JP2012202051A - 混構造式建物および混構造式建物の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】混構造式建物は、直方体状の骨組みを有する複数の建物本体1,1と、
前記複数の建物本体1,1間に設けられた鉄筋コンクリートスラブ11,12と
を有する。
【選択図】図1
Description
この技術は、対向して配置した1階建物ユニットの上端部にジョイントビームを固定した後、1階建物ユニットの上端部間に鋼製床パネルを設置するものである。鋼製床パネルは、ウェブおよびフランジを有する複数の鋼製溝型材を床面材に固定して形成されており、鋼製溝型材の四隅を前記ジョイントビームとボルト,ビス,釘等によって固定する。
鋼製フレームの骨組みを有する複数の建物本体1,1と、
前記複数の建物本体1,1間に設けられた鉄筋コンクリートスラブ11,12と
を有することを特徴とする。
請求項1に記載の混構造ユニット式建物において、
前記建物本体1は直方体状の建物ユニット1であり、前記建物ユニット1,1間でかつ当該建物ユニット1,1の上端部または上端部近傍に、前記鉄筋コンクリートスラブ11,12の端部が設けられることを特徴とする。
また、工場等で水周りや階段等の取付けに手間のかかる部品を建物ユニット1に取り付けておくことによって、現場での施工が容易となる。
さらに、建物全体を鉄筋コンクリート造りとする場合に比して、工期の短縮化を図ることができる。
前記鉄筋コンクリートスラブ11の端部にフレーム11aが設けられ、このフレーム11aを当該建物本体1,1の上端部または上端部近傍に連結することを特徴とする。
混構造式建物の施工方法において、
直方体状の骨組みを有する建物本体1,1どうしを横方向に所定の間隔で対向配置し、
次に、これら建物本体1,1間でかつ当該建物本体1の上端部または上端部近傍に、鉄筋コンクリートスラブ11,12の端部が設けられることを特徴とする。
また、工場等で水周りや階段等の取付けに手間のかかる部品を建物ユニットに取り付けておくことによって、現場での施工が容易となる。
さらに、建物全体を鉄筋コンクリート造りとする場合に比して、工期の短縮化を図ることができる。
請求項4に記載の混構造式建物の施工方法において、
前記建物本体1は建物ユニットであり、前記鉄筋コンクリートスラブ11,12の端部にフレーム11aを設け、このフレーム11aを当該建物ユニット1の上端部または上端部近傍に連結することを特徴とする。
本実施の形態の混構造ユニット式建物100は、図1〜図3に示すように、直方体状の骨組みを有する5個の建物ユニット1と鉄筋コンクリートスラブ11とを有する2階建ての建物である。
建物ユニット1は、図6に示すように、4本の柱2と、これらの柱2の上端間どうしを結合する4本の天井梁3と、柱2の下端間どうしを結合する4本の床梁4とを備えている。
4本の天井梁3は、2本の長辺天井梁3aおよび長辺天井梁3aより短い2本の短辺天井梁3bによって構成されている。4本の床梁4は2本の長辺床梁4aおよび長辺床梁4aより短い2本の短辺床梁4bによって構成されている。なお、柱2は正方形筒状に形成されており、天井梁3と床梁4は、それぞれ断面コ字型に形成されている。
2本の長辺床梁4a,4aには、複数の根太7が架設されており、該根太7は長辺床梁4aの長手方向に所定間隔で設けられている。これら根太7の上面には床板8が固定されている。
なお、柱2の上端部と天井梁3の端部とは柱頭接合部材9によって接合され、柱2の下端部と床梁4の端部とは柱脚接合部材10によって接合されている。
2階には、1階と同様に、2個の建物ユニット1,1をその長辺天井梁3aの長手方向に連設したものが、左右一対離間して配置されている。これによって、左右(横方向)の建物ユニット1,1は所定の間隔で対向配置されている。
また、1階の4個の建物ユニット1・・・と、2階の4個の建物ユニット1・・・とは平面視において同位置に配置され、これによって、1階の4個の建物ユニット1上に、2階の4個の建物ユニット1・・・が設置されたうえで連結されている。
すなわち、図4(a)に示すように、互いに離間対向する1階の建物ユニット1,1の長辺天井梁3a,3a間(なお、図4(b)および図4(c)においては、柱頭接合部材9,9間)には、仮梁15が長辺天井梁3aの長手方向に所定間隔で複数本配置されており、この仮梁15の端部はボルト14aとナット14bによって長辺天井梁3aに着脱可能に取り付けられている。仮梁15の上面は長辺天井梁3aの上面と面一になっている。なお、仮梁15は互いに対向する建物ユニット1,1の柱頭接合部材9,9間にも配置されおり、同様にして着脱可能に取り付けられている。
仮梁15上には合板等によって形成された床型枠16が設置されており、この床型枠16は仮梁15によって下方から支持されている。床型枠16はその上面が2階の長辺床梁4aの下面と面一となっており、長辺天井梁3aの長手方向(図4において紙面と直交する方向)における端部には、図示しない堰き止め板が設けられている。
そして、2階の互いに対向する建物ユニット1,1の長辺床梁4a,4aと、堰き止め板を有する床型枠16とで囲まれた部分には、コンクリート19が現場で打設されている。このようにして、左右に所定間隔で対向配置された1階の建物ユニット1,1間でかつ当該建物ユニットの上端部に、フレーム11aが設けられた鉄筋コンクリートスラブ11が施工される。
なお、前記仮梁15はそのまま残しておいてもよいし、鉄筋コンクリートスラブ11の強度発現後、ボルト14aを緩めて取り外してもよい。
また、工場等で水周り26や階段27等の取付けに手間のかかる部品を建物ユニットに取り付けておくことによって、現場での施工が容易となる。
さらに、建物全体を鉄筋コンクリート造りとする場合に比して、工期の短縮化を図ることができる。
また、前記鉄筋コンクリートスラブ11の端部にフレーム11aが設けられ、このフレーム11aを当該建物ユニット1,1の上端部または上端部近傍に連結することにより、フレーム11aにより前記鉄筋コンクリートスラブ11の端部を支持するため、前記鉄筋コンクリートスラブ11を当該建物ユニット1,1に容易かつ強固に接合できる。よって、前記鉄筋コンクリートスラブ11の端部にフレーム11aを設けない場合に比べて、当該建物ユニット1,1の上端部または上端部近傍と前記鉄筋コンクリートスラブ11との接合部の構造を強化できる。
図4では、2個の建物ユニット1,1をその長辺天井梁3aの長手方向に連設したものが、左右一対離間して扇状に配置された場合について説明した。これに限らす、図5に示すように、2個の建物ユニット1,1をその長辺天井梁3aの長手方向に並設したものが、それぞれ左右一対離間して平行に配置された場合も、上記実施の形態で説明したように、前記建物ユニット1,1間でかつ当該建物ユニット1,1の上端部または上端部近傍に、前記鉄筋コンクリートスラブ11の端部を設けることができる。また、図5(d)に示すように、図5(a)のI−I断面図に示す断面コ字型のフレーム11aはボルト接合され、2つのフレーム11aの少なくともいずれか一方が建物ユニット1,1に固定されている。
次に、上記のように構成された混構造ユニット式建物の施工方法について、図2,図4および図6を参照して説明する。
すなわち、図4に示すように、互いに離間対向する1階の建物ユニット1,1の長辺天井梁3a,3a間および柱頭接合部材9,9間に、仮梁15を長辺天井梁3aの長手方向に所定間隔で複数本配置したうえで、この仮梁15の端部をボルト14aとナット14bによって長辺天井梁3aおよび柱頭接合部材9,9に着脱可能に取り付ける。そして、2階の建物ユニット1の長辺床梁4aの外側面に、断面コ字型のフレーム11aを長辺床梁4aの長手方向に沿って設ける。2階の建物ユニット1の下端部(1階の建物ユニット1の上端部)である長辺床梁4aとフレーム11aを、ボルト14aとナット14bによりボルト結合する。ここで、断面コ字型のフレーム11aは、鉄筋コンクリートスラブ11の端部を覆うようにフレーム11aの凹部がスラブ筋側を向いて配置されている。
次に、2階の互いに対向する建物ユニット1,1の長辺床梁4a,4aと、堰き止め板を有する床型枠16とで囲まれた部分に、コンクリート19を現場で打設することによって、建物ユニット1,1間でかつ当該建物ユニット1の上端部に鉄筋コンクリートスラブ11を施工する。次に、互いに離間対向する2階の建物ユニット1,1上に屋根ユニット1B等を設置する。なお、鉄筋コンクリートスラブ11の強度発現後、仮梁15をボルト14aを緩めて取り外す。
図7および図8は本発明の第2の実施の形態を示すものである。
これらの図に示す混構造ユニット式建物が、前記第1の実施の形態の混構造ユニット式建物と異なる点は、建物ユニット1の上面に嵩上げユニット30が設けられ、建物ユニット1,1間でかつ嵩上げユニット30の上端部(建物ユニットの上端部近傍)に、鉄筋コンクリートスラブ11,12が設けられている点であるので、以下ではこの点について詳しく説明し、第1の実施の形態と同一構成要素には、同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
この嵩上げユニット30は、平面視における形状が建物ユニット1と等しい矩形枠状のものであり、4本の嵩上部材31と、これら嵩上部材31どうしを連結する4本の連結梁32とを備えている。
連結梁32は、断面コ字型に形成されており、断面形状は建物ユニット1の天井梁3や床梁4の断面形状と等しくなっている。
1階の建物ユニット1の柱頭接合部材9の上面には、嵩上げユニット30の嵩上部材31が設置され、この嵩上部材31の上面に、2階の建物ユニット1の柱脚接合部材10の下面が設置されている。そして、長尺な連結ボルト33aが同軸に配置された貫通孔10a,31a,9aに上方から挿通され、当該連結ボルト33aの下端部にナット33bが螺合して締め付けられている。これによって、嵩上部材31は、上下の建物ユニット1,1の柱脚接合部材10と柱頭接合部材9とに挟み付けられて、これらの間に強固に固定されている。
そして、前記連結ボルト33aより短い図示しない連結ボルトが同軸に配置された貫通孔31a,9aに上方から挿通され、当該連結ボルトの下端部にナットが螺合して締め付けられている。これによって、嵩上部材31は、2階の建物ユニット1の柱頭接合部材9に強固に固定されている。なお、連結ボルトを貫通孔31a,9aに挿通する場合、前記蓋部材を外したうえで、嵩上部材31の上方から挿入し、ナットを螺合して締め付けた後、蓋部材を嵩上部材31の上端開口にはめ込む。
仮梁15上には、前記床型枠16と同形状の図示しない床型枠が設置されており、この床型枠は仮梁15によって下方から支持されている。
なお、前記仮梁15はそのまま残しておいてもよいし、鉄筋コンクリートスラブ11の強度発現後、ボルトを緩めて取り外してもよい。
床型枠の上方には、図示しないスラブ筋が平面視において縦横に交差して複数配置されており、床型枠の上面には防水シートが敷設されている。
そして、床型枠内には、コンクリートが現場で打設されている。このようにして、左右に所定間隔で対向配置された2階の建物ユニット1,1間でかつ嵩上げユニット30の上端部に鉄筋コンクリートスラブ12が設けられており、この鉄筋コンクリートスラブ12は、2階の嵩上げユニット30の上面を覆っている。
なお、前記仮梁15はそのまま残しておいてもよいし、鉄筋コンクリートスラブ12の強度発現後、ボルトを緩めて取り外してもよい。
また、建物の天井高を高くするために建物ユニット1を高くすると、高さ制限によってトラック等で搬送できなくなる場合があるが、本実施の形態では、建物ユニット1と嵩上げユニット30を搬送して、これらを現場で組み立てることによって天井高の高い建物を容易に施工できる。
この場合、建物ユニット1の4本の柱2の上端部に、嵩上げユニット30の4本の嵩上部材31を設置して固定すればよい。
なお、建物ユニット1の天井梁3を省略する場合、トラック等での搬送や、現場でのクレーン等による設置の際に、建物ユニット1が不安定になるおそれがあるので、建物ユニット1の上端部に、天井梁3と同等の治具梁を着脱可能に取り付けておき、建物ユニット1の設置後、治具梁を取り外すのが望ましい。
図9は本発明の第3の実施の形態を示すものである。
この図に示す混構造ユニット式建物が、前記第2の実施の形態の混構造ユニット式建物と異なる点は、建物ユニット1,1間でかつ嵩上げユニット30,30間に、鉄筋コンクリートスラブ11が設けられている点である。その他の構成は、第2の実施の形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
図10は本発明の第4の実施の形態を示すものである。
この図に示す混構造ユニット式建物が、前記第2の実施の形態の混構造ユニット式建物と異なる点は、建物ユニット1の上面に建物ユニット1を直接設け、建物ユニット1,1間でかつ1階の建物ユニット1,1の天井梁3,3間に、鉄筋コンクリートスラブ11が設けられている点である。その他の構成は、第2の実施の形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
また、前記4つの実施の形態では、鉄筋コンクリートスラブ11,12を現場打ちのものとしたが、これに代えて、プレキャストの鉄筋コンクリートスラブとしてもよい。プレキャスト鉄筋コンクリートスラブの場合、仮梁15および床型枠16を使用せずに施工できるという利点がある。
1B 屋根ユニット
2 柱
3 天井梁
3a 長辺天井梁
3b 短辺天井梁
4 床梁
4a 長辺床梁
4b 短辺床梁
5 天井小梁
6 天井板
7 根太
8 床板
9 柱頭接合部材
9a,10a,31a・・・ 貫通孔
10 柱脚接合部材
11,12 鉄筋コンクリートスラブ
11a フレーム
13 基礎
14a ボルト
14b ナット
15 仮梁
16 床型枠
18 スラブ筋
19 コンクリート
30 嵩上ユニット
31 嵩上部材
32 連結梁
33a 連結ボルト
33b ナット
100 混構造式建物
Claims (5)
- 鋼製フレームの骨組みを有する複数の建物本体と、
前記複数の建物本体間に設けられた鉄筋コンクリートスラブと
を有する混構造式建物。 - 請求項1に記載の混構造式建物において、
前記建物本体は直方体状の建物ユニットであり、前記建物ユニット間でかつ当該建物ユニットの上端部または上端部近傍に、前記鉄筋コンクリートスラブの端部が設けられることを特徴とする混構造式建物。 - 請求項1または2に記載の混構造式建物において、
前記鉄筋コンクリートスラブの端部にフレームが設けられ、このフレームを当該建物本体の上端部または上端部近傍に連結することを特徴とする混構造式建物。 - 鋼製フレームの骨組みを有する建物本体どうしを横方向に所定の間隔で対向配置し、
次に、これら建物本体間でかつ当該建物本体の上端部または上端部近傍に、鉄筋コンクリートスラブの端部が設けられることを特徴とする混構造式建物の施工方法。 - 請求項4に記載の混構造式建物の施工方法において、
前記建物本体は直方体状の建物ユニットであり、前記鉄筋コンクリートスラブの端部にフレームを設け、このフレームを当該建物ユニットの上端部または上端部近傍に連結することを特徴とする混構造式建物の施工方法。
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