数視力表など)上の文字の2または3以上のラインを読み取る人の能力をいう。
「正確に読み取られる文字の数」という用語は、人が正確に読み取ることができる標準チャート(例えば、スネレン、ETDRS、対数視力表等)上の文字の数をいう。「正確に読み取られる文字の数のベースラインからの増加」という用語は、特定の後処置時点で正確に読み取られる文字の数における前処置からの増加をいう。
「mITT」という用語は、薄明視の高コントラストUNVAのベースラインおよび少なくとも1つのベースライン後の評価、ならびに5投与期間にわたって3ライン以下のベースラインUNVAを有する全てのランダム化された患者として定義される、修正した治療意図集団をいう。
「視力パラメータ」という用語は、測定され得る患者の視力における任意の特性を指すことができ、本明細書に記載される組成物および方法により改善されやすい。本明細書に記載の様々な実施形態において、改善され得る視力パラメータには、近見視力、中間視力、遠見視力、夜間視力、昼間視力、光学収差(例えば、グレア、光散乱)、および補正されていない屈折誤差が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載された様々な実施形態において、改善され得る視力パラメータのさらなる例には、限定されるものではないが、夜間のグレア、LASIK後「スターバースト」グレア、光源の周囲に見られる視覚的な「ハロー」、および調節不全も含まれる。
近見、中間、および/または遠見視力を含むがこれらに限定されない視力または視覚の改善は、例えば、投与後の時点で正確に読み取られた文字の数の増加、平均文字変化の増加、または2ラインまたは3ライン改善に、全てベースラインから(すなわち処置前から)反映され得る。夜間の視力改善は、薄暗いまたは暗い照明における(例えば、薄明視または暗順応条件下)患者についての視覚の改善に反映され得る。昼間の視力改善は、昼光時間中または日光(例えば、明所視条件下)で見られるような明るい照明における患者についての視覚の改善に反映され得る。本明細書に記載された実施形態を使用する視力の改善は、老眼鏡、レンズ修正薬、および他の視覚補助具および装置(特に、老視を治療するために使用されるもの)と組合せてまたはこれらを使用する際にも達成することができ、これには眼鏡、レンズ修正薬、および眼内レンズ(IOL)を含む外科用老視オプションが含まれるがこれらに限定されない。
「眼の状態」(ocular condition)という用語は、眼または眼の一部または領域の1つに影響を及ぼすかまたは関与し、かつ眼内に屈折誤差を引き起こす光学的な問題を含む、いかなる状態、疾患、または障害をも意味し得る。眼の状態には、これらに限定されないが、老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、および調節性内斜視、近視、乱視、アディー緊張瞳孔、または副交感神経除神経の他の原因、調節性不全、および屈折手術後に生じる合併症、例えばレーシックまたはPRKに続く偏心アブレーション、角膜瘢痕、かすみ、屈折誤差などが含まれる。
ピカルピンは、下記の化学構造により表されるコリン作動性ムスカリンアゴニストである:
Figure 2022008403000002
ピロカルピン
ピロカルピンは、異なる塩形態で存在し得るが、典型的には、その塩酸塩により使用される。他の可能な塩としては、硝酸塩、水和物、および遊離酸が挙げられるが、これらに限定されない。特に断らない限り、本明細書で「ピロカルピン」についての記述は、「ピロカルピン塩酸塩」を意味するであろう。加えて、特に断らない限り、ピロカルピンを有する組成物についての本明細書での記述は、容量あたりの質量単位でピロカルピン塩酸塩を有する組成物の量として解釈されるべきである。例えば、1.25%のピロカルピンは、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩の組成物を意味する。
本明細書に記載の実施形態において、ピロカルピン塩酸塩は、1質量/容量%から1.5質量/容量%、好ましくは1質量/容量%よりも多く1.5質量/容量%よりも少ない、例えば1.16質量/容量%から1.32質量/容量%、または1.1875質量/容量%から1.3125質量/容量%の範囲の組成物中で使用できる。使用し得るピロカルピン塩酸塩のさらなる範囲は、0.95質量/容量%から1.2質量/容量%、1.1質量/容量%から1.4質量/容量%、および1.2質量/容量%から1.3質量/容量%が含まれる。ピロカルピン塩酸塩の好ましい量は、1.25質量/容量%である。使用され得る他の量のピロカルピン塩酸塩は、例えば、限定されるものではない、0.5質量/容量%、0.6質量/容量%、0.7質量/容量%、0.8質量/容量%、0.9質量/容量%、0.95質量/容量%、0.99質量/容量%、1質量/容量%、1.01質量/容量%、1.05質量/容量%、1.08質量/容量%、1.1質量/容量%、1.15質量/容量%、1.2質量/容量%、1.21質量/容量%、1.22質量/容量%、1.23質量/容量%、1.24質量/容量%、1.26質量/容量%、1.27質量/容量%、1.28質量/容量%、1.29質量/容量%、1.3質量/容量%、1.31質量/容量%、1.32質量/容量%、1.35質量/容量%、1.4質量/容量%、1.45質量/容量%、1.49質量/容量%および1.5質量/容量%が挙げられ、これらの選択された量のピロカルピン塩酸塩のいずれの間の範囲および量も含まれる。また、ピロカルピンの非塩酸塩を含むいくつかの実施形態において、対応するモル当量のこれらの他の塩を使用できることも理解されるであろう。例えば、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩組成物(分子量244.72g/モル)は、塩酸塩の質量を差し引いたとき、1.06質量/容量%のピロカルピンの組成物に相当する。したがって、対応するモル当量のピロカルピン硝酸塩(分子量270.527g/モル)は、1.38質量/容量%の濃度を有する。類似のモル変換計算は、本明細書に開示された他の量および範囲についてもなされ得る。
本明細書に記載の実施形態において、組成物を1日1回、1日2回以上投与してもよい。好ましくは、上記組成物は1日1回投与される。投与される場合、この組成物は、好ましくは、まる1日に充分な作用持続時間を有する。いくつかの実施形態において、上記組成物は、少なくとも2時間、少なくとも3時間、好ましくは少なくとも4時間、好ましくは少なくとも6時間、より好ましくは少なくとも8時間、さらにより好ましくは少なくとも10時間、およびすべての介在する時点の作用持続時間を有することができる。いくつかの実施形態は、10時間よりも長い作用持続時間、例えば12時間、または24時間さえ有する組成物を提供できる。作用持続時間は、投与された組成物が少なくとも1つの視力パラメータまたは眼の状態(例えば、老視)に影響を及ぼす時間の持続時間をいう。
いくつかの実施形態において、ピロカルピンが組成物の一部である場合、この化合物は、眼の状態の治療または視力パラメータの改善のための治療活性を有する唯一の有効成分である。本明細書で使用される「有効成分」という用語は、組成物の治療効果に関与する組成物の成分をいい、一方、この組成物の他の成分(例えば、賦形剤、担体、および希釈剤)は、その配合物の一部として必要または所望される組成物中に他の機能を有していても、組成物の治療効果に関与しない(潤滑、pH制御、乳化、安定化、保存、および本明細書に記載の組成物の効果以外の他の機能)。いくつかの実施形態において、ピロカルピンが治療活性を有する唯一の有効成分である本明細書に記載の組成物は、眼の状態の治療または視力パラメータの改善のための治療活性を有すると考えられる他の成分が存在しない組成物である。
本明細書に記載の組成物は、適切な保存剤を含むことができる。好適な保存剤の例としては、塩化ベンザルコニウム(「BAK」)、ポリクオタニウム-l(polyquad(登録商標))、クロロブタノール、安定化二酸化塩素などが挙げられる。Purite(登録商標)としても知られている安定化二酸化塩素は、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)の水溶液として記載できる。米国特許第5,424,078号は、その全体が本明細書に援用されており、さらに、安定化された二酸化塩素を眼科用製剤のための保存剤として使用することを論じている。
局所コリン作動性アゴニストは、眼の毛様体に位置する毛様筋に作用し、中枢神経系におけるコリン作動性受容体の最も豊富な領域の一つである。ピロカルピンはまた、虹彩括約筋に見られるムスカリン性コリン作動性受容体に作用し、筋肉を収縮させ、その結果、瞳孔収縮(すなわち、縮瞳)をもたらす(Levin et al., Adler's Physiology of the Eye, 11th edition by Saunders Elsevier (Edinburgh), pp. 56, 57, and 509-510)。
局所ピロカルピンが眼に適用されると、上記コリン作動性受容体が毛様筋内で活性化され、それによって、それを収縮させ、これにより、小柱網を開く(同書、pp.44, 45, 289-291)。これは、房水が眼を離れる速度を容易にすることができ、正味の結果は、原発性開放隅角緑内障を有する患者における眼内圧(「IOP」)の減少である。毛様筋の刺激を有するピロカルピンは毛様体の毛様筋収縮による前進運動を引き起こすことができ、水晶体の中心表面が最急になるように水晶体の中心面を生じさせ、レンズの中心厚さを増加させる(前後径)(同書、pp.44-55)。正味の結果は、レンズの視度の増加であり、これは、眼に点滴されたピロカルピンの濃度が高くなるにつれて、近い距離および遠い距離における視力の低下および眼の不快感を含む、多くの患者の苦情につながる可能性がある。これらの視力に対する副作用は、多くの臨床試験で実証されている(Brown et al., Arch Ophthalmol. 94, pp. 1716-1719, 1976, and Diestelhorst M,「The additive intraocular pressure-lowering effect of latanoprost 0.005% daily once and pilocarpine 2% t.i.d. in patients with open-angle glaucoma or ocular hypertension. a 6-month, randomized, multicenter study. German Latanoprost Study Group」,Graefes Arch Clin. Exp. Ophthalmol., 238(5), pp. 433-439)。これらの副作用は、イソプトカルピン商品ラベル(2000年6月22日に承認されたIsoptoCarpine(登録商標)ラベル参照)にも記載されている。
l970年代に臨床におけるコリン作動性アゴニスト局所使用のピークにおいて、異なる局所眼科用薬物は、緑内障を治療するためにIOPを低下させるために個々の患者のニーズを満たすことができるように広範囲の濃度で製造された。ピロカルピン(IsoptoCarpine(イソプトカルピン)、Alcon)は、薬物が房水中で短い半減期を有するので持続効果を有するように頻繁なQID(1日4回)投与で利用可能な0.25%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、8.0%、および10.0%(質量/容量)濃度を有していた(同書)。臨床試験はまた、ピロカルピンを有するQID投与が、IOPを低下させる際のBID(1日2回)投与よりも効果的であることを実証した(Quigley et al., Ann. Ophthalmol. 9, pp. 427-430, 1977 and Harbin et al., Ann. Opthalomol., 10, pp. 59-61, 1978)。臨床試験はまた、ピロカルピン4%などのより高い濃度が、低濃度(例えば、<4%)よりもIOPを低下させる際により有効であることを示している(Boger et al., Am. J. Ophthalmol. 86, pp. 8-18, 1978)。1つの試験では、緑内障患者の1週間治療に使用されるピロカルピンの3濃度を比較し、結果は、17.5%、26.8%、および29.1%のベースラインから、それぞれ1%、4%および8%の用量強度で、IOPの平均パーセント低下を示した(Harris et al., Am. J. Ophthalmol., 72, pp. 923-925, 1971)。
その結果、ピロカルピンによる緑内障の管理は、典型的には低濃度で開始され、その用量強度は個々に上向きに滴定され、さらなる視野の劣化を防止するのに充分な目標IOPを患者が達成できるようにする(Ritch et al., The Glaucomas, Mosby (St. Louis), p. 516, 1989 and Kini et al., Arch Ophthalmol., 89, pp. 190-192, 1973)。これは、ピロカルピン以外のコリン作動性緑内障薬物に対しても当てはまる。ここで、アイケア提供者は、低濃度で局所薬物療法を開始し、患者の目標IOPを達成するために必要に応じて用量強度を増加させる(Phillips et al., Trans Ophthalmol. Soc. U.K., 86, pp. 233-245, 1966)。従って、ピロカルピンは上向きに傾斜した用量応答曲線を有することが一般に理解される。
しかしながら、適切なIOP制御を保持するためにピロカルピンの用量を増加させることは、しばしば、用量依存的な有害事象を増加させる。例えば、近い距離および遠い距離におけるぼやけた視力は、市販のピロカルピン製剤の一般的な副作用である。イソプトカルピンのための処方情報は、共通の有害な反応がぼやけた視力を示し、ラベルに記載された付加的な潜在的な視覚障害は、調節的変化および「視力障害(薄暗い、暗い、または『ジャンピング』視力」を含む。処方情報は、夜間運転や照明の悪い他の状況において、患者に注意を喚起することを警告し、不鮮明な視力のリスクを認識し、患者の視力が明確でない場合には、運転しないように警告するか、または機械を使用しないように警告する。
約40歳以上の患者では、主に眼におけるレンズの補剛性に起因する焦点に集まる能力(特に近い距離で)の漸進的な損失、老視として知られる屈折状態がある(Levin et al., Adler's Physiology of the Eye E-Book, 11th edition by Saunders Elsevier (Edinburgh), pp. 59-61)。ピロカルピンの局所適用に続いて、毛様筋の収縮および/または誤作動からの調節の増加は、最も効果的な投与頻度および投与濃度が規定されていないが、視野の深さを増加させることにより、一部の患者における近見および中間の視力を潜在的に改善することが可能な「ピンホール効果」を生成できることが示唆されている。いくつかの教示はまた、アルファ-2アドレナリン受容体アゴニストのような他の活性成分とピロカルピンを組合せることを提唱している。しかしながら、そのような組合せは、ピロカルピンに関連するものの上に追加の副作用をもたらす可能性がある。例えば、一般的なオキシメタゾリン副作用としては、眼の燃えるような刺痛、ぼやけた視力、涙目、頭痛、めまい、および神経過敏が挙げられる。
緑内障のためのピロカルピンの市販の製剤は、典型的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、およびカーボポール(940)を含む粘度増強剤と配合される(Ritch et al., The Glaucomas, Mosby (St. Louis), p. 517, 1989)。粘度増強ポリマーは、局所眼科用製剤においては、導涙によるピロカルピンのクリアランスを減少させて、角膜上の薬物の滞留時間を増加させ、そのことにより、生物学的利用能およびIOP効果を増大させるために一般に使用される(Reddy, Ocular Therapeutics and Drug Delivery: A Multi-Disciplinary Approach, Technomic Publishing AG (Lancaster), pp. 387-389, 1996)。ポリマーはまた、眼にいったん配置されると、眼科用製剤の快適性を高めるために粘滑薬として使用することができ、典型的には、潤滑剤および/または鎮静効果を有するものとして記載される(Abelson et. al., Demystifying Demulcents, Review of Ophthalmology, 2006)。
残念ながら、このような眼科用製剤中の添加されたポリマーに起因する粘度は、それらの使用を制限する視力のぼやけのような副作用をもたらす可能性がある(Hall et al., Optom. Vis. Sci., 88, pp.872-880, 2011)。したがって、眼科用製剤のポリマー含有量および粘度を添加(または増加)することにより、視力のぼやけをもたらすことができる(同書)。
眼科用の文脈におけるピロカルピン眼科用溶液の現在の使用は、少なくとも部分的に急速な毛様筋の収縮に起因することがある、側頭部および眼窩周囲痛(眉痛)を含む、いくつかの一般的に経験される有害事象により制限される。したがって、重度の頭痛や視力障害のような不許容な副作用を引き起こすことなく、老視を効果的に治療できる、好ましくは単一療法としてのピロカルピンの投与の頻度および濃度が望ましい。このような実施形態が発見され、後にさらに詳細に記載されている。
臨床試験の概要
臨床試験A
ピロカルピン塩酸塩1質量/容量%眼科用溶液単独の安全性および有効性を、臨床試験において、老視を有する患者における多施設共同、二重盲検、ランダム化、ベヒクル制御試験の一群で評価した。この臨床試験は、本明細書において、臨床試験Aと呼ばれ、実施例1にまとめられ、1日1回または2回のピロカルピン投与を、それぞれ3日間の試験期間にわたって必要とした。
予想外に、ピロカルピンは、BID(1日2回)投与と比較して、QD(1日1回)投与での読み取り能力に対してより大きな改善を示した。試験期間にわたって1日8時間にわたって測定された時点の大部分における未矯正近見視力(UNVA)におけるベースラインからの臨床的に関連した2ライン(10文字)の改善を達成する患者の百分率は、BID投与群における56.3%と比較してQD投与群において70.6%であった。
臨床試験B
臨床試験Aの結果に続いて、臨床試験Bと呼ばれ、実施例2に記載されている追加の臨床試験を実施して、前述の臨床試験AからのBIDよりも良好であるように思われるQD投与頻度を用いて、老視を有する患者におけるピロカルピンの複数回投与濃度の効果を調べた。
実施例2に詳述されているように、老視を有する160名の患者における多施設共同、二重盲検、ランダム化、ベヒクル制御臨床試験が実施された。本臨床試験は、2日間の試験期間にわたってQD投与でピカルピン塩酸塩0.5質量/容量%、1質量/容量%および1.5質量/容量%を投与する群を含んでいた。追加の群もまた、ピロカルピンと種々の濃度のオキシメタゾリンを組合せる効果を試験した。ピロカルピン投与の1、3、6、8、および10時間後に各日未矯正の近見視力を測定した。
予想外に、2日間の試験期間にわたるベースラインからの平均文字変化は、ピロカルピン1%群対1.5%群において数値的に高かった(図1)。試験期間にわたって毎日10時間期間にわたって測定された時点の大部分における未矯正近見視力の臨床的に関連した2ライン(10文字)改善を達成する患者の百分率は、1%投与群において23.8%対1.5%QD投与群において22.2%であった。
さらに、ベースラインからの平均文字変化の点で、改善された読み取り能力において、ピロカルピン1%で6時間と10時間の間に予想外の持続したプラトー効果があった(図2)。この「プラトー効果」(図中の矢印を参照)は、以前の非臨床眼の薬物動態試験からは予測されなかった。ここで、毛様筋組織中のピロカルピンレベルは経時的に急速に減少し、したがって、後の時点での持続的な改善は予想されないであろう。前の試験(臨床試験A)は、1日目以降の後の測定時間の持続視力改善も確認した。
臨床試験Bのような(および下記で詳述される)本臨床試験において、遠見視力は、0.0%(対照)、0.5%、1%、および1.5%のQD用量強度でピロカルピン投与の1、3、6、8、および10時間後に2日にわたって測定された。遠見視力を測定する目的は、ピロカルピンが、遠方距離で視力の低下に頻繁に至ることであり、患者は、ぼやけた視力を訴えている(Brown et al., Arch Ophthalmol., 94, pp. 1716-1719)。予想外に、対照群上でベースラインからの遠見視力の改善が観察され、最も一貫してピカルピン濃度が1%であった。(図4)。2日間の試験を経てQD投与後に測定された11時点で、ピロカルピン1%用量は、例えば、ベースラインからの平均文字変化で反映されたように、9時点対対照において、数値的に高い遠見視力改善を有した。加えて、ピロカルピン1%による遠見視力改善は、例えば、ベースラインからの平均文字変化に反映されるように、すべての11時点で1.5%よりも数値的に高かった。ピロカルピン1.5%を投与する患者は、これらの時点の2において、ベースラインからの平均遠見視力の減少が見られた。改善された有効性に加えて、眼の副作用は、ピロカルピン1%用量強度が1.5%用量強度に対して低かった。
驚くべきことに、臨床試験はまた、試験されたピロカルピン組成物が、オキシメタゾリン塩酸塩と0質量/容量%、0.0125質量/容量%、0.05質量/容量%、および0.125質量/容量%で組合せて投与される場合、有意な追加の効果または有害事象の減少を示さなかった。オキシメタゾリンのピロカルピンへの添加は、効果の持続時間を延長するかまたは視力に及ぼす影響の大きさを増大させることが予想された。図7に示すように、ピロカルピンが単独で試験された群と、ピロカルピンがオキシメタゾリンと一緒に投与されたものとの間に有意な差異はなかった。同様に、オキシメタゾリンは、有害事象の発生を減少させなかった。その結果、驚くべきことに、臨床試験からの知見は、ピロカルピンが、オキシメタゾリンのような他の活性との組合せでより良好に機能するという期待に対抗して、唯一の有効成分として良好に機能することを示した。
臨床試験は、最適な読み取り効果を達成するためのピロカルピンの投与頻度および濃度が、IOPを低下させるためのピロカルピンの従来の使用とは反対であることを示唆している。ピロカルピンがIOPを低下させるために使用される場合、線形関係が存在し、ピロカルピン濃度および投与頻度が増大することによりIOP減少が大きくなる。しかしながら、ここで、臨床試験は、濃度≧1%および<1.5%でのQDピロカルピン投与が老視患者における読取り能力を改善するのに最も効果的であることを示す。しかしながら、これのメカニズムは知られていない。
眼の状態を治療するためにピロカルピンの最適な用量強度を識別しかつ/または有害事象を最小限にしながら視力パラメータを改善するために、計算モデリングが行われた。計算モデリングは、現在の臨床データを使用して有効化されたアプローチであり、これは、米国食品医薬品局が、薬物の開発を促進するために最良の用量および臨床試験シナリオを同定するために提唱されており、実際の実施において、成功裡に使用されてきた(例えば、Challenge and Opportunity on the Critical Path to New Medical Products, FDA, 2004, Page 24を参照されたい)。
臨床試験からのデータに基づく多項式回帰モデルを、線形、二次および立方体のピロカルピン用量、ベースライン薄明視UNVA重症度および虹彩色を含む共変量を用いて開発した。結果(図3)は、5.5の薄明視近見視力文字改善の下限を達成できる最も効果的なピロカルピン用量強度が、1.16%と1.32%との間(中間点=1.25%)であることを示した。
遠見視力改善とピロカルピン用量強度の関係が非線形であるので、計算モデリングを行い、上で説明した類似の多項式回帰モデルを用いた遠見視力改善の最も効果的な用量強度を同定した。結果(図5)は、2.0の薄明視遠見視力改善の下限を達成できる最も効果的なピロカルピン用量強度が0.95%と1.2%との間(中間点=1.08%)であることを示した。
これらの知見に少なくとも部分的に基づいて、1.25質量/容量%ピロカルピン塩酸塩配合物を使用してさらなる試験を実施した。例えば、臨床試験CおよびD(下記の実施例6および7)において、記載されているように、このような配合物は、遠見視力を維持しながら、さらに眼の有害事象を最小限にしながら、最大近見視力改善を提供すると考えられている。もちろん、先に述べたように、他の範囲および量のピロカルピンを使用してもよい。
ピロカルピン塩酸塩の一般的な使用とは対照的に、本明細書に記載の臨床試験で使用されるピロカルピン配合物は、ポリマーを含まず、これにより、視力のぼやけの可能性を制限する。粘度は眼科用配合物の視力ぼやけの可能性の代わりであるので、ポリマーを含まないピロカルピン配合物の実施形態の粘度を、実施例4に記載されるように、市販のポリマー含有ピロカルピン配合物(ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有するイソプトカルピン)の粘度と比較した。結果は、1%のピロカルピンの等しい薬物濃度で、市販のポリマー含有製剤が、本明細書に記載されるポリマーを含まない配合物よりも約20倍高い粘度であったことを示した。これらのポリマーを含まない配合物は、水の粘度(すなわち、1センチポアズ)に近く、したがって、視力のぼやけをもたらす可能性がない。これとは対照的に、より粘性の高い市販の製剤は、その高い粘度を考えると、患者の眼に投与されたときに、著しい視力のぼやけを引き起こす可能性が高い。
緑内障における伝統的なピロカルピンの使用は、適切なIOP低下および制御を与えるために、用量強度(10%までのピロカルピンの配合物で)および投与頻度(1日4回まで)の増加を必要とする。さらに、ピロカルピンは、視力に悪影響を及ぼすことが判明し(近見および遠見の両方で)、また、緑内障を治療するために典型的に使用されるより高い薬物濃度および投与頻度で使用される場合、より深刻な有害事象(頭痛など)にも結び付けられる。
しかしながら、驚くべきことに、本発明者らは、ピロカルピン濃度が≧1%および≦1.5%(好ましくは約1.25%)が、最小の有害事象(例えば、眉痛、頭痛)を生じさせながら、近見および遠見の両方における視力を改善することを見出した。ポリマーの除去は、眼球表面上のピロカルピンの滞留時間の短縮およびその後の効果を有することが期待されたが、本明細書に記載のポリマーを含まない組成物は、予想外に効果のピロカルピンの作用持続時間を減少させなかった-逆に、1日1回の投与は、より頻繁な投与(例えば、1日2回の投与)よりも10時間にわたる視覚的改善をより良好に維持することが発見された。ポリマーの除去はまた、視力のぼやけおよび他のそのような問題の可能性を低減した。また、予期せずに、ピロカルピン塩酸塩の一般的な使用とは逆に、ピロカルピンによる老視の治療が、視力改善に一定の効果を維持するために増加する用量を必要とせず、ピロカルピンの定常状態用量が、視力に一貫した効果を維持することが発見された。同時に、ピロカルピンが唯一の活性剤として投与された場合、有害事象は驚くべきことに最小であり、オキシメタゾリンのような他の活性成分の添加は、効果の持続時間/大きさ、または有害事象の発生の意味のある改善を示さなかった。
作用の緑内障治療機構と比較して、これらの特定の低用量強度および低減された投与頻度がより大きな視覚的改善をもたらす理由は知られていない。この発見は、IOPを低下させるためのピロカルピンの従来の使用とは対照的であり、これは、より頻繁な一日投与(1日まで4回まで)およびより高い用量強度(10%まで)が最も効果的であることを教示している。涙膜中の薬物残量を増加させかつ生物学的利用能を向上させるためのポリマーを有しないにもかかわらず、本明細書に記載の本ピロカルピン組成物の1日1回の投与は、10時間以上の視力改善を与えた。
以下の実施例は、本質的に例示であり、限定することを意図するものではない。
実施例1
臨床試験Aおよび分析
臨床試験Aは、ピロカルピンの1日1回または2回の投与の効果を決定した、多施設共同、二重盲検、ランダム化、ビヒクル制御試験である。17名の患者を非優位眼においてはピロカルピン塩酸塩1.0質量/容量%、続いてビヒクルで処置し、優位眼においてはビヒクルのみで処置した。使用される各配合物は、下記の表4に記載されている。1名の患者は、非眼球有害事象のために、試験を中止した。
通院第1日から第3日までの間時間0(午前8時±1時間)に、各眼において、1日1回(QD)試験薬剤が投与された。第5日±2日の洗い流し期間に続いて、通院第5日から第7日までの間時間0(午前8時±1時間)と時間5(時間0の用量投与後5時間±15分)に、各眼において、1日2回(BID)試験薬剤が投与された。患者は、安全性試験のための通院第8日に回復し、試験を終了する。この試験設計を図6に示した。
有効性の主要評価項目は、通院第3日のUNVA奏功であった。UNVA奏功者は、投与後の時点の大部分(少なくとも3時点)におけるベースライン(通院第1日時間0)から非優位眼において、薄明視の高コントラストUNVAが少なくとも2ラインが改善した患者として定義された。
QD投与期間中に、主要評価項目を達成する患者のパーセンテージ、投与後の時点の大部分(少なくとも3時点)における非優位眼において、薄明視の高コントラストUNVA(通院第1日の時間0)のベースラインからの少なくとも2ラインの改善は、70.6%であった。これらの患者はまた、通院第2日から第7日の投与後時点の大部分でベースラインから薄明視の高コントラストUNVAの2ライン改善を達成する患者のパーセントにおいて、優位眼(ビヒクル)を超えて非優位眼(活性)が統計的に有意な優位性(p=0.020から0.058)を示した。
BID投与期間中に、主要評価項目を達成する患者のパーセンテージ、投与後の時点の大部分(少なくとも3時点)における非優位眼において、薄明視の高コントラストUNVA(通院第5日の0時間)のベースラインからの少なくとも2ラインの改善は、56.3%であった(p=0.035から0.058)。
上記ピロカルピンが、BID(1日2回)投与と比較して、QD(1日1回)の投与での読み取り能力に対してより改善されたことは予想外であった。
実施例2
臨床試験Bおよび分析
老視を有する患者において、多施設共同、二重盲検、平行群、ランダム化された順序、用量応答、ビヒクル制御された試験が実施された。4つの治療群を、患者がランダムに割り当てられたピロカルピン塩酸塩眼科用溶液の濃度(0%、0.5%、1%、または1.5質量/容量%)に基づいて定義した。各投与期間は2日間持続した、この現在の議論の主要な焦点ではないが、試験されたピロカルピン濃度の各々は、固定されていない組合せとして投与されたオキシメタゾリン塩酸塩眼科用溶液(0%、0.0125質量/容量%、0.05質量/容量%、または0.125質量/容量%)の4種の異なる濃度、ならびにオキシメタゾリン塩酸塩0.125質量/容量%と組合わせたピロカルピン塩酸塩1質量/容量%の一定の組合せを投与した群と対になっていた。
ピロカルピン塩酸塩0.5、1および1.5質量/容量%眼科用溶液はまた、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸/水酸化ナトリウムおよび精製水を含有し、一方、ピロカルピン塩酸塩0%は、ピロカルピンまたはその塩を含有せず、賦形剤/担体(すなわち、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸/水酸化ナトリウム、および精製水)のみを含有した。
オキシメタゾリン塩酸塩眼科用液剤0.0125、0.05または0.125質量/容量%は、オキシメタゾリン塩酸塩、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸/水酸化ナトリウムおよび精製水を含有し、一方、オキシメタゾリン塩酸塩0%は、オキシメタゾリンまたはその塩を含有せず、賦形剤/担体(すなわち、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸/水酸化ナトリウム、および精製水)のみを含有した。
患者の適格性
老視を伴う約160名の患者の登録が計画された(1ピロカルピン群あたり40名)。合計157名の患者が登録され、治療され、mITT集団に含まれた(ピロカルピン塩酸塩0%、0.5%、1%、および1.5%群に、それぞれ、40、37、42、および38名)。161名の患者は、安全集団(ピロカルピン塩酸塩0%、0.5%、1%、および1.5%群にそれぞれ、41、39、42、39名)に含まれた。mITTおよび安全性集団における全ての患者は、それぞれ、ピロカルピン0%、0.5%、1%、および1.5%群における2、2、1、および3名の患者を除いた試験を完了し、これらは、追跡調査に対する同意および喪失の撤退によって、早期に中止された。
スクリーニング通院(第-18日から-1日)に続いて、患者は、1:1:1:1の比率(≦20/80および>20/80のベースラインでUNVAにより層化された)において、ベースライン通院(通院1)でランダム化された。各2日の投与期間において、積極的な試験治療は、非優位眼に1日1回投与され、ビヒクル対照処置は、優位眼に1日1回投与された。
有効性および安全性の測定
有効性:主要な有効性尺度は、薄明視(標的で測定された3.2から3.5カンデラ[cd]/m2[10から11ルックス]の照明により定義される)の非優位眼における高コントラストUNVAであった。有効性の主要評価項目は、薄明視の非優位眼における高コントラストUNVA条件下のベースラインからの平均文字変化であった。ベースラインは、各投与期間について第1日0時間測定であった。主要有効性評価項目は、1時間と10時間との間の第2日期間にわたる、薄明視の非優位眼における高コントラストUNVA条件下のベースラインからの平均文字変化であった。
他の有効性尺度は、薄明視距離(4メートル)および近(40mm)瞳孔径、薄明視距離および近目標屈折(ディオプトリ[D]、Grand Seiko自動屈折器で測定した)、ならびに薄明視の高コントラストUDVAであった。
安全性:安全性尺度は、有害事象(AE)、明所視の高コントラストUDVA、バイタルサイン(血圧および心拍数)、巨視的充血評価、治験薬忍容性およびドロップ快適性評価、側頭および眼窩上の頭痛評価、眼内圧(IOP)、細隙灯生体顕微鏡検査、拡張眼底検査、および妊娠可能な女性のための妊娠試験であった。さらに、患者の適格性を決定するためのスクリーニングにおいてのみ、下記の安全性尺度を収集した:シルマーの涙テスト(麻酔を伴う)、瞳孔反応評価、明所視瞳孔測定(両眼;距離;Grand Seikoで測定)、フルオレセインナトリウム角膜染色(オックスフォードスケール)、調節麻痺下屈折(明所視距離)、およびゴニオスコピー角度評価。
統計的方法
分析集団:修正された意図-治療(mITT)集団は、ベースラインおよび薄明視の高コントラストUNVAの少なくとも1つのベースライン後の評価、および5投与期間にわたって3ラインを超えて変化しなかったベースラインUNVAを有する全てのランダム化された患者と定義された。上記有効性の評価項目は、ランダム化ベースでmITT集団を用いて分析された
安全性集団は、少なくとも1回の試験治療を受けた全ての患者と定義された。全ての安全性尺度は、治療ベースで安全性集団を用いて分析された。
配置および人口統計:患者の配置は、すべてのスクリーニングされた患者および全体についておよびmITT集団の治療群でまとめた。重要なプロトコル偏差は、mITT集団についてまとめた。人口統計学的評価項目は、すべてのスクリーニングされた患者および全体についておよびmITT、ppおよび安全性集団の治療群でまとめた。医療履歴および以前および付随する薬物を全体的に、安全性集団の治療群でまとめた。スクリーニング時に行われた、The National Eye Institute Visual Functionアンケート25(NEI VFQ-25)は、安全性集団についてまとめた。
合計163名の患者が15個の調査部位に登録され、157名の患者がmITT集団(ピロカルピン塩酸塩0%、0.5%、1%、および1.5%群にそれぞれ40、37、42、38名)に含まれていた。mITT集団の全平均(範囲)年齢は46.8((40から50)歳であり、大部分は女性(69.4%、109/157名)、白人(79.0%、124/157名)、および非ヒスパニック系(81.5%、128/157名)であった。人種および人種群は、治療群(それぞれp=0.0312およびp=0.0475)にわたって有意に変化した;全ての他の人口統計学的特徴は治療群全体にわたって同様であった。合計161人の患者が、安全性集団(ピロカルピン塩酸塩0%、0.5%、1%、および1.5%群中、それぞれ、41、39、42、39名)に含まれていた。患者の配置は、下記にまとめる:
Figure 2022008403000003
mITTおよび安全性集団におけるすべての患者は、それぞれ、ピロカルピン塩酸塩0%、0.5%、1%、および1.5%群中の2、2、1、および3名の患者を除いた試験を完了した。これらの患者は、同意離脱および追跡不能のために早期に中断した。mITTにおける人口統計およびベースライン特性は、下記にまとめる:

Figure 2022008403000004
有効性:有効性の主要評価項目を検査するために、各2日投与期間中の時間1と時間10の間の非優位眼における薄明視の高コントラストUNVA文字におけるベースラインからの平均変化は、共分散(ANCOVA)モデリング技術の応答面および分析を伴う反復測定のための混合効果モデル(MMRM)を用いて検査された。
有効性の主要尺度を用いた下記のさらなる有効性分析も実施された:
・非優位眼における大多数の投与後時点(6以上)での薄明視の高コントラストUNVAにおいて、ベースラインから少なくとも3ラインおよび2ライン改善された患者の割合、
・ベースラインから少なくとも1ライン、2ライン、3ライン改善された患者の割合、および各投与期間の各時点において、非優位眼でおよび両眼で薄明視の高コントラストUNVA評価中に20/40以上、20/32以上、20/25以上、20/20以上と分類される患者の割合、
・各投与期間の各時点において、非優位眼でおよび両眼で薄明視の高コントラストUNVA評価中にライン数および正確に読み取った文字の数におけるベースラインからの変化。
各投与期間の各時点で全ての「他の有効性」分析を実施した。ベースラインからの変化は、薄明視の近位および遠位瞳孔径、ならびに球および円柱における薄明視の近位および遠位の調節についてまとめた。ベースラインから少なくとも1ライン、2ライン、3ライン改善された患者の割合、および薄明視の高コントラストUDVA評価中に20/40以上、20/32以上、20/25以上、および20/20以上として分類された患者の割合は、非優位眼および両眼について計算された。
有効性の結果
A.主要有効性結果:
有効性の主要評価項目を検査するために、各2日の投与期間中、時間1と時間10との間の非優位眼における薄明視の高コントラストUNVAにおいて、ベースラインからの平均文字変化、応答面およびANCOVA法分析が実施された。
mITT集団:有効性の主要評価項目は、mITT集団における各2日投与期間中、時間1と時間10との間の非優位眼における薄明視の高コントラストUNVA文字において、ベースラインからの平均変化であった。
全体的に、応答面法分析は、ピロカルピン用量(p<0.0001および0.0029)によって引き起こされる有意な用量応答を明らかにし、これは、1%用量レベルまで特に明白であった。ピロカルピン用量レベルが増加するにつれて、ベースラインから複数の投与後時点全体の平均文字変化が増加し、ピロカルピン塩酸塩1%および1.5%用量レベルの両方について約5文字の平均改善が観察された。
ANCOVAを用いて計算された結果から、ベースラインからの平均文字変化のグラフも生成された。図1は、非優位眼で1%用量レベルまで正確に読み取られた、薄明視の高コントラストUNVA文字に対するピロカルピン塩酸塩用量の有意な効果を示し、その後効果が安定化される。ピロカルピン用量(p<0.0001)によって引き起こされた有意な用量応答が出現した。図に見られるように、ビヒクルおよび0.5%のピロカルピン濃度は、視力に対して相対的に弱い効果を示し、それぞれ1.12文字および3.40文字のベースラインからの平均改善を示した。驚くべきことに、1%ピロカルピンは、高濃度の1.5%ピロカルピンに対して5.25文字のベースラインから数値的に大きな平均改善を示したが、これは5.11文字の改善であった。
B.主要有効性尺度を用いた追加の分析
奏功者解析:非優位眼における投与後時点(6以上)の大部分における薄明視の高コントラストUNVAにおいて、ベースラインからの少なくとも3ラインおよび少なくとも2ライン改善されたmITT集団における患者の割合もまた計算して、主要有効性尺度をさらに検査した。
さらに、薄明視の高コントラストUNVA中、ベースラインから1ライン、2ライン、3ライン改善された患者の割合および20/40以上、20/32以上、20/25以上、20/20以上として分類された患者の割合が時点により計算された。
表3は、治療群による非優位眼の投与後時点の大部分において、薄明視の高コントラストUNVAにおけるベースラインからの少なくとも2ライン改善された患者の割合を示す。ピロカルピン塩酸塩用量を増加させることにより増加した奏功者の割合は、1%用量レベルまで増加した。
表3:治療群(mITT集団)による非優位眼における薄明視の高コントラスト裸眼近見視力が2ライン改善された奏功者の割合

Figure 2022008403000005


各投与期間における第1日時間0の値をベースラインとして使用した。奏功者は、非優位眼において、多数の投与後時点(6以上)におけるベースラインからの薄明視の高コントラストUNVAにおいて、少なくとも2ライン改善した患者として定義された。
全体として、これらの奏功者分析は、1%用量レベルまでのピロカルピン塩酸塩投与によって引き起こされる薄明視の高コントラストUNVAに対する有意な用量奏功のさらなる裏付けを示した。ほとんどの投与後時点の全体として、ベースラインから1、2、および3ライン改善した患者の割合は、ピロカルピン塩酸塩の用量レベルが1%まで増加するにつれて増加した。
図8および図9は、それぞれの試験群について、各時点での薄明視のUNVA(mITT集団)における3ラインまたは2ライン改善した奏功者の割合を示す。図8における第1日、時間1において、薄明視のUNVAにおける3ライン改善した患者の割合は、ピロカルピン塩酸塩1%および1.5%についてそれぞれ24%および19%であった。第2日、時間1において、薄明視のUNVAにおける3ライン改善した患者の割合は、ピロカルピン塩酸塩の1%および1.5%についてそれぞれ27%および30%であった。図9を参照すると、第1日、時間1において、薄明視UNVAにおける2ライン改善した患者の割合は、ピロカルピン塩酸塩1%および1.5%についてそれぞれ43%および64%であった。第2日、時間1において、薄明視のUNVAにおける2ライン改善した患者の割合は、ピロカルピン塩酸塩1%および1.5%についてそれぞれ60%および50%であった。
さらに、ビヒクルと比較して、第1日および第2日の投与後1時間および3時間の両方において、薄明視の3ライン改善、ピロカルピン塩酸塩1%および1.5%について薄明視の高コントラストUNVAの3ライン改善した統計学的に有意な効果があった。また、第1日および第2日の投与後の全ての時点でピロカルピン1%および1.5%について薄明視の高コントラストUNVAの2ライン改善において、統計学的に有意な効果もあった。
C.他の有効性の結果
薄明視の高コントラスト裸眼遠見視力
薄明視の高コントラストUDVA評価中に同様の分析を行った。図4は、2日の投与期間にわたるUDVAの条件下でのベースラインからの平均文字変化を示す。各治療群についてのベースラインからのUDVAの変化に対して有意な影響はなかったが、遠見視力の平均的な改善は、ピロカルピン塩酸塩1%群(mITT、非優位眼)が数値的に最も高かった。
安全性評価
ビヒクル(すなわちPilo0%)によるAEの発生率は、他のピロカルピン群のAEと同様であった。ピロカルピン1%群でAEの最低発生率を観察した。焼けるような痛みまたは刺すような痛みの報告はなく、予期せぬ安全性の知見は得られなかった。AEに起因する試験から患者は中止されず、死亡は生じなかった。
オキシメタゾリン
図7は、UNVA薄明視条件下で読み取った文字におけるベースラインレベルからの変化を、様々な濃度のオキシメタゾリン(0%、0.0125質量/容量%、0.05質量/容量%、0.125質量/容量%、および1質量/容量%ピロカルピン塩酸塩および0.125質量/容量%オキシメタゾリン塩酸塩の一定の組合せで)と組合せた1%ピロカルピンの場合のベースラインレベルからの変化を示す。オキシメタゾリンと組合せた1.5%ピロカルピンについても同様の結果が見られた。いくつかの少ない時点を除いて、オキシメタゾリン濃度が変化するのにつれて、一定濃度のピロカルピンで読み取った文字の効果および変化の持続時間に有意な差はなかった。さらに、オキシメタゾリンの添加による有害事象(例えば頭痛)の有意な減少はなかった。
これらの結果は驚くべきことであり、予想外であった。なぜなら、オキシメタゾリンとピロカルピン(一定のまたは固定されていない組合せのいずれかにおける)の同時投与は、効果の持続時間および/または大きさを延長させるか、または副作用の発生を低減させることであると考えられるからである。その代わりに、そのような結果が見られず、ピロカルピン単剤治療(すなわち、ピロカルピンが唯一の有効成分である)は、オキシメタゾリンと同時投与されたピロカルピンと同じくらい有効であることが判明した。
実施例3
下記に示す成分によっていくつかの組成物を調製した:
表4:

Figure 2022008403000006

1 配合物1~5の密度は25.00℃において0.99~1.00g/mL以内である。したがって、質量/容量%単位の組成物成分は質量/容量%と等価である。
上記の表において、pH範囲は3.0から5.5であり得る。好ましい実施形態において、目標pHは5.0である。
実施例4
IN VITRO粘度試験
ピロカルピン配合物の粘度についてポリマーの有無を比較するための試験を行った。現在入手可能な市販のピロカルピン配合物は、眼の表面上の配合物の滞留時間を向上させるように作用する粘度増強ポリマーを含有することが多い。例えば、ラベル「IsoptoCarpine(イソプトカルピン)」としてAlconにより開発されたピロカルピン製剤は、ヒプロメロース2910(ヒドロキシプロピルメチルセルロースとも呼ばれる)を含有する。この同じポリマーは、他の一般的なピロカルピン製剤(例えば、Akorn、Bausch & Lamp、およびSandozによって、現在販売されている)にも見出される。
上記実施例3から2つの配合物(1%および1.25%のピロカルピン塩酸塩を含有するそれぞれ配合物3および4)を、1%、2%、および4%のピロカルピン塩酸塩を有する3種のイソプトカルピン製剤、ならびにSandozで製造された3種の一般的なピロカルピン製剤(また1%、2%および4%で)と共に試験した。回転粘度計を用いてUSP<912>に従って粘度試験を行った。この3種のイソプトカルピン製剤は、回転速度が60rpmのS18スピンドルを用いて測定した。本出願に従ってポリマーを含まない配合物3および4は、回転速度が100rpmの超低粘度スピンドル(00)を用いて測定した。較正チェックは、分析前に粘度計で実施され、簡易検査の章に記載された全ての要件を合格した。
表5:市販のピロカルピン製剤と比較したポリマーを含まないピロカルピン配合物の粘度

Figure 2022008403000007
上記表5に記載されているように、ポリマーを含まない配合物3および4は、1センチポアズ(cps)の同一の粘度を有した。対照的に、イソプトカルピン製剤は、21~23cpsの範囲のはるかに高い粘度を示した。同様に、Sandozの一般的なピロカルピン製剤も、19~23cpsの範囲のより高い粘度を示した。1%ピロカルピンの等しい薬物濃度において、市販の製剤は、ポリマーを含まない配合物4よりも約20倍高い粘度であった。この高粘度は、配合物中のポリマーの存在に起因して、眼に投与されたときに、より大きな視力のぼやけを引き起こすと考えられる。これに対し、純水(1cps)の粘度に近い粘度を有する配合物4は、著しい視力ぼやけをもたらす可能性が低い。したがって、ポリマーを含まないピロカルピン配合物は、特に最初に投与された場合に、実質的に低い視力のぼやけまたは他の視力障害を引き起こすはずである。
実施例5
IN VIVO試験
ウサギモデルにおいて、ピロカルピン組成物の眼の安全性および忍容性を評価した。具体的には、上記実施例3からの配合物1および4を、5匹の雌アルビノニュージーランドホワイトウサギの2つの群に投与した。群1において、表4で参照した配合物1(ビヒクル)の1滴(~35μL)を、1日に1回左眼(「OS」)に投与し、右眼(「OD」)には何も投与しなかった。群2において、表4で参照される配合物4(1.25%ピロカルピン)を同様に投与した。全ての動物は、実験動物の管理と使用に関する指針および米国農務省(USDA)のすべての要件、ならびに動物福祉法を実施するUSDAにより発行された全ての規制、9 CFR、パート1、2、および3に従って処置された。ウサギ瞳孔径および総括的目視観測が集められた。
この瞳孔径の測定および目視観察のスケールは下記に記載される:
眼の不快感の説明

Figure 2022008403000008
眼の不快な持続時間

Figure 2022008403000009

充血

Figure 2022008403000010
腫脹

Figure 2022008403000011
目やに

Figure 2022008403000012
下記の表は、ウサギの2つの群における肉眼的観察の発生をまとめた。「プレ」は、この試験の開始前の肉眼的観察の発生を意味する。
表6:

Figure 2022008403000013


* +1よりも高い眼の不快感または充血の報告はなかった
表7:

Figure 2022008403000014

* +1よりも高い眼の不快感または充血の報告はなかった
注:表6および表7の両方において、欄「OS」および「OD」の下の数は、その特定の眼におけるそれぞれの肉眼的観察を伴うウサギの数を指す。
上に示したように、試験されたピロカルピン配合物は充分に許容され、処置されたウサギの一部は、わずかな眼の不快感(+1、間欠的な瞬きとして記載されている)のみを示し、わずかな持続時間が1~30秒(+1)であった。同様に、治療薬として記載された非常に軽度で一過性の充血のみが「いくらかの辺縁注入による眼瞼結膜に主に限定されているが、主として4時と7時および11時と1時の位置から眼の下部および上部に限定された紅潮した赤みがかった色」として記載されている(スケールで+1)。ウサギは、いずれの腫脹または目やにを経験することが観察されず、または、それぞれのスケールで+1を超える高い眼の不快感または充血を経験することも観察されなかった
実施例6
臨床試験Cおよび分析
臨床試験を行い、2つの濃度のピロカルピン塩酸塩(表4の配合物3および4)の眼のぼやけおよび不快感を、Sandoz製の市販の1%ピロカルピン塩酸塩製剤と比較し、評価した。この1%Sandozピロカルピン製剤-以後「市販のピロカルピン」または「1%市販のピロカルピン」と呼ぶ-は、実施例4においても試験され、先に記載されたものと同じ成分を含有する(Hypromellose 2910、粘度増加ポリマーを含む)。5名の患者は、初期スクリーニング通院を通過し、臨床試験において継続した。
試験手順:図10に示された試験デザインを参照すると、この試験は、スクリーニング通院からなり、続いての2回の評価通院が行われた。処置は、試験の結果をその完了まで隠すように、アンケートを行うものとは異なる研究者により行われた。また、参加者は、試験処置も隠された。
スクリーニング通院では、参加者が説明と同意を与え、尿妊娠検査(妊娠の可能性の女性のみ)を受け、関連する医療/眼科の履歴を示し、それらの視力および眼内圧を測定し、生体顕微鏡および拡張網膜検査を受けた。有害事象について尋ね、次いで、適格な参加者をこの試験に登録した。
評価1の通院は、スクリーニング通院に続いて少なくとも48時間および18日間まで行われた。参加者は、右眼または左眼の配合物3(1%ピロカルピン)、および反対側の眼に1%市販のピロカルピンを投与するためにランダム化された。この割り当ては、(下記に記載されるように、配合物4が評価2で配合物3に置換されたことを除いて)試験全体に患者ごとに続けた。評価1の通院は、ベースラインの生体顕微鏡検査およびベースラインの眼の不快感およびかすみ目のアンケート評価(下記に両方が詳述される)を伴った。ランダム化された眼に1滴の配合物3を点滴し、市販のピロカルピン1%の1滴を反対側の眼に点滴した。点眼前に、点眼後30秒、1分、90秒、2分、3分、4分、5分に、眼の不快感およびかすみ目のアンケートを行い、両眼についてそれぞれに同時に回答した。両眼で5分および60分で生体顕微鏡検査を行った。副作用(AE)も評価された。
評価2の通院は、評価1の通院後、少なくとも48時間および6ヶ月まで行われた。この評価は、市販の1%ピロカルピンに対してピロカルピン塩酸塩(すなわち、1.25%、配合物4)のわずかに多い投与量を使用して、評価1で評価されたものと同一の眼内特性を比較した。評価1の通院において、配合物3にランダムに割り当てられた同じ眼は、評価2の通院において、配合物4を投与した。評価2の手順は、それ以外では、評価1と同じであった。参加者は、評価2の通院の終了時に試験を終了した。
詳細な診断眼の手順:生体顕微鏡(スリットランプ)検査を実施して、両眼における角膜、結膜、および眼瞼を含む眼の表面を評価し、病変を0(なし)から4(重度)のスケールで等級付けされた。
眼内圧(IOP)測定は、両眼のGoldmann眼圧計を用いたスリットランプで行った。両眼に麻酔剤(プロパラカイン0.5%またはテトラカイン0.5%のいずれか)の1滴を点眼し、フルオレセインストリップが下円蓋で涙膜に貼付された。この眼圧計を用いて角膜上の穏やかな圧平を行い、IOPを測定し、その結果をmmHgで記録した。
両眼の瞳孔を1滴のトロピラミド点眼液と2.5%フェニレフリンの1滴で拡大させ、瞳孔が充分に拡大するまで5分から15分後に必要に応じて繰り返した。網膜周辺の検査用のVolk 28DまたはVolk 20Dレンズを備えた間接検眼鏡と、後極の検査用のVolkスーパーフィールドNCレンズまたは90Dレンズを備えたスリットランプとを用いて、拡大された網膜検査を行った。いずれの網膜病変も、0(なし)から4(重度)のスケールで等級付けされた。
詳細な眼の不快感およびかすみ目のアンケート手順:眼の不快感およびかすみ目のアンケートを、評価1および2において、ベースライン、次いで、試験薬の点眼後30秒、1分、90秒、2分、3分、4分および5分で行った。このアンケートは、参加者の眼の不快感およびかすみ目の程度を評価するために、2つの視覚的アナログ尺度(「VAS」)からなる。参加者は、自分の目が現在の瞬間にどのように感じているかを最良に捉える固定されたVAS上の垂直線をマークするように指示された。次に、試験要員の訓練されたメンバーは、準備された定規を用いて、参加者の応答を数値(0~100)に変換した。この評価は、各眼について独立して行われた。アンケートは下記のように読み取られた(注:下記に示すように、VASスケールは実際のスケールであり、単なるテキストではない):
眼が今どのように感じているかを考える。次に、下記に示されるスケールを使用して、これらの症状を有する経験に最もよく記載されている垂直線をマークする:
かすみ目(VASアンカー:0=ぼやけていない/視力、100=ぼやけ最大/視力)
眼の不快感(VASアンカー:0=眼の不快感なし、100=眼の不快感最大)
また、眼の充血は、ベースライン、5分後評価、および評価1および2の両方における60分後評価でも評価された。初期スクリーニングプロセス中に充血も1回評価された。このような充血は、生体顕微鏡評価の構成要素として5点スケールで評価され、スコアは下記のように等級付けされている:0=なし;+0.5=微量;+1=軽度;+2=中程度;、+3=重度。眼の充血の評価は、下記の3つの領域について別々に評価された:眼瞼/眼瞼辺縁/まつ毛、結膜(眼球または眼瞼)、および角膜。
結果:臨床試験Cの結果は、市販の1%ピロカルピン製剤とは対照的に、ポリマーを含まない配合物3および4のためにいくつかの予想外の結果を示した。
評価1通院:図11Aおよび11Bを参照すると、配合物3は、市販のピロカルピン製剤と比較して、5分間にわたる各時点でのVASスケールに対する眼のぼやけおよび眼の不快感が少ないことを証明することが示された。さらに、図12Aを参照すると、配合物3は、市販のピロカルピン製剤(p=0.0156)と比較して、点眼後の5分間にわたって平均の眼のぼやけが著しく少ないことを示した。図12Bを参照すると、配合物3は、市販のピロカルピン製剤(p=0.0966)と比較して、点眼後の5分間にわたって平均の眼の不快感が数値的に低いことを示した。
評価2通院:ここで図13Aおよび13Bを参照すると、配合物4は、市販のピロカルピン製剤と比較して、5分間にわたって各時点でVASスケールでの眼のぼやけが少なく、最初の4つの時点での初期の眼の不快感が少ないことが証明することが示されている。点眼後5分間の平均の眼のぼやけは、図14Aに示されるように、市販のピロカルピン製剤(p=0.0492)と比較して配合物4がかなり低かった。図14Bはまた、配合物4がその同じ時間(p=0.1978)にわたって数値的に低い平均の眼の不快感スコアを有したことを示している。
安全性の結果:患者が報告した有害事象を表にし、下記の表8に示す。
表8:

Figure 2022008403000015
表8を参照すると、驚くべきことに、市販の1%ピロカルピン製剤を投与する患者の眼において、非常に多くの報告された有害事象-合計13-が存在した。比較として、配合物3(1%ピロカルピン)または配合物4(1.25%ピロカルピン)のいずれかを投与する患者の眼の各々について、1つの有害事象のみが報告された。かすみ目、光感受性、刺痛および痒みのような有害事象は、市販のピロカルピン製剤にのみ見られ、そのような有害事象は、他の2つの試験された配合物について報告されなかった。さらに、市販のピロカルピンが投与された眼は、より高い充血の発生、例えば点眼後5分間で示した。その時間で、市販のピロカルピンに対する非ゼロ充血スコアの平均(評価1および2の両方にわたる)は0.9375であった。比較により、評価1中の配合物3についての非ゼロ充血スコアの平均は0.75であり、一方、配合物4は、評価2では0.5の平均非ゼロ充血スコアを示した。
臨床試験Cの結果は、ポリマーを含まないピロカルピン配合物(配合物3および4)が、ポリマーを含有する試験された市販の1%ピロカルピン製剤と比較して、意外にも、ぼやけおよび眼の不快感のはるかに低い発生を示したことを示した。これらの結果は、市販のピロカルピン製剤よりも多量のピロカルピンを含有する配合物4について特に予想外であった。さらに、有害事象および充血の発生率は、市販のピロカルピン製剤では配合物3および4のいずれよりも高かった。同時に、眼のぼやけおよび眼の不快感は配合物4が配合物3に対してわずかに高かったが、これらは、市販のピロカルピン製剤で見られるより高いぼやけおよび不快感に比べてわずかな増加であった。
理論に束縛されることを望むものではないが、市販のピロカルピンとその他の試験された2つの配合物との間の差異は、市販のピロカルピン配合物中に見出される粘度増強ポリマーに少なくとも部分的に基づくことが可能である。典型的には、有効な緑内障治療のために1日にピロカルピンを複数回投与する必要性を減少させるように、眼表面上の滞留時間を増加させるために使用されるこのような成分は、ピロカルピンの忍容性を減少させる点でこれまで認識されていない効果を有するようである。これらの知見はまた、驚くべきことに、従来の知識と対立し、これらの同じポリマー(例えば、ヒプロメロース)は、眼の快適性を高めるように、眼の配合物にしばしば添加される。この反対は、ポリマーを含まない組成物がより高い眼の快適性を達成した先に説明した結果に見られるように、事実であると思われる。
ここで、視力パラメータの改善または特定の眼の状態(例えば、老視)の治療に有効であることが判明したピロカルピンの量は、緑内障のためのピロカルピン製剤中に典型的に見出されるポリマーを必要とすることなく、効果的な改善または治療が可能であることを意味する。さらに、25%高い濃度のピロカルピン使用配合物4(1.25%)でさえも、この配合物は、それにもかかわらず、市販の1%ピロカルピン製剤と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、有害事象、および充血の低い発生率を示したが、同時に、視力パラメータを改善しかつ/または異なる量のピロカルピンを含有する製剤よりも老視のような眼の状態を治療する。
実施例7
臨床試験D
フェーズ3、多施設共同、二重盲検、ランダム化、ビヒクル制御、平行群試験が行われ、老視を伴う参加者の30日間にわたって、1日1回左右に投与された配合物4(1.25%ピロカルピン)の有効性、安全性および薬物動態を評価する。
試験集団は、老視の客観的かつ主観的な証拠を有する大人の男性および女性の参加者からなり、約266名の参加者が登録される。参加者は、1:1の比率でランダム化され、各眼に、1日に1回投与された配合物4またはビヒクルを30日間投与される。このランダム化は、年齢(2つの群:≦50歳および>50歳)、ベースライン両眼DCNVA(2つの群:20/40から20/60全て、および20/60以下)、虹彩色(褐色および非褐色)、および正視/非正視により層化される。この試験は、下記の通院からなる:スクリーニング(-30日から-1日)、第1日(ベースライン)、および第3、7、14、および30日。
薄明視および明所視の高コントラスト距離矯正された近見視力(「DCNVA」)と高コントラスト距離矯正された中間視力(「DCIVA」)との尺度を用いて、有効性を評価する。さらに、薄明視および明所視の瞳孔径(遠位および近位)が評価され、また、焦点深度および患者に報告された結果のアンケートが評価される。これらのアンケートには、下記のものが含まれる:薄明視および明所視の近視老視業務ベースのアンケート、老視の影響および対処アンケート、老視患者の満足度アンケート、変更の単項目患者総合印象、状況の単項目患者総合印象、および治療効率のための単項目患者期待値。
安全性および忍容性は、有害事象を誘発することにより評価され、また、それぞれの眼および両眼での明所視および薄明視の高コントラスト矯正された遠見視力、近位コントラスト感受性、バイタルサイン(血圧および心拍数)、試験薬忍容性およびドロップ快適性評価、経時的/眼窩上頭痛(ビジュアルアナログスケール)、眼内圧、スリットランプ生体顕微鏡、顕性屈折、散大眼底検査、および(スクリーニング中に)出産可能な女性の妊娠検査も評価される。薬物動態はまた、選択された部位におけるピロカルピンの血漿濃度を試験することによっても評価される。
本試験の結果は、1日1回投与された1.25%のピロカルピン塩酸塩が安全であり、少なくとも1つの視力パラメータ(例えば、近見視力、遠見視力など)および/または少なくとも1つの眼の状態(例えば、老視)の改善に有効であることを示す。
本発明に従う非限定的な実施例は以下の通りである。
実施例8
42歳の女性は、作業時に文書を読み取る際に、テキストに焦点を合わせることができないことを訴えている。この女性はメガネやコンタクトの補助なしに(どちらも装着していない)、アイチャート上の文字のラインを読み取ることを求められる視力検査を行う眼科医によって見られる。彼女は、正常な視力を有する人が6ラインを読み取ることができなければならないときに、チャート上の最初の4ラインを読むことができるだけであることを発見する。女性の年齢と試験の結果とに基づいて、彼女は老視と診断される。この女性は、読取り用眼鏡または装着コンタクトレンズを入手しなければならないのに気が進まず、他の医療処置が存在するかどうかを尋ねることができない。彼女は、表4に示すように、配合物4の組成を1日1回投与するように指示される。用量の投与後、彼女は、彼女の視力が改善することを発見する。眼科医への再診通院時に、配合物4を再度眼に投与した後、彼女は、再度、アイチャート上の文字のラインを読み取るように求められる。今回、彼女はチャート上の最初の6ラインを読み取ることができ、それ以前の結果を上回る2ラインの改善を行うことができる。彼女は、点眼から眼の不快感や充血を経験しなかった。
実施例9
66歳の男性は、自分の二重焦点眼鏡で不満を報告しており、これは、レンズの構成部品の2つの異なる屈折率のために、階段の下降時に何度も落下しそうになることを引き起こした。以前に老視と診断された彼の眼科医は、彼の眼に表4に記載されているピロカルピン塩酸塩配合物を1日1回投与することを指示する。投与後、この患者は、彼の近見視力および遠見視力が改善され、もはや眼鏡による近位および遠位の視覚的矯正を必要としないことがわかる。
実施例10
31歳の男性は遠視と診断されており、その結果、特に薄暗い照明において、接近した距離(例えば、身体からの腕の長さ)で文書および他のテキストを読み取ることが困難である。1日1回の使用のために、ポリマーを含まない1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩眼科用配合物を処方している視力検定医に通院した後、彼は、彼の近見視力が改善されていることがわかる。さらに、暗い照明でより容易に見ることができ、夜間に運転できることがわかる。
実施例11
自動車の事故の結果として、40歳の女性が頭部外傷を受け、その結果、ある程度の神経損傷が部分的に瞳孔不同として現れ、左眼の瞳孔が右よりも大きくなる。瞳孔サイズが増大するために得られる光感受性は不快感を引き起こす。彼女の医師は、その患部にピロカルピン塩酸塩配合物を注入するように指示する。この縮瞳効果は、眼の不快感を低減しかつ瞳孔不同を治療する。
実施例12
36歳の女性は、近い距離と遠い距離でテキストを読み取る困難を訴えている。視力検査後、彼女の視力検定医は近視と非点収差の組合せに起因して視力が低下したと診断する。彼女は眼鏡を着用したくないので、配合物3を処方する(表4に示す)。1日1回配合物の1滴の投与後、1週間後の再診通院のために視力検定医に戻る。ここで、近見視力および遠見視力の両方が、治療前の彼女のベースライン通院から少なくとも2ライン上がったことが判明した。
本発明の特定の実施形態を説明してきたが、他の実施形態も存在し得る。この明細書には詳細な説明が含まれるが、本発明の範囲は下記特許請求の範囲により示される。さらに、この明細書は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言語で説明されてきたが、特許請求の範囲は上述した特徴または行為に限定されるものではない。むしろ、上述した特定の特徴および行為は、本発明の例示的な態様および実施形態として開示される。本明細書の記載を読んだ後に、様々な他の態様、実施形態、修正、および均等物は、本発明の精神および請求される主題の範囲から逸脱することなく、当業者にそれら自体を示唆することができる。さらなる例示的な実施形態は、以下の項に記載される:
項1:眼の状態を治療することを必要とする患者において、その眼の状態を治療する方法であって、1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度のピロカルピン塩酸塩を含む薬学的に許容される眼科用組成物をこの患者に投与し、その配合物がこの患者の少なくとも一方の眼に局所投与され、その眼の状態が老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、調節性内斜視、近視、および乱視からなる群から選択されることを含む、上記方法。
項2:少なくとも1つの視力パラメータを改善することを必要とする患者において、その少なくとも1つの視力パラメータを改善する方法であって、
1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度でピロカルピン塩酸塩を含む薬学的に許容される眼科用組成物をこの患者に投与し、その配合物がこの患者の少なくとも一方の眼に局所的に投与され、上記少なくとも1つの視力パラメータが、近見視力、中間視力、遠見視力、夜間視力、昼間視力、グレア、および光散乱からなる群から選択されることを含む、上記方法。
項3:近見視力を改善することを必要とする老視患者において、その近見視力を改善するための方法であって、1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度でピロカルピン塩酸塩を含む薬学的に許容される眼科用組成物をこの患者の眼に投与することを含む、上記方法。
項4:上記眼の状態が老視である、項1記載の方法。
項5:上記眼の状態が遠視である、項1記載の方法。
項6:上記眼の状態が散瞳である、項1の方法。
項7:上記視力パラメータが近見視力である、項2記載の方法。
項8:上記視力パラメータが中間視力である、項2記載の方法。
項9:上記視力パラメータが遠見視力である、項2記載の方法。
項10:上記視力パラメータが夜間視力である、項2記載の方法。
項11:上記方法が薄明視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも3ラインの改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項12:上記方法が薄明視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも2ラインの改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項13:上記方法が薄明視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから平均文字変化の増加をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項14:上記方法が明所視の高コントラストUNVAの条件下でベースラインから少なくとも2ラインの改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項15:上記方法が明所視の高コントラストUDVAの条件下でベースラインから少なくとも2ラインの改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項16:上記方法が薄明視の高コントラストDCNVAの条件下でベースラインから少なくとも3ラインの改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項17:上記方法が明所視の高コントラストDCNVAの条件下でベースラインから少なくとも3ライン改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項18:上記方法が薄明視の高コントラストDCIVAの条件下でベースラインから少なくとも3ライン改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項19:上記方法が明所視の高コントラストDCIVAの条件下でベースラインから少なくとも3ラインの改善をもたらす、上記項のいずれか1項記載の方法。
項20:上記薬学的に許容される眼科用組成物が、ピロカルピン塩酸塩を1質量/容量%以上1.5質量/容量%未満の濃度で含む、上記項のいずれか1項記載の方法。
項21:上記薬学的に許容される眼科用組成物が、ピロカルピン塩酸塩を1.25質量/容量%の濃度で含む、上記項のいずれか1項記載の方法。
項22:ピカルピン塩酸塩が薬学的に許容される眼科用組成物中の唯一の有効成分である、上記項のいずれか1項記載の方法。
項23:上記薬学的に許容される眼科用組成物がポリマーを含まない、上記項のいずれか1項記載の方法。
項24:上記薬学的に許容される眼科用組成物の投与が、ピロカルピンおよびポリマーを含む第2の眼科用組成物の投与と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、刺痛、および痒みの少なくとも1つの低い発生率をもたらす、項23記載の方法。
項25:上記薬学的に許容される眼科用組成物が、さらに、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む、上記項のいずれか1項記載の方法。
項26:上記薬学的に許容される眼科用組成物が1日1回投与される、上記項のいずれか1項記載の方法。
項27:上記薬学的に許容される眼科用組成物が1日2回投与される、上記項のいずれか1項記載の方法。
項28:上記薬学的に許容される眼科用組成物が、上記患者の両眼に投与される、上記項のいずれか1項記載の方法。
項29:上記薬学的に許容される眼科用組成物が、上記患者の非優位眼に投与される、項1~27のいずれか1項記載の方法。
項30:上記薬学的に許容される眼科用組成物が、上記患者の優位眼に投与される、項1~27のいずれか1項記載の方法。
項31:眼の状態を治療するための組成物であって、上記組成物が薬学的に許容されかつ1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度でピロカルピン塩酸塩を含み、上記眼の状態が、老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、調節性内斜視、近視、および乱視からなる群から選択される、上記組成物。
項32:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、上記眼の状態が老視である、項31記載の組成物。
項33:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む、項31記載の組成物。
項34:上記組成物が1日1回適用される、項31~33のいずれか1項記載の組成物。
項35:上記組成物が1日2回適用される、項31~33のいずれか1項記載の組成物。
項36:上記組成物が患者の両眼に投与される、項31~35のいずれか1項記載の組成物。
項37:上記組成物が患者の非優位眼に投与される、項31~35のいずれか1項記載の組成物。
項38:上記組成物が患者の優位眼に投与される、項31~35のいずれか1項記載の組成物。
項39:ピロカルピン塩酸塩が唯一の有効成分である、項31~38のいずれか1項記載の組成物。
項40:保存剤をさらに含む、項31~39のいずれか1項記載の組成物。
項41:上記保存剤が塩化ベンザルコニウムである、項40記載の組成物。
項42:上記組成物が、約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む、項31記載の組成物。
項43:上記組成物が、本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pHが5.0である、項42記載の組成物。
項44:上記組成物がピロカルピンおよびポリマーを含む第2の眼科用組成物の投与と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みからなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の発生率を減少させる、項31~43のいずれか1項記載の組成物。
項45:上記第2の組成物が1質量/容量%のピロカルピンを含み、上記ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、項44記載の組成物。
項46:少なくとも1つの視力パラメータを改善するための組成物であって、上記組成物が、薬学的に許容されかつピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含み、上記少なくとも1つの視力パラメータが、近見視力、遠見視力、夜間視力、昼間視力、グレア、および光散乱からなる群から選択される、上記組成物。
項47:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、上記視力パラメータが近見視力である、項46記載の組成物。
項48:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、上記視力パラメータが遠見視力である、項46記載の組成物。
項49:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む、項46記載の組成物。
項50:上記組成物が1日1回適用される、項46~49のいずれか1項記載の組成物。
項51:上記組成物が1日2回適用される、項46~49のいずれか1項記載の組成物。
項52:上記組成物が患者の両眼に投与される、項46~51のいずれか1項記載の組成物。
項53:上記組成物が患者の非優位眼に投与される、項46~51のいずれか1項記載の組成物。
項54:上記組成物が患者の優位眼に投与される、項46~51のいずれか1項記載の組成物。
項55:ピロカルピン塩酸塩が唯一の有効成分である、項46~54のいずれか1項記載の組成物。
項56:保存剤をさらに含む、項46~55のいずれか1項記載の組成物。
項57:上記保存剤が塩化ベンザルコニウムである、項56記載の組成物。
項58:上記組成物が約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む、項46記載の組成物。
項59:上記組成物が、本質的に約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pHが5.0である、項58記載の組成物。
項60:老視を有する患者において近見視力を改善するための組成物であって、上記組成物が薬学的に許容されかつピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含む、上記組成物。
項61:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含み、その眼の状態が老視である、項60記載の組成物。
項62:上記組成物が約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリム、および水を含む、項60記載の組成物。
項63:上記組成物が1日1回投与される、項60~62のいずれか1項記載の組成物。
項64:ピロカルピン塩酸塩が唯一の有効成分である、項60~63のいずれか1項記載の組成物。
項65:保存剤をさらに含む、項60~64のいずれか1項記載の組成物。
項66:上記保存剤が塩化ベンザルコニウムである、項65記載の組成物。
項67:上記組成物が約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む、項60記載の組成物。
項68:上記組成物が、本質的に約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pHが5.0である、項67記載の組成物。
項69:老視を有する患者において近見視力を改善するための組成物であって、上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウム、および水を含み、pHが3.0~5.5である、上記組成物。
項70:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウム、および水からなり、pHが5.0である、項69記載の組成物。
項71:上記組成物が上記患者に1日1回投与される、項69または70記載の組成物。
項72:老視を有する患者において近見視力を改善するための方法であって、唯一の有効成分としてピロカルピンを含む薬学的に許容される眼科用組成物を上記患者の少なくとも一方の眼に投与することを含み、上記組成物が粘度増強ポリマーを含有しない、上記方法。
項73:上記組成物がピロカルピン塩酸塩を含む、項72記載の方法。
項74:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含む、項73記載の方法。
項75:上記組成物がピロカルピン硝酸塩を含む、項72記載の方法。
項76:上記組成物が1.25質量/容量%の塩酸ピロカルピンまたはモル等価なピロカルピン塩を含む、項72~75のいずれか1項記載の方法。
項77:上記組成物が1日1回投与される、項72~76のいずれか1項記載の方法。
項78:上記組成物が1日2回投与される、項72~76のいずれか1項記載の方法。
項79:上記組成物が上記患者の非優位眼に投与される、項72~78のいずれか1項記載の方法。
項80:上記組成物が上記患者の優位眼に投与される、項72~78のいずれか1項記載の方法。
項81:上記組成物が上記患者の両眼に投与される、項72~78のいずれか1項記載の方法。
項82:上記ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、項72~81のいずれか1項記載の方法。
項83:薬学的に許容される組成物の投与が1種以上の粘性増強ポリマーを含むピロカルピン組成物の投与と比較して、1つ以上の有害事象の発生率を低下させる、項72~82のいずれか1項記載の方法。
項84:上記1つ以上の有害事象が眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みからなる群から選択される、項83記載の方法。
項85:唯一の有効成分として第1の量のピロカルピン塩酸塩を含む薬学的に許容される眼科用組成物を、老視を有する患者の少なくとも一方の眼に投与することを含む方法であって、このような投与が、以前に第2の量のピロカルピン塩酸塩を投与することなくおよび/またはその後に第3の量のピロカルピン塩酸塩を投与することなくなされ、上記第2の量が上記第1の量よりも少なく、上記第3の量が上記第1の量よりも多い、上記方法。
項86:上記第1の量のピロカルピン塩酸塩が1.25質量/容量%である、項85記載の方法。
項87:上記薬学的に許容される眼科用組成物が上記患者の両眼に投与される、項85~86のいずれか1項記載の方法。
項88:上記薬学的に許容される眼科用組成物が1日1回投与される、項85~87のいずれか1項の方法。
項89:上記薬学的に許容される眼科用組成物が1日2回投与される、項85~87のいずれか1項記載の方法。
項90:眼の状態を治療することを必要とする患者において、眼の状態を治療する方法であって、ピロカルピン塩酸塩を1.25質量/容量%の濃度で含む薬学的に許容される眼科用組成物を上記患者に投与することを含み、この配合物がこの患者の少なくとも一方の眼に局所投与され、上記眼の状態が老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、調節性内斜視、近視、および乱視からなる群から選択される、上記方法。
項91:上記眼の状態が老視である、項90記載の方法。
項92:上記眼の状態が老視である、項90記載の方法。
項93:上記薬学的に許容される眼科用組成物が上記患者の両眼に投与される、項90の方法。
項94:上記薬学的に許容される眼科用組成物が上記患者の優位眼に投与される、項90記載の方法。
項95:上記薬学的に許容される眼科用組成物が1日1回投与される、項90記載の方法。
項96:上記薬学的に許容される眼科用組成物が1日2回投与される、項90記載の方法。
項97:上記薬学的に許容される眼科用組成物が少なくとも6時間、効果が持続する、項90記載の方法。
項98:上記薬学的に許容される眼科用組成物の投与がピロカルピンとポリマーとを含む第2の眼科用組成物の投与と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みの発生率を減少させる、項90記載の方法。
項99:上記組成物が粘度増強ポリマーを含まない、項90記載の方法。
項100:ピロカルピン塩酸塩が上記薬学的に許容される眼科用組成物において唯一の有効成分である、項90記載の方法。
項101:上記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む、項90記載の方法。
項102:上記組成物が約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む、項101記載の方法。
項103:上記眼の状態が老視であり、上記組成物が本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pHが3.0~5.5である、項90記載の方法。
項104:近見視力を改善することを必要とする老視を有する患者において、近見視力を改善するための方法であって、唯一の活性剤としてピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含む薬学的に許容される組成物を上記患者の眼に投与することを含む、上記方法。
項105:上記薬学的に許容される組成物が1日1回投与される、項104記載の方法。
項106:上記薬学的に許容される組成物が1日2回投与される、項104記載の方法。
項107:上記薬学的に許容される組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含む、項104記載の方法。
項108:上記薬学的に許容される組成物が粘度増強ポリマーを含まない、項104記載の方法。
項109:上記組成物が約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む、項104記載の方法。
項110:上記薬学的に許容される組成物の上記患者への投与が、ピロカルピン塩酸塩および粘度増強ポリマーを含む第2の組成物の投与と比較して、少なくとも1つの有害事象の発生率を減少させ、この有害事象が、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みからなる群から選択される、項104記載の方法。
項111:実質的に本明細書において記載されている組成物。
項112:実質的に本明細書に記載されている治療の方法。

Claims (19)

  1. 眼の状態を治療するための組成物であって、前記組成物が、薬学的に許容されかつピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含み、前記眼の状態が、老視、遠視、散瞳、瞳孔不同、調節性内斜視、近視、および乱視からなる群から選択される、前記組成物。
  2. 前記組成物が1日1回適用される、請求項1記載の組成物。
  3. 前記組成物が1日2回適用される、請求項1または2記載の組成物。
  4. 前記眼の状態が老視である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 前記眼の状態が遠視である、請求項1~4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 前記組成物が1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を含む、請求項1~5のいずれか1項記載の組成物。
  7. ピロカルピン塩酸塩が唯一の有効成分である、請求項1~6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 保存剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項記載の組成物。
  9. 前記組成物が、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む、請求項1~8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 前記組成物が、約1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、約1.0質量/容量%のホウ酸、約0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、約0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および約0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムを含む、請求項1~9のいずれか1項記載の組成物。
  11. 前記組成物が、本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pHが5.0である、請求項1~10のいずれか1項記載の組成物。
  12. 前記組成物が、ピロカルピンとポリマーとを含む第2の眼科用組成物の投与と比較して、眼のぼやけ、眼の不快感、眼痛、眉痛、かすみ目、光感受性、眼の刺痛、および眼の痒みからなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の発生率を減少させ、前記第2の組成物が、1質量/容量%のピロカルピンを含み、前記ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1~11のいずれか1項記載の組成物。
  13. 少なくとも1つの視力パラメータを改善するための組成物であって、前記組成物が、薬学的に許容されかつピロカルピン塩酸塩を1.0質量/容量%から1.5質量/容量%の濃度で含み、前記少なくとも1つの視力パラメータが、近見視力、遠見視力、夜間視力、昼間視力、グレア、および光散乱からなる群から選択される、前記組成物。
  14. 前記視力パラメータが、近見視力である、請求項13記載の組成物。
  15. 前記視力パラメータが、遠見視力である、請求項13~14のいずれか1項記載の組成物。
  16. 前記組成物が、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩を唯一の有効成分として含む、請求項13~15のいずれか1項記載の組成物。
  17. 前記組成物が、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、ホウ酸、クエン酸ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、塩酸および/または水酸化ナトリウム、および水を含む、請求項13~16のいずれか1項記載の組成物。
  18. 老視を有する患者における近見視力を改善するための組成物であって、前記組成物が、1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウム、および水を含み、pHが3.0~5.5である、前記組成物。
  19. 本質的に1.25質量/容量%のピロカルピン塩酸塩、1.0質量/容量%のホウ酸、0.015質量/容量%のクエン酸ナトリウム二水和物、0.08質量/容量%の塩化ナトリウム、および0.0075質量/容量%の塩化ベンザルコニウムからなり、pHが3.0~5.5である組成物。
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