JP6768063B2 - ベチバー着香剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は香料の分野に関する。より詳細には、本発明は、本明細書中で以下に定義される式(I)のトランス異性体に関し、さらには例えば、消費者製品における付香成分としてのそれらの使用に関する。
従来技術
本発明者らの知るところでは、炭素4aおよび炭素8での2つのメチル基間に逆配置を有するすべての誘導体である式(I)の化合物は新規である。
本発明者らの知る限りでは、文献に報告されており、かつその匂いの特性について記載された唯一の類似体は、1−[(4aRS,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、すなわち、炭素4aおよび炭素8での2つのメチル基間にシン配置を有する誘導体である(N. Baldoviniら、Flavour Frag. J., 2015, 30, 26を参照のこと)。前記従来技術の類似体は実質的に定義されており、ウッディ−フルーティーなダマスク(damascene)の匂いを有するもの、すなわち、本発明の化合物のいずれか1つとは有意に異なるものと記載されている。
従来技術の文献は、式(I)の化合物の任意の感覚刺激特性、または香料分野における前記化合物の使用を報告または示唆していない。
発明の詳細な説明
本発明者らはここで驚くことに、式
Figure 0006768063
で示される、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形の化合物であって、
前記式中、太線および斜線は相対配置または絶対配置を示し;かつ
一方の点線は炭素−炭素単結合を表し、他方は炭素−炭素二重結合を表す前記化合物を、例えばベチバー/ルーティー(rooty)調の匂いノートを付与するための付香成分として使用できることを発見した。
明確にするために、「その立体異性体のいずれか1つ」との表現、または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、本発明の化合物は純粋なエナンチオマー(キラルの場合)またはジアステレオマー(例えば、水素原子は4a位のメチル基に対してシンまたはアンチの配置で炭素8a上にある)であり得るが、但し、炭素4aおよび炭素8での2つのメチル基は当然ながら相対的にまたは絶対的に逆配置であることを条件とする。
明確にするために、「太線および斜線は相対配置または絶対配置を示す」との表現、または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、相対配置の場合、化合物(I)は、50%(w/w)を上回る(4aRS,8RS)立体異性体、すなわち、式(I)に示した相対トランス配置で2つのメチル基を有する化合物を含む立体異性体の混合物の形であるか、または絶対配置の場合、化合物(I)は、50%(w/w)を上回る(4aS,8S)立体異性体を含む立体異性体の混合物の形であることを意味する。
明確にするために、「ここで一方の点線は炭素−炭素単結合を表し、他方は炭素−炭素二重結合を表す」との表現、または類似表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、前記点線によって連結された炭素原子間の結合全体(実線および点線)、例えば、炭素1および炭素2は、炭素−炭素単結合または二重結合であることを意味する。
本発明の特定の実施形態によれば、化合物(I)は、下記式
Figure 0006768063
(式中、太線、斜線および点線は式(I)に示した意味を有する)
の化合物であり得る。
本発明の特定の実施形態によれば、化合物(I)は、下記式
Figure 0006768063
(式中、太線、斜線および点線は式(I)に示した意味を有する)
の化合物であり得る。
本発明では、「式(I)の化合物」との用語は、式(I)に相当する少なくとも2つの化学物質の混合物から生じるすべての物質の組成物をも包含するように構成されている。特に、前記式(I)の化合物は、
− 少なくとも55%w/wの式(II’)の化合物;および
− 多くても45%w/wの式(II)の化合物
を含むか、またはそれらからなる物質の組成物の形であり得る。
さらに、前記式(I)の化合物は、
− 多くても55%w/wの式(II’)の化合物;および
− 少なくとも45%w/wの式(II)の化合物
を含むか、またはそれらからなる物質の組成物の形であり得る。
さらに、前記式(I)の化合物は、
− 多くても40%w/wの式(II’)の化合物;および
− 少なくとも60%w/wの式(II)の化合物
を含むか、またはそれらからなる物質の組成物の形であり得る。
好ましくは、前記式(I)の化合物は、
− 多くても20%w/wの式(II’)の化合物;および
− 少なくとも80%w/wの式(II)の化合物
を含むか、またはそれらからなる物質の組成物の形であり得る。
本発明の化合物の具体例としては、非限定的な例として、1−[(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンと1−[(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンとの15:85混合物(以下、ミックス1と呼ぶ)を挙げることができ、該混合物は、いくらかパウダリー/アイリスおよびアンバーの様相を含む、非常に強力でかつ温かみのある特徴的なベチバー、ルーティーの匂いを有する。明確にするために、「15:85の混合物」または類似表現は、2つの立体異性体の15対85の質量比での混合物を意味すると理解される。
別の例としては、1−[(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンと1−[(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンとの1:1混合物(以下、ミックス2と呼ぶ)を挙げることができ、該混合物は、いくらかイオノンおよびショウノウの様相を含む特徴的なベチバー、ルーティーの匂いを有する。
別の例としては、45%のミックス1と55%のミックス2との混合物(以下、ミックス3と呼ぶ)を挙げることができ、パーセンテージはw/wに基づいて表される。該混合物は、いくらかパウダリーでアイリスの様相を含む、非常に優れた、強力でかつ温かみのある特徴的なベチバー、ルーティーの匂いを有する。
本発明の化合物の他の具体的な、しかしながら非限定的な例として、以下の第1表の化合物を挙げることができる:
Figure 0006768063
本発明の特定の実施形態によれば、式(I)の化合物は、1−[(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、1−[(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、1−[(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、1−[(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンおよび/またはそれらの混合物である。
本発明の化合物の匂いを従来技術の化合物1−[(4aRS,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン(すなわちシス化合物)と比較した場合、本発明の化合物は、ウッディノートの調香および関連する他の匂いノートの調香によって区別される。
本発明の化合物に関連するウッディノートはルーティー調のものである、すなわち、温かみのある濃厚な効果を有するが、従来技術の化合物に関連するウッディノートはセダー調である、すなわち、樹脂、おがくず、フレッシュ効果を有する。本発明の化合物の匂いは、従来技術の化合物の特徴である顕著なフルーティーノートを欠くか、または有していないことによっても従来技術と区別される。さらに、従来技術の化合物の匂いは、本発明の化合物の特徴である顕著なアイリス/パウダリーノートを欠くか、または有していないことによっても本発明と区別される。
予測できないことに加えて、上記の相違点により、本発明の化合物および従来技術の化合物はそれぞれ異なる用途に適したものになる、すなわち、異なる感覚刺激の印象を与える。
上記のように、本発明は、付香成分としての式(I)の化合物の使用に関する。換言すれば、本発明は、付香組成物または付香された物品もしくはその表面の匂い特性を付与、強化、改善または変更する方法であって、前記組成物または物品に有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物を添加すること、例えば、その典型的なノートを与えることを含む前記方法に関する。
「式(I)の化合物の使用」とは、本明細書では、化合物(I)を含有し、かつ香料産業において有利に使用され得る組成物の使用であると理解されるべきである。
実際に付香成分として有利に使用され得る前記組成物もまた本発明の対象である。
したがって、本発明の別の対象は、
i)付香成分として、上記で定義した少なくとも1種の本発明の化合物;
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
を含む付香組成物である。
「香料担体」とは、本明細書では香料の観点から実質的に中性である、すなわち付香成分の感覚刺激特性を大きく変えない物質を意味する。前記担体は液体または固体であり得る。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶媒および界面活性剤系、または香料によく使用される溶媒を挙げることができる。香料によく使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明を網羅することはできない。しかしながら、非限定的な例として、最もよく使用されている、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノ、クエン酸トリ−エチルまたはそれらの混合物を挙げることができる。香料担体および香料ベースの両方を含む組成物については、すでに特定されたもの以外の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えば、Isopar(登録商標)(製造元:Exxon Chemical)の商標で知られているものまたはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば、Dowanol(登録商標)(製造元:Dow Chemical Company)の商標で知られているもの、または硬化ヒマシ油、例えば、Cremophor(登録商標)RH40(製造元:BASF)の商標で知られているものであってもよい。
固体担体とは、付香組成物または付香組成物のいくつかの要素が化学的にまたは物理的に結合され得る材料を意味する。一般に、このような固体担体を使用して、組成物を安定化するか、組成物またはいくつかの成分の蒸発速度を制御するかいずれかである。固体担体は、当該技術分野で現在使用されており、当業者は所望の効果をどのように達成するか知っている。しかしながら、非限定的な例としては、固体担体として、吸収性ガムもしくはポリマーまたは無機材料、例えば、多孔性ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機または無機ゲル、粘土、石膏、タルクまたはゼオライトを挙げることができる。
固体担体の他の非限定的な例として、カプセル化材料を挙げることができる。このような材料の例は、壁形成および可塑化材料、例えば、単糖類、二糖類または三糖類、天然または変性デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またはさらに参照テキスト、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996に挙げられている材料が含まれ得る。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集またはさらに押出成形などの技術を用いて実施され得るか;またはコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。非限定的な例としては、特に、重合、界面重合、コアセルベーションによってまたはそれらのすべてによって引き起こされる相分離プロセスなどの技術(前記技術のすべてが従来技術に記載されている)を用いて、任意にポリマー安定剤またはカチオン性コポリマーの存在下で、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアもしくはポリウレタンタイプの樹脂またはそれらの混合物(前記樹脂のすべてが当業者に周知である)によるコア−シェルカプセル化を挙げることができる。
特に、樹脂としては、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、アミン、すなわち尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾールおよび他のアミン、ならびにそれらの混合物との重縮合によって生成されたものを挙げることができる。あるいは、予め形成された樹脂のアルキロール化ポリアミン、例えば、Urac(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(製造元:BASF)の商品名で市販されているものが使用され得る。
特に、樹脂としては、ポリオール(例えば、グリセリン)と、ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー、イソホロンジイソシアネートのトリマーまたはキシリレンジイソシアネートのトリマー、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットまたはトリメチロールプロパンを有するキシリレンジイソシアネートのトリマー(Takenate(登録商標)の商品名で知られている、製造元:三井化学)、中でもトリメチロールプロパンを有するキシリレンジイソシアネートのトリマーおよびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット)との重縮合によって生成されたものを挙げることができる。
アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関連するいくつかの独創性のある文献は、K. Dietrichらによって出版された、Acta Polymerica, 1989年、第40巻、第243頁、325頁および683頁、ならびに1990年、第41巻、第91頁などの論文によって表される。このような論文は、特許文献にさらに詳細に例示されている従来技術の方法に従う、このようなコア−シェルマイクロカプセルの調製に影響を与える様々なパラメータをすでに記載している。Wiggins Teape Group Limitedによる米国特許第4396670号明細書(US 4’396’670)は後者の適切な初期の例である。以来、多くの他の著者やクリエイターがこの分野の文献を豊かにしている。これらの刊行物に記載されたすべての開発をカバーすることは不可能であろうが、この種のカプセル化の一般的な知識は非常に重要である。このようなマイクロカプセルの適切な使用を同様に取り上げている、より最新の関連する刊行物は、例えばH.Y. Leeらの論文、Journal of Microencapsulation、2002年、第19巻、第559頁〜569頁、国際特許公報の国際公開第01/41915号(WO 01/41915)、さらにはS. Boeneらの論文、Chimia、2011年、第65巻、第177頁〜181頁である。
「香料ベース」とは、本明細書では少なくとも1種の付香補助成分を含む組成物を意味する。
前記付香補助成分は式(I)のものではない。さらに、「付香補助成分」とは、本明細書では快楽効果を与えるために付香調製物または組成物で使用される化合物を意味する。換言すれば、付香するものと見なされるこのような補助成分は、単に匂いを有するものではなく、組成物の匂いを肯定的なまたは快い方法で付与または変更することができると当業者によって認識されなければならない。
ベース中に存在する付香補助成分の性質および種類は、本明細書でより詳細に説明する必要はない(いずれの場合も網羅されないであろう)が、当業者は自身の一般的な知識に基づいておよび意図される使用または用途および所望の感覚刺激効果に従ってそれらを選択することができる。一般的に、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素または硫黄複素環化合物および精油などの化学種に属し、前記付香補助成分は天然または合成由来であり得る。
特に、香料配合物中でよく使用される付香補助成分としては、以下のものを挙げることができる:
− アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、10−ウンデセナール、オクタナールおよび/またはノネナール;
− アロマティックハーブ成分:ユーカリ油、ショウノウ、ユーカリプトール、メントールおよび/またはアルファ−ピネン;
− バルサミコ成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
− シトラス成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1−P−メンメン−8−イルアセテートおよび/または1,4(8)−P−メンタジエン;
− フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラゾール、ベータイオノン、メチル2−(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、ヘキシルサリチレート、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、ベルジルアセテート、ゲラニオール、P−メンタ−1−エン−8−オール、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、1,1−ジメチル−2−フェニルエチルアセテート、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、アミルサリシレート、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、ベルジルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロリナロール、シス−7−P−メンタノール、プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2−メトキシナフタレン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエチルアセテート、4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、4−フェニル−2−ブタノン、イソノニルアセテート、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、ベルジルイソブチレートおよび/またはメチルイオノン異性体の混合物;
− フルーティー成分:ガンマウンデカラクトン、4−デカノライド、エチル2−メチル−ペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル2−メチルブタノエート、ガンマノナラクトン、アリルヘプタノエート、2−フェノキシエチルイソブチレート、エチル2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテートおよび/またはジエチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート;
− グリーン成分:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2−メチルブトキシ)アセテート、4−メチル−3−デセン−5−オール、ジフェニルエーテル、(Z)−3−ヘキセン−1−オールおよび/または1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;
− ムスク成分:1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート、ペンタデカノライドおよび/または(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
− ウッディ成分:1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン画分、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、メチルセドリルケトン、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/またはイソボルニルアセテート;
− 他の成分(例えば、アンバー、パウダリースパイシーまたはウォータリー):ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、クローブ油、3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールおよび/または3−(3−イソプロピル−1−フェニル)ブタナール。
本発明による香料ベースは上記付香補助成分に限定されず、これらの補助成分の多くは、いずれの場合も、S. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969年, Montclair, New Jersey, USA、またはその最新版、または類似の性質の他の論文、ならびに香料分野の豊富な特許文献などの参照テキストに記載されている。また、前記補助成分は、制御された方法で様々な種類の付香化合物を放出することが知られている化合物であってもよいことも理解される。
「香料補助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性などの付加的に追加される利点を付与できる成分を意味する。付香ベースでよく使用される補助剤の性質および種類の詳細な説明は網羅できないが、前記成分が当業者に周知であることは記載されなければならない。しかしながら、特別な非限定的な例として以下のものを挙げることができる:粘度剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー改変剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光および/または緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、防腐剤(例えば、殺菌剤または抗菌剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミンおよびそれらの混合物。
当業者は、付香組成物の上記成分を混ぜ合わせることによって、単に技術水準の知識を適用することによって、ならびに試行錯誤の方法論によって、所望の効果のための最適な配合を完全に設計することができると理解される。
少なくとも1種の式(I)の化合物および少なくとも1種の香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態ならびに少なくとも1種の式(I)の化合物、少なくとも1種の香料担体、少なくとも1種の香料ベース、および任意に少なくとも1種の香料補助剤を含む付香組成物を表す。
本明細書では、上記組成物において、式(I)の化合物を1種より多く有する可能性が重要であることに言及することが有用である。なぜなら、このことにより調香師は、本発明の様々な化合物の香調を有するアコード、香料を調製することができるからであり、これによって彼らの仕事のための新しいツールが作り出される。
明確にするために、化学合成から直接得られる混合物、例えば、適切な精製をしていない反応媒体(本発明の化合物が出発物、中間体または最終生成物として含まれるであろう)は、前記混合物が香料にとって適した形で本発明の化合物を提供しない限り、本発明による付香組成物と見なすことができないことも理解される。したがって、未精製の反応混合物は、一般的に特に記載のない限り、本発明から除外される。
さらに、本発明の化合物は、現代香料、すなわち香水または機能性香料のすべての分野において、有利に使用されて、前記化合物(I)が添加された消費者製品の匂いを積極的に付与または変更することもできる。結果的に、本発明の別の対象は、上記で定義した少なくとも1種の式(I)の化合物を付香成分として含む付香消費者製品によって表される。
本発明の化合物は、それ自体または本発明の付香組成物の一部として添加され得る。
明確にするために、「付香消費者製品」とは、それが適用された表面(例えば、皮膚、毛髪、テキスタイル、または家庭内表面)に少なくとも快い付香効果をもたらすことが期待される消費者製品を意味する。換言すれば、本発明による付香消費者製品は、機能性配合物、任意に所望の消費者製品に相当する追加の利点をもたらす薬剤、例えば、洗剤またはエアフレッシュナー、および嗅覚的に有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を含む付香された消費者製品である。明確にするために、前記付香消費者製品は非食用製品である。
付香消費製品の構成成分の性質および種類は、ここではより詳細な説明を必要としない(いずれの場合も網羅されないであろう)が、当業者は自身の一般的な知識に基づいておよび前記製品の性質および所望の効果に従ってそれらを選択することができる。
適切な付香消費者製品の非限定的な例は、香料、例えば、香水、スプラッシュまたはオーデパルファム、コロンまたはシェーブまたはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば、液体または固体洗剤、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン掛け水、紙、または漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えば、シャンプー、カラーリング剤またはヘアスプレー、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品)、消毒剤、インティメイトケア製品;化粧品調製物(例えば、スキンクリームまたはローション、バニシングクリームまたは脱臭剤または制汗剤(例えば、スプレーまたはロールオン)、脱毛剤、タンニング用製品または日焼け用製品もしくは日焼け後用製品(sun or after sun product)、ネイル製品、スキンクレンジング、メイクアップ);またはスキンケア製品(例えば、付香された石鹸、シャワーまたはバスムース、オイルまたはジェル、または衛生用品またはフット/ハンドケア製品);空気ケア製品、例えば、家庭空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴または自動車)および/または公共空間(ホール、ホテル、モール等)で使用され得るエアフレッシュナーまたは「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;またはホームケア製品、例えば、カビ取り剤、家具手入れ用品、ワイプ、食器用洗剤または硬質表面(例えば、床、浴槽、トイレまたは窓)用洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば、艶出し剤、ワックスまたはプラスチッククリーナーであり得る。
上記の付消費者製品のいくつかは、本発明の化合物に対して攻撃的な媒体となることもあり、例えば、酵素、光、熱またはpHの変化などの適切な外部刺激時に、本発明の化合物を、本発明の成分を放出するのに適した別の化学物質に化学的に結合することによって、またはカプセル化することによって本発明の化合物を早期の分解から保護することが必要となり得る。
本発明による化合物を種々の前述の製品または組成物に配合することができる割合は、広い範囲の値で変化する。これらの値は、付香されるべき物品の性質および所望の感覚刺激効果に依存するだけでなく、本発明による化合物が、当該技術分野でよく使用される付香補助成分、溶媒または添加剤と混合される場合、所与のベース中の補助成分の性質にも依存する。
例えば、付香組成物の場合、典型的な濃度は、それらが配合される組成物の質量を基準として、1質量%〜50質量%、またはそれ以上のオーダーの本発明の化合物である。これらよりも低い濃度、例えば、0.1質量%〜20質量%のオーダーが、これらの化合物が付香消費者製品に配合される際に使用されてもよく、パーセンテージは物品の質量に対するものである。
実施例
本発明は、ここで以下の実施例によってさらに詳細に説明され、省略形は当該技術分野において通常の意味を有し、温度は摂氏(℃)で示され;NMRスペクトルは、400MHz、(H)および100MHz(13C)で動作するBruker Avance II Ultrashield 400プラスまたは500MHz(H)および125MHz(13C)で動作するBruker Avance III 500、または600MHz(H)および150MHz(13C)で動作するBruker Avance III 600シクロプローブのいずれかを使用して得られ;化学シフトσは標準としてのTMSに対してppmで示され、結合定数JはHzで表される。
実施例1
式(I)の化合物の合成
1)ミックス3の調製
(4aRS,8RS)−4a,8−ジメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オンと(4aRS,8SR)−4a,8−ジメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オンとの95/5の混合物を、W. C. StillおよびF. L. van Middelsworth, J. Org. Chem., 1977, 42, 1258に従って調製した。
前記95:5混合物(1967g)を、0.1ミリバールでSulzer DXカラム(1.2M)を使用する減圧蒸留で分離することで、シスジメチル副化合物を含む混合画分を得て、次いで純粋なトランスジメチルエノン((4aRS,8RS)−4a,8−ジメチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−2(3H)−オン)(沸点77℃〜87℃、1462g)を得た。
Hおよび13C NMRスペクトルは文献の値と非常に一致していた。(J. Org. Chem., 1978, 43, 755. Helv. Chim. Acta., 1972, 55, 2371.)
エノンの両方のエナンチオマーはG. Devial, Tetrahedron Lett., 1989, 30, 4121に従って調製することができた。
a)デカロンを得るための純粋なトランスジメチルエノンの水素化
オートクレーブ中で、10%のパラジウム化木炭(0.2g)と上記で得られたトランスジメチルエノン(13.0g、72.9ミリモル)との懸濁液において、排気し、次にその懸濁液を水素ガスで3回パージし、水素ガス(60バール)の雰囲気下にて周囲温度で5時間撹拌した。懸濁液をセライトの小さなプラグでろ過し、ジエチルエーテルですすぎ、溶媒を真空内で除去した。粗ケトンを160℃および0.1ミリバールでバルブ−バルブ蒸留によりさらに精製して、シスおよびトランス接合立体異性体の混合物(6:4、シス:トランス)、12.0g、91%としてデカロンを得た。この混合物を次の工程でそのまま使用した。
明確にするために、シス接合立体異性体は(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オンであり、トランス接合立体異性体は(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オンである。
b)a)で得られたエノン混合物へのアセチリドの添加
上記のa)で得られたジメチルデカロン(74g、0.278モル)をTHF(60mL)に入れた溶液を、エチニルマグネシウムブロミド(THF中0.5M、1070mL、0.534モル)の撹拌溶液にゆっくりと滴加し、氷浴中で4℃まで冷却した。溶液を周囲温度まで温め、一晩撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、有機相を飽和NHCl溶液、次いでブラインで洗い、NaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空中で除去して、褐色の油状物として粗プロパルギルアルコール85gを得た。15cmのビグリューカラムを用いて0.1ミリバール、沸点72°〜85°で真空蒸留することによってさらなる精製を行い、無色の油状物および異性体の複合混合物としてプロパルギルアルコール58.5g(収率82%)を得た。この立体異性体のプロパルギルアルコールの複合混合物を、次の工程でさらに精製することなく使用した。
c)b)で得られたアセチレン誘導体のループ転位
プロパルギルアルコール(58.0g、0.28モル)の混合物をギ酸(560mL、95%)に溶解し、90℃で2時間加熱し、次に冷却し、氷および水の混合物に注いだ。水相をペンタンで抽出し、有機相を水、次いで飽和NaHCO溶液、ブラインで洗い、NaSOで乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空中で除去して、異性体の混合物として粗製の最終エノン60.5gを得た。ビグリューカラムを用いて、0.05ミリバール、沸点81℃〜89℃で減圧蒸留することによって、さらなる精製を行い、異性体の混合物としてエノンミックス3(45.8g、収率79%)を得た。
立体異性体比、28:9:35:28=100。
トランスジメチル、シス接合:56%
28%=1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
28%=1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
トランスジメチル、トランス接合:44%
9%=1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
35%=1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン
個々の異性体の同一性および構造解明のためには、以下を参照されたい。
2)ミックス1の調製
a)デカロンを得るための純粋なトランスジメチルエノンの水素化
1.a)で得られた純粋な飽和シスおよびトランス接合立体異性体デカロンの混合物を、1ミリバールで、50℃に加熱した凝縮器を備えた1.2Mのフィッシャーカラムを用いて分留により分離した。このようにして以下のものを得た:
(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オン(トランス接合デカロン異性体)29.2g(GC98.2%)沸点68℃〜69℃。
Hおよび13C NMRスペクトルは文献値と非常に一致していた。(J. Org. Chem., 1978, 43, 755. Helv. Chim. Acta., 1972, 55, 2371.)
(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチルオクタヒドロナフタレン−2(1H)−オン(シス接合デカロン異性体)32.3g(GC99.8%)沸点69℃〜70℃に富化された画分を加えたもの。
Hおよび13C NMRスペクトルは文献値と非常に一致していた。(J. Org. Chem., 1978, 43, 755. Helv. Chim. Acta., 1972, 55, 2371)
b)2.a)で得られたエノン混合物へのアセチリドの添加
ジメチルデカロン(2.a)で得られた純粋なトランス異性体、7.0g、38.8ミリモル)をTHF(75mL)に入れた溶液を、1.b)の一般的な手順に従って処理し、異性体の混合物としての粗プロパルギルアルコール8.1gを褐色の油状物として得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
c)2.b)で得られたアセチレン誘導体のループ転位
プロパルギルアルコールの混合物(2.b)で得られたもの、8.0g、38.8ミリモル)をギ酸(80mL)に溶解し、1.c)の手順に従って加熱して、異性体の混合物(15:85)として粗エノン7.9gを褐色の油状物として得た。
0.1ミリバール、105℃でのバルブ−バルブ減圧蒸留によりさらに精製して、異性体の混合物(15:85)としてエノン5.9g、収率74%を得た。
15%=トランスジメチルトランス接合α−エノン立体異性体=1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン:
Figure 0006768063
85%=トランスジメチルトランス接合β−エノン立体異性体=1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン:
Figure 0006768063
3)ミックス2の調製
a)3.a)で得られたエノン混合物へのアセチリドの添加
ジメチルシスデカロンの溶液(2.a)で得られた純粋なシス接合立体異性体、14g、73ミリモル)を1.b)の手順に従って処理して異性体の混合物として粗プロパルギルアルコール18gを褐色の油状物として得た。
b)3.b)で得られたアセチレン誘導体のループ転位
プロパルギルアルコール(3.a)で得られたもの、7.7g、37.4ミリモル)の混合物をギ酸(75mL)に溶解し、1.c)の手順に従って処理して、異性体の混合物として粗エノン6.05gを得た。
0.05ミリバール、145℃でバルブ−バルブ減圧蒸留によりさらに精製して、異性体の混合物(1:1)としてエノン5.2g(収率67%)を得た。
2種類の異性体をさらに精製し、フィッシャーカラム(50cm)1ミリバールを用いて分留により分離して、純粋な異性体を得た。
トランスジメチルシス接合α−エノン立体異性体=1−((4aSR,8SR,8aRS)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン:
Figure 0006768063
トランスジメチルシス接合β−エノン立体異性体=1−((4aSR,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オン:
Figure 0006768063
実施例2
付香組成物の調製
ウッディ調の付香組成物を、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
Figure 0006768063
1)(−)−(8R)−8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダンa)
2)高シスメチルジヒドロジャスモネートa)
3)(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエートa)
4)メチルイオノン異性体の混合物a)
5)メチルジヒドロジャスモネートa)
6)1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンa)
7)3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オールa)
ジプロピレングリコール中
a)製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
4000質量部のミックス3(実施例1.1で定義したもの)を上記組成物に加え、最初の配合物中に存在するウッディ−ベチバー(ベチバー油)およびパウダリー−スミレ(Iralia(登録商標)トータル)の両方の要素を十分にブレンドすることによって、上記組成物に強化されたルーティー/パウダリー特性を付与した。
ミックス3の代わりに同量のミックス1(実施例1.2で定義したもの)を加えた場合、前記成分はミックス3のものと同様の効果をもたらしたが、配合物の濃厚なウッディ−ベチバー要素がより顕著になった。
ミックス3の代わりに同量のミックス2(実施例1.3で定義したもの)を加えた場合、前記成分はミックス3のものと同様の効果をもたらしたが、配合物のパウダリー−スミレ要素がより顕著になった。
ミックス3の代わりに同量の先行技術の1−[(4aRS,8SR,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンを加えた場合、この成分はフルーティー−ダマスコン(Dasmascone)(ダマスコンアルファ)要素(本発明の化合物では確認されていない要素)を強調し、ウッディーアコードをよりセダー様に近づけた。

Claims (9)


  1. Figure 0006768063
    で示される化合物の、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形での付香成分としての使用であって、前記式中、太線および斜線は相対配置または絶対配置を示し;かつ
    一方の点線は炭素−炭素単結合を表し、他方は炭素−炭素二重結合を表す、前記使用。
  2. 前記化合物が、式
    Figure 0006768063
    (式中、太線、斜線および点線は請求項1に示した意味を有する)
    の化合物であることを特徴とする、請求項1記載の使用。
  3. 前記化合物が1−[(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、
    1−[(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、
    1−[(4aRS,8RS,8aSR)−4a,8−ジメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノン、
    1−[(4aRS,8RS,8aRS)−4a,8−ジメチル−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ナフタレニル]エタノンおよび/またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1記載の使用。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
  5. 付香組成物であって、
    i)請求項1から3までのいずれか1項に規定される、少なくとも1種の式(I)の化合物;
    ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および
    iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
    を含む、前記付香組成物。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に規定される、少なくとも1種の式(I)の化合物を含む付香消費者製品。
  7. 香料消費者製品が、香料、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧品調製物、スキンケア製品、空気ケア製品またはホームケア製品であることを特徴とする、請求項6記載の付香消費者製品。
  8. 香料消費者製品が、香水、スプラッシュまたはオーデパルファム、コロン、シェーブまたはアフターシェーブローション、液体または固体洗剤、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン掛け水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、カラーリング剤、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、脱臭剤または制汗剤、脱毛剤、タンニング用製品または日焼け用製品、ネイル製品、スキンクレンジング、メイクアップ、付香された石鹸、シャワーまたはバスムース、オイルまたはジェル、またはフット/ハンドケア製品、衛生用品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、モールドリムーバー、家具ケア、ワイプ、食器用洗剤または硬質表面用洗剤、レザーケア製品、カーケア製品であることを特徴とする、請求項6記載の付香消費者製品。
  9. 付香組成物または付香された物品の匂い特性を付与、強化、改善または変更する方法であって、請求項4に規定される有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、前記組成物または前記物品に添加することを含む、前記方法。
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