JP2021527679A - 補体−アナフィラトキシン吸着薬、および眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療におけるそれらの使用 - Google Patents

補体−アナフィラトキシン吸着薬、および眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療におけるそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明の主題は、補体−アナフィラトキシン C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、それによってC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬、たとえばタンパク質またはタンパク質断片である。

Description

本発明の主題は、補体−アナフィラトキシン C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、それによってC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬、たとえばタンパク質またはタンパク質断片またはペプチドである。
先行技術
視力の深刻な喪失に関連する変性眼疾患は、誤った血管新生または創傷治癒/線維化の結果であることが非常に多い(Friedlander M. J Clin Invest. 2007)。
血管眼疾患の治療は、深い研究および抗VEGF治療薬(血管内皮増殖因子、VEGF)の導入によって大幅に改善されたが(Lim LS et al. Lancet 2012; Feigl B. Prog Retin Eye Res 2009; Joussen AM et al. FASEB J 2004)、線維性眼疾患の治療は、治療アプローチにおいてまだ欠けている。
誤った創傷治癒および線維化は、特に角膜に最も関連性がある。角膜線維症は、視力を実質的に妨げる光透過性の喪失をもたらし、影響を受けた眼の失明をもたらす可能性がある。角膜瘢痕は、角膜ヘルペス感染、微生物性角膜炎、機械的または化学的病変(mechanic or chemical affection)、間質性角膜症、内皮代償不全または角膜移植片不全による持続性角膜浮腫(persistent corneal edema)に基づいて生じる可能性がある。今日、ほとんどの場合、全層角膜移植(penetrating corneal transplantation)は視力を回復するための唯一の治療選択肢である。この点に関して、コンタクトレンズまたは角膜レーザー屈折矯正手術に起因する、角膜線維症に関連する、行われた角膜移植の数および重度の角膜合併症の数が増加している。上記にもかかわらず、角膜病変を伴う、関連する眼の外傷に苦しむ生涯のリスクは20%を占める(Ljubimov AV et al. Prog Retin Eye Res 2015)。眼の線維形成を阻害する現在の治療オプションは非常に限られており、主にコルチコステロイドおよびシクロスポリンA(CSA)に関連する。どちらの物質も非特異的な有効性を有しており、様々な副作用を伴う。この点で、コルチコステロイドは、白内障の発症および眼圧上昇を誘発するだけでなく、全身性の有害事象、たとえばクッシング症候群および血液パラメーター(ブドウ糖)の変化も引き起こす。CSAは作用の発現が遅く、通常は反応が遅すぎて線維症を予防できないため、CSAは急性治療には適していない。その局所投与は目の刺痛および発赤を伴い、全身性の有害事象、特に動脈性高血圧も引き起こす。
しかしながら、この治療上のジレンマは、上記の例で述べたように、角膜だけでなく、しかし、この治療上のジレンマは、上記の例で述べたように角膜だけでなく、結膜、強膜、虹彩、線維柱帯網、硝子体、網膜、脈絡膜、および視神経乳頭で発生する眼の線維芽細胞および筋線維芽細胞を含む、眼疾患における誤った(misled)創傷治癒および瘢痕化の様々な状態での組織線維症にも関連している。さらに、線維芽細胞の活性化および/または分化に関連する、線維症および瘢痕化に関与する基本的な病態生理学的プロセスは、同様に、肺、肝臓、腎臓、膵臓、心臓、皮膚、および血管系の線維性疾患に関連している。このような背景に対して、眼の線維症および上位の線維性状態の治療のための新規の治療オプションの確立は、臨床的にかなり重要である。
生理学的創傷治癒は、いくつかの組織プロセスに介入し、細胞移動および/または形質転換、増殖、および細胞外マトリックスの調節のシーケンスに従う(Ljubimov AV et al. Prog Retin Eye Res 2015);一方、活性化線維芽細胞および筋線維芽細胞は主要なメディエーターである(Gabbiani G., J Pathol 2003)。創傷治癒の通常の過程で、可逆的なタンパク質沈着が細胞外マトリックス内に蓄積される(Wynn TA et al. NAT Med 2012)。しかし、線維化促進カスケードおよび線維化抑制カスケードの調節不全によって引き起こされる線維性リモデリングの状況では、永続的な筋線維芽細胞の活性化が出現し、マトリックスタンパク質、たとえばコラーゲン、フィブロネクチン、プロテオグリカンの恒常的な不可逆的な沈着につながる可能性がある(Medzhitov R. Cell 2010; Wynn TA, J Pathol. 2008)。
前述のことに基づいて、筋線維芽細胞の阻害およびそれらの活性化は、創傷治癒プロセスを通常のクリアランスメカニズムに選択的に向け、それによって組織の線維症および瘢痕化を予防しうる。しかし、眼の筋線維芽細胞の抑制に関しては、眼の解剖学的特殊性を考慮する必要がある。第一に、血液眼関門(blood−ocular barrier)は、全身的に適用される阻害剤/調節剤、特にタンパク質/ペプチドに基づくものの有効性を妨げる。第二に、直接投与(たとえば、点眼薬の形での局所投与)は、治療されることを意図されている組織への阻害剤/調節剤の浸透を必要とする。したがって、阻害剤/調節剤は、結膜、強膜、虹彩、線維柱帯網、硝子体、網膜、脈絡膜、さらには視神経乳頭に浸透するくらい小さい必要がある。分子量28〜67 kDaのタンパク質は、角膜上皮が無傷の状態で角膜を貫通して前房に入ることができるが、分子量60〜90 kDaのタンパク質は、角膜上皮の除去後に角膜を貫通して前房に入ることができる(Thiel MA et al. Clin Exp Immunol 2002)。モノクローナル抗体(抗VEGF抗体、ベバシズマブ:149 kDa)等の特定の阻害剤の従来の治療アプローチは、これらの条件を満たさない。
本発明の目的は、先行技術の方法の欠点を克服する、眼の創傷または線維症を有する対象の治療を提供することであった。
したがって、本発明の目的は、線維芽細胞/筋線維芽細胞の活性化および/または分化転換のプロセスを阻害する、すなわち、少なくとも本質的に線維芽細胞/筋線維芽細胞の活性化および/または分化転換のプロセスを阻害し、好ましくは90 kDa未満、好ましくは80 kDa以下、好ましくは70 kDa以下、より好ましくは60 kDa以下、より好ましくは50 kDa以下、より好ましくは45 kDa以下、より好ましくは40 kDa以下、さらにより好ましくは35 kDa以下、さらにより好ましくは30 kDa以下、さらにより好ましくは25 kDa以下、さらにより好ましくは20 kDa以下、さらにより好ましくは15 kDa以下、およびさらにより好ましくは10 kDa以下の分子量を有する物質を提供することである。
本発明の主題は、補体−アナフィラトキシン C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、好ましくはそれによってC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬、具体的にはタンパク質またはタンパク質断片である。
C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害することは、C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合することによって、C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を本質的に阻害することを意味する。
本発明の主題は、眼の創傷または線維症を有する対象の治療に使用するための吸着薬であり、ここで上記吸着薬は、創傷治癒、特に角膜創傷治癒を促進するために投与される。
吸着薬は、タンパク質またはその断片、ペプチド、非IgGスキャフォールド、特にアプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬を含む群から選択してもよい。
上記のような抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬は、補体成分C5aタンパク質のいくつかの重複するペプチド断片(たとえば、配列番号:20または配列番号:21で示されるアミノ酸配列を有するヒトC5aタンパク質のいくつかの重複する断片)に結合しうる。ここで、重複は、屋体、抗体様タンパク質、または吸着薬の標的アミノ酸配列と特定のペプチド断片の重複を意味する。抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬はまた、配列番号:22〜34によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC5aに結合しうる(たとえば、Cooketal. (2010) Acta Cryst D66:190−197を参照のこと、また米国特許出願第2016/0159892号に記載されている通り)。さらに、抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬はまた、配列番号:35〜40(配列番号:35: X12ETCEX3RX4、配列番号:36: X56KX789L、および配列番号:37: X56KX789I)によるアミノ酸配列によって形成されるC5aのエピトープにも結合しうる。ここでX1はN、H、D、F、K、Y、およびTからなる群から選択され;X2はD、L、Y、およびHからなる群から選択され;X3はQ、E、およびKからなる群から選択され;X4はA、V、およびLからなる群から選択され;X5はS、H、P、およびNからなる群から選択され;X6はHおよびNからなる群から選択され;X7はD、N、H、P、およびGからなる群から選択され;X8はM、L、I、およびVからなる群から選択され;およびX9はQ、L、およびIからなる群から選択される(米国特許出願第2012/0231008号、米国特許出願第2017/0002067号、国際公開第2011/063980号、および米国特許第8802096号)。
上記のような抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬は、補体成分C3aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片(たとえば、配列番号:43で示されるアミノ酸配列を有するヒトC3aタンパク質のいくつかの重複する断片)に結合しうる。抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬はまた、配列番号:44〜47によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC3aに結合しうる(たとえば、Hugli TE. J Biol Chem. 1975; Hugli TE et al. PNAS 1977; Payan D et al. J. Exp Med. 1982を参照のこと)。
上記のような抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬は、補体成分C4aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片(たとえば、配列番号:48または配列番号:49で示されるアミノ酸配列を有するヒトC4aタンパク質のいくつかの重複する断片)に結合しうる。抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬はまた、配列番号:50によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC4aに結合しうる(たとえば、Yu CY et al. EMBO J. 1986; Nettesheim D.G. et al. PNAS 1988を参照のこと)。
ペプチドは、一方の酸のカルボキシル基が他方のアミノ基に結合している少なくとも二つのアミノ酸からなる化合物として定義され、ペプチド合成によって作成することができる。したがって、本発明について定義されるように、ペプチドは、2〜50アミノ酸を有してもよい。本発明の定義によれば、タンパク質は50を超えるアミノ酸を含む。
タンパク質は、二つ以上のペプチドのタンパク質ライゲーション、組換え発現、またはタンパク質生合成によって作成できるペプチド結合によって連結された、アミノ酸またはペプチドの一つまたは複数の鎖からなる高分子として定義される。
タンパク質断片は、鋳型として機能したタンパク質に由来するアミノ酸配列のセクションとして定義される。
本発明による抗体は、抗原に特異的に結合する免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる一つまたは複数のポリペプチドを含むタンパク質である。認識されている免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA)、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、デルタ(IgD)、イプシロン(IgE)、およびミュー(IgM)定常領域遺伝子、ならびに種々の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。全長の免疫グロブリン軽鎖は、一般に約25 kDaまたは214アミノ酸の長さである。全長の免疫グロブリン重鎖は、一般に、約50 kDaまたは446アミノ酸の長さである。軽鎖は、NH2末端の可変領域遺伝子(長さ約110アミノ酸)およびCOOH末端のカッパまたはラムダ定常領域遺伝子によってコードされている。重鎖は、可変領域遺伝子(長さ約116アミノ酸)および他の定常領域遺伝子の一つによって同様にコードされている。
抗体の基本的な構造単位は、一般に、免疫グロブリン鎖の2つの同一のペアからなる四量体であり、各ペアは1つの軽鎖と1つの重鎖を有する。各ペアでは、軽鎖および重鎖の可変領域が抗原に結合し、定常領域がエフェクター機能を仲介する。免疫グロブリンはまた、たとえば、Fv、Fab、および(Fab’)2、ならびに二機能性ハイブリッド抗体および一本鎖(たとえば、Lanzavecchia et al., Eur. J. Immunol. 17:105,1987; Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85:5879−5883, 1988; Bird et al., Science 242:423−426, 1988; Hood et al., Immunology, Benjamin, N.Y., 2nd ed., 1984; Hunkapiller and Hood, Nature 323:15−16,1986)に存在する。免疫グロブリン軽鎖または重鎖可変領域は、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域によって割り込まれたフレームワーク領域を含む(Sequences of Proteins of Immunological Interest, E. Kabat et al., U.S. Department of Health and Human Services, 1983を参照のこと)。上記のように、CDRは主に抗原のエピトープへの結合に関与する。免疫複合体は、抗原に特異的に結合した、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体等の抗体、または機能的抗体断片である。
キメラ抗体は、その軽鎖遺伝子および重鎖遺伝子は典型的には遺伝子工学によって、異なる種に属する免疫グロブリン可変領域および定常領域遺伝子から構築される。たとえば、マウスモノクローナル抗体由来の遺伝子の可変セグメントをヒト定常セグメント、たとえばカッパおよびガンマ1またはガンマ3に連結することができる。一つの例では、治療的キメラ抗体は、したがってマウス抗体由来の可変領域または抗原結合領域およびヒト抗体由来の定常領域またはエフェクター領域で構成されるハイブリッドタンパク質であるが、一方で他の哺乳動物を使用してもよく、または可変領域は分子技術によって作成してもよい。キメラ抗体の作製方法は、当技術分野で周知であり、たとえば米国特許第5,807,715号を参照されたい。「ヒト化」免疫グロブリンは、ヒトのフレームワーク領域および非ヒト(たとえば、マウス、ラット、または合成)免疫グロブリン由来の一つまたは複数のCDRを含む免疫グロブリンである。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンを「ドナー」と名付け、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンを「アクセプター」と名付ける。一つの実施形態では、ヒト化免疫グロブリンのすべてのCDRはドナー免疫グロブリン由来である。定常領域は存在する必要はないが、存在する場合、それらはヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一でなければならない、すなわち、少なくとも約85〜90%、たとえば約95%以上同一でなければならない。したがって、おそらくCDRを除いて、ヒト化免疫グロブリンのすべての部分は、天然のヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。「ヒト化抗体」は、ヒト化軽鎖およびヒト化重鎖免疫グロブリンを含む抗体である。ヒト化抗体は、CDRを提供するドナー抗体と同じ抗原に結合する。ヒト化免疫グロブリンまたは抗体のアクセプターフレームワークは、ドナーフレームワークから取られたアミノ酸による限られた数の置換を有してもよい。ヒト化抗体または他のモノクローナル抗体は、追加の保存的アミノ酸置換を有してもよく、これは、抗原結合または他の免疫グロブリン機能に実質的に影響を及ぼさない。例示的な保存的置換は、gly、ala;val、ile、leu;asp、glu;asn、gln;ser、thr;lys、arg;およびphe、tyr等のものである。ヒト化免疫グロブリンは、遺伝子工学によって構築することができる(たとえば、米国特許第5,585,089号を参照のこと)。ヒト抗体は、軽鎖および重鎖遺伝子がヒト由来である抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で知られている方法を使用して生成することができる。ヒト抗体は、所望の抗体を分泌するヒトB細胞を不死化することによって産生することができる。不死化は、たとえば、EBV感染によって、またはヒトB細胞を骨髄腫またはハイブリドーマ細胞と融合させてトリオーマ細胞(trioma cell)を産生することによって達成することができる。ヒト抗体は、ファージディスプレイ法によっても産生すること(たとえば、Dower et al., PCT公開番号WO91/17271号;McCafferty et al., PCT公開番号WO92/001047号;およびWinter, PCT公開番号WO92/20791号を参照のこと)、またはヒトコンビナトリアルモノクローナル抗体ライブラリーから選択すること((MorphosysのWebサイトを参照)ができる。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニック動物を使用することによっても調製することができる(たとえば、Lonberg et al., PCT公開番号WO93/12227号;およびKucherlapati, PCT公開番号WO91/10741号を参照)。
したがって、本発明による抗体は、当技術分野で知られているフォーマットを有しうる。例としては、ヒト抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体(CDR−grafted antibody)がある。好ましい実施形態では、本発明による抗体は、たとえばFabミニボディ、一本鎖Fab抗体、エピトープタグを有する一価Fab抗体、たとえばFab−V5Sx2を含むがこれらに限定されない、たとえば化学的に結合した抗体(断片抗原結合)のような少なくとも重鎖および/または軽鎖のF可変領域を含む組換えにより産生された抗体、たとえばIgG(典型的な全長免疫グロブリン)または抗体断片;CH3ドメインで二量化した二価Fab(ミニ抗体);たとえば異種ドメインの助けを借りて多量体化を介して、たとえばdHLXドメインの二量体化を介して形成される二価のFabまたは多価のFab、たとえばFab−dHLX−FSx2;F(ab‘)2−断片, scFv断片、多量体化多価または/および多重特異性scFv断片、二価および/または二重特異性ダイアボディ、BITE(登録商標)(二重特異性細胞誘導[bispecific T−cell engager])、三機能性抗体、多価抗体、たとえばGとは異なるクラス由来のもの;単一ドメイン抗体、たとえばラクダまたは魚の免疫グロブリンに由来するナノボディおよびその他多数である。
抗体に加えて、他の生体高分子スキャフォールドは、標的分子を複合化することが当技術分野で周知であり、高度に標的特異的な生体高分子の生成に使用されてきた。例としては、アプタマー、シュピーゲルマー(spiegelmer)、アンチカリン(anticalin)、コノトキシンがある。
好ましい実施形態では、抗体フォーマットはFv断片、scFv断片、Fab断片、scFab断片、(Fab)2断片、およびscFv−Fc融合タンパク質を含む群から選択される。別の好ましい実施形態では、抗体フォーマットはscFab断片、Fab断片、scFv断片、およびそれらの生物学的利用能が最適化されたコンジュゲート、たとえば、PEG化断片を含む群から選択される。一つの特定のフォーマットはscFabフォーマットである。
非Igスキャフォールドはタンパク質スキャフォールドであってもよく、それらはリガンドまたは抗原に結合することができるので抗体模倣物として使用されうる。非Igスキャフォールドは、テトラネクチンベースの非Igスキャフォールド(たとえば、米国特許出願第2010/0028995号に記載)、フィブロネクチンスキャフォールド(たとえば、欧州特許第1266 025号に記載);リポカリンベースのスキャフォールド(たとえば、国際公開第2011/154420号に記載)、ユビキチンスキャフォールド(たとえば国際公開第2011/073214号に記載)、転移スキャフォールド(例えば米国特許出願第2004/0023334号に記載)、プロテインAスキャフォールド(たとえば欧州特許第2231860号に記載)、アンキリンリピートベースのスキャフォールド(たとえば国際公開第2010/060748号に記載)、微小タンパク質(microprotein)、好ましくはシスチンノットを形成する微小タンパク質)スキャフォールド(たとえば欧州特許第2314308号に記載)、Fyn SH3ドメインベースのスキャフォールド(たとえば国際公開第2011/023685号に記載)、EGFR−A−ドメインベースのスキャフォールド(たとえば国際公開第2005/040229号に記載)、およびクニッツドメインベースのスキャフォールド(たとえば、欧州特許第1941867号に記載)を含む群から選択してもよい。
非免疫グロブリン(日IgG)スキャフォールドは小さい抗体代替物として定義されている。アプタマーは特定の標的に結合する分子として定義され、RNAおよび/またはDNAおよび/またはアミノ酸(ペプチド)で構成されていてもよい。
アプタマーは、たとえば配列番号:41(5’−GCGAU G(dU)GGU GGU(dG)(dA) AGGGU UGUUG GG(dU)G(dU) CGACG CA(dC)GC−3)に開示されているように、RNAおよび/またはDNAからなる核酸分子と関連していてもよく、および米国特許出願第2012/0065254号に記載されているように、C5aに結合することができるが、C5aの結合部位は配列番号:42(Yatime L. et al. NAT Commun. 2015を参照)を含むC5aアミノ酸配列を含む。
本発明による本発明の抗体の一つの実施形態は、以下のように生成することができる:
Balb/cマウスを0日目と14日目に抗原−100 μgペプチド−BSAコンジュゲート(BSA=ウシ血清アルブミン)で免疫し(100 μlの完全フロイントアジュバントに乳化)、21日目と28日目に50 μg(100 μlの不完全フロイントアジュバントに)免疫した。
免疫したマウスの脾細胞および骨髄腫細胞株SP2/0の細胞を、1 mlの50%ポリエチレングリコールと37℃で30秒間融合させた。洗浄後、細胞を96ウェル細胞培養プレートに播種した。ハイブリッドクローンを、HAT培地(20%ウシ胎児血清およびHAT培地サプリメントを添加したRPMI(Roswell Park Memorial Institute)1640培地)で増殖させることにより選択した。2週間後、HAT培地をHAT培地に3回継代した後、通常の細胞培養培地に戻す。
細胞培養上清を、融合の3週間後に抗原特異的IgG抗体について一次スクリーニングした。陽性の試験した微小培養物(microculture)を、増殖のために24ウェルプレートに移した。再試験後、選択した培養物を限界希釈法を使用してクローン化し、再クローン化し、アイソタイプを決定した(Lane, R.D. (1985). A short−duration polyethylene glycol fusion technique for increasing production of monoclonal antibody−secreting hybridomas. J. Immunol. Meth. 81: 223−228; Ziegler, B. et al.(1996) Glutamate decarboxylase (GAD) is not detectable on the surface of rat islet cells examined by cytofluorometry and complement−dependent antibody−mediated cytotoxicity of monoclonal GAD antibodies, Horm. Metab. Res. 28: 11−15も参照)。
抗体は、以下の手順に従ってファージディスプレイによって生成することができる:
ペプチドに対する組換え一本鎖F可変領域(scFv)の単離には、ヒトナイーブ抗体遺伝子ライブラリーHAL7/8を使用した。抗体遺伝子ライブラリーを、2つの異なるスペーサーを介してペプチド配列に連結されたビオチンタグを含むペプチドの使用を含むパンニング戦略でスクリーニングした。非特異的結合抗原およびストレプトアビジン結合抗原を使用したパンニングラウンドの混合物を使用して、非特異的結合剤のバックグラウンドを最小化した。3回目のパンニングで溶出したファージは、E.coli株を発現するモノクローナルscFvの生成に使用した。これらのクローン株の培養由来の上清を、抗原ELISA試験に直接使用した(Hust, M., Meyer, T., Voedisch, B., Ruelker, T., Thie, H., El−Ghezal, A., Kirsch, M.I., Schuette, M., Helmsing, S., Meier, D., Schirrmann, T., Duebel, S., 2011. A human scFv antibody generation pipeline for proteome research. Journal of Biotechnology 152, 159−170; Schuette, M., Thullier, P., Pelat, T., Wezler, X., Rosenstock, P., Hinz, D., Kirsch, M.I.,Hasenberg, M., Frank, R., Schirrmann, T., Gunzer, M., Hust, M., Duebel, S., 2009. Identification of a putative Crf splice variant and generation of recombinant antibodies for the specific detection of Aspergillus fumigatus. PLoS One 4, e6625を参照)
マウス抗体のヒト化は以下の手順に従って行われた:
マウス由来の抗体をヒト化するために、フレームワーク領域(FR)と相補性決定領域(CDR)および抗原との構造的相互作用のために抗体配列を分析する。構造モデリングに基づいて、ヒト由来の適切なFRを選択し、マウスCDR配列をヒトFRに移植する。CDRまたはFRのアミノ酸配列のバリエーションを導入して、FR配列の種の切り替えによって廃止された構造的相互作用を回復することができる。この構造的相互作用の回復は、ファージディスプレイライブラリーを使用するランダムアプローチによって、または分子モデリングによって導かれる指向的アプローチ(directed approach)によって達成されうる(Almagro JC, Fransson J., 2008. Humanization of antibodies. Front Biosci. 2008 Jan 1;13:1619−33を参照)。
好ましい実施形態では、抗体フォーマットはFv断片、scFv断片、Fab断片、scFab断片、F(ab)2断片、およびscFv−Fc融合タンパク質を含む群から選択される。別の好ましい実施形態では、抗体フォーマットは、scFab断片、Fab断片、scFv断片、およびそれらの生物学的利用能が最適化されたコンジュゲート、たとえば、PEG化断片を含む群から選択される。最も好ましいフォーマットの一つはscFabフォーマットである。
本発明の一つの実施形態では、上記吸着薬、たとえば本発明によるタンパク質またはそのタンパク質断片は、C5aおよびC3aに結合し、それにより、C5aおよびC3aの活性を阻害する。
本発明の一つの実施形態では、上記吸着薬、たとえば本発明によるタンパク質またはそのタンパク質断片は、C5aおよびC4aに結合し、それにより、C5aおよびC4aの活性を阻害する。
本発明の一つの実施形態では、上記吸着薬、たとえば本発明によるタンパク質またはそのタンパク質断片は、C3aおよびC4aに結合し、それにより、C3aおよびC4aの活性を阻害する。
本発明の一つの実施形態では、上記吸着薬、たとえば本発明によるタンパク質またはそのタンパク質断片は、C5aおよびC3aおよびC4aに結合し、それにより、C5aおよびC3aおよびC4aの活性を阻害する。
本発明の一つの特定の実施形態では、上記吸着薬、たとえばタンパク質またはタンパク質断片は、可溶性の補体受容体タンパク質またはタンパク質断片である。本発明の一つの特定の実施形態では、上記タンパク質またはタンパク質断片/ペプチドは組換え可溶性補体受容体タンパク質または合成タンパク質断片/ペプチドである。
可溶性受容体は、受容体の細胞外部分として定義されている(Fischer DG. Science 1993)。C3aの場合はC3aアナフィラトキシン走化性受容体(C3aR1)の細胞外部分であり、C5aの場合はC5aアナフィラトキシン走化性受容体1および/または2(C5aR1/CD88およびC5aR2/C5L2)の細胞外部分である。別個の特定のC4a受容体は知られていないため、C4aの場合、それはC3aアナフィラトキシン走化性受容体(C3aR1)および/またはC5aアナフィラトキシン走化性受容体1および/または2(C5aR1/CD88およびC5aR2/C5L2)の細胞外部分である。
本発明の一つの実施形態では、上記吸着薬、たとえば本発明によるタンパク質またはそのタンパク質断片は、補体−アナフィラトキシンC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに特異的に結合する。
アナフィラトキシン走化性受容体(C3aR1、C5aR1/CD88、およびC5aR2/C5L2)の、それらの主要なリガンド(それぞれC3a、およびC5a)に対する受容体/リガンド結合親和性および他のすべてのアナフィラトキシン(C3a、C4a、C5a)に対する交差反応性は既知の技術水準である(Cain SA. et al. J Biol Chem. 2002, Kalant D. et al. J Biol Chem 2003, Okinaga S. et al. Biochemistry 2003)。アナフィラトキシン走化性受容体の、主に細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインに寄与するアミノ酸配列内の関連するリガンド結合部位が研究されており、したがって、既知の技術水準である。
C3aR1に関しては、大きな細胞外ループ2ドメインがリガンド結合に重要な役割を果たすことが研究によって示されている;さらに、荷電した膜貫通残基Arg161、Arg340、およびAsp417は、リガンドエフェクター結合および/またはシグナルカップリングに必須である(Sun J. et al. Protein Sci. 1999)。
配列番号:17に示されるアミノ酸配列は、ヒトC3aR1(配列番号:3)のArg340を含む大きな細胞外ループ2の断片であるアミノ酸332〜341をカバーし、これはマウスC3aR1(配列番号:6)の対応するアミノ酸配列の対応するアミノ酸配列と90%の同一性を有する。
ヒトC3aの受容体結合部位は十分に研究されており、Sunらによって以下のように要約されている(Sun J et al. Protein Sci. 1999): ヒトC3aは77個のアミノ酸で構成されている。C3aの三次元構造は、C末端のフレキシブルな不規則構造を有する3つのジスルフィド結合によって共有結合した4つの密に詰まったアルファヘリックスの大きな球状コアで構成されている(Huber R et al. Hoppe Seyler’s Z Physiol Chem. 1980)。C3aのC末端領域は、疑似ベータターンで折りたたまれ、NMR研究(Chazin WJ et al. Biochemistry 1988)によると、隣接するアルファヘリックスセグメントによって安定化される。C3aのC末端21残基断片(すなわち、C3a 57−77)は、天然分子のすべての生物活性を保持することが示されている(Lu ZX et al. J Biol Chem. 1984, Ember JA et al. Biochemistry 1991)。C3aの合成ペプチドアナログは、C3aの主要なエフェクター結合部位が不規則なC末端領域(LGLAR配列)に存在することを示した(Caporale LH et al. J Biol Chem. 1980, Unson CG et al. Biochemistry 1984)。
一つの実施形態では、本発明の主題である吸着剤は、上記不規則なC3aのC末端21残基断片と結合することができる。
C5aR1/CD88に関しては、細胞外N末端がリガンド結合において重要な役割を果たし、特にアミノ酸2〜22内の5つのアスパラギン酸がリガンドエフェクター結合に必須であり、それによってC5aの総結合エネルギーの少なくとも45%に寄与していること(DeMartino JA. J Biol Chem. 1994)、および細胞外ループ2および3ドメインは、C5aのC末端と相互作用するリガンドエフェクター結合に関連していること(Siciliano SJ et al. PNAS. 1994, Monk PN et al. J Biol Chem. 1995)を示している。さらに、Tyr11およびTyr14は翻訳後硫酸化されており、これはC5aR1がC5aに結合するために重要である(Farzan M et al. J Exp Med. 2001)。C5aアナフィラトキシン走化性受容体の既知の結合部位、機能、および構造は、包括的なレビューに要約されている(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007)。
配列番号:15に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR1(配列番号:2)の2つのアスパラギン酸を含むN末端断片であるアミノ酸19〜27をカバーし、同様に配列番号:16に示されるアミノ酸配列はマウスC5aR1(配列番号:5)の2つのアスパラギン酸を含むN末端断片であるアミノ酸18〜26をカバーする。
ヒトC5aの受容体結合部位は、以下のようにMonkらにより詳細に研究され、要約された(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007): ヒトC5aは、生物活性に必須ではないがin vivoでC5a活性を調節する可能性が非常に高いN結合型炭水化物部分を有するAsn64を含む74アミノ酸で構成されている。ヒトC5aの溶液構造(Zhang X et al. Proteins 1997; Zuiderweg ER and Fesik SW. Biochemistry 1989; Zuiderweg ER et al. Biochemistry 1989)は、逆平行の4−ヘリックスバンドル(残基1〜63)、3つのジスルフィド結合(Cys21〜Cys47、Cys22〜Cys54、Cys34〜Cys55)によって安定化され、ループセグメント13−17、27−33、および40−45によって連結されている4つの異なるヘリックスセグメント(4−12、18−26、32−39、46−63)を有する。63残基のヘリックスバンドル断片はカチオン性が高く、細胞表面に高い親和性を与える。C末端残基69〜74も、短いループによって4−ヘリックスバンドルに連結された、かさ高いヘリックスターンを形成する。C5a 1〜74のN末端ジスルフィドの前のジスルフィド結合を還元するか、または残基を選択的に除去すると、機能が大幅に低下する。C末端ペンタペプチドを欠くフラグメントC5a 1−69は細胞に結合するが、アゴニスト活性はなく、親和性を与えるN末端ヘリックスバンドルと一致するが、C末端のみが受容体活性化ドメインである。ループ1(4つのLys残基12、14、19、20を含む残基C5a 12〜20)、ループ3(C5a 39−46)、およびC末端6〜8残基(特にArg74)は、C5a受容体(C5aR)への結合およびアゴニスト効力に重要である。C5aに対する中和抗体は、Lys20〜Arg37領域が受容体結合に重要であることを示している。
一つの実施形態では、本発明の主題である吸着薬は、上記C5aのLys20〜Arg37領域に結合することができる。
C5aR2/C5L2に関しては、研究は(C5aR1/CD88と同様に)、産生アミノ酸に隣接している硫酸化Tyr残基を含む細胞外N末端がリガンド結合において重要な役割を果たすことを示している。さらに、両方の受容体(C5aR1/CD88およびC5aR2/C5L2)はそれらの細胞外および膜貫通ドメインの荷電残基および疎水性残基が類似しており、これは類似のリガンド結合モードを示唆している(Farzan M et al. J Exp Med. 2001, Okinaga S. et al. Biochemistry 2003, Gao H et al. FASEB J. 2005, Scola AM. J Biol Chem. 2007)。C5L2は、C3aR1と同様の親和性で、C5aの結合部位とは異なるC3aおよびC4aに結合でき、これにより、C5L2は異なる補体−アナフィラトキシンに同時に結合できる。
配列番号:7に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の膜貫通ドメイン1の断片であるアミノ酸46〜59をカバーし、これは対応するアミノ酸48〜61と79%の同一性を有し、ヒトC5aR1(配列番号:2)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007)と考えられているGly51、Asn55、およびVal58を含む。
配列番号:8に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の膜貫通ドメイン2の断片であるアミノ酸79〜88をカバーし、これは対応するアミノ酸81〜90と70%の同一性を有し、ヒトC3aR1(配列番号:3)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Sun J. et al. Protein Sci. 1999)と考えられているAsp68を含む。
配列番号:9に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の膜貫通ドメイン3の断片であるアミノ酸118〜126をカバーし、これは対応するアミノ酸120〜128と89%の同一性を有し、ヒトC5aR1(配列番号:2)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007)と考えられているSer123およびLeu126を含む。
配列番号:10に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の膜貫通ドメイン4の断片であるアミノ酸161〜169をカバーし、これは対応するアミノ酸163〜171と89%の同一性を有し、ヒトC5aR1(配列番号:2)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007)と考えられているLeu166、Thr168、Val169、Pro170、およびSer171を含む。
配列番号:11に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の膜貫通ドメイン6の断片であるアミノ酸242〜249をカバーし、これは対応するアミノ酸251〜258と63%の同一性を有し、ヒトC5aR1(配列番号:2)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007)と考えられているPhe251を含み、ヒトC3aR1(配列番号:3)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Sun J. et al. Protein Sci. 1999)と考えられているHis394に隣接する対応するアミノ酸386〜393と75%の同一性を有する。
配列番号:12に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の細胞外ループ1ドメインの断片であるアミノ酸98〜103をカバーし、これは対応するアミノ酸100〜105と67%の同一性を有し、ヒトC5aR1(配列番号:2)の受容体/リガンド結合において重要な役割を果たす(Monk PN et al. Br J Pharmacol. 2007)と考えられているTrp102、Phe104、およびGly105を含み、ヒトC3aR1(配列番号:3)の細胞外ループ1ドメインの断片である、対応するアミノ酸86〜91と83%の同一性を有する、
配列番号:13に示されるアミノ酸配列は、ヒトC5aR2(配列番号:1)の細胞外N末端ドメインの断片であるアミノ酸13〜23をカバーし、これはマウスC5aR2(配列番号:4)の対応するアミノ酸33〜43(配列番号:14)と82%の同一性を有し、受容体/リガンド結合に重要であるTyr14を含む。
用語「特異的結合」は、解離定数が1 mM以下、好ましくは100 μM以下、好ましくは50 μM以下、好ましくは30 μM以下、好ましくは20 μM以下、好ましくは10 μM以下、好ましくは5 μM以下、より好ましくは1 μM以下、より好ましくは900 nM以下、より好ましくは800 nM以下、より好ましくは700 nM以下、より好ましくは600 nM以下、より好ましくは500 nM以下、より好ましくは400 nM以下、より好ましくは300 nM以下、より好ましくは200 nM以下、さらにより好ましくは100 nM以下、さらにより好ましくは90 nM以下、さらにより好ましくは80 nM以下、さらにより好ましくは70 nM以下、さらにより好ましくは60 nM以下、さらにより好ましくは50 nM以下、さらにより好ましくは40 nM以下、さらにより好ましくは30 nM以下、さらにより好ましくは20 nM以下、およびさらにより好ましくは10 nM以下のタンパク質−リガンド結合親和性として定義され、放射性リガンド結合アッセイ(Cain SA, Monk PN, J Biol Chem. 2002)または表面プラズモン共鳴(BIAcore)(Colley CS et al. MAbs. 2018、米国特許出願第2012/0065254号に記載のとおり)、またはELISAベースの結合アッセイ(Michelfelder S., J Am Soc Nephrol. 2018)によって決定される。放射性リガンド結合アッセイは、Kalant et al. J Biol Chem 2003に記載されているように、放射性標識リガンド競合受容体結合アッセイであってもよく、ここで上記放射性標識リガンド競合受容体結合アッセイは補体受容体C5aR1(Kalant et al. J Biol Chem 2003ではCD88と呼ばれる)、C3aR、またはC5L2(本発明の配列番号:1、2、および3)と培養系におけるアナフィラトキシンC3a、C4a、またはC5aとの間の結合親和性を決定する。上記アッセイにおいて、受容体に結合した放射性標識されたC3a、C4aまたはC5aは、標識されていないC3a、C4aまたはC5aの濃度を増加させることを使用して競合的に置換された。標識されていないC3a、C4aまたはC5aとは異なる非標識化合物が、本発明の吸着薬の使用を含む、受容体結合放射性標識C3a、C4aまたはC5aの置換について試験できることが当業者に知られている。
本発明によるタンパク質またはタンパク質断片/ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬、またはその断片に関する用語「活性を阻害する」は、C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4a刺激の存在下で線維芽細胞/筋線維芽細胞の活性化および/または分化転換のプロセスを阻害する特性を指す。この目的のために、ウシ胎児血清を含まないDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)増殖培地中で0.1 μg/mlの濃度のC3aおよび/またはC4aおよび/またはC5aとともに24時間インキュベートした線維芽細胞(たとえば、ヒト角膜角質細胞)(「刺激対照」)を、同一条件下であるが本発明によるタンパク質またはタンパク質断片/ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬、またはそれらの断片を添加してインキュベートされた線維芽細胞と比較し、その有効性を試験するものとする(「阻害対照」)。刺激後、単層線維芽細胞培養物中の筋線維芽細胞の割合(パーセンテージで示される)は、抗aSMA抗体を使用したアルファ平滑筋アクチン(aSMA)免疫細胞化学染色によって決定される。これにより、筋線維芽細胞は、細胞質内のaSMAに対して陽性に染色される細胞として明らかになる。本発明によるタンパク質またはタンパク質断片/ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬、またはそれらの断片は、最適な条件および濃度を考慮して、「阻害対照」における筋線維芽細胞の割合を、「刺激対照」における筋線維芽細胞の割合と比較して、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも35%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも45%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも55%、さらにより好ましくは少なくとも60%、およびさらにより好ましくは少なくとも65%、減少させることができる場合、筋線維芽細胞活性化の「活性を阻害する」ことによって、有効であると定義される。
本発明の一つの実施形態では、上記吸着薬は、タンパク質またはタンパク質断片であり、配列番号:1に記載のヒトC5L2タンパク質、配列番号:1に記載のヒトC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:2に記載のヒトC5aR1タンパク質、配列番号:2に記載のヒトC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:3に記載のヒトC3aRタンパク質、配列番号:3に記載のヒトC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:4に記載のマウスC5L2タンパク質、配列番号:4に記載のマウスC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:5に記載のマウスC5aR1タンパク質、配列番号:5に記載のマウスC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、、配列番号:6に記載のマウスC3aRタンパク質および配列番号:6に記載のマウスC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片を含む群から選択される。
本発明の特定の実施形態では、それぞれの完全長アミノ酸配列との同一性は、少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%である。
一つの実施形態では、全長組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)はコムギ胚芽で産生することができる(ab153291; Abcam; Cambridge,UK)。
別の実施形態では、細胞膜上に位置する全長組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)はコムギ胚芽で産生することができ(ab157989; Abcam; Cambridge,UK)、硫酸化によって翻訳後修飾できる。
別の実施形態では、細胞膜上に位置する全長組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)はコムギ胚芽で産生することができ(ab152249; Abcam; Cambridge,UK)、Tyr174を硫酸化することができる。
2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は、FASTA(Lipman DJ et al. Science 1985, Pearson WR et al. PNAS 1988)やbasic local alignment search tool(BLAST)(Lobo I. Nature Education 2008)等の発見的アルゴリズムの結果として定義される。試験されるタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片が配列番号:1〜17と同一である(それぞれ100%同一性のBLAST結果を有する)、または同一の断片を含む(それぞれ100%同一性のBLAST結果を有する)場合、配列番号:1〜17に対する試験されるべきタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片の同一性は100%である。
本発明の一つの実施形態では、上記タンパク質またはタンパク質断片は、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:1〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片を含む群から選択される、少なくとも一つの保存領域を含む。
本発明の一つの実施形態では、上記タンパク質またはタンパク質断片は、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:1〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片を含む群から選択される、少なくとも二つの保存領域を含む。
本発明の別の実施形態では、上記タンパク質またはタンパク質断片は、前述の保存領域の少なくとも三つ、または前述の保存領域の少なくとも四つ、または前述の保存領域の少なくとも五つ、または前述の保存領域の少なくとも六つを含む。
本発明の一つの実施形態では、保存領域は、配列番号:1〜17に記載の前述のアミノ酸のいずれか一つと少なくとも少なくとも65%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を示す。
表1は、ヒトおよびマウスC5L2、C5AR1、およびC3ARに特徴的な保存配列断片(配列番号:1〜17)の対応するアミノ酸配列間で、BLASTによって決定された配列同一性の概要を提供する。
Figure 2021527679
本発明の主題は、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための本発明による少なくとも一つの吸着薬、たとえば一つのタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物である。
本発明の主題は、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための本発明による少なくとも二つの吸着薬、たとえば二つのタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片を含む組成物である。
本発明の主題は、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための本発明による少なくとも三つの吸着薬、たとえばタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片を含む組成物である。明確さの目的で、ここで表現「眼の創傷および/または線維症」中の単語「線維症」は、用語「線維症」の一般的定義を指し、眼の線維症のみに限定されないことが理解される。ここで表現「眼の創傷および/または線維症」および「線維症および/または眼の創傷」は本明細書において互換的に使用することができる。
一つの吸着薬、たとえばタンパク質またはタンパク質断片は、C5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに対する一つまたは複数の結合部位を含んでもよい。表1によると、結合部位の数は、配列番号:1〜17から選択される含まれる配列数に応じて変わりうる。
これに関して、一つ以上の吸着薬、たとえば配列番号:1〜17を含むタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片を含む組成物は、C3a、C4a、およびC5a依存性活性に対する阻害効果を拡大する。特に、主にC3a結合部分、たとえば配列番号:8、12、および18に由来するタンパク質またはタンパク質断片と、主にC5a結合部分、たとえば配列番号:7、9、10、11、13、14、15、および16に由来するタンパク質またはタンパク質断片の組み合わせは、特に重要である。
本発明の主題は、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための本発明による吸着薬、たとえばタンパク質またはタンパク質断片、または本発明による組成物を含む医薬組成物である。
本発明の吸着薬は、吸着薬の生物学的安定性および/または半減期を改変するためにPEG化、または同等の方法で改変されていてもよい。PEG化は、ポリエチレングリコール(PEG、薬局ではマクロゴールと呼ばれる)ポリマー鎖が、分子およびマクロ構造、たとえば薬物、治療様タンパク質または小胞に共有結合および非共有結合の両方で結合または融合(amalgamation)するプロセスであり、その結果PEG化(ペグ化)と呼ばれる。PEG化は、PEGの反応性誘導体を標的分子とともにインキュベートすることによって定型的に達成される。薬物または治療様タンパク質へのPEGの共有結合は、宿主の免疫系から薬剤を「マスク」し(免疫原性と抗原性を低下させ)、その流体力学的大きさ(溶液中の大きさ)を増加させ、腎クリアランスを低下させることによって循環時間を延長する。
本発明の吸着薬は、吸着薬の実際の構造を改変し、その機能または安定性を高めるために、とりわけ、糖、脂肪酸、リン酸基(ホスホリル基、リン酸化)、ヒドロキシル基、メチル基(タンパク質のメチル化)、ユビキチン(タンパク質のユビキチン化)を含む翻訳後または合成後の修飾を受けてもよい。これらの修飾は、吸着剤のアミノ(アミノ末端)およびカルボキシル末端(カルボキシル末端)の両方、ならびにタンパク質内のアミノ酸側鎖(アミノ酸)に対して行うことができ、可逆的および/または不可逆的であってもよい。
さらに、主題は、本発明による吸着薬のプロドラッグである。プロドラッグは、投与後に薬理学的に活性な薬物に代謝される(すなわち、体内で変換される)医薬または化合物である。不活性プロドラッグは、体内で活性型に代謝される薬理学的に不活性な医薬である。薬物を直接投与する代わりに、対応するプロドラッグを使用して、薬の吸収、分配、代謝、および排泄の方法を改良することができる。
本発明の一つの実施形態では、上記医薬組成物は局所投与用であり、すなわち局所投与される。
本発明の一つの実施形態では、前記医薬組成物は、眼内投与用であり、すなわち、眼内投与される。
本発明の一つの実施形態では、前記医薬組成物は、硝子体内投与用であり、すなわち、硝子体内投与される。
本発明の一つの実施形態では、前記医薬組成物は、結膜下投与用であり、すなわち、結膜下投与される。
本発明の一つの実施形態では、前記医薬組成物は、血管内/静脈内投与用であり、すなわち、血管内/静脈内に投与される。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質またはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は、結膜炎および結膜瘢痕(眼類天疱瘡を含む)、強膜炎および上強膜炎、角膜潰瘍による角膜瘢痕および混濁、角結膜炎、角膜炎、水疱性角膜症、角膜変性症、虹彩毛様体炎ならびに虹彩および毛様体の癒着、脈絡網膜炎(chorioretinal inflammation)または変性または出血または破裂または血管新生に起因する脈絡網膜瘢痕/線維症、線維性硝子体網膜症(fibrotic vitreoretinopathies)、たとえば増殖性硝子体網膜症、未熟児網膜症および糖尿病性網膜症;脈絡膜血管新生および黄斑変性症、続発性緑内障、眼内炎、および眼科手術または眼球内異物を含む外傷後の創傷治癒障害および線維症を含む群から選択される疾患に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は角膜線維症に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は脈絡網膜線維症に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は眼科手術または外傷後の創傷治癒障害および線維症に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質またはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は、(特発性)肺線維症、皮膚ケロイド形成、強皮症、骨髄線維症、腎臓線維症、膵臓線維症、および心臓線維症、ならびに(非)アルコール性脂肪性肝炎、糸球体腎炎、および(ANCA関連)血管炎における線維症を含む群から選択される疾患に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質またはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は、肺線維症に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質またはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は、糸球体腎炎および/または腎臓線維症による線維症に罹患している。
本発明の一つの実施形態は、対象の治療における使用のための、本発明による吸着剤、たとえばタンパク質またはタンパク質断片、または本発明による組成物、または本発明による医薬組成物であって、ここで該対象は、脂肪性肝炎および/または肝線維症に罹患している。
以下の実施形態は、本発明の主題である:
1. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、補体−アナフィラトキシンC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、それによって好ましくはC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、吸着薬。
2. 上記吸着薬は、タンパク質またはその断片、ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬またはその断片を含む群から選択される、実施形態1に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
3. 上記吸着薬は、タンパク質またはその断片である、実施形態1または2に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
4. 上記吸着薬は、創傷治癒、特に角膜の創傷治癒を促進するために投与される、実施形態1〜3のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
5. 上記吸着薬は、C5aおよびC3aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C5aおよびC3aの活性を阻害する、実施形態1〜4のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
6. 上記吸着薬は、C5aおよびC4aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C5aおよびC4aの活性を阻害する、実施形態1〜5のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
7. 上記吸着薬は、C3aおよびC4aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C3aおよびC4aの活性を阻害する、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
8. 上記吸着薬は、C5aおよびC3aおよびC4aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C5aおよびC3aおよびC4aの活性を阻害する、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
9. 上記吸着薬は、配列番号:1に記載のヒトC5L2タンパク質、配列番号:1のヒトC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質/ペプチドまたは断片、配列番号:2に記載のヒトC5aR1タンパク質、配列番号:2のヒトC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:3に記載のヒトC3aRタンパク質、配列番号:3のヒトC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:4に記載のマウスC5L2タンパク質、配列番号:4のマウスC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:5に記載のマウスC5aR1タンパク質、配列番号:5のマウスC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:6に記載のマウスC3aRタンパク質、および配列番号:6のマウスC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片を含む群から選択されるタンパク質またはタンパク質断片である、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
10. 上記吸着薬は、タンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも一つの保存領域を含む、実施形態1〜9のいずれか一つに記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
11. 上記吸着薬は、タンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれ一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも二つの保存領域を含む、実施形態10に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
12. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための実施形態1〜11のいずれか一つに記載の少なくとも二つの吸着薬、好ましくはタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物。
13. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための実施形態1〜9のいずれか一つに記載の少なくとも三つのタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物。
14. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の吸着薬を含む医薬組成物、または実施形態12もしくは13に記載の組成物。
15. 上記医薬組成物は、担体および/または賦形剤および/または安定剤をさらに含む、実施形態14に記載の医薬組成物。
16. 局所投与のための実施形態14または15に記載の医薬組成物。
17. がん内投与のための実施形態14または15に記載の医薬組成物。
18. 硝子体内投与(intravitrealer application)のための実施形態14または15に記載の医薬組成物。
19. 結膜下投与(subconjunctivaler application)のための実施形態14または15に記載の医薬組成物。
20. 上記対象は、結膜炎および結膜瘢痕(眼類天疱瘡を含む)、強膜炎および上強膜炎、角膜潰瘍による角膜瘢痕および混濁、角結膜炎、角膜炎、水疱性角膜症、角膜変性症、虹彩毛様体炎ならびに虹彩および毛様体の癒着、脈絡網膜炎(chorioretinal inflammation)または変性または出血または破裂または血管新生に起因する脈絡網膜瘢痕/線維症、線維性硝子体網膜症(fibrotic vitreoretinopathies)、たとえば増殖性硝子体網膜症、未熟児網膜症および糖尿病性網膜症;脈絡膜血管新生および黄斑変性症、続発性緑内障、眼内炎、および眼科手術または眼球内異物を含む外傷後の創傷治癒障害および線維症を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための実施形態1〜11のいずれか一つに記載の吸着薬または実施形態12または13に記載の組成物または実施形態14〜19のいずれか一つに記載の医薬組成物。
21. 上記対象は、(特発性)肺線維症、皮膚ケロイド形成、強皮症、骨髄線維症、腎臓線維症、膵臓線維症、および心臓線維症、ならびに(非)アルコール性脂肪性肝炎、糸球体腎炎、および(ANCA関連)血管炎における線維症を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための実施形態1〜11のいずれか一つに記載の吸着薬または実施形態12または13に記載の組成物または実施形態14〜19のいずれか一つに記載の医薬組成物。
以下の実施形態は、本発明の主題である:
1. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、補体−アナフィラトキシンC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、それによって好ましくはC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、吸着薬。
2. 上記吸着薬は、タンパク質またはその断片、ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬またはその断片を含む群から選択される、請求項1に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
3. 上記吸着薬は、タンパク質またはその断片である、請求項1または2に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
4. 上記吸着薬は、創傷治癒、特に角膜の創傷治癒を促進するために投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
5. 上記吸着薬は、C5aおよびC3aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C5aおよびC3aの活性を阻害する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
6. 上記吸着薬は、C5aおよびC4aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C5aおよびC4aの活性を阻害する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
7. 上記吸着薬は、C3aおよびC4aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C3aおよびC4aの活性を阻害する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
8. 上記吸着薬は、C5aおよびC3aおよびC4aに結合して、それにより、基本的に(essentially)C5aおよびC3aおよびC4aの活性を阻害する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
9. 上記吸着薬は、配列番号:20または配列番号:21で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C5aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、ここで重複は抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬および特定のペプチド断片の標的アミノ酸配列の重複を意味する、請求項1〜6または8のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
10. 上記吸着薬は、配列番号:22〜34によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみC5aに結合しうる、請求項9に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
11. 上記吸着薬は、配列番号:35〜40(配列番号:35: X12ETCEX3RX4、配列番号:36: X56KX789L、および配列番号:37: X56KX789I)によるアミノ酸配列によって形成されるC5aのエピトープにも結合しうる、ここでX1はN、H、D、F、K、Y、およびTからなる群から選択され;X2はD、L、Y、およびHからなる群から選択され;X3はQ、E、およびKからなる群から選択され;X4はA、V、およびLからなる群から選択され;X5はS、H、P、およびNからなる群から選択され;X6はHおよびNからなる群から選択され;X7はD、N、H、P、およびGからなる群から選択され;X8はM、L、I、およびVからなる群から選択され;およびX9はQ、L、およびIからなる群から選択される、請求項9に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
12. 上記吸着薬は、配列番号:43で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C3aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、請求項1〜5、7、または8のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
13. 上記吸着薬はまた、配列番号:44〜47によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC3aに結合しうる、請求項12に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
14. 上記吸着薬は、配列番号:48または配列番号:49で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C4aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、請求項1〜4または6〜8のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
15. 上記吸着薬はまた、配列番号:50によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC4aに結合しうる、請求項13に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
16. 上記吸着薬は、抗体または抗体様タンパク質である、請求項1〜15に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
17. 上記吸着薬はアプタマーである、請求項1〜15に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
18. 上記吸着薬はアプタマーであり、ここで上記アプタマーは配列番号:41に開示されているようなRNAおよび/またはDNAからなる核酸分子に関連しうる、請求項17に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
19. 上記吸着薬はアプタマーであり、ここで上記アプタマーは配列番号:41に開示されているようなRNAおよび/またはDNAからなる核酸分子に関連しうる、およびここで上記アプタマーは配列番号:42からなるC5a上の結合部位に結合する、請求項18に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
20. 上記吸着薬は配列番号:1に記載のヒトC5L2タンパク質、配列番号:1のヒトC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質/ペプチドまたは断片、配列番号:2に記載のヒトC5aR1タンパク質、配列番号:2のヒトC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:3に記載のヒトC3aRタンパク質、配列番号:3のヒトC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:4に記載のマウスC5L2タンパク質、配列番号:4のマウスC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:5に記載のマウスC5aR1タンパク質、配列番号:5のマウスC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:6に記載のマウスC3aRタンパク質、および配列番号:6のマウスC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択されるタンパク質またはタンパク質断片である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
21. 上記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも一つの保存領域を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
22. 上記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも二つの保存領域を含む、請求項21に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
23. 上記吸着薬を介したC3aおよび/またはC4aおよび/またはC5aの阻害は、細胞活性化アッセイ、好ましくは、線維芽細胞/筋線維芽細胞活性化および/または分化転換アッセイによって決定されうる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
24. 上記吸着薬を介したC3aおよび/またはC4aおよび/またはC5aの阻害は、細胞活性化アッセイ、好ましくは、線維芽細胞/筋線維芽細胞活性化および/または分化転換アッセイによって決定されうる、およびここでタンパク質またはタンパク質断片/ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、抗体またはその断片から選択される上記吸着薬は、筋線維芽細胞活性化の活性を好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも35%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも45%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも55%、さらにより好ましくは少なくとも60%、およびさらにより好ましくは少なくとも65%、阻害することによって有効である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
25. 上記吸着薬は、少なくとも本質的に線維芽細胞/筋線維芽細胞の活性化および/または分化転換のプロセスを阻害し、好ましくは90 kDa未満、好ましくは80 kDa以下、好ましくは70 kDa以下、より好ましくは60 kDa以下、より好ましくは50 kDa以下、より好ましくは45 kDa以下、より好ましくは40 kDa以下、さらにより好ましくは35 kDa以下、さらにより好ましくは30 kDa以下、さらにより好ましくは25 kDa以下、さらにより好ましくは20 kDa以下、さらにより好ましくは15 kDa以下、およびさらにより好ましくは10 kDa以下の分子量を有する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
26. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜25のいずれか一項に記載の少なくとも二つの吸着薬、好ましくはタンパク質またはタンパク質断片を含む、組成物。
27. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の少なくとも三つの吸着薬、好ましくはタンパク質またはタンパク質断片を含む、組成物。
28. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物を含む医薬組成物。
29. 上記対象は、結膜炎および結膜瘢痕(眼類天疱瘡を含む)、強膜炎および上強膜炎、角膜潰瘍による角膜瘢痕および混濁、角結膜炎、角膜炎、水疱性角膜症、角膜変性症、虹彩毛様体炎ならびに虹彩および毛様体の癒着、脈絡網膜炎(chorioretinal inflammation)または変性または出血または破裂または血管新生に起因する脈絡網膜瘢痕/線維症、線維性硝子体網膜症(fibrotic vitreoretinopathies)、たとえば増殖性硝子体網膜症、未熟児網膜症および糖尿病性網膜症;脈絡膜血管新生および黄斑変性症、続発性緑内障、眼内炎、および眼科手術または眼球内異物を含む外傷後の創傷治癒障害および線維症、を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項25または26に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
30. 上記対象は、(特発性)肺線維症、皮膚ケロイド形成、強皮症、骨髄線維症、腎臓線維症、膵臓線維症、および心臓線維症、ならびに(非)アルコール性脂肪性肝炎、糸球体腎炎、および(ANCA関連)血管炎における線維症を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
31. 上記対象は、肺線維症に罹患している、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
32. 上記対象は角膜線維症に罹患している、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
33. 上記対象は脈絡網膜線維症に罹患している、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
34. 上記対象は糸球体腎炎および/または腎臓線維症による線維症に罹患している、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
35. 上記対象は脂肪性肝炎および/または肝線維症に罹患している、請求項1〜25のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項26または27に記載の組成物、または請求項28の医薬組成物。
以下の実施形態は、本発明の主題である:
1. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、補体−アナフィラトキシンC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、それによって好ましくはC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、吸着薬。
2. 上記吸着薬は、タンパク質またはその断片、ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬またはその断片を含む群から選択される、請求項1に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
3. 上記吸着薬は、創傷治癒、特に角膜の創傷治癒を促進するために投与される、請求項1または2に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
4. 上記吸着薬は、配列番号:20または配列番号:21で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C5aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、ここで重複は抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬および特定のペプチド断片の標的アミノ酸配列の重複を意味する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
5. 上記吸着薬は、配列番号:22〜34によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみC5aに結合しうる、請求項4に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
6. 上記吸着薬は、配列番号:35〜40(配列番号:35: X12ETCEX3RX4、配列番号:36: X56KX789L、および配列番号:37: X56KX789I)によるアミノ酸配列によって形成されるC5aのエピトープにも結合しうる、ここでX1はN、H、D、F、K、Y、およびTからなる群から選択され;X2はD、L、Y、およびHからなる群から選択され;X3はQ、E、およびKからなる群から選択され;X4はA、V、およびLからなる群から選択され;X5はS、H、P、およびNからなる群から選択され;X6はHおよびNからなる群から選択され;X7はD、N、H、P、およびGからなる群から選択され;X8はM、L、I、およびVからなる群から選択され;およびX9はQ、L、およびIからなる群から選択される、請求項4に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
7. 上記吸着薬は、配列番号:43で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C3aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
8. 上記吸着薬はまた、配列番号:44〜47によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC3aに結合しうる、請求項7に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
9. 上記吸着薬は、配列番号:48または配列番号:49で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C4aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
10. 上記吸着薬はまた、配列番号:50によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC4aに結合しうる、請求項9に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
11. 上記吸着薬は、抗体または抗体様タンパク質である、請求項1〜10に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
12. 上記吸着薬はアプタマーである、請求項1〜10に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
13. 上記吸着薬はアプタマーであり、ここで上記アプタマーは配列番号:41に開示されているようなRNAおよび/またはDNAからなる核酸分子に関連しうる、請求項12に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
14. 上記吸着薬はアプタマーであり、ここで上記アプタマーは配列番号:41に開示されているようなRNAおよび/またはDNAからなる核酸分子に関連しうる、およびここで上記アプタマーは配列番号:42からなるC5a上の結合部位に結合する、請求項13に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
15. 上記吸着薬は配列番号:1に記載のヒトC5L2タンパク質、配列番号:1のヒトC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質/ペプチドまたは断片、配列番号:2に記載のヒトC5aR1タンパク質、配列番号:2のヒトC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:3に記載のヒトC3aRタンパク質、配列番号:3のヒトC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:4に記載のマウスC5L2タンパク質、配列番号:4のマウスC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:5に記載のマウスC5aR1タンパク質、配列番号:5のマウスC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:6に記載のマウスC3aRタンパク質、および配列番号:6のマウスC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択されるタンパク質またはタンパク質断片である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
16. 上記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも一つの保存領域を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
17. 上記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも二つの保存領域を含む、請求項16に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
18. 上記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:18に記載のアミノ酸配列および配列番号:19に記載のアミノ酸配列を含む群から選択される少なくとも一つの保存領域を含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
19. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の、少なくとも二つの吸着薬、好ましくはタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物。
20. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の、少なくとも三つのタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物。
21. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の吸着薬または請求項19または20に記載の組成物を含む、医薬組成物。
22. 上記対象は、結膜炎および結膜瘢痕(眼類天疱瘡を含む)、強膜炎および上強膜炎、角膜潰瘍による角膜瘢痕および混濁、角結膜炎、角膜炎、水疱性角膜症、角膜変性症、虹彩毛様体炎ならびに虹彩および毛様体の癒着、脈絡網膜炎(chorioretinal inflammation)または変性または出血または破裂または血管新生に起因する脈絡網膜瘢痕/線維症、線維性硝子体網膜症(fibrotic vitreoretinopathies)、たとえば増殖性硝子体網膜症、未熟児網膜症および糖尿病性網膜症;脈絡膜血管新生および黄斑変性症、続発性緑内障、眼内炎、および眼科手術または眼球内異物を含む外傷後の創傷治癒障害および線維症、を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項19または20に記載の組成物、または請求項21の医薬組成物。
23. 上記対象は、(特発性)肺線維症、皮膚ケロイド形成、強皮症、骨髄線維症、腎臓線維症、膵臓線維症、および心臓線維症、ならびに(非)アルコール性脂肪性肝炎、糸球体腎炎、および(ANCA関連)血管炎における線維症を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項19または20に記載の組成物、または請求項21の医薬組成物。
図1は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)によるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図2は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)によるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図3は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)によるC5aおよびC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図4は、ヒト角膜実質細胞を使用した、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)によるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図5は、ヒト角膜実質細胞を使用した、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)によるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図6は、ヒト角膜実質細胞を使用した、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)によるC5aおよびC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図7は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5L2タンパク質断片濃度の効果を示す。 図8は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対するマウスC5L2タンパク質断片濃度の効果を示す。 図9は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5L2タンパク質断片濃度の効果を示す。 図10は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対するマウスC5L2タンパク質断片濃度の効果を示す。 図11は、ヒト肺胞基底上皮細胞を使用した、ヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)によるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図12は、ヒト肺胞基底上皮細胞を使用した、ヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)によるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図13は、ヒト肺胞基底上皮細胞を使用した、ヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)によるC5aおよびC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図14は、ヒト肺胞基底上皮細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5L2タンパク質断片濃度の効果を示す。 図15は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)によるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図16は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)によるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図17は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)によるC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図18は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対する全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)濃度の効果を示す。 図19は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の不存在下での筋線維芽細胞に対する全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)濃度の効果を示す。 図20は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)によるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図21は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)によるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図22は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)によるC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図23は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対する全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)濃度の効果を示す。 図24は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の不存在下での筋線維芽細胞に対する全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)濃度の効果を示す。 図25は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)によるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図26は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)によるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図27は、ヒト角膜実質細胞を使用した、全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)によるC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図28は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対する全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC3AR)濃度の効果を示す。 図29は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の不存在下での筋線維芽細胞に対する全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC3AR)濃度の効果を示す。 図30は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマーによるC3aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図31は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマーによるC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図32は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマーによるC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図33は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマー濃度の効果を示す。 図34は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ウシ胎児血清(FCS)の不存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマー濃度の効果を示す。 図35は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5aに結合する抗体(抗体 250565)によるC3a、C5a、またはC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図36は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC5aに結合する抗体(抗体 308733)によるC3a、C5a、またはC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図37は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC3aに結合する抗体(抗体 sc28294)によるC3a、C5a、またはC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図38は、ヒト角膜実質細胞を使用した、ヒトC3aに結合する抗体(抗体 HM1072)によるC3a、C5a、またはC3aおよびC5aを介した筋線維芽細胞の活性化を阻害する効果を示す。 図39は、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の存在下または非存在下における、角膜アルカリ熱傷の20日後の角膜アルカリ熱傷マウスモデルにおける線維症評価スコアを示す。 図40は、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の存在下または非存在下における、角膜アルカリ熱傷の20日後の角膜アルカリ熱傷マウスモデルにおけるCowell線維症スコアの項目を示す。
実施例1
ヒトC5L2タンパク質断片は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図1)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図1に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:10±11%; FCS:16±14%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、74±22%)を引き起こした。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、ヒトC3a 0.1 μg/ml、およびウシ胎児血清を含まないDMEM増殖培地(無血清対照)で24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表2に示す。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3aおよびヒトC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(hC5L2 0.1 μg/ml: 16±9%; hC5L2 0.2 μg/ml: 17±11%; hC5L2 0.3 μg/ml: 8±7%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、ヒトC3a 0.1 μg/ml、および配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片 0.3 μg/mlを伴うヒトC3a 0.1 μg/mlで24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表5に示す。したがって、ヒトC5L2タンパク質断片は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例2
ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図2)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図2に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:10±11%; FCS:16±14%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、77±23%)を引き起こした。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、ヒトC5a 0.1 μg/ml、およびウシ胎児血清を含まないDMEM増殖培地(無血清対照)で24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表3に示す。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5aおよびヒトC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、活性化筋線維芽細胞の有意な減少が見られた(hC5L2 0.1 μg/ml: 41±22%; hC5L2 0.2 μg/ml: 26±26%; hC5L2 0.3 μg/ml: 7±7%)(それぞれp=0.001、p<0.001、およびp<0.001)。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、ヒトC5a 0.1 μg/ml、および配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片 0.3 μg/mlを伴うヒトC5a 0.1 μg/mlで24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表6に示す。したがって、ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例3
ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をそれぞれヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図3)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図3に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:10±11%; FCS:16±14%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、87±11%)を引き起こした。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、どちらも 0.1 μg/mlの濃度のヒトC3aおよびヒトC5a、およびウシ胎児血清を含まないDMEM増殖培地(無血清対照)で24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表4に示す。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5aおよびヒトC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、活性化筋線維芽細胞の有意な減少が見られた(hC5L2 0.1 μg/ml: 23±14%; hC5L2 0.2 μg/ml: 16±12%; hC5L2 0.3 μg/ml: 6±6%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、ヒトC3aおよびC5、いずれも0.1 μg/ml、および配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片 0.3 μg/mlを伴うヒトC3aおよびC5、いずれも0.1 μg/mlで24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表7に示す。したがって、ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例4
マウスC5L2タンパク質断片は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:19によるマウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図4)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図4に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:10±11%; FCS:16±14%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、74±22%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、C3aおよびマウスC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、活性化筋線維芽細胞の有意な減少が見られた(mC5L2 0.1 μg/ml: 31±13%; mC5L2 0.2 μg/ml: 16±10%; mC5L2 0.3 μg/ml: 21±13%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、マウスC5L2タンパク質断片は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例5
マウスC5L2タンパク質断片は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:19によるマウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図5)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図5に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:10±11%; FCS:16±14%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、77±23%)を引き起こした。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、C5aおよびマウスC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、活性化筋線維芽細胞の有意な減少が見られた(mC5L2 0.1 μg/ml: 33±18%; mC5L2 0.2 μg/ml: 20±19%; mC5L2 0.3 μg/ml: 20±10%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、マウスC5L2タンパク質断片は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例6
マウスC5L2タンパク質断片は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:19によるマウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をそれぞれヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図6)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図6に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:10±11%; FCS:16±14%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、87±11%)を引き起こした。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5aおよびマウスC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、活性化筋線維芽細胞の有意な減少が見られた(mC5L2 0.1 μg/ml: 17±10%; mC5L2 0.2 μg/ml: 11±12%; mC5L2 0.3 μg/ml: 13±11%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、マウスC5L2タンパク質断片は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例7
ウシ胎児血清の存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5L2タンパク質断片濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)および異なる濃度のヒトC5L2タンパク質断片を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図7)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:10±11%; FCS:16±14%)。図7に示すように、ヒトC5L2タンパク質断片は、低濃度で筋線維芽細胞の活性化にわずかなプラス効果を有することが明らかになった(hC5L2 0.05 μg/ml: 19±15%; hC5L2 0.1 μg/ml: 24±21%; hC5L2 0.2 μg/ml: 16±12%)が、一方、高濃度で筋線維芽細胞の阻害が観察された(hC5L2 0.3 μg/ml: 11±10%)。それでも、10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差はわずかなままであった(それぞれ、p=0.554、p=0.136、p=0.918、およびp=0.345)。
実施例8
ウシ胎児血清の存在下での筋線維芽細胞に対するマウスC5L2タンパク質断片濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:19によるマウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)および異なる濃度のマウスC5L2タンパク質断片を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図8)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:10±11%; FCS:16±14%)。図8に示すように、マウスC5L2タンパク質断片は、低濃度で筋線維芽細胞の活性化にわずかなプラス効果を有することが明らかになった(mC5L2 0.05 μg/ml: 11±6%; mC5L2 0.1 μg/ml: 19±15%; mC5L2 0.2 μg/ml: 11±12%)が、一方、高濃度で筋線維芽細胞の阻害が観察された(mC5L2 0.3 μg/ml: 11±7%)。それでも、10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差はわずかなままであった(それぞれ、p=0.101、p=0.580、p=0.293、およびp=0.277)。
実施例9
ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5L2タンパク質断片濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を、ウシ胎児血清を含まない、および異なる濃度のヒトC5L2タンパク質断片を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図9)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:10±11%; FCS:16±14%)。図9に示すように、ヒトC5L2タンパク質断片は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、低濃度で筋線維芽細胞の活性化にわずかなプラス効果を有することが明らかになった(hC5L2 0.05 μg/ml: 23±15%; hC5L2 0.1 μg/ml: 19±11%; それぞれ、p=0.005およびp=0.039)が、一方、高濃度で筋線維芽細胞の阻害が観察され、かつ無血清対照と比較して差異を示さなかった(hC5L5 0.2 μg/ml: 17±16%; hC5L2 0.3 μg/ml: それぞれ、9±8%; p=0.150、およびp=0.755)。ヒト角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sヒトマイクロアレイから生成された、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片 0.3 μg/mlおよびウシ胎児血清を含まないDMEM増殖培地(無血清対照)で24時間インキュベートした後に発現レベルが異なる(倍率変化:≧2または≦−2)遺伝子のリストを表8に示す。
実施例10
ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対するマウスC5L2タンパク質断片濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:19によるマウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を、ウシ胎児血清を含まない、および異なる濃度のマウスC5L2タンパク質断片を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図10)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:10±11%; FCS:16±14%)。図10に示すように、マウスC5L2タンパク質断片は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、低濃度で筋線維芽細胞の活性化にわずかなプラス効果を有することが明らかになった(mC5L2 0.05 μg/ml: 23±13%; mC5L2 0.1 μg/ml: 22±17%; それぞれ、p=0.003およびp=0.009)が、一方、高濃度で筋線維芽細胞の阻害が観察され、かつ無血清対照と比較して差異を示さなかった(hC5L2 0.2 μg/ml: 18±10%; hC5L2 0.3 μg/ml: 9±7%; それぞれ、p=0.064およびp=0.647)。
実施例11
ヒトC5L2タンパク質断片は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
肺線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図11)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)を使用した。図11に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:16±16%; FCS: 39±21%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、87±6%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3aおよびヒトC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(hC5L2 0.1 μg/ml: 55±19%; hC5L2 0.2 μg/ml: 5±6%; hC5L2 0.3 μg/ml: 8±12%)(それぞれp=0.001、p<0.001、およびp<0.001)。図11に示すように、筋線維芽細胞の活性化に対するヒトC5L2タンパク質断片の固有の効果は、無血清対照と比較して差異を示さなかった(hC5L2 0.3 μg/ml: 9±11%; p=0.250)。したがって、ヒトC5L2タンパク質断片は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例12
ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
肺線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図12)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)を使用した。図12に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:16±16%; FCS: 39±21%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、83±10%)を引き起こした。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5aおよびヒトC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(hC5L2 0.1 μg/ml: 3±4%; hC5L2 0.2 μg/ml: 11±13%; hC5L2 0.3 μg/ml: 10±10%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。図12に示すように、筋線維芽細胞の活性化に対するヒトC5L2タンパク質断片の固有の効果は、無血清対照と比較して差異を示さなかった(hC5L2 0.3 μg/ml: 9±11%; p=0.250)。したがって、ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例13
ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
肺線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)をヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図13)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)を使用した。図13に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:16±16%; FCS:39±21%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、90±10%)を引き起こした。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびヒトC5L2タンパク質断片の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(hC5L2 0.1 μg/ml: 44±37%; hC5L2 0.2 μg/ml: 21±25%; hC5L2 0.3 μg/ml: 16±14%)(それぞれp=0.006、p<0.001、およびp<0.001)。図13に示すように、筋線維芽細胞の活性化に対するヒトC5L2タンパク質断片の固有の効果は、無血清対照と比較して差異を示さなかった(hC5L2 0.3 μg/ml: 9±11%; p=0.250)。したがって、ヒトC5L2タンパク質断片は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例14
ウシ胎児血清の存在下でヒトC5L2タンパク質断片は筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
肺線維症を有する対象の治療における、配列番号:18によるヒトC5L2タンパク質断片(hC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)、および異なる濃度のヒトC5L2タンパク質断片を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図14)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト肺胞基底上皮細胞(A549細胞)を使用した(無血清:16±16%; FCS:39±21%)。図14に示すように、ヒトC5L2タンパク質断片は、低濃度で筋線維芽細胞の活性化にわずかなプラス効果を有することが明らかになった(hC5L2 0.05 μg/ml: 30±34%、およびhC5L2 0.1 μg/ml: 22±18%)が、一方、高濃度で筋線維芽細胞の阻害が観察された(hC5L2 0.2 μg/ml: 14±9%、およびhC5L2 0.3 μg/ml: 10±15%)。それでも、10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差はわずかなままであった(それぞれ、p=0.268、p=0.360、p=0.693、およびp=0.390)。図14に示すように、筋線維芽細胞の活性化に対するヒトC5L2タンパク質断片の固有の効果は、無血清対照と比較して差異を示さなかった(hC5L2 0.3 μg/ml: 9±11%; p=0.250)。
実施例15
完全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)タンパク質は、C3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:1によるrhC5L2タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図15)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図15に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、74±22%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、およびヒトrhC5L2タンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC5L2 0.1 μg/ml: 13±17%; rhC5L2 0.2 μg/ml: 20±9%; rhC5L2 0.3 μg/ml: 24±21%; rhC5L2 0.5 μg/ml: 34±20%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、rhC5L2タンパク質は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例16
完全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)タンパク質は、C5aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:1によるrhC5L2タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図16)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図16に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、77±23%)を引き起こした。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5a、およびヒトrhC5L2タンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC5L2 0.1 μg/ml: 11±7%; rhC5L2 0.2 μg/ml: 24±11%; rhC5L2 0.3 μg/ml: 26±14%; rhC5L2 0.5 μg/ml: 32±15%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、rhC5L2タンパク質は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例17
完全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)タンパク質は、C5aおよびC3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:1によるrhC5L2タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図17)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図17に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、88±11%)を引き起こした。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびヒトrhC5L2タンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC5L2 0.1 μg/ml: 24±15%; rhC5L2 0.2 μg/ml: 26±18%; rhC5L2 0.3 μg/ml: 33±23%; rhC5L2 0.5 μg/ml: 40±16%)(それぞれp<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、rhC5L2タンパク質は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例18
ウシ胎児血清の存在下での筋線維芽細胞に対する完全長組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)タンパク質濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:1によるrhC5L2タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)および異なる濃度のヒトrhC5L2タンパク質を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図18)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図18に示すように、ヒトrhC5L2タンパク質は、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(rhC5L2 0.1 μg/ml: 33±22%; rhC5L2 0.2 μg/ml: 20±24%; rhC5L2 0.3 μg/ml: 41±30%; rhC5L2 0.5 μg/ml: 48±33%)。10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差はrhC5L2濃度0.1 μg/mlおよび0.5 μg/mlで有意であった(それぞれ、p=0.046、p=0.118、p=0.070、およびp=0.033)。
実施例19
ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対する完全長組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体2(rhC5AR2/rhC5L2)タンパク質濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:1によるrhC5L2タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をウシ胎児血清を含まない、および異なる濃度のヒトrhC5L2タンパク質を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図19)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図19に示すように、ヒトrhC5L2タンパク質は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(rhC5L2 0.1 μg/ml: 14±17%; rhC5L2 0.2 μg/ml: 28±38%; rhC5L2 0.3 μg/ml: 36±14%; rhC5L2 0.5 μg/ml: 39±24%)。無血清対照ヒト角膜実質細胞と比較して、差はrhC5L2濃度0.3 μg/mlおよび0.5 μg/mlで有意であった(それぞれ、p=0.501、p=0.224、p<0.001、およびp=0.007)。
実施例20
完全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)タンパク質は、C3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:2によるrhC5AR1タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図20)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図20に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、74±22%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、およびヒトrhC5AR1タンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC5AR1 0.1 μg/ml: 3±7%; rhC5AR1 0.2 μg/ml: 3±4%; rhC5AR1 0.3 μg/ml: 36±14%; rhC5AR1 0.5 μg/ml: 42±24%)(それぞれp<0.001、p<0.001、p<0.001、およびp=0.005)。したがって、rhC5AR1タンパク質は、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例21
完全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)タンパク質は、C5aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:2によるrhC5AR1タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図21)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図21に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、77±23%)を引き起こした。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5a、およびヒトrhC5AR1タンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC5AR1 0.1 μg/ml: 3±4%; rhC5AR1 0.2 μg/ml: 5±7%; rhC5AR1 0.3 μg/ml: 18±23%; rhC5AR1 0.5 μg/ml: 39±29%)(それぞれp<0.001、p<0.001、p<0.001、およびp=0.001)。したがって、rhC5AR1タンパク質は、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例22
完全長の組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)タンパク質は、C5aおよびC3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:2によるrhC5AR1タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図22)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図22に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、88±11%)を引き起こした。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびヒトrhC5AR1タンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC5AR1 0.1 μg/ml: 5±7%; rhC5AR1 0.2 μg/ml: 18±21%; rhC5AR1 0.3 μg/ml: 33±19%; rhC5AR1 0.5 μg/ml: 38±24%)(それぞれp<0.001、p<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。したがって、rhC5AR1タンパク質は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例23
ウシ胎児血清の存在下での筋線維芽細胞に対する完全長組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)タンパク質濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:2によるrhC5AR1タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)および異なる濃度のヒトrhC5AR1タンパク質を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図23)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図23に示すように、ヒトrhC5AR1タンパク質は、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(rhC5AR1 0.1 μg/ml: 60±29%; rhC5AR1 0.2 μg/ml: 50±23%; rhC5AR1 0.3 μg/ml: 54±27%; rhC5AR1 0.5 μg/ml: 64±24%)。10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p=0.003、p<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。
実施例24
ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対する完全長組換えヒトC5aアナフィラトキシン走化性受容体1(rhC5AR1)タンパク質濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:2によるrhC5AR1タンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をウシ胎児血清を含まない、および異なる濃度のヒトrhC5AR1タンパク質を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図24)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図24に示すように、ヒトrhC5AR1タンパク質は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(rhC5AR1 0.1 μg/ml: 37±26%; rhC5AR1 0.2 μg/ml: 34±22%; rhC5AR1 0.3 μg/ml: 43±20%; rhC5AR1 0.5 μg/ml: 52±11%)。無血清対照ヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p=0.017、p=0.012、p<0.001、およびp<0.001)。
実施例25
完全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)タンパク質は、C3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:3によるrhC3ARタンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図25)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図25に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、74±22%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、およびヒトrhC3ARタンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC3AR 0.1 μg/ml: 13±19%; rhC3AR 0.2 μg/ml: 36±14%; rhC3AR 0.3 μg/ml: 50±22%; rhC3AR 0.5 μg/ml: 68±22%)(それぞれp<0.001、p<0.001、p=0.023、およびp=0.547)。したがって、rhC3ARタンパク質は、0.1 μg/ml、0.2 μg/ml、および0.3 μg/mlの濃度で、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例26
完全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)タンパク質は、C5aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:3によるrhC3ARタンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図26)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図26に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、77±23%)を引き起こした。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5a、およびヒトrhC3ARタンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC3AR 0.1 μg/ml: 44±20%; rhC3AR 0.2 μg/ml: 43±19%; rhC3AR 0.3 μg/ml: 60±28%; rhC3AR 0.5 μg/ml: 70±18%)(それぞれp=0.001、p=0.001、p=0.0103、およびp=0.460)。したがって、rhC3ARタンパク質は、0.1 μg/ml、および0.2 μg/mlの濃度で、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例27
完全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)タンパク質は、C5aおよびC3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:3によるrhC3ARタンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図27)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図27に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、88±11%)を引き起こした。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびヒトrhC3ARタンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(rhC3AR 0.1 μg/ml: 34±16%; rhC3AR 0.2 μg/ml: 61±24%; rhC3AR 0.3 μg/ml: 61±23%; rhC3AR 0.5 μg/ml: 67±24%)(それぞれp<0.001、p=0.012、p=0.006、およびp=0.044)。したがって、rhC3ARタンパク質は、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例28
ウシ胎児血清の存在下での筋線維芽細胞に対する完全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)タンパク質濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:3によるrhC3ARタンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)および異なる濃度のヒトrhC3ARタンパク質を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図28)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図28に示すように、ヒトrhC3ARタンパク質は、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(rhC3AR 0.1 μg/ml: 77±21%; rhC3AR 0.2 μg/ml: 77±31%; rhC3AR 0.3 μg/ml: 76±25%; rhC3AR 0.5 μg/ml: 72±19%)。10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p<0.001、p<0.001、p<0.001、およびp<0.001)。
実施例29
ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対する完全長の組換えヒトC3aアナフィラトキシン走化性受容体(rhC3AR)タンパク質濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:3によるrhC3ARタンパク質の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をウシ胎児血清を含まない、および異なる濃度のヒトrhC3ARタンパク質を含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図29)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図29に示すように、ヒトrhC3ARタンパク質は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(rhC3AR 0.1 μg/ml: 27±29%; rhC3AR 0.2 μg/ml: 31±35%; rhC3AR 0.3 μg/ml: 34±27%; rhC3AR 0.5 μg/ml: 50±29%)。無血清対照ヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p=0.136、p=0.114、p=0.028、およびp=0.004)。
実施例30
ヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマーは、C3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:41によるC5a結合部位を含む、ヒトC5aに結合するL−RNA/L−DNAアプタマー(C5aアプタマー)の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図30)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図30に示すように、C3a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、74±22%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、およびC5aアプタマーの存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(C5aアプタマー 1 μg/ml: 65±20%; C5aアプタマー 2 μg/ml: 55±31%; C5aアプタマー 3 μg/ml: 47±25%; C5aアプタマー 5 μg/ml: 51±16%)(それぞれp=0.356、p=0.112、p=0.017、およびp=0.017)。したがって、C5aアプタマーは、3 μg/ml、および5 μg/mlの濃度で、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例31
ヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマーは、C5aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:41によるC5a結合部位を含む、ヒトC5aに結合するL−RNA/L−DNAアプタマー(C5aアプタマー)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図31)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図31に示すように、C5a 0.1 μg/mlは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、77±23%)を引き起こした。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5a、およびC5aアプタマーの存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(C5aアプタマー 1 μg/ml: 31±33%; C5aアプタマー 2 μg/ml: 33±35%; C5aアプタマー 3 μg/ml: 29±27%; C5aアプタマー 5 μg/ml: 34±27%)(それぞれp<0.001、p<0.001、p<0.01、およびp<0.01)。したがって、C5aアプタマーは、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例32
ヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマーは、C5aおよびC3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こす
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:41によるC5a結合部位を含む、ヒトC5aに結合するL−RNA/L−DNAアプタマー(C5aアプタマー)の潜在的な機能的役割を探索するために、C5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をヒトC5aおよびヒトC3aで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図32)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図32に示すように、C5aおよびC3aは、どちらも0.1 μg/mlの濃度で、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; それぞれp<0.001およびp<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、88±11%)を引き起こした。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびヒトrhC3ARタンパク質の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(C5aアプタマー 1 μg/ml: 84±13%; C5aアプタマー 2 μg/ml: 84±13%; C5aアプタマー 3 μg/ml: 62±21%;C5aアプタマー 5 μg/ml: 49±33%)(それぞれp=0.519、p=0.495、p=0.005、およびp=0.007)。したがって、C5aアプタマーは、C5aおよびC3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例33
ウシ胎児血清の存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマー濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:41によるC5a結合部位を含む、ヒトC5aに結合するL−RNA/L−DNAアプタマー(C5aアプタマー)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞を10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)および異なる濃度のC5aアプタマーを含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図33)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図33に示すように、C5aアプタマーは、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(C5aアプタマー 1 μg/ml: 38±14%; C5aアプタマー 2 μg/ml: 41±19%; C5aアプタマー 3 μg/ml: 51±32%; C5aアプタマー 5 μg/ml: 73±34%)。10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p=0.005、p=0.001、p=0.020、およびp=0.001)。
実施例34
ウシ胎児血清の不存在下での筋線維芽細胞に対するヒトC5aに結合するRNA/DNAアプタマー濃度の影響
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:41によるC5a結合部位を含む、ヒトC5aに結合するL−RNA/L−DNAアプタマー(C5aアプタマー)の潜在的な機能的役割を探索するために、筋線維芽細胞に対するその濃度の影響を研究した。ヒト角膜実質細胞をウシ胎児血清を含まない、および異なる濃度のC5aアプタマーを含むDMEM増殖培地で24時間インキュベートした(図34)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した(無血清:11±14%; FCS:20±19%)。図34に示すように、C5aアプタマーは、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にわずかなプラス効果を有することが明らかになった(C5aアプタマー 1 μg/ml: 17±14%; C5aアプタマー 2 μg/ml: 13±10%; C5aアプタマー 3 μg/ml: 11±8%; C5aアプタマー 5 μg/ml: 5±4%)。しかしながら、無血清対照ヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意でなかった(それぞれ、p=0.219、p=0.629、p=0.983、およびp=0.270)。
実施例35
ヒトC5aに結合する抗体は、C5aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こすが、C3a、またはC3aおよびC5aの組み合わせによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こさない
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、ヒトC5aに結合する抗体(C5a Ab)の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a、C5a、およびC5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。さらに、ウシ胎児血清を含むおよび含まない筋線維芽細胞に対するその濃度の影響も研究した。
研究した抗体は、配列番号:20のアミノ酸23〜74内の配列に対応する、ヒト補体C5アイソフォーム1プレプロタンパク質(アクセッション番号:NP_001726)のアミノ酸700〜755内の配列に対して産生された、ポリクローナルウサギ免疫グロブリンG抗体250565(Abbiotec; San Diego, USA);ヒト補体C5アイソフォーム1プレプロタンパク質(アクセッション番号:NP_001726)のアミノ酸1275〜1290内の配列に対して産生された、ポリクローナルウサギ免疫グロブリンG抗体308733(Biorbyt; Cambridge, United Kingdom)であった。
ヒト角膜実質細胞をヒトC3a、ヒトC5a、およびヒトC5a/C3aの組み合わせで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図35および36)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図35および36に示すように、C3a、C5a、およびC5a/C3aは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; p値<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、C3a 0.1 μg/ml 74±22%;C5a 0.1 μg/ml: 77±23%; C5a 0.1 μg/mlおよびC3a 0.1 μg/ml: 88±11%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、およびC5a抗体の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少は見られなかった(C5a Ab (250565) 5 μg/ml: 78±14%; C5a Ab (308733) 5 μg/ml: 50±42%)(それぞれp=0.645、p=0.155)。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5a、およびC5a抗体の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(C5a Ab (250565) 5 μg/ml: 30±31%; C5a Ab (308733) 5 μg/ml: 29±31%)(それぞれ、p<0.001、p<0.001)。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびC5a抗体の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少は見られなかった(C5a Ab (250565) 5 μg/ml: 95±6%; C5a Ab (308733) 5 μg/ml: 76±30%)(それぞれ、p=0.079,p=0.294)。図35および36に示すように、C5a抗体は、10%FCSの存在下で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(C5a Ab (250565) 5 μg/ml: 49±29%; C5a Ab (308733) 5 μg/ml: 53±23%)。10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p<0.001、p=0.002)。図35および36に示すように、C5a抗体は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(C5a Ab (250565) 5 μg/ml: 32±25%; C5a Ab (308733) 5 μg/ml: 54±42%)。無血清対照ヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p=0.034、p=0.016)。したがって、C5a抗体250565(Abbiotec)、および308733(Biorbyt)は、5 μg/mlの濃度で、C3a、またはC3aおよびC5aの組み合わせによってではなく、C5aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例36
ヒトC3aに結合する抗体は、C3aによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こすが、C5a、またはC3aおよびC5aの組み合わせによって活性化される筋線維芽細胞の阻害を引き起こさない
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、ヒトC3aに結合する抗体(C3a mAb)の潜在的な機能的役割を探索するために、C3a、C5a、およびC5a/C3a活性化筋線維芽細胞に対するその存在の影響を研究した。さらに、ウシ胎児血清を含むおよび含まない筋線維芽細胞に対するその濃度の影響も研究した。
研究した抗体は、配列番号:43をカバーする、ヒト補体C3プレプロタンパク質(アクセッション番号:NP_000055.2)のアミノ酸541〜840内の配列に対して産生された、モノクローナルマウス免疫グロブリンG1(カッパ軽鎖)抗体sc28294(Santa Cruz Biotechnology; Dallas, USA);およびマウスC5タンパク質(Mastellos D et al. Mol Immunol 2004による参照による明細書)の配列に対して産生されたモノクローナルマウス免疫グロブリンG2a抗体HM1072(Hycult Biotech; Uden, The Netherlands)であった。
ヒト角膜実質細胞をヒトC3a、ヒトC5a、およびヒトC5a/C3aの組み合わせで24時間刺激し、活性化された筋線維芽細胞に関して評価した(図37および38)。活性化された筋線維芽細胞の検出には、aSMA抗体、ならびに細胞外マトリックスのマーカーとしてのビメンチン抗体を使用した。参照群として、それぞれ10%ウシ胎児血清(FCS、ウシ胎児血清)を含むおよび含まないDMEM増殖培地で24時間インキュベートしたヒト角膜実質細胞を使用した。図37および38に示すように、C3a、C5a、およびC5a/C3aは、参照群(無血清:11±14%; FCS:20±19%; p値<0.001)と比較して、筋線維芽細胞の有意な活性化(aSMA陽性細胞で測定、C3a 0.1 μg/ml 74±22%;C5a 0.1 μg/ml: 77±23%; C5a 0.1 μg/mlおよびC3a 0.1 μg/ml: 88±11%)を引き起こした。C3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、およびC3a抗体の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少が見られた(C3a mAb (sc28294) 5 μg/ml: 15±25%; C3a mAb (HM1072) 5 μg/ml: 21±23%)(それぞれp<0.001、p<0.001)。C5a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC5a、およびC53抗体の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少は見られなかった(C3a mAb (sc28294) 5 μg/ml: 89±14%; C3a mAb (HM1072) 5 μg/ml: 75±22%)(それぞれ、p=0.167、p=0.855)。C5aおよびC3a活性化筋線維芽細胞と比較して、ヒトC3a、C5a、およびC3a抗体の存在下でのインキュベーションにより、有意な減少は見られなかった(C3a mAb (sc28294) 5 μg/ml: 76±22%; C3a mAb (HM1072) 5 μg/ml: 94±13%)(それぞれ、p=0.165、p=0.301)。図37および38に示すように、C3a抗体は、10%FCSの存在下で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(C3a mAb (sc28294) 5 μg/ml: 61±29%; C3a mAb (HM1072) 5 μg/ml: 27±16%)。10%FCSで培養されたヒト角膜実質細胞と比較して、C3a mAb(sc28294) 5 μg/mlに対して差は有意であった(それぞれ、p=0.002、p=0.241)。図37および38に示すように、C3a抗体は、FCSを含まないDMEMでインキュベートしたヒト角膜実質細胞(無血清対照)と比較して、すべての濃度で筋線維芽細胞の活性化にプラス効果を有することが明らかになった(C3a mAb (sc28294) 5 μg/ml: 42±35%; C3a mAb (HM1072) 5 μg/ml: 24±16%)。無血清対照ヒト角膜実質細胞と比較して、差は有意であった(それぞれ、p<0.001、p=0.007)。したがって、C3a抗体sc28294(Santa Cruz Biotechnology)、およびHM1072(Hycult Biotech)は、5 μg/mlの濃度で、C5a、またはC3aおよびC5aの組み合わせによってではなく、C3aによって活性化された筋線維芽細胞の阻害を引き起こす原因であった。バー=平均の標準誤差。
実施例37
マウスC5L2タンパク質断片は、マウスにおいて角膜のアルカリ熱傷後の角膜線維症の形成を減少させる
眼の創傷または線維症を有する対象の治療における、配列番号:19によるマウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)の潜在的な機能的役割を探索するために、その存在の影響をin vivo角膜アルカリ熱傷マウスモデルで研究した。C57/BL6マウス(6〜8週齢)を、腹腔内全身麻酔下での角膜アルカリ熱傷の標準化されたマウスモデルに従って処理した(Saika S et al. Am J Pathol 2005)。2 μlの1M NaOH(水酸化ナトリウム)を浸した直径1.5 mmの濾紙を、立体顕微鏡視下で、右マウスの眼の角膜中央に2分間置き、角膜のアルカリ熱傷を誘発した。角膜アルカリ熱傷の直後に、処理した眼は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)および0.3%オフロキサシン軟膏(2、4、6および8日目)(PBS/対照群)、またはPBSおよび0.3%オフロキサシン軟膏(2、4、6および8日目)および1.5 μg/ml mC5L2点眼薬を1日5回(追跡期間全体中)のいずれかを受けた(mC5L2伴うPBS群)。
「PBS/対照群」および「mC5L2伴うPBS群」の創傷治癒治癒の経過を、遺伝子発現によって角膜アルカリ熱傷の5、10、および20日後に調べた。マウス角膜実質細胞から得られ、遺伝子発現Clariom Sマウスマイクロアレイから生成された、「PBS/対照」と「mC5L2を伴うPBS」群との間で発現レベルが異なる遺伝子のリストを表9(5日目)、表10(10日目)、および表11(20日目)に示す。角膜アルカリ熱傷後10日目に最も強い遺伝子発現の差が観察されたため、発現差のある遺伝子に対する100の最も重要な機能アノテーションを表12に示す。したがって、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)が、とりわけ、細胞外マトリックス組織化、コラーゲン代謝プロセス、成長因子に対する細胞応答、形質転換成長因子ベータ(受容体)シグナル伝達および平滑筋細胞分化の遺伝子発現に影響を与えることにより、マウスの角膜アルカリ熱傷後の創傷治癒および線維形成に影響を及ぼした。
角膜アルカリ熱傷の20日後の角膜線維症の臨床症状は、Cowell (Cowell BA et al. ILAR J 1999)、McDonald (McDonald TO et al. Eye irritation 1997, p579−582: Marzulli FN et al. Dermatotoxicology and pharmacology)、およびDrew (Drew AF et al., Invest Ophthalmol Vis Sci. 2000)に従って確立された角膜線維症評価システムを使用して評価した。Cowellスコアは、線維症の面積(0:なし、1:1〜25%、2:26〜50%、3:51〜75%、4:76〜100%)、混濁の密度(0:透明、1:わずかな曇り、瞳孔と虹彩の詳細が識別可能、2:曇り、しかし虹彩と瞳孔の輪郭は見えるまま、3:曇り、混濁は均一ではない、4:均一な混濁)、および表面の規則性(0:滑らか、1:わずかな表面の不規則性、2:粗い表面、いくらかの腫脹、3:顕著な腫脹、クレーターまたはデスメ膜瘤形成、4:穿孔または深刻なデスメ膜瘤)の評価の合計である。McDonald−(Shadduck)スコアは、角膜の透明度の評価である(0:可視病変なし、1:ある程度の透明度の喪失。下にある構造は拡散照明で明瞭に見える、2:中程度の透明度の喪失。拡散照明では下にある構造はほとんど見えないが、それでも検査および評価が可能である、3:透明度の深刻な喪失。拡散照明では、下にある構造は病変を通して見たときに見えず、それらの評価は正常に機能しない)。Drewヘイズスコアは、角膜ヘイズの評価である(0:完全な透明度、1/2:最小ヘイズ、1:軽度のヘイズ、2:顕著なヘイズ、3:前房と虹彩の完全な不明瞭化)。「PBS/対照」および「mC5L2を伴うPBS」群の角膜アルカリ熱傷の20日後の角膜線維症のCowell、McDonald、およびDrewによる評価スコアを図39に示す。マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)による治療は、PBS処理対照(それぞれ、Cowell: 6.4±0.8、McDonald: 2.4±0.5、Drew: 2.4±0.5; p=0.007、p=0.003、およびp=0.011)と比較して、スコアが大幅に低下した(Cowell: 4.5±1.5、McDonald: 1.4±0.5、Drew: 1.5±0.8)。Cowellスコアの項目に関しては、図40に示すように、PBSで治療した対照と比較して、mC5L2で治療すると、混濁の面積および密度が大幅に減少した(線維症の面積:2.9±1.0対3.8±0.4、p=0.035;混濁の密度:1.5±0.7対2.6±0.8、p=0.009)、ただし表面の規則性はない(表面の規則性:0.0±0.0対0.0±0.0、p=1.000)。したがって、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)は、マウスのアルカリ熱傷後の角膜線維症の抑制を引き起こし、その結果、混濁の密度が低下し、ヘイズが減少し、角膜の透明度が高くなり、線維化面積が小さくなった。バー=平均の標準誤差。
角膜アルカリ熱傷の20日後の「PBS/対照」および「mC5L2を伴うPBS」群の創傷治癒および線維症をタンパク質発現によって調べた。マウス角膜から得られ、「PBS/対照」群と「mC5L2を伴うPBS」群間で、タンパク質発現scioDiscover抗体マイクロアレイから生成された差次的に発現するタンパク質のリストを表13に示す。差次的に発現するタンパク質の機能アノテーションタンパク質を表14に示す。したがって、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)は、特に創傷への応答、免疫系プロセス、コラーゲンの異化過程、ならびに細胞外マトリックスの分解と組織化のタンパク質発現に影響を与えることにより、マウスの角膜アルカリ熱傷後の創傷治癒および線維形成に影響を及ぼした。要約すると、マウスC5L2タンパク質断片(mC5L2)は、表12および14に示すように、多様な生物学的プロセスを介在させることにより、マウスの角膜アルカリ熱傷後の線維症の抑制を引き起こし、その結果、角膜上の線維症の面積が小さくなり、混濁が減少した。
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Claims (23)

  1. 補体−アナフィラトキシンC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aに結合し、それによって好ましくはC5aおよび/またはC3aおよび/またはC4aの活性を阻害する、眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  2. 前記吸着薬は、タンパク質またはその断片、ペプチド、非IgGスキャフォールド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、抗体または抗体様タンパク質、ペプチド模倣薬またはその断片を含む群から選択される、請求項1に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  3. 前記吸着薬は、創傷の治癒、特に角膜の創傷の治癒を促進するために投与される、請求項1または2に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  4. 前記吸着薬は、配列番号:20または配列番号:21で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C5aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、ここで重複は抗体、抗体様タンパク質、または吸着薬および特定のペプチド断片の標的アミノ酸配列の重複を意味する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  5. 前記吸着薬は、配列番号:22〜34によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみC5aに結合しうる、請求項4に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  6. 前記吸着薬は、配列番号:35〜40(配列番号:35: X12ETCEX3RX4、配列番号:36: X56KX789L、および配列番号:37: X56KX789I)によるアミノ酸配列によって形成されるC5aのエピトープにも結合しうる、ここでX1はN、H、D、F、K、Y、およびTからなる群から選択され;X2はD、L、Y、およびHからなる群から選択され;X3はQ、E、およびKからなる群から選択され;X4はA、V、およびLからなる群から選択され;X5はS、H、P、およびNからなる群から選択され;X6はHおよびNからなる群から選択され;X7はD、N、H、P、およびGからなる群から選択され;X8はM、L、I、およびVからなる群から選択され;およびX9はQ、L、およびIからなる群から選択される、請求項4に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  7. 前記吸着薬は、配列番号:43で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C3aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  8. 前記吸着薬はまた、配列番号:44〜47によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC3aに結合しうる、請求項7に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  9. 前記吸着薬は、配列番号:48または配列番号:49で示されるアミノ酸配列を有する補体成分C4aタンパク質のいくつかの重複ペプチド断片に結合しうる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  10. 前記吸着薬はまた、配列番号:50によるアミノ酸配列を有するタンパク質の断片内のエピトープまたは断片と重複するエピトープでのみヒトC4aに結合しうる、請求項9に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  11. 前記吸着薬は、抗体または抗体様タンパク質である、請求項1〜10に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  12. 前記吸着薬はアプタマーである、請求項1〜10に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  13. 前記吸着薬はアプタマーであり、ここで前記アプタマーは配列番号:41に開示されているようなRNAおよび/またはDNAからなる核酸分子に関連しうる、請求項12に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  14. 前記吸着薬はアプタマーであり、ここで前記アプタマーは配列番号:41に開示されているようなRNAおよび/またはDNAからなる核酸分子に関連しうる、およびここで前記アプタマーは配列番号:42からなるC5a上の結合部位に結合する、請求項13に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  15. 前記吸着薬は配列番号:1に記載のヒトC5L2タンパク質、配列番号:1のヒトC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質/ペプチドまたは断片、配列番号:2に記載のヒトC5aR1タンパク質、配列番号:2のヒトC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:3に記載のヒトC3aRタンパク質、配列番号:3のヒトC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:4に記載のマウスC5L2タンパク質、配列番号:4のマウスC5L2タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:5に記載のマウスC5aR1タンパク質、配列番号:5のマウスC5aR1タンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、配列番号:6に記載のマウスC3aRタンパク質、および配列番号:6のマウスC3aRタンパク質の全長アミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択されるタンパク質またはタンパク質断片である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  16. 前記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも一つの保存領域を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  17. 前記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:7に記載のアミノ酸配列、配列番号:8に記載のアミノ酸配列、配列番号:9に記載のアミノ酸配列、配列番号:10に記載のアミノ酸配列、配列番号:11に記載のアミノ酸配列、配列番号:12に記載のアミノ酸配列、配列番号:13に記載のアミノ酸配列、配列番号:14に記載のアミノ酸配列、配列番号:15に記載のアミノ酸配列、配列番号:16に記載のアミノ酸配列、配列番号:17に記載のアミノ酸配列、および配列番号:7〜17に記載のアミノ酸配列のいずれか一つと少なくとも60%同一であるタンパク質または断片、を含む群から選択される少なくとも二つの保存領域を含む、請求項16に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  18. 前記吸着薬はタンパク質/ペプチドまたはタンパク質断片であり、配列番号:18に記載のアミノ酸配列および配列番号:19に記載のアミノ酸配列を含む群から選択される少なくとも一つの保存領域を含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための吸着薬。
  19. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の、少なくとも二つの吸着薬、好ましくはタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物。
  20. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の、少なくとも三つのタンパク質またはタンパク質断片を含む組成物。
  21. 眼の創傷および/または線維症を有する対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の吸着薬または請求項19または20に記載の組成物を含む、医薬組成物。
  22. 前記対象は、結膜炎および結膜瘢痕(眼類天疱瘡を含む)、強膜炎および上強膜炎、角膜潰瘍による角膜瘢痕および混濁、角結膜炎、角膜炎、水疱性角膜症、角膜変性症、虹彩毛様体炎ならびに虹彩および毛様体の癒着、脈絡網膜炎(chorioretinal inflammation)または変性または出血または破裂または血管新生に起因する脈絡網膜瘢痕/線維症、線維性硝子体網膜症(fibrotic vitreoretinopathies)、たとえば増殖性硝子体網膜症、未熟児網膜症および糖尿病性網膜症;脈絡膜血管新生および黄斑変性症、続発性緑内障、眼内炎、および眼科手術または眼球内異物を含む外傷後の創傷治癒障害および線維症、を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項19または20に記載の組成物、または請求項21の医薬組成物。
  23. 前記対象は、(特発性)肺線維症、皮膚ケロイド形成、強皮症、骨髄線維症、腎臓線維症、膵臓線維症、および心臓線維症、ならびに(非)アルコール性脂肪性肝炎、糸球体腎炎、および(ANCA関連)血管炎における線維症を含む群から選択される疾患に罹患している、対象の治療における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の吸着薬、または請求項19または20に記載の組成物、または請求項21の医薬組成物。
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