JP2021528358A - 部分水素化クロロシランおよび選択的水素化によるその製造方法 - Google Patents

部分水素化クロロシランおよび選択的水素化によるその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式RAlH[式中、Rは、分岐状または環状炭化水素である]の化合物を用いた選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造方法に関する。本発明はさらに、該方法で製造された部分水素化クロロシラン、特に式ClSiSi(SiH、(ClSi)Si(SiHまたはHSi(SiHSiClで表される部分水素化クロロシランに関する。

Description

本発明は、選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造方法に関する。本発明はさらに、該方法で製造された部分水素化クロロシラン、特に式ClSiSi(SiH、(ClSi)Si(SiHまたはHSi(SiHSiClで表される部分水素化クロロシランに関する。
本発明において、部分水素化クロロシランとは、ケイ素原子、水素原子および塩素原子を含む化合物である。部分水素化クロロシランは、ケイ素原子および塩素原子のみを含むクロロシランよりもはるかに反応性が高い。よって部分水素化クロロシランは、気相からのケイ素含有層の蒸着における前駆体として大きな可能性を秘めている。それにもかかわらず、この化合物クラスの合成方法は、文献には若干しか記載されていない。
またはHClを用いて触媒によりSiClをHSiClに転化させるための従来技術から知られている方法は、高級クロロシラン(これは、SiClなどの2つ以上のSi基を有するクロロシランを意味する)の類似の反応には適していない。Si−Si結合は、必要な反応条件下(T>500℃)では安定でなく、部分水素化クロロモノシランの量が増加する。
U. Paetzold, G. Roewer, U. Herzog, J. Organomet. Chem. 1996, 508, 147には、触媒として使用されるルイス塩基の存在下でのBuSnHによるクロロモノシランの部分水素化が記載されている。しかし、U. Herzog, G. Roewer, U. Paetzold, J. Organomet. Chem. 1995, 494, 143には、高級クロロシランの対応する転化によって、相当な量のモノシランと様々な部分水素化クロロシランの複雑な混合物とが得られ、これが個々の成分への分離を著しく妨げることが記載されている。
部分水素化クロロシランは、適切な保護基を使用し、これを水素化後に切断することにより製造することもできる。K. Hassler, W. Koell, J. Organomet. Chem. 1997, 540, 113およびK. Hassler, W. Koell, K. Schenzel, J Mol. Structure 1995, 348, 353には、2つまたは3つのSi基を有する多数の部分水素化クロロシランの合成が記載されている。フェニル保護基を有する高級クロロシランが部分水素化され、対応する部分水素化クロロシランのフェニル保護基が無水HClによって切断される。
同様に、H. Stueger, J. Organomet. Chem. 1993, 458, 1、H. Stueger, P. Lassacher, J. Organomet. Chem. 1993, 450, 79およびH. Stueger, P. Lassacher, E. Hengge, J. Organomet. Chem. 1997, 547, 227にも、保護基を使用した、4つまたは6つのSi基を有する部分水素化クロロシランの製造が記載されている。保護基としてのアミノ置換基の使用が成功裏に示されている。
上記の方法はいずれも、次の不利な特性のうちの1つを有する。反応の過程で、かなりの割合のSi−Si結合の切断が起こり、望ましくないモノ−Si種の量が増加する。異なる部分水素化クロロシランの複雑な混合物が得られ、かなりの量の単一の化合物の単離が困難となる。さらに、保護基を使用した多段階合成は、経済的に妥当ではない。
部分水素化クロロシランを得るためのもう1つの方法は、ヒドリドシランの部分塩素化である。ヒドリドシランは、ケイ素原子および水素原子のみを含む化合物である。J. E. Drake, N. Goddard, J. Chem. Soc. A 1970, 2587には、高級ヒドリドシラン、すなわちSiなどの複数のSi原子を有するヒドリドシランをBClにより成功裏に転化させることによる高級部分水素化クロロシランの製造について記載されている。J. E. Drake, N. Goddard, N. P. C. Westwood, J. Chem. Soc. A 1971, 3305には、高濃度のBClにより、Si−Si結合の切断ゆえ、副生成物の量が増加することが示されている。
R. P. Hollandsworth, M. A. Ring, Inorg. Chem. 1968, 7, 1635には、HCl/AlClおよびAgClを高級ヒドリドシランととも使用することによる水素化クロロシランの製造が記載されている。高級ヒドリドシランの塩素化剤としてのSnClの使用は、部分水素化クロロシランの製造にも適している。
しかしながら、経済的観点から、ヒドリドシランの部分塩素化を用いた上記の方法は、最初に完全な水素化によって対応するクロロシランからヒドリドシランを製造しなければならないことが多いため、部分水素化クロロシランの製造にはさほど適していない。
したがって本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を回避することである。より具体的には、本発明の目的は、Si−Si結合の切断によって副生成物が形成されることなく、部分水素化クロロシランを迅速かつ高収率で製造することができる方法を提供することである。前述の副生成物の形成の低減によって、単一の化合物の単離を容易にすることがさらに望ましい。さらに本発明の目的は、まだ合成されたことのない部分水素化クロロシラン、特に式ClSiSi(SiH、(ClSi)Si(SiHまたはHSi(SiHSiClによって表される部分水素化クロロシランの製造および単離を可能にすることである。
驚くべきことに、本発明の目的は、本発明の選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造方法によって達成されることが見出された。本発明の方法は、(i)出発物質である式Si2n+2[式中、nは、少なくとも2の整数であり、Xは、H、Cl、アルキルおよびアリールから独立して選択されるが、ただし、少なくとも2つのクロロ置換基が存在するものとする]のクロロシランを水素化剤と反応させて、部分水素化クロロシランを含む反応生成物を形成するステップを含み、ここで、出発物質であるクロロシランと比較して、少なくとも1つのクロロ置換基がヒドリド置換基に移行するが、すべてのクロロ置換基がヒドリド置換基に移行するわけではない。本発明の水素化剤は、式RAlH[式中、Rは、分岐状炭化水素または環状炭化水素である]の化合物である。本発明によれば、水素化剤は、出発物質であるクロロシラン中に存在するクロロ置換基に対して化学量論量を下回る量で存在する。本発明の選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造方法は、(ii)前記部分水素化クロロシランを反応生成物から分離するステップをさらに含む。
本発明の方法は、部分水素化クロロシランを比較的高収率で容易に製造する方法を提供する。従来技術の部分水素化クロロシランの製造方法と比較して、本発明による方法は、Si−Si結合の切断が低減されるため、より選択的であり、副生成物が少ない。さらに、これまで達成し得なかった化合物を初めて合成することができる。
金属水素化物は、これまでクロロシランの完全水素化によるヒドリドシランの生成にしか使用されてこなかったため、このことはさらに驚くべきことである。また、クロロシランの完全水素化に使用される、LiAlHなどの他の一般的に知られている水素化剤は、適用されたクロロシラン中に存在するクロロ置換基に対して化学量論量を下回る量で使用された場合であっても、常に、適用されたクロロシランの完全な水素化を招く。このことは、化学量論量を下回る量のLiAlHによる、SiCl、SiClまたはメチルクロロジシランの完全な水素化について説明されている、U. Herzog, G. Roewer, U. Paetzold, J. Organomet. Chem. 1995, 494, 143およびU. Paetzold, G. Roewer, U. Herzog, J. Organomet. Chem. 1996, 508, 147によって実証されている。さらに、P. Gaspar, C. Levy, G. Adair, Inorg. Chem. 1970, 9, 1272およびF. Hoefler, R. Jannach, Inorg. Nucl. Chem. Lett. 1973, 9, 723には、LiAlHを使用した場合のSiClおよびSiCl12のSi−Si結合の切断の増加について記載されている。
本発明に関して、「部分水素化クロロシラン」という用語は、式Si2n+2[式中、nは、少なくとも2の整数であり、Xは、H、Cl、アルキルまたはアリールを含むが、ただし、少なくとも1つのクロロ置換基が存在するものとする]のクロロシランを指す。
本発明に関して、「選択的水素化」という用語は、出発物質であるクロロシランの非常に特異的な水素化を指す。本明細書において、水素化とは、Si基のクロロ置換基とヒドリド置換基との交換を指す。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明の出発物質であるクロロシランのSiCl基は、本発明による選択的水素化によって連続的にSiH基に変換されると考えられる。
本明細書において、「出発物質であるクロロシラン」という用語は、本発明の方法の出発材料を提供する物質としての本出願のクロロシランを指す。
本発明によれば、「化学量論量を下回る量」という用語は、水素化剤が、出発物質であるクロロシラン中に存在するクロロ置換基の化学量論量よりも少ない量で存在することを意味する。
本明細書において、出発物質である式Si2n+2[式中、nは少なくとも2の整数であり、Xは、H、Cl、アルキルおよびアリールから独立して選択されるが、ただし、少なくとも2つのクロロ置換基が存在するものとする]のクロロシランは、本発明によれば、気体、液体または固体であり得る。
好ましくは、出発物質である式Si2n+2[式中、nは、2〜10である]のクロロシランが本発明の方法に使用され、さらにより好ましくは、出発物質である式Si2n+2[式中、nは、2〜6である]のクロロシランが本発明の方法に使用され、最も好ましくは、出発物質である式Si2n+2[式中、nは、4〜6である]のクロロシランが本発明の方法に使用される。Xは、HまたはClから独立して選択することができ、好ましくは、Xは、本発明によればClである。さらに、本発明の出発物質であるクロロシランは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
少なくとも2つのSiCl基を含む本発明の出発物質であるクロロシランが非常に特に好ましく、これにより、本発明の水素化剤との反応時に、少なくとも1つのSiCl基と少なくとも1つのSiH基とを含む部分水素化クロロシランが形成される。
好ましい一実施形態において、出発物質であるクロロシランは、好ましくは、Si(SiCl、HSi(SiCl、ClSiSiClSiClおよびClSiSiClを含む群から選択することができる。
本発明の水素化剤は、式RAlH[式中、Rは、分岐状炭化水素または環状炭化水素である]の化合物である。Rが、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、2,6−ジメチルフェニル、メシチル(Mes)、2,6−ビスイソプロピルフェニル、2,4,6−トリスイソプロピルフェニル、2,4,6−トリス−tert−ブチルフェニル(Mes)、2,4,6−トリフェニルフェニル(Trip)、2,6−Mes(C)または2,6−Trip(C)である場合に、最良の結果が得られる。
さらに好ましくは、本発明の方法で使用される水素化剤は、水素化ジイソブチルアルミニウムである。
選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造の反応(i)は、好ましくは−70℃〜100℃の範囲、より好ましくは−50℃〜80℃の範囲、さらにより好ましくは−30℃〜60℃の範囲の温度で行われる。反応(i)は、特に0℃の温度で行われる。場合により、選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造の反応(i)において、500ミリバール〜5バールの圧力を加えることができる。
本発明の反応(i)において、水素化剤は、好ましくは、出発物質であるクロロシラン1モル当たり約m−kモルの量で使用される。本発明によれば、mは、出発物質であるクロロシラン中のクロロ置換基の数であり、kは、部分水素化クロロシラン中のクロロ置換基の数である。
本発明の反応ステップ(i)において、部分水素化クロロシランを含む反応生成物を形成した後、形成された部分水素化クロロシランを分離する。この分離(ii)は、蒸発または蒸留を含むことができ、蒸留が好ましい。蒸留は、好ましくは−30℃〜100℃の範囲の温度および0.01ミリバール〜1100ミリバールの範囲の圧力で行われる。
反応(i)は、溶媒の存在下でも不在下でも行うことができる。本発明による方法は、好ましくは無溶媒で実施される。しかし、本発明による方法が溶媒の存在下で行われる場合に、使用される好ましい溶媒は、1〜12個の炭素原子を有する(部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよい)直鎖状、分岐状および環状の、飽和、不飽和および芳香族の炭化水素ならびにエーテルからなる群から選択される溶媒であってよい。特に好ましいのは、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、p−ジオキサンおよびジメチルスルホキシドである。特に効率的に使用できる溶媒は、炭化水素、すなわちn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、ドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレンである。溶媒は、総重量の0.01〜90重量%を占め得る。
反応(i)の好ましい反応時間は、0.1〜12時間、さらに好ましくは1〜8時間、特に好ましくは2〜6時間である。
本発明はさらに、式ClSiSi(SiH、(ClSi)Si(SiHまたはHSi(SiHSiClによって表されるクロロシランに関する。
形成された本発明の部分水素化クロロシランは低い蒸着温度を有するため、気相蒸着によるケイ素含有層の製造に使用することができる。
以下の実施例は、それ自体が制限的な効果を有することなく、本発明の主題をさらに説明することを意図するものである。
中に溶解された化合物ClSiSi(SiHの、25℃で測定されたH−NMRスペクトル 中に溶解された化合物ClSiSi(SiHの、25℃で測定されたプロトンデカップリング29Si{H}−NMRスペクトル 中に溶解された化合物ClSiSi(SiHの、25℃で測定されたプロトンカップリング29Si−NMRスペクトル 中に溶解された化合物(ClSi)Si(SiHの、25℃で測定されたH−NMRスペクトル 中に溶解された化合物(ClSi)Si(SiHの、25℃で測定されたプロトンデカップリング29Si{H}−NMRスペクトル 中に溶解された化合物(ClSi)Si(SiHの、25℃で測定されたプロトンカップリング29Si−NMRスペクトル 中に溶解された実施例4の粗生成物混合物の、25℃で測定されたプロトンデカップリング29Si{H}−NMRスペクトル 中に溶解された実施例5の粗生成物混合物の、25℃で測定されたH−NMRスペクトル 中に溶解された実施例5の粗生成物混合物の、25℃で測定された29Si{H}−スペクトル
実施例
いずれの実験も、グローブボックス(M. Braun Inert Gas Systemes GmbH製)において、または標準的なシュレンク技法(D. F. Shriver, M. A. Drezdzon, The manipulation of air sensitive compounds, 1986, Wiley VCH, New York, USAの方法による)を用いて乾燥窒素の不活性雰囲気(N、純度5.0;O含有率<0.1ppm;HO含有率<10ppm)下で行った。MB-SPS-800-Auto型溶媒乾燥システム(M. Braun Inert Gas Systemes GmbH製)を使用して、無水・無酸素溶媒(ジエチルエーテル、ペンタン)を準備した。Sigma-Aldrich Coorp.より重水素化ベンゼン(C6D6)を入手し、これをモレキュラーシーブに保存して、使用前に少なくとも2日間乾燥させた。
化合物Si(SiClおよびHSi(SiClを、既知の方法(独国特許発明第102009053804号明細書および米国特許第8575381号明細書)により製造した。
NMRスペクトルを、溶媒としてCを使用して溶液中で測定した。Varian, Inc.製Varian 25 INOVA 300(1H:300.0MHz、29Si:59.6MHz)分光計を25℃で使用した。化学シフトを、外部参照(Hおよび29Si:TMS、テトラメチルシランに対応、δ=0ppm)と比較して示す。NMRスペクトルは、MestreLab Research, Chemistry Software Solutions製ソフトウェアMestReNovaを使用して解釈した。
Bruker Alpha-P Diamond ATR分光計を使用して、固体サンプルの赤外線スペクトルを測定した。
元素分析を、Hanau Vario Elementar ELで行った。
質量分光分析およびガスクロマトグラフィー分析を、HP 5971および5890-II機器を結合することによって行った。長さ25m、直径0.2mmであり、0.33mmのポリジメチルシロキサン粒子を充填したキャピラリカラムHP 1型を使用した。
実施例1:
Figure 2021528358
204mL(1145ミリモル)のi−BuAlHを、温度0℃で数時間かけて72g(127ミリモル)のSi(SiCl(ドデカクロロネオペンタシラン)に添加した。添加開始時に形成された懸濁液は、反応中に透明な溶液に変化した。添加が完了した後、反応混合物を室温(23℃)で一晩撹拌した。反応の進行を、1Hおよび29Si−NMR分光法によってモニタリングした。生成物ClSiSi(SiHを、室温で0.01ミリバールの圧力での蒸留によって反応混合物から単離した(収量:7.2g、38%)。
Figure 2021528358
実施例2:
Figure 2021528358
136mL(762ミリモル)のi−BuAlHを、温度0℃で数時間かけて72g(127ミリモル)のSi(SiCl(ドデカクロロネオペンタシラン)に添加した。添加開始時に形成された懸濁液は、反応中に透明な溶液に変化した。添加が完了した後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の進行を、1Hおよび29Si−NMR分光法によってモニタリングした。副生成物ClSiSi(SiHを、室温で0.01ミリバールの圧力での蒸留によって反応混合物から単離した。主生成物(ClSi)Si(SiHを、その後の90℃および0.01ミリバールの圧力での蒸留によって反応混合物から単離した(収量:8.2g、25%)。
主生成物が確かに(ClSi)Si(SiHであることを明確に証明するために、該化合物を、保護基を使用して第2の方法でも製造した:15mLのベンゼン中の1g(1.64ミリモル)の(PhSi)Si(SiH(1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルネオペンタシラン)の溶液を、触媒量のAlCl(2mg、1モル%)と混合した。反応溶液を0℃に冷却した。続いて、(PhSi)Si(SiHの完全な変換が達成されるまで、ガス導入管を介して反応混合物にガス状HClを通した。反応開始は、反応溶液の黄変によって示された。反応の進行を、1Hおよび29Si−NMR分光測定によってモニタリングした。反応の完了後、溶媒を真空で除去した。残留物を15mLのペンタンと混合した。得られた懸濁液を濾過して、反応混合物からAlClを除去した。ペンタンを室温で蒸発させた後、生成物(ClSi)Si(SiHが無色のロウ状の固体として得られた(収量:0.23g、39%)。
Figure 2021528358
化合物の塩素含有量が高いため、GC/MS測定は不可能であった。
実施例3:
Figure 2021528358
42mL(222ミリモル)のi−BuAlHを、温度0℃で数時間かけて16g(37ミリモル)のHSi(SiCl(1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−2−(トリクロロシリル)トリシラン)に添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の進行を、1Hおよび29Si−NMR分光法によってモニタリングした。揮発性副生成物HSi(SiHを、室温で0.01ミリバールの圧力での蒸留によって反応混合物から単離した。生成物HSi(SiHSiClを、その後の50℃の温度および0.01ミリバールの圧力での蒸留によって単離した(収量:3.2g、38%)。
Figure 2021528358
実施例4:
Figure 2021528358
33.9mL(185ミリモル)のi−BuAlHを、温度0℃で数時間かけて10g(37ミリモル)のClSiSiClSiCl(オクタクロロトリシラン)に添加した。続いて、部分水素化クロロトリシランを、室温にて真空(0.01ミリバール)で分離した。反応混合物のGC−MS測定により、HSiSiHSiClが反応混合物の75%の割合で合成されたことを確認した。
Figure 2021528358
実施例5:
Figure 2021528358
20.7mL(111ミリモル)のi−BuAlHを、温度0℃で数時間かけて10g(37ミリモル)のClSiSiCl(ヘキサクロロジシラン)に添加した。続いて、部分水素化クロロジシランを、室温にて真空(0.01ミリバール)で分離した。部分水素化クロロジシランHSiSiClの収率は、60%であった。
Figure 2021528358

Claims (14)

  1. 選択的水素化による部分水素化クロロシランの製造方法であって、前記方法は、
    (i)出発物質である式Si2n+2[式中、nは、少なくとも2の整数であり、Xは、H、Cl、アルキルおよびアリールから独立して選択されるが、ただし、少なくとも2つのクロロ置換基が存在するものとする]のクロロシランを水素化剤と反応させて、部分水素化クロロシランを含む反応生成物を形成するステップであって、ここで、前記出発物質であるクロロシランと比較して、少なくとも1つのクロロ置換基がヒドリド置換基に移行するが、すべてのクロロ置換基がヒドリド置換基に移行するわけではないものとするステップと、
    (ii)前記部分水素化クロロシランを前記反応生成物から分離するステップと
    を含み、
    前記水素化剤は、式RAlH[式中、Rは、分岐状炭化水素または環状炭化水素である]の化合物であり、前記水素化剤は、前記出発物質であるクロロシラン中に存在する前記クロロ置換基に対して化学量論量を下回る量で存在する、方法。
  2. nは2〜10であり、好ましくは、nは2〜6である、請求項1記載の方法。
  3. Xは、HまたはClから独立して選択され、好ましくは、XはClである、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記出発物質であるクロロシランが、少なくとも2つのSiCl基を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記部分水素化クロロシランが、少なくとも1つのSiCl基と少なくとも1つのSiH基とを含む、請求項4記載の方法。
  6. 前記出発物質であるクロロシランが、Si(SiCl、HSi(SiCl、ClSiSiClSiClおよびClSiSiClを含む群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. Rが、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、2,6−ジメチルフェニル、メシチル(Mes)、2,6−ビスイソプロピルフェニル、2,4,6−トリスイソプロピルフェニル、2,4,6−トリス−tert−ブチルフェニル(Mes)、2,4,6−トリフェニルフェニル(Trip)、2,6−Mes(C)または2,6−Trip(C)である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記水素化剤が、水素化ジイソブチルアルミニウムである、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記反応(i)を、−70℃〜100℃の範囲、好ましくは−50℃〜80℃の範囲、最も好ましくは−30℃〜60℃の範囲の温度で、特に0℃の温度で行う、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記水素化剤を、前記出発物質であるクロロシラン1モル当たり約m−kモルの量で使用し、ここで、mは、前記出発物質であるクロロシラン中のクロロ置換基の数であり、kは、前記部分水素化クロロシラン中のクロロ置換基の数である、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記分離(ii)を、蒸留により、好ましくは−30℃〜100℃の範囲の温度、および0.01ミリバール〜1100ミリバールの範囲の圧力で行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記反応(i)が、無溶媒である、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. (i)の反応時間が、0.1〜12時間、さらに好ましくは1〜8時間、特に好ましくは2〜6時間である、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 式ClSiSi(SiH、(ClSi)Si(SiHまたはHSi(SiHSiClによって表される、クロロシラン。
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