JP2021536533A - アルミニウム合金、半製品、缶、スラグ製造方法、缶製造方法及びアルミニウム合金の使用 - Google Patents

アルミニウム合金、半製品、缶、スラグ製造方法、缶製造方法及びアルミニウム合金の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、0.07質量%〜0.17質量%のケイ素と、0.25質量%〜0.45質量%の鉄と、0.02質量%〜0.15質量%のと、0.30質量%〜0.50質量%のマンガンと、0.05質量%〜0.20質量%のクロムと、0.01質量%〜0.04質量%のチタンと、残りとしてアルミニウム及び必要に応じて追加成分からなるアルミニウム合金に関する。本発明はさらに、半製品、好ましくはスラグ、又は缶、好ましくはエアゾール缶、スラグの製造方法、缶、好ましくはエアゾール缶の製造方法、及びアルミニウム合金の使用に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム合金、半製品、缶、スラグの製造方法、缶の製造方法及びアルミニウム合金の使用に関する。
アルミニウム又はアルミニウム合金製のエアゾール缶は、一般的に、円筒状の缶体と、円筒状の缶体の一端を閉塞する缶底と、缶肩部と、缶底の反対側の端部に設けられた缶首部とを有し、さらに、バルブ及びスプレーヘッドを有する。
かかるエアゾール缶は、典型的には、押出によって、特に後方押出又は複合前方−後方押出プロセスによって製造される。エアゾール缶を製造するための半製品として、アルミニウム又はアルミニウム合金ストリップからプレス加工された厚さ数ミリメートルのスラグが使用される。
押出後の未完成の缶は、さらなる処理工程とは別に、一般的には、内容物が缶壁と直接接触するのを防止するために缶の内側にワニスコーティング(内面コーティング)が施される前に、洗浄及びクリーニング工程にかけられる。未完成缶の内面への適用後、内面コーティングは焼付炉で焼き付けされる。さらなる加工工程には、未完成缶の外面の外面コーティング、印刷及び最終コーティングがあり、最終エアゾール缶形状の成形もある。
エアゾール缶の特性は厳しい要件を満たさなくてはならない。第1に、大気圧よりも高い圧力下の内容物のための安全な容器を提供するように十分な強度を有するべきである。第2に、缶は軽量であるべきであり、したがって、可能な限り薄い壁を有するべきである。
エアゾール缶の強度特性は、エアゾール缶の製造に使用されるスラグの組成、特にその製造プロセスによってかなりの程度決定される。
アルミニウム合金は、例えば、欧州特許第1 064 413号明細書(B1)、フランス特許出願公開第2 457 328号明細書(A1)、日本国特開2008−169417号公報、米国特許出願公開第2006/0021415号明細書(A1)及び米国特許出願公開第2014/0298641号明細書(A1)から知られている。
アルミニウム合金製のエアゾール缶は、原理的には純アルミニウムよりも高い強度及び耐圧性を有する。しかし、アルミニウム合金を使用する場合、純アルミニウムを使用する場合と同様に、缶の製造プロセス、特に内面コーティングの焼き付け中に、硬度低下、ひいては強度低下が起こるという問題が生じる。これは、内面コーティングの焼き付けが230℃〜250℃の温度範囲で行われ、アルミニウム合金の回復及び再結晶効果により、押出操作中に達成される冷間強化の減少をもたらすためである。この強度低下を補うために、缶に要求される技術的特性と安全基準を満たすことができるように、典型的にはより厚い壁厚が選択される。これは、特に缶の耐圧性に関して当てはまる。しかしながら、壁厚が大きくなると、経済的な理由から不利になり、また、質量が考慮されるため、取り扱いの面でも不利になる。
本発明は、従来技術と比べて改善されたアルミニウム合金、従来技術と比べて改善された半製品、特に、従来技術と比べて改善されたスラグ、従来技術と比べて改善された缶、従来技術と比べて改善されたスラグ製造プロセス、従来技術と比べて改善された缶製造プロセス、及びアルミニウム合金の従来技術と比べて改善された使用を提供するという課題に対処する。アルミニウム合金は、特に、高い強度を有し、同時に小さい缶壁厚を有し、さらに、特に、良好な成形特性を有する缶、好ましくはエアゾール缶を製造するのに適したものであるべきである。
本発明は、この問題を、独立請求項1の特徴を有するアルミニウム合金、請求項10に記載の半製品又は缶、請求項11に記載のスラグを製造するためのプロセス、請求項12に記載の缶を製造するためのプロセス、及び請求項13に記載のアルミニウム合金の使用を提供することによって、解決する。アルミニウム合金の好ましい実施形態は、従属請求項2〜9の主題である。全請求項の記載は参照により本明細書に援用される。
第1の態様によれば、本発明は、特に、スラグ、すなわち円形ブランク、及び/又は缶、好ましくはエアゾール缶用のアルミニウム合金を提供する。
上記アルミニウム合金は、
− 0.07質量%〜0.17質量%のケイ素、
− 0.25質量%〜0.45質量%の鉄と、
− 0.02質量%〜0.15質量%の銅と、
− 0.30質量%〜0.50質量%のマンガンと、
− 0.05質量%〜0.20質量%のクロムと、
− 0.01質量%〜0.04質量%のチタンと、
− 残りとしてアルミニウム及び必要に応じて追加成分、
からなる。
言い換えれば、アルミニウム合金は、
− 0.07質量%〜0.17質量%のケイ素と、
− 0.25質量%〜0.45質量%の鉄と、
− 0.02質量%〜0.15質量%の銅と、
− 0.30質量%〜0.50質量%のマンガンと、
− 0.05質量%〜0.20質量%のクロムと、
− 0.01質量%〜0.04質量%のチタンと、
− 残りとしてアルミニウム、
からなるか、あるいは、
− 0.07質量%〜0.17質量%のケイ素と、
− 0.25質量%〜0.45質量%の鉄と、
− 0.02質量%〜0.15質量%の銅と、
− 0.30質量%〜0.50質量%のマンガンと、
− 0.05質量%〜0.20質量%のクロムと、
− 0.01質量%〜0.04質量%のチタンと、
− 残りとしてアルミニウム及び追加成分、
からなる。
本発明の文脈で開示されている質量百分率(質量%)での割合、すなわち質量による割合は、それぞれの場合において、アルミニウム合金の総質量に基づく。
本発明において、「スラグ」又は「円形ブランク」という表現は、ディスク、特に円柱状ディスク、好ましくは環状円柱状ディスクを指す。ディスクは、好ましくは、直径に対して非常に小さい高さを有する。例えば、ディスクは、3mm〜13mm、特に4mm〜10mm、好ましくは4.5mm〜7mmの高さ、及び/又は10mm〜130mm、特に20mm〜80mm、好ましくは30mm〜60mmの直径を有することができる。
本発明において、「エアゾール缶」という表現は、エアゾールの形態で液体又は半液体媒体を噴霧するための缶を指す。液体又は半液体媒体は、例えば、ヘアスプレー、デオドラント、シェービングフォーム、ペイント、ペイントオンコーティング、ワニス、表面コーティング、家具用ポリッシュ、オイル、液体石鹸、樹脂、パラフィン、液体ワックス、天然ゴム、接着剤、消毒剤、含浸剤、クリーナー、有機液体、無機液体、スプレー式乳クリームなどの液状/半液状食品、液状/半液状パーソナルケア製品などの液状/半液状化粧品、又は液状/半液状医薬品であることができる。本発明において、エアゾール缶は、スプレー缶とも呼ばれる。
本発明は、缶、好ましくはエアゾール缶を製造するために本発明によるアルミニウム合金を使用した場合に、缶の内面コーティングの焼き付け時の回復及び再結晶相を抑制できるという驚くべき発見に基づく。これには、本発明のアルミニウム合金中に存在する銅及びクロム元素の組み合わせが関係している。例えば、銅の場合、クラスタ硬化及び/又は析出硬化が、内面コーティングの焼き付けに用いられる温度で起こる。ここでは、合金元素である銅の準安定なクラスタ及び/又は析出物が形成され、これらが強度の増加をもたらし、ひいては、それに関連する再結晶化及び強度低下に対抗することができる。クロムの場合、内面コーティングの焼き付け時に起こる分散硬化は、全く同様の効果に基づくが、より大きな分散したクロム化合物によるものである。より大きな分散したクロム化合物は、特に、式Al(Fe,Cr,Mn)Siの分散質であることができる。
本発明によれば、少量の合金元素である銅及びクロムであっても、缶、好ましくはエアゾール缶の強度特性又は強度低下に有利な変化をもたらすことができることは、特に驚くべきことである。
アルミニウム合金を製造するためのケイ素の組み込み、すなわちケイ素の使用は、有利なことに、混晶硬化をもたらす。
アルミニウム合金を製造するための鉄の組み込み、すなわち鉄の使用は、有利なことに、式AlFeSiの分散質の形成をもたらし、これは分散硬化による強度の(さらなる)増加をもたらす。
アルミニウム合金を製造するためのマンガンの組み込み、すなわちマンガンの使用は、有利なことに、混晶硬化をもたらし、これによりアルミニウム合金の強度が(さらに)増加する。さらに、式Al(Fe,Cr,Mn)Siの非常に微細な分散質を形成することができ、かかる非常に微細な分散質はアルミニウム合金の強度のさらなる増加をもたらす。本発明により提供されるマンガンの質量割合は、第1に、アルミニウム合金の強度の増加を達成するのに十分に高いことが分かった。第2に、本発明により提供されるマンガンの質量割合は、成形抵抗の過度の増加、特に亀裂形成のおそれをもたらすほどには高くないことがわかった。このことは、アルミニウム合金がエアゾール缶などの缶の製造に使用される場合に、特に有利である。
アルミニウム合金を製造するためのチタンの組み込み、すなわちチタンの使用は、有利なことに、結晶粒の微細化及び微細結晶粒硬化をもたらし、これはアルミニウム合金の強度及び延性を増加させる。
このようにして、本発明のアルミニウム合金を用いて、問題になっているタイプの標準的な缶に比べてより高い強度を有する缶、好ましくはエアゾール缶を製造することができる。このより高い強度は、特に有利なことに、材料の使用量を少なくすることを可能にし、その結果、より薄い壁厚を有する缶を製造することができる。これは、経済的な観点からも、取り扱い上の観点からも有利である(缶の固有質量が減少する)。
さらなる利点は、まず、缶の壁厚の所望の減少及びそれに関連する材料の節約を達成するのに十分に高い強度を有するが、缶の良好な成形性が確保されるように強度が高すぎない缶を、本発明のアルミニウム合金によって製造できることである。そうでなければ缶が裂けてしまう危険性があるため、これは、複雑な形状を有する缶の製造において特に有利である。
本発明の一実施形態において、ケイ素の質量割合は、0.08質量%〜0.14質量%、好ましくは0.09質量%〜0.13質量%である。言い換えれば、本発明の実施形態において、ケイ素の割合は、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.08質量%〜0.14質量%、好ましくは0.09質量%〜0.13質量%である。ケイ素の組み込みに関連して記載した利点は、この段落で開示したケイ素の質量割合で特に顕著である。
本発明のさらなる実施形態において、鉄の質量割合は、0.30質量%〜0.40質量%、好ましくは0.32質量%〜0.36質量%である。言い換えれば、本発明のさらなる実施形態において、鉄の割合は、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.30質量%〜0.40質量%、好ましくは0.32質量%〜0.36質量%である。鉄の組み込みに関連して記載した利点は、この段落で開示した鉄の質量割合で特に顕著である。
本発明のさらなる実施形態において、銅の質量割合は、0.02質量%〜0.08質量%、好ましくは0.03質量%〜0.06質量%である。言い換えれば、本発明のさらなる実施形態において、銅の割合は、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.02質量%〜0.08質量%、好ましくは0.03質量%〜0.06質量%である。この段落に開示されている銅の質量割合では、本発明に係るアルミニウム合金を含むか、又はかかるアルミニウム合金からなる缶の内面コーティングの焼き付け中に、特に銅に起因するクラスタ硬化及び/又は析出硬化が特に顕著になる。
本発明のさらなる実施形態において、マンガンの質量割合は、0.30質量%以上かつ<0.50質量%(0.50質量%未満)、特に0.30質量%〜0.45質量%、好ましくは0.34質量%〜0.38質量%である。言い換えれば、本発明のさらなる実施形態において、マンガンの割合は、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.30質量%以上かつ<0.50質量%(0.50質量%未満)、特に0.30質量%〜0.45質量%、好ましくは0.34質量%〜0.38質量%である。マンガンの組み込みに関連して記載した利点は、この段落で開示したマンガンの質量割合で特に顕著である。
本発明のさらなる実施形態において、クロムの質量割合は、0.08質量%〜0.14質量%、好ましくは0.09質量%〜0.13質量%である。言い換えれば、本発明のさらなる実施形態において、クロムの割合は、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.08質量%〜0.14質量%、好ましくは0.09質量%〜0.13質量%である。この段落に記載されているクロムの質量割合では、特に本発明に係るアルミニウム合金を含むか、又はかかるルミニウム合金からなる缶の内面コーティングの焼き付け中に、クロムに起因する分散硬化が特に顕著である。
本発明のさらなる実施形態において、チタンの質量割合は、0.015質量%〜0.03質量%、好ましくは0.02質量%〜0.028質量%である。言い換えれば、本発明のさらなる実施形態において、チタンの割合は、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.015質量%〜0.03質量%、好ましくは0.02質量%〜0.028質量%である。チタンの組み込みに関連して記載した利点は、この段落で開示されたチタンの質量割合で特に顕著である。
本発明のさらなる実施形態において、追加成分は、不純物、特に不可避の不純物である。
複数形の表現「追加成分」は、本発明において、単一の追加成分(単数)又は複数の追加成分、すなわち1種よりも多くの追加成分、例えば2、3又は4種の追加成分を指すことがある。対応して、複数形の表現「不純物」は、本発明において、単一の不純物(単数)又は複数の不純物、すなわち1種よりも多くの不純物、例えば2、3又は4種の不純物を指すことがある。
本発明のさらなる実施形態において、単一の追加的な構成要素、特に単一の不純物の質量割合は0.05質量%以下である。言い換えれば、単一の追加成分、特に単一の不純物の割合は、本発明のさらなる実施形態において、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.05質量%以下である。
本発明のさらなる実施形態において、追加成分、特に不純物の質量割合の合計は0.15質量%以下である。言い換えれば、追加成分、特に不純物の総割合は、本発明のさらなる実施形態において、アルミニウム合金の総質量を基準にして、0.15質量%以下である。
可能性のある不純物は、当業者にはそれ自体よく知られており、その理由から、この主題に関するさらなる説明は不要である。
さらに、上記アルミニウム合金は、ジルコニウムフリーであることができる。
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様に従うアルミニウム合金を含む又は本発明の第1の態様に従うアルミニウム合金からなる半製品、又は本発明の第1の態様に従うアルミニウム合金を含む又は本発明の第1の態様に従うアルミニウム合金からなる缶を提供する。
半製品は、特に、スラグ、金属シート、プレート、形材、特に押出形材、チューブ、ロッド、又はワイヤであることができる。半製品は、好ましくはスラグである。
缶は、肩部及び/又は缶首部を有することができる。肩部は、丸みを帯びた肩部、球状の肩部、傾斜した肩部、段差のある肩部及び尖ったアーチの肩からなる群から選択することができる。
さらに、缶は、内方への湾曲を有する底部を有することができる。
また、缶は、充填されたものであることができる。特に、缶に、液体又は半液体媒体を充填することができる。液体又は半液体媒体は、例えば、ヘアスプレー、デオドラント、シェービングフォーム、ペイント、ペイントオンコーティング、ワニス、表面コーティング、家具用ポリッシュ、オイル、石鹸、樹脂、パラフィン、ワックス、天然ゴム、接着剤、消毒剤、含浸剤、クリーナー、有機液体、無機液体、スプレー式乳製品クリームなどの液状/半液状食品、パーソナルケア製品などの化粧品、又は医薬品であることができる。
さらに、缶は、噴射剤、特に、好ましくはプロパン、ブタン、ジメチルエーテル、空気、窒素、及び上述の噴射剤ガスのうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択された噴射剤ガスを含むことができる。
代替案として、缶は空であることができる。
缶は、好ましくは、エアゾール缶、すなわちスプレー缶である。
半完成品及び缶のさらなる特徴及び利点に関しては、繰り返しを避けるために、上記の説明の全て、すなわち本発明の第1の態様についての記載を参照する。そこに記載した特徴及び利点は、特にアルミニウム合金に関して、本発明の第2の態様に従う半製品及び缶に同様に適用される。
第3の態様によれば、本発明は、スラグ、特に本発明の第2の態様に従うスラグの製造方法であって、以下の工程:
a)アルミニウム及び/又はアルミニウムスクラップを提供する工程、
b)アルミニウム及び/又はアルミニウムスクラップを溶融する工程、
c)溶融アルミニウム及び/又は溶融アルミニウムスクラップに、好ましくは金属又は元素の形態であるケイ素、鉄、銅、マンガン、クロム及びチタンである合金元素を添加する工程、
d)合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップを鋳造、特に連続鋳造してストリップを形成する工程、
e)ストリップを熱間圧延する工程、
f)熱間圧延されたストリップを冷間圧延する工程、
g)冷間圧延されたストリップから原料スラグを製造する工程、
h)原料スラグを熱処理する工程、
i)熱処理された原料スラグを冷却、特に≧0.01K/s(0.01K/s以上)の冷却速度で冷却する工程、及び
j)冷却された原料スラグをさらに処理して、スラグを得る工程、
を含む方法を提供する。
原料スラグは、本発明において、スラグブランクと呼ばれることもある。
本発明において、「アルミニウムスクラップ」という表現は、アルミニウム廃棄物、特に、例えば、純アルミニウム又はアルミニウム合金から構成された半製品、特にスラグの製造において得ることができるアルミニウム廃棄物を指す。
本発明において、「熱間圧延」という表現は、アルミニウムの再結晶化温度以上、すなわち250℃〜500℃の温度範囲で、アルミニウム又はアルミニウムスクラップから構成されるストリップを圧延することを意味する。
本発明において、「冷間圧延」という表現は、アルミニウムの再結晶化温度未満、すなわち温度250℃未満で、アルミニウム又はアルミニウムスクラップから構成される熱間圧延ストリップを圧延することを意味する。
アルミニウムは、工程a)において、純アルミニウムの総質量を基準にして、少なくとも99.5質量%、好ましくは少なくとも99.7質量%のアルミニウム含有量を有する純アルミニウムとして、提供することができる。例えば、アルミニウムは、工程a)において、EN AW−1050Aという名称で市販されている純アルミニウムの形態で提供することができる。
さらに、アルミニウムは、工程a)において、なまこ形鋳塊の形態、すなわちインゴットの形態、特に小さなインゴットの形態で提供することができる。
工程c)を実施する際に、合金元素であるケイ素、鉄、銅、マンガン、クロム及びチタンを、溶融アルミニウム及び/又は溶融アルミニウムスクラップに、同時に又は連続的に、すなわち、順々に又は時間間隔をおいて添加することができる。
さらに、工程c)と工程d)との間に、例えばアルゴンの吹き込みによる、溶融アルミニウム及び/又は溶融アルミニウムスクラップの精製工程cd)を実施することができる。
工程d)は、合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップのストリップキャスティング、特に連続ストリップキャスティングと呼ぶこともできる。
合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップは、工程d)を実施するために、有利には、鋳造プラント、特に鋳造炉に注ぎ込まれるか又は移送される。鋳造プラントに注がれる又は移送される間、合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップは、680℃〜750℃の温度を有することができる。
工程d)は、好ましくは、4m/分〜8m/分の鋳造速度で実施される。
さらに、工程d)を実施するために、回転式鋳造プラントを使用することが好ましい。かかるプラントが使用される場合、合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップを、連続的にキャスティングホイール上にキャストし、このホイールとスチールストリップとの間で凝固させる。合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップの注湯温度は、好ましくは680℃〜730℃の範囲内である。アルミニウム及び/又はアルミニウムスクラップの凝固に必要な冷却は、好ましくは、キャスティングホイール及びスチールストリップ上に水を噴霧するノズルによって行われる。
鋳造プラントへの注ぎ込み及び/又は移送の後、合金元素が添加された溶融アルミニウム及び/又は合金元素が添加された溶融アルミニウムスクラップに、再び、ケイ素、鉄、銅、マンガン、クロム及びチタンのうちの少なくとも1つの合金元素を添加することができる。このようにして、合金の組成、ひいては製造されるスラグの特性を、特に有利に調整することができる。その後、例えばアルゴンの吹き込みによる溶融体のさらなる精製を行うことができる。
工程e)は、好ましくは、460℃〜500℃、特に470℃〜490℃の温度で実施される。
さらに、工程e)と工程f)の間に、熱間圧延ストリップを、特に20℃〜90℃、好ましくは30℃〜70℃の温度に冷却する工程ef)を実施してもよい。
工程f)は、好ましくは、20℃〜90℃、特に30℃〜70℃の温度で実施される。
工程g)では、好ましくは切り出し又は打ち抜きによって、特に好ましくは打ち抜きによって、ストリップから原料スラグを製造する。
工程h)は、好ましくは480℃〜550℃の温度、特に500℃〜540℃の温度で実施される。合金元素の均一な分布を有する均質な微細構造が、この工程によって有利に達成される。
さらに、工程h)は、好ましくは、30分間〜3時間の期間にわたって実施される。合金元素の均一な分布を有する均質な微細構造が、(同様に)この工程によって有利に達成される。
工程i)は、好ましくは>1K/s(1K/s超)、特に>10K/s(10K/s超)、好ましくは>50K/s(50K/s超)の冷却速度で実施される。
特に、工程i)は、0.01K/s〜200K/s、特に0.01K/s〜150K/s、好ましくは0.01K/s〜100K/sの冷却速度で実施することができる。また、驚くべきことに、冷却速度の選択が未完成の缶の強度に対して大きな影響を及ぼすことがわかった。特に、原料スラグを50K/s超の冷却速度で冷却した場合に、著しく高い缶硬度又は強度を達成することができる。より高い硬度又は強度は、上述したように、より薄い壁厚を有する缶、特にエアゾール缶を製造することを可能にし、その結果、材料を節約することができる。
工程i)は、原則として、空気中又は水を用いて実施することができる。言い換えれば、工程i)は、熱処理された原料スラグを空気中又は水で冷却することによって実施することができる。さらに別の言い方をすれば、工程i)は、熱処理された原料スラグの空気又は水による冷却によって実施することができる。
例えば、熱処理された原料スラグは、移動する空気によって冷却することができる。移動する空気は、例えば、ファンを用いて発生させることができる。
さらに、熱処理された原料スラグの空冷のための空気は、15℃〜30℃の温度、特に18℃〜25℃の温度、好ましくは20℃〜25℃の温度を有することができる。
熱処理された原料スラグの空冷は、有利には、より低い成形抵抗をもたらし、それはまた、比較的複雑な缶形状の製造を可能にする。
代わりに、工程i)は、上述したように、熱処理された原料スラグの水冷によって、すなわち、熱処理された原料スラグを水中で冷却することによって実施することができる。例えば、工程i)は、熱処理された原料スラグを水に浸すことによって、又は熱処理された原料スラグを水浴に移すことによって実施することができる。空気中で冷却する場合には約0.1K/sの冷却速度を達成することができるが、熱処理された原料スラグの水冷によって>50K/sの冷却速度を達成することができ、これは、缶、好ましくはエアゾール缶の製造において、硬度又は強度の観点から、本発明に従って好ましい場合がある。
さらに、工程j)は、工程j1)原料スラグの表面処理、特に粗面化を含むことができる。例えば、原料スラグを、粒子ブラスト剤により、スカーリングにより、又はドラミングにより、表面処理、特に粗面化することができる。このようにして、原料スラグの規定表面を特に有利に形成することができ、その結果、成形工程、特に押出工程の前に、原料スラグに潤滑剤を均一に塗布することが可能となる。さらに、原料スラグの表面処理は、特に原料スラグのバリ取りを含むことができる。
さらに、工程j)は、工程j2)原料スラグから粒子ブラスト剤及び/又は表面処理、特に粗面化において形成された研磨された材料を除去することを含むことができる。
さらに、工程j)の後に、工程k)スラグのパッキングを実施することができる。
本方法のさらなる特徴及び利点に関して、繰り返しを避けるために、上記の説明全体、すなわち、本発明の第1及び第2の態様の文脈で記載した事項を同様に参照する。特にアルミニウム合金、スラグ及び缶に関してそこに記載された特徴及び利点は、本発明の第3の態様に従う方法にも同様に適用される。
第4の態様によれば、本発明は、本発明の特に第2の態様に従う缶、好ましくはエアゾール缶の製造方法であって、以下の工程:
a)本発明の第2の態様に従うスラグの提供、又は本発明の第3の態様に従う方法によるスラグの製造、
b)未完成缶を得るためにスラグを成形する工程、
c)未完成缶を長さに合わせて切断する工程、及び
d)切断された未完成缶をさらに加工して缶を得る工程、
を含む方法を提供する。
未完成缶は、本発明において、缶ブランクとも呼ばれる。
工程a)と工程b)との間に、スラグに潤滑剤、特に金属ステアリン酸塩を付与する工程ab)を実施することができる。このようにして、工程b)を実施する際に発生する摩擦を特に有利に最低限に抑えることができる。
工程b)は、好ましくは押し出し、特に後方押出、好ましくはカップ後方押出によって実施される。代わりに、工程b)は、複合前方−後方押出プロセスによって、複合深絞り−延伸プロセスによって、又は押出と延伸によって実施することができる。
工程b)の直後に、未完成缶は、缶底又は底面と、見かけ上これに隣接する缶壁又は外面とを有することができる。未完成缶は、有利には、一端が開いた円柱、特に一端が開いた環状円柱の形状を有することができる。未完成缶は、不規則形状を有していてもよく、缶底と反対側の端部がでこぼこであってもよい。さらに、未完成缶は上述のものより長くてもよい。
未完成缶の不規則な端部領域は、工程c)によって除去することができ、未完成缶はその後、均整のとれた端部と、特に所定の長さを有することができる。
工程c)と工程d)の間に、未完成缶に内部及び/又は外面コーティングを施し、内面コーティングを焼き付け及び/又は外面コーティングを乾燥させる工程cd)を実施することが好ましい。内面コーティングとして、例えば、エポキシ−フェノール樹脂コーティング、ポリアミド−イミドコーティング、あるいは、ポリエステル及び/又は水及び/又は粉末に基づく表面コーティングシステムを使用することが可能である。かかる内面コーティングは、スプレーノズルによって未完成缶の内面に塗布され、焼付炉で未完成缶に焼き付けることができる。外面コーティングは、特に、未完成缶の外面に複数の層で適用することができる。例えば、未完成缶の外面に、プライマー層、ペイント層などの装飾層、及びトップコート層を、適用、特に印刷又は圧延することによって、工程cd)において、外面コーティングによって、未完成缶を提供することができる。上述の層は有利には、プライマー層が未完成缶の外面に直接位置し、デコール層がプライマー層上に存在し、トップコート層が装飾層上に存在するように、未完成缶の外面に適用、特に印刷又は圧延される。
さらに、工程d)が実施される前に、特に工程c)と工程cd)との間に、未完成缶をブラッシングすることができる。このようにして、未完成缶の外面の均一化を特に有利に達成することができる。
さらに、工程cd)が実施される前に、未完成缶を、特に潤滑剤及び/又は研磨された材料を除去するためにクリーニングし、続いて乾燥させることができる。未完成缶のクリーニングは、例えばアルカリ性の洗浄液を用いて実施することができる。未完成缶の乾燥は、120℃〜130℃、特に125℃の温度で実施することができる。
工程d)は、好ましくは、未完成缶に缶肩部及び/又は缶首部を設ける工程d1)を含む。未完成缶の直径は、缶首が生成又は形成されるように、好ましくは、工程d1)の間に、その開放端の領域において、形成されていない未完成缶の残りの部分に対して狭められるか又は先細りにされる。工程d1)は、未完成缶の直径がその開放端の領域で徐々に狭められるか又は先細りされるように、複数のサブ工程で実施することができる。別の方法として、未完成缶の直径は、缶肩部の絞り前に、先細りになり、続いて拡大していてもよい。
さらに、工程d)は、未完成缶の缶首にスプレーバルブを固定するためのスプレーバルブシートを成形又は圧着する工程d2)を含むことができる。このようにして、缶は後にエアゾール缶として使用することができる。
さらに、この方法は、液体又は半液体の媒体、特にヘアスプレー、デオドラント、シェービングフォーム、ペイント、ペイントオンコーティング、ワニス、表面コーティング、家具用ポリッシュ、オイル、液体石鹸、樹脂、パラフィン、ワックス、天然ゴム、接着剤、消毒剤、含浸剤、クリーナー、有機液体、無機液体、スプレー式乳製品クリームなどの液状/半液状食品、液状/半液状パーソナルケア製品などの液状/半液状化粧品、又は液状/半液状医薬品であることができる。
さらに、この方法は、ハンドポンプ、スプレーヘッド、又はバルブを缶の首部に固定する工程f)を含むことができる。
さらに、この方法は、缶を梱包する工程g)を含むことができる。
上記方法のさらなる特徴及び利点に関しては、繰り返しを避けるために、上記の説明で述べられている全ての事項、すなわち、本発明の第1〜第3の態様に関して記載した事項を同様に参照する。特にアルミニウム合金、スラグ及び缶に関してそこに記載された特徴及び利点は、本発明の第4の態様に従う方法に同様に適用される。
第5の態様によれば、本発明は、半製品、好ましくはスラグ、又は缶、好ましくはエアゾール缶を製造するための、本発明の第1の態様に従うアルミニウム合金の使用を提供するものである。
アルミニウム合金の使用のさらなる特徴及び利点に関しては、同様に、繰り返しを避けるために、上記の説明の全て、すなわち、本発明の第1〜第4の態様に関して記載した事項を参照する。特にアルミニウム合金、半製品、特にスラグ、及び缶、特にエアゾール缶に関して、そこに記載された特徴及び利点は、第5の側面によるアルミニウム合金の使用に類似して適用される。
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に記載の実施例及び比較例から得ることができる。ここで、本発明の個々の特徴は、それぞれの場合において、単独又は互いに組み合わせて実現することができる。記載された実施例は、単に本発明を説明するのに役立つものであり、それらに限定されない。
本発明に係る缶の、当該タイプの従来の缶との強度/強度低下の比較
以下の表1に示すように、本発明に係るアルミニウム合金(合金G)を使用して本発明に係るエアゾール缶を製造した。
同様に以下の表1に示す合金D、E及びEN AW−3207を使用して製造されたエアゾール缶を比較用の缶として採用した。
比較用合金Dは、本発明に係る合金Gの2倍の銅の割合を有していたが、比較用合金Eにおいて、銅は(不純物として)微量で存在しているにすぎなかった。しかし、比較用合金Dは、合金元素としてのクロムが含まれていない(微量にしか含まれていない)ことが特徴である。第3の比較用合金として、合金EN AW−3207を使用した。
Figure 2021536533
本発明に係る合金G及び比較用合金からスラグを製造した。スラグから製造された缶の強度挙動に及ぼす熱処理及び冷却の影響を決定するために、本発明に係る合金Gの場合及び比較用合金の場合の両方において、以下の表2に示す冷却速度のバリエーションを採用した。
Figure 2021536533
このようにして製造された直径44.5mm、高さ5.8mmのスラグから、平均長さ約19cm、下部領域の壁厚0.24mm、上部領域の壁厚0.36mmの未完成缶を、トグルプレスでの後方押出しプロセスによって製造した。この未完成缶を17.4cmの均一な長さに切断し、外側の円筒形表面をブラッシングした。続いて、未完成缶を洗浄工程により研削くず及び潤滑剤を除去し、その後125℃で乾燥させた。次の工程において、エポキシ樹脂をベースにした内面コーティングを噴霧により塗布し、その後、内面コーティングを最高240℃の炉で7分間焼き付けた。缶を、3段階の外部コーティング(プライマー、印刷及びトップコート)と、さらにコニフィケーション工程とにより仕上げた。
強度を測定するために、未完成缶と、内面コーティングと乾燥後の缶(CID)からサンプルを採取した。サンプルの準備は、DIN 50125−H 12.5×68に従って行った。引張強度を決定するための試験は、標準DIN EN ISO 6892−1に従って、Zwick Roell Z010試験機を使用して実施した。
本発明に係る合金Gの、比較用合金に対する強度比較の結果を、以下の表3に示す。
Figure 2021536533
本発明に係る合金Gを使用して製造された缶(変形G2)の場合には、より高い強度とより低い強度低下という複合的な目的が達成されたが、比較用合金から製造されたエアゾール缶の場合にはこの目的が達成されなかったことが明確に分かる。例えば、比較用合金E2及びEN AW−3207から製造されたエアゾール缶は、合金G2から製造されたエアゾール缶と同様に低い強度低下(約−6%)を示したが、これらのエアゾール缶はまた、合金G2から製造されたエアゾール缶と比較して、未完成缶の強度が低かった(G2の場合の212.4N/mmに対して、203.2N/mm(E2)又は200.8N/mm(EN AW−3207))。一方、比較用合金D2から製造されたエアゾール缶は、合金G2から製造されたエアゾール缶と同等の強度を有していた(212.4N/mm(G2)に対して214.5N/mm(D2))。しかし、比較用合金D2から製造されたエアゾール缶の場合の強度低下は、合金G2から製造されたエアゾール缶の場合よりもかなり大きかった(D2:−12.4%に対し、G2:−5.7%)。
スラグの熱処理後の空気中での徐冷(G2、D2、E2、EN AW−3207)と比較して、水浴中でのそれぞれの合金スラグの急速焼入れ(G4、D4及びE4)が未完成缶の強度に及ぼす有益な効果は、同様に明確に分かる。この効果は、本発明に係る合金Gの場合だけでなく、比較用合金D及びEの場合にも観察することができた。

Claims (13)

  1. − 0.07質量%〜0.17質量%のケイ素、
    − 0.25質量%〜0.45質量%の鉄と、
    − 0.02質量%〜0.15質量%の銅と、
    − 0.30質量%〜0.50質量%のマンガンと、
    − 0.05質量%〜0.20質量%のクロムと、
    − 0.01質量%〜0.04質量%のチタンと、
    − 残りとしてアルミニウム及び必要に応じて追加成分、
    からなるアルミニウム合金。
  2. ケイ素の質量割合が0.08質量%〜0.14質量%、好ましくは0.09質量%〜0.13質量%であることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 鉄の質量割合が0.30質量%〜0.40質量%、好ましくは0.32質量%〜0.36質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金。
  4. 銅の質量割合が0.02質量%〜0.08質量%、好ましくは0.03質量%〜0.06質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  5. マンガンの質量割合が0.30質量%以上かつ<0.50質量%、特に0.30質量%〜0.45質量%、好ましくは0.34質量%〜0.38質量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  6. クロムの質量割合が0.08質量%〜0.14質量%、好ましくは0.09質量%〜0.13質量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  7. チタンの質量割合が0.015質量%〜0.03質量%、好ましくは0.02質量%〜0.028質量%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  8. 単一の追加成分の質量比率が0.05質量%以下、及び/又は、複数の追加成分の合計の質量比率が0.15質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  9. 前記追加成分が不純物であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含む、又は請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金からなる半製品、好ましくはスラグ、又は缶、好ましくはエアゾール缶。
  11. 請求項10に記載のスラグの製造方法であって、以下の工程:
    a)アルミニウム及び/又はアルミニウムスクラップを提供する工程、
    b)前記アルミニウム及び/又はアルミニウムスクラップを溶融する工程、
    c)溶融アルミニウム及び/又は溶融アルミニウムスクラップに合金元素を添加する工程であって、ケイ素、鉄、銅、マンガン、クロム及びチタンが合金元素として使用される工程、
    d)前記合金元素が添加された前記溶融アルミニウム及び/又は前記合金元素が添加された前記溶融アルミニウムスクラップを鋳造、特に連続鋳造してストリップを形成する工程、
    e)前記ストリップを熱間圧延する工程、
    f)熱間圧延された前記ストリップを冷間圧延する工程、
    g)冷間圧延された前記ストリップから原料スラグを製造する工程、
    h)原料スラグを熱処理する工程、
    i)熱処理された前記原料スラグを≧0.01K/sの冷却速度で冷却する工程、及び
    j)冷却された前記原料スラグをさらに処理して、スラグを得る工程、
    を含む方法。
  12. 請求項10に記載の缶の製造方法であって、以下の工程:
    a)請求項10に記載のスラグを提供する工程、又は請求項11に記載のスラグを製造する工程、
    b)前記スラグを成形して未完成の缶を得る工程、
    c)前記未完成の缶を長さに合わせて切断する工程、及び
    d)長さに切断された未完成の缶をさらに加工して缶を得る工程、
  13. 半完成品、好ましくはスラグ、又は缶、好ましくはエアゾール缶を製造するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金の使用。
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