JP2011020403A - 装飾部材 - Google Patents

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麻里子 細貝
Yumiko Kataoka
由美子 片岡
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愛子 伊丹
Hiroyoshi Kameshige
裕由 亀重
Yukio Naito
雪雄 内藤
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Abstract

【課題】低コストで、凹凸感を向上させた装飾部材を提供する。
【解決手段】凹凸に対して斜め方向から光をあてた場合に投影される影をシェード部として描くことで立体を模倣した画像を有する加飾層と、前記加飾層の上に設けられ、光透過性を有する表面層と、を備え、前記表面層は前記表面層を通して眺めた前記画像の各部分の表面からの距離を人が知覚しにくくなるように光を拡散させるものであり、さらに、前記表面層は前記表面層を通して眺めた前記画像のシェード部を形成する境界線を歪ませることなく、前記画像のシェード部を形成する境界線における明度の変化が緩和されるように光を拡散させる装飾部材が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、装飾部材に関する。
カウンター、浴室壁などの平滑(あるいは平坦)な表面に立体感のある模様を装飾するために、立体画像を模倣した模様を貼り付ける方法がある。
このような模様として、例えば、凹凸表面を有するエンボスシートに、樹脂ペーストゾルを塗布し、樹脂ペーストゾルを不完全にゲル化し、樹脂ペーストゾルの表面に樹脂シート積層し、樹脂シートを圧着しつつ樹脂ペーストゾルを完全にゲル化させた部材が開示されている(特許文献1参照)。
また、グラデーション、ぼかし、シャドウ等で表現した立体風な画像を作成し、透明シートを重ね、画像に沿った形に切り抜いたイラスト、画像を含む別シートを貼り合わせる方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開2008−307734号公報 特開2008−296488号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、その製造工程が複雑になり、コスト高を招来してしまう。
また、特許文献2に開示された方法では、単に画像に透明シートを重ねるだけで立体感を装飾するため、人体が感じる立体感には限界が生じてしまう。また、透明シート上に切り抜きシートを貼り合わせるため、その位置合わせに手間がかかり、コスト高を招来する。 本発明は、上記の課題の認識に基づいてなされ、その目的は、低コストで、立体感を向上させた装飾部材を提供することにある。
第1の発明は、凹凸に対して斜め方向から光をあてた場合に投影される影をシェード部として描くことで立体を模倣した画像を有する加飾層と、前記加飾層の上に設けられ、光透過性を有する表面層と、を備え、前記表面層は前記表面層を通して眺めた前記画像の各部分の表面からの距離を人が知覚しにくくなるように光を拡散させるものであり、さらに、前記表面層は前記表面層を通して眺めた前記画像のシェード部を形成する境界線を歪ませることなく、前記画像のシェード部を形成する境界線における明度の変化が緩和されるように光を拡散させることを特徴とする装飾部材である。
本発明における表面層は、加飾層上の画像の絵柄を視認できる程度の光透過性を有するものであり、さらに光拡散性を有することで加飾層上の画像そのものを見た場合と比較してより立体感があるように人が知覚するものである。すなわち、表面層によって光が拡散されると、人は表面層を通して眺めた画像の各部分の表面からの距離(深さ)を知覚しにくくなり、本来平面に描かれた画像がさも本当の立体であるかのように知覚されるものである。さらにシェード部の輪郭となる境界線が歪まない程度に明度の変化が緩やかに変化するような光の拡散性を有する表面層とすることで、加飾層上の画像に含まれる輪郭がはっきり見えなくなるので、加飾層の画像そのものを見た場合と比較してより高い立体感あるように感じるものである。
表面層の表面からの距離(深さ)を知覚しにくくなると、ヒトは、シェード部の両側において高低差があるものと知覚しやすくなり、その結果、ヒトは、加飾層に形成された立体を模倣した画像をより立体的に知覚することができる。
また、加飾層は、表面層に直接印刷したり、接着したりするだけで足り、低コストで装飾部材を製造することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記表面層が光を拡散させることによって前記画像のシェード部を形成する境界線の明度の変化が緩和される程度に応じて、前記画像のシェード部を形成する境界線の明度の変化の程度が予め調整されてなることを特徴とする。 これにより、表面層の光透過率の低下が抑制され、装飾部材を眺めた場合の立体感が向上する。表面層のみによって平面画像の境界における明度を調整しようとすると、表面層の光透過率が大きく低下し、平面画像全体が見え難くなる場合がある。本発明では、加飾層における平面画像の境界の明度の変化を予め緩和することにより、上述した現象を回避する。
第3の発明は、第1の発明において、前記画像において、凸部として知覚させたい部分の輪郭の明度の変化は、凹部として知覚させたい部分とシェード部との境界線における明度の変化より急峻であることを特徴とする。
これにより、凸部として見せたい平面画像の輪郭の明度変化と、凹部として見せたい平面画像の輪郭の明度変化に差が設けられる。その結果、人体は、凸部として見せたい平面画像に無意識に焦点を合わせ、装飾部材を見た瞬間にその立体感を知覚する。
第4の発明は、第1の発明において、前記表面層の光透過率の程度に応じて、前記画像の明度のコントラストが予め調整されてなることを特徴とする。
これにより、表面層の光透過率の違いによって、装飾部材の立体感が低減することが抑制される。表面層の光透過率が低減すると、表面層を通して眺めた平面画像のコントラストも低減し、装飾部材の立体感が低減する場合がある。本発明では、加飾層における平面画像のコントラストを予め表面層の光透過率に合わせて調整することにより、このような不具合を回避する。
第5の発明は、第1の発明において、前記画像のシェード部は、方向性をもたないように配置されてなることを特徴とする。
これにより、装飾部材を眺める方向によって、その立体感に変化が生じ難くなる。
本発明によれば、低コストで、立体感を向上させた装飾部材が実現する。
本実施の形態に係る装飾部材の模式図である。 人体が立体感を知覚する基本メカニズムを説明するための図である。 加飾層の画像がより立体的であると知覚する理由を説明するための図である。 表面層の断面模式図である。 加飾層の画像を説明する模式図である。 眺める方向によって画像の立体感が変化する様子を説明するための図である。 眺める方向によって画像の立体感が変化し難くなる様子を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る装飾部材の模式図である。図1(a)には、装飾部材1の平面模式図が示され、図1(b)には、図1(a)のX−Y断面が示されている。図1(c)には、図1(a)のA−B部分の明度の変化が示されている。なお、図1(a)の平面画像は、正面から見た場合の平面図であり、その平面図にある方向から光を当てた場合のハイライトとシェードを付与している。
装飾部材1は、例えば、加飾層10と、加飾層10上に設けられた表面層20とを有する。
加飾層10は、例えば、平面画像部10pと、平面画像部10pの境界に設けられたハイライト部10hおよびシェード部10sと、を有する。平面画像部10pも、ハイライト部10hおよびシェード部10sも、同一の平面上に設けられている。ハイライト部10hは、平面画像部10pよりも明るく見える部分であり、シェード部10sは、平面画像部10pよりも暗く見える部分である。ハイライト部10hは、シェード部10sよりも明るく見える部分である。このような平面画像部10pと、ハイライト部10hと、シェード部10sとを含む画像により、加飾層10は、立体画像を模倣した平坦な表面を有する。なお、立体画像を模倣するために、ハイライト部10hは設けず、平面画像部10p並びにシェード部10sにより構成された加飾層10も、本実施の形態に含まれる。換言すれば、加飾層10は、凹凸に対して斜め方向から光をあてた場合に投影される影をシェード部10sとして描くことで立体を模倣した画像を有している。
このような加飾層10は、表面層20以外の別の部材、例えば紙面に平面画像部10p、ハイライト部10hおよびシェード部10sを形成させたものとすることができる。加飾層10が紙面の場合は、例えば、接着剤により加飾層10を表面層20に貼り合わせる。また、表面層20に平面画像部10p、ハイライト部10hおよびシェード部10sを直接印刷したものでもよい。また、表面層20以外の別の部材に平面画像部10p、ハイライト部10hおよびシェード部10sを形成させた場合、表面層20と、平面画像部10pの間に隙間があってもよい。
表面層20は、透光性と光拡散性とを有する。表面層20は、例えば、半透明の材料などにより形成することができ、視覚的にやや濁って見えるような光学的作用を与える。表面層20を通して加飾層10を見ると、加飾層10がややぼやけて見える。表面層20の表面は、平滑な平面または平滑な曲面である。ここで、「平滑」とは、凹凸が実質的に存在しない平坦な状態と、後に詳述するように光を散乱する細かな凹凸が設けられた状態と、を含む。ただし、「平滑」とは、装飾部材1を観察する観察者が虚像として知覚する立体構造の凹凸は、含まない。
図1に表した具体例においては、表面層20は、平板状の透明部材20tと、透明部材20t内に分散させた光拡散材20dと、を有する。透明部材20tの表面20sは、光を拡散する粗面(細かな凹凸構造)になっている。このような粗面や光拡散材20dを配置しても、表面層20は光透過性を有している。これにより、表面層20を通して加飾層10の画像を見ることができる。また、表面層20を通して加飾層10を眺めると、平面画像部10p、ハイライト部10hおよびシェード部10sの境界における明度の変化が緩和されるように構成されている。
例えば、図1(c)の横軸の左から右に沿って、明度の変化を説明する。
表面層20を設けない無垢の加飾層10では、明度が平面画像部10pとシェード部10sとの境界からシェード部10sにかけて急峻に立ち下がり、シェード部10sから平面画像部10pとシェード部10sとの境界にかけて急峻に立ち上がっている。
これに対して、加飾層10上に表面層20を設け(すなわち、装飾部材1)、表面層20を通して、加飾層10を眺めると、明度は、平面画像部10pとシェード部10sとの境界からシェード部10sにかけて緩やかに立ち下がり、シェード部10sから平面画像部10pとシェード部10sとの境界にかけて緩やかに立ち上がっている。また、表面層20を通して加飾層10を眺めても、平面画像部10p、ハイライト部10hおよびシェード部10sの境界は、例えば直線状の境界が湾曲するような変化は生じない。
透明部材20tは、例えば、ガラス、樹脂等で構成されている。その形状は、板状であってもよく、フィルム状であってもよい。光拡散材20dは、透明部材20tの中を進む光を反射または拡散する役割を有する。光拡散材20dは、例えば金属、無機材で構成された粒子とすることができる。
具体的には、無機材として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウムなどがあり、有機材としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン等があげられる。また、蛍光粒子を用いてもよい。なお、表面が粗面にされた表面層を用いた場合、光拡散材20dは、設けなくてもよい。逆に光拡散材20dを設けた場合、表面が粗面とされず、平坦面としても良い。また、加飾層と、表面層を接着する際に用いる接着剤に光拡散材20dが含まれていてもよい。
このような装飾部材1の表面層20を通して加飾層10を眺めると、表面層20を設けない場合に比べ、ヒトの視覚のうえで加飾層10の画像がより立体的に見える。
次に、ヒトが平面状である加飾層10を立体的に知覚する基本メカニズムについて説明する。
以下まず、ヒトが立体感を知覚する一般的なのメカニズムについて説明する。
図2は、ヒトが立体感を知覚する基本メカニズムを説明するための図である。
図2(a)には、第1のメカニズムが示されている。ここで、ヒト30の手前には照明40があり、照明40により光が照らされた加飾層10をヒト30が眺めているとする。
ヒト30は、凹凸のある表面50にハイライト部(すなわち、明るい部分)50hおよびシェード部(すなわち、暗い部分)50sが混在していると、表面50が立体的であると知覚する。すなわち、凹凸に光があたったときに形成される明るい部分と影の部分とを視覚することにより、立体感を知覚する。
例えば、ヒト30は、ハイライト部50hに接続する平面部50pがシェード部50sに接続する平面部50pよりも高いと知覚する。
図2(b)には、第2の理由が示されている。
ヒト30の視覚は、特定の平面部50pに、視覚の焦点を合わせてしまうと、これ以外の部分に対する焦点がぼやけてしまうという性質を有する。
例えば、ヒト30は、ある特定の平面部50pが高いと認識し、一旦これに焦点を合わせてしまうと、これ以外の平面部50pに対する焦点がぼやけてしまう。このような理由によっても、ヒト30は、表面50が立体的であると知覚する。
図2(c)には、第3の理由が示されている。
ヒト30は、両眼で表面50を眺めるため、左目30lで見る画像と右目30rで見る画像とがずれている。すなわち、両眼視による視差により、ヒト30は、表面50の画像が立体的であると知覚する。このような理由によっても、ヒト30は、表面50の画像が立体的であると知覚する。
以上説明した理由が総合的に絡み合って、ヒト30は、表面50が立体的であると知覚する。そして、本実施形態によれば、平坦な加飾層10上に表面層20を設けることにより、上述したような視覚的なメカニズムを誘発し、立体感を与えることができる。その理由を次に説明する。
図3は、加飾層の画像がより立体的であると知覚する理由を説明するための図である。 ここで、比較のため、図3(a)には、装飾部材1とは構造が異なる装飾部材100が例示されている。この装飾部材100においても、加飾層10上に透明部材20tが設けられている。但し、透明部材20tには、上述した粗面および光拡散材20dが設けられていない。一方、図3(b)には、本実施の形態の装飾部材1が示されている。
先ず、図3(a)に示す装飾部材100においては、透明部材20tの表面20sが平坦であり、なおかつ透明部材20t内に光拡散材20dが存在しない。そのため、光が、表面層20から加飾層10を通り再度表面層20を抜ける際の光路長は場所により変らない。つまり加飾層の厚み方向(矢印d)における画像位置情報が場所によって変らないため、ハイライト部10hもシェード部10sも同じ深さである。つまり、ヒト30は、平面であると視認してしまう。また、ハイライト部10hおよびシェード部10sの画像情報は、ぼやけることがなく、そのままヒト30に届く。つまり、ヒト30が視覚するハイライト部10h及びシェード部10sは、加飾層10に形成されたとおりである。
これは、透明部材20tを通さずに加飾層10表面を直接眺めた場合と同様であり、立体感を増す効果は得られない。
これに対して、本実施形態の装飾部材1では、この限界を超える構造を有する。図3(b)に示す装飾部材1においては、透明部材20tの表面20sに光を拡散する粗面が設けられている。さらに、透明部材20t内には、光を拡散させる光拡散材20dが設けられている。このような光拡散機能を備えた表面層20では、光の進行が表面層20内で不規則になる。そのため、光が、表面層20から加飾層10を通り再度表面層20を抜ける際の光路長は場所によりばらばらになる。その結果、表面層20の厚み方向(矢印d)における画像位置の情報は、ヒト30に伝わり難くなる。また、上述したように、加飾層10上に表面層20を設けると、ハイライト部10hやシェード部10sにおける明度の変化はより緩和される。つまり、ハイライト部10hやシェード部10sが視覚的にぼやけて見えるようになる。
その結果として、表面層20を通して加飾層10を眺めると、表面20sから、加飾層10の平面画像部10p、ハイライト部10h、シェード部10sまでの実際の距離(深さ)を視認しにくくなる。また、上述したように、加飾層10上に表面層20を設けると、ハイライト部10hやシェード部10sにおける明度の変化はより緩和される。つまり、ハイライト部10hやシェード部10sが視覚的にぼやけて見えるようになる。これにより、ハイライト部10hやシェード部10sが、実際の凹凸構造があるときのハイライト部やシェード部に近くなり、立体感を感じやすくなる。これにより、ハイライト部10hやシェード部10sが、実際の凹凸構造があるときのハイライト部やシェード部に近くなり、立体感を感じやすくなる。その結果、ヒト30は、図2(b)、(c)の情報はごまかされて、図2(a)に関して前述したメカニズムにより、立体感を感じやすくなる。
すなわち、表面層20の表面20sからの距離(深さ)を視認しにくくなると、ヒト30は、ハイライト部10hやシェード部10sの両側において高低差があるものと知覚しやすくなる。その結果、ヒト30は、加飾層10の画像をより立体的に知覚する。
このように、本実施の形態では、表面層20による光拡散効果と、加飾層10の画像明度分布とが相乗することにより、ヒト30が知覚する立体感がより向上する。
表面層での光拡散の方法として、光を拡散する粗面および光拡散材の使用以外に、屈折率の異なる素材を、界面に凹凸構造をつけて積層する方法、表面層として樹脂素材を用い、部分的に結晶化度を変化させる方法、等が挙げられる。
次に、表面層20の別の形態について説明する。
表面層20は、図1に示したもの以外に、図4に示す構造を有するものとすることもできる。図4に、表面層の断面模式図を示す。
本実施の形態においては、光拡散材20dを加飾層の近傍ではなく、表面20sの近傍に配置している(図4(a)参照)。光が光拡散材20dに当たってから、加飾層10に当たるまでの距離が長い程、光拡散材20dの拡散効果が高くなる。そのため、同量の拡散材20dを利用するのであれば、表面層20により近い場所に光拡散材20dを配置することで、より効率的に拡散効果を得ることが可能となる。また、表面層20の表面20sに光を拡散する粗面を設けず、光拡散材20dを表面20sの近傍に配置してもよい(図4(b)参照)。
このような表面層20によっても、表面層20の厚み方向(矢印d)における画像位置の情報が抑制される。ヒト30は、ハイライト部10hやシェード部10sの両側において高低差があるものと知覚し、加飾層10の画像が立体的に見える。
このように、表面層20は、表面層20を通して眺めた画像の各部分の表面からの距離を人が知覚しにくくなるように光を拡散させる。さらに、表面層20は、表面層20を通して眺めた画像のシェード部10sを形成する境界線を歪ませることなく、画像のシェード部10sを形成する境界線における明度の変化が緩和されるように光を拡散させる。
次に、表面層20の下地である加飾層の詳細について説明する。
図5は、加飾層の画像を説明する模式図である。図5(a)〜図5(d)においては、表面層20を通さずに加飾層の画像を見た場合の加飾層の平面が示され、図5(e)には、図5(a)〜図5(d)のX−Yにおける加飾層の明度変化が示されている。なお、以下の説明では、ヒトは、加飾層を、矢印Bの方向に眺めた場合を想定している。また、矢印Bが示す方向先には、照明があるとする。
図5(a)〜図5(d)に示す加飾層10A〜10Dは、平面画像部10pがハイライト部10hおよびシェード部10sによって区分けされ、それぞれの平面画像部10pの形状が四角になっている。これは、角柱が高低差をもって交互に配置された立体に斜め方向から光をあてた場合に凸部の影として凹部に投影される影をシェード部、凸部の上面のうちで光が来る方向に近い部分をハイライト部として描くことで立体を模倣したものである。ハイライト部10hおよびシェード部10sは、平面画像部10pの辺に配置され、それぞれが周期的な配列をしている。このように、平面画像部10pの境界には、ハイライト部10hおよびシェード部10sが配置されている。これにより、加飾層10A〜10Dにおいて、ヒト30は、突き出た平面画像部10pと凹んだ平面画像部10pとが交互に配列していると知覚する。
また、これらの加飾層10A〜10Dにおいては、画像の境界の明度変化に差異が設けられている。本実施の形態では、一例として、シェード部10s近傍での明度変化に差異を設けている。
例えば、図5(e)の横軸の左から右に沿って、その明度変化を説明する。
加飾層10Aでは、明度が平面画像部10paとシェード部10sとの境界からシェード部10sにかけて急峻に立ち下がり、シェード部10sから平面画像部10pbとシェード部10sとの境界にかけて急峻に立ち上がっている。すなわち、シェード部10sと、その両側の平面画像部10pa、10pbとが境界においてくっきりと区別できるようになっている。
このような加飾層10Aを表面層20の下地として用いると、ヒト30には加飾層10Aの画像がより立体的に見える。
次に、加飾層10Bにおいては、明度が平面画像部10paとシェード部10sとの境界からシェード部10sにかけて緩やかに立ち下がり、シェード部10sから平面画像部10pbとシェード部10sとの境界にかけて緩やかに立ち上がっている。すなわち、シェード部10s付近における明度曲線は、明度の最小値の位置を基準に略対称となっている。
このような緩やかな明度変化については、加飾層10Bに設けることなく、表面層20の構成を調整しても達成できる。しかし、表面層の光拡散性は、厚みや、拡散材の量、表面の粗面の深さなど様々な要因によって決まるため狙いの立体感を得るための調整が難しい。例えば、表面層20の作用で加飾層の明度の変化を緩和すると、ハイライト部10hおよびシェード部10sを含めた画像全体の明度までもが増加する場合がある。このような場合、表面層20を通して加飾層を眺めると、平面画像全体が見え難くなり、装飾部材の立体感が低減する虞がある。また、平面画像全体が見え難くなる現象を抑えるために、光拡散性の弱い表面層を用いると、加飾層の明度の変化を緩和する作用が弱いため、装飾部材の立体感が低減する虞がある。さらに加飾層の画像パターンによって、表面層を都度変更することは製造上、コスト的にも課題が多い。
このような現象を回避するために、加飾層10Bでは、平面画像部10pa、10pbとシェード部10sとの境界において明度の変化が緩和された画像を予め組み込んでいる。これにより、表面層20による加飾層の明度の変化を緩和する作用を小さくしても、表面層20を通して見た画像の明度の変化が緩和され、なおかつ画像全体の明度を適切な大きさにすることができる。また、表面層20によって加飾層の明度を調整する必要もない。このような加飾層10Bにおいても、ヒト30には加飾層10Bの画像がより立体的に見える。
次に、加飾層10Cでは、明度が平面画像部10paからシェード部10sにかけて急峻に立ち下がり、シェード部10sから平面画像部10pbにかけて緩やかに立ち上がっている。つまり、加飾層10Cでは、画像の境界における明度の変化が緩和された部分と、境界における明度の変化が急峻である部分と、が設けられている。
この加飾層10Cでは、凸部として知覚させたい平面画像部10paの輪郭と、凹部として知覚させたい平面画像部10pbの輪郭との明度変化に差をもたせている。すなわち、シェード部10s付近における明度変化は、明度の最小値の位置を基準に非対称となっている。
例えば、加飾層10Cでは、凸部として知覚させたい平面画像部10paの輪郭の明度変化を、凹部として知覚させたい平面画像部10pbの輪郭との明度変化よりも急峻にしている。これにより、ヒト30は、凸部として知覚させたい平面画像部10paに焦点が合っているかのような錯覚を起こし、この平面画像部10paが隣接する平面画像部10pbよりも上方にあると感ずる。
このような加飾層10Cにおいても、ヒト30には加飾層10Cの画像がより立体的に見える。
次に、加飾層10Dでは、明度が平面画像部10paとシェード部10sとの境界からシェード部10sにかけて急峻に立ち下がり、シェード部10sから平面画像部10pbとシェード部10sとの境界にかけて急峻に立ち上がっている。但し、加飾層10Dでは、ハイライト部10hと、平面画像部10pおよびシェード部10sとのコントラスト(明度の差)を加飾層10A、10B、10Cに比べ強くしている。例えば、ハイライト部10hの明るさを基準にした場合、平面画像部10pおよびシェード部10sの明度を加飾層10A、10B、10Cに比べ相対的に低くしている。
このような加飾層10Dによれば、表面層20の光透過率の低下による、装飾部材の立体感の低減を抑制することができる。
例えば、表面層20の光透過率が低減すると、表面層20を通して眺めた画像のコントラストも低減し、装飾部材の立体感が低減する場合がある。
然るに、加飾層10Dでは、表面層20の光透過率の低下に応じて、加飾層10に設けられた画像のハイライト部10hと、平面画像部10pおよびシェード部10sとのコントラストを強くしている。このような加飾層10Dであれば、表面層20を通して加飾層10Dの画像を見たときに、表面層20による画像のコントラストの低減により、表面層20を通してみた加飾層10Dの画像のコントラストが適切な大きさになり、加飾層10Dに設けられた画像が適切な立体像になる。
このような加飾層10Dによっても、ヒト30には加飾層10Dの画像がより立体的に見える。
ところで、周期的に配列したハイライト部10h、シェード部10sにおいては、装飾部材を眺める向きによって、ヒト30には、同じ箇所の平面画像部10pが突き出て見えたり、あるいは凹んで見えたりすることがある。
例えば、図5(a)の矢印Aで指示された平面画像部10pは、矢印Bの方向に眺めると突き出て見えるが、矢印Bが示す方向の反対側から眺めると凹んで見える。この現象を他の図面を用いて説明する。
図6は、眺める方向によって画像の立体感が変化する様子を説明するための図である。 例えば、図6には、何枚かの「木の葉」が密接して並んだ画像が示されている。ここで、図6(a)に示す画像と、図6(b)に示す画像とは同じ画像であり、Z−Z’線を境にして、上下を反転させただけである。
矢印Bの方向に双方の画像を眺めると、図6(a)の「葉脈」は突き出て見えるが、図6(b)の「葉脈」は凹んで見える。これは、それぞれの「木の葉」中心の「葉脈」が矢印Bの方向に沿うように配列し、「葉脈」近傍のハイライト部およびシェード部の配置に規則性が生じたためである。
このような画像では、眺める方向によって装飾部材の立体感が異なってしまい、所定の方向から眺めた装飾部材の立体感に違和感が生じる場合もある。
これに対し、図7は、眺める方向によって画像の立体感が変化し難くなる様子を説明するための図である。
図7には、何枚かの「木の葉」が密接して並んだ画像が示されている。ここで、図7(a)に示す画像と、図7(b)に示す画像とは同じ画像であり、Z−Z’線を境にして、上下を反転しただけである。
この図7の画像では、それぞれの「木の葉」中心の「葉脈」を矢印Bの方向に沿うことなく、それぞれの「木の葉」の配置を不規則にしている。これに伴い、「葉脈」近傍のハイライト部およびシェード部の配置も不規則になる。
このような画像によれば、眺める方向によって画像の立体感に変化が生じ難い。すなわち、図7の画像によれば、どの方向から装飾部材を眺めても、ヒトは同じ立体感を知覚することができる。このように、ハイライト部およびシェード部の少なくともいずれか1つの配置が不規則に並んだ画像も本実施の形態に含まれる。
また、本実施の形態では、加飾層10の中に、少なくとも2種類の明度を有していれば、平面画像部10pとハイライト部10hあるいはシェード部10sを共用させることも可能である。
このように、本実施の形態の装飾部材は、明度の変化により立体を模倣した画像を有する加飾層10と、加飾層10の上に設けられ、光透過性と光拡散性とを有する表面層20と、を備える。表面層20の表面は、平滑な平面または平滑な曲面であり、表面層20を通して加飾層10を見ると、目の焦点を合わせにくく、且つ画像における明度の変化がより緩和される。
また、表面層20の光拡散性によって得られる画像の明度変化に応じて、予め加飾層10の画像の境界線の明度変化の程度が調整される。表面層20が光を拡散させることによって画像のシェード部10sを形成する境界線の明度の変化が緩和される程度に応じて、画像のシェード部10sを形成する境界線の明度の変化の程度が予め調整されている。
また、画像において、凸部として知覚させたい部分の輪郭の明度変化は、凹部として知覚させたい部分とシェード部との境界線における明度変化より急峻な場合がある。
また、表面層20の光透過率の程度に応じて、画像の明度のコントラストも調整される。また、画像のシェード部10sは、方向性をもたないように配置することもできる。
以上説明した装飾部材1によれば、ヒト30が知覚する装飾部材の立体感がより向上する。また、加飾層10は、表面層20に接着、印刷等の簡単な手段で取り付けることができる。このため、装飾部材1は、低コストで製造することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、装飾部材1が備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、装飾部材1の表面は、平面でもよく曲面でもよい。具体的には、装飾部材1は、浴室、浴槽、トイレ室、洗面カウンター、キッチン壁等の平面部のみならず、曲面部、コーナー部にも用いることができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせたり、複合したりすることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1、100 装飾部材
10、10A、10B、10C、10D 加飾層
10h ハイライト部
10s シェード部
10p、10pa、10pb 平面画像部
20 表面層
20d 光拡散材
20f 樹脂フィルム
20s 表面
20t 透明部材
30 ヒト
30l 左目
30r 右目
40 照明
A、B、d 矢印

Claims (5)

  1. 凹凸に対して斜め方向から光をあてた場合に投影される影をシェード部として描くことで立体を模倣した画像を有する加飾層と、
    前記加飾層の上に設けられ、光透過性を有する表面層と、
    を備え、
    前記表面層は前記表面層を通して眺めた前記画像の各部分の表面からの距離を人が知覚しにくくなるように光を拡散させるものであり、
    さらに、前記表面層は前記表面層を通して眺めた前記画像のシェード部を形成する境界線を歪ませることなく、前記画像のシェード部を形成する境界線における明度の変化が緩和されるように光を拡散させることを特徴とする装飾部材。
  2. 前記表面層が光を拡散させることによって前記画像のシェード部を形成する境界線の明度の変化が緩和される程度に応じて、前記画像のシェード部を形成する境界線の明度の変化の程度が予め調整されてなることを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
  3. 前記画像において、凸部として知覚させたい部分の輪郭の明度の変化は、凹部として知覚させたい部分とシェード部との境界線における明度の変化よりも急峻であることを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
  4. 前記表面層の光透過率の程度に応じて、前記画像の明度のコントラストが予め調整されてなることを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
  5. 前記画像のシェード部は、方向性をもたないように配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012200940A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Toppan Printing Co Ltd マイクロレンズ装飾体
JP2014223935A (ja) * 2013-05-17 2014-12-04 アサヒビール株式会社 金属缶
JP2014227174A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 アサヒビール株式会社 金属缶
JP2016078236A (ja) * 2014-10-09 2016-05-16 豊田合成株式会社 加飾フィルム

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