以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<基板処理システム>
先ず、本実施形態にかかる熱処理装置を備えた基板処理システムの構成について説明する。図1は、基板処理システム1の構成の概略を模式的に示す平面図である。図2及び図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、各々正面図と背面図である。
本実施形態の基板処理システム1では、金属含有材料として金属含有レジストを用いて、基板としてのウェハWにレジストパターンを形成する。なお、金属含有レジストに含まれる金属は任意であるが、例えばスズである。
基板処理システム1は、図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
カセットステーション10には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロック、すなわち第1のブロックG1〜第4のブロックG4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側、図面の上側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、既述の第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像処理装置30、ウェハWの金属含有レジスト膜の下層に反射防止膜(以下、「下部反射防止膜」という。)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWに金属含有レジストを塗布して金属含有レジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWの金属含有レジスト膜の上層に反射防止膜(以下、「上部反射防止膜」という。)を形成する上部反射防止膜形成装置33が下からこの順に配置されている。
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33では、例えばウェハW上に所定の処理液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に処理液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、処理液をウェハWの表面に拡散させる。
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの加熱や冷却といった熱処理を行う熱処理装置40や、金属含有レジストとウェハWとの定着性を高めるために疎水化処理を行う疎水化処理装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が上下方向と水平方向に並べて設けられている。これら熱処理装置40、疎水化処理装置41、周辺露光装置42の数や配置についても、任意に選択できる。なお、熱処理装置40では、レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーキング処理(以下、「PAB処理」という。)、露光処理後のウェハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキング処理(以下、「PEB処理」という。)、現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング処理(以下、「POST処理」という。)などを行う。この熱処理装置40の構成については後述する。
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62と、ウェハWの裏面を洗浄する裏面洗浄装置63が下から順に設けられている。
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有する、ウェハ搬送装置70が複数配置されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
また、ウェハ搬送領域Dには、図3に示すように、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置101及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、基板処理システム1における後述の疎水化処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部200にインストールされたものであってもよい。
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。図4は、かかるウェハ処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、基板処理システム1のカセットステーション10に搬入され、カセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置53に搬送される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され温度調節処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱処理が行われる。その後、ウェハWは、第3のブロックG3の受け渡し装置53に戻される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置54に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の疎水化処理装置41に搬送され、疎水化処理が行われる。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW上に金属含有レジスト膜が形成される(図4の工程S1)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、PAB処理される(図4の工程S2)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後、ウェハWは、周辺露光装置42に搬送され、周辺露光処理される。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって裏面洗浄装置63に搬送され、裏面洗浄される(図4の工程S3)。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置100によって露光装置12に搬送され、EUV光を用いて所定のパターンで露光処理される(図4の工程S4)。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、PEB処理される(図4の工程S5)。この熱処理装置40におけるPEB処理については後述する。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像される(図4の工程S6)。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって熱処理装置40に搬送され、POST処理される(図4の工程S7)。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送され、その後カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
<第1の実施形態>
次に、熱処理装置40の第1の実施形態について説明する。図5は、第1の実施形態にかかる熱処理装置40の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。図6は、第1の実施形態にかかる熱処理装置40の構成の概略を模式的に示す平面図である。
熱処理装置40は、内部を閉鎖可能な処理容器300を有している。処理容器300のウェハ搬送領域D側の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器300の内部には、ウェハWを加熱処理する加熱部310と、ウェハWを温度調節する温度調節部311が設けられている。加熱部310と温度調節部311はY方向に並べて配置されている。
図7に示すように加熱部310は、ウェハWを収容して加熱処理する処理チャンバ320を有している。処理チャンバ320は、上側に位置して昇降自在な上部チャンバ321と、下側に位置して上部チャンバ321と一体となって内部を密閉可能な下部チャンバ322と、を有している。
上部チャンバ321は、下面が開口した略円筒形状を有している。上部チャンバ321の内部であって、後述する熱処理板360に対向する位置には、処理チャンバ320の内部に水分含有ガスを供給する、水分供給部としてのシャワーヘッド330が設けられている。シャワーヘッド330は、上部チャンバ321と同期して昇降自在に構成されている。
シャワーヘッド330の下面には、複数のガス供給孔331が形成されている。複数のガス供給孔331は、シャワーヘッド330の下面において、後述する中央排気路340以外の部分に均一に配置されている。シャワーヘッド330には、ガス供給管332が接続されている。さらにガス供給管332には、シャワーヘッド330に水分含有ガスを供給するガス供給源333が接続されている。また、ガス供給管332には、水分含有ガスの流通を制御するバルブ334が設けられている。
ガス供給源333の内部には、水分濃度が例えば43%〜60%に調節されたガスが貯留されている。そして、このように水分濃度が調節された水分含有ガスがシャワーヘッド330を介して処理チャンバ320の内部に供給されることで、当該処理チャンバ320の内部雰囲気が所定の範囲、例えば43%〜60%の湿度に調節される。
ここで、PEB処理において処理雰囲気中の水は、金属含有レジストの凝集反応を促進させる。凝集反応は、露光処理における紫外線によって金属含有レジスト中の金属とリガンド(有機金属錯体)との結合が切断され、リガンドが放出された状態で、PEB処理において金属の酸化物が生成される反応である。そして、PEB処理における水によって、この金属がより酸化され、凝集反応が促進される。例えば処理チャンバ320の内部雰囲気の湿度が大きくて水が多い場合、金属含有レジストの凝集反応が促進される。そうすると、金属含有レジストがネガ型のレジストであるため、ウェハW上に形成されるレジストパターンの寸法、例えば線幅が大きくなる。一方、処理チャンバ320の内部雰囲気の湿度が小さくて水が少ない場合、金属含有レジストの凝集反応はあまり進まず、レジストパターンの寸法は小さくなる。したがって、レジストパターンの寸法を適切に制御するためには、湿度を制御することが重要である。
また、上述したように本発明者らが鋭意検討したところ、金属含有レジストは水分に対して感度が高いことが分かった。そして、PEB処理中の処理チャンバ320の内部雰囲気が43%〜60%の湿度に維持されていると、レジストパターンの寸法がウェハ面内で均一になることが知見された。具体的には、42%より小さい湿度の雰囲気下でPEB処理を行うと、レジストパターンの寸法が不均一になった。
なお、本発明者らは、金属含有レジストが温度に対しては感度が低いことも知見している。
図7に示すようにシャワーヘッド330には、当該シャワーヘッド330の下面中央部から上面中央部に延伸する中央排気路340が形成されている。中央排気路340には、上部チャンバ321の上面中央部に設けられた中央排気管341が接続されている。さらに中央排気管341には、例えば真空ポンプなどの排気装置342が接続されている。また、中央排気管341には、排気されたガスの流通を制御するバルブ343が設けられている。なお、本実施形態では、中央排気路340、中央排気管341、排気装置342及びバルブ343が、本発明における中央排気部を構成している。
上部チャンバ321の内部であってシャワーヘッド330の外周部には、処理チャンバ320の外周部から当該処理チャンバ320の内部を排気する外周排気路350が形成されている。外周排気路350には、上部チャンバ321の上面に設けられた外周排気管351が接続されている。さらに外周排気管351には、例えば真空ポンプなどの排気装置352が接続されている。また、外周排気管351には、排気されたガスの流通を制御するバルブ353が設けられている。なお、本実施形態では、外周排気路350、外周排気管351、排気装置352及びバルブ353が、本発明における外周排気部を構成している。
下部チャンバ322は、上面が開口した略円筒形状を有している。下部チャンバ322の上面開口部には、熱処理板360と、当該熱処理板360を収容して熱処理板360の外周部を保持する環状の保持部材361と、が設けられている。熱処理板360は、厚みのある略円盤形状を有し、ウェハWを載置して加熱することができる。また、熱処理板360には、例えばヒータ362が内蔵されている。そして、熱処理板360の加熱温度は例えば制御部200により制御され、熱処理板360上に載置されたウェハWが所定の温度に加熱される。
下部チャンバ322の内部であって熱処理板360の下方には、ウェハWを下方から支持し昇降させる、昇降部としての昇降ピン370が例えば3本設けられている。昇降ピン370は、昇降駆動部371により上下動できる。熱処理板360の中央部付近には、当該熱処理板360を厚み方向に貫通する貫通孔372が例えば3箇所に形成されている。そして、昇降ピン370は貫通孔372を挿通し、熱処理板360の上面から突出可能になっている。
図5及び図6に示すように温度調節部311は、温度調節板380を有している。温度調節板380は、略方形の平板形状を有し、熱処理板360側の端面が円弧状に湾曲している。温度調節板380には、Y方向に沿った2本のスリット381が形成されている。スリット381は、温度調節板380の熱処理板360側の端面から温度調節板380の中央部付近まで形成されている。このスリット381により、温度調節板380が、加熱部310の昇降ピン370及び後述する温度調節部311の昇降ピン390と干渉するのを防止できる。また、温度調節板380には、例えば冷却水やペルチェ素子などの温度調節部材(図示せず)が内蔵されている。温度調節板380の温度は例えば制御部200により制御され、温度調節板380上に載置されたウェハWが所定の温度に調節される。
温度調節板380は、支持アーム382に支持されている。支持アーム382には、駆動部383が取り付けられている。駆動部383は、Y方向に延伸するレール384に取り付けられている。レール384は、温度調節部311から加熱部310まで延伸している。この駆動部383により、温度調節板380は、レール384に沿って加熱部310と温度調節部311との間を移動可能になっている。
温度調節板380の下方には、ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン390が例えば3本設けられている。昇降ピン390は、昇降駆動部391により上下動できる。そして、昇降ピン390はスリット381を挿通し、温度調節板380の上面から突出可能になっている。
次に、以上のように構成された熱処理装置40を用いて行われるPEB処理について説明する。図8は、熱処理装置40の動作を示す説明図である。なお、熱処理装置40に搬入されるウェハWには、金属含有レジスト膜が形成されている。
先ず、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40にウェハWが搬入されると、ウェハWはウェハ搬送装置70から予め上昇して待機していた昇降ピン390に受け渡される。続いて昇降ピン390を下降させ、ウェハWを温度調節板380に載置する。
その後、駆動部383により温度調節板380をレール384に沿って熱処理板360の上方まで移動させ、ウェハWは予め上昇して待機していた昇降ピン370に受け渡される。
その後、図8(a)に示すように上部チャンバ321を下降させ、上部チャンバ321と下部チャンバ322を当接させて、処理チャンバ320の内部が密閉される。その後、昇降ピン370を下降させて、ウェハWを熱処理板360に載置する。そして、熱処理板360上のウェハWを、所定の温度に加熱する(工程A1)。
この工程A1では、シャワーヘッド330から水分濃度が例えば43%〜60%に調節された水分含有ガスが例えば4L/minの流量で供給され、処理チャンバ320の内部雰囲気が例えば43%〜60%の湿度に調節される。そして、この水分含有ガスに含まれる水分が、ウェハWの金属含有レジスト膜に結露付着し、この水分により、金属含有レジストの凝集反応が促進される。凝集反応では、水分により金属が酸化されて、金属含有レジストが凝縮する。そして、このように金属含有レジストの凝集反応を進めることで、レジストパターンの寸法が決定される。
また、工程A1では、シャワーヘッド330の複数のガス供給孔331から水分含有ガスがウェハWに対して均一に供給されるので、金属含有レジストの凝集反応をウェハ面内で均一に行うことができ、レジストパターンの寸法をウェハ面内で均一にすることができる。
さらに、工程A1では、外周排気路350(処理チャンバ320の外周部)から当該処理チャンバ320の内部を、第1の排気量、例えば4L/min以上で排気する。このように処理チャンバ320の内部を外周部から低排気することで、金属含有レジストの凝集反応をウェハ面内でさらに均一に行うことができる。
なお、工程A1の加熱処理では、金属含有レジストの凝集反応が進む分、当該金属含有レジストからの金属含有昇華物が発生する。
その後、図8(b)に示すようにシャワーヘッド330からの水分含有ガスの供給を停止し、金属含有レジストの凝集反応を停止させる(工程A2)。この工程A2の段階では、金属含有レジストの凝集反応が停止しているので、レジストパターンに対する影響が小さく、また金融含有レジストからの金属含有昇華物の発生も抑制される。
なお、工程A2では、外周排気路350からの処理チャンバ320の内部の排気は、上述した第1の排気量で継続して行う。
その後、図8(c)に示すように上部チャンバ321を上昇させ、処理チャンバ320の外周部から内部に外気を流入させると共に、中央排気路340(処理チャンバ320の中央部)から当該処理チャンバ320の内部を、第1の排気量よりも大きい第2の排気量、例えば20L/min〜70L/minで排気する(工程A3)。このように処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、処理チャンバ320の内部の金属含有昇華物を回収し、当該金属含有昇華物の濃度を低下させることができる。したがって、金属汚染を抑制することができ、半導体デバイスの欠陥を抑制することができる。
また、工程A3では、処理チャンバ320の中央部から排気し、しかも処理チャンバ320の外周部から外気を流入させているので、金属含有昇華物が処理チャンバ320の外部に漏れることがない。したがって、金属汚染をさらに抑制することができる。
なお、工程A3では、処理チャンバ320の中央部からの排気に加えて、外周部からも排気してもよい。但し、排気する経路が少ない方が高速で排気することができるので、中央部からのみ排気するのが好ましい。
その後、図8(d)に示すように上部チャンバ321をさらに上昇させる。そして、昇降ピン370によってウェハWを上昇させると共に、温度調節板380を熱処理板360の上方に移動させ、続いてウェハWは昇降ピン370から温度調節板380に受け渡される。その後、温度調節板380をウェハ搬送領域D側に移動させ、この温度調節板380の移動中に、ウェハWは所定の温度に調節される(工程A4)。
本実施形態によれば、工程A1において処理チャンバ320の内部に水分含有ガスが供給されるので、金属含有レジストの凝集反応を促進でき、レジストパターンの寸法を均一にすることができる。また、工程A3において処理チャンバ320の内部を高排気しているので、工程A1で発生した金属含有昇華物を回収することができ、金属汚染を抑制することができる。その結果、半導体デバイスの欠陥を抑制することができる。また、金属汚染を抑制することで、処理チャンバ320のクリーニングやメンテナンス頻度を抑制するという効果も生じる。
以上の実施形態では、工程A1において金属含有レジストの凝集反応を促進させた後、工程A2において水分含有ガスの供給を停止して、金属含有レジストの凝集反応を停止させる場合について説明した。かかる場合、工程A2では、金属含有昇華物の発生が減衰する。
一方、例えば工程A1の終了後に、金属含有レジスト中のリガンドが完全に放出されずその一部が残り、工程A2において水分含有ガスの供給を停止しても、金属含有レジストの凝集反応が停止しない場合がある。かかる場合、工程A2でも金属含有昇華物が継続的に発生し減衰しない。
以下においては、第1の実施形態の変形例として、このように水分含有ガスの供給を停止しても、金属含有昇華物が継続的に発生する場合について説明する。図9は、熱処理装置40の動作を示す説明図である。
先ず、図9(a)に示すように処理チャンバ320の内部を密閉した状態で、ウェハWを熱処理板360に載置し、所定の温度に加熱する(工程B1)。この工程B1は、上記工程A1と同様である。すなわち、工程B1では、シャワーヘッド330から水分濃度が例えば43%〜60%に調節された水分含有ガスが例えば4L/minの流量で供給され、処理チャンバ320の内部雰囲気が例えば43%〜60%の湿度に調節される。そして、金属含有レジストの凝集反応が促進される。また、外周排気路350(処理チャンバ320の外周部)から当該処理チャンバ320の内部を、第1の排気量、例えば4L/min以上で排気する。
その後、図9(b)に示すようにシャワーヘッド330からの水分含有ガスの供給を停止すると共に、外周排気路350からの処理チャンバ320の内部の排気を停止する。そして、上部チャンバ321を上昇させ、処理チャンバ320の外周部から内部に外気を流入させると共に、中央排気路340(処理チャンバ320の中央部)から当該処理チャンバ320の内部を、第2の排気量、例えば20L/min〜70L/minで排気する(工程B2)。
工程B2では、水分含有ガスの供給を停止しているが、ウェハWが熱処理板360に載置されており、金属含有昇華物が継続的に発生している。そこで、処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、このように継続的に発生する金属含有昇華物を回収し、処理チャンバ320の内部における金属含有昇華物の濃度を低下させる。
その後、工程B2における金属含有昇華物の回収がある程度終了したところで、図9(c)に示すように昇降ピン370によってウェハWを上昇させ、ウェハWを熱処理板360から離間させると共に、中央排気路340からの排気を継続して行う(工程B3)。すなわち、処理チャンバ320の中央部から当該処理チャンバ320の内部を、第2の排気量、例えば20L/min〜70L/minで排気する。
工程B3では、ウェハWを熱処理板360から離間させているので、ウェハWの熱処理が停止し、金属含有レジストの凝集反応も停止する。そして、金融含有レジストからの金属含有昇華物の発生も抑制される。
また、工程B3では、処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、処理チャンバ320の内部の金属含有昇華物を回収し、当該金属含有昇華物の濃度を低下させることができる。したがって、金属汚染を抑制することができる。また、工程B3では、処理チャンバ320の中央部から排気し、しかも処理チャンバ320の外周部から外気を流入させているので、金属含有昇華物が処理チャンバ320の外部に漏れることがない。したがって、金属汚染をさらに抑制することができる。
その後、図9(d)に示すように上部チャンバ321をさらに上昇させる。そして、ウェハWは昇降ピン370から温度調節板380に受け渡され、その後、温度調節板380の移動中に、ウェハWは所定の温度に調節される(工程B4)。この工程B4は、上記工程A4と同様である。
本実施形態でも、上記実施形態と同様の効果を享受することができる。すなわち、工程B1において処理チャンバ320の内部に水分含有ガスを供給することで、金属含有レジストの凝集反応を促進でき、レジストパターンの寸法を均一にすることができる。また、工程B2及び工程B3において処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、金属含有昇華物を回収することができ、金属汚染を抑制することができる。
なお、第1の実施形態では、金属含有材料として金属含有レジストを用いた場合について説明したが、第1の実施形態は他の金属含有材料にも適用できる。例えば金属含有材料として、メタルハードマスク材料を用いてもよい。メタルハードマスク材料に含まれる金属は任意であるが、例えばチタン、ジルコニウムなどである。
レジストパターンの微細化を実現するため、近年、ウェハW上にメタルハードマスクを形成することが提案されている。このメタルハードマスクを形成するあたり、現状の課題は、ウェハW上にメタルハードマスク材料をスピン塗布した後、メタルハードマスクの熱処理もしくはメタルハードマスクをウェットエッチング後の熱処理をする際に、ウェハ面内で膜厚が均一にならない場合があることである。
本発明者らが鋭意検討したところ、このウェットエッチングの不均一性の要因は、メタルハードマスクの膜質斑であり、さらにこの膜質斑は、スピン塗布されたメタルハードマスクを熱処理する際の雰囲気が要因で生じることが分かった。例えばウェハWの外周部一端から排気する場合、ウェハ面内にその一端に向かう気流が生じる。また、ウェハWの中心部から排気する場合、ウェハ面内に外周部から中心部に向かう気流が生じる。このような気流が、メタルハードマスクの膜質斑を生じさせる。
また、メタルハードマスクを熱処理すると、金属含有レジストと同様に、金属含有昇華物が発生する。したがって、この金属含有昇華物を回収し、金属汚染を抑制する必要もある。
この点、第1の実施形態において、金属含有材料としてメタルハードマスク材料を用いた場合、工程A1及び工程B1において、シャワーヘッド330から水分含有ガスを均一に供給され、外周排気路350から処理チャンバ320の内部を均一に排気するので、ウェハWの気流を均一にすることができる。したがって、メタルハードマスクの膜質斑を抑制して膜質を均一化し、当該メタルハードマスクのウェットエッチングを均一に行うことができる。
また、工程A1及び工程B1において、水分含有ガスに含まれる水分によって、メタルハードマスクの凝集反応を促進することができる。
また、工程A3、工程B2及びB3において、中央排気路340から処理チャンバ320の内部を高排気するので、処理チャンバ320の内部の金属含有昇華物を回収し、当該金属含有昇華物の濃度を低下させることができる。したがって、金属汚染を抑制することができる。その結果、処理中のウェハWの欠陥を抑制することができ、さらに後続のウェハWに金属が付着して欠陥が生じるのを抑制することができる。また、ウェハWを入れ替えるため、上部チャンバ321を上昇させた際、金属含有昇華物が外部に漏れるのも抑制することができる。
<第2の実施形態>
次に、熱処理装置40の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における熱処理装置40は、第1の実施形態における熱処理装置40と加熱部310の構成が変更されており、その他は同様の構成を有している。
先ず、加熱部310の構成について説明する。図10は、第2の実施形態にかかる加熱部310の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
加熱部310の上部チャンバ321の内部には、第1の実施形態におけるシャワーヘッド330に代えて、処理チャンバ320の内部に水分含有ガスを供給する、水分供給部としてのガス供給リング400が設けられている。ガス供給リング400は、上部チャンバ321の外周部に沿って環状に設けられている。
図11に示すようにガス供給リング400の上面には、当該ガス供給リング400の周上に等間隔で複数のガス供給孔401が形成されている。ガス供給リング400は、この複数のガス供給孔401により、上方に向けて水分含有ガスを均一に供給することができる。
図10に示すようにガス供給リング400には、ガス供給管402が接続されている。さらにガス供給管402には、ガス供給リング400に水分含有ガスを供給するガス供給源403が接続されている。また、ガス供給管402には、水分含有ガスの流通を制御するバルブ404が設けられている。
ガス供給源403の内部には、第1の実施形態におけるガス供給源333と同様に、水分濃度が例えば43%〜60%に調節されたガスが貯留されている。そして、このように水分濃度が調節された水分含有ガスがガス供給リング400を介して処理チャンバ320の内部に供給されることで、当該処理チャンバ320の内部雰囲気が所定の範囲、例えば43%〜60%の湿度に調節される。
上部チャンバ321の外周部であって、ガス供給リング400の内側には、環状のガス流通部としての内側シャッタ410が設けられている。すなわち、上部チャンバ321、ガス供給リング400及び内側シャッタ410で囲まれるガス流通路411が、上部チャンバ321の外周部に沿って環状に形成されている。また、ガス流通路411に外気が流入するのを防止するため、上部チャンバ321、ガス供給リング400、内側シャッタ410のそれぞれの間は密閉されている。
図12に示すように内側シャッタ410には、当該内側シャッタ410は周上に等間隔で複数のガス流通孔412が形成されている。内側シャッタ410は、このガス流通孔412により、処理チャンバ320の内部に向けて水平方向に均一に水分含有ガスを供給することができる。
上部チャンバ321の上面中央部には、中央排気管420が接続されている。さらに中央排気管420には、例えば真空ポンプなどの排気装置421が接続されている。また、中央排気管420には、排気されたガスの流通を制御するバルブ422が設けられている。なお、本実施形態では、中央排気管420、排気装置421及びバルブ422が、本発明における中央排気部を構成している。
なお、加熱部310のその他の構成は、第1の実施形態における加熱部310の構成と同様であるので説明を省略する。
以上のように構成された加熱部310では、処理チャンバ320の内部を密閉した状態で、ウェハWを熱処理板360に載置し、所定の温度に加熱する(PEB処理)。
PEB処理では、ガス供給リング400から内側シャッタ410を介して処理チャンバ320の内部に向けて、水分濃度が例えば43%〜60%に調節された水分含有ガスが例えば20L/min〜70L/minの流量で供給され、処理チャンバ320の内部雰囲気が例えば43%〜60%の湿度に調節される。このように処理チャンバ320の内部雰囲気を所定の湿度に調節することで、金属含有レジストの凝集反応を促進して、レジストパターンの寸法を均一にすることができる。
また、PEB処理では、処理チャンバ320の内部を中央排気管420(処理チャンバ320の中央部)から当該処理チャンバ320の内部を、例えば20L/min〜70L/minで排気する。このように処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、処理チャンバ320の内部の金属含有昇華物を回収し、当該金属含有昇華物の濃度を低下させることができる。したがって、金属汚染を抑制することができる。
なお、PEB処理において、ガス供給リング400から供給される水分含有ガスの流量と、中央排気管420から排気される排気量はほぼ同量である。
また、第2の実施形態では、金属含有材料として金属含有レジストを用いた場合について説明したが、第2の実施形態は第1の実施形態と同様に、他の金属含有材料、例えばメタルハードマスク材料にも適用できる。
<第3の実施形態>
以上の第1の実施形態及び第2の実施形態では、PEB処理中の処理チャンバ320の内部に水分含有ガスを供給していたが、PEB処理前に、金属含有レジスト膜に水分を供給してもよい。また、このPEB処理前の水分供給は、熱処理装置40の内部で行ってもよいし、熱処理装置40の外部で行ってもよい。
先ず、PEB処理前の水分供給が、熱処理装置40の内部で行われる場合について説明する。図13は、第3の実施形態にかかる熱処理装置40の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
熱処理装置40は、第1の実施形態の熱処理装置40と同様の構成を有し、さらに処理容器300の内部には、ウェハW上の金属含有レジスト膜に水分含有ガスを供給する、水分供給部としての水供給ノズル500が設けられている。なお、水分含有ガスには、液体の水(ミスト)が含まれていてもよい。また、水供給ノズル500は、液体の水を吐出してもよい。
水供給ノズル500は、温度調節部311の温度調節板380の上方に設けられ、移動機構501によって水平方向に移動自在に構成されている。また、水供給ノズル500はウェハWの径と同じかそれよりも長い細長形状を有し、水供給ノズル500の吐出口はスリット状に形成されている。そして、水供給ノズル500は、ウェハWの上方を水平方向に移動しながら水分含有ガスを吐出することで、ウェハW上の金属含有レジスト膜の全面に水分含有ガスを供給する。供給された水分含有ガスは金属含有レジスト膜に結露付着し、当該金属含有レジスト膜の全面に水が供給される。
水供給ノズル500には、水供給管502が接続されている。さらに水供給管502には、水供給ノズル500に水分含有ガスを供給する水供給源503が接続されている。また、水供給管502には、水分含有ガスの流通を制御するバルブ504が設けられている。
なお、加熱部310の上部チャンバ321において、第1の実施形態におけるシャワーヘッド330、ガス供給管332、ガス供給源333、バルブ334、外周排気路350、外周排気管351、排気装置352、バルブ353が省略されている。すなわち、上部チャンバ321には、中央排気管341、排気装置342、バルブ343が設けられている。
次に、以上のように構成された熱処理装置40を用いて行われるPEB処理について説明する。
先ず、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40にウェハWが搬入されると、ウェハWはウェハ搬送装置70から予め上昇して待機していた昇降ピン390に受け渡される。続いて昇降ピン390を下降させ、ウェハWを温度調節板380に載置する。
その後、移動機構501によって水供給ノズル500をウェハの上方を水平方向に移動させながら、当該水供給ノズル500から水分含有ガスを吐出する。吐出された水分含有ガスは金属含有レジスト膜に結露付着し、当該金属含有レジスト膜の全面に水が供給される。なお、このときの水の供給量は、上述した第1の実施形態における処理チャンバ320の内部雰囲気の所定の湿度、例えば43%〜60%に相当する量である。
その後、駆動部383により温度調節板380をレール384に沿って熱処理板360の上方まで移動させ、ウェハWは予め上昇して待機していた昇降ピン370に受け渡される。
その後、上部チャンバ321を下降させ、上部チャンバ321と下部チャンバ322を当接させて、処理チャンバ320の内部が密閉される。その後、昇降ピン370を下降させて、ウェハWを熱処理板360に載置する。そして、熱処理板360上のウェハWを、所定の温度に加熱する。
このウェハWの加熱処理においては、予め金属含有レジスト膜上に水が供給されているので、金属含有レジストの凝集反応を促進して、レジストパターンの寸法を均一にすることができる。
また、このウェハWの加熱処理においては、中央排気管341(処理チャンバ320の中央部)から当該処理チャンバ320の内部を、例えば20L/min〜70L/minで排気する。このように処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、処理チャンバ320の内部の金属含有昇華物を回収し、当該金属含有昇華物の濃度を低下させることができる。したがって、金属汚染を抑制することができる。
その後、上部チャンバ321を上昇させる。そして、昇降ピン370によってウェハWを上昇させると共に、温度調節板380を熱処理板360の上方に移動させ、続いてウェハWは昇降ピン370から温度調節板380に受け渡される。その後、温度調節板380をウェハ搬送領域D側に移動させ、この温度調節板380の移動中に、ウェハWは所定の温度に調節される。
なお、PEB処理前の水分供給が熱処理装置40の内部で行われる場合において、水分供給部は水供給ノズル500に限定されない。例えば処理容器300に形成されたウェハWの搬入出口に水供給ノズル500を設けてもよく、かかる場合、処理容器300に搬入されるウェハWに対して、水供給ノズル500から水分含有ガスが供給される。
次に、PEB処理前の水分供給が、熱処理装置40の外部で行われる場合について説明する。図14は、第3の実施形態にかかる水塗布装置510の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
水塗布装置510は、内部を閉鎖可能な処理容器520を有している。処理容器520のウェハ搬送領域D側の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器520内の中央部には、ウェハWを保持して回転させるスピンチャック530が設けられている。スピンチャック530は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック530上に吸着保持できる。
スピンチャック530の下方には、例えばモータなどを備えた駆動部531が設けられている。スピンチャック530は、駆動部531により所定の速度に回転できる。また、駆動部531には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック530は昇降自在になっている。
スピンチャック530の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ532が設けられている。カップ532の下面には、回収した液体を排出する排出管533と、カップ532内の雰囲気を真空引きして排気する排気管534が接続されている。
スピンチャック530の上方には、ウェハW上の金属含有レジスト膜に液体の水を供給する、水分供給部としての水供給ノズル540が設けられている。水供給ノズル540は、移動機構541によって水平方向に移動自在に構成されている。これにより、水供給ノズル540は、カップ532の外方に設置された待機部542からカップ532内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハW上をウェハWの径方向に移動できる。
水供給ノズル540には、水供給管543が接続されている。さらに水供給管543には、水供給ノズル540に水を供給する水供給源544が接続されている。また、水供給管543には、水の流通を制御するバルブ545が設けられている。
そして、水塗布装置510では、スピンチャック530でウェハWを保持した後、移動機構541によって水供給ノズル540を当該ウェハWの中心部の上方まで移動させる。その後、スピンチャック530によってウェハWを回転させながら、水供給ノズル540からウェハWに水を供給する。供給された水は遠心力によりウェハWの全面に拡散されて、当該ウェハW上の金属含有レジスト膜の全面に水が塗布される。なお、このときの水の供給量は、上述した第1の実施形態における処理チャンバ320の内部雰囲気の所定の湿度、例えば43%〜60%に相当する量である。
以上の構成の水塗布装置510は、例えば基板処理システム1の第1のブロックG1に配置される。
そして、水塗布装置510における金属含有レジスト膜への水の供給は、図4に示した工程S2のPAB処理後であって、工程S5のPEB処理前のいずれかの工程で行われる。但し、ウェハ処理のスループットの観点からは、工程S4の露光処理前に行うのが好ましい。
なお、本実施形態の熱処理装置40は、図13に示した熱処理装置40から水分供給部を省略した構成、すなわち水供給ノズル500、移動機構501、水供給管502、水供給源503、バルブ504を省略した構成を有している。
本実施形態でも、上記実施形態と同様の効果を享受することができる。すなわち、熱処理装置40の水供給ノズル500からの水分含有ガスの供給に代えて、水塗布装置510の水供給ノズル540から金属含有レジスト膜に水を供給する。このため、熱処理装置40のPEB処理において、金属含有レジストの凝集反応を促進して、レジストパターンの寸法を均一にすることができる。また、PEB処理において処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、金属含有昇華物を回収することができ、金属汚染を抑制することができる。
なお、PEB処理前の水分供給が熱処理装置40の外部で行われる場合において、水分供給部は水塗布装置510における水供給ノズル540に限定されない。例えばインターフェイスステーション13に水分供給部を設け、当該水分供給部から水分含有ガスを供給し、インターフェイスステーション13の内部を高湿度化してもよい。
なお、第3の実施形態では、金属含有材料として金属含有レジストを用いた場合について説明したが、第3の実施形態は第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、他の金属含有材料、例えばメタルハードマスク材料にも適用できる。
<第4の実施形態>
次に、熱処理装置40の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態における熱処理装置40は、第1の実施形態における熱処理装置40と加熱部310の構成が変更されており、その他は同様の構成を有している。
先ず、加熱部310の構成について説明する。図15は、第4の実施形態にかかる加熱部310の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
加熱部310の上部チャンバ600は、第1の実施形態における上部チャンバ321に代えて設けられる。上部チャンバ600は、全体として下面が開口した略円筒形状を有している。上部チャンバ600は、天板601と、当該天板601の外周部から下方に設けられた開閉シャッタ602と、を有している。天板601は固定され、開閉シャッタ602が昇降自在に構成されている。
そして、開閉シャッタ602と下部チャンバ322が当接して、処理チャンバ320の内部が密閉される。すなわち、第1の実施形態では、上部チャンバ321自体を昇降させることで処理チャンバ320を開閉していたが、第3の実施形態では、開閉シャッタ602を開閉させることで処理チャンバ320を開閉している。
なお、加熱部310のその他の構成は、第1の実施形態における加熱部310の構成と同様であるので説明を省略する。
次に、以上のように構成された熱処理装置40を用いて行われるPEB処理について説明する。図16は、熱処理装置40の動作を示す説明図である。
先ず、図16(a)に示すよう開閉シャッタ602を上昇させ、処理チャンバ320の内部を密閉した状態で、ウェハWを熱処理板360に載置し、所定の温度に加熱する。この工程は、第1の実施形態における工程B1とほぼ同様である。すなわち、シャワーヘッド330から水分濃度が例えば43%〜60%に調節された水分含有ガスが例えば4L/minの流量で供給され、処理チャンバ320の内部雰囲気が例えば43%〜60%の湿度に調節される。そして、金属含有レジストの凝集反応が促進される。また、外周排気路350(処理チャンバ320の外周部)から当該処理チャンバ320の内部を、例えば4L/min以上で排気する。
その後、図16(b)に示すように昇降ピン370によってウェハWを上昇させ、ウェハWを熱処理板360から離間させる。この状態で、シャワーヘッド330からの水分含有ガスの供給を停止すると共に、外周排気路350からの処理チャンバ320の内部の排気を停止する。そして、中央排気路340(処理チャンバ320の中央部)から当該処理チャンバ320の内部を、例えば20L/min〜70L/minで排気する。この際、ウェハWを熱処理板360から離間させているので、金属含有レジストの凝集反応を停止させ、金融含有レジストからの金属含有昇華物の発生が抑制される。また、ウェハWを中央排気路340に近づけているので、金属含有昇華物をより効率よく回収することができる。なお、この工程は、第1の実施形態における工程B3とほぼ同様であり、例えば10秒〜15秒間行われる。
その後、図16(c)に示すように開閉シャッタ602を下降させ、処理チャンバ320を開放する。この際、図16(b)に示したように金属含有昇華物の発生が抑制され、当該金属含有昇華物が適切に回収されているので、金属含有昇華物が外部に漏れるのを抑制することができる。
そして、図16(d)に示すようにウェハWは昇降ピン370から温度調節板380に受け渡され、その後、温度調節板380の移動中に、ウェハWは所定の温度に調節される。この工程は、第1の実施形態における工程B4とほぼ同様である。
本実施形態でも、上記実施形態と同様の効果を享受することができる。すなわち、処理チャンバ320の内部に水分含有ガスを供給することで、金属含有レジストの凝集反応を促進でき、レジストパターンの寸法を均一にすることができる。また、処理チャンバ320の内部を中央部から高排気することで、金属含有昇華物を回収することができ、金属汚染を抑制することができる。
なお、第4の実施形態では、金属含有材料として金属含有レジストを用いた場合について説明したが、第4の実施形態は第1の実施形態〜第3の実施形態と同様に、他の金属含有材料、例えばメタルハードマスク材料にも適用できる。
<第5の実施形態>
以上の第1の実施形態〜第4の実施形態では、PEB処理前又はPEB処理中に金属含有膜としての金属含有レジスト膜に水分を供給していたが、例えば金属含有膜がメタルハードマスクの場合、金属含有レジストに比べて水分に対する感度が小さいため、積極的な水分供給を省略してもよい。
但し、かかる場合であっても、上述したようにウェットエッチングの不均一性の要因となるメタルハードマスクの膜質斑を抑制するため、熱処理における気流を制御する必要がある。そこで、熱処理装置40の加熱部310において、処理チャンバ320の内部の気流を乱す要因となる外気を流入させないようにするため、処理チャンバ320(上部チャンバ321)の外周部に、鉛直方向且つ環状に気流(いわゆるエアカーテン)を形成してもよい。
熱処理装置40の第5の実施形態は、加熱部310においてかかるエアカーテンを形成するものである。第5の実施形態における熱処理装置40は、第1の実施形態における熱処理装置40と加熱部310の構成が変更されており、その他は同様の構成を有している。
先ず、加熱部310の構成について説明する。図17は、第5の実施形態にかかる加熱部310の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
加熱部310の上部チャンバ321には、第1の実施形態におけるシャワーヘッド330、ガス供給管332、ガス供給源333、バルブ334、中央排気管341、排気装置342、バルブ343、外周排気路350、外周排気管351、排気装置352、バルブ353が省略されている。
上部チャンバ321の上面外周部には、処理チャンバ320の外周部にエアを供給する、エア供給部としてのエア供給リング700が設けられている。エア供給リング700は、上部チャンバ321の外周部に沿って環状に設けられている。また、エア供給リング700のエア供給孔も、エア供給リング700に沿って環状に形成されている。
エア供給リング700には、エア供給管701が接続されている。さらにエア供給管701には、エア供給リング700にエアを供給するエア供給源702が接続されている。また、エア供給管701には、エアの流通を制御するバルブ703が設けられている。
上部チャンバ321の側面下端部には、エア供給リング700から供給されたエアを排出する、エア排出部としての排気リング710が設けられている。排気リング710は、上部チャンバ321の外周部に沿って環状に設けられている。
排気リング710には、排気管711が接続されている。さらに排気管711には、例えば真空ポンプなどの排気装置712が接続されている。また、排気管711には、排気されたエアの流通を制御するバルブ713が設けられている。
なお、加熱部310のその他の構成は、第1の実施形態における加熱部310の構成と同様であるので説明を省略する。
以上のように構成された加熱部310では、処理チャンバ320の内部を密閉した状態で、ウェハWを熱処理板360に載置し、所定の温度に加熱する。熱処理では、エア供給リング700から供給されたエアは排気リング710から排出され、いわゆるエアカーテンが形成される。このエアカーテンにより、処理チャンバ320の内部への外気の流入が抑制されるので、熱処理中の気流の発生を抑制することができる。したがって、メタルハードマスクの膜質斑を抑制し、当該メタルハードマスクのウェットエッチングを均一に行うことができる。
なお、以上の実施形態では、エアカーテンは、上方から下方に向かう気流によって形成されていたが、逆に下方から上方に向かう気流によって形成してもよい。
また、第5の実施形態における処理チャンバ320の外周部のエアカーテンは、上記第1の実施形態〜第4の実施形態に適用してもよい。例えば第1の実施形態の工程A1の熱処理において、処理チャンバ320の外周部にエアカーテンを形成し、処理チャンバ320の内部に外気を流入させないようにしてもよい。或いは、工程A3において処理チャンバ320の内部を高排気する際に、このエアカーテンを用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
さらにまた、以下の開示も提案される。
(1)基板に形成された金属含有膜に水分を供給して熱処理する熱処理方法であって、処理チャンバの内部に設けられた熱処理板に基板を載置した状態で、前記処理チャンバの内部に対する水分含有ガスの供給と共に、当該処理チャンバの内部を第1の排気量で排気する第1の工程と、その後、前記水分含有ガスの供給を停止し、前記第1の排気量よりも大きい第2の排気量で排気する第2の工程と、を有することを特徴とする熱処理方法。
(2)前記熱処理は、処理チャンバの内部に設けられた熱処理板に基板を載置した状態で、前記処理チャンバの内部に対する水分含有ガスの供給と共に、当該処理チャンバの内部を第1の排気量で排気する第1の工程と、その後、前記水分含有ガスの供給を停止し、前記処理チャンバの中央部から当該処理チャンバの内部を、前記第1の排気量よりも大きい第2の排気量で排気する第2の工程と、を有していてもよい。
(3)前記処理チャンバは、昇降自在の上部チャンバと、前記上部チャンバと一体となって内部を密閉可能な下部チャンバと、を有し、前記第2の工程において、前記上部チャンバを上昇させ、前記処理チャンバの外周部から内部に外気を流入させると共に、前記処理チャンバの中央部から当該処理チャンバの内部を排気してもよい。
(4)前記熱処理方法は、前記第2の工程後に、前記熱処理板から基板を上昇させ、前記水分含有ガスの供給を停止し、前記処理チャンバの中央部から当該処理チャンバの内部を前記第2の排気量で排気する工程をさらに有していてもよい。
(5)前記処理チャンバの内部であって前記熱処理板に対向する位置には、下面に複数のガス供給孔が形成されたシャワーヘッドが設けられ、前記第1の工程において、前記シャワーヘッドから前記処理チャンバの内部に前記水分含有ガスが供給されてもよい。
(6)前記熱処理において、前記熱処理板に基板を載置した状態で、前記処理チャンバの外周部に環状に設けられた水分供給部から、当該処理チャンバの内部に水分含有ガスを供給すると共に、前記処理チャンバの上面中央部に設けられた中央排気部から、当該処理チャンバの内部を排気してもよい。
(7)前記水分供給部には、当該水分供給部の周上に等間隔で複数のガス供給孔が形成され、前記複数のガス供給孔から前記処理チャンバの内部に、前記水分含有ガスが供給されてもよい。
(8)前記処理チャンバの外周部において前記水分供給部より内側には、環状のガス流通部が設けられ、前記ガス流通部には、当該ガス流通部の周上に等間隔で複数のガス流通孔が形成され、前記水分供給部から供給された前記水分含有ガスは、前記複数のガス流通孔を通って前記処理チャンバの内部に供給されてもよい。
(9)前記熱処理方法では、基板に金属含有材料を塗布して前記金属含有膜を形成し、さらに前記金属含有膜を露光した後、当該金属含有膜を熱処理し、前記熱処理前又は前記熱処理中に、前記金属含有膜に水を供給してもよい。
(10)前記処理チャンバの外周部には、当該処理チャンバを開閉する開閉シャッタが設けられ、前記熱処理は、前記開閉シャッタによって前記処理チャンバを閉じ、前記熱処理板に基板を載置した状態で、前記処理チャンバの内部に水分含有ガスを供給すると共に、前記処理チャンバの外周部から当該処理チャンバの内部を排気する第1の工程と、その後、前記熱処理板から基板を上昇させ、前記水分含有ガスの供給を停止し、前記処理チャンバの中央部から当該処理チャンバの内部を排気する第2の工程と、その後、前記開閉シャッタによって前記処理チャンバを開ける第3の工程と、を有していてもよい。
(11)前記熱処理において、前記処理チャンバの外周部に鉛直方向且つ環状に気流を形成してもよい。
(12)基板に形成された金属含有膜を熱処理する熱処理装置であって、
基板を収容する処理チャンバと、前記処理チャンバの内部に設けられ、基板を載置する熱処理板と、前記金属含有膜に水分を供給する水分供給部と、前記処理チャンバの内部を排気する排気部と、前記処理チャンバ、前記熱処理板、前記水分供給部及び前記排気部の動作を制御する制御部と、を有し、前記水分供給部は、前記処理チャンバの内部に水分含有ガスを供給し、
前記制御部は、
前記熱処理板に基板を載置した状態で、前記水分供給部から前記処理チャンバの内部に対する前記水分含有ガスの供給と共に、当該処理チャンバの内部を排気する第1の工程と、その後、前記水分供給部からの前記水分含有ガスの供給を停止し、前記排気の排気量を増加させる第2の工程と、を実行するように、前記熱処理板、前記水分供給部及び前記排気部の動作を制御する、熱処理装置。
(13)前記水分供給部は、前記処理チャンバの内部であって前記熱処理板に対向する位置に設けられたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドの下面には、複数のガス供給孔が形成されていてもよい。
(14)前記処理チャンバは、昇降自在の上部チャンバと、前記上部チャンバと一体となって内部を密閉可能な下部チャンバと、を有し、前記制御部は、前記第2の工程において、前記上部チャンバを上昇させ、前記処理チャンバの外周部から内部に外気を流入させると共に、前記排気部によって前記処理チャンバの内部を排気するように、前記処理チャンバ及び前記排気部を制御してもよい。
(15)前記熱処理装置は、基板を昇降させる昇降部をさらに有し、前記制御部は、前記第2の工程後に、前記昇降部によって前記熱処理板から基板を上昇させ、前記水分供給部からの前記水分含有ガスの供給を停止し、前記排気部によって前記処理チャンバの内部を前記第2の工程と同様の排気量で排気するように、前記昇降部、前記水分供給部及び前記排気部を制御してもよい。
(16)前記水分供給部は、前記処理チャンバの外周部に環状に設けられ、前記処理チャンバの内部に水分含有ガスを供給し、前記水分供給部には、複数のガス供給孔が当該水分供給部の周上に等間隔で形成されていてもよい。
(17)前記熱処理装置は、前記処理チャンバの外周部において前記水分供給部より内側に環状に設けられたガス流通部をさらに有し、前記ガス流通部には、複数のガス流通孔が当該ガス流通部の周上に等間隔で形成されていてもよい。
(18)前記水分供給部は、前記熱処理板に載置される前の基板上の前記金属含有膜に水を供給してもよい。
(19)前記熱処理装置は、前記処理チャンバの外周部に設けられ、当該処理チャンバを開閉する開閉シャッタと、前記基板の内部において、基板を昇降させる昇降部と、前記開閉シャッタ、前記熱処理板、前記昇降部、前記水分供給部及び前記排気部を制御する制御部と、をさらに有し、前記水分供給部は、前記処理チャンバの内部に水分含有ガスを供給し、前記制御部は、前記開閉シャッタによって前記処理チャンバを閉じ、前記熱処理板に基板を載置した状態で、前記水分供給部から前記処理チャンバの内部に前記水分含有ガスを供給すると共に、前記排気部によって前記処理チャンバの内部を排気する第1の工程と、その後、前記昇降部によって前記熱処理板から基板を上昇させ、前記水分供給部からの前記水分含有ガスの供給を停止し、前記排気部によって前記処理チャンバの内部を排気する第2の工程と、その後、前記開閉シャッタによって前記処理チャンバを開ける第3の工程と、を実行するように、前記開閉シャッタ、前記熱処理板、前記昇降部、前記水分供給部及び前記排気部を制御してもよい。
(20)前記熱処理装置は、前記処理チャンバの外周部の鉛直方向一端部に環状に設けられ、当該処理チャンバの外周部にエアを供給するエア供給部と、前記処理チャンバの外周部の鉛直方向他端部に環状に設けられ、前記エア供給部から供給されたエアを排出するエア排出部と、をさらに有していてもよい。