JP2021528505A - 賦香成分としてのシクロヘキセンプロパナール誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)のその立体異性体、位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形である、化合物に関する。式(I)の化合物のフローラルタイプの賦香成分としての使用および本発明の化合物の賦香組成物または賦香消費者製品の一部としての使用も本発明の一部である。

Description

発明の属する技術分野
本発明は、香料の分野に関する。より具体的には、本発明は、以下に定義される式(I)の化合物の賦香成分としての使用に関し、これらの化合物は、フローラルタイプの特に有用な賦香成分である。さらに、本発明は、式(I)の化合物を含む賦香組成物または着香消費者製品に関する。
背景
香料産業の主要な成分の1つは、フローラルの印象、特にスズランの匂いを付与するものである。上記のノートは、非常に高く評価されており、多くの着香消費者製品で使用されている。Lilial(登録商標)(2−メチル−3−[4−(2−メチル−2−プロパニル)フェニル]プロパナール、Givaudan−Roure SA、ヴェルニエ、スイスの商標)およびLyral(登録商標)(4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド;製造元International Flavors & Fragrances、米国)は、双方ともこの目的で使用される一般的な成分である。Lilial(登録商標)は、ウォータリーのコノテーションを有するスズランの匂いを保持しており、一方で、Lyral(登録商標)は、Lilial(登録商標)のノートとは完全に異なるフローラルで、スズランの、ヒドロキシシトロネラールの匂いのノートを付与する。しかしながら、双方の成分は、さまざまな理由により制限されている。
そのため、フローラル、特にスズランのノートを付与する新規な賦香成分を開発する必要が常にある。
式(I)の化合物の1つの関連する構造類似体は、心地よくて十分にバランスのとれたフローラルの、スズランの、ヒドロキシシトロネラールの匂いのノートと、非常によく知られている成分の1つであるLyral(登録商標)を強く想起させる全体的な嗅覚特性とを有することによって特徴付けられた賦香成分として、国際公開第2017009175号に報告されている。3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールである上記の類似体は、芳香族フェニル部分、すなわち本発明の化合物とは異なる化学構造を有する。
従来技術の文献は、式(I)の化合物を報告しておらず、このような式(I)の化合物の官能特性、または香料の分野における上記化合物の使用も示唆していない。
発明の概要
本発明は、フローラルタイプの匂い、特に香料において非常に高く評価されているスズラン(ミュゲ(muguet)とも呼ばれる)の匂いを付与する式(I)の化合物に関する。
本発明の第1の対象は、以下の式
Figure 2021528505
のその立体異性体、位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形である、化合物である。
本発明の第2の対象は、賦香組成物または着香物品の匂い特性を付与、増強、改善または変更する方法であって、上記組成物または物品に、有効量の、上記で定義された少なくとも1種の式(I)の化合物を添加することを含む、方法である。
本発明の第3の対象は、上記で定義された式(I)の化合物の芳香成分としての使用である。
本発明の別の対象は、
i)上記で定義された少なくとも1種の式(I)の化合物;
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
iii)任意で少なくとも1種の香料補助剤
を含む、賦香組成物である。
本発明の最後の対象は、上記で定義された式(I)の少なくとも1種の化合物または組成物を含む着香消費者製品である。
発明の説明
驚くべきことに、式(I)の化合物が、フローラルの、スズランおよびライラックの匂いを呈し、かつ賦香組成物に、特に評価されるフローラル−グリーンで、バラでかつオゾンのノートを付与することがここで発見された。
本発明の第1の対象は、以下の式
Figure 2021528505
の、その立体異性体、位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物である。上記化合物は、フローラルの、スズランおよびライラックの匂いを呈する賦香成分として使用され得る。上記化合物は、例えば、フローラル−グリーンで、バラでかつオゾンのノートを付与するための賦香成分としても使用され得る。
明確にするために、「その立体異性体、位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物」という表現は、本発明の化合物が「その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物」および/または「その位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物」にあり得ることを意味する。
明確にするために、「その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物」という表現、または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、本発明の化合物が純粋な鏡像異性体、鏡像異性体の混合物またはラセミ体であり得ることを意味する。
明確にするために、「その位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物」という表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、オレフィン二重結合に結合したプロパナール部分が、式(I)の化合物の示されたオレフィン性二重結合の炭素のいずれか1つで置換され得ることを意味する。
上記の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の化合物は、以下の式
Figure 2021528505
の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形である。
換言すれば、本発明の上記の実施形態のいずれか1つによれば、式(I)の化合物は、3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールから選択され得る。
本発明の化合物の特定の例としては、非限定的な例として、よりフローラル−グリーンで、バラでかつオゾンの官能的な印象を有する3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールを挙げることができる。
本発明の化合物の匂いを従来技術の化合物3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールの匂いと比較する場合、本発明の化合物は、フローラルの、スズランおよびライラックの匂いを有するだけでなく、賦香組成物に、よりフローラル−グリーンで、バラでかつオゾンの官能的な印象も付与する。本発明の化合物は、従来技術の化合物とは対照的に、グリーンでかつバラのノートと非常によく調和する。
本発明の上記の実施形態のいずれか1つによれば、式(I)の化合物は、式(I)の化合物の位置異性体の混合物、特に
Figure 2021528505
の混合物であり得る。
本発明の特定の実施形態によれば、位置異性体の混合物は、
Figure 2021528505
の90〜50:10〜50、より好ましくは80〜60:20〜40、さらにより好ましくは75〜65:25〜35の重量比で使用される。
上記のように、本発明は、式(I)の化合物の賦香成分としての使用に関する。換言すれば、本発明は、賦香組成物または着香された物品または表面の匂い特性を付与、増強、改善または変更する方法またはプロセスに関し、その方法は、上記組成物または物品に、有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物を添加して、例えば、その典型的なノートを付与することを含む。最終的な快楽効果は、正確な使用量および本発明の化合物の官能特性に依存し得るが、本発明の化合物を添加すると、その典型的な感触が、使用量に応じたノート、感触または様相の形で最終的な製品に付与されることになることが理解されたい。
「式(I)の化合物の使用」とは、本明細書では、式(I)の化合物を含み、かつ香料産業で有利に使用され得る組成物の使用であることも理解されなければならない。
実際に賦香成分として有利に使用され得る上記の組成物もまた、本発明の対象である。
したがって、本発明の別の対象は、
i)賦香成分として、上記で定義された少なくとも1種の本発明の化合物;
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
iii)任意で、少なくとも1種の香料補助剤
を含む賦香組成物である。
「香料担体」とは、本明細書では、香料の観点から実質的に中立である、すなわち、賦香成分の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。上記の担体は、液体または固体であり得る。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、または香料で一般的に使用される溶媒を挙げることができる。香料で一般的に使用されている溶媒の性質および種類の詳細な説明は、網羅できない。しかしながら、非限定的な例として、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセテート、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノ、クエン酸トリエチルまたはこれらの混合物などの溶媒を挙げることができ、これらは最も一般的に使用されている。香料担体および香料ベースの双方を含む組成物の場合、先に指定したもの以外の他の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標Isopar(登録商標)(製造元:Exxon Chemical)またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば、商標Dowanol(登録商標)(製造元:Dow Chemical Company)で知られているもの、または硬化ヒマシ油、例えば、商標Cremophor(登録商標)RH40(製造元:BASF)で知られているものであってもよい。
固体担体は、賦香組成物または賦香組成物のいくつかの要素が化学的または物理的に結合され得る材料を示すことを意味する。一般に、このような固体担体は、組成物を安定化させるために、または組成物もしくはいくつかの成分の蒸発速度を制御するために利用されている。固体担体の使用は、当該技術分野で現在使用されており、当業者は、いかにして所望の効果に到達するかを知っている。しかしながら、固体担体の非限定的な例として、吸収性ガムもしくはポリマーまたは無機材料、例えば、多孔性ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルクまたはゼオライトを挙げることができる。
固体担体の他の非限定的な例として、カプセル化材料を挙げることができる。かかる材料の例は、壁形成および可塑化材料、例えば、単糖類、二糖類または三糖類、天然または加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またはさらに参考文献、例えば、H. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996年で引用されている材料を含み得る。カプセル化は、当業者によく知られているプロセスであり、例えば、噴霧乾燥、凝集またはさらに押し出しなどの技術を使用することによって実施することができるか;またはコアセルベーションおよび複雑なコアセルベーション技術を含むコーティングのカプセル化で構成されている。
固体担体の非限定的な例として、特に、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアまたはポリウレタンタイプの樹脂、またはそれらの混合物(上記の樹脂のすべてが当業者によく知られている)を有するコア−シェルカプセルを挙げることができ、これらのコア−シェルカプセルは、重合、界面重合、コアセルベーションまたはこれらの全て(上記の技術のすべてが従来技術に記載されている)によって誘導される相分離プロセスのような技術を、任意で重合性安定剤またはカチオン性コポリマーの存在下で使用している。
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、アミン、例えば、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾールなど、ならびにそれらの混合物との重縮合によって製造され得る。代替的に、予め形成された樹脂アルキル化ポリアミン、例えば、Urac(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Urecol(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(製造元:BASF)の商標で市販されているものが使用されてもよい。
他の樹脂の1つは、グリセロールのようなポリオール、およびヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの三量体またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットまたはキシリレンジイソシアネートの三量体のようなポリイソシアネートと、トリメチロールプロパン(Takenate(登録商標)の商品名で知られている、製造元:三井化学)との重縮合によって生成されたもの、中でもキシリレンジイソシアネートの三量体およびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットと、トリメチロールプロパンとの重縮合によって生成されたものである。
アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関連したいくつかの影響力のある文献には、K. Dietrichら、Acta Polymerica, 1989年, 第40巻, 第243頁, 325頁および683頁、および1990年, 第41巻, 第91頁によって発表された論文で表されるものが含まれる。このような論文には、従来技術の方法に従うかかるコア−シェルマイクロカプセルの調製に影響を与える様々なパラメーターが既に記載されており、これらもまた、特許文献においてさらに詳細に例示される。Wiggins Teape Group Limitedによる米国特許第4’396’670号明細書は、後者の適切な初期の例である。それ以来、他の多くの著者がこの分野の文献を充実させており、ここで公開されたすべての開発をカバーすることは困難であろうが、カプセル化技術の一般的な知識は非常に重要である。このようなマイクロカプセルの適切な用途を開示する、より最近の適切な刊行物は、例えば、H. Y. Leeらの論文、Journal of Microencapsulation、2002年、第19巻、559〜569頁、国際特許刊行物の国際公開第01/41915号またはさらにS. Boneらの論文、Chimia、2011年、第65巻、177〜181頁で表されている。
「香料ベース」とは、本明細書で意味するところは、少なくとも1種の賦香補助成分を含む組成物である。
上記の賦香補助成分は、式(I)のものではない。さらに、「賦香補助成分」とは、本明細書では、快楽効果を付与するために賦香調製物または組成物で使用される化合物を意味する。換言すれば、このような補助成分は、賦香するものであると見なされるために、単に匂いを有するものとしてだけではなく、組成物の匂いを肯定的または快適な方法で付与または変更できるものとして当業者に認識されなければならない。
ベース中に存在する賦香補助成分の性質および種類は、本明細書でより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅されないであろうが、当業者は一般的な知識に基づいて、意図された使用または用途および所望の感覚刺激効果に従ってそれらを選択することができる。概括的に言えば、これらの賦香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、含窒素または含硫黄複素環式化合物および精油などのさまざまな化学クラスに属し、上記の賦香補助成分は、天然由来または合成由来であり得る。
特に、以下のような香料配合物で一般的に使用されている賦香補助成分を挙げることができる:
− アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、10−ウンデセナール、オクタナール、および/またはノネナール;
− 芳香性ハーブ成分:ユーカリオイル、樟脳、ユーカリプトール、メントール、および/またはアルファ−ピネン;
− バルサミコ成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
− シトラス成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジオイル、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1−P−メンテン−8−イルアセテートおよび/または1,4(8)−P−メンタジエン;
− フローラル成分:ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、ベータイオノン、メチル2−(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、サリチル酸ヘキシル、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、酢酸ベルジル、ゲラニオール、P−メンタ−1−エン−8−オール、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、1,1−ジメチル−2−フェニルエチルアセテート、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、サリチル酸アミル、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、プロピオン酸ベルジル、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、シス−7−P−メンタノール、プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2−メトキシナフタレン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエチルアセテート、4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、4−フェニル−2−ブタノン、イソノニルアセテート、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、ベルジルイソブチレートおよび/またはメチルイオノン異性体の混合物;
− フルーティー成分:ガンマウンデカラクトン、4−デカノリド、エチル2−メチルペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル2−メチルブタノエート、ガンマノナラクトン、アリルヘプタノエート、2−フェノキシエチルイソブチレート、エチル2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテートおよび/またはジエチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート;
− グリーン成分:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、酢酸スチラリル、アリル(2−メチルブトキシ)アセテート、4−メチル−3−デセン−5−オール、ジフェニルエーテル、(Z)−3−ヘキセン−1−オールおよび/または1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;
− ムスク成分:1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート、ペンタデカノリドおよび/または(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
− ウッディ成分:1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン画分、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、メチルセドリルケトン、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/または酢酸イソボルニル;
− 他の成分(例えば、アンバー、パウダリースパイシーまたはウォータリー):ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、クローブ油、3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールおよび/または3−(3−イソプロピル−1−フェニル)ブタナール。
本発明による香料ベースは、上記の賦香補助成分に限定されるものではなく、これらの補助成分の他の多くは、いずれの場合も、S. Arctanderによる著作, Perfume and Flavor Chemicals, 1969年, モントクレア, ニュージャージー州, 米国などの参考文献、またはその最新版、または同様の性質の他の論文、ならびに香料の分野の豊富な特許文献に列挙されている。また、上記の補助成分が、制御された方法で様々な種類の賦香化合物を放出することが知られている化合物でもあり得ることも理解されている。
「香料補助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性などのさらに追加される利点を与えることができる成分を意味する。賦香組成物で一般的に使用されている補助剤の性質および種類の詳細な説明は、網羅できないが、上記の成分は当業者によく知られていることは言及されなければならない。特定の非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:粘性剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤)、安定化剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光および/または緩衝剤またはキレート剤、例えば、BHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、防腐剤(例えば、殺菌剤または抗菌剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン剤、およびそれらの混合物。
当業者は、賦香組成物の上記の成分を混合することによって、単に当該技術の標準知識を適用することによって、ならびに試行錯誤の方法論によって、所望の効果のための最適な配合物を完全に設計できることが理解されている。
式(I)の少なくとも1種の化合物および少なくとも1種の香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態、ならびに式(I)の少なくとも1種の化合物、少なくとも1種の香料担体、少なくとも1種の香料ベース、および任意で少なくとも1種の香料補助剤を含む賦香組成物からなる。
特定の実施形態によれば、上記の組成物は、式(I)の1種を上回る化合物を含み、上記の組成物によって香料製造者は、本発明の様々な化合物の匂いの調性を有するアコードまたは香料を調製し、したがって、創造目的のための新しいビルディングブロックを作り出すことができる。
明確にするために、化学合成から直接生じる混合物、例えば、本発明の化合物が出発物、中間体または最終生成物として含まれるであろう十分に精製されていない反応媒体は、上記の混合物が本発明の化合物を香料に適した形で供給しない限り、本発明による賦香組成物と見なすことができないことも理解されている。したがって、特に明記しない限り、未精製の反応混合物は、概して本発明から除外される。
また、本発明の化合物は、現代香料、すなわち微細香料または機能香料のすべての分野において、上記の式(I)の化合物が添加される消費者製品の匂いを積極的に付与または変更するために有利に使用することもできる。したがって、本発明の別の対象は、賦香成分として、上記で定義された少なくとも1種の式(I)の化合物を含む着香消費者製品からなる。
本発明の化合物は、それ自体として、または本発明の賦香組成物の一部として添加され得る。
明確にするために、「着香消費者製品」は、それが適用される表面または空間(例えば、皮膚、髪、テキスタイル、または家庭の表面)に少なくとも心地よい賦香効果をもたらす消費者製品を指すことを意味する。換言すれば、本発明による着香消費者製品は、機能的配合物、ならびに任意で所望の消費者製品に対応する追加の有益剤、および嗅覚的有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を含む着香消費者製品である。明確にするために、上記の着香消費者製品は、非食用製品である。
着香消費者製品の成分の性質および種類は、本明細書でより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅されないであろうが、当業者は一般的な知識に基づいて、上記の製品の性質および所望の効果に従ってそれらを選択することができる。
適切な着香消費者製品の非限定的な例は、香料、例えば、微細香料、スプラッシュまたはオードパルファム、コロンまたはシェーブローションまたはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば、液体または固体の洗剤、布地柔軟剤、液体または固体の香りブースター、ファブリックリフレッシャー、アイロン用水、ペーパー、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えば、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、カラーリング調製物またはヘアスプレー、カラーケア製品、整髪製品、デンタルケア製品)、殺菌剤、インティメイトケア製品;化粧品(例えば、スキンクリームまたはローション、バニシングクリームまたは脱臭剤または制汗剤(例えば、スプレーまたはロールオン)、脱毛剤、タンニング用製品または日焼け用製品もしくは日焼け後用製品(sun or after sun product)、ネイル製品、皮膚洗浄剤、メーキャップ);またはスキンケア製品(例えば、石鹸、シャワーまたはバスムース、オイルまたはジェル、または衛生製品またはフット/ハンドケア製品);エアケア製品、例えば、エアフレッシュナーまたは家庭空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴または車)および/または公共空間(ホール、ホテル、モール等)で使用され得る「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;またはホームケア製品、例えば、カビ取り剤、家具ケア製品(furnisher care product)、ワイプ、食器用洗剤または硬質表面(例えば、床、風呂、トイレまたは窓クリーニング)用洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば、研磨剤、ワックスまたはプラスチッククリーナーを含む。
上記の着香消費者製品のいくつかは、本発明の化合物に対して攻撃的な媒体となり得るため、例えばカプセル化によって、または酵素、光、熱もしくはpHの変化などの適切な外部刺激の際に本発明の成分を放出するのに適した別の化学物質に化学的に結合させることによって、本発明の化合物を早期の分解から保護する必要があり得る。
本発明による化合物を前述の様々な製品または組成物に組み込むことができる割合は、広範囲の値内で変動する。これらの値は、本発明による化合物が、当該技術分野で一般的に使用される賦香補助成分、溶媒または添加剤と混合される場合、着香されるべき物品の性質および所望の感覚刺激効果、ならびに所与の基剤中の補助成分の性質に依存する。
例えば、賦香組成物の場合、本発明の化合物の典型的な濃度は、本発明の化合物が組み込まれる組成物の重量を基準として、0.001重量%〜10重量%、またはそれ以上のオーダーである。着香消費者製品の場合、本発明の化合物の典型的な濃度は、本発明の化合物が組み込まれる消費者製品の総重量に対して、0.01重量%〜5重量%、またはそれ以上のオーダーである。
本発明の化合物は、以下に記載されるような方法に従って調製され得る。
実施例
本発明はここで、以下の実施例によりさらに詳細に説明されることになり、その際、略語は、当該技術分野における通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示され;NMRスペクトルは、(400MHz(H)および100MHz(13C)で動作するBruker Advance II Ultrashield 400 plusまたは(500MHz(H)および125MHz(13C)で動作するBruker Advance III 500 plusまたは(600MHz(H)および150MHz(13C)で動作するBruker Advance III 600凍結プローブのいずれかを用いて得られた。スペクトルは内部で参照され、化学シフトσはTMS0.0ppmに対してppmで示され、結合定数JはHzで表される。
3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールの調製
工程1:エチル4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボキシレート:
三塩化アルミニウム(3.33g、25ミリモル、0.1当量)の0℃のトルエン懸濁液(58mL)に、アクリル酸エチル(27.1mL、250ミリモル、1当量)を滴加し、続いてミルセン(47.3mL、275ミリモル、1.1当量)を滴加した。溶液をゆっくりと室温まで温め、室温で3日間撹拌し、次いで5%HCl溶液でクエンチした。水層を除去し、エーテルで抽出し、有機相を重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
工程2:(4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)メタノール:
水素化リチウムアルミニウム(9.47g、250ミリモル、1当量)の0℃のTHF懸濁液(400mL)に、エチル4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボキシレート(前の工程からの粗生成物、250ミリモル、1当量)のTHF溶液(100mL)を、温度を8℃未満に維持しながら、滴加した。0℃で1時間撹拌した後、反応を、順次、10mLの水、30mLの5%NaOH溶液および10mLの水でクエンチした。懸濁液を、溶離液としてエーテルを使用してセライトパッドで濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をバルブツーバルブ蒸留(0.15〜0.2ミリバール、130℃)で精製して、所望のアルコールを油として得た(45.5g、2段階で収率94%)。
Figure 2021528505
工程3:(4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)メチルメタンスルホネート:
(4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)メタノール(45.5g、234ミリモル、1当量)とトリエチルアミン(49.0mL、351ミリモル、1.5当量)との0℃のジクロロメタン溶液(468mL)に、塩化メタンスルホニル(21.9mL、281ミリモル、1.2当量)を滴加した。反応物を、室温で5分間撹拌してから、塩化アンモニウムの飽和溶液でクエンチした。これをエーテルで2回抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
工程4:4−(ブロモメチル)−1−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−1−エン:
(4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)メチルメタンスルホネート(前の工程からの粗生成物、234ミリモル、1当量)のTHF溶液(586mL)に、臭化テトラブチルアンモニウム(91g、281ミリモル、1.2当量)を加え、反応物を18時間還流した。溶媒を蒸発させ、エーテルを加え、有機相を水で2回、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をバルブツーバルブ蒸留(0.15〜0.2ミリバール、135℃)で精製して、所望の臭化物を油として得た(57.7g、2段階で収率96%)。
Figure 2021528505
工程5:2−メチル−1−(4−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロパン−2−オール:
マグネシウム削りくず(5.99g、246ミリモル、1.1当量)と2滴の1,2−ジブロモエタン(触媒量)とのTHF懸濁液(5mL)に、数滴の4−(ブロモメチル)−1−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−1−エンを加え、混合物を還流した。開始が観察された後、残りの4−(ブロモメチル)−1−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−1−エン(57.6g、224ミリモル、1当量)のTHF溶液(220mL)を、還流を維持しながら滴加した。添加が完了した後、20分程度加熱を続けた。反応物を室温に冷却し(部分的な沈殿が生じた)、温度を25℃未満に維持しながら、アセトン(24.7mL、336ミリモル、1.5当量)を滴加した。1時間撹拌した後、塩化アンモニウムの飽和溶液を加えた。反応物をエーテルで3回抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt93:7)およびバルブツーバルブ蒸留(0.17〜0.2ミリバール、125℃)で精製して、所望のアルコールを油として得た(16.6g、収率31%)。
Figure 2021528505
工程6:3−ブロモ−5−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2−メチルペンタン−2−オール:
2−メチル−1−(4−(4−(メチルペンタ−3−エン−1−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロパン−2−オール(15.4g、65ミリモル、1当量)の、0℃のTHF(354mL)および水(215mL)の溶液に、NBS(17.4g、98ミリモル、1.5当量)の同じ溶媒混合物の溶液(569mL)を滴加した。反応物を0℃で1時間撹拌し、AcOEtで2回抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
工程7:1−(4−(2−(3,3−ジメチルオキシラン−2−イル)エチル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール:
3−ブロモ−5−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2−メチルペンタン−2−オール(前の工程からの粗生成物、65ミリモル、1当量)のメタノール溶液(260mL)に、炭酸カリウム(8.99g、65ミリモル、1当量)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。これを水で希釈し、エーテルで2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt85:15〜7:3)で精製して、次の工程で直接使用される油を得た。
工程8:3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナール:
1−(4−(2−(3,3−ジメチルオキシラン−2−イル)エチル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(前の工程から、65ミリモル、1等量)の、0℃のTHF(300mL)および水(150mL)の溶液に、過ヨウ素酸(17.8g、78ミリモル、1.2等量)を少しずつ加えた。反応物をゆっくりと室温まで温め、室温で30分間撹拌した。水を加え、混合物をエーテルで2回抽出した。合わせた有機抽出物をチオ硫酸ナトリウムの10%溶液で洗浄し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt8:2〜7:3)およびバルブツーバルブ蒸留(0.17〜0.2ミリバール、135℃)で精製して、所望のアルデヒドを油として得た(6.00g、3工程で収率44%)。
Figure 2021528505
実施例2
賦香組成物の調製
実施例1で得られた3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールの嗅覚的評価は、これがフローラルのスズランおよびライラックの匂いを呈することを示した。
組成物におけるその寄与を評価するために、女性用香水を、以下の成分を混合することによって調製した:
Figure 2021528505
Figure 2021528505
実施例1で得られた800重量部の3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールを加えて、800重量部のジプロピレングリコールを上記の組成物に置き換え、この組成物にフローラル−グリーンで、バラでかつオゾンのコノテーションを付与した。
本発明の化合物の代わりに、同量の3−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)フェニル)プロパナールを使用して800重量部のジプロピレングリコールを置き換えた場合、組成物は、よりフローラル−ミュゲの、よりクリーミーでかつよりパウダリーなコノテーションを得た。
本発明の化合物の代わりに、同量の3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールを使用して800重量部のジプロピレングリコールを置き換えた場合、組成物は、Lyral(登録商標)に似たしっとり感とともに、より円熟した、よりフローラル−ミュゲの、よりフレッシュなコノテーションを得た。
本発明の化合物の代わりに、同量のLyral(登録商標)を使用して、800重量部のジプロピレングリコールを置き換えた場合、組成物は、しっとり感とともに、より円熟した、よりフローラル−ミュゲの、よりフレッシュなコノテーションを得た。
Lyral(登録商標)および3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールは、賦香組成物のオゾン、ウォータリーおよびサリチレートのノートとよくブレンドし、3−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)フェニル)プロパナールは、サリチレートおよびムスキーのノートと特によくブレンドするのに対して、本発明の化合物3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールは、グリーンで、バラでかつウォータリーのノートと特によくブレンドする。
実施例3
賦香組成物の調製
男性用香水を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 2021528505
Figure 2021528505
実施例1で得られた800重量部の3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールを加えて、800重量部のジプロピレングリコールを上記の組成物に置き換え、この組成物にフローラル−グリーンで、バラでかつオゾンのコノテーションを付与した。
本発明の化合物の代わりに、同量の3−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)フェニル)プロパナールを使用して、800重量部のジプロピレングリコールを置き換えた場合、組成物は、よりフローラル−ミュゲの、よりクリーミーでかつよりパウダリーなコノテーションを得た。
本発明の化合物の代わりに、同量の3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールを使用して、800重量部のジプロピレングリコールを置き換えた場合、組成物は、Lyral(登録商標)に似たしっとり感とともに、より円熟した、よりフローラル−ミュゲの、よりフレッシュなコノテーションを得た。
本発明の化合物の代わりに、同量のLyral(登録商標)を使用して、800重量部のジプロピレングリコールを置き換えた場合、組成物は、しっとり感とともに、より円熟した、よりフローラル−ミュゲの、よりフレッシュなコノテーションを得た。
Lyral(登録商標)および3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールは、賦香組成物のオゾン、ウォータリー、サリチレートおよびオークモスのノートとよくブレンドし、3−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)フェニル)プロパナールは、サリチレートおよびムスキーのノートと特によくブレンドするのに対して、本発明の化合物3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)プロパナールは、グリーンで、バラでかつオゾンのノートと特によくブレンドする。

Claims (8)

  1. 以下の式
    Figure 2021528505
    のその立体異性体、位置異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形である、化合物。
  2. 以下の式
    Figure 2021528505
    のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  3. 賦香組成物または着香物品の匂い特性を付与、増強、改善または変更する方法であって、前記組成物または物品に、有効量の、請求項1または2で規定された少なくとも1種の式(I)の化合物を添加することを含む、方法。
  4. 請求項1または2で規定された式(I)の化合物の賦香成分としての使用。
  5. i)請求項1または2で規定された少なくとも1種の式(I)の化合物;
    ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
    iv)任意で少なくとも1種の香料補助剤
    を含む、賦香組成物。
  6. 請求項1または2で規定された少なくとも1種の式(I)の化合物または請求項5で規定された組成物を含む、着香消費者製品。
  7. 香料、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧品、スキンケア製品、エアケア製品またはホームケア製品であることを特徴とする、請求項6記載の着香消費者製品。
  8. 香料消費者製品が、微細香料、スプラッシュまたはオードパルファム、コロン、シェーブローションまたはアフターシェーブローション、液体または固体の洗剤、布地柔軟剤、ファブリックリフレッシャー、アイロン用水、ペーパー、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、カラーリング調製物、カラーケア製品、整髪製品、デンタルケア製品、殺菌剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、脱臭剤または制汗剤、脱毛剤、タンニング用製品または日焼け用製品、ネイル製品、皮膚洗浄剤、メーキャップ、着香石鹸、シャワーまたはバスムース、オイルまたはジェル、またはフット/ハンドケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、カビ取り剤、家具ケア製品、ワイプ、食器用洗剤または硬質表面用洗剤、レザーケア製品またはカーケア製品であることを特徴とする、請求項6記載の着香消費者製品。
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