JP6945640B2 - ベチバーの匂い物質 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は、香料の分野に関する。より具体的には、本発明は、本明細書の下記に定義される式(I)の化合物、および賦香成分としてのそれらの使用、例えば、賦香組成物および/または消費者製品における使用に関する。
先行技術
香料産業では、調香師のパレットに存在するノートを多様化することによって彼らの創造性をサポートするために、常に新しい成分が探し求められている。香料における主要な官能的系統の1つは、香料の創出において非常に重要なウッディノートである。
本発明は、この系統に属する新しい化合物を提供する。実際に、本発明で報告されている式(I)の化合物は、非常に興味深いウッディノートを与える。
本発明者らの知る限りでは、式(I)の化合物は、新規であり、そして文献に報告され、かつその匂いの特性について記載された唯一の関連類似体は、1−[(4aRS,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、すなわち炭素4aおよび炭素8での2つのメチル基の間にシン配置を有する誘導体である(N. Baldoviniら、Flavour Frag. J., 2015, 30, 26を参照のこと)。上記の先行技術の類似体は、本質的に定義されており、かつウッディ−フルーティーなダマスコンの匂いを有するものと記載されている、すなわち本発明の化合物のいずれとも有意に異なる。
先行技術文献は、式(I)の化合物の官能的特性、または香料の分野における前記化合物の使用を報告または示唆していない。
発明の概要
本発明は、香料において非常に高く評価されているウッディ/ルーティーおよびパウダリー調の匂いを与える式(I)の化合物に関する。
そのため、本発明の第1の対象は、式
Figure 0006945640
[式中、点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は、水素原子を表し、かつ2つ目のR基は、メチル基を表す]の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形での使用である。
本発明の第2の対象は、上記で定義した式(I)の化合物である。
本発明の第3の対象は、
i)上記で定義した、少なくとも1種の式(I)の化合物;
ii)香料担体および香料基剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
を含む、賦香組成物である。
本発明の別の対象は、上記で定義した、少なくとも1種の式(I)の化合物または上記で定義した賦香組成物を含む着香消費者製品である。
本発明の最後の対象は、賦香組成物または着香物品の匂いの特性を付与、強化、改善または改変する方法であって、前記組成物または物品に、上記で定義した有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物を添加することを含む、方法である。
発明の詳細な説明
本発明者らは、ここで、驚くべきことに非常に強力なウッディ調ノートを付与する式(I)の化合物を発見した。
そのため、本発明の第1の対象は、式
Figure 0006945640
[式中、点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形での使用である。
上記の化合物は、例えばベチバー/ルーティー調の方向にウッディ調の、また、驚くべきことにパウダリー調の強力な匂いのノートを付与するために、賦香成分として使用され得る。
明確にするために、「その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物」との表現または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、本発明の化合物が純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマー(例えば、水素原子は、位置4aのメチル基に対してシンまたはアンチ立体配座の炭素8a上にあり、かつ炭素5または7は、位置4aのメチル基に対してシン立体配座のメチル基を有する)であり得ることを意味する。換言すれば、本発明の化合物は、5個までの立体中心、好ましくは4個の立体中心、すなわち炭素2、4a、8、8aおよび5または7、好ましくは炭素4a、8、8aおよび5または7を有する。上記の各立体中心は、2つの異なる立体化学(例えば、RまたはS)を有し得る。化合物は、純粋なエナンチオマーの形であっても、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の混合物の形であってもよい。本発明の化合物は、ラセミの形またはスケールミックの形であり得る。したがって、式(I)の化合物は、1つの立体異性体、またはさまざまな立体異性体を含む、またはそれらからなる組成物の形であり得る。好ましくは、炭素4aおよび炭素8での2つのメチル基は、相対的または絶対的のいずれかのアンチ立体配置にある。
明確にするために、「点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表す」との表現、または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、前記点線によって結合された炭素原子間の全結合(実線および点線)、例えば炭素1および2は、炭素−炭素単結合または二重結合であるが、ただし、隣接する2本の点線は、双方とも二重結合ではない、すなわち、炭素1と炭素2との間の結合が二重結合である場合、炭素2と炭素3との間の結合は単結合になることを意味する。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、最大2本の非隣接点線は、炭素−炭素二重結合を表し、他は炭素−炭素単結合を表す。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、化合物(I)は、式
Figure 0006945640
[式中、少なくとも1本の点線は炭素−炭素単結合を表し、他の点線は炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であり得る。好ましくは、2本の点線は炭素−炭素単結合を表し、他の点線は炭素−炭素二重結合を表す。
本発明の特定の実施形態によれば、化合物(I)は、式
Figure 0006945640
の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であり得る。
本発明の上記の実施形態のいずれか1つによれば、化合物(I)は、式
Figure 0006945640
[式中、一方の点線は炭素−炭素単結合を表し、他方の点線は炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であり得る。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、化合物(I)は、式
Figure 0006945640
[式中、太線および斜線は、相対的または絶対的立体配置を示し;一方の点線は炭素−炭素単結合を表し、他方の点線は炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であり得る。
明確にするために、「太線および斜線は相対的または絶対的立体配置を示す」との表現または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、相対的立体配置の場合、化合物(I)は、炭素7がメチル基であるRを有する場合、50%(w/w)を上回る(4aRS,8RS)立体異性体を含む立体異性体の混合物の形である、すなわち、式(I)に示される相対的トランス立体配置で2つのメチル基を有する化合物であるか、または絶対的立体配置の場合、化合物(I)は、炭素7がメチル基であるRを有する場合、50%(w/w)を上回る(4aS,8S)立体異性体を含む立体異性体の混合物の形であることを意味する。
明確にするために、「(4aRS,8RS)」との表現は、(4aR,8R)と(4aS,8S)との等モル混合物を意味する。
本発明の特定の実施形態によれば、前記化合物(VI)は、式
Figure 0006945640
[式中、太線および斜線は、相対的または絶対的立体配置を示し;一方の点線は、炭素−炭素単結合を表し、他方の点線は、炭素−炭素二重結合を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形である。
本発明の特定の実施形態によれば、化合物(VI)は、1−((4aRS,8RS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,8RS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンまたはそれらの混合物であり得る。より具体的には、化合物(VI)は、1−((4aRS,7SR,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンまたはそれらの混合物であり得る。
本発明の任意の実施形態によれば、前記化合物(V)は、式
Figure 0006945640
[式中、太線および斜線は、相対的または絶対的立体配置を示し;一方の点線は、炭素−炭素単結合を表し、他方の点線は、炭素−炭素二重結合を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形である。
本発明の特定の実施形態によれば、化合物(VII)は、1−((4aSR,8RS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,8RS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンまたはそれらの混合物であり得る。より具体的には、化合物(VII)は、1−((4aSR,5RS,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンまたはそれらの混合物であり得る。
本発明において、「式(I)の化合物」との用語は、式(I)に対応する少なくとも2種の化学物質の混合から生じる全ての組成物をも包含するように構成されている。特に、上記の式(I)の化合物は、化合物(III)、化合物(VI)および化合物(VII)を含む組成物の形であり得る。非限定的な例として、式(I)の化合物は、
− 1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン;
− 1−((4aSR,8SR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン;
− 1−((4aSR,8SR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン;
− 1−((4aRS,8SR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン;および
− 1−((4aRS,8SR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンを含む、またはそれからなる組成物の形であり得る。
本発明の化合物の具体例としては、非限定的な例として、1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,8RS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,8RS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,8RS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび1−((4aSR,8RS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンの混合物を挙げることができ、これはスモーキーな匂いに加えて、アンバー、パウダリーおよびバイオレットの特性を伴う、ベチバー/ルーティー調の方向に非常に良好なウッディの匂いを有する。この成分のパウダリー/アイリスの特性は、Myrrhone(登録商標)(4−(2,2,C−3,T−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキシル)−3−ブテン−2−オン、商標および製造元:Firmenich SA)を思わせる。この混合物は非常に強力でもある。
本発明の化合物の非限定的な例として、第1表に以下のものを挙げることができる:
Figure 0006945640
本発明の特定の実施形態によれば、式(I)の化合物は、1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/またはそれらの混合物である。
本発明の化合物の匂いを、先行技術の化合物、1−[(4aRS,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン(すなわち、シス化合物)の匂いと比較すると、本発明の化合物は、はるかにより強力であること、およびウッディノートに加えて、パウダリー/バイオレット/アイリスの特徴を有することによって区別される。
さらに、本発明の化合物に関連するウッディノートは、ルーティー調、すなわち、暖かくて重い効果のものであるが、先行技術の化合物に関連するウッディノートは、シダー調、すなわち、樹脂、おがくず、フレッシュな効果のものである。本発明の化合物の匂いは、先行技術の化合物の特徴である、顕著なフルーティーノートおよびダマスコンノートを欠いているかまたは有していないことによっても先行技術と区別される。予見できないことを除いて、上記の違いによって、本発明の化合物および先行技術の化合物は、それぞれ異なる用途に適している、すなわち、異なる官能的印象を与えるものになる。
上記のように、本発明は、式(I)の化合物の賦香成分としての使用に関する。換言すれば、本発明は、賦香組成物または着香物品または表面の匂いの特性を、付与、強化、改善または改変するための方法またはプロセスであって、有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、上記の組成物または物品に添加し、例えば、その典型的なノートを付与することを含む、方法またはプロセスに関する。
「式(I)の化合物の使用」とは、本明細書では、香料産業で有利に使用され得る、化合物(I)を含有する組成物の使用のことであるとも理解されるべきである。
実際に賦香成分として有利に使用され得る上記組成物もまた本発明の対象である。
したがって、本発明の別の対象は、
i)賦香成分としての、上記で定義した少なくとも1種の本発明の化合物;
ii)香料担体および香料基剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
を含む賦香組成物である。
「香料担体」とは、本明細書では、香料の観点からは実質的に中立である、すなわち、賦香成分の官能的特性を有意に変えない材料を意味する。上記の担体は、液体または固体であり得る。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、または香料に一般的に使用される溶媒を挙げることができる。香料に一般的に使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明は、網羅することができない。しかしながら、非限定的な例として、溶媒、例えば、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノール、クエン酸トリエチルまたはそれらの混合物を挙げることができ、これらは最もよく使用されている。香料担体および香料基剤の双方を含む組成物の場合、予め指定されたもの以外の他の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えばIsopar(登録商標)(製造元:Exxon Chemical)として知られるものまたはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば、商標Dowanol(登録商標)(製造元:Dow Chemical Company)で知られているもの、または硬化ヒマシ油、例えば、商標Cremophor(登録商標)RH 40(製造元:BASF)で知られているものでもあり得る。
固体担体は、賦香組成物または賦香組成物のいくつかの要素が化学的または物理的に結合され得る材料を示すことを意味する。一般的に、かかる固体担体は、組成物を安定させるために、あるいは組成物またはいくつかの成分の蒸発速度を制御するために使用される。固体担体の使用は、当該技術分野で現在用いられており、当業者は、所望の効果をいかにして達成するかを知っている。しかしながら、固体担体の非限定的な例としては、吸収性ガムもしくはポリマーまたは無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機または無機ゲル、粘土、石膏タルクまたはゼオライトを挙げることができる。
固体担体の他の非限定的な例としては、封入材料を挙げることができる。かかる材料の例は、壁形成材料および可塑化材料、例えば、単糖類、二糖類もしくは三糖類、天然もしくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質もしくはペクチン、あるいはさらに参考文献、例えば、H. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996年に引用される材料を含み得る。カプセル化は、当業者には周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、アグロメレーションまたはさらに押し出しなどの技術を使用することによって実施され得るか、またはコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化で構成されている。
固体担体の非限定的な例としては、特に、重合、界面重合、コアセルベーションまたは全体的に誘発される相分離プロセスのような技術(上記の技術の全てが先行技術に記載されている)を使用して、任意に高分子安定剤またはカチオン性コポリマーの存在下で、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアもしくはポリウレタン調の樹脂またはそれらの混合物(上記の樹脂の全てが当業者によく知られている)によるコア−シェルカプセルを挙げることができる。
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサル、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、アミン、例えば、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、およびそれらの混合物との重縮合によって製造され得る。代替的に、予備成形された樹脂アルキロール化ポリアミン、例えば、商標Urac(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(製造元:BASF)で市販されているものが使用されてもよい。
他の樹脂は、ポリオール、例えば、グリセロールと、ポリイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートの三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、またはキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体(Takenate(登録商標)の商標名で知られている、製造元:Mitsui Chemicals)、中でもキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体およびヘキサメチレンジイソシアネートの二量体との重縮合によって製造されたものである。
アミノ樹脂、すなわちメラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する興味深い文献のいくつかには、K. Dietrichらによって刊行されたもの、Acta Polymerica, 1989年, 第40巻, 243頁, 325頁および683頁、ならびに1990年, 第41巻, 91頁などの論文が含まれる。かかる論文には、すでに特許文献にもさらに詳述されかつ例示されている先行技術の方法に従ってこのようなコア−シェルマイクロカプセルの製造に影響を与える様々なパラメーターが記載されている。Wiggins Teape Group Limitedによる米国特許第4396670号明細書(US 4’396’670)は、後者の適切な初期の例である。それ以来、他の多くの著者は、この分野の文献を充実させてきたため、本明細書で公開されているすべての開発を網羅することは不可能であるが、カプセル化技術に関する一般的な知識は非常に重要である。かかるマイクロカプセルの適切な使用を開示する適切な最近の刊行物は、例えば、H. Y. Leeらの論文、Journal of Microencapsulation, 2002年, 第19巻, 559〜569頁、国際特許出願公報の国際公開第01/41915号(WO 01/41915)またはさらにS. Boneらの論文、Chimia, 2011年, 第65巻, 177〜181頁によって表される。
「香料基剤」とは、本明細書で意味するのは、少なくとも1種の賦香補助成分を含む組成物である。
前記賦香補助成分は、式(I)のものではない。さらに、「賦香補助成分」とは、本明細書では、賦香調合物または快楽効果を付与する組成物において使用される化合物を意味する。換言すれば、このような賦香するものと見なされるべき、補助成分は、組成物の匂いを肯定的または心地良い方法で付与または改変することができるものであり、単に匂いを有するものではないと当業者によって認識されなければならない。
基剤中に存在する賦香補助成分の性質および種類は、本明細書ではより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅できないが、当業者は、一般的な知識に基づいて、そして意図する使用または用途および所望の官能的効果に従ってそれらを選択することができる。一般的には、これらの賦香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、含窒素または硫黄複素環式化合物および精油のように様々な化学クラスに属し、前記賦香補助成分は、天然物由来または合成由来であり得る。
特に、同様の嗅覚的ノートを有することが知られている賦香補助成分、例えば、以下のものを挙げることができる:
特に、香料配合物でよく使用される賦香補助成分、例えば、以下のものを挙げることができる:
− アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、10−ウンデセナール、オクタナールおよび/またはノネナール;
− 芳香族ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、ユーカリプトール、メントールおよび/またはアルファピネン;
− バルサミコ成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
− 柑橘系成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジオイル、酢酸リナリル、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1−P−メンテン−8−イルアセテートおよび/または1,4(8)−P−メンタジエン;
− フローラル成分:ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシル桂皮アルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、βイオノン、2−(メチルアミノ)安息香酸メチル、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、サリチル酸ヘキシル、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、酢酸ベルジル、ゲラニオール、P−メンテン−1−エン−8−オール、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、1,1−ジメチル−2−フェニルエチルアセテート、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、サリチル酸アミル、高シスジヒドロジャスモン酸メチル、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、プロピオン酸ベルジル、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、シス−7−P−メンタノール、プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2−メトキシナフタレン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエチルアセテート、4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、アミル桂皮アルデヒド、4−フェニル−2−ブタノン、酢酸イソノニル、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、イソ酪酸ベルジルおよび/またはメチルイオノン異性体の混合物;
− フルーティー成分:ガンマウンデカラクトン、4−デカノリド、エチル2−メチル−ペンタノエート、酢酸ヘキシル、エチル2−メチルブタノエート、ガンマノナラクトン、ヘプタン酸アリル、2−フェノキシエチルイソブチレート、エチル2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテートおよび/またはジエチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート;
− グリーン成分:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2−メチルブトキシ)アセテート、4−メチル−3−デセン−5−オール、ジフェニルエーテル、(Z)−3−ヘキセン−1−オールおよび/または1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;
− ムスク成分:1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート、ペンタデカノリドおよび/または(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
− ウッディ成分:1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン画分、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、メチルセドリルケトン、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/または酢酸イソボルニル;
− 他の成分(例えば、アンバー、パウダリースパイシーまたはウォータリー):ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、ケイ皮アルデヒド、クローブオイル、3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールおよび/または3−(3−イソプロピル−1−フェニル)ブタナール。
本発明による香料基剤は、上記の賦香補助成分に限定されず、これらの補助成分の他の多くは、いずれの場合も、参考文献、例えば、S. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、またはそのより最新の版、または同様の性質の他の論文、ならびに香料の分野における豊富な特許文献に列記されている。前記補助成分は、制御された方法で様々な種類の賦香化合物を放出することが知られている化合物でもあり得ることも理解される。
「香料補助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性等の追加的に追加される利点を付与することができる成分を意味する。賦香組成物に一般的に使用される補助剤の性質および種類の詳細な説明は網羅できないが、上記の成分は当業者によく知られていることは言及されなければならない。特定の非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:粘性剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光および/または緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、保存料(例えば、抗菌剤また抗微生物剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、防虫剤、軟膏、ビタミンおよびそれらの混合物。
当業者は、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することによって、ならびに試行錯誤法によって、賦香組成物の上記の成分を混合することによって所望の効果に最適な配合物を完全に設計することができることが理解される。
少なくとも1種の式(I)の化合物および少なくとも1種の香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態、ならびに少なくとも1種の式(I)の化合物、少なくとも1種の香料担体、少なくとも1種の香料基剤、および任意に少なくとも1種の香料補助剤を含む賦香組成物からなる。
特定の実施形態によれば、上記の組成物は、2種以上の式(I)の化合物を含み、調香師が本発明の様々な化合物の香調を有するアコードまたは香料を調製することを可能にし、したがって創出目的のための新しい構成単位を作り出す。
明確にするために、化学合成から直接得られるあらゆる混合物、例えば、本発明の化合物が、出発、中間または最終生成物として含まれるであろう、適切な精製を行っていない反応媒体は、前記混合物が本発明の化合物を香料に適した形で提供しない限り、本発明による賦香組成物と見なすことはできないことも理解される。したがって、未精製の反応混合物は、特に明記しない限り、本発明から概して除外される。
本発明の化合物は、現代香料のすべての分野、すなわち微細なまたは機能性香料において、前記化合物(I)が添加される消費者製品の匂いを積極的に付与または改変するためにも有利に使用され得る。その結果、本発明の別の対象は、上記で定義された、少なくとも1種の式(I)の化合物を、賦香成分として含む着香消費者製品からなる。
本発明の化合物は、そのままで、または本発明の賦香組成物の一部として添加され得る。
明確にするために、「着香消費者製品」は、これが適用される表面または空間(例えば、皮膚、毛髪、テキスタイル、または家庭用表面)に少なくとも心地良い賦香効果をもたらす消費者製品を指すことを意味する。換言すれば、本発明による着香消費者製品は、所望の消費者製品に対応する機能的配合物、ならびに場合により追加の有益剤、および嗅覚的に有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を含む着香消費者製品である。明確にするために、上記の着香消費者製品は、非食用製品である。
着香消費者製品の成分の性質および種類は、本明細書ではより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅できないが、当業者は、一般的な知識に基づいて、そして上記製品の性質および所望の効果に従ってそれらを選択することができる。
適切な着香消費者製品の非限定的な例としては、香料、例えば、微細な香料、スプラッシュまたはオードパルファム、コロンまたはシェーブローションまたはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば、液体または固体洗剤、布地柔軟剤、液体または固体香料ブースター、布地リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えば、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、着色製剤またはヘアスプレー、カラーケア製品、整髪製品、デンタルケア製品)、消毒剤、インティメイトケア製品;化粧品(例えば、スキンクリームまたはローション、バニシングクリームまたは消臭剤または制汗剤(例えば、スプレーまたはロールオン)、脱毛剤、日焼けもしくは日焼け止めもしくは日焼け後製品、ネイル製品、スキンクレンジング、メーキャップ);またはスキンケア製品(例えば、石鹸、シャワーもしくはバスムース、オイルもしくはジェル、または衛生製品もしくはフット/ハンドケア製品);家庭用スペース(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴または車)および/または公共スペース(ホール、ホテル、モール等)で使用され得るエアケア製品、例えば、エアーフレッシュナーまたは「すぐに使用できる」粉末状エアーフレッシュナー;または家庭用ケア製品、例えば、カビ取り剤、ファニッシャケア製品、拭き取り用品、食器用洗剤または硬質表面(例えば、床、浴室、衛生用または窓掃除用)洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば、ポリッシュ、ワックスまたはプラスチッククリーナーが挙げられる。
上記の着香消費者製品の中には、本発明の化合物にとって攻撃的な媒体を表すものもあるので、例えば、酵素、光、熱またはpHの変化などの適切な外部刺激に応じて本発明の成分を放出させることに適した別の化学物質にこれを化学的に結合することによってまたはカプセル化によって本発明の化合物を早期の分解から保護する必要があり得る。
本発明による化合物を上記の様々な製品または組成物に配合することができる割合は、広範囲の値の範囲内で変化する。これらの値は、本発明による化合物を、当該技術分野でよく使用されている賦香補助成分、溶媒または添加剤と混合した場合、着香されるべき物品の性質および所望の官能的効果ならびに所与の基剤中の補助成分の性質に依存する。
例えば、賦香組成物の場合、典型的な濃度は、それらが組み込まれている組成物の重量を基準として、0.001重量%〜50重量%、またはそれ以上のオーダーの本発明の化合物である。着香消費者製品の場合、典型的な濃度は、それらが組み込まれている消費者製品の重量を基準として、0.1重量%〜20重量%、またはそれ以上のオーダーの本発明の化合物である。
実施例
本発明は、ここで以下の実施例によってさらに詳細に説明されることになり、ここで、略語は、当該技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示され;NMRスペクトルは、400MHz(H)および100MHz(13C)で動作するBruker Avance II Ultrashield 400プラスまたは500MHz(H)および125MHz(13C)で動作するBruker Avance III 500または600MHz(H)および150MHz(13C)で動作するBruker Avance III 600凍結プローブのいずれかを用いて取得され、化学シフトδはTMSを基準としてppmで表示され、カップリング定数JはHzで表示される。
実施例1
式(I)の化合物の合成 − 1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび1−(4a,5,8−トリメチル−1,4,4a、5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンの混合物の調製
a)4a,7,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オンおよび4a,5,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オンの混合物の調製
シクロヘキサン(200mL)中の2,3,6−トリメチルシクロヘキサノン(108g、0.77モル)およびトルエンスルホン酸(2.0g、11ミリモル)の溶液を70℃に温め、メチルビニルケトン(54g、0.77モル)をゆっくり滴加した。混合物をさらに15時間70℃で加熱し、次いで冷却し、10%のNaOH溶液で処理した。水相をジエチルエーテルで再抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去して、環化および非環化ジケトンの混合物を得、これを次の環化工程に直接使用した。124g。
2,5,6−トリメチル−2−(3−オキソブチル)シクロヘキサン−1−オン(非環化ジケトン)
Figure 0006945640
上記で得られたジケトンとエノンとの混合物(異性体の混合物、104g、0.495モル)およびKOH(8.0g、142ミリモル)のEtOH溶液(35mL)を、70℃で35時間加熱し、その後、冷却した。エーテルで希釈し、有機相を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、次いでMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗エノンを、異性体の複合混合物として得た(60g、63%)。混合物を、レイボルド(連続拭き取りフィルム)蒸留(145℃、0.3ミリバール)により精製して、エノンを、(4aSR,7SR,8RS)−4a,5,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オン、(4aSR,8SR)−4a,7,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オンおよび(4aSR,8RS)−4a,5,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オン(それぞれ、8%、82%および10%)の混合物として得た。
副異性体:(4aSR,7SR,8RS)−4a,7,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オン
Figure 0006945640
主要異性体:(4aSR,8SR)−4a,7,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オン
Figure 0006945640
b)4a,7,8−トリメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オンと4a,5,8−トリメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オンとの混合物の調製
パラジウム化木炭(5%、Pd/C、1.42g)を、工程a)で得られたエノン混合物(57g、296ミリモル)の酢酸エチル溶液(80mL)に加え、懸濁液を真空下で排気し、次いで水素ガス(3×)でパージし、その後、水素ガス(2バール)雰囲気下で24時間撹拌した。懸濁液をろ過し、酢酸エチルで洗浄し、次いで溶媒を真空下で除去し、残渣をさらに150℃、0.5ミリバールでのバルブ−バルブ(Kuegelrohr)蒸留により精製し、飽和ケトンを、異性体の複合混合物として得た(60g、99%)。
主要異性体は次のものである:
(4aSR,7RS,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オン
Figure 0006945640
(4aSR,8SR,8aSR)−4a,7,8−トリメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オン
Figure 0006945640
(4aSR,7SR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オン
Figure 0006945640
c)2−エチニル−4a,7,8−トリメチルデカヒドロナフタレン−2−オールと2−エチニル−4a,5,8−トリメチルデカヒドロナフタレン−2−オールとの混合物の調製
前の工程で得られたシスおよびトランスデカロン(26.7g、137ミリモル)のTHF溶液(11mL)を、エチニルマグネシウムブロミドの撹拌溶液(THF中0.5M、385mL、192ミリモル)にゆっくりと滴下し、氷浴で4℃に冷却した。溶液を周囲温度まで温め、一晩撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、有機相を飽和NHCl溶液、次にブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空下で除去して、粗プロパルギルアルコールを、異性体の複合混合物として得た(褐色の油状物として26.0g)。異性体アルコールの複合混合物を、次の工程でさらに精製することなく使用した。
d)1−(4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび1−(4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンの混合物の調製
プロパルギルアルコール(19.0g、86ミリモル)の混合物を、ギ酸(55mL、90%)に溶解し、80℃で2時間加熱し、次いで冷却し、氷と水との混合物に注いだ。水相をペンタンで抽出し、有機相を水、次に飽和NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空下で除去して、粗エノンを、異性体の複合混合物として得た(20.0g)。さらなる精製を、ビグリューカラム、0.2ミリバール、沸点65〜90℃で真空蒸留により行い、エノンを、1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−(4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび1−(4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンを含む異性体の混合物として得た(9.8g、収率50%)。少量のいくつかの個々の異性体を単離し、生成した。
1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
Figure 0006945640
1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
Figure 0006945640
実施例2
式(I)の化合物の合成 − 1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンと1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンとの混合物の調製
a)(4aRS,8RS,8aRS)−2−エチニル−4a,7,8−トリメチルデカヒドロナフタレン−2−オールの調製
塩化エチニルマグネシウム(10.7mL、0.5M、5.35ミリモル)の溶液を、(4aSR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オン(実施例1の工程b)から単離、800mg、4.12モル)のTHF溶液(2mL)に加え、0℃に冷却した。周囲温度に温め、さらに2時間撹拌した後、反応物を、氷と飽和NHClとの混合物に注ぎ、エーテルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空下で除去し、粗アルコール800mgを得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
Figure 0006945640
b)1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンと1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンとの混合物の調製
実施例1のd)で報告された条件を、(4aRS,8RS,8aRS)−2−エチニル−4a,7,8−トリメチルデカヒドロナフタレン−2−オールに適用し、1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンと1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンとの混合物を得た。
主要異性体:1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン。
Figure 0006945640
実施例3
式(I)の化合物の合成 − 1−((4aSR,7RS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンの混合物の調製
a)(4aSR,8SR)−4a,7,8−トリメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オンの調製
前工程で得られたエノン混合物(20.0g、104ミリモル)のTHF溶液(25mL)を、エチニルマグネシウムブロミドの撹拌溶液(THF中0.5M、354mL、177ミリモル)にゆっくりと滴下し、氷浴で4℃に冷却した。溶液を周囲温度まで温め、一晩撹拌した。反応混合物を、氷/飽和NHCl溶液の混合物に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、有機相を飽和NHCl溶液、次にブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去して粗プロパルギルアルコールを、異性体の複合混合物として得た(褐色の油状物として20.0g)。異性体アルコールの複合混合物を、次の工程でさらに精製することなく使用した。
b)1−((4aSR,7RS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンの調製
プロパルギルアルコール混合物(20.0g、92ミリモル)の酢酸エチル溶液(50mL)を、Amberlyst A−15(10.0g)で処理し、懸濁液を4時間加熱還流し、次いで冷却し、小さなシリカのプラグ(3cm)でろ過し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、次にブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗ジエノンを異性体の混合物87:13として得た。フィッシャー蒸留0.15ミリバール、沸点70〜85℃でさらに精製し、純粋なジエノンを、異性体の混合物(87:13)として得た(12.8g、64%)。
主要異性体:1−((4aSR,7RS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
Figure 0006945640
実施例4
賦香組成物の調製
ウッディタイプの賦香組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0006945640
1)(−)−(8R)−8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダンa)
2)高シスジヒドロジャスモン酸メチルa)
3)(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエートa)
4)メチルイオノン異性体の混合物a)
5)ジヒドロジャスモン酸メチルa)
6)1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンa)
7)3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オールa)
ジプロピレングリコール中 a)製造元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
実施例1で得られた4000重量部の化合物を、上記の組成物に添加し、元の配合物中に存在するウッディ−ベチバー(ベチバー油)、アンバー(Ambrox(登録商標))およびパウダリー−バイオレット(Iralia(登録商標)トータル)の要素と非常によくブレンドすることにより、強化されたルーティー/パウダリー、アンバーおよびスモーキーな特性が上記の組成物に付与された。さらに、この成分は、この配合物をより男性的な方向にツイストする。上記の化合物は、ラストノートおよびトップノートにおいて最も強力である。
実施例1で得られた化合物の代わりに、同じ量の1−((4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび1−((4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン(20:12:39:28)の混合物を加えた場合、上記の成分は、より軽いパウダリーの特性を備えた実施例1のものと同様の効果をもたらした。この成分は、それほど強力ではなく、かつよりユニセックスであるため、より多用途である。
実施例1で得られた化合物の代わりに、同量の従来技術の1−[(4aRS,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンを添加した場合、この成分は、フルーティー−ダマスコン(ダマスコンアルファ)の要素(本発明の化合物では認められない要素)を押し出し、ウッディのアコードをよりシダー様の方向にツイストした。この成分は、それほど強力ではない。

Claims (15)


  1. Figure 0006945640
    [式中、点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は、水素原子を表し、かつ2つ目のR基は、メチル基を表す]の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形での、賦香成分としての使用。
  2. 炭素4aおよび炭素8での2つのメチル基が、アンチ立体配置にあることを特徴とする、請求項1記載の使用。
  3. 式(I)の化合物が、式
    Figure 0006945640
    [式中、少なくとも1本の点線は炭素−炭素単結合を表し、他の点線は炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物のその立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項1または2記載の使用。
  4. 式(I)の化合物が、式
    Figure 0006945640
    の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項3記載の使用。
  5. 式(I)の化合物が、式
    Figure 0006945640
    [式中、一方の点線は炭素−炭素単結合を表し、他方の点線は炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の使用。
  6. 式(I)の化合物が、式
    Figure 0006945640
    [式中、太線および斜線は、相対的または絶対的立体配置を示し;点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し;かつ1つ目のR基は水素原子を表し、かつ2つ目のR基はメチル基を表す]の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項5記載の使用。
  7. 式(I)の化合物が、式
    Figure 0006945640
    [式中、太線および斜線は、相対的または絶対的立体配置を示し;かつ点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表す]の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項5または6記載の使用。
  8. 式(I)の化合物が、式
    Figure 0006945640
    [式中、太線および斜線は、相対的または絶対的立体配置を示し;かつ点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表す]の化合物の、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項5または6記載の使用。
  9. 式(I)の化合物が、1−((4aRS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aSR)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7RS,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aRS,7SR,8RS,8aRS)−4a,7,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aSR)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5SR,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン、1−((4aSR,5RS,8RS,8aRS)−4a,5,8−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の使用。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に規定された式(I)の化合物。
  11. 賦香組成物であって、
    i)請求項10に規定された、少なくとも1種の式(I)の化合物;
    ii)香料担体および香料基剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
    iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
    を含む、賦香組成物。
  12. 請求項10に規定された少なくとも1種の式(I)の化合物または請求項11に規定された賦香組成物を含む、着香消費者製品。
  13. 香料、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧品、スキンケア製品、エアケア製品または家庭用ケア製品であることを特徴とする、請求項12記載の着香消費者製品。
  14. 微細な香料、スプラッシュまたはオードパルファム、コロン、シェーブローションまたはアフターシェーブローション、液体または固体洗剤、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、着色製剤、カラーケア製品、整髪製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、消臭剤または制汗剤、脱毛剤、日焼けまたは日焼け止め製品、ネイル製品、スキンクレンジング、メーキャップ、着香石鹸、シャワーもしくはバスムース、オイルもしくはジェル、またはフット/ハンドケア製品、衛生製品、エアーフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアーフレッシュナー、カビ取り剤、ファニッシャケア製品、拭き取り用品、食器用洗剤または硬質表面洗剤、レザーケア製品、カーケア製品であることを特徴とする、請求項13記載の着香消費者製品。
  15. 賦香組成物または着香物品の匂いの特性を付与、強化、改善または改変する方法であって、前記組成物または物品に、請求項10に規定された有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物を添加することを含む、方法。
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