JP2023079099A - 一体押出成形体およびその製造方法 - Google Patents

一体押出成形体およびその製造方法 Download PDF

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克彦 横田
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Abstract

【課題】芯材と被覆層を有する一体押出成形体であって、木質材に近い色合いおよび触感を有し、さらに木目調等の模様を表現可能な一体押出成形体を提供する。【解決手段】芯材11と、前記芯材の外表面を被覆する被覆層13とを有し、前記被覆層が、ポリオレフィン樹脂、木粉および第1着色剤を含むマトリクス相14と、環状オレフィンコポリマーおよび第2着色剤を含む分散相15とからなり、好ましくは、前記芯材11と前記被覆層13の間に接着層12をさらに有する一体押出成形体10。【選択図】図1

Description

本発明は、建築用部材、装飾部材等に用いられる一体押出成形体に関する。
熱可塑性樹脂を用いて木質材を模した押出成形体が、建築用部材や装飾部材等として用いられている。例えば、特許文献1には、アルミ製芯材の外表面にポリオレフィン樹脂および木粉を含有する被覆層を有し、上質な木質感が得られる一体押出成形体が記載されている。特許文献2には、上記一体押出成形体を用いたデザイン性に優れる曲げ加工品が記載されている。
また、成形体に木目調等の模様を設けることについて、例えば、特許文献3には、熱可塑性樹脂からなる基材層の表面にストランド状等の加飾層が埋め込まれた加飾性多層成形体が記載されている。特許文献4には、熱可塑性樹脂からなる基材および表層材を有する多層押出成形体であって、表層材は、ベース樹脂と、ベース樹脂よりも流動性の低い着色種剤樹脂との混合物を用いて押出成形を行い、両者の流動性の違いによって混合が不均一となることを利用して、表層中に不規則な且つ境界が鮮明すぎない筋模様を形成して木目調に似た外観を与える多層押出成形体が記載されている。
特開2012-066403号公報 国際公開WO2016/006707号公報 特開平11-254569号公報 特開2004-098334号公報
特許文献1および2に記載された一体押出成形体は、被覆層が木粉を含むことによって木質材に似た色合いと触感を有する。しかし、特許文献1および2に記載された方法では、成形体表面に模様を形成することができず、例えば、木材独特の木目模様・柾目模様を表現することができなかった。
特許文献3に記載された多層成形体では、基材層の樹脂を押出成形機からダイス内に押し出すとともに、加飾層の合成樹脂コンパウンドをダイス内で、基材層の樹脂と混ざらないようにストランド状に押し出して基材層表面に埋め込むことによって、表面にストランド状の模様を形成する。そのため、加飾層を押し出すダイス内で基材層が流動性を有している必要があり、使用できる基材の材質が限定されるので、例えば、予め成形された金属製の芯材表面に加飾層を押し出して埋め込むことはできなかった。
特許文献4に記載された多層押出成形体では、木粉を含む熱可塑性樹脂からなる基材の表面に、ベース樹脂と着色種剤樹脂の混合物を押し出して筋模様を有する表層を形成する。そのため、人が触れる成形体の最表面には木粉が含まれず、木質材とは触感が異なっていた。
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、芯材と被覆層を有する一体押出成形体であって、木質材に近い色合いおよび触感を有し、さらに木目調等の模様を表現可能な一体押出成形体を提供することを目的とする。
本発明の一体押出成形体は、芯材と、前記芯材の外表面を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層が、ポリオレフィン樹脂、木粉および第1着色剤を含むマトリクス相と、環状オレフィンコポリマーおよび第2着色剤を含む分散相とからなる。
ここで、芯材の外表面とは、芯材の表面のうち一体押出成形体の使用時に外側になる部分をいう。例えば、筒状の一体押出成形体では筒状の芯材の外側の表面をいい、建築物に化粧材として取り付けられる板状等の一体押出成形体では、人目に触れる側の芯材表面をいう。被覆層は芯材の外表面に直接形成されていてもよいし、芯材表面に形成された接着層の上に形成されることで芯材の外表面を被覆していてもよい。また、環状オレフィンコポリマーとは、環状オレフィンとα-オレフィンとの付加共重合体またはその水素添加物のことをいう。
本発明の一体押出成形体の製造方法は、芯材を準備する工程と、環状オレフィンコポリマーおよび第2着色剤を含む種剤を準備する工程と、ポリオレフィン樹脂、木粉、第1着色剤および前記種剤を混練して、ダイの開口に挿通した前記芯材上に該ダイ内で押し出すことにより、前記芯材の外表面を被覆する被覆層を形成する工程と、前記被覆層を冷却して硬化させる工程とを有する。
本発明の一体押出成形体は、芯材とその外表面を被覆する被覆層を有する。芯材には予め成形された芯材を用いることができるので、軽量な芯材、加工性の良い芯材や強度の高い芯材を選択可能である。また、被覆層が、木粉を含むポリオレフィン樹脂をマトリクス相とすることで、木質材に似た色合いと触感を与えることができる。さらに、マトリクス相と色の異なる分散相がマトリクス相中に分散することによって、被覆層表面に模様を形成することができ、例えば、木目調の模様を表現することでより木材に近い外観が得られる。
一実施形態の一体押出成形体の断面構造および外観を示す図である。 一体押出成形機の構造を示す図である。 A、B:実施例の一体押出成形体の外観を示す図である。
本明細書中、一体押出成形とは、被覆層用材料を押し出すと同時に、その層を、送り込まれた芯材に被覆して一体化することを意味し、そのような方法で形成されたものを一体押出成形体という。
図1を参照して、本実施形態の一体押出成形体10は、押出方向に垂直な断面が長方形の四角柱形状を有する。一体押出成形体10は、芯材11と、芯材の外表面の全体を被覆する被覆層13とを有し、芯材と被覆層の間に介在する接着層12をさらに有する。被覆層13は、マトリクス相14と、マトリクス相中に分散して、一体押出成形体10の長手方向に細く延びる分散相15からなる。
芯材11は、予め成形された長尺の部材であって、後述する一体押出工程で変形しない程度の耐熱性、好ましくは165℃で変形しない耐熱性を有する材質からなる。予め成形された芯材を用いることにより、一体押出成形体10の使用時にボルト締結孔やねじ穴などの加工を行う際に、良好な作業性や加工精度が得られる。
芯材11は、例えば、金属、セメント系材料などの無機材料や合成樹脂材料からなる。芯材は、好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス、亜鉛メッキ鋼、銅等の金属からなる。建築用部材等として必要な強度と軽量性の両立、および中空形状や複雑な断面形状への成形の容易性の観点から、芯材はより好ましくアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。具体的には、アルミサッシに用いるような押出成形性の良いグレード、例えばJISH4100に規定された合金番号6063や6060のような材質を用いることができる。
芯材11の形状は、一体押出成形によって表面に被覆層13を形成可能であれば特に限定されない。芯材は、例えば、角柱状や円柱状であってよく、中空であっても中実であってもよい。また、芯材は板状であってもよいし、より複雑な異形断面形状を有していてもよい。一体押出成形体10を建築用部材として使用する場合は、芯材は、中空形状または異形断面形状を有することが好ましい。より軽量で高い曲げ剛性が得られるからである。
芯材11が中空、平板、各種異形断面形状を有する場合、所要の強度を有することを条件として、芯材の厚さは好ましくは0.8~5.0mm、より好ましくは1.1~3.0mmである。芯材がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合は、剛性および押出加工性の観点から、芯材の厚さが上記範囲にあることが特に好ましい。芯材全体の長さや幅などの寸法も特に制限されるものではなく、一体押出成形体の用途に応じて設定できる。なお、建築用部材としての剛性および表面加飾性が求められる場合は、芯材の断面の高さおよび幅は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、好ましくは200mm以下である。
芯材11は、被覆層13との接着性のさらなる向上を目的として、表面にローレット加工処理を行うことが好ましい。ローレット加工処理は、芯材の外表面に溝を形成する加工処理である。これにより被覆層または接着層と芯材との接着性が向上する。ローレット加工は、例えば、芯材の長手方向に沿って溝を形成する。ローレット加工による溝の深さは好ましくは0.03~1.0mmであり、溝のピッチは好ましくは0.03~1.5mmである。溝の形状は、例えば、略三角形状や略円弧状の凸部および凹部が連続するような形状とすることができる。
また、芯材11が金属からなる場合は、被覆層13との接着性のさらなる向上を目的として、表面に陽極酸化処理を行うことが好ましい。陽極酸化処理は、芯材の表面に金属酸化皮膜を形成する処理である。陽極酸化被膜には表面から厚さ方向に伸びる微細な孔が形成されているので、封孔処理を行わずに用いれば、やはり被覆層または接着層と芯材との接着性が向上する。
ローレット加工処理と陽極酸化処理はいずれか一方のみを行ってもよいし、両方の処理を行ってもよい。ローレット加工処理と陽極酸化処理の両方の処理を行う場合は、ローレット加工を行った後、陽極酸化処理を行うことが好ましい。
本実施形態の被覆層13は、芯材11の外表面の全体を、接着層12を介して被覆する。被覆層13は、マトリクス相14と、マトリクス相中に分散して、一体押出成形体10の長手方向に細く延びる分散相15からなる。そして、分散相15が表面に露出した部分が不規則な木目様の筋模様16を形成している。
マトリクス相14は、ポリオレフィン樹脂、木粉および第1着色剤を含む。
ポリオレフィン樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂を用いる理由は、屋外で使用した場合に耐候性に優れるからである。好ましいポリオレフィン樹脂はポリエチレンおよびポリプロピレンであり、特に好ましいポリオレフィン樹脂は、サンディング加工後の木質感が優れるポリプロピレンである。
ポリオレフィン樹脂は不飽和カルボン酸により変性されていることが好ましい。木粉との相溶性を改善できるからである。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。好ましい不飽和カルボン酸は不飽和ジカルボン酸およびその無水物であり、例えば、マレイン酸、および無水マレイン酸である。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カルボン酸の含有量は、当該不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂の全モノマーに対して0.1~15重量%が好ましい。
あるいは、上記ポリオレフィン樹脂または不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂とは別成分として不飽和カルボン酸が含有されてもよい。目的は、上記不飽和カルボン酸変性と同じく、ポリオレフィン樹脂と木粉との相溶性を改善するためである。好ましい不飽和カルボン酸は不飽和ジカルボン酸およびその無水物であり、例えば、マレイン酸および無水マレイン酸である。ポリオレフィン樹脂の別成分として含有される不飽和カルボン酸の含有量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.2~10重量部が好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、融点が165℃以下、特に125~165℃であることが好ましい。一体押出成形のやり易さの点から、ポリオレフィン樹脂のMFR(メルトフローレート)は3~25g/10minであることが好ましく、3~15g/10minであることがさらに好ましい。融点は公知の示差走査熱量分析によって測定できる。MFRは190℃、荷重2.16kgfにおける値であり、JISK7210に基づいて測定できる。
マトリクス相14はポリオレフィン以外の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、例えば、アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂が挙げられる。マトリクス相がポリオレフィン以外の樹脂を含有する場合、全樹脂に占めるポリオレフィン樹脂の割合が90重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、マトリクス相14の樹脂成分はポリオレフィン樹脂のみからなる。
マトリクス相14は、優れた外観および触感を付与するため、木粉を含む。木粉としては、スギ、ヒノキ、ベイツガ等の木材、ならびにそのような木材の端材および廃材を粉砕したもの、おが屑等がよく用いられる。木粉の粒径は10~500メッシュのものを用いることができ、より好ましい粒径は60~100メッシュ程度である。木粉として端材および廃材を粉砕したものを用いると、環境負荷が低減されるので好ましい。
木粉の含有量はポリオレフィン樹脂100重量部に対して5~50重量部、好ましくは10~40重量部である。
マトリクス相14は、木質材様などの色を付与するため、第1着色剤を含む。第1着色剤としては、公知の無機系または有機系の顔料が使用可能である。第1着色剤の含有量はポリオレフィン樹脂100重量部に対して2~8重量部が好ましい。
マトリクス相14には、種々の物性を高めるために、従来から合成樹脂に用いられる添加剤、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、艶消し剤、マイカ粉粒体、有機繊維、バーミキュライト粉体、ガラスチップ、古紙粉体、陶磁器粉体等が含有されてもよい。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が使用可能である。充填剤以外の添加剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部以下である。充填剤の含有量はポリオレフィン樹脂100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは5~20重量部である。
マトリクス相14は、好ましくはいわゆる非発泡体または発泡倍率5倍以下、特に2倍以下の低発泡体であり、より好ましくは非発泡体である。
分散相15は、環状オレフィンコポリマー(COC)および第2着色剤を含む。COCとは、環状オレフィンとα-オレフィンとの付加共重合体またはその水素添加物のことをいう。
環状オレフィン樹脂は、主鎖が炭素-炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する熱可塑性の樹脂で、環状オレフィンとα-オレフィン等との付加共重合体またはその水素添加物である環状オレフィンコポリマー(COC)と、環状オレフィンの開環(共)重合体またはその水素添加物である環状オレフィンポリマー(COP)とに大別される。本実施形態の分散相15は、このうちCOCを含む。
COCとしては、特開2004-156048号公報に記載されたように、1環ないし多環の各種環状オレフィンの1種または2種以上と、各種α-オレフィンの1種または2種以上との共重合体を用いることができる。COCは非晶性であり、種剤としての加飾性に優れ、またポリオレフィン樹脂とのブレンド性も良い。COCとしては、特に、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(ノルボルネン)とエチレンの付加共重合体、またはその水素添加物を用いることが好ましい。
COCのガラス転移温度Tgは、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。芯材11に被覆層13を被覆する一体押出成形時のプロセス温度は、主としてマトリクス相14を構成するポリオレフィン樹脂の物性に応じて決められる。COCのTgがこの一体押出成形温度に比べて低すぎるとCOCがマトリクス相中に流れてしまい、分散相15が形成されにくくなる。一方、COCのTgは、好ましくは165℃以下である。COCのTgが一体押出成形温度より高いと分散相15が長く伸びないからである。また、COCのTgが高すぎると、マトリクス相に使用可能なポリオレフィン樹脂の種類が限定されるからである。
分散相15はCOC以外の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂が挙げられ、木目模様の発現性を損なわない程度で含有させることができる。分散相がCOC以外の樹脂を含有する場合、全樹脂に占めるCOCの割合が90重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、分散相15の樹脂成分はCOCのみからなる。
分散相15は、木目様などの色を付与するため、第2着色剤を含む。第2着色剤としては、公知の無機系または有機系の顔料が使用可能である。第2着色剤の含有量はCOCの100重量部に対して0.1~8重量部が好ましい。
マトリクス相14と分散相15は異なる色を有する。両相を異なる色とするには、第1着色剤および第2着色剤として同じ着色剤を用い、マトリクス相と分散相とで着色剤の濃度を変えてもよい。好ましくは、第1着色剤と第2着色剤には異なる着色剤を用いる。木目様の模様を表現するには、好ましくは、第1着色剤として薄い茶系、第2着色剤として濃い茶系の着色剤を用いる。
分散相15は、種々の物性を高めるために、従来から合成樹脂に用いられる添加剤、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が含有されてもよい。分散相が添加剤を含む場合、充填剤の含有量はCOCに対して5重量%以下であることが好ましい。
被覆層13の厚さは、本発明の目的が達成される限り特に制限されない。接着性、木質感、外観、生産性の観点からは、被覆層13の厚さは好ましくは0.1~5mm、より好ましくは1.0~2.0mmである。被覆層が薄すぎると、木質材に似た触感が得られないからである。一方、被覆層が厚すぎると、接着性や生産性が損なわれるからである。
接着層12は、芯材11と被覆層13との間に、芯材の外表面の全体に形成されている。接着層は省略することもできるが、芯材11と被覆層13の接着強度を大きくするために、両者の間に設けることが好ましい。
接着層12の組成は、芯材11と被覆層13とを接着可能であれば特に限定されないが、α-オレフィンとエポキシ基含有不飽和モノマーの共重合体であるエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。また、無水マレイン酸変性ポリプロピレンも好ましい。α-オレフィンとしては、被覆層に含まれるポリオレフィン系樹脂を構成するα-オレフィンと同様のモノマーが例示できる。エポキシ基含有不飽和モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。接着層12に使用可能なエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂については、特許文献1に詳細な説明がされている。
接着層12を押出成形によって形成する場合は、接着層12のエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂は、耐熱性と押出成形性の観点から、融点が50~105℃、特に90~100℃であることが好ましい。一体押出成形の観点から、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂のMFRは1~20g/10minであることが好ましく、特に3~10g/10minであることがさらに好ましい。
接着層12の厚さは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、接着性、生産性の観点から、また曲げ加工時に接着層に破断、剥離等を生じないために、好ましくは0.05~1.0mmであり、より好ましくは0.1~0.5mmである。
一体押出成形体10の表面は、サンディング加工されていることが好ましい。このサンディング加工は、一体押出成形体の表面を長手方向、押出方向に沿って、やすり、紙やすり、砂などを用いて荒らすものである。サンディング加工を行うことによって、一体押出成形体10の表面に微細な凹凸、特に筋状の溝が形成され、木材調の外観とすることができる。また、サンディング加工によって、表面を木材調の外観とする他に、筋模様として現れた分散相15とマトリクス相14の境界をぼかし、天然木に近い自然な表情を表現できる。
次に、本実施形態の一体押出成形体10の製造方法を説明する。
図2に示す一体押出成形機20は、2台の押出機21、23を備え、ダイ22、24の開口に芯材11を挿通して一方向(図2の左方向)へ送りながら、各ダイにおいて芯材をそれぞれ接着層12、被覆層13で順次被覆していく。
接着層12は、押出機21から押し出された接着層組成物がダイ22内で芯材11の表面を被覆して形成される。なお、接着層を形成する方法は、一体押出成形による他、芯材の表面に予めスプレー、浸漬などによって接着剤を塗布してもよい。
被覆層13について、マトリクス相14用原料には、ポリオレフィン樹脂、木粉および第1着色剤を用いる。分散相15用原料には、COCおよび第2着色剤を含み、予め粒状に成形された種剤を用いる。種剤は、COCおよび第2着色剤を混練して粒状に成形してもよいが、好ましくは、COCを粒状に成形した後に第2着色剤と混合して着色する。COCを粒状に成形した後に着色することにより、種剤内部の色調が不均一となり、被覆層の表面に現れる筋の濃淡が不規則に変化し、より自然な木目調の模様を表現することができる。被覆層13の原料は、上記マトリクス相用原料と分散相用原料、すなわちポリオレフィン樹脂、木粉、第1着色剤および種剤を混合したものを用いる。この混合物は押出機23に投入され、押出機23内で混練されて被覆層組成物が調製される。種剤の大きさは、表現しようとする模様の太さ等に応じて決定することができる。また、種剤の大きさは、ある程度広い分布を有することが好ましい。
被覆層13は、押出機23で混練された被覆層組成物が、ダイ24内で接着層12の表面を被覆して形成される。軟化した種剤は、ダイ24内で押出方向に伸ばされて、不規則な形状を有しながら全体としては押出方向に細長い分散相15を形成する。ポリオレフィン樹脂と木粉を混合して用いるには、木粉のポリオレフィン樹脂中での分散性が悪いため押出機23で強く混錬する必要がある。その際、種剤とポリオレフィン樹脂も均一に混合されてしまい、分散相を形成することが難しい。しかし、本実施形態では、種剤を構成する樹脂としてCOCを選択することで、マトリクス相と分散相が分離した状態を維持できる。
次いで、一体押出成形体10は冷却されて、被覆層13が硬化する。一体押出成形体の表面はサンディング加工処理され、所要の寸法に切断される。
以上の製造方法によって、マトリクス相14と分散相15からなる被覆層13を有する一体押出成形体10が製造できる。分散相は、マトリクス相中に分散して押出方向に細く延び、被覆層の表面に露出した部分が、不規則な筋模様16となる。マトリクス相と分散相は、被覆層全体が流動しながら形成されるので両相の境界が明瞭になりすぎず、木材に近い自然な外観の筋模様が得られる。また、分散相はマトリクス相中に立体的に存在するので、一体押出成形体を経年使用することにより被覆層の表面が摩耗しても筋模様が消えることがない。
図1に示したような断面が略長方形状で中空のアルミニウム合金製芯材を押出成形により製造した。芯材には、ローレット加工により長手方向に延びる溝(ピッチ0.5mm、深さ0.1mm)を形成した後、アルマイト処理(硫酸法、封孔処理せず)により酸化皮膜を形成した。
接着層には、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂として、ボンドファースト(登録商標)7B(住友化学株式会社製、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル(共重合比(重量比)83:12:5)、MFR7g/10min、融点95℃)を用いた。
被覆層の原料は、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(マレイン酸含有量約2重量%、融点150℃、MFR約10g/min)100重量部に、木粉(粒径100メッシュ以下)10重量部、ライトブラウン着色剤5.2重量部、充填剤(タルク)15重量部、および種剤1重量部を混合して用いた。種剤は、COC樹脂(エチレン-ノルボルネン共重合体:Tg134℃)にダークブラウン着色剤を混合したものを用いた。
図2に示したような共押出式の一体押出成形機を用いて、押出機21に接着層組成物を、押出機23に被覆層原料を投入し、上記実施形態の方法によって一体押出成形体を製造した。芯材は接着層用のダイ22への挿入直前に約100℃に予備加熱した。押出条件は次の通りであった。
・接着層用押出機21:40φ、一軸押出機(押出温度約140℃)
・被覆層用押出機23:50φ、一軸押出機(押出温度約165℃)
一体押出成形後に成形体を水冷ジャケット(図示せず)で冷却し、成形体の進行方向と反対向きに回転する粒度#100のベルトサンダーで表面にサンディング加工を行った。以上により、木質材に近い色合いおよび触感を有し、木目調等の模様が表現された一体押出成形体が得られた。
図3に作製した実施例の一体押出成形体を示す。図3AおよびBは同じ条件で作製したものであり、不規則でより自然な木目調の模様が表現されている。
本発明は、上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、接着層および被覆層は、芯材の外表面の一部に設けられていてもよい。
また、例えば、マトリクス相および分散相の色調は、必ずしも茶系である必要はなく、天然木には存在しないような色調であってもよい。
本発明の一体押出成形体は、建築用化粧材、手摺り、防犯用面格子、デッキ材、ルーバー材等の建築用部材;家具、什器、照明器具等の造作物;各種の装飾物;鑑賞の用に供されるオブジェ等の立体造形作品などの部材として有用である。
10 一体押出成形体
11 芯材
12 接着層
13 被覆層
14 マトリクス相
15 分散相
16 筋模様
20 一体押出成形機
21 押出機(接着層用)
22 ダイ(接着層用)
23 押出機(被覆層用)
24 ダイ(被覆層用)

Claims (9)

  1. 芯材と、
    前記芯材の外表面を被覆する被覆層とを有し、
    前記被覆層が、ポリオレフィン樹脂、木粉および第1着色剤を含むマトリクス相と、環状オレフィンコポリマーおよび第2着色剤を含む分散相とからなる、
    一体押出成形体。
  2. 前記分散相が前記被覆層の表面に筋模様を形成している、
    請求項1に記載の一体押出成形体。
  3. 前記環状オレフィンコポリマーが、ノルボルネンとエチレンの付加共重合体またはその水素添加物である、
    請求項1または2に記載の一体押出成形体。
  4. 前記分散相が前記マトリクス相より濃い色を有する、
    請求項1~3のいずれかに記載の一体押出成形体。
  5. 前記芯材と前記被覆層の間に接着層をさらに有する、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  6. 前記被覆層の表面がサンディング加工されている、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  7. 前記芯材がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の一体押出成形体。
  8. 芯材を準備する工程と、
    環状オレフィンコポリマーおよび第2着色剤を含む種剤を準備する工程と、
    ポリオレフィン樹脂、木粉、第1着色剤および前記種剤を混練して、ダイの開口に挿通した前記芯材上に該ダイ内で押し出すことにより、前記芯材の外表面を被覆する被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層を冷却して硬化させる工程と、
    を有する一体押出成形体の製造方法。
  9. 前記被覆層押出工程の前に、前記芯材の表面に接着層を形成する工程をさらに有する、
    請求項8に記載の一体押出成形体の製造方法。
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