JP2021535882A - 視角に応じて色が変わる中間膜を有する複合ガラス - Google Patents

Abstract

二枚のガラスおよび／またはプラスチック板（１１、１３）およびそのガラスおよび／またはプラスチック板の間に配置された中間箔（２０；３０；４０）を備えた複合ガラス（１）。その複合ガラス（１）は、中間箔（２０；３０；４０）のために、観察者に、外側（Ａ）からよりも内側（Ｉ）からのほうが透明に見えることによって、面依存性様式で異なって作られている。この場合、複合ガラス（１）は、中間箔（２０；３０；４０）のために、観察者に、外側（Ａ）から視角依存性様式で異なって見える。

Description

本発明は、中間箔のために、面に依存する様式で異なる効果を有する複合ガラスに関する。

複合ガラスは、通常、複合ガラスの破壊抵抗を増加させるために少なくとも１つの中間箔を含む２枚以上の板ガラスを含む。特に建物用のガラス製品について、複合ガラスは、太陽放射を減少させるために外側からは反射性であり、内側から外側が見えるように半透明であるべきである。この目的のために、数ある中でも、内側と外側で異なる様式で被覆された中間箔を利用することが知られている。

内側からの半透明効果を有し、不透明中間箔片からの規則的な模様を備えた複合ガラスがすでに市場にある。この中間箔片は、内側が黒く被覆されており、選択可能な色、例えば、緑または青の色相を有する外側で反射性であるように設計されている。

複合ガラスの製造には、すでに、複数の個別の工程が必要である。中間箔片の加工により、製造の労力およびそれゆえの製造費がさらに増加する。

以下の品目が、他の背景からすでに知られている：視角に応じて、例えば、異なる色に見える被覆箔、および視角に応じて、異なる効果を有する顔料を含む公知のラッカー。

本発明は、観察者にとって光学的に魅力的であり、特に、低コストで製造できる複合ガラスを提供する課題に基づく。

この課題は、独立請求項の主題によって達成される。従属請求項は、好ましい実施の形態に関する。

その複合ガラスは、少なくとも２つのガラスおよび／またはプラスチック板およびそのガラスおよび／またはプラスチック板の間に配置された中間箔を備える。その中間箔のために、その複合ガラスは、面に依存する様式で異なって作られている。その複合ガラスは、内側から半透明であり、外側から反射性であることが好ましい。この場合、複合ガラスは、中間箔のために、外側から視角依存性の様式で異なって見えるように適合されている。

したがって、複合ガラスは、観察者にとって視覚的により魅力的であるだけでなく、かなり多用途でもある。この視角依存性は、会社ロゴなどのモチーフ、もしくはテキスト、数または方向を指す矢印などの情報を表示する役割を果たすことがある。同様に、この複合ガラスの視角依存性は、設置場所、例えば、視角に応じて異なる、周囲のまたは隣接した建物などの背景の色に適合させることができる。

視角依存性は、レリーフ構造、干渉層構造または中間箔内の顔料層中の顔料によって与えられる。それゆえ、複合ガラスは、追加の費用を生じずに、設定で変えられるようになる。例えば、モチーフ、視角または色相に関して適合される視角依存性は、複合ガラスの再認証を必要としない。何故ならば、レリーフ構造の、干渉層構造の、または中間箔の顔料のパラメータしか、適合されないからである。特別な他の場合では、さらなる層または他のタイプの顔料が必要とされない。

この中間箔は、互いに適用可能に組み合わせられる場合、異なる視角依存性を与えることがある。複合ガラスは、第１の視角、好ましくは、第１の視角範囲では、第１の色調で反射性に見え、第２の視角、好ましくは、第２の視角範囲では、無色−特に、反射または非反射で−もしくは第２の色調で反射性であるように見える。同様に、特にモチーフまたはいくつかの部分面積の動きを、視角に応じて、観察者に示すことができる。それゆえ、会社ロゴまたは方向を指す矢印などのモチーフが、建物の外観上で、特に、建物の正面で動いている観察者の移動方向に、観察者の移動方向と反対に、観察者の移動方向と垂直に、選択的に、もしくは観察者の直線移動方向の場合、モチーフの変化する移動方向に関して、動くことがある。移動するモチーフの代わりに、観察者に認識できる部分面積が動くことがある（部分面積のパターンが、全面積でまたはモチーフ内だけ動くことがある）。同様に、または加えて、モチーフは、視角に応じて、観察者に示すことも、示さないこともできる。そのモチーフは、境界視角で消える（または現れる）。似たように、第１の（静止したまたは移動する）モチーフは、視角に応じて、第２のモチーフに変わることがある（円形⇒正方形）。しかしながら、モチーフを視角依存性の様式で異なる三次元的視界で示すことは、より複雑であるが、同様に考えられる。

有利な実施の形態において、中間箔は、その色相が視角に依存する顔料を有する部分層を含む。その顔料が均一に整列されていることが好ましい。例えば、視角に依存する様式で２つの異なる色調で反射する干渉層顔料を使用することができる。その色調は、干渉層顔料の部分層の厚さ、通常は、スペーサ層により選択することができる。あるいは、中間箔は、その色相が視角に依存する液晶顔料を有する部分層を含む。

中間箔は、部分箔層および例えば、顔料層などのさらなる部分層を含む。

同様に、中間箔は、非反射性の暗色部分層を含むことがある。この部分層は、中間箔を、内側から全体で半透明に見えるようにする。半透明部分層が−面積の一部に配置された中間箔の場合には−不透明であり得ることも好ましい。この半透明部分層は、部分箔層の一方の−内側または外側−面に配置されることが好ましい。半透明で非反射性の暗色部分層が、黒色および／または艶消しに作られていることが特に好ましい。この部分層は、液晶顔料を有する全面積部分層の背景としての機能も果たすことがある。

さらに有利な実施の形態において、中間箔は、干渉層構造を含む。この干渉層構造は、３つ（必要に応じて、２つまたは５つ）の部分層を含むことが好ましい。干渉層構造のスペーサ層の厚さが、第１（と第２の）色調を決定する。スペーサ層として、中間箔の誘電体部分層または部分箔層が使用されることが好ましい。通常、スペーサ層は、２つの半透明の反射部分層の間に配置され、これは、特に、金属から、または高反射性材料から形成することができる。

複合ガラスにおいて、中間箔の以下の部分層の内の少なくとも１つ、好ましくは正確に２つ、３つまたは全てが、全面積に亘り作られている：部分箔層、顔料層、レリーフ層、第１の反射層、スペーサ層および／または第２の半透明反射層。

他方で、中間箔の不透明部分層またはつや消し構造は、通常、複合ガラスが内側からの半透明効果を有するような様式でその面積の一部に作られるであろう。あるいは、中間箔の半透明部分層は、複合ガラスが内側からの半透明効果を有するように全面積に亘り作られている。

特に好ましい実施の形態において、中間箔はレリーフ層を有する。そのレリーフ層は、型押し部分層、特に、部分箔層であり得る、および／または特に硬化性の型押しラッカーにより形成されることが好ましい、型押し部分層が型押しされることがある。レリーフ層または型押しは、例えば、カラーフィルタ効果のあるサブ波長構造として形成される場合、外側に着色効果を有する。それに代えて、またはそれに加え、レリーフ層は、外側に視角依存性を作り得る。レリーフ層は、ここでは、例えば、レンズ構造、隠蔽構造、または反射構造であり得る。観察者には、レンズ構造の各レンズを通じて、視角に応じて、第１または第２のいずれかのモチーフ領域が見え、これは、例えば、異なる色のものであり得る。隠蔽レリーフ構造（例えば、ノブ、ピラミッド、または線の）は、視角に応じてモチーフ領域上の光景を隠蔽するまたは見せる。個々の反射器が、視角に応じて効果的になる、すなわち、観察者の方向に反射する場合、レリーフ構造が反射構造であることが特に好ましい。反射構造の方向反射器として、指向性平面または隆起領域、フレネル様反射器または格子形状反射領域の機能を果たすことがある。反射構造は、特に、見えている、変化する、三次元効果的、または動かされるモチーフの上述した効果に利用することができる。特に、色変化を表すために、レリーフ構造は、２つの部分レリーフ構造で２つのレベルに作ることができ、それによって、各部分レリーフ構造（またはレベル）が異なる色で反射する。あるいは、複合ガラスを、内側でつや消し、すなわち、非反射性かつ半透明に設計するために、レリーフ構造をつや消し構造として作ることができる。

中間箔自体は、−規則的または不規則的−グリッド様式で、特に、複数の個々の中間箔片で、設けられることがある。あるいは、中間箔は、全面積に亘り、または特に複数の凹部を設けて、網目状に設けることができる。全面積中間箔は、−好ましくは透明の−部分泊層上に、複数の個々の前箔片または網目前箔を備える、すなわち、複数の凹部を有することがある。全面積中間箔の場合、少なくとも部分箔層が全面積に亘り存在する。透明または半透明である場合、さらなる部分層が、同様に、全面積に亘り存在してもよい。対照的に、内側からの不透明効果を有する部分層または不透明前箔片は、面積の一部にしか存在しない、すなわち、特にグリッドまたは網目様式に存在する。

複合ガラスは、この光学的に効果的な中間箔を有する。必要に応じて、複合ガラスは、少なくとも機械的に効果的な箔をさらに備えてもよい。

この文脈におけるガラスまたはプラスチック板は、剛性であり、０．２ｍｍの最小厚さ、好ましくは０．２から１５ｍｍの厚さ、さらに好ましくは０．２から９ｍｍの厚さを有する。複合ガラスは、通常は、０．５ｍ^２超のサイズを有する、および／または１０ｍｍより、好ましくは１５ｍｍより、さらに好ましくは２０ｍｍより厚く、特に、１０から６０ｍｍ、好ましくは２０から４５ｍｍ厚である。中間箔は可撓性である（剛性ではない）。中間箔の厚さは、好ましくは多くとも１５０μｍ、好ましくは１００μｍ未満、より好ましくは６０μｍ未満である。

記載された複合ガラスは、複合ガラスホルダ内で、建物の窓、車両の窓、または他の大面積窓などの窓として都合よく配置することができる。

特に視角依存性で、同様にまたは異なって作られる複数のそのような窓から、例えば、建物の外観を形成することができる。視角依存性は、複数の窓に同じ視角依存性を達成するために−実施に応じて同じまたは異なる様式で−作ることができる。あるいは、複数の窓は、全体のモチーフを形成するために、故意に異なる視野依存性を有し得る。

以下の図面を参照して、好ましい実施の形態をより詳しく記載する。

中間箔を有する複合ガラスを備えた窓の断面図 中間箔の第１の実施の形態を有する複合ガラスの一部の断面図 中間箔の第２の実施の形態を有する複合ガラスの一部の断面図 中間箔の第３の実施の形態を有する複合ガラスの一部の断面図 全面積のグリッドおよび網目状の中間箔の正面図

図１の窓は、少なくとも２つのガラス板１１、１２およびここでは随意的なさらなるガラス板１３、並びにガラス板１１と１２の間に配置された中間箔２０を持つ複合ガラス１を備える。複合ガラス１は、例えば、窓枠であり得る複合ガラスホルダ２内に配置されている。

この複合ガラスにおいて、特にガラス板１２と１３の間に、−図示されていない−少なくとも１つの随意的なさらなる箔層があることがあり、これは、好ましくは透明であり、例えば、積層の補助または機械的に効果的な箔（破壊抵抗など）の機能を果たす。しかしながら、中間箔２０は、光学的に活性のまたは効果的な中間箔である。

内側Ｉから見ると、その窓は、中間箔２０のために観察者３にとって半透明である。窓の内側Ｉは、中間箔の内面または−術語学的に使用される場合−中間箔２０の内側も規定する。外側Ａから見ると、この窓は、中間箔２０のために、観察者３にとって反射性であり、視角に応じて異なる効果を有する。第１の視角Ｗ１では、観察者には、複合ガラスの第１の外観、例えば、全面積に亘り反射する青、または暗く反射する背景の前方に明るく反射するモチーフが見える。第２の視角Ｗ２では、観察者には、複合ガラスの第２の外観、例えば、全面積に亘り今では反射する緑（青の代わりに）、または青く反射する区域のモチーフまたは異なる位置でまたはそうではなく、異なる色相の明るいモチーフが見える。第１または第２の外観は、例えば、それぞれ、Ｗ１＜０度およびＷ２≧０度の視角範囲で生じる。垂直図は０度に対応し、それゆえ、図１は、おおよそＷ１＝−３０度およびＷ２＝＋３０度を示す。

この複合ガラスは、０．５ｍ^２超の面積に亘り延在する。このガラス（および／またはプラスチック）板は剛性である。それらは、普通は、数ｍｍ、例えば、０．８から９ｍｍの厚さを有する。しかしながら、中間箔２０は可撓性である（そしてずっと薄い）。この中間箔は、２００μｍ未満、例えば、４０〜８０μｍの厚さを有する。

図２は、第１の変形において、中間箔２０を用いて、視角依存性および半透明性がどのように達成されるかを示す。

ガラス層１１、１２の間に、部分層２１、２２、２３を有する中間箔２０が配置されている。透明部分箔層２１は担体層の機能を果たす。部分箔層２１の外側（またはその外面）に、黒色不透明部分層２２が格子状に配置されている。その面積の一部分にしか存在しない不透明部分層２２のために、その複合ガラスは内側から半透明である。

図面において、不透明部分層の下には、全面積の部分顔料層２３があり、その色相は、視角に応じて、第１と第２の色調の間で交互に起こる。例えば、±３０度（０度が垂直観察に対応する）の視角範囲からは、観察者には、青、緑などの第１の色調で反射する複合ガラスが見える。ここで観察者がこの視角範囲から出ると、色調が変化する。＋３０度を超える角度、すなわち、第２の視角範囲（または−３０度未満、随意的なさらなる視角範囲）で始めると、複合ガラスは、それぞれ、緑、黄などの第２の色調で観察者に反射する。この部分顔料層は、例えば、液晶顔料または干渉層顔料を含む。具体的には、液晶顔料について、グリッド状不透明部分層２２は背景の機能を果たし、これにより、（視角依存性の）色相がより容易に認識できるようになる。液晶顔料は、通常、所望の色の印象を作るために均一に整列されている。干渉層顔料は、同様に、色の印象をよりはっきりと見せるために、例えば、磁気的に、または型押しにより、均一に整列させられるであろう。

実施の形態において、顔料層の顔料は整列させることができる。磁気的に整列できる顔料について、整列は、例えば、磁場によって行うことができる。したがって、反射顔料は、方向反射器のように使用することができる。あるいは、不透明または反射顔料は、ジャロジーのように整列することができる。

半透明効果を有する部分層２２を、同様に部分箔層２１の内側に同様に施せることは示されていない−しかし、図２を参照すると、可能的に理解できる。半透明効果を有する部分層２２も、−一方の面または反対の面に−全面積半透明部分層として作れるであろうことも、言及すべきである。

図３は、部分箔層３１の内側にあるそのような全面積の半透明部分層３２を示す。部分層３２などの半透明部分層は、暗く、つや消し、すなわち、非反射性であることが好ましい。それゆえ、その複合ガラスは、内側から観察者に半透明であるように見える。

図３による実施の形態において、視角依存性は、多層構造（または干渉層構造）３３により作られる。多層構造３３は、部分箔層３１の外側に配置されている。多層構造３３は、２つの半透明反射層３３１および３３３を含み、その間にスペーサ層３３２が配置されている。半透明反射層３３１および３３３は、金属または高反射性材料によって形成することができる。スペーサ層３３２は、透明であることが好ましいが、必要に応じて、別個の色変化を支援する着色顔料を含み得る。スペーサ層３３２の厚さは、視角に応じて多層構造３３が反射に見える２つの色相を決定する。ここで、ほぼ任意の第１の色調から始まり、別の（通常はもはや自由に選択できない）色調になる、色変化は、スペーサ層の厚さにより行い、調節できる。多層構造３３は、さらなる層、例えば、さらなるスペーサ層およびさらなる半透明反射層を有する対称性５層構造、または２つのさらなるＨＲＩ層を有する非対称性５層構造を含むことがある。多層構造３３またはその部分層３３１と３３３の少なくとも一方または両方が全面積に亘り施されることが好ましい。

図２または３において、非反射部分層２２、３２なしで済ませることが考えられる。部分層３３１は−例えば、部分層３１の粗面化、構造化または型押しされた外面によって−内側からつや消し効果を、外側から反射効果を有することがある。同様に、部分箔層２１、３１は、非反射層の働きをすることがある。例えば、黒色に染まった部分箔層２１、３１を使用することができる。

詳しくは、干渉層構造の金属層は、ＰＶＤ被覆によって規則的に生成される。しかしながら、干渉層構造は、例えば、選択的に異なる屈折率を持つ一連の誘電体層の共押出により製造することもできる。

図４は、半透明性および視角依存性の両方がレリーフ構造により達成される実施の形態を示す。

中間箔４０の非反射部分層４２は、型押しつや消し構造により形成される。このつや消し構造は、部分箔層の内面に、または追加の型押し（ラッカー）層に型押しできる。つや消し構造が不透明である場合、全面積中間箔によってさえ、半透明性を達成するために−図４に示されるように−その面積の一部に作ることができる。

中間箔４０のレリーフ構造４３は、視角依存性を作る。それは、部分箔層の外側に配置される。図示された例において、レリーフ構造は、レンズ構造４３３およびカラー層４３１により形成され、必要に応じて、中間層４３２を設けることができる。カラー層４３１は、交互に２つの異なる（半透明）カラーで設計される−レンズ状格子に合わせられる。観察者には、負の視角では、レンズ構造４３３を通して、二色の内の第１の色だけが見え、正の視角では、二色のカラーの内の第２の色だけが見える。それゆえ、複合ガラスは、視角に応じて、第１または第２の色調に見える。カラー層４３１は、全面積に亘り存在する必要はないことに留意すべきである。むしろ、レンズ構造の焦点効果のために、例えば、面積の１０％に対応する色を設けることで十分である。

レリーフ構造として、反射構造も類似に使用できる。図４の例において、心の中で、カラー層およびレリーフ層を鏡に写る様式で単に配置することができるであろう。観察者は、視角に応じて、観察者に二色の内の一方を示す方向反射器を、カラー層を通じて見る。複数の方向反射器を有する反射構造は−間隔が置かれるカラー層を用いずに−様々な視角依存性効果を作り出すことができる。実質的に、この目的のために、例えば、平面の方向反射器の整列は、モチーフが、特定の視角範囲だけで見える（反射的に点滅する）、または視角により動く（異なる位置で反射的に点滅する）ように、反射構造において局所的に変調される。単独で解釈されるそのようなレリーフ構造の機能のモードの詳細は、紙幣の分野において十分に知られている。

図５は、上面図において、中間箔の図示された実施の形態が、特にグリッドまたは網目様式で、全面積に亘りまたは面積の一部で、どのように複合ガラス上に存在できるかの変形を示す。中間箔５０ｖは、半透明であり、全面積に亘り存在し得る。複数の個々の中間箔片５０ｒまたは中間箔ネット５０ｎが、面積の一部の上のみで複合ガラス上に存在する。それゆえ、それらは、複合ガラスが内側から半透明に見えるように、不透明（または半透明）であり得る。その中間箔片は、均一に作られ、格子状に配置されることが好ましい。中間箔ネット５０ｎは、複数の凹部を含む。透明部分箔層上に配置された複数の個々の光学的に視角依存性の（前箔）片も、全面積中間箔を形成することができる。この全面積中間箔は、上面図において、図示された複数の中間箔片５０ｒと匹敵するであろう。

具体的に、いくつかの複合ガラス窓からなることもある、大型窓面積において、全体としての中間箔５０ｖ、５０ｒ、５０ｎは、モチーフ（正の視角依存性モチーフ）の形態で、設けられる、または除外される（視角依存性背景でネガのモチーフ）ことがある。

視角依存性のレリーフ構造は、（反射）フレネル構造または平面の方向マイクロミラーを含むことがある。反射効果を有する反射器のコーティングは、Ａｌ、Ａｇ、Ａｕ、Ｃｕ、ＡｌＣｕ、ＺｎＳまたはＴｉＮのＰＶＤ金属化により製造できるか、または特にナノスケールまたは小板形状の金属顔料を利用して他のやり方で印刷することができる。光沢カラーの追加の塗布によって、他の金属色を与えることができる。例えば、アルミニウム金属化に半透明黄色を重ね刷りすることにより、金色の外観が得られる。

より高品質の複合ガラスについて、上述した視角依存性構造の組合せさえ考えられる。例えば、視角依存性効果（モチーフが現れるか消える）を有するレリーフ構造に、干渉コーティング（モチーフが−瞬時にまたはさらに別の視角範囲において−色を変える）を設けることができる。

複合ガラスは、中間箔を提供する工程、およびガラス板の間に中間箔を対応する面に向いて配置する工程により製造される。

その中間箔は、例えば、黒色箔上に視角依存性構造（顔料層、干渉層またはレリーフ構造）を製造することにより、または中間担体から視角依存性構造を黒色箔に転写することにより、提供される。黒色箔（部分箔層）が半透明である場合、それは、網目またはグリッド状で全面積に亘り使用することができる。中間箔片（ガラス板の間に直接）または前箔片（部分箔層上に、次いで、ガラス板の間の中間箔として）としてその後使用するために、初期箔は、不透明（または半透明）黒色であり得る。

その後、次いで、視角依存性構造を有する黒色箔は、個々の（前箔片または）中間箔片に抜き型で切り取られる、レーザ加工されるまたは切断される。

個々の中間箔片は、ガラス板上の正しい面に配置され、このガラス板とさらに別のガラス板との間に積層される。しかしながら、個々の片が最初に−好ましくは−透明の部分箔層に転写される場合、それらは前箔片を形成する。部分箔層と前箔片から得られる中間箔は、正しい面で二枚のガラス板の間に積層される。

窓または外観上の大面積の動的効果は、例えば、以下の方法で実現することもできる。

所定の反射器傾斜を有する複数の均一中間箔片から始めると、その中間箔片を配列したときに、方位角（およびそれゆえ、反射器の整列）が制御される。各中間箔片は、例えば、１５度の傾斜角を有する平面反射器、または同じ傾斜角を有する複数の小さい反射器を備えることがあり、それによって、必要に応じて、光沢着色コーティングまたは傾けると色が変わるコーティングを設けることができる。それゆえ、所望の視角依存性のために設定された反射器配置（例えば、モチーフが、現れる、動く、または色を変える）が得られる。個々の反射器はモチーフの画素を形成し、これにより、それらの整列にしたがって効果またはモチーフが決まる。

黒色は、内側にとって好ましい色相であるが、他の、好ましくは暗い色調も選択的に使用できる。

外側が内側と類似の実施の形態により、複合ガラスは、内側から見たときに、同様に、角度に依存して見えることも考えられる。

１ 複合ガラス
２ 複合ガラスホルダ
３ 観察者
１１、１２、１３ ガラス板
Ｉ 複合ガラスの内側
Ａ 複合ガラスの外側
Ｗ１、Ｗ２ 視角
２０、３０、４０ 中間箔
２１、３１、４１ 部分箔層
２２、３２ 非反射部分層
２３ 視角依存性のカラー顔料層
３３ 視角依存性の多層構造
３３１、３３３ 反射層
３３２、４３２ スペーサ層
４２ つや消し構造
４３ 視角依存性のレリーフ構造
４３１ カラー層
４３３ レンズ構造
５０ｖ 全面積中間箔
５０ｒ 中間箔格子
５０ｎ 中間箔ネット

Claims (15)

1. 二枚のガラスおよび／またはプラスチック板（１１，１３）および該ガラスおよび／またはプラスチック板の間に配置された中間箔（２０；３０；４０）を備えた複合ガラス（１）であって、前記中間箔（２０；３０；４０）のために、観察者に、外側（Ａ）からよりも内側（Ｉ）からのほうが透明に見えることによって、面依存性様式で異なって作られた複合ガラス（１）において、
   前記中間箔（２０；３０；４０）のために、前記外側（Ａ）から視角依存性様式で異なって見える複合ガラス（１）。
2. 前記中間箔（２０；３０；４０）における視角依存性が、レリーフ構造（４３３）、干渉層構造（３３）または顔料層（２３）中の顔料により与えられる、請求項１記載の複合ガラス（１）。
3. 前記複合ガラス（１）が、前記内側（Ｉ）から前記観察者にとって半透明であり、好ましくは前記外側（Ａ）から該観察者にとっての反射効果を有する、請求項１または２記載の複合ガラス（１）。
4. 前記中間箔（２０）が、
   第１の視角で、好ましくは第１の視角範囲において、第１の外観を示し、
   第２の視角で、好ましくは第２の視角範囲において、第２の外観を示し、特に、
   ・前記視角に応じて、特にそれぞれ、反射または非反射で、第１の色調または無着色または第２の色調に見える、
   ・前記視角に応じて、特にモチーフまたはいくつかの部分面積の動きを示す、
   ・前記視角に応じて、モチーフを示すか、または示さない、
   ・前記視角に応じて、異なる三次元的視界のモチーフを示す、および／または
   ・前記視角に応じて、第１のモチーフまたは第２のモチーフを示す、
   請求項１から３のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
5. 前記中間箔（２０）が、その色相が前記視角に依存する、顔料、特に液晶顔料または干渉顔料を有する部分層（２３）を含む、請求項１から４のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
6. 特に液晶顔料を有する全面積部分層（２３）の背景として働く非反射暗色部分層（２２；３２；４２）により特徴付けられる、請求項１から５のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
7. 前記中間箔（２０）が干渉層構造（３３）を含み、好ましくは該干渉層構造（３３）が少なくとも３つの部分層を含み、少なくとも１つの色調がスペーサ層（３３２）の厚さにより決定される、請求項１から５のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
8. 前記中間箔（２０）が、特にグリッド様式で配置されることがある、複数の個々の中間箔片（５０ｒ）により形成される、請求項１から７のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
9. 前記中間箔（２０）が、全面積に亘り（５０ｖ）、または特に複数の凹部により、網目様式で（５０ｎ）存在する、請求項１から７のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
10. 前記中間箔（２０）の下記の部分層の存在するものの少なくとも１つ、好ましくは正確に２つまたは全てが、前記中間箔（２０、５０ｒ、５０ｎ）において全面積に亘り作られている、請求項１から９のいずれか１項記載の複合ガラス（１）：
    ・非反射部分層（２２；３２）、
    ・部分箔層（２１；３１；４１）、
    ・顔料層（２３）、
    ・レリーフ層（４２；４３３）、
    ・第１の反射層（３３１）、
    ・スペーサ層（３３２）、および／または
    ・半透明反射層（３３３）。
11. 前記中間箔（２０）の不透明部分層（２２）またはつや消し構造（４２）が該中間箔（２０）内の面積の一部に作られている、または該中間箔（２０）の半透明部分層（３２）が全面積に亘り作られているので、該中間箔（２０；４０）が半透明効果を有する、請求項１から１０のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
12. 前記中間箔がレリーフ層（４２；４３）、特に型押し箔層（４２）および／または型押し部分層（４３）を含み、外側に着色効果を有する型押しが、該外側に前記視角依存性を作り出す、および／または前記内側に艶消し構造効果を有する、請求項１から１１のいずれか１項記載の複合ガラス（１）。
13. 請求項１から１２のいずれか１項記載の複合ガラス（１）および複合ガラスホルダ（２）を備えた、建物の窓、車両の窓または他の大面積窓などの窓。
14. 請求項１３記載の窓を複数備えた配置であって、特に、似た様式で視角依存性である、または異なる様式で視角依存性である、配置。
15. 請求項１から１２のいずれか１項記載の複合ガラス（１）の製造方法において、
    ・面依存性様式で異なって見える中間箔を提供する工程、および
    ・二枚のガラスまたはプラスチック板の間に前記中間箔を埋め込む工程、
    を有してなり、
    前記中間箔が、視角依存性様式で異なって見え、前記複合ガラスが外側から視角依存性であるように埋め込まれる、方法。

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