JP2022008039A - 下糸巻装置及びミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】ボビンに対する下糸の巻不良を防止する。【解決手段】下糸巻装置20では、大径ボビンモードにおいて、切替レバー51が切替位置に配置され、連動レバー55が阻止位置に回動され、上昇位置における糸切ホルダ35の下降が連動レバー55によって阻止された状態になる。このため、仮に、小径ボビン18を糸巻軸32に装着したときには、小径ボビン18が正規の装着位置よりも上側に配置される。これにより、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、小径ボビン18の芯部18Aの上端部に係合しなくなり、係合フック33A及び糸切ホルダ35が小径ボビン18を上下方向に挟み込まなくなる。よって、この状態で、糸巻モータ31によって糸巻軸32を回動させたときには、小径ボビン18が糸巻軸32に対して空転して、小径ボビン18に対する下糸の巻き付けが行われない。【選択図】図11

Description

本発明は、下糸巻装置及びそれを備えたミシンに関する。
下記特許文献1に記載の下糸巻装置では、下糸巻軸に押圧部材が設けられており、押圧部材は付勢部材によって上側へ付勢されている。そして、ボビンを下糸巻軸に装着するときには、ボビンによって押圧部材を押し下げることで、下糸巻軸の空転防止部材と押圧部材とによってボビンを上下に挟み込む。これにより、厚み(軸長)の異なるボビンを下糸巻軸に装着し、糸巻を行うことができる。
下記特許文献2に記載の下糸巻装置は、ボビンの巻回量を検出する検出手段と、検出手段の検出結果を切り替えるレバーと、を備えている。そして、レバーを第1調整回転位置又は第2調整回転位置に回転させることで、検出手段の検出結果が切り替わる。これにより、ボビンに巻かれる下糸の巻回量(巻径)を変更できるようになっている。
特開平5-261191号公報 特開2019-129881号公報
ここで、ボビンでは、厚み及び外径の異なるものがある。この場合、上記特許文献1及び特許文献2に記載された技術を組み合わせることで、厚み及び外径の異なるボビンに下糸を巻くことができる。
しかしながら、例えば、下糸の巻回量を大きくした設定で、小径のボビンに下糸を巻いた場合には、下糸がボビンに過剰に巻かれる可能性がある。すなわち、巻かれた下糸の巻径が、ボビンの外径よりも大きくなる可能性がある。この場合には、ボビンに対する下糸の巻不良が発生する。
本発明は、上記事実を考慮して、ボビンに対する下糸の巻不良を防止することができる下糸巻装置及びそれを備えたミシンを提供することを目的とする。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、小径ボビン又は前記小径ボビンよりも大径で且つ軸長の短い大径ボビンが装着される糸巻軸と、前記糸巻軸に設けられ、前記糸巻軸に装着された前記小径ボビン又は前記大径ボビンと係合可能に構成された係合部を有する係合部材と、前記糸巻軸に一体回転可能に且つ前記糸巻軸の軸方向に移動可能に設けられ、第1位置において前記係合部と共に前記大径ボビンを前記糸巻軸の軸方向に挟み込み、前記第1位置に対して前記糸巻軸の基端側の第2位置において前記係合部と共に前記小径ボビンを前記糸巻軸の軸方向に挟み込むホルダと、前記糸巻軸に装着された前記小径ボビン又は前記大径ボビンへの下糸の巻き付け完了を検知するスイッチと、前記糸巻軸と平行な軸回りに回動可能に構成され、前記スイッチから離間した非押圧位置から回動方向一方側の中間位置を経由し押圧位置へ回動することで前記スイッチを押圧する回動体と、前記回動体に設けられ、前記下糸に当接可能に構成されると共に、前記非押圧位置において前記小径ボビン又は前記大径ボビンの芯部の径方向外側に配置され、前記小径ボビン又は前記大径ボビンに巻き付けられる下糸によって押圧されることで前記回動体を回動方向一方側へ回動させる当接部と、前記非押圧位置において回動方向他方側に且つ前記押圧位置において回動方向一方側に前記回動体を付勢すると共に、前記中間位置において前記回動体に対する付勢方向が切替えられる付勢部材と、前記糸巻軸と平行な軸回りに回動可能に構成され、前記付勢部材に連結されると共に、初期位置から切替位置へ回動することで前記中間位置を前記回動体の回動方向一方側に変更して前記小径ボビン又は前記大径ボビンに対する下糸の巻付モードを小径ボビンモードから大径ボビンモードへ切替える切替部材と、前記切替部材の回動に連動して作動する調整部材と、を備え、前記小径ボビンモードでは、前記小径ボビンが前記糸巻軸に対して正規の装着位置に装着されることが許可されており、前記大径ボビンモードでは、前記調整部材によって、前記第1位置に配置された前記ホルダの前記第2位置への移動を阻止し若しくは前記第2位置のホルダを前記第1位置に移動させて前記小径ボビンが前記糸巻軸に対して正規の装着位置に装着されることを禁止し、又は前記第2位置の前記ホルダの回転を阻止する下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記切替部材の回動に連動して移動可能に且つ前記非押圧位置の前記回動体と当接可能に構成された位置変更部材を備え、前記大径ボビンモードにおいて、前記回動体が前記位置変更部材に当接することで、前記非押圧位置が前記回動体の回動方向一方側へ変更される下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記小径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダから離間した許可位置に配置されており、前記大径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダに接近した阻止位置に移動して、前記第2位置の前記ホルダが前記調整部材に直接的又は間接的に当接することで前記ホルダの回転が阻止される下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記小径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダから離間した許可位置に配置されており、前記大径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダに対して前記糸巻軸の基端側の阻止位置に移動して、前記ホルダが前記調整部材に直接的又は間接的に当接することで前記ホルダの前記第1位置から前記第2位置への移動が阻止される下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記切替部材には、第1ギヤ部が形成され、前記調整部材は、前記糸巻軸と平行な軸回りに回動可能に構成されると共に、前記第1ギヤ部に噛合された第2ギヤ部と、前記ホルダに直接的又は間接的に当接可能に構成された阻止部と、を含んで構成されている下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記調整部材は、前記切替部材及び前記ホルダを連結すると共に、作動することで前記ホルダの位置を前記第1位置又は前記第2位置に切替可能に構成されており、前記小径ボビンモードでは、前記ホルダが前記第2位置に配置され、前記大径ボビンモードでは、前記調整部材によって前記ホルダが前記第1位置へ移動する下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記切替部材には、カム溝が形成され、前記調整部材は、前記糸巻軸と交差する軸回りに回動可能に構成されると共に、前記カム溝に係合されたカムピンと、前記ホルダに連結された連結部と、を含んで構成された下糸巻装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、上記構成の下糸巻装置を備えたミシンである。
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、ボビンに対する下糸の巻不良を防止することができる。
第1実施形態に係る下糸巻装置が適用されたミシンを示す左斜め前方からみた斜視図である。 (A)は、第1実施形態に係る下糸巻装置に用いられる小径ボビンを示す平面図及び側面図であり、(B)は、第1実施形態に係る下糸巻装置に用いられる大径ボビンを示す平面図及び側面図である。 第1実施形態に係る下糸巻装置の上側から見た平面図である。 図3に示される下糸巻装置の前側から見た正面図である。 図3に示される下糸巻装置の分解斜視図である。 (A)は、図3に示される糸巻軸の上端部に小径ボビンが装着された状態を示す縦断面図であり、(B)は、図3に示される糸巻軸の上端部に大径ボビンが装着された状態を示す縦断面図である。 図5に示される検知レバーの規制ピンがベースプレートの規制孔に挿入された状態を示す下側から見た斜視図である。 (A)は、図3に示される検知レバーが押圧位置から非押圧位置に回動された状態を示す平面図であり、(B)は、(A)の状態から検知レバーが回動方向一方側へ回動し且つ中間位置に配置された状態を示す平面図である。 図8(A)に示される切替レバーが切替位置に回動されたときの検知レバーの非押圧位置が変更された状態を示す平面図である。 小径ボビンモード時における連動レバーとホルダストッパとの位置関係を説明するための説明図である。 大径ボビンモード時において小径ボビンを糸巻軸に装着した状態を説明するための説明図である。 切替機構部の変形例における小径ボビンモード時の状態を説明するための図10に対応する説明図である。 切替機構部の変形例の大径ボビンモード時において小径ボビンを糸巻軸に装着した状態を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る下糸巻装置を示す平面図である。 図14に示される下糸巻装置の前側から見た正面図である。 (A)は、図14に示される糸巻機構部の上部を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示される糸巻機構部の縦断面図である。 図14に示される切替機構部の分解斜視図である。 (A)は、図14に示される切替カムのカムピンが切替レバーのカム溝に挿入された状態を示す後側から見た断面図(図14の18A-18A線断面図)であり、(B)は、(A)に示される状態から切替レバーが切替位置に回動された時の切替カムの状態を示す後側から見た断面図である。 (A)は、小径ボビンモード時において小径ボビンが糸巻軸に装着され且つ検知レバーが非押圧位置に配置された状態を示す平面図であり、(B)は、大径ボビンモード時において大径ボビンが糸巻軸に装着され且つ検知レバーが非押圧位置に配置された状態を示す平面図である。 (A)は、図19(A)に示される状態の正面図であり、(B)は、小径ボビンモードにおいて大径ボビンを糸巻軸に装着させた状態を示す正面図である。 (A)は、図19(B)に示される状態の正面図であり、(B)は、大径ボビンモードにおいて小径ボビンを糸巻軸に装着させた状態を示す正面図である。
(第1実施形態)
以下、図1~図11を用いて、第1実施形態に係る下糸巻装置20が適用されたミシン10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印RHは、それぞれミシン10及び下糸巻装置20の上側、前側、及び右側(幅方向一方側)を示している。以下、上下、前後、左右の方向を用いて説明する場合は、ミシン10及び下糸巻装置20の上下、前後、左右を示すものとする。
図1に示されるように、ミシン10は、ミシン本体12を有しており、ミシン本体12は、前側から見た正面視で、左側へ開放された略U字形状に形成されている。具体的には、ミシン本体12は、ミシン本体12の右端部を構成し且つ上下方向に延在された脚柱部12Aと、脚柱部12Aの上端部から左側へ延出されたアーム部12Bと、脚柱部12Aの下端部から左側へ延出されたベッド部12Cと、を含んで構成されている。また、ミシン本体12の内部には、ミシン本体12の骨格を構成する骨格フレーム(図示省略)が設けられており、骨格フレームが、ミシン本体12の外郭を構成するカバー13によって覆われている。
アーム部12Bの右端部には、後述する下糸巻装置20が内蔵されており、下糸巻装置20を構成する糸巻軸32の上端部が、アーム部12Bから上側へ突出している。アーム部12Bには、糸巻軸32の左斜め後方において、糸立て棒14が設けられている。下糸が巻かれた糸こま(図示省略)を糸立て棒14に装着するようになっている。
さらに、アーム部12Bには、糸立て棒14の左側において、糸巻案内部15が設けられている。糸こまから左側へ延出した下糸が糸巻案内部15において折り返されて、糸巻軸32側へ案内されるようになっている。また、アーム部12Bの左端部には、操作ボタン16が押圧操作可能に設けられており、アーム部12Bの内部には、操作ボタン16の押圧操作によって押圧されるスイッチ(図示省略)が設けられている。当該スイッチは、制御部70(図4参照)に電気的に接続されて、オンオフ信号を制御部70へ出力するようになっている。
また、本実施の形態の下糸巻装置20は、形態の異なる2種類のボビンに対して下糸を巻付け可能に構成されている。このため、以下の説明では、始めに、2種類のボビンについて説明し、次いで下糸巻装置20について説明する。
(ボビンについて)
図2(A)及び(B)に示されるように、下糸巻装置20は、2種類の「ボビン」としての小径ボビン18及び大径ボビン19を使用可能に構成されている。小径ボビン18は、円筒状の芯部18Aと、芯部18Aの軸方向両端部から径方向外側へ突出した一対のフランジ部18Bと、を含んで構成されている。大径ボビン19は、小径ボビン18と同様に、円筒状の芯部19Aと、芯部19Aの軸方向両端部から径方向外側へ突出した一対のフランジ部19Bと、を含んで構成されている。そして、小径ボビン18のフランジ部18Bの直径が、大径ボビン19のフランジ部19Bの直径よりも小さく設定されている。また、小径ボビン18の厚み寸法(軸寸法)が、大径ボビン19の厚み寸法よりも大きく設定されている。このため、小径ボビン18及び大径ボビン19は、直径及び厚みの異なる形態のボビンとして構成されている。
(下糸巻装置20について)
図3~図5に示されるように、下糸巻装置20は、ベースプレート22と、糸巻機構部30と、糸巻検出機構部40と、切替機構部50と、位置調整機構部60と、を含んで構成されている。以下、下糸巻装置20の各構成について説明する。
(ベースプレート22について)
ベースプレート22は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とした略矩形板状に形成されている。ベースプレート22は、ミシン本体12のアーム部12Bの右端部に内蔵されると共に、ミシン本体12の骨格フレームに固定されている。
(糸巻機構部30について)
図6にも示されるように、糸巻機構部30は、糸巻モータ31と、糸巻軸32と、三角カム34と、「ホルダ」としての糸切ホルダ35と、ホルダストッパ36と、「ホルダ付勢部材」としてのホルダ付勢バネ37と、を含んで構成されている。
糸巻モータ31は、上下方向を軸方向とし且つベースプレート22の下側に配置されると共に、ネジSC1によってベースプレート22に締結固定されている。糸巻モータ31の出力軸31Aは、ベースプレート22よりも上側へ突出している。
糸巻軸32は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。そして、糸巻モータ31の出力軸31Aの上端部が、糸巻軸32の下端部に嵌入されて、糸巻軸32が、出力軸31Aに一体回転可能に連結されている。糸巻軸32の上部の内部には、「係合部材」としてのボビンストッパ33(図6(A)及び(B)参照)が設けられている。ボビンストッパ33は、棒バネとして構成されると共に、側面視で、上側へ開放された略U字形状に屈曲されている。そして、ボビンストッパ33の一端部が、糸巻軸32に係止され、ボビンストッパ33の他端部が、糸巻軸32に形成されたスリット32A内に配置されている。これにより、ボビンストッパ33が、糸巻軸32の径方向に弾性変形可能に構成されている。ボビンストッパ33の他端部には、「係合部」としての係合フック33Aが形成されている。係合フック33Aは、略U字形状に屈曲されて、スリット32Aから糸巻軸32の径方向外側へ突出している。
三角カム34は、上下方向を板厚方向とする略三角形プレート状に形成されている。三角カム34の略中央部には、取付筒部34Aが形成されており、取付筒部34Aは、上下方向を軸方向とした円筒状に形成されている。取付筒部34Aは、三角カム34よりも上側へ突出しており、取付筒部34Aの内部が上下方向に貫通している。そして、取付筒部34A内に糸巻軸32の下端部が嵌入されて、三角カム34が糸巻軸32の下端部に一体回転可能に連結されている。
糸切ホルダ35は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されている。糸切ホルダ35の中央部には、下側へ突出した取付部35Aが形成されており、取付部35Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。そして、糸巻軸32が糸切ホルダ35の取付部35A内を挿通して、糸切ホルダ35が、ボビンストッパ33の係合フック33Aの下側(糸巻軸32の軸方向一方側(基端側))で且つ三角カム34の上側に配置されている。また、取付部35Aは、糸巻軸32に一体回転可能に且つ軸方向に相対移動可能に連結されている。具体的には、糸切ホルダ35は、「第1位置」としての上昇位置(図6(B)に示される位置である)と、上昇位置から下降した「第2位置」としての下降位置(図6(A)に示される位置である)と、の間を移動可能に構成されている。また、取付部35Aの下端部には、フック部35B(図6(A)及び(B)参照)が形成されており、フック部35Bが、糸巻軸32に係合して、上昇位置における糸切ホルダ35の上側への移動が制限されている。さらに、糸切ホルダ35の外周部には、3箇所の糸切スリット35Cが形成されている。
ホルダストッパ36は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。ホルダストッパ36の上壁には、挿通孔36Aが貫通形成されている。そして、挿通孔36A内に糸巻軸32が挿通された状態で、ホルダストッパ36が、糸切ホルダ35の取付部35Aの径方向外側に配置されている。また、ホルダストッパ36の上端部が、糸切ホルダ35の取付部35Aにツメ嵌合によって、固定されている。これにより、糸切ホルダ35及びホルダストッパ36が、一体移動可能に連結されている。
ホルダ付勢バネ37は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。そして、ホルダ付勢バネ37が、ホルダストッパ36内に収容された状態で、三角カム34の取付筒部34A及び糸切ホルダ35の取付部35Aに装着されている。具体的には、ホルダ付勢バネ37の下端部が三角カム34に係止され、ホルダ付勢バネ37の上端部がホルダストッパ36の上壁に係止されている。これにより、ホルダ付勢バネ37の上側への付勢力によって、ホルダストッパ36が上昇位置に保持されている。
また、小径ボビン18の糸巻軸32への装着状態では、糸巻軸32が小径ボビン18の芯部18A内に挿入され、小径ボビン18が下降位置の糸切ホルダ35の上側に隣接配置されると共に、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、小径ボビン18の芯部18Aの上端部に係合するようになっている(図6(A)参照)。一方、大径ボビン19の糸巻軸32への装着状態では、糸巻軸32が大径ボビン19の芯部19A内に挿入され、大径ボビン19が上昇位置の糸切ホルダ35の上側に隣接配置されると共に、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、大径ボビン19の芯部19Aの上端部に係合するようになっている(図6(B)参照)。これにより、係合フック33A及び糸切ホルダ35が、糸巻軸32に装着された小径ボビン18及び大径ボビン19を上下方向に挟み込んで保持するようになっている。したがって、糸巻軸32の回転時には、小径ボビン18及び大径ボビン19の空転が防止され、小径ボビン18及び大径ボビン19が糸巻軸32と共に回転するようになっている。
(糸巻検出機構部40について)
図3~図5に示されるように、糸巻検出機構部40は、「回動体」としての検知レバー41と、レバー操作部42と、「当接部」としてのレバーコンタクト43と、「スイッチ」としての検知スイッチ44と、を含んで構成されている。
<検知レバー41について>
検知レバー41は、上下方向を板厚方向とする略V字形板状に形成されている。具体的には、検知レバー41は、略前後方向に延在された第1レバーアーム41Aと、第1レバーアーム41Aの後端部から左斜め前方へ延出された第2レバーアーム41Bと、を含んで構成されている。そして、糸巻機構部30が第1レバーアーム41Aと第2レバーアーム41Bとの間に配置されるように、検知レバー41がベースプレート22の上側で且つ糸巻機構部30の右斜め後側に配置されている。また、検知レバー41の第1レバーアーム41Aの後端部が、第1軸23に回動可能に支持されており、第1軸23は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ベースプレート22から上側へ突出している。
図7に示されるように、第1レバーアーム41Aの前端部には、規制ピン41Cが設けられている。規制ピン41Cは、略円柱状に形成されると共に、第1レバーアーム41Aから下側へ突出している。そして、規制ピン41Cが、ベースプレート22に形成された規制孔22A内に相対移動可能に挿入されている。規制孔22Aは、長孔状に形成されると共に、検知レバー41の回動方向に沿って延在されている。これにより、検知レバー41の回動範囲が、規制孔22Aによって規制されている。具体的には、検知レバー41が、非押圧位置(図8(A)に示される位置)と、非押圧位置から回動方向一方側(図8(A)の矢印A方向側)へ回動した押圧位置(図3に示される位置)と、の間を回動可能に構成されている。
図5に示されるように、第1レバーアーム41Aの前端部には、後述するレバー操作部42が嵌入される嵌合孔41Dが形成されている。また、図3にも示されるように、第2レバーアーム41Bの先端部には、レバー突起41Eが設けられている。レバー突起41Eは、平面視で略半円状に形成されて、第2レバーアーム41Bの先端部から検知レバー41の回動方向他方側(図3の矢印B方向側)へ突出している。さらに、第2レバーアーム41Bの先端部には、後述する切替バネ54を係止するための係止孔41Fが貫通形成されている。
<レバー操作部42について>
レバー操作部42は、前側から見て略クランク形状に形成されている。そして、レバー操作部42の下部が、検知レバー41の嵌合孔41D内に嵌入されて、レバー操作部42が検知レバー41に固定されている。また、レバー操作部42の下部は筒状に形成されており、レバー操作部42の下部の内周面には、雌ネジが形成されている。
<レバーコンタクト43について>
レバーコンタクト43は、上下方向を板厚方向とする略楕円板状に形成され、レバー操作部42の下部の上側に配置されている。レバーコンタクト43の一端部には、固定孔43Aが貫通形成されている。そして、ネジSC2が固定孔43A内に挿入されレバー操作部42の雌ネジに螺合されて、レバーコンタクト43がネジSC2によってレバー操作部42に固定されている。これにより、レバーコンタクト43が、検知レバー41と一体回動可能に構成されると共に、糸巻軸32に対して検知レバー41の回動方向一方側に配置されている。
また、レバーコンタクト43の他端部には、コンタクト部43Bが形成されており、コンタクト部43Bは、平面視で、検知レバー41の回転方向他方側へ凸となる円弧状に湾曲している。コンタクト部43Bと糸巻軸32とは、検知レバー41の回転方向において所定の間隔を空けて対向して配置されている。
また、検知レバー41の非押圧位置では、レバーコンタクト43のコンタクト部43Bの一部が、糸巻軸32に装着された小径ボビン18及び大径ボビン19の内部に挿入されるようになっている。一方、検知レバー41の押圧位置では、糸巻軸32に装着された大径ボビン19とレバーコンタクト43とが、平面視で重ならないように設定されている。すなわち、検知レバー41の押圧位置では、小径ボビン18及び大径ボビン19の着脱時に小径ボビン18及び大径ボビン19とレバーコンタクト43とが干渉しない構成になっている。さらに、詳細については後述するが、小径ボビン18及び大径ボビン19に下糸を巻くときには、巻かれた下糸が、コンタクト部43Bに当接して、コンタクト部43Bを検知レバー41の回転方向一方側へ押圧するように構成されている。
<検知スイッチ44について>
図3及び図8に示されるように、検知スイッチ44は、検知レバー41の右側に配置されると共に、ベースプレート22に固定されている。検知スイッチ44は、レバー式のスイッチとして構成されている。そして、検知レバー41の非押圧位置において、検知スイッチ44のレバー部は非押圧状態となっており、検知レバー41の押圧位置において、検知スイッチ44のレバー部が検知レバー41によって押圧される構成になっている。また、検知スイッチ44は、制御部70に電気的に接続されており、オンオフ信号を制御部70へ出力するようになっている。
(切替機構部50について)
図3~図5に示されるように、切替機構部50は、「切替部材」としての切替レバー51と、レバーストッパ52と、レバー付勢バネ53と、「付勢部材」としての切替バネ54と、「調整部材」としての連動レバー55と、を含んで構成されている。
<切替レバー51について>
切替レバー51は、上下方向を板厚方向とする略扇形板状に形成されて、糸巻機構部30及び検知レバー41の左側に配置されている。切替レバー51は、第2軸24に回動可能に支持されており、第2軸24は、上下方向を軸方向とする円柱状に形成されて、ベースプレート22から上側へ突出している。切替レバー51の先端部は、平面視で左斜め後方側へ凸となる円弧状に形成されている。切替レバー51の先端部における回転方向一方側(図3の矢印C方向側)の端部には、突出部51Aが形成されており、突出部51Aは、切替レバー51の径方向外側へ突出している。また突出部51Aには、連結孔51Bが貫通形成されており、連結孔51Bは、切替レバー51の径方向を長手方向とする長孔状に形成されている。
切替レバー51における回転方向他方側(図3の矢印D方向側)の端部には、規制ピン51Cが設けられている。規制ピン51Cは、略円筒状に形成されると共に、切替レバー51から下側へ突出している。そして、規制ピン51Cが、ベースプレート22に形成された規制孔22B(図5参照)内に相対移動可能に挿入されている。規制孔22Bは、長孔状に形成されると共に、切替レバー51の回動方向に沿って延在されている。また、規制ピン51Cは、規制孔22Bの一端部の内周面又は後述するレバーストッパ52の外周面に当接可能に構成されている。具体的には、規制ピン51Cが、規制孔22Bの一端部の内周面に当接するときには、切替レバー51が、図3に示される初期位置に配置されるようになっている。また、切替レバー51が、初期位置から回動方向一方側へ回動した切替位置(図9に示される位置)に回動したときには、規制ピン51Cがレバーストッパ52の外周部に当接する構成になっている。
切替レバー51の外周部には、「第1ギヤ部」としての切替ギヤ部51Dが形成されている。切替ギヤ部51Dは、複数のギヤ歯によって構成されており、複数のギヤ歯が、第2軸24の周方向に沿って並んで配置されている。また、切替レバー51は、後述する切替バネ54の端部を係止するための、第1係止部51Eを有している。第1係止部51Eは、切替レバー51から右斜め後方へ突出している。第1係止部51Eの先端部には、第1係止孔51Fが貫通形成されている。また、切替レバー51の先端部における回動方向他方側端部には、後述するレバー付勢バネ53を係止するための第2係止部51Gが設けられており、第2係止部51Gは、切替レバー51から径方向外側へ突出している。第2係止部51Gには、第2係止孔51Hが貫通形成されている。
また、切替レバー51の上面には、第2軸24の左側において、取手部51Jが形成されている。取手部51Jは、前後方向を板厚方向とする略板状に形成されて、切替レバー51から上側へ延出している。さらに、切替レバー51は、下糸巻装置20において小径ボビン18に下糸を巻く小径ボビンモードと、下糸巻装置20において大径ボビン19に下糸を巻く大径ボビンモードと、に切替える部材として構成されている。詳しくは、切替レバー51の初期位置において、下糸巻装置20が小径ボビンモードとなり、切替レバー51の切替位置において、下糸巻装置20が大径ボビンモードになるように設定されている。
<レバーストッパ52について>
レバーストッパ52は、上下方向を板厚とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されると共に、ベースプレート22と切替レバー51との間に配置されている。そして、レバーストッパ52の右端部が、第2軸24に回動可能に支持されている。レバーストッパ52の左端部には、固定孔52Aが貫通形成されており、固定孔52Aは、レバーストッパ52の回動方向を長手方向とする長孔状に形成されている。そして、固定孔52A内を挿通したネジSC3によって、レバーストッパ52がベースプレート22に締結固定されている。
また、レバーストッパ52のベースプレート22への固定状態では、ベースプレート22の外周部が、ベースプレート22の規制孔22Bの他端部を塞ぐように配置されている。これにより、切替レバー51の切替位置において、規制ピン51Cがレバーストッパ52の外周部に当接する構成になっている。また、前述のように、固定孔52Aはレバーストッパ52の回動方向を長手方向とする長孔状に形成されている。このため、レバーストッパ52の固定位置を変更して、切替レバー51の切替位置を適宜調整可能に構成されている。
<レバー付勢バネ53について>
レバー付勢バネ53は、トーションスプリングとして構成されている。レバー付勢バネ53の一端部は、ベースプレート22に係止され、レバー付勢バネ53の他端部は、切替レバー51の第2係止孔51H内に挿入され第2係止部51Gに係止されている。切替レバー51の初期位置において、レバー付勢バネ53が切替レバー51を回動方向他方側へ付勢している。これにより、切替レバー51の規制ピン51Cがベースプレート22の規制孔22Bの一端部に当接して、切替レバー51が初期位置に保持されている。一方、切替レバー51の切替位置では、レバー付勢バネ53が切替レバー51を回動方向一方側へ付勢している。これにより、切替レバー51の規制ピン51Cがレバーストッパ52の外周部に当接して、切替レバー51が切替位置に保持されている。なお、切替レバー51の位置を切替るときには、使用者が切替レバー51の取手部51Jを把持して、切替レバー51を回動させるようになっている。
<切替バネ54について>
切替バネ54は、トーションスプリングとして構成されている。切替バネ54の一端部は、切替レバー51の第1係止孔51F内に挿入され第1係止部51Eに係止されており、切替バネ54の他端部は、検知レバー41の係止孔41F内に挿入され第2レバーアーム41Bの先端部に係止されている。切替バネ54は、検知レバー41を回動方向に付勢している。具体的には、切替バネ54が、検知レバー41の非押圧位置において検知レバー41を回動方向他方側へ付勢し、検知レバー41の押圧位置において検知レバー41を回動方向一方側へ付勢するように構成されている。すなわち、検知レバー41における非押圧位置と押圧位置との間の中間位置(図8(B)に示される位置)において、検知レバー41に対する切替バネ54の付勢方向が切替る構成になっている。
また、図9に示されるように、切替レバー51が初期位置から切替位置へ回動することで、切替バネ54の一端部が、切替レバー51の回動方向一方側へ変位する。このため、切替バネ54の全体が、検知レバー41の回動方向一方側に変位する。したがって、下糸巻装置20が大径ボビンモードでは、下糸巻装置20の小径ボビンモードと比べて、検知レバー41の中間位置が、検知レバー41の回動方向一方側に変更される構成になっている。
<連動レバー55について>
図3~図5に示されるように、連動レバー55は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向に延在された略長尺板状に形成されている。連動レバー55の左端部は、左側から見て、後側へ開放された略U字形状に屈曲されている。具体的には、連動レバー55の左端部における前端部が、下側へ屈曲されると共に、後側へ屈曲されている。そして、連動レバー55の左端部が、第2軸24の前側において、ベースプレート22に設けられた第3軸25に回動可能に支持されており、第3軸25は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ベースプレート22から上側へ突出している。
連動レバー55の左端部の外周部には、「第2ギヤ部」としての連動ギヤ部55Aが形成されている。連動ギヤ部55Aは、複数のギヤ歯によって構成されており、複数のギヤ歯が第3軸25の周方向に並んで配置されている。そして、連動ギヤ部55Aが、切替レバー51の切替ギヤ部51Dに噛合されている。これにより、切替レバー51の回動に連動して、連動レバー55が回動するように構成されている。切替レバー51の初期位置では、連動レバー55が許可位置(図10に示される位置)に配置され、切替レバー51の切替位置では、連動レバー55が阻止位置(図11に示される位置)に配置されるようになっている。
また、連動レバー55の右端部は、阻止部55Bとして構成されており、阻止部55Bは、糸巻機構部30のホルダストッパ36の下側に近接して配置されている。詳しくは、連動レバー55の許可位置では、平面視で阻止部55Bがホルダストッパ36に重ならない位置に配置され(図10参照)、連動レバー55の阻止位置では、阻止部55Bが、ホルダストッパ36に接近して、平面視でホルダストッパ36に重なる位置に配置される設定になっている(図11参照)。これにより、連動レバー55の許可位置では、糸切ホルダ35の上昇位置から下降位置への移動が許可され、連動レバー55の阻止位置では、ホルダストッパ36の阻止部55Bによって、糸切ホルダ35の下降位置への移動が阻止される設定になっている。また、ホルダストッパ36が阻止部55Bに当接することで、糸巻軸32の回動が制限される構成になっている。
(位置調整機構部60について)
図3、図5、図8、及び図9に示されるように、位置調整機構部60は、スライド部材61と、調整プレート62と、を含んで構成されている。そして、スライド部材61及び調整プレート62が、本発明の「位置変更部材」に対応している。
スライド部材61は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向に延在された略長尺板状に形成されている。スライド部材61の長手方向両端部には、一対のスライド孔61Aが貫通形成されており、スライド孔61Aは、左右方向を長手方向とする長孔状に形成されている。そして、ベースプレート22に設けられた支持ピン26が、スライド孔61A内に挿入されて、スライド部材61が左右方向にスライド可能にベースプレート22に連結されている。
スライド部材61の長手方向中間部には、連結ピン61Bが設けられている。連結ピン61Bは、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、スライド部材61から上側へ突出している。そして、連結ピン61Bが、前述した切替レバー51の連結孔51B内に相対移動可能に挿入されている。これにより、スライド部材61が、切替レバー51に連結されると共に、切替レバー51の回動に連動して左右方向にスライドする構成になっている。
調整プレート62は、上下方向を板厚方向とする略逆L字形板状に形成されている。具体的には、調整プレート62は、左右方向に延在されると共に、調整プレート62の右端部が前側へ突出している。調整プレート62は、スライド部材61の上側に配置されて、調整プレート62の左端部が、連結ピン61Bに回動可能に支持されている。調整プレート62の右端部には、固定孔62Aが貫通形成されており、固定孔62Aは、調整プレート62の回動方向を長手方向とする長孔状に形成されている。そして、固定孔62A内を挿通したネジSC4によって、調整プレート62がスライド部材61に締結固定されている。
調整プレート62の右端部における前側へ突出した部分は、調整部62Bとして構成されており、調整部62Bの前端部は、右側へ向かうに従い後側へ傾斜している。そして、切替レバー51の初期位置では、調整プレート62が、非押圧位置の検知レバー41の第2レバーアーム41Bに対して左斜め後側に離間して配置されている(図8(A)参照)。一方、切替レバー51の切替位置では、調整プレート62の調整部62Bが、非押圧位置における検知レバー41のレバー突起41Eの後側にスライドして、レバー突起41Eを前側へ押圧するように構成されている(図9参照)。これにより、位置調整機構部60によって、大径ボビンモードにおける検知レバー41の非押圧位置(図9において実線にて示される位置)を、小径ボビンモードにおける検知レバー41の非押圧位置(図9において2点鎖線にて示される位置)と比べて、検知レバー41の回転方向一方側へ変更するように構成されている。
(作用効果)
次に、下糸巻装置20の小径ボビンモードにおける小径ボビン18の糸巻軸32への装着手順及び下糸巻装置20の動作について説明し、次いで、下糸巻装置20の大径ボビンモードにおける大径ボビン19の糸巻軸32への装着手順及び下糸巻装置20の動作について説明し、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(下糸巻装置20の小径ボビンモードについて)
図3に示されるように、下糸巻装置20の小径ボビンモードでは、切替レバー51が初期位置に配置されると共に、連動レバー55が許可位置に配置されている。このため、上昇位置における糸切ホルダ35の下側への移動が許可された状態になっている。また、小径ボビン18の糸巻軸32への装着前では、使用者の操作によって、検知レバー41を押圧位置に配置しておく。
そして、糸巻軸32を小径ボビン18の芯部18A内に挿入し、小径ボビン18を糸切ホルダ35の上側に載置する。この状態では、ボビンストッパ33の係合フック33Aが芯部18Aによって押圧されて、糸巻軸32の径方向内側へ弾性変形している。よって、小径ボビン18の装着が不完全な状態になっている。このため、ホルダ付勢バネ37の付勢力に抗して小径ボビン18を下側へ押し込んで、糸切ホルダ35を下降位置まで下降させる。これにより、図6(A)に示されるように、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、芯部18Aから上側へ抜け出て、芯部18Aの上端部に係合する。その結果、糸切ホルダ35及びボビンストッパ33の係合フック33Aが、小径ボビン18を上下に挟み込んで、小径ボビン18の装着が完了する。
小径ボビン18の糸巻軸32への装着完了後、使用者の操作によって、検知レバー41を、回動方向他方側へ回動させて、非押圧位置に配置させる。これにより、図8(A)に示されるように、レバーコンタクト43のコンタクト部43Bが、小径ボビン18の内部に配置されると共に、小径ボビン18の芯部18Aの径方向外側に離間して配置される。また、検知レバー41の第1レバーアーム41Aの検知スイッチ44に対する押圧が解除される。
この状態で、使用者が操作ボタン16を操作することで、制御部70によって糸巻モータ31が駆動して、小径ボビン18に対する下糸の巻き付けが開始する。小径ボビン18の芯部18Aに下糸が巻かれると、糸巻軸32の回動に従って、芯部18Aに巻かれた下糸の巻径が増加して、巻かれた下糸が、レバーコンタクト43のコンタクト部43Bに当接する。これにより、下糸の巻径の増加に従い、下糸がレバーコンタクト43を押圧して、検知レバー41が、切替バネ54の付勢力に抗して、非押圧位置から回動方向一方側(図8の矢印A方向側)へ回動する。
そして、図8(B)に示されるように、下糸の巻径が、小径ボビン18の外径よりも僅かに小さい径になると、検知レバー41が中間位置に到達する。検知レバー41の中間位置では、切替バネ54の付勢力の方向が反転して、切替バネ54が検知レバー41を回転方向一方側へ付勢する。これにより、切替バネ54の付勢力によって、検知レバー41が、中間位置から押圧位置に回動して、検知スイッチ44を押圧する。その結果、制御部70が糸巻モータ31の駆動を停止して、小径ボビン18に対する下糸の巻き付けが完了する。
(下糸巻装置20の大径ボビンモードについて)
図9に示されるように、下糸巻装置20の大径ボビンモードでは、使用者によって切替レバー51を回動方向一方側へ回動させて、切替レバー51を切替位置に配置させる。これにより、連動レバー55が切替レバー51の回動に連動して阻止位置に回動される。その結果、連動レバー55の阻止部55Bが、ホルダストッパ36の下側に配置されて、糸切ホルダ35の下降位置への下降が阻止された状態になる。また、図示は省略するが、大径ボビン19の糸巻軸32への装着前では、小径ボビンモードと同様に、使用者の操作によって、検知レバー41を押圧位置に配置しておく。
そして、図6(B)に示されるように、糸巻軸32を大径ボビン19の芯部19A内に挿入し、大径ボビン19を糸切ホルダ35の上側に配置する。この状態では、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、芯部19Aから上側へ抜け出て、芯部19Aの上端部に係合する。その結果、糸切ホルダ35及びボビンストッパ33の係合フック33Aが、大径ボビン19を上下に挟み込んで、大径ボビン19の装着が完了する。
そして、大径ボビン19の糸巻軸32への装着完了後、小径ボビンモードと同様に、使用者の操作によって、検知レバー41を、回動方向他方側へ回動させて、非押圧位置に配置させる。これにより、レバーコンタクト43のコンタクト部43Bが、大径ボビン19の内部に配置されると共に、大径ボビン19の芯部19Aの径方向外側に離間して配置される。また、検知レバー41の非押圧位置では、検知レバー41の第1レバーアーム41Aの検知スイッチ44に対する押圧が解除される。
この状態で、使用者が操作ボタン16を操作することで、制御部70によって糸巻モータ31が駆動して、大径ボビン19に対する下糸の巻き付けが開始する。大径ボビン19の芯部19Aに下糸が巻かれると、上述と同様に、下糸の巻径の増加に従い、下糸がレバーコンタクト43を押圧して、検知レバー41が、切替バネ54の付勢力に抗して、非押圧位置から回動方向一方側へ回動する。
そして、大径ボビンモードでは、切替レバー51が切替位置に配置されているため、検知レバー41の中間位置が、小径ボビンモードよりも回動方向一方側に変更されている。すなわち、検知レバー41の中間位置に対応するレバーコンタクト43の位置が、小径ボビンモードよりも芯部19Aの径方向外側に変更されている。そして、下糸の巻径が、大径ボビン19の外径よりも僅かに小さい径になると、検知レバー41が中間位置に到達する。検知レバー41の中間位置では、切替バネ54の付勢力の方向が反転して、切替バネ54が検知レバー41を回転方向一方側へ付勢する。これにより、切替バネ54の付勢力によって、検知レバー41が、中間位置から押圧位置へ回動して、検知スイッチ44を押圧する。その結果、制御部70が糸巻モータ31の駆動を停止して、大径ボビン19に対する下糸の巻き付けが完了する。
ここで、上述のように、下糸巻装置20の大径ボビンモードでは、切替レバー51が切替位置に配置される。また、連動レバー55が切替レバー51の回動に連動して阻止位置に回動され、連動レバー55の阻止部55Bが、ホルダストッパ36の下側に配置されて、上昇位置における糸切ホルダ35の下降がホルダストッパ36によって阻止される。このため、仮に、大径ボビンモードにおいて小径ボビン18を糸巻軸32に装着したときには、小径ボビン18が正規の装着位置よりも上側に配置され(図11参照)、小径ボビン18の正規の装着位置への装着が禁止される。これにより、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、小径ボビン18の芯部18Aの上端部に係合しなくなり、係合フック33A及び糸切ホルダ35が小径ボビン18を上下方向に挟み込まなくなる。よって、この状態で、糸巻モータ31によって糸巻軸32を回動させたときには、小径ボビン18が糸巻軸32に対して空転して、小径ボビン18に対する下糸の巻き付けが行われない。その結果、仮に、大径ボビンモードにおいて小径ボビン18を糸巻軸32に装着しても、下糸が小径ボビン18に巻かれることを防止できる。以上により、下糸巻装置20によれば、小径ボビン18及び大径ボビン19に対する下糸の巻不良を抑制することができる。
なお、下糸巻装置20の小径ボビンモードでは、糸切ホルダ35の上昇位置から下降位置への下降が許可された状態になっている。すなわち、小径ボビンモードにおいて、大径ボビン19を糸巻軸32に装着しても、糸切ホルダ35が上昇位置に維持される。換言すると、小径ボビンモードにおいて、大径ボビン19を糸巻軸32に装着することができる。そして、小径ボビンモードにおいて大径ボビン19を糸巻軸32に装着して、下糸を大径ボビン19に巻いた場合には、巻かれた下糸の巻径が、大径ボビンモード時よりも小さくなる。つまり、大径ボビンモード時よりも小さい巻径で、下糸が大径ボビン19に巻かれることになる。このため、仮に、下糸巻装置20の小径ボビンモードにおいて、大径ボビン19に下糸を巻いても、下糸が大径ボビン19に過剰に巻かれることを抑制できる。
また、切替レバー51には、切替レバー51の回動に連動してスライドするスライド部材61が連結されており、スライド部材61には、調整プレート62が固定されている。そして、切替レバー51が初期位置から切替位置へ回動し、非押圧位置における検知レバー41のレバー突起41Eが調整プレート62の調整部62Bに当接することで、検知レバー41の非押圧位置が回動方向一方側へ変更される。すなわち、下糸巻装置20の大径ボビンモードでは、検知レバー41の非押圧位置が下糸巻装置20の小径ボビンモードよりも検知レバー41の回動方向一方側に変更される。これにより、大径ボビン19に下糸を良好に巻くことができる。
すなわち、下糸を大径ボビン19に巻くときには、芯部19Aに巻かれた下糸がレバーコンタクト43を押圧して、切替バネ54の付勢力に抗して検知レバー41を回動方向一方側へ回動させる。このとき、下糸とレバーコンタクト43との間に接触抵抗が発生する。また、大径ボビン19に巻かれる下糸の巻径が、小径ボビン18に巻かれる下糸の巻径よりも大きく設定されている。換言すると、大径ボビンモード時における検知レバー41の中間位置に対応するレバーコンタクト43の位置が、小径ボビンモード時における検知レバー41の中間位置に対応するレバーコンタクト43の位置よりも、糸巻軸32の径方向外側に設定されている。
ここで、仮に、下糸巻装置20において、位置調整機構部60を省略した場合には、大径ボビンモードの検知レバー41の非押圧位置が、小径ボビンモードの検知レバー41の非押圧位置と同じ位置となる。すなわち、大径ボビンモードにおけるレバーコンタクト43の位置が、大径ボビン19に接近した位置になる(図9の2点鎖線にて示されるレバーコンタクト43を参照)。このため、下糸とレバーコンタクト43との接触期間(下糸のレバーコンタクト43への当接開始時点から、レバーコンタクト43が検知レバー41の中間位置に対応する位置に到達し且つ下糸とレバーコンタクト43との接触状態が解除されるまでの期間)が、本実施形態と比べて長くなる。そして、糸巻モータ31のトルクは比較的低く設定されている。このため、仮に、下糸巻装置20において、位置調整機構部60を省略した場合には、下糸とレバーコンタクト43との間の接触抵抗によって、糸巻モータ31の回転が阻害されて、大径ボビン19に下糸を良好に巻くことができなくなる可能性がある。
これに対して、第1実施形態の下糸巻装置20では、大径ボビンモードにおいて、非押圧位置における検知レバー41のレバー突起41Eが調整プレート62の調整部62Bに当接することで、検知レバー41の非押圧位置が回動方向一方側へ変更される。これにより、位置調整機構部60を省略した場合と比べて、下糸とレバーコンタクト43との接触期間を短くすることができる。したがって、下糸とレバーコンタクト43との間の接触抵抗による糸巻モータ31の回転不良を抑制できると共に、大径ボビン19に下糸を良好に巻くことができる。
また、位置調整機構部60では、調整プレート62の左端部が、連結ピン61Bに回動可能に支持されている。さらに、レバーストッパ52の右端部には、ネジSC4が挿通される固定孔62Aが貫通形成されており、固定孔62Aは、調整プレート62の回動方向を長手方向とする長孔状に形成されている。これにより、調整プレート62の位置を適宜変更して、大径ボビンモードにおける検知レバー41の非押圧位置を微調整することができる。
また、切替機構部50では、レバーストッパ52の固定孔52Aがレバーストッパ52の回動方向を長手方向とする長孔状に形成されている。このため、レバーストッパ52の固定位置を変更して、切替レバー51の切替位置を微調整することができる。すなわち、大径ボビンモードにおける、検知レバー41の中間位置を微調整して、大径ボビン19に対する下糸の巻径を適正な巻径に設定することができる。
また、切替機構部50では、切替レバー51の切替ギヤ部51Dと、連動レバー55の連動ギヤ部55Aとが噛合されて、連動レバー55が切替レバー51の回動に連動して回動する。そして、大径ボビンモードにおいて、連動レバー55の阻止部55Bが、ホルダストッパ36の下側に配置されて、ホルダストッパ36と当接可能に構成されている。すなわち、大径ボビンモードにおいて、連動レバー55の阻止部55Bが、糸切ホルダ35に間接的に当接して、糸切ホルダ35の下降位置への下降を阻止するように構成されている。これにより、大径ボビンモードにおける小径ボビン18の正規位置への装着を、簡易な構成で阻止することができる。
また、大径ボビンモードにおいて、ホルダストッパ36が阻止部55Bに当接したときには、ホルダストッパ36の回動が制限される。そして、ホルダストッパ36は、糸切ホルダ35と一体回転可能に構成され、糸切ホルダ35は、糸巻軸32と一体回転可能に構成されている。これにより、ホルダストッパ36が阻止部55Bに当接したときには、糸巻軸32の回転を阻止することができる。したがって、大径ボビンモードにおいて、誤装着された小径ボビン18に、下糸が巻かれることを防止できる。
なお、第1実施形態では、大径ボビンモードにおいて、連動レバー55の阻止部55Bが、糸切ホルダ35に間接的に当接可能に構成されているが、連動レバー55の阻止部55Bを糸切ホルダ35に直接的に当接可能に構成してもよい。
また、第1実施形態において、糸切ホルダ35の上昇位置を、図6(B)に示される位置よりも若干上側に変更してもよい。これにより、大径ボビン19の糸巻軸32への装着時には、ホルダ付勢バネ37の付勢力に抗して大径ボビン19を下側へ押し込んで、糸切ホルダ35を変更前の上昇位置まで下降させる。したがって、例えば、寸法公差等による大径ボビン19の軸方向の寸法ばらつきを、ホルダ付勢バネ37によって吸収して、大径ボビン19を糸巻軸32に装着させることができる。
(切替機構部50の変形例について)
次に、図12及び図13を用いて、第1実施形態における切替機構部50の変形例について説明する。これらの図に示されるように、切替機構部50の変形例では、下糸巻装置20の大径ボビンモードにおいて、連動レバー55の阻止部55Bが、ホルダストッパ36の下側に離間して配置されている。より詳しくは、糸切ホルダ35が下降位置に配置された状態でも、上下方向において、阻止位置における連動レバー55の阻止部55Bとホルダストッパ36の下面との間に隙間が形成される設定になっている(図13参照)。すなわち、切替機構部50の変形例では、下糸巻装置20の大径ボビンモードにおいても、糸切ホルダ35の上昇位置から下降位置への下降を許可する構成になっている。
また、切替機構部50の変形例が適用される下糸巻装置20では、ホルダストッパ36の下面に、突起部36B(広義には、「被当接部」として把握される要素である)が形成されており、突起部36Bは上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。そして、大径ボビンモードにおいて糸切ホルダ35が下降位置に配置された状態では、突起部36Bが、上下方向及び糸巻軸32の径方向において阻止部55Bと重なる位置に配置される。これにより、下糸巻装置20の大径ボビンモードで且つ糸切ホルダ35の下降位置において、ホルダストッパ36が糸巻軸32と共に回転すると、突起部36Bが阻止部55Bに当接して、糸巻軸32及びホルダストッパ36の回転が阻止される。
そして、下糸巻装置20の小径ボビンモードにおいて小径ボビン18を糸巻軸32に装着したときには、第1実施形態と同様に、糸切ホルダ35及びホルダストッパ36が下降位置に配置されるが、連動レバー55は許可位置に配置されている。具体的には、連動レバー55の阻止部55Bが、ホルダストッパ36の突起部36Bに対して糸巻軸32の径方向外側に配置されている。このため、糸巻軸32が回動しても、突起部36Bが連動レバー55の阻止部55Bに当接しない。これにより、下糸巻装置20によって、小径ボビン18に対する下糸の巻き付けを適正に行うことができる。
また、下糸巻装置20の大径ボビンモードにおいて大径ボビン19を糸巻軸32に装着したときには、第1実施形態と同様に、糸切ホルダ35及びホルダストッパ36の上昇位置の配置状態が維持される。また、大径ボビンモードでは、連動レバー55が阻止位置に配置されるが、側面視でホルダストッパ36の突起部36Bが連動レバー55の阻止部55Bよりも上側に配置されている。このため、糸巻軸32が回動しても、突起部36Bが連動レバー55の阻止部55Bに当接しない。さらに、大径ボビンモードでは、切替レバー51が切替位置に配置されている。このため、下糸巻装置20によって、大径ボビン19に対する下糸の巻き付けを適正に行うことができる。
一方、下糸巻装置20の大径ボビンモードにおいて小径ボビン18を糸巻軸32に仮に装着したときには、小径ボビン18によって、糸切ホルダ35が、下側へ押圧されて、下降位置に下降する。このため、大径ボビンモードにおいても小径ボビン18が正規の装着位置に装着される。しかしながら、この状態では、上述のように、阻止位置に配置された連動レバー55の阻止部55Bが、上下方向及び糸巻軸32の径方向において突起部36Bと重なる位置に配置される。このため、糸巻軸32が回動すると、突起部36Bが阻止部55Bに当接して、阻止部55Bによって糸巻軸32の回動が阻止される。その結果、仮に、大径ボビンモードにおいて小径ボビン18を糸巻軸32に装着しても、下糸が小径ボビン18に巻かれることを防止できる。以上により、切替機構部50の変形例においても、第1実施形態と同様に、小径ボビン18及び大径ボビン19に対する下糸の巻不良を抑制することができる。
なお、切替機構部50の変形例では、大径ボビンモードにおいて、連動レバー55の阻止部55Bが、糸切ホルダ35に間接的に当接して、糸巻軸32の回動を阻止するように構成されているが、連動レバー55の阻止部55Bを糸切ホルダ35に直接的に当接させて、糸巻軸32の回動を阻止するように構成してもよい。
(第2実施形態)
次に、図14~図21を用いて第2実施形態の下糸巻装置100について説明する。下糸巻装置100では、以下に示す点を除いて、第1実施形態の下糸巻装置20と同様に構成されている。なお、図14~図21では、下糸巻装置20と同様に構成されている部材には、同一の符号を付している。
すなわち、図16に示されるように、第2実施形態の下糸巻装置100では、糸巻機構部30において、ホルダストッパ36及びホルダ付勢バネ37が省略されている。また、糸巻機構部30では、三角カム34が糸巻軸32の軸方向に相対移動可能に構成されている。そして、糸切ホルダ35における取付部35Aのフック部35Bによって、糸切ホルダ35が、三角カム34の取付筒部34Aの上端部に、一体回転可能に且つ糸巻軸32の軸方向に一体移動可能に連結されている。糸切ホルダ35は、後述する切替機構部50の切替カム56によって、下降位置(図20(A)及び(B)に示される位置)又は上昇位置(図21(A)及び(B)に示される位置)に配置される構成になっている。そして、第1実施形態と同様に、下降位置において、小径ボビン18が糸巻軸32に装着され(図20(A)参照)、上昇位置において、大径ボビン19が糸巻軸32に装着される構成になっている(図21(A)参照)。つまり、第2実施形態では、切替機構部50によって糸切ホルダ35の位置が切替る構成になっている。
また、取付筒部34Aの上下方向中間部の外周部には、後述する切替カム56と係合する連結溝34Bが形成されている。連結溝34Bは、取付筒部34Aの径方向外側へ開放されると共に、取付筒部34Aの周方向全周に亘って形成されている。
図14、図17~図19に示されるように、第2実施形態における切替機構部50の切替レバー51は、平面視で、前方へ凸となる扇形状に形成されている。切替レバー51では、突出部51A、連結孔51B、及び切替ギヤ部51Dが省略されており、切替レバー51での先端部に、連結壁部51Kが形成されている。連結壁部51Kは、切替レバー51の先端部から上側へ突出されると共に、平面視で切替レバー51の回動方向に沿って円弧状に湾曲されている。連結壁部51Kには、カム溝51Lが貫通形成されている。カム溝51Lは、切替レバー51の径方向外側から見て、切替レバー51の回動方向一方側(図14の矢印C方向側)へ向かうに従い上側へ傾斜している。すなわち、カム溝51Lの一端部が、他端部に対して上側に配置されている。
レバーストッパ52は、第2軸24を中心とする略扇形板状に形成されており、第2軸24に回動可能に支持されると共に、第2軸24から後側へ延出されている。レバーストッパ52の外周部には、左側へ突出したストッパ部52Bが形成されており、ストッパ部52Bが、ベースプレート22の規制孔22Bの他端部を閉塞している(図14参照)。そして、第1実施形態と同様に、切替レバー51の初期位置では、切替レバー51の規制ピン51C(図14参照)が、規制孔22Bの一端部に当接し、切替レバー51の切替位置では、切替レバー51の規制ピン51Cが、レバーストッパ52のストッパ部52Bに当接するようになっている。
また、図14、図15、及び図17~図21に示されるように、切替機構部50は、連動レバー55の代わりに「調整部材」としての切替カム56を有している。切替カム56は、前後方向を厚み方向とし且つ左右方向を長手方向とする略長尺ブロック状に形成されている。切替カム56は、切替レバー51の前側に配置されており、切替カム56の長手方向中間部が、前後方向を軸方向とする第3軸25に回動可能に支持されている。第3軸25は、軸ホルダ27に設けられており、軸ホルダ27は、ベースプレート22に締結固定されている。
切替カム56は、カム連結部材57を有しており、カム連結部材57によって切替レバー51と連結されている。カム連結部材57は、連結プレート58及びカムピン59を含んで構成されている。連結プレート58は、前後方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。連結プレート58の左端部には、ネジ部58Aが形成されており、連結プレート58の右端部には、円形状の挿通孔58Bが貫通形成されている。そして、連結プレート58が切替カム56の左端部の後側に隣接して配置され、切替カム56に形成された支持ピン56C(図18参照)が挿通孔58B内に挿通されている。この支持ピン56Cは、前後方向を軸方向として切替カム56から後側へ突出している。これにより、連結プレート58の右端部が、切替カム56に前後方向を軸方向として回動可能に支持されている。また、切替カム56の左端部には、固定孔56A(図17参照)が貫通形成されており、固定孔56Aは、切替カム56の回動方向を長手方向とする長孔状に形成されている。そして、ネジSC5が、固定孔56A内に挿入され、連結プレート58のネジ部58Aに螺合されて、連結プレート58が切替カム56に連結されている。
カムピン59は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成され、連結プレート58の左右方向中間部から後側へ延出している。そして、カムピン59の後端部が、切替レバー51のカム溝51L内に相対移動可能に挿入されている。これにより、切替レバー51の回動に連動して、切替カム56が、第3軸25の軸回りに回動するように構成されている。具体的には、切替レバー51の初期位置では、カムピン59が、カム溝51Lの一端側部分に配置され(図18(A)参照)、切替レバー51の切替位置では、カムピン59が、カム溝51Lの他端側部分に配置されるようになっている(図18(B)参照)。
また、切替カム56の右端部には、「連結部」としてのカム連結部56Bが形成されており、カム連結部56Bは、右側へ開放された略C字形状に形成されている。そして、カム連結部56Bの縁部が、三角カム34の連結溝34B内に挿入されて、カム連結部56Bの縁部と三角カム34の連結溝34Bとが上下方向に係合可能に構成されている。また、三角カム34の回動を許容するように、カム連結部56Bの縁部が連結溝34Bに挿入されている。これにより、切替カム56が回動することで、三角カム34(すなわち、糸切ホルダ35)が上下方向に変位するように構成されている。具体的には、切替レバー51の初期位置では、糸切ホルダ35が下降位置に配置され、切替レバー51の切替位置では、糸切ホルダ35が上昇位置に配置されるようになっている。
また、第2実施形態の下糸巻装置100では、位置調整機構部60が省略されている。
そして、第2の実施の形態では、図19(A)及び図20(A)に示されるように、下糸巻装置100の小径ボビンモードにおいて、切替カム56によって、糸切ホルダ35が下降位置に配置される。これにより、糸巻軸32に小径ボビン18を装着して、下糸巻装置100を作動させることで、小径ボビン18に下糸を巻くことができる。また、図20(B)に示されるように、下糸巻装置100の小径ボビンモードでは、糸切ホルダ35が下降位置に配置されているため、大径ボビン19を糸巻軸32に装着すると、大径ボビン19が正規の装着位置よりも下側に配置される。このため、仮に、下糸巻装置100の小径ボビンモードにおいて、大径ボビン19を装着した場合には、大径ボビン19の芯部19Aとボビンストッパ33の係合フック33Aとが係合しない。これにより、糸巻モータ31が駆動しても、大径ボビン19が空転して、大径ボビン19に対して下糸が巻かれない。
一方、図19(B)及び図21(A)に示されるように、下糸巻装置100の大径ボビンモードでは、切替カム56によって、糸切ホルダ35が下降位置から上昇位置に移動して、上昇位置に配置される。また、このときには、糸切ホルダ35が切替カム56によって保持されるため、切替カム56によって糸切ホルダ35の上昇位置から下降位置への下降が阻止される。これにより、糸巻軸32に大径ボビン19を装着して、下糸巻装置100を作動させることで、大径ボビン19に下糸を巻くことができる。また、図21(B)に示されるように、下糸巻装置100の大径ボビンモードでは、切替カム56によって、糸切ホルダ35が、上昇位置に配置され、保持される。このため、小径ボビン18を糸巻軸32に装着すると、小径ボビン18が、正規の装着位置よりも上側に配置されて、小径ボビン18の正規の装着位置への装着が禁止される。このため、第1実施形態と同様に、仮に、下糸巻装置100の大径ボビンモードにおいて、小径ボビン18を装着した場合には、ボビンストッパ33の係合フック33Aが、小径ボビン18の芯部18Aよりも上側へ抜け出ず、係合フック33A及び糸切ホルダ35が、小径ボビン18を上下に挟み込まなくなる。これにより、この状態で糸巻モータ31が駆動しても、小径ボビン18が空転して、小径ボビン18に対して下糸が巻かれない。
以上により、第2の実施の形態においても、小径ボビン18及び大径ボビン19に対する下糸の巻不良を抑制することができる。
また、第2の実施の形態では、上述のように、下糸巻装置100の小径ボビンモードにおいて、切替カム56によって糸切ホルダ35が下降位置に配置され、大径ボビンモードにおいて、切替カム56によって糸切ホルダ35が上昇位置に配置される。このため、小径ボビンモードにおいて大径ボビン19が誤装着された場合及び大径ボビンモードにおいて小径ボビン18が誤装着された場合には、小径ボビン18及び大径ボビン19が空転して、小径ボビン18及び大径ボビン19に対する下糸の巻付けが行われない。したがって、小径ボビン18及び大径ボビン19に対する下糸の巻不良を効果的に抑制することができる。
なお、第2実施形態では、位置調整機構部60が省略されているが、第1実施形態と同様に位置調整機構部60を設けても良い。また、第1実施形態(変形例を含む)において、第2実施形態と同様に位置調整機構部60を省略してもよい。
また、第1実施形態(変形例を含む)及び第2実施形態では、検知レバー41、レバー操作部42,及びレバーコンタクト43が別部材により構成されているが、検知レバー41、レバー操作部42,及びレバーコンタクト43を一部材で構成してもよい。
10 ミシン
12 ミシン本体
12A 脚柱部
12B アーム部
12C ベッド部
13 カバー
14 糸立て棒
15 糸巻案内部
16 操作ボタン
18 小径ボビン(ボビン)
18A 芯部
18B フランジ部
19 大径ボビン(ボビン)
19A 芯部
19B フランジ部
20 下糸巻装置
22 ベースプレート
22A 規制孔
22B 規制孔
23 第1軸
24 第2軸
25 第3軸
26 支持ピン
27 軸ホルダ
30 糸巻機構部
31 糸巻モータ
31A 出力軸
32 糸巻軸
32A スリット
33 ボビンストッパ(係合部材)
33A 係合フック(係合部)
34 三角カム
34A 取付筒部
34B 連結溝
35 糸切ホルダ(ホルダ)
35A 取付部
35B フック部
35C 糸切スリット
36 ホルダストッパ
36A 挿通孔
36B 突起部
37 ホルダ付勢バネ
40 糸巻検出機構部
41 検知レバー(回動体)
41A 第1レバーアーム
41B 第2レバーアーム
41C 規制ピン
41D 嵌合孔
41E レバー突起
41F 係止孔
42 レバー操作部
43 レバーコンタクト(当接部)
43A 固定孔
43B コンタクト部
44 検知スイッチ(スイッチ)
50 切替機構部
51 切替レバー(切替部材)
51A 突出部
51B 連結孔
51C 規制ピン
51D 切替ギヤ部(第1ギヤ部)
51E 第1係止部
51F 第1係止孔
51G 第2係止部
51H 第2係止孔
51J 取手部
51K 連結壁部
51L カム溝
52 レバーストッパ
52A 固定孔
52B ストッパ部
53 レバー付勢バネ
54 切替バネ(付勢部材)
55 連動レバー(調整部材)
55A 連動ギヤ部(第2ギヤ部)
55B 阻止部
56 切替カム
56A 固定孔
56B カム連結部(連結部)
57 カム連結部材
58 連結プレート
58A ネジ部
58B 挿通孔
59 カムピン
60 位置調整機構部
61 スライド部材(位置変更部材)
61A スライド孔
61B 連結ピン
62 調整プレート(位置変更部材)
62A 固定孔
62B 調整部
70 制御部
100 下糸巻装置
SC1 ネジ
SC2 ネジ
SC3 ネジ
SC4 ネジ
SC5 ネジ

Claims (8)

  1. 小径ボビン又は前記小径ボビンよりも大径で且つ軸長の短い大径ボビンが装着される糸巻軸と、
    前記糸巻軸に設けられ、前記糸巻軸に装着された前記小径ボビン又は前記大径ボビンと係合可能に構成された係合部を有する係合部材と、
    前記糸巻軸に一体回転可能に且つ前記糸巻軸の軸方向に移動可能に設けられ、第1位置において前記係合部と共に前記大径ボビンを前記糸巻軸の軸方向に挟み込み、前記第1位置に対して前記糸巻軸の基端側の第2位置において前記係合部と共に前記小径ボビンを前記糸巻軸の軸方向に挟み込むホルダと、
    前記糸巻軸に装着された前記小径ボビン又は前記大径ボビンへの下糸の巻き付け完了を検知するスイッチと、
    前記糸巻軸と平行な軸回りに回動可能に構成され、前記スイッチから離間した非押圧位置から回動方向一方側の中間位置を経由し押圧位置へ回動することで前記スイッチを押圧する回動体と、
    前記回動体に設けられ、前記下糸に当接可能に構成されると共に、前記非押圧位置において前記小径ボビン又は前記大径ボビンの芯部の径方向外側に配置され、前記小径ボビン又は前記大径ボビンに巻き付けられる下糸によって押圧されることで前記回動体を回動方向一方側へ回動させる当接部と、
    前記非押圧位置において回動方向他方側に且つ前記押圧位置において回動方向一方側に前記回動体を付勢すると共に、前記中間位置において前記回動体に対する付勢方向が切替えられる付勢部材と、
    前記糸巻軸と平行な軸回りに回動可能に構成され、前記付勢部材に連結されると共に、初期位置から切替位置へ回動することで前記中間位置を前記回動体の回動方向一方側に変更して前記小径ボビン又は前記大径ボビンに対する下糸の巻付モードを小径ボビンモードから大径ボビンモードへ切替える切替部材と、
    前記切替部材の回動に連動して作動する調整部材と、
    を備え、
    前記小径ボビンモードでは、前記小径ボビンが前記糸巻軸に対して正規の装着位置に装着されることが許可されており、
    前記大径ボビンモードでは、前記調整部材によって、前記第1位置に配置された前記ホルダの前記第2位置への移動を阻止し若しくは前記第2位置のホルダを前記第1位置に移動させて前記小径ボビンが前記糸巻軸に対して正規の装着位置に装着されることを禁止し、又は前記第2位置の前記ホルダの回転を阻止する下糸巻装置。
  2. 前記切替部材の回動に連動して移動可能に且つ前記非押圧位置の前記回動体と当接可能に構成された位置変更部材を備え、
    前記大径ボビンモードにおいて、前記回動体が前記位置変更部材に当接することで、前記非押圧位置が前記回動体の回動方向一方側へ変更される請求項1に記載の下糸巻装置。
  3. 前記小径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダから離間した許可位置に配置されており、
    前記大径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダに接近した阻止位置に移動して、前記第2位置の前記ホルダが前記調整部材に直接的又は間接的に当接することで前記ホルダの回転が阻止される請求項1又は請求項2に記載の下糸巻装置。
  4. 前記小径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダから離間した許可位置に配置されており、
    前記大径ボビンモードでは、前記調整部材が前記ホルダに対して前記糸巻軸の基端側の阻止位置に移動して、前記ホルダが前記調整部材に直接的又は間接的に当接することで前記ホルダの前記第1位置から前記第2位置への移動が阻止される請求項1又請求項2に記載の下糸巻装置。
  5. 前記切替部材には、第1ギヤ部が形成され、
    前記調整部材は、前記糸巻軸と平行な軸回りに回動可能に構成されると共に、前記第1ギヤ部に噛合された第2ギヤ部と、前記ホルダに直接的又は間接的に当接可能に構成された阻止部と、を含んで構成されている請求項3又は請求項4に記載の下糸巻装置。
  6. 前記調整部材は、前記切替部材及び前記ホルダを連結すると共に、作動することで前記ホルダの位置を前記第1位置又は前記第2位置に切替可能に構成されており、
    前記小径ボビンモードでは、前記ホルダが前記第2位置に配置され、前記大径ボビンモードでは、前記調整部材によって前記ホルダが前記第1位置へ移動する請求項1に記載の下糸巻装置。
  7. 前記切替部材には、カム溝が形成され、
    前記調整部材は、前記糸巻軸と交差する軸回りに回動可能に構成されると共に、前記カム溝に係合されたカムピンと、前記ホルダに連結された連結部と、を含んで構成された請求項6に記載の下糸巻装置。
  8. 請求項1~請求項7の何れか1項に記載の下糸巻装置を備えたミシン。
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