JP2022008021A - 画像形成装置 - Google Patents

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Masataka Kamiya
豊 垣ヶ原
Yutaka Kakigahara
諭是 村田
Satoshi Murata
雅光 ▲高▼橋
Masamitsu Takahashi
修平 野原
Shuhei Nohara
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【課題】筐体と圧力センサとの間の気体を排出できる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1は、感光ドラム4と、現像装置7と、転写装置8と、噴霧装置9とを備える。噴霧装置9は、定着液を、トナーが転写されたシートSに噴霧する。噴霧装置9は、圧力センサ11と、流路部12と、バルブ13とを有する。流路部12は、筐体91に接続される。筐体91と圧力センサ11との間の流路部12には、気体が、在る。バルブ13は、筐体91と圧力センサ11との間に在る気体の出入りを可能にする。圧力センサ11は、流路部12を介して筐体91内の圧力を検知する。【選択図】図2

Description

本開示は、画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置は、感光ドラムと、現像装置と、転写装置と、噴霧装置と、圧力センサとを備える。噴霧装置は、トナーをシートに定着させるための定着液を、トナーが転写されたシートに噴霧する。噴霧装置は、筐体と、ノズルとを備える。筐体は、定着液を収容可能である。ノズルは、筐体内の定着液を噴霧する。圧力センサは、筐体内の圧力を検知する(下記特許文献1参照)。
特開2017-167256号公報
特許文献1に記載の画像形成装置において、筐体と圧力センサとの間の気体を排出したい場合がある。
本開示の目的は、筐体と圧力センサとの間の気体を排出できる画像形成装置を提供することにある。
(1)本開示の画像形成装置は、感光ドラムと、現像装置と、転写装置と、噴霧装置とを備える。現像装置は、感光ドラム上にトナーを供給する。転写装置は、感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する。噴霧装置は、定着液を、トナーが転写されたシートに噴霧する。定着液は、トナーをシートに定着させる。
噴霧装置は、筐体と、ノズルと、圧力センサと、流路部と、バルブとを有する。筐体は、定着液を収容可能である。ノズルは、筐体内の定着液を噴霧する。圧力センサは、筐体内の圧力を検知する。流路部は、筐体に接続される。筐体と圧力センサとの間の流路部には、気体が、在る。バルブは、筐体と圧力センサとの間に在る気体の出入りを可能にする。
圧力センサは、流路部を介して筐体内の圧力を検知する。
このような構成によれば、噴霧装置に流路部を備えることによって、筐体に接続された流路部を介して筐体内の圧力を圧力センサで検知することができる。
また、筐体内の圧力を圧力センサで検知しないタイミングで、バルブを開けることにより、筐体と圧力センサとの間の流路部から気体を排出できる。
(2)画像形成装置は、供給装置と、制御装置とをさらに備えてもよい。供給装置は、筐体に定着液を供給する。供給装置は、供給タンクと、供給ポンプとを有する。供給タンクは、筐体に供給される定着液を収容する。供給ポンプは、供給タンクから筐体に定着液を送る。制御装置は、噴霧装置に定着液を噴霧させる場合、バルブを閉じた状態で、供給ポンプを駆動させてもよい。
このような構成によれば、制御装置が噴霧装置に定着液を噴霧させる場合に、圧力センサは、筐体内の圧力を検知できる。
(3)制御装置は、噴霧装置に定着液を噴霧させずに、筐体に定着液を供給する場合、バルブを閉じた状態で、供給ポンプを駆動させてもよい。
(4)制御装置は、圧力センサが検知した圧力が第1閾値以上、第2閾値以下である場合、供給ポンプを第1駆動量で駆動させてもよい。第2閾値は、第1閾値よりも高い。制御装置は、圧力センサが検知した圧力が第1閾値よりも低い場合、供給ポンプを第2駆動量で駆動させる。第2駆動量は、第1駆動量よりも大きい。制御装置は、圧力センサが検知した圧力が第2閾値よりも高い場合、供給ポンプを第3駆動量で駆動させる。第3駆動量は、第1駆動量よりも小さい。
このような構成によれば、制御装置は、圧力センサが検知した圧力が第1閾値よりも低い場合、供給ポンプを、第1駆動量よりも大きな第2駆動量で駆動させる。
これにより、筐体内の圧力が第1閾値よりも低い場合には、供給ポンプから筐体へ供給される定着液の量を増やして、筐体内の圧力を第1閾値に向かって上げることができる。
また、制御装置は、圧力センサが検知した圧力が第2閾値よりも高い場合、供給ポンプを、第1駆動量よりも小さな第3駆動量で駆動させる。
これにより、筐体内の圧力が第2閾値よりも高い場合には、供給ポンプから筐体へ供給される定着液の量を減らして、筐体内の圧力を第2閾値に向かって下げることができる。
その結果、筐体内の圧力を第1閾値以上、第2閾値以下になるように調節して、筐体内の圧力の変動を抑制できる。
(5)制御装置は、供給ポンプを第2駆動量または第3駆動量で駆動させている状態で、圧力センサが検知した圧力が第1閾値以上、第2閾値以下になった場合、供給ポンプを第1駆動量で駆動させてもよい。
このような構成によれば、筐体内の圧力が第1閾値以上、第2閾値以下になった場合に、供給ポンプの駆動量を第1駆動量に戻すことができる。
(6)制御装置は、第1圧力値取得処理と、噴霧処理とを実行してもよい。第1圧力値取得処理において、制御装置は、供給ポンプの駆動を停止させ、バルブを開にさせた状態で、圧力センサが検知する第1圧力値を取得する。噴霧処理において、制御装置は、バルブを閉にさせた状態で、圧力センサが検知する第2圧力値を取得し、当該第2圧力値を第1圧力値で補正した補正圧力値が所要値となるように供給ポンプを駆動させ、ノズルから定着液を噴霧させる。
このような構成によれば、第1圧力値を取得することによって、圧力センサの個体差による圧力値の温度の影響による変化をキャンセルし、噴霧量を的確に制御することができる。
(7)噴霧装置は、温度センサを更に有してもよい。制御装置は、画像形成装置起動時に、または、噴霧処理の実行前に、温度センサが検知した温度が、直近の第1圧力値取得処理の時点から所定幅未満の変化であった場合、第1圧力値取得処理を実行せず、温度センサが検知した温度が、直近の第1圧力値取得処理の時点から所定幅以上の変化であった場合、第1圧力値取得処理を実行する。
このような構成によれば、温度が変化することによる第1圧力値の変化を検知でき、噴霧量をより正確に制御することができる。
(8)制御装置は、噴霧処理によってシートへ定着液を噴霧している際に、温度センサが検知した温度が、直近の第1圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを判断すると、噴霧処理の終了後、第1圧力値取得処理を実行してもよい。
このような構成によれば、印刷中において、シートへの印刷の処理に影響を与えることが無く、温度が変化することによる第1圧力値の変化を検知でき、噴霧量をより正確に制御することができる。
(9)制御装置は、画像形成装置起動時に、または、噴霧処理を実行するに当たり、直近の第1圧力値取得処理から所定時間以上経過すると、第1圧力値取得処理を実行してもよい。
このような構成によれば、第1圧力値の経時的な変化の影響を回避することができ、噴霧量をより正確に制御することができる。
(10)制御装置は、噴霧処理によってシートへ定着液を噴霧している際に、直近の第1圧力値取得処理から所定時間以上経過すると、噴霧処理の終了後、第1圧力値取得処理を実行してもよい。
このような構成によれば、印刷中において、シートへの印刷の処理に影響を与えることが無く、第1圧力値の経時的な変化の影響を回避することができ、噴霧量をより正確に制御することができる。
(11)噴霧装置は、第2バルブをさらに有してもよい。流路部は、接続される第1空間部と第2空間部とによって構成されてもよい。第1空間部は、筐体に接続される。第2空間部は、圧力センサに接続される。第2バルブは、第1空間部と第2空間部とを開閉可能に配置される。バルブは、第2空間部の気体の出入りを開閉可能に配置される。
このような構成によれば、第2バルブを設けることにより、印刷処理中であっても、圧力センサの個体差または筐体付近の温度の、少なくともいずれかの影響による圧力の検知精度を高めることができる。そのため、定着液の噴霧量が的確に制御できる。
(12)制御装置は、第1圧力値取得処理と、噴霧処理とを実行してもよい。第1圧力値取得処理において、制御装置は、第2バルブを閉にさせた状態で、かつ、バルブを開にさせた状態で、圧力センサが検知する第1圧力値を取得する。噴霧処理において、制御装置は、第2バルブを開にさせた状態で、かつ、バルブを閉にさせた状態で、圧力センサが検知する第2圧力値を取得し、当該第2圧力値を第1圧力値で補正した補正圧力値が所定値となるように、供給ポンプを制御して、ノズルから定着液を噴霧させる。
このような構成によれば、第1圧力値を取得するとき、第2バルブを閉にさせた状態とするため、第1バルブを開にさせた状態としても、筐体が流路部を通じて外部に開放される可能性を低減できる。そのため、筐体内の定着液が外部に漏れ出す可能性を低減できる。また、印刷処理中に筐体内に印加される圧力が低下することにより、噴霧量が低下する可能性を低減できる。
(13)制御装置は、噴霧処理を実行している間において、所定の条件を満たした場合、第2バルブを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行し、かつ、バルブを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行することにより、第1圧力値取得処理を実行してもよい。
このような構成によれば、噴霧処理中に所定の条件を満たした場合に、第1圧力値を取得し、当該第1圧力値に基づき補正した補正圧力値を用いて噴霧量を制御することができる。
(14)制御装置は、所定の条件を満たした場合、筐体への定着液の供給量を一定の値に固定してノズルから定着液を噴霧させる固定制御噴霧処理を実行し、固定制御噴霧処理を実行している間において、第1圧力値取得処理を実行することにより圧力センサが新たに検知した圧力値を、新たな第1圧力値として更新し、第1圧力値を更新した後、固定制御噴霧処理を停止する停止処理を実行し、停止処理を実行した後、噴霧処理を実行することにより、第2バルブを開にさせた状態で、かつ、バルブを閉にさせた状態で圧力センサが検知する第2圧力値を取得し、当該第2圧力値を、更新した第1圧力値で補正した補正圧力値が所定値となるように、供給ポンプを制御してもよい。
このような構成によれば、噴霧処理中に所定の条件を満たした場合に、固定制御噴霧処理を実行することにより、筐体への定着液の供給量を一定の値に固定してノズルから定着液を噴霧できる。そのため、第1圧力値の更新時においても噴霧処理を継続して実行できる。また、第1圧力値の更新後に固定制御噴霧処理を停止することにより、当該第1圧力値に基づき補正した補正圧力値を用いた定着液の噴霧制御を再開できる。
(15)画像形成装置は、温度センサを更に有してもよい。制御装置は、第2バルブを開にさせた状態で、かつ、バルブを開にさせた状態で、圧力センサが検知する第3圧力値を、第2圧力値を補正する第1圧力値として取得する第3圧力値取得処理を実行していた場合、噴霧処理によってシートへ定着液を噴霧している際に、温度センサが検知した温度が、直近の第3圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを検出すると、所定の条件を満たしたと判定し、第1圧力値取得処理を実行してもよい。
このような構成によれば、温度が変化することによる第3圧力値の変化を検出でき、噴霧量をより正確に制御することができる。
(16)制御装置は、第2バルブを開にさせた状態で、かつ、バルブを開にさせた状態で、圧力センサが検知する第3圧力値を、第2圧力値を補正する第1圧力値として取得する第3圧力値取得処理を実行していた場合、噴霧処理によってシートへ定着液を噴霧している際に、直近の第3圧力値取得処理から所定時間以上経過したことを検出すると、所定の条件を満たしたと判定し、第1圧力値取得処理を実行してもよい。
このような構成によれば、第3圧力値の経時的な変化の影響を回避することができ、噴霧量をより正確に制御することができる。
(17)筐体は、受入口と、排出口とを有してもよい。受入口は、供給タンクからの定着液を受け入れる。排出口は、筐体内の空気を排出する。噴霧装置は、排出バルブを備えてもよい。排出バルブは、排出口を開閉可能である。
(18)筐体は、受入口と排出口との間に位置する開口を有してもよい。流路部は、開口と接続されてもよい。
このような構成によれば、受入口と排出口との間における筐体内の圧力を、検知できる。
(19)筐体は、受入口から排出口に向かうにつれて上方へ傾斜する内面を有してもよい。
このような構成によれば、定着液が受入口から筐体内に入ったときに、筐体内の空気を、内面の傾斜によって、排出口に向かって流すことができる。
そのため、定着液が受入口から筐体内に入ったときに、筐体内の空気を、排出口から円滑に排出できる。
(20)制御装置は、噴霧装置に定着液を噴霧させる場合、排出バルブを閉じた状態で、供給ポンプを駆動させてもよい。
(21)制御装置は、噴霧装置に定着液を噴霧させずに、筐体に定着液を供給する場合、排出バルブを開けた状態で、供給ポンプを駆動させてもよい。
このような構成によれば、筐体内の空気を排出口から排出しつつ、筐体に定着液を供給できる。
(22)制御装置は、噴霧装置に定着液を噴霧させずに、筐体に定着液を供給する場合、バルブを開け、バルブを閉じ、排出バルブを開けた後、供給ポンプを駆動させてもよい。
本開示の画像形成装置によれば、筐体と圧力センサとの間の気体を排出できる。
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 図2は、供給装置の配管図である。 図3は、供給ポンプの制御を説明するためのフローチャートである。 図4は、第1の変形例を説明するための説明図である。 図5は、第2の変形例を説明するための説明図である。 図6は、第3の変形例を説明するための説明図である。 図7は、第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す図である。 図9は、圧力センサの周囲温度に対する印加圧力と検知圧力の関係を示す図である。 図10は、第2実施形態に係る画像形成装置の動作に関するフローチャートにおけるサブルーチンである第1圧力値取得処理を示す図である。 図11は、第2実施形態に係る画像形成装置の電源起動時の処理を示すフローチャートである。 図12は、第2実施形態に係る画像形成装置の印刷時の処理を示すフローチャートである。 図13は、第2実施形態に係る画像形成装置の印刷時の処理を示すフローチャートである。 図14は、第3実施形態に係る画像形成装置の要部の構成例を示す図である。 図15は、第3実施形態に係る画像形成装置の電源起動時における処理例を示すフローチャートである。 図16は、第3実施形態に係る画像形成装置の電源起動時における第1圧力値取得処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、第3実施形態に係る画像形成装置の印刷処理の待機中における処理例を示すフローチャートである。 図18は、第3実施形態に係る画像形成装置の印刷処理の待機中における第3圧力値取得処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、第3実施形態に係る画像形成装置の印刷処理の待機中における第1圧力値取得処理の一例を示すフローチャートである。 図20は、第3実施形態に係る画像形成装置における液面リセット処理の一例を示すフローチャートである。 図21は、第3実施形態に係る画像形成装置における印刷処理の一例を示すフローチャートである。 図22は、第3実施形態に係る画像形成装置における印刷処理時の第1圧力値取得処理の一例を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
1.画像形成装置1の概略
図1を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
画像形成装置1は、本体筐体2と、シートカセット3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、噴霧装置9とを備える。
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シートカセット3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、噴霧装置9とを収容する。
1.2 シートカセット3
シートカセット3は、シートSを収容可能である。シートSは、例えば、印刷用紙である。シートSは、感光ドラム4に向かって搬送される。
1.3 感光ドラム4
感光ドラム4は、ドラム軸A1について回転可能である。ドラム軸A1は、第1方向に延びる。感光ドラム4は、ドラム軸A1に沿って延びる。感光ドラム4は、円筒形状を有する。
1.4 帯電装置5
帯電装置5は、感光ドラム4の表面を帯電させる。帯電装置5は、帯電ローラである。帯電装置5は、スコロトロン型帯電器であってもよい。
1.5 露光装置6
露光装置6は、感光ドラム4の表面を露光可能である。感光ドラム4の表面が帯電装置5によって帯電された状態で、露光装置6が感光ドラム4の表面を露光することにより、静電潜像が、感光ドラム4の表面に形成される。露光装置6は、具体的には、レーザースキャンユニットである。露光装置6は、LEDアレイであってもよい。
1.6 現像装置7
現像装置7は、感光ドラム4上にトナーを供給する。現像装置7は、本体筐体2に着脱可能であってもよい。現像装置7は、現像筐体71と、現像ローラ72とを有する。
1.6.1 現像筐体71
現像筐体71は、トナーを収容可能である。言い換えると、現像装置7は、トナーを収容可能である。トナーは、トナー粒子と、必要により、外添剤とを含有する。トナー粒子は、結着樹脂と、必要により、着色剤、顔料分散剤、離型剤、磁性体および帯電制御剤を含有する。結着樹脂は、トナー粒子のベースである。結着樹脂は、トナー粒子に含まれる成分を結着する。着色剤は、トナー粒子に所望の色を付与する。着色剤は、結着樹脂中に分散する。顔料分散剤は、着色剤の分散性を向上させる。帯電制御剤は、トナー粒子に帯電性を付与する。帯電性は、正帯電性および負帯電性のいずれであってもよい。外添剤は、トナー粒子の帯電性、流動性、保存安定性を調整する。
1.6.2 現像ローラ72
現像ローラ72は、現像筐体71内のトナーを感光ドラム4の表面に供給可能である。現像ローラ72は、感光ドラム4と接触する。現像ローラ72は、感光ドラム4と接触しなくてもよい。現像ローラ72は、現像軸A2について回転可能である。現像軸A2は、第1方向に延びる。現像ローラ72は、現像軸A2に沿って延びる。現像ローラ72は、円柱形状を有する。
1.7 転写装置8
転写装置8は、感光ドラム4上に供給されたトナーをシートSに転写する。転写装置8は、感光ドラム4と接触する。転写装置8は、感光ドラム4と接触しなくてもよい。転写装置8は、転写ローラである。転写ローラは、転写軸A3について回転可能である。転写軸A3は、第1方向に延びる。転写ローラは、転写軸A3に沿って延びる。転写ローラは、円柱形状を有する。転写装置8は、転写ベルトを備えるベルトユニットであってもよい。
1.8 噴霧装置9
噴霧装置9は、定着液を、トナーが転写されたシートSに噴霧する。定着液は、トナーをシートSに定着させる。定着液は、トナーの結着樹脂を軟化させることができる。定着液は、例えば、脂肪族モノカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、炭酸エステルなどである。
噴霧装置9は、定着液を静電噴霧によりシートSに向けて噴霧する。噴霧装置9は、筐体91と、複数のノズル92と、ノズル電極93と、対向電極94とを備える。
筐体91は、定着液を収容可能である。
複数のノズル92は、筐体91から下方に延びる。複数のノズル92のそれぞれは、筐体91の内部空間と通じる。複数のノズル92のそれぞれは、筐体91内の定着液を噴霧する。
ノズル電極93は、筐体91内に位置する。ノズル電極93には、電圧が印加される。ノズル電極93は、筐体91内の定着液を帯電させる。言い換えると、ノズル電極93は、複数のノズル92に供給される定着液を帯電させる。
対向電極94は、複数のノズル92に対して、間隔を空けて向かい合う。対向電極94は、複数のノズル92に対して、ノズル電極93の反対側に位置する。対向電極94には、電圧が印加される。対向電極94は、複数のノズル92のそれぞれから噴霧された定着液を、静電気力により引き寄せる。
トナーが転写されたシートSは、複数のノズル92と対向電極94との間を通る。このとき、シートSには、複数のノズル92のそれぞれから噴霧された定着液が、噴霧される。定着液が噴霧されたシートSは、本体筐体2の上面に排出される。
2.噴霧装置9の詳細
図2を参照して、噴霧装置9の詳細について説明する。
噴霧装置9の筐体91は、受入口91Aと、排出口91Bと、開口91Cとを有する。
受入口91Aは、筐体91の内部空間と通じる。受入口91Aは、供給タンク211からの定着液を受け入れる。供給タンク211は、後で説明される。
排出口91Bは、筐体91の内部空間と通じる。排出口91Bは、筐体91内の空気を排出する。排出口91Bは、第1方向において、受入口91Aから離れて位置する。排出口91Bは、受入口91Aよりも上方に位置する。筐体91の上方の内面91Dは、受入口91Aから排出口91Bに向かうにつれて上方へ傾斜する。言い換えると、筐体91は、受入口91Aから排出口91Bに向かうにつれて上方へ傾斜する内面91Dを有する。これにより、定着液が受入口91Aから筐体91内に入ったときに、筐体91内の空気を、内面91Dの傾斜によって、排出口91Bに向かって流すことができる。そのため、定着液が受入口91Aから筐体91内に入ったときに、筐体91内の空気を、排出口91Bから円滑に排出できる。
開口91Cは、筐体91の内部空間と通じる。開口91Cは、第1方向において、受入口91Aと排出口91Bとの間に位置する。
噴霧装置9は、圧力センサ11と、流路部12と、バルブ13と、排出バルブ14とを備える。
2.1 圧力センサ11
圧力センサ11は、筐体91内の圧力Pを検知する。圧力センサ11は、筐体91内の圧力Pと大気圧との差圧を検知する。圧力センサ11は、検知した圧力Pに応じた電気信号を発信する。圧力センサ11は、例えば、ダイアフラム圧力センサである。
2.2 流路部12
流路部12の一端部は、圧力センサ11と接続される。流路部12の他端部は、筐体91の開口91Cと接続される。これにより、圧力センサ11は、流路部12を介して、開口91Cと接続される。筐体91と圧力センサ11との間の流路部12には、気体が、在る。流路部12は、途中に分岐流路部を有する。分岐流路部は、流路部12内を大気開放するための開口を有する。
2.3 バルブ13
バルブ13は、分岐流路部に配置される。バルブ13を開いた状態で、流路部12は大気開放される。これにより、バルブ13は、筐体91と圧力センサ11との間に在る気体の出入りを可能にする。バルブ13を閉じた状態で、流路部12は、大気から遮断される。バルブ13が閉じた状態で、圧力センサ11の検知部は、流路部12内の気体と接触している。流路部12が筐体91と通じていることにより、バルブ13が閉じた状態で、圧力センサ11は、大気圧と筐体91内の圧力Pとの差圧を検知可能である。言い換えると、圧力センサ11は、流路部12を介して筐体91内の圧力Pを検知する。バルブ13は、例えば、電磁バルブである。
2.4 排出バルブ14
排出バルブ14は、排出口91Bを開閉可能である。排出バルブ14が開いた状態で、排出口91Bは、大気開放される。排出バルブ14は、例えば、電磁バルブである。
3.画像形成装置1の詳細
次に、図2を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
画像形成装置1は、さらに、供給装置21と、制御装置22とを備える。
3.1 供給装置21
供給装置21は、定着液を筐体91に供給する。供給装置21は、供給タンク211と、供給管212と、供給ポンプ213と、供給バルブ214とを有する。
3.1.1 供給タンク211
供給タンク211は、筐体91に供給される定着液を収容する。
3.1.2 供給管212
供給管212の一端部は、供給タンク211と接続される。供給管212の他端部は、筐体91の受入口91Aと接続される。供給タンク211内の定着液は、供給管212を通って、筐体91へ送られる。つまり、供給管212は、供給タンク211内の定着液の通過を許容する。筐体91は、供給管212を通過した定着液を収容可能である。
3.1.3 供給ポンプ213
供給ポンプ213は、供給タンク211から筐体91に定着液を送る。供給ポンプ213は、供給管212内の定着液を、筐体91に向けて送る。供給ポンプ213は、供給管212の一端部と供給管212の他端部との間に位置する。供給ポンプ213は、供給タンク211と筐体91との間に位置する。供給ポンプ213は、定量ポンプである。具体的には、供給ポンプ213は、ギアポンプである。
3.1.4 供給バルブ214
供給バルブ214は、供給タンク211内の定着液が供給管212内を通過して筐体91に送られることを抑制する。供給バルブ214は、供給管212の一端部と供給管212の他端部との間に位置する。供給バルブ214は、供給タンク211と筐体91との間に位置する。供給バルブ214は、供給ポンプ213と筐体91との間に位置する。供給バルブ214が開いた状態で、供給ポンプ213が駆動すると、供給タンク211内の定着液は、供給バルブ214を通過して、筐体91に送られる。一方、供給バルブ214が閉じた状態で、供給タンク211内の定着液は、供給バルブ214を通過できない。これにより、供給バルブ214は、供給タンク211内の定着液が供給管212内を通過して筐体91に送られることを抑制する。供給バルブ214は、例えば、電磁バルブである。
3.2 制御装置22
制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pに基づいて、複数のノズル92のそれぞれから噴霧される定着液の量を制御する。
詳しくは、制御装置22は、圧力センサ11、バルブ13、排出バルブ14、供給ポンプ213、供給バルブ214、ノズル電極93および対向電極94と電気的に接続される。制御装置22は、圧力センサ11からの電気信号を受信可能である。制御装置22は、バルブ13、排出バルブ14および供給バルブ214の開閉を制御する。制御装置22は、供給ポンプ213の動作を制御する。制御装置22は、ノズル電極93に印加される電圧を制御する。制御装置22は、対向電極94に印加される電圧を制御する。
制御装置22は、噴霧装置9に定着液を噴霧させる場合、バルブ13および排出バルブ14を閉じた状態で、ノズル電極93および対向電極94に電圧を印加し、供給ポンプ213を駆動させる。制御装置22は、供給ポンプ213を駆動させた後、供給バルブ214を開ける。すると、複数のノズル92のそれぞれから定着液が噴霧される。制御装置22は、供給ポンプ213の駆動量、ノズル電極93に印加される電圧、および、対向電極94に印加される電圧を制御することにより、複数のノズル92のそれぞれから噴霧される定着液の量を制御する。
一方、制御装置22は、噴霧装置9に定着液を噴霧させずに、筐体91に定着液を供給する場合、まず、バルブ13を開ける。すると、流路部12内の空気は、バルブ13を通って排出される。次に、制御装置22は、バルブ13を閉じる。次に、制御装置22は、排出バルブ14を開ける。次に、制御装置22は、バルブ13を閉じ、排出バルブ14を開けた状態で、ノズル電極93および対向電極94に電圧を印加しないで、供給ポンプ213を駆動させる。制御装置22は、供給ポンプ213を駆動させた後、供給バルブ214を開ける。すると、複数のノズル92のそれぞれから定着液が噴霧されずに、筐体91に定着液が供給される。このとき、筐体91内の空気は、排出口91Bを通って筐体91外に排出される。
4.制御装置22による供給ポンプ213の制御
次に、図2および図3を参照して、噴霧装置9に定着液を噴霧させている状態における、制御装置22による供給ポンプ213の制御について説明する。
制御装置22は、印刷ジョブを取得すると、印刷ジョブに従ってシートSに画像を形成する。シートSに画像を形成するときに、制御装置22は、噴霧装置9から定着液を噴霧させる(S1)。
詳しくは、制御装置22は、ノズル電極93に所定の電圧を印加し、かつ、対向電極94に所定の電圧を印加した状態で、供給ポンプ213を駆動させる。その後、制御装置22は、供給ポンプ213の動作が安定した後に、供給バルブ214を開ける。供給バルブ214が開くことにより、定着液が、筐体91に供給される。筐体91内の定着液は、複数のノズル92のそれぞれから噴霧される。
次に、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pと、第1閾値N1および第2閾値N2とを比較する(S2、S3)。第2閾値N2は、第1閾値N1よりも高い。
制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下である場合(S2:YES)、供給ポンプ213を第1駆動量で駆動させる(S4)。
筐体91内の圧力が第1閾値N1以上、第2閾値N2以下である状態で、供給ポンプ213が第1駆動量で駆動することにより、単位時間あたりに噴霧装置9から噴霧される定着液の量、すなわち、単位時間あたりの噴霧量は、第1量になる。
ここで、筐体91内の定着液の量が減って、筐体91内の圧力が第1閾値N1よりも低くなると、単位時間あたりの噴霧量が、第1量よりも少なくなる。
すると、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1よりも低い場合(S2:NO、S3:YES)、供給ポンプ213を第2駆動量で駆動させる(S5)。言い換えると、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1よりも低くなった場合、供給ポンプ213の駆動量を第1駆動量から第2駆動量に変更する。
第2駆動量は、第1駆動量よりも大きい。筐体91内の圧力が第1閾値N1よりも低い状態で、供給ポンプ213が第2駆動量で駆動することにより、筐体91内の定着液の量が増える。そして、筐体91内の圧力が第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になると、単位時間あたりの噴霧量は、第1量になる。
制御装置22は、供給ポンプ213を第2駆動量で駆動させている状態で、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合、供給ポンプ213を第1駆動量で駆動させる。言い換えると、制御装置22は、供給ポンプ213を第2駆動量で駆動させている状態で、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合、供給ポンプ213の駆動量を第2駆動量から第1駆動量に変更する。
これにより、筐体91内の圧力が第1閾値N1よりも低くなった場合に、筐体91内の圧力を第1閾値N1以上、第2閾値N2以下に調節することができる。その結果、単位時間あたりの噴霧量を、第1量に調節できる。
また、筐体91内の定着液の量が増えて、筐体91内の圧力が第2閾値N2よりも高くなると、単位時間あたりの噴霧量が、第1量よりも多くなる。
すると、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第2閾値N2よりも高い場合(S2:NO、S3:NO)、供給ポンプ213を第3駆動量で駆動させる(S6)。言い換えると、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第2閾値N2よりも高くなった場合、供給ポンプ213の駆動量を第1駆動量から第3駆動量に変更する。
第3駆動量は、第1駆動量よりも小さい。筐体91内の圧力が第2閾値N2よりも高い状態で、供給ポンプ213が第3駆動量で駆動することにより、筐体91内の定着液の量が減る。そして、筐体91内の圧力が第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になると、単位時間あたりの噴霧量は、第1量になる。
制御装置22は、供給ポンプ213を第3駆動量で駆動させている状態で、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合、供給ポンプ213を第1駆動量で駆動させる。言い換えると、制御装置22は、供給ポンプ213を第3駆動量で駆動させている状態で、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合、供給ポンプ213の駆動量を第3駆動量から第1駆動量に変更する。
これにより、筐体91内の圧力が第2閾値N2よりも高くなった場合に、筐体91内の圧力Pを第1閾値N1以上、第2閾値N2以下に調節することができる。その結果、単位時間あたりの噴霧量を、第1量に調節できる。
そして、制御装置22は、印刷ジョブが終了すると(S7:YES)、噴霧装置9からの定着液の噴霧を停止させる(S8)。
詳しくは、制御装置22は、供給バルブ214を閉じた後、供給ポンプ213を停止する。その後、制御装置22は、ノズル電極93に対する電圧の印加を停止するとともに、対向電極94に対する電圧の印加を停止する。これにより、噴霧装置9からの定着液の噴霧が停止する。
4.作用効果
(1)画像形成装置1によれば、図3に示すように、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1よりも低い場合(S2:NO、S3:YES)、供給ポンプ213を、第1駆動量よりも大きな第2駆動量で駆動させる(S5)。
これにより、筐体91内の圧力が第1閾値N1よりも低い場合には、供給ポンプ213から筐体91へ供給される定着液の量を増やして、筐体91内の圧力を第1閾値N1に向かって上げることができる。
また、制御装置22は、圧力センサ11が検知した圧力Pが第2閾値N2よりも高い場合(S2:NO、S3:NO)、供給ポンプ213を、第1駆動量よりも小さな第3駆動量で駆動させる(S6)。
これにより、筐体91内の圧力が第2閾値N2よりも高い場合には、供給ポンプ213から筐体91へ供給される定着液の量を減らして、筐体91内の圧力を第2閾値N2に向かって下げることができる。
その結果、筐体91内の圧力を第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になるように調節して、筐体91内の圧力の変動を抑制できる。
(2)画像形成装置1によれば、供給ポンプ213は、定量ポンプである。
そのため、供給ポンプ213の駆動量に応じて一定量の定着液を、筐体91に送ることができる。
その結果、筐体91内の圧力を容易に調節できる。
(3)画像形成装置1によれば、制御装置22は、噴霧装置9に定着液を噴霧させる場合、バルブ13を閉じた状態で、供給ポンプ213を駆動させる。
これにより、制御装置22が噴霧装置9に定着液を噴霧させる場合に、圧力センサ11は、筐体91内の圧力を検知できる。
(4)画像形成装置1によれば、図2に示すように、筐体91は、受入口91Aと排出口91Bとの間に位置する開口91Cを有する。流路部12の一端部は、圧力センサ11と接続され、流路部12の一端部は、開口91Cと接続される。
これにより、受入口91Aと排出口91Bとの間における筐体91内の圧力を、検知できる。
(5)画像形成装置1によれば、図2に示すように、筐体91は、受入口91Aから排出口91Bに向かうにつれて上方へ傾斜する内面91Dを有する。
そのため、定着液が受入口91Aから筐体91内に入ったときに、筐体91内の空気を、内面91Dの傾斜によって、排出口91Bに向かって流すことができる。
その結果、定着液が受入口91Aから筐体91内に入ったときに、筐体91内の空気を、排出口91Bから円滑に排出できる。
(6)画像形成装置1によれば、制御装置22は、噴霧装置9に定着液を噴霧させずに、筐体91に定着液を供給する場合、排出バルブ14を開けた状態で、供給ポンプ213を駆動させる。
これにより、筐体91内の空気を排出口91Bから排出しつつ、筐体91に定着液を供給できる。
(7)画像形成装置1によれば、制御装置22は、供給ポンプ213を第2駆動量で駆動させている状態で、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合、供給ポンプ213を第1駆動量で駆動させる。
また、制御装置22は、供給ポンプ213を第3駆動量で駆動させている状態で、圧力センサ11が検知した圧力Pが第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合も、供給ポンプ213を第1駆動量で駆動させる。
そのため、筐体91内の圧力が第1閾値N1以上、第2閾値N2以下になった場合に、供給ポンプ213の駆動量を第1駆動量に戻すことができる。
5.変形例
次に、図4から図6を参照して、変形例について説明する。変形例において、実施形態で説明した部材には、実施形態で付した符号と同じ符号を付し、説明を省略する。
(1)図4に示すように、流路部12の他端部が接続される開口91Cは、第1方向において、受入口91Aに対して、排出口91Bの反対側に位置してもよい。言い換えると、受入口91Aは、第1方向において、排出口91Bと開口91Cとの間に位置してもよい。
(2)図5に示すように、流路部12の他端部が接続される開口91Cは、第1方向において、排出口91Bに対して、受入口91Aの反対側に位置してもよい。言い換えると、排出口91Bは、第1方向において、受入口91Aと開口91Cとの間に位置してもよい。
(3)図6に示すように、圧力センサ11は、筐体91上に位置してもよい。
(4)制御装置22は、噴霧装置9に定着液を噴霧させずに、筐体91に定着液を供給する場合、バルブ13を開け、バルブ13を閉じた後、排出バルブ14を開ける前に、バルブ13および排出バルブ14を閉じた状態で、ノズル電極93および対向電極94に電圧を印加しないで、供給ポンプ213を駆動させてもよい。この場合、制御装置22は、供給ポンプ213を駆動させた後、排出バルブ14を開けて、筐体91内の空気を排出する。
(5)変形例(1)から(4)においても、実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図7から図13を参照しながら詳細に説明する。以下において、画像形成装置1に関する方向は、図7に示す用語が用いられることがある。すなわち図7において、紙面の右側が「前側」、紙面の左側が「後側」、紙面の上下方向が「上下方向」である。また紙面に垂直に、奥側は「右側」、手前側は「左側」である。
<画像形成装置の全体構成>
図7は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置101の構成を示す概略図である。図8は、画像形成装置101の要部の構成を示す図である。画像形成装置101は、本体筐体102と、シートSを給紙するためのフィーダ部103を備えている。
また、画像形成装置101は、現像装置106、感光ドラム161および転写装置TRが設けられた、シートSに画像を形成するための画像形成部104と、トナーが転写されたシートSに定着液Lを噴霧する噴霧装置107と、を備えている。更に画像形成装置101は、噴霧装置107に定着液Lを供給する供給装置108と、供給装置108に定着液Lを供給するカートリッジ109Aと、画像形成装置101の各部を制御する制御装置100等を備えている。
フィーダ部103は、本体筐体102の下部に着脱可能に装着されるシートカセット131と、シートカセット131内のシートSを画像形成部104に向けて給紙する給紙機構132とを備えている。給紙機構132は、給紙ローラ132Aと、分離ローラ132Bと、分離パッド132Cと、紙粉取りローラ132Dと、レジストローラ132Eとを備えている。レジストローラ132Eは、シートSの先端位置を揃えるローラであり、制御装置100によって適宜停止・回転が切り替えられるようになっている。
画像形成部104は、露光装置105と、現像装置106と、静電潜像が形成される感光ドラム161と、転写装置TRと、を備えている。露光装置105は、本体筐体102内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。この露光装置105では、レーザビームを、感光ドラム161の表面上に高速走査にて照射する。
転写装置TRは、感光ドラム161上に供給されたトナーをシートSに転写する。転写装置TRは、感光ドラム161と接触する。転写装置TRは、感光ドラム161と接触しなくてもよい。転写装置TRは、転写ローラである。転写ローラは、転写軸について回転可能である。転写ローラは、円柱形状を有する。転写装置TRは、転写ベルトを備えるベルトユニットであってもよい。
現像装置106は、本体筐体102に着脱可能となっている。現像装置106は、現像剤の一例としてのトナーを収容する現像筐体162と、現像筐体162内のトナーを感光ドラム161に供給する供給ローラ163および現像ローラ164を備えている。図示しない帯電装置が、回転する感光ドラム161の表面を一様に帯電する。露光装置105は、感光ドラム161の表面にレーザビームを出射して、露光することで、感光ドラム161の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。
次いで、回転駆動される現像ローラ164が、感光ドラム161の静電潜像にトナーを供給して、感光ドラム161の表面上にトナー像を形成する。その後、感光ドラム161の表面上に担持されたトナー像は、シートSが感光ドラム161と転写装置TRの間で搬送される際に、転写装置TRに引き寄せられてシートS上に転写される。
噴霧装置107は、帯電された定着液Lを静電噴霧によりシートS上のトナー像に供給することで、シートS上にトナー像を定着させる装置である。なお、噴霧装置107の構成については、後に詳述する。
供給装置108は、図8に示されるように、定着液Lを収容可能な供給タンク108Aと、供給タンク108Aと接続され、供給タンク108Aに収容された定着液Lの通過を許容する供給管108Bと、を有する。供給管108Bは、定着液Lの供給を制御する第2送液部181を有する。具体的には、供給管108Bには、第2送液部181として、供給タンク108A側から順に供給ポンプ181Aおよびバルブ181Bが設けられている。
供給ポンプ181Aは、供給タンク108Aから筐体107Aへ定着液Lを送り込むことにより、定着液Lを加圧する機能を有する。バルブ181Bは、供給タンク108Aから筐体107Aへ供給される定着液Lの流量を電磁バルブにより調整する機能を有している。ただし、第2送液部181は、必ずしもバルブ181Bを備える必要はなく、供給ポンプ181Aだけでもよい。
カートリッジ109Aは、定着液Lを補充するための交換可能な消耗品であり、本体筐体102に着脱可能となっている。カートリッジ109Aは、定着液Lを収容し、カートリッジ109Aに収容された定着液Lの通過を許容するカートリッジ供給管109Bと接続される。カートリッジ供給管109Bには、第1送液部191が設けられている。第1送液部191は、バルブ191Bおよびカートリッジポンプ191Aから構成され、カートリッジ109A側から順にバルブ191Bおよびカートリッジポンプ191Aが配置されている。
バルブ191Bは、カートリッジ109Aから供給タンク108Aへ供給される定着液Lの流量を電磁バルブにより調整する機能を有している。カートリッジポンプ191Aは、カートリッジ109Aから供給タンク108Aへ定着液Lを送り込むことにより、定着液Lを加圧する機能を有する。ただし、第1送液部191は必ずしもバルブ191Bを含む必要はなく、カートリッジポンプ191Aだけであってもよい。
定着液Lは、良好に静電噴霧を行い、かつ、定着を行うために、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたものを使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。本実施形態の具体例では、トナーを溶解させる溶質を水に分散するタイプ、いわゆる、水中油滴型のエマルジョンでトナーの溶解を行っている。つまり、溶媒としての水に対して不溶または難溶な溶質を水に分散した定着液を用いている。また定着液Lには、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤が加えられても良い。
噴霧装置107の下流側には、噴霧装置107から排出されたシートSを挟持して下流側に搬送するための一対の下流側搬送ローラRdが設けられている。下流側搬送ローラRdによって搬送されたシートSは、排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ121上に排出される。
制御装置100は、画像形成装置101の動作を統括的に制御する。更に、制御装置100は、後述する温度センサSTおよび後述する圧力センサSPの出力する信号を取得する。また、制御装置100は、後述するバルブ107F、第1送液部191および第2送液部181、後述する第1電源107Gおよび後述する第2電源107Hを制御する。
<噴霧装置の構成>
次に、噴霧装置107の構成について詳細に説明する。図2に示すように、噴霧装置107は、定着液Lを収容可能な筐体107Aと、筐体107A内の定着液Lを帯電させるノズル電極107Bと、ノズル電極107Bと間隔を隔てて位置する対向電極107Cと、ノズル電極107Bと対向電極107Cとの間の電位差が所定の電位差以上である場合において、筐体107A内の定着液Lをトナーが転写されたシートSに噴霧するノズル107Dと、を有する。
また、噴霧装置107は、第1電源107Gと、第2電源107Hと、を更に備える。第1電源107Gは、ノズル電極107Bに所定の電圧を印加する定電流源である。第2電源107Hは、対向電極107Cに定電圧を印加する定電圧源である。第1電源107Gは噴霧時において定電流動作をする。
噴霧装置107は、温度センサSTと、圧力センサSPと、筐体107A内の空間と圧力センサSPの検知部とを連通させる流路部107Eと、バルブ107Fを更に有する。温度センサSTは、噴霧装置107の温度または噴霧装置107近傍の温度を計測する。圧力センサSPは、筐体107A内において定着液Lにかかる圧力を検知する。圧力センサSPについては後述する。
流路部107Eは、一端が筐体107Aに接続され、他端が圧力センサSPに接続されており、流路部107Eの途中に分岐流路部を有する。分岐流路部は、一端が流路部107E内を外部に開放する開口を有する。バルブ107Fは、分岐流路部に配置される。バルブ107Fを開いたときには、流路部107E内は外部に開放される。バルブ107Fを閉じたときには、流路部107E内は外部から遮断される。バルブ107Fは、例えば電磁バルブである。
<圧力センサ>
圧力センサSPは、圧力センサSP周囲の気体の圧力と圧力センサSP内にある検知部を押圧する気体の圧力の差圧、すなわちゲージ圧を検知する差圧センサである。ゲージ圧は、大気圧を基準とした圧力のことである。
画像形成装置1において、バルブ107Fが閉のとき、流路部107E内部に封じ込められた気体に、圧力センサSPの検知部が接している。流路部107Eが筐体107Aと圧力センサSPの検知部との間を連通しているため、バルブ107Fが閉の場合に圧力センサSPが検知する圧力は、圧力センサSP周囲の気体の圧力に対して筐体107Aにおいて定着液Lにかかるゲージ圧である。
当該ゲージ圧は、筐体107A内部と外部とを連通するノズル107Dの内外での、定着液Lにかかる圧力差でもある。当該圧力差は、ノズル107Dによる定着液Lの噴霧に影響するから、正しく検知し調整することが重要となる。バルブ107Fが開のときは、流路部107E内が開放されるため、検知部に接する気体の圧力は、圧力センサSP周囲の気体の圧力と同じである。よって、このとき圧力センサSPの検知部が検知する圧力差は0となる。
圧力センサSPの構成は、例示として検知部がダイヤフラムとダイヤフラム上に接触して設けられた歪検知素子とを有するものである。この場合圧力センサSPは、歪検知素子が検知する歪量を、検知圧力に換算して出力する。図9は、圧力センサSPの特性例を示すグラフであって、周囲温度が、0℃、25℃、40℃、52℃のときの圧力センサSPへの印加圧力と検知圧力の関係を示している。
図9に示された圧力センサSPでは、周囲温度が0℃のときに、印加圧力が0Paである場合において、出力される検知圧力も0Paを示す。しかし、周囲温度が0℃以外のときには、印加圧力が0Paである場合において、出力される検知圧力は0Paとはならない。以下では、印加圧力が0Paである場合において、出力される検知圧力をオフセットと称する。なお、オフセットは周囲温度によって異なる値をとる。
図示されるように、周囲温度と0℃との差異が大きくなるに従って、オフセットは大きくなる。図9に特性が示される圧力センサSPでは、周囲温度が0℃以外の温度のときには、印加圧力から当該温度におけるほぼオフセット分だけずれた圧力が、検知圧力として出力されている。
このように圧力センサSPにおいては、印加圧力に対して検知圧力がオフセット分だけずれるという特性がある。
さらに、検知部のダイヤフラムまたは歪検知素子に内在する応力、圧力センサSPの組み立てによって検知部に影響した応力等は、圧力センサSPの個体毎に差が生じることが避けられない。そのためオフセットに関しても、圧力センサSPの個体差が存在することとなる。
<画像形成装置の動作>
以下に、画像形成装置101の特徴的な動作が示される。画像形成装置101は、圧力センサSPのオフセットを取得するための、第1圧力値取得処理を実行する。
また、画像形成装置101は電源起動時、または印刷時等に、第1圧力値取得処理を適時に実行することによって、噴霧装置107の筐体107A内において定着液Lにかかる圧力を正確に算出する。以下では、初めに第1圧力値取得処理について説明がされ、続いて、電源起動時の処理、および印刷時の処理について説明がされる。
<第1圧力値取得処理>
図10は、画像形成装置101が実行する、第1圧力値取得処理を示すフローチャートである。図10に示される第1圧力値取得処理は、図11に示される画像形成装置101が実行する電源起動時の処理のフロー、および、図12および図13に示される印刷時の処理のフロー中のサブルーチンでもある。以下に、図10のフローチャートを参照しつつ、第1圧力値取得処理を説明する。
ステップS101:制御装置100は、供給装置108の供給ポンプ181Aの駆動を停止させる。供給ポンプ181Aが、供給装置108の供給タンク108Aから、噴霧装置107の筐体107Aに定着液Lを送ることを停止させるためである。なお制御装置100は、供給ポンプ181Aの駆動が停止している場合には、停止状態を維持させる。
ステップS102:続いて制御装置100は、流路部107Eに備わるバルブ107Fを開にさせる。すると、流路部107E内部の気体の圧力が、外部の気体の圧力、すなわち大気圧と同一になる。この際、定着液Lの供給ポンプ181Aによる筐体107Aへの輸送が停止しているため、バルブ107Fを開にしても、定着液Lがバルブ107Fから漏れ出すことは無い。
ステップS103:続いて制御装置100は、圧力センサSPの検知する圧力を安定させるための一定時間経過するまで、待機する。
ステップS104:続いて、制御装置100は、圧力センサSPが検知し、出力した検知圧力を第1圧力値として取得する。ここで圧力センサSPへの印加圧力は0であるため、制御装置100が取得した第1圧力値は、現時点における圧力センサSPのオフセットである。
ステップS105:続いて制御装置100は、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS106:続いて制御装置100は、ステップS104で取得した第1圧力値を第1圧力値取得処理によって更新した第1圧力値とする。こうして制御装置100は、第1圧力値取得処理時点での圧力センサSPのオフセットを第1圧力値として更新する。また制御装置100は、ステップS105で取得した温度を、第1圧力値取得処理時点での温度として更新する。
ステップS107:続いて制御装置100は、バルブ107Fを閉にさせる。すると流路部107E内部は、外部と遮断される。
ステップS108:続いて制御装置100は、第1圧力値取得要求フラグがオンであった場合、第1圧力値取得要求フラグをオフにする。第1圧力値取得の取得が完了したので、第1圧力値取得要求を満たしたからである。なお、第1圧力値取得要求フラグがオフであった場合には、当該オフの状態を維持する。
ステップS109:続いて制御装置100は、供給ポンプ181Aを駆動させる。そして第1圧力値取得処理のフローは終了する。
<電源起動時の処理>
図11は、画像形成装置101の電源起動時の特徴的な動作を示すフローチャートである。画像形成装置101は、電源起動時に、図11のフローチャートに示される動作のフローを実行する。以下では、図11のフローチャートに沿って、画像形成装置101の電源起動時処理を説明する。
ステップS201:電源が投入され、画像形成装置101の起動が開始すると、制御装置100は、画像形成準備動作を行う。画像形成準備動作には、例えば、トナーの残量チェック、シートSのチェック、定着液Lの各部への充填状況のチェック、各部におけるその他のエラーチェックなど、画像形成のために必要なチェックが含まれ得る。また画像形成準備動作には、各部の状態を初期状態に移行させるための動作が含まれ得る。
ステップS202:画像形成準備動作が完了すると、続いて制御装置100は、第1圧力値取得要求フラグがオンであった場合には、第1圧力値取得要求フラグをオフにする。第1圧力値取得要求フラグの初期値はオフであるからである。なお、第1圧力値取得要求
フラグがオフであった場合には、当該オフの状態を維持する。
ステップS203:続いて制御装置100は、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS204:続いて制御装置100は、直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満か否かを判断する。所定時間未満と判断される場合(S204でYES)、フローはステップS205に進む。それ以外、すなわち所定時間以上と判断される場合(S204でNO)、フローはステップS206に進む。所定時間は、具体的には10分から1時間程度の時間である。
ステップS205:制御装置100は、温度センサSTから取得した温度の、直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満か否かを判断する。所定幅未満と判断される場合(S205でYES)、電源起動時処理のフローは終了する。この場合、電源起動時処理において、第1圧力値取得処理は実行されない。それ以外、すなわち温度変化が所定幅以上と判断される場合(S205でNO)、フローはS206に進む。ここで温度変化の所定幅は、具体例として2℃から5℃の範囲の温度幅である。
ステップS206:図10に示される第1圧力値取得処理が実行される。直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満でない、または直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満でない場合、圧力センサSPの第1圧力値は直近に取得した値から変動している怖れがあり、新たな第1圧力値を更新する必要があるためである。そして、電源起動時処理のフローは終了する。
<印刷命令実行時の処理>
図12および図13は、画像形成装置101の印刷時の特徴的な動作を示すフローチャートである。画像形成装置101は、印刷時に、図12および図13のフローチャートに示される動作のフローを実行する。以下では、図12および図13のフローチャートに沿って、画像形成装置101の印刷時処理を説明する。
ステップS301:印刷命令を受け付ける等によって、印刷時処理が開始されると、制御装置100は、第1圧力値取得要求フラグがオンであった場合には、第1圧力値取得要求フラグをオフにする。なお、第1圧力値取得要求フラグがオフであった場合には、オフの状態を維持する。第1圧力値取得要求フラグはオフに揃える必要があるからである。
ステップS302:続いて制御装置100は、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS303:続いて制御装置100は、直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満か否かを判断する。所定時間未満と判断される場合(S303でYES)、フローはステップS304に進む。それ以外、すなわち所定時間以上と判断される場合(S303でNO)、フローはステップS305に進む。
ステップS304:制御装置100は、温度センサSTから取得した温度の、直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満か否かを判断する。所定幅未満と判断される場合(S304でYES)、フローはステップS306に進む。この場合、印刷時処理において、最初に印刷が開始されるまでに第1圧力値取得処理は実行されない。それ以外、すなわち温度変化が所定幅以上と判断される場合(S304でNO)、フローはステップS305に進む。
ステップS305:図10に示される第1圧力値取得処理が実行される。直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満でない、または直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満でない場合、圧力センサSPの第1圧力値は直近に取得した値から変動している怖れがあり、新たな第1圧力値を更新する必要があるためである。次にフローはステップS306に進む。
ステップS306:制御装置100は、給紙機構132を制御してシートSの搬送を開始する。また制御装置100は、画像形成装置101の各部を制御して、シートS上へのトナー像の形成を開始する。
ステップS307:続いて制御装置100は、噴霧装置107を制御して、シートSへの定着液Lの噴霧を開始する。転写装置TRによって転写されたシートS上のトナー像をシートSに定着させるためである。
噴霧装置107がシートSへの定着液Lの噴霧を実行している間、制御装置100は、圧力センサSPが検知し、出力する検知圧力を、第2圧力値として取得する。そして制御装置100は、第2圧力値を第1圧力値で補正した補正圧力値が所要値となるように、供給ポンプ181Aを駆動させて、定着液Lの筐体107Aへの供給量を制御する。このようにして、筐体107A内部で定着液Lにかかる圧力を一定に制御することによって定着液Lの噴霧量の変動を抑制することができる。
本実施形態の具体例において、第2圧力値P2を第1圧力値P1で補正した補正圧力値Pcは、第2圧力値P2から第1圧力値P1を差し引いた値とすることができる。すなわち、関係式Pc=P2-P1より、補正圧力値Pcを算出するものとすることができる。
ステップS308:続いて制御装置100は、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS309:続いて制御装置100は、直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満か否かを判断する。所定時間未満と判断される場合(S309でYES)、フローはステップS310に進む。それ以外、すなわち所定時間以上と判断される場合(S309でNO)、フローはステップS311に進む。
ステップS310:制御装置100は、温度センサSTが取得した温度の、直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満か否かを判断する。所定幅未満と判断される場合(S310でYES)、フローはステップS312に進む。それ以外、すなわち温度変化が所定幅以上と判断される場合(S310でNO)、フローは、ステップS311に進む。
ステップS311:制御装置100は、第1圧力値取得要求フラグをオンにする。なお、印刷中であるため、このときに第1圧力値取得処理は実行されない。次にフローは、ステップS312に進む。
ステップS312:制御装置100は、1枚のシートSについての画像形成動作が終了しているか否かを判断する。終了していると判断される場合(S312でYES)、フローは、ステップS213に進む。それ以外の場合(S312でNO)、フローは、ステップS307に戻る。当該シートSについての画像形成動作を連続的に継続させるためである。
ステップS313:1枚のシートSについての画像形成動作が終了した場合に、フローは本ステップに至る。制御装置100は、噴霧装置107を制御して定着液Lの噴霧を停止させる。第1圧力値取得処理、すなわち圧力センサSPのオフセットを更新する処理の実施を可能にするためである。
ステップS314:続いて制御装置100は、第1圧力値取得要求フラグがオフであるか否かを判断する。オフであると判断される場合(S314でYES)、フローは、ステップS316に進む。それ以外の場合(S314でNO)、フローは、ステップS315に進む。
ステップS315:制御装置100は、第1圧力値取得処理を実行する。つまり、特定のシートSへの印刷中であったため、保留されていた第1圧力値取得処理が、画像形成動作の終了により実行される。次にフローはステップS306に戻る。次のシートSへの印刷を開始するためである。
ステップS316:制御装置100は、全シートの画像形成動作が終了したか否かを判断する。終了したと判断される場合(S316でYES)、印刷時処理のフローは、終了する。それ以外の場合(S316でNO)、フローは、ステップS306に戻る。次のシートSへの印刷を開始するためである。
<作用・効果>
噴霧装置107のノズル107Dから静電噴霧される、定着液Lの噴霧量が変化すると、シートS上に画像形成され定着する画像の画質に影響を与える。そのため、所要の噴霧量に精密に調整する必要がある。しかし定着液Lの噴霧量は、筐体107A内部で定着液Lにかかる圧力、厳密には、ノズル107D内外での定着液Lにかかる気圧の差に依存する。よって、噴霧量を精密に調整するには、筐体107Aに定着液Lを送り込む供給ポンプ181Aの駆動をフィードバック制御するための、筐体107Aで定着液Lにかかる圧力の検知を精密に行う必要がある。
本実施形態によれば、第1圧力値取得処理により、第1圧力値を取得することによって、圧力センサSPの個体差による圧力値の温度の影響による変化をキャンセルし、噴霧処理において噴霧量を的確に制御することができる。
また、制御装置100は、画像形成装置起動時に、または、噴霧処理の実行前に、温度センサSTが検知した温度が、直近の第1圧力値取得処理の時点から所定幅以上の変化であった場合、改めて第1圧力値取得処理を実行する。よって、温度が変化することによる第1圧力値の変化を検知でき、噴霧量をより正確に制御することができる。
本実施形態によれば、制御装置100は、噴霧処理によってシートSへ定着液Lを噴霧している際に、温度センサSTが検知した温度が、直近の第1圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを判断すると、噴霧処理の終了後に、第1圧力値取得処理を実行する。よって印刷中において、シートSへの印刷の処理に影響を与えることが無く、温度が変化することによる第1圧力値の変化を検知でき、噴霧量をより正確に制御することができる。
本実施形態によれば、制御装置100は、画像形成装置起動時に、または、噴霧処理を実行するに当たり、直近の第1圧力値取得処理から所定時間以上経過すると、前記第1圧力値取得処理を実行する。よって、第1圧力値の経時的な変化の影響を回避することができ、噴霧量をより正確に制御することができる。
本実施形態によれば、制御装置100は、噴霧処理によってシートSへ定着液Lを噴霧している際に、直近の前記第1圧力値取得処理から所定時間以上経過すると、噴霧処理の終了後、第1圧力値取得処理を実行する。よって印刷中において、シートSへの印刷の処理に影響を与えることが無く、第1圧力値の経時的な変化の影響を回避することができ、噴霧量をより正確に制御することができる。
本実施形態によれば、噴霧装置107に流路部107Eを備えることによって、筐体107Aに接続された流路部107Eを介して筐体107A内の圧力を圧力センサSPで検知することができる。
上述のように、圧力センサSPは、印加圧力と検知圧力との間にオフセットを有している。オフセットは、周囲温度により変化し、また圧力センサSPによる個体差もある。しかし本実施形態によれば、画像形成装置101の動作中に、オフセットが適宜のタイミングで評価され、その結果に基づいて、圧力センサSPの検知圧力が補正される。
特に、本実施形態によれば、噴霧装置107の温度の変化があった場合、または直近の第1圧力値更新時、すなわちオフセットを更新する処理から、所定時間経過した場合に、第1圧力値取得処理が再度実行されて圧力センサSPのオフセットが更新される。よって、定着液Lの噴霧中の筐体107Aで定着液Lにかかる圧力の検知の精度が、温度変化あるいは経時的な変動の影響を受けずに、高いものとなる。これにより、画像形成装置1は、画像形成時に画質の良い画像を形成することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について、図14から図22を参照しながら詳細に説明する。第3実施形態について、第2実施形態で説明した部材と同じ部材には、同じ符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態では、制御装置100は、バルブ107Fおよび後述する第2バルブ107I、第1送液部191および第2送液部181、第1電源107Hおよび第2電源107Gを制御する。
<噴霧装置の構成>
次に、噴霧装置107の構成について詳細に説明する。図14は、噴霧装置107周辺の具体的な構成を示す図である。
図14に示すように、噴霧装置107は、定着液Lを収容可能な筐体107Aと、筐体107A内の定着液Lを帯電させるノズル電極107Bと、ノズル電極107Bと間隔を隔てて位置する対向電極107Cと、を有する。また、噴霧装置107は、ノズル電極107Bと対向電極107Cとの間の電位差が所定の噴霧電位差(所定値)以上である場合において、筐体107A内の定着液Lをトナーが転写されたシートSに噴霧するノズル107Dを有する。
また、噴霧装置107は、第1電源107Hと、第2電源107Gと、を更に備える。第1電源107Hは、ノズル電極107Bに所定の電圧を印加する定電流源である。第2電源107Gは、対向電極107Cに定電圧を印加する定電圧源である。第1電源107Hは噴霧時において定電流動作をすることによって、電流値に応じた定着液Lの噴霧量を調整する。
噴霧装置107は、温度センサSTと、圧力センサSPと、第1流路部107Eと、第2流路部107Jと、バルブ107Fと、第2バルブ107Iと、を有する。温度センサSTは、噴霧装置107の温度を計測する。圧力センサSPは、筐体107A内において定着液Lにかかる圧力を検知する。圧力センサSPについては後述する。
第1流路部107Eは、筐体107A内の空間と圧力センサSPとを連通する流路部であって、一端が筐体107Aに接続され、他端が圧力センサSPに接続されている。第2流路部107Jは、第1流路部107Eから分岐した流路部であって、一端が第1流路部107Eの途中に接続され、他端が大気と連通している。換言すれば、第1流路部107Eおよび第2流路部107Jは、筐体107Aと圧力センサSPとの間に配置された流路部の一例であって、互いに接続される第1空間部171および第2空間部172によって構成されている。第1空間部171は筐体107Aに接続された空間であり、第2空間部172は圧力センサSPに接続された空間である。
バルブ107Fは、第2空間部172における気体の出入りを開閉可能なように第2流路部7Fに配置されている。バルブ107Fを開としたときには、第1流路部107Eおよび第2流路部107Jの第2空間部172を第2流路部107Jの外部、すなわち大気と連通させることができ、バルブ107Fを閉としたときには、第1流路部107Eの内部空間を第2流路部107Jの外部と遮断できる。バルブ107Fは、例えば電磁バルブである。
第2バルブ107Iは、第1空間部171と第2空間部172とを開閉可能なように第1流路部107Eに配置されている。具体的には、第2バルブ107Iは、第1流路部107Eにおいて、第2流路部107Jが接続されている箇所よりも筐体107A側に配置されている。第2バルブ107Iを開としたときには、圧力センサSPを筐体107A内の空間と連通させることができ、第2バルブ107Iを閉としたときには、当該連通を遮断できる。第2バルブ107Iは、例えば電磁バルブである。
なお、噴霧装置107は、第2流路部107Jを備えていなくてもよい。この場合、第1流路部7Eにおいて、第2バルブ107Iの配置位置よりも圧力センサSP側に開口部が形成され、当該開口部にバルブ107Fが配置されればよい。この構成であっても、バルブ107Fは第2空間部172における気体の出入りを開閉可能なように、第2バルブ107Iは第1空間部171と第2空間部172とを開閉可能なように、それぞれ第1流路部107Eに配置される。
<圧力センサ>
圧力センサSPは、第2実施形態と同じセンサを用いている。
第3実施形態においても、圧力センサSPにおいては、周囲温度が0℃でない場合、印加圧力に対して検知圧力が、オフセット分だけずれるという特性がある。また、検知部のダイヤフラムまたは歪検知素子に内在する応力、圧力センサSPの組み立てによって検知部に影響した応力等は、圧力センサSPの個体毎に差が生じることが避けられない。そのためオフセットに関しても、圧力センサSPの個体差が存在することとなる。
本実施形態の画像形成装置101では、各処理段階において、所定の条件を満たした場合にオフセットを取得し、かつ更新しておき、印刷処理中に当該オフセットを用いて、筐体107Aへの定着液Lの供給量を調整する処理を実行する。これにより、筐体107Aにおいて定着液Lにかかる圧力が所定値となるように、ノズル107Dから定着液Lを噴霧できる。従って、圧力センサSPの個体差または筐体107A付近の温度の、少なくともいずれかの影響による圧力の検知誤差を抑制することによって、定着液Lの噴霧量が的確に制御できる。
また、本実施形態の画像形成装置101では、第2バルブ107Iを設けることにより、印刷処理中であっても、筐体107A内の圧力低下を抑制しつつオフセットを取得し、かつ更新できる。従って、印刷処理中であっても所定の条件を満たした場合には、当該オフセットを用いて、筐体107Aへの定着液Lの供給量を調整できる。
以下に、上記効果を実現するための画像形成装置101における各処理について説明する。
<画像形成装置における各処理>
制御装置100は、電源起動時、印刷処理の待機中、液面リセット処理中、及び印刷処理中において、上記構成を備えることを利用して、圧力センサSPのオフセットを取得するための第1圧力値取得処理または第3圧力値取得処理を実行する。これにより、制御装置100は、印刷処理中において、筐体107A内において定着液Lにかかる圧力を正確に算出できる。以下では、画像形成装置101の電源起動時、印刷処理の待機中、液面リセット処理、および印刷処理の各処理について順に説明する。
なお、以下の説明において、電源起動時における第1圧力値取得処理を「第1圧力値取得処理(電源起動時)」とも称する。印刷処理の待機中における第1圧力値取得処理を「第1圧力値取得処理(待機中)」とも称する。印刷処理中における第1圧力値取得処理を、「第1圧力値取得処理(印刷実行中)」とも称する。印刷処理の待機中における第3圧力値取得処理を「第3圧力値取得処理(待機中)」とも称する。液面リセット処理中における第3圧力値取得処理を「第3圧力値取得処理(液面リセット処理中)」とも称する。
<電源起動時の処理>
図15は、本実施形態に係る画像形成装置101の電源起動時における制御装置100の処理例を示すフローチャートである。本実施形態では、図15に示すように、制御装置100は、本処理の開始時において、バルブ107Fを閉とし、第2バルブ107Iを閉とし、供給ポンプ181Aを停止している。
ステップS401:電源が投入され、画像形成装置101の起動が開始すると、制御装置100は、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS402:続いて制御装置100は、直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定された場合、すなわちステップS402でYESの場合、ステップS403に進む。経過時間が所定時間以上であると判定された場合、すなわちステップS402でNOの場合、ステップS404の第1圧力値取得処理(電源起動時)に進む。経過時間が所定時間以上であると判定された場合が、上記所定の条件を満たした場合の一例である。上記所定時間は、例えば10分から1時間程度の時間であってよい。
ステップS403:続いて制御装置100は、直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満であるか否かを判定する。温度変化が所定幅未満であると判定された場合、すなわちステップS403でYESの場合、フローは終了する。温度変化が所定幅以上であると判定された場合、すなわちステップS403でNOの場合、ステップS404に進む。温度変化が所定幅以上であると判定された場合が、上記所定の条件を満たした場合の一例である。所定幅は、例えば2℃から5℃の範囲の温度幅であってよい。
ステップS404:続いて制御装置100は、第1圧力値取得処理(電源起動時)を実行する。第1圧力処理取得処理(電源起動時)の実行後、フローはステップS401に戻る。制御装置100は、第1圧力値を取得し、制御装置100が以前に取得してメモリに記憶した第1圧力値を、今回取得した第1圧力値に更新する処理を実行する。
第1圧力値は、後述するようにバルブ107Fを開にした状態での検知圧力である。すなわち、第1圧力値は、圧力センサSPへの印加圧力が0であるときの検知圧力である。従って、第1圧力値は、制御装置100が取得した時点での圧力センサSPのオフセットに相当する。
第1圧力値を取得してから所定時間以上経過している場合、第1圧力値が受ける経時的な変化の影響として、例えば圧力センサSPの周囲温度が変化している可能性がある。また、圧力センサSPの周囲温度に所定幅の変化が生じた場合、圧力センサSPは、正確な印加圧力を検知できない可能性がある。従って、上記のように第1圧力値を更新しておくことにより、制御装置100は、温度変化または経時的な変化に起因して第1圧力値が変化した場合であっても、変化後の第1圧力値を用いて、筐体107Aへの定着液Lの供給量を制御できる。そのため、温度変化または経時的な変化の影響を抑制して、筐体107Aにおいて定着液Lにかかる圧力が所定値となるように、ノズル107Dから定着液Lを噴霧できる。
図16は、図15に示されるステップS404の第1圧力値取得処理(電源起動時)の一例を示すフローチャートである。図16に示される第1圧力値取得処理(電源起動時)は、電源起動時の処理のフロー中におけるサブルーチンでもある。
ステップS501:制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にした状態のまま、第1バルブ107Fを閉にさせた状態からバルブ107Fを開にさせる状態に移行させる。これにより、圧力センサSPに接続する第1流路部107E内部の第2空間部172を、第2流路部107Jを介して大気と連通できる。そのため、第2空間部172の気体の圧力が、第2流路部107J外部の気体の圧力、すなわち大気圧と同一になる。
ステップS502:続いて制御装置100は、圧力センサSPの検知する圧力を安定させるため、一定時間待機する。
ステップS503:続いて制御装置100は、圧力センサSPが検知した圧力、すなわち検知圧力を、第1圧力値として取得する。つまり、制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを開にさせた状態で、第1圧力値を取得することにより、第1圧力値取得処理(電源起動時)を実行する。
ステップS504:続いて制御装置100は、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS505:続いて制御装置100は、ステップS503で取得した第1圧力値を新たな第1圧力値として更新する。この更新した新たな第1圧力値が、この時点での圧力センサSPのオフセットに相当する。
ステップS506:続いて制御装置100は、バルブ107Fを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させる。これにより、第1流路部107E内部の第2空間部172は大気と遮断され、バルブ107Fを電源起動時の処理の初期状態に戻す。ステップS506の処理後、図15のステップS401に戻る。
ここでは、電源起動時の処理について説明したが、図15および図16に示される処理は、省電力モード復帰時の処理として適用されてもよい。省電力モードとは、電源は起動されているものの、限られた機能以外は画像形成装置1の機能が起動していない状態である。
また、制御装置100は、ステップS402およびS403の判定処理を行う必要は必ずしもない。すなわち、制御装置100は、電源起動時には必ず、第1圧力値取得処理(電源起動時)を実行しても構わない。
<印刷処理の待機中の処理>
図17は、本実施形態に係る画像形成装置1の印刷処理の待機中における制御装置100の処理例を示すフローチャートである。印刷処理の待機中とは、電源を起動して印刷処理が可能な状態に移行してから印刷処理に移行するまでの画像形成装置1の状態を指す。図17に示すように、本処理の開始時において、バルブ107Fを閉とし、第2バルブ107Iを閉とし、供給ポンプ181Aを停止している。
ステップS601:制御装置100は、印刷処理の待機中に移行すると、バルブ107Fを閉の状態としたまま、第2バルブ107Iを閉にさせた状態から第2バルブ107Iを開にさせる状態に移行させる。これにより、圧力センサSPを、第1流路部107E内部の第1空間部171及び第2空間部172を介して、筐体107A内部と連通できる。そのため、印刷処理の待機中から印刷処理に移行したときに、圧力センサSPは、筐体107A内部の圧力を、後述する第2圧力値として検知できる。
ステップS602:続いて制御装置100は、印刷処理の待機状態が終了したか否かを判定する。制御装置100は、例えば、電源OFFとする操作を受け付けたとき、省電力モードに移行したとき、又は印刷実行命令を受け付けたときに、待機状態が終了したと判定する。待機状態が終了したと判定された場合、すなわちステップS602でYESの場合、フローは終了する。待機状態であると判定された場合、すなわちステップS602でNOの場合、ステップS603に進む。
ステップS603:続いて制御装置100は、ステップS401と同様、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS604:続いて制御装置100は、ステップS402と同様、直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定された場合、すなわちS604でYESの場合、ステップS605に進む。経過時間が所定時間以上であると判定された場合、すなわちS604でNOの場合、ステップS606に進む。
ステップS605:続いて制御装置100は、ステップS403と同様、直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満であるか否かを判定する。温度変化が所定幅未満であると判定された場合、すなわちS605でYESの場合、ステップS602に戻る。温度変化が所定幅以上であると判定された場合、すなわちS605でNOの場合、ステップS606に進む。
ステップS606:続いて制御装置100は、ステップS404と同様、第3圧力値取得処理(待機中)を実行する。第3圧力値取得処理(待機中)の実行後、フローはステップS602に戻る。なお、制御装置100は、第1圧力値取得処理(待機中)を第3圧力値取得処理(待機中)の代わりに実行してもよい。
第1圧力値取得処理(待機中)は、図15及び図16を用いて説明したように、第2バルブ107Iを閉にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを開にさせた状態で、圧力センサSPが検知した検知圧力を、第1圧力値として制御装置100が取得する処理である。第3圧力値取得処理(待機中)は、バルブ107Fを開にさせた状態で、かつ、第2バルブ107Iを開にさせた状態で、圧力センサSPが取得した検知圧力を、第3圧力値として制御装置100が取得する処理である。
つまり、第1圧力値および第3圧力値は、第2バルブ107Iを開にさせた状態で検知されるか、第2バルブ107Iを閉にさせた状態で検知されるかの相違はあるものの、バルブ107Fを開にさせた状態で検知される圧力値である。つまり、第1圧力値および第3圧力値は、圧力センサSPに接続する第1流路部107E内部の第2空間部172を大気と連通させた状態で検知される検知圧力、すなわち印加圧力が0のときの検知圧力であるという点では同一である。なお、第1圧力値取得処理(待機中)および第3圧力値取得処理(待機中)のいずれが実行されるかは、予め設定されていてもよいし、ユーザにより適宜設定されてもよい。
図18は、図17に示されるステップS606の第3圧力値取得処理(待機中)の一例を示すフローチャートである。図19は、図17に示されるステップS606の第1圧力値取得処理(待機中)の一例を示すフローチャートである。図18に示される第3圧力値取得処理(待機中)、および図19に示される第1圧力値取得処理(待機中)は、印刷処理の待機中の処理のフロー中におけるサブルーチンでもある。
(第3圧力値取得処理(待機中))
以下に、図18のフローチャートに沿って、印刷処理の待機中における第3圧力値取得処理(待機中)について説明する。
ステップS701:制御装置100は、第2バルブ107Iを開にした状態のまま、バルブ107Fを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行させる。これにより、ステップS501と同様、第1流路部107E内部の第2空間部172の気体の圧力が大気圧と同一になる。
ステップS702:続いて制御装置100は、ステップS502と同様、圧力センサSPの検知する圧力を安定させるため、一定時間待機する。
ステップS703:続いて制御装置100は、第1流路部107E内部の第2空間部172が第2流路部107Jを介して大気と連通した状態で圧力センサSPが検知した検知圧力を、第3圧力値として取得する。つまり、制御装置100は、第2バルブ107Iを開にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを開にさせた状態で、第3圧力値を取得する第3圧力値取得処理(待機中)を実行する。
ステップS704:続いて制御装置100は、ステップS504と同様、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS705:続いて制御装置100は、ステップS505と同様、ステップS703で取得した第3圧力値を新たな第1圧力値として更新する。この更新した新たな第1圧力値が、この時点での圧力センサSPのオフセットに相当する。
ステップS706:続いて制御装置100は、ステップS506と同様、バルブ107Fを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させ、バルブ107Fを印刷処理の待機中の処理の初期状態に戻す。ステップS706の処理後、図17のステップS602に戻る。
(第1圧力値取得処理(待機中))
以下に、図19のフローチャートに沿って、印刷処理の待機中における第1圧力値取得処理(待機中)について説明する。
ステップS801:制御装置100は、ステップS601で開にさせた第2バルブ107Iを閉にさせる状態に移行させる。
ステップS802:続いて制御装置100は、ステップS501と同様、バルブ107Fを閉にさせた状態から開にさせた状態に移行させる。
ステップS803:続いて制御装置100は、ステップS502と同様、圧力センサSPの検知する圧力を安定させるため、一定時間待機する。
ステップS804:続いて制御装置100は、ステップS503と同様、圧力センサSPが検知した検知圧力を、第1圧力値として取得する。つまり、制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを開にさせた状態で、第1圧力値を取得する第1圧力値取得処理(待機中)を実行する。
ステップS805:続いて制御装置100は、ステップS504と同様、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS806:続いて制御装置100は、ステップS505と同様、ステップS804で取得した第1圧力値を新たな第1圧力値として更新する。この更新した新たな第1圧力値が、この時点での圧力センサSPのオフセットに相当する。
ステップS807:続いて制御装置100は、バルブ107Fを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させる。
ステップS808:続いて制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行させる。ステップS807およびS808の処理により、バルブ107Fおよび第2バルブ107Iを印刷処理の待機中の処理の初期状態に戻す。
<液面リセット処理>
図20は、本実施形態に係る画像形成装置1の液面リセット処理における制御装置100の処理例を示すフローチャートである。液面リセット処理は、バルブ107Fおよび第2バルブ107Iをいずれも開にさせて筐体107A内部を大気圧とすることにより、筐体107A内部の液面位置を安定させる処理である。液面リセット処理は、例えば、画像形成装置101のメンテナンスモード中に実行される処理である。図8に示すように、制御装置100は、本処理の開始時において、バルブ107Fを閉とし、第2バルブ107Iを閉とし、供給ポンプ181Aを停止している。
ステップS901:制御装置100は、バルブ107Fを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行させる。
ステップS902:続いて制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行させる。ステップS901およびS902の処理により、筐体107A内部を大気圧と同一とすることができ、液面リセット処理を実行できる。
ステップS903:続いて制御装置100は、ステップS502と同様、圧力センサSPの検知する圧力を安定させるため、一定時間待機する。
ステップS904:続いて制御装置100は、ステップS503と同様、圧力センサSPが検知した検知圧力を、第3圧力値として取得する。つまり、制御装置100は、第2バルブ107Iを開にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを開にさせた状態で、第3圧力値を取得する第3圧力値取得処理(液面リセット処理中)を実行する。
ステップS905:続いて制御装置100は、ステップS504と同様、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS906:続いて制御装置100は、ステップS505と同様、S904で取得した第3圧力値を新たな第1圧力値として更新する。この更新した新たな第1圧力値が、この時点での圧力センサSPのオフセットに相当する。
ステップS907:続いて制御装置100は、バルブ107Fを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させる。
ステップS908:続いて制御装置100は、第2バルブ107Iを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させる。ステップS907およびS908の処理により、バルブ107Fおよび第2バルブ107Iを液面リセット処理の初期状態に戻す。
図15に示す電源起動時、図17に示す印刷処理の待機中の各処理においては、制御装置100は、所定の条件を満たした場合に、少なくともバルブ107Fを開にさせたときの検知圧力をオフセットとして取得し、当該オフセットを新たな第1圧力値として更新する。一方、液面リセット処理を実行する場合、制御装置100は、オフセットの取得有無に依らず、バルブ107Fを開にさせる。そのため、通常実行される液面リセット処理にあわせて、オフセットの取得処理及び更新処理を実行できる。
<印刷処理>
図21は、本実施形態に係る画像形成装置101の印刷処理時における制御装置100の処理例を示すフローチャートである。図21に示すように、制御装置100は、本処理の開始時において、すなわち制御装置100が印刷実行命令を受け付けたときに、バルブ107Fを閉とし、第2バルブ107Iを開とし、供給ポンプ181Aを稼働させ、定着液Lが筐体107Aに供給される。
ステップS1001:制御装置100は、印刷実行命令を受け付けると、シートSに対する印刷処理、すなわち画像形成処理を実行する。制御装置100は、転写されたシートS上のトナー像をシートSに定着させるため、シートSへ定着液Lを噴霧する噴霧処理を実行する。
具体的には、制御装置100は、噴霧装置107がシートSへの定着液Lの噴霧を実行している間、第2バルブ107Iを開にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを閉にさせた状態で圧力センサSPが検知する検知圧力を、第2圧力値として取得する。つまり、制御装置100は、圧力センサSPを筐体107A内部と連通させた状態で圧力センサSPが検知した筐体107A内部の圧力を、第2圧力値として取得する。制御装置100は、取得した第2圧力値を第1圧力値で補正した補正圧力値が所定値となるように、供給ポンプ181Aを駆動させて、定着液Lの筐体107Aへの供給量を制御する。このようにして、制御装置100は、筐体107A内部で定着液Lにかかる圧力を一定に制御することによって定着液Lの噴霧量の変動を抑制しつつ、ノズル107Dから定着液Lを噴霧させる。これにより、画像形成装置101は、画像形成時に画質の良い画像を形成することができる。
第2圧力値を補正する第1圧力値は、上述した第1圧力値取得処理(電源起動時)、第1圧力値取得処理(待機中)、第3圧力値取得処理(待機中)、または第3圧力値取得処理(液面リセット処理中)の実行後に更新された新たな第1圧力値である。あるいは、ス
テップS1006の第1圧力値取得処理(印刷実行中)により取得された第1圧力値である。すなわち、第2圧力値を補正する第1圧力値は、メモリに記憶されている最新の第1圧力値である。
本実施形態の具体例において、第2圧力値P2を第1圧力値P1で補正した補正圧力値Pcは、第2圧力値P2から第1圧力値P1を差し引いた値とすることができる。すなわち、関係式Pc=P2-P1より、補正圧力値Pcを算出できる。
ステップS1002:続いて制御装置100は、印刷処理が終了したか否かを判定する。印刷処理が終了したと判定された場合、すなわちステップS1002でYESの場合、フローは終了する。印刷処理が続行されている場合、すなわちステップS1002でNOの場合には、フローはステップS1003に進む。
ステップS1003:続いて制御装置100は、ステップS401と同様、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS1004:続いて制御装置100は、ステップS402と同様、直近の第1圧力値更新時からの経過時間が、所定時間未満であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定された場合、すなわちステップS1004でYESの場合、ステップS1005に進む。経過時間が所定時間以上であると判定された場合、すなわちステップS1004でNOの場合、ステップS1006に進む。
具体的には、制御装置100は、ステップS1001の噴霧処理実行中に、直近の第1圧力値取得処理から所定時間以上経過したことを検出すると、所定の条件を満たしたと判定し、フローはステップS1006に進む。直近の第3圧力値取得処理から所定時間以上経過したことを検出した場合も同様である。直近の第1圧力値取得処理とは、第1圧力値取得処理(電源起動時)、第1圧力値取得処理(待機中)または第1圧力値取得処理(印刷実行中)を指す。直近の第3圧力値取得処理とは、第3圧力値取得処理(待機中)または第3圧力値取得処理(液面リセット処理中)を指す。
ステップS1005:続いて制御装置100は、ステップS403と同様、直近の第1圧力値更新時からの温度変化が、所定幅未満であるか否かを判定する。温度変化が所定幅未満であると判定された場合、すなわちステップS1005でYESの場合、ステップS1001に戻る。温度変化が所定幅以上であると判定された場合、すなわちステップS1005でNOの場合、ステップS1006に進む。
具体的には、制御装置100は、ステップS1001の噴霧処理実行中に、温度センサSTが検知した温度が、直近の第1圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを検出すると、所定の条件を満たしたと判定し、フローはステップS1006に進む。当該温度が直近の第3圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを検出した場合も同様である。
ステップS1006:続いて制御装置100は、ステップS404と同様、第1圧力値取得処理(印刷処理実行)を実行する。第1圧力処理取得処理(印刷処理実行)の実行後、フローはステップS1001に戻る。
図22は、図21に示されるステップS1006の第1圧力値取得処理(印刷処理実行)の一例を示すフローチャートである。図22に示される第1圧力値取得処理(印刷処理実行)は、印刷処理のフロー中におけるサブルーチンでもある。本サブルーチンは、ステップS1001の噴霧処理を実行している間において、上述した所定の条件を満たした場合に実行される処理である。
ステップS1101:制御装置100は、補正圧力値が所定値となるように供給ポンプ181Aによる筐体107Aへの定着液Lの供給量を制御して、ノズル107Dから定着液Lを噴霧する噴霧処理を停止する。その後、制御装置100は、供給ポンプ181Aの駆動を制御して、筐体107Aへの定着液Lの供給量を一定の値に固定し、ノズル107Dから定着液Lを噴霧させる固定制御噴霧処理を開始する。制御装置100は、筐体107Aの定着液Lの供給量を、例えば噴霧処理停止直前の供給量に固定してよい。制御装置100が、噴霧処理停止直前の供給量に固定することによって、ノズル107Dからの良好な噴霧および定着を維持でき、定着液Lの供給不足、または、定着液Lの供給過剰な塗布によって、筐体107AまたはシートSを汚さなくすることができる。
ステップS1102:続いて制御装置100は、ステップS801と同様、第2バルブ107Iを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させる。
ステップS1103:続いて制御装置100は、ステップS802と同様、バルブ107Fを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行させる。
ステップS1104:続いて制御装置100は、ステップS502と同様、圧力センサSPの検知する圧力を安定させるため、一定時間待機する。
ステップS1105:続いて制御装置100は、ステップS503と同様、圧力センサSPが検知した検知圧力を、第1圧力値として取得する。つまり、制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にさせた状態で、かつ、バルブ107Fを開にさせた状態で、第1圧力値を取得する第1圧力値取得処理(印刷処理実行)を実行する。
ステップS1106:続いて制御装置100は、ステップS401と同様、温度センサSTが検知した噴霧装置107の温度を取得する。
ステップS1107:続いて制御装置100は、ステップS505と同様、ステップS1105で取得した第1圧力値を新たな第1圧力値として更新する。具体的には、制御装置100は、ステップS1101の固定制御噴霧処理を実行している間において、第1圧力値取得処理(印刷処理実行)を実行することにより圧力センサSPが新たに検知した検知圧力を、新たな第1圧力値として更新する。この更新した新たな第1圧力値が、この時点での圧力センサSPのオフセットに相当する。
ステップS1108:続いて制御装置100は、バルブ107Fを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行させる。
ステップS1109:続いて制御装置100は、第2バルブ107Iを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行させる。ステップS1108およびS1109の処理により、バルブ107Fおよび第2バルブ107Iを、ステップS1001で第2圧力値を取得できる状態に戻す。
ステップS1110:続いて制御装置100は、ステップS1101の固定制御噴霧処理を停止する停止処理を実行する。その後、制御装置100は、ステップS1001に戻り、補正圧力値が所定値となるように筐体107Aへの定着液Lの供給量を制御して、ノズル7Dから定着液Lを噴霧する噴霧処理を再開する。
<作用効果>
噴霧装置107のノズル107Dから静電噴霧される、定着液Lの噴霧量が変化すると、シートP上に画像形成され定着する画像の画質に影響を与える。そのため、所要の噴霧量に精密に調整する必要がある。しかし定着液Lの噴霧量は、筐体107A内部で定着液Lにかかる圧力、厳密には、ノズル107D内外での定着液Lにかかる気圧の差に依存する。よって、噴霧量を精密に調整するには、筐体107Aに定着液Lを送り込む供給ポンプ81Aの駆動をフィードバック制御するための、筐体107Aで定着液Lにかかる圧力の検知を精密に行う必要がある。
上述のように、圧力センサSPは、印加圧力と検知圧力との間にオフセットを有している。オフセットは、周囲温度により変化し、また圧力センサSPによる個体差もある。しかし本実施形態によれば、画像形成装置1の各処理中にオフセットが適宜のタイミングで評価され、印刷処理中に、その結果に基づいて圧力センサSPの検知圧力が補正される。
特に、本実施形態によれば、噴霧装置107の温度の変化があった場合、または直近の第1圧力値更新時(オフセットを更新する処理)から、所定時間経過した場合に、第1圧力値取得処理(印刷処理実行)が再度実行されて圧力センサSPのオフセットが更新される。よって、定着液Lの噴霧中の筐体107Aで定着液Lにかかる圧力の検知の精度が、温度変化あるいは経時的な変動の影響を受けずに、高いものとなる。これにより、画像形成装置101は、画像形成時に画質の良い画像を形成することができる。
また、第2バルブ107Iを設けたことにより、第1圧力値を取得するためにバルブ107Fを開にして圧力センサSPを大気と連通させたときに、第2バルブ107Iを閉とする。そのため、印刷処理中に、筐体107A内の圧力が低下する可能性を低減した状態で、ノズル107Dから定着液Lを噴霧できる。従って、画像形成装置101では、印刷処理中に第1圧力値を取得する場合であっても、筐体107Aで定着液Lにかかる圧力の検知を精密に行うことができるので、画質の良い画像を形成できる。
すなわち、画像形成装置101では、第2バルブ107Iを設けることにより、印刷処理中であっても、圧力センサSPの個体差または筐体107A付近の温度の、少なくともいずれかの影響による圧力の検知誤差を抑制できる。そのため、定着液Lの噴霧量が的確に制御できる。
また、本実施形態によれば、制御装置100は、印刷処理中に第1圧力値を取得する場合、バルブ107Fを開にさせると共に第2バルブ107Iを閉にさせる。そのため、バルブ107Fを開にさせた状態としても、筐体107Aが第1流路部107Eおよび第2流路部107Jを通じて、筐体107A内の定着液Lが第2流路部107Jの外部に漏れ出す可能性を低減できる。また、上述のように、印刷処理中に筐体107A内の圧力が低下することにより、ノズル107Dからの定着液Lの噴霧量が低下する可能性を低減できる。
また、本実施形態によれば、印刷処理中に上述した所定の条件を満たして第1圧力値を取得する場合、筐体107Aへの定着液Lの供給量を一定の値に固定した状態でノズル107Dから定着液Lを噴霧できる。そのため、印刷処理中に第1圧力値を取得し、かつ更新する場合においても、ノズル107Dから定着液Lを継続して噴霧できる。また、第1圧力値の更新後に固定制御噴霧処理を停止することにより、当該第1圧力値に基づき補正した補正圧力値を用いた定着液Lの噴霧制御を再開できる。
<その他の処理>
例えば、制御装置100は、印刷処理中に第1圧力値を取得し、かつ更新する処理を実行する場合、補正圧力値が所定の範囲に入ってから当該処理を実行してもよい。補正圧力値が所定の範囲に入っていない状態で固定制御噴霧処理を実行した場合、規定の範囲外の定着液Lがノズル107Dから噴霧される可能性がある。上記のように、補正圧力値が所定の範囲に入ってから第1圧力値を取得する場合、固定制御噴霧処理を実行しても、規定の範囲内で定着液Lをノズル107Dから噴霧できる。
また例えば、制御装置100は、固定制御噴霧処理を実行する場合に、筐体107Aへの定着液Lの供給量を2段階に制御してもよい。例えば、制御装置100は、固定制御噴霧処理を実行すると、第1段階として、噴霧処理停止直前の供給量よりも少ない値となるように、筐体107Aへの定着液Lの供給量を調整する。その後、制御装置100は、第2段階として、第2バルブ107Iを閉とさせてから一定時間経過後に、噴霧処理停止直前の供給量となるように、筐体107Aへの定着液Lの供給量を調整する。これにより、第2バルブ107Iを閉めた際の筐体107A内部の圧力増加による定着液Lの噴霧量の増加を抑制できる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置101の制御ブロック(特に制御装置100)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、画像形成装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 画像形成装置
4 感光ドラム
7 現像装置
8 転写装置
9 噴霧装置
11 圧力センサ
12 流路部
13 バルブ
14 排出バルブ
21 供給装置
22 制御装置
91 筐体
91A 受入口
91B 排出口
91C 開口
91D 内面
92 ノズル
211 供給タンク
213 供給ポンプ
S シート

Claims (22)

  1. 感光ドラムと、
    前記感光ドラム上にトナーを供給する現像装置と、
    前記感光ドラム上に供給された前記トナーをシートに転写する転写装置と、
    前記トナーを前記シートに定着させるための定着液を、前記トナーが転写された前記シートに噴霧する噴霧装置であって、前記定着液を収容可能な筐体と、前記筐体内の前記定着液を噴霧するノズルと、前記筐体内の圧力を検知する圧力センサと、前記筐体に接続され、前記筐体と前記圧力センサとの間に気体が在る流路部と、前記筐体と前記圧力センサとの間に在る気体の出入りを可能にするバルブと、を有する噴霧装置と、を備え、
    前記圧力センサは、前記流路部を介して前記筐体内の圧力を検知する、画像形成装置。
  2. 前記画像形成装置は、
    前記筐体に前記定着液を供給する供給装置であって、前記筐体に供給される前記定着液を収容する供給タンクと、前記供給タンクから前記筐体に前記定着液を送る供給ポンプと、を有する供給装置と、
    制御装置と、をさらに備え、
    前記制御装置は、前記噴霧装置に前記定着液を噴霧させる場合、前記バルブを閉じた状態で、前記供給ポンプを駆動させる、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御装置は、前記噴霧装置に前記定着液を噴霧させずに、前記筐体に前記定着液を供給する場合、前記バルブを閉じた状態で、前記供給ポンプを駆動させる、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記圧力センサが検知した圧力が、第1閾値以上、前記第1閾値よりも高い第2閾値以下である場合、前記供給ポンプを第1駆動量で駆動させ、
    前記圧力センサが検知した圧力が前記第1閾値よりも低い場合、前記供給ポンプを前記第1駆動量よりも大きい第2駆動量で駆動させ、
    前記圧力センサが検知した圧力が前記第2閾値よりも高い場合、前記供給ポンプを前記第1駆動量よりも小さい第3駆動量で駆動させる、請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御装置は、前記供給ポンプを前記第2駆動量または前記第3駆動量で駆動させている状態で、前記圧力センサが検知した圧力が前記第1閾値以上、前記第2閾値以下になった場合、前記供給ポンプを前記第1駆動量で駆動させる、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置は、
    前記筐体に前記定着液を供給する供給装置であって、前記筐体に供給される前記定着液を収容する供給タンクと、前記供給タンクから前記筐体に前記定着液を送る供給ポンプと、を有する供給装置と、
    制御装置と、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記供給ポンプの駆動を停止させ、前記バルブを開にさせた状態で、前記圧力センサが検知する第1圧力値を取得する、第1圧力値取得処理を実行し、
    前記バルブを閉にさせた状態で、前記圧力センサが検知する第2圧力値を取得し、当該第2圧力値を前記第1圧力値で補正した補正圧力値が所要値となるように前記供給ポンプを駆動させ、前記ノズルから前記定着液を噴霧させる、噴霧処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記噴霧装置は、
    温度センサを更に有し、
    前記制御装置は、
    前記画像形成装置起動時に、または、前記噴霧処理の実行前に、
    前記温度センサが検知した温度が、直近の前記第1圧力値取得処理の時点から所定幅未満の変化であった場合、前記第1圧力値取得処理を実行せず、
    前記温度センサが検知した温度が、直近の前記第1圧力値取得処理の時点から所定幅以上の変化であった場合、前記第1圧力値取得処理を実行する、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御装置は、
    前記噴霧処理によって前記シートへ前記定着液を噴霧している際に、前記温度センサが検知した温度が、直近の前記第1圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを判断すると、
    前記噴霧処理の終了後、前記第1圧力値取得処理を実行する、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記画像形成装置起動時に、または、前記噴霧処理を実行するに当たり、
    直近の前記第1圧力値取得処理から所定時間以上経過すると、前記第1圧力値取得処理を実行する、請求項7または請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御装置は、
    前記噴霧処理によって前記シートへ前記定着液を噴霧している際に、直近の前記第1圧力値取得処理から所定時間以上経過すると、
    前記噴霧処理の終了後、前記第1圧力値取得処理を実行する、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記噴霧装置は、第2バルブをさらに有し、
    前記流路部は、接続される第1空間部と第2空間部とによって構成され、前記第1空間部は前記筐体に接続され、前記第2空間部は前記圧力センサに接続され、
    前記第2バルブは、前記第1空間部と前記第2空間部とを開閉可能に配置され、
    前記バルブは、前記第2空間部の気体の出入りを開閉可能に配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成装置は、
    前記筐体に前記定着液を供給する供給装置であって、前記筐体に供給される前記定着液を収容する供給タンクと、前記供給タンクから前記筐体に前記定着液を送る供給ポンプと、を有する供給装置と、
    制御装置と、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記第2バルブを閉にさせた状態で、かつ、前記バルブを開にさせた状態で、前記圧力センサが検知する第1圧力値を取得する第1圧力値取得処理と、
    前記第2バルブを開にさせた状態で、かつ、前記バルブを閉にさせた状態で前記圧力センサが検知する第2圧力値を取得し、当該第2圧力値を前記第1圧力値で補正した補正圧力値が所定値となるように、前記供給ポンプを制御して、前記ノズルから前記定着液を噴霧させる噴霧処理と、
    を実行する、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御装置は、
    前記噴霧処理を実行している間において、所定の条件を満たした場合、
    前記第2バルブを開にさせた状態から閉にさせる状態に移行し、かつ、前記バルブを閉にさせた状態から開にさせる状態に移行することにより、前記第1圧力値取得処理を実行する、
    請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御装置は、
    前記所定の条件を満たした場合、前記筐体への前記定着液の供給量を一定の値に固定して前記ノズルから前記定着液を噴霧させる固定制御噴霧処理を実行し、
    前記固定制御噴霧処理を実行している間において、前記第1圧力値取得処理を実行することにより前記圧力センサが新たに検知した圧力値を、新たな第1圧力値として更新し、
    前記第1圧力値を更新した後、前記固定制御噴霧処理を停止する停止処理を実行し、
    前記停止処理を実行した後、前記噴霧処理を実行することにより、前記第2バルブを開にさせた状態で、かつ、前記バルブを閉にさせた状態で前記圧力センサが検知する第2圧力値を取得し、当該第2圧力値を、更新した第1圧力値で補正した補正圧力値が所定値となるように、前記供給ポンプを制御する、請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 温度センサを更に有し、
    前記制御装置は、
    前記第2バルブを開にさせた状態で、かつ、前記バルブを開にさせた状態で、前記圧力センサが検知する第3圧力値を、前記第2圧力値を補正する前記第1圧力値として取得する第3圧力値取得処理を実行していた場合、
    前記噴霧処理によって前記シートへ前記定着液を噴霧している際に、前記温度センサが検知した温度が、直近の前記第3圧力値取得処理時点から所定幅以上変化したことを検出すると、前記所定の条件を満たしたと判定し、
    前記第1圧力値取得処理を実行する、請求項13または請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記制御装置は、
    前記第2バルブを開にさせた状態で、かつ、前記バルブを開にさせた状態で、前記圧力センサが検知する第3圧力値を、前記第2圧力値を補正する前記第1圧力値として取得する第3圧力値取得処理を実行していた場合、
    前記噴霧処理によって前記シートへ前記定着液を噴霧している際に、直近の前記第3圧力値取得処理から所定時間以上経過したことを検出すると、前記所定の条件を満たしたと判定し、
    前記第1圧力値取得処理を実行する、請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  17. 前記筐体は、前記供給タンクからの前記定着液を受け入れる受入口と、前記筐体内の空気を排出する排出口と、を有し、
    前記噴霧装置は、前記排出口を開閉可能な排出バルブを備える、請求項2に記載の画像形成装置。
  18. 筐体は、前記受入口と前記排出口との間に位置する開口を有し、
    前記流路部は、前記開口と接続されること特徴とする、請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記筐体は、前記受入口から前記排出口に向かうにつれて上方へ傾斜する内面を有する、請求項17または請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 前記制御装置は、前記噴霧装置に前記定着液を噴霧させる場合、前記排出バルブを閉じた状態で、前記供給ポンプを駆動させる、請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  21. 前記制御装置は、前記噴霧装置に前記定着液を噴霧させずに、前記筐体に前記定着液を供給する場合、前記排出バルブを開けた状態で、前記供給ポンプを駆動させる、請求項17から請求項20のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  22. 前記制御装置は、前記噴霧装置に前記定着液を噴霧させずに、前記筐体に前記定着液を供給する場合、前記バルブを開け、前記バルブを閉じ、前記排出バルブを開けた後、前記供給ポンプを駆動させる、請求項21に記載の画像形成装置。
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