JP6453116B2 - 建物の床構造および建物の施工方法 - Google Patents

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本発明は、建物の床構造およびこの床構造を有する建物の施工方法に関する。
住宅等の建物として、従来、柱や梁を箱状に組んで構成した複数の建物ユニットを基礎の上に並べて配置し、互いを結合することにより建物の躯体を構成したユニット式建物が知られている。また、係るユニット式建物においては、近年、2つの建物ユニットを水平方向に所定距離離間させた状態で配置(以下離し置き)し、両建物ユニット間に連結梁を架け渡すことによって躯体を構成するといったことが行われている。こうすることで、使用する建物ユニットを増やすことなく建物を施工することができるので、施工コストを低減することができる。
建物ユニットを離し置きする場合、床の構造が、建物ユニット内と、離し置きされた一対の建物ユニットの間とで異なってくる。具体的には、建物ユニット内の床は建物ユニットの下部に設けられた根太に床板を固定することにより施工されるのに対し、建物ユニット間の床は、例えば特許文献1に示すように、一対の建物ユニットの下部と下部との間に連結梁を設け、パネル状の床下地ユニットを連結梁上に載置するとともに当該連結梁に固定し、床パネルに設けられた根太に床板を固定することにより施工されていた。
特開2010−90593号公報
特許文献1に示したような床下地ユニットを用いて床を施工する場合、一階の床を施工する際に、一階部分を構成する一対の建物ユニットの下端部間にも連結梁を取り付ける必要があったため、使用する部材や工程が多くなり、コストと手間がかかってしまっていた。
また、建物ユニットや連結梁は、例えば、基礎の上に、基礎に対して上下動可能に設けられた傾き調節部の上に載置されることにより、所定の高さに水平に設置される。しかし、建物ユニット間の床は、連結梁の上に載置された床下地ユニットとその上に固定された床板による積層構造となるので、実際の床面高さと設計上の床面高さとの間に誤差が生じ易かった。また、建物ユニットは床下地ユニットに比べて重いため、建物ユニットが僅かに沈み込み、建物ユニット内の床面と建物ユニット間の床面との間に不陸が生じる場合があった。こうした要因に鑑み、建物ユニットや連結梁を載置する際には、各傾き調節部の高さを場所毎に差をつけて調整したり、建物ユニットや連結梁を載置した後に高さを再調整したりする必要があり、この点においてもコストと手間がかかっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、一対の建物ユニットを離間させた状態で配置して躯体を構成する建物において、施工のコストと手間を低減することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図5〜10に示すように、水平方向に互いに離間して配置された一対の建物ユニット2(2A),2(2A)間に床パネル5(5A)が設けられてなる建物100の床構造110(120)において、前記一対の建物ユニット2(2A),2(2A)および前記床パネル5(5A)は、上面が平坦な下部構造部1(2,4)の上に設置されており、前記建物ユニット2(2A)は、床梁23と、柱25と、前記床梁23と前記柱25の下端部とを接続する仕口22と、を備えるとともに、前記仕口22を含む下端部が床部2a(2Aa)として構成されており、前記床パネル5(5A)は、その厚みが前記床部2a(2Aa)の厚みと略等しく設定されるとともに、前記仕口22と対向する部位52が補強部材53で補強されており前記床部2a(2Aa)と前記床パネル5(5A)とは、前記仕口22の側面上部と前記床パネル5(5A)における前記補強部材53で補強された部位52の側面上部との間に設けられた連結部材6によって水平方向に連結され、前記仕口22と前記補強された部位52との間であって前記連結部材6の下方及び側方は、気密材52bで閉塞されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物ユニットの床部2a(2Aa)と床パネル5(5A)とが水平方向に連結されるので、一対の一階建物ユニットの下端部間に、床パネルを載置・固定するための部材を設ける必要がなくなるので、使用する部材を減らすとともに、施工における工程数を少なくすることができる。また床を構成する部材が少なくなることで床面高さに誤差が生じにくくなるので、床パネル5(5A)の設置後に床面高さを調整する手間を省くことができる。
また、床パネル5(5A)と、当該床パネル5(5A)に隣接する建物ユニット2(2A)とが連結されることにより、下部構造部1(2,4)に作用する建物ユニット2(2A)からの荷重が床パネル5(5A)にも分散される。これにより、設置された建物ユニット2(2A)が沈み込みにくくなるので、建物ユニット2(2A)および床パネル5(5A)を設置する際の高さ調整を容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物100の床構造110(120)において、例えば、図6〜9に示すように、前記連結部材6は、平面視クランク状に形成されるとともに、両端部62,63にボルト穴62a,63aを有し、一端部62が前記床パネル5(5A)の側面にボルト64留めされ、他端部が63前記床部2a(2Aa)の側面にボルト64留めされることにより、前記床部2a(2Aa)の側面と前記床パネル5(5A)の側面とを連結していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、一端部62の固定位置と、他端部63の固定位置がずれ、ボルト64周囲の空間が広がるので、ボルトを締めるための工具を回転させ易くなり、容易かつ強固にボルトを締めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の建物100の床構造110(120)において、例えば、図6に示すように、前記床部2a(2Aa)は、平面視枠状に形成されるとともに、水平かつ所定の方向に向かって延設された根太24を備え、前記床パネル5(5A)は、枠状に形成されるとともに、水平かつ前記建物ユニット2(2A)の根太24と同じ方向に延設された根太54を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、建物ユニット2(2A)内と建物ユニット2(2A)間とで根太24,54の方向が揃うので、床面の全体的な剛性を均一化させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の建物100の床構造110(120)において、例えば、図5に示すように、前記下部構造部は、建物の基礎1であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、一階に設けられる一対の建物ユニットの下端部2a,2a間に床パネル5を載置・固定するための部材を設ける必要が無くなるので、使用する部材を減らすとともに、施工における工程数を少なくすることができ、施工に要する手間とコストを低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の建物100の床構造110(120)において、例えば、図3,4に示すように、前記基礎1は、その上面に対し上下動させることが可能な高さ調節手段13a,14aを備え、前記建物ユニット2および前記床パネル5は、前記高さ調節手段13a,14aの上に載置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、容易に床部2a(2Aa)の床面と、床パネル5(5A)の床面とを面一にすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の建物100の床構造110(120)において、例えば、図5に示すように、前記建物100は複数階建てであり、前記下部構造部は、前記建物100の下階における前記一対の建物ユニット2と、当該一対の建物ユニット2の上端部間に架け渡された連結梁4と、からなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、建物100の二階以上の階にも、施工性が高く、不陸の生じにくい床構造120を設けることができる。
請求項7に記載の発明は、一対の建物ユニット2(2A),2(2A)を水平方向に互いに離間するように配置し、前記一対の建物ユニット2(2A),2(2A)間に床パネル5(5A)を設けることによって建物100の床110(120)を形成する建物100の施工方法において、前記建物ユニット2(2A)として、床梁23と、柱25と、前記床梁23と前記柱25の下端部とを接続する仕口22と、を備えるとともに、前記仕口22を含む下端部が床部2a(2Aa)として構成され、前記仕口22の側面上部に連結部材6の取付部22a,23aが設けられたものを準備するとともに、前記床パネル5(5A)として、その厚みが前記床部2a(2Aa)の厚みと略等しく設定されるとともに、前記仕口22と対向する部位52が補強部材で補強され、当該補強部材で補強された部位52の側面上部に前記連結部材6の取付部52aが設けられたものを準備し、上面が平坦な下部構造部1(2,4)の上に、一対の前記建物ユニット2(2A),2(2A)を互いに離間するように配置し、前記床パネル5(5A)を、配置された一対の前記建物ユニット2(2A),2(2A)の間における前記下部構造部1(2,4)の上に載置し、載置した前記仕口22の前記取付部22a,23aに前記連結部材6の一端部63を取り付けるとともに、載置した前記床パネル5(5A)における前記補強された部位52の前記取付部52aに前記連結部材6の他端部62を取り付けることにより、前記床パネル5(5A)前記床部2a(2Aa)を水平方向に連結し、前記仕口22と前記補強された部位52との間であって前記連結部材6の下方及び側方を、気密材52bで閉塞することを特徴とする。
建物ユニット2,2Aや床パネル5,5Aは、施工現場とは別の工場で製造されることが多い。また、コストや施工現場の広さ等の制約により、工場からは各部材を設置する順に製造・搬送し、施工現場では到着した順に部材を設置していくことになる。また、建物ユニット2,2Aは大きいので、1基搬送するのにトラック1台が必要になる上、他の部材を一緒に載せて輸送することは大変困難である。このため、従来のように一階部分の施工を全て終えてから二階部分の施工に入る場合には、一階の建物ユニット2、一階の床パネル5、二階の建物ユニット2A、二階の床パネル5Aの順で搬送する必要があった。しかし、これでは、比較的軽量で、複数をまとめて積載可能な床パネル5,5Aを分けて搬送することになるので、輸送コストがかかってしまう。しかし、請求項7に記載の発明によれば、全ての建物ユニット2,2Aの搬送を終えた後に一階の床パネル5と二階の床パネル5Aをまとめて搬送することができるので、一階の床パネル5のみを搬送していた分のトラックの使用回数(台数)を少なくすることができる。このため、建物100を、手間をかけることなく、かつコストをかけることなく施工することができる。
本発明によれば、一対の建物ユニットを離間させた状態で配置して躯体を構成する建物において、施工のコストと手間を低減することができる。
本発明の実施形態に係る建物の斜視図である。 図1の建物を構成する建物ユニットの斜視図である。 図1の建物を構成する基礎の平面図である。 図3の部分拡大図である。 図1の建物における一階および二階の床構造の側面図である。 図1の建物における施工途中の床構造の平面図である。 図6の部分拡大図である。 図6の部分拡大図である。 図6の部分拡大図である。 図5,6の床を構成する床パネルおよび連結部材の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<ユニット式建物の構成>
まず、本実施形態のユニット式建物100の概略構成について説明する。図1はユニット式建物100の斜視図、図2はユニット式建物100を構成する建物ユニット2の斜視図、図3はユニット式建物100を構成する基礎1の平面図、図4は図3におけるIVが付された破線で囲んだ部分の拡大図である。
本実施形態のユニット式建物100は、図1に示すように、基礎1、複数の一階建物ユニット2、複数の二階建物ユニット2A、屋根3、連結梁4(図5参照)、図示しない外壁等によって構成されている。
複数の一階建物ユニット2は、基礎1の一端部上および他端部上にそれぞれ配置され建物の一階部分を構成している。
複数の二階建物ユニット2Aは、一階建物ユニット2の上に配置され建物の二階部分を構成している。
屋根3は、二階建物ユニット2Aの上に載置されている。
基礎1の一端部上に配置された一階建物ユニット2と他端部上に配置された一階建物ユニット2とは互いに所定間隔を空けて離間している。また、一端部側の一階建物ユニット2の上に載置された二階建物ユニット2Aと、他端部側の一階建物ユニット2の上に載置された二階建物ユニット2Aとは、一階建物ユニット2と同様に所定間隔を空けて離間している。
以下、ユニット式建物100における、離間対向する一対の一階建物ユニット2,2に挟まれた部分および離間対向する一対の二階建物ユニット2A,2Aに挟まれた部分を離し置き部100aと称する。
一階建物ユニット2は、図2に示すように、一対の短辺床梁21、下仕口22、一対の長辺床梁23、複数の根太24、複数(四隅)の柱25、上仕口26、一対の短辺天井梁27、一対の長辺天井梁28、複数の天井小梁29等によって箱状に構成されている。本実施形態においては、何れの一階建物ユニット2も直方体状に構成されている。
一対の短辺床梁21,21は、軸が水平となるようにかつ互いに平行となるように配置されている。
各下仕口22は、床梁21,23同士または床梁21,23と柱25とを接合するための部材で、一対の短辺床梁21,21の各両端に設けられている。各下仕口22における短辺床梁21の延設方向と直交する側面には、ボルト穴22aがそれぞれ形成されている。また、当該側面における各ボルト穴22aの下方及び側方には、気密材22c(図7,9参照)が配設されている。更に、各下仕口22の下面には、アンカーボルト22bが鉛直下方に向かって突出するように設けられるとともに、図示しないピン穴が鉛直方向に向かって設けられている。
一対の長辺床梁23,23は、一方の短辺床梁21の両下仕口22,22と他方の短辺床梁21の対向する両下仕口22,22との間にそれぞれ設けられている。各長辺床梁23の外側を向く側面の中央部には、ボルト穴23aが形成されている。また、当該側面におけるボルト穴23aの下方及び側方には、気密材23b(図8参照)が配設されている。
各根太24は、一対の長辺床梁23の間に、短辺床梁と平行に設けられている。
各柱25は、各下仕口22から上方に向かって延設されている。
上仕口26は、天井梁27,28同士または柱25と天井梁27,28とを接合するための部材で、各柱25の上端に設けられている。各上仕口26における短辺天井梁27の延設方向と直交する側面には、ボルト穴26aが形成されている。また、各上仕口26の上面には、ピン26bが鉛直上方に向かって突出するように設けられている。
一対の短辺天井梁27,27は、短辺床梁21と平行に並ぶ一対の上仕口26,26間にそれぞれ設けられている。
一対の長辺天井梁28,28は、長辺床梁23と平行に並ぶ一対の上仕口26,26間にそれぞれ設けられている。
複数の天井小梁29は、一対の長辺天井梁28,28の間に、短辺天井梁27と平行に設けられている。
二階建物ユニット2Aは、下仕口22の下面に、アンカーボルト22bが設けられていない点を除き、一階建物ユニット2と同様の構成となっている。
基礎1は、図3に示すように、本体11、複数の位置決め部12、複数のユニット支持部13、複数のパネル支持部14等で構成されている。
本体11は、コンクリートによって、ユニット式建物100の躯体の平面視形状と略同じ形状をなす枠状に形成されている。本実施形態においては、本体11は、外枠部111および内枠部112によって平面視矩形枠状に形成されている。
外枠部111は、長辺(図3の縦方向)の長さが建物ユニット2,2Aの長辺の約2倍、短辺(図3の横方向)の長さが建物ユニット2,2Aの短辺の約2倍+一対の一階建物ユニット2,2の離間距離となっている。
外枠部111の上面には、閉塞部材15(図4参照)が外枠部111の正面視形状に沿うように配設されている。閉塞部材15はメッシュパイプ等の弾力を有する部材である。
内枠部112は、外枠部111における一対の長辺の各中間点の間に延設されている。
位置決め部12は、本体11上面における、一階建物ユニット2の下仕口22と、他の一階建物ユニット2の下仕口22または後述する一階床パネル5の隅が隣接して載置される箇所にそれぞれ設けられている。本実施形態においては、外枠部111の両長辺の中央部、外枠部111の短辺の中間2箇所、内枠部の中間2箇所にそれぞれ設けられている。
各位置決め部12は、図4に示すように、本体11の上面に固定されたシアープレート121と、シアープレート121の両端部または四隅から鉛直上方に向かって突設されたピン122とで構成されている。
ユニット支持部13は、一階建物ユニット2を支持するためのもので、本体11上面における、一階建物ユニット2の各下仕口22の下面が載置される箇所にそれぞれ設けられている。本実施形態においては、ユニット支持部13は、図3に示したように、外枠部111の四隅、外枠部111と内枠部112との結合部、外枠部111の短辺の中間2箇所、内枠部112中間2箇所に設けられている。
ユニット支持部13のうち、外枠部111の四隅以外に設けられたものは、図4に示したように、シアープレート121の一端部の上に、ピン122がユニット支持部13を貫通するように設けられている。
各ユニット支持部13は、アンカー穴131、ナット132、ボルト133、枠体134、充填材135等で構成されている。
アンカー穴131は、本体11の上面から鉛直下方に向かって設けられている。
ナット132は、本体11の上部に、穴を鉛直方向に向けた状態で本体11上面から露出するように埋設されている。
ボルト133は、ナット132に螺合している。
枠体134は、スポンジ等の弾性を有する材料で、アンカー穴131およびボルト133の周囲の空間を取り囲むとともに本体11の上面と一階建物ユニット2の下面とに当接するように設けられている。
充填材135は、モルタル等のグラウトを硬化させたもので、枠体134の内側空間に充填されている。
パネル支持部14は、後述する一階床パネル5を支持するためのもので、本体11上面における、一階床パネル5の下面の四隅が載置される箇所にそれぞれ設けられている。本実施形態においては、図3に示したように、離し置き部100aにおける外枠部111の両端部、および内枠部112の両端部にそれぞれ設けられている。
各パネル支持部14は、アンカー穴131を有していない点を除き、ユニット支持部13と同様の構成となっている。
連結梁4は、離間対向する一対の一階建物ユニット2,2同士を連結するための部材である。各連結梁4は、離間対向する一対の一階建物ユニット2,2の離し置き部100a側の上仕口26,26間、および離間対向する一対の二階建物ユニット2Aの離し置き部100a側の上仕口26、26同士の間にそれぞれ架け渡され、ボルト留めされている。
各一階建物ユニット2は、下仕口22の一つが基礎1の外枠部111の四隅の何れかの上に位置するとともに、長辺床梁23が外枠部111の長辺に沿うように載置されている。そして、一階建物ユニット2のアンカーボルト22bは、基礎1のアンカー穴131に挿入されるとともに、アンカー穴131との隙間に充填された充填材135によって固定されている。
また、位置決め部12一方のピン122は一階建物ユニット2の下仕口22下面のピン穴に嵌合し、下仕口22の下面はユニット支持部13のボルト133の頭部に当接している。また、閉塞部材15は、外枠部111と一階建物ユニット2とに挟まれることにより、外枠部111と一階建物ユニット2との間に隙間が生じないようにしている。
各二階建物ユニット2Aは、各一階建物ユニット2の上に、各下仕口22が一階建物ユニット2の各上仕口26とそれぞれ重なるようにそれぞれ載置され、一階建物ユニット2にそれぞれ固定されている。このとき、一階建物ユニット2の各ピン26bは二階建物ユニット2Aの下仕口22下面のピン穴に嵌合している。
<建物の床構造>
次に、上述したユニット式建物100の内部に設けられる床110,120の構造について説明する。図5はユニット式建物100における一階および二階の床110,120を示した側面図、図6は床板を取り付ける前の床構造110,120を示した平面図、図7は図6におけるVIIが付された破線で囲まれた部分の拡大図、図8は図6におけるVIIIが付された破線で囲まれた部分の拡大図、図9は図6におけるIXが付された破線で囲まれた部分の拡大図、図10は床パネル5の端部および当該端部に取り付けられた連結部材6の斜視図である。
本実施形態のユニット式建物100は、図5に示すように、一階に一階床110を、二階に二階床120をそれぞれ有している。
一階床110は、図5,6に示すように、基礎1(下部構造部)、複数の一階ユニット床部2a,2a、複数の一階床パネル5,5、複数の連結部材6等によって構成されている。
各一階ユニット床部2aは、一階建物ユニット2の短辺床梁21、長辺床梁23および根太24の上面に床板110aを載置し、その床板110aを釘やビスなどの固定具で根太24に固定することにより構成したものである。つまり、一階建物ユニット2の下端部および床板110aによって一階ユニット床部2aが構成されている。
各一階床パネル5は、図5に示したように、離し置き部100aにおける基礎1の上に載置されている。
一階床パネル5は、図6に示したように、一対の短辺枠材51、一対の長辺枠材52、補強部材53、複数の根太54、複数の断熱材55、床板56(図5参照)、図示しない防蟻シート等によって、長手方向の長さが、建物ユニット2,2Aの長手方向の長さと略同じ長さで、厚みが一階ユニット床部2aの厚さと略同じ厚みの矩形パネル状となるように構成されている。
一対の短辺枠材51は、軸が水平となるようにかつ互いに平行となるように配置されている。また、ユニット式建物100の外壁と接することになる短辺枠材51の側面には、図7,10に示すように、気密材51aが設けられている。
一対の長辺枠材52は、一対の短辺枠材51の両端部と他方の短辺枠材51の対向する両端部との間にそれぞれ設けられている。また、各長辺枠材52の側面両端部および中央部には、図7〜9に示すように、ボルト穴52aがそれぞれ形成されており、下面両端部(一階床パネル5の下面の四隅)には図示しないピン穴がそれぞれ形成されている。また、長辺枠材52側面におけるボルト穴52aの下方及び側方には、気密材52bが配設されている。
補強部材53は、短辺枠材51と長辺枠材52の接合部に設けられ、当該接合部を補強している。
各根太54は、一対の長辺枠材52,52の間に、短辺枠材51と平行に設けられている。
断熱材55は、短辺枠材51と隣り合う根太54との間および互いに隣り合う根太54,54間に設けられている。
床板56は、枠材51,52および根太54の上面に固定されている。
防蟻シートは、枠材51,52、根太54および断熱材55を下面から覆っている。
各連結部材6は、一階床パネル5の側面と、当該一階床パネル5に隣接する一階ユニット床部2aの側面とを連結するものである。各連結部材6は、本実施形態においては、各一階床パネル5の一方の長辺側面の両端部および中央部と、当該長辺側面に対向する一階ユニット床部2aの長辺側面の両端部および中央部との間に設けられるとともに、一階床パネル5の他方の長辺側面の両端部および中央部と、当該長辺側面に対向する一階ユニット床部2aの長辺側面の両端部および中央部との間に設けられている。
各連結部材6は、図7〜9に示したように、中間部61、第一固定部62、第二固定部63によって、平面視クランク状に形成されている。なお、連結部材6の平面視の形状は、中間部61、固定部62,33を有してさえいればコ字状、ロ字状等でもよい。
中間部61は、床パネル5,5A(長辺枠材52)の側面または建物ユニット2,2Aの下部(下仕口22および長辺床梁23の)側面と直交する方向に延設されている。
第一固定部62は、中間部61の一端から中間部61の延設方向と直交する方向に延設されており、ボルト穴62aが形成されている。
第二固定部63は、中間部61の他端から中間部61の延設方向と直交する方向に延設されており、ボルト穴63aが形成されている。
断熱材7は、一階床パネル5の側面と、当該一階床パネル5に隣接する一階ユニット床部2a側面との間であって、気密材22c,52bと気密材23b,52bとの間の空間を塞ぐように詰められている。
各一階床パネル5は、一方の短辺枠材51が外枠部111に沿うように、他方の短辺枠材が内枠部112に沿うように載置されている。このとき、一階床パネル5の両長辺側面は、当該一階床パネル5に隣接する一対の一階ユニット床部2a(下仕口22および長辺床梁23)の長辺側面にそれぞれ対向している。また、位置決め部12の他方のピン122は一階床パネル5のピン穴に嵌合し、長辺枠材52の下面両端部はパネル支持部14のボルト133の頭部に当接している。そして、連結部材6の第一固定部62が、床パネル5,5Aの側面に、互いのボルト穴52a,62aを重ねた状態で当接するとともにボルト64及びナット65で固定され、第二固定部63が一階ユニット床部2a,2Aaの側面に、互いのボルト穴23a,63aを重ねた状態で当接するとともにボルト64及びナット65で固定されている。
また、一階床パネル5の気密材52bが、当該床パネル5に隣接する一階建物ユニット2の気密材22c,23bまたは一階床パネル5の気密材52bに当接することにより、連結部材6の下方及び側方が閉塞されている。
また、一階床パネル5は、その短辺枠材51と、当該床パネル5に隣接する一階建物ユニット2の短辺床梁とが一直線上に並ぶように配置されており、一階床パネル5の根太54及び一階建物ユニット2の根太24は、上述したように短辺枠材51或いは短辺床梁21と平行に設けられているので、一階床パネル5の各根太54の延設方向は、図6に示したように、一階建物ユニット2の各根太24の延設方向と同じになる。また、閉塞部材15が外枠部111と一階床パネル5とに挟みこまれることにより、外枠部111と一階床パネル5との間に隙間が生じないようになっている。
二階床120は、図5に示したように、一階建物ユニット2および連結梁4の上に設けられる点、および二階床パネル5Aが防蟻シートを有していない点を除き、一階床110と同様の構成となっている。よって、一対の一階建物ユニット2,2および連結梁4も、基礎1と同様、本発明における下部構造部ということになる。
このように構成されたユニット式建物100の床110,120は、建物ユニット2,2Aと床パネル5,5Aとが連結部材6を介して水平方向に剛結合されているので、建物ユニット2,2Aから下部構造部1,2,4に作用する荷重は、建物ユニット2,2Aの下方の下部構造部1,2に直接作用するだけでなく、連結部材6および床パネル5,5Aを介して床パネル5,5A下方の下部構造部1,4にも分散されるようになっている。
<ユニット式建物の施工方法>
次に、上述したユニット式建物100の施工方法について説明する。
まず、工場で、建物ユニット2,2Aや床パネル5,5A等の各種部材を製造する。建物ユニット2,2Aの製造については、従来通りの方法で製造すればよいため説明を省略する。
床パネル5,5Aの製造においては、まず、長辺枠材52の、床パネル5,5Aを構成した際に側面となる箇所にボルト穴52aを形成する。そして、一対の短辺枠材51と一対の長辺枠材52を、ボルト留め或いは溶接により、平面視矩形枠状となるように接合する。そして、各接合部に補強部材53を取り付けることにより接合部を補強する。次に、一対の長辺枠材52の間に複数の根太54を、等間隔かつ短辺枠材51の延設方向と平行になるよう取り付ける。そして、短辺枠材51と根太54の間および根太54と根太54との間に断熱材55を詰める。一階床パネル5を製造する場合は、長辺枠材の、一階床パネル5を構成した際に下面となる箇所にピン穴52bを形成し、枠材51,52、根太54および断熱材55の下面を防蟻シートで覆う。こうして床パネル5,5Aが製造される。製造した部材は設置する順に施工現場へと搬送していく。
施工現場では、工場での部材製造と平行して、地盤の上に基礎1を構築する。まず、型枠を、形成したい基礎の形状となるように組み、型枠内に鉄筋を配設し、コンクリートを流し込む。その際、一階建物ユニット2の下仕口22が載置される箇所に、アンカーボルト22bを挿入するためのアンカー穴131が形成されるように、円筒状の部材を配置しておく。また、一階建物ユニット2の下仕口が載置される箇所および一階床パネル5の四隅が載置される箇所に、穴に詰め物をしたナット132を、穴が鉛直方向に貫通した状態となるように、その上面が本体11の上面と面一になるように配置する。各部材の配置を終えた後コンクリートを流し込み、硬化させる。
コンクリートの硬化後、筒状部材を除去すると、本体11にアンカー穴131が形成される。また、ナット132から詰め物を除去してボルト133を螺合させると、ボルト頭部が本体11に対し上下動可能に取り付けられた高さ調節部13a,14aが設けられる。その後、ピン122の取り付けられたシアープレート121を本体11の所定箇所に固定することにより位置決め部12を設ける。更に、外枠部111の上面に沿って閉塞部材15を配設していく。
次に、ユニット式建物100の躯体を施工する。まず、これから載置しようとする一階建物ユニット2の下仕口22と対向する位置にある高さ調節部13aのボルト133を回転させ、各頭部の上面を通る面が水平となるようにボルト133頭部の高さを調節する。次に、基礎1に設けたアンカー穴131およびボルト133の周囲に枠体134をそれぞれ設置し、枠体134内に所定量のグラウトを流し込んでおく。そして、一階建物ユニット2をクレーンで吊り上げ、基礎1の所定箇所の上へと下ろしていく。基礎1には事前に位置決め部12が設けられているので、一階建物ユニット2を、そのピン穴が基礎1のピン122の延長線上に来るように水平移動させることにより、当該一階建物ユニット2の水平方向の位置決めを行いながら下ろしていく。
一階建物ユニット2が所定箇所に載置されると、一階建物ユニット2のアンカーボルト22bが基礎1のアンカー穴131に挿入されるとともに、基礎1のピン122が一階建物ユニット2のピン穴に嵌合し、各下仕口22の下面が各ボルト133の頭部にそれぞれ当接する。また、閉塞部材15が本体11と一階建物ユニット2とに挟まれることにより、本体11と一階建物ユニット2との間の隙間が閉塞される。また、枠体134内に流し込まれていたグラウトが、アンカーボルト22bに押し出される、或いは本体11と一階建物ユニット2とに挟まれることにより側方へと広がろうとするが、枠体134によってその拡散は枠体134内側の空間内に限られる。グラウトが硬化すると、ボルト133が固定されるとともに、一階建物ユニット2が基礎1に固定され、高さ調節部13aがユニット支持部13となる。
一つ目の一階建物ユニット2を設置した後は、一つ目と同様の手順で二つ目以降の一階建物ユニット2を順次設置していく。全ての一階建物ユニット2を設置し終えたら、隣接する一階建物ユニット2,2同士をボルト止め或いは溶接により固定する。そして、離間対向する一対の一階建物ユニット2,2の上仕口26,26間に連結梁4を架け渡しボルトで固定する。
次に、各一階建物ユニット2の上に二階建物ユニット2Aを順次配置し、上下に隣接する建物ユニット2,2A同士をボルト止め或いは溶接により固定するとともに、水平方向に隣接する一対の二階建物ユニット2A,2A同士を一階建物ユニット2と同様にして固定する。そして、離間対向する一対の二階建物ユニット2A,2Aの上仕口26,26間に連結梁4を架け渡しボルトで固定する。こうして、ユニット式建物100の躯体が構成される。
次に、建物の床110,120を施工する。まず、これから載置しようとする一階床パネル5の四隅と対向する位置にある高さ調節部14aのボルト133を回転させ、各頭部の上面を通る面が水平となるように、かつ、一階床パネル5を載置した時に、当該一階床パネル5の床面が、一階ユニット床部2aの床面と同じ高さとなるようにボルト133頭部の高さを調節する。次に、基礎1に設けたボルト133の周囲に枠体134をそれぞれ設置し、枠体134内に所定量のグラウトを流し込んでおく。そして、一階床パネル5をクレーンで吊り上げ、離し置き部100aとなる空間の上方から基礎1の所定箇所の上へと下ろしていく。下ろしていく途中の一階床パネル5の水平方向の位置決めは、一階建物ユニット2と同様、基礎1のピン122および二階建物ユニットのピン穴を利用して行う。
一階床パネル5が所定箇所に載置されると、一階床パネル5の長辺の側面が一階ユニット床部2aの長辺の側面と対向する。また、基礎1のピン122が一階床パネル5のピン穴に嵌合し、四隅の下面が各ボルト133の頭部にそれぞれ当接する。また、閉塞部材15が本体11と一階床パネル5とに挟まれることにより、本体11と一階床パネル5との間の隙間が閉塞される。枠体134内に流し込まれていたグラウトは、一階建物ユニット2設置の際と同様に、枠体134でのみ拡散する。グラウトが硬化すると、ボルト133が固定されるとともに、一階床パネル5が基礎1に固定され、高さ調節部14aがパネル支持部14となる。
一つ目の一階床パネル5を設置した後は、一つ目と同様の手順で二つ目以降の一階床パネル5を順次設置していく。全ての一階床パネル5を設置し終えたら、隣接する一階床パネル同士をボルトおよびナットを用いて或いは互いを溶接して固定する。そして、連結部材6を用いて、一階床パネル5の側面と一階建物ユニット2の下部側面とを連結する。そして、一階床パネル5と一階建物ユニット2との間に生じる隙間に断熱材7を詰める。そして、一階建物ユニット2の根太24に床板110aを固定する。こうして、一階床110が施工される。
次に、離間対向する一階建物ユニット2,2同士の間に設けられた連結梁4の上に、二階床パネル5Aを、一階床パネル5と同様の手順で順次設置していく。二階床パネル5Aを設置し終えたら、隣接する二階床パネル5A同士を、一階床パネル5と同様に固定する。そして、連結部材6を用いて、二階床パネル5Aの側面と二階建物ユニット2Aの下部側面とを連結する。そして、二階床パネル5Aと二階建物ユニット2Aとの間に生じる隙間に断熱材7を詰め、二階建物ユニット2Aの根太24に床板120aを固定する。最後に、外壁や屋根の取り付けを行う。こうしてユニット式建物100が施工される。
以上のように、上記実施形態では、水平方向に互いに離間して配置された一対の建物ユニット間に床パネルが設けられてなる建物の床構造において、一対の一階建物ユニット2,2および一階床パネル5は、上面が平坦な基礎1(下部構造部)の上に設置されるとともに、一対の二階建物ユニット2A,2Aおよび二階床パネル5Aは、上面が平坦な一階建物ユニット2および連結梁4(下部構造部)の上に設置されており、建物ユニット2,2Aは、下端部がユニット床部2a,2Aa(床部)として構成されており、床パネル5,5Aは、その厚みがユニット床部2a,2Aaの厚みと略等しく設定され、一対の建物ユニット2,2Aにおけるユニット床部2a,2Aaの側面に対し、連結部材6を介して水平方向に連結されているものとした。
こうすることで、ユニット床部2a,2Aaと床パネル5,5Aとが水平方向に連結されるので、一階における一対のユニット床部2a,2a間に、一階床パネル5を載置・固定するための連結梁等の部材を設ける必要がなくなるので、使用する部材を減らすとともに、施工における工程数を少なくすることができる。また床を構成する部材が少なくなることで床面高さに誤差が生じにくくなるので、床パネル5,5Aの設置後に床面高さを調整する手間を省くことができる。
また、床パネル5(5A)と、当該床パネル5,5Aに隣接する建物ユニット2,2Aとが連結されることにより、下部構造部1,2,4に作用する建物ユニット2,2Aからの荷重が床パネル5,5Aにも分散される。これにより、設置された建物ユニット2,2Aが沈み込みにくくなるので、建物ユニット2,2Aおよび床パネル5,5Aの設置前後の高さ調整を容易に行うことができる。
また上記実施形態においては、連結部材6は、平面視クランク状に形成されるとともに、第一固定部62および第二固定部63(両端部)にボルト穴62a,63aを有し、第一固定部62(一端部)が床パネル5,5Aの側面にボルト64留めされ、第二固定部(他端部)が63ユニット床部2a,2Aaの側面にボルト64留めされることにより、ユニット床部2a,2Aaの側面と床パネル5,5Aの側面とを連結しているものとした。
こうすることで、第一固定部62の固定位置と、第二固定部63の固定位置がずれ、ボルト64周囲の空間が広がるので、ボルト64を締めるための工具を回転させ易くなり、容易かつ強固にボルト64を締めることができる
また上記実施形態においては、ユニット床部2a,2Aaは、平面視枠状に形成されるとともに、水平かつ所定の方向に向かって延設された根太24を備え、床パネル5,5Aは、枠状に形成されるとともに、水平かつ建物ユニット2,2Aの根太24と同じ方向に延設された根太54を備えるものとした。
こうすることで、建物ユニット2,2Aと床パネル5,5Aとで根太24,54の方向が揃うので、床面の全体的な剛性を均一化させることができる。
また、上記実施形態においては、下部構造部は、建物の基礎1とした。
こうすることで、一対の一階建物ユニット2,2の下端部間に一階床パネル5を載置・固定するための連結梁等の部材を設ける必要が無くなるので、使用する部材を減らすとともに、施工における工程数を少なくすることができ、施工に要する手間とコストを低減することができる。
また、上記実施形態においては、基礎1は、その上面に対し上下動させることが可能な高さ調節部13a,14a(高さ調節手段)を備え、一階建物ユニット2および一階床パネル5は、高さ調節手段13a,14aの上に載置されているものとした。
こうすることで、容易に一階ユニット床部2aの床面と一階床パネル5の床面とを面一にすることができる。
また、上記実施形態においては、ユニット式建物100は2(複数)階建てであり、下部構造部は、建物100の一(下)階における一対の一階建物ユニット2と、当該一対の建物ユニット2の上端部間に架け渡された連結梁4と、からなるものとした。
こうすることで、建物100の二階以上の階にも、施工性の高い床構造120を設けることができる。
また、上記実施形態では、基礎の上に一対の建物ユニットを水平方向に互いに離間するように配置し、一対の建物ユニット間に床パネルを設けることによって建物の床を形成する複数階建ての建物の施工方法において、基礎1の上に、一対の一階建物ユニット2,2(下階建物ユニット)を互いに離間するように配置し、一対の二階建物ユニット2A,2A(上階建物ユニット)を、一対の一階建物ユニット2,2のそれぞれの上に位置するように配置し、一階床パネル5(下階床パネル)を、配置された二階建物ユニット2Aよりも上まで吊り上げ、一対の二階建物ユニット2A,2Aの間および一対の一階建物ユニット2,2の間を通るように下ろして基礎1の上に載置し、載置した一階床パネル5と一階ユニット床部2a(下階建物ユニットの下端部)とを連結部材6で水平方向に連結し、一対の一階建物ユニット2,2の上端部同士を連結梁4で連結し、次いで、二階床パネル5A(上階床パネル)を、二階建物ユニット2Aよりも上まで吊り上げ、一対の二階建物ユニット2A,2Aの間を通るように下ろして連結梁4の上に載置し、載置した二階床パネル5Aと二階ユニット床部2Aa(二階建物ユニットの下端部)とを連結部材6で水平方向に連結するようにした。
建物ユニット2,2Aや床パネル5,5Aは、施工現場とは別の工場で製造されることが多い。また、コストや施工現場の広さ等の制約により、工場からは各部材を設置する順に製造・搬送し、施工現場では到着した順に部材を設置していくことになる。建物ユニット2,2Aは大きいので、1基搬送するのにトラック1台が必要になる上、他の部材を一緒に載せて輸送することは大変困難である。このため、従来のように一階部分の施工を全て終えてから二階部分の施工に入る場合には、一階建物ユニット2、一階床パネル5、二階建物ユニット2A、二階床パネル5Aの順で搬送する必要があった。しかし、これでは、比較的軽量で、複数をまとめて積載可能な床パネル5,5Aを分けて搬送することになるので、輸送コストがかかってしまう。しかし、請求項7に記載の発明によれば、全ての建物ユニット2,2Aの搬送を終えた後に一階床パネル5と二階床パネル5Aをまとめて搬送することができるので、一階床パネル5のみを搬送していた分のトラックの使用回数(台数)を少なくすることができる。このため、ユニット式建物100を、手間をかけることなく、かつコストをかけることなく施工することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、二階建ての建物を例示したが、平家でも三階建て以上の建物であっても差し支えない。三階建て以上とする場合、三階以上の階に設けられる建物ユニットおよび床は、二階と同様の構成とすればよい。
また、上記実施形態では、直方体状の建物ユニットを用いたが、立方体状でもよいし、平面視L字状等複雑な形状の建物ユニットを用いてもよい。
また、上記実施形態では、建物ユニットの床梁、柱、天井梁を仕口を用いて接合したが、仕口を用いずに各部材を直接溶接する等してもよい。
また、上記実施形態では、高さ調節手段(ユニット支持部13)を基礎1にのみ設けたが、連結梁4の上面に設けることで、二階床パネル5Aの調節を独立して行うことができるようにしてもよい。
100 ユニット式建物
100a 離し置き部
1 基礎(下部構造部)
11 本体
111 外枠部
112 内枠部
12 位置決め部
121 シアープレート
122 ピン
13 ユニット支持部
131 アンカー穴
132 ナット
133 ボルト
134 枠体
135 充填材
14 パネル支持部
15 閉塞部材
2 一階建物ユニット(下部構造部)
2A 二階建物ユニット
21 短辺床梁
22 下仕口
22a ボルト穴
22b アンカーボルト
22c 気密材
23 長辺床梁
23a ボルト穴
23b 気密材
24 根太
25 柱
26 上仕口
26a ボルト穴
27 短辺天井梁
28 長辺天井梁
29 天井小梁
3 屋根
4 連結梁(下部構造部)
110 一階床(床構造)
120 二階床(床構造)
2a 一階ユニット床部
2Aa 二階ユニット床部
5 一階床パネル
5A 二階床パネル
51 短辺枠材
52 長辺枠材
52a ボルト穴
52b 気密材
53 補強部材
54 根太
55 断熱材
56 床板
6 連結部材
61 中間部
62 第一固定部(一端部)
62a ボルト穴
63 第二固定部(他端部)
63a ボルト穴
7 断熱材

Claims (7)

  1. 水平方向に互いに離間して配置された一対の建物ユニット間に床パネルが設けられてなる建物の床構造において、
    前記一対の建物ユニットおよび前記床パネルは、上面が平坦な下部構造部の上に設置されており、
    前記建物ユニットは、床梁と、柱と、前記床梁と前記柱の下端部とを接続する仕口と、を備えるとともに、前記仕口を含む下端部が床部として構成されており、
    前記床パネルは、その厚みが前記床部の厚みと略等しく設定されるとともに、前記仕口と対向する部位が補強部材で補強されており
    前記床部と前記床パネルとは、前記仕口の側面上部と前記床パネルにおける前記補強部材で補強された部位の側面上部との間に設けられた連結部材によって水平方向に連結され
    前記仕口と前記補強された部位との間であって前記連結部材の下方及び側方は、気密材で閉塞されていることを特徴とする建物の床構造。
  2. 請求項1に記載の建物の床構造において、
    前記連結部材は、
    平面視クランク状に形成されるとともに、両端部にボルト穴を有し、
    一端部が前記床パネルの側面にボルト留めされ、他端部が前記床部の側面にボルト留めされることにより、前記床部の側面と前記床パネルの側面とを連結していることを特徴とする建物の床構造。
  3. 請求項1または2に記載の建物の床構造において、
    前記床部は、平面視枠状に形成されるとともに、水平かつ所定の方向に向かって延設された根太を備え、
    前記床パネルは、枠状に形成されるとともに、水平かつ前記建物ユニットの根太と同じ方向に延設された根太を備えることを特徴とする建物の床構造。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の建物の床構造において、
    前記下部構造部は、建物の基礎であることを特徴とする建物の床構造。
  5. 請求項4に記載の建物の床構造において、
    前記基礎は、その上面に対し上下動させることが可能な高さ調節手段を備え、
    前記建物ユニットおよび前記床パネルは、前記高さ調節手段の上に載置されていることを特徴とする建物の床構造。
  6. 請求項1から3の何れか一項に記載の建物の床構造において、
    前記建物は複数階建てであり、
    前記下部構造部は、
    前記建物の下階における前記一対の建物ユニットと、
    当該一対の建物ユニットの上端部間に架け渡された連結梁と、からなることを特徴とする建物の床構造。
  7. 対の建物ユニットを水平方向に互いに離間するように配置し、前記一対の建物ユニット間に床パネルを設けることによって建物の床を形成する建物の施工方法において、
    前記建物ユニットとして、床梁と、柱と、前記床梁と前記柱の下端部とを接続する仕口と、を備えるとともに、前記仕口を含む下端部が床部として構成され、前記仕口の側面上部に連結部材の取付部が設けられたものを準備するとともに、
    前記床パネルとして、その厚みが前記床部の厚みと略等しく設定されるとともに、前記仕口と対向する部位が補強部材で補強され、当該補強部材で補強された部位の側面上部に前記連結部材の取付部が設けられたものを準備し、
    上面が平坦な下部構造部の上に、一対の前記建物ユニットを互いに離間するように配置し
    前記床パネルを、配置された一対の前記建物ユニットの間における前記下部構造部の上に載置し、
    載置した前記仕口の前記取付部に前記連結部材の一端部を取り付けるとともに、載置した前記床パネルにおける前記補強された部位の前記取付部に前記連結部材の他端部を取り付けることにより、前記床パネルと前記床部を水平方向に連結し
    前記仕口と前記補強された部位との間であって前記連結部材の下方及び側方を、気密材で閉塞することを特徴とする建物の施工方法。
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