JP2022000684A - 導電性パターンの形成方法、メタルメッシュセンサーの製造方法、及び、構造体の製造方法 - Google Patents

導電性パターンの形成方法、メタルメッシュセンサーの製造方法、及び、構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン不良の発生を低減することができる導電性パターンの形成方法、及び、構造体の製造方法の提供。【解決手段】第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、上記ロール体から上記積層体を巻き出す工程、巻き出された上記積層体に対して露光を行う工程、露光された上記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、上記第一のフィルム上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、上記樹脂パターンを除去する工程を含む導電性パターンの形成方法、及び、構造体の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、導電性パターンの形成方法、メタルメッシュセンサーの製造方法、及び、構造体の製造方法に関する。
フレキシブルなプラスチック基板上にパターン状の導電層が形成された導電性フィルムは、圧力センサー及びバイオセンサー等の各種センサー、プリント基板、太陽電池、コンデンサー、電磁波シールド材料、タッチパネル、アンテナ、並びに、ヒーター等の種々の分野において幅広く利用されている。
フレキシブルフィルム上に、エレクトロニクスデバイスを作製することは、大面積、軽量,薄膜のデバイスを作製でき、また、フレキシブルであることがメリットであるが、ロールトゥロール(roll to roll)工程で連続生産することが可能となるため、低コスト化と大量供給の観点からの期待も大きい。
また、微細で複雑な金属パターンや配線を数μm以下の視認が困難なレベルまで細線化できれば、意匠性を損なうことなく、導電機能が付与できることにより、用途や応用範囲が広がることが期待できる。
従来から、印刷技術やインクジェット技術を用いて、絶縁性インク、半導体インク、導電性インク等をフィルム上に塗布又は印刷してエレクトロニクスデバイスを作製する、いわゆる、プリンティッドエレクトロニクス(PE)と呼ばれる研究が進んでいる。
また、従来の導電性パターンの形成方法としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1では、具体的には、ノボラック型フェノール樹脂を含むポジ型フォトレジスト組成物を用いて基板上にポジ型フォトレジスト層を形成し、上記ポジ型フォトレジスト層に対して露光及び現像処理を実施することでポジ型フォトレジスト層に凹部パターンを形成し、上記凹部パターンが形成されたポジ型フォトレジスト層に対して全面露光を行った後、上記凹部パターンに導電性ペーストを充填して乾燥させて、更にポジ型フォトレジスト層を現像により消失させることで、基板上に導電層パターンを形成する方法を開示している。
特開平7−94848号公報
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、パターン不良の発生を低減することができる導電性パターンの形成方法を提供することである。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、パターン不良の発生を低減することができる構造体の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、上記ロール体から上記積層体を巻き出す工程、巻き出された上記積層体に対して露光を行う工程、露光された上記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、上記第一のフィルム上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、上記樹脂パターンを除去する工程を含む導電性パターンの形成方法。
<2> 上記第一のフィルム及び上記第二のフィルムの少なくとも一方が、粒子を有する<1>に記載の導電性パターンの形成方法。
<3> 上記露光を行う工程において、上記第二のフィルムにマスクを接触させ、上記第二のフィルム越しに露光を行う<1>又は<2>に記載の導電性パターンの形成方法。
<4> 上記露光を行う工程において、上記第一のフィルムにマスクを接触させ、上記第一のフィルム越しに露光を行う<1>又は<2>に記載の導電性パターンの形成方法。
<5> 上記露光を行う工程において、上記第二のフィルムを剥離し、上記感光性樹脂層にマスクを接触させ露光を行う<1>又は<2>に記載の導電性パターンの形成方法。
<6> 上記第一のフィルムの厚みが、50μm以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<7> 上記第二のフィルムの厚みが、50μm以下である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<8> 上記第一のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<9> 上記第二のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<10> 上記第一のフィルム及び上記第二のフィルムの少なくとも一方が、全光線透過率が85%以上の透明フィルムである<1>〜<9>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<11> 上記第一のフィルム及び上記第二のフィルムがいずれも、絶縁性フィルムである<1>〜<10>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<12> 上記第一のフィルムが、紫外線吸収剤を含む<1>〜<11>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<13> 上記感光性樹脂層が、ポジ型感光性樹脂層である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<14> 上記ポジ型感光性樹脂層が、酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基を有する重合体、及び、光酸発生剤を含む<13>に記載の導電性パターンの形成方法。
<15> 上記酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基が、極性基がアセタールの形で保護されてなる基である<14>に記載の導電性パターンの形成方法。
<16> 上記重合体が、下記式A1〜式A3のいずれかで表される構成単位を含む<14>又は<15>に記載の導電性パターンの形成方法。
Figure 2022000684
式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R11及びR12の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R13は、アルキル基又はアリール基を表す。R14は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。R15は、置換基を表す。nは、0〜4の整数を表す。なお、R11又はR12とR13とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R21及びR22の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。R21又はR22とR23とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R31及びR32の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R33は、アルキル基又はアリール基を表す。R34は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。なお、R31又はR32とR33とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
<17> 上記感光性樹脂層の層厚が、3μm以下である<1>〜<16>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<18> 上記感光性樹脂層の層厚が、1μm以下である<1>〜<17>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<19> 上記導電性パターンを、スパッタリング法又は蒸着法により形成する<1>〜<18>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<20> 上記導電性パターンを、銀含有インク若しくは銅含有インクの印刷又は塗布により形成する<1>〜<19>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<21> 第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、上記ロール体から上記積層体を巻き出す工程、巻き出された上記積層体のいずれか一方の面又は両方の面に対して露光を行う工程、露光された上記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、上記第一のフィルム上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、並びに、上記樹脂パターンを除去する工程を含む導電性パターンの形成方法。
<22> 上記第一のフィルム、上記第二のフィルム及び上記第三のフィルムの少なくとも一つが、粒子を有する<21>に記載の導電性パターンの形成方法。
<23> 上記露光を行う工程において、上記第二のフィルム又は第三のフィルムにマスクを接触させ、上記第二のフィルム越しに露光を行う<21>又は<22>に記載の導電性パターンの形成方法。
<24> 上記露光を行う工程において、上記第二のフィルム又は第三のフィルムを剥離し、上記感光性樹脂層にマスクを接触させ露光を行う<21>又は<22>に記載の導電性パターンの形成方法。
<25> 上記第一のフィルムの厚みが、50μm以下である<21>〜<24>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<26> 上記第二のフィルムの厚みが、50μm以下であり、かつ上記第三のフィルムの厚みが、50μm以下である<21>〜<25>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<27> 上記第一のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である<21>〜<26>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<28> 上記第二のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下であり、かつ上記第三のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である<21>〜<27>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<29> 上記第一のフィルム、上記第二のフィルム及び上記第三のフィルムの少なくとも一つが、全光線透過率が85%以上の透明フィルムである<21>〜<28>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<30> 上記第一のフィルム、上記第二のフィルム及び上記第三のフィルムがいずれも、絶縁性フィルムである<21>〜<29>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<31> 上記第一のフィルムが、紫外線吸収剤を含む<21>〜<30>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<32> 上記第一の感光性樹脂層及び上記第二の感光性樹脂層がいずれも、ポジ型感光性樹脂層である<21>〜<31>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<33> 上記ポジ型感光性樹脂層が、酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基を有する重合体、及び、光酸発生剤を含む<32>に記載の導電性パターンの形成方法。
<34> 上記酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基が、酸基がアセタールの形で保護されてなる基である<33>に記載の導電性パターンの形成方法。
<35> 上記重合体が、下記式A1〜式A3のいずれかで表される構成単位を含む<33>又は<34>に記載の導電性パターンの形成方法。
Figure 2022000684
式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R11及びR12の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R13は、アルキル基又はアリール基を表す。R14は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。R15は、置換基を表す。nは、0〜4の整数を表す。なお、R11又はR12とR13とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R21及びR22の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。R21又はR22とR23とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R31及びR32の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R33は、アルキル基又はアリール基を表す。R34は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。なお、R31又はR32とR33とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
<36> 上記第一の感光性樹脂層と上記第二の感光性樹脂層とが、同一組成の層である<21>〜<35>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<37> 上記第一の感光性樹脂層及び上記第二の感光性樹脂層の層厚がいずれも、3μm以下である<21>〜<36>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<38> 上記第一の感光性樹脂層及び上記第二の感光性樹脂層の層厚がいずれも、1μm以下である<21>〜<37>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<39> 上記露光を行う工程において、上記第一の感光性樹脂層及び上記第二の感光性樹脂層に対して同時に露光を行う<21>〜<38>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<40> 上記導電性パターンを、スパッタリング法又は蒸着法により形成する<21>〜<39>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<41> 上記導電性パターンを、銀含有インク若しくは銅含有インクの印刷又は塗布により形成する<21>〜<40>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法。
<42> <1>〜<41>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法を含むメタルメッシュセンサーの製造方法。
<43> <1>〜<41>のいずれか1つに記載の導電性パターンの形成方法により得られた上記導電性パターンを有する上記第一のフィルムに対し、上記第一のフィルム及び上記導電性パターン上にネガ型感光性樹脂層を形成する工程、上記第一のフィルム越しに上記ネガ型感光性樹脂層に対し露光を行う工程、光を照射された上記ネガ型感光性樹脂層を現像することで、上記第一のフィルム上に樹脂パターンNを形成する工程、及び、上記導電性パターンと上記樹脂パターンNとによって画定される領域にパターンMを形成する工程を含む構造体の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、パターン不良の発生を低減することができる導電性パターンの形成方法を提供することができる。
また、本発明の他の実施形態によれば、パターン不良の発生を低減することができる構造体の製造方法を提供することができる。
本開示に係る導電性パターンの形成方法により形成される導電性パターンの模式図である。 本開示に好適に用いられる積層体の一例を示す模式図である。 積層体に対して露光を行う工程の好ましい一例を概略的に示す模式図である。 現像後に形成される樹脂パターンの好ましい一例を示す模式図である。 樹脂パターンが除去される前の導電性パターンを有する積層体の好ましい一例を示す模式図である。 樹脂パターンを除去する工程の好ましい一例を概略的に示す模式図である。
以下、本開示の内容について説明する。なお、添付の図面を参照しながら説明するが、符号は省略する場合がある。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線(活性エネルギー線)が挙げられる。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
(導電性パターンの形成方法)
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、上記ロール体から上記積層体を巻き出す工程、巻き出された上記積層体に対して露光を行う工程、露光された上記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、上記第一のフィルム上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、上記樹脂パターンを除去する工程を含む。
光を用いたフォトリソグラフィー法は、マスクを介した光学強度分布を、レジスト中に投影することにより、数μm程度のパターンを、安定的に形成できる。ところが、レジストパターンを形成できても、その後のエッチング工程において、被レジスト膜の解像性が低下したり、パターン転写が不安定なケースがある。特に、ロールトゥロール工程を前提とした、フレキシブルフィルム上での金属パターン形成プロセス法として一般的に用いられるエッチング工法では、液プロセスに起因した温度、撹拌流動性等の局所的なバラツキが、パターン不良を誘発したり、線幅の直線性のバラツキが大きくなることが課題となる。
また、特許文献1に記載されているような従来の導電性パターンの形成方法をロールトゥロール(roll to roll)工程で連続生産する際には、パターン不良の発生が多いという問題があることを本発明者は見出した。
本発明者が鋭意検討した結果、上記構成をとることにより、パターン不良の発生を低減することができる導電性パターンの形成方法を提供できることを見出した。
本開示に係る導電性パターンの形成方法では、第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体から積層体を巻き出し、巻き出された上記積層体に対して露光及び現像を行い、更に、上記第一のフィルム上における樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成し、上記樹脂パターンを除去する。上述のように、第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を用いることにより、露光パターン形状を安定させるとともに、上記第一のフィルム上における樹脂パターンが形成されていない部分に金属を含む導電性パターンを形成することで、導電性パターンの形状安定性及び欠陥抑制性に優れるため、パターン不良の発生を低減することができると推定している。
図1〜図6として、本開示に係る導電性パターンの形成方法の好ましい一例を示す模式図を示す。なお、各図中、同一符号で示す構成要素は、同じ構成要素を示す
図1は、本開示に係る導電性パターンの形成方法により形成される導電性パターンの模式図である。
導電性基板50は、基板(第一のフィルム)1と、基板1上に配置されたパターン状の導電層(導電性パターン)8Aと、を有する。
図2は、本開示に好適に用いられる積層体の一例を示す模式図である。
図2に示す積層体20は、基板(第一のフィルム)1と、基板1上に感光性樹脂層3とカバーフィルム(第二のフィルム)5とを有する。
図3は、積層体に対して露光を行う工程の好ましい一例を概略的に示す模式図である。
図3においては、開口部6aを有するマスク6をカバーフィルム5に密着するように配置して、カバーフィルム5を介して積層体20の感光性樹脂層3をパターン状に露光している。
露光後、カバーフィルム5を剥離して現像を行い、図4に示す積層体30が得られる。
図4は、現像後に形成される樹脂パターンの好ましい一例を示す模式図である。
図4に示すように、現像された積層体30は、基板1と、基板1上に配置され、層内を貫通する開口部7を有する感光性樹脂層(樹脂パターン)3Aと、を有する。つまり、感光性樹脂層3Aは、基板1が露出する開口部7を有する。上記感光性樹脂層がポジ型である場合、感光性樹脂層3Aを貫通する開口部7の位置は、露光の際に使用されたマスクパターンの開口部(図3の開口部6a)の位置と一致する。すなわち、感光性樹脂層3Aは、露光の際に使用されたマスクの開口部6aに対応する位置に、開口部7を有する。
図5は、樹脂パターンが除去される前の導電性パターンを有する積層体の好ましい一例を示す模式図である。
図5における積層体40は、感光性樹脂層3Aが有する開口部7に導電性組成物から形成される導電性組成物層8Aを有する。なお、感光性樹脂層3Aが有する開口部7に導電性組成物の供給を行う場合、図5に示すように開口部7以外の領域(例えば、感光性樹脂層3Aの上面)に付着してもよい。
図6は、樹脂パターンを除去する工程の好ましい一例を概略的に示す模式図である。
図6に示すように、樹脂パターンを除去する工程においては、基板1の感光性樹脂層3Aとは反対側の表面(基板1の裏面)から露光(好ましくは全面露光)する態様が好ましく挙げられる。上記露光により、露光された感光性樹脂層3A中の酸分解性樹脂中の酸分解性基が酸の作用により脱保護して、アルカリ系剥離液に対する溶解性が増大する。すなわち、感光性樹脂層3Aの極性が変化する。露光された感光性樹脂層3Aを、例えば、剥離液により除去することにより、感光性樹脂層3A上の導電性組成物層も感光性樹脂層3Aとともに除去することができる。
上記除去により、図1に示す導電性パターンが得られる。
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、前記積層体が、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体であることが好ましい。
上記積層体である場合、本開示に係る導電性パターンの形成方法は、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、上記ロール体から上記積層体を巻き出す工程、巻き出された上記積層体のいずれか一方の面又は両方の面に対して露光を行う工程、露光された上記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、上記第一のフィルム上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、並びに、上記樹脂パターンを除去する工程を含むことが好ましい。
以下、各工程について詳細に説明する。
<準備工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程(「準備工程」ともいう。)を含む。
上記積層体は、第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムをこの順で有することが好ましい。
第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体の詳細については、後述する。
また、上記積層体は、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体であることが好ましい。
第一の感光性樹脂層、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを更に有する積層体についても後述する。
上記準備工程においては、既に巻き取られたロール体を準備してもよいし、上記積層体を巻き取ってロール体を作製してもよい。
上記積層体を巻き取ってなるロール体を作製する方法としては、特に制限はなく、公知の巻き取り方法によりロール体を作製することができ、例えば、ロールトゥロール方式に適用される方法が挙げられる。
また、巻き取る積層体の長手方向の長さ、及び、幅(短手方向の長さ)は、特に制限はなく、所望に応じ、適宜選択することができる。
更に、上記ロール体は、上記積層体における第一のフィルム側が外側になるように巻き取ったロール体であっても、上記積層体における第二のフィルム側が外側になるように巻き取ったロール体であってもよい。
<巻き出し工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、上記ロール体から上記積層体を巻き出す工程(「巻き出し工程」ともいう。)を含む。
上記ロール体から上記積層体を巻き出す方法としては、特に制限はなく、公知の巻き取り方法によりロール体を作製することができ、例えば、ロールトゥロール方式に適用される方法が挙げられる。
また、上記巻き出し工程における巻き出しは、連続的に行っても、間歇的に行ってもよく、例えば、後述する露光工程等の上記巻き出し工程後の各工程に応じて、適宜選択することできる。
更に、上記巻き出しの速度は、特に制限はなく、所望の速度で行うことができる。
<露光工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、巻き出された上記積層体に対して露光を行う工程(「露光工程」ともいう。)を含む。
上記露光工程における露光は、パターン状の露光(パターン露光)であることが好ましい。
パターン露光におけるパターンの詳細な配置及び具体的なサイズは特に制限されない。パターンの少なくとも一部(好ましくはタッチパネルの電極パターン及び/又は取り出し配線の部分)は幅が20μm以下の細線を含むことが好ましく、幅が10μm以下の細線を含むことがより好ましい。回路配線の製造方法により製造される回路配線を有する入力装置を備えた表示装置(例えば、タッチパネル)の表示品質を高め、かつ、取り出し配線の占める面積を小さくすることができる。
また、上記感光性樹脂層がポジ型感光性樹脂層である場合は、上記感光性樹脂層の未露光部が後述する樹脂パターンとなり、上記感光性樹脂層がネガ型感光性樹脂層である場合は、上記感光性樹脂層の露光部が後述する樹脂パターンとなる。
露光に使用する光源は、感光性樹脂層を露光可能な波長の光(例えば、365nm又は405nm)を照射する光源であれば特に制限されず、適宜選定して用いることができる。光源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、レーザー及びLED(Light Emitting Diode)が挙げられる。
露光量は、樹脂パターンが形成可能であれば、特に制限はないが、5mJ/cm〜200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜100mJ/cmであることがより好ましい。
上記露光工程においては、上記積層体の第一のフィルム側から第一のフィルムを介して露光を行っても、上記積層体の第二のフィルム側から第二のフィルムを介して露光を行っても、上記積層体の第一のフィルム又は第二のフィルムを剥離した後に露光を行ってもよい。
第一のフィルム又は第二のフィルムを剥離した後に露光する場合には、マスクと感光性樹脂層とを接触させて露光してもよく、マスクと感光性樹脂層とを接触させずに近接させて露光してもよい。
第一のフィルム又は第二のフィルムを介して露光する場合には、マスクと第一のフィルム又は第二のフィルムとを接触させて露光してもよく、マスクと第一のフィルム又は第二のフィルムとを接触させずに近接させて露光してもよい。感光性樹脂層とマスクとの接触によるマスク汚染の防止、及び、マスクに付着した異物による露光への影響を避けるためには、第一のフィルム又は第二のフィルムを剥離せずにパターン露光することが好ましい。
すなわち、上記露光を行う工程においては、以下のいずれかの態様で行うことが好ましい。
R1:上記露光を行う工程において、好ましくは、上記第二のフィルムにマスクを用いて、上記第二のフィルム越しに露光を行う態様、より好ましくは、上記第二のフィルムにマスクを接触させ、上記第二のフィルム越しに露光を行う態様。
R2:上記露光を行う工程において、好ましくは、上記第一のフィルムにマスクを用いて、上記第一のフィルム越しに露光を行う態様、より好ましくは、上記第一のフィルムにマスクを接触させ、上記第一のフィルム越しに露光を行う態様
R3:上記露光を行う工程において、好ましくは、上記第二のフィルムを剥離し、上記感光性樹脂層にマスクを用いて露光を行う態様、より好ましくは、上記第二のフィルムを剥離し、上記感光性樹脂層にマスクを接触させ露光を行う態様。
また、上記積層体として、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を用いる場合、第一の感光性樹脂層、及び、第二の感光性樹脂層は、別々に露光を行っても、同時に露光を行ってもよいが、同時に露光を行うことが好ましい。
すなわち、上記積層体の場合、上記露光工程は、巻き出された前記積層体のいずれか一方の面又は両方の面に対して露光を行う工程であることが好ましく、巻き出された前記積層体の両方の面に対して露光を行う工程であることがより好ましい。
また、上記露光工程において、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムと、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムとの露光については、上述した感光性樹脂層、及び、第二のフィルムの好ましい態様とそれぞれ同様である。
露光方式は、接触露光の場合は、コンタクト露光方式、非接触露光方式の場合は、 プロキシミティ露光方式、レンズ系若しくはミラー系のプロジェクション露光方式、又は、露光レーザー等を用いたダイレクト露光方式を適宜選択して用いることができる。
レンズ系又はミラー系のプロジェクション露光方式の場合、必要な解像力及び焦点深度に応じて、適当なレンズの開口数(NA)を有する露光機を用いることができる。
ダイレクト露光方式の場合は、感光性樹脂層に直接露光してもよく、レンズを介して感光性樹脂層に縮小投影露光をしてもよい。
また、露光は、大気下で行うだけでなく、減圧下又は真空下で行ってもよい。また、光源と感光性樹脂層との間に水等の液体を介在させて露光してもよい。
<現像工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、露光された上記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程(「現像工程」ともいう。)を含む。
上記現像工程において形成される樹脂パターンのパターン形状は、特に制限はなく、所望に応じ、適宜選択すればよい。
上記樹脂パターンは、本開示における効果をより発揮する観点から、開口部を有する樹脂パターンであることが好ましい。
後述する導電性パターン形成工程において、上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に導電性パターンが形成され、上記開口部に導電性パターンが形成されることが好ましい。
上記開口部の形状は、ライン状であることが好ましく、その幅が100μm以下であることがより好ましく、70μm以下であることが更に好ましく、0.5μm以上20μm以下であることが特に好ましい。
また、上記樹脂パターンは、得られる導電性パターンにおけるパターン不良抑制性の観点から、テーパー形状を有する樹脂パターンであることが好ましい。
樹脂パターンの厚さは、30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。また、樹脂パターンの厚さの下限値は、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
また、上記積層体として、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を用いる場合、第一の感光性樹脂層、及び、第二の感光性樹脂層は、別々に現像を行っても、同時に現像を行ってもよいが、同時に現像を行うことが好ましい。
すなわち、上記積層体の場合、上記露光工程は、露光された前記積層体のいずれか一方の面又は両方の面に対して現像し樹脂パターンを形成する工程であることが好ましく、露光された前記積層体の両方の面に対して現像し樹脂パターンを形成する工程であることがより好ましい。
現像方法としては、露光された感光性樹脂層を現像可能であれば、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。中でも、現像液による現像方法が好ましく挙げられる。
現像液としては、特に制限はないが、アルカリ現像液が好ましく挙げられる。
アルカリ現像液としては、pKa=7〜13の化合物を0.05mol/L(リットル)〜5mol/Lの濃度のアルカリ水溶液系現像液が好ましい。アルカリ水溶液系現像液は、更に、水溶性の有機溶媒及び界面活性剤等を含んでいてもよい。
アルカリ水溶液系現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液が好ましい。
現像方式としては特に制限はなく、パドル現像、シャワー現像、スピン現像、及びディップ現像等のいずれでもよい。ここで、シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層にアルカリ現像液をシャワーにより吹き付けることにより、露光部分を除去できる。また、現像の後に、洗浄剤等をシャワーにより吹き付け、ブラシ等で擦りながら、現像残渣を除去することも好ましい。アルカリ現像液の液温度としては、20℃〜40℃が好ましい。
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、現像後の感光性樹脂層を加熱処理するポストベーク工程を更に有していてもよい。
ポストベークは8.1kPa〜121.6kPaの環境下で実施することが好ましく、50.66kPa以上の環境下で実施することがより好ましい。一方、111.46kPa以下の環境下で実施することがより好ましく、101.3kPa以下の環境下で実施することが更に好ましい。
ポストベークの温度は、80℃〜250℃が好ましく、110℃〜170℃がより好ましく、130℃〜150℃が更に好ましい。
ポストベークの時間は、1分〜30分が好ましく、2分〜10分がより好ましく、2分〜4分が更に好ましい。
ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよい。
<導電性パターン形成工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、上記第一のフィルム上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程(「導電性パターン形成工程」ともいう。)を含む。
導電性パターンの材質は、少なくとも一部に金属を含んでいれば、特に制限はなく、高知の導電性材料を用いることができる。
上記金属としては、特に制限はないが、銅、銀、金、又は、これらの金属を含む合金が好ましく、銅、銀、又は、これらの金属を含む合金がより好ましい。
また、上記導電性パターンは、銅、銀、又は、金を少なくとも含むことが好ましく、銅、又は、銀を少なくとも含むことがより好ましい。
上記導電性パターン形成工程における導電性パターンの高さは、導電性パターンの形状安定性の観点から、上記樹脂パターンの高さよりも低いことが好ましく、上記樹脂パターンの高さの50%以下であることがより好ましく、上記樹脂パターンの高さの0.1%以上35%以下であることが更に好ましく、上記樹脂パターンの高さの0.5%以上20%以下であることが特に好ましい。
上記導電性パターン形成工程における導電性パターンの形成には、乾式めっき法を用いることができ、特にスパッタリング法による金属薄膜形成を好適に用いることができる。
乾式めっき法による成膜方法としては、物理的成膜法として真空蒸着法、スパッタリング法等があり、化学的成膜法として化学的気相成長法(CVD)等が用いられている。
真空蒸着法は、抵抗加熱や電子銃照射により成膜材料を加熱蒸発させ、基材上に薄膜を形成する方法である。真空蒸着の際に、薄膜の密着性、緻密化を目的として、蒸発源と基材の間にプラズマを形成させるプラズマアシスト蒸着法も知られている。なお、プラズマの形成は、真空成膜装置内に設置した放電用の電極に直流又は交流の電圧を印加したり、導波管を用いてマイクロ波を任意の場所に照射したりすることによって形成することができる。
スパッタリング法としては、成膜材料をプレート状に成形したターゲットを用い、このターゲットを放電用電極として上記プラズマ発生方法を用いて基材とターゲットの間にプラズマを発生させ、電位勾配を用いてターゲット表面にイオンを照射衝突させることによって、ターゲット物質を叩き出して基材上にターゲット物質の薄膜を形成する方法が例示できる。
本開示では、公知のスパッタリング装置を用い、公知のスパッタリングターゲットを用いることができる。例えば、マグネトロンスパッタリングカソードや、対向スパッタリングカソードが挙げられる。
スパッタで成膜する金属の薄膜と、基材との密着性を向上させるために、金属薄膜のスパッタ前に、Ar分子で基材表面を若干荒らしてもよい。また、脱水及び脱ガス目的で事前処理として加熱処理をしてもよい。また、金属薄膜としてCuをスパッタする場合には、Cuと基材との間に、CrやTiをスパッタし密着性を高めることもできる。
また、上記導電性パターン形成工程における導電性パターンの形成には、導電性組成物の印刷又は塗布による形成が挙げられる。
印刷及び塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、インクジェット法、ロール塗布法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法等が挙げられる。
本開示に用いられる導電性組成物としては、以下の組成物が好適に挙げられる。中でも、銀含有インク、又は、銅含有インクが特に好ましい。
また、上記導電性パターン形成工程においては、上記積層体における感光性樹脂層側の全面に導電性組成物を塗布する方法であってもよい。
−導電性組成物−
導電性組成物は、導電性材料を含む。
導電性材料とは、それ自体が導電性を示す材料、及び、焼結処理をした後に導電層を形成し得る材料をいずれも含む意図である。
導電性材料は、それ自体が導電性を示して、23℃におけるシート抵抗率が10Ω/□未満の導電層を形成できる導電性材料であるか、又は、焼結処理をした後に23℃におけるシート抵抗率が10Ω/□未満の導電層を形成できる導電性材料が好ましい。
導電性組成物としては特に制限されないが、例えば、導電性材料を溶媒中に溶解/又は分散させた組成物、及び導電性材料とバインダーポリマーを含む組成物が好ましく、導電性材料を溶媒に分散させた組成物(以下「組成物C1」ともいう。)、又は、導電性材料とバインダーポリマーを含む組成物(以下「組成物C2」ともいう。)がより好ましく、導電性材料を溶媒に分散させた組成物(組成物C1)が更に好ましい。
なお、導電性組成物としては、公知の導電性ペースト及び導電性インク、並びに、後述するメッキ形成性インク等も使用できる。
中でも、導電性組成物としては、銀含有インク、又は、銅含有インクであることが好ましい。なお、本開示において、金属含有インクとは、金属粒子を含むインクを表し、例えば、銀含有インクは、銀粒子を含むインクである。
導電性材料としては特に制限されず、例えば、以下に示すものが挙げられ、中でも(a)が好ましい。
(a)粒子、クラスター、結晶、チューブ、ファイバー、ワイヤー、ロッド、及びフィルム等の形状の金属単体又は合金
(b)金属酸化物粒子
(c)導電性ポリマー粒子等の導電性有機材料、及び超電導体粒子
(d)有機金属化合物
(e)上述の(a)〜(e)以外のその他の導電性材料
(a)粒子、クラスター、結晶、チューブ、ファイバー、ワイヤー、ロッド、及びフィルム等の形状の金属単体又は合金
粒子、クラスター、結晶、チューブ、ファイバー、ワイヤー、ロッド、及びフィルム等の形状の金属単体又は合金としては、分散性がより優れる点で、粒子状の金属単体又は合金(以下「導電性粒子」ともいう。)であることがより好ましい。また、配線基板等の精密機器へ適用性の観点から、これらの金属単体及び合金は、ナノサイズであることがより好ましい。上記金属単体及び合金としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、金、白金、及びパラジウムからなる群から選ばれる金属単体、又はこれらの2種以上の金属からなる合金が好ましく、抵抗値、コスト、及び焼結温度等の点から、金、銀、銅、又はこれらの合金がより好ましく、焼結温度及び酸化抑制の点から、銀が好ましい。
上述した、粒子、クラスター、結晶、チューブ、ファイバー、ワイヤー、ロッド、及びフィルム等の形状の金属単体又は合金としては、中でも、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、又は、銅ナノ粒子が好ましく、銀ナノ粒子がより好ましい。
なお、本開示において、「ナノ粒子」とは、平均粒子径が0.1nm以上1.0μm未満の粒子をいい、平均粒子径が1nm以上100nm以下の粒子であることが好ましい。
(b)金属酸化物粒子
「金属酸化物」とは、酸化されていない金属を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析おいて、酸化された金属由来のピークが検出され、且つ金属由来のピークが検出されない化合物を指す。酸化されていない金属を実質的に含まないとは特に制限されないが、酸化されていない金属の含有量が金属酸化物粒子に対して1質量%以下であることをいう。
金属酸化物粒子における金属酸化物としては、銅、銀、ニッケル、金、白金、パラジウム、インジウム、又はスズ等の酸化物が挙げられる。金属酸化物種は、1種であっても2種以上の混合であってもよい。
金属酸化物としては、銅、銀、ニッケル、又はスズの酸化物が好ましく、銅又は銀の酸化物がより好ましく、銅の酸化物が更に好ましい。上記銅の酸化物としては、酸化銅(I)又は酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であることから、酸化銅(II)がより好ましい。
金属酸化物粒子の平均粒子径の上限値としては、1μm未満であることが好ましく、200nm未満であることがより好ましい。また、その下限値としては、1nm以上であることが好ましい。なお、金属酸化物粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察して、無作為に選択した100個の金属酸化物粒子の一次粒子の粒子径の数平均値をいう。
(c)導電性ポリマー等の導電性有機材料及び超電導体
導電性ポリマー等の導電性有機材料及び超電導体としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、及びポリフェニレンビニレン等が挙げられる。
また、導電性有機材料としては、PPS(ポリスチレンスルホン酸)でドープされたPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)(PEDOT/PSS)等も挙げられる。
(d)有機金属化合物
ここでいう「有機金属化合物」とは、加熱による分解によって金属が析出する化合物を指す。
上記有機金属化合物としては、クロロトリエチルホスフィン金、クロロトリメチルホスフィン金、クロロトリフェニルフォスフィン金、銀2,4−ペンタンヂオナト錯体、トリメチルホスフィン(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)銀錯体、及び銅ヘキサフルオロペンタンジオナトシクロオクタジエン錯体等が挙げられる。
(e)その他
上述の(a)〜(e)以外のその他の導電性材料としては、例えば、レジスト材料及び線状絶縁材料としてのアクリル樹脂、加熱してシリコンになるシラン化合物が挙げられる。これらは溶媒中に粒子として分散されていても、溶解して存在してもよい。
加熱してシリコンになるシラン化合物としては、例えば、トリシラン、ペンタシラン、シクロトリシラン、及び、1,1’−ビスシクロブタシラン等が挙げられる。
また、導電性組成物は、形成される導電性基板の不良率がより低減する点で、溶媒を含み、且つ、その主成分が水であることが好ましい。
ここで「主成分」とは、導電性組成物中に含まれる溶媒の内、配合量(質量比率)が最も多い成分をいう。
導電性組成物が水を含む場合、水の含有量は、導電性組成物が含む溶媒の全質量に対して50質量%超であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。なお、水の含有量の上限値としては、組成物C1が含む溶媒の全質量に対して、例えば、100質量%以下である。
以下において、組成物C1及び組成物C2について説明する。
(組成物C1)
組成物C1は、導電性材料、溶媒、及び分散剤を含むことが好ましい。また、組成物C1は、エチレン不飽和基を有する重合性化合物及び重合開始剤等の他の成分を更に含んでいてもよい。
なお、組成物C1が含む導電性材料としては、既述の導電性材料が挙げられる。
組成物C1は、25℃における粘度が1mPa・s〜20mPa・sであることが好ましい。
組成物C1としては、導電性材料を分散媒で分散したコロイド液であることが好ましい。
組成物C1が含む導電性材料としては、導電性粒子が好ましく、銀ナノ粒子がより好ましい。
導電性粒子の平均粒子径としては、安定性及び融着温度の点から、0.1nm〜50nmが好ましく、1nm〜20nmがより好ましい。
なお、導電性粒子の平均粒子径は、無作為に選択した100個の導電性粒子の一次粒子の粒子径の数平均値をいう。
組成物C1中、導電性材料の含有量としては、分散安定性、及び、金属膜形成性がより優れる点で、組成物の全質量に対して、10質量%〜95質量%であることが好ましく、30質量%〜80質量%であることがより好ましい。
組成物C1としては、形成される導電層が酸化しにくく、且つ体積抵抗値が低下しにくい点で、銀ナノ粒子がコロイド状態を形成した銀コロイド粒子を含むことが好ましい。
銀コロイド粒子の形態としては特に制限されず、例えば、銀ナノ粒子の表面に分散剤が付着している形態、銀ナノ粒子をコアとして、その表面が分散剤で被覆されている形態、並びに、銀粒子及び分散剤が均一に混合されて構成されている形態等が挙げられる。中でも、銀ナノ粒子をコアとして、その表面が分散剤で被覆されている形態、又は、銀粒子及び分散剤が均一に混合されて構成されている形態が好ましい。上述した各形態を有する銀コロイド粒子は、公知の手法により適宜調製可能である。
銀コロイド粒子の平均粒径としては、組成物中での分散性の経時安定性がより優れる点、及び、形成される導電層の抵抗値がより低減する点で、1nm〜400nmが好ましく、1nm〜70nmがより好ましい。なお、銀コロイド粒子の平均粒径は、動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)を用いて、粒径基準を体積基準としたメジアン径(D50)として測定できる。
また、組成物C1が銀ナノ粒子を含む場合、組成物C1は、銀ナノ粒子のほかに、銀ナノ粒子よりも平均粒径が大きい(例えば、平均粒径が1μm以下)サブミクロンサイズの銀サブミクロン粒子を含んでいてもよい。ナノサイズの銀ナノ粒子とサブミクロンサイズの銀サブミクロン粒子とを併用することで、銀ナノ粒子が銀サブミクロン粒子の周囲で融点降下するため、良好な導電パスが得られやすい。
また、組成物C1が銀ナノ粒子を含む場合、導電層のマイグレーションを抑制できる点で、組成物C1は、銀ナノ粒子のほかに、銀以外の金属の粒子(以下「その他の金属粒子」)を含むことが好ましく、銀ナノ粒子とその他の金属粒子との混合コロイド液であることがより好ましい。
銀以外の金属としては、イオン化列が水素より貴である金属が好ましい。
イオン化列が水素より貴である金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、又は、レニウムが好ましく、金、銅、白金、又は、パラジウムがより好ましい。
銀以外の金属は、1種のみ単独で使用されてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
組成物C1が混合コロイド液である場合、銀及びその他の金属は、合金コロイド粒子を構成してもよく、コア−シェル構造及び多層構造等の構造を有するコロイド粒子を構成してもよい。なお、銀以外の金属の粒子は、ナノサイズの粒子であってもよいし、サブミクロンサイズの粒子であってもよい。
組成物C1が含む溶媒としては、水及び有機溶媒が挙げられ、水が好ましい。
上記有機溶媒としては特に制限されないが、例えば、トルエン、ドデカン、テトラデカン、シクロドデセン、n−ヘプタン、n−ウンデカン等の炭化水素類:エタノール、イソプロピルアルコール、及びブタノール等の飽和脂肪族一価アルコール類:プロパンジオール、ブタンジオール、及びペンタンジオール等のアルカンジオール類:エチレングリコール等のアルキレングリコール類、:ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類:グリセリン等が挙げられる。
組成物C1としては、形成される導電性基板の不良率がより低減する点で、溶媒を含み、且つ、その主成分が水であることが好ましい。
ここで「主成分」とは、組成物C1中に含まれる溶媒の内、配合量(質量比率)が最も多い成分をいう。
組成物C1が水を含む場合、水の含有量は、組成物C1が含む溶媒の全質量に対して50質量%超であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。なお、水の含有量の上限値としては、組成物C1が含む溶媒の全質量に対して、例えば、100質量%以下である。
また、組成物C1において、溶媒の含有量は、導電性材料の分散安定性がより優れる点で、組成物の全質量に対して、2質量%〜98質量%であることが好ましく、25質量%〜80質量%であることがより好ましく、50質量%〜80質量%であることが更に好ましく、55質量%〜80質量%であることが特に好ましい。
組成物C1が水を含む場合、水以外の分散媒として、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルよりなる群から選択される1種以上の溶媒を併用するのも好ましい。また、これに加えて、ブタノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、及びグリセリンよりなる群から選択される1種以上の溶媒をさらに併用するのも好ましい。
組成物C1は、上述のとおり分散剤を含んでいてもよい。
分散剤としては、組成物中の導電性粒子(特に、銀コロイド粒子)の分散安定性がより優れる点で、カルボキシ基及びヒドロキシ基を有し、且つ、分子中に含まれるカルボキシ基の個数≧分子中に含まれるヒドロキシ基の個数である、ヒドロキシ酸又はその塩が好ましい。
上記ヒドロキシ酸又はその塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びグリコール酸等の有機酸;クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素カリウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、及びグリコール酸ナトリウム等のイオン性化合物;並びに、これらの水和物等が挙げられる。中でも、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、又は、これらの水和物が好ましい。
分散剤は、1種のみ単独で使用されてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
組成物C1中、上記ヒドロキシ酸又はその塩の含有量としては、組成物の全質量に対して、導電性粒子の貯蔵安定性がより優れる点、及び、形成される導電層の抵抗値がより低減する点で、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
組成物C1は、エチレン不飽和基を有する重合性化合物(以下「エチレン不飽和重合性化合物」ともいう。)を含んでいてもよい。
エチレン不飽和重合性化合物としては、硬化性及び強度がより優れる点で、分子内にエチレン不飽和基を2個以上含む化合物(多官能エチレン性不飽和化合物)であることが好ましく、分子内にエチレン不飽和基を3個以上含む化合物であることがより好ましい。
エチレン不飽和重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、ビニルベンゼン化合物、又はビスマレイミド化合物等が好ましく、多価(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。
多価(メタ)アクリレート化合物としては、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化合物が挙げられる。また、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及び、エポキシ(メタ)アクリレートと称される、分子内に数個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する分子量が数百から数千のオリゴマー等であってもよい。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、分子内に3〜6個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及び、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート類、並びに、ポリイソシアネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
組成物C1中、エチレン不飽和重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対して、5質量%〜80質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましい。
組成物C1は、重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれであってもよい。
熱重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤が挙げられる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、及びアゾビスイソブチロニトリル等のような過酸化物開始剤、並びにアゾ系開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤としては、光ラジカル発生剤が挙げられる。具体的には、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(k)ピリジウム類化合物等が挙げられる。
組成物C1中、重合開始剤の含有量としては、組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜50質量%が好ましく、1.0質量%〜30.0質量%がより好ましい。
組成物C1は、流動性の抑制ため、更に、高粘度物質を含んでいてもよい。
組成物C1は、還元剤を更に含んでいてもよい。
還元剤としては、例えば、タンニン酸、又はヒドロキシ酸が好ましい。なお、タンニン酸には、例えば、ガロタンニン酸、及び五倍子タンニン等も含まれる。
還元剤は、1種のみの単独で使用されてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
還元剤の含有量としては、導電性粒子1gに対して、0.01g〜6gが好ましく、0.02g〜1.5gがより好ましい。
(組成物C2)
組成物C2は、導電性材料及びバインダーポリマーを含むことが好ましい。
なお、組成物C2が含む導電性材料としては、既述の導電性材料が挙げられる。
組成物C2が含む導電性材料としては、導電性粒子が好ましく、銀ナノ粒子がより好ましい。なお、組成物C2に含まれ得る上述の導電性粒子及び銀ナノ粒子は、組成物C1が含み得る導電性粒子及び銀ナノ粒子と同様のものが挙げられる。
組成物C2が含むバインダーポリマーは特に制限はなく、公知のバインダーポリマーを使用できる。
上記バインダーポリマーとしては、例えば、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、及びポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂であってもよい。
組成物C2における導電性材料とバインダーポリマーとの配合比(質量比)は特に制限されず、例えば、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましい。
組成物C2は、更に粘度調整を目的として、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、組成物C2の成分を溶解できるものであれば特に制限されないが、形成される導電性基板の不良率がより低減する点で、主成分が水であることが好ましい。
ここで「主成分」とは、組成物C2中に含まれる溶媒の内、配合量(質量比率)が最も多い成分をいう。
組成物C2が水を含む場合、水の含有量は、組成物C2が含む溶媒の全質量に対して50質量%超であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。なお、水の含有量の上限値としては、組成物C1が含む溶媒の全質量に対して、例えば、100質量%以下である。
導電性組成物として、めっき形成性インクを使用してもよい。
めっき形成性インクとは、被めっき層形成用組成物とめっき液とからなるインクであり、被めっき層形成用組成物から形成された被めっき層上に無電解めっきにより金属層(導電層)を形成できるインクを意図する。
被めっき層形成用組成物は、被めっき層形成用組成物から形成される被めっき層上に無電解めっきを可能とするため、無電解めっき触媒又はその前駆体を含むか、又は、無電解めっき触媒又はその前駆体と相互作用(例えば、イオン結合、配位結合、水素結合、共有結合等)する官能基(以下「相互作用性基」ともいう。)を含む化合物を含む。
被めっき層形成用組成物は、相互作用性基を有する化合物、及び溶媒を含むことが好ましい。被めっき層形成用組成物は、更に、重合開始剤及び重合性化合物を含んでいることが好ましい。
めっき形成性インク及びその使用形態としては、例えば、国際公開第2016/159136号等の公知文献の記載を参照できる。
また、本開示に係る導電性パターンの形成方法において、上記導電性組成物を用いた場合、導電性組成物により形成された層(「導電性組成物層」ともいう。)を焼結する工程を含むことが好ましい。
導電性組成物層の焼結方法としては、導電性パターンの抵抗値がより低減する点、及び、製造効率がより優れる点で、熱焼結又は光焼結が好ましい。
導電性組成物層を熱焼結する場合、加熱温度としては、基材耐熱性がより優れる点、及び形成される導電性パターンの抵抗値がより低減する点で、例えば、90℃以上であり、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上が更に好ましい。また、その上限値としては、例えば、200℃以下であり、180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましい。
加熱方法としては特に制限されないが、従来公知のギヤオーブン等を使用する方法が挙げられる。
また、加熱時間としては、製造効率がより優れる点、及び形成される導電性パターンの抵抗値がより低減する点で、0.5分〜120分であることが好ましく、1分〜80分であることがより好ましく、1分〜60分であることが更に好ましく、10分〜60分であることが特に好ましく、10分〜30分であることが最も好ましい。
導電性組成物層を光焼結する場合、照射する光線の種類としては、焼結可能であれば特に制限されないが、紫外線を含む光であることが好ましい。照射エネルギーとしては、10mJ/cm〜10,000mJ/cmであることが好ましく、20mJ/cm〜6,000mJ/cmであることがより好ましく、30mJ/cm〜5,000mJ/cmであることが更に好ましい。また照射時間としては、照射エネルギーにも依存するが特に制限はなく、通常の露光であっても、フラッシュ露光であってもよい。フラッシュ露光を行う場合、照射時間は、0.1ms(ミリ秒)〜10msであることが好ましく、0.2ms〜5msであることがより好ましく、0.5ms〜4msであることが更に好ましい。
導電性組成物層の焼結処理は、導電層の抵抗値がより低減する点から、剥離液中に含まれる有機アミン類の沸点よりも高い温度で実施することが好ましい。
中でも、上記導電性パターン形成工程においては、上記導電性パターンを、スパッタリング法、蒸着法、又は、導電性組成物の印刷若しくは塗布により形成することが好ましく、導電性パターンの密着性、及び、組成の均一性の観点から、スパッタリング法又は蒸着法により形成することがより好ましい。
また、上記導電性パターン形成工程においては、簡便性、及び、形成位置の選択性の観点から、上記導電性パターンを、銀含有インク若しくは銅含有インクの印刷又は塗布により形成することがより好ましい。
また、本開示に係る導電性パターンの形成方法は、上記導電性パターンの形成を、1回の工程で行っても、2回以上の工程で行ってもよい。
2回以上の工程により上記導電性パターンの形成を行う場合、2回以降の工程は、スパッタリング法、蒸着法、導電性組成物の印刷若しくは塗布、又は、めっき法により導電性パターンを形成することが好ましい。
また、上記積層体として、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を用いる場合、上記導電性パターン形成工程は、上記第一のフィルムの一方の面上又は両面上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程であることが好ましく、上記第一のフィルムの両面上における上記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程であることがより好ましい。
<除去工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、上記樹脂パターンを除去する工程を含む。
上記樹脂パターンを除去する方法としては、特に制限はなく、公知の方法により除去することができる。
例えば、上記樹脂パターンがポジ型感光性樹脂層である場合は、上記樹脂パターンを露光し、現像して除去する方法が好適に挙げられる。露光方法及び現像方法としては、上述した露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
また、上記樹脂パターンを剥離液により除去してもよい。
剥離液としては、公知の剥離液を用いることができるが、下記に示す剥離液が好適に挙げられる。
また、上記積層体として、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を用いる場合、上記除去工程は、上記第一のフィルムの一方の面上又は両面上における上記樹脂パターンを除去する工程であることが好ましく、上記第一のフィルムの両面上における上記樹脂パターンを除去工程であることがより好ましい。
−剥離液−
上記剥離液は、水を主成分として含むことが好ましい。
ここで「主成分」とは、剥離液中に含まれる成分の内、配合量(質量比率)が最も多い成分をいう。
剥離液中、水の含有量としては、剥離液の全質量に対して50質量%超であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。なお、水の含有量の上限値としては、組成物C1が含む溶媒の全質量に対して、例えば、100質量%以下であり、95質量%以下であることが好ましい。
剥離液は、剥離を促進する目的で、更に、有機アミン類を含むことが好ましい。
有機アミン類としては特に制限されないが、例えば、第一級〜第三級のアルキルアミン又はアルカノールアミンが好ましく、例えば、ジエチルアミン(沸点:55.5℃)、トリエチルアミン(沸点:89℃)、モノエタノールアミン(沸点:170℃)、ジエタノールアミン(沸点:280℃)、及びN−メチル−エタノールアミン(沸点:155℃)等が挙げられる。
有機アミン類の沸点としては、例えば、300℃以下であり、導電性組成物の焼結の際に、導電性材料の焼結を阻害せずに揮発しやすくするため、250℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。なお、有機アミン類の沸点の下限値としては、特に制限されないが、例えば、30℃以上が好ましい。
有機アミン類としては、沸点が180℃以下の第一級〜第三級のアルキルアミン又はアルカノールアミンが好ましく、ジエチルアミン(沸点:55.5℃)、トリエチルアミン(沸点:89℃)、又はモノエタノールアミン(沸点:170℃)がより好ましい。
剥離液中の有機アミンの含有量の上限値としては、剥離液の全質量に対して、50質量%未満が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。剥離液中の有機アミンの含有量の下限値としては、剥離液の全質量に対して、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。
剥離液は、更に、水溶性の有機溶媒及び界面活性剤等を含んでいてもよい。
剥離方法としては特に制限はなく、剥離液を使用する以外上述した現像方法と同様の方法を適用できる。なお、剥離液の液温度としては、形成される導電性基板の不良率がより低減される点で、50℃未満が好ましく、45℃以下がより好ましく、40℃以下が更に好ましい。なお、下限値としては、5℃以上が好ましい。
また、本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られる導電性パターンは、テーパー形状を有することが好ましく、第一のフィルムと接する側の導電性パターンよりも、第一のフィルムと接するとは反対側の導電性パターンが大きくなるテーパー形状を有することがより好ましい。
得られる導電性パターンの厚さとしては、特に制限はなく、所望に応じて適宜選択することができるが、得られる金属パターンの強度及び耐久性の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、15nm以上が特に好ましい。また、上限は、1μm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
<その他の工程>
本開示に係る導電性パターンの形成方法は、上述した以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。その他の工程としては、特に制限はなく、公知の工程が挙げられる。
また、本開示における樹脂パターン形成工程及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜段落0051に記載の方法を本開示においても好適に用いることができる。
また、本開示に係る導電性パターンの形成方法は、得られた導電性パターンを研磨する工程、及び、得られた導電性パターンを洗浄する工程等を含んでいてもよい。
<用途>
本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られた導電性パターンは、種々の用途に適用できる。
上記導電性パターンを有する基板の用途としては、例えば、タッチパネル(タッチセンサー)、アンテナ、電磁波シールド材料、半導体チップ、各種電気配線板、FPC(Flexible printed circuits)、COF(Chip on Film)、TAB(Tape Automated Bonding)、多層配線基板、及び、マザーボードが挙げられ、タッチセンサー、アンテナ、又は電磁波シールド材料、加熱素子に使用されることが好ましい。
上記導電性パターンを有する基板をタッチセンサーに適用する場合、導電性パターンが、タッチセンサー中の検出電極又は引き出し配線として機能する態様が好適に挙げられる。
タッチパネルは、上記のタッチセンサーを有するものであれば特に制限されず、例えば、上記のタッチセンサーと、各種表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro-luminescence)表示装置)とを組み合わせた装置が挙げられる。
タッチセンサー及びタッチパネルにおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式等の公知の方式が挙げられる。中でも、静電容量式のタッチセンサー及びタッチパネルが好ましい。
タッチパネル型としては、いわゆるインセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7及び図8に記載のもの)、いわゆるオンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、並びに、特開2012−089102号公報の図1及び図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch−on−Lens)型(例えば、特開2013−054727号公報の図2に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1及びG1F等)並びにその他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)が挙げられる。
タッチパネルとしては、例えば、特開2017−120345号公報の段落0229に記載のものが挙げられる。
また、タッチパネルの製造方法は、特に制限されず、上記導電性基板を有するタッチセンサーを用いること以外は、公知のタッチパネルの製造方法を参照すればよい。
また、本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られた導電性パターンは、メタルメッシュパターンを有するセンサーに好適に適用でき、メタルメッシュセンサーと称される。また、メタルメッシュパターンを有するタッチセンサーにより好適に適用できる。
本開示に係るメタルメッシュセンサーは、本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られた導電性パターンを備えたものであればよい。
本開示に係るメタルメッシュセンサーの製造方法は、本開示に係る導電性パターンの形成方法を含むことが好ましい。
本開示に係るメタルメッシュセンサーの材質、形状、及び、基材等は、特に制限はなく、所望に応じ適宜選択すればよい。
<積層体>
本開示に用いられる積層体(「感光性転写材料」ともいう。)は、第一のフィルム、感光性樹脂層、第二のフィルムを有する。
また、上記積層体は、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体であることが好ましい。
以下、本開示に用いられる積層体について、詳細に説明する。
−第一のフィルム、及び、第二のフィルム−
本開示に用いられる第一のフィルム、及び、第二のフィルムは、同じものであっても、異なるものであってもよい。
上記第一のフィルムは、上記除去工程においても導電性パターンと接しているフィルムであり、上記第二のフィルムは、上記現像工程の前又は上記現像工程中に除去されるフィルムである。
第一のフィルム、及び、第二のフィルムとしては、特に制限されないが、樹脂フィルム又は紙が好ましく、樹脂フィルムより好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、及び、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂が挙げられる。
中でも、第一のフィルムは、導電性パターン不良抑制性、及び、解像性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、及び、シクロオレフィンポリマーを含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを含むことが特に好ましい。
また、第二のフィルムは、導電性パターン不良抑制性、及び、解像性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー、ポリプロピレン、及び、ポリエチレンを含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、及び、シクロオレフィンポリマーを含むことがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートを含むことが特に好ましい。
また、導電性パターン不良抑制性、及び、得られる導電性パターンの動作安定性の観点から、上記第一のフィルム及び上記第二のフィルムがいずれも、絶縁性フィルムであることが好ましい。
本開示における絶縁性フィルムとは、フィルムの表面に、導電性の被膜を有さないものをいい、表面比抵抗値は、10Ω/□以上を示すフィルムである。
絶縁性フィルムとしては、一般的なプラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等が挙げられる。
第一のフィルムの表面は、導電パターンとの密着性を向上させる目的で、親水化処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、第二のフィルムの表面は、剥離性を向上させる目的で、マット処理等の表面処理が施されていてもよい。
第一のフィルム、及び、第二のフィルムとしてはそれぞれ独立に、第一のフィルム又は第二のフィルムを介して感光性樹脂層を露光し易くする点で、400nm〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上であることが好ましく、400nm〜450nmでの光の透過率が10%超であることがより好ましい。透過率の測定は、(株)島津製作所製、分光光度計UV−2100を用い、測定することができる。
また、第一のフィルム又は第二のフィルムを介して感光性樹脂層を露光し易くする点で、上記第一のフィルム及び上記第二のフィルムの少なくとも一方が、全光線透過率が85%以上の透明フィルムであることが好ましく、上記第一のフィルム及び上記第二のフィルムの両方がいずれも、全光線透過率が85%以上の透明フィルムであることがより好ましい。
なお、全光透過率等の透過率は、JIS K7375(2008)に規定される方法に準拠して、(株)日本電色工業製、ヘーズメーターNDH4000を用いて、測定することができる。
第一のフィルムの厚さは、解像性の観点から、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、5μm〜50μmであることが更に好ましく、10μm〜35μmであることが特に好ましい。
また、第二のフィルムの厚さは、解像性の観点から、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、5μm〜50μmであることが更に好ましく、10μm〜35μmであることが特に好ましい。
第一のフィルムのヘーズは、露光感度及び解像性の観点から、2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましく、0.75%以下であることが特に好ましい。
第二のフィルムのヘーズは、露光感度及び解像性の観点から、2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましく、0.75%以下であることが特に好ましい。
第一のフィルム、又は、第二のフィルムのヘーズの下限は、露光感度、及び解像性の観点から、0%に近いことが好ましい。仮支持体のヘーズの下限は、仮支持体の作製時の巻取り性の観点から、0.01以上であることが好ましい。
「ヘーズ」とは、曇り度を意味する。各フィルムのヘーズは、JIS K 7105:1981に規定される方法に準拠して、曇り度計(濁度計)を用いて測定された値をいう。また、本開示において、上記曇り度計(濁度計)としては、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製)を用いるものとする。
また、第一のフィルム、及び、第二のフィルムはそれぞれ独立に、積層体の搬送時のシワ発生抑制性、露光後の経時安定性、及び、得られる樹脂パターン及び導電性パターンの直線性の観点から、粒子を含むことが好ましい。
中でも、第一のフィルム及び第二のフィルムの少なくとも一方が、粒子を含むことが好ましい。
上記粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化チタン(チタニア)粒子、酸化ジルコニウム(ジルコニア)粒子、酸化マグネシウム(マグネシア)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子等が挙げられる。
有機粒子としては、例えば、アクリル樹脂粒子、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリオレフィン粒子、ポリスチレン粒子等の有機樹脂粒子などが挙げられる。
上記の中でも、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、無機粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。
上記粒子の含有量は、上記表面粗さRaの範囲を満たすことができれば特に制限はないが、表面粗さの制御容易性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の観点から、フィルムの全質量に対し、0.001質量%〜20質量%であることが好ましく、0.01質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
また、上記粒子は、上記フィルムの内部に存在しても、一部が上記フィルムの表面に露出していてもよい。
更に、第一のフィルム、及び、第二のフィルムは、上記粒子を含む粒子含有層を有していてもよい。
上記粒子の算術平均粒径としては、表面粗さの制御容易性、搬送時のシワ発生抑制性、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、20nm〜300nmであることが好ましく、30nm〜200nmであることがより好ましく、40nm〜120nmであることが更に好ましく、40nm〜80nmであることが特に好ましい。
本開示における粒子の算術平均粒径は、(株)日立ハイテクノロジーズ製HT−7700型透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、加速電圧100kVで仮支持体を観察し、任意に抽出した粒子400個の直径の平均値(算術平均粒径)を求める。なお、明らかに大きな凝集物(異物、ゴミ等)はカウントしない(除く、粒子として抽出しない)ものとする。
第一のフィルム、及び、第二のフィルムは、紫外線吸収剤を含んでいてもよいが、パターン形成性、特に両面露光時のパターン形成性の観点から、第一のフィルムが紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤として、例えば、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物などが挙げられる。これらの詳細については、特開2012−208374号公報の段落0052〜0072、特開2013−068814号公報の段落0317〜0334、特開2016−162946号公報の段落0061〜0080に記載された化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、紫外線吸収剤は、特許第6268967号公報の段落0049〜0059に記載された化合物を用いることもできる。
また、特開2003−112391号公報、特開2008−081445号公報、特開2009−096973号公報、特開2009−096974号公報、特開2008−273927号公報、特開2009−096794号公報、特開2009−185217号公報、特開2009−096972号公報、特開2009−096971号公報、特開2009−067983号公報、特開2009−067984号公報、特開2010−132846号公報、特開2009−242639号公報、特開2009−263616号公報、特開2009−242642号公報、特開2009−242641号公報、特開2009−209344号公報、特開2009−209126号公報、特開2009−209343号公報、特開2010−092842号公報、特開2010−189349号公報、特開2010−254776号公報、特開2011−088884号公報、特開2011−006517号公報、特開2011−168575号公報、特開2011−088885号公報、特開2011−068840号公報、特開2011−168764号公報、特開2011−184414号公報、特開2012−036359号公報、特開2011−225811号公報、特開2011−213914号公報、特開2012−072333号公報、特開2013−075841号公報、国際公開第2017/122503号、国際公開第2017/169370号、特開2018−036516号公報、国際公開第2018/123267号、国際公開第2018/180929号、国際公開第2019/065043号、国際公開第2019/058885号、国際公開第2019/142538号、国際公開第2019/146280号公報、国際公開第2019/142539号公報、国際公開第2019/159570号、国際公開第2019/198560号公報、国際公開第2019/203031号、特開2019−191219号公報等に記載された紫外線吸収剤も使用することができる。
紫外線吸収剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、パターン形成性の観点から、フィルムの全質量に対し、0.001質量%〜20質量%であることが好ましく、0.005質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.001質量%〜2質量%であることが特に好ましい。
−第三のフィルム−
上記積層体は、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体であることが好ましい。
上記第三のフィルムは、第二のフィルムと同じフィルムであっても、異なるフィルムであってもよい。
上記第三のフィルムの好ましい態様は、上記第二のフィルムの好ましい態様と同様である。
−感光性樹脂層−
本開示に用いられる積層体は、感光性樹脂層を有する。
上記感光性樹脂層は、ポジ型感光性樹脂層であっても、ネガ型感光性樹脂層であってもよいが、樹脂パターン形成性、及び、樹脂パターンの除去容易性の観点から、ポジ型感光性樹脂層であることが好ましく、化学増幅ポジ型感光性樹脂層であることがより好ましい。
本開示におけるポジ型感光性樹脂層は、樹脂、及び、酸発生剤を含むことが好ましく、感度及び解像度の観点からは、上記樹脂として、酸分解性樹脂、及び、上記酸発生剤として、光酸発生剤を含むことがより好ましい。
また、上記ポジ型感光性樹脂層は、耐熱性及び寸法安定性の観点からは、上記樹脂として、アルカリ可溶性樹脂、及び、上記酸発生剤として、キノンジアジド化合物を含むことがより好ましい。
上記樹脂として、酸分解性樹脂、及び、上記酸発生剤として、光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層は、いわゆる、化学増幅ポジ型感光性樹脂層である。
後述するオニウム塩、オキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤は、活性放射線(活性光線)に感応して生成される酸が、上記重合体中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
一方、活性光線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物を用いた場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
上記感光性樹脂層の形成に好適に用いることができる感光性樹脂組成物について、以下に詳細に記載する。
また、特に断りのない限り、後述する各成分の含有量について、その基準として、「組成物の全固形分に対して」と記載されている場合、「感光性樹脂層の全質量に対して」と読み替え、「組成物の全固形分100質量部に対して」と記載されている場合、「感光性樹脂層の全質量100質量部に対して」と読み替えるものとする。
上記積層体が、第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体である場合、第一の感光性樹脂層及び第二の感光性樹脂層の好ましい態様はそれぞれ独立に、上記感光性樹脂層の好ましい態様と同様である。
上記第一の感光性樹脂層と上記第二の感光性樹脂層は、同じ感光性樹脂層であっても、異なる感光性樹脂層であってもよいが、同一組成の感光性樹脂層であることが好ましく、同一の感光性樹脂層であることがよりこのましい。
なお、同一組成の感光性樹脂層である場合、層に含有される成分の組成比は同一であるが、厚さは異なっていてもよい。
<<感光性樹脂組成物>>
以下において、感光性樹脂組成物について説明する。
本開示に用いることができる感光性樹脂組成物は、特に制限はなく、公知の感光性樹脂組成物を用いることができる。
感光性樹脂組成物は、酸分解性樹脂と、光酸発生剤とを含むことが好ましい。
感光性樹脂組成物は、露光における感度がより優れる点で、化学増幅型感光性樹脂組成物であることが好ましい。
なお、後述するオニウム塩及びオキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤を使用する場合、活性放射線(以下「活性光線」ともいう。)に感応して生成される酸は、上記酸分解性樹脂中の酸分解性基の脱保護反応において触媒として作用する。1個の光量子の作用で生成した酸が多数の脱保護反応に寄与するため、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。一方、活性放射線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物を使用する場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
〔酸分解性樹脂〕
感光性樹脂組成物は、酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基(酸分解性基)を有する重合体(酸分解性樹脂)を含む。
酸分解性樹脂としては、酸分解性基を有する構成単位(以下「構成単位A」ともいう。)を含む重合体(以下「重合体A」ともいう。)であることが好ましい。
以下において、重合体Aについて説明する。
≪重合体A≫
重合体Aは、酸分解性基を有する構成単位(構成単位A)を含む。
上記酸分解性基は、露光により生じる酸の作用によって脱保護されて極性基に変換される。したがって、感光性樹脂組成物により形成された感光性樹脂層は、露光により、アルカリ現像液への溶解性が増大する。
重合体Aは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。
なお、重合体Aは、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位以外の構成単位(例えば、スチレンに由来する構成単位、及びビニル化合物に由来する構成単位等)を含んでいてもよい。
以下において、重合体Aが含み得る構成単位について説明する。
・構成単位A(酸分解性基を有する構成単位)
重合体Aは、酸分解性基を有する構成単位を含む。酸分解性基は、上述のとおり、酸の作用によって極性基に変換され得る。
本明細書中、「極性基」とは、pKaが12以下のプロトン解離性基をいう。
極性基としては、カルボキシ基、及びフェノール性ヒドロキシ基等の公知の酸基が挙げられる。極性基は、中でも、カルボキシ基、又はフェノール性ヒドロキシ基であることが好ましい。
保護基としては特に制限されず、公知の保護基が挙げられる。
保護基としては、例えば、極性基をアセタールの形で保護できる保護基(例えば、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、及びエトキシエチル基等)、及び極性基をエステルの形で保護できる保護基(例えば、tert−ブチル基)等が挙げられる。
酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、後述する式A3で表される構成単位に含まれるエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、及びテトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)、及び、酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキルエステル基、及びtert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)等を使用できる。
中でも、酸分解性基としては、極性基がアセタールの形で保護されてなる基であることが好ましく、カルボキシ基又はフェノール性ヒドロキシ基がアセタールの形で保護されてなる基であることがより好ましい。
構成単位Aとしては、感度及び解像度がより優れる点で、式A1で表される構成単位、式A2で表される構成単位、及び式A3で表される構成単位よりなる群から選択される1種以上の構成単位であることが好ましく、式A1で表される構成単位及び式A3で表される構成単位よりなる群から選択される1種以上の構成単位であることがより好ましく、後述する式A1−2で表される構成単位及び後述する式A3−3で表される構成単位よりなる群から選択される1種以上の構成単位であることが更に好ましい。
式A1で表される構成単位及び式A2で表される構成単位は、フェノール性ヒドロキシ基が酸の作用により脱保護する保護基で保護された酸分解性基を有する構成単位である。式A3で表される構成単位は、カルボキシ基が酸の作用により脱保護する保護基で保護された酸分解性基を有する構成単位である。
Figure 2022000684
式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R11及びR12の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R13は、アルキル基又はアリール基を表す。R14は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。R15は、置換基を表す。nは、0〜4の整数を表す。なお、R11又はR12とR13とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい(R11及びR12の一方がR13と互いに連結して環状エーテルを形成する場合、R11及びR12の他方は、水素原子であってもよい。つまり、R11及びR12の他方は、アルキル基又はアリール基でなくてもよい)。
式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R21及びR22の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。R21又はR22とR23とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい(R21及びR22の一方がR23と互いに連結して環状エーテルを形成する場合、R21及びR22の他方は、水素原子であってもよい。つまり、R21及びR22の他方は、アルキル基又はアリール基でなくてもよい)。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R31及びR32の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R33は、アルキル基又はアリール基を表す。R34は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。なお、R31又はR32とR33とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい(R31及びR32の一方がR33と互いに連結して環状エーテルを形成する場合、R31及びR32の他方は、水素原子であってもよい。つまり、R31及びR32の他方は、アルキル基又はアリール基でなくてもよい)。
−式A1で表される構成単位の好ましい態様−
式A1中、R11及びR12で表されるアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましい。R11及びR12で表されるアリール基としては、フェニル基が好ましい。
11及びR12としては、中でも、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式A1中、R13で表されるアルキル基又はアリール基としては、R11及びR12で表されるアルキル基及びアリール基と同様のものが挙げられる。R13としては、中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
式A1中、R11、R12、及びR13におけるアルキル基及びアリール基は、更に置換基を有していてもよい。
式A1中、R11又はR12とR13とは、互いに連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数としては、5又は6が好ましく、5がより好ましい。
式A1中、Xは、単結合、又は、アルキレン基、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、及び−O−よりなる群から選ばれる1種以上を組み合わせた二価の連結基であることが好ましく、単結合がより好ましい。
なお上記アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、更に置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
が−C(=O)O−を含む場合、−C(=O)O−に含まれる炭素原子と、R14が結合した炭素原子とは、直接結合することが好ましい。
また、Xが−C(=O)NR−を含む場合、−C(=O)NR−に含まれる炭素原子と、R14が結合した炭素原子とは、直接結合することが好ましい。
上記Rは、アルキル基又は水素原子を表し、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
式A1中、式中に明示される−OC(R11)(R12)−OR13で表される基と、Xとは、酸分解性基の立体障害の点で、式中に明示されるベンゼン環上において、互いにパラ位で結合することが好ましい。すなわち、式A1で表される構成単位は、下記式A1−1で表される構成単位であることが好ましい。
なお、式A1−1におけるR11、R12、R13、R14、R15、X、及びnは、それぞれ、式A1におけるR11、R12、R13、R14、R15、X、及びnと同義である。
Figure 2022000684
式A1中、R15は、アルキル基又はハロゲン原子であることが好ましい。アルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式A1中、nは、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式A1中、R14としては、重合体Aのガラス転移温度(Tg)をより低くし得るという点で、水素原子が好ましい。
より具体的には、重合体Aに含まれる構成単位Aの全含有量に対し、式A1におけるR14が水素原子である構成単位の含有量は、20質量%以上であることが好ましい。なお、構成単位A中の、式A1におけるR14が水素原子である構成単位の含有量は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認できる。
式A1で表される構成単位の中でも、パターン形状の変形抑制がより優れる点で、下記式A1−2で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2022000684
式A1−2中、RB4は、水素原子又はメチル基を表す。RB5〜RB11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。RB12は、置換基を表す。nは、0〜4の整数を表す。
式A1−2中、RB4は、水素原子であることが好ましい。
式A1−2中、RB5〜RB11は、水素原子であることが好ましい。
式A1−2、RB12は、アルキル基又はハロゲン原子であることが好ましい。アルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式A1−2中、nとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式A1−2中、RB5〜RB11を含む基と、RB4が結合した炭素原子とは、酸分解性基の立体障害の点で、式中に明示されるベンゼン環上において、互いにパラ位で結合することが好ましい。
式A1で表される構成単位の好ましい具体例として、下記の構成単位が例示できる。なお、下記の構成単位におけるRB4は、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2022000684
−式A2で表される構成単位の好ましい態様−
式A2中、R21及びR22で表されるアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましい。R21及びR22で表されるアリール基としては、フェニル基が好ましい。
21及びR22としては、中でも、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、R21及びR22の少なくとも一方が水素原子であることがより好ましい。
式A2中、R23で表されるアルキル基又はアリール基としては、R21及びR22で表されるアルキル基及びアリール基と同様のものが挙げられる。R23としては、中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
式A2中、R21、R22、及びR23におけるアルキル基及びアリール基は、更に置換基を有していてもよい。
式A2中、R24としては、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。R24は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜1
0のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
式A2中、mとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
式A2で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。
Figure 2022000684
−式A3で表される構成単位の好ましい態様−
式A3中、R31及びR32で表されるアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましい。R31及びR32で表されるアリール基としては、フェニル基が好ましい。
31及びR32としては、中でも、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式A3中、R33としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
31〜R33におけるアルキル基及びアリール基は、更に置換基を有していてもよい。
式A3中、R31又はR32とR33とは、互いに連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数としては、5又は6が好ましく、5がより好ましい。
式A3中、Xとしては、単結合又はアリーレン基が好ましく、単結合がより好ましい。アリーレン基は、更に置換基を有していてもよい。
式A3中、R34としては、重合体Aのガラス転移温度(Tg)をより低くし得るという点で、水素原子が好ましい。
より具体的には、重合体Aに含まれる式A3で表される構成単位の全含有量に対し、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有量は、20質量%以上であることが好ましい。
なお、式A3で表される構成単位中の、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有量は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認できる。
式A3で表される構成単位の中でも、パターン形成時の感度が更に高まる点で、下記式A3−3で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2022000684
式A3−3中、R34は、水素原子又はメチル基を表す。R35〜R41は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
式A3−3中、R34は、水素原子であることが好ましい。
式A3−3中、R35〜R41は、水素原子であることが好ましい。
式A3で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。
なお、下記の構成単位におけるR34は、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2022000684
重合体Aに含まれる構成単位Aは、1種のみの単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
重合体A中の構成単位Aの含有量は、重合体Aの全質量に対して、20質量%以上であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、20〜70質量%であることが更に好ましい。
重合体A中の構成単位Aの含有量は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認できる。
・構成単位B(極性基を有する構成単位)
重合体Aは、極性基を有する構成単位(以下「構成単位B」ともいう。)を含むことが好ましい。重合体Aが構成単位Bを含む場合、パターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程において、アルカリ現像液に対する溶解性が向上する。
構成単位Bにおける極性基は、pKaが12以下のプロトン解離性基である。
感度がより向上する点で、極性基のpKaの上限値としては、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。また、下限値としては、−5以上であることが好ましい。
構成単位Bにおける極性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性ヒドロキシ基、及びスルホニルイミド基等が挙げられる。極性基としては、中でも、カルボキシ基、又はフェノール性ヒドロキシ基が好ましい。
重合体Aへの構成単位Bの導入方法としては、極性基を有するモノマーを共重合させる方法、又は酸無水物構造を有するモノマーを共重合させ、酸無水物を加水分解する方法が挙げられる。なお、極性基としてカルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及び4−カルボキシスチレン等が挙げられる。また、極性基としてフェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、p−ヒドロキシスチレン及び4−ヒドロキシフェニルメタクリレート等が挙げられる。また、酸無水物構造を有するモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸等が挙げられる。
構成単位Bとしては、極性基を有するスチレン化合物に由来する構成単位、又は極性基を有するビニル化合物に由来する構成単位であることが好ましく、フェノール性ヒドロキシ基を有するスチレン化合物に由来する構成単位、又はカルボキシ基を有するビニル化合物に由来する構成単位であることがより好ましく、カルボキシ基を有するビニル化合物に由来する構成単位であることが更に好ましく、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることが特に好ましい。
構成単位Bは、1種のみの単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
重合体A中の構成単位Bの含有量としては、重合体Aの全質量に対し、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%であることがより好ましく、1質量%〜10質量%であることが更に好ましい。重合体A中の構成単位Bの含有量を上記数値範囲に調整することで、パターン形成性がより良好となる。
重合体A中の構成単位Bの含有量は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認できる。
・構成単位C:その他の構成単位:
重合体Aは、上述した構成単位A及び構成単位B以外に、更にその他の構成単位(以下「構成単位C」ともいう。)を含んでいてもよい。重合体A中に含まれる構成単位Cの種類及び含有量の少なくともいずれかを調整することで、重合体Aの諸特性を調節できる。特に、構成単位Cを適切に使用することで、重合体Aのガラス転移温度(Tg)を容易に調節できる。
構成単位Cを形成するモノマーとしては、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する不飽和化合物、及びその他の公知の不飽和化合物等が挙げられる。
構成単位Cとしては、例えば、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、及びエチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレート等に由来する構成単位が挙げられる。その他、構成単位Cとしては、特開2004−264623号公報の段落0021〜段落0024に記載の化合物に由来する構成単位が挙られる。
構成単位Cとしては、電気特性をより向上させる点で、芳香環を有する構成単位、又は脂肪族環式骨格を有する構成単位であることが好ましい。
上記の構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。構成単位Cとしては、中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート由来の構成単位であることが好ましい。
後述するように工程X1を転写により実施する場合、構成単位Cとしては、密着性がより優れる点で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましく、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることがより好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
重合体Aは、現像液に対する溶解性をより向上させる点、及び/又は、物理物性を最適化する点で、構成単位Cとして、上記構成単位Bにおける極性基のエステルを有する構成単位を含むことも好ましい。中でも、重合体Aは、構成単位Bとして、カルボキシ基を有する構成単位を含み、更に、カルボン酸エステル基を含む構成単位Cを含むことが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸由来の構成単位Bと、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、及び(メタ)アクリル酸n−ブチルよりなる群から選ばれるモノマー由来の構成単位Cと、を含むことがより好ましい。
構成単位Cは、1種のみの単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
重合体A中の構成単位Cの含有量の上限値としては、重合体Aの全質量に対して、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。重合体A中の構成単位Cの含有量の下限値としては、重合体Aを構成する全構成単位に対し、0質量%でもよいが、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。重合体A中の構成単位Cの含有量を上記数値範囲とすることで、解像度及び密着性をより向上できる。
以下、重合体Aの好ましい例を挙げるが、以下の例示に限定されない。なお、下記例示化合物における構成単位の比率及び重量平均分子量は、好ましい物性を得るために適宜選択される。
Figure 2022000684
Figure 2022000684
重合体Aは、1種のみの単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
感光性樹脂組成物中における重合体Aの含有量としては、組成物の全固形分に対して、
50質量%〜99.9質量%が好ましく、70質量%〜98質量%がより好ましい。
・重合体Aのガラス転移温度:Tg
後述するように工程X1を転写により実施する場合、重合体Aのガラス転移温度(Tg)は、転写性の観点から、90℃以下であることが好ましく、20℃〜60℃であることがより好ましく、30℃〜50℃であることが特に好ましい。
重合体Aのガラス転移温度(Tg)を上記数値範囲に調節する方法としては、例えば、
FOX式を指針にして、重合体Aに含有される各構成単位の種類及び質量分率を調整する方法が挙げられる。FOX式を用いることで、重合体Aに含有される各構成単位の単独重合体のガラス転移温度(Tg)及び各構成単位の質量分率より、重合体Aのガラス転移温度(Tg)を調節できる。また、重合体Aの重量平均分子量を調整することにより、重合体Aのガラス転移温度(Tg)を調節できる。
以下、FOX式について、第1の構成単位及び第2の構成単位を含有する共重合体を例に説明する。
第1の構成単位の単独重合体のガラス転移温度をTg1とし、共重合体に含有される第
1の構成単位の質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のガラス転移温度をTg2とし、共重合体に含有される第2の構成単位の共重合体における質量分率をW2としたときに、第1の構成単位と第2の構成単位とを含む共重合体のTg0(単位:K)は、
以下の式にしたがって推定することが可能である。したがって、FOX式を用いて、目的の重合体に含有される各構成単位の種類及び質量分率を調整することで、所望のガラス転移温度(Tg)を有する重合体が得られる。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
・重合体Aの酸価
重合体Aの酸価は、解像性の観点から、0mgKOH/g〜200mgKOH/gが好ましく、0mgKOH/g〜100mgKOH/gがより好ましい。
重合体の酸価は、重合体1gあたりの酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量を表したものである。具体的には、測定試料をテトラヒドロフラン及び水の混合溶媒
(体積比:テトラヒドロフラン/水=9/1)に溶解し、電位差滴定装置(商品名:AT−510、京都電子工業株式会社製)を用いて、得られた溶液を25℃において、0.1M水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸価を算出する。
式:A=56.11×Vs×0.1×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の力価
w:測定試料の質量(g)(固形分換算)
・重合体Aの分子量:Mw
重合体Aの重量平均分子量としては、2,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましい。
重合体Aの重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測定することができ、測定装置としては、様々な市販の装置を使用できる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM−M(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)、及びSuper HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)をそれぞれ1本ずつ直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を使用できる。
また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて実施できる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」及び「A−1000」の7サンプルのいずれかを用いて作成できる。
重合体Aの数平均分子量と重量平均分子量との比(分散度)は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.05〜3.5であることがより好ましい。
・重合体Aの製造方法
重合体Aの製造方法(合成法)は特に制限されないが、一例を挙げると、構成単位Aを形成するための重合性モノマー、構成単位Bを形成するための重合性モノマー、更に必要に応じて、構成単位Cを形成するための重合性モノマーを、有機溶媒中、重合開始剤を用いて重合することにより合成できる。また、いわゆる高分子反応で重合体Aを合成することもできる。
〔その他の重合体〕
感光性樹脂組成物は、重合体Aに加えて、酸分解性基を有する構成単位を含まない重合体(以下「その他の重合体」ともいう。)を更に含んでいてもよい。
その他の重合体としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン等が挙げられる。ポリヒドロキシスチレンとしては、例えば、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、及びSMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、及びARUFON UC−3080(以上、東亞合成株式会社製)、並びにJoncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、及びJoncryl 586(以上、BASF社製)等の市販品を使用できる。
他の重合体は、1種のみの単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
感光性樹脂組成物がその他の重合体を含む場合、感光性樹脂組成物中のその他の重合体の含有量は、重合体A及びその他の重合体の合計含有量に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
〔光酸発生剤〕
感光性樹脂組成物は、光酸発生剤を含む。光酸発生剤は、紫外線、遠紫外線、X線、及び荷電粒子線等の放射線が照射されることによって酸を発生することができる化合物である。
光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましい。光酸発生剤としては、分光感度がより優れる点で、中でも、波長365nmに吸収を有する化合物がより好ましい。
また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく使用できる。
光酸発生剤は、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤であることが好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤であることがより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤であることが特に好ましい。光酸発生剤から発生する酸のpKaの下限値は特に制限されず、例えば、−10以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、イオン性光酸発生剤、及び非イオン性光酸発生剤等が挙げられる。また、光酸発生剤としては、感度及び解像度がより優れる点で、オニウム塩化合物及びオキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
イオン性光酸発生剤としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、並びに、第四級アンモニウム塩類等が挙げられる。イオン性光酸発生剤としては、中でも、オニウム塩化合物が好ましく、ジアリールヨードニウム塩類又はトリアリールスルホニウム塩類がより好ましい。
イオン性光酸発生剤としては、特開2014−85643号公報の段落0114〜段落0133に記載のイオン性光酸発生剤も好ましく使用できる。
非イオン性光酸発生剤としては、例えば、トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及びオキシムスルホネート化合物等が挙げられる。非イオン性光酸発生剤としては、中でも、感度、解像度、及び密着性が向上する点で、オキシムスルホネート化合物が好ましい。トリクロロメチル−s−トリアジン類、及びジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜段落0088に記載の化合物が挙げられる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2022000684
式(B1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、*は他の原子又は他の基との結合部位を表す。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物は、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21で表されるアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。R21で表されるアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、シクロアルキル基(例えば、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環基を含む。好ましくはビシクロアルキル基等。)、又はハロゲン原子で置換されてもよい。
21におけるアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21におけるアリール基は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1つ以上の基で置換されてもよい。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物は、特開2014−85643号公報の段落0078〜段落0111に記載のオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
光酸発生剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
感光性樹脂組成物中の光酸発生剤の含有量は、感度及び解像度がより優れる点で、組成物の全質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%であることがより好ましい。
〔溶媒〕
感光性樹脂組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、及びラクトン類等が挙げられる。また、溶媒としては、特開2011−221494号公報の段落0174〜段落0178に記載の溶媒も挙げられ、これらの内容は本開示に組み込まれる。
また、感光性樹脂組成物は、上述した溶媒のほかに、さらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、及び炭酸プロピレン等の溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、沸点130℃以上160℃未満の溶媒、沸点160℃以上の溶媒、又は、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、及びプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)等が挙げられる。
沸点160℃以上の溶媒としては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、及び1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)等が挙げられる。
また、溶媒の好ましい例としては、エステル類、エーテル類、又はケトン類等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸イソプロピル、及び酢酸n−ブチル等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールジメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、及びメチルイソプロピルケトン等が挙げられる。
また、溶媒としては、トルエン、アセトニトリル、イソプロパノール、及び2−ブタノール、イソブチルアルコール等を用いてもよい。
溶媒は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
感光性樹脂組成物中の溶媒の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、50質量部〜1,900質量部であることが好ましく、100質量部〜900質量部であることがより好ましい。
〔他の添加剤〕
感光性樹脂組成物は、重合体A及び光酸発生剤に加えて、必要に応じて、更に他の添加剤を含んでいてもよい。
・塩基性化合物
感光性樹脂組成物は、塩基性化合物を含むことが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及びカルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜段落0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本開示に組み込まれる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、及びジシクロヘキシルメチルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及びジフェニルアミン等が挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、及び1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、及びテトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエート等が挙げられる。
塩基性化合物は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
感光性樹脂組成物中の塩基性化合物の含有量は、組成物の全質量に対して、0.001質量%〜5質量%であることが好ましく、0.005質量%〜3質量%であることがより好ましい。
・撥液剤
感光性樹脂組成物は、厚さの均一性をより向上させる点、及び形成される導電性基板の不良率の一層の低減の点から、撥液剤を含むことが好ましい。
撥液剤としては、フッ素原子及びケイ素原子の1種以上を含む化合物が好ましく、フッ素原子含有化合物がより好ましく、フッ素原子含有界面活性剤が更に好ましく、フッ素原子含有ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
また、撥液剤としては、重合性基を有する撥液剤(以下「重合性基含有撥液剤」ともいう。)も使用できる。なお、重合性基としては、エポキシ基又はエチレン性不飽和基が挙げられる。
また、撥液剤としては、特開2013−209636号公報の一般式(1)で表される化合物も使用できる。
フッ素原子含有化合物としては、上述のとおり、フッ素原子含有ノニオン系界面活性剤が好ましい。フッ素原子含有ノニオン系界面活性剤の好ましい例としては、下記式I−1で表される構成単位SA及び構成単位SBを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000〜10,000である共重合体が挙げられる。
Figure 2022000684
式I−1中、R401及びR403は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。R402は、炭素数1〜4の直鎖アルキレン基を表す。R404は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Lは、炭素数3〜6のアルキレン基を表す。p及びqは、重合比を表す質量百分率である。pは、10質量%〜80質量%の数値を表し、qは、20質量%〜90質量%の数値を表す。rは、1〜18の整数を表す。sは、1〜10の整数を表す。*は、他の構造との結合部位を表す。
Lは、下記式I−2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。
Figure 2022000684
式I−2におけるR405は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
式I−1中、pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
式I−1で表される構成単位SA及び構成単位SBを含む共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500〜5,000であることが好ましい。
以下において、上述の共重合体以外の、撥液剤の他の具体例を例示する。
フッ素原子含有化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルアルキレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基と親水基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親油基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親水基と親油基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキルと親水基を含むウレタン、パーフルオロアルキルエステル、及びパーフルオロアルキル燐酸エステル等が挙げられる。
フッ素原子含有化合物の市販品としては、「DEFENSAMCF−300」、「DEFENSAMCF−310」、「DEFENSAMCF−312」、「DEFENSAMCF−323」、及び「メガファックRS−72−K」(いずれもDIC(株)製);「フロラードFC−431」、「フロラードFC−4430」、及び「フロラードFC−4432」(いずれもスリーエムジャパン社製);「アサヒガードAG710」、「サーフロンS−382」、「サーフロンSC−101」、「サーフロンSC−102」、「サーフロンSC−103」、「サーフロンSC−104」、「サーフロンSC−105」、及び「サーフロンSC−106」(いずれも旭硝子(株)製);「オプツールDAC―HP」、及び「HP−650」(いずれもダイキン工業(株)製)等が使用できる。
また、フッ素原子含有化合物の市販品としては、DIC(株)製の「メガファック」シリーズの、F−251、F−253、F−281、F−430、F−444、F−477、F−551、F−552、F−553、F−554、F−555、F−556、F−557、F−558、F−559、F−560、F−561、F−562、F−563、F−565、F−568、F−569、F−570、F−572、F−574、F−575、F−576、F−780、EXP、MFS−330、MFS−578、MFS−579、MFS−586、MFS−587、R−40、R−40−LM、R−41、RS−43、TF−1956、RS−90、RS−72−K、DS−21、及びR−94等(オリゴマー構造のフッ素原子含有界面活性剤)も使用できる。
また、
また、フッ素原子含有化合物の市販品としては、(株)ネオス製のフタージェント250、及びフタージェント251等のフッ素原子含有ノニオン系界面活性剤も使用できる。
また、株)ネオス製のフタージェント 710FL、710FM、610FM、601AD、601ADH2、602A、215M、245F、212M、209F、222F、208G、710LA、710FS、730LM、650AC、681、683も使用できる
また、フッ素原子含有化合物としては、特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜段落0071に記載の界面活性剤も使用できる。
フッ素系界面活性剤としては、環境適性向上の観点から、パーフルオロオクタン酸(PFOA)及びパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)等の炭素数が7以上の直鎖状パーフルオロアルキル基を有する化合物の代替材料に由来する界面活性剤であることが好ましい。
ケイ素原子含有化合物の市販品としては、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD100TS、SD670、SD850、SD860、SD882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
撥液剤は、1種のみの単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
撥液剤としてフッ素原子含有化合物を使用する場合、撥液剤中におけるフッ素原子の含有量の下限値としては、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上限値としては、50質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
感光性樹脂組成物中における撥液剤の含有量としては、組成物の全固形分に対して、例えば、0.01質量%〜10質量%であり、0.05質量%〜5質量%が好ましい。
・界面活性剤
感光性樹脂組成物は、厚さの均一性をより向上させる点から、界面活性剤を含むことが好ましい。なお、ここでいう界面活性剤には、上述した界面活性剤系の撥液剤は含まれない。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系(非イオン系)界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれも使用できる。中でも、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、及びポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0120に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
感光性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜3質量%であることが更に好ましい。
・可塑剤
感光性樹脂組成物は、可塑性を改良する目的で、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤としては特に制限されず、公知の可塑剤を適用できる。可塑剤としては、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0097〜段落0103に記載の可塑剤が挙げられる。
・増感剤
感光性樹脂組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤としては特に制限されず、公知の増感剤を適用できる。増感剤としては、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0104〜段落0107に記載の増感剤が挙げられる。
・ヘテロ環状化合物
感光性樹脂組成物は、ヘテロ環状化合物を含んでいてもよい。ヘテロ環状化合物としては特に制限されず、公知のヘテロ環状化合物を適用できる。ヘテロ環状化合物としては、
例えば、国際公開第2018/179640号の段落0111〜段落0118に記載のヘテロ環状化合物が挙げられる。
・アルコキシシラン化合物
感光性樹脂組成物は、アルコキシシラン化合物を含んでいてもよい。アルコキシシラン化合物としては特に制限されず、公知のアルコキシシラン化合物を適用できる。アルコキシシラン化合物としては、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0119に記載のアルコキシシラン化合物が挙げられる。
・その他の成分
感光性樹脂組成物は、金属酸化物粒子、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤等の公知の添加剤を更に含んでいてもよい。その他の成分の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落016
5〜段落0184にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
〔物性等〕
感光性樹脂層の厚さは、30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましく、3μm以下であることが特に好ましく、1μm以下であることが最も好ましい。感光性樹脂層の厚さが30μm以下であると、感光性樹脂層の現像性が向上し、解像性が向上する。感光性樹脂層の厚さの下限値は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。
上記積層体が備える各層の厚さは、感光性転写材料の主面に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察し、得られた観察画像に基づいて各層の厚さを10点以上計測し、その平均値として算出される。
密着性により優れる点から、感光性樹脂層の波長365nmの光透過率は、10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上が特に好ましい。感光性樹脂層の波長365nmの光透過率の上限値は特に制限されないが、99.9%以下であることが好ましい。
〔組成物の調製方法〕
感光性樹脂組成物の調製方法としては、例えば、上記成分及び溶媒を任意の割合で混合し、撹拌溶解する方法等が挙げられる。また、上記成分をそれぞれ予め溶媒に溶解させて溶液とした後、得られた各溶液を所定の割合で混合することによって感光性樹脂組成物を調製できる。調製された感光性樹脂組成物は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に使用してもよい。
上記積層体は、上述した層以外の層(以下「その他の層」ともいう。)を備えてもよい。その他の層としては、例えば、コントラストエンハンスメント層が挙げられる。
コントラストエンハンスメント層については、国際公開第2018/179640号の段落0134に記載されている。また、その他の層については特開2014−85643号公報の段落0194〜0196に記載されている。これらの公報の内容は本明細書に組み込まれる。
(構造体の製造方法)
本開示に係る構造体の製造方法は、本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られた導電性パターンを備える構造体の製造方法であればよく、本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られた上記導電性パターンを有する上記第一のフィルムに対し、上記第一のフィルム及び上記導電性パターン上にネガ型感光性樹脂層を形成する工程、上記第一のフィルム越しに上記ネガ型感光性樹脂層に対し露光を行う工程、光を照射された上記ネガ型感光性樹脂層を現像することで、上記第一のフィルム上に樹脂パターンNを形成する工程、及び、上記導電性パターンと上記樹脂パターンNとによって画定される領域にパターンMを形成する工程を含むことが好ましい。
上記ネガ型感光性樹脂層は、特に制限はなく、公知のネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。
上記ネガ型感光性樹脂層は、上記導電性パターンに直接又は他の層を介して接してもよいが、上記導電性パターンに接していることが好ましい。ネガ型感光性樹脂層としては、公知のネガ型感光性樹脂層を利用することができる。
上記ネガ型感光性樹脂層は、重合体と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含むことが好ましい。ネガ型感光性樹脂層は、上記ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%〜90質量%の重合体、5質量%〜70質量%の重合性化合物、及び0.01質量%〜20質量%の光重合開始剤を含むことが好ましい。
また、ネガ型感光性樹脂層は、アルカリ可溶性高分子と、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、光重合開始剤と、を含むことが好ましい。
上記第一のフィルム越しに上記ネガ型感光性樹脂層に対し露光を行う工程、光を照射された上記ネガ型感光性樹脂層を現像することで、上記第一のフィルム上に樹脂パターンNを形成する工程における露光及び現像は、特に制限はなく、公知の露光及び現像方法を用いて行うことができる。
上記露光を上記第一のフィルム越しに行うことにより、上記導電性パターンが遮光部として作用し、上記導電性パターン上の上記ネガ型感光性樹脂層が現像により除去され、開口部(上記樹脂パターンNのない部分)となる。
上記樹脂パターンNの厚さは、上記導電性パターンの厚さよりも厚いことが好ましい。
導電性パターンの厚さに対する樹脂パターンNの厚さの比([樹脂パターンNの厚さ]/[導電性パターンの厚さ])は、1.1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、3以上であることが特に好ましい。導電性パターンの厚さに対する樹脂パターンNの厚さの比は、10以下であることがより好ましい。
樹脂パターンNの厚さは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。樹脂パターンNの厚さの上限は、制限されない。樹脂パターンNの平均厚さは、例えば、100μm以下の範囲で決定すればよい。
<パターンM形成工程>
本開示に係る構造体の製造方法は、上記導電性パターンと上記樹脂パターンNとによって画定される領域にパターンMを形成する工程(「パターンM形成工程」ともいう。)を含むことが好ましい。
パターンMは、本開示における効果をより発揮する観点から、導電性を有することが好ましい。
また、パターン形成性及び得られるパターンMの寸法安定性の観点から、上記導電性パターンの平均厚さよりも上記パターンMの平均厚さのほうが厚いことが好ましい。
パターンMを形成する方法としては、公知の方法を利用することができる。導電性を有するパターンMの材料としては、用途に適した導電性を有する材料を利用することができる。導電性を有するパターンMの材料は、Cu、又はCuの合金を含むことが好ましい。Cuの合金は、Cuと、Ni、Mo、Ta、Ti、V、Cr、Fe、Mn、Co、及びWよりなる群から選択される少なくとも1種との合金であることが好ましい。上記した材料を用いて形成されるパターンMは、上記した金属元素を含む。パターンM形成工程において得られるパターンMは、Cuからなる導電性パターンであってもよい。
また、パターン形成性及び得られるパターンMの寸法安定性の観点から、上記導電性パターン及び上記パターンMが、同種の材料を含むことが好ましい。例えば、同じ金属元素を含むことがより好ましく、同じ金属、又は、同じ金属元素を含む合金であることが特に好ましい。
導電性パターンの上にパターンMを形成する方法としては、公知の方法を利用することができる。パターンMは、めっき法によって形成されてなるパターンであることが好ましい。めっきとしては、公知のめっきを利用することができる。めっきとしては、例えば、電気めっき、及び無電解めっきが挙げられる。めっきは、電気めっきであることが好ましく、電気銅めっきであることがより好ましい。
電気めっきでは、例えば、シード層として機能することができる導電性パターンをカソードとして用い、遮光性パターンの上に金属を積み重ねることで、導電性パターンの上に導電性を有するパターンMを形成することができる。
電気めっきにおいて使用されるめっき液の成分としては、例えば、水溶性銅塩が挙げられる。水溶性銅塩としては、めっき液の成分として通常使用される水溶性銅塩を用いることができる。水溶性銅塩としては、例えば、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、及び有機酸銅塩よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。無機銅塩としては、例えば、硫酸銅、酸化銅、塩化銅、及び炭酸銅が挙げられる。アルカンスルホン酸銅塩としては、例えば、メタンスルホン酸銅、及びプロパンスルホン酸銅が挙げられる。アルカノールスルホン酸銅塩としては、例えば、イセチオン酸銅、及びプロパノールスルホン酸銅が挙げられる。有機酸銅塩としては、例えば、酢酸銅、クエン酸銅、及び酒石酸銅が挙げられる。
めっき液は、硫酸を含んでもよい。めっき液が硫酸を含むことで、めっき液のpH、及び硫酸イオン濃度を調整することができる。
電気めっきの方法、及び条件は、制限されない。例えば、めっき液を加えためっき槽に現像工程後の透明基材を供給することで、導電性パターンの上に導電性を有するパターンMを形成することができる。電気めっきにおいては、例えば、電流密度、及び透明基材の搬送速度を制御することで、導電性を有するパターンMを形成することができる。
電気めっきに使用されるめっき液の温度は、70℃以下であることが好ましく、10℃〜40℃であることがより好ましい。電気めっきにおける電流密度は、0.1A/dm〜100A/dmであることが好ましく、0.5A/dm〜20A/dmであることがより好ましい。電流密度を高くすることで導電性パターンの生産性を向上させることができる。電流密度を低くすることで導電性パターンの厚さの均一性を向上させることができる。
めっきによる導電性を有するパターンMの形成方法においては、複数の金属を連続してめっきしてもよい。例えば、銅のような金属によって形成されたパターンMにおいては、反射によって視認性又は美観性の低下が課題となることがある。パターンMの表面の反射率を低減する方法としては、例えば、酸化処理、硫化処理、窒化処理、塩素化処理、黒化層被膜形成、及び黒色めっきが挙げられる。例えば、銅めっき後にクロムめっきを行うことで、パターンMの表面に黒色の材料を含む層を形成することができる。パターンMの表面の反射率を低減する方法は、酸化処理、又は硫化処理であることが好ましい。酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、更に、廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
パターンMを形成した後、ポストベーク工程を行ってもよい。ポストベーク工程は、未反応の熱硬化成分を完全に熱硬化することで、絶縁信頼性、硬化特性、又はめっき密着性を向上させることができる。加熱温度は、80℃〜240℃であることが好ましい。加熱時間は、5分間〜120分間であることが好ましい。
パターンMを形成した後、パターンMの表面を樹脂層によって保護してもよい。例えば、パターンMを形成した後、導電性パターンの上に樹脂層を形成することによって、パターンMの表面を保護することができる。樹脂層の成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂層、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられる。樹脂層の形成方法としては、例えば、塗布、及び熱圧着が挙げられる。
パターンMの構造は、単層構造、又は多層構造であってもよい。多層構造を有するパターンMの各層の成分は、同一であっても異なってもよい。
パターンMの厚さは、制限されない。パターンMの厚さは、例えば、用途に応じて決定すればよい。パターンMを配線として用いる場合、パターンMの平均厚さは、例えば、配線に供給する電流の大きさ、及び配線幅に応じて決定すればよい。パターンMの平均厚さは、導電性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、2μm以上であることが特に好ましい。更に、パターンMの平均厚さは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。パターンMの平均厚さは、上記透明基材の平均厚さの測定方法に準ずる方法によって測定する。
パターンMの幅は、細いことが好ましい。具体的に、パターンMの平均幅は、50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましく、2μm以下であることが特に好ましい。パターンMの平均幅が5μm以下であることで、例えば、タッチパネルのように視認性に敏感な装置におけるパターンMの視認性を低減することができる。パターンMの平均幅は、導電性の観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、0.8μm以上であることが特に好ましい。パターンMの平均幅は、上記導電性パターンの平均幅の測定方法に準ずる方法によって測定する。
導電性を有するパターンMの表面抵抗値は、0.2Ω/□未満であることが好ましく、0.15Ω/□未満であることがより好ましい。導電性を有するパターンMの表面抵抗値は、4探針法によって測定する。パターンサイズが微細で測定が困難な場合には、同一の組成及び厚さの導電層の表面抵抗値を測定してもよい。
パターンM形成工程において、パターンMと導電性パターンとの界面は、明確に観察されないことがある。例えば、導電性パターンをシード層として用い、パターンMをめっきによって形成する場合、導電性パターンとパターンMとの界面が明確に観察されないことがある。ただし、パターンMと導電性パターンとの界面が明確に観察されないことは、本開示の目的を妨げるものではない。
本開示に係る構造体の製造方法は、永久膜である樹脂パターンNの強度及び耐久性を向上させる観点から、上記樹脂パターンNに対し後露光及び後加熱の少なくともいずれかを行う工程を更に含むことが好ましい。
本開示に係る構造体の製造方法は、上述した以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。その他の工程としては、特に制限はなく、公知の工程が挙げられる。
また、本開示における樹脂パターン形成工程及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜段落0051に記載の方法を本開示においても好適に用いることができる。
また、本開示に係る構造体の製造方法は、得られたパターンを研磨する工程、及び、得られたパターンを洗浄する工程等を含んでいてもよい。
更に、本開示に係る構造体の製造方法は、後述する各用途に応じた部材を設ける工程等を含んでいてもよい。
本開示に係る構造体の製造方法によって得られる構造体は、種々の用途に適用することができる。本開示に係る構造体の製造方法によって得られる構造体の用途としては、上述した本開示に係る導電性パターンの形成方法により得られた導電性パターンの用途と同様のものが好適に挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明の実施形態を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の実施形態の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本発明の実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
「AA」:アクリル酸(東京化成工業(株)製)
「ATHF」:2−テトラヒドロフラニルアクリレート(合成品)
「CHA」:アクリル酸シクロヘキシル(東京化成工業(株)製)
「EA」:アクリル酸エチル(東京化成工業(株)製)
「MAA」:メタクリル酸(東京化成工業(株)製)
「PGMEA」:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製)
「TBA」:tert−ブチルアクリレート(富士フイルム和光純薬(株)製)
「BMA」:メタクリル酸ベンジル(富士フイルム和光純薬(株)製)
「PMPMA」:メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(富士フイルム和光純薬(株)製)
「MMA」:メタクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)
「V−601」:2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(富士フイルム和光純薬(株)製)
<ポジ型感光性樹脂組成物1の調製>
以下に示す成分を混合して、混合液を得た。次いで、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて、上記混合物をろ過することによって、ポジ型感光性樹脂組成物1を得た。
・酸分解性樹脂(下記重合体1):9.64部
・光酸発生剤(下記化合物A−1):0.25部
・界面活性剤(下記界面活性剤C):0.01部
・添加剤(下記化合物D(塩基性化合物)):0.1部
・PGMEA:90.00部
重合体1:下記に示す樹脂、上記重合体1において、各構成単位に各々記載された数値は、質量%を意図する。また、上記重合体1の重量平均分子量は、25,000である。上記重合体1のガラス転移温度は、25℃である。
Figure 2022000684
化合物A−1:下記化合物
Figure 2022000684
界面活性剤C:下記化合物
Figure 2022000684
化合物D:下記化合物
Figure 2022000684
<ポジ型感光性樹脂組成物2の調製>
以下に示す成分を混合して、混合液を得た。次いで、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて、上記混合物をろ過することによって、ポジ型感光性樹脂組成物2を得た。
・酸分解性樹脂(下記重合体2):9.64部
・光酸発生剤(下記化合物A−2):0.25部
・界面活性剤(上記界面活性剤C):0.01部
・添加剤(上記化合物D):0.1部
・PGMEA:90.00部
重合体2:下記に示す構造の化合物(ガラス転移温度は90℃である。重量平均分子量は20,000である。下記構成単位にそれぞれ記載された数値は、質量%を意味する。
Figure 2022000684
化合物A−2:下記に示す構造の化合物
Figure 2022000684
<ポジ型感光性樹脂組成物3の調製>
−酸分解性樹脂(重合体3)の合成−
<<ATHFの合成>>
3つ口フラスコにアクリル酸(72.1g、1.0mol)、ヘキサン(72.1g)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(7.0mg、0.03mmol)、2−ジヒドロフラン(77.9g、1.0mol)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200(ろ過材、水酸化アルミニウム粉末、協和化学工業株式会社製)、キョーワード1000(ろ過材、ハイドロタルサイト系粉末、協和化学工業株式会社製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ、1.2mg)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(ATHF)140.8gを無色油状物として得た(収率99.0%)。
<<酸分解性樹脂(重合体3)の合成>>
3つ口フラスコにPGMEA(75.0g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。ATHF(40.0g)、AA(2.0g)、EA(20.0g)、MMA(22.0g)、CHA(16.0g)、V−601(4.0g)、及びPGMEA(75.0g)を含む溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後,90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体3(固形分濃度40.0質量%)を得た。
重合体3における各構成単位の含有量(質量%:ATHF/AA/EA/MMA/CHA)は、40/2/20/22/16である。なお、ATHFは酸分解性基を含む構成単位に該当し、AAは酸基を含む構成単位に該当する。
重合体3の重量平均分子量は、25,000である。
重合体3のガラス転移温度(Tg)は34℃であり、酸価は、15.6mgKOH/gである。
−ポジ型感光性樹脂組成物3の調製−
以下に示す成分を混合して、固形分濃度10質量%の混合物を得た。次いで、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて、上記混合物をろ過することによって、ポジ型感光性樹脂組成物3を得た。
・酸分解性樹脂(上記重合体3):100部
・光酸発生剤(上記化合物A−1):3部
・添加剤(上記化合物D(塩基性化合物)):1.6部
・界面活性剤(上記界面活性剤C):0.1部
・添加剤(下記化合物E):4.5部
・PGMEA:固形分濃度が10質量%となる量(部)
化合物E:9,10−ジブトキシアントラセン
<ポジ型感光性樹脂組成物4の調製>
以下に示す成分を混合して、混合液を得た。次いで、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて、上記混合物をろ過することによって、ポジ型感光性樹脂組成物4を得た。
・酸分解性樹脂(上記重合体1):9.64部
・光酸発生剤(上記化合物A−1):0.25部
・界面活性剤(上記界面活性剤C):0.01部
・添加剤(上記化合物D):0.09部
・添加剤(下記化合物F):0.01部
・PGMEA:90.00部
化合物F:1,2,3−ベンゾトリアゾール(東京化成工業(株)製)
<ポジ型感光性樹脂組成物5の調製>
−酸分解性樹脂(重合体4)の合成−
3つ口フラスコにPGMEA(75.0g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。TBA(30.0g)、PMPMA(1.0g)、AA(3.0g)、MMA(26.0g)、BMA(5.0g)、EA(25.0g)、CHA(10.0g)、V−601(4.0g)、及びPGMEA(75.0g)を含む溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後,90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体4(固形分濃度40.0質量%)を得た。
重合体4における各構成単位の含有量(質量%:TBA/PMPMA/AA/MMA/BMA/EA/CHA)は、30/1/3/26/5/25/10である。なお、TBAは酸分解性基を含む構成単位に該当し、AAは酸基を含む構成単位に該当する。
重合体4の重量平均分子量は、25,000である。
重合体4のガラス転移温度(Tg)は28℃である。
−ポジ型感光性樹脂組成物5の調製−
以下に示す成分を混合して、固形分濃度10質量%の混合物を得た。次いで、孔径0.
2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて、上記混合物をろ過することによって、ポジ型感光性樹脂組成物5を得た。
・酸分解性樹脂(上記重合体4):100部
・光酸発生剤(上記化合物A−1):3部
・添加剤(上記化合物D(塩基性化合物)):1.6部
・界面活性剤(下記界面活性剤W−2):0.1部
・PGMEA:固形分濃度が10質量%となる量(部)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコーン系界面活性剤)
(実施例1)
支持体(第一のフィルム)としてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm、算術平均粗さRa:0.02μm、ヘーズ値:0.7%)を用意した。支持体の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後の厚さが表1に記載された値となるようにポジ型感光性樹脂組成物1を3m塗布した。形成されたポジ型感光性樹脂組成物1の塗膜を90℃で100秒間かけて乾燥することで、レジスト層(感光性樹脂層)を形成した。形成されたレジスト層の表面に、カバーフィルム(第二のフィルム)としてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm、算術平均粗さRa:0.02μm、ヘーズ値:0.7%)を圧着した後、巻き取ることで、ロール形態の感光性組成物材料を作製した。
次に、ロール形態の感光性組成物材料を巻き出した後、カバーフィルム側と露光マスクを接触させ、高圧水銀灯露光機((株)大日本科研製MAP−1200L、主波長:365nm)を用いて光を照射した。露光量は100mJ/cmとした。次いで、露光マスクとカバーフィルムを、離した後、露光領域が重複しないようにフィルムを移動し、マスクとフィルムを接触させ、2回目の露光を行った。この操作を連続して10回行った。次いで、カバーフィルムを剥離した後、ポジ型感光性樹脂層を液温が25℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間のシャワー現像をすることによって、支持体上に、樹脂パターンを形成した。
続いて、スパッタリング成膜装置内部に、10cmサイズに切り出したフィルムを載置し、装置内部を減圧した後にアルゴンガスを導入し、ターゲットにCuを用いてスパッタリングを実施した。スパッタに必要な放電電力やスパッタリング時間も適宜調整し、樹脂パターン間及び樹脂パターン上に厚みが50nmの銅層を形成した。
次に、超高圧水銀灯(波長365nmを含む。)を用いて、基板裏面(すなわち、基板の銅層を有する面とは反対側の面)から500mJ/cmのエネルギーを基板全面に対して照射した。その後、50℃に調整した5質量%トリエチルアミン水溶液に5分間浸漬し、感光性樹脂層、及び、感光性樹脂層上の銅層を剥離し、基板上にパターン状の導電性組成物層(導電性パターン)を形成した。
(実施例2〜実施例16)
使用した支持体(第一のフィルム)、ポジ型感光性樹脂組成物、及び、カバーフィルム(第二のフィルム)を表1に記載のものに変更し、形成したポジ型感光性樹脂組成物の塗膜の乾燥後の厚さを表1に記載の厚さとした以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
また、実施例15では、Cuのスパッタリングを行う代わりに、バンドー化学(株)製水系銀ナノインクSW−1020を純水で5倍希釈した後、バーコーター(#1)で塗布、90℃10分オーブンで乾燥し、樹脂パターン間及び樹脂パターン上に厚みが約500nmの銀ナノインク層を形成した。
(比較例1:別のPETフィルムに転写する態様であり、第一及び第二のフィルムとも剥離される。)
仮支持体としてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm:算術平均粗さRa:0.02μm)を用意した。仮支持体の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後の厚さが表1に記載された値となるようにポジ型感光性樹脂組成物1を3m塗布した。形成されたポジ型感光性樹脂組成物1の塗膜を90℃で100秒間かけて乾燥することで、レジスト層を形成した。形成されたレジスト層の表面に、カバーフィルムとしてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm:算術平均粗さRa:0.02μm)を圧着した後、巻き取ることで、ロール形態の感光性組成物材料を作製した。
次に、巻き取ったロール形態の感光性組成物材料を巻き出した後、積層体からカバーフィルムを剥離し、別に支持体として準備したPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm:算術平均粗さRa:0.02μm)に積層体を貼り合わせた。貼り合わせ工程は、ロール温度を100℃、線圧を1.0MPa、線速度を4.0m/分とする条件で行った。積層体と支持体との間に、散発的な泡が混入していることが確認された。次いで、フォトマスクを介して高圧水銀灯露光機((株)大日本科研製MAP−1200L、主波長:365nm)を用いて光を照射して、レジスト層を露光した以降は、同様に行った。
なお、比較例1では、上記貼り合わせ工程において、積層体と上記PETフィルムとの間に気泡が入り込む「泡かみ」が生じ、得られる導電性パターンにおいて、パターン不良が生じた。
(比較例2)
支持体としてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm:算術平均粗さRa:0.02μm)を用意した。支持体の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後の厚さが表1に記載された値となるようにポジ型感光性樹脂組成物1を3m塗布した。形成されたポジ型感光性樹脂組成物1の塗膜を90℃で100秒間かけて乾燥しレジスト層を形成した後、ロール形態に巻き取った。
30℃、相対湿度80%で24時間放置後、巻き取り体から積層体を送り出す際、レジスト層の一部が、支持体の表面から剥がれ、ロール形態で接触していた支持体の裏面に付着することが発生し、露光処理以降の処理を継続することが困難であった。
<パターン不良率(パターン不良抑制性)評価>
1回目の露光において形成された露光領域において、連続して10本のラインアンドスペース(L/S)=15(μm)/15(μm)が形成されたパターンを光学顕微鏡で観察し、パターン不良率を求めた。具体的には、長手方向30mmの範囲から、任意で、200μm×200μmの領域を100視野分抽出し、パターン観察を行った。導電パターン中に、断線、基板からの導電層の剥離、若しくは開口部での短絡(言い換えると、ライン部間の短絡)、及び剥離物の付着のいずれかに該当する異常が観察される頻度を計測し、下記の評価基準により評価した。
「A」:パターン不良率が、2視野未満。
「B」:パターン不良率が、2視野以上10視野未満。
「C」:パターン不良率が、10視野以上20視野未満。
「D」:パターン不良率が、20視野以上40視野未満。
「E」:パターン不良率が、40視野以上。
<連続露光時のパターン不良率(連続露光時のパターン不良抑制性)評価>
10回目の露光において形成された露光領域において、連続して10本のL/S=15(μm)/15(μm)が形成されたパターンを光学顕微鏡で観察し、パターン不良率を求めた。具体的には、長手方向30mmの範囲から、任意で、200μm×200μmの領域を100視野分抽出し、パターン観察を行った。導電性パターン中に、断線、基板からの導電層の剥離、若しくは開口部での短絡(言い換えると、ライン部間の短絡)、及び剥離物の付着のいずれかに該当する異常が観察される頻度を計測し、下記の評価基準により評価した。
「A」:パターン不良率が、2視野未満。
「B」:パターン不良率が、2視野以上10視野未満。
「C」:パターン不良率が、10視野以上20視野未満。
「D」:パターン不良率が、20視野以上40視野未満。
「E」:パターン不良率が、40視野以上。
<解像性評価>
1回目の露光において形成された露光領域において、形成された後述の幅のL/Sの導電性パターン(銅配線)の状態を、電子顕微鏡SEMを用いて1,000倍の倍率で観察した。解像性の良いものは、より微細な線幅のパターンにおいて、直線性に優れるため、これを解像性の指標とし、以下の基準に従って評価した。
ラインアンドスペース形状にパターニングされた銅配線からアトランダムに選んだ箇所の線幅を20箇所測定した。得られた線幅データから標準偏差σを求め、標準偏差σを3倍した値をLWR(Line Width Roughness)と定義し、パターン直線性の指標とした。LWR<250nm以下であれば、実用上問題のないレベルである。
−解像性の評価基準−
「A」:L/S=5μm/5μmにおいて、LWR<250nm
「B」:L/S=5μm/5μmにおいて、LWR≧250nm、かつ、L/S=6μm/6μmにおいて、LWR<250nm
「C」:L/S=6μm/6μmにおいて、LWR≧250nm、かつ、L/S=8μm/8μmにおいて、LWR<250nm
「D」:L/S=8μm/8μmにおいて、LWR≧250nm
評価結果を、まとめて表1に示す。
Figure 2022000684
なお、表1に記載の使用した上述した以外のフィルムの詳細を以下に示す。
−第一のフィルム−
実施例5のPI:ポリイミドフィルム、厚さ:16μm、ヘーズ値:0.8%、厚さを調整した以外は、特開2017−49596号公報の実施例1に記載の方法に従い作製した。
実施例8のCOP:シクロオレフィンポリマーフィルム、厚さ:16μm、ヘーズ値:0.5%、特開2009−227932号公報の段落0069に記載の方法に従い作製した。
実施例11のPI:ポリイミドフィルム、厚さ:38μm、ヘーズ値:0.8%、厚さを調整した以外は、特開2017−49596号公報の実施例1に記載の方法に従い作製した。
実施例12のPET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:50μm、ヘーズ値:0.7%、厚さを調整した以外は、特開2015−21119号公報の実施例に記載の方法に従い作製した。
実施例13のPET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:75μm、ヘーズ値:0.7%、厚さを調整した以外は、特開2015−21119号公報の実施例に記載の方法に従い作製した。
実施例14のPET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:16μm、ヘーズ値:1.4%、厚さを調整した以外は、特開2015−21119号公報の実施例に記載の方法に従い作製した。
−第二のフィルム−
実施例3のPET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:38μm、ヘーズ値:0.7%、厚さを調整した以外は、特開2015−21119号公報の実施例に記載の方法に従い作製した。
実施例4のPI:ポリイミドフィルム、厚さ:50μm、ヘーズ値:0.7%、厚さを調整した以外は、特開2017−49596号公報の実施例1に記載の方法に従い作製した。
実施例5のPET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:75μm、ヘーズ値:0.7%、厚さを調整した以外は、特開2015−21119号公報の実施例に記載の方法に従い作製した。
実施例6のPET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:16μm、ヘーズ値:1.4%、特開2015−21119号公報の実施例に記載の方法に従い、厚さ及びシリカゾル粒子サイズを調整し作製した。
実施例13のPP:ポリプロピレンフィルム、王子エフテックス(株)製、厚さ:12μm、ヘーズ値:0.4%
実施例14のPE:ポリエチレンフィルム、タマポリ(株)製、厚さ:30μm、ヘーズ値:2.1%
上記表1に示すように、実施例の導電性パターンの形成方法は、比較例の導電性パターンの形成方法と比べ、得られる導電性パターンのパターン不良の発生を低減することができる。
また、上記表1に示すように、実施例の導電性パターンの形成方法は、連続露光時においても、得られる導電性パターンのパターン不良の発生を低減することができ、また、解像性にも優れる。
(実施例17)
支持体(第一のフィルム)としてUV吸収剤(Tinuvin326(BASFジャパン(株)製))入りPETフィルム(厚さ:100μm、ヘーズ値:1.0%)を用意した。
支持体の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後の厚さが1μmとなるようにポジ型感光性樹脂組成物1を3m塗布した。
形成されたポジ型感光性樹脂組成物1の塗膜を90℃で100秒間かけて乾燥することで、レジスト層(感光性樹脂層)を形成した。
形成されたレジスト層の表面に、カバーフィルム(第二のフィルム)としてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm、算術平均粗さRa:0.02μm、ヘーズ値:0.7%)を圧着した後、フィルムを反転し、支持体の反対面にも、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後の厚さが1μmとなるようにポジ型感光性樹脂組成物1を3m塗布後、90℃で100秒間かけて乾燥した。
その後、カバーフィルム(第三のフィルム)としてPETフィルム(東レ(株)製ルミラー16KS40、厚さ:16μm、算術平均粗さRa:0.02μm、ヘーズ値:0.7%)を圧着した後、巻き取ることで、ロール形態の感光性組成物材料を作製した。
次に、ロール形態の感光性組成物材料を巻き出した後、両面のカバーフィルム側を剥離した後、両面の感光性樹脂組成物上に、アライメントをとりながら各々の面に露光マスクを接触させ、高圧水銀灯露光機((株)大日本科研製MAP−1200L、主波長:365nm)を用いて、表裏の感光性樹脂層を同時に露光した。
露光量は100mJ/cmとした。
次いで、露光領域が重複しないようにフィルムを所定量移動し、2回目の露光を行った。この操作を連続して10回行った。次いで、ポジ型感光性樹脂層を液温が25℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間の表裏からシャワー現像をすることによって、支持体上に、樹脂パターンを形成した。
続いて、スパッタリング成膜装置内部に、10cmサイズに切り出したフィルムを載置し、装置内部を減圧した後にアルゴンガスを導入し、ターゲットにTiを用いてスパッタリングした後、続けて、Cuを用いてスパッタリングを実施した。スパッタに必要な放電電力やスパッタリング時間も適宜調整し、樹脂パターン間及び樹脂パターン上に厚みが10nm以下のTi層及び50nmの銅層を形成した。続いて、フィルムを反転させ、同様に、Cuを用いてスパッタリングを実施した。
次に、超高圧水銀灯(波長365nmを含む。)を用いて、基板表裏から500mJ/cmのエネルギーを基板全面に対して照射した。その後、50℃に調整した5質量%トリエチルアミン水溶液に5分間浸漬し、感光性樹脂層、及び、感光性樹脂層上のTi層、銅層を剥離し、基板上にパターン状の導電性層(導電性パターン)を形成した。
表裏のパターンについて評価を行い、両面のパターンともに、パターン不良率A、連続露光時のパターン不良率A、直線性Aであった。
1:基板(第一のフィルム)、2:導電性パターン、3,3A:感光性樹脂層、5:カバーフィルム(第二のフィルム)、6:マスク、6a:マスクの開口部、7:開口部、8A,8B:導電性組成物層、20,30,40,50:積層体

Claims (43)

  1. 第一のフィルム、感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、
    前記ロール体から前記積層体を巻き出す工程、
    巻き出された前記積層体に対して露光を行う工程、
    露光された前記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、
    前記第一のフィルム上における前記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、
    前記樹脂パターンを除去する工程を含む
    導電性パターンの形成方法。
  2. 前記第一のフィルム及び前記第二のフィルムの少なくとも一方が、粒子を有する請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
  3. 前記露光を行う工程において、前記第二のフィルムにマスクを接触させ、前記第二のフィルム越しに露光を行う請求項1又は請求項2に記載の導電性パターンの形成方法。
  4. 前記露光を行う工程において、前記第一のフィルムにマスクを接触させ、前記第一のフィルム越しに露光を行う請求項1又は請求項2に記載の導電性パターンの形成方法。
  5. 前記露光を行う工程において、前記第二のフィルムを剥離し、前記感光性樹脂層にマスクを接触させ露光を行う請求項1又は請求項2に記載の導電性パターンの形成方法。
  6. 前記第一のフィルムの厚みが、50μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  7. 前記第二のフィルムの厚みが、50μm以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  8. 前記第一のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  9. 前記第二のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  10. 前記第一のフィルム及び前記第二のフィルムの少なくとも一方が、全光線透過率が85%以上の透明フィルムである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  11. 前記第一のフィルム及び前記第二のフィルムがいずれも、絶縁性フィルムである請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  12. 前記第一のフィルムが、紫外線吸収剤を含む請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  13. 前記感光性樹脂層が、ポジ型感光性樹脂層である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  14. 前記ポジ型感光性樹脂層が、酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基を有する重合体、及び、光酸発生剤を含む請求項13に記載の導電性パターンの形成方法。
  15. 前記酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基が、極性基がアセタールの形で保護されてなる基である請求項14に記載の導電性パターンの形成方法。
  16. 前記重合体が、下記式A1〜式A3のいずれかで表される構成単位を含む請求項14又は請求項15に記載の導電性パターンの形成方法。
    Figure 2022000684

    式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R11及びR12の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R13は、アルキル基又はアリール基を表す。R14は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。R15は、置換基を表す。nは、0〜4の整数を表す。なお、R11又はR12とR13とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
    式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R21及びR22の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。R21又はR22とR23とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
    式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R31及びR32の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R33は、アルキル基又はアリール基を表す。R34は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。なお、R31又はR32とR33とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
  17. 前記感光性樹脂層の層厚が、3μm以下である請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  18. 前記感光性樹脂層の層厚が、1μm以下である請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  19. 前記導電性パターンを、スパッタリング法又は蒸着法により形成する請求項1〜請求項18のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  20. 前記導電性パターンを、銀含有インク若しくは銅含有インクの印刷又は塗布により形成する請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  21. 第一のフィルムの一方の面に、第一の感光性樹脂層、及び、第二のフィルムを有し、第一のフィルムのもう一方の面に、第二の感光性樹脂層、及び、第三のフィルムを有する積層体を巻き取ってなるロール体を準備する工程、
    前記ロール体から前記積層体を巻き出す工程、
    巻き出された前記積層体のいずれか一方の面又は両方の面に対して露光を行う工程、
    露光された前記積層体を現像し樹脂パターンを形成する工程、
    前記第一のフィルム上における前記樹脂パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に金属を含む導電性パターンを形成する工程、並びに、
    前記樹脂パターンを除去する工程を含む
    導電性パターンの形成方法。
  22. 前記第一のフィルム、前記第二のフィルム及び前記第三のフィルムの少なくとも一つが、粒子を有する請求項21に記載の導電性パターンの形成方法。
  23. 前記露光を行う工程において、前記第二のフィルム又は第三のフィルムにマスクを接触させ、前記第二のフィルム越しに露光を行う請求項21又は請求項22に記載の導電性パターンの形成方法。
  24. 前記露光を行う工程において、前記第二のフィルム又は第三のフィルムを剥離し、前記感光性樹脂層にマスクを接触させ露光を行う請求項21又は請求項22に記載の導電性パターンの形成方法。
  25. 前記第一のフィルムの厚みが、50μm以下である請求項21〜請求項24のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  26. 前記第二のフィルムの厚みが、50μm以下であり、かつ前記第三のフィルムの厚みが、50μm以下である請求項21〜請求項25のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  27. 前記第一のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である請求項21〜請求項26のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  28. 前記第二のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下であり、かつ前記第三のフィルムのヘーズ値が、1.0%以下である請求項21〜請求項27のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  29. 前記第一のフィルム、前記第二のフィルム及び前記第三のフィルムの少なくとも一つが、全光線透過率が85%以上の透明フィルムである請求項21〜請求項28のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  30. 前記第一のフィルム、前記第二のフィルム及び前記第三のフィルムがいずれも、絶縁性フィルムである請求項21〜請求項29のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  31. 前記第一のフィルムが、紫外線吸収剤を含む請求項21〜請求項30のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  32. 前記第一の感光性樹脂層及び前記第二の感光性樹脂層がいずれも、ポジ型感光性樹脂層である請求項21〜請求項31のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  33. 前記ポジ型感光性樹脂層が、酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基を有する重合体、及び、光酸発生剤を含む請求項32に記載の導電性パターンの形成方法。
  34. 前記酸の作用により脱保護する保護基で保護された極性基が、酸基がアセタールの形で保護されてなる基である請求項33に記載の導電性パターンの形成方法。
  35. 前記重合体が、下記式A1〜式A3のいずれかで表される構成単位を含む請求項33又は請求項34に記載の導電性パターンの形成方法。
    Figure 2022000684

    式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R11及びR12の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R13は、アルキル基又はアリール基を表す。R14は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。R15は、置換基を表す。nは、0〜4の整数を表す。なお、R11又はR12とR13とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
    式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R21及びR22の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。R21又はR22とR23とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
    式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す。但し、R31及びR32の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基を表す。R33は、アルキル基又はアリール基を表す。R34は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、単結合又は二価の連結基を表す。なお、R31又はR32とR33とは、互いに連結して環状エーテルを形成してもよい。
  36. 前記第一の感光性樹脂層と前記第二の感光性樹脂層とが、同一組成の層である請求項21〜請求項35のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  37. 前記第一の感光性樹脂層及び前記第二の感光性樹脂層の層厚がいずれも、3μm以下である請求項21〜請求項36のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  38. 前記第一の感光性樹脂層及び前記第二の感光性樹脂層の層厚がいずれも、1μm以下である請求項21〜請求項37のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  39. 前記露光を行う工程において、前記第一の感光性樹脂層及び前記第二の感光性樹脂層に対して同時に露光を行う請求項21〜請求項38のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  40. 前記導電性パターンを、スパッタリング法又は蒸着法により形成する請求項21〜請求項39のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  41. 前記導電性パターンを、銀含有インク若しくは銅含有インクの印刷又は塗布により形成する請求項21〜請求項40のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法。
  42. 請求項1〜請求項41のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法を含むメタルメッシュセンサーの製造方法。
  43. 請求項1〜請求項41のいずれか1項に記載の導電性パターンの形成方法により得られた前記導電性パターンを有する前記第一のフィルムに対し、前記第一のフィルム及び前記導電性パターン上にネガ型感光性樹脂層を形成する工程、
    前記第一のフィルム越しに前記ネガ型感光性樹脂層に対し露光を行う工程、
    光を照射された前記ネガ型感光性樹脂層を現像することで、前記第一のフィルム上に樹脂パターンNを形成する工程、及び、
    前記導電性パターンと前記樹脂パターンNとによって画定される領域にパターンMを形成する工程を含む
    構造体の製造方法。
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