JP2022000564A - 鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法、鉄筋コンクリート構造物の施工方法、並びに鉄筋コンクリート打設用型枠 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法、鉄筋コンクリート構造物の施工方法、並びに鉄筋コンクリート打設用型枠 Download PDF

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Abstract

【課題】現場工期の縮小・効率化、狭小地対応、実寸大での細部検討などの特長を有する、プレフォーム工法を提供する。【解決手段】一定厚を有する鋼板の一面側に、四周の端部に縦方向/横方向枠材を取り付け、四周内に縦桟を取り付けて四周が形成される短冊状区画を複数含むように形成し、複数の短冊状区画のそれぞれに必要に応じて単数もしくは複数の横桟を取り付けることで短冊状区画を単数もしくは複数の短冊内分割区画で構成されるようにし、支保材組込型枠構造体を形成する第1のステップと、支保材組込型枠構造体の内の特定の短冊状区画もしくはその一部を脱着可能支保材組込型枠構造体として形成する第2のステップと、第1の支保材組込型枠構造体もしくは第2の支保材組込型枠構造体の一面側と対向する他面側において鉄筋を型枠体と組付け、セパレータ穴を型枠体に穿設することで配筋組付済支保材組込型枠構造体を形成する第3のステップとを具備する。【選択図】図1

Description

本発明はたとえば鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法、鉄筋コンクリート構造物の施工方法、並びに鉄筋コンクリート打設用型枠に関する。
オフィスビル、マンション、住宅等の各種用途に用いられる鉄筋コンクリート構造の建築物を施工するにあたり、これまでは、場所打ちコンクリートとして現場で鉄筋及び型枠を組立ててコンクリートを打設することが一般的であった。しかし、今後、建設業に従事する技術者が減少することが予想されている状況においては、専門技術を有する熟練技術者を長期にわたって拘束することが困難になることが予想される。また、建設現場では、建設工事の生産性の向上が求められるのが常態化している。
すなわち、鉄筋コンクリート構造物の建築においては、たとえば建設現場で鉄筋コンクリート造の壁を構築する場合、2枚の型枠が配置されるべき位置にて囲まれる範囲に鉄筋を配筋した後、一般的には、本製合板のパネル(コンパネ)を当該位置に2枚向かい合わせて配しその間隔をセパレータによって一定に保つことで型枠を構成し、支保工工事(仮設)を行って当該間隔を仮固定するのみならずコンクリート打設時の側圧にも十分耐えられるように手当てした後にコンクリートを打設することが一般的である。
しかしながら、このような一般的な方法では、支保工がコンクリート打設時の側圧・重量等を支えることができねばならないことからかなりの狭小間隔で支保工に係る材料たとえばサポート等を設置しなければならず、現場は足の踏み場もないほど錯綜した状況と化する。さらには、コンクリートの硬化及び養生期間の経過後にこの型枠として用いたパネルやそれを支えていた支保工に係る材料等を撤去する必要がある。このため、当該撤去作業に膨大な人員の手当てが必要となるばかりか、養生期間中は錯綜した環境、撤去時には資材等が入り乱れたさらに錯綜した状況となる。現場での作業が繁雑になるときには、安全性の確保が難しくなる。さらに、これに伴って工事期間(工期)が長くなってしまうものであった。
そこで、型枠材としてコンクリート製パネルすなわちプレキャストコンクリート(PC)板を用い、コンクリートの打設・硬化後にパネル等を撤去せず、そのまま残置(存置)してコンクリート構造物の外壁等と一体化するようにした埋設型枠が提案されている。すなわち、コンクリート製パネル(プレキャストコンクリート板)は、予め工場等のバックヤードで鉄筋コンクリート板を生成しこれを型枠として用いるものである。この埋設型枠は、工場等で予め製作されることから、現場での作業時間の短縮や省人化等による生産性向上が図られると共に、建築施工現場での作業を容易に行えて、工期が短縮させることができる。さらに、木製パネルを用いないため、環境保護の観点からも望ましいものといえる(たとえば、特許文献1乃至4を参照)。
特公昭49−30927号公報 特開昭57−174540号公報 実開平6−1523号公報
ところが、埋設型枠として使用するPC板パネルは、強度の観点から相応の厚さで製作する必要があることから、必然的に相当の重量を有するものとなる。このため、PC板パネルはそれ自体、施工現場への搬入が容易ではない。つまり、人間だけの力では扱うことが不可能であることから、搬出・搬入・楊重等にあたっては、クレーン等の揚重機による必要がある。となると、(反力のためのアウトリガー設置場所を含む)クレーンの設置場所の確保が必要になる。また、PC板パネルを施工現場に首尾よく搬入したとしても、組み立て/据え付けのためには別途クレーン等の揚重機を用いなければならず、畢竟、埋設型枠の運搬や設置等に多くの場所的占有、労力、時間、及びコストを有するものであった。
一方、住宅密集地では、火災が発生した場合に大規模な災害に発展するおそれがある点に鑑みて、木造住宅から耐火性の高いコンクリート構造物へ変更することが火災予防の点からは望ましいが、道幅の狭い住宅密集地においてはクレーンの設置が難しく、PC板埋設型枠の運搬や設置ができない場所/場合もある。
他方、狭小住宅用地に建設する賃貸もしくは分譲住宅の需要の増加に伴い、工期の長期化を回避するための対応や、狭小地・狭隘道路であっても建築可能になるような対応が求められている。
本発明は、上記のような問題点を解決すべく企図されたものであり、現場工期の縮小・効率化、狭小地にも最大限に建てることができ、その工事にあてって錯綜した現場を回避できる、鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法、鉄筋コンクリート構造物の施工方法、並びに鉄筋コンクリート打設用型枠を提供することを目的とする。
本発明者は、現場工期の縮小・効率化、狭小地にも最大限に建てることができることを可能にすべく、実寸大での細部の検討など経たうえで、最終的に、鋼製型枠を工場で製作し、現場に搬入するプレフォーム工法を提供することを着想するに至った。より詳細には、鋼製の型枠パネルユニットを予め工場で製作し、建築施工現場に搬入することで、道幅の狭い住宅密集地でも利用が可能となるばかりか、取り扱いがしやすく、且つ、内外壁面・天面・床面・擁壁等を少ない職人で容易且つ迅速に組み立てることができること、に着眼した。これらはつまり、現場作業を減らすことに繋がるから、現場作業員の必要数の削減を果たすのみならず、作業員が占める物理的場所を低減することにもなる。その際に、支保工/支保梁がなくても/或いは実質的になくても済むこと、さらには、施工現場において埋設型枠同士を跨ぐように後から鉄筋の配筋を可能にすること、工期をさらに短縮できるようにすること、をそれぞれ実現するための方法を具体的解決手段として着想した。
そこで、上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法は、一定厚を有する鋼板の一面側の四周に金属製中空棒状材からなる縦方向枠材及び横方向枠材を取り付け前記四周内の縦方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる縦桟材を複数互いに離隔するように略並行に取り付けて前記縦方向枠材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材もしくは前記縦桟材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材を枠内四周とする短冊状区画を複数含むように形成し、前記複数の短冊状区画のそれぞれの横方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる横桟材を必要に応じて単数もしくは複数取り付けることで、四周の端部に配設された前記金属製中空棒状材と前記鋼板とが略一体化された支保材組込型枠構造体を形成する短冊内分割区画が単数もしくは複数構成されるようにする第1のステップと、第1の前記支保材組込型枠構造体の内の特定の前記短冊状区画もしくは特定の短冊内分割区画を脱着可能支保材組込型枠構造体として形成する第2のステップと、前記第1の支保材組込型枠構造体もしくは第2の前記支保材組込型枠構造体の前記一面側と対向する他面側において鉄筋を配筋し該型枠体と組付けることで配筋組付済支保材組込型枠構造体を形成する第3のステップとを具備する。
上記態様によれば、一定の厚を有する鋼製プレートの外面に一定の厚さ・太さ・(剛性をもった)形状を備えた金属製中空棒状材にて構造力学的に必要な程度の一定ピッチもしくは不定ピッチで縦桟及び/もしくは横桟を四周に備えた支保材組込型枠構造体を型枠として使用するので、配筋作業を含む相当の作業工程までたとえば工場もしくはバックヤードにて先行施工をすることができる。これに加えて、支保材組込型枠構造体が一つの短冊状区画に複数形成され、それぞれの支保材組込型枠構造体がそれ自体でコンクリート打設時の側圧に略抗する剛性を有しているので、現場搬入後コンクリート打設前に、支保工を、木造型枠の場合に比して大幅に減縮する、場合によっては消滅せしめることができる。すなわち、壁面からの側圧は大部分を支保材組込型枠構造体自体で抗することができ、これによって、鉄筋コンクリート打設時/後の側圧に対向する壁型枠支保工に係る仮設工事を略省くことができる。この場合、「支保材組込型枠構造体」とは、従来の型枠を構成する平面体に従来の壁型枠支保工を構成する一部もしくは全部を組み込んで一体化したものであり、たとえば一定厚を有する鋼製プレートの一方側の面に金属製棒状材を四周及び必要なピッチで桟状/井桁状に配設することで各分割区画でみれば四周を金属製中空棒状材による枠構造で緊結されたものにプレート材が張り付いた構造によって実現される。ここで、「金属製中空棒状材」としたのは、一定の剛性を確保するためである。「金属製中空棒状材」は、楊重性を確保して軽量化を図るために中空としたものである。また、ここで、「脱着可能支保材組込型枠構造体」とは、支保材組込型枠構造体の一部たとえば1短冊スパンに係る部分を、取り外しもしくは装着し直しすることを可能な構造にしたものをいう。このように1スパン分を取り外し/復旧可能とすることで、現場に組付けられた後、鉄筋の定着をとる作業をする前に当該1スパン分を取り外し、当該定着作業が完了したときに当該1スパン分を復旧させることが容易に行えるので、現場作業に利便性を提供することができる。
上記の鉄筋コンクリート打設時/後の側圧に対向する壁型枠支保工に係る仮設工事を省くことができる、との効果は単にコスト低減というにとどまらない。すなわち、支保工が存在しないということは、サポート材、パイプ(角パイプ、丸パイプを含む)材、桟木材、根太材等の仮設材が従来物理的に場所を占有していたというプロセス自体がなくなることを意味するから、そのための空間・時間を低減/削減することができることとなり、その分現場作業員の作業の支障が減少し/或いは当該作業自体が消滅し、安全確保性及び作業性が向上する。さらに、これら仮設材の緊結/連結等に使用する釘、番線、ホームタイ(登録商標)等の仮設材が不要となるので、そのためのコストの削減が果たさせるだけでなく、現場の整頓された環境を実現することにもつながる。
上述した課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法は、第1の態様において、施工現場に搬入された複数の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは複数の前記支保材組込型枠構造体をプランに沿って鉄筋コンクリート壁を形成する為の内側壁型枠及び/もしくは外側壁型枠として設置する第4のステップと、前記設置された第1の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体について、前記脱着可能支保材組込型枠構造体を外して得られる開口から、前記第1の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体に係る前記配筋された鉄筋と、前記第1の配筋組付済支保材組込型枠構造体と隣接して設置される第2の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体に係る前記配筋された鉄筋との間で結束もしくは定着を行い、然る後に前記脱着可能支保材組込型枠構造体を前記開口に再び装着する第5のステップと、前記設置された内側壁型枠及び外側壁型枠について互いに連接する前記支保材組込型枠構造体同士を結合することでコンクリート打設前仮設構造体を形成するステップであって、前記コンクリート打設前仮設構造体は前記支保材組込型枠構造体同士が角度をもって突合されることで形成される略L字状隅角部を有する、第6のステップとをさらに具備する。
上記態様によれば、略L字状隅角部が形成されることで、平板上の場合よりもさらに応力度が増大するので、コンクリート等の重量/側圧にもより強力に抗することができる。しかも、建築工事施工現場に配筋組付済支保材組込型枠構造体もしくは支保材組込型枠構造体を搬入した後は、脱着可能支保材組込型枠構造体を外して鉄筋(たとえば横筋)の定着を行うことができ、かかる定着が完了したら脱着可能支保材組込型枠構造体を再び装着することで、壁型枠仮設工事を容易に完了することができる。
本発明の第3の態様として、第1もしくは第2の態様において、前記金属製中空棒状材は角型鋼管であるようにしてもよい。このようにすることで、壁面との取り合いが安定するのみならず、断面角型である形状上、一定のせん断応力度及び曲げ応力度を発揮するから、コンクリート等の重量/側圧にもより強力に抗することに資する。
本発明の第4の態様として、第1〜第3の態様のうちのいずれかの態様において、前記脱着可能支保材組込型枠構造体を前記開口に再び装着する、もしくは前記互いに連接する前記支保材組込型枠構造体同士を結合するについては、互いに隣接する前記金属製中空棒状材について該金属製中空棒状材の側面に穿設された孔に結合具を貫通させて装着もしくは結合するようにしてもよい。かかる態様によれば、たとえば縦桟材が隣立した状態でこの2本の桟材を結合具が貫通するようにして緊結されることから、当該結合箇所は2本の縦桟材による剛性が期待でき、さらに、上記からコンクリート打設時の側圧のかかる方向と略直交する方向に軸方向を有することになる結合具の剪断力をも期待できることになる。よって、コンクリート打設時の側圧にもより抗する力が生成されることになる
本発明の第5の態様として、第1〜4の態様のうちのいずれかの態様において、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の正面から螺子機構を有するセパレータを挿通可能なセパレータ穴を複数穿設するセパレータ孔穿設ステップと、前記支保材組込型枠構造体にセパレータを配設するステップであって、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材、前記内側壁型枠に係る前記鋼板、前記外側壁型枠に係る前記鋼板、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の順で前記セパレータがそれぞれを挿通するように配設ししかる後に前記螺子機構にて前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材に前記セパレータが固定される、セパレータ配設ステップとをさらに具備するようにしてもよい。この態様によれば、セパレータが型枠パネルのみならず、縦桟(もしくは横桟)及び鋼板がセパレータを介して実質的に剛に接続される構造が実現されるから、安定性に資するのみならず、コンクリート打設時にも鉄筋等のずれを生じない構造を実現できる。また、縦桟(もしくは横桟)材に支保材組込型枠構造体に固定的に配設されることで、型枠間の距離が一定に保たれるのみならず、セパレータに鉄筋等を仮止めすることもできる。また、セパレータに一定径を有する材を選択することで、本体仮設材であるセパレータに鉄筋を溶接等して略固定したものとして扱うことができ、セパレータを含めた実質的剛構造を実現することができる。これにより、壁配筋・型枠工事等のコンクリート打設用前段階工程工事を安定化させることに資する。さらに、セパレータを含めた実質的剛構造を形成することから、この単位で現場への搬入を行うことができ、工期の短縮化にさらに資することになる。
本発明の第6の態様として、第2の態様において、前記鋼板及び前記縦桟並びに前記横桟による剛性、前記支保材組込型枠構造体の持つ壁体の付いたラーメン構造としての性質、隣接する前記支保材組込型枠構造体同士が連結される前記結合具の剪断力、前記コンクリート打設前仮設構造体の持つ壁体の付いたラーメン構造としての性質、前記略L字状隅角部が持つ立体的剛性、の組合せによって、コンクリート打設時の側圧に対抗できるように構成されるようにしてもよい。
上記態様によれば、鋼板が一定厚であることからそれ自体で一定の剛性が発揮され、縦桟及び横桟はたとえば鋼材からなるコラム材であるから材質による剛性及び形状からくる剛性が発揮され、支保材組込型枠構造体は鋼製プレートの一面にコラム材の枠体で四周が形成されたものが配設されてなる構造であるから壁体の付いたラーメン構造としての剛性が発揮され、隣接する前記支保材組込型枠構造体同士がたとえば一定径を有する(ボルト締め可能な)芯材によって連結・結合されるからかかる芯材の剪断力による剛性が発揮され、コンクリート打設前仮設構造体は支保材組込型枠構造体が複数緊結されて実質的に一体化されることで略ラーメン構造としての剛性が発揮され、また、(平面視)略L字状隅角部は立体的には出隅部を有しかかる出隅部はトラス構造を内包することから側圧方向の力に対して軸力で対抗することによる一定を剛性を獲得できることとなり、これらの各剛性が組み合わさって、コンクリート打設時の側圧に抗する力を生じることになる。
本発明の第7の態様として、第2の態様において、前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠として設置された複数の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは複数の前記支保材組込型枠構造体の一部はコンクリート打設の後も該コンクリート中に埋め込まれるようにしてもよい。
上記第1〜第6の態様においては、型枠(外壁側型枠、内壁側型枠)は埋設される態様でも、埋設されずコンクリート打設→養生、後に解体・撤去される態様であってもよい。この点で、上記第7の態様によれば、コンクリート打設の後も該コンクリート中に埋め込まれる部分を型枠が持つことから、仮設工事に係る型枠の少なくとも一部を解体する工程が省かれるから、その分工期が短縮される、という効果が奏されるだけでなく、狭小地、たとえば隣地との隙間が極めて限定された距離しか持てないような施工場所においても、外壁側型枠の取り外し工事をなくせることから、一般的には施工不可能な場所であっても施工を行うことができる、という独自の効果を奏することができる。
本発明の第8の態様として、第1〜第7の態様のうちのいずれかの態様において、前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠として設置された複数の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは複数の前記支保材組込型枠構造体の一部に対して外壁仕上げ材を取り付けるステップをさらに具備するようにしてもよい。
ここで、外壁仕上げ材は、外壁の最終態様として露出する態様を表す材であり、各種素材によることができ、セメント製や金属製であってもよい。また、工法として湿式でも乾式でもよく、さらには湿式としての塗り壁・タイル張りであっても、また、乾式としてのサイディングであってもよい。上記態様によれば、仮設段階において仕上げまで組み込んだ型枠とし、かかる型枠を埋め込みとするので、仮設型枠取り外し工程のない、「やりっ放し」型枠工事を実現することができる。これにより、工期が短縮されるだけでなく、労力、材料の削減も実現できる。しかも、外壁仕上げ材を適宜選択することで、多種多様な外壁を仕上げることができる。
本発明の第9の態様として、第1〜第8の態様のうちのいずれかの態様において、前記脱着可能支保材組込型枠構造体は、該脱着可能支保材組込型枠構造体を構成する前記鋼板が前記脱着可能支保材組込型枠構造体を形成しない前記鋼板から別体とされ、前記特定の前記短冊状区画もしくは前記特定の短冊内分割区画を構成する前記枠内四周の第1の前記金属製中空棒状材の内側に別の第2の金属製中空棒状材が略内接して内側四周が形成され、互いに隣接する前記第1の金属製中空棒状材と前記第2の金属製中空棒状材とが複数個所、結合具(緊結具)にて緊結される構造を有するようにしてもよい。
上記態様によれば、脱着可能支保材組込型枠構造体部分がその周囲部分との関係で、二重の周壁を形成することとなるので、脱着可能支保材組込型枠構造体を脱着可能にしつつも十分な剛性を確保することができる。しかも、緊結具を備えさせることにより、脱着の手間を軽減することができる。また、この際に、結合具(緊結具)の軸行方向がコンクリート打設時/後の側圧方向と略直交することから、結合具(緊結具)の剪断力も期待できる。
本発明の第10の態様として、第2〜第9の態様のうちのいずれかの態様において、前記配筋組付済支保材組込型枠構造体(ただし堰板は一方側のみ)及び/もしくは前記支保材組込型枠構造体(ただし堰板は一方側のみ)をスラブ型枠として形成する床板第1のステップと、第1の前記スラブ型枠と前記第1のスラブ型枠に隣接する第2の前記スラブ型枠とを連接し、前記スラブ型枠のうち前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠と係合する箇所について前記スラブ型枠と前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠及び/もしくは前記略L字状隅角部とを連結して全体ラーメン仮設構造体を形成する床板第2のステップと、前記スラブ型枠に配設される鉄筋と前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠に配設される鉄筋との間で定着もしくは連接をとる床板第3のステップとをさらに具備するようにしてもよい。
上記態様によれば、スラブ部分の配筋作業、配筋後の状態、ひいてはコンクリート打設迄の施工作業を安定化することができる。また、スラブ型枠を構成する支保材組込型枠構造体と壁型枠を構成する支保材組込型枠構造体とを一体化することで、全体構造をラーメン構造様剛構造もしくは実質的箱型剛構造とすることができるから、かかる全体構造としてのコンクリート打設時の側圧対抗力を上昇させることができる。
本発明の第11の態様として、第10の態様において、前記スラブ型枠に連接され複数段を構成する鋼板を有する階段型枠を形成する階段第1のステップと、前記階段型枠と前記スラブ型枠とを連結し、必要に応じて前記階段型枠と前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠及び/もしくは前記略L字状隅角部とを連結する階段第2のステップと、前記階段型枠の上側に鉄筋を配筋し、前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠及び/もしくは前記略L字状隅角部及び/もしくは前記スラブ型枠に配設される鉄筋との間で定着もしくは連接をとる階段第3のステップとをさらに具備するようにしてもよい。
上記態様によれば、階段部分の配筋作業、配筋後の状態、ひいてはコンクリート打設迄の施工作業を安定化することができる。また、階段型枠を構成する支保材組込型枠構造体とスラブ型枠を構成する支保材組込型枠構造体と壁型枠を構成する支保材組込型枠構造体とを一体化することで、全体構造をラーメン構造様剛構造もしくは実質的箱型剛構造とすることができるから、かかる全体構造としてのコンクリート打設時の側圧対抗力をさらに上昇させることができる。また、階段型枠が他型枠と上記一体化されることで作業動作に堪え得る一定の剛性を得るので、仮設階段に似た構造体が実現され、仮設工事の際の作業導線の利便性を向上することができる。
本発明の第12の態様として、第1〜第11の態様のうちのいずれかの態様において、前記縦方向枠材、横方向枠材、前記縦桟材、前記横桟材のうち少なくともいずれかは前記鋼板の前記一面に溶接されて取り付けられるようにしてもよい。
上記態様によれば、支保材組込型枠構造体としての剛性を強力に保持することができる。
本発明の第13の態様として、第5の態様において、前記鉄筋と前記セパレータとが仮結合され、及び/もしくは、前記鉄筋と前記セパレータとが互いに溶接され、或いは第1の前記セパレータと第2の前記セパレータとが互いを介在する部材に溶接されるようにしてもよい。
上記態様によれば、配筋された鉄筋のずれを減少させる、もしくは略なくすことができる。
上述した課題を解決するために、本発明の第14の態様に係る鉄筋コンクリート構造物の施工方法は、第1〜第13の態様のうちのいずれかの態様に係る鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法によって得られた前記コンクリート打設前仮設構造体に対して、コンクリートを打設するステップをさらに有して構成される。
上記態様によれば、上記態様によるコンクリート打設前仮設構造体は略(工場を含む)バックヤードにて事前に形成することができ、現場施工作業を最小化でき、そのため、工期の大幅短縮を実現できる。さらに、現場作業を最小化できることから、異種作業もしくは同種作業同士の取り合い工事或いは錯綜作業を極端に減縮でき、これにより安全性を向上させることができる。
上述した課題を解決するために、本発明の第15の態様に係る鉄筋コンクリート打設用型枠は、一定厚を有する鋼板の一面側に、四周の端部に金属製中空棒状材からなる縦方向枠材及び横方向枠材を有し、前記四周内の縦方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる縦桟材が複数互いに離隔するように略並行に取り付けられて前記縦方向枠材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材もしくは前記縦桟材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材を枠内四周とする短冊状区画を複数含むように形成され、前記複数の短冊状区画のそれぞれの横方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる横桟材が必要に応じて単数もしくは複数取り付けられることで単数もしくは複数の短冊内分割区画が構成され、前記短冊内分割区画の四周の端部に配設された前記金属製中空棒状材と前記鋼板とが略一体化された支保材組込型枠構造体と、第1の前記支保材組込型枠構造体の内の特定の前記短冊状区画もしくはその一部が有する脱着可能支保材組込型枠構造体とを具備して構成される。
上記態様によれば、工期を大幅に短縮できるバックヤード作業に適した鉄筋コンクリート打設用型枠であって、楊重及び/もしくは搬出・搬入に便宜であるだけでなく、コンクリート打設時においても支保工を実質的に不要とする型枠が実現できる。
本発明の第16の態様として、第15の態様において、前記鋼板及び前記縦桟並びに前記横桟による剛性、前記支保材組込型枠構造体の持つ壁体の付いたラーメン構造もしくは実質的箱型剛構造としての性質、のうちの少なくともいずれかがコンクリート打設時の側圧の一部に対抗できるように構成されるようにしてもよい。
上記態様によれば、鋼板が一定厚であることからそれ自体で一定の剛性が発揮され、縦桟及び横桟はたとえば鋼材からなるコラム材であるから材質による剛性及び形状からくる剛性が発揮され、支保材組込型枠構造体は鋼製プレートの一面にコラム材の枠体で四周が形成されたものが配設されてなる構造であるからラーメン構造もしくは実質的箱型剛構造としての剛性が発揮されることとなり、これらの各剛性が組み合わさって、コンクリート打設時の側圧に抗する力を生じることになる。
本発明の第17の態様として、第15もしくは第16の態様において、前記金属製中空棒状材は角型鋼管であるようにしてもよい。このようにすることで、壁面との取り合いが安定するのみならず、断面角型である形状上、一定のせん断応力度及び曲げ応力度を発揮するから、コンクリート等の重量/側圧にもより強力に抗することに資する。
本発明の第18の態様として、第15〜第17の態様のうちのいずれかの態様において、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の正面にセパレータを挿通可能なセパレータ穴が複数穿設され、前記セパレータは螺子機構付セパレータであり、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材、前記内側壁型枠に係る前記鋼板、前記外側壁型枠に係る前記鋼板、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材を前記セパレータが挿通するように配設され前記螺子機構にて前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材に前記セパレータが固定されるようにしてもよい。
この態様によれば、セパレータが型枠パネルのみならず、縦桟(もしくは横桟)材に支保材組込型枠構造体に固定的に配設されることで、型枠間の距離が一定に保たれるのみならず、セパレータに鉄筋等を仮止めすることもできる。また、セパレータに一定径を有する材を選択することで、本体仮説材であるセパレータに鉄筋を溶接等して略固定したものとして扱うことができ、セパレータを含めた略剛構造を実現することができる。これにより、壁配筋・型枠工事等のコンクリート打設用前段階工程工事を安定化させることに資する。
本発明の第19の態様として、第15〜第18の態様のうちのいずれかの態様において、前記脱着可能支保材組込型枠構造体は、前記特定の前記短冊状区画を構成する前記枠内四周の第1の前記金属製中空棒状材の内側に略内接して取り付けられる第2の金属製中空棒状材を備え、互いに隣接する前記第1の金属製中空棒状材と前記第2の金属製中空棒状材とが複数個所緊結具にて緊結される構造を有するようにしてもよい。
上記態様によれば、脱着可能支保材組込型枠構造体部分がその周囲部分との関係で、二重の周壁を形成することとなるので、脱着可能支保材組込型枠構造体を脱着可能にしつつも十分な剛性を確保することができる。しかも、緊結具を備えさせることにより、脱着の手間を軽減することができる。
なお、別の態様として、下記の技術思想も本願に包摂することができる。すなわち、本発明の別の第1の態様に係るプレフォーム工法は、鋼製型枠用プレートの外面に枠組を配設して井桁桟組鋼製型枠を形成する第1のステップと、前記井桁桟組鋼製型枠体に壁配筋し必要な設備スリーブを設置する第2のステップと、第1もしくは第2の前記井桁桟組鋼製型枠に穿設されたセパレータ孔からセパレータを前記第1もしくは第2の井桁桟組鋼製型枠間に挿通し第1及び第2の前記井桁桟組鋼製型枠を対にて対向立設するとともに前記壁配筋は前記セパレータに適宜仮固定して前記第1及び第2の井桁桟組鋼製型枠並びに前記セパレータを自立性を有した仮設構造体として一体化した井桁桟組鋼製型枠体を形成する第3のステップと、前記井桁桟組鋼製型枠体において、内壁面側に取り外し可能スパンを設定し当該スパンを係止具にて係止する第4のステップと、前記井桁桟組鋼製型枠体を制作された場所から搬出して現場に搬入して所定場所に設置する第5のステップと、前記係止具を取り外すことで前記取り外し可能スパン部分を開放したところから横筋の定着をとって横方向を固定したうえで、前記取り外し可能スパン部分を閉じて前記係止具にて係止する第6のステップと、コンクリートを打設する第7のステップとを具備する。
このようにすると、一定の厚を有する鋼製プレートの外面に一定の厚さ・太さを備えたたとえば鋼材コラムにて一定ピッチの縦桟もしくは横桟もしくは桟を井桁状に組んだものが配設された(たとえば鋼製プレートに溶接された)鋼製型枠を型枠として使用するので、配筋作業を含む相当の作業工程までたとえば工場もしくはバックヤードにて先行施工をすることができるのみならず、現場搬入後コンクリート打設前に、支保工を、木造型枠の場合に比して大幅に減縮することができる。場合によっては、壁面からの側圧はすべて型枠自体で吸収させることができ、これによって、側圧に対向する支保工に係る仮設工事を省くことができる。
本発明の別の第2の態様として、別の第1の態様において、階段部分について鋼製型枠プレート配置して配筋する階段施工ステップと、上階スラブ部分を鋼製型枠プレート配置して配筋する上階スラブ施工ステップとをさらに具備するようにしてもよい。
そのようにすると、複層階の施工においても、上記メリットを享受することができる。
本発明の別の第3の態様として、別の第2の態様において、前記上階スラブ施工ステップにおいては、トラス部材を導入して床配筋と適宜接合するようにしてもよい。
そのようにすると、トラス部材がたとえば横方向のスラブ筋と直交する方向もしくは並行する方向に配されることでスラブ筋と緊結することができるので、スラブ部分の配筋作業、配筋後の状態、ひいてはコンクリート打設迄の施工作業を安定化させることができる。
また一実施態様としては、工場内で予め所定区画に間仕切られた躯体を形成すべく、セパレータを介して互いに離間距離をおいて設置する複数の外側堰板と内側堰板との接合によりプレフォーム組立構成体を形成しておき、プレフォーム組立構成体を建設施工現場に搬送することを特徴とする。
また別の一実施態様としては、上記一実施態様において、工場内で予め所定区画に間仕切られた鉄筋コンクリート躯体を形成すべく、前記セパレータを介して互いに離間距離をおいて設置する前記外側堰板と前記内側堰板との複数の壁用埋設型枠に分割形成しておき、スラブ上で前記壁用埋設型枠同士を接合し組付けることで前記プレフォーム組立構成体となし、前記プレフォーム組立構成体を建設施工現場に搬送することで、前記所定区画に間仕切りを構成した躯体構築用構造体としてもよい。
さらに別の一実施態様としては、施工した鉄筋を挟むように、前記セパレータを介して互いに離間距離をおいて配される前記複数の外側堰板と前記複数の内側堰板とを設置して前記プレフォーム組立構成体を形成し、前記プレフォーム組立構成体を建設施工現場に搬送することで、前記プレフォーム組立構成体の内側にコンクリートを打設し、養生後には前記内側堰板の表面に内装材を張り付け、前記外側堰板の表面に外装材を貼り付けることを特徴とすることができる。
また別の一実施態様として、上記態様において、前記壁用埋設型枠を構成する前記外側堰板と前記内側堰板との各外面には、縦方向に角筒状の支柱が配され、この支柱を介して前記セパレータが配されるようにしてもよい。
さらに別の一実施態様としては、上記態様において、前記外側堰板と前記内側堰板との各外面には部分的に開口可能とする枠蓋手段が設けられ、前記壁用埋設型枠同士を跨ぐように後から枠蓋手段を開けて略U字型の連結用鉄筋の配筋を可能にしてもよい。
また別の一実施態様としては、上記態様において、前記鉄筋には、前記外側堰板と前記内側堰板とを任意の間隔で保持した状態でコンクリートを打設するよう略円板形状のスペーサ部材の中心部が取り付けられているようにしてもよい。
さらに別の一実施態様としては、上記態様において、鋼製取っ手の長手方向両端に鋼棒を突設し、一端の鋼棒は他端の鋼棒よりも長く、長い前記鋼棒の先端には取っ手と平行に差し込み鋼棒を備えたクランプ部材の前記差し込み鋼棒を、隣接する前記壁用埋設型枠の縦方向の前記支柱同士にかけて形成した横孔に通し、前記鋼製取っ手を前記壁用埋設型枠側に強打することで左右の長短の前記鋼棒で前記支柱同士を挟持したようにしてもよい。
また別の一実施態様としては、上記態様において、前記プレフォーム組立構成体を形成するスラブ部分に係るプレフォーム組立構成体の床版パネル上に、たとえばスペーサーを介して下筋が敷設され、その上側にトラス型(ラチス筋)の斜材を介して、上筋が、たとえば前記下筋に垂直に取付けられたボルトの上端に固定されてなる床版用埋設型枠が取り付けられるようにしてもよい。
さらに別の一実施態様としては、上記態様において、外側堰板の支柱の上下端には、他面側上枠及び他面側下枠を有し、その長さが、内側堰板の支柱の上下端に有する一面側上枠又は一面側下枠より長く、前記外側堰板は、その幅が、前記内側堰板より大きいようにしてもよい。
また別の一実施態様としては、上記態様において、前記外壁側支柱は、前記内壁側支柱より長く、前記外側堰板は、前記内壁堰板より長いようにしてもよい。
さらに別の一実施態様としては、上記態様において、前記建設施工現場において、支保工/支保梁を省くようにしてもよい。
本発明の各態様によれば、一定の厚を有する鋼製プレートの外面に一定の厚さ・太さを備えたたとえば鋼材コラムにて一定ピッチの縦桟もしくは横桟もしくは桟を井桁状に組んでものが配設された鋼製型枠を型枠として使用するので、配筋作業を含む相当の作業工程までたとえば工場もしくはバックヤードにて先行施工をすることができるのみならず、現場搬入後コンクリート打設前に、支保工を、木造型枠の場合に比して大幅に減縮することができる。場合によっては、壁面からの側圧はすべて型枠自体で吸収させることができ、これによって、側圧に対向する支保工に係る仮設工事を省くことができる。
これに加えて、現場工期の縮小・効率化を図れる、狭小地にも最大限対応できる、という独特の効果を奏する。
また、鋼製の型枠パネルユニットを予め工場で製作し、建設施工現場に搬入することで、道幅の狭い住宅密集地でも利用が可能な、狭小現場であっても取り扱いがしやすい鉄筋コンクリート工事用仮設工事が実現される。且つ、支保工/支保梁もなくて済むことから、内外壁面・天面・床面・擁壁等を少ない職人で容易且つ迅速に組み立てることができ、さらに、施工現場において、埋設型枠同士を跨ぐように後から鉄筋の配筋を可能にし、コンクリート構造物の角部や間仕切り端部、上下階境目部、コンクリート打ち継ぎ部等において、一体性を高度に有する、鉄筋コンクリート構造施工用仮設物の構築を可能とし、工期も短縮できる埋設型枠によるプレフォーム工法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る組付け後のプレフォーム組立構成体の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るプレフォーム組立構成体の平面図である。 本発明の一実施形態に係る外側堰板または内側堰板を外側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠の拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る、(a)は壁用埋設型枠の正面図、(b)は壁用埋設枠蓋付型枠の正面図である。 本発明の一実施形態に係る、(a)は壁用埋設型枠の平面図、(b)は図5(a)のB−B断面図、(c)は壁用埋設型枠の側面図である。 本発明の一実施形態に係る、(a)は幅サイズの短い壁用埋設型枠の平面図、(b)は図6(a)のA−A断面図、(c)は壁用埋設型枠の背面図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠内側のセパレータの周辺を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠内側のスペーサ部材の周辺を示す側方から見た断面図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠内側に配した横筋同士を接続する連結用鉄筋の周辺を上方から見た段面図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠の縦方向の支柱同士を接合するクランプ部材を示し、(a)はクランプ部材を横孔に差し込む前の状態の斜視図、(b)はクランプ部材を横孔に差し込んだ状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る、(a)は床版用埋設型枠の側面図、(b)は要部の拡大された側面図、(c)は要部の拡大された正面図である。 本発明の一実施形態に係る床版用埋設型枠を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る壁用埋設型枠と床版用埋設型枠とを組み合わせる状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る第一の壁用埋設改良型枠を示す斜視図である。 図16に示す第一の壁用埋設改良型枠を示す内面図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の角接合部において、第一の壁用埋設改良型枠を二つ用いて組み合わせた状態を部分的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の間仕切り端接合部において、第一の壁用埋設改良型枠を二つ、及び壁用埋設基本型枠を用いて組み合わせた状態を部分的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る第二の壁用埋設改良型枠を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の上下階接合部において、本発明に係る第二の壁用埋設改良型枠と、床版用埋設型枠との組み合わせ状態を部分的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の上下階接合部において、本発明に係る第二の壁用埋設改良型枠と、床版用埋設型枠とを組み合わせた後に、コンクリートを打設する状態を部分的に示す側面図である。 本発明の別の一実施形態を説明する図であって、壁用型枠と床との納まり部分を詳細に示す概念的断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るプレフォーム工法について詳細に説明する。
本実施形態のプレフォーム工法は、図1〜図22に順に示されるように進行するが、工程が必ずしもこのとおりでなくてもよく、工程によっては順序を入れ替えることが可能である。
本発明の一実施形態に係るプレフォーム工法に用いられる型枠は、工場で予め制作された埋設型枠であって、現場搬入が容易であって、コンクリート断面の構造部材の一部を形成する、いわば仮設物である型枠が本設物である鉄筋コンクリート躯体の一部を構成する構造部材型埋設型枠であるともいえる。
一般に鉄筋コンクリート構造は、鉄筋配筋・型枠の設置・支保工仮設・コンクリート打設・型枠及び支保工の解体、と現場での作業が煩雑であるとともに、コンクリートの硬化及び養生期間の経過、型枠の解体を待つ必要があり、工事期間が木造・S造に比較して長期化してしまう。
そこで、プレキャストコンクリート工法が提案されており、現場作業の短縮や、省人化に伴う生産性の向上が図られている。しかしながら、コンクリート製のパネルは相当な重量を持つため、施工現場への搬入が容易ではなく、現場に搬入されてもクレーンなどの揚重機を用いなければ組み立てることはできず、狭小地において最大限に敷地を生かすための施工ができない点は上述した通りである。
本発明の一実施形態に係るプレフォーム工法は、上記に鑑みて、道幅の狭い住宅密集地でも利用が可能であって、取り扱いがしやすく、かつコンクリートの一体性の高いコンクリート構造物とすることができる工法として、本発明者が上述のとおりの種々試行錯誤を経て発案したものである。
具体的には、本発明の一実施形態に係るプレフォーム工法は、次の順序にしたがって実施される。
1 鋼製型枠用プレート(一定厚を有する鋼板)の外面に枠組(縦方向枠材及び横方向枠材)を配設して井桁桟組鋼製型枠の原型(支保材組込型枠構造体の原型)形成
2 井桁桟組鋼製型枠の原型(支保材組込型枠構造体の原型)内に縦桟、横桟を構造力学的必要に応じた位置に単数もしくは複数取付溶接することで井桁桟組鋼製型枠(支保材組込型枠構造体)形成
3 井桁桟組鋼製型枠を対にて対向立設してセパレータ配設
4 井桁桟組鋼製型枠体を適宜自立性仮設構造体として仮配置
5 内装検討
6 この折もしくは上記1〜5のいずれかのステップにおいて、取り外し可能スパン(脱着可能支保材組込型枠構造体)を形成し当該スパンを係止具して係止
7 壁配筋及び設備スリーブ等設置:配筋はセパレータに仮固定し現場搬入に際しては一体的構造物化する
8 階段部分について鋼製型枠プレートもしくは井桁桟組鋼製型枠(支保材組込型枠構造体)を配置して配筋
9 上階スラブ部分として井桁桟組鋼製型枠(支保材組込型枠構造体)配置して配筋、この際にはトラス施工
10 適宜分解単位を設定して当該分解単位ごとに搬出:この際には、当該分解単位に可能な限り平面視略L字状部分を含むことが好ましい
11 現場搬入・設置
12 取り外し可能スパン部分にて横筋を導入、定着をとって横方向固定
13 コンクリート打設:この際には、好適には、型枠叩き、内側型枠―外側型枠内にバイブレーター等使用する
上記は一例にすぎないものであり、たとえば、井桁桟組鋼製型枠体を適宜自立性仮設構造体として仮配置するステップ(上記の4)の前に配筋のステップ(上記の7)を入れてもいいし、或いは、型枠形成のステップ(上記の1〜3)と配筋のステップ(上記の7)とを並行作業として進め、両者をドッキングした後に井桁桟組鋼製型枠体を適宜自立性仮設構造体として仮配置するステップ(上記の4)を入れるようにしてもよい。なお、外装仕上げによっては、上記型枠の外槽側内面に、たとえばサイディング材(たとえばレンガ調の仕上げ材)を張り込んでもよい。
<実施例>
次に、本発明に係る壁用埋設型枠と床版用埋設型枠の実施例について、図面に基づき説明する。本実施例に係る壁用埋設型枠及び床版用埋設型枠は、予め工場等で制作し、施工現場で並べて組み立て緊結・接合した後、施工現場にてコンクリートを打設することによってコンクリート構造物を建築するものである。ゆえに、その大きさ及び形状は特定されず、設計されたコンクリート構造物に応じて、適宜大きさ及び形状をした複数の型枠を準備しておくものとする。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態及び/もしくは実施例に限られるものではない。
本実施形態に係るプレフォーム工法は、図3、図4、図5に示すように、壁が形成される位置に配筋される(縦横方向がたとえばダブル配筋される)鉄筋、及びセパレータ17を介して互いに離間距離をおいて設置される鋼製型枠用プレートである複数の外側堰板16と内側堰板15との接合によりプレフォーム組立構成体(井桁桟組鋼製型枠体)5を形成しておき、プレフォーム組立構成体を建設施工現場に搬送し、図1、図2に示すように、所定区画に間仕切りを形成した躯体構築用構造体(もしくは実質的箱構造体)Pとするものである。図3に示されるように、一つのプレフォーム組立構成体(井桁桟組鋼製型枠体)5をとった場合、外側面は四周に、枠材すなわち上側横桟81、下側横桟82、左側縦桟12(11)、右側縦桟12(11)が取り付けられて形成される。以下では、躯体とは、コンクリート打設が完了し所定の養生を経て鉄筋コンクリートとして完成した構造体をいうものとする。
あるいは、図3、図4、図5に示すように、セパレータ17を介して互いに離間距離をおいて設置する外側堰板16と内側堰板15との複数の壁用埋設型枠10に分割形成しておき、図1、図2に示すように、先ず縦筋・横筋等の鉄筋4を張り巡らして、壁用埋設型枠10同士を接合し組付けることでプレフォーム組立構成体(井桁桟組鋼製型枠体)5となし、建設施工現場にこれらプレフォーム組立構成体5を搬送し、前記した所定区画に間仕切りを構成した躯体構築用構造体Pとするものである。
図4乃至図9に示すように、本実施形態における壁用埋設型枠10は、鉄筋コンクリート構造物において壁を構成する一面側に配される複数の支柱11(以下、「内壁側支柱」という)と、同壁を構成する他面側に配される複数の支柱12(以下、「外壁側支柱」という)と、一対の堰板15、16と、複数のセパレータ17と、を少なくとも備えることにより構成される。セパレータ17は、打設されるコンクリートの側圧に対する構造材とはいえないまでも、径を選択することにより少なくとも当該側圧に対する補強材としての機能を有している。
内壁側支柱11及び外壁側支柱12は、中空の長尺筒状体であって、たとえば、一辺の寸法が25mm角をした、長さ2600mm、厚さ1.3mmの鋼製の角パイプとすることができる。
内壁側支柱11は、一方の平面11a,12a(外面)に第1の開口111,121を長手方向に沿って複数有すると共に、他方の平面11b,12b(内面)に第2の開口112,122を長手方向に沿って複数有し、外壁側支柱12は、一方の平面11a,12a(外面)に第1の開口111,121を長手方向に沿って複数有すると共に、他方の平面11b,12b(内面)に第2の開口112,122を長手方向に沿って複数有する。
第1の開口111,121は、セパレータ17を固定する締結部材171の支柱11,12内部への挿入を可能とすると共に、当該締結部材171の工具を用いた締緩作業を可能とするよう、たとえば直径19mmの大きさであり、第2の開口112,122は、セパレータ17の挿通を可能とするよう、たとえば直径9mmの大きさとすることができる。
セパレータ17は、少なくとも一方の端部側及び他方の端部側の各外周面に沿って螺旋状のねじ山を有する、たとえば直径8mm、長さ230mmをした丸棒状体とすることができる。ナットと称される締結部材171が、内壁側支柱11及び外壁側支柱12のそれぞれをたとえば挟み込むような形態で(図5)セパレータ17にそれぞれ取付けられる。
締結部材171は、セパレータ17の外周面に沿って備えられるねじ山と螺合可能なねじ溝を有する。また、セパレータ17は、締結部材171の締緩動作によって互いに対向する内壁側支柱11と外壁側支柱12との間隔の調整を可能とするものであり、内壁側支柱11及び外壁側支柱12の長手方向に沿ってそれぞれ適宜間隔を設けて配されている。
一対の堰板15,16は、複数の内壁側支柱11及び外壁側支柱12に沿ってそれぞれ配される平板体であって、たとえば亜鉛メッキが施された高さ2700mm、幅910mm、厚さ0.4mmの薄鋼板とすることができる。すなわち、一方の堰板16が複数の外壁側支柱12に沿って配され、他方の堰板15が複数の内壁側支柱11に沿って配されたものとなっている。
これらの堰板15,16には、好適には、セパレータ17の挿通を可能とする直径10mm程度のセパ孔151又は161が、セパレータ17の架橋取付け位置に対応するようにそれぞれ複数設けられており、セパレータ17が内壁側支柱11と外壁側支柱12との間に堰板15,16を架橋して配されることで、一対の堰板15,16の間にコンクリートを打設するために形成される空間の間隔を保持する。なお、セパレータ用孔(「セパ孔」ともいう。)151又は161は、例えば縦200mm間隔、横295mm間隔に設けるものとすることができる。
セパレータ17は、支柱11,12の外部(すなわち、堰板15,16の他面側)に配された締結部材171と、支柱11,12の内部に配された締結部材15,16との締め付けによって、内壁側支柱11又は外壁側支柱12にそれぞれ取り付けられる。すなわち、図においてセパレータ17は、一例として、二つの締結部材171,171を用いた、いわゆるダブルナットによって、堰板15,16を挟み込むようにして内壁側支柱11又は外壁側支柱12にそれぞれ取り付けられたものとして示されている。
建設施工現場において、プレフォーム組立構成体5の内側すなわち二枚の堰板15,16で囲まれるエリアにコンクリートが打設される。このとき、図11に示すように、壁用埋設型枠10同士を跨ぐように後から略U字型の連結用鉄筋9の配筋を可能にし、コンクリート構造物の角部や間仕切り端部、上下階境目部(第1パネルと当該第1パネルに隣接する第2パネルとの接合部分)の接合において、構造力学的に断絶の無い一体型のコンクリート構造物の建築を可能とする。コンクリートが打設され養生された後には、内側堰板15を取り外さない場合には、そのまま内側堰板15の表面から内壁側支柱11を介して内装ボード材等の内壁材を張り付けることも可能である。また、養生後には、外側堰板16を取り外さない場合には、そのまま外側堰板16の方は外壁側支柱12を介して、外装材としてのたとえばサイディング材を貼り付けることも可能である。
すなわち、複数の壁用埋設型枠10を施工現場に搬入し、設計に合わせて並べて互いに連結することにより組み立て、一方の堰板15と他方の堰板16との間の空間内にコンクリートを打設してコンクリート構造物における壁を建築することができる。この際、壁用埋設型枠10同士の互いの連結は、一方の壁用埋設型枠10の外枠・縦桟と他方の壁用埋設型枠10の外枠・縦桟とを横並びに接するように林立させ、こうした状態で2本の縦桟を、たとえば後述するような緊結具にて緊結することで、仮設構造体としての剛性をより強固に確保することができる。コンクリート打設を含む本設的には、内側堰板15と内壁側支柱11との結合体の持つ剛性又は外側堰板16と外壁側支柱12との結合体の持つ剛性が、壁用埋設型枠10同士の互いの連結を保持するための力を与えるだけでなく、上記の隣立する2本の縦桟が緊結具にて緊結されることによる剪断力も上記保持する力を与えることに資する。
そして、本実施形態において壁用埋設型枠10は、上述のとおり、外側堰板16の方は外壁側支柱12を介して、たとえば外装材としてのサイディング材を貼り付けるものとすることができる。サイディング材は、たとえば、ビスを用いて外壁側支柱12に固定して取り付けることができるので、一旦取り付けた後であっても、他の外装材に貼り換えることができる。この際、外壁側支柱12にサイディング材を取り付けることで、外壁側支柱12における一方の平面側に取り付けられた堰板16との間に、空気による断熱層が形成されたものとすることも可能である。
さらに、本実施形態において壁用埋設型枠10は、内壁側支柱11における他方の平面側に内壁側支柱11を介して、下地板材としてのプラスターボード(又は石膏ボード)を貼り付けるものとすることができる。プラスターボードは、サイディング材と同様に、たとえば、ビスを用いて内壁側支柱11に固定して取り付けることができる。
この際、内壁側支柱11にプラスターボードを取り付けることで、内壁側支柱11における一方の平面側に取り付けられた堰板15との間に、空気による断熱層が形成されたものとすることも可能である。ゆえに、内壁側支柱11における一方の平面側に取り付けられるプラスターボードと、内壁側支柱11における一方の平面側に取り付けられた堰板15との間に、内断熱層を構成する断熱材をさらに吹き付けるものとしても良い。
前述したように、外側堰板16及び内側堰板15は、図6(A)に示すように、打設されるコンクリートの側圧に対する補強のため、それら外面縦方向に、角筒状の支柱11,12が配されている。この支柱11,12は、壁用埋設型枠10の左右縁部に設けられている。また、縦方向の支柱11,12を跨ぐように、各筒状の横桟8A,8Bが複数段に設けられている。そして、図6(B)に示すように、内側堰板15の横端の一部に枠蓋110(取り外し可能スパン)が形成された壁用埋設枠蓋付型枠100となっており、この枠蓋110は後述するクランプ部材(係止具/緊結具)の脱去により取り外せられるようになっている。
この壁用埋設枠蓋付型枠100は、一面側もしくは他面側において、部分的に開口可能とする枠蓋機能が設けられたものとなっている。すなわち、壁用埋設枠蓋付型枠100は、その内部において鉄筋の配筋作業を可能とする領域を確保するための構造を一面側もしくは他面側に備えている。以下、枠蓋機能の説明を容易にするため、一面側に枠蓋機能が設けられた場合を例に述べる。したがつて、枠蓋機能は他面側に設けられたものであっても良い。
この枠蓋機能(取り外し可能スパン)は、たとえば、複数の内壁側支柱11・・11に沿って一面的に配された堰板15の一部を切欠するようにして設けることができる。具体的には、壁用埋設枠蓋付型枠100の一面側の一部として、二本の内壁側支柱11,11に内挿されるように、配される二本の内壁側支柱11A,11Aと、内壁側支柱11の上側横桟81(図3参照)に内挿されるように配される内壁側上枠13aと、内壁側支柱11の下側横桟82(図3参照)に内挿されるように配される内壁側下枠14aとが板材の一面側(支柱11が取り付けられた側)に取り付けられることで形成された領域を切欠することで形成された開口114と、この開口114に嵌入可能な枠蓋110とを備えて構成されたものとすることができる。すなわち、内壁側支柱11と内壁側支柱11Aとが互いに隣接して樹立することで2重支柱構造をなし、上側横桟81と内壁側上枠13aとが互いに隣接して横架されることで2重横架材をなし、内壁側下枠14aと下側横桟82とが互いに隣接して横架されることで2重横架材をなしている。このときには、なお、上記及び以下では内壁側について取り外し可能スパンを説明しているが、取り外し可能スパンは外壁側に同様な考え方に沿って設けられてもよい。
この開口114は、高さが、内壁側支柱11の長さと等しい2650mm、幅が、内壁側支柱11が配される間隔と等しい270mm、からそれぞれクリアランス分の若干の寸法を加えたものとなっている。また、開口114は、壁用理設枠蓋付型枠100の一面側において何れの位置に設けられるものであっても良いが、隣接する埋設型枠同士の接続を容易にするため、壁用理設枠蓋付型枠100の隣接方向の端(すなわち、隣接する埋設型枠寄り)に設けるものとすると望ましい。
枠蓋110は、開口114に嵌入される大きさいっぱいの四周辺を占める内枠113と、この内枠113に取り付けられた堰板115とが接合されて構成されたものとなっている。内枠113は、上述したように、内壁側上枠13a、内壁側支柱11A、内壁側下枠14a、内壁側支柱11Aで四周が形成されている。この枠蓋110は、開口114に嵌入可能なものであるから、具体的には、高さ2650mm弱、幅270mm弱となっている。また、それ自体は図示しないが、内壁側上枠13aはそれが内挿される上側横桟81とたとえばボルト等の緊結具によって強固に接合される。なお、図12は異なる部材についての接合の態様を示すが、図12に示すのと同様の態様をここで用いてもよい。同様に、内壁側下枠14aはそれが内挿される下側横桟82とが、すなわち2重横架材をなすそれぞれが、或いは内壁側支柱11Aはそれが内挿される(隣接する)支柱11とが、すなわち2重支柱構造をなすそれぞれが、たとえばボルト等の緊結具によって強固に接合される。この点は、2重横架材をなす上側横桟81と内壁側上枠13aとについても同様である。このように、開口114の箇所は、当該開口114に嵌合する枠蓋110部分について、縦桟(支柱)や横桟がいわばダブル(二重)構造で画されることとなるので、より強固な剛性が確保される。
この堰板115は、堰板15の一部を効率良く用いるものとすることができる。すなわち、複数の内壁側支柱11・・11に沿って取り付けられた堰板15は、壁用埋設枠蓋付型枠100の一面側に形成される開口114に対応する位置において、開口114に相当する大きさと略同様の大きさ分だけ、その一部が切欠されたものとなっている。ゆえに、枠蓋110においては、この切欠された堰板15の一部を、内枠113に取り付けられる堰板115として用いるものとすると良い。
なお、枠蓋110は、開口114を形成する内壁側支柱11や内壁側上枠13a又は内壁側下枠14aに対して、溶接されて固定される。代替的に、壁用埋設枠蓋付型枠100本体から無間に外れないように固定することができるのであれば、たとえば、ボルトを用いて緊締することであってもよい。
図12(A)(B)に示すように、隣接する壁用埋設型枠10同士は鋼製のクランプ部材24を使って接続する。すなわち、クランプ部材24は、鋼製取っ手25aの長手方向両端に鋼棒25a,25cを突設し、一端の鋼棒25cは他端の鋼棒25bよりも長く、長い鋼棒25cの先端には鋼製取っ手25aと略平行に差し込み鋼棒25dを備えている。
そして、隣接する壁用埋設型枠10の接合部には縦方向の支柱12(11)が隣接し、これら支柱12(11)同士にかけて横孔26が形成され、この2本分の横孔26にクランプ部材24(係止具)の差し込み鋼棒25dを通す。そして、鋼製取っ手25aを壁用埋設型枠10側に強打することで左右の長短の鋼棒25a,25cで支柱12(11)同士を挟持すると共に横孔26に挿通される鋼棒25dの剪断力によってずれが抑制され固定される。これにより隣接する壁用埋設型枠10同士は強固に接続される。
図9に示すように、プレフォーム組立構成体5を形成する複数の壁用埋設型枠10の各内側には、縦筋41・横筋42等の鉄筋4が配筋されてあり、図11に示すように、隣接する壁用埋設型枠10の各縦筋同士を抱き込むようにして保持する上記した略U字型の連結用鉄筋9を備え、連結用鉄筋9と縦筋41とがその交点箇所において結束されている。互いに平行配置されて連結用鉄筋9と横筋42とが所々で結束されてもよい。
図8(A)乃至図8(C)は、横幅の狭い壁用埋設型枠10′の一例であり、その構成は図7(A)乃至図7(C)の場合と同様である。図9に示すように、セパレータ17の先端にはネジ穴が形成され、このネジ穴部分にはゴム管23を介して中央にフランジ21を有する棒ネジの一端がねじ込まれて、ゴム管23はフランジ21によって圧縮された状態となっている。そして、コンクリート打設後には、養生したコンクリートの表面から棒ネジ22の他端が露呈するような状態となる。この他端の棒ネジ22に対して必要に応じて締結具を取り付けることにより、予め工場内で形成した化粧用の外装材を取り付けることが可能となる。
また、図10に示すように、壁用埋設型枠10の内側に配した鉄筋4たとえば横筋42には、外側堰板16と内側堰板15とを所定の間隔でたとえば円盤状のスペーサ部材23が取り付けられ、打設されるコンクリートの外面に対して、鉄筋が所定のかぶり厚を確保できるようにしてある。なお、スペーサは縦筋41に取りつけられてもよい。また、当然のことであるが、縦筋41及び横筋42は、交点箇所において所定ピッチで結束される。
<スラブ>
図13、図14に示すように、スラブ型枠用パネル50の下側に桟材(たとえばコラム部材)51が取り付けられた床版用埋設型枠500が予め工場にて形成される。スラブ型枠用パネル50は、桟材(たとえばコラム部材)51がたとえば溶接接合される平板体であって、たとえば亜鉛メッキが施された、高さ3150mm、幅910mm、厚さ0.4mmの薄鋼板とすることができる。スラブ型枠用パネル50と桟材51との取付・接合の態様は、上述したような、たとえば図4におけるパネル15と枠材11との取付・接合の態様と同様であってよい。すなわち、スラブ型枠用パネル50と桟材51とが接合されて形成されるプレフォーム組立構成体5の上側に、一定のかぶり厚を確保したうえでスラブ用下側鉄筋54が配筋され、その上側に、スラブ用上側鉄筋52が配筋される。配筋に当たっては、たとえばトラス型(ラチス筋)の斜材53を別途設置し、このトラスに鉄筋がところどころ結束されるようにして配筋することができる。この場合、スラブ用下側鉄筋54及び/もしくはスラブ用上側鉄筋52は、トラス型(ラチス筋)の斜材53に固定されることになる。当該固定は、溶接によっても、或いは結束線による結束によっても、いずれでもよいがこれらに限定されることはない。こうして、スラブ型枠用パネル50、桟材51、上下配筋52,54が、或いは、スラブ型枠用パネル50、桟材51、上下配筋52,54、トラス型(ラチス筋)の斜材53が、上述のように剛結合されて構造体である床版用埋設型枠500が形成される。この床版用埋設型枠500が上述した壁に関する配筋済壁用埋設型枠10と結合されてさらに剛構造である、実質的剛構造結合体が仮設物として形成されることによって上層階が組立てられることになる。
本実施の形態による壁用埋設型枠10と床版用埋設型枠500とは、コンクリート構造物の施工において互いに組み合わせられたうえで剛接合されて使用され、たとえば、図15に示すように、壁用埋設型枠10を互いに対向して並べると共に、壁用埋設型枠10の内壁側支柱11の所定位置に床版用埋設型枠500を組み合わせるための連結固定具58をそれぞれ取り付けた後、たとえば連結固定具58の上に床版用埋設型枠500を配する。この際、連結固定具58としてはたとえばL字状をした山形鋼(「L型鋼」または「アングル材」ともいう。)を用いることができる。こうして仮設置されたものが位置決めが確定されると剛接合される。これにより、仮設構造体が剛構造化する。
そして、スラブ型枠用パネル50、桟材51、上下配筋52,54、トラス型(ラチス筋)の斜材53が剛結合されて形成される床版用埋設型枠500を設置した後、壁用埋設型枠10の内壁側型枠と床版用埋設型枠500とを連結して剛構造体を形成したものにコンクリートを打設し、養生・硬化させることでコンクリート構造物における壁及び床面を建築することができる。なお、壁用埋設型枠10と床版用埋設型枠500とは共に、埋設タイプであってもよく、その場合には、コンクリートの硬化後に撤去する必要がなくそのまま存置されてよい。
次に、本実施形態における第一の壁用埋設改良型について説明する。第一の壁用埋設改良型枠は、コンクリート構造物の角部や、間仕切りの端部の構築において、複数の壁用埋設型枠同士を組み合わせて用いるものであって、上述した壁用埋設基本型枠10の構成を基本として備える。ゆえに、ここでは上述した壁用埋設基本型枠10と異なる部分を中心に説明し、壁用埋設基本型枠10と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略すると共に、特に説明しない限り同じであるものとする。
図16至図17に示すように、この第一の壁用埋設改良型枠20(20A)は、 コンクリート構造物において壁を構成する一面側に配される複数の内壁側支柱11・・11と、同壁を構成する他面側に配される複数の外壁側支柱12・・12と、一対の堰板15,16と、複数のセパレータ17・・17と、内壁側支柱11の上端に配される内壁側上枠13a及び内壁側支柱11の下端に配される内壁側下枠14aと、外壁側支柱12の上端に配される外壁側上枠13b及び外壁側支柱12の下端に配される外壁側下枠14bと、を少なくとも備えることにより構成される。
すなわち、内壁側上枠13aは、複数の内壁側支柱11の上端を、適宜間隔を設けて一体的に連結するものであり、内壁側下枠14aは、複数の内壁側支柱11の下端を、適宜間隔を設けて一体的に連結するものである。一方、外壁側上枠13b、複数の外壁側支柱12の上端を、適宣間隔を設けて一体的に連結するものであり、外壁側下枠14bは、複数の外壁側支柱12の下端を、適宜間隔を設けて一体的に連結するものである。
この外壁側上枠13b及び外壁側下枠14bは、たとえば、その長さが、セパレータ17によって調整された、内壁側支柱11と外壁側支柱12との間隔に相当する分の長さだけ、内壁側上枠13a又は内壁側下枠14aより長いものとなっている。具体的には、内壁側上枠13a及び内壁側下枠14aの長さはたとえば、壁用埋設基本型枠10と同様に910mmであり、内壁側支柱11と外壁側支柱12との間隔が200mmあるとすると、外壁側上枠13b及び外壁側下枠14bの長さは、組み合わされる壁用埋設型枠の支柱の大さ分を加えてたとえば1135mmとすることができる。
また、複数の外壁側支柱12に沿って配される堰板16は、外壁側上枠13b及び外壁側下粋14bの大きさに伴って、その幅方向の長さが大きいものとなっている。具体的には、たとえば高さ2700mm、幅1135mm、厚さ0.4mmの大きさとすることができる。
このように本実施の形態による第一の壁用埋設改良型枠20は、壁用埋設基本型枠10と同様に、予め工場等で組み立てた鋼製型枠とするものであって、形状及び寸法は、高さ2700mm×内壁側の幅910mm、及び外壁側の幅1135mm×厚さ250mmをした縦長矩形の枠体となっている。
第一の壁用埋設改良型枠20において、外壁側上枠13b及び外壁側下枠14bは、たとえば、その長さが、長さ方向の一端側にだけ長くなっているもの(以下、「タイプA」という)、とすることができる。図16において、第一の壁用埋設改良型枠20として、外壁側上枠13b(及び外壁側下粋14b)の長さが、長さ方向の一端側だけ内壁側上枠13a(及び内壁側下枠14a)より長いものとなっているタイプAの第一の壁用埋設改良型枠20Aが示されている。
また、外壁側上枠13b及び外壁側下枠14bは、その長さが、長さ方向の一端側だけに長くなっているタイプAに限らず、長さ方向の一端側及び他端側の双方に長くなっているもの(以下、「タイプB」という)としても良い。図17において、第一の壁用埋設改良型枠20として、外壁側上枠13b(及び外壁側下枠14b)の長さが、長さ方向の一端側及び他端側の双方に均等に長いものとなっているタイプBの第一の壁用理設改良型枠20Bが示されている。
このような第二の壁用埋設改良型枠20(20A,20B)は、壁用埋設基本型枠10と同様に、施工現場に搬入した後、設計に合わせて並べて互いに連結することにより組み立て、一方の堰板15と他方の堰板16との間の空間内にコンクリートを打設してコンクリート構造物における壁を建築することができる。
具体的に、たとえばコンクリート構造物の角部において、本発明に係るタイプAの第一の壁用埋設改良型枠20Aを二つ用い、図18(A)(B)(図18(A)は平面図、図18(B)は平断面図を示す)に示したように、この第一の壁用埋設改良型枠20Aにおける短い内壁側上枠13a(及び内壁側下枠14a)同士、及び長い外壁側上枠13b(及び外壁側下枠14b)同士をそれぞれ突き合わせ、同時に、それぞれの埋設改良型枠20Aの最外殻をなす縦桟材が互いに横に接して林立した状態になり、これら隣立した縦桟材同士をたとえば上述した緊結具等にて緊結すれば、二つの第一の壁用埋設改良型枠20A,20AがL字状に交わって、直接かつ容易に、剛接合することができるものとなる。この隣立した縦桟材同士を緊結することで剛接合するについては、内壁側、外壁側共通である。これにより、内外壁において、(コンクリート打設前の)仮設体での剛構造物を実現することができる。
この際、第一の壁用埋設改良型枠20A同士の接合は、たとえば、一方の第一の壁用埋設改良型枠20Aにおける内壁側支柱11又は外壁側支柱12と、他方の第一の壁用埋設改良型枠20Aにおける内壁側支柱11又は外壁側支柱12とを、ボルトを用いて緊締したり、セパレータ17にたとえば針金(番線)を掛けて締め付けたりすることで行うことができる。なお、図18において、セパレータ17は細径にて表記しているが、実際には太径のものであってもよい。
そして、図18において白抜き矢印で示すように、第一の壁用埋設改良型枠20Aの内部へコンクリートCを打設し、さらにコンクリートCを硬化させる。
一方、コンクリート構造物の間仕切り端部においては、本発明に係るタイプBの第一の壁用埋設改良型枠20Bを二つと、壁用埋設基本型枠10を一つ用い、図19に示すように、この第一の壁用埋設改良型枠20Bにおける長い外壁側上枠13b(及び外壁側下枠14b)同士を、直列に突き合わせ、同時に、それぞれの埋設改良型枠20Bの最外殻をなす縦桟材が互いに横に接して林立した状態になり、これら隣立した縦桟材同士をたとえば上述した緊結具等にて緊結する。また、壁用埋設基本型枠10の内壁側上枠13a(及び内壁側下枠14a)と、一方の第1の壁用埋設改良型枠20Bにおける短い内壁側上枠13a(及び内壁側下枠14a)とを突き合わせ、同時に、それぞれの埋設改良型枠20Bの最外殻をなす縦桟材が互いに横に接して林立した状態になり、これら隣立した縦桟材同士をたとえば上述した緊結具等にて緊結する。さらに、壁用埋設基本型枠10の外壁側上枠13b(及び外壁側下枠14b)と、他方の第一の壁用埋設改良型枠20Bにおける短い内壁側上枠13a(及び内壁側下枠14a)とを突き合わせ、同時に、それぞれの埋設改良型枠20Bの最外殻をなす縦桟材が互いに横に接して林立した状態になり、これら隣立した縦桟材同士をたとえば上述した緊結具等にて緊結する。そうすると、二つの第一の壁用埋設改良型枠20B,20Bに対して壁用埋設基本型枠10がT字状に交わって、直接かつ容易に、剛接合することができるものとなる。この隣立した縦桟材同士を緊結することで剛接合するについては、内壁側、外壁側共通である。これにより、内外壁において、(コンクリート打設前の)仮設体での剛構造物を実現することができる。
そして、図19(A)(B)(図19(A)は平面図、図19(B)は平断面図を示す)において自抜き矢印で示すように、第一の壁用埋設改良型枠20B及び壁用埋設基本型枠10の内部ヘコンクリートCを打設し、さらに、コンクリートCを硬化させる。なお、図19において、セパレータ17は細径にて表記しているが、実際には太径のものであってもよい。
次に、本実施形態における第二の壁用埋設改良型枠について説明する。第二の壁用埋設改良型枠は、コンクリート構造物の上下階接合部の構築において、床版用埋設型枠と組み合わせて用いるものであつて、上述した壁用埋設基本型枠10の構成を基本として備える。ゆえに、この第二の壁用埋設改良型枠もまた、上述した壁用埋設基本型枠10と異なる部分を中心に説明し、壁用埋設基本型枠10と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略すると共に、特に説明しない限り同様であるものとする。
図20乃至図21に示すように、この第二の壁用埋設改良型枠30は、コンクリート構造物において壁を構成する一面側に配される複数の内壁側支柱11・・11と、同壁を構成する他面側に配される複数の外壁側支柱12・・12と、一対の堰板15,16と、複数のセパレータ17・・17と、内壁側支柱11の上端に配される内壁側上枠13a及び内壁側支柱11の下端に配される内壁側下枠14aと、外壁側支柱12の上端に配される外壁側上枠13b及び外壁側支柱12の下端に配される外壁側下枠14bと、を少なくとも備えることにより構成される。
外壁側支柱12は、たとえば、その長さが、組み合わせて使用される床版用埋設型枠の厚さに相当する分だけ、内壁側支柱11より長いものとなっている。具体的には、内壁側支柱11の長さが、壁用埋設基本型枠10と同様に2650mmであり、床版用埋設型枠の厚さが185mmあるとすると、外壁側支柱12の長さは、少なくとも2835mmをしたものとすることができる。なお、床版用埋設型枠の厚さとは、床版用埋設型枠の実際の厚さではなく、床版用埋設型枠の上面にコンクリートを打設して構築される床の厚さをいう。
また、複数の外壁側支柱12に沿って配される外側堰板16は、外壁側支柱12の大きさに伴って、その長さが、組み合わされる床版用埋設型枠の厚さに相当する分だけ、内壁側支柱11に沿って配される内側堰板15より長いものとなっている。具体的には、内側堰板15の長さが、壁用埋設基本型枠10と同様に2700mmであり、床版用埋設型枠の厚さが185mmであるとすると、外側堰板16の長さは、組み合わされる外壁側上枠13b及び外壁側下枠14bの太さ分を加えて少なくとも2885mm、幅1135mm、厚さ0.4mmの大きさをしたものとすることができる。
このように本実施の形態による第二の壁用埋設改良型枠30は、壁用埋設基本型枠10と同様に、予め工場等で組み立てた鋼製型枠とするものであって、形状及び寸法は、内壁側の高さ2650mm、及び外壁側の高さ2885mm×
幅910mm× 厚さ250mmをした縦長矩形の枠体となっている。
第二の壁用埋設改良型枠30において外壁側支柱12及び外側堰板16は、たとえば、その長さが、長さ(高さ)方向の一端側にだけ長くなっているもの(以下、「タイプA」という)とすることができる。図20において、第二の壁用埋設改良型枠30として、外壁側支柱12及び外側堰板16のタイプAの第二の壁用埋設改良型枠30Aが示されている。
また、外壁側支柱12及び外側堰板16は、その長さが、長さ方向の一端側だけに長くなっているタイプAに限らず、長さ方向の一端側及び他端側の双方に長くなっているもの(以下、「タイプB」という)としても良い。
このような第二の壁用埋設改良型枠30(30A,30B)もまた、壁用埋設基本型枠10と同様に、施工現場に搬入した後、設計に合わせて並べ、床版用埋設型枠と互いに連結することにより組み立て、床版用埋設型枠を介して、一方の堰板15と他方の堰板16との間の空間内にコンクリートを打設してコンクリート構造物における壁を建築することができる。
具体的には、たとえば、図21に示すように、まず、コンクリート構造物の上下階接合部において、本発明に係る第二の壁用埋設改良型枠30の内壁側支柱11の所定位置に床版用埋設型枠500を位置決めするための連結固定具58を取り付ける。そして、図中において一点鎖線矢印で示すように、連結固定具58の上に床版用埋設型枠500を配して第二の壁用埋設改良型枠30と互いに組み合わせる。この際、連結固定具58としてはL形鋼を用いることができる。
尚、第一及び第二の壁用埋設改良型枠20,30の構造を組み合わせたものとしても良い。以上のように本発明の一実施形態における壁用埋設改良型枠20,30は、(特に、桟材11、12について中空鋼材たとえばコラム材を用いることで)クレーン等の揚重機を用いることなく人手により施工現場に設置することができるので、道幅の狭い住宅密集地であっても取り扱いがし易く、本造住宅から耐火性の高いコンクリート構造物へ変更して建築することができる。さらには、上述したように、床版用埋設型枠500と壁用埋設改良型枠との剛接合により、全体として仮設ながら剛構造体を形成するので、木製型枠による鉄筋コンクリート工事の場合のような支保工の設置が不要となるので、工数の短縮、工期の短縮、施工現場の錯綜状況の消滅、施工物の占有面積の低減、を実現することができ、これらは畢竟、工事現場における安全状況の改善を生み、結果的に、安全管理、工程管理等に有益な結果をもたらす。
また、本発明の一実施形態における壁用埋設改良型枠を用いて構築したコンクリート構造物は、コンクリート構造物の角部や間仕切りの端部、及びコンクリート構造物の上下階接合部においても、上述した理由から、より剛性を発揮できるので、剛構造をより強固なものとすることができる。
しかも、本発明の一実施形態における壁用埋設改良型枠は、予め工場等で所望の構造まで組み立てておくことができるものなので、熱年労働者の減少や若手労働力の不足という問題を解決する一助となるものである。
以上、説明したように、本実施形態によれば、一定の厚を有する鋼製プレートの外面に一定の厚さ・太さを備えたたとえば鋼材コラムにて一定ピッチの縦桟もしくは横桟もしくは桟を井桁状に組んでものが配設された鋼製型枠を型枠として使用するので、配筋作業を含む相当の作業工程までたとえば工場もしくはバックヤードにて先行施工をすることができるのみならず、現場搬入後コンクリート打設前に、支保工を、木造型枠の場合に比して大幅に減縮することができる。場合によっては、壁面からの側圧はすべて型枠自体で吸収させることができ、これによって、(壁部の鉄筋コンクリートの場合の)側圧に対向する支保工に係る仮設工事を省くことができる。
これに加えて、現場工期の縮小・効率化を図れる、狭小地にも最大限対応できる、という独特の効果を奏する。
また、鋼製の型枠パネルユニットを予め工場で製作し、建設施工現場に搬入することで、道幅の狭い住宅密集地でも利用が可能であって、取り扱いがしやすく、且つ、建設施工現場においてコンクリートの一体性の高いコンクリート構造物とすることができ、支保工/支保梁もなくて済むことから、内外壁面・天面・床面・擁壁等を少ない職人で容易且つ迅速に組み立てることができ、さらに、施工現場において、埋設型枠同士を跨ぐように後から鉄筋の配筋を可能にし、コンクリート構造物の角部や間仕切り端部、上下階境目部の接合において、剛構造をより強固なものとした仮設構造体を用いたコンクリート構造物の建築を可能とし、工期も短縮できる埋設型枠によるプレフォーム工法を提供することができる。
なお、上記実施形態や各種態様は、本発明の技術思想を体現する可能性の一つを詳述したものであり、本発明はこれらに限定されることなく、拡大、縮小、置換、省略、代替をしたものを含む。たとえば、上記では特に、壁部型枠の下端の納まりについては説明しなかったが、これは各種工法がある中で、どれかに限定されることなくどのようなものでも施工可能なものなら採用できる趣旨であり、たとえば、次に述べる施工方法を採用してもよい。
具体的には、たとえば図23に示されるように、外壁側型枠の下端がくる位置にアングル材(たとえばL−50×50)をその縦棒部分が下方向を向くようにセットしてアンカーボルト締めにて床に固定して設置し、こうして設置されたアングル材の上端に外壁側型枠の最下段の横桟材を載せてたとえば溶接やボルト締めにて固定し(図示しない)、これとセパレータ(同図では、たとえばパイプを断面方向に設け、このパイプ内を挿通するようにパイプ抜きセパレータを設置した態様が示されている)にて結合される内壁側型枠を設置する。内壁側型枠の設置に当たっては、別に第2のアングル材をその縦棒部分が上方向を向くようにセットしてアンカーボルト締めにて床に固定して設置し、こうして設置されたアングル材の縦材に沿わせる位置に内壁側型枠を設置する。予め内壁側型枠が設置されるべき床位置にホールインアンカーを埋設しこのホールインアンカーに係合させて設置されるレベル調整ボルトナットに内壁側型枠の最下段の横桟材を載せて仮設置する。次に、レベル調整ボルトナットのボルトを締め緩めることで、上記設置された外壁側型枠と内壁側型枠とのレベルを合わせたうえで、たとえば溶接やボルト締めにて固定(本設置)する。こうして固定された状態で、たとえば第2のアングル材と内壁側型枠とを溶接にて固定するようにしてもよい。
上記の次第ゆえ、本発明の各態様は、建設業、不動産業等の産業分野において、大いなる利用可能性を有している。
P 躯体
4 鉄筋
5 プレフォーム組立構成体(第1及び第2の井桁桟組鋼製型枠)
8A,8B 横桟
9 連結用鉄筋
10 壁用埋設型枠
11 内壁側支柱
12 外壁側支柱
11a,11b 一方の平面
11b,12b 他方の平面
13a 内壁側上枠
14a 内壁側下枠
15 内側堰板
16 外側堰板
17 セパレータ
20 第一の壁用埋設改良型枠
21 フランジ
22 棒ネジ
23 スペーサ部材
24 クランプ部材(係止具)
25a 鋼製取っ手
25b,25c 鋼棒
25d 差し込み鋼棒
26 横孔
30 第二の壁用埋設改良型枠
50 スラブ型枠用パネル
51 下弦材
53 トーラス型(ラチス筋)の斜材
52 上弦材
55 堰板
57 ボルト
58 連結固定具
100 壁用埋設枠蓋付型枠
110 枠蓋(取り外し可能スパン)
111,l21 第一の開口
112,122 第二の開口
151,161 セパ孔
171 締結部材
500 床版用埋設型枠
もしくは、測定対象の建物内の各部屋の測定結果について、当該建物の所有者が管理する外部通知装置300の操作によって、図のように測定位置を把握できるように表示することもできる。この図においては、書庫、音響測定室、測定実験室、休憩室等での測定場所と、有害ガスが発生していない測定場所と、有害ガスが発生した測定場所とを、建物内部の見取り図内に異なるアイコンで表示することにより、測定場所と、有害ガスが発生していない測定場所と、有害ガスが発生した測定場所とを一目で認識できるようすることができる。なお、表示された測定場所を示すアイコンを選択することにより、その測定場所の測定結果の数値やグラフを表示できるようにしてもよい。

Claims (19)

  1. 一定厚を有する鋼板の一面側の四周に金属製中空棒状材からなる縦方向枠材及び横方向枠材を取り付け前記四周内の縦方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる縦桟材を複数互いに離隔するように略並行に取り付けて前記縦方向枠材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材もしくは前記縦桟材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材を枠内四周とする短冊状区画を複数含むように形成し、前記複数の短冊状区画のそれぞれの横方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる横桟材を必要に応じて単数もしくは複数取り付けることで、四周の端部に配設された前記金属製中空棒状材と前記鋼板とが略一体化された支保材組込型枠構造体を形成する短冊内分割区画が単数もしくは複数構成されるようにする第1のステップと、
    第1の前記支保材組込型枠構造体の内の特定の前記短冊状区画もしくは特定の短冊内分割区画を脱着可能支保材組込型枠構造体として形成する第2のステップと、
    前記第1の支保材組込型枠構造体もしくは第2の前記支保材組込型枠構造体の前記一面側と対向する他面側において鉄筋を配筋し該型枠体と組付けることで配筋組付済支保材組込型枠構造体を形成する第3のステップと
    を具備することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  2. 施工現場に搬入された複数の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは複数の前記支保材組込型枠構造体をプランに沿って鉄筋コンクリート壁を形成する為の内側壁型枠及び/もしくは外側壁型枠として設置する第4のステップと、
    前記設置された第1の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体について、前記脱着可能支保材組込型枠構造体を外して得られる開口から、前記第1の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体に係る前記配筋された鉄筋と、前記第1の配筋組付済支保材組込型枠構造体と隣接して設置される第2の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体に係る前記配筋された鉄筋との間で結束もしくは定着を行い、然る後に前記脱着可能支保材組込型枠構造体を前記開口に再び装着する第5のステップと、
    前記設置された内側壁型枠及び外側壁型枠について互いに連接する前記支保材組込型枠構造体同士を結合することでコンクリート打設前仮設構造体を形成するステップであって、前記コンクリート打設前仮設構造体は前記支保材組込型枠構造体同士が角度をもって突合されることで形成される略L字状隅角部を有する、第6のステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  3. 前記金属製中空棒状材は角型鋼管であることを特徴とする請求項1もしくは2記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  4. 前記脱着可能支保材組込型枠構造体を前記開口に再び装着する、もしくは前記互いに連接する前記支保材組込型枠構造体同士を結合するについては、互いに隣接する前記金属製中空棒状材について該金属製中空棒状材の側面に穿設された孔に結合具を貫通させて装着もしくは結合することを特徴とする、請求項1〜3のうち1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  5. 前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の正面から螺子機構を有するセパレータを挿通可能なセパレータ穴を複数穿設するセパレータ孔穿設ステップと、
    前記支保材組込型枠構造体にセパレータを配設するステップであって、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材、前記内側壁型枠に係る前記鋼板、前記外側壁型枠に係る前記鋼板、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の順で前記セパレータがそれぞれを挿通するように配設ししかる後に前記螺子機構にて前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材に前記セパレータが固定される、セパレータ配設ステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  6. 前記鋼板及び前記縦桟並びに前記横桟による剛性、前記支保材組込型枠構造体の持つ壁体の付いたラーメン構造としての性質、隣接する前記支保材組込型枠構造体同士が連結される前記結合具の剪断力、前記コンクリート打設前仮設構造体の持つ壁体の付いたラーメン構造としての性質、前記略L字状隅角部が持つ立体的剛性、の組合せによって、コンクリート打設時の側圧に対抗できるように構成されることを特徴とする請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  7. 前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠として設置された複数の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは複数の前記支保材組込型枠構造体の一部はコンクリート打設の後も該コンクリート中に埋め込まれることを特徴とする請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  8. 前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠として設置された複数の前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは複数の前記支保材組込型枠構造体の一部に対して外壁仕上げ材を取り付けるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1〜7のうち1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  9. 前記脱着可能支保材組込型枠構造体は、該脱着可能支保材組込型枠構造体を構成する前記鋼板が前記脱着可能支保材組込型枠構造体を形成しない前記鋼板から別体とされ、前記特定の前記短冊状区画もしくは前記特定の短冊内分割区画を構成する前記枠内四周の第1の前記金属製中空棒状材の内側に別の第2の金属製中空棒状材が略内接して内側四周が形成され、互いに隣接する前記第1の金属製中空棒状材と前記第2の金属製中空棒状材とが複数個所結合具にて緊結される構造を有することを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  10. 前記配筋組付済支保材組込型枠構造体及び/もしくは前記支保材組込型枠構造体をスラブ型枠として形成する床板第1のステップと、
    第1の前記スラブ型枠と前記第1のスラブ型枠に隣接する第2の前記スラブ型枠とを連接し、前記スラブ型枠のうち前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠と係合する箇所について前記スラブ型枠と前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠及び/もしくは前記略L字状隅角部とを連結して全体ラーメン仮設構造体を形成する床板第2のステップと、
    前記スラブ型枠に配設される鉄筋と前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠に配設される鉄筋との間で定着もしくは連接をとる床板第3のステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項2〜9のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  11. 前記スラブ型枠に連接され複数段を構成する鋼板を有する階段型枠を形成する階段第1のステップと、
    前記階段型枠と前記スラブ型枠とを連結し、必要に応じて前記階段型枠と前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠及び/もしくは前記略L字状隅角部とを連結する階段第2のステップと、
    前記階段型枠の上側に鉄筋を配筋し、前記内側壁型枠及び/もしくは前記外側壁型枠及び/もしくは前記略L字状隅角部及び/もしくは前記スラブ型枠に配設される鉄筋との間で定着もしくは連接をとる階段第3のステップと
    をさらに具備することを特徴とする請求項10記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  12. 前記縦方向枠材、横方向枠材、前記縦桟材、前記横桟材のうち少なくともいずれかは前記鋼板の前記一面に溶接されて取り付けられることを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  13. 前記鉄筋と前記セパレータとが仮結合され、及び/もしくは、前記鉄筋と前記セパレータとが互いに溶接され、或いは第1の前記セパレータと第2の前記セパレータとが互いを介在する部材に溶接されることを特徴とする請求項5記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法。
  14. 請求項1〜13のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート構造物のコンクリート打設前段階工事の施工方法によって得られた前記コンクリート打設前仮設構造体に対して、コンクリートを打設するステップをさらに有することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の施工方法。
  15. 一定厚を有する鋼板の一面側に、四周の端部に金属製中空棒状材からなる縦方向枠材及び横方向枠材を有し、前記四周内の縦方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる縦桟材が複数互いに離隔するように略並行に取り付けられて前記縦方向枠材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材もしくは前記縦桟材・前記横方向枠材・前記縦桟材・前記横方向枠材を枠内四周とする短冊状区画を複数含むように形成され、前記複数の短冊状区画のそれぞれの横方向に略内接するように金属製中空棒状材からなる横桟材が必要に応じて単数もしくは複数取り付けられることで単数もしくは複数の短冊内分割区画が構成され、前記短冊内分割区画の四周の端部に配設された前記金属製中空棒状材と前記鋼板とが略一体化された支保材組込型枠構造体と、
    第1の前記支保材組込型枠構造体の内の特定の前記短冊状区画もしくはその一部が有する脱着可能支保材組込型枠構造体と
    を具備することを特徴とする鉄筋コンクリート打設用型枠。
  16. 前記鋼板及び前記縦桟並びに前記横桟による剛性、前記支保材組込型枠構造体の持つ壁体の付いたラーメン構造もしくは実質的箱型剛構造としての性質、のうちの少なくともいずれかがコンクリート打設時の側圧の一部に対抗できるように構成されることを特徴とする請求項15記載の鉄筋コンクリート打設用型枠。
  17. 前記金属製中空棒状材は角型鋼管であることを特徴とする請求項15もしくは16記載の鉄筋コンクリート打設用型枠。
  18. 前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の正面にセパレータを挿通可能なセパレータ穴が複数穿設され、
    前記セパレータは螺子機構付セパレータであり、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材、前記内側壁型枠に係る前記鋼板、前記外側壁型枠に係る前記鋼板、前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材の順で前記セパレータがそれぞれを挿通するように配設された後では前記螺子機構にて前記縦方向枠材もしくは前記横方向枠材に前記セパレータが固定されることが可能であることを特徴とする請求項15〜17のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート打設用型枠。
  19. 前記脱着可能支保材組込型枠構造体は、前記特定の前記短冊状区画を構成する前記枠内四周の第1の前記金属製中空棒状材の内側に略内接して取り付けられる第2の金属製中空棒状材を備え、互いに隣接する前記第1の金属製中空棒状材と前記第2の金属製中空棒状材とが複数個所緊結具にて緊結される構造を有することを特徴とする請求項15〜18のうちいずれか1項記載の鉄筋コンクリート打設用型枠。
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