本発明は、本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明、およびその中に含まれる実施例を参照することで、より易く理解することができる。
本発明は、当然様々となりうる、詳細な合成製造方法に限定されないと理解される。また、本明細書で使用する術語は、特定の実施形態について記載する目的のものに過ぎず、限定する意図はないと理解される。本明細書および後続の特許請求の範囲では、いくつかの用語への言及がなされるが、それらは、以下の意味を有すると定義されるものとする。
ここで明細書において使用する場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは複数を意味しうる。ここで請求項において使用する場合、語「a」または「an」は、語「含む(comprising)」と共に使用される場合、1つまたは1つよりも大きいを意味しうる。本明細書で使用する場合、「別の(another)」は、少なくとも第2またはより次位を意味しうる。
用語「約」とは、これが指す名目上の値の±10%の近似値を意味する相対語であり、一実施形態では、±5%、別の実施形態では、±2%を指す。本開示の分野については、より厳密な範囲がその値に必要となることを詳細に述べない限り、このレベルの近似値が適切である。
「化合物」は、本明細書で使用する場合、配座異性体(たとえば、cisおよびtrans異性体)およびすべての光学異性体(たとえば、鏡像異性体およびジアステエレオマー)、そうした異性体のラセミ、ジアステエレオ、および他の混合物、ならびに溶媒和物、水和物、同形体、多形体、互変異性体、エステル、塩形態、およびプロドラッグを含む、薬学的に許容できるいずれの派生形態または変形形態も包含する。「プロドラッグ」という表現は、投与後、いくつかの化学的または生理的過程を経てin vivoで薬物を放出する薬物前駆体である化合物を指す(たとえば、プロドラッグは、生理的pHになると、または酵素作用によって、所望の薬物形態に変換される)。例示的なプロドラッグは、切断されると、対応する遊離酸を放出するが、本発明の化合物のそうした加水分解可能なエステル形成残基には、限定はしないが、遊離水素が、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C7)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、ガンマ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1〜C2)アルキルアミノ(C2〜C3)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C1〜C2)アルキル、N,N−ジ(C1〜C2)アルキルカルバモイル−(C1〜C2)アルキル、およびピペリジノ−、ピロリジノ−、またはモルホリノ(C2〜C3)アルキルで置き換えられている、カルボキシル部分を有する残基が含まれる。
本明細書で使用する場合、矢印「
「患者」とは、たとえば、モルモット、マウス、ラット、アレチネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、サル、チンパンジー、およびヒトなどの温血動物を指す。「哺乳動物」は、患者である。
「薬学的に許容できる」とは、物質または組成物が、製剤を構成する他の成分、および/またはこれによって治療される哺乳動物と、化学的および/または毒性学的に適合しなければならないことを意味する。
本明細書で使用する場合、次の用語は、医薬品の投与についての一般的な意味を有する。QDは、1日1回を意味し、BIDは、1日2回を意味する。
本明細書で使用する場合、「反応不活性溶媒」および「不活性溶媒」という表現は、出発材料、試薬、中間体、または生成物と、所望の生成物の収率に不利な影響を及ぼす形で相互作用しない溶媒またはその混合物を指す。
本明細書で使用する場合、用語「選択性」または「選択的」とは、第1のアッセイにおける化合物の効果が、第2のアッセイにおける同じ化合物の効果に比べて大きいことをいう。たとえば、「消化管選択的」な化合物では、第1のアッセイは、化合物の腸における半減期についてのものであり、第2のアッセイは、化合物の肝臓における半減期についてのものである。
「治療有効量」とは、ある量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物D)と組み合わされ、場合により、ある量の別の化合物とも組み合わされた、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(化合物A)の、本明細書に記載の特定の疾患、状態、または障害を治療する量を意味する。
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸は、選択的ACC阻害剤であり、国際出願番号PCT/IB2011/054119の米国国内段階であるUS8,859,577の実施例9において遊離酸として調製されており、これら特許はすべて、すべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。結晶性形態の化合物は、2019年5月31日にWO2019/102311として公開された国際特許出願番号PCT/IB2018/058966に記載されている。
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドは、DGAT2阻害剤であり、すべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国公開特許出願US2018−0051012A1における実施例1である。
本明細書で使用する用語「治療すること」、「治療する」、または「治療」は、予防的、すなわち、予防法;対症的な治療、すなわち、患者の疾患(または状態)または疾患(または状態)と関連するいずれかの組織損傷を軽減、緩和、またはその進行を緩徐化する;および患者の疾患(または状態)が緩和されるだけでなく、疾患(または状態)と関連するいずれかの組織損傷が、治療開始時より良好な状態になる好転を包含する。この後者は、たとえば、限定せずに、肝生検に基づくNASH消散の確証および/または線維化スコアの改善;硬変、肝細胞癌、および/または肝臓に関連した他の転帰への進行の出現率がより低いこと;非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーまたは画像に基づくマーカーのレベルの低減または改善;非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性の低減または改善;または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結の低減のいずれか1つまたは複数から生じうる。
ACC阻害剤の投与は、NASH治療に対して、肝臓TGを低下させるポジティブな効果、および潜在的には、他の有益な効果をもたらしうると思われる。DNLを部分的にしか阻害しないACC阻害剤の用量では、循環TGの上昇が生じない場合もあるが(Bergmanら(2018)、J.of Hepatology、68巻、S582)、循環TGレベルの増大は、肝臓ACC阻害の機構的帰結であると報告されている(Kimら、2017)。WO2016/112305は、ACC阻害剤を単独で、または1種または複数の追加治療剤と共に使用して、非アルコール性脂肪性肝疾患を治療し、安定化し、または重症度もしくは進行を和らげる方法を示している。
場合により薬学的に許容できる塩としても投与される4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の投与が、(一般に血漿から測定される)循環TGの上昇をもたらす潜在的可能性を有することが、西洋食を給餌したSprague Dawleyラットにおいて発見されており、これは、ヒト対象においても観察された。
本発明の化合物は、不斉またはキラル中心を含有し、したがって、異なる立体異性体型で存在する場合がある。別段指定しない限り、本発明の化合物のすべての立体異性体型、ならびにラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本発明の一端を形成することが意図される。加えて、本発明は、すべての幾何および位置異性体を包含する。たとえば、本発明の化合物に、二重結合または縮合環が組み込まれている場合、cisおよびtrans両方の型、ならびに混合物が本発明の範囲内に含まれる。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、不斉固定相を有する樹脂上で、0〜50%、通常は2〜20%のイソプロパノール、および0〜5%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミン(DEA)またはイソプロピルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いるクロマトグラフィー、通常は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)または超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を使用して、鏡像異性体富化された形態で取得することができる。溶離液を濃縮すると、富化された混合物が得られる。
ジアステエレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶などの当業者に周知の方法によって、その物理的化学的差異に基づき、その個々のジアステエレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、鏡像異性体混合物を、光学活性のある適切な化合物(たとえば、キラルアルコールやモッシャーの酸塩化物などのキラル助剤)との反応によってジアステエレオマー混合物に変換し、ジアステエレオマーを分離し、個々のジアステエレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換する(たとえば、加水分解する)ことにより、分離することができる。鏡像異性体は、キラルHPLCカラムを使用して分離することもできる。別法として、光学活性のある出発材料の使用によって、光学活性のある試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を使用する不斉合成によって、または一方の立体異性体を不斉変換によって他方の立体異性体に変換することにより、特定の立体異性体を合成してもよい。
本発明の化合物が2つ以上の立体中心を有し、絶対または相対立体化学が名称の中に示されている場合では、RおよびSの表記が、それぞれ、各分子について、従来のIUPAC番号方式に従う昇べきの番号順(1、2、3など)に、各立体中心を指す。本発明の化合物が1つまたは複数の立体中心を有し、名称または構造に立体化学が示されていない場合では、その名称または構造は、ラセミ体を含めた、化合物のすべての形態を包含するものと理解される。
本発明の中間体および化合物は、異なる互変異性体型で存在しうる可能性もあり、そうした型はすべて、本発明の範囲内に含まれる。用語「互変異性体」または「互変異性体型」とは、低いエネルギー障壁で相互変換可能である、エネルギーの異なる構造異性体を指す。たとえば、(プロトトロピック互変異性体としても知られる)プロトン互変異性体は、ケト−エノールおよびイミン−エナミン異性化などの、プロトンの移動による相互変換を含む。
原子価互変異性体は、結合電子の一部が再編成されることによる相互変換を含む。
請求項に係る本発明の化合物の範囲内には、1つを超える種類の異性を示す化合物を含めた、本発明の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体型、ならびにそれらの1つまたは複数の混合物が含まれる。対イオンが光学活性を有する、たとえば、D−乳酸もしくはL−リシン、またはラセミ体、たとえば、DL−酒石酸またはDL−アルギニンである、酸付加塩または塩基塩も含まれる。
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号が同じであるが原子質量または質量数が自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なっている原子で置き換えられている、同位体標識された薬学的に許容できるすべての本発明の化合物を包含する。
本発明の化合物に含めるのに適する同位体の例としては、2Hおよび3Hなどの水素、11C、13C、および14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123I、124I、125Iなどのヨウ素、13Nや15Nなどの窒素、15O、17O、および18Oなどの酸素、32Pなどのリン、ならびに35Sなどの硫黄の同位体が挙げられる。
ある特定の同位体標識された本発明の化合物、たとえば、放射性同位体が組み込まれている本発明の化合物は、薬物および/または基質組織分布調査において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわち3H、および炭素14、すなわち14Cは、組み込みやすく、検出手段が手近にあることを考えると、この目的に特に有用である。
ジュウテリウム、すなわち2Hなどのより重い同位体での置換は、代謝安定性がより高いために生じるある特定の治療上の利点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の削減をもたらす場合もあり、したがって、ある状況では好ましいこともある。
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、陽電子放射断層撮影法(PET)調査において基質受容体占有率を調べるのに有用となりうる。
同位体標識された本発明の化合物は、一般に、以前から用いられている標識されていない試薬に代えて、適切な同位体標識された試薬を使用して、当業者に公知の従来の技術によって、または付属の実施例および調製例に記載の方法と類似した方法によって調製することができる。
本発明の化合物は、それ自体で、または可能である場合はその薬学的に許容できる塩の形態で単離し、使用してよい。用語「塩」とは、本発明の化合物の無機および有機塩を指す。これらの塩は、化合物を最後に単離および精製する際にその場で、または化合物を適切な有機もしくは無機の酸または塩基で別個に処理し、そうして形成された塩を単離することにより、調製することができる。前述の本発明の塩基化合物の薬学的に許容できる酸付加塩の調製に使用される酸は、非毒性の酸付加塩(すなわち、薬理学的に許容できるアニオンを含んでいる塩、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ベシル酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、ホウ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))を形成するものである。
本発明はまた、本発明の化合物の塩基付加塩に関する。性質が酸性である本発明の化合物の薬学的に許容できる塩基塩の調製に試薬として使用することのできる化学塩基は、そうした化合物と非毒性の塩基塩を形成する化学塩基である。そのような非毒性の塩基塩には、限定はしないが、アルカリ金属カチオン(たとえば、リチウム、カリウム、ナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(たとえば、カルシウムおよびマグネシウム)などの薬理学的に許容できるカチオンから導かれる塩、N−メチルグルカミン−(メグルミン)、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、低級アルカノールアンモニウムなどのアンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、および薬学的に許容できる有機アミンの他の塩基塩が含まれる。たとえば、Bergeら、J.Pharm.Sci.66、1〜19(1977)を参照されたい。
ある特定の本発明の化合物は、(一般には「多形体」と呼ばれる)2種以上の結晶形で存在する場合がある。多形体は、たとえば、再結晶に異なる溶媒もしくは異なる溶媒混合物を使用する、異なる温度での結晶化を使用する、および/または結晶化の際に非常に急速から非常に緩徐な冷却に及ぶ種々の冷却方式を使用する、種々の条件下での結晶化によって調製することができる。多形体は、本発明の化合物を加熱し、または融解させた後、徐々にまたは急速に冷却することによって得ることもできる。多形体の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定、粉末X線回折、または他のこのような技法によって判定することができる。
一実施形態では、本発明は、少なくとも、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と組み合わされた、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を含み、それぞれが治療有効量で存在し、薬学的に許容できる賦形剤が混合されている、医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、組成物は、抗炎症薬、抗糖尿病薬、およびコレステロール/脂質調節薬からなる群から選択される少なくとも1種の追加の医薬品をさらに含む。
さらなる一実施形態では、組成物は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸;2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸;または2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、またはそれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される少なくとも1種の追加の医薬品をさらに含む。
さらなる実施形態では、医薬組成物は、構造:
の結晶性固体としての(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を含有する。
さらなる一実施形態では、結晶性固体は、5.3±0.2、7.7±0.2、および15.4±0.2の2−シータ値を含む粉末X線回折パターン(CuKα照射、波長1.54056Å)を有する。
さらなる一実施形態では、結晶性固体は、6.5±0.2、9.3±0.2、および13.6±0.2の2−シータ値を含む粉末X線回折パターン(CuKα照射、波長1.54056Å)を有する。
さらなる一実施形態では、医薬組成物は、構造:
の結晶性固体としての4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸、または薬学的に許容できるその塩または薬学的に許容できるその塩を含有する。
さらなる一実施形態では、結晶性固体は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール塩である。
さらなる一実施形態では、医薬組成物は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸;2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸;または2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、またはそれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される少なくとも1種の追加の医薬品をさらに含む。
別の実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を、少なくとも、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸、または薬学的に許容できるその塩と組み合わせて投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、疾患または状態は、脂肪肝である。別の実施形態では、疾患または状態は、非アルコール性脂肪性肝疾患である。別の実施形態では、疾患または状態は、非アルコール性脂肪性肝炎である。別の実施形態では、疾患または状態は、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎である。別の実施形態では、疾患または状態は、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎である。別の実施形態では、疾患または状態は、硬変および肝細胞癌を伴う非アルコール性脂肪性肝炎である。別の実施形態では、疾患または状態は、硬変および代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎である。
さらなる一実施形態では、方法は、少なくとも1種の他の医薬品を含み、医薬品は、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害剤、AMPK活性化薬、スルホニル尿素、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、PPARγ作動薬、PPARα/γ作動薬、ビグアナイド、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)モジュレーター、リラグルチド、アルビグルチド、エキセナチド、アルビグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、SIRT−1活性化薬、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、インスリン分泌促進物質、脂肪酸酸化阻害剤、A2拮抗薬、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害剤、グルコキナーゼ活性化薬(GKa)、インスリン、インスリン模倣薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、VPAC2受容体作動薬、SGLT2阻害剤、グルカゴン受容体モジュレーター、GPR119モジュレーター、FGF21誘導体または類似体、TGR5受容体モジュレーター、GPBAR1受容体モジュレーター、GPR40作動薬、GPR120モジュレーター、高親和性ニコチン酸受容体(HM74A)活性化薬、SGLT1阻害剤、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤またはモジュレーター、フルクトース1,6−ジホスファターゼの阻害剤、アルドース還元酵素の阻害剤、鉱質コルチコイド受容体阻害剤、TORC2の阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PKCアイソフォーム(たとえば、PKCα、PKCβ、PKCγ)の阻害剤、脂肪酸合成酵素の阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの阻害剤、GPR81、GPR39、GPR43、GPR41、GPR105、Kv1.3、レチノール結合タンパク質4、糖質コルチコイド受容体、ソマトスタチン受容体のモジュレーター、PDHK2またはPDHK4の阻害剤またはモジュレーター、MAP4K4の阻害剤、IL1ベータを含むIL1ファミリーのモジュレーター、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート、胆汁酸捕捉薬、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、PCSK9モジュレーター、コレステリルエステル転送タンパク質阻害剤、およびRXRアルファのモジュレーターからなる群から選択される。
さらなる一実施形態では、方法は、少なくとも1種の他の医薬品を含み、医薬品は、システアミンもしくは薬学的に許容できるその塩、シスタミンもしくは薬学的に許容できるその塩、抗酸化剤化合物、レシチン、ビタミンB複合体、胆汁酸塩調製物、カンナビノイド1(CB1)受容体の拮抗薬、カンナビノイド1(CB1)受容体の逆作動薬、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体活性調節薬、ベンゾチアゼピンもしくはベンゾチエピン化合物、タンパク質チロシンホスファターゼを阻害するためのRNAアンチセンス構築物PTPRU、ヘテロ原子に結合された置換ピペリジンおよびその誘導体、ステアロイル補酵素アルファデルタ−9デサチュラーゼを阻害しうるアザシクロペンタン誘導体、アディポネクチンの分泌促進物質もしくは誘導物質活性を有するアシルアミド化合物、第四級アンモニウム化合物、酢酸グラチラマー、ペントラキシンタンパク質、HMG−CoA還元酵素阻害剤、n−アセチルシステイン、イソフラボン化合物、マクロライド系抗生物質、ガレクチン阻害剤、抗体、またはそれらのいずれかの組合せからなる群から選択される。
さらなる一実施形態では、方法は、少なくとも1種の他の医薬品を含み、医薬品は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸;2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸;または2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、またはこれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を、少なくとも、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と組み合わせて投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、方法は、少なくとも1種の他の医薬品を含み、医薬品は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸;2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸;または2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、またはそれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、ヒトにおいて脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、または硬変および肝細胞癌を伴う非アルコール性脂肪性肝炎を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、
i.治療有効量で存在する(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を含み、薬学的に許容できる賦形剤が混合されている第1の組成物と、
ii.治療有効量で存在する4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩を含み、薬学的に許容できる賦形剤が混合されている第2の組成物と、場合により、
iii.抗炎症薬、抗糖尿病薬、抗線維化薬、抗脂肪変性薬、およびコレステロール/脂質調節薬、および抗糖尿病薬からなる群から選択される少なくとも1種の追加の医薬品と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む第3の組成物と
を含む治療有効量の2種の別個の医薬組成物を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、前記第1の組成物および前記第2の組成物は、同時に投与される。別の実施形態では、組成物は、第1の組成物と、第2の組成物と、第3の組成物とを含む。
さらなる一実施形態では、方法は、第3の組成物を含み、少なくとも1種の他の医薬品は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸;2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸;または2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、またはそれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態では、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と組み合わされた、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩は、医薬組成物中に、治療有効量で、薬学的に許容できる賦形剤が混合されて存在する。
本発明の別の実施形態では、少なくとも、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と組み合わされた、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩は、医薬組成物中に、治療有効量で、薬学的に許容できる賦形剤が混合されて存在する。
本発明の別の実施形態では、組成物は、GLP−1R作動薬、KHK阻害剤、FXR作動薬、抗炎症薬、抗糖尿病薬、抗線維化薬、抗脂肪変性薬、およびコレステロール/脂質調節薬からなる群から選択される少なくとも1種の追加の医薬品をさらに含む。
別の実施形態では、代謝性または代謝関連疾患、状態、または障害を治療する方法は、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と組み合わせて患者に投与するステップを含む。
別の実施形態では、高脂血症、I型糖尿病、II型真性糖尿病、特発性I型糖尿病(Ib型)、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、早期発症2型糖尿病(EOD)、若年発症非定型糖尿病(YOAD)、若年発症成人型糖尿病(MODY)、栄養不良関連糖尿病、妊娠糖尿病、冠動脈心疾患、虚血発作、血管形成術後の再狭窄、末梢血管疾患、間欠性跛行、心筋梗塞(たとえば、壊死やアポトーシス)、異脂肪血症、食後脂血症、耐糖能障害(IGT)の状態、空腹時血糖異常の状態、代謝性アシドーシス、ケトーシス、関節炎、肥満、骨粗鬆症、高血圧、うっ血性心不全、左室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性神経障害、メタボリック症候群、シンドロームX、月経前症候群、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害、耐糖能障害の状態、空腹時血糖異常の状態、肥満、勃起不全、皮膚および結合組織障害、足潰瘍化および潰瘍性大腸炎、内皮障害および血管伸展性不良、高アポBリポタンパク質血症、アルツハイマー病、統合失調症、認知障害、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、および過敏性大腸症候群、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)からなる群から選択される状態を治療する方法は、治療有効量の化合物Aまたは薬学的に許容できるその塩、および治療有効量の化合物Dまたは薬学的に許容できるその塩の投与を含む。
さらなる一実施形態では、代謝性または代謝関連疾患、状態、または障害を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、
(i)治療有効量で存在する(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド、または薬学的に許容できるその塩を含み、薬学的に許容できる賦形剤が混合されている第1の組成物と、
(ii)治療有効量で存在する4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸、または薬学的に許容できるその塩を含み、薬学的に許容できる賦形剤が混合されている第2の組成物と、場合により
(iii)GLP−1R作動薬、KHK阻害剤、FXR作動薬、抗炎症薬、抗糖尿病薬、抗線維化薬、抗脂肪変性薬、およびコレステロール/脂質調節薬、および抗糖尿病薬からなる群から選択される少なくとも1種の追加の医薬品と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む第3の組成物と
を含む少なくとも2種の別個の医薬組成物を投与するステップを含む。
なおさらなる一実施形態では、本発明の方法は、前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第3の組成物が同時に投与される場合に実施される。
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第3の組成物が、順次、いずれかの順序で投与される場合に実施される。
一実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第1の薬剤および第2の薬剤が同時に投与され、第3の薬剤が順次投与される。別の実施形態では、3種の別個の薬剤が、順次、およびいずれかの順序で投与される。
一実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第3の薬剤は、GLP−1R作動薬を含む。GLP−1R作動薬である2−[(4−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸またはその薬学的な塩[そのトリス塩としても知られるその2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール塩など]、ならびに他のGLP−1R作動薬およびこれら化合物の製造方法は、米国特許第10,208,019号に記載されており、この開示は、すべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、GLP−1R作動薬は、リラグルチド、アルビグルチド、エキセナチド、アルビグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、HM15211、LY3298176、Medi−0382、NN−9924、TTP−054、TTP−273、エフペグレナチド(efpeglenatide)、WO2018109607に記載されているもの、およびDIAST−X2からなる群から選択される。
GLP−1は、食物の摂取に応じて腸内でL細胞によって分泌される、30アミノ酸長のインクレチンホルモンである。GLP−1は、生理的かつグルコース依存的にインスリン分泌を刺激し、グルカゴン分泌を減少させ、胃内容排出を阻害し、食欲を低下させ、ベータ細胞の増殖を刺激することが示されている。非臨床実験において、GLP−1は、グルコース依存的なインスリン分泌にとって重要な遺伝子の転写を刺激し、ベータ細胞新生を促進することにより、ベータ細胞コンピテンスの継続を促進している(Meierら、Biodrugs.2003;17(2):93〜102)。
健康な個体において、GLP−1は、膵臓によるグルコース依存的なインスリン分泌を刺激し、結果として末梢におけるグルコース吸収を増加させることにより、食後血中グルコースレベルを調節する重要な役割を果たす。GLP−1はまた、グルカゴン分泌を抑制し、肝臓グルコース産出を低減させる。加えて、GLP−1は、胃内容排出を遅らせ、小腸運動性を緩慢にして食物吸収を遅らせる。T2DMの患者では、GLP−1の正常な食後上昇が存在しない、または弱まっている(Vilsboll Tら、Diabetes.2001.50;609〜613)。
Holst(Physiol.Rev.2007、87、1409)およびMeier(Nat.Rev.Endocrinol.2012、8、728)は、GLP−1、リラグルチド、エキセンディン4などのGLP−1受容体作動薬が、T2DM患者などの患者において、空腹時および食後グルコース(FPGおよびPPG)を下げることにより血糖コントロールを改善する3大薬理活性、(i)グルコース依存的なインスリン分泌の増加(第1および第2相の改善)、(ii)高血糖条件下でのグルカゴン抑制活性、(iii)食事由来グルコースの吸収の減速をもたらす胃内容排出速度の遅延を示すことを記載している。
別の実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第3の薬剤は、KHK阻害剤を含む。
ある特定の実施形態では、KHK阻害剤は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸または薬学的に許容できるその塩である。[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸(その結晶性の遊離酸形態を含む)は、ケトヘキソキナーゼ阻害剤であり、米国特許第9,809,579号の実施例4に記載されており、この開示は、すべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、KHK阻害剤は、[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸の結晶性の遊離酸形態である。
ケトヘキソキナーゼ(KHK)は、フルクトース代謝における主要な酵素であり、フルクトースのフルクトース−1−リン酸(F1P)への変換を触媒する。KHKは、第3エクソンの選択的スプライシングの結果として生じる、KHKaおよびKHKcと表記される2種の選択的mRNAスプライスバリアントとして発現される。フルクトースリン酸化のためのKHKcの親和性および能力は、KHKaに比べて、はるかに低いKmによって証明されるとおり、はるかに大きい(Ishimoto、Lanaspaら、PNAS 109、4320〜4325、2012)。KHKaは偏在して発現されるが、KHKcの発現は、身体におけるフルクトース代謝の主要な部位である肝臓、腎臓、および腸において最も高い(Diggle CPら(2009)、J Histochem Cytochem 57:763〜774;Ishimoto、Lanaspaら、PNAS 109、4320〜4325、2012)。加えて、機能喪失突然変異がヒトにおいて報告され、本態性フルクトース尿症(OMIM#229800)と名付けられており、糖を摂取した後、尿中にフルクトースが出現することを除いては有害な影響がない。
フルクトース代謝に関わるより重度の状態は、遺伝性フルクトース不耐症(HFI、OMIM#229600)であり、この状態は、F1Pの分解を担い、経路におけるKHKステップのすぐ下流にある酵素であるアルドラーゼB(遺伝子:ALDOB)の欠損によって引き起こされる(Bouteldja Nら、J.Inherit.Metab.Dis.2010 Apr、33(2):105〜12;Tolan,DR、Hum Mutat.1995、6(3):210〜8、http://www.omim.org/entry/229600)。これは、推定で20,000人に1人が罹患するまれな障害であり、突然変異の結果として、F1Pの蓄積、ATPの枯渇、および尿酸の増加が起こり、これらが組み合わさって、特に、低血糖、高尿酸血症、および乳酸アシドーシスといった代謝撹乱が引き起こされる。HFIでは、身体の食事性フルクトース代謝能が損なわれる結果、嘔吐、重度の低血糖、下痢、および腹部苦悶などの急性症状が起こり、長期的には、成長不良、肝臓および腎臓損傷につながり、死に至る潜在的可能性もある(Ali Mら、J.Med.Genet.1998 May:35(5):353〜65)。患者は、一般に、診断前に生後1年間罹患し、唯一の治療コースは、食事においてフルクトースを回避することである。これは、この多量栄養分が食料品の大半に存在することにより、難しい課題となっている。身体症状に加え、多くの患者が、その普通でない食事ゆえに、感情的および社会的孤立を経験し、厳しい食事制限を厳守しようと絶えず苦闘する(HFI−INFO Discussion Board、http://hfiinfo.proboards.com.2015年12月14日にアクセス)。一部の患者は、症候的でないと思われるときでさえ、NAFLDおよび腎臓疾患を発症するが、この事実は、唯一の治療選択肢としての自らに課された食事の制約が不適当であること、およびこの状態のための、まだ対処されていない強い医療ニーズがあることを浮き彫りにしている。
高血糖状態では、グルコースがソルビトールを中間体としてフルクトースに変換される経路であるポリオール経路によって、内因性フルクトース産生が行われる。この経路の活性は、高血糖で増大する。これらの研究において、著者らは、無KHKマウスが、グルコースによって誘発される体重増加、インスリン抵抗性、および肝臓脂肪変性から保護されたことを実証しており、高血糖条件下では、内因性に産生されたフルクトースが、インスリン抵抗性および肝臓脂肪変性に寄与しうることが示唆された(Lanaspa,M.A.ら、Nature Comm.4、2434、2013)。したがって、KHKの阻害は、内因性フルクトースまたは摂取されたフルクトースのいずれかまたは両方の変化が関与する多くの疾患に利益をもたらすことが予想される。
別の実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第3の薬剤は、FXR作動薬を含む。ある特定の実施形態では、FXR作動薬は、トロピフェキソール(2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸)(「Tropifexor」)、シロフェキソール(cilofexor)(GS−9674)、オベチコール酸、LY2562175、Met409、TERN−101、およびEDP−305、ならびにそれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。FXR作動薬トロピフェキソールまたは薬学的に許容できるその塩は、たとえば、米国特許第9,150,568号の実施例1−1Bに記載されており、この開示は、すべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。トロピフェキソールの化学名は、2−[(1R,3R,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸である。
ファルネソイドX受容体(FXR)は、核内ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、主として、肝臓、腎臓、および腸において発現される(たとえば、Seolら(1995)、Mol.Endocrinol.9:72〜85およびFormanら(1995)、Cell 81:687〜693を参照されたい)。この受容体は、レチノイドX受容体(RXR)とのヘテロ二量体として機能し、標的遺伝子のプロモーターにおける応答エレメントに結合して、遺伝子転写を調節する。FXR−RXRヘテロ二量体は、コンセンサス受容体結合六量体が1つのヌクレオチドで隔てられている逆方向反復1(IR−1)応答エレメントに、最も高い親和性で結合する。FXRは、FXRが、コレステロール異化を阻害する働きをする胆汁酸(コレステロール代謝の最終産物)によって活性化されるという点で、相互関係のある過程の一部である(たとえば、Makishimaら(1999)Science 284:1362〜1365、Parksら(1999)Science 284:1365〜1368、Wangら(1999)Mol.Cell.3:543〜553を参照されたい)。Urizarら(2000)J.Biol.Chem.275:39313〜39317も参照されたい。
FXRは、コレステロール恒常性、トリグリセリド合成、および脂質生合成の鍵調節因子である(Crawley、Expert Opinion Ther.Patents(2010)、20(8):1047〜1057)。異脂肪血症の治療に加え、肝臓疾患、糖尿病、ビタミンD関連疾患、薬物によって誘発される副作用、および肝炎の治療を含む、FXRのいくつもの適応症が記載されている(Crawley、前掲)。新規FXR作動薬の開発は進歩を遂げているが、かなりの改善の余地が残されている。
ある特定の他の実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第3の薬剤は、SGLT2阻害剤、メトホルミン、インクレチン類似体、インクレチン受容体モジュレーター、DPP−4阻害剤、またはPPAR作動薬を含む。
ある特定の他の実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第3の薬剤は、メトホルミン、シタグリプチン、またはエルツグリフロジンから選択される抗糖尿病薬である。
ある特定の他の実施形態では、3種の薬剤が投与される場合、第3の薬剤は、ACE阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、または血管拡張薬から選択される抗心不全薬である。
本発明はさらに、上述の治療方法を実施する際の使用に適するキットを含む。一実施形態では、キットは、本発明の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩の1種または複数を含む第1の剤形と、その剤形のための容器とを、本発明の方法を実施するのに十分な量で収容する。
別の実施形態では、キットは、本発明の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩の1つを含む第1の剤形および第1の剤形のための容器と、本発明の別の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩を含む第2の剤形および第2の剤形のための容器とを含有し、どちらの剤形も、本発明の方法を実施するのに十分な量である。
別の実施形態では、キットは、本発明の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩の1つを含む第1の剤形および第1の剤形のための容器と、本発明の別の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩を含む第2の剤形および第2の剤形のための容器と、本発明の別の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩を含む第3の剤形および第3の剤形のための容器とを含み、3種すべての剤形が、本発明の方法を実施するのに十分な量である。
本発明のある特定の実施形態では、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を含む第1の剤形および第1の剤形のための容器と、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩を含む第2の剤形および第2の剤形のための容器とを含むキットであって、どちらの剤形も、本発明の方法を実施するのに十分な量である、キットが提供される。
本発明の別の実施形態では、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩を含む第1の剤形および第1の剤形のための容器と、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩を含む第2の剤形および第2の剤形のための容器と、別の薬剤(化合物)または薬学的に許容できるその塩を含む第3の剤形および第3の剤形のための容器とを含むキットであって、3種すべての剤形が、本発明の方法を実施するのに十分な量である、キットが提供される。
一部の実施形態では、キットの剤形は、キットの剤形のいずれかについて、同時に、または時間をずらして、すなわち、異なる時点で、等しいもしくは異なる時間間隔で投与される場合がある。
上で言及したキットのいずれかにおいて、各剤形を別々に保持するための手段、たとえば、容器、分割ボトル、または分割されたホイル小包装が用意される場合もある。そのようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される、馴染みあるブリスターパックである。こうしたキットは、たとえば経口と非経口という異なる剤形を投与する、別個の薬剤(化合物)を異なる投与間隔で投与する、または別個の薬剤(化合物)を互いに対して漸増するのに特に適する。服薬遵守を支援するために、キットは、投与についての説明書を含む場合もあり、いわゆるメモリーエイドを添えて提供される場合もある。
本発明はまた、本発明の薬剤(化合物)の包装、分注、および投与に利用されることがわかっている他の種々のキットも企図する。さらなる一実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、HMG−CoA還元酵素阻害剤と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、プラバスタチン、ピタバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ニスバスタチン(nisvastatin)、ニスバスタチン(nisbastatin)、ロスバスタチン、アタバスタチン、およびビサスタチンからなる群から選択されるHMG−CoA還元酵素阻害剤と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、アトルバスタチンと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびHMG−CoA還元酵素阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、HMG−CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチンである。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびHMG−CoA還元酵素阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、HMG−CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチンである。
さらなる一実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、フィブラート薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む、医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、およびクロフィブラートからなる群から選択されるフィブラート薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、フェノフィブラートと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびフィブラート薬を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、フィブラート薬は、フェノフィブラートである。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびフィブラート薬を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、フィブラート薬は、フェノフィブラートである。
さらなる一実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、胆汁酸捕捉薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、questran、コレスチポール、およびコレセベラムからなる群から選択される胆汁酸捕捉薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩および胆汁酸捕捉薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩および胆汁酸捕捉薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、コレステロール吸収阻害剤と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。ある特定の実施形態では、コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブである。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびコレステロール吸収阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびコレステロール吸収阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、ニコチン酸薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、ナイアシン、niacor、およびslo−niacinからなる群から選択されるニコチン酸薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびニコチン酸薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびニコチン酸薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、PCSK9モジュレーターと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩と、アリロクマブおよびエボロクマブからなる群から選択されるPCSK9モジュレーターと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびPCSK9モジュレーターを投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸または薬学的に許容できるその塩およびPCSK9モジュレーターを投与するステップを含む方法を対象とする。
前述の実施形態のいずれかにおいて、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸は、結晶性固体である。ある特定の実施形態では、結晶性固体は、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール塩である。
さらなる一実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、HMG−CoA還元酵素阻害剤と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、プラバスタチン、ピタバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ニスバスタチン(nisvastatin)、ニスバスタチン(nisbastatin)、ロスバスタチン、アタバスタチン、およびビサスタチンからなる群から選択されるHMG−CoA還元酵素阻害剤と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、アトルバスタチンと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびHMG−CoA還元酵素阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、HMG−CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチンである。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびHMG−CoA還元酵素阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、HMG−CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチンである。
さらなる一実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、フィブラート薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、およびクロフィブラートからなる群から選択されるフィブラート薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、フェノフィブラートと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびフィブラート薬を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、フィブラート薬は、フェノフィブラートである。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびフィブラート薬を投与するステップを含む方法を対象とする。ある特定の実施形態では、フィブラート薬は、フェノフィブラートである。
さらなる一実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、胆汁酸捕捉薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、questran、コレスチポール、およびコレセベラムからなる群から選択される胆汁酸捕捉薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩および胆汁酸捕捉薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩および胆汁酸捕捉薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、コレステロール吸収阻害剤と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。ある特定の実施形態では、コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブである。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびコレステロール吸収阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびコレステロール吸収阻害剤を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、ニコチン酸薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、ナイアシン、niacor、およびslo−niacinからなる群から選択されるニコチン酸薬と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびニコチン酸薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびニコチン酸薬を投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、PCSK9モジュレーターと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
ある特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩と、アリロクマブおよびエボロクマブからなる群から選択されるPCSK9モジュレーターと、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、肝臓線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、硬変を伴う非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに硬変および肝細胞癌または代謝関連疾患を伴う非アルコール性脂肪性肝炎から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびPCSK9モジュレーターを投与するステップを含む方法を対象とする。
さらなる一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて、非アルコール性脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎グレード分けスコアリングシステムにおける重症度を少なくとも1ポイント低減する、非アルコール性脂肪性肝炎活性の血清マーカーのレベルを低減する、非アルコール性脂肪性肝炎疾患活性を低減する、または非アルコール性脂肪性肝炎の医学的帰結を低減するための方法であって、そのような低減を必要とする患者に、治療有効量の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドまたは薬学的に許容できるその塩およびPCSK9モジュレーターを投与するステップを含む方法を対象とする。
前述の実施形態のいずれかにおいて、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドは、結晶性固体である。ある特定の実施形態では、結晶性固体は、5.3±0.2、7.7±0.2、および15.4±0.2の2−シータ値を含む粉末X線回折パターン(CuKα照射、波長1.54056Å)を有する。ある特定の他の実施形態では、結晶性固体は、6.5±0.2、9.3±0.2、および13.6±0.2の2−シータ値を含む粉末X線回折パターン(CuKα照射、波長1.54056Å)を有する。
本発明の化合物は、化学分野において周知の方法と類似の方法とを含む合成経路によって、特に、本明細書に含まれる記載を踏まえて、合成することができる。出発材料は、一般に、Aldrich Chemicals(ウィスコンシン州ミルウォーキー)などの市販品供給元から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(たとえば、Louis F.FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、1〜19巻、Wiley、ニューヨーク(1967〜1999年版)、または補遺を含めたBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、第4版、Springer−Verlag、ベルリン(Beilsteinオンラインデータベースからも入手可能)に概ね記載されている方法によって調製される)。(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製は、ここにすべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれるUS2018−0051012A1の実施例1に示されている。4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の調製は、ここにすべての目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれるUS8,859,577の実施例9に載っている。[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸(その結晶性遊離酸形態を含む)の調製は、米国特許第9,809,579号の実施例4に記載されている。GLP−1R作動薬の調製は、米国特許第10,208,019号に記載されている。
組合せ薬
本発明の化合物は、別々に、または別個の薬剤もしくは用量固定配合剤(fixed−dose combination)として一緒に、または1種または複数の追加治療剤と組み合わせて投与することができる。「組み合わせて投与」または「併用療法」とは、化合物Aと化合物Dとが、一緒に、2種だけの治療剤として、または併行して投与される1種または複数の追加治療剤と組み合わされて、治療がなされる哺乳動物に投与されることを意味する。組み合わせて投与される場合、各成分は、同時に、または異なる時点においていずれかの順序で順次投与されてもよい。すなわち、各成分は、別々であるが、所望の治療効果が得られるように、時間を十分に近付けて投与される場合もある。したがって、本明細書に記載する治療方法は、3種以上の薬剤を組み合わせて投与するための組合せ薬の使用を含む。
組合せ薬は、哺乳動物に、治療有効量で投与される。「治療有効量」とは、単独で、または追加治療剤と組み合わせて哺乳動物に投与された場合、所望の疾患/状態、たとえば、NASHの治療に有効である、本発明の化合物の量を意味する。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および/または非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)治療のための好ましい薬剤(すなわち、抗NASHおよび抗NAFLD薬)は、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、ケトヘキソキナーゼ(KHK)阻害剤、GLP−1受容体作動薬、FXR作動薬、CB1拮抗薬、ASK1阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PNPLA3阻害剤、ヒドロキシステロイド17−βデヒドロゲナーゼ(HSD17B13)阻害剤、DGAT1阻害剤、FGF21類似体、FGF19類似体、SGLT2阻害剤、PPAR作動薬、AMPK活性化薬、SCD1阻害剤、またはMPO阻害剤である。12/01/2017に出願された、共通の譲受人に譲渡された特許出願PCT/IB2017/057577は、GLP−1受容体作動薬を対象としている。最も好ましいのは、FXR作動薬、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤、PPAR作動薬、GLP−1受容体作動薬、SGLT阻害剤、ACC阻害剤、およびKHK阻害剤である。
本発明の化合物は、そのNASH/NAFLD活性を踏まえて、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および/または非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)ならびに関連する疾患/状態を治療するための他の薬剤、たとえば、オーリスタット、TZDおよび他のインスリン増感薬、FGF21類似体、メトホルミン、オメガ−3−酸エチルエステル(たとえば、Lovaza)、フィブラート、HMG CoA還元酵素阻害剤、エゼチミブ、プロブコール、ウルソデオキシコール酸、TGR5作動薬、FXR作動薬、ビタミンE、ベタイン、ペントキシフィリン、CB1拮抗薬、カルニチン、N−アセチルシステイン、還元型グルタチオン、ロルカセリン、ナルトレキソンのブプロプリオンとの組合せ、SGLT2阻害剤(ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン、トホグリフロジン、エルツグリフロジン、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626、およびLX4211、およびWO2010023594にあるものを含む)、フェンテルミン、トピラメート、GLP−1受容体作動薬、GIP受容体作動薬、GLP−1受容体/グルカゴン受容体二重作動薬(すなわち、OPK88003、MEDI0382、JNJ−64565111、NN9277、BI456906)、GLP−1受容体/GIP受容体二重作動薬(すなわち、チルゼパチド(Tirzepatide)(LY3298176)、NN9423)、アンジオテンシン受容体遮断薬 アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、BCKDK阻害剤、ケトヘキソキナーゼ(KHK)阻害剤、ASK1阻害剤、分岐鎖アルファケト酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤(BCBK阻害剤)、CCR2および/もしくはCCR5の阻害剤、PNPLA3阻害剤、DGAT1阻害剤、FGF21類似体、FGF19類似体、PPAR作動薬、FXR作動薬、AMPK活性化薬、SCD1阻害剤、またはMPO阻害剤と共投与される場合がある。
例示的なACC阻害剤として、4−(4−[(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロ−1’H−スピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸、ならびにフィルソコスタット(firsocostat)(GS−0976)および薬学的に許容できるその塩が挙げられる。
例示的なDGAT2阻害剤として、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(5−((3−エトキシ−5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−((3R,4S)−4−フルオロピペリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(5−((3−エトキシ−5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−((3S,5S)−5−フルオロピペリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−((3R,4S)−4−フルオロピペリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−((3R,4R)−4−フルオロピペリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(5−((3−エトキシ−5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−((3R,4R)−4−フルオロピペリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;および
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−((3S,5S)−5−フルオロピペリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドが挙げられる。
適切な抗糖尿病薬の例としては、(たとえば、インスリン、メトホミン(metfomin)、DPPIV阻害剤、GLP−1受容体作動薬、類似体、および模倣薬、SGLT1およびSGLT2阻害剤)が挙げられる。適切な抗糖尿病薬としては、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、たとえば、WO2009144554、WO2003072197、WO2009144555、およびWO2008065508に記載のもの、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)阻害剤、たとえば、WO09016462またはWO2010086820に記載のもの、AZD7687またはLCQ908、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害剤、AMPK活性化薬、スルホニル尿素(たとえば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネーゼ(diabinese)、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、およびトルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤(たとえば、テンダミスタット、トレスタチンおよびAL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(たとえば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害剤(たとえば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラディマイシン−Q、およびサルボスタチン(salbostatin))、PPARγ作動薬(たとえば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾン)、PPARα/γ作動薬(たとえば、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767およびSB−219994)、ビグアナイド(たとえば、メトホルミン)、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)モジュレーター、たとえば作動薬(たとえば、エキセンディン−3およびエキセンディン−4)、リラグルチド、アルビグルチド、エキセナチド(Byetta(登録商標))、アルビグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、NN−9924、TTP−054、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤(たとえば、トロダスケミン(trodusquemine)、ヒルチオサール(hyrtiosal)抽出物、およびZhang,S.ら、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)で開示されている化合物)、SIRT−1活性化薬(たとえば、リスベラトロール、GSK2245840またはGSK184072)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤(たとえば、WO2005116014にあるもの、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン(dutogliptin)、リナグリプチンおよびサクサグリプチン)、インスリン分泌促進物質、脂肪酸酸化阻害剤、A2拮抗薬、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害剤、グルコキナーゼ活性化薬(GKa)、たとえば、WO2010103437、WO2010103438、WO2010013161、WO2007122482に記載のもの、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658、またはGKM−001、インスリン、インスリン模倣薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(たとえば、GSK1362885)、VPAC2受容体作動薬、SGLT2阻害剤、たとえば、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン、トホグリフロジン(CSG452)、エルツグリフロジン、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626、およびLX4211を含む、E.C.Chaoら、Nature Reviews Drug Discovery 9、551〜559(2010年7月)に記載のもの、ならびにWO2010023594にあるもの、グルカゴン受容体モジュレーター、たとえば、Demong,D.E.ら、Annual Reports in Medicinal Chemistry 2008、43、119〜137に記載のもの、GPR119モジュレーター、特に作動薬、たとえば、WO2010140092、WO2010128425、WO2010128414、WO2010106457、Jones,R.M.ら、Medicinal Chemistry 2009、44、149〜170に記載のもの(たとえば、MBX−2982、GSK1292263、APD597およびPSN821)、FGF21誘導体または類似体、たとえば、Kharitonenkov,A.ら、Current Opinion in Investigational Drugs 2009、10(4)359〜364に記載のもの、TGR5(GPBAR1とも呼ばれる)受容体モジュレーター、特に作動薬、たとえば、Zhong,M.、Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10(4)、386〜396に記載のものおよびINT777、GPR40作動薬、たとえば、限定はしないがTAK−875を含む、Medina,J.C.、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2008、43、75〜85に記載のもの、GPR120モジュレーター、特に作動薬、高親和性ニコチン酸受容体(HM74A)活性化薬、ならびにSGLT1阻害剤、たとえば、GSK1614235が挙げられる。本発明の化合物と組み合わせることのできる抗糖尿病薬のさらなる代表的なリストは、たとえば、WO2011005611の28頁35行〜30頁19行で見出すことができる。好ましい抗糖尿病薬は、メトホルミンおよびDPP−IV阻害剤(たとえば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチンおよびサクサグリプチン)である。他の抗糖尿病薬として、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤またはモジュレーター、フルクトース1,6−ジホスファターゼの阻害剤、アルドース還元酵素の阻害剤、鉱質コルチコイド受容体阻害剤、TORC2の阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PKCアイソフォーム(たとえば、PKCα、PKCβ、PKCγ)の阻害剤、脂肪酸合成酵素の阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの阻害剤、GPR81、GPR39、GPR43、GPR41、GPR105、Kv1.3、レチノール結合タンパク質4、糖質コルチコイド受容体、ソマトスタチン受容体(たとえば、SSTR1、SSTR2、SSTR3およびSSTR5)のモジュレーター、PDHK2またはPDHK4の阻害剤またはモジュレーター、MAP4K4の阻害剤、IL1ベータを含むIL1ファミリーのモジュレーター、RXRアルファのモジュレーターを含みうる。加えて、適切な抗糖尿病薬には、Carpino,P.A.、Goodwin,B.、Expert Opin.Ther.Pat、2010、20(12)、1627〜51で挙げられている機序も含まれる。
適切な抗肥満薬としては、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11β−HSD 1型)阻害剤、ステアロイルCoAデサチュラーゼ1(SCD−1)阻害剤、MCR−4作動薬、コレシストキニンA(CCK−A)作動薬、モノアミン再取込み阻害剤(シブトラミンなど)、交感神経様作動薬、β3アドレナリン作動薬、ドーパミン作動薬(ブロモクリプチンなど)、メラニン細胞刺激ホルモン類似体、5HT2c作動薬、メラニン濃縮ホルモン拮抗薬、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン作動薬、ガラニン拮抗薬、リパーゼ阻害剤(テトラヒドロリプスタチン、すなわちオーリスタットなど)、食欲抑制薬(ボンベシン作動薬など)、ニューロペプチドY拮抗薬(たとえば、NPY Y5拮抗薬)、PYY3−36(その類似体を含む)、甲状腺様作動薬(thyromimetic agent)、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、糖質コルチコイド作動薬または拮抗薬、オレキシン拮抗薬、グルカゴン様ペプチド−1作動薬、毛様体神経栄養因子(Regeneron Pharmaceuticals.Inc.(ニューヨーク州タリータウン)およびProcter&Gamble Company(オハイオ州シンシナティ)から入手可能なAxokine(商標)など)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)阻害剤、グレリン拮抗薬、ヒスタミン3拮抗薬または逆作動薬、ニューロメジンU作動薬、MTP/ApoB阻害剤(たとえば、ジルロタピドなどの消化管選択的MTP阻害剤)、オピオイド拮抗薬、オレキシン拮抗薬、ナルトレキソンのブプロプリオンとの組合せなどが挙げられる。
本発明の組合せにおいて使用するのに好ましい抗肥満薬には、消化管選択的MTP阻害剤(たとえば、ジルロタピド、ミトラタピドおよびインプリタピド、R56918(CAS番号403987)およびCAS番号913541−47−6)、CCKa作動薬(たとえば、PCT公開番号WO2005/116034または米国公開第2005−0267100A1号に記載のN−ベンジル−2−[4−(1H−インドール−3−イルメチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−2,3,6,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−6−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド)、5HT2c作動薬(たとえば、ロルカセリン)、MCR4作動薬(たとえば、US6,818,658に記載の化合物)、リパーゼ阻害剤(たとえば、セチリスタット)、PYY3−36(本明細書で使用する場合、「PYY3−36」は、peg化PYY3−36などの類似体、たとえば、米国公開2006/0178501に記載のものを含む)、オピオイド拮抗薬(たとえば、ナルトレキソン)、ナルトレキソンのブプロプリオンとの組合せ、オレオイル−エストロン(CAS番号180003−17−2)、オビネピチド(obinepitide)(TM30338)、プラムリンチド(Symlin(登録商標))、テソフェンシン(NS2330)、レプチン、リラグルチド、ブロモクリプチン、オーリスタット、エキセナチド(Byetta(登録商標))、AOD−9604(CAS番号221231−10−3)、フェンテルミンおよびトピラマート(商品名:Qsymia)、ならびにシブトラミンが含まれる。本発明の化合物および併用療法は、運動および賢明な食事と併せて投与されることが好ましい。
本発明の化合物は、コレステロール変調薬(コレステロール低下薬を含める)、たとえば、リパーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HMG−CoAシンターゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素遺伝子発現阻害剤、HMG−CoAシンターゼ遺伝子発現阻害剤、MTP/ApoB分泌阻害剤、CETP阻害剤、胆汁酸吸収阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、スクアレンシクラーゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ/スクアレンシクラーゼ複合阻害剤、フィブラート、ナイアシン、イオン交換樹脂、抗酸化薬、ACAT阻害剤、胆汁酸捕捉薬、またはミポメルセンなどの薬剤と組み合わせて使用してもよい。
適切なコレステロール/脂質低下薬および脂質プロファイル療法の例としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤(たとえば、プラバスタチン、ピタバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、NK−104(イタバスタチン(itavastatin)またはニスバスタチン(nisvastatin)もしくはニスバスタチン(nisbastatin)としても知られる)、およびZD−4522(ロスバスタチン、またはアタバスタチン(atavastatin)、またはビサスタチン(visastatin)としても知られる));スクアレン合成酵素阻害剤;フィブラート(たとえば、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、クロフィブラート);胆汁酸捕捉薬(questran、コレスチポール、コレセベラムなど);ACAT阻害剤;MTP阻害剤;リポキシゲナーゼ阻害剤;コレステロール吸収阻害剤(たとえば、エゼチミブ);ニコチン酸薬(たとえば、ナイアシン、niacor、slo−niacin);オメガ−3脂肪酸;およびコレステリルエステル転送タンパク質阻害剤が挙げられる。他のアテローム硬化薬(atherosclerotic agent)には、PCSK9モジュレーター(たとえば、アリロクマブおよびエボロクマブ)が含まれる。
別の実施形態では、本発明の化合物は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)治療用の薬剤、たとえば、オーリスタット、TZDおよび他のインスリン増感薬、FGF21類似体、メトホルミン、オメガ−3−酸エチルエステル(たとえば、Lovaza)、フィブラート、HMG CoA還元酵素阻害剤、エゼチミブ、プロブコール、ウルソデオキシコール酸、TGR5作動薬、FXR作動薬、ビタミンE、ベタイン、ペントキシフィリン、CB1拮抗薬、カルニチン、N−アセチルシステイン、還元型グルタチオン、ロルカセリン、ナルトレキソンのブプロプリオンとの組合せ、SGLT2阻害剤、フェンテルミン、トピラメート、インクレチン(GLPおよびGIP)類似体、ならびにアンジオテンシン受容体遮断薬と共投与することができる。
別の一実施形態では、追加の医薬品は、システアミンもしくは薬学的に許容できるその塩、シスタミンもしくは薬学的に許容できるその塩、抗酸化剤化合物、レシチン、ビタミンB複合体、胆汁酸塩調製物、カンナビノイド1(CB1)受容体の拮抗薬、カンナビノイド1(CB1)受容体の逆作動薬、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体活性調節薬、ベンゾチアゼピンもしくはベンゾチエピン化合物、タンパク質チロシンホスファターゼを阻害するためのRNAアンチセンス構築物PTPRU、ヘテロ原子に結合された置換ピペリジンおよびその誘導体、ステアロイル補酵素アルファデルタ−9デサチュラーゼを阻害しうるアザシクロペンタン誘導体、アディポネクチンの分泌促進物質もしくは誘導物質活性を有するアシルアミド化合物、第四級アンモニウム化合物、酢酸グラチラマー、ペントラキシンタンパク質、HMG−CoA還元酵素阻害剤、n−アセチルシステイン、イソフラボン化合物、マクロライド系抗生物質、ガレクチン阻害剤、抗体、またはそれらのいずれかの組合せからなる群から選択される。
追加治療剤としては、抗凝血薬または凝血阻害剤、抗血小板薬または血小板阻害剤、トロンビン阻害剤、血栓溶解または線維素溶解薬、抗不整脈薬、降圧薬、カルシウムチャネル遮断薬(L型およびT型)、強心配糖体、利尿薬、鉱質コルチコイド受容体拮抗薬、有機硝酸エステルなどのNO供与薬(NO donating agent)、ホスホジエステラーゼ阻害剤などのNO促進薬(NO promoting agent)、コレステロール/脂質低下薬および脂質プロファイル療法、抗糖尿病薬、抗うつ薬、抗炎症薬(ステロイド性および非ステロイド性)、抗骨粗鬆症薬、ホルモン補充療法、経口避妊薬、抗肥満薬、抗不安薬、抗増殖薬、抗腫瘍薬、抗潰瘍薬および胃食道逆流疾患薬、成長ホルモンおよび/または成長ホルモン分泌促進物質、甲状腺模倣薬(甲状腺ホルモン受容体拮抗薬を含む)、抗感染薬、抗ウイルス薬、抗菌薬、および抗真菌薬が挙げられる。
ICU環境で使用される薬剤としては、たとえば、ドブタミン、ドーパミン、エピネフリン、ニトログリセリン、ニトロプルシドなどが挙げられる。
血管炎の治療に有用な組合せ薬は、たとえば、アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブなどである。
別の一実施形態では、本発明は、第3の薬剤が、Xa因子阻害剤、抗凝血薬、抗血小板薬、トロンビン阻害剤、血栓溶解薬、および線維素溶解薬から選択される少なくとも1種の薬剤である、組合せを提供する。例示的なXa因子阻害剤として、アピキサバンおよびリバーロキサバンが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適する抗凝血薬の例としては、ヘパリン(たとえば、エノキサパリンやダルテパリンなどの、未分画および低分子量ヘパリン)が挙げられる。
別の好ましい実施形態では、第3の薬剤は、ワルファリン、ダビガトラン、未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、合成五糖、ヒルジン、アルガトロバナス(argatrobanas)、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、スリンダク、インドメタシン、メフェナメート(mefenamate)、ドロキシカム、ジクロフェナク、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、チクロピジン、クロピドグレル、チロフィバン、エプチフィバチド、アブシキシマブ、メラガトラン、ジスルファトヒルジン(disulfatohirudin)、組織プラスミノーゲン活性化薬、改変組織プラスミノーゲン活性化薬、アニストレプラーゼ、ウロキナーゼ、およびストレプトキナーゼから選択される、少なくとも1種の薬剤である。
好ましい第3の薬剤は、少なくとも1種の抗血小板薬である。特に好ましい抗血小板薬は、アスピリンおよびクロピドグレルである。
本明細書で使用する抗血小板薬(または血小板阻害剤)という用語は、たとえば、血小板の凝集、付着、または顆粒性分泌を阻害することにより、血小板機能を阻害する薬剤を意味する。薬剤には、限定はしないが、公知の種々の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、たとえば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、スリンダク、インドメタシン、メフェナメート、ドロキシカム、ジクロフェナク、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、およびそれらの薬学的に許容できる塩またはプロドラッグが含まれる。NSAIDSの中でも、アスピリン(アセチルサリチル酸またはASA)、およびCELEBREXまたはピロキシカムなどのCOX−2阻害剤が好ましい。他の適切な血小板阻害剤としては、IIb/IIIa拮抗薬(たとえば、チロフィバン、エプチフィバチドおよびアブシキシマブ)、トロンボキサンA2受容体拮抗薬(たとえば、イフェトロバン(ifetroban))、トロンボキサンA2合成酵素阻害剤、PDE−III阻害剤(たとえば、Pletal、ジピリダモール)、およびそれらの薬学的に許容できる塩またはプロドラッグが挙げられる。
本明細書で使用する抗血小板薬(または血小板阻害剤)という用語は、ADP(アデノシン二リン酸)受容体拮抗薬、好ましくは、プリン受容体P2Y1およびP2Y12の拮抗薬も含むものとし、P2Y12がなおより好ましい。好ましいP2Y12受容体拮抗薬としては、その薬学的に許容できる塩またはプロドラッグを含めて、チカグレロル、プラスグレル、チクロピジン、およびクロピドグレルが挙げられる。クロピドグレルが、なおより好ましい薬剤である。チクロピジンおよびクロピドグレルも、使用の際に胃腸管に優しいことが知られているため、好ましい化合物である。
本明細書で使用するトロンビン阻害剤(または抗トロンビン薬)という用語は、セリンプロテアーゼであるトロンビンの阻害剤を意味する。トロンビンを阻害することにより、トロンビンが媒介する種々の過程、たとえば、トロンビンが媒介する血小板活性化(すなわち、たとえば、血小板の凝集、および/またはプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1および/もしくはセロトニンの顆粒性分泌)および/またはフィブリン形成が妨害される。いくつかのトロンビン阻害剤が当業者に公知であり、そうした阻害剤は、本化合物と組み合わせて使用することが企図される。そのような阻害剤には、限定はしないが、ボロアルギニン誘導体、ボロペプチド、ダビガトラン、ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、およびメラガトランが、それらの薬学的に許容できる塩およびプロドラッグも込みで含まれる。ボロアルギニン誘導体およびボロペプチドとしては、ボロン酸のN−アセチルおよびペプチド誘導体、たとえば、リシン、オルニチン、アルギニン、ホモアルギニンのC末端アルファ−アミノボロン酸誘導体、および対応するそのイソチオウロニウム類似体が挙げられる。本明細書で使用するヒルジンという用語は、本明細書ではヒルログと呼ぶ、ヒルジンの適切な誘導体または類似体、たとえば、ジスルファトヒルジンを含む。本明細書で使用する血栓溶解薬(thrombolytic agent)もしくは血栓溶解薬(thrombolytic)(または線維素溶解薬(fibrinolytic agent)もしくは線維素溶解薬(fibrinolytic))という用語は、血餅(血栓)を溶解する薬剤を意味する。このような薬剤には、組織プラスミノーゲン活性化薬(天然または組換え)およびその改変型、アニストレプラーゼ、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ(TNK)、ラノテプラーゼ(nPA)、VIIa因子阻害剤、PAI−1阻害剤(すなわち、組織プラスミノーゲン活性化因子インヒビターの失活剤)、アルファ2−抗プラスミン阻害剤、およびアニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化薬複合体が、それらの薬学的に許容できる塩またはプロドラッグも込みで含まれる。本明細書で使用するアニストレプラーゼという用語は、たとえば、その開示がここに参照により本明細書に組み込まれるEP028,489に記載のとおりの、アニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化薬複合体を指す。本明細書で使用するウロキナーゼという用語は、二本鎖および一本鎖両方のウロキナーゼの両方を意味するものとし、後者は、本明細書では、プロウロキナーゼとも呼ぶ。
適切な抗不整脈薬の例としては、クラスI薬剤(プロパフェノンなど)、クラスII薬剤(メトプロロール、アテノロール、カルベジロール、プロプラノロールなど)、クラスIII薬剤(ソタロール、ドフェチリド、アミオダロン、アジミリド、イブチリドなど)、クラスIV薬剤(ジルチアゼムおよびベラパミルなど)、IAch阻害剤などのK+チャネル開口薬、およびIKur阻害剤(たとえば、WO01/40231で開示されているものなどの化合物)が挙げられる。
本発明の化合物は、ACE阻害剤(たとえば、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル)、アンジオテンシンII受容体遮断薬(たとえば、カンデサルタン、ロサルタン、バルサルタン)、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(サクビトリル/バルサルタン)、Ifチャネル遮断薬イバブラジン、ベータ−アドレナリン遮断薬(たとえば、ビソプロロール、コハク酸メトプロロール、カルベジロール)、アルドステロン拮抗薬(たとえば、スピロノラクトン、エプレレノン)、ヒドララジンおよび硝酸イソソルビド、利尿薬(たとえば、フロセミド、ブメタニド、トルセミド、クロロチアジド、アミロライド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、メトラゾン、トリアムテレン)、またはジゴキシンなどの、抗心不全薬と共投与してもよい。
本発明の化合物は、降圧薬と組み合わせて使用してもよく、そのような降圧活性は、当業者によって、標準のアッセイ(たとえば、血圧測定)に従って容易に決定される。適切な降圧薬の例としては、アルファアドレナリン遮断薬、ベータアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬(たとえば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピン)、血管拡張薬(たとえば、ヒドララジン)、利尿薬(たとえば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸 トリクリナフェン(tricrynafen)、クロルタリドン、トルセミド、フロセミド、インダパミド、メトゾロン(metozolone)、ムソリミン(musolimine)、ブメタニド、トリアムテレン、アミロライド、スピロノラクトン)、レニン阻害剤、ACE阻害剤(たとえば、カプトプリル、ゾフェノプリル、ホシノプリル、エナラプリル、セラノプリル(ceranopril)、シラゾプリル(cilazopril)、デラプリル、ペントプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル、リシノプリル)、AT−1受容体拮抗薬(たとえば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(サクビトリル/バルサルタン)、ベータ−アドレナリン遮断薬(たとえば、ビソプロロール、コハク酸メトプロロール、カルベジロール)、ET受容体拮抗薬(たとえば、シタクスセンタン、アトルセンタン(atrsentan)、米国特許第5,612,359号および同第6,043,265号で開示されている化合物)、ET/AII二重拮抗薬(たとえば、WO00/01389で開示されている化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプシダーゼ(vasopepsidase)阻害剤(NEP−ACE二重阻害剤)(たとえば、ゲモパトリラト(gemopatrilat)および硝酸薬)が挙げられる。例示的な抗狭心症薬は、イバブラジンである。
適切なカルシウムチャネル遮断薬(L型またはT型)の例としては、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピン、およびミベフラジルが挙げられる。
適切な強心配糖体の例としては、ジギタリスおよびウアバインが挙げられる。
一実施形態では、本発明の化合物は、1種または複数の利尿薬と共投与してもよい。適切な利尿薬の例としては、(a)ループ利尿薬、たとえば、フロセミド(LASIX(商標)など)、トルセミド(DEMADEX(商標)など)、ベメタニド(bemetanide)(BUMEX(商標)など)、およびエタクリン酸(EDECRIN(商標)など)、(b)チアジド型利尿薬、たとえば、クロロチアジド(DIURIL(商標)、ESIDRIX(商標)、またはHYDRODIURIL(商標)など)、ヒドロクロロチアジド(MICROZIDE(商標)またはORETIC(商標)など)、ベンズチアジド、ヒドロフルメチアジド(SALURON(商標)など)、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、およびインダパミド(LOZOL(商標)など)、(c)フタルイミジン型利尿薬、たとえば、クロルタリドン(HYGROTON(商標)など)、およびメトラゾン(ZAROXOLYN(商標)など)、(d)キナゾリン型利尿薬、たとえば、キネタゾン、ならびに(e)カリウム保持性利尿薬、たとえば、トリアムテレン(DYRENIUM(商標)など)、およびアミロライド(MIDAMOR(商標)やMODURETIC(商標)など)が挙げられる。
別の実施形態では、本発明の化合物は、ループ利尿薬と共投与される場合がある。さらに別の実施形態では、ループ利尿薬は、フロセミドおよびトルセミドから選択される。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、フロセミドと共投与される場合がある。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、場合により制御または変更された放出形態のトルセミドでもよい、トルセミドと共投与される場合がある。
別の実施形態では、本発明の化合物は、チアジド型利尿薬と共投与される場合がある。さらに別の実施形態では、チアジド型利尿薬は、クロロチアジドおよびヒドロクロロチアジドからなる群から選択される。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、クロロチアジドと共投与される場合がある。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、ヒドロクロロチアジドと共投与される場合がある。
別の一実施形態では、本発明の化合物は、フタルイミジン型利尿薬と共投与される場合がある。さらに別の実施形態では、フタルイミジン型利尿薬は、クロルタリドンである。適切な鉱質コルチコイド受容体拮抗薬の例としては、スピロノラクトンとエプレレノンが挙げられる。適切なホスホジエステラーゼ阻害剤の例としては、PDE III阻害剤(シロスタゾールなど)およびPDE V阻害剤(シルデナフィルなど)が挙げられる。
当業者には、本発明の化合物は、PCI、ステント術、薬物溶出性ステント、幹細胞療法、および植込み型ペースメーカー、除細動器、または心臓再同期療法などの医療デバイスを含む、他の心血管または脳血管治療と連携して使用してよいものと認識される。
特に、単一投与ユニットとして提供される場合、組み合わせられる活性成分間の化学的相互作用の可能性が存在する。このために、第1の治療剤と第2の治療剤は、単一投与ユニットとして組み合わせられる場合、活性成分が単一投与ユニットの中で組み合わせられるとしても、活性成分間の物理的接触が最小限に抑えられる(すなわち、低減される)ように製剤化される。たとえば、一方の活性成分に腸溶コーティングを施すことができる。一方の活性成分に腸溶コーティングを施すことにより、組み合わされる活性成分間の接触を最小限に抑えるだけでなく、これらの構成要素の一方が胃では放出されないが、むしろ腸で放出されるように、こうした構成要素の一方の消化管における放出を制御することも可能になる。活性成分の一方を、消化管全域での持続放出を実現し、組み合わされる活性成分間の物理的接触を最小限に抑える働きもする材料でコーティングすることもできる。その上、持続放出される構成要素にさらに腸溶コーティングを施して、この構成要素の放出が腸だけで起こるようにすることもできる。さらに別の手法は、活性構成要素をさらに分離するために、一方の構成要素が持効性および/または腸溶性放出ポリマーでコーティングされ、他方の構成要素も、低粘度グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)または当業界で公知の他の適切な材料などのポリマーでコーティングされている組合せ製品を製剤化することを伴う。ポリマーコーティングは、他方の構成要素との相互作用に対する付加的なバリアを形成するように働く。
これらの手段、ならびに本発明の組合せ製品の構成要素間の接触を最小限に抑える他の手段は、単一剤形として投与されようと、別個の形態で同時に同じ方式で投与されようと、当業者には本開示があれば直ちに明白となる。
併用療法治療では、本発明の化合物および他の薬物療法も、従来の方法によって哺乳動物(たとえば、男女のヒト)に投与される。
各治療剤、たとえば、化合物A、化合物D、およびいずれかの追加治療剤の投与量は、一般に、治療を受ける対象の健康、所望の治療の程度、存在すれば併行して行う療法の性質および種類、治療の頻度、ならびに所望の効果の性質に応じて決まる。一般に、各治療剤の投与量範囲は、個体の体重1キログラムあたり1日約0.001mg〜約100mg、好ましくは、個体の体重1キログラムあたり1日約0.1mg〜約10mgの範囲にある。しかし、治療を受ける対象の年齢および体重、予定された投与経路、投与される特定の抗肥満薬などに応じて、一般の投与量範囲を多少変化させることが必要となる場合もある。特定の患者のための投与量範囲および最適投与量の決定も、多分に、本開示の恩恵を受ける業者の技量の範囲内である。
本発明の治療方法によれば、本発明の化合物または本発明の化合物と少なくとも1種の追加の医薬品との組合せ(本明細書では「組合せ」と呼ぶ)は、そのような治療を必要とする対象に、好ましくは、医薬組成物の形態で投与される。本発明の組合せ態様において、本発明の化合物と少なくとも1種の他の医薬品(たとえば、他の抗肥満薬)は、別々に、または両方を含む医薬組成物として投与される場合がある。こうした投与は、経口であることが一般に好ましい。
本発明の化合物と少なくとも1種の他の医薬品との組合せが一緒に投与される場合、そうした投与は、時間内に順次、または同時であってよい。薬物の組合せの同時投与が一般に好ましい。順次投与については、本発明の化合物と追加の医薬品とをいずれの順序で投与してもよい。こうした投与は、経口であることが一般に好ましい。こうした投与が、経口であり同時になることが特に好ましい。本発明の化合物と追加の医薬品とが順次投与される場合、それぞれの投与は、同じ方法または異なる方法による場合がある。
本発明の方法によれば、本発明の化合物または組合せは、医薬組成物の形態で投与されることが好ましい。したがって、本発明の化合物または組合せは、従来のいずれかの経口、直腸、経皮、非経口(たとえば、静脈内、筋肉内、皮下)、大槽内、腟内、腹腔内、局所(たとえば、粉末剤、軟膏、クリーム剤、スプレー剤、ローション剤)、頬側または点鼻剤形(たとえば、スプレー剤、滴剤、吸入剤)で、別々にまたは一緒に、患者に投与することができる。
本発明の化合物または組合せは、単独で投与してもよいが、一般には、当業界で公知、かつ予定された投与経路および標準の薬務を考慮して選択される、適切な1種または複数の医薬品賦形剤、佐剤、希釈剤、または担体が混合されて投与される。本発明の化合物または組合せは、治療上の要望に見合う、所望の投与経路および放出プロファイルの特殊性に応じた、即時、遅延、変更、持続、パルス、または制御放出剤形が得られるように製剤化される場合もある。
医薬組成物は、本発明の化合物または組合せを、一般に、組成物の(重量で)約1%〜約75%、80%、85%、90%、またはなお95%の範囲、通常は、約1%、2%、または3%〜約50%、60%、または70%の範囲、より頻繁には、約1%、2%、または3%〜50%未満、たとえば、約25%、30%、または35%の範囲の量で含む。
特定の量の活性化合物を用いて種々の医薬組成物を調製する方法は、当業者に知られている。たとえば、Remington:The Practice of Pharmacy、Lippincott Williams and Wilkins、メリーランド州ボルティモア、第20版、2000を参照されたい。
非経口注射に適する組成物には、一般に、薬学的に許容できる水性または非水性の滅菌溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、および注射用滅菌溶液または分散液に復元される滅菌粉末が含まれる。適切な水性および非水性担体または希釈剤(溶媒および媒体を含める)の例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油を含むトリグリセリド、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。好ましい担体は、Condea Vista Co.、ニュージャージー州クランフォードから入手可能である、Miglyol(登録商標)ブランドのカプリル/カプリン酸のグリセリンまたはプロピレングリコールとのエステル(たとえば、Miglyol(登録商標)812、Miglyol(登録商標)829、Miglyol(登録商標)840)である。たとえば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合では必要な粒径の維持、および界面活性剤の使用によって、適正な流動度を維持することができる。
非経口注射用のこれらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの賦形剤を含有する場合もある。種々の抗菌および抗かび剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを用いて、組成物の微生物汚染の予防がなされる場合もある。等張剤、たとえば、糖、塩化ナトリウムなどを含めることが望ましい場合もある。吸収を遅らせうる薬剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によって、注射用医薬組成物の吸収を長引かせることもできる。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、咀嚼剤、口中錠、丸剤、粉末剤、および多粒子調製物(顆粒剤)が含まれる。このような固体剤形では、本発明の化合物または組合せに、少なくとも1種の不活性賦形剤、希釈剤、または担体が混合される。適切な賦形剤、希釈剤、または担体には、クエン酸ナトリウムやリン酸二カルシウムなどの材料、および/または(a)1種または複数の充填剤または増量剤(たとえば、微結晶性セルロース(FMC Corp.からAvicel(商標)として入手可能)デンプン、ラクトース、スクロース、マンニトール、ケイ酸、キシリトール、ソルビトール、デキストロース、リン酸水素カルシウム、デキストリン、アリファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ポリエチレングリコール、中鎖脂肪酸、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなど)、(b)1種または複数の結合剤(たとえば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、プルラン、アルファ化デンプン、寒天、トラガカント、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシアなど)、(c)1種または複数の保水剤(たとえば、グリセロールなど)、(d)1種または複数の崩壊剤(たとえば、寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定の複合シリケート、炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(Edward Mendell Co.からExplotab(商標)として入手可能)、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウムA型(Ac−di−sol(商標)として入手可能)、ポリアクリリンカリウム(polyacrilin potassium)(イオン交換樹脂)など)、(e)1種または複数の溶解遅延剤(solution retarder)(たとえば、パラフィンなど)、(f)1種または複数の吸収促進剤(たとえば、第四級アンモニウム化合物など)、(g)1種または複数の湿潤剤(たとえば、セチルアルコール、グリセロールモノステアリン酸エステルなど)、(h)1種または複数の吸収剤(たとえば、カオリン、ベントナイなど)、および/または(i)1種または複数の滑沢剤(たとえば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、水添ヒマシ油、脂肪酸のスクロースエステル、ジメチルポリシロキサン、ミクロクリスタンワックス、ミツロウ、サラシミツロウ、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど)が含まれる。カプセル剤および錠剤の場合では、剤形は、緩衝剤も含む場合がある。
ラクトースまたは乳糖などの賦形剤および高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、同様のタイプの固体組成物を軟および硬充填ゼラチンカプセル剤の充填剤として使用してもよい。
錠剤、糖剤、カプセル剤、顆粒剤などの固体剤形は、腸溶コーティング、および当業界で公知の他のものなどの、コーティングおよび外皮を施して調製してもよい。これらの剤形は、乳白剤を含有する場合もあり、本発明の化合物および/または追加の医薬品を遅らせて放出するような組成物にすることもできる。使用することのできる埋封組成物の例は、ポリマー物質およびワックスである。適切な場合、上で言及した賦形剤の1種または複数を用いて、薬物をマイクロカプセル化された形態にしてもよい。
錠剤では、活性薬剤は、通常、製剤の(重量で)50%未満、たとえば、約10重量%未満、たとえば、5%または2.5重量%を占める。製剤の大部分は、充填剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、および場合により香味剤で構成される。これらの賦形剤の組成は、当業界で公知である。充填剤/希釈剤は、往々にして、次の成分、微結晶性セルロース、マンニトール、ラクトース(すべてのタイプ)、デンプン、およびリン酸二カルシウムのうちの2種以上の混合物で構成される。充填剤/希釈剤混合物は、通常、製剤の98%未満、好ましくは、95%未満、たとえば93.5%を占める。好ましい崩壊剤には、Ac−di−sol(商標)、Explotab(商標)、デンプン、およびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。存在するとき、崩壊剤は、製剤の10%未満または5%未満、たとえば、約3%を占めるのが普通である。好ましい滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。存在するとき、滑沢剤は、製剤の5%未満または3%未満、たとえば、約1%を占めるのが普通である。
錠剤は、標準の打錠工程、たとえば、直接圧縮、または湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固工程、および押出しによって製造することができる。錠剤コアは、単層または多層にすることができ、当業界で公知の適切なオーバーコートでコーティングされる場合もある。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容できる乳濁液剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。液体剤形は、本発明の化合物または組合せに加えて、当業界で一般的に使用される不活性希釈剤、たとえば、水、または、たとえば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(たとえば、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油など)、Miglyole(商標)(CONDEA Vista Co.、ニュージャージー州クランフォードから入手可能)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などとしての、他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤を含有する場合がある。
そのような不活性希釈剤のほか、組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味、香味、および着香剤などの賦形剤も含む場合がある。
本発明の化合物または組合せの経口液体形態には、活性化合物が完全に溶解している溶液が含まれる。溶媒の例としては、経口投与に適する、薬学的に先例のあるすべての溶媒、特に、本発明の化合物が良好な溶解性を示す溶媒、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、食用油、ならびにグリセリルおよびグリセリドベースの系が含まれる。グリセリルおよびグリセリドベースの系には、たとえば、次の商標の付いた製品(および対応する商標のない製品)、Captex(商標)355EP(Abitec(オハイオ州コロンバス)のトリカプリル酸/カプリン酸グリセリル)、Crodamol(商標)GTC/C(Croda(英国Cowick Hall)の中鎖トリグリセリド)またはLabrafac(商標)CC(Gattefosseの中鎖トリグリセリド)、Captex(商標)500P(Abitecのグリセリルトリアセテート、すなわちトリアセチン)、Capmul(商標)MCM(Abitecの中鎖モノおよびジグリセリド)、Migyol(商標)812(Condea(ニュージャージー州クランフォード)のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、Migyol(商標)829(Condeaのカプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド)、Migyol(商標)840(Condeaのプロピレングリコールジカプリル酸/ジカプリン酸エステル)、Labrafil(商標)M1944CS(Gattefosseのオレオイルマクロゴール−6グリセリド)、Peceol(商標)(Gattefosseのモノオレイン酸グリセリル)、およびMaisine(商標)35−1(Gattefosseのモノオレイン酸グリセリル)を含むことができる。特に重要なのは、中鎖(約C8〜C10)トリグリセリド油である。これらの溶媒は、往々にして、組成物の大部分、すなわち、約50%より多く、通常は、約80%より多く、たとえば、約95%または99%を構成する。溶媒と共に、佐剤および添加剤を、主に、矯味剤、嗜好性および風味剤、酸化防止剤、安定剤、テクスチャーおよび粘度調整剤、ならびに可溶化剤として含める場合もある。
懸濁液は、本発明の化合物または組合せに加えて、懸濁化剤、たとえば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などの担体をさらに含む場合がある。
直腸または経膣投与用の組成物は、本発明の化合物または組合せを、通常の室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔において融解し、その結果、活性化合物が放出される、非刺激性の適切な賦形剤または担体、たとえば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックスと混合することにより調製できる坐剤を含むことが好ましい。
本発明の化合物または組合せの局所投与用の剤形には、軟膏、クリーム剤、ローション剤、粉末剤、およびスプレー剤が含まれる。薬物には、薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、または担体、および必要となりうるいずれかの保存剤、緩衝剤、または噴射剤が混合される。
化合物の水への溶解性が不十分である、たとえば、約1μg/mL未満である場合、そうした化合物には、可溶化用の非水性溶媒、たとえば、前述の中鎖トリグリセリド油中の液体組成物が好ましい剤形である。
噴霧乾燥工程によって形成された分散体を含む非晶質固体分散体も、溶解性が不十分な本発明の化合物に好ましい剤形である。「非晶質固体分散体」とは、溶解性の不十分な化合物の少なくとも一部分が非晶質形態であり、水溶性ポリマー中に分散している、固体材料を意味する。「非晶質」とは、溶解性の不十分な化合物が結晶性でないことを意味する。「結晶性」とは、化合物が、各寸法が少なくとも100繰返し単位である三次元における長距離秩序を示すことを意味する。したがって、非晶質という用語は、本質的に秩序をもたない材料だけでなく、いくらかのわずかな程度の秩序を有するが、秩序が三次元より低次元にある、かつ/または短い距離にしか及んでいない材料も包含することを意図する。非晶質材料は、当業界で公知の技術、たとえば、粉末X線回折(PXRD)結晶学、固体NMR、または示差走査熱量測定(DSC)などの熱的技術によって特徴付けることができる。
非晶質固体分散体における溶解性の不十分な化合物の少なくとも過半部分(すなわち、少なくとも約60wt%)が非晶質であることが好ましい。非晶質固体分散体内で、化合物は、相対的に純粋な非晶質ドメインもしくは領域中に、ポリマー全域に均一に分布した化合物の固溶体として、またはこれらの状態のいずれかの組合せもしくはこれらの中間にある状態として存在する場合がある。非晶質固体分散体は、非晶質化合物がポリマー全域に可能な限り均一に分散するように、実質的に均一であることが好ましい。本明細書で使用する場合、「実質的に均一」とは、非晶質固体分散体内の相対的に純粋な非晶質ドメインまたは領域に存在する化合物の分画が、薬物の総量の20wt%未満、好ましくは、10wt%未満程度のように、相対的に小さいことを意味する。
非晶質固体分散体への使用に適する水溶性ポリマーは、溶解性の不十分な化合物と不都合な形で化学的に反応せず、薬学的に許容でき、生理的に該当するpH(たとえば1〜8)において水溶液への少なくとも多少の溶解性を有するという意味で、不活性であるべきである。ポリマーは、中性またはイオン化しうるものでよく、1〜8のpH範囲の少なくとも一部分にかけて、少なくとも0.1mg/mLの水溶解度を有するべきである。
本発明との使用に適する水溶性ポリマーは、セルロース系または非セルロース系である場合がある。ポリマーは、水溶液中で中性またはイオン化しうるものでもよい。中でも、イオン化しうるポリマーおよびセルロース系ポリマーが好ましく、イオン化しうるセルロース系ポリマーがより好ましい。
例示的な水溶性ポリマーとして、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリット酸セルロース(CAT)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー(PEO/PPO、ポロキサマーとしても知られる)、およびそれらの混合物が挙げられる。特に好ましいポリマーとして、HPMCAS、HPMC、HPMCP、CMEC、CAP、CAT、PVP、ポロキサマー、およびそれらの混合物が挙げられる。最も好ましいのは、HPMCASである。参照によりその開示が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第0901786A2号を参照されたい。
非晶質固体分散体は、溶解性の不十分な化合物の少なくとも過半部分(少なくとも60%)が結果として非晶質状態となる、非晶質固体分散体を形成するいずれかの工程に従って調製することができる。そのような工程には、機械、熱、および溶媒工程が含まれる。例示的な機械工程には、粉砕および押出しが含まれ、溶融工程には、高温融合、溶媒改質融合(solvent−modified fusion)、および溶融凝固工程が含まれ、溶媒工程には、非溶媒沈殿、スプレーコーティング、および噴霧乾燥が含まれる。たとえば、参照によりその特許開示が本明細書に組み込まれる次の米国特許を参照されたい。押出し工程による分散体の形成を記載している第5,456,923号および第5,939,099号、粉砕工程による分散体の形成を記載している第5,340,591号および第4,673,564号、ならびに溶融凝固工程による分散体の形成を記載している第5,707,646号および第4,894,235号。好ましい工程では、欧州特許出願公開第0901786A2号に開示されているような噴霧乾燥によって非晶質固体分散体が形成される。この工程では、化合物およびポリマーが、アセトンおよびメタノールなどの溶媒に溶解され、次いで、噴霧乾燥によって、溶媒が溶液から急速に除去されて、非晶質固体分散体が形成される。非晶質固体分散体は、要望に応じて、約99wt%まで、たとえば、1wt%、5wt%、10wt%、25wt%、50wt%、75wt%、95wt%、または98wt%の化合物を含有するように調製することができる。
固体分散体は、それ自体が剤形として使用される場合もあるか、またはカプセル剤、錠剤、溶液剤、懸濁液剤などの他の剤形の調製において製造用途製品(manufacturing−use−product)(MUP)となる場合もある。水性懸濁液の一例が、2%ポリソルベート−80中に2.5mg/mLの化合物を含有する、1:1(w/w)の化合物/HPMCAS−HF噴霧乾燥分散体の水性懸濁液である。錠剤またはカプセル剤において使用される固体分散体は、そのような剤形において通常見出される他の賦形剤または佐剤と混合されるのが一般的である。たとえば、例示的なカプセル剤用充填剤は、2:1(w/w)の化合物/HPMCAS−MF噴霧乾燥分散体(60%)、ラクトース(高流動)(15%)、微結晶性セルロース(たとえば、Avicel(登録商標)−102(15.8%)、デンプンナトリウム(7%)、ラウリル硫酸ナトリウム(2%)、およびステアリン酸マグネシウム(1%)を含有する。
HPMCASポリマーは、信越化学工業株式会社(日本国東京)から、Aqoat(登録商標)−LF、Aqoat(登録商標)−MF、およびAqoat(登録商標)−HFとして、それぞれ、低、中、および高グレードで入手可能である。高めのMFおよびHFグレードが一般に好ましい。
以下の段落では、非ヒト動物に有用な例示的な製剤、投与量などについて記載する。化合物Aまたは薬学的に許容できるその塩の化合物Dまたは薬学的に許容できるその塩との組合せの、2剤としてまたは別の薬剤と組み合わせての投与は、経口的または非経口的に実施される場合がある。
有効な用量を与えるような量の化合物Aまたは薬学的に許容できるその塩が、化合物Dまたは薬学的に許容できるその塩と、一緒に、または別の薬剤と組み合わされて投与される。一般に、動物に経口投与される日用量は、体重1kgあたり約0.01mg〜約1,000mgの間、たとえば、体重1kgあたり約0.01mg〜約300mgの間、または約0.01mg〜約100mgの間、または約0.01mg〜約50mgの間、または体重1kgあたり約0.01mg〜約25mgもしくは体重1kgあたり約0.01mg〜約10mgもしくは体重1kgあたり約0.01mg〜約5mgの間である。投与される化合物Aの日用量は、2mg、3mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、または50mgになる場合がある。日用量を、1日2回/12時間毎の投与間隔などの、複数回の用量に分けてもよい。たとえば、ある特定の例では、化合物Aの日用量が、12時間毎に15mgとして投与される場合がある。投与される化合物Dの日用量は、50mg、100mg、200mg、または300mgになる場合がある。日用量を、1日2回/12時間毎の投与間隔などの、複数回の用量に分けてもよい。たとえば、ある特定の例では、化合物Dの日用量が、12時間毎に300mgとして投与される場合がある。
好都合なことに、本発明の化合物(または組合せ)は、化合物の治療投与量が毎日の水分供給と共に摂取されるように、飲料水に入れて運搬することができる。化合物は、好ましくは、(水溶性塩の水溶液などの)液体の水溶性濃縮物の形態で、飲料水中に直接、計量供給することができる。
好都合なことに、本発明の化合物(または組合せ)は、それ自体として、またはプレミックスもしくは濃縮物とも呼ばれる動物飼料サプリメントの形態で、飼料に直接加えることもできる。化合物が賦形剤、希釈剤、または担体中に存在するプレミックスまたは濃縮物は、薬剤を飼料に混入させるのにより一般的に用いられる。適切な賦形剤、希釈剤、または担体は、要望に応じて、水、種々の粗挽き粉、たとえば、アルファルファ粉、大豆粉、綿実油かす、あまに油かす、トウモロコシ穂軸粉およびトウモロコシ粉、糖蜜、尿素、骨粉、および家禽飼料に一般的に用いられるようなミネラルミックスなどの、液体または固体である。特に有効な賦形剤、希釈剤、または担体は、それぞれの動物飼料それ自体、すなわち、少量のそうした飼料である。担体は、プレミックスがブレンドされる完成飼料への化合物の均等な分布を容易にする。化合物は、プレミックスに、その後は飼料に、十分にブレンドされることが好ましい。この点において、化合物は、大豆油、トウモロコシ油、綿実油などの適切な油性媒体、または揮発性有機溶媒に分散または溶解させ、次いで、担体とブレンドすることができる。完成飼料中の化合物の量は、適切な割合のプレミックスを飼料とブレンドして所望のレベルの化合物を得ることにより調整できるため、濃縮物中の化合物の割合は、幅広く変化させることが可能であると認識される。
強力な濃縮物が、飼料製造業者によって、上述のとおりに、大豆油かすや他の粗挽き粉などのタンパク質担体とブレンドされて、動物にそのまま給餌するのに適する濃縮されたサプリメントが製造される場合もある。このような例では、動物は、通常の食餌を消費することが可能である。別法として、そのような濃縮されたサプリメントが飼料に直接加えられて、治療有効レベルの本発明の化合物を含有する栄養バランスのとれた完成飼料が製造されうる。混合物は、ツインシェルブレンダーなどにおいて標準の手順によって十分にブレンドされて、均一性が確保される。
サプリメントが飼料用のトップドレッシングとして使用される場合、これは同様に、ドレッシングされた飼料の上部全域において化合物を確実に均一に分布させる助けとなる。
赤肉蓄積を増加させ、赤肉の脂肪に対する比を向上させるのに有効な飲料水および飼料は、一般に、本発明の化合物を、飼料または水中に約10−3〜約500ppmの化合物が提供されるのに十分な量の動物飼料と混合することにより調製される。
好ましいブタ、ウシ、ヒツジ、およびヤギ薬用飼料は、一般に、飼料1トンあたり約1〜約400グラムの本発明の化合物(または組合せ)を含有し、これらの動物に最適な量は、普通飼料1トンあたり約50〜約300グラムになるのが普通である。
好ましい家禽および家庭用愛玩動物飼料は、通常、飼料1トンあたり約1〜約400グラム、好ましくは、約10〜約400グラムの本発明の化合物(または組合せ)を含有する。
動物における非経口投与については、本発明の化合物(または組合せ)を、ペーストまたはペレットの形態に調製し、通常は、赤肉蓄積の増加および赤肉の脂肪に対する比の向上が求められる動物の頭部または耳の皮膚の下に、植込剤として投与することができる。
ペースト製剤は、薬物を、ラッカセイ油、ゴマ油、トウモロコシ油などの薬学的に許容できる油に分散させることにより調製できる。
化合物Dもしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わされた化合物Aもしくは薬学的に許容できるその塩、医薬組成物、または組合せの治療有効量を含有するペレットは、化合物Aまたは薬学的に許容できるその塩に、化合物Dまたは薬学的に許容できるその塩、カーボワックス、カルナウバロウなどの希釈剤などを混合することにより調製でき、ペレット化工程を改善するためにステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムなどの滑沢剤を加えてもよい。
当然のことながら、所望の赤肉蓄積の増加および赤肉の脂肪に対する比の向上をもたらす所望の用量レベルを実現するために、2つ以上のペレットが動物に投与される場合もあることが認識される。さらに、動物の身体において適正な薬物レベルを維持するために、動物処置期間の間に植込みが定期的になされる場合もある。
本発明は、いくつかの有利な獣医学的特色を有する。愛玩動物の身体の引き締めを増進し、かつ/または望ましくない脂肪を落とすことを願う愛玩動物飼い主または獣医師のために、本発明は、これを実現しうる手段を提供する。家禽、肉牛、および豚飼育者については、本発明の方法の利用することで、食肉業界からより高い売却価格の付く、より身の締まった動物が得られる。
別段指定しない限り、出発材料は、一般に、Aldrich Chemicals Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Lancaster Synthesis,Inc.(ニューハンプシャー州ウィンダム)、Acros Organics(ニュージャージー州フェアローン)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(英国コーンウォール)、およびTyger Scientific(ニュージャージー州プリンストン)などの市販品供給元から入手可能である。ある特定の共通略語および頭字語を用いており、次のものが含まれうる。AcOH(酢酸)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール)、DCM(ジクロロメタン)、DEA(ジエチルアミン)、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMF(N,N’−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDCI(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド)、Et2O(ジエチルエーテル)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、Gまたはg(グラム)、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム)、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、Hまたはh(時間)、IPA(イソプロピルアルコール)、KHMDS(カリウムヘキサメチルジシラザン)、MeOH(メタノール)、Lまたはl(リットル)、mL(ミリリットル) MTBE(tert−ブチルメチルエーテル)、mg(ミリグラム)、NaBH(OAc)3(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、NaHMDS(ヘキサメチルジシラザンナトリウム)、NMP(N−メチルピロリドン)、RH(相対湿度)、RTまたはrt(周囲温度と同じである室温(約20〜25℃))、SEM([2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、およびT3P(プロパンホスホン酸無水物)。
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提案された構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)を、重水素化溶媒中の残留プロトンシグナル(7.27ppmにあるCHCl3、3.31ppmにあるCD2HOD)を基準とした百万分率(ppm)で示し、主要なピークを示すための従来の略語、たとえば、s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、br:ブロードを使用して報告する。
ssNMRは、固体NMRを意味する。
PXRDは、粉末X線回折を意味する。
用語「実質的に同じ」とは、X線粉末回折パターンについて述べるのに使用する場合、+/−0.2°2θの標準偏差内にピークがあるパターンを含むことを意味する。
本明細書で使用する場合、特定の結晶性形態に関しての用語「実質的に純粋」とは、結晶性形態が、他のいずれかの物理形態の化合物Aまたは化合物Dを重量で10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは3%未満、好ましくは1%未満しか含まないことを意味する。
反応は、空気中で、または、酸素もしくは湿気に敏感な試薬もしくは中間体を用いた場合、不活性雰囲気(窒素もしくはアルゴン)中で実施した。適切な場合、ヒートガンを使用して動的真空下で反応装置を乾燥させ、無水溶媒(Aldrich Chemical Company(ウィスコンシン州ミルウォーキー)のSure−Seal(商標)製品またはEMD Chemicals(ニュージャージー州Gibbstown)のDriSolv(商標)製品)を用いた。市販の溶媒および試薬は、さらに精製せずに使用した。必要となった場合、Biotage InitiatorまたはPersonal Chemistry Emrys Optimizerマイクロ波を使用するマイクロ波照射によって反応液を加熱した。反応の進捗は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および/またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)分析を使用してモニターした。TLCは、蛍光指示薬(励起波長254nm)を含んだプレコーティッドシリカゲルプレートにおいて実施し、UV光下で、かつ/またはI2、KMnO4、CoCl2、リンモリブデン酸、および/もしくはモリブデン酸アンモニウムセリウム染色を用いて可視化した。LCMSデータは、Agilent1100シリーズの機器において、Leap Technologiesオートサンプラー、GeminiC18カラム、MeCN/水勾配、およびTFA、ギ酸、または水酸化アンモニウムのいずれかの改質剤を用いて取得した。カラム溶離液を、Waters ZQ質量分析計を使用し、陽と陰両方のイオンモードで100〜1200Daを走査して分析した。他の同様の機器も使用した。HPLCデータは、Agilent1100シリーズの機器において、GeminiまたはXBridgeC18カラム、MeCN/水勾配、およびTFAまたは水酸化アンモニウムのいずれかの改質剤を使用して取得した。GCMSデータは、Hewlett Packard6890オーブンを使用し、HP6890インジェクター、HP−1カラム(12m×0.2mm×0.33μm)、およびヘリウムキャリヤーガスを用いて取得した。HP5973質量選択的検出器において、電子イオン化を使用して50〜550Daを走査し、サンプルを分析した。精製は、Isco CombiFlash Companion、AnaLogix IntelliFlash280、BiotageSP1、またはBiotage Isolera One機器、および充填済みのIsco RediSepまたはBiotage Snapシリカカートリッジを使用する、中速液体クロマトグラフィー(MPLC)によって実施した。キラル精製は、BergerまたはThar機器;ChiralPAK−AD、−AS、−IC、Chiralcel−OD、または−OJカラム;および単独またはTFAもしくはiPrNH2を使用して改質されたCO2のMeOH、EtOH、iPrOH、またはMeCNとの混合物を使用する、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって実施した。UV検出を使用して画分収集を始動させた。
質量分析データは、LCMS分析から報告する。質量分析(MS)は、大気圧化学イオン化(APCI)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、電子衝撃イオン化(EI)、または電子散乱(ES)イオン化源を用いて行った。プロトン核磁気分光法(1H NMR)化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場への百万分率で示し、300、400、500、または600MHz Varian分光計で記録した。化学シフトは、重水素化溶媒残留ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で示す。ピーク形状は、次のとおりに記載する。s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、quin:五重線、m:多重線、br s:ブロード一重線、app:見かけ。分析SFCデータは、Berger分析機器において、上述のとおりに取得した。旋光データは、PerkinElmerモデル343旋光計において、1dmセルを使用して取得した。シリカゲルクロマトグラフィーは、中圧のBiotageまたはISCOシステムを主に使用し、BiotageおよびISCOを含む種々の市販品販売業者によって予め梱包されたカラムを使って実施した。微量分析は、Quantitative Technologies Inc.が行い、計算値の0.4%以内であった。
別段指摘しない限り、化学反応は、室温(約23摂氏度)で実施した。
以下で記載する化合物および中間体は、ChemBioDraw Ultra、Version 12.0(CambridgeSoft Corp.、マサチューセッツ州ケンブリッジ)に備わっている命名規則を使用して命名した。ChemBioDraw Ultra、Version 12.0に備わっている命名規則は、当業者に周知であり、ChemBioDraw Ultra、Version 12.0に備わっている命名規則は、有機化学命名法に関するIUPAC(国際純正・応用化学連合)勧告およびCAS Index規定に概ね適合すると考えられる。別段指摘しない限り、反応物はすべて、さらに精製していない、市販品として入手されたものであるか、または文献で公知の方法を使用して調製した。
用語「濃縮した」、「蒸発させた」、および「真空濃縮した」とは、浴温度を60℃未満としたロータリーエバポレーターにおいて減圧下で溶媒を除去することを指す。略語「min」および「h」は、それぞれ、「分」および「時間」を表す。用語「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを指し、「室温または周囲温度」とは、18℃〜25℃の間の温度を意味し、「GCMS」は、ガスクロマトグラフィー−質量分析を指し、「LCMS」は、液体クロマトグラフィー−質量分析を指し、「UPLC」は、超高速液体クロマトグラフィー(ultra performance liquid chromatography)を指し、「HPLC」は、高圧液体クロマトグラフィーを指し、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを指す。
水素化は、Parrシェーカーにおいて加圧水素ガス中で、またはThales−nanoH−Cubeフロー水素化装置において最大水素および1mL/min〜2mL/minの間の流量で、指定の温度において実施される場合がある。
HPLC、UPLC、LCMS、GCMS、およびSFC保持時間は、手順の中で言及する方法を使用して測定した。
中間体の調製および実施例
(実施例1)
(DGAT2i化合物/化合物D):(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド
ステップ1:3−エトキシピリジン
3−ヒドロキシピリジン(8.10mol、1.0当量)のアセトン(12L)中溶液に、15℃で、炭酸セシウム(12mol、1.5当量)およびヨウ化エチル(9.7mol、1.2当量)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、有機層を濃縮して、粗生成物を得た。酢酸エチル(20L)を加え、水(3×5L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、3−エトキシピリジン(620g、62%)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.44 (t, 3H), 4.07 (q, 2H), 7.15-7.23 (m, 2H), 8.20 (dd, 1H), 8.30
(d, 1H).
ステップ2:3−エトキシピリジン−1−オキシド
3−エトキシピリジン(5.0mol、1.0当量)のジクロロメタン(12L)中溶液に、10℃で、m−クロロペルオキシ安息香酸(6.5mol、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウム(水5L中に4kg)を加えた。反応混合物を15℃で2時間撹拌した。別の分のチオ硫酸ナトリウム(水5L中に1.5kg)を加えた。反応混合物を15℃で1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(16×10L)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール、100:1〜10:1)によって精製して、表題化合物(680g、97%)を褐色の油状物として得た。これを、石油エーテル(4L)を用いて室温で24時間摩砕することによりさらに精製して、3−エトキシピリジン−1−オキシド(580g、83%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41 (t, 3H), 4.02 (q, 2H), 6.84 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.85 (d,
1H), 7.91-7.95 (m, 1H).
ステップ3:2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン
この反応は、5つの並列バッチで実施した。
撹拌した3−エトキシピリジン−1−オキシド(0.72mol、1.0当量)および3−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(0.72mol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(2500mL)中溶液に、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(2.69mol、3.7当量)およびブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.93mol、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌し、次いで、別個のバッチを合わせて、単一バッチとした。得られた懸濁液を濃縮乾固し、ジクロロメタン(25L)に溶解させた。有機層を1N水酸化ナトリウム(15L)、水(3×20L)、およびブライン(20L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して油状物を得た。粗油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル、10:1〜1:1)によって精製して、粗生成物を褐色の固体として得た。この固体を、メチルtert−ブチルエーテル:石油エーテル(1:10、11L)で摩砕して、2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン(730g、69%)を、オフイエロー色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.49 (t, 3H), 4.16 (q, 2H), 7.04 (dd, 1H), 7.25 (dd, 1H), 7.68-7.73
(m, 2H), 8.44 (d, 1H), 8.49 (d, 1H). MS (ES+) 297.1 (M+H).
ステップ4:エチル2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート
2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン(300mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(1.3L)中溶液を、窒素で30分間脱気した。ターボグリニャール(390mmol、1.3当量、テトラヒドロフラン中1.3M)を、室温において、内部温度が30℃未満に保たれる速度で加えた。反応混合物を室温に冷まし、3時間撹拌した。反応液を10℃に冷却し、塩化亜鉛(390mmol、1.3当量、2−メチルテトラヒドロフラン中1.9M)を、温度が15℃未満に保たれる速度で加えた。得られた懸濁液を、すべての沈殿が溶解するまで室温に加温し、次いで、再び10℃に冷却した。エチル2−クロロピリミジン−5−カルボキシレート(360mmol、1.2当量)およびジクロロ[ビス(2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル)エーテル]パラジウム(II)(6.00mmol、0.02当量)を固体として加えた。得られた懸濁液を窒素で30分間脱気し、次いで、16時間50℃に加熱した。反応液を水性条件下で後処理し、次いで、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、チオシリカ(thiosilica)、および木炭で順次処理して、金属不純物を除去した。粗化合物をメタノール(450mL)から再結晶させて、エチル2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート(77g、70%)を淡黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44 (t, 3H), 1.50 (t, 3H), 4.19 (q, 2H), 4.46 (q, 2H), 7.00-7.04
(m, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.66 (d, 1H), 9.32 (s, 2H),
9.55 (s, 1H).
ステップ5:2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(中間体1)
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート(205mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(300mL)中懸濁液に、水酸化ナトリウム(307mmol、1.5当量、4M水溶液)およびメタノール(50mL)を加えた。得られた溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水(400mL)で希釈し、2:1のジエチルエーテル:ヘプタン(2×300mL)で抽出した。水層を4M塩酸でpH4に酸性化した。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(69g、100%)を淡黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ1.37 (t, 3H), 4.18 (q, 2H), 7.19 (dd, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.70 (dd,
1H), 8.35-8.40 (m, 1H), 8.66 (d, 1H), 9.33 (s, 2H), 9.41 (d, 1H), 13.9 (br. s,
1H).
ステップ6:(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例1(DGAT2i化合物))
2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(45.0g、133mmol、1.0当量)のジクロロメタン(500mL)中懸濁液に、塩化オキサリル(13.8mL、160mmol、1.2当量)およびジメチルホルムアミド(0.510mL、6.65mmol、0.05当量)を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、この時点で、溶液が得られた。反応混合物を濃縮して、粗製の酸塩化物を赤色の固体として得た。粗製の酸塩化物のジクロロメタン(200mL)中溶液に、0℃で、(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン(12.2g、140mmol、1.05当量)およびジイソプロピルエチルアミン(51.0mL、293mmol、2.2当量)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液を滴下添加した。反応液を室温に加温し、16時間撹拌した。水(1.0L)および酢酸エチル(600mL)を加え、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過した。濾液を活性炭(20g)で処理し、65℃で20分間撹拌した。懸濁液を温かいまま濾過し、濾液を濃縮して、淡黄色の固体とし、これを、メタノールを含む酢酸エチル(1:4、1L)から再結晶させ、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(43.5g、81%)を無色の固体として得た。表題化合物を同じようにして調製された先行バッチ(108.7g、266.8mmol)と合わせ、酢酸エチル(1.0L)を用いて80℃で4時間スラリー化した。懸濁液を室温に冷まし、4日間撹拌した。固体を濾過し、酢酸エチル(3×200mL)で洗浄し、高真空下において50℃で24時間乾燥させて、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(100.5g、92%)を無色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.38 (t, 3H), 1.89-1.98 (m, 1H), 2.15-2.26 (m, 1H), 3.65 (dd, 1H),
3.70-3.78 (m, 1H), 3.85-3.92 (m, 2H), 4.18 (q, 2H), 4.46-4.55 (m, 1H), 7.18
(dd, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.69 (dd, 1H), 8.37 (dd, 1H), 8.64 (d, 1H), 8.95 (d,
1H), 9.28 (s, 2H), 9.39 (d, 1H). MS (ES+) 408.4 (M+H).融点177.5℃。C21H21N5O4についての元素分析:計算値C、61.91;H、5.20;N、17.19;実測値C、61.86;H、5.18;N、17.30。
この手順からの固体形態を、粉末X線回折(PXRD)分析によって特徴付け、化合物Dの形態1として割り当てた。
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例1(化合物D))を調製するための代替ステップ6
100mLの反応器に、アセトニトリル(35mL)、2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(5.0g、15mmol)、および(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン塩酸塩(2.2g、18mmol、1.2当量)を装入した。温度を20℃〜30℃に保ちながら、ジイソプロピルエチルアミン(18mL、103mmol、7.0当量)を装入した。プロパンホスホン酸無水物(T3P)のアセトニトリル(21mL、30mmol、2.0当量)中溶液を、温度が45℃未満に保たれる速度で装入した。反応器を1時間40±5℃に加熱し、次いで、反応が完了しているかサンプル採取した。反応液を20℃〜25℃に冷却し、テトラヒドロフラン(25mL)を加えた。炭酸水素ナトリウムの溶液(0.5M、40mL)を装入し、混合物を1時間撹拌した。pHを調べ、8.5と測定された。酢酸エチル(40mL)を加え、混合物を15分間撹拌した。混合物を沈降させ、相を分けた。水層を分液漏斗に移し、酢酸エチル(100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、水(40mL)で洗浄した。有機層を100mLの反応器に少量ずつ移し、真空下で濃縮して小さい体積にした。メチルエチルケトン(100mL)を加え、混合物を濃縮して、およそ60mLの最終体積とした。真空状態を解除し、スラリーを加熱還流し、固体が反応器の壁から洗い流されるまで維持した。スラリーを2時間かけて15℃に冷却し、終夜粒状化した。濾過によって固体を単離し、反応器およびケークを、メチルエチルケトン(10mLずつ)で2回洗浄した。固体を真空オーブンにおいて50℃で乾燥させて、4.86g(81%)の所望の生成物を得た。この手順からの固体形態を、PXRD分析によって特徴付け、化合物Dの形態2として割り当てた。
化合物Dの形態2の形態1への変換
100mLの反応器に、形態2の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例1)(10.0g、24.6mmol、1.00当量)、メチルエチルケトン(8.8mL/g)、88.0mL)、および水(1.2mL/g、12.0mL)を装入した。反応器を30分かけて50℃に加熱した。およそ44℃で完全な溶液が出現した。反応器を30分かけて40℃に冷却し、次いで、シードである形態1の(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物Dである実施例1)(0.050g、0.123mmol、0.0050当量)を装入した。シード添加後、濁りのあるスラリーを1時間撹拌した後、2時間かけて5℃に冷却し、次いで、5℃で12時間撹拌した。進行中の対照サンプルを抜き取り、PXRD分析によって特徴付けて、固体が化合物Dの形態1であったことを確認した。スラリーを濾過し、反応器およびケークを0℃のメチルエチルケトン(2.5mL/g、25mL)で洗浄した。固体を真空オーブンにおいて50℃で乾燥させて、8.15g(81.5%)の所望の生成物を得た。所望の生成物のPXRDパターンは、化合物Dの形態1と一致した。
粉末X線回折:
粉末X線回折分析は、ゴーベルミラーを利用する一次TWINが装備された、Cu放射線源(1.54056ÅのKα平均波長)を備えたBruker AXS D8 Advance回折計を使用して行った。回折された放射線は、PSD−Lynx Eye検出器で検出した。一次および二次の両方が、2.5ソーラースリットを備えていた。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データは、シータ・シータゴニオメーターにおいて、1ステップあたり6秒の走査スピードを使用し、3.0〜40.0度2−シータを、1000ステップでロックトカップル(locked couple)走査して収集した。サンプルを低バックグラウンドケイ素サンプルホルダー(C79298A3244B261)に入れて準備した。Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用してデータを収集した。EVA diffract plusソフトウェアによって分析を行った。
PXRDデータファイルは、ピーク検索より前には加工しなかった。EVAソフトウェアにおいてピーク検索アルゴリズムを使用して、閾値を5、幅の値を0.2としてピークを選抜した。自動化による割当ての出力を目視によって確認して有効性を確実にし、必要なら、調整を手作業で行った。一般に、相対強度が3%以上であるピークを選択した。また、分解されなかった、またはノイズと一致したピークは除外した。USPに記載されているPXRDからのピーク位置と関連付けられる典型的な誤差は、+/−0.2°内である(USP−941)。
図1は、実施例1(化合物D)の結晶性形態1を示す特徴的なX線粉末回折パターンである(縦軸:強度(CPS)、横軸:2シータ(度))。
図2は、実施例1(化合物D)の結晶性形態2を示す特徴的なX線粉末回折パターンである(縦軸:強度(CPS)、横軸:2シータ(度))。
(実施例2)
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸、化合物A(ACCi化合物)の調製:
化合物Aの調製において、本明細書に記載の調製方法の一部には、遠隔官能基(たとえば、式I前駆体における第一級アミン、第二級アミン、カルボキシル)の保護が必要となる場合もあることに留意されたい。そのような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件に応じて異なる。このような保護の必要性は、当業者によって容易に判断される。このような保護/脱保護方法の使用も、当分野の技量の範囲内である。保護基およびその使用の全般的な記載につては、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、ニューヨーク、1991を参照されたい。さらに、本発明は、本明細書で提供する詳細な合成方法に限定されず、合成方法は、様々となりうる。
中間体A1:1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩
ステップ1.tert−ブチル9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート。
乾燥した反応器に、25〜30℃で、tert−ブチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(108Kg)、シクロヘキサン(1080L)、およびピロリジン(64.8Kg)を装入した。混合物を5〜10分撹拌し、次いで、Dean−Starkトラップを使用して水を集めながら、12〜16時間加熱還流した。次いで、反応混合物を50〜60℃に冷却し、この温度で真空を適用して、余分なピロリジンおよびシクロヘキサンを留去した。次いで、反応混合物を25〜30℃に冷却し、シクロヘキサン(648L)を装入した後、メチルビニルケトン(49.63Kg)を装入した。混合物を12〜16時間撹拌し、次いで濾過し、濾液を、汚れていない乾いた反応器に装入した。溶液を10〜15℃に冷却し、次いで、温度を15℃未満に保ちながら、酢酸(54.75Kg)の水(54L)中溶液をゆっくりと加えた。加え終える頃に、混合物を25〜30℃に加温し、12〜16時間撹拌した。層を分離し、水層を酢酸エチル(324L)で抽出した。合わせた有機層を、炭酸水素ナトリウム(32.34Kg)の水(324L)中溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水した。固体を酢酸エチル(54L)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下において40℃未満で濃縮した。n−ヘプタン(216L)を反応器に装入し、減圧下および40℃未満で乾燥するまで蒸留を続行した。混合物を25〜30℃に冷却し、n−ヘプタン(216L)を反応器に装入した。固体が生成した後、混合物を1〜2時間撹拌した。次いで、固体を濾過し、n−ヘプタン(54L)で洗浄し、40〜50℃で10〜12時間乾燥させて、所望の材料(90.1Kg、収率67%)を生成した。
ステップ2.(E)−tert−ブチル10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート。
窒素雰囲気下において、汚れていない乾いた反応器に、25〜30℃で、tert−ブチル9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート(50Kg)、N,N−ジメチルホルムアミド(500L)、およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(135Kg)を装入した。反応混合物を5〜10分撹拌し、次いで、20時間120〜130℃に加熱した。次いで、混合物を50〜60℃に冷却し、高真空下において60℃未満で溶媒を留去した。45℃未満で混合キシレン(200L)を装入し、高真空下において60℃未満で溶媒を留去した。この操作を、別のロットの混合キシレン(200L)で繰り返した。次いで、トルエン(200L)を反応器に装入し、高真空下において60℃未満で溶媒を留去した。この操作を、次のロットのトルエン(200L)で繰り返した。次いで、30℃未満でメチルtert−ブチルエーテル(100L)を装入し、高真空下において40℃未満で溶媒を留去した。混合物を15〜20℃に冷却し、20℃未満でメチルtert−ブチルエーテル(100L)を装入した。混合物を20〜30分間撹拌し、固体を濾過し、メチルtert−ブチルエーテル(50L)で洗浄し、真空を用いずに50〜55℃で10時間乾燥させて、所望の化合物(52.1Kg、収率87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.48 (s, 1H), 6.57 (d, J=9.97 Hz, 1H), 5.99 (d, J=10.16 Hz,
1H), 3.32-3.51 (m, 4H), 3.06 (s, 6H), 2.72 (s, 2H), 1.57-1.66 (m, 2H),
1.41-1.53 (m, 11H).
ステップ3.tert−ブチル1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート。
汚れていない乾いた反応器に、25〜30℃で、(E)−tert−ブチル10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート(80Kg)、トルエン(704L)、およびトリメチルアミン(16L)を装入した。反応混合物を70〜80℃に加温し、イソプロピルヒドラジン塩酸塩のメタノール中溶液(1.25当量、合計141Kg)を4〜5時間かけて加えた。次いで、反応混合物を70〜80℃で8〜10時間撹拌した後、15〜25℃に冷却した。内部温度を25℃未満に保ちながら、クエン酸(48Kg)の水(480L)中溶液をゆっくりと加えた。酢酸エチル(208L)を加え、混合物を10分間撹拌した。層を分離し、有機層を、クエン酸(48Kg)の水(480L)中溶液で、次いで水(320L)だけで、続けて洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(320L)で抽出した。次いで、合わせた有機層を硫酸ナトリウム(8Kg)で脱水し、減圧下において40℃未満で溶媒を蒸発乾固させた。ジクロロメタン(240L)を反応器に装入し、澄明になるまで混合物を25〜30℃で撹拌した。25〜30℃で、活性炭(1.84Kg)、ケイ酸マグネシウム(1.84Kg)、およびシリカゲル(32Kg、100〜200メッシュ)を続けて装入し、不均一混合物を1時間撹拌した。次いで、スラリーを、Hyflow supercell(8Kg)とジクロロメタン(40L)とを混合することにより調製したHyflow床で濾過した。ケークをジクロロメタンで洗浄した(3回120L)。合わせた濾液を反応器に再び装入し、減圧下において40℃未満で溶媒を蒸発させた。次いで、n−ヘプタン(160L)を装入し、減圧下において40℃未満で蒸留した。n−ヘプタン(200L)を反応器に装入し、混合物を0〜5℃に冷却した。12〜15時間撹拌した後、0℃で固体を濾過し、冷えた(0〜5℃)n−ヘプタン(160L)で洗浄し、真空下において40〜50℃で乾燥させて、表題化合物(82.4Kg、75%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.25 (s, 1H), 6.42 (dd, J=10.05, 0.49 Hz, 1H) 5.84 (d, J=9.95
Hz, 1H), 4.42-4.52 (m, 1H), 3.36-3.53 (m, 4H), 2.62 (s, 2H) 1.56-1.68 (m, 2H)
1.45-1.55 (m, 17H).
ステップ4.1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩
汚れていない乾いた反応器に、25〜30℃で、tert−ブチル1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(60Kg)およびメタノール(600L)を装入した。25〜30℃でN−ブロモスクシンイミド(32.4Kg)を5回に分けて30〜40分かけて加え、撹拌を30〜60分間継続した。内部温度を30℃未満に保ちながら、チオ硫酸ナトリウム五水和物(5.4Kg)の水(102L)中溶液をゆっくりと加えた。混合物を20〜30分間撹拌し、次いで、減圧下において45℃未満で溶媒を蒸発させた。残渣を25〜30℃に冷却し、2−メチルテトラヒドロフラン(420L)を水(90L)と共に反応器に装入した。混合物を15〜20分間撹拌し、次いで層を分離し、水層を2−メチルテトラヒドロフラン(120L)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、水酸化ナトリウム(4.8Kg)の水(120L)中溶液によって25〜30℃で15〜20分間処理した。層を分離し、有機層を、水(120L)に続いて、塩化ナトリウム(12Kg)の水(120L)中溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム(6Kg)で脱水した。濾過した後、ケークを2−メチルテトラヒドロフラン(30L)で洗浄し、合わせた濾液を反応器に再び装入した。減圧下において45℃未満で溶媒を完全に留去し、残渣をテトラヒドロフラン(201L)に可溶化した。別の汚れていない乾いた反応器に、25〜30℃で、カリウムtert−ブトキシド(60.6Kg)およびテトラヒドロフラン(360L)を装入した。その混合物に、温度を30℃未満に保ちながら、残渣のテトラヒドロフラン中溶液をゆっくりと加えた。次いで、反応混合物を60〜65℃に加温し、1〜2時間この温度に保った。終了後、混合物を0〜10℃に冷却し、内部温度を10℃未満に保ちながら、塩酸の溶液(1N、196L)でゆっくりと失活させた。反応混合物を25〜30℃に加温し、酢酸エチル(798L)を装入した。15〜20分間撹拌した後、層を分離し、水層を酢酸エチル(160L)でさらに抽出した。合わせた有機層を水で(160L)洗浄し、硫酸ナトリウム(8Kg)で脱水し、濾過し、ケークを酢酸エチル(300L)で洗浄した。減圧下において45℃未満で溶媒を完全に留去し、25〜30℃で酢酸エチル(540L)を反応器に装入した後、メタノール(156L)を装入した。混合物を0〜5℃に冷却し、この時点で、温度を指定の範囲に保ちながら、塩化アセチル(79.8Kg)をゆっくりと加えた。次いで、混合物を20〜25℃に加温し、撹拌しながら4〜5時間この温度に保った。得られたスラリーを濾過し、固体を酢酸エチル(120L)で洗浄し、次いで40〜45℃で8〜10時間乾燥させて、所望の粗生成物(33.5Kg、65%)を得た。
汚れていない乾燥させた反応器において、この粗製の固体(56.8Kg)を25〜30℃でメタノール(454.4L)中に可溶化することにより、最終精製ステップを実施した。溶液を30〜45分間撹拌し、次いで、25〜30℃で、0.2ミクロンカートリッジフィルターに通し、汚れていない乾いた反応器に受けた。減圧下において50℃未満で、約1体積の溶媒が残るまでメタノールを留去した。反応混合物を25〜30℃に冷却し、新鮮なアセトニトリル(113.6L)を、0.2ミクロンのカートリッジフィルターを介して装入した。減圧下において50℃未満で、約1体積の溶媒が残るまで溶媒を留去した。反応混合物を25〜30℃に冷却し、新鮮なアセトニトリル(190L)を、0.2ミクロンのカートリッジフィルターを介して反応器に装入した。混合物を65〜70℃に加温し、45分間撹拌し、次いで25〜30℃に冷却し、1時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、ケークを冷えた(15℃)アセトニトリル(56.8L)で洗浄した。固体を減圧下において40〜50℃で8時間乾燥させて、中間体A1(36.4Kg、64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 7.43 (s, 1H), 5.32-5.42 (m, 1H), 3.15-3.25 (m, 4H), 2.89 (s,
2H), 2.64 (s, 2H), 1.69-1.90 (m, 4H), 1.37-1.45 (m, 6H); ESI [M+H]+
=248.
中間体A2:2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸。
汚れていない乾燥させた反応器に、20〜25℃で、2,6−ジクロロイソニコチン酸(30Kg)およびメタノール(120L)を装入した。スラリーを5分間撹拌し、次いで、65℃に加熱した(還流)。次いで、ナトリウムメトキシドのメタノール中溶液(30%、87.2Kg)を、付加漏斗から少なくとも4時間かけてゆっくりと装入した。漏斗をメタノール(15L)ですすぎ、撹拌を65℃で少なくとも15時間続行した。次いで、混合物を45℃に冷却し、残りの体積が約90Lになるまで減圧下で蒸留した。次いで、40〜45℃で、炭酸水素カリウム(28.2Kg)および炭酸カリウム(21.6Kg)の水(180L)中溶液を反応器に装入した。水溶液を含有する反応器を水(21L)ですすぎ、洗浄液を反応混合物に装入した。混合物を、残りの体積が約240Lになるまで減圧下において80℃未満で蒸留し、次いで、20〜25℃に冷却した。
別の汚れていない乾いた反応器に、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)ベンゾエート(52.3Kg)およびジオキサン(340Kg)を装入し、完全に溶解するまで2〜25℃で撹拌した。次いで、前の反応器の中身を、完全な溶解性を確保するために40℃で加熱し、この新たな反応器に移した。反応混合物を20〜25℃に冷却し、真空/窒素サイクルによって脱酸素化ステップを実施した。混合物を0〜10℃にさらに冷却し、窒素流中で、酢酸パラジウム(0.65Kg)に続いてトリフェニルホスフィン(2.46Kg)を反応器に装入した。混合物を20〜25℃に加温し、真空/窒素サイクルによって、別の脱酸素化ステップを実施した。次いで、混合物を80℃に加熱し、少なくとも18時間この温度に保った。混合物を20〜25℃に冷却し、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(133.2Kg)および水(30L)を反応器に続けて装入した。層を分離し、水相を水(110L)で希釈し、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(110L)で抽出した。合わせた有機抽出物をクエン酸(52Kg)の水(84L)中溶液で洗浄し、層を分離した。水層をメチルtert−ブチルエーテル(88.8Kg)でさらに抽出し、有機層を合わせ、次いで、塩化ナトリウム(43Kg)の水(80L)中溶液の3分の1で3回洗浄した。最後の層分離の後、有機層を、木炭カートリッジを含んだpallフィルターで濾過し、ケークをメチルtert−ブチルエーテル(11.2Kg)で洗浄した。濾液を減圧下において50℃未満で蒸留して約90Lとし、次いで、引き続いて、50℃未満でヘプタン(120L)と共蒸留して約120Lとした。次いで、混合物を1時間かけて20〜25℃に冷却し、次いで、この温度でもう1時間撹拌した。スラリーを濾過し、ケークをヘプタン(3×18L)で3回、次いで、アセトニトリル(3×18L)で3回洗浄した。得られた湿った固体を、真空下および窒素流中において45℃未満で少なくとも15時間乾燥させて、中間体A2(44.6Kg、収率87%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.13 (s, 2H), 8.09 (s, 2H), 7.97 (d, J=1.17 Hz, 1H), 7.34 (d,
J=0.98 Hz, 1H), 4.08 (s, 3H), 1.61 (s, 9H); ESI [M+H]+ =330.
中間体A3:tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート。
丸底フラスコに、2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸(中間体A2、15.2g、46.2mmol)および酢酸エチル(140mL)を装入した。1,1’−カルボニルジイミダゾール(8.98g、55.4mmol)を一度に加え、室温で1時間撹拌した。1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペルルジン]−7(1H)−オン塩酸塩(中間体A1、14.8g、52.2mmol)を加えた後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.1mL、52.2mL)を加え、反応液を室温で18時間撹拌した。2M HCl水溶液(40mL)を加えた後、1M硫酸水素カリウム(40mL)および50mLのヘプタンを加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を分離漏斗に移した。有機相を分離し、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)、水(20mL)、ブライン(20mL)で続けて洗浄し、20gの硫酸マグネシウムおよび10gのシリカゲルで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。濃縮が終わりに近付くにつれて固体が生成し始めた。残渣を40mLの酢酸エチルにおいて80℃で撹拌し、ヘプタン(120mL)をゆっくりと滴下添加した。混合物を80℃で1時間撹拌し、次いで、撹拌しながら1時間かけてゆっくりと室温に冷却し、室温で18時間撹拌した。濾過により固体を収集し、水および酢酸エチル−ヘプタン(1:3)で洗浄し、50℃で18時間真空乾燥して、中間体A3(19.64g、収率76%)を得た。
中間体A3の代替調製例:
汚れていない乾いた反応器に、20〜25℃で、アセトニトリル(219Kg)および2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸(中間体A2、34.8Kg)を装入した。混合物を5分間撹拌し、次いで、1,1−カルボジイミダゾール(18.9Kg)を3回に分けて続けて装入した。スラリーを20〜25℃で少なくとも1時間さらに撹拌し、次いで、1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペルルジン]−7(1H)−オン塩酸塩(中間体A1、33.0Kg)に続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(20.5Kg)をポンプで反応器に装入した。試薬ポンプおよび反応器の壁をアセトニトリル(13.7Kg)で洗浄し、20〜25℃で少なくとも2時間撹拌を続行した。修了後、混合物をtert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(中間体A3、209g)でシード添加し、少なくとも30分間撹拌した。結晶化の開始を確認した後、クエン酸一水和物(58.5Kg)の水(257L)中溶液を1時間かけて装入した。得られたスラリーを20〜25℃で少なくとも2時間さらに撹拌し、次いで濾過し、ケークをアセトニトリル(68.4Kg)と水(87L)との混合物で洗浄した。この洗浄液を使用して反応器もすすいだ。固体を減圧下において55℃未満で乾燥させて、中間体A3(43.44Kg、収率73%)を得た。
(遊離酸としての)化合物A:4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸。
丸底フラスコに、tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(3.7g、6.6mmol)およびトルエン(25mL)を装入した。撹拌しながら85%リン酸(3.0mL)を滴下添加し、反応液を4時間60℃に加熱した。無色の濃厚なゴム質が形成された。反応液を室温に冷却し、水を加えた。白色の固体が認められた。トルエン有機層を捨て、水層および固体を残しておいた。酢酸エチルを加え(60mL)、4N NaOH溶液を加えてpHを約7に調整した。層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮して白色の固体を得た。これらを50℃で酢酸エチル(80mL)に溶解させ、ヘプタン(90mL)をゆっくりと加えた。粗熱を取り、混合物を室温に冷却し、16時間撹拌した。得られた固体を濾過によって収集し、母液ですすぎ、乾燥させて、表題化合物(化合物A遊離形態、2.15g、収率65%)を白色の固体として得た。
(遊離酸としての)化合物Aの代替調製例:
汚れていない乾いた反応器に、20〜25℃で、アセトニトリル(130.4Kg)およびtert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(中間体A3、20.72Kg)を装入した。混合物を5分間撹拌し、次いで、穏やかな窒素スイープ下でp−トルエンスルホン酸(8.5Kg)を装入した。反応混合物を70℃に加温し、少なくとも6.5時間この温度に保った。終了後、混合物を40℃に冷却し、化合物A(104g)でシード添加し、水(83L)を少なくとも1時間かけてゆっくりと装入した。混合物を40℃で最低4時間さらに撹拌し、次いで、2時間かけて20〜25℃に冷却した。少なくとも2時間さらに撹拌した後、濾過し、ケークを、アセトニトリル(33Kg)と水(41L)の溶液ですすいだ。この洗浄液を使用して反応器もすすいだ。得られた固体を減圧下において55℃未満で乾燥させて、化合物A(16.5Kg、収率89%)を得た。
化合物Aの形態1−化合物Aの無水モノトリスの調製:
バイアルに、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(151mg、0.300mmol)および3mLのエタノールを装入した。混合物を5分間80℃に加熱して固体を溶解させ、次いで室温に冷却した。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(39mg、0.32mmol)を加え、混合物を終夜室温で撹拌した。ヘプタン(2.25mL)を滴下添加してスラリーを生成し、これを50℃に加熱して、澄明な溶液を生じさせた。混合物を終夜撹拌しながら室温に冷却した。白色の固体が認められ、混合物をさらに3日間撹拌した。材料を濾過し、真空オーブンにおいて50℃で終夜乾燥させて、形態1(151mg、0.242mmol、収率81%)を得た。
化合物Aの形態1:化合物Aの無水モノトリスの代替調製例:
汚れていない乾いた反応器に、エタノール(83L)を装入した後、化合物A(9.43Kg)およびトリス(2.55kg)を加え、この間、混合物の温度を20〜25℃に保った。槽壁面をエタノール(2L)ですすぎ、得られた混合物を65〜70℃で加熱し、すべての固体が溶解するまで少なくとも30分間この温度に保ち、次いで45〜50℃に冷却した。10μmのインラインポリプロピレンフィルターを介した加温濾過を行い、反応器およびフィルターをエタノール(9L)で洗浄した。温溶液に、同じインラインフィルターを介してn−ヘプタン(24L)を装入し、混合物を、45〜50℃において、エタノール(0.5L)中の4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸無水トリス塩(100g)でシード添加した。温度を少なくとも2時間維持した後、少なくとも2時間かけて20〜25℃に冷却した。撹拌を少なくとも5日間続行した。次いで、スラリーを濾過し、ケークをエタノール(13L)とn−ヘプタン(6L)との混合物で洗浄した。固体を減圧下において45℃未満で少なくとも12時間乾燥させて、実施例1(11.7Kg、77%)を得た。
化合物Aの形態2−化合物Aのモノトリス塩三水和物の調製:
化合物Aの形態2は、化合物Aの形態1から変換して取得した。50mLのEasyMax反応器に、形態1(1.7214g、2.760mmol)、イソプロパノール(16.50mL、215.8mmol)、および水(688μL、38.190mmol)を加えた。反応器ジャケット温度を25℃として、混合物を約72時間撹拌した(300rpm)。次いで反応混合物を15分かけて40℃に加温し、約24時間40℃に保ち、一度20℃に冷却して、試験用のサンプルを取り出した。PXRDによって、形態の混合物が認められ、したがって、追加の水(688μL、38.190mmol)を加えた。撹拌速度を400rpmに上げ、スラリーを6時間撹拌し、次いで15℃に冷却した。固体を60mL/40Mフィルターで単離し、96/4のイソプロパノール/水で洗浄した。得られた材料は、PXRDによって、化合物Aの形態2と一致していた。
化合物Aの形態2−化合物Aのモノトリス塩三水和物の代替調製例:
汚れていない乾いた反応器に、イソプロパノール(60.4Kg)および化合物A(16.68Kg)を装入し、混合物の温度を20〜25℃に保ちながら、トリス(4.42kg)を加えた。混合物を5分間撹拌し、次いで、水(6.7Kg)を装入し、スラリーを55℃に加温した。この時点で澄明な溶液を、予め加温した、汚れていない乾いた反応器(50〜55℃)の中へと、インラインの10μmポリプロピレンフィルターを通して濾過した。次いで、溶液を、三水和物としての化合物Aのモノトリス塩(167g)でシード添加した。シードが消えずに残ったことが検証された後、混合物を少なくとも2時間かけて15℃に冷却し、次いで、最低16時間15℃に保った。スラリーを濾過し、ケークを冷えたイソプロパノール(13.1Kg)で洗浄した。次いで、固体を減圧下において25℃未満で乾燥させて、化合物Aの形態2(22.1Kg、収率98%)のみを得た。
化合物Aの形態1は、無水であり、周囲温度で約0.2の水分活性(20%RH)を下回って熱力学的に安定である。化合物Aの形態1は、化合物Aの図3に示すPXRDパターンと実質的に同じPXRDパターンを有する。2θ±0.2°2θとして示される、化合物Aの形態1の特徴的なPXRDピークは、9.6、10.7、および11.3にある。図3におけるPXRDパターンについてのピーク位置および強度を表2に示す。
化合物Aの形態1は、図4に示すラマンスペクトルと実質的に同じラマンスペクトルを有する。化合物Aの形態1は、cm−1として示される特徴的なラマンピークシフトを、568、698、989、1218、1511、1561、および1615±2cm−1に有する。図4における化合物Aの形態1のピーク位置(±2cm−1)および正規化強度(W=弱、M=中、S=強)を表3に列挙する。
化合物Aの形態1は、図5に示す13CssNMRスペクトルと実質的に同じ13CssNMRスペクトルを有する。化合物Aの形態1は、ppmとして示される特徴的な13CssNMR化学シフトを、22.9、146.2、157.9、161.9、および172.9±0.2ppmに有する。図5に示すとおりの化合物Aの形態1の13C化学シフト(±0.2ppm)を表4に列挙する。
化合物Aの形態2は、三水和物であり、周囲温度かつ20%RHで約0.2の水分活性を上回って熱力学的に安定である。化合物Aの形態2は、図6に示すPXRDパターンと実質的に同じPXRDパターンを有する。2θ±0.2°2θとして示される、化合物Aの形態2の特徴的なPXRDピークは、8.4、9.0、10.5、15.0、および24.7にある。図6におけるPXRDパターンについてのピーク位置および強度を表5に示す。
化合物Aの形態2は、図7に示すラマンスペクトルと実質的に同じラマンスペクトルを有する。化合物Aの形態2は、cm−1として示される特徴的なラマンピークシフトを、562、692、984、1225、1507、1557、および1610±2cm−1に有する。図7における化合物Aの形態2のピーク位置(±2cm−1)および正規化強度(W=弱、M=中、S=強)を表6に列挙する。
化合物Aの形態2は、図8に示す13CssNMRスペクトルと実質的に同じ13CssNMRスペクトルを有する。化合物Aの形態2は、ppmとして示される特徴的な13CssNMR化学シフトを、19.2、149.5、155.6、163.8、および188.3±0.2ppmに有する。図8に示すとおりの化合物Aの形態2の13C化学シフト(±0.2ppm)を表7に列挙する。
当業者には、本明細書で提供する開示に基づき、化合物Aの形態1および形態2それぞれが、様々に組み合わされたいくつかの異なるスペクトルピークまたはパターンによって、一意的に特定されうることが理解される。以下に記載するのは、化合物Aの形態1と形態2を分けて特定するのに使用することのできる特徴的なピーク値の例示的な組合せであるが、こうした例示的な組合せは、決して、本明細書で開示する他のピーク値の組合せを制限するとみなされるべきでない。
化合物Aの形態2における3つの水分子の存在を確認するために、室温においてBruker D8 Venture回折計を使用してデータを収集した。図9を参照されたい。単斜晶クラス空間群P21/cにおいてSHELXソフトウェアスイートを使用する固有位相決定によって構造を解明した(バージョン5.1、BrukerAXS、1997)。引き続いて、完全行列最小二乗法によって構造を精密化した。異方性変位パラメーターを使用して、すべての非水素原子を見出し、精密化した。
差フーリエマップから窒素および酸素上に位置する水素原子を見出し、距離に制約をかけた状態で精密化した。残りの水素原子を計算された位置に置き、その担体原子上に乗るようにした。
最終R指数は、7.2%であった。最終差フーリエによって、見つかっていないまたは置き違えられた電子密度は存在しないことが明らかになった。
表8に、化合物Aの形態2について収集されたデータを示す。
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の結晶性の2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール塩。この結晶性塩を、一般に、化合物Aのトリス塩と呼ぶ。
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸対塩の比が1:1である、化合物Aの結晶性トリス塩。
結晶性の塩が無水結晶性塩である、化合物Aの結晶性トリス塩。
前記無水結晶性塩が、9.6、10.7、および11.3 2θ±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターンを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
前記無水結晶性塩が、1511、1561、および1615cm−1±2cm−1にピークシフトを含むラマンスペクトルを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
前記無水結晶性塩が、22.9、146.2、および161.9ppm±0.2ppmに化学シフトを含む13CssNMRスペクトルを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
前記無水結晶性塩が、1511および1615cm−1±2cm−1にピークシフトを含むラマンスペクトル、ならびに22.9、146.2、または161.9ppm±0.2ppmに少なくとも1つの化学シフトを含む13CssNMRスペクトルからなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
前記無水結晶性塩が実質的に純粋である、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
結晶性塩が三水和物結晶性塩である、化合物Aの結晶性トリス塩。
前記三水和物結晶性塩が、8.4、9.0、および10.5 2θ±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターンを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
前記三水和物結晶性塩が、1507、1557、および1610cm−1±2cm−1にピークシフトを含むラマンスペクトルを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
前記三水和物結晶性塩が、19.2、149.5、および163.8ppm±0.2ppmに化学シフトを含む13CssNMRスペクトルを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
8.4および9.0 2θ±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターン、
1557および1610cm−1±2cm−1にピークシフトを含むラマンスペクトル、および
19.2、149.5、または163.8ppm±0.2ppmに少なくとも1つの化学シフトを含む13CssNMRスペクトル
からなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
8.4および9.0 2θ±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターン、ならびに1507、1557、または1610cm−1±2cm−1に少なくとも1つのピークシフトを含むラマンスペクトルからなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
8.4および9.0 2θ±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターン、ならびに19.2、149.5、または163.8ppm±0.2ppmに少なくとも1つの化学シフトを含む13CssNMRスペクトルからなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
薬理学的データ
以下のプロトコールは、当然のことながら、当業者によって変更されてもよい。
無作為化媒体対照、8並行群間研究を雄Sprague−Dawleyラット(Charles River(マサチューセッツ州ボストン))において実施して、循環および肝臓TGレベルを取得した。96匹のラット(約200g)の収容には標準の実験室条件を使用し、ラットは、2匹で収容し、12:12時間の逆の明暗スケジュール(午前8:00に消灯)下に置いた。到着後、ラットを固形飼料または西洋食群および投与群に無作為化し、研究開始前に、標準ラット固形飼料または西洋食のいずれかに向けて14日の導入期間を与えた。標準実験室用げっ歯類固形飼料食である5053は、LabDiet(PMI、ミズーリ州セントルイス)製であった。西洋食であるD12079Biは、Research Diets(ニュージャージー州ニューブランズウィック)製であった。
これらの研究では、脱イオン水中に0.5%(wt/体積)のメチルセルロース(MC、Sigma Aldrich;274429)が整えられるように媒体を調製した。化合物A(トリス塩から調製した)または化合物Dいずれかを含む保存溶液を、10mlの溶液によって所望のmg/kg投与量(使用したラットの平均重量は約200gであった)が送達されるような濃度が得られるように、それぞれの化合物を用いて調製した。
研究1日目から、媒体対照(脱イオン水中に0.5%のMC(wt/体積%))、低もしくは高用量の化合物A(それぞれ、1mg/kgまたは10mg/kgを1日1回)、低もしくは高用量の化合物D(それぞれ、5mg/kgまたは30mg/kgを1日2回)、または低用量の共投与(1mg/kgを1日1回での化合物Aと5mg/kgを1日2回での化合物D)、または高用量の共投与(10mg/kgを1日1回での化合物Aと30mg/kgを1日2回での化合物D)のいずれかを、ラットに経口投与した(10mL/kg)。
給餌血漿分析物:給餌血漿TG濃度を決定するための血液を、投与から2時間(暗サイクルに向かう2時間)後に、側方尾静脈から採取し、エチレンジアミン四酢酸二カリウム(K2EDTA)でコーティングされたBD Microtainerチューブ(PN365974)に移し、4℃で遠心分離した。次いで、得られた血漿サンプルを、Siemens ChemistryXPT臨床分析装置(ペンシルヴェニア州Malven)において、Siemensトリグリセリド_2アッセイ試薬(ref10335892)を使用して分析した。
絶食時血漿分析物:絶食時血漿TGを決定するための血液を、4時間の絶食後、投与から2時間(暗サイクルに向かう2時間)後に、側方尾静脈から採取し、K2EDTAでコーティングされたBD Microtainerチューブ(PN365974)に移し、4℃で遠心分離した。次いで、得られた血漿サンプルを、Siemens ChemistryXPT臨床分析装置(ペンシルヴェニア州Malven)において、Siemensトリグリセリド2アッセイ試薬(ref10335892)を使用して分析した。
研究最終日(28日目)には、4時間の絶食後、投与から2時間後に、組織採取のためにラットを屠殺した。投与から2時間後、血漿分析物を判定するための血液を、側方尾静脈から採取し、次いで、動物をCO2窒息によって屠殺した。血液をK2EDTAでコーティングされたBD Microtainerチューブ(PN365974)に移し、4℃で遠心分離し、血漿を96ウェルマイクロタイタープレートに移し、−20℃で保管した。肝臓を速やかに取り出し、液体N2中で予め冷却したWollenbergクランプでフリーズクランプし、アルミニウム箔で個々に包み、その後−80℃で保管した。
組織粉末化:凍結した肝臓を、液体N2中で冷却したアルミニウムブロック上で速やかに粉末化し、粉末化の間終始、組織が確実に凍結したままとなるようにした。粉末化された組織を7mLのポリプロピレンコニカルチューブに移し、分析まで−80℃で保管した。
肝臓トリグリセリドの抽出:粉末化された組織およそ50〜100mgを、800μLの氷冷1:1 CHCl3:MEOHを含有する2mLのlysing matrixDチューブ(MP Bio)に加えた。Qiagen Tissue LyserII(Qiagenカタログ番号85300)を30Hzで4分間使用して、サンプルを直ちに4℃で抽出した。次いで、ホモジネートを13×100mmのガラス管に移し、氷上に置いた。次いで、溶解チューブを800μLの1:1 CHCl3:MeOHですすぎ、30秒間ボルテックス撹拌し、13×100mmのガラス管に加えた。氷上に置いたまま、2.4mlの100%CHCl3をすべてのガラスバイアルに加えて、CHCl3:MeOHの比を4:2とした。次いで、サンプルを終夜−20℃の冷凍庫に入れた。翌日、1.75mLの1M KCl H2Oを加えて、比を4:2:1.75のCHCl3:MeOH:H2O比とした。次いで、サンプルを30秒間ボルテックス撹拌し、4℃において1500rpmで15分間遠心分離した。遠心分離後、有機相を新たな13×100mm抽出チューブに移し、N2中にて37℃で十分に乾燥させ、750μLのCHCl3に再懸濁した。アミノプロピル固相抽出(SPE)カートリッジ(Watersカタログ番号054560、6mL、500mg)を湿らせ、5mLのヘキサンで洗浄した。洗浄後、200μLのサンプルCHCl3抽出物をカートリッジにかけ、カラムを乾燥させずに真空除去した。次いで、中性脂質を5mlの2:1 CHCl3:イソプロパノール/50μMブチル化ヒドロキシトルエンで溶離させた。次いで、サンプルをN2中において37℃で十分に乾燥させ、1.75mlの98:2 イソオクタン:イソプロパノールで再懸濁した。サンプルを0.2μMのシリンジフィルターを通して濾過した後、HPLC Cyanopropyカラム(粒径3.5μM−4.6×150mmカラム Agilent Zorbax Eclipse XBD−CN)に注入した。実施方法は、溶媒A(1000:1:2、イソオクタン:イソプロパノール:酢酸)および溶媒B(50:50 イソプロパノール:メチルtert−ブチルエーテル)を使用して、27分の実施時間で4μLの注入とした。0〜3分は、溶媒組成を100%の溶媒Aで維持した。3〜8分は、溶媒組成を100%の溶媒Aから95%の溶媒Aおよび5%の溶媒Bに変化させた。8〜18分は、溶媒組成を50:50の比に変化させた。18〜19分は、溶媒組成を元どおり100%の溶媒Aに変化させ、19〜27分をこの組成で維持した。
治療群毎にプールしてあった、粉末化された肝臓サンプルの一部分から、標準の方法を使用する超遠心分離によって、核および膜分画を調製した。核抽出物および膜分画からのサンプルを、ウエスタンブロッティングによってSREBP1について分析した。カルネキシンについてのウエスタンブロットを膜分画用のマーカーとして、アクチンを全サンプルローディングのマーカーとして、およびヒストン2Bを核分画用のマーカーとして使用した。核SREBP1レベルを、相対単位を使用して定量化し、核分画およびゲルローディングの際のサンプル損失について照らし合わせるために、ヒストン2Bに対して正規化した。
粉末化された肝臓の別の部分を加工処理し、脂質生成遺伝子発現について分析した。ACC1、FASN、SCD1、PCSK9、およびSREBP−1cに対するRat taqmanプローブを、すべて、qPCRにおけるハウスキーピング遺伝子としてActbを使用してアセスメントした。
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物D)または薬学的に許容できるその塩を、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(化合物A)または薬学的に許容できるその塩と組み合わせて投与した結果、血漿(図10、11)および肝臓TG(図18)レベルが、化合物Aを単剤療法として投与した場合の血漿および肝臓TGレベルに比べて有意に低下した。
西洋食の給餌では、給餌状況下の血漿TGが、固形飼料給餌ラットに比べて2.2倍増加した(図10)。化合物Aだけ(単剤療法)の低用量(1mg/kgを1日1回)または高用量(10mg/kgを1日1回)の経口投与によって、給餌状況下での血漿TGが、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、それぞれ、1.7倍および1.3倍増加する結果となった。逆に、化合物Dだけ(単剤療法)の低用量(5mg/kgを1日2回)または高用量(30mg/kgを1日2回)の経口投与では、給餌状況下での血漿TGが、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、それぞれ、55%および63%低減した。化合物Aと化合物Dとを共投与した結果、化合物Aが媒介する給餌状況下での血漿TGの増加が完全に阻止された。低用量または高用量での化合物Aと化合物Dとの経口共投与によって、給餌状況下での血漿TGレベルが、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、37%および64%低減された。
西洋食の給餌では、絶食時血漿TGが、固形飼料給餌ラットに比べて1.6倍増加した(図11)。単剤療法としての化合物Aの低および高用量の経口投与によって、絶食時血漿TGが、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、それぞれ、2.4倍および1.7倍増加する結果となった。逆に、単剤療法としての化合物Dの低および高用量の経口投与では、絶食時血漿TGが、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、それぞれ、20%および35%低減した。化合物Aと化合物Dとを経口共投与した結果、それぞれの低用量でも、それぞれの高用量でも、化合物Aだけを投与したときに認められた、化合物Aが媒介する絶食時血漿TGの増加が完全に弱められた。共投与された化合物Aおよび化合物Dの低用量群(109mg/dl)および高用量群(81mg/dl)両方についての絶食時血漿TGレベルは、媒体が投与された西洋食給餌ラット(96mg/dl)と同様であった。
媒体、高用量化合物A単剤療法、高用量化合物D単剤療法が投与された、または高用量の化合物Aと高用量の化合物Dが共投与された西洋食給餌ラットからのサンプルにおいて、核のSREBP−1局在化を比較した(図12)。媒体処置西洋食給餌ラットと比較して、化合物Aの投与は、SREBP−1活性化の増大を示唆するSREBP−1の核局在化を増加させた。逆に、化合物Dの投与は、SREBP−1核局在化およびSREBP−1活性化を低減させた。化合物Aと化合物Dとの共投与によって、化合物Aが媒介する核のSREBP−1局在化の増加が阻止され、化合物Aだけの単剤療法に比べて50%の減少が生じた。
固形飼料給餌媒体処置ラットと比較して、西洋食が給餌され、媒体で処置された動物は、脂質生成遺伝子:ACC1(図13)、FASN(図14)、SCD1(図15)、およびSREBP1(図16)の発現の増加を示す傾向があったが、PCSK9(図17)についてはそうでなく、西洋食給餌ラットの方が低かった。化合物Aの投与は、西洋食が給餌され、媒体で処置された動物に比べて、ACC1、FASN(化合物A高用量のみ)、SCDの発現をさらに増加させる傾向があったが、PCSK9およびSREBP1についてはそうでなかった。逆に、化合物Dの投与は、脂質生成遺伝子すべての発現を減少させた。化合物Aと化合物Dとが共投与された結果、発現レベルは、媒体で処置された西洋食給餌ラットにおいて認められた発現レベルと互角またはそれよりも低くなった。
媒体が投与された西洋食給餌ラットは、固形飼料給餌ラットと比較して、肝臓トリグリセリド蓄積の約2.7倍の増加を示した(図18)。低用量および高用量の化合物Aの経口投与によって、媒体が投与された西洋食給餌ラットを基準として、脂肪変性のそれぞれ36%および53%の低減が生じた。同様に、低用量および高用量の化合物Dの経口投与によっても、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、脂肪変性が、それぞれ、25%および30%低減した。低または高どちらの用量の化合物Aと化合物Dとの経口共投与でも、脂肪変性は、媒体が投与された西洋食給餌ラットに比べて、それぞれ、50%および73%減少した。化合物Aと化合物Dとの低用量または高用量どちらの組合せの経口投与でも、単剤療法としての化合物Aまたは化合物Dどちらかの同じ用量レベルでの投与で認められたものより大幅な脂肪変性の低減が生じた。
無作為化媒体対照、5並行群間研究を、コリン欠乏高脂肪食(CDAHFD)(Research diets、A16092003)を給餌した雄Wistar−Hanラット(Charles River(マサチューセッツ州ボストン))において実施して、化合物Aまたは化合物Dを単剤療法として単独で、または組み合わせて投与した場合の、肝臓炎症および線維化のマーカーの改善の違いを特定した。60匹のラット(約200g)の収容には標準の実験室条件を使用し、ラットは、2匹で収容し、12:12時間の逆の明暗スケジュール(午前8:00に消灯)下に置いた。研究開始の6週間前から、ラットにコリン欠乏高脂肪食(CDAHFD)を給餌した。4つの投与群(n=12/群)に無作為化したラットに、媒体の投与、化合物A(5mg/kg)単剤療法、化合物D(30mg/kg)単剤療法、または化合物A(5mg/kg)と化合物D(30mg/kg)との共投与を1日2回6週間にわたって施した。研究の間終始通常固形飼料のままである動物および媒体が1日2回投与される動物(n=12)を対照群として使用した。循環マーカーをアセスメントするために、化合物投与を開始する前、ならびに化合物投与から3および6週間後に、血液サンプルを集めた。−3週目、0週目(初回の投与より前)、3週目、および6週目に、Shearwaveエラストグラフィー(Aixplorer Ultimate画像装置、Supersoinc imagine)測定を行って、炎症および線維化の進行を経時的にアセスメントした。CDAHFDになって12週間に相当する、薬物投与から6週間後に、組織学をアセスメントした。結果を、各投与群毎の動物の平均として示す。
CDAHFDになって12週経過後に、動物をCO2窒息によって屠殺した。肝臓の右外側、内側、および左外側葉を収穫した。左外側、右内側、および右外側葉から切片を取り、ホルマリン固定し、動物毎のパラフィンブロックに加工処理した。動物毎に1片の左外側葉を最適切断温度(OCT)化合物中に凍結保存した。各動物からの肝臓の残りは、凍結させ、液体N2中で冷却したアルミニウムブロック上で速やかに粉末化し、粉末化の間終始、組織が確実に凍結したままとなるようにした。粉末化された組織を移し、分析まで−80℃で保管した。各動物からの粉末化されたサンプルの一部分を加工処理し、線維形成の遺伝子発現マーカーについて分析した。αSMAおよびCOL1A1対するRat taqmanプローブを、すべて、qPCRにおけるハウスキーピング遺伝子としてActbを使用してアセスメントした。
次の評価項目を正式な獣医病理学者による定性的な組織評価および定量的な組織形態計測によって評価した:肝星細胞活性化および筋線維芽細胞への分化(αSMA免疫組織化学(IHC)による)、線維化の相関物としてのコラーゲン(ピクロシリウスレッド染色による)。画像は、Visiopharmソフトウェアを使用して解析した。閾値パラメーターが組み込まれたVisiopharmアプリケーションを均等に適用して、組織切片を特定し、各IHC(DAB(3,3’−ジアミノベンジジン)陽性)または組織化学染色スライド上のターゲットを、面積パーセント:当該染色面積/合計組織ROI−余白)×100%として定量化した。この研究からのデータを、ノンパラメトリック統計学を使用して分析した。群の値を、平均+/−平均の標準誤差として報告した。
CDAHFDが与えられ、媒体が投与された動物は、固形飼料食が給餌され、媒体が投与された対照動物と比較して、進行性の肝臓炎症および線維化を示唆する、肝臓の硬さ(shearwaveエラストグラフィー(SWE)を使用してアセスメント、キロパスカル(kPa)で測定)の研究期間にわたって顕著な増大を示した(図19)。単剤療法としての化合物Aまたは化合物Dそれぞれの投与によって、肝臓の硬さが低減され、肝臓炎症および/または線維化の低減が示唆された。化合物Aと化合物Dとの共投与では、肝臓の硬さが、単剤療法としてのいずれかの薬剤より大幅に低減された(図19)。
CDAHFDが与えられ、媒体が投与された動物は、固形飼料食が給餌され、媒体が投与された対照動物と比較して、筋線維芽細胞活性化および線維形成を示唆する、肝臓アルファ平滑筋アクチン(αSMA)染色の顕著な増加を示した(図20)。単剤療法としての化合物Aまたは化合物Dそれぞれの投与によって、αSMA染色が、それぞれ、41%および23%低減し、肝臓筋線維芽細胞活性化および線維形成の低減が示唆された。化合物Aと化合物Dとの共投与では、染色が72%低減し、αSMA染色が、単剤療法としてのいずれかの薬剤より大幅に低減した(図20)。
CDAHFDが与えられ、媒体が投与された動物は、固形飼料食が給餌され、媒体が投与された対照動物と比較して、コラーゲン沈着および線維化を示唆する、ピクロシリウスレッド(PSR)染色の顕著な増加を示した(図21)。単剤療法としての化合物Aまたは化合物Dそれぞれの投与によって、PSR染色が、それぞれ、26%および20%低減し、コラーゲン沈着および線維化の低減が示唆された。化合物Aと化合物Dとの共投与では、染色が56%減少し、PSR染色が、単剤療法としてのいずれかの薬剤より大幅に減少した(図21)。
CDAHFDが与えられ、媒体が投与された動物は、固形飼料食が給餌され、媒体が投与された対照動物と比較して、肝臓マクロファージ活性化を示唆する、イオン化カルシウム結合性アダプター分子1(Iba1)染色の顕著な増加を示した(図24)。単剤療法としての化合物Aの投与によって、Iba1染色が15%低減し、肝臓炎症傾向の低減が示唆された。単剤療法としてのDを投与してもIba1染色は変化しなかったが、AとDとの共投与では、染色が33%減少し、Iba1染色が、単剤療法として投与された化合物Aより大幅に低減した(図24)。
CDAHFDが与えられ、媒体が投与された動物は、固形飼料食が給餌され、媒体が投与された対照動物と比較して、筋線維芽細胞活性化および線維形成を示唆する、肝臓アルファ平滑筋アクチン(αSMA)(図22)およびコラーゲンA1A(COL1A1)(図23)遺伝子発現の顕著な増加を示した。単剤療法としての化合物Aまたは化合物Dそれぞれの投与によって、肝臓αSMAおよびCOL1A1遺伝子発現が低減し、肝臓筋線維芽細胞活性化および線維形成の低減が示唆された。化合物Aと化合物Dとの共投与では、肝臓αSMA(図22)およびCOL1A1(図23)遺伝子発現が、単剤療法としてのいずれかの薬剤より大幅に低減した。
本出願全体を通して、種々の公表文献が参照されている。そうした公表文献のその全体としての開示は、ここにすべての目的で参照により本出願に組み込まれる。
当業者には、本発明の範囲および真意から逸脱することなく、本発明において種々の改変および変更がなされてもよいことは言うまでもない。本発明の他の実施形態は、本明細書を検討し、本明細書で開示する本発明を実施することで、当業者に明らかとなる。本明細書および実施例は、例示的としかみなされず、本発明の正当な範囲および真意は、以下の特許請求の範囲によって示されるものとする。