JP2022000487A - 光硬化型コーティング剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線等の光照射に対し良好な硬化性を有し、得られる硬化皮膜の透湿度が非常に低いと同時に小径の曲げにもクラックが生じにくい、光硬化型のコーティング剤を提供する。【解決手段】軟化点が100℃以上の水添添加環状オレフィン系ポリマー(A)と、側鎖に不飽和基を有するエチレン−プロピレン共重合体(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、前記(A)の固形分全量に対する配合量が50〜85重量%であることを特徴とする光硬化型コーティング剤組成物である。【選択図】なし
Description
本発明は、紫外線等の光照射により硬化する、水蒸気バリア性に非常に優れた低透湿の光硬化型コーティング剤組成物に関する。
紫外線硬化樹脂は短時間で硬化が可能な特性を生かし、フィルムや成形物へのコーティング剤、電子部品や電気接点のシール剤などの産業資材から、接着剤やジェルネイルなどの身近な製品まで幅広く利用されている。これらの中で特にコーティング剤としては、硬度や耐擦傷性を向上させるハードコート用コーティング剤が良く知られているが、近年では、水分侵入による表示不良や視認性の低下を防ぐため低透湿性や、フレキシブルディスプレイ用途で必要とされる耐屈曲性を要求特性として求められるようになってきている。
こうした要求に対し、低透湿性のコーティング剤として例えば、ポリオレフィンポリオール化合物、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和基化合物及びイソシアネート基を反応させたウレタン化合物と、光重合性単量体と、光重合開始剤と、ウレタンアクリレートオリゴマーを含む光硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。また耐屈曲性を有するコーティング剤として例えば、ウレタンアクリレート(メタ)アクリレートと、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートと、重合開始剤を含有する組成物が提案されている(特許文献2)。
こうした組成物を適宜選定することで、低透湿性や耐屈曲性を要求される分野には対応が可能となってきている。しかしながら、特許文献1に開示された組成物は十分な耐屈曲性を有しておらず、また特許文献2に開示された組成物は十分な低透湿性を有しているとは言えず、EL素子を実装したデバイスのような、低透湿性と耐屈曲性という両方の特性を兼ね備えたコーティング剤という要求特性に対しては改善の余地があった。
本発明の課題は、紫外線等の光照射に対し良好な硬化性を有し、得られる硬化皮膜の透湿度が非常に低いと同時に小径の曲げにもクラックが生じにくい、光硬化型のコーティング剤を提供することにある。
上記課題に対応するため請求項1記載の発明は、軟化点が100℃以上の水添添加環状オレフィン系ポリマー(A)と、側鎖に不飽和基を有するエチレン−プロピレン共重合体(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、前記(A)の固形分全量に対する配合量が50〜85重量%であることを特徴とする光硬化型コーティング剤組成物を提供する。
また請求項2記載の発明は、前記(A)が水添添加ジシクロペンタジエン系石油樹脂であることを特徴とする請求項1記載の光硬化型コーティング剤組成物を提供する。
また請求項3記載の発明は、前記(B)がエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の光硬化型コーティング剤組成物を提供する。
また請求項4記載の発明は、前記(B)の固形分全体に対する配合量が10〜45重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光硬化型コーティング剤組成物を提供する。
また請求項5記載の発明は、有機プラスチックフィルムへの塗布用であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の光硬化型コーティング剤組成物を提供する。
本発明の組成物は、紫外線等の光照射に対し良好な硬化性を有し、得られる硬化皮膜の透湿度が非常に低いと同時に小径の曲げにもクラックが生じにくいため、EL素子を実装したデバイスのように、低透湿性と屈曲性を要求される分野に用いる光硬化型コーティング剤として有用である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物の構成は、水添添加環状オレフィン系ポリマー(A)と、エチレン−プロピレン系共重合体(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)である。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含するものとする。
本発明で使用する水添添加(以下水添)環状オレフィン系ポリマー(A)は、硬化皮膜を構成する主要樹脂で、100℃以上の軟化点を有する。軟化点は110℃以上が好ましく、120℃以上が更に好ましい。100℃未満では表面硬化性が低下しタック感が残る傾向がある。軟化点の上限については特に限定はないが、概ね160℃程度が例示できる。なお軟化点はJIS K2207に準じ環球法にて測定することができる。
前記(A)としては、例えば水添芳香族系石油樹脂、水添ジシクロペンタジエン(以下DCPD)系石油樹脂、水添ロジンエステル等が挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では無色透明で耐候性が高く、また水分の透過性が低い点で水添DCPD系石油樹脂が好ましい。水添DCPD系石油樹脂としては、DCPD単独の水添重合物に加え、DCPDと脂肪族系あるいは芳香族系原料の共重合物を水添したものが含まれる。
前記(A)の平均重量分子量(以下Mw)としては、300〜2,000が好ましく、500〜1,000が更に好ましい。300以上とすることで硬化物の十分な表面硬化性を確保でき、2,000以下とすることで他成分との十分な相溶性を確保できる。なおMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、スチレンジビニルベンゼン基材の充填材を用いたカラムでテトラハイドロフラン溶離液を用いて、標準ポリスチレン換算の分子量を測定、算出した。
前記(A)の配合量としては、固形分全量に対し50〜85重量%であり、55〜80重量%が好ましい。50重量%以下では十分な低透湿度が確保できず、85重量%以上では十分な屈曲性を確保することができない場合がある。
本発明で使用するエチレン−プロピレン系共重合体(B)は、成膜性と屈曲性を向上させる目的で配合し、側鎖に不飽和基を有する共重合体である。エチレンの含有比率を変化させることで、引張強度や硬度等の性状を変化させることが可能であり、エチレンの含有比率は65%以下が好ましく、60%以下が更に好ましい。65%以下とすることでポリマーの硬度が高くなりすぎず、十分な屈曲性を確保できる。
側鎖に不飽和基を有するエチレン−プロピレン系共重合体としては、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン(以下ENB)共重合体が好ましい。ENBを共重合させた場合は、ポリマーの主鎖が化学的に安定な飽和炭化水素から構成されるため、紫外線やオゾンへの耐性および耐薬品性などが向上する。
前記(B)の配合量としては、固形分全量に対し10〜45重量%が好ましく、15〜40重量%が更に好ましい。10重量%以上とすることで成膜性と屈曲性の向上が期待でき、45重量%以下とすることで十分な透湿度の確保と、表面硬化性を確保できる。なお(B)は溶解性が高くないため、予め親溶媒に溶解させてから他成分と混合することが好ましい。(B)を溶解する親溶媒としては、例えばトルエン:メチルシクロヘキサン=55:30の混合溶媒が例示できる。
本発明で使用する多官能(メタ)アクリレート(C)は、(A)と(B)を含む混合物を硬化・架橋させる役割を担う。単官能(メタ)アクリレートでは硬化物の分子量を大きく出来ないため,多官能(メタ)アクリレートを使用するが、硬化収縮を抑えるため2官能が好ましい。
前記(C)の2官能の(メタ)アクリル系モノマーとしては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1.4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、4.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1.10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、3−メチル−1.5ペンタンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレートなどがあり、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では(A)及び(B)との相溶性の観点で、環状骨格をもつジオキサングリコールジアクリレート、水添ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレートが好ましい。
前記(C)の配合量としては、固形分全量に対し1〜5重量%が好ましく、1.5〜3重量%が更に好ましい。1重量%以上とすることで十分な表面硬化性を確保でき、5重量%以下とすることで十分な屈曲性を確保することができる。
本発明で使用される光重合開始剤(D)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、光を吸収した後の反応の仕方により、分子内開裂によりラジカルを発生させるタイプ(分子内開裂型)と、2分子間で水素や電子をやり取りしてラジカルを発生させるタイプ(水素引き抜き型)に大別できる。
前記分子内開裂型では、例えばベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等が、また水素引き抜き型ではベンゾフェノン系、チオキサントン系、アントラキノン系等が挙げられ、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、水素引き抜き型開始剤が分子内開裂型のような分解物を生じないため反応終了後揮発成分となりにくく、また(A)や(B)との相溶性が良好な点で好ましい。水素引き抜き型開始剤の市販品ではEsacure TZT(商品名:IGM Resins社製、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物)等が挙げられる。
更に加えて本発明の封止用樹脂組成物は、性能を損なわない範囲で、必要に応じ酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、消泡剤剤、シランカップリング剤、着色剤、無機粒子、有機粒子等の添加剤を含有してもよい。
前記酸化防止剤は、配合することにより硬化後の皮膜物性劣化を防止することができる。例えばフェノール系、リン系、フェノールリン系、硫黄系などが挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。酸化防止剤の配合量としては、全固形分に対し3重量%以下が好ましく、2重量%以下が更に好ましい。市販品ではスミライザーGP(商品名:住友化学社製、フェノールリン系)等が挙げられる。
本発明のコーティング剤組成物は、基材への塗工性を向上させるため、溶剤にて固形分が10〜70%に希釈される。溶剤としては、例えばエタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル,ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ等のエーテル系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン(以下MCH)等の炭化水素系溶媒等があげられ、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では溶解性の観点で、トルエン及びMCHが好ましい。
本発明のコーティング剤組成物が塗布される基材としては有機プラスチックフィルムが挙げられ、例えばポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム、シクロオレフィン(コ)ポリマーフィルム等を例示することができる。
本発明のコーティング剤組成物を塗布する方法は、特に制限はなく、公知のスプレーコート、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、ワイヤーバーなどの塗工法またはグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などを利用できる。塗布膜厚についての限定はないが、硬化後の膜厚として1μm〜30μmが例示できる。
本発明のコーティング剤組成物を塗布した後は60〜120℃で乾燥し、紫外線照射機を用いて硬化させる。紫外線を照射する場合の光源としては例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプなどがあげられ、硬化条件としては500mW/cm2〜3000mW/cm2の照射強度で、積算光量として50〜2,000mJ/cm2が例示される。また照射する雰囲気は空気中でもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中でもよい。
以下、本発明を実施例、比較例に基づき詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。また表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。なお配合量は重量部を示す。
実施例1
(A)としてTREZ Premium OP501(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点138℃、Mw650)を、(B)としてJSR EP93(商品名:JSR社製、エチレン−プロピレン−ENB共重合体、エチレン比率55%)を、(C)としてNKエステルA-DOG(商品名:新中村化学社製、ジオキサングリコールジアクリレート)を、(D)としてEsacure TZT(商品名:IGM Resins社製、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物)を、酸化防止剤としてSumilizer GP(商品名:住友化学社製)を表1記載の配合で撹拌容器に入れ、固形分が30重量%の割合になるように、トルエンとMCHの混合溶媒(トルエン:MCH=30:40)を用いて希釈し均一に溶解するまで撹拌脱泡し、実施例1の光硬化型コーティング剤組成物を調製した。なお(B)については予めトルエン:メチルシクロヘキサン=55:30の混合溶媒を用い、固形分15%で溶解しておき混合した。
(A)としてTREZ Premium OP501(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点138℃、Mw650)を、(B)としてJSR EP93(商品名:JSR社製、エチレン−プロピレン−ENB共重合体、エチレン比率55%)を、(C)としてNKエステルA-DOG(商品名:新中村化学社製、ジオキサングリコールジアクリレート)を、(D)としてEsacure TZT(商品名:IGM Resins社製、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物)を、酸化防止剤としてSumilizer GP(商品名:住友化学社製)を表1記載の配合で撹拌容器に入れ、固形分が30重量%の割合になるように、トルエンとMCHの混合溶媒(トルエン:MCH=30:40)を用いて希釈し均一に溶解するまで撹拌脱泡し、実施例1の光硬化型コーティング剤組成物を調製した。なお(B)については予めトルエン:メチルシクロヘキサン=55:30の混合溶媒を用い、固形分15%で溶解しておき混合した。
実施例2〜9
実施例1で用いた材料の他、(A)としてTREZ HA103(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点103℃、Mw620)及びTREZ HA125(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点125℃、Mw630)及びTREZ HB125(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD/C9共重合系、軟化点125℃、Mw650)を、(C)としてライトアクリレートDCP-A(商品名:共栄社化学社製、水添ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート)及びライトアクリレート4EG−A(商品名:共栄社化学社製、PEG200#ジアクリレート)及びファンクルFA−129AS(商品名:日立化成社製、ノナンジオールジアクリレート)を表1記載の配合で撹拌容器に入れ、固形分が30重量%の割合になるように上記混合溶媒で希釈して均一に溶解するまで撹拌脱泡し、実施例2〜9の光硬化型コーティング剤組成物を調製した。
実施例1で用いた材料の他、(A)としてTREZ HA103(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点103℃、Mw620)及びTREZ HA125(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点125℃、Mw630)及びTREZ HB125(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD/C9共重合系、軟化点125℃、Mw650)を、(C)としてライトアクリレートDCP-A(商品名:共栄社化学社製、水添ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート)及びライトアクリレート4EG−A(商品名:共栄社化学社製、PEG200#ジアクリレート)及びファンクルFA−129AS(商品名:日立化成社製、ノナンジオールジアクリレート)を表1記載の配合で撹拌容器に入れ、固形分が30重量%の割合になるように上記混合溶媒で希釈して均一に溶解するまで撹拌脱泡し、実施例2〜9の光硬化型コーティング剤組成物を調製した。
比較例1〜6
実施例で用いた材料の他、水添添加環状オレフィン系ポリマーとしてTREZ HA085(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点85℃、Mw550)を、表1記載の配合で撹拌容器に入れ、固形分が30重量%の割合になるように上記混合溶媒で希釈して均一に溶解するまで撹拌脱泡し、比較例1〜4の光硬化型コーティング剤組成物を調製した。
実施例で用いた材料の他、水添添加環状オレフィン系ポリマーとしてTREZ HA085(商品名:JXTGエネルギー社製、水添DCPD系、軟化点85℃、Mw550)を、表1記載の配合で撹拌容器に入れ、固形分が30重量%の割合になるように上記混合溶媒で希釈して均一に溶解するまで撹拌脱泡し、比較例1〜4の光硬化型コーティング剤組成物を調製した。
評価項目及び評価方法
評価シートの作製
上記で得られたコーティング剤組成物を、アクリルフィルム505NAH(商品名:カネカ社製、厚み75μm)に硬化後の膜厚が20μmとなるようにアプリケーターで塗布し、80℃×60秒で乾燥後、フュージョンUVシステムジャパン社製の無電極UV照射装置F300S/LC-6Bを用い、Hバルブ、出力600mW/cm2、積算光量1500mJ/cm2の条件で硬化させた。
上記で得られたコーティング剤組成物を、アクリルフィルム505NAH(商品名:カネカ社製、厚み75μm)に硬化後の膜厚が20μmとなるようにアプリケーターで塗布し、80℃×60秒で乾燥後、フュージョンUVシステムジャパン社製の無電極UV照射装置F300S/LC-6Bを用い、Hバルブ、出力600mW/cm2、積算光量1500mJ/cm2の条件で硬化させた。
透湿度:塩化カルシウム30gの入った透湿カップ(安田精機社製)の上に、上記で作成した評価シートを塗工面を上にして載せ、ゴムパッキン及び蓋を取り付け、40℃、相対湿度90%の条件で24時間試験前後の質量を測定し、透湿度が20g/m2・24hr以下を◎、20超〜30g/m2・24hr以下を○、30g/m2・24hr超を×とした。
屈曲性:ビック・ガードナー社製の円筒形マンドレルテスタPF−5710を用い、上記評価シートを120mm×30mmにカットし、180°の折り曲げ(内曲げ/外曲げ)を1回行い、クラックが入らない最小曲げ半径(Rmm)を測定し、内曲げ/外曲げが共に1Rの場合を◎、どちらか一方でも1R超の場合は×とした。
塗工性:上記評価シート作成した際、一切の欠点及び塗りムラも発生しない場合を◎、改善化可能な微細な欠点及び塗りムラの場合を○、明らかなハジキ及び欠点がある場合を×とした。
表面タック性:上記で作成した評価シートを用い、紫外線照射後の指触タックを評価し、指で触れてもタックが無く、触った跡も塗膜に残らない場合を◎、触った跡が残るものの、塗膜が指に貼りつかない場合を○、指を塗膜表面に押し当てると指にかるく付着する場合を△、指に強く付着する場合を×とした。
評価結果
評価結果を表2に示す。
評価結果を表2に示す。
実施例の各コーティング組成物は、透湿度、屈曲性、塗工性、表面タック性のいずれの評価においても良好な結果を得た。
一方、(A)の配合量が少ない比較例1は透湿度が高いと共に表面タックが大きく、(B)を含まない比較例2は成膜性が引くため塗工性が劣りまた屈曲性も低く、軟化点が低い水添DCPD系石油樹脂を用いた比較例3は表面タックが大きく、(A)を含まない比較例4は透湿性が高いと共に塗工性が劣り、いずれも本願発明に適さないものであった。
Claims (5)
- 軟化点が100℃以上の水添添加環状オレフィン系ポリマー(A)と、側鎖に不飽和基を有するエチレン−プロピレン共重合体(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、前記(A)の固形分全量に対する配合量が50〜85重量%であることを特徴とする光硬化型コーティング剤組成物。
- 前記(A)が水添添加ジシクロペンタジエン系石油樹脂であることを特徴とする請求項1記載の光硬化型コーティング剤組成物。
- 前記(B)がエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の光硬化型コーティング剤組成物。
- 前記(B)の固形分全体に対する配合量が10〜45重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光硬化型コーティング剤組成物。
- 有機プラスチックフィルムへの塗布用であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の光硬化型コーティング剤組成物。
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