JP2022007706A - 一体押出成形体およびその製造方法 - Google Patents

一体押出成形体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量性と良好な加工性に加えてより木質材に近い外観を有する一体押出成形体の提供。【解決手段】金属製の芯材11と、芯材11の外表面を被覆し、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む第1被覆層13と、第1被覆層13を部分的に被覆し、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含み、前記第1被覆層と色の異なる第2被覆層14とを有する一体押出成形体10。好ましくは、芯材11と第1被覆層13の間に接着層12をさらに有する。【選択図】図1

Description

本発明は、建築用部材等に用いられる、金属製芯材入り一体押出成形体に関する。
金属製芯材の外表面に木粉含有熱可塑性樹脂を押出被覆した一体押出成形体が、建築用部材等として用いられている。例えば、特許文献1には、アルミ等金属製芯材の外表面にポリオレフィン系樹脂および木粉を含有する被覆層を有し、上質な木質感が得られる一体押出成形体が記載されている。また、特許文献2には、上記一体押出成形体を用いたデザイン性に優れる曲げ加工品が記載されている。
特開2012-066403号公報 国際公開WO2016/006707号公報 特開平11-254569号公報 特開2004-098334号公報
近年、特許文献1や特許文献2のような、金属製芯材を用いた一体押出成形体の表面外観を、より木質に近づけたいという要請がある。当該一体押出成形体においては、木粉を含有させ、好ましくはさらに表面にサンディング加工を施すことにより、木質感を表現することができるが、木質材独特の木目模様・柾目模様を表現することはできなかった。
一方、金属製芯材を用いない合成樹脂成形体においては、例えば特許文献3や特許文献4にみられるように、木目模様を表現した成形体があった。特許文献3には、基材層の表面にストランド状等の加飾層が埋め込まれた加飾性多層成形体が記載されている。しかし、金属製芯材を用いた一体押出成形体では、芯材側にストランド状の加飾層が入り込むことができず、薄い被覆層側に入るため、ストランドが外観上明確になりすぎ、サンディング加工を加えても、木質調の外観を有する一体押出成形体を得ることはできない。特許文献4には、ベース樹脂よりも流動性の低い着色種剤樹脂を混合して押出成形を行い、両者の流動性の違いによって混合が不均一となることを利用して、成形体中に不規則な且つ境界のはっきりしない筋模様を形成して木目調に似た外観を与える多層押出成形体が記載されている。しかし、被覆層の原料として、ポリオレフィン樹脂と木粉を混合して用いる場合は、木粉のポリオレフィン樹脂中での分散性が悪いため強く混錬する必要があり、種剤を混合しても均一に混合されてしまい、木目調の筋模様を発現することができないことが分かった。
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、金属製芯材を用いた一体押出成形体の軽量性や良好な加工性といった特長は維持しながら、より木質材に近い外観を有する一体押出成形体を提供することを目的とする。
本発明の一体押出成形体は、金属製の芯材と、前記芯材の外表面を被覆し、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む第1被覆層と、前記第1被覆層を部分的に被覆し、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含み、前記第1被覆層と色の異なる第2被覆層とを有する。
ここで、芯材の外表面とは、芯材の表面のうち一体押出成形体の使用時に外側になる部分をいう。例えば、筒状の一体押出成形体では筒状の芯材の外側の表面をいい、建築物に化粧材として取り付けられる板状等の一体押出成形体では、人目に触れる側の芯材表面をいう。第1被覆層は芯材の外表面に直接形成されていてもよいし、芯材表面に形成された後述する接着層の上に形成されることで芯材の外表面を被覆していてもよい。
本発明の一体押出成形体の製造方法は、金属製の芯材を準備する工程と、第1押出工程と、第2押出工程と、冷却工程とを有する。前記第1押出工程は、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む混合物を混練して第1組成物を調製し、前記芯材を第1ダイの開口に挿通し、前記第1組成物を前記第1ダイ内で前記芯材上に押し出すことにより、前記芯材の外表面を被覆する第1被覆層を形成する。前記第2押出工程は、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む混合物を混練して、前記第1組成物と色の異なる第2組成物を調製し、前記第1被覆層を有する前記芯材を、該第1被覆層が流動性を失わないうちに第2ダイの開口に挿通し、前記第2組成物を前記第2ダイ内で前記第1被覆層の表面に押し出すことにより、前記第1被覆層を部分的に被覆する第2被覆層を形成する。前記冷却工程は、前記第1被覆層および前記第2被覆層を冷却して硬化させる。
本発明の一体押出成形体によれば、金属製芯材の表面に木粉を含むポリオレフィン樹脂を押出被覆することによって、従来の一体押出成形体の利点である軽量性、良好な加工性や上質な木質感を維持できる。さらに、第1被覆層上に、色の異なる第2被覆層を部分的に積層することによって、より木質材に近い外観が得られる。
一実施形態の一体押出成形体のA:断面構造を示す図、B:Aの断面のXY部分の拡大図である。 一体押出成形機の構造を示す図である。 図2の位置Pにおける第2ダイの断面概略図である。 図2の位置Qにおける第2ダイの断面概略図である。 実施例の一体押出成形体の外観図である。
本明細書中、一体押出成形とは、被覆層用材料を押し出すと同時に、その層を、送り込まれた芯材に被覆して一体化することを意味し、そのよう方法で形成されたものを一体押出成形体という。
図1を参照して、本実施形態の一体押出成形体10は、押出方向に垂直な断面が長方形の四角柱形状を有する。一体押出成形体10は、金属製の芯材11と、芯材の外表面の全体を被覆する第1被覆層13と、第1被覆層を部分的に被覆する第2被覆層14を有し、芯材と第1被覆層の間に介在する接着層12をさらに有する。第1被覆層13と第2被覆層14が一体押出成形体の最表面を構成している。なお、以下において、単に「断面」というときは、押出方向に垂直な断面のことをいう。
芯材11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス、亜鉛メッキ鋼、銅等の金属からなる。建築用部材等として必要な強度と軽量性の両立、および中空状や複雑な断面形状への加工容易性の観点からは、芯材は好ましくアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。具体的には、アルミサッシに用いるような押出成形性の良いグレード、たとえばJISH4100の合金番号6063や6060のような材質が用いられる。
芯材11の形状は、一体押出成形によって表面に第1被覆層13や第2被覆層14を形成可能であれば特に限定されない。芯材は、例えば、角柱状や円柱状であってよく、中空であっても中実であってもよい。また、芯材は板状であってもよいし、より複雑な異形断面形状を有していてもよい。一体押出成形体10を建築用部材として使用する場合は、芯材は、中空形状または異形断面形状を有することが好ましい。より軽量で高い曲げ剛性が得られるからである。
芯材11が中空、平板、各種異形断面形状を有する場合、芯材の厚さは好ましくは0.8~5.0mm、より好ましくは1.1~3.0mmである。芯材がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合は、剛性および押出加工性の観点から、芯材の厚さが上記範囲にあることが特に好ましい。芯材全体の長さや幅などの寸法も特に制限されるものではなく、一体押出成形体の用途に応じて設定できる。なお、建築用部材としての剛性および表面加飾性が求められる場合は、芯材の断面の高さおよび幅は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、好ましくは200mm以下である。
芯材11は、第1被覆層13または接着層12との接着性のさらなる向上を目的として、表面にローレット加工処理および/または陽極酸化処理を行うことが好ましい。ローレット加工処理は、芯材の外表面に溝を形成する加工処理である。これにより第1被覆層または接着層と芯材との接着性が向上する。ローレット加工は、例えば、芯材の長手方向に沿って溝を形成する。ローレット加工による溝の深さは好ましくは0.03~1.0mmであり、溝のピッチは好ましくは0.03~1.5mmである。溝の形状は、例えば、略三角形状や略円弧状の凸部および凹部が連続するような形状とすることができる。陽極酸化処理は、芯材の表面に金属酸化皮膜を形成する処理である。陽極酸化被膜には表面から厚さ方向に伸びる微細な孔が形成されているので、封孔処理を行わずに用いれば、やはり第1被覆層または接着層と芯材との接着性が向上する。ローレット加工処理と陽極酸化処理の両方の処理を行う場合は、ローレット加工を行った後、陽極酸化処理を行うことが好ましい。
本実施形態の第1被覆層13は、芯材11の外表面の全体を、接着層12を介して被覆する。第1被覆層13は、少なくともベース樹脂であるポリオレフィン系樹脂、木粉および着色剤を含む。
ポリオレフィン系樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂を用いる理由は、屋外で使用した場合に耐候性に優れるからである。好ましいポリオレフィン系樹脂はポリエチレンおよびポリプロピレンであり、特に好ましいポリオレフィン系樹脂は、サンディング加工後の木質感が優れるポリプロピレンである。
ポリオレフィン系樹脂は不飽和カルボン酸により変性されていることが好ましい。木粉との相溶性を改善できるからである。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。好ましい不飽和カルボン酸は不飽和ジカルボン酸およびその無水物であり、例えば、マレイン酸、および無水マレイン酸である。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂における不飽和カルボン酸の含有量は、当該不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の全モノマーに対して0.1~15重量%が好ましい。
あるいは、上記ポリオレフィン系樹脂または不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂とは別成分として不飽和カルボン酸が含有されてもよい。目的は、上記不飽和カルボン酸変性と同じく、ポリオレフィン系樹脂と木粉との相溶性を改善するためである。好ましい不飽和カルボン酸は不飽和ジカルボン酸およびその無水物であり、例えば、マレイン酸および無水マレイン酸である。ポリオレフィン系樹脂の別成分として含有される不飽和カルボン酸の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.2~10重量部が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、融点が165℃以下、特に125~165℃であることが好ましい。一体押出成形のやり易さの点から、ポリオレフィン系樹脂のMFR(メルトフローレート)は3~25g/10minであることが好ましく、特に3~15g/10minがさらに好ましい。融点は公知の示差走査熱量分析によって測定できる。MFRは190℃、荷重2.16kgfにおける値であり、JISK7210に基づいて測定できる。
ベース樹脂にはポリオレフィン系以外の樹脂が含有されていてもよい。他の樹脂としては、例えば、アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂が挙げられる。ベース樹脂がポリオレフィン系以外の樹脂を含有する場合、全樹脂に占めるポリオレフィン系樹脂の割合が90重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、ベース樹脂の樹脂成分はポリオレフィン系樹脂のみからなる。
第1被覆層13は、優れた外観および触感を付与するため、木粉を含む。木粉としては、スギ、ヒノキ、ベイツガ等の木材、ならびにそのような木材の端材および廃材を粉砕したもの、おが屑等がよく用いられ、その粒径は10~500メッシュのものを用いることができるが、より好適なのは60~100メッシュ程度である。木粉として端材および廃材を粉砕してものを用いると、環境負荷が低減されるので好ましい。
木粉の含有量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5~50重量部、好ましくは10~40重量部である。
第1被覆層13は、木質材様の色を付与するため、着色剤を含む。着色剤としては、公知の無機系または有機系の顔料が使用可能である。着色剤の含有量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2~8重量部が好ましい。
第1被覆層13は、種々の物性を高めるために、従来から合成樹脂に用いられる種々の添加剤、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、艶消し剤、マイカ粉粒体、有機繊維、バーミキュライト粉体、ガラスチップ、古紙粉体、陶磁器粉体等が含有されてもよい。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が使用可能である。充填剤の含有量はポリオレフィン系樹脂に対して5~40重量%が好ましい。
第1被覆層13の厚さは、本発明の目的が達成される限り特に制限されない。接着性、木質感、外観、生産性の観点からは、第1被覆層13の厚さは好ましくは0.1~5mm、より好ましくは1.0~2.0mmである。第1被覆層が薄すぎると、木質材に似た触感が得られないからである。一方、第1被覆層が厚すぎると、接着性や生産性が損なわれるからである。
第1被覆層13は、好ましくはいわゆる非発泡体または発泡倍率5倍以下、特に2倍以下の低発泡体であり、より好ましくは非発泡体である。
第2被覆層14は、第1被覆層を部分的に被覆する。第2被覆層は、押出成形体の押出方向に伸びる筋模様を形成する。この筋模様は、筋の幅や長さが不規則に変化して、木目柄を再現する。第2被覆層14は、少なくともベース樹脂であるポリオレフィン系樹脂、木粉および着色剤を含む。
第2被覆層14に含まれる各成分の説明は、好ましい範囲も含めて第1被覆層と同じであるので省略する。ただし、第2被覆層は第1被覆層と色が異なる。つまり、両被覆層の色が、色相、彩度または明度のいずれかが異なることにより、視覚によって異なる色として認識される。好ましくは、第1被覆層を淡い茶色、第2被覆層を濃い茶色とすることで木目柄を形成して、一体押出成形体10に木質感を醸し出すことができる。
好ましくは、第2被覆層14は、着色剤の種類または濃度を除いて、第1被覆層13と同じ組成を有する。これにより、第1被覆層と第2被覆層の接着性が良いことの他、境界面の外観上の違和感が少ない、第1被覆層と第2被覆層のマスターバッチを共用できて生産性がよいなど、多くのメリットが得られる。
第2被覆層14は、断面において第1被覆層13の凹み13aを埋めるように形成されていることが好ましい(図1B参照)。多くの用途において一体押出成形体の表面は巨視的に平面または滑らかな曲面として構成される。第2被覆層を第1被覆層に埋め込まれるように形成することで、第1被覆層と第2被覆層を合わせた厚さを一様にした場合でも、一体押出成形体10の表面に木目柄が現れる。
第2被覆層14の厚さは、場所によって異なるが、最も厚い部分において1.0mm以下であることが好ましい。第2被覆層が厚すぎると、一体押出成形体10の表面に現れる木目柄の色調や模様の変化が少なくなるからである。上記のように、第2被覆層が第1被覆層の凹み13aを埋めて、第1被覆層と第2被覆層を合わせた厚さが一様である場合は、第2被覆層の厚さは最も厚い部分においても第1被覆層より薄くなり、第1被覆層と第2被覆層とを合わせた厚さは第1被覆層の厚さと一致することになる。
接着層12は、芯材11と第1被覆層13との間に、芯材の外表面の全体に形成されている。接着層は省略することもできるが、芯材11と第1被覆層13の接着強度を大きくするために、両者の間に設けることが好ましい。
接着層12の組成は、芯材11と第1被覆層13とを接着可能であれば特に限定されないが、α-オレフィンとエポキシ基含有不飽和モノマーの共重合体であるエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。α-オレフィンとしては、第1被覆層に含まれるポリオレフィン系樹脂を構成するα-オレフィンと同様のモノマーが例示できる。エポキシ基含有不飽和モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。接着層12に使用可能なエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂については、特許文献3に詳細な説明がされている。
接着層12のエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂は、耐熱性と押出成形性の観点から、融点が50~105℃、特に90~100℃であることが好ましい。一体押出成形の観点から、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂のMFRは1~20g/10minであることが好ましく、特に3~10g/10minがさらに好ましい。
接着層の厚さは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、接着性、生産性の観点から、また曲げ加工時に接着層に破断、剥離等を生じないために、好ましくは0.05~1.0mmであり、より好ましくは0.1~0.5mmである。
一体押出成形体10の表面は、サンディング加工されていることが好ましい。このサンディング加工は、一体押出成形体の表面を第1被覆層13と第2被覆層14の境界に沿った方向、すなわち押出方向に沿って、やすり、紙やすり、砂などを用いて荒らすものである。サンディング加工を行うことによって、一体押出成形体10の表面に微細な凹凸、特に筋状の溝が形成され、木目調の外観とすることができる。また、サンディング加工は、表面を木目調の外観とする他に、第1被覆層と第2被覆層の境界をぼかし、天然木に近い自然な表情を表現できる。
次に、本実施形態の一体押出成形体10の製造方法を説明する。
図2に示す一体押出成形機20は、3台の押出機21、23、25を備え、ダイ22、24、26の開口に芯材11を挿通して一方向(図2の左方向)へ送りながら、各ダイにおいて樹脂組成物を押し出して、芯材を接着層12、第1被覆層13、第2被覆層14で順次被覆していく。
接着層12は、押出機21から押し出された接着剤組成物がダイ22内で芯材11の表面を被覆して形成される。なお、接着層を形成する方法は、一体押出成形による他、芯材の表面に予めスプレー、浸漬などによって接着剤を塗布してもよい。
第1被覆層13は、第1押出機23で混練された樹脂組成物(第1組成物)が、第1ダイ24内で、接着層12を被覆して形成される。第1ダイ24の開口24aの壁面には芯材の進行方向に伸びる凹凸の筋が形成されている。これにより、第1被覆層の表面は凹凸の筋状に整形される。ただし、第1ダイが加熱されていることによって、この時点で第1被覆層は流動性を維持している。
第2被覆層14は、第2押出機25で混練された樹脂組成物(第2組成物)が、第2ダイ26内で、第1被覆層13を部分的に被覆して形成される。第2組成物は、芯材11が挿通された第2ダイの開口26aへ、開口26aを囲む全方向から吐出されるのではなく、図3を参照して、樹脂流路26b内に開口26aを囲んで非開口部26cが設けられ、非開口部26cのところどころにランダムに設けられたスリット26dだけを通って吐出される。これにより、第2被覆層が第1被覆層の表面を部分的に被覆する。さらに、スリット26dの間隔が不規則に設定されること、および第2組成物吐出後にも第1被覆層と第2被覆層が流動性を有していることにより、不規則な筋模様が形成される。さらに、第2被覆層の吐出量を変動させることにより、押出方向にも第2被覆層の被覆部分の幅を変化させることができ、第2被覆層にゆらぎを有する、より好ましい木質感を表現することができる。なお、第2ダイに進入する第1被覆層は流動性を失っていないので、上記スリット26dと第1ダイで整形された第1被覆層表面の凹みの位置が対応している必要はない。
図4を参照して、第2ダイ26の開口26aの壁面は平坦であり、これにより、第2被覆層14が第1被覆層13の凹みを埋めて、第1被覆層と第2被覆層を合わせた厚さが一様となる。
次いで、一体押出成形体10は冷却されて、第1被覆層13と第2被覆層14が硬化する。一体押出成形体の表面はサンディング加工処理され、所要の寸法に切断される。
図1に示したような断面が略長方形状で中空のアルミニウム合金製芯材を押出成形により製造した。芯材には、ローレット加工により長手方向に延びる溝(ピッチ0.5mm、深さ0.1mm)を形成した後、アルマイト処理(硫酸法、封孔処理せず)により酸化皮膜を形成した。
接着層には、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂として、ボンドファースト(登録商標)7B(住友化学株式会社製、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル(共重合比(重量比)83:12:5)、MFR7g/10min、融点95℃)を用いた。
第1被覆層用のペレットは、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(マレイン酸含有量約2重量%、融点150℃、MFR約10g/min)100重量部に、木粉(粒径100メッシュ以下)30重量部、ライトブラウン着色剤5.2重量部、充填剤(タルク)15重量部を混合した。混合物を溶融し押し出した後、冷却して、粗粉砕し、ペレットを製造した。
第2被覆層用のペレットは、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(マレイン酸含有量約2重量%、融点150℃、MFR約10g/min)100重量部に、木粉(粒径100メッシュ以下)30重量部、ダークブラウン着色剤5.2重量部、充填剤(タルク)15重量部を混合した。混合物を溶融し押し出した後、冷却して、粗粉砕し、ペレットを製造した。
図2に示したような共押出式の一体押出成形機を用いて、上記実施形態の方法によって一体押出成形体を製造した。芯材11は接着層用ダイへの挿入直前に約100℃に予備加熱した。押出条件は次の通りである。
・接着層用押出機21:40φ、一軸押出機(押出温度約140℃)
・第1押出機23:50φ、一軸押出機(押出温度約165℃)
・第2押出機25:50φ、一軸押出機(押出温度約165℃)
一体押出成形後に成形体を水冷ジャケット(図示せず)で冷却し、成形体の進行方向と反対向きに回転する粒度#100のベルトサンダーで表面にサンディング加工を行った。
図5に得られた一体押出成形体の外観を示す。第2被覆層による不規則な木目柄が形成され、木質材に近い外観が得られた。
本発明は、上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、接着層および第1被覆層は、芯材の外表面の一部に設けられていてもよい。
本発明の金属製芯材入り一体押出成形体は、建築用化粧材、建築用手摺り、防犯用面格子、デッキ材、ルーバー材等の建築用部材、および家具、什器、照明器具等の部材として有用である。
10 一体押出成形体
11 芯材
12 接着層
13 第1被覆層
13a 第1被覆層の凹み
14 第2被覆層
20 一体押出成形機
21 押出機(接着層用)
22 ダイ(接着層用)
23 第1押出機(第1被覆層用)
24 第1ダイ(第1被覆層用)
24a 開口
25 第2押出機(第2被覆層用)
26 第2ダイ(第2被覆層用)
26a 開口
26b 樹脂流路
26c 非開口部
26d スリット

Claims (11)

  1. 金属製の芯材と、
    前記芯材の外表面を被覆し、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む第1被覆層と、
    前記第1被覆層を部分的に被覆し、ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含み、前記第1被覆層と色の異なる第2被覆層と、
    を有する一体押出成形体。
  2. 前記第1被覆層と前記第2被覆層は、前記着色剤の種類または濃度を除いて同じ組成を有する、
    請求項1に記載の一体押出成形体。
  3. 前記第2被覆層は不規則な筋模様を形成している、
    請求項1または2に記載の一体押出成形体。
  4. 前記第2被覆層が軸方向に垂直な断面において前記第1被覆層の凹みを埋めるように形成されている、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  5. 前記芯材と前記第1被覆層の間に接着層をさらに有する、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  6. 前記接着層の厚さが0.05~1.0mmである、
    請求項5に記載の一体押出成形体。
  7. 最表面がサンディング加工されている、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  8. 前記芯材がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  9. 前記第1被覆層の厚さが0.1~5mmである、
    請求項1~8のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  10. 金属製の芯材を準備する工程と、
    ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む混合物を混練して第1組成物を調製し、前記芯材を第1ダイの開口に挿通し、前記第1組成物を前記第1ダイ内で前記芯材上に押し出すことにより、前記芯材の外表面を被覆する第1被覆層を形成する第1押出工程と、
    ポリオレフィン樹脂、木粉および着色剤を含む混合物を混練して、前記第1組成物と色の異なる第2組成物を調製し、前記第1被覆層を有する前記芯材を、該第1被覆層が流動性を失わないうちに第2ダイの開口に挿通し、前記第2組成物を前記第2ダイ内で前記第1被覆層の表面に押し出すことにより、前記第1被覆層を部分的に被覆する第2被覆層を形成する第2押出工程と、
    前記第1被覆層および前記第2被覆層を冷却して硬化させる冷却工程と、
    を有する一体押出成形体の製造方法。
  11. 前記第1押出工程の前に、前記芯材の表面に接着層を形成する工程をさらに有する、
    請求項10に記載の一体押出成形体の製造方法。
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